JP2019509757A - 環境試料から培養された微生物の増加した効率及び多様性 - Google Patents

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Abstract

フミン酸及び関連物質を含む増殖培地を使用して、環境試料から微生物を単離する方法が記載される。一例において、単離された微生物は、以前に培養されたことがないか、又は以前に未知であった。フミン酸を使用して単離された微生物は、その後に、フミン酸を含まない培地上で培養できる。

Description

いくつかの環境における微生物は「培養不可能」であると言われる。これらの微生物は、現在の技法を利用して実験室内で培養することができない。しかし、これらの環境由来の試料から得られたDNA配列から、その微生物が存在することが確認される。一例において、1グラムの土は、数百万から数十億の微生物を含むと頻繁に述べられる。しかし、これらの微生物のわずか1%しか実験室内で培養できないともしばしば述べられる。環境試料由来の微生物は種々の用途があり得るので、培養可能な環境試料由来の微生物の比率を増加させることができる方法があれば有用であろう。
発明者らは、フミン酸又は関連物質を微生物増殖培地に加えることにより、以前に培養不可能であると考えられていた微生物並びに以前に未知であった微生物が環境試料から培養できることを発見した。したがって、培養不可能及び未知の微生物を含む微生物を、フミン酸、その塩、そのアナログ、又はピートを含む培地を使用して環境試料から単離する方法が本明細書に開示される。一例において、単離される微生物は、細菌又は古細菌であり得る。環境試料は、土壌を含む種々の源由来であり得る。
発明者らは、フミン酸又は関連物質を含む培地を使用する微生物の初期培養の後、微生物を、フミン酸又は関連物質を含まない培地上で成長させることができることも発見した。
以下の詳細な説明と共に実施例を説明するのに役立つ、本明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面において、フミン酸及び関連物質を使用して環境試料から微生物を単離する方法及び方法に関連する試薬の実施形態が説明される。図面に表される実施形態が、限定のためでなく説明の目的で示されることが認識されるであろう。図面に表される実施形態からの変更、改変、及び逸脱が、以下に開示される通り、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずになされ得ることが認識されるであろう。
土壌試料の段階希釈物を、R2A培地(左)又はフミン酸を含むR2A培地(右)に播種した後の、寒天含有培地上の細菌コロニー形成の増加した効率を示す実施例実験を説明する。図の上段の2つのプレートは、土壌試料の同じ段階希釈物で播種した。下段の2つのプレートは、土壌試料の同じ希釈物で播種したが、図の上段で示されたプレートとは異なる希釈率であった。 フミン酸を含む培地上で単離された細菌を、その後に、フミン酸を含まない培地上で成長させることができることを示す実施例実験を表す。図のパネルAに示される2つのプレートは、元々R2Aプレート上で単離され、次いで滅菌されたつま楊枝を使用して図に示されるR2Aプレートに移された細菌コロニーを含む。図のパネルBに示された4つのプレートは、元々0.5%フミン酸を含むR2Aプレート上で単離され、次いで滅菌されたつま楊枝を使用して図に示されるR2Aプレート(フミン酸を含まない)に移された細菌コロニーを含む。
定義
下記は、本開示全体及び特許請求の範囲で使用され得る選択された用語の定義を含む。定義は、用語の範囲内に入り、実施のために利用され得る構成成分の種々の例及び/又は形態を含む。例は限定的でないものとする。用語の単数形と複数形の両方が定義内に入る。
本明細書では、「周囲雰囲気」は、周辺領域中の一般的な大気組成物を意味する。例えば、5%CO、又は10%未満のOを含む大気組成物は本明細書において周囲と考えられない。1%未満のCO、又は約21%Oの大気組成物は本明細書において周囲雰囲気状態と考えられる。
本明細書では、「古細菌」は、その細胞壁中にペプチドグリカンを持たず、脂肪酸を含まないその膜中に脂質を有する原核生物を意味する。
本明細書では、「寒天」は、一般に海藻から誘導され、培養培地に使用されて粘稠性の点で固体又は半固体である培地を提供するゼラチン状物質を意味する。一例において、培地中の約0.5〜1.5%(重量/体積)の寒天濃度が、微生物の培養プレートに使用され得る。本明細書において、寒天は一種のゲル化剤と考えられる。
本明細書では、「約」は、述べられた値又はパラメーターに対して±10%を意味する。
本明細書では、第1の物質(例えば、フミン酸)の「アナログ」は、第1の物質に構造の面で類似しているがいくつかの相違点がある第2の物質を指す。アナログは合成のものであり得る。
本明細書では、「細菌」は、その細胞壁中にペプチドグリカンを有し、脂肪酸を含むその膜中に脂質を有する原核生物を意味する。
本明細書では、「コロニー」は、一般に固体又は半固体の培地(例えば、寒天含有培地)の表面上の、たいていは単一の細胞の分裂から発生した微生物の目に見える集団を意味する。細菌により形成されたコロニーは「細菌コロニー」と呼ばれることがある。
本明細書では、微生物に言及される場合の「培養すること」は、微生物を成長又は増殖させることを意味する。「から培養された」は、成長している微生物が得られた源を指す。「中で培養された」又は「上で培養された」は、微生物が培養される場所を指す。例えば、寒天含有培地上で培養された微生物は、一般に、粘稠性の点で固体又は半固体である培地上で成長しつつある。
本明細書では、「決定する」は、確認すること又は発見することを意味する。「決定すること」は、確認又は発見する行為を意味する。確認又は発見されたものは、「決定された」と言われることがある。
本明細書では、名詞として使用される場合の「希釈物」は、希釈されていない液体と比較して、低下した濃度のあるものを含む液体を指す。
本明細書では、「多様性」は変化に富むこと又は異なることを意味する。例えば、第1の微生物集団は、第2の微生物集団より多様性に富む、又はより多くの多様性を有すると言われることがある。一例において、これは、第1の集団が、第2の集団より、多くの異なる微生物の種又は多くの異なる微生物の属を含むことを意味し得る。
本明細書では、微生物の培養に言及される場合の「効率」は、ある状態(例えば、フミン酸の存在下)において別の状態(例えば、フミン酸なし)より高い、(例えば、寒天を含む培地上に)播種された微生物の数あたりの形成されたコロニーの比を意味する。
本明細書では、「環境試料」は、環境(例えば、生息地)のあらゆる部分から採取又は取得された試料を意味する。例の環境試料は、土壌、水、木、昆虫、蠕虫、活性汚泥など由来であり得る。
本明細書では、「濃縮」は、試料中のあるものの数又は比率を増加させることを意味する。
本明細書では、「除外する」は、妨げる又は抜かすことを意味する。
本明細書では、「促進する」は、何かが起こることを助けるか、又は何かを容易にすることを意味する。
本明細書では、「ゲル化剤」は、液体に加えられてその液体を粘稠性の点で固体又は半固体にする物質を指す。このような種々の物質が存在する。例のゲル化剤は、寒天、アガロース、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、ゲランガム、グアーガム、キサンタンガムなどを含み得る。
本明細書では、「フミン酸」は、希アルカリに可溶性であるが、pHが酸性になるにつれ不溶性になるフミン質の主要な成分(フルボ酸及びフミンはフミン質の他の主要な成分である)を指す。フミン酸「に関連する」物質は、フミン酸アナログ、合成フミン酸を含み得るが、ピートも含み得る。
本明細書では、「示す」は、指摘又は表示することを意味する。
本明細書では、「単離する」は、分離又は隔離することを意味する。「単離すること」は、分離又は隔離する行為である。一例において、単一の微生物が、多くの異なる微生物を含む土壌試料から単離され得る。
本明細書では、微生物の培養培地に関連する「培地」は、微生物の成長を支持する組成物を指す。例の増殖培地は、液体培地(例えば、ブロス)又は固体/半固体培地(例えば、寒天含有培地)を含み得る。
本明細書では、「微生物」は、哺乳類ではない細胞(例えば、細菌、真菌、酵母、古細菌)を意味する。
本明細書では、「得る」は、手に入れる又は取得することを意味する。
本明細書では、「ピート」は、一般的に、部分的に分解された野菜/植物質を指す。
本明細書では、「ペトリ皿」は、微生物の培養に使用される、平らな蓋のついた浅く一般的には透明な皿を意味する。
本明細書では、「播種すること」は、環境試料、環境試料由来の微生物、又は環境試料若しくは微生物の希釈物を、固体又は半固体の微生物培養培地(例えば、寒天含有培地)に適用することを指す。「播種された」は、固体又は半固体の微生物培養培地に適用されたものを指す。
本明細書では、「部分」は全体の一部を意味する。
本明細書では、「先の」は前を意味する。
本明細書では、「原核生物」は、膜に包まれた核を有さない単細胞生物を意味する。
本明細書では、「認識すること」は、何かについて知っていることを意味する。
本明細書では、「塩」は、物質のイオン性形態を指す。
本明細書では、「選択すること」は選ぶことを意味する。
本明細書では、「土壌」は、一般的に、地面の上層に存在する有機物、無機物、気体、液体、微生物などの混合物を指す。
本明細書では、「その後の」は、別な何かの発生の後の、時間における何かの発生を指す。
本明細書では、「合成の」は、天然に存在するのではなく合成された何かを指す。合成物質はアナログであり得る。
本明細書では、「分類群」は、関連する生物が分類される階層分類上の群を指す。例えば、具体的な属は、具体的な種と同様に、分類群である。種々の異なる属及び種がある。
本明細書では、「移す」は、ある場所から別の場所への移動を意味する。
本明細書では、微生物に言及される場合の「培養不可能な」は、現在の技術(すなわち、本開示の前の技術)を利用して培養が不可能なことを意味する。培養不可能であると考えられる微生物は、例えば、技術が進歩した場合、最終的に培養され得る。一例において、本明細書に開示される方法を利用して培養された微生物は、以前は培養されなかったかもしれない。本開示の状況において、そのような微生物は、微生物が培養されるようになるのは本明細書に開示される技術的な進歩のためなので、培養不可能と呼ばれることになる。
