JP2019506897A - ヒトのセレブロンを発現するトランスジェニックマウス - Google Patents

ヒトのセレブロンを発現するトランスジェニックマウス Download PDF

Info

Publication number
JP2019506897A
JP2019506897A JP2018555851A JP2018555851A JP2019506897A JP 2019506897 A JP2019506897 A JP 2019506897A JP 2018555851 A JP2018555851 A JP 2018555851A JP 2018555851 A JP2018555851 A JP 2018555851A JP 2019506897 A JP2019506897 A JP 2019506897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
crbn
mouse
human crbn
transgenic mouse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018555851A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019506897A5 (ja
Inventor
チョプラ ラジェシュ
チョプラ ラジェシュ
クリッペル アンケ
クリッペル アンケ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Celgene Corp
Original Assignee
Celgene Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Celgene Corp filed Critical Celgene Corp
Publication of JP2019506897A publication Critical patent/JP2019506897A/ja
Publication of JP2019506897A5 publication Critical patent/JP2019506897A5/ja
Priority to JP2022020184A priority Critical patent/JP7350911B2/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K67/00Rearing or breeding animals, not otherwise provided for; New breeds of animals
    • A01K67/027New breeds of vertebrates
    • A01K67/0275Genetically modified vertebrates, e.g. transgenic
    • A01K67/0278Humanized animals, e.g. knockin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/0005Vertebrate antigens
    • A61K39/0011Cancer antigens
    • A61K39/001102Receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57484Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer involving compounds serving as markers for tumor, cancer, neoplasia, e.g. cellular determinants, receptors, heat shock/stress proteins, A-protein, oligosaccharides, metabolites
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/07Animals genetically altered by homologous recombination
    • A01K2217/072Animals genetically altered by homologous recombination maintaining or altering function, i.e. knock in
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2227/00Animals characterised by species
    • A01K2227/10Mammal
    • A01K2227/105Murine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2267/00Animals characterised by purpose
    • A01K2267/03Animal model, e.g. for test or diseases
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; CARE OF BIRDS, FISHES, INSECTS; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2267/00Animals characterised by purpose
    • A01K2267/03Animal model, e.g. for test or diseases
    • A01K2267/0331Animal model for proliferative diseases