本明細書では、微生物に言及される場合の「未知」は、微生物が存在すると以前に知られていなかったことを意味する。本明細書において、フミン酸を使用して単離された微生物は、本明細書に開示される方法の開示の前には知られていなかったので、未知と呼ばれ得る。未知の微生物は、例えば、新たな属又は種を形成し得る。未知の微生物は、存在が以前に報告されていなかった。他方で、既知の微生物は、存在が知られており、既知の分類群の一部であり得る。
本明細書では、「使用する」は、利用すること又は使い始めることを意味する。「使用すること」は、利用又は使い始める行為を意味する。利用されたか、又は使い始められたものは「使用された」と言われることがある。
環境試料及び培養不可能な微生物
微生物(例えば、古細菌、細菌、真菌、酵母)は、恐らく、生物圏の全ての部分並びに多くの生命体の上又は中に存在する(すなわち微生物相)。生物圏/微生物相由来の試料が調達され、その中の微生物が培養なしに試料中に検出されることがある。しかし、本明細書に開示されるのは、これらの試料から培養される微生物の効率及び/又は多様性を増加させる方法である。
典型的な環境試料は、地面(例えば、土壌、永久凍土、堆積物)、水(例えば、淡水、海水、熱水噴出口)、空気、環境中の物質(例えば、腐っている木のような腐敗しつつある物質、堆肥)から、動物(例えば、哺乳動物、昆虫、蠕虫)の表面(例えば、皮膚)から、動物(例えば、ヒト)の内部(例えば、消化管、腸)から、植物若しくは植物関連物質(例えば、植物の根、植物の種)から、場合によると大気圏外空間などから得ることができる。環境試料は、人造又は人工の環境(例えば、廃水、活性汚泥、病院、及び換気システム)から調達することもできる。一般に、環境試料は、自然環境から、人工環境から、自然環境の企図された複製などから調達できる。一例において、環境試料は土壌である。一例において、環境試料は水である。
これらの環境の一部から得た試料中の微生物の一部は「培養不可能」であり得る。培養不可能な微生物は、現在の技術を利用して、その微生物が培養できない(例えば、実験室中)のでそのように呼ばれる。しかし、DNAシークエンシングのような技法が培養不可能な微生物のゲノムを検出できるので、培養不可能な微生物は試料中に検出され得る。いくつかの環境試料中に、DNAが検出されなかった微生物もある。これらの微生物は、現在存在することが知られていないので「未知」と呼ばれることがある。未知の微生物は、培養可能なことも、培養不可能なこともある。培養不可能な微生物は、既知のことも、未知のこともある。一例において、培養不可能且つ/又は未知の微生物は原核生物(例えば、古細菌、細菌)であり得る。一例において、培養不可能且つ/又は未知の微生物は真核生物(例えば、真菌、酵母)であり得る。
例えば、保存されたヌクレオチド配列(例えば、16s rRNAヌクレオチド配列)が、環境試料由来の微生物から得られた場合、その保存された配列が、培養不可能且つ/又は未知の微生物を源とするかどうかを決定することは可能であり得る。種々の公開されているヌクレオチド配列データベースは、例えば、培養可能な微生物か培養不可能な微生物のいずれかを源とすると一般的に示される16S rRNA配列を含む。16S rRNA配列は、例えば、これらのデータベースに同一配列を問い合わせるのに使用できる(例えば、BLASTNを利用)。これらの配列問い合わせから生じた配列一致(すなわち、問い合わせ配列と同一性を有するデータベース中の検索された配列)は、一般的に、培養可能な微生物か培養不可能な微生物のどちらを源とするかを特定され、問い合わせ配列が、培養可能であると知られている微生物か培養不可能であると知られている微生物のどちらを源とするのかを決定するのを助け得る。問い合わせ配列とデータベース中の配列との間の配列一致がないということは、16S rRNA問い合わせ配列が以前に記載されていない微生物(すなわち、未知の微生物)を源とすることを示し得る。
問い合わせ配列と検索された配列との間の「配列一致」は、問い合わせ配列と検索された配列との間の同一性に基づいて決定でき、同一性は、一般的に問い合わせ配列の所与の長さ(例えば、長さの99%)にわたって測定可能である。配列同一性一致は、例えば、少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%の、問い合わせ配列と検索された配列との間の同一性レベルを含み得る。配列同一性一致の欠如は、これらの述べられたレベルのいずれよりも低い同一性レベルを含み得る。一例において、16S rRNA問い合わせ配列とデータベースから検索された配列との間の少なくとも94、95、又は96%の配列同一性一致は、問い合わせ配列が生じた元の微生物が、検索された配列が生じた元の微生物と同じ分類上の属(taxonomic genus)内に分類されるべきであることを示し得る。一例において、16S rRNA問い合わせ配列と検索された配列との間の少なくとも94、95、又は96%の配列同一性一致は、検索された配列が培養不可能な微生物由来であることが示されている場合、問い合わせ配列が生じた元の微生物も、少なくともそのような微生物が本明細書に開示される方法を利用して培養されるまで、培養不可能であると分類されるべきであることを示し得る。
フミン酸、塩、及びアナログ
土壌の有機物は、フミン質又は非フミン質と分類され得る。フミン質は、植物、動物、微生物などの変化した又は変換された成分(例えば、分解された有機物)で構成されている。非フミン質には、植物、動物、微生物などの変化していない残物(例えば、分解されていない)がある。フミン質は、一般的に、フミン酸成分、フルボ酸成分、及びフミン成分を含むと考えられている。フミン酸成分、及びフミン酸成分の全て又は一部を含み得る物質が、環境試料由来の微生物の播種の効率を増加させること及び/又は環境試料から単離された微生物の多様性を増加させることが可能であると本明細書に開示される。
フミン質のこれらの3種の成分−フミン酸、フルボ酸、及びフミン−は、一部分、異なるpH値でのそれらの水への溶解度に基づいて定義される。例えば、フミン酸成分は、一般的にアルカリ性のpHで水溶性であるが、酸性条件下で溶解性が低下する。一例において、フミン酸は、pH2で水に対して不溶性であるが、より高いpH値で次第に可溶性になるフミン質の一部であると定義され得る。フルボ酸成分は、一般的に、全pH値で水に可溶性である。フミン成分は、一般的に、全pH値で不溶性である。
化学的には、フミン酸は、多くの場合フェノール置換基及びカルボン酸置換基を含む、弱い脂肪族有機酸と芳香族有機酸の複雑な混合物である。フミン酸(HA)は、その一様でない化学的特徴のために多分散性であると呼ばれ得る。フミン酸(HA)の分子サイズは、一例において、およそ約10,000〜約100,000の範囲であり得る。フミン酸(HA)は、無機微量鉱物元素と容易に塩を形成し得る。フミン酸とその塩の両方が使用でき、本明細書に開示される方法において活性を有し得る。
フミン質、及びしたがってフミン酸は、土壌(例えば、腐植土)、ピート、褐炭、石炭、湖及び小川の堆積物、海水、並びに頁岩(例えば、レオナルダイト)の成分であり得る。フミン酸は、これらの物質のいくつかから(例えば、簡便な源は、腐植土に富んだ土、ピートモス、堆肥であり得る)、種々の方法を利用して得ることも抽出することもできる。フミン酸は、フミン酸が生産されるように有機物質(例えば、植物性物質)の分解を促進するように構成された系から得ることもできる。フミン酸は、ポリフェノールのような物質の重合によっても形成され得る。これらの方法のいくつかは、例えば、米国特許第5,854,032号明細書に記載されている。フミン酸を抽出又は製造する他の方法も利用できる。フミン酸は、商業的に購入することもできる(例えば、Sigma−Aldrich 53680番)。上述の物質−ピート、褐炭、石炭、堆積物、海水、頁岩など−も、環境試料から単離された微生物の播種効率及び/又は多様性を増加させる物質の範囲内にある。
フミン酸の塩は、環境試料から単離された微生物の効率及び多様性を増加させることができる物質の範囲内にある。一例において、フミン酸の塩の形成は、その中のカルボキシル基及び/又はヒドロキシル基がその水素イオンを解離し、陽性のカチオン(例えば、鉄、銅、亜鉛、カルシウム、マンガン、マグネシウムなどのような金属カチオン)と結合する能力に依存する。フミン酸の塩は、商業的に購入することもできる(Sigma−Aldrich H16752番)。
フミン酸アナログ及び合成フミン酸(フミン酸アナログも合成であり得る)も存在し、環境試料から単離された微生物の効率及び多様性を増加させ得る物質の範囲内にある。一例において、特定のキノンは、その1つがアントラキノン−2,6−ジスルホナート(AQDS)であるが、フミン酸のアナログであると考えられている。合成フミン酸は、当技術分野に公知である方法により製造できる(例えば、V.A.Litvin,R.L.Galagan.“Synthesis and Properties of Synthetic Analogs of Natural Humic Acids.”Russian Journal of Applied Chemistry 85,no.2,2012)。
フミン酸は分別することができ、留分のいくつかは本明細書に開示される方法に首尾よく使用することができる。分別の一例において、フミン酸は、わずかに塩基性のpHの0.1M炭酸水素アンモニウムの水溶液に加えられる。不溶性物質は混合物から除去される。残った溶液を、5,000の分子量より大きい分子をフィルター上に残すフィルターに通す一方で、5,000の分子量より小さい分子はフィルターを通過する。フィルター上に残った物質は、土壌試料由来の微生物の播種の効率を増加させる活性及び/又は土壌試料から単離された微生物の多様性を増加させる活性を有することが示され得る。フミン酸を分別する他の方法を利用できる。
フミン酸を使用する微生物の単離
本明細書に開示される方法の一例において、微生物は、フミン酸又は関連物質を含む微生物増殖培地を使用して、環境試料から単離される。一般的に、フミン酸は、あらゆる微生物培養培地に加えることができる。種々の例において、微生物培地は、細菌、真菌、酵母、及び古細菌を含む種々の異なる微生物を培養するように設計されていることがある。一例において、培養培地は、細菌の成長を支持することが知られていることがある。一例において、増殖培地は、R2A、TSA、LB、NA、ISP2、イェンセン(Jensen’s)などを含み得る。培地へのフミン酸の添加は、一般的に、フミン酸を含まない培地を使用する播種の効率及び/又は多様性に比較して、微生物の播種の効率(すなわち、成長する微生物の数)及び/又は環境試料から培養される微生物の多様性を増加させる。一例において、既知であるが以前に培養不可能であった微生物又は以前に未知であった微生物を、フミン酸又は関連物質を含む培地上で培養できる。
微生物の培養に使用される培地は、液体でも、半固体でも、固体でもよい。半固体又は固体の培地は、一例において、ゲル化剤を液体培地に加えることにより製造できる。一般的なゲル化剤は寒天である。しかし、いくつかの他のゲル化剤が存在し、使用できる。例には、アガロース、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、ゲランガム、グアーガム、キサンタンガム、及び他のものがある。一般的に、半固体又は固体の培地に播種される微生物は、培地が微生物の成長の助けになる環境(例えば、周囲雰囲気中で30℃での2〜3日のインキュベーション)に配置される場合、分裂して、ある時間の後コロニーを形成し得る。しかし、これらの条件(例えば、インキュベーションの日数、温度、雰囲気)は変わることがあり、経験的に決定できる。
異なる形態のフミン酸は、フミン酸を欠く培地に比較して増加した播種の効率及び環境試料から単離された微生物の増加した多様性を生み出すには、培地内の異なる濃度を要し得る。一例において、0%(重量/体積)を超える種々のフミン酸形態のいずれかの濃度が利用され得る。一例において、フミン酸形態は、0%を超え約5%未満の濃度(例えば、0.25、0.50、1.50、2.00、2.50%)で使用され得る。一例において、フミン酸形態は、0%を超え約0.25%未満の濃度(例えば、0.10、0.15、0.20、0.25%)で使用され得る。一例において、培地に使用されるフミン酸の濃度は0.1%でも、0.1%超でもない。一例において、約0〜5%又は0.05〜2.00%のフミン酸の濃度が利用され得る。一例において、約0.25%未満のフミン酸の塩の濃度が利用され得る。一例において、約0.5%のピートの濃度が利用され得る。
一例において、使用者が、環境試料から培養される微生物の効率及び/又は多様性が、培地中にフミン酸を使用することにより増加し得ることを認識し得るので、ある形態のフミン酸を含む培地が、開示される方法に使用するために選択又は選ばれる。この認識の後に、使用者はフミン酸を含む培地を使用して、例えば、培養不可能な微生物及び/又は未知の微生物を環境試料から単離し得る。
一例において、微生物を環境試料から単離することは、環境試料の一部を、フミン酸及び/又はその種々の形態を含む培地上又はその中で直接培養した後で起こる。「直接培養」は、この文脈において、中間の手順又は工程が、増加した播種の効率及び/又は単離された微生物の増加した多様性を得るために一般的に必要とされないことがあることを意味する。例の中間工程は、環境試料中又はそれ由来の特定の微生物を濃縮する濃縮工程(例えば、速く成長する微生物を濃縮する集積培養;優勢な微生物を濃縮する希釈培養)を含み得るか、且つ/又は環境試料由来の微生物の、フミン酸を含む培地を使用して培養される前の予備的な成長を含み得る。フミン酸を含む培地上での成長の前の環境試料の保存(例えば、冷却された環境中)、又はフミン酸を含む培地に段階希釈物の一部を適用する前の環境試料からの段階希釈物の製造のような手順が、この文脈において一般的に中間工程と考えられないことに留意されたい。したがって、一例において、環境試料の全部若しくは一部、又はその希釈物は、中間の手順又は工程の利用なしに、フミン酸又はその形態の1つを含む培地上又はその中で培養される。他の例において、中間手順が利用され得る。
本開示の方法に従ってフミン酸を使用して培養又は単離される微生物は、その後に、一例において、フミン酸を含まない培地上で培養できる。一例において、最初にフミン酸を含む培地を使用して単離された微生物は、微生物がフミン酸含有培地上で成長したのに類似して又は同様に成長し得る。一例において、最初にフミン酸を含む培地を使用して単離された微生物は、それらがフミン酸含有培地上で成長したよりもゆっくりと成長し得る。一例において、最初にフミン酸を含む培地を使用して単離された微生物は、フミン酸を含まない培地上で成長しないことがある(例えば、さらなる又はその後の成長にフミン酸が必要とされることがある)。一例において、最初にフミン酸を含む培地上で単離された微生物は、最初の単離に使用されたよりも少ないフミン酸を含む培地上で成長し得る。
一例において、開示される方法を利用して培養又は単離される微生物は、細菌のことも、古細菌のこともある。これらの細菌及び古細菌は、本明細書に開示される通り、種々の異なる属及び種のものであり得る。一例において、開示される方法を利用して培養される細菌は、以下の属のいずれかのものであり得る:アクチノタレア(Actinotalea)、アミコラトプシス(Amycolatopsis)、アクアバクテリウム(Aquabacterium)、バチルス(Bacillus)、バークホルデリア(Burkholderia)、カエニモナス(Caenimonas)、ダーマコッカス(Dermacoccus)、レイフィソニア(Leifisonia)、リシニバチルス(Lysinibacillus)、マルモリコラ(Marmoricola)、マッシリア(Massilia)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ムチラギニバクター(Mucilaginibacter)、ノカルディア(Nocardia)、ノカルディオイデス(Nocardioides)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、パエニバシラス(Paenibacillus)、フィチコッカス(Phycicoccus)、ラムリバクター(Ramlibacter)、リゾバクター(Rhizobacter)、ルガモナス(Rugamonas)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、ストレプトミセス(Streptomyces)、テラバクター(Terrabacter)、テトラスファエラ(Tetrasphaera)、チューメバチルス(Tumebacillus)、及びバリオボラックス(Variovorax)。しかし、本明細書に開示されるもの以外の多くの属及び種を、本方法を利用して培養できる。
一例において、本明細書に開示される方法を利用して培養される微生物は、放線菌(Actinomycetales)目のものでないことがある(例えば、この目の微生物は除外されることがある)。一例において、本明細書に開示される方法を利用して培養される微生物は、アシドバクテリウム(Acidobacteria)門及びウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門のものでないことがある(例えば、これらの門の一方又は両方の微生物は除外されることがある)。一例において、除外されるアシドバクテリウム(Acidobacteria)は亜門1にのみ属することがある。一例において、除外されるウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)は亜門4にのみ属することがある。
本明細書に開示される方法を利用して単離された微生物を特定する(例えば、属及び種)試みがなされることがある。一例において、特定は、本方法を使用して単離された細菌から16S rRNAのヌクレオチド配列、又は部分的なヌクレオチド配列を得た後になされることがある。本明細書の別の場所に記載されている通り、これらの配列を利用して、種々のデータベースに、同一又はほぼ同一の配列(すなわち検索された配列)を問い合わせることができる。これらの方法により、特定の16S rRNAが生じた元の単離された微生物を分類群に対応づけることが可能になり得る。或いは、これらの方法により、単離された微生物を、培養不可能及び/又は未知であると決定することが可能になり得る。一例において、微生物を、データベース中の配列に対するその16S rRNA配列の十分な同一性に基づいて分類群に対応づけることが可能でない場合、微生物は、培養不可能及び/又は未知であると決定することができる。単離された微生物を分類又は対応づけるこれらの試みは、16S rRNA配列のみを利用することがある。いくつかの例において、16S rRNA配列は、他の遺伝子の配列、複数の遺伝子の配列、又はさらにはゲノム全体の配列と組み合わせて使用されることがある。
以下の実施例は、種々の実施形態を説明する目的のものであり、限定であると解釈されないものとする。
実施例1.フミン酸を含む培地の調製
種々の微生物培地を、これらの試験で使用した。R2A(Dehydrated R2A Agar、DF1826−07−3番)、TSA(Dehydrated Tryptic Soy Agar、DF0369−07−8番)、LB(Dehydrated Luria−Bertani Agar、DF0445−17−4番)、NA(Oxoid(商標)Nutrient Agar、OXCM0003B番)、及びISP2(Dehydrated ISP Medium 2、DF0770−17−9番)を、Fisher Scientificから購入した。Jensen’s Medium Agar(M710番)をHiMedia Laboratories(Mumbai,India)から購入した。
フミン酸(53680番;Sigma−Aldrich,St.Louis,Missouri,USA)又はフミン酸ナトリウム塩(H16752番;Sigma−Aldrich,St.Louis,Missouri,USA)を、オートクレーブ処理の前に、示されたパーセンテージ(重量/体積)で培地に加えた。オートクレーブ処理の後、53680番フミン酸を含む培地では、寒天プレートを注ぎながら培地を渦巻かせて、フミン酸が均一に培地全体に分布することを確実にした。