Abstract

トランスジェニックマウスであって、そのゲノムが、ヒトセレブロン(CRBN)またはその断片をコードする核酸配列を含み、トランスジェニックマウスにおいて内因性マウスCRBNが発現しない、トランスジェニックマウスが提供される。また、トランスジェニックマウス由来の細胞、細胞株、組織及び器官、ならびにこのようなマウスを作製及び使用する方法もまた提供される。
【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年1月19日に出願された米国仮特許出願第62/280,633号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
1.分野
本明細書において、そのゲノムがヒトセレブロン(CRBN)またはその断片をコードする核酸配列を含むトランスジェニックマウスが提供される。このようなトランスジェニックマウスを作製するための方法も本明細書で提供される。さらに、これらのトランスジェニックマウスを、例えば、様々な疾患(がんなど)の治療における特定の化合物の有効性、特異性、毒性、薬物動態、薬力学、作用機序の評価;これらの化合物の投与レジメンの最適化;ならびに、そのような疾患のための他の治療薬との併用療法を研究することに用いる方法が提供される。
2.背景
がんは、所与の正常組織に由来する異常細胞の数の増大、これらの異常細胞による隣接組織の浸潤、またはリンパ管もしくは血液媒介性の悪性細胞の局所リンパ節及び遠隔部位への伝播(転移)によって主に特徴付けられる。がん患者の治療に使用され得る新しい方法、治療法、及び組成物には大きな需要がある。
過去10年間、サリドマイド、レナリドマイド、及びポマリドマイドを含む一群の免疫調節化合物は、多発性骨髄腫、リンパ腫及び骨髄異形成症候群のような他の血液疾患を有する患者において顕著な反応を引き出すことが示されている。Galustian et al.、Expert Opin.Pharmacother.2009、10:125−133を参照のこと。これらの処置化合物は、抗血管新生特性、炎症誘発性サイトカインの調節、T細胞の共刺激、NK細胞毒性の増大、直接的抗腫瘍効果、及び幹細胞分化の調節を含む広範囲の活性を示す。
最近、サリドマイドに結合することが確認された重要な分子標的はCRBNである。Ito et al.、Science 2010,327:1345−1350を参照のこと。少なくとも2つのヒトCRBNアイソフォームである、アイソフォーム1(442アミノ酸)及びアイソフォーム2(441アミノ酸)が同定されている。ヒトアイソフォーム2は、アイソフォーム1との違いはアミノ酸23アラニンがアイソフォーム1から欠失しているだけである。CRBN及びその関連タンパク質は、E3ユビキチンリガーゼ複合体を形成し、これが標的タンパク質のユビキチン化及びその後のプロテアソーム分解を媒介する。サリドマイドは、インビトロでCRBNの自己ユビキチン化を阻害することが判明しており、これによって、サリドマイドがE3ユビキチンリガーゼ阻害剤であることが示唆された(同上)。重要なことに、CRBNの自己ユビキチン化は、野生型細胞においてサリドマイドによって阻害されたが、サリドマイド結合を妨げるCRBN突然変異を有する細胞では阻害されなかった(同上)。サリドマイド結合部位は、CRBN中の高度に保存されたC末端の104アミノ酸領域にマッピングされた(同上)。CRBNアイソフォーム1、Y384A及びW386Aの個々の点突然変異体は、サリドマイド結合に欠陥があり、サリドマイド結合活性が最も低い二重変異体であった(同上)。
これらの化合物とCRBNまたはCRBN関連タンパク質との間の相互作用を理解することは、薬物有効性及び/または毒性の分子機構を解明するのを容易にし、改善された有効性及び毒性プロファイルを有する新薬の開発につながる可能性がある。
CRBNとCRBN E3ユビキチンリガーゼ調節化合物(CMC)との間の相互作用ならびにそのような化合物の安全性及び有効性を研究するのに適した動物モデルが不可欠である。本開示は、これら及び他の必要性を満たす。
3.本発明の要旨
1つの態様では、そのゲノムが、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含み、内因性マウスCRBNがトランスジェニックマウスにおいて発現されないトランスジェニックマウスが本明細書において提供される。一実施形態では、トランスジェニックマウスのゲノムは、ヒトCRBNをコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、安定に染色体に組み込まれる。別の実施形態では、トランスジェニックマウスのゲノムは、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、安定して染色体に組み込まれる。いくつかの実施形態では、核酸は、マウス−ヒトキメラCRBN遺伝子を含む。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。一実施形態では、トランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBNを発現する。さらに別の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNの断片を発現する。
別の態様では、本明細書で提供されるトランスジェニックマウスに由来する細胞が提供され、ここでこの細胞は、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、この細胞はトランスジェニックマウスから得られる。一実施形態では、細胞は単離された細胞である。一実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。別の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、核酸は、マウス−ヒトキメラCRBN遺伝子を含む。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。一実施形態では、細胞は、全長ヒトCRBNを発現する。さらに別の実施形態では、細胞はヒトCRBNの断片を発現する。
別の態様では、本明細書で提供されるトランスジェニックマウスに由来する細胞株であって、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む、細胞株が提供される。一実施形態では、細胞株は単離された細胞株である。一実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。別の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、核酸は、マウス−ヒトキメラCRBN遺伝子を含む。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。一実施形態では、細胞株は形質転換細胞株である。別の実施形態では、この形質転換された細胞株は、全長ヒトCRBNを発現する。さらに別の実施形態では、形質転換された細胞株は、ヒトCRBNの断片を発現する。
別の態様では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む、本明細書で提供されるトランスジェニックマウスに由来する組織が提供される。特定の実施形態では、組織はトランスジェニックマウスから得られる。一実施形態では、組織は単離された組織である。一実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。別の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、核酸は、マウス−ヒトキメラCRBN遺伝子を含む。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。一実施形態では、組織は全長ヒトCRBNを発現する。さらに別の実施形態では、組織は、ヒトCRBNの断片を発現する。
別の態様では、本明細書で提供されるトランスジェニックマウスに由来する器官が提供され、この器官は、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、この器官はトランスジェニックマウスから得られる。一実施形態では、器官は単離器官である。一実施形態では、核酸配列はヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。別の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、この核酸は、マウス−ヒトキメラCRBN遺伝子を含む。特定の実施形態では、この核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。一実施形態では、器官は全長ヒトCRBNを発現する。さらに別の実施形態では、器官はヒトCRBNの断片を発現する。
特定の態様では、本明細書において、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスが提供される。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスは全長ヒトCRBNを発現する。他の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNの断片を発現する。
特定の実施形態では、ヒトCRBNは、マウス−ヒトキメラCRBN遺伝子から発現される。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。特定の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、相同なマウスプロモーターによって制御される。特定の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、相同マウスCRBNプロモーターによって制御される。
別の態様では、本明細書で提供されるのは:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス卵に導入すること;及び(b)このマウス卵を雌性マウスに移入することを包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生する方法である。また本明細書では:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス胚に導入すること;及び(b)このマウス胚を雌性マウスに移入することを包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生する方法も提供される。本明細書ではまた:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物を、マウス胚性幹(ES)細胞に導入すること;及び(b)このマウスES細胞を雌性マウスに移入することを包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを作製する方法も提供する。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、卵、胚またはES細胞の染色体に安定に組み込まれる。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、卵、胚またはES細胞の染色体に安定に組み込まれる。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。
特定の実施形態では、本方法は、雌性マウスを育種することをさらに包含する。他の実施形態では、この方法は、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を有する子孫を選択することをさらに包含する。いくつかの実施形態では、この方法は、雌性マウスを育種し、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を有する子孫を選択することをさらに包含する。したがって、本明細書にさらに提供されるのは、(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス卵に導入すること;(b)このマウス卵を雌性マウスに移入すること;及び(c)この雌性マウスを育種し、そしてヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生するための方法である。また本明細書では:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス胚に導入すること;(b)このマウス胚を雌性マウスに移入すること;及び(c)この雌性マウスを育種し、そしてヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択すること、を包含するヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生するための方法も提供される。本明細書ではまた:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウスES細胞に導入すること;(b)このマウスES細胞を雌性マウスに移入すること;及び(c)この雌性マウスを育種すること、及びヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生するための方法も提供される。
さらに別の態様では、本明細書では:(a)、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物を、マウス卵に導入すること;及び(b)このマウス卵を雌性マウスに移入することを包含する方法によって産生される、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスが提供される。本明細書ではまた:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス胚に導入すること;及び(b)このマウス胚を雌性マウスに移入すること包含する方法によって産生される、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスも提供される。また本明細書では:(a)、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物を、マウスES細胞に導入すること;及び(b)このマウスES細胞を雌性マウスに移入することを包含する方法によって産生される、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスが提供される。さらに本明細書では:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス卵に導入すること;(b)このマウス卵を雌性マウスに移入すること;及び(c)この雌性マウスを育種し、ヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する方法によって産生される、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスが提供される。また本明細書では:(a)、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物を、マウス胚に導入すること;(b)このマウス胚を雌性マウスに移入すること;ならびに(c)この雌性マウスを育種すること、及びヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する方法によって産生される、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスも提供される。また本明細書では:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウスES細胞に導入すること;(b)このマウスES細胞を雌性マウスに移入すること;ならびに(c)この雌性マウスを育種すること、及びヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する方法によって産生される、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスも提供される。特定の実施形態では、核酸配列はヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、卵、胚またはES細胞の染色体に安定に組み込まれる。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、卵、胚またはES細胞の染色体に安定に組み込まれる。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。
本明細書の特定の実施形態では、「ヒトCRBN」への言及は、全長ヒトCRBNを指す。
さらに別の態様では、特定の遺伝的背景においてヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを作製するための方法であって、本明細書で提供されるヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスを、その遺伝的背景のマウスと育種することを包含する方法が提供される。本明細書ではまた、本明細書で提供されるヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスを、その遺伝的背景のマウスと育種することを包含する方法によって産生される、特定の遺伝的背景においてヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスも提供される。特定の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、NSG/NOGマウスモデルである。他の実施形態では、遺伝的背景のマウスは、Vk*myc多発性骨髄腫マウスモデルである。さらに他の実施形態では、遺伝的背景のマウスは、Eu−v−abl/Eu−c−Myc多発性骨髄腫マウスモデルである。さらに他の実施形態では、遺伝的背景のマウスは、Eu−c−Mycリンパ腫マウスモデルである。一実施形態では、遺伝的背景のマウスは、ヒトIKZF1トランスジェニックマウスモデルである。別の実施形態では、遺伝的背景のマウスは、ヒトIKZF3トランスジェニックマウスモデルである。
他の態様では、本明細書で提供されるヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスを使用するための方法が提供される。
さらに別の態様では、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスにおける化合物の効果を評価するための方法であって、
(a)この化合物をトランスジェニックマウスに投与すること;
(b)このトランスジェニックマウスから試料を得ること;
(c)この試料中のバイオマーカーのレベルを測定すること;及び
(d)このバイオマーカーのレベルをバイオマーカーのベースレベルと比較すること;
を包含し、ここで
このバイオマーカーはCRBN関連タンパク質(CAP)である方法が提供される。
さらに別の態様では、本明細書では、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスにおける化合物の組み合わせの効果を評価するための方法であって:
(a)このトランスジェニックマウスに第1の化合物及び第2の化合物を投与すること;
(b)このトランスジェニックマウスから試料を得ること;
(c)この試料中のバイオマーカーのレベルを測定すること;ならびに
(d)このバイオマーカーのレベルをバイオマーカーのベースレベルと比較すること;を包含し、ここでこのバイオマーカーはCAPである方法が提供される。
いくつかの実施形態では、化合物の組み合わせの効果を評価する方法は、第1の化合物、第2の化合物、及び第3の化合物を組み合わせて投与することを包含する。他の実施形態では、この方法は、4つ以上の化合物を組み合わせて投与することを包含する。特定の実施形態では、この化合物は同時に投与される。他の実施形態では、化合物は連続的に投与される。
特定の実施形態では、本明細書で使用される様々なトランスジェニックマウスは、ヒトCRBNをコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、マウス染色体に安定して組み込まれる。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、マウス染色体に安定に組み込まれる。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。
特定の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、化合物がトランスジェニックマウスに投与されていない場合のバイオマーカーのレベルである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、トランスジェニックマウスに1つの化合物のみが投与された場合のバイオマーカーのレベルである。特定の実施形態では、唯一の化合物は、第1の化合物である。他の実施形態では、唯一の化合物は、第2の化合物である。さらに他の実施形態では、唯一の化合物は、第3の化合物である。さらに他の実施形態では、唯一の化合物は、対照化合物である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、2つの化合物の基準の組み合わせがトランスジェニックマウスに投与された場合のバイオマーカーのレベルである。特定の実施形態では、基準の組み合わせは、第1の化合物及び別の化合物を含む。他の実施形態では、基準の組み合わせは、第2の化合物と別の化合物とを含む。さらに他の実施形態では、基準の組み合わせは、第3の化合物及び別の化合物を含む。さらに他の実施形態では、基準の組み合わせは、第1の化合物及び第2の化合物を含む。特定の実施形態では、基準の組み合わせは、2つ以上の他の化合物(すなわち、第1の化合物または第2の化合物ではない)を含む。
特定の実施形態では、化合物(または化合物の組み合せ)の効果は、抗原特異的T細胞殺傷に対する効果である。
別の態様では、本明細書においてヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスにおいて、化合物の投与量及び/またはスケジュールを最適化するための方法であって:
(a)この化合物をトランスジェニックマウスに投与すること;
(b)このトランスジェニックマウスから試料を得ること;
(c)この試料中のバイオマーカーのレベルを測定すること;及び
(d)このバイオマーカーのレベルに基づいて化合物の投与量及び/またはスケジュールを調節すること;を包含し、
ここで、このバイオマーカーがCAPである、方法が提供される。
特定の実施形態では、この方法は、投与量を最適化するための方法である。他の実施形態では、この方法は、投与スケジュールを最適化するための方法である。特定の実施形態では、この方法は、投与スケジュール及び投与量を最適化するための方法である。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNをコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、マウス染色体に安定して組み込まれる。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、マウス染色体に安定に組み込まれる。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。
本明細書で提供される様々な方法のいくつかの実施形態では、バイオマーカーは、1つ以上のバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、化合物の投与量は、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルよりも高い場合に調整される。他の実施形態では、化合物の投与スケジュールは、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルよりも高い場合に調整される。他の実施形態では、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルより高い場合、化合物の投与量及び投与スケジュールの両方が調整される。特定の実施形態では、化合物の投与量は、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルよりも低い場合に調整される。他の実施形態では、化合物の投与スケジュールは、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルよりも低い場合に調整される。他の実施形態では、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルより低い場合、化合物の投与量及び投与スケジュールの両方が調整される。
本明細書で提供される様々な方法のいくつかの実施形態では、バイオマーカーは、eRF3a、eRF3b、eRF3c、IKZF1、IKZF3、CK1a、PABP1、eRF1、BIP、eEF1α、PERK、GCN2、eIF2a、ATF4、ATF3、DDIT3、PPP1R15A、TNFRSF10B、GADD45A、TNFRSF1A、TNFRSF1B、FAS、FADD、IRE1、XBP1、SEC24D、DNAJB9、EDEM1、EDEM2、HYOU1、ATF6、HSPA5、カスパーゼ8、BID、カスパーゼ9、カスパーゼ7、カスパーゼ3、PARP、Mcl−1、またはBADである。本明細書で提供される様々な方法の他の実施形態では、バイオマーカーは、CDKN1A、Myc、IRF4、IRF7、IFIT1、IFIT3、RIG−I、MDA−5、TBK1、IKKe、ZFP91、ZNF198、MVP、Parp4、Ron、PDE6D、TLR3、STAT1、STAT2、STAT3、IFNa、IFNb、OAS1、OAS2、OAS3、IFIT2、ISG15、ISG20、、IFI21、IFI35、IFI6、IFITM3、IFITM2WIZ、GBP2、GBP4、SELL、SNX20、KLF13、GBP1、MARCKS、SLAMF1、またはSASH1である。本明細書で提供されるバイオマーカーの各々は、様々なアイソフォーム、リン酸化形態、切断形態、修飾形態、及びそれらのスプライシングバリアントを含む。これらのバイオマーカーの組み合わせも考えられる。
本明細書で提供される様々な方法のいくつかの実施形態では、化合物は免疫調節化合物である。特定の実施形態では、免疫調節化合物は、サリドマイド、レナリドマイド、及びポマリドマイドからなる群より選択される。一実施形態では、免疫調節化合物はサリドマイドである。別の実施形態では、免疫調節化合物はレナリドマイドである。さらに別の実施形態では、免疫調節化合物はポマリドマイドである。
本明細書で提供される様々な方法の特定の実施形態では、化合物は、パターン認識受容体(PRR)アゴニストである。いくつかの実施形態では、PRRアゴニストは、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、TLR9アゴニスト、RIG−1アゴニスト、MDA5アゴニスト及びAIM2アゴニストからなる群より選択される。一実施形態では、PRRアゴニストは、TLR3アゴニストである。別の実施形態では、PRRアゴニストは、TLR7アゴニストである。さらに別の実施形態では、PRRアゴニストは、TLR8アゴニストである。さらに別の実施形態では、PRRアゴニストは、TLR9アゴニストである。一実施形態では、PRRアゴニストは、RIG−1アゴニストである。別の実施形態では、PRRアゴニストは、MDA5アゴニストである。さらに別の実施形態では、PRRアゴニストはAIM2アゴニストである。
本明細書で提供される様々な方法の他の実施形態では、化合物は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、PD−1抗体、PD−L1抗体、PD−L2抗体、CTLA−4抗体、CD38抗体、及びSLAMF7抗体からなる群より選択される。一実施形態では、抗体は、PD−1抗体である。別の実施形態では、抗体はPD−L1抗体である。さらに別の実施形態では、抗体は、PD−L2抗体である。さらに別の実施形態では、抗体はCTLA−4抗体である。一実施形態では、抗体はCD38抗体である。別の実施形態では、抗体はSLAMF7抗体である。
いくつかの実施形態では、抗体は、ニボルマブ(すなわち、BMS−936558、MDX−1106、ONO−4538)、MK−3475(すなわち、ペムブロリズマブ、ランブロリズマブ)、ピジリズマブ(すなわち、CT−011)、MEDI−0680(すなわちAMP−514)、PDR−001、デュルバルマブ(MEDI−4736)、BMS−936559(すなわちMDX−1105)、アベルマブ(すなわち、MSB0010718C)、アテゾリズマブ(すなわち、MPDL−3280A)、イピリムマブ、ダラツムマブ、及びエロツズマブからなる群より選択される。一実施形態では、抗体はニボルマブである。別の実施形態では、抗体はMK−3475である。さらに別の実施形態では、抗体はピジリズマブである。さらに別の実施形態では、抗体は、MEDI−0680である。一実施形態では、抗体は、PDR−001である。別の実施形態では、抗体はデュルバルマブである。さらに別の実施形態では、抗体は、BMS−936559である。さらに別の実施形態では、抗体は、アベルマブである。一実施形態では、抗体は、アテゾリズマブである。別の実施形態では、抗体はイピリムマブである。さらに別の実施形態では、抗体は、ダラツムマブである。さらに別の実施形態では、抗体はエロツズマブである。
本明細書で提供される様々な方法のさらに他の実施形態では、化合物は分子模倣物である。いくつかの実施形態では、分子模倣物は、アザシチジン、ロミデプシン、ATRA、シクロホスファミド及びCelebrex(セレブレックス)(登録商標)からなる群より選択される。一実施形態では、分子模倣体はアザシチジンである。別の実施形態では、分子模倣物は、ロミデプシンである。さらに別の実施形態では、分子模倣物は、ATRAである。さらに別の実施形態では、分子模倣物は、シクロホスファミドである。一実施形態では、分子模倣物は、Celebrex(登録商標)である。
本明細書で提供される様々な方法のさらに他の実施形態では、化合物は、酵素(例えばヒストンデアセチラーゼ(HDAC))またはタンパク質分解系(例えばプロテアソーム)の阻害剤である。いくつかの実施形態では、化合物はHDACの阻害剤である。特定の実施形態では、化合物は、HADC6の阻害剤である。特定の実施形態では、化合物はACY−241である。他の実施形態では、化合物は、プロテアソームの阻害剤である。一実施形態では、化合物はカルフィルゾミブである。別の実施形態では、化合物はイキサゾミブである。
いくつかの実施形態では、化合物は、抗がん化合物である。特定の実施形態では、化合物はアントラサイクリンである。
一実施形態では、組み合わせの化合物の1つはデキサメタゾンである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはCMCである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、免疫調節化合物である。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、サリドマイド、レナリドマイド、及びポマリドマイドからなる群より選択される免疫調節化合物である。一実施形態では、組み合わせの化合物の1つはサリドマイドである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはレナリドマイドである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはポマリドマイドである。
特定の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、イキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される。一実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、イキサゾミブである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、カルフィルゾミブである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、エロツズマブである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、ダラツムマブである。一実施形態では、組み合わせの化合物の1つはアザシチジンである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、ACY−241である。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、シクロホスファミドである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、デュルバルマブである。一実施形態では、組み合わせの化合物の1つはアブラキサンである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはニボルマブである。
一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン及びCMCを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン及び免疫調節化合物を含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ならびにサリドマイド、レナリドマイド及びポマリドマイドからなる群より選択される免疫調節化合物を含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン及びサリドマイドを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン及びレナリドマイドを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン及びポマリドマイドを含む。
一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物を含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物を含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物を含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物を含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物を含む。
一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びイザゾミブを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びカルフィルゾミブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC及びエロツズマブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びダラツムマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びアザシチジンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びACY−241を含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びシクロホスファミドを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びデュルバルマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びアブラキサンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びニボルマブを含む。
一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びイキサゾミブを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びカルフィルゾミブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びエロツズマブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びダラツムマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びアザシチジンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びACY−241を含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びシクロホスファミドを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びデュルバルマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びアブラキサンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びニボルマブを含む。
一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド及びイキサゾミブを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド及びカルフィルゾミブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド及びエロツズマブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド及びダラツムマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド及びアザシチジンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド、及びACY−241を含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド及びシクロホスファミドを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド及びデュルバルマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド及びアブラキサンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、サリドマイド及びニボルマブを含む。
一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド及びイキサゾミブを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド及びカルフィルゾミブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド及びエロツズマブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド、及びダラツムマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド及びアザシチジンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド、及びACY−241を含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド、及びシクロホスファミドを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド及びデュルバルマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド及びアブラキサンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、レナリドマイド及びニボルマブを含む。
一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びイキサゾミブを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びカルフィルゾミブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びエロツズマブを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びダラツムマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びアザシチジンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びACY−241を含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びシクロホスファミドを含む。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びデュルバルマブを含む。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びアブラキサンを含む。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びニボルマブを含む。
図1は、ヒトCRBNノックイントランスジェニックマウスを作製するフローチャートを示す。
図2は、マウスゲノム中のヒトCRBNにおけるノッキングの設計を示す:(A)マウスゲノム中のマウスCRBN遺伝子の一部(エキソン2及びエキソン3を含む);(B)ヒトCRBNのcDNAの一部(ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24から開始)、bGH pA、及び2つのloxP部位が隣接するネオマイシン選択カセットを含む標的化構築物;(C)ヒトCRBNノックイン後の標的ゲノム;(D)ネオマイシン選択カセットのCre切除後の標的ゲノム。
図3A〜3Cは、ドナーベクターCRBN KIベクターV2−pUCの一例のクローニング戦略を示す。図3Aは、ネオマイシン選択カセットを欠く、合成されたCRBN KI標的化構築物を示す。Kpn I及びXho I制限部位は、ネオマイシン選択カセットの挿入部位である。図3Bは、PB−MV1Neoのマップを示しているが、これは、Kpn I及びXho Iによって切り出され、次にCRBN KI標的化構築物に挿入される1637bp断片であるネオマイシン選択カセットを含む。図3Cは、CRBN KIベクターV2−pUCのマップを示しており、これは(1)pUC57−Simpleクローニングベクターの骨格、(2)CRBNの断片をコードするヒトcDNA配列(コドン24、グルタミン酸から開始し、終止コドンで終わる)に続いて、組換えポリ(A)配列(例えば、bGHpA)及びネオマイシン選択カセット(PGK−EM7プロモーターに制御され、2つのloxP部位が隣接する)、ならびに(3)5kbの5’相同性アーム及び2.8kb 3’相動性アームを含む。
図4は、3つのXTN(商標)TALENの試薬活性試験を示す。Cel−1アッセイは、XTN(商標)TALEN2が最も活性が高いことを示す。
図5は、正しい5’及び3’標的を有し、PCRによって確認された3つのマウスESクローンのうちの2つ、D3及びE1を示す。
図6は、5’標的化PCRによって確認された生殖系列伝達を有する3つのヒトCRBNトランスジェニックマウスを示す。
図7は、ヒトcDNA PCRによって確認された、生殖細胞系伝達を有する3つのヒトCRBNトランスジェニックマウスを示す。
図8A及び8Bは、野生型マウス、ヘテロ接合性ヒトCRBNトランスジェニックマウスまたはホモ接合性ヒトCRBNトランスジェニックマウスから単離された脾細胞におけるAiolosの分解を、化合物Bの1μMまたは10μMで24時間のエキソビボ処理後に示す。図8Aはウエスタンブロットを示す。図8Bは、積分強度(Aiolos対内部対照GAPDH)の比を示す。
図9A及び9Bは、野生型マウス、ヘテロ接合性ヒトCRBNトランスジェニックマウスまたはホモ接合性ヒトCRBNトランスジェニックマウスから単離された脾細胞におけるIkarosの分解を、化合物Bの1μMまたは10μMで24時間のエキソビボ処理後に示す。図9Aはウエスタンブロットを示す。図9Bは、積分強度(Ikaros対、内部対照GAPDH)の比を示す。
図10A及び10Bによって、Aiolosの分解が、0.001μM、0.01μM、0.1μM、または1μMの化合物Bで6時間エキソビボ処理した後、野生型マウス、ヘテロ接合ヒトCRBNトランスジェニックマウスまたはホモ接合ヒトCRBNトランスジェニックマウスから単離された脾細胞における化合物Bの濃度に依存性であったことが示される。図10Aは、ウエスタンブロットを示す。図10Bは、積分強度(Aiolos対内部対照GAPDH)の比を示す。
図11A及び11Bによって、Ikarosの分解が、0.001μM、0.01μM、0.1μM、または1μMの化合物Bで6時間エキソビボ処理した後、野生型マウス、ヘテロ接合性ヒトCRBNトランスジェニックマウス、またはホモ合性ヒトCRBNトランスジェニックマウスから単離された、脾細胞における化合物Bの濃度に依存性であったことが示される。図11Aはウエスタンブロットを示す。図11Bは、積分強度(Ikaros対、内部対照GAPDH)の比を示す。
図12A及び図12Bは、野生型マウスまたはホモ接合性ヒトCRBNトランスジェニックマウスから単離した脾細胞におけるGSPT1の分解を、1nMまたは100nMでの化合物Cの4時間のエキソビボ処理後に示す。図12Aはウエスタンブロットを示す。図12Bは、積分強度の比(GSPT1対内部対照GAPDH)を示す。
図13A及び13Bは、野生型マウスまたはホモ接合性ヒトCRBNトランスジェニックマウスから単離した脾細胞におけるGSPT1の分解を、100nMまたは10μMでの化合物Eの4時間のエキソビボ処理後に示す。図13Aはウエスタンブロットを示す。図13Bは、積分強度の比(GSPT1対内部対照GAPDH)を示す。
5.本発明の詳細な説明
本明細書で提供される方法は、部分的に、マウスE3ユビキチンリガーゼ複合体が、複合体の他のヒト化サブユニットを必要とすることなくヒトCRBNによって活性化され得るという発見に基づく。
本明細書において、ヒトCRBNトランスジェニック動物、及びヒトCRBNを発現するそれらの動物からの細胞、細胞株、組織、または器官が提供される。また、ヒトCRBNトランスジェニック動物を作製するための方法及びそのようなトランスジェニック動物を使用する方法も提供される。
CRBNとCMCとの間の相互作用ならびにCMCの安全性及び有効性を研究するのに適した動物モデルを、本明細書で提供する。マウスは有用な動物モデルである;しかしながら、マウスCRBNは、ヒトCRBNに結合する特定の化合物(例えば、サリドマイド)と適切に関与しない。結果として、そのような化合物に関する多くの本質的な疑問は、マウスモデルでは適切に答えることができない。したがって、本明細書で提供されるヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスは、有効性、毒性、特異性、作用機序などのCRBNを標的とする新薬の開発に関する重要な問題に取り組む上で有用である。また、このトランスジェニックマウスを、他の疾患モデルマウスと育種して、さらなる研究のためのより広いスペクトルの遺伝的背景を作製してもよい。
本開示をさらに説明する前に、本開示は本明細書に記載の特定の実施形態に限定されず、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明する目的に過ぎず、これに限定されるものではないことも理解されるべきである。
5.1定義
「ヒトセレブロン」、「ヒトCRBN」または「hCRBN」という用語は、ポリペプチド(「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は本明細書では互換的に使用される)であって、ヒトCRBNタンパク質のアミノ酸配列(例えば、以下のアミノ酸配列を有するヒトCRBNアイソフォーム1、GenBankアクセッション番号NP_057386:MAGEGDQQDAAHNMGNHLPLLPAESEEEDEMEVEDQDSKEAKKPNIINFDTSLPTSHTYLGADMEEFHGRTLHDDDSCQVIPVLPQVMMILIPGQTLPLQLFHPQEVSMVRNLIQKDRTFAVLAYSNVQEREAQFGTTAEIYAYREEQDFGIEIVKVKAIGRQRFKVLELRTQSDGIQQAKVQILPECVLPSTMSAVQLESLNKCQIFPSKPVSREDQCSYKWWQKYQKRKFHCANLTSWPRWLYSLYDAETLMDRIKKQLREWDENLKDDSLPSNPIDFSYRVAACLPIDDVLRIQLLKIGSAIQRLRCELDIMNKCTSLCCKQCQETEITTKNEIFSLSLCGPMAAYVNPHGYVHETLTVYKACNLNLIGRPSTEHSWFPGYAWTVAQCKICASHIGWKFTATKKDMSPQKFWGLTRSALLPTIPDTEDEISPDKVILCL(配列番号1);または以下のアミノ酸配列を有する、ヒトCRBNアイソフォーム2、GenBankアクセッション番号NP_001166953:MAGEGDQQDAAHNMGNHLPLLPESEEEDEMEVEDQDSKEAKKPNIINFDTSLPTSHTYLGADMEEFHGRTLHDDDSCQVIPVLPQVMMILIPGQTLPLQLFHPQEVSMVRNLIQKDRTFAVLAYSNVQEREAQFGTTAEIYAYREEQDFGIEIVKVKAIGRQRFKVLELRTQSDGIQQAKVQILPECVLPSTMSAVQLESLNKCQIFPSKPVSREDQCSYKWWQKYQKRKFHCANLTSWPRWLYSLYDAETLMDRIKKQLREWDENLKDDSLPSNPIDFSYRVAACLPIDDVLRIQLLKIGSAIQRLRCELDIMNKCTSLCCKQCQETEITTKNEIFSLSLCGPMAAYVNPHGYVHETLTVYKACNLNLIGRPSTEHSWFPGYAWTVAQCKICASHIGWKFTATKKDMSPQKFWGLTRSALLPTIPDTEDEISPDKVILCL(配列番号2)、その各々は、その全体が参照によって本明細書に援用される)、及び関連のポリペプチド、例としては、そのSNPバリアントを含むポリペプチドを指す。関連のヒトCRBNポリペプチドとしては、対立遺伝子バリアント(例えば、SNPバリアント)、スプライスバリアント、断片、誘導体、置換バリアント、欠失バリアント、挿入バリアント、融合ポリペプチド、及び種間相同体が挙げられ、これは特定の実施形態では、ヒトCRBN活性を保持するか、及び/または抗hCRBN免疫応答を生成するに十分である。
「マウスセレブロン」、「マウスCRBN」または「mCRBN」という用語は、ポリペプチド(「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は本明細書では互換的に使用される)であって、マウスCRBNタンパク質のアミノ酸配列(例えば、以下のアミノ酸配列を有するマウスCRBNアイソフォーム1、GenBankアクセッション番号NP_067424.2:
MAGEGDQQDAAHNMGNHLPLLPDSEDEDDEIEMEVEDQDSKEARKPNIINFDTSLPTSHTYLGADMEEFHGRTLHDDDSCQVIPVLPEVLMILIPGQTLPLQLSHPQEVSMVRNLIQKDRTFAVLAYSNVQEREAQFGTTAEIYAYREEQEFGIEVVKVKAIGRQRFKVLELRTQSDGIQQAKVQILPECVLPSTMSAVQLESLNKCQVFPSKPISWEDQYSCKWWQKYQKRKFHCANLTSWPRWLYSLYDAETLMDRIKKQLREWDENLKDDSLPENPIDFSYRVAACLPIDDVLRIQLLKIGSAIQRLRCELDIMNKCTSLCCKQCQETEITTKNEIFSLSLCGPMAAYVNPHGYVHETLTVYKASNLNLIGRPSTVHSWFPGYAWTIAQCKICASHIGWKFTATKKDMSPQKFWGLTRSALLPTIPETEDEISPDKVILCL(配列番号3);または以下のアミノ酸配列を有するマウスCRBNアイソフォーム2、GenBankアクセッション番号NP_780566.1:MAGEGDQQDAAHNMGNHLPLLPADSEDEDDEIEMEVEDQDSKEARKPNIINFDTSLPTSHTYLGADMEEFHGRTLHDDDSCQVIPVLPEVLMILIPGQTLPLQLSHPQEVSMVRNLIQKDRTFAVLAYSNVQEREAQFGTTAEIYAYREEQEFGIEVVKVKAIGRQRFKVLELRTQSDGIQQAKVQILPECVLPSTMSAVQLESLNKCQVFPSKPISWEDQYSCKWWQKYQKRKFHCANLTSWPRWLYSLYDAETLMDRIKKQLREWDENLKDDSLPENPIDFSYRVAACLPIDDVLRIQLLKIGSAIQRLRCELDIMNKCTSLCCKQCQETEITTKNEIFSLSLCGPMAAYVNPHGYVHETLTVYKASNLNLIGRPSTVHSWFPGYAWTIAQCKICASHIGWKFTATKKDMSPQKFWGLTRSALLPTIPETEDEISPDKVILCL(配列番号4)、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び関連ポリペプチド(そのSNPバリアントを含む)を含む、ポリペプチドを指す。関連するマウスCRBNポリペプチドとしては、特定の実施形態では、マウスCRBN活性を保持するか、及び/または抗mCRBN免疫応答を生成するのに十分である、対立遺伝子バリアント(例えば、SNPバリアント)、スプライスバリアント、断片、誘導体、置換バリアント、欠失バリアント、挿入バリアント、融合ポリペプチド及び種間相同体が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「セレブロン関連タンパク質」、「CRBN関連タンパク質」または「CAP」という用語は、任意の種(例えば、hCRBNまたはmCRBN)由来のCRBNタンパク質と、直接的または間接的に相互作用するか、または結合するタンパク質を指す。例えば、この用語は、セレブロンに直接結合する任意のタンパク質、ならびにセレブロン経路の間接的下流エフェクターである任意のタンパク質を指す。特定の実施形態では、「CAP」は、CRBNの基質、例えば、CRBNを含むE3ユビキチンリガーゼ複合体のタンパク質基質、またはその下流の基質である。
本明細書で使用する「動物」という用語には、ヒト以外の全ての脊椎動物及び無脊椎動物が含まれる。また、胚及び胎児期を含む、発達の全ての段階における個々の動物も含まれる。