下記を含む、種々のピートもこれらの試験で使用した:DAKOTA(商標)Peat(DAKOTA Peat & Equipment,Grand Forks,North Dakota,USA)、Partac Peat Corporation(Great Meadows,New Jersey,USA)の詳細不明の(unspecified)ピート、McMaster−Carr Supply Company(Elmhurst,Illinois,USA)の詳細不明のピート、Organic Products Company(Groveland,Florida,USA)の詳細不明のピート、及び「CxC Enviro」と名付けられた発明者らの実験室の詳細不明のピート。
フルボ酸をKelp4Less.com(Idaho Falls,Idaho,USA)から得た。
ピート及びフルボ酸を、上述の通りフミン酸と同様に培地に加えた。
実施例2.環境試料
土壌試料を、Chapel Hill、North Carolina、USAの植林された区域から得た。第1の土壌試料(土壌試料A)を2015年10月に調達した。第2の土壌試料(土壌試料B)を2015年11月に調達した。試料を、互いの約100フィート内の区域から得た。試料は、土表面から約15cmの深さまでの土壌を含んでいた。土壌試料Bはバルク土壌であった。試料Aは、バルク土壌に加え、植物根の物質も含んでいた。土壌試料を使用まで4℃で冷蔵庫中に保存した。
土壌試料に加え、池水試料、朽木からの木試料、及びミミズ試料もこれらの試験に使用した。これらの3種の試料を、土壌試料を得たChapel Hill、North Carolina区域に非常に近い区域で得た。
実施例3.フミン酸を含む培地を使用して土壌から細菌を単離する増加した効率
土壌(0.5gの土壌試料A)を、50mlの滅菌されたリン緩衝液(phosphorus buffer)(NC00716471番;Fisher Scientific)に加え、激しく混合した。混合物の段階希釈物をリン緩衝液中で作成し、希釈物のアリコートをR2Aプレート又は0.5%フミン酸(Sigma−Aldrich 53680番)を含むR2Aプレート上で培養した。プレートを30℃で2〜3日間周囲雰囲気中でインキュベートし、次いで、細菌コロニーの形成に関して調査した。
図1は、これらの実験の実施例結果を示す。図1において、段階希釈物のアリコートを播種した2つのR2Aプレートを左に示し、同等なアリコートを播種した2つのR2A+フミン酸プレートを右に示す(フミン酸を含む寒天は色が濃い)。図1の上部に示される2つのプレートは、図1の下部に示される2つのプレートとは異なる希釈率で播種した。
結果は、R2Aプレート上よりも多くの微生物のコロニーがR2A+フミン酸プレート上にあったことを示す。これは、フミン酸の添加により、これらの土壌環境試料から細菌を培養する効率が増加したことを示すものであった。全般的に、一部分にはR2A培地は細菌の成長を支持するように設計されているので、これらの試験で形成されたコロニーの大部分は細菌のコロニーであった。
試料から細菌を単離する増加した効率がR2Aプレートに特異的であるか、或いは他の種類の培地に観察されるより一般的な現象であるかを試験するために、0.5%フミン酸を添加した、又は添加していないいくつかの異なる種類の寒天培地を類似の播種実験で使用した。使用された異なる種類の培地は、実施例1に記載されている。既に説明した通り、リン酸緩衝液中で作成した土壌の段階希釈物を培地上で培養した。30℃で2〜3日のプレートのインキュベーション後に、コロニーを数えた。異なる段階希釈物のアリコートを播種したプレートから得られたコロニー数を、希釈係数に基づいて調整した。これらの実験の実施例結果を表1に示す。
これらのデータは、試験した培地のそれぞれで、0.5%(重量/体積)のフミン酸の添加がプレート上のコロニーの数を増加させたことを示す。これらの実験において、6種の異なる培地を使用して、フミン酸なしに比べたフミン酸によるコロニーの増加は、2.1倍(NA+HA)から6.0倍(LB+HA)の範囲であった。これらのデータは、フミン酸によりこれらの土壌微生物を播種する効率を増加させる効果が特定の培地に特異的ではなく、多くの異なる種類の培養培地に作用する一般的な現象であることを示す。
別の組の実験を実施して、土壌試料から細菌を播種する効率を最適化するフミン酸の濃度を決定した。試料から段階希釈した試料を、上述の通り、ある範囲のフミン酸濃度(Sigma−Aldrich 53680番)を含むR2Aプレート上に播種し、培養した。
表2及び3は、これらの試験から得た実施例データを表す。
表2及び3のデータは、R2Aプレート中の0.05%から少なくとも2%のフミン酸の濃度が、フミン酸を全く含まないR2Aプレートに比べてコロニーの数を増加させたことを示す。試験した最低濃度である0.05%フミン酸が、フミン酸を全く含まないプレートの1.6倍のコロニーを生み出したので(表2)、0と0.05%との間のフミン酸濃度も微生物播種の増加した効率をもたらすと考えられる。コロニー数増加をもたらした試験したフミン酸の最高濃度は2%であった(表3;フミン酸を全く含まないプレートの3.5倍のコロニー)。試験されたフミン酸の次に高い濃度は5%であり(表3)、フミン酸を全く含まないプレートに比べてコロニー数の減少をもたらした(フミン酸のないプレート上でのコロニー数の0.5倍)。これらのデータは、2%より高いある濃度で、フミン酸は播種の効率をもはや増加させないことを示唆している。これらのデータは、実施例の土壌試料から細菌を播種する効率が増加するフミン酸の濃度が、最低の方で0.05と0.5%との間のある濃度及び最高の方で0.5と1.0%との間のある濃度であったことを示唆している。全体として、発明者らは、0.5%フミン酸を発明者らの試験の多くに使用した。
フミン酸に加えて、フミン酸のナトリウム塩(H16752番;Sigma−Aldrich,St.Louis,Missouri,USA)を、土壌から細菌を単離する効率を増加させるその能力に関して試験した。フミン酸のこの塩は、非塩形態とは異なり、培地への添加後及び培地のオートクレーブ処理の間に可溶性になった。
非塩形態のフミン酸による試験と同様に、これらのフミン酸塩試験は、上述の通り、段階希釈した土壌を播種及び培養することにより実施した。これらの試験の実施例結果を表4、5、及び6に示す。
発明者らの所見は、R2A培地中の0.5%濃度の非ナトリウム塩形態のフミン酸がコロニーの数を増加させたが、この濃度のナトリウム塩形態のフミン酸が、フミン酸なしに比べてコロニーの数を減少させたことであった(表4)。0.25%未満の濃度では(例えば、0.05%、0.01%、及び0.002%)、ナトリウム塩形態のフミン酸は、微生物コロニー形成の効率を増加させた(表6)。しかし、少なくともこれらの実施例試験において、この増加は、非塩形態のフミン酸の最適濃度による増加ほど高くなかった。
実施例4.土壌から細菌を単離する効率に対するピート及びフルボ酸の効果
フミン酸の他に、他の物質を、実施例の環境試料由来の微生物のコロニー形成効率を増加させるその能力に関して試験した。種々の源由来のピートを、フルボ酸と同様に試験した(ピート及びフルボ酸は実施例1に記載されている)。これらの物質を、実施例1に記載の通り、R2Aプレートに0.5%(重量/体積)で組み込んだ。土壌試料Aのリン緩衝液中の段階希釈物を、実施例3に記載の通り、培地上に播種して培養した。ピート及びフルボ酸で得られた実施例結果を、フミン酸(Sigma−Aldrich 53680番)で得られた結果と比較した。これらの試験の実施例結果を表7に示す。
データは、フルボ酸を含まない培地に比べてフルボ酸がコロニー形成を増加させるように見えなかったが、試験したピートのいくつかがコロニー形成の効率を増加させたことを示す。
実施例5.フミン酸を使用して土壌以外の環境試料から微生物を単離する効率
土壌以外の環境試料からの微生物の単離に対するフミン酸の効果を試験する実験を実施した。池水、腐敗木、及びミミズからの試料を、実施例2に記載の通り調達した。
池水試料の段階希釈物を、土壌に関して実施例3に記載の通り実施したのと同様に製造した。腐敗木試料に関しては、2gの木試料を100mlのリン緩衝液に加え、激しく混合し、段階希釈物を製造した。ミミズ試料に関しては、ミミズを、エタノールですすぎ、水で3回すすぎ、次いで40%グリセロール中で−80℃で保存した。次いで、ミミズを解凍し、乳鉢と乳棒を使用して均質になるまでつぶし、段階希釈物を製造した。
これらの試料全てで、段階希釈物のアリコートを、R2Aプレート上及び0.5%フミン酸(Sigma−Aldrich 53680番)を含むR2Aプレート上で、三連で培養した。プレートを、30℃で3日間周囲雰囲気中でインキュベートし、コロニーを数えた。池水試料の実施例結果を表8に示す。
データは、池水試料に関して、R2Aに比較してR2A及びフミン酸上のコロニーに約20%の増加があったことを示す。発明者らは、腐敗木及びミミズ試料に関してフミン酸の存在下でのコロニー数の増加を見なかった(R2A上のコロニーの数は、R2A+HA上と同じであった)。
実施例6.フミン酸の存在下で単離された微生物のフミン酸の継続した存在の要求なし
フミン酸を含む培地を使用して環境試料(例えば、土壌)から単離した微生物が、成長のためにフミン酸の継続した存在を要求するかどうかを決定する試験を実施した。これらの実験を実施するために、実施例3に記載の通り、R2Aプレートか、0.5%フミン酸(Sigma−Aldrich 53680番)を含むR2Aプレートのいずれかの上での土壌の播種の後に単離された無作為に選択された単一コロニーを、滅菌されたつま楊枝を使用して、フミン酸を含まないR2Aプレートに移した。R2Aプレートに移した微生物の成長を評点した。
図2は、本試験の実施例結果を示す。図2のパネルAは、試験の対照アームを表す。パネルA(白線の上)は、土壌をR2Aプレート(フミン酸を含まない)上に播種した後に形成された個別のコロニーを移した2つのR2Aプレート(フミン酸を含まない)を示す。コロニーを、元のR2Aプレートから、パネルAに示されるR2Aプレートに、滅菌されたつま楊枝を使用して移した。元のR2Aプレートの異なる個別のコロニーを、図2Aに示される2つのR2Aプレートのそれぞれの上の輪郭を描いた32の正方形のそれぞれに移した。図2A中のデータは、元のR2Aプレートから移された64のコロニーのうちおよそ57(約89%)が、その後に、元のコロニーが移されたR2Aプレート上で成長したことを示す。