「トランスジェニック動物」という用語は、その細胞の一部もしくは全部において染色体外要素として非内因性(すなわち外因性)核酸配列を有するか、またはその生殖系列DNA(すなわち、その細胞の大部分または全部のゲノム配列中に)安定して組み込まれている、動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ブタ、ウシなど)を指す。異種核酸は、例えば、宿主動物の卵、胚または胚性幹細胞の遺伝子操作、及び遺伝子操作された卵、胚または胚性幹細胞から生成される子孫動物のその後の育種によって、そのようなトランスジェニック動物の生殖系列に導入される。
「生殖系列伝達」を有するトランスジェニック動物とは、遺伝情報が生殖系列細胞に導入され、それによって遺伝子情報を子孫に伝達する能力を付与するトランスジェニック動物を指す。そのような子孫が実際にその遺伝情報の一部または全部を所有している場合、その子孫もトランスジェニック動物である。
「トランスフェクション」という用語は、細胞による非内因性(すなわち、外因性または外来性)DNAの取り込みを指す。トランスフェクションは、一過性トランスフェクション(すなわち、導入されたDNAは、染色体外に残っており、細胞分裂中に希釈される)であっても、または安定なトランスフェクション(すなわち、導入されたDNAが細胞ゲノムに組み込まれるかまたは安定したエピソーム要素として維持される)であってもよい。
本明細書においてヒトCRBNの修飾因子として使用される場合、「生物学的に活性な」または「機能的」という用語は、天然のヒトCRBNに起因する機能的特徴の少なくとも1つを示すポリペプチド、例えば、E3ユビキチン−リガーゼ複合体を形成し、標的タンパク質のユビキチン化及びその後のプロテアソーム分解を媒介する能力を示すポリペプチドを指す。
遺伝子の「ノックアウト」という用語は、標的遺伝子の発現及び/または機能の低下をもたらす遺伝子配列の改変を意味し、好ましくは、標的遺伝子発現は、検出できないかまたは有意ではない。内因性遺伝子のノックアウトとは、遺伝子の発現及び/または機能が実質的に低下して、その結果、それが検出できないか、またはわずかしか存在しないことを意味する。「ノックアウト」トランスジェニックとは、遺伝子のヘテロ接合性ノックアウトまたは遺伝子のホモ接合性ノックアウトを有するトランスジェニック動物であり得る。「ノックアウト」としてはまた、標的遺伝子の改変を促進する物質への動物の曝露、標的遺伝子部位での組換えを促進する酵素の導入などの特定の条件が満たされたときに標的遺伝子の改変が起こり得る、条件付きノックアウト(例えば、Cre−lox系のCre)、または標的遺伝子改変を出生後に指示する他の条件が挙げられる。
標的遺伝子の「ノックイン」という用語は、例えば、標的遺伝子の1つ以上のコピーの導入によって、または標的遺伝子の発現を増強する調節配列を機能的に挿入することによって、標的遺伝子の変化した(例えば、増大した(異所性を含む))発現をもたらす宿主細胞ゲノムにおける改変を意味する。標的遺伝子は、内因性であっても非内因性でもよい。本発明の目的の「ノックイン」トランスジェニック動物は、ヒトまたはヒト化CRBNまたはその断片のノックインを有するトランスジェニック動物である。そのようなトランスジェニック動物は、ヒトもしくはヒト化CRBN遺伝子のためのヘテロ接合性ノックインであってもよく、またはヒトもしくはヒト化CRBN遺伝子のノックインのためのホモ接合性であってもよい。条件付き「ノックアウト」と同様に、「ノックイン」はまた、条件付きノックインを包含し、ここで標的遺伝子の変化した発現は、特定の条件を満たすと起こり得る。
「構築物」という用語は、特定のヌクレオチド配列の発現の目的ために生成されるか、または他の組換えヌクレオチド配列の構築に使用される、組換え核酸、一般に組換えDNAを指す。
「ベクター」という用語は、遺伝子配列を標的細胞(例えば、ウイルスベクター、非ウイルスベクター、微粒子担体、及びリポソーム)に移すことができる核酸アセンブリを指す。「発現ベクター」という用語は、細胞中の目的の配列または遺伝子の発現を指令し得るプロモーターを含む核酸アセンブリを指す。本明細書において互換的に使用される場合、「ベクター構築物」、「発現ベクター」、「発現構築物」及び「遺伝子導入ベクター」は、遺伝子配列を標的細胞に移入し得、その標的細胞中で遺伝子の発現を指令し得る任意の核酸構築物を指す。したがって、この用語は、クローニング及び発現ビヒクル、ならびにウイルスベクターを包含する。
本明細書において交換可能に使用される「プロモーターエレメント」及び「プロモーター」という用語は、細胞内で(例えば、直接的にまたは他のプロモーターに結合したタンパク質または物質を介して)RNAポリメラーゼに結合し得、コード配列の転写を開始し得るDNA調節性配列を指す。プロモーターは、エンハンサー及びリプレッサー配列を含む他の発現制御配列と機能的に関連していてもよい。
「作動可能に連結された」という用語は、標的遺伝子をコードするDNA配列及びDNA調節配列(例えば、プロモーター)が、適切な分子(例えば、転写因子)が調節配列に結合するとき、標的遺伝子の発現を可能にするように接続されることを意味する。
「〜に相当する、〜に対応する」または「〜に相当している、〜に対応している」という用語は、指定された配列と相同、実質的に等価または機能的に等価であることを指す。
「トランスジェニック構築物」、「トランスジェニック遺伝子構築物」または「標的化構築物」という用語は、宿主細胞に導入され得、かつその宿主細胞中でポリヌクレオチドを発現し得る、対象ポリヌクレオチド、例えばヒトCRBNポリヌクレオチドまたはその断片を含有する核酸分子を指す。
「核酸」、「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書中で互換的に使用されて、ヌクレオチドからなる任意の長さのポリマー、例えば、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド、または合成的に生じる化合物(これは、2つの天然に存在する核酸のものと類似の配列特異的方式で天然に存在する核酸とハイブリダイズし得、例えば、ワトソン−クリック塩基対形成相互作用に関与し得る)を述べる。本明細書においてポリヌクレオチド配列の文脈で使用される場合、「塩基」(または「塩基(複数)」)という用語は、「ヌクレオチド」(または「ヌクレオチド(複数)」)、すなわち、ポリヌクレオチドのモノマーサブユニットと同義である。「ヌクレオシド」及び「ヌクレオチド」という用語は、既知のプリン及びピリミジン塩基だけでなく、改変された他の複素環塩基も含む部分も含むことが意図される。このような修飾には、メチル化プリンまたはピリミジン、アシル化プリンまたはピリミジン、アルキル化リボースまたは他の複素環が挙げられる。さらに、「ヌクレオシド」及び「ヌクレオチド」という用語には、従来のリボース及びデオキシリボース糖だけでなく他の糖も含む部分が含まれる。改変されたヌクレオシドまたはヌクレオチドはまた、例えば、ヒドロキシル基の1つ以上がハロゲン原子もしくは脂肪族基で置換されているか、またはエーテル、アミンなどとして官能化されている糖部分の修飾を含む。「類似体」とは、模倣物、誘導体、類似の構造または他の同様の用語であるとして文献で認識されている構造的特徴を有する分子を指し、これには、例えば、非天然ヌクレオチドを組み込むポリヌクレオチド、ヌクレオチド模倣物、例えば、2’−修飾ヌクレオシド、ペプチド核酸、オリゴマーヌクレオシドホスホネート、及び保護基または連結部分のような置換基を付加した任意のポリヌクレオチドが挙げられる。
本明細書において交換可能に使用される「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、ペプチド結合を介して連結された直列アレイ中の3つ以上のアミノ酸のポリマーを指す。「ポリペプチド」という用語は、タンパク質、タンパク質断片、タンパク質類似体、オリゴペプチドなどを包含する。本明細書で使用する「ポリペプチド」という用語は、ペプチドを指す場合もある。ポリペプチドを構成するアミノ酸は、天然由来であってもよいし、合成されていてもよい。ポリペプチドは、生物学的試料から精製してもよい。ポリペプチド、タンパク質、またはペプチドはまた、修飾ポリペプチド、タンパク質、及びペプチド、例えば、グリコポリペプチド、糖タンパク質、もしくは糖ペプチド;またはリポポリペプチド、リポタンパク質もしくはリポペプチドを包含する。
「細胞」または「細胞(複数)」という用語は、特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞(複数可)の子孫または可能性のある子孫をも指す。本明細書中で使用される用語の範囲は、突然変異または環境の影響に起因して、後の世代において特定の改変が起こり得るため、実際には親細胞と同一ではない場合もある子孫を包含する。
本明細書中で使用される場合、「がん」及び「がん性」という用語は、典型的には調節されていない細胞増殖を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指すか、または記載する。がんの例としては、限定するものではないが、血液媒介癌(例えば、多発性骨髄腫、リンパ腫及び白血病)及び固形癌が挙げられる。「がん」という用語は、限定するものではないが、膀胱、骨、血液、脳、乳房、子宮頸部、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、リンパ節、肺、口、頸部、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、皮膚、胃、精巣、咽喉及び子宮のがんを含む組織または器官の疾患を指す。特定のがんとしては、限定するものではないが、進行悪性腫瘍、アミロイドーシス、神経芽腫、髄膜腫、血管周囲細胞腫、多形性脳芽細胞腫、多形膠芽腫、膠芽腫、脳幹神経膠腫、予後不良悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、再発性悪性神経膠腫、未分化星状細胞腫、未分化希突起グリオーマ、神経内分泌腫瘍、直腸腺癌、デュークスC&D結腸直腸癌、切除不能結腸直腸癌、転移性肝細胞癌、カポジ肉腫、カロトタイプ急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞B細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、悪性胸水浸潤中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭状漿液癌、婦人科肉腫、軟部組織肉腫、強皮症、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球症、平滑筋肉腫、進行性骨化性線維形成異常症、ホルモン抵抗性前立腺癌、切除高リスク軟部組織肉腫、切除不能肝細胞癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無痛性骨髄腫、卵管癌、アンドロゲン非依存性前立腺癌、アンドロゲン依存性ステージIV非転移性前立腺癌、ホルモン非感受性前立腺癌、化学療法非感受性前立腺癌、乳頭状甲状腺癌、濾胞性甲状腺癌、髄様甲状腺癌及び平滑筋腫が挙げられる。
本明細書中で使用されているように、他に特定しない限り、「治療する」、「治療すること」及び「治療」という用語は、患者が特定の疾患に罹患している間に起こる作用であって、その疾患の重篤度を低下するか、またはその疾患の進行を遅らせるか、もしくは遅延させる作用を指す。
本明細書において交換可能に使用される場合、「化合物」及び「処置化合物」という用語は、任意の薬学的に許容可能な形態の分子を包含し、これにはその立体異性体または立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体、または多形体を含む。特に、化合物が光学活性である場合、化合物への言及は、化合物のエナンチオマーのそれぞれ、ならびにエナンチオマーのラセミ混合物を包含し得る。
「CRBN E3ユビキチンリガーゼ調節化合物」または「CMC」という用語は、CRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体を直接または間接的に調節する分子を指す。いくつかの実施形態では、CMCは、CRBNに直接結合し、CRBNタンパク質の構造変化を誘導し得る。他の実施形態では、CMCは、CRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体の他のサブユニットに直接結合し得る。
「免疫調節化合物」という用語は、インビトロ(例えば、単離された細胞、細胞株、組織、または器官)またはインビボ(例えば、動物中)で免疫調節活性を有する、すなわち、免疫または炎症性応答を調節する分子を指す。免疫調節化合物の非限定的な例としては、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイドが挙げられる。
「生物学的マーカー」または「バイオマーカー」とは、その検出が特定の生物学的状態、例えば、ある疾患の存在を示す物質である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは個々に決定することができる。他の実施形態では、いくつかのバイオマーカーを同時に測定することができる。いくつかの実施形態では、「バイオマーカー」は、疾患のリスクもしくは進行、または所与の処置に対する疾患の感受性と相関し得るmRNA発現のレベルの変化を示す。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、mRNAまたはcDNAなどの核酸である。核酸の相対的なレベルは、当該分野で公知の方法によって決定することができる。例えば、ノーザンブロット、RT−PCR、または他の方法を用いてもよい。さらなる実施形態では、「バイオマーカー」は、疾患のリスクもしくは進行または処置に対する患者の感受性と相関し得る、ポリペプチドまたはタンパク質発現のレベルの変化を示す。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、ポリペプチドもしくはタンパク質、またはその断片であってもよい。特異的タンパク質の相対的レベルは、当技術分野で公知の方法によって決定してもよい。例えば、抗体ベースの方法、例えば、イムノブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、または他の方法を使用してもよい。
本明細書において交換可能に使用される「抗体」、「免疫グロブリン」または「Ig」という用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する完全にアセンブルした抗体及び抗体断片を包含する。本明細書に提供される抗体としては、限定するものではないが、合成抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え産生抗体、多重特異性抗体(二重特異性抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、イントラボディ、一本鎖Fv(scFv)(例えば、単一特異的、二価特異的など)、ラクダ化抗体、Fab断片、F(ab’)断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び上記のいずれかのエピトープ結合断片が挙げられる。具体的には、本明細書で提供される抗体としては、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、抗原結合ドメインまたはCRBN抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子(例えば、抗CRBN抗体の1つ以上の相補性決定領域(CDR))が挙げられる。本明細書で提供される抗体は、免疫グロブリン分子の任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD及びIgA)または任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)であってもよい。いくつかの実施形態では、抗CRBN抗体は、完全ヒト型モノクローナルCRBN抗体などの完全ヒト抗体である。特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体は、IgG抗体、またはそのサブクラス(例えば、ヒトIgG1またはIgG4)である。
本明細書で使用される「発現する」または「発現」という用語は、遺伝子の2つの核酸鎖のうちの1つの領域に対して、少なくとも部分的に相補的なメッセンジャーRNA(mRNA)分子を産生する遺伝子(例えば、遺伝子をコードするDNA配列)からの転写を指す。本明細書で使用する「発現した」または「発現」という用語はまた、タンパク質、ポリペプチド、またはその一部を産生するmRNA分子からの翻訳を指す。
「レベル」という用語は、バイオマーカー分子の量、蓄積または速度を指す。レベルは、例えば、ある遺伝子によってコードされるmRNAの量もしくは合成速度、ある遺伝子によってコードされるポリペプチドもしくはタンパク質の量もしくは合成速度、またはある細胞もしくは生物学的液体中に蓄積された生物学的分子の量もしくは合成速度によって提示され得る。「レベル」という用語は、定常状態または非定常状態条件下で決定される、試料中の分子の絶対量または分子の相対量を指す。
本明細書で使用する「決定する」、「測定する」、「推定する」、「評価する」及び「アッセイする」という用語は、一般に、任意の形態の測定を指し、ある要素が存在するか否かを決定することを包含する。これらの用語には、定量的及び/または定性的な決定が含まれる。評価は、相対的であっても、または絶対的なものであってもよい。「存在の評価」は、存在するものの量を決定すること、及びそれが存在するか否かを決定することを包含し得る。
「相補的」という用語は、ポリヌクレオチドの配列に基づくポリヌクレオチド間の特異的結合を指す。本明細書中で使用される場合、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、それらがストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーションアッセイにおいて互いに結合する場合、例えば、ハイブリダイゼーションアッセイにおいて所定レベルまたは検出可能なレベルのシグナルを生成する場合に、相補的である。ポリヌクレオチドの部分は、ミスマッチ、挿入、または欠損した配列の小さな領域(例えば、約3塩基未満)が存在してもよいが、AとT(またはU)との対及びGとCとの対のような従来の塩基対形成規則に従う場合、互いに対して相補的である。
2つの核酸配列の文脈における「配列同一性」または「同一性」とは、特定の比較ウィンドウにわたって最大の対応のために整列される場合に同じであり、付加、欠失及び置換を考慮し得る2つの配列中の残基を指す。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列を整列させるための適切なパラメーターを決定し得る。
ポリヌクレオチドの文脈におけるそれらの様々な文法的形態における「実質的同一性」または「相同」という用語は、一般に、あるポリヌクレオチドが、所望の同一性、例えば少なくとも60%の同一性、少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、または少なくとも99%の同一性を参照配列と比較して有する配列を含むことを意味する。ヌクレオチド配列が実質的に同一であるという別の指標は、2つの分子がストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズするかどうかである。
「単離された」及び「精製された」という用語は、物質(例えば、mRNA、DNA、またはタンパク質)とともに使用される場合、その物質(例えば、mRNA、DNAまたはタンパク質)の単離であって、それが存在する試料の実質的な部分、すなわち典型的には天然または非単離状態で見出される物質の部分よりも大きい部分をその物質が含むような物質の単離を指す。典型的には、試料の実質的な部分は、例えば試料の1%以上、2%以上、5%以上、10%以上、20%以上、50%以上、通常は、最大約90%〜100%を含む。例えば、単離されたmRNAの試料は、典型的には、少なくとも約1%の総mRNAを含んでもよい。ポリヌクレオチドを精製する技術は、当該技術分野において周知であり、例えば、ゲル電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、フローソーティング、及び密度による沈降が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「結合」という用語は、直接的または間接的な結合を示す。化学構造の文脈において、「結合した」(または「結合された」)とは、2つの部分を直接結合するか、または2つの部分を間接的に結合する(例えば、連結基または分子の他の任意の介在部分を介する)化学結合の存在を指す場合がある。化学結合は、共有結合、イオン結合、配位錯体、水素結合、ファンデルワールス相互作用、もしくは疎水性スタッキングであってもよく、または複数のタイプの化学結合の特性を示す場合もある。特定の例において、「結合された」には、その結合が直接的である実施形態及びその結合が間接的である実施形態が含まれる。
本明細書で使用される「試料」という用語は、典型的には必ずしもそうではないが、流体型の材料または材料の混合物に関し、これには、目的の1つ以上の成分を含む。「試料」とは、生物学的な組織または流体起源の試料を含む生物学的対象から得られた生物学的試料であってもよく、インビボまたはインサイチュで得られても、到達されても、または収集されてもよい。生物学的試料としてはまた、前がん細胞またはがん細胞または組織を含有する生物学的対象の領域由来の試料も含む。そのような試料は、限定するものではないが、哺乳動物から単離された器官、組織、及び細胞であってもよい。例示的な生物学的試料としては、限定するものではないが、細胞溶解物、細胞培養物、細胞株、組織、口腔組織、胃腸組織、器官、オルガネラ、生物学的液体、血液試料、尿試料、皮膚試料などが挙げられる。好ましい生物学的試料としては、限定するものではないが、全血、部分精製血液、PBMC、組織生検などが挙げられる。
本明細書中で使用される「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」という用語は、一般に、例えば、米国特許第4,683,195号に記載されているように、少量の核酸、RNA及び/またはDNAが増幅される手順を指す。一般には、オリゴヌクレオチドプライマーを設計することができるように、目的の領域の末端または範囲外からの配列情報が利用可能である必要がある;これらのプライマーは、増幅されるべき鋳型の反対側の鎖と配列が同一または類似するであろう。2つのプライマーの5’末端ヌクレオチドは、増幅された物質の末端と一致し得る。PCRは、特定のRNA配列、全ゲノムDNA由来の特定のDNA配列、及び全細胞RNAから転写されたcDNA、バクテリオファージ、またはプラスミド配列などを増幅するために使用され得る。一般的には、Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.1987,51:263−273;PCR Technology(Stockton Press,NY,Erlich,ed.,1989)を参照のこと。
「互変異性体」は、本明細書中で使用される場合、互いの平衡状態にある化合物の異性体型を指す。異性体型の濃度は、その化合物が見出される環境に依存し、例えば、その化合物が固体であるか、または有機もしくは水溶液中にあるかによって異なる場合がある。例えば、水溶液中で、ピラゾールは、互いの互変異性体と呼ばれる以下の異性体型を呈する場合がある:
Figure 2019506897
本明細書中で使用され、かつ他に示されない限り、「薬学的に許容される塩」という用語は、その用語が指す化合物の非毒性の酸及び塩基付加塩を包含する。許容される非毒性酸付加塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸、エンボリック酸(embolic acid)、エナント酸などを含む当業界で公知の有機及び無機酸から誘導される塩が挙げられる。性質が酸性である化合物は、様々な薬学的に許容される塩基と塩を形成し得る。このような酸性化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を製造するために使用することができる塩基は、非毒性の塩基付加塩、すなわち薬理学的に許容されるカチオン、例えば、限定するものではないが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩(特に、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、またはカリウム塩)を含む塩を形成する塩基である。適切な有機塩基としては、限定するものではないが、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(N−メチルグルカミン)、リジン及びプロカインが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、「溶媒和物」という用語は、非共有結合分子間力によって結合された化学量論量または非化学量論量の溶媒をさらに含む本明細書に提供される化合物またはその塩を意味する。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、用語「共結晶」は、結晶格子中に2つ以上の化合物を含む結晶形を意味する。共結晶は、非イオン性相互作用を介して結晶格子中に一緒に結合した2つ以上の不揮発性化合物の結晶性分子複合体を含む。本明細書で使用される場合、共結晶は、治療用化合物及び1つ以上の追加の不揮発性化合物(複数可)(本明細書では対抗分子(複数可)と呼ばれる)を含む結晶性分子複合体を含む医薬用共結晶を含む。医薬用共結晶中の対向分子は、典型的には、例えば、食品添加物、防腐剤、薬学的賦形剤、または他の活性医薬成分(API)などの非毒性の薬学的に受容可能な分子である。いくつかの実施形態では、医薬品共結晶は、APIの化学構造的完全性を損なうことなく、薬物製品の特定の物理化学的特性(例えば、溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティ及び/または安定性)を高める。例えば、Jones et al.,MRS Bulletin 2006,31,875−879;Trask,Mol.Pharmaceutics 2007,4(3):301−309;Schultheiss & Newman,Crystal Growth & Design 2009,9(6):2950−2967;Shan & Zaworotko,Drug Discovery Today 2008,13(9/10):440−446;ならびにVishweshwar et al.,J.Pharm.Sci.2006,95(3):499−516を参照のこと。
本明細書中で使用される場合、及び他に特定しない限り、「立体異性体」という用語は、本発明の全ての鏡像異性/立体異性的に純粋で、及び鏡像異性/立体異性的に濃縮された化合物を包含する。
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、「立体異性的に純粋な」という用語は、化合物の1つの立体異性体を含み、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物は、その化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性的に純粋な化合物は、測定誤差内で、約80重量%超の化合物の1つの立体異性体、約20重量%未満の化合物の他の立体異性体、より好ましくは約90重量%超の化合物の1つの立体異性体及び約10重量%未満の化合物の他の立体異性体、さらにより好ましくは約95重量%超の化合物の1つの立体異性体、及び約5重量%未満の化合物の他の立体異性体、さらにより好ましくは約97重量%超の化合物の1つの立体異性体、及び約3重量%未満の化合物の他の立体異性体、さらにより好ましくは約99重量%超の化合物の1つの立体異性体、及び約1重量%未満の化合物の他の立体異性体、さらにより好ましくは約99.9重量%超の化合物の1つの立体異性体、及び約0.1重量%未満の化合物の他の立体異性体、及び最も好ましくは約100重量%の化合物の1つの立体異性体及び約0重量%の化合物の他の立体異性体を含む。
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、「立体異性的に濃縮された」という用語は、約60重量%超の化合物の1つの立体異性体、好ましくは約70重量%超、さらに好ましくは80重量%超の化合物の1つの立体異性体を含む組成物を意味する。本明細書中で使用されるように、他に示されない限り、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性的に純粋な組成物を意味する。同様に、「立体異性的に濃縮された」という用語は、1つのキラル中心を有する化合物の立体的に濃縮された組成物を意味する。
本明細書中で使用される場合、他に特定しない限り、「プロドラッグ」という用語は、化合物を提供するために生物学的条件下(インビトロまたはインビボ)で加水分解、酸化またはその他の方法で反応することができる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例としては、限定するものではないが、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カーボネート、生加水分解性ウレイド、及び生加水分解性リン酸類似体などの生加水分解性部分を含む化合物が挙げられる。プロドラッグの他の例としては、−NO、−NO、−ONOまたは−ONO部分を含む化合物が挙げられる。プロドラッグは、典型的には、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery,172−178,949−982(Manfred E.Wolff,ed.,5th ed.1995)、及びDesign of Prodrugs(H.Bundgaard,ed.,Elselvier,New York 1985)に記載の方法などの周知の方法を用いて調製され得る。
化合物は、1つ以上の原子で原子同位体の自然でない部分を含んでもよいことも注目されるべきである。例えば、この化合物は、例えば、トリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)、イオウ−35(35S)、もしくは炭素−14(14C)などの放射性同位体で放射性標識されてもよいし、または重水素(H)、炭素−13(13C)、もしくは窒素−15(15N)などで同位体的に濃縮されてもよい。本明細書中で使用される場合、「同位体置換体」は、同位体濃縮化合物である。「同位体的に濃縮された」という用語は、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位体的に濃縮された」とはまた、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1つの原子を含む化合物を指してもよい。「同位体組成物」という用語は、所与の原子に存在する各同位体の量を指す。放射標識及び同位体濃縮化合物は、治療剤、例えばがん及び炎症治療薬、研究試薬、例えば結合アッセイ試薬、及び診断剤、例えばインビボ造影剤として有用である。放射性であろうとなかろうと、本明細書に記載される化合物の全ての同位体の変動は、本明細書で提供される実施形態の範囲内に包含されることが意図される。いくつかの実施形態では、化合物の同位体置換体が提供され、例えば、同位体置換体は、重水素、炭素−13、または窒素−15濃縮化合物である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される同位体置換体は、重水素濃縮化合物である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される同位体置換体は、重水素濃縮化合物であり、ここで重水素化はキラル中心で生じる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、重水素がキラル中心で生じる式Iの化合物の同位体置換体である。いくつかの実施形態では、キラル中心で重水素化が起こる化合物Cの同位体置換体が本明細書で提供される。
「約」または「およそ」という用語は、その値がどのように測定または決定されるかに部分的に依存する、当業者によって決定されるような特定の値に対する許容誤差を意味する。特定の実施形態では、「約」または「およそ」という用語は、1、2、3または4標準偏差以内を意味する。ある実施形態では、「約」または「およそ」という用語は、所定の値または範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.05%内を意味する。
描写された構造とその構造に与えられた名称との間に相違がある場合、描写された構造の方が重視されるべきであることに留意すべきである。さらに、構造または構造の一部の立体化学が、例えば太線または点線で示されていない場合、構造または構造の部分は、その全ての立体異性体を包含するものとして解釈されるべきである。
本明細書で提供される実施形態の実施は、他に示されない限り、当業者の技術範囲内の分子生物学、微生物学、及び免疫学の従来技術を採用する。このような技術は文献に十分に説明されている。参照に特に適したテキストの例としては、以下が挙げられる:
Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(2d ed.1989);Glover,ed.,DNA Cloning,Volumes I and II(1985);Gait,ed.,Oligonucleotide Synthesis(1984);Hames & Higgins,eds.,Nucleic Acid Hybridization(1984);Hames & Higgins,eds.,Transcription and Translation(1984);Freshney,ed.,Animal Cell Culture:Immobilized Cells and Enzymes(IRL Press,1986);Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(Academic Press,London);Scopes,Protein Purification:Principles and Practice(Springer Verlag,N.Y.,2d ed.1987);及びWeir & Blackwell,eds.,Handbook of Experimental Immunology,Volumes I−IV(1986)。
5.2ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウス
特定の実施形態では、トランスジェニック動物は、トランスジェニック非ヒト哺乳動物、例えば、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマ、げっ歯類(例えば、ラット、マウス、またはハムスター)などである。いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物は、トランスジェニック齧歯類、例えば、ラット、マウス、ハムスターなどである。特定の実施形態では、トランスジェニック動物は、トランスジェニックマウスである。
トランスジェニック動物は、染色体外要素として、またはその細胞の全部もしくは一部(例えば、体細胞及び/または生殖細胞)に安定に組み込まれた外因性核酸配列を含む。特定の実施形態では、外因性核酸配列は、トランスジェニック動物中の染色体外要素(例えば、ミニ染色体、細菌人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC))として存在する。他の実施形態では、外因性核酸配列は、トランスジェニック動物のゲノムに安定に組み込まれる。いくつかの実施形態では、外因性核酸配列は、体細胞及び生殖細胞を含むトランスジェニック動物の全ての細胞に存在する。他の実施形態では、外因性核酸配列は、体細胞の一部及び/または生殖細胞の一部を含む、トランスジェニック動物の細胞の一部に存在する。特定の実施形態では、トランスジェニック動物は、生殖系列配列、すなわち生殖細胞のゲノムに安定に組み込まれた外因性核酸配列に対する安定な変化を含む。
トランスジェニック動物の初期構築の間、細胞のサブセットのみが変化したゲノムを有するトランスジェニック動物、「キメラ」または「キメラ動物」が生成される。キメラは、生殖系列伝達を有するトランスジェニック動物、すなわち生殖細胞のゲノムに安定に組み込まれた外因性核酸配列を有するトランスジェニック動物を作製するための育種のために主に使用される。生殖細胞系ヘテロ接合性変化を有する動物は、キメラの繁殖によって産生される。次いで、生殖系列伝達を有する雄性及び雌性のヘテロ接合体を交配させて、ホモ接合性トランスジェニック動物を産生する。ホモ接合性トランスジェニック動物は、特定の遺伝的背景を有するトランスジェニック動物を作製するために、異なる遺伝的背景の動物(例えば、異種移植動物モデル、様々な疾患動物モデル、または異なる導入遺伝子を有するトランスジェニック動物)とさらに育種させてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物は、キメラトランスジェニック動物である。特定の実施形態では、トランスジェニック動物は、ヘテロ接合性トランスジェニック動物である。他の実施形態では、トランスジェニック動物は、ホモ接合性トランスジェニック動物である。さらに他の実施形態では、トランスジェニック動物は、特定の遺伝的背景を有するホモ接合性トランスジェニック動物(例えば、異種移植片動物モデル、種々の疾患動物モデル、または異なる導入遺伝子を有するトランスジェニック動物)である。
特定の実施形態では、トランスジェニック動物は、ヒトCRBN遺伝子またはその断片を非ヒト動物(例えば、マウス)の生殖系列に導入することによって産生される。いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物は、マウスの生殖系列にヒトCRBN遺伝子またはその断片を導入することによって産生されるトランスジェニックマウスである。一実施形態では、ヒトCRBN遺伝子は、天然起源であっても、または人工起源であってもよい。別の実施形態では、ヒトCRBN遺伝子は、ゲノムDNA、相補DNA(cDNA)、ハイブリッド配列、合成配列、または半合成配列であってもよい。
特定の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNのcDNAまたはその断片をマウスの生殖系列に導入することによって産生される。さらに他の実施形態では、トランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBNのcDNA(例えば、ヒトCRBNアイソフォーム1またはヒトCRBNアイソフォーム2)をトランスジェニックマウスの生殖系列に導入することによって産生される。一実施形態では、トランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBNアイソフォーム1のcDNAをトランスジェニックマウスの生殖細胞系に導入することによって産生され、ここで、この全長ヒトCRBNアイソフォーム1のcDNAは以下のような核酸配列を有する:
atggccggcg aaggagatca gcaggacgct gcgcacaaca tgggcaacca cctgccgctc ctgcctgcag agagtgagga agaagatgaa atggaagttg aagaccagga tagtaaagaa gccaaaaaac caaacatcat aaattttgac accagtctgc cgacatcaca tacataccta ggtgctgata tggaagaatt tcatggcagg actttgcacg atgacgacag ctgtcaggtg attccagttc ttccacaagt gatgatgatc ctgattcccg gacagacatt acctcttcag ctttttcacc ctcaagaagt cagtatggtg cggaatttaa ttcagaaaga tagaaccttt gctgttcttg catacagcaa tgtacaggaa agggaagcac agtttggaac aacagcagag atatatgcct atcgagaaga acaggatttt ggaattgaga tagtgaaagt gaaagcaatt ggaagacaaa ggttcaaagt ccttgagcta agaacacagt cagatggaat ccagcaagct aaagtgcaaa ttcttcccga atgtgtgttg ccttcaacca tgtctgcagt tcaattagaa tccctcaata agtgccagat atttccttca aaacctgtct caagagaaga ccaatgttca tataaatggt ggcagaaata ccagaagaga aagtttcatt gtgcaaatct aacttcatgg cctcgctggc tgtattcctt atatgatgct gagaccttaa tggacagaat caagaaacag ctacgtgaat gggatgaaaa tctaaaagat gattctcttc cttcaaatcc aatagatttt tcttacagag tagctgcttg tcttcctatt gatgatgtat tgagaattca gctccttaaa attggcagtg ctatccagcg acttcgctgt gaattagaca ttatgaataa atgtacttcc ctttgctgta aacaatgtca agaaacagaa ataacaacca aaaatgaaat attcagttta tccttatgtg ggccgatggc agcttatgtg aatcctcatg gatatgtgca tgagacactt actgtgtata aggcttgcaa cttgaatctg ataggccggc cttctacaga acacagctgg tttcctgggt atgcctggac tgttgcccag tgtaagatct gtgcaagcca tattggatgg aagtttacgg ccaccaaaaa agacatgtca cctcaaaaat tttggggctt aacgcgatct gctctgttgc ccacgatccc agacactgaa gatgaaataa gtccagacaa agtaatactt tgcttgtaa(配列番号5)。いくつかの実施形態では、この全長ヒトCRBNアイソフォーム1のcDNAは、マウス染色体に安定に組み込まれる。
別の実施形態では、トランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBNアイソフォーム2のcDNAをトランスジェニックマウスの生殖細胞系に導入することにより産生され、ここで、この全長ヒトCRBNアイソフォーム2のcDNAは、以下のような核酸配列を有する:
atggccggcg aaggagatca gcaggacgct gcgcacaaca tgggcaacca cctgccgctc ctgcctgaga gtgaggaaga agatgaaatg gaagttgaag accaggatag taaagaagcc aaaaaaccaa acatcataaa ttttgacacc agtctgccga catcacatac atacctaggt gctgatatgg aagaatttca tggcaggact ttgcacgatg acgacagctg tcaggtgatt ccagttcttc cacaagtgat gatgatcctg attcccggac agacattacc tcttcagctt tttcaccctc aagaagtcag tatggtgcgg aatttaattc agaaagatag aacctttgct gttcttgcat acagcaatgt acaggaaagg gaagcacagt ttggaacaac agcagagata tatgcctatc gagaagaaca ggattttgga attgagatag tgaaagtgaa agcaattgga agacaaaggt tcaaagtcct tgagctaaga acacagtcag atggaatcca gcaagctaaa gtgcaaattc ttcccgaatg tgtgttgcct tcaaccatgt ctgcagttca attagaatcc ctcaataagt gccagatatt tccttcaaaa cctgtctcaa gagaagacca atgttcatat aaatggtggc agaaatacca gaagagaaag tttcattgtg caaatctaac ttcatggcct cgctggctgt attccttata tgatgctgag accttaatgg acagaatcaa gaaacagcta cgtgaatggg atgaaaatct aaaagatgat tctcttcctt caaatccaat agatttttct tacagagtag ctgcttgtct tcctattgat gatgtattga gaattcagct ccttaaaatt ggcagtgcta tccagcgact tcgctgtgaa ttagacatta tgaataaatg tacttccctt tgctgtaaac aatgtcaaga aacagaaata acaaccaaaa atgaaatatt cagtttatcc ttatgtgggc cgatggcagc ttatgtgaat cctcatggat atgtgcatga gacacttact gtgtataagg cttgcaactt gaatctgata ggccggcctt ctacagaaca cagctggttt cctgggtatg cctggactgt tgcccagtgt aagatctgtg caagccatat tggatggaag tttacggcca ccaaaaaaga catgtcacct caaaaatttt ggggcttaac gcgatctgct ctgttgccca cgatcccaga cactgaagat gaaataagtc cagacaaagt aatactttgc ttgtaa(配列番号6)。いくつかの実施形態では、全長ヒトCRBNアイソフォーム2のcDNAは、マウス染色体に安定に組み込まれる。
他の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNのcDNAの断片(例えば、ヒトCRBNアイソフォーム1の断片またはヒトCRBNアイソフォーム2の断片)を、トランスジェニックマウスの生殖系列に導入することによって産生される。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム1のcDNAの断片を、トランスジェニックマウスの生殖細胞系に導入することによって産生される。別の特定の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム2のcDNAの断片を、トランスジェニックマウスの生殖系列に導入することによって産生される。いくつかの実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム1の一部をコードする核酸配列を含むヒトCRBNのcDNAの断片を、トランスジェニックマウスの生殖系列に導入することによって産生される。別の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム2の一部をコードする核酸配列を含むヒトCRBNのcDNAの断片を、トランスジェニックマウスの生殖細胞系に導入することによって産生される。他の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24(グルタミン酸)をコードする核酸配列で始まり、ヒトCRBNアイソフォーム1の終止コドンで終わる核酸配列を含むヒトCRBNアイソフォーム1のcDNAの断片を、トランスジェニックマウスの生殖系列に導入することによって産生される。さらに他の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23(グルタミン酸)をコードする核酸配列で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の終止コドンで終わる、核酸配列を含むヒトCRBNアイソフォーム2のcDNAの断片を、トランスジェニックマウスの生殖細胞系に、導入することにより産生される。さらに他の実施形態では、トランスジェニックマウスは、以下のような核酸配列を含むヒトCRBNのcDNAの断片(例えば、ヒトCRBNアイソフォーム1の断片またはヒトCRBNアイソフォーム2の断片)を、そのトランスジェニックマウスの生殖系列に導入することによって産生される:
ag agagtgagga agaagatgaa atggaagttg aagaccagga tagtaaagaa gccaaaaaac caaacatcat aaattttgac accagtctgc cgacatcaca tacataccta ggtgctgata tggaagaatt tcatggcagg actttgcacg atgacgacag ctgtcaggtg attccagttc ttccacaagt gatgatgatc ctgattcccg gacagacatt acctcttcag ctttttcacc ctcaagaagt cagtatggtg cggaatttaa ttcagaaaga tagaaccttt gctgttcttg catacagcaa tgtacaggaa agggaagcac agtttggaac aacagcagag atatatgcct atcgagaaga acaggatttt ggaattgaga tagtgaaagt gaaagcaatt ggaagacaaa ggttcaaagt ccttgagcta agaacacagt cagatggaat ccagcaagct aaagtgcaaa ttcttcccga atgtgtgttg ccttcaacca tgtctgcagt tcaattagaa tccctcaata agtgccagat atttccttca aaacctgtct caagagaaga ccaatgttca tataaatggt ggcagaaata ccagaagaga aagtttcatt gtgcaaatct aacttcatgg cctcgctggc tgtattcctt atatgatgct gagaccttaa tggacagaat caagaaacag ctacgtgaat gggatgaaaa tctaaaagat gattctcttc cttcaaatcc aatagatttt tcttacagag tagctgcttg tcttcctatt gatgatgtat tgagaattca gctccttaaa attggcagtg ctatccagcg acttcgctgt gaattagaca ttatgaataa atgtacttcc ctttgctgta aacaatgtca agaaacagaa ataacaacca aaaatgaaat attcagttta tccttatgtg ggccgatggc agcttatgtg aatcctcatg gatatgtgca tgagacactt actgtgtata aggcttgcaa cttgaatctg ataggccggc cttctacaga acacagctgg tttcctgggt atgcctggac tgttgcccag tgtaagatct gtgcaagcca tattggatgg aagtttacgg ccaccaaaaa agacatgtca cctcaaaaat tttggggctt aacgcgatct gctctgttgc ccacgatccc agacactgaa gatgaaataa gtccagacaa agtaatactt tgcttgtaa(配列番号7)。いくつかの実施形態では、ヒトCRBNアイソフォーム1のcDNAの断片は、マウス染色体に安定に組み込まれる。他の実施形態では、ヒトCRBNアイソフォーム2のcDNAの断片は、マウス染色体に安定に組み込まれる。
さらに別の実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBNのcDNAの断片(例えば、ヒトCRBNアイソフォーム1の断片またはヒトCRBNアイソフォーム2の断片)を、マウスCRBNゲノムDNAと、ヒトCRBNのcDNAの断片(例えば、ヒトCRBNアイソフォーム1の断片またはヒトCRBNアイソフォーム2の断片)を含む標的化構築物との間の相同組換えを通じて、トランスジェニックマウスの生殖系列に導入することによって産生される。特定の実施形態では、標的化構築物は、以下のような核酸配列を含む:
aagaacagctcacacttgatagaataccacttctagaaagtagcgttgtgttttgtttcttcagactttcatctctgcccttggcagcatcatgttatcaggtggatcagcttagctttcatttcatttcaaaaaaaaaagtgcaggtagagttcttaagatatctccttttgccaggcagtggtggcgcactcctttaatcccagcacttgggaggcagaggcaggcagatttctgagttcgaggccagcctggtctacagagtgagttccaggacagccagggctacatagagaaaccctgtctccaaaaactcgaaaaacagaaaagaaaagaaaaaaaaaaaagacatctcctttaaaatgtattttctttgggccaactttatttttaaattgagaatgacaaagcgatgttttatgaaaaataattgcaaacatttcacgtttaaatatgacggtgagccaggttttaatggtattttttttcccagtttcattaacagacctttcttgcctgcttgtgttttccttgctttctttttcacagagaaactttgtagctaaagtctgaaagaacctcatagattactttgttcaagccttcattgttttttttttcaaatgaaaaaacagctttaatcaattggaattcattgtgtaaggtgtcaggattagtagtgatggagaagataagactcatccatgcaggagatgggcctaattcagccacgtcagtcgttaggctggacctagtgatctgctttccaaccgtgtacggtgtaactgcggggcaggggcgagggggtttacagagaaggaagctggcggctgtttctgaccagaaatcaaggggaacatcagcccctgggtcaggctgactgtacgtacccttgatgtgcggtgaggaataggcgttgtccctagcagaactctaatagagaatgacatctattccctattgagggatgctgtgtaaagtcctgataaggaagacagaacatccagcatgcgtgtaccacaggcagcaaaggagccatacctaaatatagcatggtgtcctggaggggtaacaggaaatggagaatagctgaaaatcaaaggcaatccaaataagataaggcatttagttaacagtaatgtgccaatatcgacgacttagttgtcacaagaataccagatgcatggaccatgctaacaatggaggaagatagtcttggcatgctagaattctatttttccaacattccaggaaatcttaaagtgtcctaagatagttgattgttaaaaacagggaaaaaagaaaggaaaggaaaagaaaggaaaaggcgccatgacagaaagagcacagacccagcctctgccgctgtctctgcacagctttccttttaagagtgtctttcttcaattcagggtgtgtgaatggaaccagaactgacttgcttttttcttttctttttttttttttttaatgaatctcattttttccctctattattctccttcagcagagagtgaggaagaagatgaaatggaagttgaagaccaggatagtaaagaagccaaaaaaccaaacatcataaattttgacaccagtctgccgacatcacatacatacctaggtgctgatatggaagaatttcatggcaggactttgcacgatgacgacagctgtcaggtgattccagttcttccacaagtgatgatgatcctgattcccggacagacattacctcttcagctttttcaccctcaagaagtcagtatggtgcggaatttaattcagaaagatagaacctttgctgttcttgcatacagcaatgtacaggaaagggaagcacagtttggaacaacagcagagatatatgcctatcgagaagaacaggattttggaattgagatagtgaaagtgaaagcaattggaagacaaaggttcaaagtccttgagctaagaacacagtcagatggaatccagcaagctaaagtgcaaattcttcccgaatgtgtgttgccttcaaccatgtctgcagttcaattagaatccctcaataagtgccagatatttccttcaaaacctgtctcaagagaagaccaatgttcatataaatggtggcagaaataccagaagagaaagtttcattgtgcaaatctaacttcatggcctcgctggctgtattccttatatgatgctgagaccttaatggacagaatcaagaaacagctacgtgaatgggatgaaaatctaaaagatgattctcttccttcaaatccaatagatttttcttacagagtagctgcttgtcttcctattgatgatgtattgagaattcagctccttaaaattggcagtgctatccagcgacttcgctgtgaattagacattatgaataaatgtacttccctttgctgtaaacaatgtcaagaaacagaaataacaaccaaaaatgaaatattcagtttatccttatgtgggccgatggcagcttatgtgaatcctcatggatatgtgcatgagacacttactgtgtataaggcttgcaacttgaatctgataggccggccttctacagaacacagctggtttcctgggtatgcctggactgttgcccagtgtaagatctgtgcaagccatattggatggaagtttacggccaccaaaaaagacatgtcacctcaaaaattttggggcttaacgcgatctgctctgttgcccacgatcccagacactgaagatgaaataagtccagacaaagtaatactttgcttgtaagtgcacctagagctcgctgatcagcctcgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggcttctgaggcggaaagaaccagctggggctcgactagagcttgcggaacccttcgtatgtggtttagtcattgagcaaatgcagtatgcggacctttatctatggctggaatttggtaccttttgctagcataacttcgtatagcatacattatacgaagttatcctaggtaattctaccgggtaggggaggcgcttttcccaaggcagtctggagcatgcgctttagcagccccgctgggcacttggcgctacacaagtggcctctggcctcgcacacattccacatccaccggtaggcgccaaccggctccgttctttggtggccccttcgcgccaccttctactcctcccctagtcaggaagttcccccccgccccgcagctcgcgtcgtgcaggacgtgacaaatggaagtagcacgtctcactagtctcgtgcagatggacagcaccgctgagcaatggaagcgggtaggcctttggggcagcggccaatagcagctttgctccttcgctttctgggctcagaggctgggaaggggtgggtccgggggcgggctcaggggcgggctcaggggcggggcgggcgcccgaaggtcctccggaggcccggcattctgcacgcttcaaaagcgcacgtctgccgcgctgttctcctcttcctcatctccgggcctttcgacctgcagcctgttgacaattaatcatcggcatagtatatcggcatagtataatacgacaaggtgaggaactaaaccagatctgccaccatgattgaacaagatggattgcacgcaggttctccggccgcttgggtggagaggctattcggctatgactgggcacaacagacaatcggctgctctgatgccgccgtgttccggctgtcagcgcaggggcgcccggttctttttgtcaagaccgacctgtccggtgccctgaatgaactgcaggacgaggcagcgcggctatcgtggctggccacgacgggcgttccttgcgcagctgtgctcgacgttgtcactgaagcgggaagggactggctgctattgggcgaagtgccggggcaggatctcctgtcatctcaccttgctcctgccgagaaagtatccatcatggctgatgcaatgcggcggctgcatacgcttgatccggctacctgcccattcgaccaccaagcgaaacatcgcatcgagcgagcacgtactcggatggaagccggtcttgtcgatcaggatgatctggacgaagagcatcaggggctcgcgccagccgaactgttcgccaggctcaaggcgcgcatgcccgacggcgaggatctcgtcgtgacccatggcgatgcctgcttgccgaatatcatggtggaaaatggccgcttttctggattcatcgactgtggccggctgggtgtggcggaccgctatcaggacatagcgttggctacccgtgatattgctgaagagcttggcggcgaatgggctgaccgcttcctcgtgctttacggtatcgccgctcccgattcgcagcgcatcgccttctatcgccttcttgacgagttcttctgacttaagaacttgtttattgcagcttataatggttacaaataaagcaatagcatcacaaatttcacaaataaagcatttttttcactgcattctagttgtggtttgtccaaactcatcaatgtatcttatcatgtctgcaattgataacttcgtatagcatacattatacgaagttatgaattcttttctcgagcctaagtgcagggagccacactaggggactagtgcaggggactgactagagggttcctgcatattcgctgaccctagaatccgtgcatgagaacagacttattttccagtgcatagcatgtaattttagaaatggaagccgtgtcgtactatatcctcatgtgattcttgactattttctaatatgtaagctgatatgtaaacattaaagctaacatatagctttatgtttaaacttatcttgggagggactctttgaggaattgtcttcctctgaagggttctgctagtaactgagccattaagtgttcttaatgttgtttcagaactgctgggatgtg
gggcggtattataggtactaaaattctgtcctatgctttgtcagttttggacatagaggagttttggtgaaaatattttgaattacaaaataatgatcgattcttgataaaaattgggagttctaataggaaatactagatcaaaaattagagtttgatggaggcatgcttatataacagattatttaaataaacatgtgctctgtttagtgttttcctctgctttattctttagtaggttgacgtgtagtaagtgtgtgtcttgactctgtgctcttgagtagtacctgggagctgatatggaggagttccacgggagaactttgcatgacgacgacagctgccaggtgatcccagtccttcctgaggtgctgatgatcctgattcctgggcagacactcccactgcagctctctcacccacaggaagtcagcatggtgcggaacttaatccagaaagacaggacctttgcagtccttgcatacaggtaagagattagacagatctgcttaccaccctgccaaagtcagtgcgacagctaaagccaacggggatttgcagatactggacaggagtgtgaagcaaacggtcttgtgtcacattttcagtgtttcgctgtttttacagtgtagctgtgtttggctcttgaaaaacttccactcacttaatggaaaacctccctgttcagaactgtctttatttaaaaatagctaagttttaaaattttcaataaaggttacttttctaaagtgaagctgttcttcagtagcctgtggcaaatgagggaaccgtggtggaggcaggaaatggaaacaggaaacctcccatcacccccgctgaccctcccctcagacagtcacagtgctgccagttagtgcgaccatcattgcctgccaaagtgaaaggatgctcattttgtgaaataacgatttaaaacttcttagcactggttatctcagtgaagcctaaaagtctacctttattctaaaatatgctgtttgccttccggggccttgtgtgtcagcttcctagtgagggttagctgctgtaattgtcacagtgtttgcccgatctgtgtcgcttttgccacctttacataattatgagccagagctgaaaactctgtccatttttgtctttgaagtaatgtgcaagaaaggg(配列番号8)。いくつかの実施形態では、標的化構築物は、マウス染色体に安定に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、トランスジェニックマウスは、ヒトCRBN遺伝子またはその断片のバリアント(例えば、突然変異、欠失または挿入)をマウスの生殖系列に導入することによって産生される。一実施形態では、トランスジェニックマウスは、変異を含むヒトCRBN遺伝子またはその断片を、マウスの生殖系列に導入することによって産生される。別の実施形態では、トランスジェニックマウスは、欠損を含むヒトCRBN遺伝子またはその断片を、マウスの生殖系列に導入することによって産生される。さらに別の実施形態では、トランスジェニックマウスは、挿入を含むヒトCRBN遺伝子またはその断片を、マウスの生殖系列に導入することによって産生される。さらに別の実施形態では、トランスジェニックマウスは、変異、欠失及び/または挿入を含むヒトCRBN遺伝子またはその断片を、マウスの生殖系列に導入することによって産生される。いくつかの実施形態では、トランスジェニックマウスは、変異及び欠失を含むヒトCRBN遺伝子またはその断片を、マウスの生殖系列に導入することによって産生される。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスは、変異及び挿入を含むヒトCRBN遺伝子またはその断片を、マウスの生殖細胞系に導入することによって産生される。他の実施形態では、トランスジェニックマウスは、欠失及び挿入を含むヒトCRBN遺伝子またはその断片を、マウスの生殖系列に導入することによって産生される。さらに他の実施形態において、トランスジェニックマウスは、変異、欠失、及び挿入を含むヒトCRBN遺伝子またはその断片を、マウスの生殖細胞系に導入することによって産生される。
特定の実施形態では、トランスジェニックマウスは、野生型ヒトCRBN遺伝子と少なくとも約50、60、70、80、90、または95%の同一性を有するヒトCRBN遺伝子またはその断片のバリアント(例えば、突然変異、欠失、または挿入)を、マウスの生殖系列に導入することによって産生される。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスは、野生型ヒトCRBN遺伝子と少なくとも約90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%の同一性を有するヒトCRBN遺伝子またはその断片のバリアント(例えば、突然変異、欠失、または挿入)を、マウスの生殖系列に導入することによって産生される。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスは、野生型ヒトCRBN遺伝子と約90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%の同一性を有するヒトCRBN遺伝子またはその断片のバリアント(例えば、突然変異、欠失、または挿入)を、マウスの生殖系列に導入することによって産生される。
ヒトCRBN遺伝子またはその断片のバリアントは、hCRBNの全長またはその断片にまたがって配列同一性の必要なレベルが達成される限り、1つの以上の突然変異、欠失、及び/または挿入を有する相同hCRBNのアミノ酸配列を含む。配列同一性は、標準パラメーターを用いてBLAST、ALIGN、及びCLUSTALなどの既知のプログラムを使用して決定してもよい。例えば、Altschul et al.,J.Mol.Biol.1990,215:403−410;Henikoff et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1989,89:10915;Karin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1993,90:5873;Higgins et al.,Gene 1988,73:237−244を参照のこと。BLAST分析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通じて公に入手可能である。FASTAを使用してデータベースを検索してもよい。Pearson et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1988,85:2444−2448を参照のこと。
特定の実施形態では、hCRBNトランスジェニック動物は、ヒトCRBNまたはその断片をコードするヌクレオチド配列の1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、hCRBNトランスジェニック動物は、ヒトCRBNまたはその断片をコードするヌクレオチド配列の約1超、約2超、約3超、約4超、約5超、約6超、約7超、約8超、約9超、約10超、約11超、約12超、約13超、約14超、または約15超のコピーを含む。他の実施形態では、hCRBNトランスジェニック動物は、ヒトCRBNまたはその断片をコードするヌクレオチド配列の約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、または約15コピーを含む。例えば、本明細書で提供されるのは、ヒトCRBNまたはその断片をコードするヌクレオチド配列を含むトランスジェニック動物であって、ヒトCRBNがこのトランスジェニック動物で発現され、ここでこのhCRBNトランスジェニック動物が、ヒトCRBNをコードするヌクレオチド配列の約1〜約2コピーを含む、トランスジェニック動物である。
特定の実施形態では、hCRBNトランスジェニック動物は、異なるレベルのヒトCRBNを発現する。いくつかの実施形態では、ヒトCRBN発現のレベルは、hCRBN遺伝子のコピー数、hCRBNをコードする核酸配列が組み込まれているゲノム部位、ならびに/またはhCRBNをコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーター及び/もしくは調節領域によって直接的または間接的に決定される。特定の実施形態では、hCRBNをコードする核酸配列は、内因性CRBN遺伝子が位置する染色体または座とは異なる染色体または座に組み込まれる。他の実施形態では、hCRBNをコードする核酸配列は、内因性CRBN遺伝子が位置するのと同じ染色体または同じ座である染色体または座に組み込まれる。いくつかの実施形態では、hCRBNをコードする核酸配列は、内因性CRBN遺伝子に組み込まれ、内因性CRBN遺伝子の発現を破壊する。
特定の実施形態では、プロモーター及び/または調節領域は相同である(例えば、トランスジェニックマウスのマウスプロモーター及び/または調節領域)。一実施形態では、プロモーターは相同である。別の実施形態では、調節領域は相同である。さらに別の実施形態では、プロモーター及び調節領域は相同である。1つの特定の実施形態では、プロモーターは、相同マウスCRBNプロモーターである。別の実施形態では、調節領域は、相同マウスCRBN調節領域である。さらに別の実施形態では、プロモーター及び調節領域は、相同マウスCRBNプロモーター及び調節領域である。いくつかの実施形態では、プロモーター及び/または調節領域は、異種(例えば、トランスジェニックマウスの非マウス真核生物、細菌またはウイルスプロモーター及び/または調節領域)である。一実施形態では、プロモーターは異種である。別の実施形態では、調節領域は、異種である。さらに別の実施形態では、プロモーター及び調節領域は異種である。一般に使用されるウイルスプロモーターの非限定的な例としては、アデノウイルスEIAプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター(MLP)、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)プロモーター、及びラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーターなどが挙げられる。プロモーターは、構成的であってもまたは調節性であってもよい(例えば、誘発されるか、または抑制される)。調節領域は、CRBNの発現レベルを調節する(例えば、増加または減少させる)ために、または特定の組織もしくは発達の特定の段階に対するCRBNの発現を指定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、調節領域はCRBNの発現を増大させる。他の実施形態では、調節領域はCRBNの発現を減少させる。さらに他の実施形態では、調節領域は、CRBNの発現を特定の組織または特定の発達段階に指定する。特定の実施形態では、調節領域は、目的の遺伝子の機能的転写のための5’領域、ならびに転写の終結のためのシグナル及びポリ(A)部位を特定する目的遺伝子の3’に位置する領域を含む。
トランスジェニックマウスのいくつかの実施形態では、ヒトCRBNの発現は、異種(例えば、非マウス真核生物、細菌またはウイルス)プロモーター及び/または調節領域によって制御される。一実施形態では、ヒトCRBNの発現は、異種プロモーターによって制御される。一実施形態では、ヒトCRBNの発現は、異種調節領域によって制御される。さらに一実施形態では、ヒトCRBNの発現は、異種のプロモーター及び調節領域によって制御される。特定の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、非マウス真核生物(例えば、ヒト、サル、ラットなど)プロモーター及び/または調節領域によって制御される。一実施形態では、ヒトCRBNの発現は、非マウス真核生物プロモーターによって制御される。別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、非マウス真核生物調節領域によって制御される。さらに別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、非マウス真核生物プロモーター及び調節領域によって制御される。いくつかの実施形態では、ヒトCRBNの発現は、細菌プロモーター及び/または調節領域によって制御される。一実施形態では、ヒトCRBNの発現は、細菌プロモーターによって制御される。別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、細菌の調節領域によって制御される。さらに別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、細菌プロモーター及び調節領域によって制御される。いくつかの実施形態では、ヒトCRBNの発現は、ウイルス(例えば、EIA、MLP、HCMV、RSVなど)プロモーター及び/または調節領域によって制御される。一実施形態では、ヒトCRBNの発現は、ウイルスプロモーターによって制御される。別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、ウイルス調節領域によって制御される。さらに別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、ウイルスプロモーター及び調節領域によって制御される。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、相同な(例えば、マウス)プロモーター及び/または調節領域によって制御される。一実施形態では、ヒトCRBNの発現は、マウスプロモーターによって制御される。別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、マウス調節領域によって制御される。さらに別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、マウスプロモーター及び調節領域によって制御される。トランスジェニックマウスの特定の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、マウスCRBNプロモーター及び/または調節領域によって制御される。一実施形態では、ヒトCRBNの発現は、マウスCRBNプロモーターによって制御される。別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、マウスCRBN調節領域によって制御される。さらに別の実施形態では、ヒトCRBNの発現は、マウスCRBNプロモーター及び調節領域によって制御される。
別の実施形態では、テトラサイクリン誘導性の系を用いてトランスジェニックマウスを作製してもよく、ここでは目的の遺伝子の発現をテトラサイクリンまたはその誘導体(例えばドキシサイクリン)の存在または非存在によって制御してもよい。Hickman−Davis et al.,Pediatric Respiratory Reviews 2006,7:49を参照のこと。これらの系では、テトラサイクリン制御されたトランスアクチベーターが発現されるトランスアクチベーターマウス、及び目的の遺伝子(例えば、CRBN)の発現が、テトラサイクリン依存性プロモーターの制御下にあるレスポンダーマウスという2つの別々のトランスジェニックマウス系統が生成される。トランスアクチベーターマウス及びレスポンダーマウスの繁殖によって、目的の遺伝子(例えば、CRBN)の発現がテトラサイクリンまたはその誘導体(例えば、ドキシサイクリン)に応答する二重トランスジェニックマウスが産生される。いくつかの実施形態では、テトラサイクリンまたはその誘導体(例えば、ドキシサイクリン)の不在は導入遺伝子の転写を可能にし、テトラサイクリンまたはその誘導体(例えばドキシサイクリン)の存在は、転写のダウンレギュレーションを引き起こす(tet−OFF)。他の実施形態において、テトラサイクリンまたはその誘導体(例えばドキシサイクリン)の存在は、導入遺伝子の転写を可能にし、テトラサイクリンまたはその誘導体(例えばドキシサイクリン)の除去は、転写ダウンレギュレーション(tet−ON)を生じる。
特定の実施形態では、マウスCRBNがマウスにおいて発現されるように、ヒトCRBNは、トランスジェニックマウスにおいて同様の発現パターンで発現される。他の実施形態では、ヒトCRBNは、ヒトCRBNがヒトにおいて発現されるように、トランスジェニックマウスにおいて同様の発現パターンで発現される。いくつかの実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、マウスにおけるマウスCRBNの発現レベルと同様である。他の実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、ヒトにおけるヒトCRBNの発現レベルと同様である。さらに他の実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、マウスにおけるマウスCRBNの発現レベルとは異なる。さらに他の実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、ヒトにおけるヒトCRBNの発現レベルとは異なる。一実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、マウスにおけるマウスCRBNの発現レベルよりも高い。別の実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、マウスにおけるマウスCRBNの発現レベルよりも低い。さらに別の実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、ヒトにおけるヒトCRBNの発現レベルよりも高い。さらに別の実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、ヒトにおけるヒトCRBNの発現レベルよりも低い。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、マウスにおけるマウスCRBNの発現レベルの約1倍、約2倍、約3倍、約4倍、または約5倍である。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスにおけるヒトCRBNの発現レベルは、ヒトにおけるヒトCRBNの発現レベルの約1倍、約2倍、約3倍、約4倍または約5倍である。
ヒトCRBNまたはマウスCRBNの発現パターンは、限定するものではないが、インサイチュハイブリダイゼーション、免疫組織化学染色(IHM)などを含む、当技術分野で周知の方法によって測定され得る。ヒトCRBNまたはマウスCRBNの発現のレベルは、限定するものではないが、ノーザンブロット、ウエスタンブロット、RT−PCR、または定量的RT−PCRを含む、当該分野で周知の方法によって測定してもよい。同様の方法を用いて、種々のハウスキーピング遺伝子(例えば、GADPH、β−アクチン、ユビキチン、またはhsp90)の発現レベルを測定してもよい。同じ試料由来のハウスキーピング遺伝子の発現レベルに基づいて標準化されている、ヒトCRBNまたはマウスCRBNの相対発現レベルを比較してもよい。
特定の実施形態では、トランスジェニック動物は、導入された遺伝子改変(例えば、ヒトCRBN遺伝子)と同様に、内因性遺伝子(例えば、マウスCRBN遺伝子)に対する改変を含む。例えば、宿主動物は、標的遺伝子(例えば、CRBN)について「ノックアウト」及び/または「ノックイン」のいずれであってもよい。すなわち、宿主動物の内因性CRBN遺伝子(例えば、マウスCRBN)を「ノックアウト」してもよいし、及び/またはヒトCRBN遺伝子を「ノックイン」してもよい。ノックアウトは、内因性遺伝子(例えば、マウスCRBN)の一方または両方の対立遺伝子において、機能の部分的または完全な喪失を有する。ノックインは、内因性遺伝子(例えば、マウスCRBN)とは異なる配列及び/または機能を有する導入された遺伝子改変(例えば、ヒトCRBN)を有する。ノックアウト及びノックインは、内因性遺伝子が無効にされ、変化した形態が導入されるように組み合わせてもよい。例えば、特定の実施形態では、宿主動物の内因性CRBN遺伝子をノックアウトし、一方でヒトCRBN遺伝子を導入することが好ましい。一実施形態では、マウスCRBN遺伝子がノックアウトされ、一方、ヒトCRBN遺伝子がノックインされる。
特定の実施形態では、標的遺伝子発現は、ノックアウト動物において検出されないか、または有意ではない。例えば、CRBN遺伝子のノックアウトは、CRBN遺伝子の発現が検出できないか、または有意でないレベルでしか存在しないことを意味する;その結果、CRBN遺伝子の機能は実質的に低下した。ノックアウトは、限定されるものではないが、コード配列の破壊の導入、例えば、1つ以上の終止コドンの挿入、DNA断片などの挿入、コード配列の一部の欠失、コード配列の終止コドン置換などを含む当技術分野で周知の様々な機構によって達成され得る。いくつかの実施形態では、標的遺伝子(例えば、CRBN)の全部または一部の染色体欠失は、コード領域の全部もしくは一部の欠失によって達成されてもよいし、または非コード配列(プロモーター領域、3’調節配列、及び/またはエンハンサーなどを含む)の欠失によって達成されてもよい。いくつかの実施形態では、標的遺伝子(例えば、CRBN)のノックアウトは、標的遺伝子(例えば、CRBN)の発現を活性化するために必要とされる遺伝子の欠失によって達成され得る。他の実施形態では、機能的ノックアウトは、標的遺伝子(例えば、CRBN)の発現をブロックするアンチセンス構築物を導入することによって達成され得る。Li及びCohen、Cell 1996、85:319−329を参照のこと。特定の実施形態では、「ノックアウト」はまた、例えば、限定されるものではないが、標的遺伝子改変を促進する物質への動物の曝露、標的遺伝子部位(例えばCre−lox系のCre)での組換えを促進する酵素の導入、または標的遺伝子改変を出生後に指示するための他の方法を含む特定の条件が満たされたときに標的遺伝子(例えば、CRBN)の改変が起こる条件付きノックアウトも含む。
遺伝子(例えば、ヒトCRBN)の「ノックイン」とは、遺伝子(例えば、ヒトCRBN)の発現及び/または機能をもたらす宿主(例えば、マウス)細胞ゲノムにおける改変を意味する。特定の実施形態では、遺伝子(例えば、ヒトCRBN)の増大(異所性を含む)発現は、遺伝子(例えば、ヒトCRBN)のさらなるコピーの導入によって、または、遺伝子(例えば、ヒトCRBN)の発現を増強する調節性配列を作動的に挿入することによって、達成され得る。いくつかの実施形態では、ノックインは構成的であり、すなわち遺伝子(例えば、ヒトCRBN)の発現は構成的である。他の実施形態では、ノックインは条件的であり、すなわち、遺伝子(例えば、ヒトCRBN)の発現は、アクチベーターまたはリプレッサーの存在に依存する。さらに他の実施形態では、遺伝子のノックインは、宿主(例えば、マウス)における内因性遺伝子(例えば、マウスCRBN)のノックインであってもよい。これは、内因性遺伝子(例えば、マウスCRBN)の追加コピーの導入によって、または内因性遺伝子(例えば、マウスCRBN)の発現を増強する調節配列を作動的に挿入することによって達成され得る。
特定の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBN遺伝子(全長、その断片、野生型、バリアントなどを含むが、これに限定されない)のノックインを有する。一実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBN遺伝子のノックインを有する。別の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBN遺伝子の断片のノックインを有する。いくつかの実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、マウスCRBN遺伝子のノックアウトを有する。他の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBN遺伝子(全長、その断片、野生型、バリアントなどを含むが、これらに限定されない)のノックイン及びマウスCRBN遺伝子のノックアウトを有する。一実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBN遺伝子のノックイン及びマウスCRBN遺伝子のノックアウトを有する。別の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBN遺伝子の断片のノックイン及びマウスCRBN遺伝子のノックアウトを有する。
特定の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBN(全長、その断片、野生型、バリアントなどを含むが、これに限定されない)を発現する。一実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBN遺伝子を発現する。別の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBN遺伝子の断片を発現する。いくつかの実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、内因性マウスCRBNを発現しない。他の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBN(全長、その断片、野生型、バリアントなどを含むが、これらに限定されない)を発現するが、内因性マウスCRBNを発現しない。一実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは全長ヒトCRBN遺伝子を発現するが、内因性マウスCRBNを発現しない。別の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBN遺伝子の断片を発現するが、内因性マウスCRBNを発現しない。
いくつかの実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム1を発現する。他の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム2を発現する。特定の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム1及びアイソフォーム2を発現する。いくつかの実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBNアイソフォーム1を発現する。他の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBNアイソフォーム2を発現する。特定の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、全長ヒトCRBNアイソフォーム1及び全長アイソフォーム2を発現する。いくつかの実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム1の断片を発現する。他の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム2の断片を発現する。特定の実施形態では、hCRBNトランスジェニックマウスは、ヒトCRBNアイソフォーム1の断片及びアイソフォーム2の断片を発現する。
特定の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、全長ヒトCRBN遺伝子から発現される。いくつかの実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、全長ヒトCRBNのcDNAから発現される。他の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、全長ヒトCRBNのcDNAから発現され、ヒトCRBNのcDNAは、配列番号5の核酸配列を含む。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、全長ヒトCRBNのcDNAから発現され、ヒトCRBNのcDNAは、配列番号6の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、マウス−ヒトキメラCRBN遺伝子から発現される。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、マウスCRBNのcDNAの一部及びヒトCRBNのcDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子から発現される。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、マウスCRBNゲノムDNAの一部及びヒトCRBNゲノムDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子から発現される。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、マウスCRBNのcDNAの一部及びヒトCRBNゲノムDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子から発現される。特定の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、マウスCRBNゲノムDNAの一部及びヒトCRBNのcDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子から発現される。1つの特定の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、マウスCRBNゲノムDNAの一部及びヒトCRBNのcDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子から発現され、ここで、ヒトCRBNcDNAの一部は、配列番号7の核酸配列を含む。別の特定の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質は、マウスCRBNゲノムDNAとヒトCRBNのcDNAの一部を含む標的化構築物との間の相同組換えによって生成されるマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子から発現され、ここで標的化構築物は、配列番号8の核酸配列を含む。
特定の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、ヒトCRBN遺伝子の断片から発現される。いくつかの実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、ヒトCRBNのcDNAの断片から発現される。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、ヒトCRBNアイソフォーム1のcDNAの断片から発現される。別の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、ヒトCRBNアイソフォーム2のcDNAの断片から発現される。いくつかの実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、ヒトCRBNのcDNAの断片から発現され、ヒトCRBNのcDNAは配列番号5の核酸配列を含む。他の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、ヒトCRBNのcDNAの断片から発現され、ここで、ヒトCRBNのcDNAは、配列番号6の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、マウス−ヒトキメラCRBN遺伝子の断片から発現される。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、マウスCRBNのcDNAの一部及びヒトCRBNのcDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子の断片から発現される。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、マウスCRBNゲノムDNAの一部及びヒトCRBNゲノムDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子の断片から発現される。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、マウスCRBNのcDNAの一部及びヒトCRBNゲノムDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子の断片から発現される。特定の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、マウスCRBNゲノムDNAの一部及びヒトCRBNのcDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子の断片から発現される。1つの特定の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、マウスCRBNゲノムDNAの一部及びヒトCRBNのcDNAの一部を含むマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子の断片から発現され、ここで、ヒトCRBNのcDNAの一部は、配列番号7の核酸配列を含む。別の特定の実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片は、マウスCRBNゲノムDNAとヒトCRBNのcDNAの一部を含む標的化構築物との間の相同組換えによって生成されるマウス−ヒトキメラCRBN遺伝子の断片から発現され、標的化構築物は、配列番号8の核酸配列を含む。
本明細書ではまた、トランスジェニック動物から得られるか、またはトランスジェニック動物に由来する単離された細胞、細胞株、組織または器官も提供される。特定の実施形態では、トランスジェニック動物から得られた単離細胞が提供される。いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物に由来する単離細胞株が提供される。他の実施形態では、トランスジェニック動物から得られた単離された組織が提供される。さらに他の実施形態では、トランスジェニック動物から得られた単離器官が提供される。
一態様では、本明細書で提供されるトランスジェニックマウスに由来する細胞が提供され、この細胞は、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、この細胞はトランスジェニックマウスから得られる。一実施形態では、この細胞は単離された細胞である。一実施形態では、核酸配列はヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。別の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含む、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、この核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。1つの実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。いくつかの実施形態では、全長ヒトCRBNが発現される。他の実施形態では、ヒトCRBNの断片が発現される。さらに他の実施形態では、マウスCRBNは、発現されない。さらに他の実施形態では、全長ヒトCRBNが発現されるが、マウスCRBNは発現されない。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNの断片が発現されるが、マウスCRBNは発現されない。
別の態様では、本明細書で提供されるトランスジェニックマウスに由来する細胞株であって、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むものが提供される。一実施形態では、細胞株は単離された細胞株である。一実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。別の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。1つの実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。特定の実施形態では、細胞株は形質転換細胞株である。いくつかの実施形態では、全長ヒトCRBNが発現される。他の実施形態では、ヒトCRBNの断片が発現される。さらに他の実施形態では、マウスCRBNは発現されない。さらに他の実施形態では、全長ヒトCRBNが発現されるが、マウスCRBNは発現されない。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNの断片が発現されるが、マウスCRBNは発現されない。
別の態様では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む、本明細書で提供されるトランスジェニックマウスに由来する組織が提供される。特定の実施形態では、組織はトランスジェニックマウスから得られる。一実施形態では、組織は単離された組織である。一実施形態では、核酸配列はヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。別の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。1つの実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。いくつかの実施形態では、全長ヒトCRBNが発現される。他の実施形態では、ヒトCRBNの断片が発現される。さらに他の実施形態では、マウスCRBNは発現されない。さらに他の実施形態では、全長ヒトCRBNが発現されるが、マウスCRBNは発現されない。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNの断片が発現されるが、マウスCRBNは発現されない。
別の態様では、本明細書で提供されるトランスジェニックマウスに由来する器官であって、その器官がヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む器官が提供される。特定の実施形態では、この器官はトランスジェニックマウスから得られる。一実施形態では、器官は単離器官である。一実施形態では、核酸配列はヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。別の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、トランスジェニックマウスの染色体に安定に組み込まれる。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。1つの実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。いくつかの実施形態では、全長ヒトCRBNが発現される。他の実施形態では、ヒトCRBNの断片が発現される。さらに他の実施形態では、マウスCRBNは発現されない。さらに他の実施形態では、全長ヒトCRBNが発現されるが、マウスCRBNは発現されない。さらに他の実施形態では、ヒトCRBNの断片が発現されるが、マウスCRBNは発現されない。
5.3ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスの作製方法
別の態様では、(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス卵に導入すること、及び;(b)このマウス卵を雌性マウスに移入することを包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを作製するための方法が本明細書で提供される。本明細書では、また、(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス胚に導入すること;及び(b)このマウス胚を雌性マウスに移入すること、を包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生するための方法も提供される。本明細書ではまた、(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス胚性幹(ES)細胞に導入すること;及び(b)このマウスES細胞を雌性マウスに移入することを包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを作製する方法も提供される。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、卵、胚またはES細胞の染色体に安定に組み込まれる。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、卵、胚またはES細胞の染色体に安定に組み込まれる。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。1つの実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。
特定の実施形態では、本方法は、雌性マウスを育種することをさらに含む。他の実施形態では、本方法は、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を有する子孫を選択することをさらに包含する。いくつかの実施形態では、この方法は、雌性マウスを育種し、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を有する子孫を選択することをさらに包含する。したがって、本明細書にさらに提供されるのは、(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス卵に導入すること;(b)マウス卵を雌性マウスに移入すること、ならびに(c)この雌性マウスを育種すること、及びヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生するための方法である。本明細書ではまた、(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス胚に導入すること;(b)このマウス胚を雌性マウスに移入すること、ならびに(c)この雌性マウスを育種すること、及びヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生するための方法も提供される。本明細書ではまた、(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウスES細胞に導入すること;(b)このマウスES細胞を雌性マウスに移入すること、ならびに(c)この雌性マウスを育種すること、及びヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択すること、を包含する、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生するための方法も提供される。
さらに別の態様では、本明細書において、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスであって:(a)ヒトCRBN、またはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス卵に導入すること;及び(b)このマウス卵を雌性マウスに移入すること、を包含する方法によって産生されるトランスジェニックマウスが提供される。本明細書ではまた、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスであって:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス胚に導入すること;及び(b)このマウス胚を雌性マウスに移入すること、を包含する方法によって産生されるトランスジェニックマウスが提供される。本明細書ではまた、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスであって:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウスES細胞に導入すること;及び(b)このマウスES細胞を雌性マウスに移入すること、を包含する方法によって産生されるトランスジェニックマウスが提供される。さらに、本明細書では、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスであって:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス卵に導入すること;(b)このマウス卵を雌性マウスに移入すること;ならびに(c)この雌性マウスを育種すること、及びヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する、方法によって産生されるトランスジェニックマウスが提供される。また、本明細書では:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウス胚に導入すること;(b)このマウス胚を雌性マウスに移入すること、ならびに(c)この雌性マウスを育種すること、及びヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する、方法によって産生される、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスも提供される。また、本明細書では:(a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含むポリヌクレオチド構築物をマウスES細胞に導入すること;(b)このマウスES細胞を雌性マウスに移入すること、ならびに(c)この雌性マウスを育種すること、及びヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫トランスジェニックマウスを選択することを包含する、方法によって産生される、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスが提供される。特定の実施形態では、この核酸配列は、ヒトCRBNをコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、卵、胚またはES細胞の染色体に安定に組み込まれる。他の実施形態では、この核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、卵、胚またはES細胞の染色体に安定に組み込まれる。特定の実施形態では、この核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含むヒトCRBNの断片をコードする。1つの実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。
本明細書の特定の実施形態では、「ヒトCRBN」への言及は全長ヒトCRBNを指す。