図2のパネルBは、試験の実験アームを表す。パネルB(白線の下)は、フミン酸を含むR2Aプレート上での土壌の播種後に形成された個別のコロニーを移した4つのR2Aプレート(フミン酸を含まない)を示す。コロニーを、フミン酸を含む元のR2Aプレートから、パネルBに示されるR2Aプレートに、滅菌されたつま楊枝を使用して移した。フミン酸を含む元のR2Aプレートからの異なる個別のコロニーを、図2Bに示される4つのR2Aプレートのそれぞれの上の輪郭を描いた32の正方形のそれぞれに移した。図2B中のデータは、0.5%フミン酸を含む元のR2Aプレートから移された128のコロニーのうちおよそ114(やはり約89%)が、その後に、元のコロニーが移されたR2Aプレート上で成長したことを示す。
これらの結果は、元々フミン酸を含む培地上で単離された微生物を、フミン酸を含まない培地上で成長させる効率が比較的高い(ほぼ90%)ことを示す。この効率は、元々フミン酸を含まない培地上で単離された細菌を、その後にフミン酸を含まない培地上で成長させる効率とほぼ同じである。
発明者らは、元々フミン酸を含む培地上で単離された細菌の一部(およそ10%)が、フミン酸が除去されると、その後に非常にゆっくりと成長するように見えることを観察した。発明者らは、元々フミン酸を含む培地で単離された細菌コロニーが、フミン酸が除去されると成長しないように見えることも時折観察した。
したがって、全般的に、発明者らは、フミン酸を微生物培地から除くことができ、元々フミン酸を含む培地上で単離された微生物はそれでも増殖することを観察する。
実施例7.フミン酸を含む培地を使用して土壌から単離された細菌の増加した多様性
前記試験は、フミン酸が、環境試料由来の微生物がコロニーを形成し、試料から単離され得る効率を増加させることを表した。本明細書の実施例7及び8において、フミン酸が単離に使用されない場合の微生物の多様性に比較して、フミン酸が環境試料から単離された微生物の多様性を増加させたかどうかを決定するように設計された試験を説明する。
これらの試験を実施するために、土壌試料B(実施例2に記載)を、実施例3に記載の通り、R2Aプレートか0.5%フミン酸(重量/体積;Sigma−Aldrich 53680番)を含むR2Aプレートのいずれかの上で培養した後に、微生物のコロニーを得た。単離された各クローンの培養物を、GENEWIZ,Inc.(Research Triangle Park,North Carolina,USA)に送り、そこで16S rRNA遺伝子シークエンシングが実施された(http://www.genewiz.com/public/16S_rRNA.aspx)。或いは、培養物を、16S rRNAシークエンシング(http://www.midilabs.com/dna−sequencing)のために、MIDI Labs,Inc.(Newark,Delaware,USA)に送った。
発明者らの分析(分析は以下に記載し、分析のデータは表9に示す)の目標は、フミン酸を含むR2Aプレート上で単離された微生物由来の配列と同等な数のR2Aプレート上で単離された微生物由来の16S rRNA配列を分析して、単離された微生物の正体を決定することである。しかし、発明者らが微生物を16S rRNAシークエンシングのために外部に送ったので、発明者らは、シークエンシングの質に依存して異なる数の許容できるリードを含む群でベンダーから配列データを受け取った。16S rRNAからのリードが少なくとも1000の連続したヌクレオチドを含む場合、配列を許容できると見なし、発明者らの分析に含めた。1群の配列をベンダーから受け取ると、発明者らは、群内の許容できる配列全てを発明者らの分析に含めた。したがって、発明者らの分析(表9)は、R2Aプレートを使用して単離された微生物からの最初の48の許容できる16S rRNA配列及びフミン酸を含むR2Aプレートを使用して単離された微生物からの最初の55の許容できる16S rRNA配列を含んでいた。
発明者らの分析のために、単離された微生物からの許容できる16S rRNA配列(すなわち「問い合わせ配列」)を使用して、NCBI BLASTNデータベース(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PAGE_TYPE=BlastSearch)に、問い合わせ配列に最も同一である、データベース中に含まれる配列(本明細書では「検索された配列」と称する)を問い合わせた。検索された配列が、問い合わせ配列の長さの少なくとも99%にわたって問い合わせ配列に対して少なくとも96%の同一性を有する場合、問い合わせ配列を得た元の微生物を、最高の同一性が検索された配列が生じた元の微生物の分類上の属と対応づけた。発明者らの分析において、この規則の例外は、最高の同一性が検索された配列のデータベース記録が、検索された配列が培養不可能な微生物由来であることを示した場合、問い合わせ配列が得られた元の単離された微生物を特定の属のメンバーとしてではなく「培養不可能」と分類したことであった。
さらに、発明者らの分析の一部として、問い合わせ配列が、問い合わせ配列の長さの少なくとも99%にわたって問い合わせ配列に対して少なくとも96%の同一性を有する検索された配列を返さなかった場合、問い合わせ配列が得られた元の微生物(すなわち、発明者らの単離された微生物の1つ)を、以前に未知であった微生物であると考えた。言い換えると、この場合、発明者らは、以前に誰も特定したことがない微生物を特定しただけでなく、フミン酸を含む培地を使用してこの微生物を首尾よく培養したと結論づけた。
表9は、分析の結果を示す。これらのデータは、R2Aプレートから単離された48種の微生物及びフミン酸を含むR2Aプレートから単離された55種の微生物を含んでいる。
表9に示される通り、48種の微生物をR2Aプレートから単離し、分析に含めた。48種の微生物の中に、14種の異なる属が表された。この試験でR2Aプレートから得た属の多様性の1指標は、追加の属が特定される前に単離しなければならない微生物の平均数の評価である。これは、単離された全微生物の数(すなわち48)を、この試験で特定された属の総数(すなわち14)で割ることにより決定できる。この試験から、3.4の微生物が、追加の属が特定される前に単離された。R2Aプレートから単離された14種の異なる属のうち7種は、R2A+HAプレートから単離された55種の微生物のうちに表されなかった。さらに、R2Aプレートから単離された48種の微生物のうち、培養不可能と分類された微生物はなく、以前未知であった微生物はなかった。
やはり表9に示されている通り、55種の微生物をR2A+HAプレートから単離し、分析に含めた。55種の微生物の中に、18種の異なる属が表された。単離された全微生物の数(すなわち55)を、この試験で特定された属の総数(すなわち18)で割ることにより、追加の属が単離される前に3.1の微生物を単離したことが決定された。R2A+HAプレートからは、R2プレート(すなわち3.4)より、属あたりにより少ない微生物(すなわち3.1)が単離されたので、フミン酸を含む培地から単離された微生物の多様性は、フミン酸を含まない培地から単離されたものより高いと評価される。さらに、R2A+HAプレートから単離された19種の異なる属のうち11種は、R2Aプレートから単離された48種の微生物のうちに表されなかった。
重要なことは、フミン酸を含む培地を使用して単離された55種の微生物のうち、4種の微生物(4/55≒7%)が、以前に培養不可能であると知られていたことである。本開示は、これら4種の生物が培養された最初の報告である。対照的に、培養不可能な生物は、この試験においてフミン酸の非存在下で単離されなかった(0/48)。
さらに、フミン酸を使用して単離された55種の微生物のうち3種(5%超)は、以前に未知であった。本開示は、これらの微生物の存在の最初の報告である。対照的に、未知の微生物は、この試験においてフミン酸の非存在下で単離されなかった(0/48)。
データを別の見方で見ると、フミン酸を使用して単離された微生物のほぼ13%(7/55)は、培養されたことが以前に一度も報告されなかったか、以前に未知であった。フミン酸を使用しなかった場合に、培養不可能又は以前に未知であった生物は一つも単離されなかった(0/48)。より多くの生物が群内で分析されるにつれ(フミン酸では55に対してフミン酸なしでは48)、珍しい事象(培養不可能且つ以前に未知であった生物)が検出される確率が高くなることに留意されたい。しかし、フミン酸群中の増加した数の生物(55、対して、非フミン酸群では48)は、この試験におけるフミン酸群(7)と非フミン酸群(0)との間の培養不可能/以前に未知の微生物の数の差を説明しない。
全体として、これらの結果は、増殖培地中のフミン酸の含有が、フミン酸の非存在に比べて、単離された微生物の多様性を増加させるという結論を支持する。
実施例8.培養不可能且つ未知の微生物
実施例7に記載の試験が完了した後、発明者らは、0.5%フミン酸を含むR2Aプレートを使用して、追加の微生物を土壌試料Bから単離し続けた。70種の追加の微生物分離株が、フミン酸を使用して得られた。16S rRNAのヌクレオチド配列を、70種の追加の微生物から得た。この実施例8では、発明者らは、125種の全微生物中に発見された培養不可能且つ以前に未知の微生物を報告する(実施例7に記載の55種及び実施例8に記載の追加の70種)。これらの試験を、既に記載の手順を利用して実施した。
表10は、これらの微生物に関する情報を含む。表の1列は、単離された微生物が培養不可能と決定されていたか、或いは以前に未知であったと決定されていたかを示す。これらの決定は、実施例7に記載の分析を利用して実施した。表10の2列は、各微生物の数字による表示を示す。3列は、単離された微生物から得た16 rRNA配列(すなわち、データベースへの問い合わせに使用された配列)に存在する連続するヌクレオチドの数を示す。4列は、単離された微生物から得られた16S rRNA配列に対する最高の同一性を有する検索された配列の受入れ番号である。5列は、検索された配列のデータベース記録から得られた、検索された配列が生じた元の微生物の全般的な説明を含む。