さらに別の態様では、特定の遺伝的背景においてヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを産生するための方法であって、本明細書で提供されるヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスを、遺伝的背景のマウスと育種することを包含する方法が本明細書で提供される。また本明細書で提供されるヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスを、遺伝的背景のマウスと育種することを包含する、方法によって産生される、特定の遺伝的背景においてヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスも本明細書に提供される。特定の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、NSG/NOGマウスモデルである。他の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、Vk*myc多発性骨髄腫マウスモデルである。さらに他の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、Eu−v−abl/Eu−c−Myc多発性骨髄腫マウスモデルである。さらに他の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、Eu−c−Mycリンパ腫マウスモデルである。一実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、ヒトIKZF1トランスジェニックマウスモデルである。別の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、ヒトIKZF3トランスジェニックマウスモデルである。
さらに別の態様では、特定の遺伝的背景においてヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを作製するための方法であって、セクション5.2に示されるように、そのゲノムがヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸を含むトランスジェニックマウスを、遺伝的背景のあるマウスと育種することを包含する方法が本明細書において提供される。本明細書ではまた、セクション5.2に示されるように、そのゲノムがヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸を含むトランスジェニックマウスを、遺伝的背景のあるマウスと育種することを包含する方法によって産生される、特定の遺伝的背景においてヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスも提供される。特定の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、NSG/NOGマウスモデルである。他の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、Vk*myc多発性骨髄腫マウスモデルである。さらに他の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、Eu−v−abl/Eu−c−Myc多発性骨髄腫マウスモデルである。さらに他の実施形態では、遺伝的背景のマウスは、Eu−c−Mycリンパ腫マウスモデルである。一実施形態では、遺伝的背景のマウスは、ヒトIKZF1トランスジェニックマウスモデルである。別の実施形態では、ある遺伝的背景のマウスは、ヒトIKZF3トランスジェニックマウスモデルである。
トランスジェニック動物を産生するための技術は当該分野で周知である。例えば、Houdebine,Transgenic animals−Generation and Use(Harwood Academic,1997);Hogan et al.,Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory,2d ed.,(Cold Spring Harbor Laboratory,1994);Krimpenfort et al.,Bio/Technology 1991,9:844;Palmiter et al.,Cell 1985,41:343;Hammer et al.,Nature 1985,315:680;米国特許第号5,602,299号;同第5,175,384号;同第6,066,778号;及び同第6,037,521号(その全体が本明細書において組み込まれる)を参照のこと。トランスジェニック動物を生成するのに用いられる技術としては、限定するものではないが、前核注入(Gordon,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 1980,77:7380−7384;米国特許第4,873,191号)、エレクトロポレーション(Lo,Mol.Cell.Biol.1983,3:1803−1814)、相同組換え(Thompson et al.,Cell 1989,56:313−321;Hanks et al.,Science 1995,269:679−682)生殖系列へのレトロウイルス遺伝子移入(Van der Putten et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 1985,82:6148−6152)、及び精子による遺伝子移入(Lavitrano et al.,Cell 1989,57:717−723)が挙げられる。
特定の実施形態では、トランスジェニック動物は、前核注射によって産生される。接合体は、通常、前核注射のための最良の標的である。例えば、雄性マウスの前核は、直径約20μmであり、DNA溶液1〜2pLを注入するのに適している。前核注射の標的として接合体を用いることは大きな利点がある。注入されたDNAは、ほとんどの場合、最初の細胞分裂の前に宿主遺伝子に組み込まれる。結果として、トランスジェニック動物のほぼ全ての細胞が、取り込まれた導入遺伝子を保持する。生殖細胞のほぼ50%が導入遺伝子を含むので、導入遺伝子の創始動物の子孫への伝達は非常に効率的である。特定の実施形態では、目的の遺伝子を含むベクター(例えば、hCRBN)を、前核(すなわち、前核状態のマウス受精卵)に注入する。注入された前核は、その後、偽妊娠した雌性マウスの子宮に植え付けられる。生成された子孫は、導入遺伝子の1つ以上のコピーを有する場合がある。
いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物は、目的の遺伝子を胚性幹(ES)細胞に導入することによって産生される。ES細胞は、適切な条件下で、インビトロで培養された移植前の胚から得られる。Evans et al.,Nature 1981,292:154−156;Bradley et al.,Nature 1984,309:255−258;Gossler et al.,Proc.Natl.Acad.Sci U.S.A.1986,83:9065−9069;Robertson et al.,Nature 1986,322:445−448を参照のこと。特定の実施形態では、導入遺伝子は、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム共沈殿、プロトプラストまたはスフェロプラスト融合、リポフェクション及びDEAE−デキストラン媒介トランスフェクションを含むがこれらに限定されない当技術分野で公知の様々な方法を用いたDNAトランスフェクションによって、ES細胞中に効率的に導入される。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、レトロウイルス媒介形質導入によってES細胞に導入される。他の実施形態では、導入遺伝子は、マイクロインジェクションによってES細胞に導入される。次いで、導入遺伝子を保持する形質転換されたES細胞は、非ヒト動物(例えば、マウス)由来の胚盤胞と組み合わされる。その後、ES細胞は、胚をコロニー形成し、得られたキメラ動物の生殖系列に寄与する。概説については、Jaenisch、Science 1988、240:1468−1474を参照のこと。形質転換されたES細胞を胚軸に導入する前に、形質転換されたES細胞を様々な選択プロトコールに供して、導入遺伝子を組み込んだES細胞を富化してもよい(もし導入遺伝子がそのような選択のための手段を提供する(例えば、導入遺伝子構築物が、ネオマイシン選択カセットを含む)場合)。得られた子孫は、ES及び宿主細胞に関してキメラである。排他的にES子孫を含む非キメラ株は、交配によって得てもよい。この技術は、例えばWO91/10741に記載されている。
他の実施形態では、トランスジェニック動物は、レトロウイルス感染によって産生される。発生中の非ヒト(例えば、マウス)胚は、インビトロで胚盤胞期にまで培養することができる。割球は、レトロウイルス感染の適切な標的である。感染の効率を高めるために、透明帯を除去するための割球の酵素処理が好ましい。使用されるウイルスベクターは、通常、導入遺伝子を保持する複製欠損レトロウイルスである。割球は、ウイルス産生細胞の単層上で培養され、感染を容易かつ効率的に達成し得る。あるいは、後の段階で感染を行ってもよく、例えばウイルスまたはウイルス産生細胞を、胞胚腔内に注入してもよい。レトロウイルス感染によって産生される創始動物は、トランスジェニック動物を形成する細胞の一部にのみ取り込みが起こるため、導入遺伝子についてはほとんどがキメラである。いくつかの実施形態では、創始動物は、ゲノム中の様々な位置に導入遺伝子のレトロウイルス挿入を有してもよい。別の実施形態では、導入遺伝子は、効率ははるかに低いが、妊娠中期胚の子宮内レトロウイルス感染によって生殖系列に導入してもよい。
さらに他の実施形態では、トランスジェニック動物は、Schnieke et al.、Science 1997,278:2130及びCibelli et al.、Science 1998,280:1256に記載されている核移植技術によって産生してもよい。この方法を用いて、ドナー動物(例えば、マウス)由来の体細胞(例えば、初代胎児線維芽細胞)を目的の遺伝子(例えば、ヒトCRBN)のコード配列を含む構築物で安定にトランスフェクトする。次いで、安定にトランスフェクトされた線維芽細胞を、脱核した卵母細胞に融合させ、培養し、雌性マウスに移入してトランスジェニックマウスを作製する。
外因性DNAを導入するためのベクターとしては、限定するものではないが、プラスミド、レトロウイルス及び他の動物ウイルス、BAC、YACなどが挙げられる。限定するものではないが、構築、分子クローニング、増幅、産生、トランスフェクション、形質転換、形質導入、感染、エレクトロポレーションなどを含む、これらのベクターを操作するための方法は、当技術分野で周知である。
トランスジェニック遺伝子構築物または標的化構築物は、従来の分子生物学的技術を用いて、目的の遺伝子(例えば、hCRBN)またはその断片を適切なベクター(例えば、プラスミド、レトロウイルス及び他の動物ウイルス、BAC、YAC)に挿入することによって作製してもよい。いくつかの実施形態では、標的化構築物は、全長hCRBN遺伝子を含む。特定の実施形態では、標的化構築物は、全長hCRBNのcDNAを含む。他の実施形態では、標的化構築物は、hCRBN遺伝子の断片を含む。さらに他の実施形態では、標的化構築物は、hCRBNのcDNAの断片を含む。標的化構築物はまた、目的の遺伝子(例えば、hCRBN)の後にポリ(A)配列(例えば、bGH pA)を含んでもよい。さらに、標的化構築物は、形質転換された宿主細胞(例えば、ES細胞)が導入遺伝子を組み込んだ形質転換細胞を豊富にするために様々な選択プロトコールに供されるように、選択マーカー(例えばネオマイシン選択カセット)を含んでもよい。
特定の他の実施形態では、標的化構築物は、目的の遺伝子(例えば、hCRBN)に隣接するマウス相同アーム、ポリ(A)配列(例えば、bGH pA)、及び選択マーカー(例えば、ネオマイシン選択カセット)をさらに含む。一実施形態では、隣接するマウス相同アームは、5’相同性アーム及び3’相同性アームを含む。特定の実施形態では、隣接するマウス相同アームはマウスゲノムDNAであり、目的の遺伝子(例えば、hCRBN)がマウスゲノムのどこに安定して組み込まれるかを決定する。別の実施形態では、目的の遺伝子(例えば、hCRBN)のマウスゲノムへの安定した組込みは、相同組換えによるものである。
特定の実施形態では、標的化構築物は、目的の遺伝子、ポリ(A)配列、選択マーカー、5’相同性アーム、及び3’相同性アームを含む。一実施形態では、標的化構築物は、hCRBNのcDNAまたはその断片、bGHpA配列、ネオマイシン選択カセット、5’相同性アーム、及び3’相同性アームを含む。別の実施形態では、標的化構築物は、全長hCRBNのcDNA、bGHpA配列、ネオマイシン選択カセット、5’相同性アーム、及び3’相同性アームを含む。さらに別の実施形態では、標的化構築物は、hCRBNのcDNAの断片、bGH pA配列、ネオマイシン選択カセット、5’相同性アーム、及び3’相同性アームを含む。さらに別の実施形態では、標的化構築物は、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドをコードするhCRBNのcDNAの断片、bGHpA配列、ネオマイシン選択カセット、5’相同性アーム、及び3’相同性アームを含む。さらに別の実施形態では、標的化構築物は、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドをコードするhCRBNのcDNAの断片、bGHpA配列、ネオマイシン選択カセット、5’相同性アーム、及び3’相同性アームを含む。一実施形態では、標的化構築物は、配列番号5の核酸配列を有するhCRBNアイソフォーム1のcDNA、bGHpA配列、ネオマイシン選択カセット、5’相同性アーム、及び3’相同性アームを含む。別の実施形態では、標的化構築物は、配列番号6の核酸配列を有するhCRBNアイソフォーム2のcDNA、bGHpA配列、ネオマイシン選択カセット、5’相同性アーム、及び3’相同性アームを含む。1つの特定の実施形態では、標的化構築物は、配列番号7の核酸配列を有するhCRBNのcDNAの断片、bGHpA配列、ネオマイシン選択カセット、5’相同性アーム、及び3’相同性アームを含む。別の特定の実施形態では、標的化構築物は、配列番号8の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、標的化構築物は、マウス染色体に安定に組み込まれる。
選択マーカーをゲノムDNAに残すことは、多くの予期しない問題を引き起こす場合があることが示されている。例えば、ネオマイシンカセットの存在は、隣接する遺伝子座の発現を変化し得る。影響を受ける隣接する遺伝子が、類似または同一の機能を有する場合があるので、隣接する遺伝子が同じファミリーにある遺伝子クラスターでは、これは特に問題となり得る。その場合、標的化構築物のわずかな相違が表現型の顕著な差につながる場合がある。したがって、標的化構築物は、通常、ネオマイシン選択カセットに隣接する2つのloxP部位を含むので、ネオマイシンカセットは、Creリコンビナーゼの一過性発現によって標的化した後に除去してもよい。これにより、1つのloxP部位がゲノムDNAに残る。理論的には、小さなloxP部位であっても、隣接する遺伝子の発現に変化を引き起こす可能性があるが、そのような症例はまだ報告されていない。
様々な遺伝子編集方法を用いて、宿主細胞における導入遺伝子の標的化を増強してもよい。遺伝子編集方法の非限定的な例としては、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、クラスター化された規則的に間隔を置いた短いパリンドローム反復(CRISPR/Cas9)、及びジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)遺伝子編集手順が挙げられる。TALENは、転写アクチベーター様エフェクターDNA結合ドメインをDNA切断ドメインに融合させることによって生成される人工制限酵素である。このような操作された転写アクチベーター様エフェクターを(DNA鎖を切断する)DNA切断ドメインと組み合わせることにより、任意の所望のDNA配列に特異的な制限酵素を操作し得る。これらの制限酵素が細胞に導入されると、インサイチュでのゲノム編集に使用可能である。CRISPR/Cas9システムは、遺伝子編集(特定の遺伝子の配列の付加、分裂、または変化)に一般的に使用される別のシステムである。CRISPR/Cas9システムは、プラスミド及びファージなどの外来遺伝子エレメントに対して耐性を付与する原核生物の免疫系である。CRISPRスペーサーは、真核生物におけるRNAiに類似した様式でこれらの外因性遺伝子エレメントを認識し切断する。Cas9タンパク質及び適切なガイドRNAを細胞に送達することにより、宿主ゲノムを任意の所望の位置で切断することができる。ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)は、ジンクフィンガーDNA結合ドメインをDNA切断ドメインに融合させることによって生成される人工制限酵素である。ジンクフィンガードメインは、特定の所望のDNA配列を標的とするように操作してもよい。これによってジンクフィンガーヌクレアーゼが、ゲノム内の固有の配列を標的とすることが可能になる。
様々な遺伝子編集手順は、異なる長所及び短所を有する。CRISPR/Cas9ベースの遺伝子操作が最新であり、その落とし穴がちょうど発見されており、例えば、非特異的なサイト選択が報告されている。標的領域が数百塩基対より大きい場合、CRISPR/Cas9システムはまた、あまり効果的ではない傾向がある。一般に、遺伝子操作マウスは、どの遺伝子編集方法が機能するか、または他の方法よりも、ある1つの方法がうまくいく理由に関して、予測不可能である。
いくつかの実施形態では、TALEN遺伝子編集手順が使用される。特定の実施形態では、様々なTALEN及び対応するTALEN標的部位は、最も活性の高いTALENを選択するように設計される。次に、最も活性の高いTALENとTALEN標的部位の対を、その後の遺伝子標的化のために使用する。他の実施形態では、CRISPR/Cas9遺伝子編集手順を使用する。特定の実施形態では、様々なガイドRNA及び対応するCRISPR標的部位を、最も活性の高いガイドRNAを選択するように設計する。続いて、最も活性の高い一対のガイドRNA及びCRISP標的部位を、その後の遺伝子標的化に使用する。さらに他の実施形態では、ZFN遺伝子編集手順を使用する。特定の実施形態では、様々なZFN及び対応するZFN標的部位を、最も活性の高いZFNを選択するように設計する。次に、最も高い活性を有するZFN及びZFN標的部位の対をその後の遺伝子標的化に使用する。1つの特定の実施形態では、CRISPR/Cas9遺伝子編集手順は、所望の遺伝子標的化を生成しなかった。驚くべきことに、別の特定の実施形態では、TALEN遺伝子編集手順は、所望の遺伝子標的化を生じた。
一実施形態では、エレクトロポレーションによって所望のDNAをES細胞にトランスフェクトし、トランスフェクトされたES細胞からトランスジェニック動物を産生する。別の実施形態では、適切なDNAを、好ましくは単一細胞段階で、胚の前核または細胞質に同時注射し、その胚を成熟トランスジェニック動物に発生させる。
特定の実施形態では、TALEN遺伝子編集手順を、ES細胞のトランスフェクションと組み合わせて使用して、トランスジェニックマウスを作製する。別の特定の実施形態では、TALEN遺伝子編集手順を、前核注射と組み合わせて使用してトランスジェニックマウスを作製する。さらに別の特定の実施形態では、CRISPR/Cas9遺伝子編集手順を、ES細胞のトランスフェクションと組み合わせて使用して、トランスジェニックマウスを作製する。さらに別の特定の実施形態では、CRISPR/Cas9遺伝子編集手順を、前核注射と組み合わせて使用して、トランスジェニックマウスを作製する。特定の実施形態では、ZFN遺伝子編集手順を、ES細胞のトランスフェクションと組み合わせて使用して、トランスジェニックマウスを作製する。別の特定の実施形態では、ZFN遺伝子編集手順を、前核注射と組み合わせて使用して、トランスジェニックマウスを作製する。一実施形態では、ES細胞のトランスフェクションまたは前核注射と組み合わせたCRISPR/Cas9遺伝子編集手順では、所望のトランスジェニックマウスの産生に成功しなかった。驚くべきことに、別の実施形態では、ES細胞のトランスフェクションと組み合わせたTALEN遺伝子編集手順で、所望のトランスジェニックマウスが産生された。
トランスジェニック動物は、当技術分野で公知の任意の適切な方法によって導入遺伝子の存在及び/または発現についてスクリーニングしてもよい。特定の実施形態では、スクリーニングは、導入遺伝子のDNAまたはRNAの少なくとも一部に相補的なオリゴヌクレオチドプローブを用いて、サザンブロットまたはノーザンブロット分析によって達成される。他の実施形態では、スクリーニングは、導入遺伝子によりコードされるタンパク質に対する抗体特異的結合を用いたウエスタンブロット分析によって達成される。いくつかの実施形態では、トランスジェニック動物(例えば、トランスジェニックマウス)の尾組織からDNAを調製し、導入遺伝子についてのサザンブロット分析またはPCRによって分析する。他の実施形態では、最高レベルで導入遺伝子を発現すると考えられる細胞、組織または器官を、PCRまたはサザンブロット、ノーザンブロットまたはウエスタンブロット分析を用いて導入遺伝子の存在及び発現について試験する。さらに他の実施形態では、導入遺伝子を発現する任意の細胞、組織または器官を、そのような方法を用いて導入遺伝子の存在及び発現について試験してもよい。
創始動物を育種、同系交配、異系交配、または異種交配させて、所望のトランスジェニック動物のコロニーを産生してもよい。そのような育種戦略の非限定的な例としては、以下が挙げられる:別々の系統を確立するための2つ以上の組込み部位を有する創始動物の異種交配;各導入遺伝子の相加効果のおかげで導入遺伝子をより高いレベルで発現する複合導入遺伝子を産生するための別個の系統の同系交配;導入遺伝子の発現を増大させるか、及び/または所与の組込み部位についてホモ接合性のマウスを産生するためにヘテロ接合性トランスジェニックマウスを交配すること;別個のホモ接合性株を交配して複合ヘテロ接合性またはホモ接合性株を産生すること;導入遺伝子の発現及び導入遺伝子の発現の生理学的効果に対する対立遺伝子を改変する効果を研究するために、異なる同系交配の遺伝的背景へ動物を育種すること。
トランスジェニックマウスを作製するために使用され得るマウス株としては、限定するものではないが、CD−1(登録商標)ヌードマウス、CD−1マウス、NU/NUマウス、BALB/Cヌードマウス、BALB/Cマウス、NIH−IIIマウス、SCID(商標)マウス、非近交系SCID(商標)マウス、SCID(商標)ベージュマウス、C3Hマウス、C57BL/6マウス、DBA/2マウス、FVBマウス、CB17マウス、129マウス、SJLマウス、B6C3F1マウス、BDF1マウス、CDF1マウス、CB6F1マウス、CF−1マウス、Swiss Websterマウス、SKH1マウス、PGPマウス、及びB6SJLマウスが挙げられる。さらに、各マウス株内の様々な亜株(例えば、JまたはN亜株)を使用してもよい。特定の実施形態では、アルビノB6Nマウスを使用する。いくつかの実施形態では、C57BL/6Jマウスを使用する。他の実施形態では、C57BL/6Nマウスを使用する。特定の実施形態では、C57BL/6NTacマウスを使用する。
5.4 ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスの使用方法
ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスは、限定するものではないが、有効性、特異性、毒性、薬物動態学、薬力学、作用機序、投与レジメンの最適化、及びそのような疾患のための他の治療薬との併用療法の研究を含む、様々な疾患(例えば、がん)の処置における化合物の評価などの様々な研究のために使用してもよい。
5.4.1 トランスジェニックマウスを使用する方法における読み取りのためのバイオマーカー
ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを用いるこれらの研究の多くにおいて、バイオマーカーは研究者にとって重要な情報を提供し、安全かつ有効な治療法の設計及び開発においてそれらを導く。特定のバイオマーカーの検出可能な増減は、所与の治療(例えば、化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体またはその多形体)に応答する特定の疾患(例えば、がん)を有する対象において観察され、これらのバイオマーカーのレベルは、処置に対する対象の反応性をモニターするために使用され得る。
「生物学的マーカー」または「バイオマーカー」とは、その変化及び/または検出が特定の生物学的状態を示す物質である。いくつかの実施形態では、所定の処置(例えば、化合物、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体、またはその多形体)に対する疾患(例えば、がん)の応答性が示される。
本明細書で提供される様々な方法の特定の実施形態では、バイオマーカーとは、セレブロン(CRBN)によって、例えば、タンパク質間の相互作用(例えば、特定のCRBN基質またはその下流のエフェクター)を通じるか、または種々の細胞経路(例えば、シグナル伝達経路)を通じて、直接的または間接的に影響されるタンパク質である。特定の実施形態では、バイオマーカーは、CRBN関連タンパク質(CAP)である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CRBNによって直接的または間接的に影響を受けるタンパク質のmRNAである。他の実施形態では、バイオマーカーは、CRBNによって直接的または間接的に影響を受けるタンパク質のcDNAである。特定の実施形態では、バイオマーカーは、CRBNの1つ以上のアイソフォームによって直接的または間接的に影響を受ける。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、直接的または間接的にCRBNの1つのアイソフォームによって影響を受けるが、他のアイソフォームによって影響を受けない。
本明細書で提供されるバイオマーカーの各々としては、様々なアイソフォーム、リン酸化型、切断型、修飾(改変)型、及びそれらのスプライシングバリアントが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるバイオマーカーは、eRF3a(GSPT−1)、eRF3b、eRF3c、IKZF1(Ikaros)、IKZF3(Aiolos)、CK1a、PABP1、eRF1、BIP、eEF1α、PERK、GCN2、eIF2a、ATF4、ATF3、DDIT3、PPP1R15A、TNFRSF10B、GADD45A、TNFRSF1A、TNFRSF1B、FAS、FADD、IRE1、XBP1、SEC24D、DNAJB9、EDEM1、EDEM2、HYOU1、ATF6、HSPA5、カスパーゼ8、BID、カスパーゼ9、カスパーゼ7、カスパーゼ3、PARP、Mcl−1、及びBADからなる群より選択される。
特定の実施形態では、バイオマーカーは、CDKN1A、Myc、IRF4、IRF7、IFIT1、IFIT3、RIG−I、MDA−5、TBK1、IKKe、ZFP91、ZNF198、MVP、Parp4、Ron、PDE6D、TLR3、STAT1、STAT2、STAT3、IFNa、IFNb、OAS1、OAS2、OAS3、IFIT2、ISG15、ISG20、、IFI21、IFI35、IFI6、IFITM3、IFITM2WIZ、GBP2、GBP4、SELL、SNX20、KLF13、GBP1、MARCKS、SLAMF1、SASH1、またはそれらの任意の組み合わせである。
他の実施形態では、このバイオマーカーは、ABCE1、ACLY、ACTB、ALDOA、ARID1A、C7ORF42、COPS6、CPSF6、CSNK1A1、CSNK2A1、CTPS、CRBN、DDB1、DDIT4、DDX17、DDX21、DDX58、DDX58、DDX60、DDX60L、DHX9、DNAJC1、DUT、EEF1A1、EEF1AL3、EEF1G、EIF2S1、EIF2S2、EIF3J、EIF4A1、EWSR1、FASN、FBXO21、FERMT3、FUBP1、G3BP1、G3BP2、GBE1、GBP1、GNAS、GNB2L1、GNB3、H2AFJ、H2AFX、H2AFZ、HIST1H1A、HIST1H1B、HIST1H1C、HIST1H1D、HIST1H1E、HIST1H2AA、HNRNPA2B1、HNRNPC、HNRNPH2、HNRNPR、HSPA1A、HSPA1B、HSPA8、HSPA9、IFI16、IFI27、IFI27L2、IFI35、IFI44、IFI44L、IFI6、IFIH1、IFIT1、IFIT2、IFIT3、IFIT5、IFITM2、IFITM3、IFN、IFNA16、IFNA5、IFNG、IFNGR1、IGF2BP2、IKKE、IKZF1(Ikaros)、IKZF3(Aiolos)、ILF3、IPO5、IRF1、IRF2、IRF3、IRF4、IRF7、IRF8、IRF9、ISG15、ISG20、KCNAB2、MACF1、MCM2、MCM7、MX1、MX2、MYH10、NACA、NAP1L2、NCL、NEDD8、NUP88、OAS1、OAS2、OAS3、OASL、PABPC1、PABPC4、PCM1、PDXK、PPAT、PRKDC、PTPRC、PTRH2、RPL10A、RPL11、RPL12、RPL13A、RPL14、RPL15、RPL18A、RPL19、RPL21、RPL3、RPL30、RPL4、RPL7、RPL7A、RPL9、RPLP1、RPLP2、RPS13、RPS16、RPS19、RPS2、RPS6、SEC23B、SEC24A、SEC24C、SMC4、SND1、STAT、STAT−PO4、STAT3、SYNCRIP、TBK1、TBK1−PO4、TBL1XR1、TLR1、TLR3、TLR4、TLR7、TLR8、TPD52、TUBA1A、TUBA1B、TUBA1C、UAP1、UBA52、UBAP2L,UBB、UBE2O、UBE2Q1、USP15、VAPA、XAF1、XRCC6、YWHAE、ZFP91、またはそれらの任意の組み合わせである。
さらに他の実施形態では、このバイオマーカーは、ARHGAP18、CASS4、CCNA2、CORO1B、CSNK1A1、CYTL1、DAB2、HSPB1、IKZF1、ITM2C、PPFIBP1、SERPINH1、YEATS2、ZFP91、またはそれらの任意の組み合わせである。
さらに他の実施形態では、このバイオマーカーは、ARHGAP18、CALM1、CASS4、CCNA2、CORO1B、CSNK1A1、DAB2、HSPB1、IKZF1、ITM2C、PPFIBP1、SERPINH1、ZFP91、またはそれらの任意の組み合わせである。
いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、AHNAK、ALOX5、AMPD3、ANXA4、ANXA6、ATP2B4、BMF、BST2、C10orf76、C19orf66、CD36、CLN3、CNN3、CORO1B、CPNE2、CSRP2、CTNND1、CTSH、DAPK2、DDX58、DHX58、DLG2、DTX3L、EIF2AK2、EPB41L1、ETV6、EXTL2、F13A1、FAM65B、FCGR2B、FES、FMNL3、GBP1、GMFG、GMPR、HIP1、HLA−B、HLA−DMA、HPSE、ID3、IFI35、IFIH1、IFIT1、IFIT3、IFIT5、IFITM2、IL4I1、IRF7、IRF9、ISG15、ISG20、ITGB7、JAK3、LAP3、LGALS1、LGALS3BP、LIMD1、MAN2A2、MARCKS、MFI2、MGARP、MOV10、MPP7、MUC1、MX1、MX2、MYO1G、NCF2、NME3、NMI、NT5C3A、OAS1、OAS2、OAS3、PARP14、PARP9、PBXIP1、PLD4、PLEKHO1、PLSCR1、PLXNB2、POMP、PPFIBP1、PTMS、QPRT、RAB13、RCN1、RGCC、RNF213、S100A13、SAMD9L、SAMHD1、SERPINH1、SLFN11、SLFN13、SLFN5、SP110、SP140、SPN、SPR、STAP1、STAT1、STAT2、TAP1、TAX1BP3、THEMIS2、THTPA、TNFAIP8L2、TNFSF8、TP53I3、TREX1、TRIM22、TTC39C、TXNIP、UBA7、UBE2L6、USP41、VCL、VNN2、ZBTB38、ARHGAP19、ASNS、ASPM、B4GALT3、BANK1、BCDIN3D、BLZF1、CA2、CA8、CAMSAP3、CCDC69、CCNB1、CDC7、CDCA3、CENPF、CSNK1A1、DHPS、DLGAP5、DOK3、ECT2、EFCAB4B、EHMT1、EHMT2、EPCAM、ESRP1、FAM195A、FBRSL1、FHOD1、FIGNL1、GPT2、GRAMD1A、GRAMD1B、GRPEL2、HJURP、HMCES、HMMR、HOXC4、ICAM2、IKZF1、IKZF3、IRS2、KIF18B、KIF22、KIF2C、LIPG、LPXN、MINA、MIS18BP1、NEIL1、NFKBID、NPIPB5、OMA1、ORC6、PARVB、PBK、PDE6D、PKMYT1、PLK1、PODXL、PODXL2、POLE2、PRDM15、PRNP、PTAFR、PTTG1、PYROXD1、RASA4B、RASSF6、RGS1、RGS2、SEC14L1、SGOL1、SGOL2、SLCO3A1、SLCO4A1、TACC3、TIMM8B、TOP2A、TPX2、TRIB3、WIZ、WSB1、WWC1、ZFP91、ZMYM2、ZNF385B、ZNF581、ZNF644、またはそれらの任意の組み合わせである。
一実施形態では、このバイオマーカーは、ADAM19、AIF1、ALDH1A1、ALDH2、ALOX5、AMPD3、APOBEC3G、APOE、APOH、ARHGAP10、ATP2B4、BST2、C4A、C4BPA、C4orf33、バイオマーカーN2、CASP4、CCR7、CD1D、CD63、CD86、CDR2、CORO1B、CPNE2、CYTH4、DAPK2、DDX58、DDX60、DDX60L、DHX58、DNASE1L3、DTX3L、EIF2AK2、ELOVL7、EPB41L1、F13A1、FAM129A、FBLN1、FCRLA、FERMT3、FGD6、FLNA、GALNT7、GBP1、GBP2、GBP4、GIPC1、GPD1、GPX3、HABP2、HBA1、HBD、HERC3、HERC6、HGF、HIGD1A、HMOX1、HSPA8、HSPB1、IFI35、IFI44、IFI44L、IFIH1、IFIT1、IFIT2、IFIT3、IFIT5、IFITM3、IL3RA、IRF7、IRF9、ISG15、ISG20、ITGA1、ITGB3、ITGB7、ITPKB、KIAA1618、L1TD1、LAP3、LDB3、LGALS1、LGALS3BP、LGALS9、LGALS9B、LMNA、LPIN1、MAP3K11、MCAM、MCM8、MGLL、MPP7、MUC1、MX1、MX2、MYL4、NCF4、NMI、NQO1、NUB1、OAS1、OAS2、OAS3、OASL、ORMDL2、OTOF、P2RY6、PAPSS2、PARP14、PARP9、PBXIP1、PHF11、PHF15、PLG、PLSCR1、PREX1、PREX2、PRIC285、PRKCI、PSAP、PTMS、RAB13、RASSF4、RCN1、RGL1、RGS13、RNF213、RTN2、RTP4、RUNX3、S100A13、SAMD9、SAMD9L、SAMHD1、SERPINA7、SERPINF2、SERPINH1、SIPA1L3、SLAMF1、SLC1A3、SLC23A2、SLC27A3、SLFN5、SOD2、SPN、SPR、SRC、STAT1、STAT2、SYNJ2BP、TAX1BP3、TBC1D13、TDRD7、TGOLN2、TLR7、TMEM87A、TMOD2、TNFAIP2、TNFAIP8L2、TRANK1、TRIM14、TRPC4、TRPM4、TSPAN14、TSPAN3、UBA7、UBE2L6、USP18、USP41、VNN2、VTN、XAF1、ZCCHC2、ZER1、ZNF385A、ZNF480、ZNF770、3−Sep、ADIPOR2、AHR、ALCAM、ALDOC、ALKBH6、ALPL、AP1S3、APBB1IP、ARHGAP24、ARHGAP27、ARNT、BCL11A、BCL2A1、BCL2L1、BCLAF1、BNIP3L、C19orf22、C9orf40、CANX、CD22、CD44、CD5、CDC42SE2、CENPJ、CEP97、CFLAR、CLDN23、CLEC17A、COX17、CROCC、CRYM、CSNK1A1、DBN1、DENND1C、DNM2、DOK3、DTWD1、EHD1、EIF4H、ENO2、EPHA4、EPHA7、EPHB1、ERCC6、ETS1、EVI2B、EVL、FAR1、FCRL2、FCRL3、FCRL5、GABPB1、GAMT、GAPT、GAS7、GATM、GLRX、GNG2、GRPEL2、GYPC、GZMB、HK2、HLTF、HTRA3、IFNAR2、IKZF1、IKZF3、IL16、INF2、IQSEC1、IRF4、ISYNA1、ITGAL、ITGB2、KDM5B、KHK、L1CAM、LAT2、LBH、LNX1、LRRC25、LUC7L、LYSMD2、MEF2B、MEF2D、MICAL3、MYH11、NARF、NBR1、NEDD9、NEFL、OMA1、PARVB、PDK1、PFKFB4、PGM1、PIR、PLEKHG1、PMS2CL、PODXL2、POU2AF1、PPP1R2、PTPR、PTPRE、PTPRF、PTPRO、PTTG1、PVRL1、RAB33A、RANBP3、RASGRP3、RASSF6、RBBP5、RHOF、RPS29、RPS4Y2、SAMD1、SC5DL、SEC14L1、SEMA7A、SERPINB9、SETD8、SH2D3C、SIT1、SLAMF7、SLC16A3、SLC19A2、SNAP23、SNX11、SP140、SPIB、SPTAN1、SPTB、SSBIP1、STK17B、SYNCRIP、TCP11L1、TGM2、TJAP1、TNFAIP3、TNFRSF13B、TNFRSF1B、TOM1、TOR1AIP1、TP53I11、TSTD1、TUBB2B、UBE2J1、VAT1、VIM、WIPF1、WIZ、ZBTB32、ZFP91、ZMYM2、ZNF316、ZNF644、ZNF805、またはそれらの任意の組み合わせである。
いくつかの実施形態では、このバイオマーカーは、ACSS1、ACY3、ADAM19、ADCY7、AIF1、ALDH2、AMPD3、ANK3、ANXA4、ANXA6、ANXA6、APOBEC3G、APOBR、B2M、BCL9L、BST2、C19orf66、CASP10、CCDC28B、CD40、CD59、CD83、CGN、CLSTN1、CMPK2、COL23A1、CORO1B、CORO1C、CTNND1、CTSH、CTTNBP2NL、CYTH1、CYTH4、DDX58、DDX60、DTX3L、EIF2AK2、ETHE1、F11R、FADS2、FAM76A、FDFT1、FGD4、FLNA、FLNB、FRRS1、FSCN1、GCH1、GMFG、GNB4、GNG2、H1F0、HECTD1、HELZ2、HGF、HGSNAT、HLA−A、HLA−B、HLA−G、HSPB1、HYI、IFI35、IFIT1、IFIT3、IFIT5、IL4I1、IPCEF1、IRF9、ISG15、ISG20、JADE2、KIAA0101、LAT2、LGALS1、LGALS3BP、LGALS9、LGALS9B、LMCD1、LMNA、LY75、LYSMD2、MAGED4、MAPK10、MBD1、MEA1、MT2A、MX1、MX2、MYBPC2、NCOA7、NCOA7、NEXN、NT5C3A、OAS1、OAS2、OAS3、OSBPL10、PARP10、PARP14、PARP9、PCDHGC3、PLG、PLSCR1、PRCP、PTTG1IP、PYGO2、QPCT、S100A13、SAMHD1、SERPINH1、SIRPB1、SLC23A2、SLC25A33、SLC7A7、SLFN5、SOWAHD、SP110、SP140、SPR、STAT1、STAT2、STK3、SYBU、TAP1、TAP2、TDRD7、THEMIS2、TNFAIP8L2、TNFSF9、TRIM14、TRIM21、TRIM22、TYMP、UBE2L6、USP40、VPREB1、ADIPOR2、ATF5、BACH2、BANK1、BCDIN3D、CD320、CSNK1A1、DEPTOR、ETS1、GLIPR1L1、GNG7、GPT2、HSBP1、ICAM2、IKZF1、IKZF3、KRT1、KRT14、KRT2、KRT6B、KRT9、MED12L、NEIL1、NUGGC、OMA1、PDE6D、PDZRN3、PODXL、SYNGR3、SYTL1、WIZ、ZFP91、ZMYM2、またはそれらの任意の組み合わせである。
他の実施形態では、このバイオマーカーは、ADIPOR2、ATF5、BACH2、BANK1、BCDIN3D、CD320、CSNK1A1、DEPTOR、ETS1、GLIPR1L1、GNG7、GPT2、HSBP1、ICAM2、IKZF1、IKZF3、KRT1、KRT14、KRT2、KRT6B、KRT9、MED12L、NEIL1、NUGGC、OMA1、PDE6D、PDZRN3、PODXL、SYNGR3、SYTL1、WIZ、ZFP91、ZMYM2、またはそれらの任意の組み合わせである。
特定の実施形態では、このバイオマーカーは、AMPK、CUL4A、CUL4B、DDB1、DDB2、DUS3L、FAS1、GSK3B、IRF4、NFkB、PHGDH、RANBP6、XBP−1、またはそれらの任意の組み合わせである。
いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、任意の上述のバイオマーカーのマウス等価物である。
いくつかの実施形態では、測定されるバイオマーカーは、1つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、2つのバイオマーカーを含む。他の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、3つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、4つのバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、測定されるバイオマーカーは、5つのバイオマーカーを含む。他の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、6つのバイオマーカーを含む。さらに他の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、7つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、8つのバイオマーカーを含む。他の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、9つのバイオマーカーを含む。別の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、10以上のバイオマーカーを含む。
特定の実施形態では、生物学的試料由来のバイオマーカー、例えば、CRBNまたはCRBNによって直接または間接的に影響を受けるバイオマーカーのタンパク質レベルを検出及び定量する方法であって、この試料内のタンパク質と、バイオマーカータンパク質と免疫特異的に結合する第1の抗体とを接触させることを包含する、方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、(i)第1の抗体に結合したバイオマーカータンパク質を、バイオマーカータンパク質に免疫特異的に結合する、検出可能な標識を有する第2の抗体と接触させ、ここでこの第2の抗体が第1の抗体よりもバイオマーカータンパク質上の異なるエピトープに免疫特異的に結合すること;(ii)このバイオマーカータンパク質に結合した第2の抗体の存在を検出すること;及び(iii)この第2抗体中の検出可能な標識の量に基づいてバイオマーカータンパク質の量を決定することをさらに包含する。他の実施形態では、本明細書で提供される方法は、(i)第1の抗体に結合したバイオマーカータンパク質と、この第1の抗体に免疫特異的に結合する検出可能な標識を有する第2の抗体と接触させること;(ii)この第1の抗体に結合した第2の抗体の存在を検出すること;ならびに(iii)この第2抗体中の検出可能な標識の量に基づいてバイオマーカータンパク質の量を決定することをさらに包含する。
本明細書で提供される様々な方法のいくつかの実施形態では、この方法は、二重染色免疫組織化学を使用して、CRBNまたはCRBNによって直接的または間接的に影響を受けるタンパク質などのバイオマーカーのレベルを決定することを包含する。二重染色免疫組織化学アッセイでは、本明細書で提供されるバイオマーカー及び別の疾患特異的バイオマーカー(例えば、がんバイオマーカー)が、本明細書で提供されるバイオマーカーを標的とする第1の標識抗体及びがんバイオマーカーを標的とする第2の標識抗体を用いて同時に検出される。そのようなアッセイは、本明細書で提供されるバイオマーカーを検出及び測定するための特異性、精度及び感度を改善し得る。特定の実施形態では、がんバイオマーカーは、固形がんバイオマーカーである。他の実施形態では、がんバイオマーカーは、血液がんバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、がんバイオマーカーは、リンパ腫バイオマーカーである。他の実施形態では、がんバイオマーカーは、白血病バイオマーカーである。さらに他の実施形態では、がんバイオマーカーは多発性骨髄腫バイオマーカーである。
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、(i)試料内のタンパク質と、本明細書に提供されるバイオマーカーに免疫特異的に結合する第1の抗体とを接触させることであって、この第1の抗体が、第1の検出可能な標識とカップリングされる、接触させること;(ii)試料内のタンパク質を、がんバイオマーカーに免疫特異的に結合する第2の抗体と接触させることであって、この第2の抗体は、第2の検出可能な標識とカップリングされている、接触させることと;(iii)タンパク質に結合した第1の抗体及び第2の抗体の存在を検出すること;ならびに(iv)この第1抗体中の検出可能な標識の量に基づいて本明細書で提供されるバイオマーカーのレベルを決定すること、及び第2抗体中の検出可能な標識の量に基づいてがんバイオマーカーのレベルを決定することを包含する。特定の実施形態では、がんバイオマーカーは、固形がんバイオマーカーである。他の実施形態では、がんバイオマーカーは、血液がんバイオマーカーである。いくつかの実施形態では、がんバイオマーカーは、リンパ腫バイオマーカーである。他の実施形態では、がんバイオマーカーは、白血病バイオマーカーである。さらに他の実施形態では、がんバイオマーカーは多発性骨髄腫バイオマーカーである。
特定の実施形態では、本明細書において、生物学的試料からの、本明細書で提供されるCRBNまたはバイオマーカーなどのバイオマーカーのRNA(例えばmRNA)レベルを検出及び定量する方法であって:(a)試料からRNAを得ること;(b)このRNAを、RNA中の配列に特異的に結合するプライマーと接触させて、このRNAに相補的な配列を有する第1のDNA分子を生成すること;(c)バイオマーカーをコードする遺伝子のセグメントに対応するDNAを増幅すること;及び(d)増幅されたDNAの量に基づいてバイオマーカーのRNAレベルを決定すること、を包含する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、バイオマーカー(複数可)は、CRBN、eRF3a、eRF3b、eRF3c、ATF4、ATF3及びDDIT3のような、本明細書で提供される他のバイオマーカー(複数可)と組み合わせて評価される。
本明細書で提供される様々な方法の特定の実施形態では、2つ以上のステップが連続して実施される。本明細書で提供される方法の他の実施形態では、2つ以上のステップが並行して(例えば、同時に)実行される。
eRF3a、eRF3b、eRF3c、IKZF1、IKZF3、CK1a、PABP1、eRF1、BIP、eEF1α、PERK、GCN2、eIF2a、ATF4、ATF3、DDIT3、PPP1R15A、TNFRSF10B、GADD45A、TNFRSF1A、TNFRSF1B、FAS、FADD、IRE1、XBP1、SEC24D、DNAJB9、EDEM1、EDEM2、HYOU1、ATF6、HSPA5、カスパーゼ8、BID、カスパーゼ9、カスパーゼ7、カスパーゼ3、PARP、Mcl−1、BAD、CDKN1A、Myc、IRF4、IRF7、IFIT1、IFIT3、RIG−I、MDA−5、TBK1、IKKe、ZFP91、ZNF198、MVP、Parp4、Ron、PDE6D、TLR3、STAT1、STAT2、STAT3、IFNa、IFNb、OAS1、OAS2、OAS3、IFIT2、ISG15、ISG20、、IFI21、IFI35、IFI6、IFITM3、IFITM2WIZ、GBP2、GBP4、SELL、SNX20、KLF13、GBP1、MARCKS、SLAMF1、SASH1、またはそれらの組み合わせのようなバイオマーカーのタンパク質レベルを検出及び定量する方法について本明細書で提供される例示的なアッセイは、イムノアッセイ、例えば、ウエスタンブロット解析及び酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)(例えば、サンドウィッチELISA)である。eRF3a、eRF3b、eRF3c、IKZF1、IKZF3、CK1a、PABP1、eRF1、BIP、eEF1α、PERK、GCN2、eIF2a、ATF4、ATF3、DDIT3、PPP1R15A、TNFRSF10B、GADD45A、TNFRSF1A、TNFRSF1B、FAS、FADD、IRE1、XBP1、SEC24D、DNAJB9、EDEM1、EDEM2、HYOU1、ATF6、HSPA5、カスパーゼ8、BID、カスパーゼ9、カスパーゼ7、カスパーゼ3、PARP、Mcl−1、及びBAD、CDKN1A、Myc、IRF4、IRF7、IFIT1、IFIT3、RIG−I、MDA−5、TBK1、IKKe、ZFP91、ZNF198、MVP、Parp4、Ron、PDE6D、TLR3、STAT1、STAT2、STAT3、IFNa、IFNb、OAS1、OAS2、OAS3、IFIT2、ISG15、ISG20、、IFI21、IFI35、IFI6、IFITM3、IFITM2WIZ、GBP2、GBP4、SELL、SNX20、KLF13、GBP1、MARCKS、SLAMF1、SASH1、またはそれらの組み合わせなどのバイオマーカーのRNAレベルを検出及び定量する方法のための本明細書で提供される例示的なアッセイは、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、例えば、定量的なRT−PCR(qRT PCR)である。
5.4.2処置化合物
本明細書で提供される様々な化合物は、1つ以上のキラル中心を含み、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ混合物)またはジアステレオマーの混合物として存在し得る。本明細書で提供される方法は、そのような化合物の立体異性的に純粋な形態ならびにそれらの形態の混合物の使用を包含する。例えば、特定の化合物のエナンチオマーの等量または不等量を含む混合物は、本明細書で提供される方法において使用され得る。これらの異性体は、キラルカラムまたはキラル分割剤などの標準的技術を使用して、非対称的に合成されても、または分割されてもよい。Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley−Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 1977,33:2725−2736;Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962);Wilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions,p.268(Eliel,ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN,1972)を参照のこと。
特定の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、CRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体を直接的または間接的に調節するCRBN E3ユビキチンリガーゼ調節化合物(CMC)である。いくつかの実施形態では、CMCは、CRBNに直接結合し得る。他の実施形態では、CMCは、CRBNタンパク質の構造変化を誘導し得る。さらに他の実施形態では、CMCは、CRBNに直接結合し、CRBNタンパク質の構造変化を誘導し得る。さらに他の実施形態では、CMCは、CRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体中の他のサブユニットに直接結合し得る。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、免疫調節化合物(例えば、サリドマイド、レナリドマイド、またはポマリドマイド)である。一実施形態では、本明細書で提供される化合物は、サリドマイドである。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、レナリドマイドである。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物はポマリドマイドである。
特定の実施形態では、本明細書で提供されるCMCは、免疫調節化合物である。他の実施形態では、本明細書で提供されるCMCは、免疫調節化合物ではない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される免疫調節化合物はCMCである。他の実施形態では、本明細書で提供される免疫調節化合物はCMCではない。
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、「免疫調節化合物」という用語は、LPS誘導単球TNF−α、IL−1β、IL−12、IL−6、MIP−1α、MCP−1、GM−CSF、G−CSF、及びCox−2産生を阻害する特定の有機低分子を包含し得る。
特定の理論に限定されることはないが、本明細書に開示される免疫調節化合物によって及ぼされる生物学的効果の1つは、骨髄性細胞TNF−α産生の減少である。本明細書に開示される免疫調節化合物は、TNF−αmRNAの分解を増強し得る。
さらに、理論に限定されることはないが、本明細書に開示される免疫調節化合物はまた、T細胞の強力な共刺激因子であり得、用量依存性の方式で細胞増殖を劇的に増大し得る。本明細書中に開示される免疫調節化合物はまた、CD4+T細胞サブセットよりもCD8+T細胞サブセットに対してより大きな共刺激効果を有し得る。さらに、この化合物は、骨髄性細胞応答に対する抗炎症特性を有するが、T細胞をより効率的に共刺激してより大量のIL−2、IFN−γを生成し、T細胞増殖及びCD8+T細胞細胞傷害活性を増強し得る。さらに、特定の理論に制限されることはないが、本明細書中に開示される免疫調節化合物は、サイトカイン活性化を介して間接的に、及びナチュラルキラー(「NK」)細胞及びナチュラルキラーT(「NKT」)細胞上で直接作用し得、NK細胞が、限定するものではないが、IFN−γなどの有益なサイトカインを産生する能力、ならびにNK及びNKT細胞の細胞傷害活性を増強する能力を増大し得る。
他の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、
以下の構造を有する、3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオン(「化合物A」):
Figure 2019506897

以下の構造を有する、3−(4−((4−(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)−1−オキソイソインドリン−2−イル)ピペリジン−2,6−ジオン(「化合物B」):
Figure 2019506897

以下の構造を有する、1−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−3−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)尿素(」化合物C」):
Figure 2019506897

以下の構造を有する、2−(4−クロロフェニル)−N−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)−2,2−ジフルオロアセトアミド(「化合物D」):
Figure 2019506897
、及び
以下の構造を有する、2−(4−フルオロフェニル)−N−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)−2,2−ジフルオロアセトアミド(「化合物E」):
Figure 2019506897

またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体、からなる群より選択される。
化合物Aは、その開示が全体として参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第7,635,700号に記載のとおり調製されてもよい。その化合物はまた、本明細書の教示に基づいて当業者に明らかな他の方法に従って合成することもできる。特定の実施形態では、化合物Aは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,802,685号に記載の結晶型である。いくつかの実施形態では、化合物Aの塩酸塩は、本明細書で提供される方法において使用される。化合物Aを用いてがん及び他の疾患を処置、予防及び/または管理する方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,906,932号に記載されている。
化合物B及びその調製方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,518,972号に記載されている。
化合物C及びその調製方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,877,780号に記載されている。
化合物D及びEならびにそれらを調製する方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,499,514号に記載されている。
一実施形態では、本明細書で提供される化合物は、化合物A、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、化合物B、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、化合物C、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、化合物D、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。さらにもう1つの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、化合物E、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。
特定の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、増大した抗多発性骨髄腫活性、増大した抗B細胞悪性腫瘍活性、または増強された免疫調節活性を有する化合物である。いくつかの実施形態では、この化合物は、増大した抗多発性骨髄腫活性を有する。他の実施形態では、この化合物は、増大した抗B細胞悪性腫瘍活性を有する。さらに他の実施形態では、この化合物は、免疫調節活性が増強されている。さらに他の実施形態では、この化合物は、増大した抗多発性骨髄腫活性及び増大した抗B細胞悪性腫瘍活性を有する。特定の実施形態では、この化合物は、増大した抗多発性骨髄腫活性及び増強された免疫調節活性を有する。いくつかの実施形態では、この化合物は、増大した抗B細胞悪性腫瘍活性及び増強された免疫調節活性を有する。他の実施形態では、この化合物は、増大した抗多発性骨髄腫活性、増大した抗B細胞悪性腫瘍活性、及び増強された免疫調節活性を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物はまた、抗体またはその断片であってもよい。特定の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、モノクローナル抗体である。他の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ポリクローナル抗体である。さらに他の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ヒト化抗体、ヒト抗体、またはキメラ抗体である。一実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ヒト化抗体である。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ヒト抗体である。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、キメラ抗体である。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、脱免疫化された抗体である。一実施形態では、本明細書で提供される化合物は、複合ヒト抗体である。
特定の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、抗体断片から形成された、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、dsFv、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディまたは多価特異的抗体である。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、薬剤にコンジュゲートされた抗体である。他の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、放射性同位元素、金属キレート剤、酵素、蛍光化合物、生物発光化合物、及び化学発光化合物からなる群より選択される薬剤にコンジュゲートした抗体である。
本明細書で提供される様々な方法の他の実施形態では、化合物は抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、PD−1抗体、PD−L1抗体、PD−L2抗体、CTLA−4抗体、CD38抗体、及びSLAMF7抗体からなる群より選択される。一実施形態では、抗体は、PD−1抗体である。別の実施形態では、抗体はPD−L1抗体である。さらに別の実施形態では、抗体はPD−L2抗体である。さらに別の実施形態では、抗体はCTLA−4抗体である。一実施形態では、抗体はCD38抗体である。別の実施形態では、抗体はSLAMF7抗体である。
いくつかの実施形態では、抗体は、ニボルマブ(すなわち、BMS−936558、MDX−1106、ONO−4538)、MK−3475(すなわち、ペムブロリズマブ、ラムブロリズマブ)、ピジリズマブ(すなわち、CT−011)、MEDI−0680(すなわち、AMP−514)、PDR−001、デュルバルマブ(すなわち、MEDI−4736)、BMS−936559(すなわち、MDX−1105)、アベルマブ(すなわち、MSB0010718C)、アテロリズマブ(すなわち、MPDL−3280A)、イピリムマブ、ダラツムマブ、及びエロツズマブからなる群より選択される。一実施形態では、抗体はニボルマブである。別の実施形態では、抗体はMK−3475である。さらに別の実施形態では、抗体はピジリズマブである。さらに別の実施形態では、抗体は、MEDI−0680である。一実施形態では、抗体は、PDR−001である。別の実施形態では、抗体はデュルバルマブである。さらに別の実施形態では、抗体はBMS−936559である。さらに別の実施形態では、抗体は、アベルマブである。一実施形態では、抗体はアテゾリズマブである。別の実施形態では、抗体はイピリムマブである。さらに別の実施形態では、抗体は、ダラツムマブである。さらに別の実施形態では、抗体はエロツズマブである。
本明細書で提供される様々な方法の特定の実施形態では、化合物は、パターン認識受容体(PRR)アゴニストである。いくつかの実施形態では、PRRアゴニストは、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、TLR9アゴニスト、RIG−1アゴニスト、MDA5アゴニスト及びAIM2アゴニストからなる群より選択される。一実施形態では、PRRアゴニストは、TLR3アゴニストである。別の実施形態では、PRRアゴニストは、TLR7アゴニストである。さらに別の実施形態では、PRRアゴニストは、TLR8アゴニストである。さらに別の実施形態では、PRRアゴニストは、TLR9アゴニストである。一実施形態では、PRRアゴニストは、RIG−1アゴニストである。別の実施形態では、PRRアゴニストは、MDA5アゴニストである。さらに別の実施形態では、PRRアゴニストはAIM2アゴニストである。
本明細書で提供される様々な方法のさらに他の実施形態では、化合物は分子模倣物である。いくつかの実施形態では、分子模倣物は、アザシチジン、ロミデプシン、ATRA、シクロホスファミド及びCelebrex(登録商標)からなる群より選択される。一実施形態では、分子模倣体は、アザシチジンである。別の実施形態では、分子模倣物は、ロミデプシンである。さらに別の実施形態では、分子模倣物はATRAである。さらに別の実施形態では、分子模倣物は、シクロホスファミドである。一実施形態では、分子模倣物はCelebrex(登録商標)である。
本明細書で提供される様々な方法のさらに他の実施形態では、化合物は酵素(例えば、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC))またはタンパク質分解系(例えば、プロテアソーム)の阻害剤である。いくつかの実施形態では、化合物は、HDACの阻害剤である。特定の実施形態では、化合物は、HADC6の阻害剤である。特定の実施形態では、化合物は、ACY−241である。他の実施形態では、化合物はプロテアソームの阻害剤である。一実施形態では、化合物は、カルフィルゾミブである。別の実施形態では、化合物は、イキサゾミブである。
いくつかの実施形態では、化合物は、抗がん化合物である。特定の実施形態では、化合物はアントラサイクリンである。
本明細書で提供される様々な化合物は、本明細書で提供される方法のいずれかにおいて、個々に使用されてもよいし、または組み合わせて使用されてもよい。特定の実施形態では、本明細書で提供される様々な化合物は、本明細書で提供される任意の方法において個々に使用される。他の実施形態では、本明細書で提供される様々な化合物は、本明細書で提供される任意の方法と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される2つの化合物を組み合わせて使用する。特定の実施形態では、本明細書で提供される3つの化合物を組み合わせて使用する。他の実施形態では、本明細書で提供される4つの化合物を組み合わせて使用する。さらに他の実施形態では、本明細書で提供される5つの化合物を組み合わせて使用する。さらに他の実施形態では、本明細書で提供される6つ以上の化合物を組み合わせて使用する。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、処置化合物の投与は、インビトロで実施される(例えば、トランスジェニックマウス由来の単離細胞、細胞株、組織または器官に化合物を投与する)。他の実施形態では、処置化合物の投与をインビボで行う(例えば、化合物をトランスジェニックマウスに投与する)。一実施形態では、単離された細胞、細胞株、組織または器官は、ある期間、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50もしくは55分、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23もしくは24時間、または2、3もしくはそれ以上の日数の間、化合物と接触される。
5.4.3 処置化合物の投与量及び/またはスケジュールを最適化するための方法
別の態様では、本明細書において、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスにおいて、化合物の投与量及び/またはスケジュールを最適化するための方法であって:
(a)この化合物をトランスジェニックマウスに投与すること;
(b)このトランスジェニックマウスから試料を得ること;
(c)この試料中のバイオマーカーのレベルを測定すること;及び
(d)このバイオマーカーのレベルに基づいて化合物の投与量及び/またはスケジュールを調節すること;
を包含し、ここでこのバイオマーカーがCRBN関連タンパク質(CAP)である方法が提供される。
特定の実施形態では、この方法は、投与量を最適化するための方法である。他の実施形態では、この方法は、投与スケジュールを最適化するための方法である。特定の実施形態では、この方法は、投与スケジュール及び投与量を最適化するための方法である。特定の実施形態では、本明細書で使用されるトランスジェニックマウスは、ヒトCRBNをコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、マウス染色体に安定して組み込まれる。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、マウス染色体に安定に組み込まれる。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。
本明細書で提供される様々な方法のいくつかの実施形態では、バイオマーカーは、セクション5.4.1で提供されるバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、化合物の投与量は、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルよりも高い場合に調整される。他の実施形態では、化合物の投与スケジュールは、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルよりも高い場合に調整される。他の実施形態では、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルより高い場合、化合物の投与量及び投与スケジュールの両方が調整される。特定の実施形態では、化合物の投与量は、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルよりも低い場合に調整される。他の実施形態では、化合物の投与スケジュールは、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルよりも低い場合に調整される。他の実施形態では、バイオマーカーのレベルがバイオマーカーのベースレベルより低い場合、化合物の投与量及び投与スケジュールの両方が調整される。
いくつかの実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、科学者によって決定された任意のレベルである。他の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、以前の測定に基づく経験的レベルである。特定の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、2つ以上の以前の測定値に基づく標準レベルまたは平均レベルである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、ヒトCRBN導入遺伝子を保有していないマウス由来の試料中のバイオマーカーのレベルである。他の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、ヒトCRBN導入遺伝子を発現するマウス由来の試料中のバイオマーカーのレベルである。さらに他の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、化合物によって処理されていないヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウス由来の試料中のバイオマーカーのレベルである。さらに他の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、化合物によって処置されたヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウス由来の試料中のバイオマーカーのレベルである。
いくつかの実施形態では、測定されるバイオマーカーは、1つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、2つ以上のバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーのレベルは、バイオマーカーのタンパク質レベルを検出及び定量することによって測定される。他の実施形態では、バイオマーカーのレベルは、バイオマーカーの核酸レベルを検出及び定量することによって測定される。一実施形態では、バイオマーカーのcDNAレベルを検出及び定量することによって、バイオマーカーのレベルを測定する。別の実施形態では、バイオマーカーのレベルは、バイオマーカーのmRNAレベルを検出及び定量することによって測定される。本明細書で提供され、または当該分野で周知のバイオマーカーを測定する任意の適切な方法を使用して、バイオマーカーのレベルを検出及び定量してもよい。
トランスジェニックマウスに、本明細書で提供される処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体を、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内の注射もしくは注入、皮下注射またはインプラント)、吸入、鼻、膣、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮または局所)経路の投与によって投与してもよい。処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしく多形体は、単独で配合されてもよく、または各投与経路に適した、医薬上許容される賦形剤、担体、アジュバント、及びビヒクルと適切な投与単位で、一緒に配合されてもよい。
一実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体を経口投与する。別の実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は非経口的に投与される。さらに別の実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、静脈内で投与される。
本明細書で使用される処置化合物は、セクション5.4.2に開示されている任意の化合物である。
特定の実施形態では、使用される化合物は、CRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体を直接的または間接的に調節するCMCである。いくつかの実施形態では、CMCはCRBNに直接結合し得る。他の実施形態では、CMCは、CRBNタンパク質の構造変化を誘導し得る。さらに他の実施形態では、CMCはCRBNに直接結合し、CRBNタンパク質の構造変化を誘導し得る。さらに他の実施形態では、CMCは、CRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体中の他のサブユニットに直接結合し得る。
いくつかの実施形態では、使用される化合物は、免疫調節化合物(例えば、サリドマイド、レナリドマイド、またはポマリドマイド)である。一実施形態では、本明細書で提供される化合物は、サリドマイドである。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物はレナリドマイドである。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物はポマリドマイドである。
他の実施形態では、使用される化合物は、以下の構造を有する、3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオン(「化合物A」):
Figure 2019506897

以下の構造を有する3−(4−((4−(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)−1−オキソイソインドリン−2−イル)ピペリジン−2,6−ジオン(「化合物B」):
Figure 2019506897

以下の構造を有する、1−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−3−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)尿素(「化合物C」):
Figure 2019506897

以下の構造を有する、2−(4−クロロフェニル)−N−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)−2,2−ジフルオロアセトアミド(「化合物D」):
Figure 2019506897
、及び
以下の構造を有する、2−(4−フルオロフェニル)−N−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)−2,2−ジフルオロアセトアミド(「化合物E」):
Figure 2019506897

またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体、からなる群より選択される化合物である。
一実施形態では、使用される化合物は、化合物A、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。別の実施形態では、使用される化合物は、化合物B、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。さらに別の実施形態では、使用される化合物は、化合物C、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。さらに別の実施形態では、使用される化合物は、化合物D、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。さらにもう1つの実施形態では、使用される化合物は、化合物E、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。
一実施形態では、処置化合物は、化合物Aまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択される1つ以上のバイオマーカーである。別の実施形態では、処置化合物は、化合物Bまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択されるより1つ以上のバイオマーカーである。さらに別の実施形態では、処置化合物は、化合物Cまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択される1つ以上のバイオマーカーである。さらに別の実施形態では、処置化合物は、化合物D、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択される少なくとも1つ以上のバイオマーカーである。一実施形態では、処置化合物は、化合物E、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択される1つ以上のバイオマーカーである。
特定の実施形態では、化合物の量は、約0.005〜約1,000mg/日、約0.01〜約500mg/日、約0.01〜約250mg/日、約0.01〜約100mg/日、約0.1〜約100mg/日、約0.5〜約100mg/日、約1〜約100mg/日、約0.01〜約50mg/日、約0.1〜約50mg/日、約0.5〜約50mg/日、約1〜約50mg/日、約0.02〜約25mg/日、または約0.05〜約10mg/日である。
特定の実施形態では、化合物の量は、約0.005〜約1,000mg/日、約0.01〜約500mg/日、約0.01〜約250mg/日、約0.01〜約100mg/日、約0.1〜約100mg/日、約0.5〜約100mg/日、約1〜約100mg/日、約0.01〜約50mg/日、約0.1〜約50mg/日、約0.5〜約50mg/日、約1〜約50mg/日、約0.02〜約25mg/日、または1日おきに約0.05〜約10mgである。
特定の実施形態では、化合物の量は、1日あたり、約0.1、約0.2、約0.5、約1、約2、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約40、約45、約50、約60、約70、約80、約90、約100、または約150mgである。
1つの実施形態では、化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体の、本明細書に記載の状態での毎日の投与範囲は、例えば、1日1回の単回投与として、または1日を通して分割した投与として、1日あたり約0.5mg〜約50mgの範囲内にある。いくつかの実施形態では、投与量は、1日あたり約1mg〜約50mgの範囲である。他の実施形態では、投与量は、1日あたり約0.5mg〜約5mgの範囲である。1日あたりの特定の用量としては、1日あたり0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50mgが挙げられる。
特定の実施形態では、推奨される開始投与量は、1日あたり0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25または50mgであり得る。別の実施形態では、推奨される開始投与量は、1日あたり0.5、1、2、3、4または5mgであり得る。用量は、15、20、25、30、35、40、45、または50mg/日に段階的に増大させてもよい。
特定の実施形態では、化合物の量は、約0.001〜約100mg/kg/日、約0.01〜約50mg/kg/日、約0.01〜約25mg/kg/日、約0.01〜約10mg/kg/日、約0.01〜約9mg/kg/日、0.01〜約8mg/kg/日、約0.01〜約7mg/kg/日、約0.01〜約6mg/kg/日、約0.01〜約5mg/kg/日、約0.01〜約4mg/kg/日、約0.01〜約3mg/kg/日、約0.01〜約2mg/kg/日、または約0.01〜約1mg/kg/日である。
投与量はまた、mg/kg/日以外の単位で表してもよい。例えば、非経口投与のための用量は、mg/m2/日として表してもよい。当業者は、対象の身長もしくは重量のいずれかまたはその両方を考慮して、用量をmg/kg/日からmg/m2/日に変換する方法を容易に知ることになる(www.fda.gov/cder/cancer/animalframe.htmを参照のこと)。
特定の実施形態では、投与される化合物の量は、約0.001〜約500μM、約0.002〜約200μM、約0.005〜約100μM、約0.01〜約50μM、約1〜約50μM、約0.02〜約25μM、約0.05〜約20μM、約0.1〜約20μM、約0.5〜約20μM、または約1μM〜約20μMの範囲の定常状態で、化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。
他の実施形態では、投与される化合物の量は、約5〜約100nM、約5〜約50nM、約10〜約100nM、約10〜約50nM、または約50〜約100nMの範囲の定常状態で化合物の血漿濃度を提供するのに十分である。
本明細書中で使用される場合、「定常状態での血漿濃度」という用語は、本明細書で提供される化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体の投与の期間後に達した濃度である。一旦、定常状態に達すると、化合物の血漿濃度の時間依存曲線上に小さなピーク及びトラフが存在する。
特定の実施形態では、投与される化合物の量は、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分であり、約0.001〜約500μM、約0.002〜約200μM、約0.005〜約100μM、約0.01〜約50μM、約1〜約50μM、約0.02〜約25μM、約0.05〜約20μM、約0.1〜約20μM、約0.5〜約20μM、または約1〜約20μMの範囲である。
特定の実施形態では、投与される化合物の量は、化合物の最小血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分であり、約0.001〜約500μM、約0.002〜約200μM、約0.005〜約100μM、約0.01〜約50μM、約1〜約50μM、約0.01〜約25μM、約0.01〜約20μM、約0.02〜約20μM、約0.02〜約20μM、または約0.01〜約20μMの範囲である。
特定の実施形態では、投与される化合物の量は、化合物の曲線下面積(AUC)を提供するのに十分であり、約100〜約100,000ng*hr/mL、約1,000〜約50,000ng*hr/mL、約5,000〜約25,000ng*hr/mL、または約5,000〜約10,000ng*hr/mLの範囲である。
処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、単回投与(例えば、単回ボーラス注射)として投与されてもよく、または経時的に(例えば、経時的に分割されたボーラス用量)投与されてもよい。化合物は、例えば、マウスが何らかの検出可能な安定した生物学的効果を経験するまで、またはマウスが疾患の進行もしくは容認できない毒性を経験するまで、必要に応じて繰り返し投与されてもよい。安定な疾患またはその欠如は、マウスの症状の評価、バイオマーカーの測定、及びX線、CAT、PET、MRIスキャン、または他の一般に受け入れられている評価様式を用いて画像化された腫瘍の可視化などの当技術分野で公知の方法によって決定される。
処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、1日1回(QD)投与されてもよいし、または1日2回(BID)、1日3回(TID)、1日4回(QID)などの毎日複数回用量に分けられてもよい。さらに、投与は、連続的(すなわち、連続して毎日または毎日)または断続的、例えばサイクル(すなわち、薬物なしの休薬の日、週、または月を含む)であってもよい。本明細書で使用される場合、「毎日」という用語は、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体が、例えば、ある期間、1日に1回または1回を超えて投与されることを意味するものとする。「連続的」という用語は、治療用化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体を、少なくとも10日から52週間の中断しない期間の間毎日投与することを意味するものとする。本明細書で使用される「間欠的」または「断続的に」という用語は、規則的または不規則のいずれかの間隔で停止及び開始を意味するものとする。例えば、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体の間欠的投与は、1週あたり1〜6回の投与、サイクルの投与(例えば、2〜8週間連続して毎日投与し、次いで、最大で1週間投与しない休薬期間)、または隔日投与である。本明細書で使用する「サイクリング」という用語は、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体が、毎日または連続的に投与されるが、休薬期間があることを意味するものとする。特定の実施形態では、休薬期間は、治療期間と同じ長さである。他の実施形態では、休薬期間は、治療期間とは異なる長さを有する。
いくつかの実施形態では、投与頻度は、ほぼ毎日の投与〜ほぼ毎月の投与の範囲である。特定の実施形態では、投与は1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日おき1回、週2回、毎週1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回である。一実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体を1日1回投与する。別の実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体を1日2回投与する。さらに別の実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体を1日3回投与する。さらに別の実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体を1日4回投与する。
特定の実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、1日〜6か月、1週間〜3ヶ月、1週間〜4週間、1週間〜3週間、または1週間〜2週間にわたって1日1回投与される。特定の実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、1週間、2週間、3週間、または4週間の間、1日1回投与される。一実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、1週間の間、1日1回投与される。別の実施形態では、処置化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、2週間の間1日1回投与される。さらに別の実施形態では、処置化合物またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、3週間の間、1日1回投与される。さらに別の実施形態では、処置化合物またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体は、4週間の間、1日1回投与される。
本明細書においてはまた、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスにおいて処置化合物の投与量及び/またはスケジュールを最適化するための方法であって:
(a)ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスに化合物を投与すること;
(b)トランスジェニックマウスの身体的外観を観察すること;及び
(c)ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスの身体的外観が標準を満たすかまたは満たさない場合、化合物の投与量及び/またはスケジュールを調節すること、を包含する方法も提供される。
本明細書で提供される様々な方法の特定の実施形態では、2つ以上のステップが連続的に実施される。本明細書で提供される方法の他の実施形態では、2つ以上のステップが並行して(例えば、同時に)実行される。
特定の実施形態では、化合物の投与量は、トランスジェニックマウスの身体的外観が標準を満たす場合に調整される。いくつかの実施形態では、化合物の投与スケジュールは、トランスジェニックマウスの身体的外観が標準を満たす場合に調整される。他の実施形態では、トランスジェニックマウスの身体的外観が標準を満たす場合、化合物の投与量及びスケジュールを調整する。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスの身体的外観が標準を満たさない場合、化合物の投与量を調整する。いくつかの実施形態では、トランスジェニックマウスの身体的外観が標準を満たさない場合、化合物の投与スケジュールを調整する。他の実施形態では、トランスジェニックマウスの身体的外観が標準を満たさない場合、化合物の投与量及びスケジュールを調整する。
さらに本明細書においては、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスにおいて処置化合物の投与量及び/またはスケジュールを最適化する方法であって、
(a)この化合物をトランスジェニックマウスに投与すること;
(b)このトランスジェニックマウスの生物学的パラメーターを測定すること;ならびに
(c)CRBNを発現するトランスジェニックマウスの生物学的パラメーターが標準を満たすかまたは満たさない場合、化合物の投与量及び/またはスケジュールを調節すること、を包含する方法が提供される。
本明細書で提供される様々な方法の特定の実施形態では、2つ以上のステップが連続的に実施される。本明細書で提供される方法の他の実施形態では、2つ以上のステップが並行して(例えば、同時に)実行される。
特定の実施形態では、トランスジェニックマウスの生物学的パラメーターが標準を満たす場合、化合物の投与量を調整する。いくつかの実施形態では、トランスジェニックマウスの生物学的パラメーターが標準を満たす場合、化合物の投与スケジュールを調整する。他の実施形態では、トランスジェニックマウスの生物学的パラメーターが標準を満たす場合、化合物の投与量及びスケジュールを調整する。特定の実施形態では、トランスジェニックマウスの生物学的パラメーターが標準を満たさない場合、化合物の投与量を調整する。いくつかの実施形態では、トランスジェニックマウスの生物学的パラメーターが標準を満たさない場合、化合物の投与スケジュールを調整する。他の実施形態では、トランスジェニックマウスの生物学的パラメーターが基準を満たさない場合、化合物の投与量及びスケジュールを調整する。
トランスジェニックマウスの生物学的パラメーターの非限定的な例としては、代謝パラメーター、神経学的パラメーター、認知パラメーター、行動パラメーター、遺伝子及びタンパク質発現/修飾、エピジェネティックパラメーター、腫瘍増殖、免疫学的パラメーター、組織学的パラメーター、血液パラメーター及び組織パラメーターが挙げられる。
5.4.4 化合物または化合物の組み合わせの効果を評価するための方法
別の態様では、本明細書において、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスにおける化合物の効果を評価するための方法であって、
(a)この化合物をトランスジェニックマウスに投与すること;
(b)このトランスジェニックマウスから試料を得ること;
(c)この試料中のバイオマーカーのレベルを測定すること;及び
(d)このバイオマーカーのレベルをバイオマーカーのベースレベルと比較することを包含し、ここでバイオマーカーがCAPである方法が提供される。
さらに別の態様では、本明細書において、ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスにおける化合物の組み合わせの効果を評価するための方法であって、
(a)このトランスジェニックマウスに第1の化合物及び第2の化合物を投与すること;
(b)このトランスジェニックマウスから試料を得ること;
(c)この試料中のバイオマーカーのレベルを測定すること;及び
(d)このバイオマーカーのレベルをバイオマーカーのベースレベルと比較すること;を包含し、ここでこのバイオマーカーがCAPである方法が提供される。
いくつかの実施形態では、化合物の組み合わせの効果を評価する方法は、第1の化合物、第2の化合物、及び第3の化合物を組み合わせて投与することを包含する。他の実施形態では、本方法は、4つ以上の化合物を組み合わせて投与することを包含する。特定の実施形態では、この化合物は同時に投与される。他の実施形態では、化合物は連続的に投与される。
特定の実施形態では、本明細書で使用される様々なトランスジェニックマウスは、ヒトCRBNをコードする核酸配列を含む。特定の実施形態では、ヒトCRBNをコードする核酸配列は、マウス染色体に安定して組み込まれる。他の実施形態では、核酸配列は、ヒトCRBNの断片をコードする。特定の実施形態では、ヒトCRBNの断片をコードする核酸配列は、マウス染色体に安定に組み込まれる。一実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号5を含む。別の実施形態では、全長ヒトCRBNタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号6を含む。一実施形態では、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする核酸配列は、配列番号7を含む。別の実施形態では、ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を包含する標的化構築物は、配列番号8を含む。
いくつかの実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、科学者によって決定される任意のレベルである。他の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、以前の測定に基づく経験的レベルである。特定の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、2つ以上の以前の測定値に基づく標準レベルまたは平均レベルである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、ヒトCRBN導入遺伝子を保有していないマウス由来の試料中のバイオマーカーのレベルである。他の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、ヒトCRBN導入遺伝子を発現するマウス由来の試料中のバイオマーカーのレベルである。さらに他の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、いずれの化合物によっても処理されていない、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウス由来の試料中のバイオマーカーのレベルである。さらに他の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、1つ以上の化合物によって処理された、ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウス由来の試料中のバイオマーカーのレベルである。
特定の実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、化合物がトランスジェニックマウスに投与されない場合のバイオマーカーのレベルである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、トランスジェニックマウスに1つの化合物のみが投与された場合のバイオマーカーのレベルである。特定の実施形態では、唯一の化合物は第1の化合物である。他の実施形態では、唯一の化合物は第2の化合物である。さらに他の実施形態では、唯一の化合物は、第3の化合物である。さらに他の実施形態では、唯一の化合物は対照化合物である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーのベースレベルは、2つの化合物の基準の組み合せがトランスジェニックマウスに投与された場合のバイオマーカーのレベルである。特定の実施形態では、この基準の組み合せは、第1の化合物及び別の化合物を含む。他の実施形態では、この基準の組み合わせは、第2の化合物及び別の化合物を含む。さらに他の実施形態では、この基準の組み合わせは、第3の化合物及び別の化合物を含む。さらに他の実施形態では、この基準の組み合せは、第1の化合物及び第2の化合物を含む。特定の実施形態では、この基準の組み合せは、2つ以上の他の化合物(すなわち、第1の化合物でも第2の化合物でもない)を含む。
特定の実施形態では、化合物(または化合物の組み合わせ)の効果は、抗原特異的T細胞殺傷に対する効果である。
いくつかの実施形態では、組み合わせの化合物は、同時または連続してのいずれかで投与される。特定の実施形態では、この化合物は同時に投与される。他の実施形態では、この化合物は連続的に投与される。本方法のさらに別の実施形態では、この化合物は特定の順序で投与される。さらに別の実施形態では、この化合物は異なる順序で投与される。特定の実施形態では、この化合物は、特定の順序とは逆の順序で投与される。
いくつかの実施形態では、処置化合物は、セクション5.4.2に提供される化合物を含む。
化合物の組み合わせの効果を評価するための任意の1つの方法において、化合物は、同一または異なるタイプの分子(例えば、低分子化学物質、または生物製剤、例えば、タンパク質、ペプチド、核酸、またはオリゴヌクレオチド)から選択してもよい。いくつかの実施形態では、化合物は、同じタイプの分子から選択される。他の実施形態では、化合物は、異なるタイプの分子から選択される。特定の実施形態では、化合物は、免疫調節化合物、抗体、PRRアゴニスト、分子模倣物、酵素の阻害剤、タンパク質分解系の阻害剤、及び任意のタイプの抗がん剤から選択してもよい。いくつかの実施形態では、この化合物は、任意の2つのタイプの免疫調節化合物、抗体、PRRアゴニスト、分子模倣物、酵素の阻害剤、タンパク質分解系の阻害剤、及び任意のタイプの抗がん剤から選択してもよい。他の実施形態では、この化合物は、任意の3つのタイプの免疫調節化合物、抗体、PRRアゴニスト、分子模倣物、酵素の阻害剤、タンパク質分解系の阻害剤、及び任意のタイプの抗がん剤から選択してもよい。さらに他の実施形態では、この化合物は、任意の4つのタイプの免疫調節化合物、抗体、PRRアゴニスト、分子模倣物、酵素の阻害剤、タンパク質分解系の阻害剤、及び任意のタイプの抗がん剤から選択してもよい。さらに他の実施形態では、この化合物は、任意の5つのタイプの免疫調節化合物、抗体、PRRアゴニスト、分子模倣物、酵素の阻害剤、タンパク質分解系の阻害剤、及び任意のタイプの抗がん剤から選択してもよい。さらに他の実施形態では、この化合物は、任意の6つのタイプの免疫調節化合物、抗体、PRRアゴニスト、分子模倣物、酵素の阻害剤、タンパク質分解系の阻害剤、及び任意のタイプの抗がん剤から選択してもよい。さらに他の実施形態では、この化合物は、全ての7種類の免疫調節化合物、抗体、PRRアゴニスト、分子模倣物、酵素の阻害剤、タンパク質分解系の阻害剤、及び任意のタイプの抗がん剤から選択してもよい。
特定の実施形態では、使用される化合物は、CRBN E3ユビキチンリガーゼを直接的または間接的に調節するCMCである。いくつかの実施形態では、CMCは、CRBNに直接結合し得る。他の実施形態では、CMCは、CRBNタンパク質の構造変化を誘導し得る。さらに他の実施形態では、CMCは、CRBNに直接結合し、CRBNタンパク質の構造変化を誘導し得る。さらに他の実施形態では、CMCは、CRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体中の他のサブユニットに直接結合し得る。
いくつかの実施形態では、使用される化合物は、免疫調節化合物(例えば、サリドマイド、レナリドマイド、またはポマリドマイド)である。一実施形態では、本明細書で提供される化合物は、サリドマイドである。別の実施形態では、本明細書で提供される化合物はレナリドマイドである。さらに別の実施形態では、本明細書で提供される化合物はポマリドマイドである。
他の実施形態では、使用される化合物は、以下の構造を有する、3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオン(「化合物A」):
Figure 2019506897