表10中のデータは、フミン酸を使用して土壌から単離された125種の生物のうち、8種の株(6%超)は培養されたことが一度も報告されておらず、3種の株(2%超)は以前に記載されたことが一度もない。したがって、フミン酸を使用して単離された125種の生物のおよそ9%が、以前に培養不可能であると考えられたか、或いは新たなものである。
さらに、少なくとも28種の既知の属の細菌が、125種の生物の中にあった。これらの属には下記がある:アクチノタレア(Actinotalea)、アミコラトプシス(Amycolatopsis)、アクアバクテリウム(Aquabacterium)、バチルス(Bacillus)、バークホルデリア(Burkholderia)、カエニモナス(Caenimonas)、ダーマコッカス(Dermacoccus)、レイフィソニア(Leifisonia)、リシニバチルス(Lysinibacillus)、マルモリコラ(Marmoricola)、マッシリア(Massilia)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ムチラギニバクター(Mucilaginibacter)、ノカルディア(Nocardia)、ノカルディオイデス(Nocardioides)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、パエニバシラス(Paenibacillus)、フィチコッカス(Phycicoccus)、ラムリバクター(Ramlibacter)、リゾバクター(Rhizobacter)、ルガモナス(Rugamonas)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、ストレプトミセス(Streptomyces)、テラバクター(Terrabacter)、テトラスファエラ(Tetrasphaera)、チューメバチルス(Tumebacillus)、及びバリオボラックス(Variovorax)。
実施例9.フミン酸の分別及び活性
フミン酸(Sigma−Aldrich 53680番の7g)を、150mlの0.1M炭酸水素アンモニウムと混合し、水酸化アンモニウムを使用してpHを9に調整した。約105mlの混合物を分離用遠心分離機中で7,000xgで10分間遠心分離した。上清を、5,000分子量カットオフフィルター(Corning(登録商標)Spin−X(登録商標)UF 20 ml Centrifugal Concentrator,5,000 MWCO Membrane)により5,000xgで20℃で30分間遠心分離した。フロースルーを、さらに3回フィルターに通して遠心分離した。フィルター上に残った物質を、緩衝液に懸濁させ、10%酢酸を使用してpHを7に調整した。物質を凍結乾燥させた。その後に、土壌試料からの微生物の播種の効率増加をもたらしたフミン酸の活性が、5,000分子量カットオフフィルター上に残されたこの試料中に存在することを示した。発明者らは、土壌試料からの微生物の播種の効率を増加させるフミン酸中の活性の大部分が、5,000の分子量又はそれ以上であることを結論する。
例の組成物、方法などが記載により説明されており、記載が相当詳細にされているが、本願の範囲を制限又はどのようにも限定することは出願人らの意図でない。もちろん、本明細書に記載される組成物、方法などを記載する目的で、成分又は方法論の考えられる全ての組み合わせを記載するのは可能でない。追加の利点及び改変は、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、示され記載される具体的な詳細及び実例に限定されない。このように、本願は、本願の範囲内にある変更、改変、及び変形物を包含するものとする。さらに、前述の記載は本発明の範囲を限定しないものとする。
用語「含む(includes)」又は「含んでいる(including)」が詳細な説明又は特許請求の範囲で利用される限り、用語「含んでいる(comprising)」が請求項中の移行部として使用される場合に解釈される通り、それに類似して包括的であるものとする。さらに、用語「又は」が詳細な説明又は特許請求の範囲中で利用される限り(例えば、A又はB)、それは、「A若しくはB又は両方」を意味するものとする。出願者らが「A又はBのみで両方ではない」を示すことを意図する場合、用語「A又はBのみで両方ではない」を利用することになる。そのため、本明細書での用語「又は」の使用は、包括的であり、排除的な使用ではない。Bryan A.Garner,A Dictionary of Modern Legal Usage 624(2d.Ed.1995)を参照されたい。また、用語「中の(in)」又は「中に(into)」が本明細書又は特許請求の範囲中で使用される限り、さらに「上で(on)」又は「上に(onto)」を意味するものとする。さらに、用語「接続する(connect)」が本明細書又は特許請求の範囲中で使用される限り、「直接接続する」だけでなく、別な要素又は複数の要素を介して接続するなど「間接的に接続する」も意味するものとする。
本発明の例の実施形態
1.フミン酸、その塩、そのアナログ、又はピートを含む培地を使用して、培養不可能な微生物又は未知の微生物を環境試料から単離すること
を含む、基本的にそれからなる、又はそれからなる方法。
2.培養不可能な微生物又は未知の微生物が、単離された後、フミン酸、その塩、そのアナログ、又はピートを含まない培地を使用して培養されることが可能である、実施形態1に記載の方法。
3.単離工程の後に
培養不可能な微生物又は未知の微生物を、フミン酸、その塩、そのアナログ、又はピートを含まない培地を使用して培養することを含む、実施形態1及び2のいずれか1つに記載の方法。
4.単離工程に使用される培地がフミン酸を含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
5.単離工程に使用される培地中のフミン酸の濃度が、0%(重量/体積)より高く、約5%(重量/体積)未満である、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
6.フミン酸がSigma−Aldrich 53680番を含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.単離工程に使用される培地がフミン酸の塩を含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
8.単離工程に使用される培地中のフミン酸の塩の濃度が、0%(重量/体積)より高く、約0.25%(重量/体積)未満である、実施形態1〜3及び7のいずれか1つに記載の方法。
9.フミン酸の塩がSigma−Aldrich H16752番を含む、実施形態1〜3、7、及び8のいずれか1つに記載の方法。
10.単離工程に使用される培地がゲル化剤を含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法。
11.ゲル化剤が寒天を含む、実施形態10に記載の方法。
12.単離が、約30℃で周囲雰囲気中での約2〜3日のインキュベーション後の、寒天を含む培地上での培養不可能な微生物又は未知の微生物のコロニーの形成を含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
13.環境試料が土壌又は水を含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の方法。
14.単離工程に使用される培地が、ISP2、イェンセン、LB、NA、R2A、又はTSAを含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法。
15.単離工程の前に
環境試料から培養される微生物の効率又は多様性が、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む培地を使用することにより増加され得ることを認識しながら、微生物を単離するための培地を選択することを含む、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の方法。
16.培養不可能な微生物又は未知の微生物が放線菌(Actinomycetales)目の微生物を除外する、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の方法。
17.培養不可能な微生物又は未知の微生物が、アシドバクテリウム(Acidobacteria)門及びウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門の微生物を除外する、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の方法。
18.アシドバクテリウム(Acidobacteria)が亜門1に属し、ウェルコミクロビウム(Verrrucomicrobia)が亜門4に属する、実施形態17に記載の方法。
19.培養不可能な微生物及び未知の微生物が原核生物である、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の方法。
20.培養不可能な微生物及び未知の微生物が細菌又は古細菌である、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
21.フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む培地の上又はその中で、環境試料から細菌を培養すること;及び
その後に、細菌を、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地の上又はその中で培養すること
を含む、基本的にそれらからなる、又はそれらからなる方法。
22.フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む培地の上又はその中での環境試料からの培養が、事前の濃縮手順又はフミン酸、その塩、若しくはそのアナログを含まない培地の上若しくはその中での事前の培養が無い状態で起こる、実施形態21に記載の方法。
23.細菌が培養不可能又は未知の細菌である、実施形態21及び22のいずれか1つに記載の方法。
24.環境試料から細菌を単離する方法であって、
環境試料の一部を、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含むゲル化剤を含む培地上に、細菌コロニーが培地上に形成するように播種すること