以下の構造を有する、3−(4−((4−(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)−1−オキソイソインドリン−2−イル)ピペリジン−2,6−ジオン(「化合物B」):
Figure 2019506897

以下の構造を有する、1−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−3−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)尿素(「化合物C」):

Figure 2019506897

以下の構造を有する、2−(4−クロロフェニル)−N−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)−2,2−ジフルオロアセトアミド(「化合物D」):
Figure 2019506897
、及び
以下の構造を有する、2−(4−フルオロフェニル)−N−((2−(2,6−ジオキソピペリジン−3−イル)−1−オキソイソインドリン−5−イル)メチル)−2,2−ジフルオロアセトアミド(「化合物E」):
Figure 2019506897

またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体からなる群より選択される化合物である。
一実施形態では、使用される化合物は、化合物A、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。別の実施形態では、使用される化合物は、化合物B、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。さらに別の実施形態では、使用される化合物は、化合物C、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。さらに別の実施形態では、使用される化合物は、化合物D、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。さらにもう1つの実施形態では、使用される化合物は、化合物E、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。
化合物の組み合わせの効果を評価するための方法の特定の実施形態では、化合物の組み合わせは2つの化合物を含む。いくつかの実施形態では、化合物の組み合わせは3つの化合物を含む。他の実施形態では、化合物の組み合わせは4つの化合物を含む。さらに他の実施形態では、化合物の組み合わせは5つの化合物を含む。さらに他の実施形態では、化合物の組み合わせは、6つ以上の化合物を含む。
一実施形態では、組み合わせの化合物の1つはデキサメタゾンである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはCMCである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、免疫調節化合物である。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、サリドマイド、レナリドマイド、及びポマリドマイドからなる群より選択される免疫調節化合物である。一実施形態では、組み合わせの化合物の1つはサリドマイドである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはレナリドマイドである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはポマリドマイドである。一実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物である。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物である。
特定の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、イキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される。一実施形態では、組み合わせの化合物の1つはイキサゾミブである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはカルフィルゾミブである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはエロツズマブである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つは、ダラツムマブである。一実施形態では、組み合わせの化合物の1つはアザシチジンである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはACY−241である。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはシクロホスファミドである。さらに別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはデュルバルマブである。一実施形態では、組み合わせの化合物の1つはアブラキサンである。別の実施形態では、組み合わせの化合物の1つはニボルマブである。
特定の実施形態では、化合物の組み合わせには、CMC及びデキサメタゾンが含まれる。いくつかの実施形態では、化合物の組み合わせには、免疫調節化合物及びデキサメタゾンが含まれる。他の実施形態では、化合物の組み合わせには、サリドマイド、レナリドマイド、及びポマリドマイド、及びデキサメタゾンからなる群より選択される免疫調節化合物が含まれる。さらに他の実施形態では、化合物の組み合わせには、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物及びデキサメタゾンが含まれる。さらに他の実施形態では、化合物の組み合わせには、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物及びデキサメタゾンが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、サリドマイド及びデキサメタゾンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、レナリドマイド及びデキサメタゾンが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、ポマリドマイド及びデキサメタゾンが含まれる。
特定の実施形態では、化合物の組み合わせには、CMC、デキサメタゾン、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物が含まれる。いくつかの実施形態では、化合物の組み合わせには、免疫調節化合物、デキサメタゾン、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物が含まれる。他の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド、レナリドマイド及びポマリドマイドからなる群より選択される免疫調節化合物、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン、及びニボルマブからなる群より選択される化合物が含まれる。さらに他の実施形態では、化合物の組み合わせには、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、デキサメタゾン、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン、及びニボルマブからなる群より選択される化合物が含まれる。さらに他の実施形態では、化合物の組み合わせには、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、デキサメタゾン、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン、及びニボルマブからなる群より選択される化合物が含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、サリドマイド、デキサメタゾン、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物が含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、レナリドマイド、デキサメタゾン、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物が含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、ポマリドマイド、デキサメタゾン、ならびにイキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物が含まれる。
一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、CMC、及びイキサゾミブが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、CMC、及びカルフィルゾミブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、CMC及びエロツズマブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、CMC、及びダラツムマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びアザシチジンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、CMC、及びACY−241が含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、CMC、及びシクロホスファミドが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、CMC、及びデュルバルマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、CMC、及びアブラキサンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせは、デキサメタゾン、CMC、及びニボルマブが含まれる。
一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びイキサゾミブが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びカルフィルゾミブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びエロツズマブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びダラツムマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びアザシチジンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びACY−241が含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びシクロホスファミドが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びデュルバルマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びアブラキサンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、免疫調節化合物、及びニボルマブが含まれる。
一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド及びイキサゾミブが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド及びカルフィルゾミブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド及びエロツズマブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド、及びダラツムマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド及びアザシチジンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド、及びACY−241が含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド、及びシクロホスファミドが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド及びデュルバルマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド及びアブラキサンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、レナリドマイド及びニボルマブが含まれる。
一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド及びイキサゾミブが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド及びカルフィルゾミブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド及びエロツズマブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド及びダラツムマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド及びアザシチジンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド、及びACY−241が含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド及びシクロホスファミドが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド及びデュルバルマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド及びアブラキサンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、サリドマイド及びニボルマブが含まれる。
一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びイキサゾミブが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びカルフィルゾミブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びエロツズマブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びダラツムマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びアザシチジンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びACY−241が含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びシクロホスファミドが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びデュルバルマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド、及びアブラキサンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、ポマリドマイド及びニボルマブが含まれる。
一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びイキサゾミブが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びカルフィルゾミブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びエロツズマブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びダラツムマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びアザシチジンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びACY−241が含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びシクロホスファミドが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びデュルバルマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びアブラキサンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗B細胞悪性腫瘍活性を有する化合物、及びニボルマブが含まれる。
一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びイキサゾミブが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びカルフィルゾミブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びエロツズマブが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びダラツムマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びアザシチジンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びACY−241が含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びシクロホスファミドが含まれる。さらに別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びデュルバルマブが含まれる。一実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びアブラキサンが含まれる。別の実施形態では、化合物の組み合わせには、デキサメタゾン、抗多発性骨髄腫活性を有する化合物、及びニボルマブが含まれる。
いくつかの実施形態では、測定されるバイオマーカーは、セクション5.4.1で提供されるバイオマーカーを含む。
本明細書で提供される様々な方法の特定の実施形態では、バイオマーカーとは、CRBNによって、例えばタンパク質間の相互作用(例えば、特定のCRBN基質またはその下流のエフェクター)を通じて、または様々な細胞経路(例えば、シグナル伝達経路)を通じて直接または間接的に影響されるタンパク質である。特定の実施形態では、バイオマーカーは、CAPである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CRBNによって直接的または間接的に影響を受けるタンパク質のmRNAである。他の実施形態では、バイオマーカーは、CRBNによって直接的または間接的に影響を受けるタンパク質のcDNAである。特定の実施形態では、バイオマーカーは、CRBNの1つ以上のアイソフォームによって直接的または間接的に影響を受ける。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CRBNの1つのアイソフォームによって直接的または間接的に影響を受けるが、他のアイソフォームによっては影響を受けない。
いくつかの実施形態では、測定されるバイオマーカーは、1つのバイオマーカーを含む。特定の実施形態では、測定されるバイオマーカーは、2つ以上のバイオマーカーを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーのレベルは、バイオマーカーのタンパク質レベルを検出及び定量することによって測定される。他の実施形態では、バイオマーカーのレベルは、バイオマーカーの核酸レベルを検出及び定量することによって測定される。一実施形態では、バイオマーカーのレベルは、バイオマーカーのcDNAレベルを検出及び定量することによって測定される。別の実施形態では、バイオマーカーのレベルは、バイオマーカーのmRNAレベルを検出及び定量することによって測定される。本明細書で提供されるか、または当該分野で周知のバイオマーカーを測定する任意の適切な方法を使用して、バイオマーカーのレベルを検出及び定量してもよい。
一実施形態では、処置化合物は、化合物A、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択される1つ以上のバイオマーカーである。別の実施形態では、処置化合物は、化合物B、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択される1つ以上のバイオマーカーである。さらに別の実施形態では、処置化合物は、化合物C、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択される1つ以上のバイオマーカーである。さらに別の実施形態では、処置化合物は、化合物D、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択される1つ以上のバイオマーカーである。一実施形態では、処置化合物は、化合物E、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体置換体、プロドラッグ、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体であり、バイオマーカーは、Aiolos、Ikaros、及びGSPT1からなる群より選択される1つ以上のバイオマーカーである。
5.4.5 抗原特異的T細胞殺傷に対する化合物の効果の評価方法
本明細書で提供される様々な方法の特定の実施形態では、化合物または化合物の組み合わせの効果は、抗原特異的T細胞殺傷に対する効果である。T細胞媒介細胞傷害性は、ナイーブT細胞に種々の特異的抗原をもたらす抗原提示細胞(APC)によって誘導され得る。APCの非限定的な例としては、樹状細胞(DC)、マクロファージ、特定のB細胞、及び特定の活性化上皮細胞が挙げられる。次いで、活性化された細胞傷害性T細胞は、その表面に特異的抗原(例えば、腫瘍抗原)を有する標的細胞(例えば、腫瘍細胞)を殺傷する。インビボまたはインビトロでの抗原特異的T細胞殺傷を評価するための様々な方法は、科学文献に開示されている(例えば、自己樹状細胞でパルスされた乳房腫瘍細胞溶解物により誘導されるT細胞応答のインビトロ分析(in vitro analysis of T−cell responses induced by breast tumor cell lysate pulsed with autologous dendritic cells))。Delirezh et al.、Advances in Biosci.Biotechnol.2012、3:126−136を参照のこと。
方法の特定の実施形態では、APCはDCである。いくつかの実施形態では、APCはマクロファージである。特定の実施形態では、APCは動物から単離される。他の実施形態では、APCは、動物由来の単離末梢血単核細胞(PBMC)からインビトロで誘導される。さらに他の実施形態では、APCは、動物由来の単離されたプログラム可能な単球由来細胞(PCMO)からインビトロで誘導される。
APC(例えば、DC)の成熟は、種々の因子(例えば、TNF−α)及び/または馴化培地(例えば、単球馴化培地(MCM)、線維芽細胞馴化培地(FCM)、PHA活性化T細胞順化培地(TCM)、または線維芽細胞及びT細胞馴化培地(FCM−TCM)によって誘発され得る。未分画の腫瘍由来抗原、例えば、腫瘍細胞溶解物、腫瘍細胞膜から溶出したペプチド、アポトーシス腫瘍細胞、腫瘍ペプチドパルス化DC由来エキソソーム、腫瘍とDCとの融合体、及び腫瘍細胞RNAを、DCのパルス化に用いてもよい。種々の実施形態では、腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞または血液癌細胞のような任意の種類の腫瘍細胞であってもよい。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は多発性骨髄腫細胞である。他の実施形態では、腫瘍細胞はB細胞悪性腫瘍細胞である。
次いで、パルス化DCは、増殖、細胞毒性、自己腫瘍細胞に対するサイトカイン放出においてT細胞応答を誘発し得る。したがって、T細胞増殖、T細胞細胞毒性、及びサイトカイン放出は、文献に開示された周知のアッセイを用いて測定することができる。Delirezh et al.、Advances in Biosci、Biotechnol.2012、3:126−136を参照のこと。
前述の詳細な説明及び添付の実施例は単なる例示であり、主題の範囲を限定するものと解釈すべきではないことが理解される。開示された実施形態に対する様々な変更及び改変は、当業者には明らかであろう。化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成物、処方物、トランスジェニックマウスの作製方法及び/または本明細書で提供される使用方法に関連するものを含むが、これらに限定されない、このような変更及び改変は、その趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得る。本明細書中で参照される米国特許及び刊行物は、参照として援用される。
例えば、1つ以上の試薬(例えば、TALEN、CRISP/Cas9、ZFN、核酸プライマーなど)、1つ以上の手順(例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーションなど)、または1つ以上のステップ(例えば、本明細書中に提供される様々な方法におけるステップ(a)、ステップ(b)、ステップ(c)、ステップ(d))に関する上記で列挙された実施形態の任意の組み合わせはまた、本明細書中に提供される任意の様々な方法と関係して考慮される。
本発明の特定の実施形態は、以下の非限定的な実施例によって例示される。
6.実施例
以下の実施例は、他に詳細に記載されている場合を除いて、当業者に周知であり日常的な標準的な技術を用いて行われる。この実施例は単なる例示であることが意図される。
6.1 ヒトCRBNトランスジェニックマウスの作製のための標的化構築物の生成
ヒトCRBNアイソフォーム1及びマウスCRBNアイソフォーム2(ヒトCRBNアイソフォーム1に対応する)の最初の23アミノ酸は同一である。これらの23個のアミノ酸は、ヒトまたはマウスCRBN遺伝子のエキソン1によってコードされる。別のスプライシング機構は、第23番目のアミノ酸を除去して、ヒトCRBNアイソフォーム2またはマウスCRBNアイソフォーム1を生成する(これはそれぞれヒトCRBNアイソフォーム1またはマウスCRBNアイソフォーム2よりも1アミノ酸短い)。従って、マウスエキソン1/イントロン1/エキソン2スプライシングが維持され得る。ノックインの戦略は、エキソン2で開始する、CRBNをコードするヒトcDNAを挿入することである。これは、cDNAのインビボ発現に重要なイントロンを含むことにより、内因性マウスプロモーターからのヒトcDNAの十分な発現を確実にする助けとなるはずである。ヒトCRBNのcDNAコード配列の後のポリ(A)配列は、転写産物を終結させ、マウス遺伝子の任意のさらなるスプライシングまたは発現を破壊する。宿主マウスにおける選択的スプライシング機構は、トランスジェニックマウスにおいてヒトCRBNアイソフォーム1及びヒトCRBNアイソフォーム2を生成することができるであろう。エキソン3は、エキソン1とはフレーム外であり、そのため異常なスプライシングは機能的CRBNタンパク質を生じないであろう。
図1は、標的化構築物の生成、ES細胞または胚への標的化構築物の導入、キメラの産生、及び生殖系列伝達を含む、ヒトCRBNノックイントランスジェニックマウスの作製のフローチャートを示す。
図2は、マウスゲノム中のヒトCRBNにおけるノッキングの設計を示す。図2のパートAは、マウスゲノム中のマウスCRBN遺伝子の一部(エキソン2及びエキソン3を含む)を示す。図2のパートBは、標的化構築物を示しており、これは、ヒトCRBNアイソフォーム1のcDNAの一部(コドン24、グルタミン酸から開始し、終止コドンで終わる)、その後に組換えポリ(A)配列(例えば、bGH pA)及び2つのloxP部位が隣接するネオマイシン選択カセット、ならびに5’相同性アーム及び3’相同性アームを含む。パートAとパートBとの間の点線は、ヒトCRBNのcDNA、bGH pA、loxに隣接するネオマイシン選択カセット、ならびに5’相同アーム及び3’相同アームを含む標的化構築物による、マウスゲノムの一部(マウスCRBN遺伝子のエキソン2を含む)の置換を示す。パートCは、標的化構築物配列がマウスゲノムに安定に組み込まれている、ヒトCRBNノックイン後の標的化されたゲノムを示す。パートDは、ネオマイシン選択カセットのCre切除後の標的ゲノムを示す。
図3A〜3Cは、ドナーベクターの一例CRBN KIベクターV2−pUCのクローニング戦略を示す。図3Cでは、CRBN KIベクターV2−pUCが、(1)pUC57−Simpleクローニングベクターの骨格、(2)CRBNの断片(コドン24、グルタミン酸塩から開始し、停止コドンで終わる)、続いて組換えポリ(A)配列(例えば、bGHpA)ならびにPGK−EM7プロモーターによって制御され、2つのloxP部位が隣接するネオマイシン選択カセットをコードするヒトcDNA配列、ならびに(3)5kbの5’相同アーム、及び2.8kbの3’相同性アームを、それぞれ、(2)の5’末端及び3’末端に含むことが示される。相同性アームは、マウスCRBN遺伝子のエキソン2に隣接するイントロン配列と一致し、マウスゲノムとの相同組換えを促進する。構成要素(2)及び(3)を含むCRBN KIベクターV2−pUCの領域は、図2Bに示される標的化構築物に対応する。この標的化構築物の核酸配列は、配列番号8に明記されている。
CRBN KIベクターV2−pUCは、以下のようにして作製した:(1)合成DNAであって、1.5kbのマウスCRBNイントロン1及びマウスCRBNエキソン2の開始点、続いてコドン24グルタミンで開始し終止コドンまでのヒトCRBNアイソフォーム1、ウシ成長ホルモンポリ(A)シグナル、及び1.5kbのマウスCRBNイントロン3を包含する合成DNA(図3A)を、Genscript、Inc.(Piscataway、NJ)によって合成し、Kpn I及びXho I制限部位を、イントロン3の開始に含めて、ネオマイシン選択カセットのクローニングを可能にした;(2)CRBN KI標的化構築物を、EcoRV制限部位のプラスミドpUC57−Simpleにクローニングして、プラスミドCRBN−pUCを作製した(マップは示さず);(3)次に、PGKプロモーター、ネオマイシン選択カセット、及びSV40ポリ(A)を含む1637bpのKpnI/XhoI断片のPB−MV1Neo(図3B)を、KpnI及びXhoI制限部位でCRBN−pUC中にクローニングして、ドナーベクターCRBN KI Vector−V2−pUCを生成した(図3C)。次いで、ドナーベクターCRBN KI Vector−V2−pUCをマウスES細胞にエレクトロポレーションした。
6.2 XTN(商標)TALENの設計及びそれらの活性の試験
3つのXTN(商標)TALENを、ネオマイシンカセット挿入部位を標的化して標的化を増強するように設計した。XTN(商標)TALEN 1は、
TATGCGGACCTTTATCTAtggctggaatttcctaAGTGCAGGGAGCCACA(配列番号9)という核酸配列を標的する。
XTN(商標)TALEN 2は、TGCAGTATGCGGACCTTtatctatggctggaatTTCCTAAGTGCAGGGA(配列番号10)という核酸配列を標的とする。XTN(商標)TALEN 3は、TCTGCCAACCTCACATacagtatgtggtttaGTCATTGAGCAAATGCA(配列番号11)の核酸配列を標的とする。
図4は、Cel−1アッセイを用いた3つのXTN(商標)TALENの試薬活性試験を示す。予想されるバンドサイズは、XTN(商標)TALEN1及び2では170bp及び160bpであり、XTN(商標)TALEN3では200bp及び130bpである。この結果、XTN(商標)TALEN1が5%の活性を有し、XTN(商標)TALEN2が9%の活性を有し、XTN(商標)TALEN 3が3%の活性を有したことが示される。従って、XTN(商標)TALEN 2は最も活性が高く、ドナーベクターCRBN KI Vector−V2−pUCとともにマウスES細胞にエレクトロポレーションされた。
6.3 マウスES細胞のエレクトロポレーション及びヒトCRBN遺伝子を含むクローンの同定
C57BL/6NTac JM8 ES細胞を、ドナーベクターCRBN KI Vector−V2−pUC及びXTN(商標)TALEN 2を用いてエレクトロポレーションした。正確な5’及び3’標的化を検出するために、プライマーを用いた標的化のために24のESクローンをスクリーニングした。5’及び3’標的を検出するためのPCRプライマーを表1に列挙する。
表1.5’及び3’標的を検出するためのPCRプライマー
Figure 2019506897
3つのESクローンを、5’末端及び3’末端の両方で正確な標的化で同定した。2つのクローン(D3及びE1)についての結果を図5に示す。ゲルの左半分は、ESクローンD3のPCR産物を示し、ゲルの右半分はESクローンE1のPCR産物を示す。5’PCR産物は、約1968bpという予想サイズを有し、3’PCR産物は約1939bpという予想サイズを有する。
PCR産物の配列は、クローンE1、D2、及びD3について5’及び3’末端を標的とすることが確認された。例えば、5’標的化のPCR産物は、標的化アームと、ゲノム配列との5’末端での、及びヒトCRBNのcDNAとの3’末端での接合部を示した。これらのESクローンを核型決定して、増殖した。
6.4 ES細胞の移植及びキメラの作製
2つのESクローン(D2及びE1)を、C57BL/6NTac芽球に注入した。3.5日齢のマウス胚(胚盤胞)を、クローンD2及びE1由来のES細胞の標準的な注入方法に用いた。次いで、注入された胚盤胞を、偽妊娠雌性マウスに移植した。キメラは、Nnt遺伝子型またはコート色によって生まれ、確認された。クローンE1は、最高レベルのキメラ現象をもたらした。これらのキメラは、生殖系列伝達のために繁殖するように選択した。
6.5 ヒトCRBN遺伝子の生殖細胞系伝達
ネオマイシン耐性カセットの欠失を達成し、生殖系列伝達を決定するために、クローンE1由来のキメラを、Creリコンビナーゼデレター(deleter)マウス(ROSA26座から発現されたCre)に交配させた。子孫は、ヒトcDNA挿入物に特異的なPCRプライマーを用いて評価した。3匹の仔(2匹の雌及び1匹の雄)をPCRによって同定し、ヒトcDNA−bGH pA、1つのloxP部位を含み、かつネオマイシンカセットを含まないことを配列で確認した。
図6は、3つの生殖系列動物の5’標的化PCR確認を示す。レーン1は、分子量マーカーである。レーン2〜4は、クローンE1キメラから生成された3つの生殖系列動物由来のPCR産物である。レーン2は、CRBN623由来のPCR産物であり;レーン3は、3由来のPCR産物であり;レーン4は、CRBN+Cre4由来のPCR産物である。レーン5及び6は、それぞれ陰性対照及び陽性対照である。
図7は、遺伝子型決定プライマーを用いた3つの生殖系列動物のhu−cDNA−pA PCR確認を示す。レーン1は、分子量マーカーである。レーン2〜4は、クローンE1キメラから生成された3つの生殖系列動物由来のPCR産物である。レーン2は、CRBN623由来のPCR産物であり;レーン3は、3由来のPCR産物であり;レーン4は、CRBN+Cre4由来のPCR産物である。レーン5及び6は、それぞれ陰性対照及び陽性対照である。
使用される遺伝子型決定プライマーは、以下のとおりである:フォワードプライマーは、TGTGTTGCCTTCAACCATGT(配列番号16)の核酸配列を含むCRBNhu−cDNA−F1である。リバースプライマーは、CAGCATGCCTGCTATTGTCT(配列番号17)の核酸配列を含むbGHpA−R1である。
6.6 ヒトCRBN遺伝子についてホモ接合性のマウスの育種及び同定
ヒトCRBN遺伝子の生殖系列伝達を有する上記の2つのヘテロ接合性雌性マウスを、増殖育種のために使用した。これは、ヒトCRBN遺伝子を発現する安定した系統のマウスを確保し確立することであった。目標は、ヒトCRBN遺伝子とホモ接合マウスのコホートを確立すること、及びCreリコンビナーゼ対立遺伝子を削除することであった。雌性マウスを、非Cre C57BL/6NTacマウスと育種してCre遺伝子を除去し、ヘテロ接合性のヒトCRBNノックインマウスを作製した。ヘテロ接合ヒトCRBNノックインマウス間の交配によって、ホモ接合ヒトCRBNノックインマウスを産生した。
6.7 ヒトCRBN遺伝子についてホモ接合性のマウス及び他の遺伝的背景を有するマウスの育種
ヒトCRBN遺伝子についてホモ接合性のマウスを、他の遺伝的背景のマウス、例えばNSG/NOGマウス、Vk*myc多発性骨髄性モデル、Eu−v−abl/Eu−c−Myc(ウイルス接種+プリスチン)多発性骨髄腫モデル、Eu−c−Mycリンパ腫モデル、ヒトIKZF1/3トランスジェニックマウスなどと育種してもよい。これらの育種されたマウスは、限定するものではないが、異種移植の分析、抗腫瘍効果、及び免疫細胞効果を含むさらなる研究に有用である。
6.8 免疫調節化合物の研究におけるヒトCRBNトランスジェニックマウスの使用
ヒトCRBNトランスジェニックマウスに由来する細胞、細胞株、組織または器官を使用して、化合物(例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド及びセクション5.4.2で提供される他の化合物などの免疫調節化合物)をインビトロまたはエキソビボで研究してもよい。ヒトCRBNトランスジェニックマウスを使用して、化合物(例えば、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、及びセクション5.4.2で提供される他の化合物などの免疫調節化合物)をインビボで研究してもよい。これらの研究には、限定するものではないが、結合アッセイ(例えば、CRBN結合アッセイ、CAP結合アッセイ)、標的タンパク質分解アッセイ、下流機能アッセイ、バイオマーカーアッセイ、プロテオミクス研究、毒性、薬物動態、薬力学、様々な疾患の処置の有効性、投与レジメン最適化、処置の特異性、併用療法、作用機序などが挙げられる。
例えば、CRBN基質(例えば、Aiolos、Ikaros、またはGSPT1)の分解を、ヒトCRBNトランスジェニックマウスから単離した脾臓細胞のエキソビボ化合物処理によって評価した。野生型(WT)、ヘテロ接合体(HET)、及びホモ接合性ヒトCRBNノックインマウス(HOM)由来の脾臓を収集し、gentleMACS(商標)Dissociator(Miltenyi Biotec、San Diego、CA)を用いて、5mLのPBS中で解離させた。脾臓ホモジネートを、70μmの予備分離フィルター(#130−095−823、Miltenyi Biotec)を用いて15mLのコニカルチューブに濾過し、1200rpmで5分間遠心分離した。デカントした後、脾細胞を、1mLのACK Lysing Buffer(Gibco#A10492−01、Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)中に2分間再懸濁して赤血球を溶解した。10mLの冷PBSを各コニカルチューブに添加して溶解を停止させ、脾細胞を再び1200rpmで5分間遠心分離した。デカントした後、脾細胞を1mLのPBSに再懸濁し、再び濾過して、各マウス表現型についてプールし、Vi−Cell(商標)XR細胞カウンター(Beckman Coulter、Indianapolis、IN)を用いてカウントして生存率を判定した。カウント及び生存率の確認の後、プールされた脾細胞を有するチューブを、1200rpmで5分間遠心分離し、デカントし、濃度5.5×10脾細胞/mL(脾細胞の数次第で20〜30mL)の10%FBSを補充した暖かいRPMI 1640培地に再懸濁した。
15×10個のWT、HET、またはHOM脾細胞を、別々の6ウェルプレートのウェルにプレートした。DMSO(最終濃度0.2%)/RPMI 1640培地で希釈した化合物を、10μM〜1nMの範囲の濃度でウェルに分注した。0.2%のDMSOも陰性対照として各プレートの1つのウェルに分注した。脾細胞を37℃のインキュベーター内で4〜24時間、化合物で処理した。次いで、化合物で処置した脾細胞を、15mLコニカルチューブに集め、1500rpmで6分間遠心分離し、培地を吸引除去し、5mLのPBSで1回洗浄した。洗浄後、脾細胞を再び遠心分離し、PBSを吸引除去し、脾細胞ペレットをドライアイス上で急速凍結した。
脾細胞ペレットを、cOmplete ULTRAプロテアーゼ阻害剤の錠剤(#05892920001、Roche Diagnostics Corporation、Indianapolis、IN)及びホスファターゼ阻害剤(Pierce#78442、Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)を補充した冷1X細胞溶解緩衝液(#9803、Cell Signaling Technology、Danvers、MA)を用いて溶解した。溶解物のタンパク質濃度を、BCAタンパク質アッセイキット(Pierce#A10492−01、Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)を用いて測定し、ウエスタンブロットを実施して、エキソビボ化合物処理から生じる基質分解を評価した。各脾臓溶解物20μgを、4〜12%のCriterion XT Bis Trisゲル(Bio−Rad#3450124、Bio−Rad Laboratries、Hercules、CA)にロードし、130Vで1.5時間泳動させ、次いでTrans−Blot Turbo Transfer System(Bio−Rad Laboratories)を用いてニトロセルロース膜上に転写した。Odyssey(登録商標)ブロッキング緩衝液(#927−40100、LI−COR Biotechnology、Lincoln、NE)で1時間ブロッキングした後、膜を、Aiolos(ポリクローナルヤギ#sc−18683、Santa Cruz Biotechnology、Dallas、TX)、Ikaros(モノクローナルウサギ、#14859、Cell Signaling Technology)、GSPT−1(ポリクローナルウサギ、#ab49878、Abcam PLC、Cambridge、United Kingdom)、GAPDH(モノクローナルマウス、#AM4300、Thermo Fisher Scientific)の一次抗体とともに4℃で一晩インキュベートした。PBSTで洗浄した後、膜を、蛍光二次抗体、Alexa Fluor 680(登録商標)ヤギ抗ウサギIgG(Invitrogen#A−21076、Thermo Fisher Scientific)またはIRDye(登録商標)800CWヤギ抗マウスIgG(#926−32210、LI−COR Biotechnology)を用いて、室温で1時間プローブした。二次抗体とのインキュベーション後、膜を、PBST中で再び洗浄した。Odyssey(登録商標)CLx画像化システム(LI−COR Biotechnology)を用いて膜を走査し、Image Studio(商標)ソフトウェアを用いて定量した。
最初のパイロット実験では、化合物Bと、1μMまたは10μMで、24時間エキソビボでインキュベーションした結果、HET及びHOM脾細胞におけるAiolos(図8A及び8B)及びIkaros(図9A及び9B)の有意な分解、ならびにWT脾細胞における最小限の分解が生じた。
図8A及び図8Bによって、10μMの化合物Bの処理が、HOM脾細胞で84%の分解、HET脾細胞で77%の分解、及びWT脾細胞で27%の分解をもたらしたこと、ならびに1μMの化合物Bの処理が、HOM脾細胞で81%の分解、HET脾細胞で76%の分解、及びWT脾細胞での28%の分解が生じたことが示される。
図9A及び図9Bによって、化合物Bでの24時間のエキソビボ処理後、Ikarosについて分解の同様の傾向が示される。10μMの化合物Bでは、Ikarosの分解は、HOM脾細胞では82%、HET脾細胞では68%、そしてWT脾細胞ではわずか20%の分解が観察された。同様に、化合物Bの1μM処理は、HOM脾細胞では76%のIkaros分解、HET脾細胞では60%の分解、及びWT脾細胞では23%の分解をもたらした。
WT、HET、及びHOMマウス由来の脾細胞を用いた第2のエキソビボ実験を、化合物B濃度の範囲に応じたAiolosまたはIkaros分解の用量依存性を研究するために行った。これらの用量としては、1、0.1、0.01、及び0.001μMの化合物Bが含まれ、インキュベーション時間は6時間に短縮された。
HOM脾臓細胞におけるエキソビボ処理後、Aiolosの78%、66%、54%、及び28%の分解が、それぞれ化合物Bの1、0.1、0.01及び0.001μMで観察された(図10Aの右のパネル及び図10B)。HET脾細胞では、Aiolosの41%、32%、13%、及び0%の分解が、それぞれ1、0.1、0.01及び0.001μMの化合物Bで観察された(図10Aの中央パネル及び図10B)。WT脾臓細胞では、この実験では化合物Bのいずれの濃度でも、Aiolosの分解は観察されなかった(図10Aの左パネル及び図10B)。
同様の用量依存性応答が、HOM及びHET脾臓細胞におけるIkaros分解について観察された。HOM脾臓細胞では、Ikarosの59%、55%、41%及び14%の分解が、それぞれ1、1.0、0.01及び0.001μMの化合物Bで観察された(図11Aの右パネル及び図11B)。HET脾臓細胞では、Ikarosの49%、45%、8%及び0%の分解が、それぞれ、1、1.0、0.01及び0.001μMの化合物Bで観察された(図11Aの中央パネル及び図11B)。Aiolos分解について観察されたものと同様に、いずれの濃度の化合物BでもWT脾細胞においてIkarosの分解は観察されなかった(図11Aの左パネル及び図11B)。
WT及びHOMマウス由来の脾臓細胞を用いた追加のエキソビボ実験を行い、化合物C及び化合物Eを用いたGSPT1分解を評価した。化合物Bを用いたこれまでのエキソビボ実験と同様に、10%FBSを補充した、RPMI 1640培地中の15×10個のWT及びHOM脾細胞を、6ウェルプレートにプレートした。WT及びHOM脾細胞を、化合物Cを用いて100nMまたは1nMで、化合物Eを用いて10μMまたは100nMで、37℃で4時間処理した。脾細胞を収集し、15mLのコニカルチューブに移し、1500rpmで6分間遠心分離し、培地を吸引除去し、5mLのPBSで1回洗浄した。洗浄後、脾細胞を再び遠心分離し、PBSを吸引除去し、脾細胞ペレットをドライアイス上で急速凍結した。上記の溶解緩衝液を用いて脾細胞を溶解し、タンパク質濃度を測定した。GSPT1分解を決定するために、20μgのタンパク質を用いたウエスタンブロットを行った。
ウエスタンブロット分析によって、化合物Cによるエキソビボ処理後のHOM脾細胞におけるGSPT1の有意な分解及びWT脾細胞におけるGSPT1の最小限の分解のみが示された。HOM脾細胞では、GSPT1の65%及び89%の分解が、それぞれ、1nM及び100nMの化合物Cで観察された(図12Aの右パネル及び図12B)。対照的に、WT脾細胞では、それぞれ、1nM及び100nMの化合物CでGSPT1のわずか11%及び7%の分解が観察された(図12Aの左パネル及び図12B)。
同様に、エキソビボで他の化合物である化合物Eで処理した脾細胞のウエスタンブロット分析では、HOM脾細胞ではGSPT1の有意な分解を示したが、WT脾細胞では示さなかった。10μM及び100nMの化合物Eでは、GSPT1の74%及び70%の分解がそれぞれHOM脾細胞で観察された(図13A右パネル及び13B)。しかし、WT脾臓細胞では、10μM及び100nMの化合物Eでは、それぞれ、GSPT1の6%及び0%の分解が観察された(図13A左パネル及び13B)。
これらの例示的なエキソビボ結果によって、ヒトCRBNトランスジェニックマウスが、例えば、種々の疾患(例えば、がん)の処置における、特定の化合物(例えば、免疫調節化合物、例えばサリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、及びセクション5.4.2で提供される他の化合物)の有効性、特異性、毒性、薬物動態、薬力学、作用機序を評価すること;これらの化合物の投与レジメンの最適化;ならびに、そのような疾患のための他の治療薬との併用療法を研究することにおいて用いられ得ることが示される。
*****
前述から、特定の実施形態が例示の目的のために本明細書に記載されているが、本明細書で提供されるものの趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な改変がなされ得ることが理解される。上記で引用された全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
7.配列表
本明細書は、コンピュータ可読形式(CRF)の配列表のコピーとともに提出されている。2017年1月12日に作成され、サイズが31,899バイトである12827−974−228_SEQLIST.txtと名付けられたCRFは、配列表の紙のコピーと同一であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (81)