を含み、基本的にそれからなり、又はそれからなり、
細菌コロニーが、放線菌(Actinomycetales)目及びアシドバクテリウム(Acidobacteria)門又はウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門を除外する方法。
25.コロニーから得た細菌が培養不可能な細菌又は未知の細菌である、実施形態24に記載の方法。
26.コロニーから得た細菌が、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地上で培養されることが可能である、実施形態24及び25のいずれか1つに記載の方法。
27.播種工程の後に
コロニーから得た細菌を、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地を使用して培養することを含む、実施形態24〜26のいずれか1つに記載の方法。
28.播種工程の前に、培養不可能な細菌又は未知の細菌を単離する確率が、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む培地を使用することにより増加し得ることを認識することを含む、実施形態24〜27のいずれか1つに記載の方法。
29.コロニーから得た細菌から、16S rRNAの少なくとも部分的な配列を得ることを含む、実施形態24〜28のいずれか1つに記載の方法。
30.細菌コロニーから得た細菌が、アクチノタレア(Actinotalea)、アミコラトプシス(Amycolatopsis)、アクアバクテリウム(Aquabacterium)、バチルス(Bacillus)、バークホルデリア(Burkholderia)、カエニモナス(Caenimonas)、ダーマコッカス(Dermacoccus)、レイフィソニア(Leifisonia)、リシニバチルス(Lysinibacillus)、マルモリコラ(Marmoricola)、マッシリア(Massilia)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ムチラギニバクター(Mucilaginibacter)、ノカルディア(Nocardia)、ノカルディオイデス(Nocardioides)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、パエニバシラス(Paenibacillus)、フィチコッカス(Phycicoccus)、ラムリバクター(Ramlibacter)、リゾバクター(Rhizobacter)、ルガモナス(Rugamonas)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、ストレプトミセス(Streptomyces)、テラバクター(Terrabacter)、テトラスファエラ(Tetrasphaera)、チューメバチルス(Tumebacillus)、及びバリオボラックス(Variovorax)属のメンバーである、実施形態24〜29のいずれか1つに記載の方法。
31.環境試料から細菌を培養する方法であって、
環境試料又はその希釈物を、細菌コロニーが培地上に形成するように、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む寒天含有培地上に播種することであって、環境試料中の細菌が、事前の濃縮又は事前の成長を受けなかった状態で播種すること;及び
細菌コロニーの1つ以上を、細菌コロニーが、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地の上又はその中で成長するように、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地に移すこと
を含む、基本的にそれらからなる、又はそれらからなる方法。
32.細菌コロニーの1つから16S rRNA配列の少なくとも一部分を得ること;及び
少なくとも部分的に16S rRNA配列に基づいて、細菌コロニーの分類群を決定することを含む、実施形態30に記載の方法。
33.分類群を決定できないことが、細菌が培養不可能であるか、又は以前に未知であったことを示す、実施形態32に記載の方法。
34.細菌コロニーが放線菌(Actinomycetales)目のものでなく、アシドバクテリウム(Acidobacteria)門又はウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門のものでない、実施形態31〜33のいずれか1つに記載の方法。
35.播種工程の前に、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む培地が、環境試料からの細菌の培養を促進し得ることを認識する、実施形態31〜34のいずれか1つに記載の方法。
36.土壌環境試料から細菌を単離する方法であって、
フミン酸、その塩、又はそのアナログの細菌培地への添加が、土壌環境試料から単離された細菌の効率及び/又は多様性を増加させ得ることを認識すること;
土壌環境試料の一部分から、細菌コロニーが細菌培地上で形成するように、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む寒天含有細菌培地上で細菌を培養すること;及び
その後に、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地の上又はその中で、細菌コロニーから細菌を培養すること
を含む、基本的にそれらからなる、又はそれらからなる方法。
37.細菌コロニーの1つから16S rRNAの少なくとも部分的なヌクレオチド配列を得ること;及び
少なくとも部分的に16S rRNA配列に基づいて、細菌コロニーの1つから得た細菌が以前に未知であったか、又は培養不可能であることを決定することを含む、実施形態36に記載の方法。
38.単離された細菌が放線菌(Actinomycetales)目のものでない、実施形態36及び37のいずれか1つに記載の方法。
39.単離された細菌が、アシドバクテリウム(Acidobacteria)門又はウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門のものでない、実施形態36〜38のいずれか1つに記載の方法。
40.フミン酸がSigma−Aldrich 53680番を含み、フミン酸の塩がSigma−Aldrich H16752番を含む、実施形態36〜39のいずれか1つに記載の方法。
41.実施形態1〜40のいずれか1つに記載の方法により単離された微生物又は細菌。
42.微生物の成長を支持することが可能である培地を含むペトリ皿であって、培地が、フミン酸、その塩、又はそのアナログ、及びゲル化剤を含み、培地上に形成した培養不可能又は未知の微生物のコロニーを含むペトリ皿。

Claims (42)

  1. フミン酸、その塩、そのアナログ、又はピートを含む培地を使用して、培養不可能な微生物又は未知の微生物を環境試料から単離すること
    を含む、基本的にそれからなる、又はそれからなる方法。
  2. 前記培養不可能な微生物又は未知の微生物が、単離された後、フミン酸、その塩、そのアナログ、又はピートを含まない培地を使用して培養されることが可能である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記単離工程の後に
    前記培養不可能な微生物又は前記未知の微生物を、フミン酸、その塩、そのアナログ、又はピートを含まない培地を使用して培養することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記単離工程に使用される前記培地が前記フミン酸を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記単離工程に使用される前記培地中の前記フミン酸の濃度が、0%(重量/体積)より高く、約5%(重量/体積)未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記フミン酸がSigma−Aldrich 53680番を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記単離工程に使用される前記培地が前記フミン酸の塩を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記単離工程に使用される前記培地中の前記フミン酸の塩の濃度が、0%(重量/体積)より高く、約0.25%(重量/体積)未満である、請求項1〜3又は7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記フミン酸の塩がSigma−Aldrich H16752番を含む、請求項1〜3、7、又は8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記単離工程に使用される前記培地がゲル化剤を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記ゲル化剤が寒天を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 単離が、約30℃で周囲雰囲気中での約2〜3日のインキュベーション後に、寒天を含む前記培地上での前記培養不可能な微生物又は未知の微生物のコロニーの形成を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記環境試料が土壌又は水を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記単離工程に使用される前記培地が、ISP2、イェンセン、LB、NA、R2A、又はTSAを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記単離工程の前に
    環境試料から培養される微生物の効率又は多様性が、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む培地を使用することにより増加され得ることを認識しながら、微生物を単離するための培地を選択することを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記培養不可能な微生物又は未知の微生物が放線菌(Actinomycetales)目の微生物を除外する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記培養不可能な微生物又は未知の微生物が、アシドバクテリウム(Acidobacteria)門及びウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門の微生物を除外する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記アシドバクテリウム(Acidobacteria)が亜門1に属し、前記ウェルコミクロビウム(Verrrucomicrobia)が亜門4に属する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記培養不可能な微生物及び前記未知の微生物が原核生物である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記培養不可能な微生物及び前記未知の微生物が細菌又は古細菌である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む培地の上又はその中で、環境試料から細菌を培養すること;及び
    その後に、前記細菌を、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地の上又はその中で培養すること
    を含む、基本的にそれらからなる、又はそれらからなる方法。
  22. 前記環境試料からの、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む前記培地の上又はその中での前記培養が、事前の濃縮手順又はフミン酸、その塩、若しくはそのアナログを含まない培地の上若しくはその中での事前の培養が無い状態で起こる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記細菌が培養不可能又は未知の細菌である、請求項21又は22に記載の方法。
  24. 環境試料から細菌を単離する方法であって、
    前記環境試料の一部を、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含むゲル化剤を含む培地上に、細菌コロニーが前記培地上に形成するように播種すること
    を含み、基本的にそれからなり、又はそれからなり、
    前記細菌コロニーが、放線菌(Actinomycetales)目及びアシドバクテリウム(Acidobacteria)門又はウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門を除外する方法。
  25. 前記コロニーから得た細菌が培養不可能な細菌又は未知の細菌である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記コロニーから得た細菌が、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地上で培養されることが可能である、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 前記播種工程の後に
    前記コロニーから得た細菌を、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地を使用して培養することを含む、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記播種工程の前に、培養不可能な細菌又は未知の細菌を単離する確率が、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む培地を使用することにより増加し得ることを認識することを含む、請求項24〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記コロニーから得た前記細菌から、16S rRNAの少なくとも部分的な配列を得ることを含む、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記細菌コロニーから得た前記細菌が、アクチノタレア(Actinotalea)、アミコラトプシス(Amycolatopsis)、アクアバクテリウム(Aquabacterium)、バチルス(Bacillus)、バークホルデリア(Burkholderia)、カエニモナス(Caenimonas)、ダーマコッカス(Dermacoccus)、レイフィソニア(Leifisonia)、リシニバチルス(Lysinibacillus)、マルモリコラ(Marmoricola)、マッシリア(Massilia)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ムチラギニバクター(Mucilaginibacter)、ノカルディア(Nocardia)、ノカルディオイデス(Nocardioides)、ノボスフィンゴビウム(Novosphingobium)、パエニバシラス(Paenibacillus)、フィチコッカス(Phycicoccus)、ラムリバクター(Ramlibacter)、リゾバクター(Rhizobacter)、ルガモナス(Rugamonas)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、ストレプトミセス(Streptomyces)、テラバクター(Terrabacter)、テトラスファエラ(Tetrasphaera)、チューメバチルス(Tumebacillus)、及びバリオボラックス(Variovorax)属のメンバーである、請求項24〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 環境試料から細菌を培養する方法であって、
    前記環境試料又はその希釈物を、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む寒天含有培地上に、細菌コロニーが前記培地上に形成するように播種することであって、前記環境試料中の前記細菌が、事前の濃縮又は事前の成長を受けなかった状態で播種すること;及び
    前記細菌コロニーの1つ以上を、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地に、前記細菌コロニーが、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない前記培地の上又はその中で成長するように移すこと
    を含む、基本的にそれらからなる、又はそれらからなる方法。
  32. 前記細菌コロニーの1つから16S rRNA配列の少なくとも一部分を得ること;及び
    少なくとも部分的に前記16S rRNA配列に基づいて、前記細菌コロニーの分類群を決定することを含む、請求項30に記載の方法。
  33. 分類群を決定できないことが、前記細菌が培養不可能であるか、又は以前に未知であったことを示す、請求項32に記載の方法。
  34. 前記細菌コロニーが放線菌(Actinomycetales)目のものでなく、アシドバクテリウム(Acidobacteria)門又はウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門のものでない、請求項31〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記播種工程の前に、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む前記培地が、環境試料からの細菌の培養を促進し得ることを認識する、請求項31〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 土壌環境試料から細菌を単離する方法であって、
    フミン酸、その塩、又はそのアナログの細菌培地への添加が、前記土壌環境試料から単離された前記細菌の効率及び/又は多様性を増加させ得ることを認識すること;
    前記土壌環境試料の一部分から、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含む寒天含有細菌培地上で、細菌コロニーが前記細菌培地上で形成するように細菌を培養すること;及び
    その後に、フミン酸、その塩、又はそのアナログを含まない培地の上又はその中で、前記細菌コロニーから細菌を培養すること
    を含む、基本的にそれらからなる、又はそれらからなる方法。
  37. 前記細菌コロニーの1つから16S rRNAの少なくとも部分的なヌクレオチド配列を得ること;及び
    少なくとも部分的に前記16S rRNA配列に基づいて、前記細菌コロニーの1つから得た細菌が以前に未知であったか、又は培養不可能であることを決定することを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記単離された細菌が放線菌(Actinomycetales)目のものでない、請求項36又は37に記載の方法。
  39. 前記単離された細菌が、アシドバクテリウム(Acidobacteria)門又はウェルコミクロビウム(Verrucomicrobia)門のものでない、請求項36〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記フミン酸がSigma−Aldrich 53680番を含み、前記フミン酸の塩がSigma−Aldrich H16752番を含む、請求項36〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法により単離された微生物又は細菌。
  42. 微生物の成長を支持することが可能である培地を含むペトリ皿であって、前記培地が、フミン酸、その塩、又はそのアナログ、及びゲル化剤を含み、前記培地上に形成した培養不可能又は未知の微生物のコロニーを含むペトリ皿。
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