  1. トランスジェニックマウスであって、そのゲノムが、ヒトセレブロン(CRBN)またはその断片をコードする核酸を含み、ここで内因性マウスCRBNが、前記トランスジェニックマウスで発現されない、前記トランスジェニックマウス。
  2. 前記核酸が全長ヒトCRBNタンパク質をコードする、請求項1に記載のトランスジェニックマウス。
  3. 全長ヒトCRBNタンパク質をコードする前記核酸が、配列番号5または配列番号6を含む、請求項2に記載のトランスジェニックマウス。
  4. 前記核酸が、マウス−ヒトキメラCRBN遺伝子を含む、請求項1に記載のトランスジェニックマウス。
  5. 前記核酸が、ヒトCRBNアイソフォーム1のコドン24のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム1の最終コドンで終わるポリペプチドを含む、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする、請求項1または4に記載のトランスジェニックマウス。
  6. 前記核酸が、ヒトCRBNアイソフォーム2のコドン23のグルタミン酸で開始し、ヒトCRBNアイソフォーム2の最終コドンで終わるポリペプチドを含む、ヒトCRBNタンパク質の断片をコードする、請求項1または4に記載のトランスジェニックマウス。
  7. ヒトCRBNの断片をコードする前記核酸が配列番号7を含む、請求項1、4、5または6のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウス。
  8. ヒトCRBNの発現が、相同なマウスプロモーターによって制御される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウス。
  9. 前記核酸が、染色体に安定に組み込まれている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウス。
  10. ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウスから得られた単離された細胞。
  11. ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウスに由来する形質転換細胞株。
  12. ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウスから得られた単離された組織。
  13. ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウスから得られた単離器官。
  14. ヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを作製する方法であって、
    (a)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸を含むポリヌクレオチド構築物をマウス卵、胚または胚性幹(ES)細胞に導入すること;及び
    (b)ヒトCRBNまたはその断片をコードする核酸配列を有するマウス卵、胚またはES細胞を雌性マウスに移入することを包含する、前記方法。
  15. 前記核酸が、請求項2〜7のいずれか1項に記載のものである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ポリヌクレオチド構築物が、配列番号8の核酸配列を含む、請求項14または15に記載の方法。
  17. 雌性マウスを育種すること、ヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫を選択することをさらに包含する、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. ヒトCRBNまたはその断片を発現する子孫と遺伝的背景のマウスとを育種することをさらに包含する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記遺伝的背景のマウスが、NSG/NOGマウスモデル、Vk*myc多発性骨髄腫マウスモデル、Eu−v−abl/Eu−c−Myc多発性骨髄腫マウスモデル、Eu−c−Mycリンパ腫マウスモデル、ヒトIKZF1トランスジェニックマウスモデル、及びヒトIKZF3トランスジェニックマウスモデルからなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 遺伝的背景においてヒトCRBNを発現するトランスジェニックマウスを作製する方法であって、請求項1〜9のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウスと前記遺伝的背景のマウスとを育種することを包含する、前記方法。
  21. 前記遺伝的背景のマウスが、NSG/NOGマウスモデル、Vk*myc多発性骨髄腫マウスモデル、Eu−v−abl/Eu−c−Myc多発性骨髄腫マウスモデル、Eu−c−Mycリンパ腫マウスモデル、ヒトIKZF1トランスジェニックマウスモデル、及びヒトIKZF3トランスジェニックマウスモデルからなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 請求項14〜21のいずれか1項に記載の方法によって作製されたトランスジェニックマウス。
  23. ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスにおいて、化合物の投与量及び/またはスケジュールを最適化する方法であって、
    (a)前記化合物を前記トランスジェニックマウスに投与すること;
    (b)前記トランスジェニックマウスから試料を得ること;
    (c)前記試料中のバイオマーカーのレベルを測定すること;ならびに
    (d)前記バイオマーカーのレベルに基づいて前記化合物の投与量及び/またはスケジュールを調節すること;を包含し、
    ここで、前記バイオマーカーはCRBN関連タンパク質(CAP)である、前記方法。
  24. 前記トランスジェニックマウスが、請求項1〜9または22のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウスである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記バイオマーカーのレベルが前記バイオマーカーのベースレベルよりも高い場合、前記化合物の投与量及び/またはスケジュールが調整される、請求項23または24に記載の方法。
  26. 前記バイオマーカーのレベルが前記バイオマーカーのベースレベルより低い場合、前記化合物の投与量及び/またはスケジュールが調整される、請求項23または24に記載の方法。
  27. 前記バイオマーカーが、eRF3a、eRF3b、eRF3c、IKZF1、IKZF3、CK1a、PABP1、eRF1、BIP、eEF1α、PERK、GCN2、eIF2a、ATF4、ATF3、DDIT3、PPP1R15A、TNFRSF10B、GADD45A、TNFRSF1A、TNFRSF1B、FAS、FADD、IRE1、XBP1、SEC24D、DNAJB9、EDEM1、EDEM2、HYOU1、ATF6、HSPA5、カスパーゼ8、BID、カスパーゼ9、カスパーゼ7、カスパーゼ3、PARP、Mcl−1、BAD、CDKN1A、Myc、IRF4、IRF7、IFIT1、IFIT3、RIG−I、MDA−5、TBK1、IKKe、ZFP91、ZNF198、MVP、Parp4、Ron、PDE6D、TLR3、STAT1、STAT2、STAT3、IFNa、IFNb、OAS1、OAS2、OAS3、IFIT2、ISG15、ISG20、、IFI21、IFI35、IFI6、IFITM3、IFITM2WIZ、GBP2、GBP4、SELL、SNX20、KLF13、GBP1、MARCKS、SLAMF1、及びSASH1からなる群より選択される、請求項23〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスにおける化合物の効果を評価するための方法であって、
    (a)前記化合物を前記トランスジェニックマウスに投与すること;
    (b)前記トランスジェニックマウスから試料を得ること;
    (c)前記試料中のバイオマーカーのレベルを測定すること;及び
    (d)前記バイオマーカーのレベルをバイオマーカーのベースレベルと比較すること;を包含し、前記バイオマーカーはCAPである、前記方法。
  29. 前記トランスジェニックマウスが、請求項1〜9または22のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウスである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記バイオマーカーのベースレベルが、
    (i)化合物が前記トランスジェニックマウスに投与されていない場合;または(ii)前記トランスジェニックマウスに対照化合物を投与する場合の前記バイオマーカーのレベルである、請求項28または29に記載の方法。
  31. ヒトCRBNまたはその断片を発現するトランスジェニックマウスにおける化合物の組み合せの効果を評価するための方法であって:
    (a)前記トランスジェニックマウスに第1の化合物及び第2の化合物を投与すること;
    (b)前記トランスジェニックマウスから試料を得ること;
    (c)前記試料中のバイオマーカーのレベルを測定すること;ならびに
    (d)前記バイオマーカーのレベルを前記バイオマーカーのベースレベルと比較すること;
    を包含し、ここで前記バイオマーカーはCAPである、前記方法。
  32. 前記トランスジェニックマウスが、請求項1〜9または22のいずれか1項に記載のトランスジェニックマウスである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記バイオマーカーのベースレベルが、(i)化合物が前記トランスジェニックマウスに投与されていない場合;(ii)前記トランスジェニックマウスに前記第1の化合物のみを投与する場合;(iii)前記トランスジェニックマウスに前記第2の化合物のみを投与する場合;(iv)対照化合物を前記トランスジェニックマウスに投与する場合;(v)前記第1の化合物と別の化合物との組み合せを前記トランスジェニックマウスに投与する場合;(vi)前記トランスジェニックマウスに前記第2の化合物と別の化合物との組み合わせを投与する場合;または(vii)2種以上の他の化合物の組み合わせを前記トランスジェニックマウスに投与する場合の前記バイオマーカーのレベルである、請求項31または32に記載の方法。
  34. 前記化合物が、同時または連続してのいずれかで投与される、請求項31〜33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記化合物が免疫調節化合物である、請求項23〜34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記免疫調節化合物が、サリドマイド、レナリドマイド及びポマリドマイドからなる群より選択される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記免疫調節化合物がサリドマイドである、請求項36に記載の方法。
  38. 前記免疫調節化合物がレナリドマイドである、請求項36に記載の方法。
  39. 前記免疫調節化合物がポマリドマイドである、請求項36に記載の方法。
  40. 前記化合物が、パターン認識受容体(PRR)アゴニストである、請求項23〜34のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記PRRアゴニストが、TLR3アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、TLR9アゴニスト、RIG−1アゴニスト、MDA5アゴニスト及びAIM2アゴニストからなる群より選択される、請求項40に記載の方法。
  42. 前記PRRアゴニストがTLR3アゴニストである、請求項41に記載の方法。
  43. 前記PRRアゴニストがTLR7アゴニストである、請求項41に記載の方法。
  44. 前記PRRアゴニストがTLR8アゴニストである、請求項41に記載の方法。
  45. 前記PRRアゴニストがTLR9アゴニストである、請求項41に記載の方法。
  46. 前記PRRアゴニストがRIG−1アゴニストである、請求項41に記載の方法。
  47. 前記PRRアゴニストがMDA5アゴニストである、請求項41に記載の方法。
  48. 前記PRRアゴニストがAIM2アゴニストである、請求項41に記載の方法。
  49. 前記化合物が抗体である、請求項23〜34のいずれか1項に記載の方法。
  50. 前記抗体が、PD−1抗体、PD−L1抗体、PD−L2抗体、CTLA−4抗体、CD38抗体、及びSLAMF7抗体からなる群より選択される、請求項49に記載の方法。
  51. 前記抗体がPD−1抗体である、請求項50に記載の方法。
  52. 前記抗体がPD−L1抗体である、請求項50に記載の方法。
  53. 前記抗体がPD−L2抗体である、請求項50に記載の方法。
  54. 前記抗体がCTLA−4抗体である、請求項50に記載の方法。
  55. 前記抗体がCD38抗体である、請求項50に記載の方法。
  56. 前記抗体がSLAMF7抗体である、請求項50に記載の方法。
  57. 前記抗体が、ニボルマブ(すなわち、BMS−936558、MDX−1106、ONO−4538)、MK−3475(すなわち、ペムブロリズマブ、ランブロリズマブ)、ピジリズマブ(すなわち、CT−011)、MEDI−0680(すなわち、AMP−514)、PDR−001、デュルバルマブ(すなわち、MEDI−4736)、BMS−936559(すなわち、MDX−1105)、アベルマブ(すなわち、MSB0010718C)、アテゾリズマブ(すなわち、MPDL−3280A)、イピリムマブ、ダラツムマブ、及びエロツズマブからなる群より選択される、請求項49に記載の方法。
  58. 前記抗体がニボルルマブである、請求項57に記載の方法。
  59. 前記抗体がデュルバルマブである、請求項57に記載の方法。
  60. 前記抗体がイピリムマブである、請求項57に記載の方法。
  61. 前記抗体がダラツムマブである、請求項57に記載の方法。
  62. 前記抗体がエロツズマブである、請求項57に記載の方法。
  63. 前記化合物が分子模倣物である、請求項23〜34のいずれか1項に記載の方法。
  64. 前記分子模倣物が、アザシチジン、ロミデプシン、ATRA、シクロホスファミド、及びセレブレックス(登録商標)からなる群より選択される、請求項63に記載の方法。
  65. 前記分子模倣物がアザシチジンである、請求項64に記載の方法。
  66. 分子模倣物がロミデプシンである、請求項64に記載の方法。
  67. 前記分子模倣物がATRAである、請求項64に記載の方法。
  68. 前記分子模倣物がシクロホスファミドである、請求項64に記載の方法。
  69. 前記分子模倣物がCelebrex(登録商標)である、請求項64に記載の方法。
  70. ステップ(a)が、前記トランスジェニックマウスに第3の化合物を投与することをさらに含む、請求項31または32に記載の方法。
  71. 前記第1の化合物がデキサメタゾンである、請求項31、32、または70のいずれか1項に記載の方法。
  72. 前記第2の化合物が、CRBN E3ユビキチンリガーゼ調節化合物(CMC)または免疫調節化合物である、請求項31、32、70、または71のいずれか1項に記載の方法。
  73. 前記免疫調節化合物が、サリドマイド、レナリドマイド及びポマリドマイドからなる群より選択される、請求項72に記載の方法。
  74. 前記第3の化合物が、イキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される、請求項70〜73のいずれか1項に記載の方法。
  75. 前記化合物の組み合わせが、デキサメタゾン及びCMCを含む、請求項31または32に記載の方法。
  76. 前記化合物の組み合わせが、デキサメタゾン及び免疫調節化合物を含む、請求項31または32に記載の方法。
  77. 前記免疫調節化合物が、サリドマイド、レナリドマイド及びポマリドマイドからなる群より選択される、請求項76に記載の方法。
  78. 前記化合物の組み合わせが、
    (a)デキサメタゾン;
    (b)CMC;ならびに
    (c)イキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物、を含む、請求項70に記載の方法。
  79. 前記化合物の組み合わせが、
    (a)デキサメタゾン;
    (b)免疫調節化合物;ならびに
    (c)イキサゾミブ、カルフィルゾミブ、エロツズマブ、ダラツムマブ、アザシチジン、ACY−241、シクロホスファミド、デュルバルマブ、アブラキサン及びニボルマブからなる群より選択される化合物を含む、請求項70に記載の方法。
  80. 前記免疫調節化合物が、サリドマイド、レナリドマイド、及びポマリドマイドからなる群より選択される、請求項79に記載の方法。
  81. 化合物または化合物の組み合わせの効果が、抗原特異的T細胞殺傷に対する効果である、請求項28〜80のいずれか1項に記載の方法。
JP2018555851A 2016-01-19 2017-01-18 ヒトのセレブロンを発現するトランスジェニックマウス Pending JP2019506897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022020184A JP7350911B2 (ja) 2016-01-19 2022-02-14 ヒトのセレブロンを発現するトランスジェニックマウス

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201662280633P 2016-01-19 2016-01-19
US62/280,633 2016-01-19
PCT/US2017/013909 WO2017127414A1 (en) 2016-01-19 2017-01-18 Transgenic mouse expressing human cereblon

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022020184A Division JP7350911B2 (ja) 2016-01-19 2022-02-14 ヒトのセレブロンを発現するトランスジェニックマウス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019506897A true JP2019506897A (ja) 2019-03-14
JP2019506897A5 JP2019506897A5 (ja) 2020-03-05

Family

ID=59362645

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018555851A Pending JP2019506897A (ja) 2016-01-19 2017-01-18 ヒトのセレブロンを発現するトランスジェニックマウス
JP2022020184A Active JP7350911B2 (ja) 2016-01-19 2022-02-14 ヒトのセレブロンを発現するトランスジェニックマウス

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022020184A Active JP7350911B2 (ja) 2016-01-19 2022-02-14 ヒトのセレブロンを発現するトランスジェニックマウス

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11963520B2 (ja)
EP (1) EP3405790B1 (ja)
JP (2) JP2019506897A (ja)
WO (1) WO2017127414A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI808055B (zh) 2016-05-11 2023-07-11 美商滬亞生物國際有限公司 Hdac 抑制劑與 pd-1 抑制劑之組合治療
TWI794171B (zh) 2016-05-11 2023-03-01 美商滬亞生物國際有限公司 Hdac抑制劑與pd-l1抑制劑之組合治療
EP3577459A4 (en) 2017-02-03 2020-12-16 Celgene Corporation METHOD OF MEASURING THE AFFINITY OF SMALL MOLECULES FOR CEREBLON
CN116121302A (zh) * 2018-09-27 2023-05-16 公益财团法人实验动物中央研究所 免疫缺陷小鼠
JP6935383B2 (ja) * 2018-09-27 2021-09-15 公益財団法人実験動物中央研究所 免疫不全マウス
KR20220110494A (ko) * 2019-11-05 2022-08-08 셀진 코포레이션 2-(4-클로로페닐)-n-((2-(2,6-디옥소피페리딘-3-일)-1-옥소이소인돌린-5-일) 메틸)-2,2-디플루오로아세트아미드를 사용한 조합 요법
CN112980882A (zh) * 2021-03-15 2021-06-18 上海科技大学 Crbn基因在构建GSPT1敏感模型中的用途

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998037757A1 (fr) * 1997-02-28 1998-09-03 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Cellules multipotentes comprenant des genes intrinseques dissocies
JP2004533826A (ja) * 2001-04-18 2004-11-11 ジーン ストリーム プロプライエトリー リミティッド 薬理学的及び毒性学的研究のための非ヒトトランスジェニック動物
JP2010514421A (ja) * 2006-12-22 2010-05-06 ジェネンテック, インコーポレイテッド ヒト化vegfを発現するトランスジェニックマウス
WO2014123267A1 (ko) * 2013-02-07 2014-08-14 광주과학기술원 Crbn ko 마우스의 제조방법 및 이의 용도
WO2015077058A2 (en) * 2013-11-08 2015-05-28 The Broad Institute, Inc. Compositions and methods for selecting a treatment for b-cell neoplasias

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4683195A (en) 1986-01-30 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or-cloning nucleic acid sequences
DE69120146T2 (de) 1990-01-12 1996-12-12 Cell Genesys Inc Erzeugung xenogener antikörper
US6875904B2 (en) * 2000-09-20 2005-04-05 The Ohio State University Research Foundation Animal model for identifying agents that inhibit or enhance CTLA4 signaling
AU2003297023A1 (en) * 2002-12-16 2004-07-29 Genentech, Inc. Transgenic mice expressing human cd20
JP5645816B2 (ja) 2009-05-25 2014-12-24 国立大学法人東京工業大学 中枢神経細胞の増殖及び分化に係る中核因子を含む医薬組成物
WO2012149299A2 (en) 2011-04-29 2012-11-01 Celgene Corporaiton Methods for the treatment of cancer and inflammatory diseases using cereblon as a predictor
WO2014028445A2 (en) 2012-08-14 2014-02-20 Celgene Corporation Cereblon isoforms and their use as biomarkers for therapeutic treatment
US9587281B2 (en) * 2012-08-14 2017-03-07 Celgene Corporation Cereblon isoforms and their use as biomarkers for therapeutic treatment
JP6870988B2 (ja) 2014-02-24 2021-05-19 セルジーン コーポレイション 神経細胞増幅及び中枢神経系障害治療のためのセレブロンの活性化因子の使用方法
ES2843973T3 (es) 2014-06-27 2021-07-21 Celgene Corp Composiciones y métodos para inducir cambios conformacionales en cereblon y otras ubiquitina ligasas E3
EP3577459A4 (en) 2017-02-03 2020-12-16 Celgene Corporation METHOD OF MEASURING THE AFFINITY OF SMALL MOLECULES FOR CEREBLON

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998037757A1 (fr) * 1997-02-28 1998-09-03 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Cellules multipotentes comprenant des genes intrinseques dissocies
JP2004533826A (ja) * 2001-04-18 2004-11-11 ジーン ストリーム プロプライエトリー リミティッド 薬理学的及び毒性学的研究のための非ヒトトランスジェニック動物
JP2010514421A (ja) * 2006-12-22 2010-05-06 ジェネンテック, インコーポレイテッド ヒト化vegfを発現するトランスジェニックマウス
WO2014123267A1 (ko) * 2013-02-07 2014-08-14 광주과학기술원 Crbn ko 마우스의 제조방법 및 이의 용도
WO2015077058A2 (en) * 2013-11-08 2015-05-28 The Broad Institute, Inc. Compositions and methods for selecting a treatment for b-cell neoplasias

Also Published As

Publication number Publication date
JP7350911B2 (ja) 2023-09-26
EP3405790A4 (en) 2019-10-02
US20190037818A1 (en) 2019-02-07
US11963520B2 (en) 2024-04-23
EP3405790B1 (en) 2023-06-28
JP2022078072A (ja) 2022-05-24
EP3405790A1 (en) 2018-11-28
WO2017127414A1 (en) 2017-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7350911B2 (ja) ヒトのセレブロンを発現するトランスジェニックマウス
Chou et al. The transcription factor AP4 mediates resolution of chronic viral infection through amplification of germinal center B cell responses
Klover et al. Loss of STAT1 from mouse mammary epithelium results in an increased Neu-induced tumor burden
EP3058819B1 (en) Hla class i expressing non-human animal
US20190357506A1 (en) Genetically modified non-human animal with human or chimeric tim-3
US11272695B2 (en) Genetically modified non-human animal with human or chimeric PD-1
AU2007233263A1 (en) Gene disruptons, compositions and methods relating thereto
JP6282591B2 (ja) 遺伝子ノックイン非ヒト動物
US20230148575A1 (en) Genetically modified non-human animal with human or chimeric il1b and/or il1a
WO2020103830A1 (en) Genetically modified animal with canine or chimeric pd-1
JP2022134132A (ja) ヒトgpc3ポリペプチドを発現する遺伝子改変非ヒト動物
US8389792B2 (en) Compositions and methods for the treatment and prevention of ulcerative colitis and colon cancer and screening methods to identify same
US20230172171A1 (en) Genetically modified non-human animal with human or chimeric cd94 and/or nkg2a
WO2006001981A2 (en) Methods for treating disease by modulating an osmotic stress pathway
US20230165227A1 (en) Genetically modified non-human animal with human or chimeric cd276
US11564381B2 (en) Genetically modified non-human animal with human or chimeric LAG3
JP2019509059A (ja) 変異型キヌレニナーゼ遺伝子を有する非ヒト動物
US20060156419A1 (en) Mouse model for autoimmune disorders
Fujie et al. Endogenous CCL21-Ser deficiency reduces B16–F10 melanoma growth by enhanced antitumor immunity
WO2022012636A1 (en) Genetically modified non-human animal with human or chimeric il17a and/or il17f
WO2022258049A1 (en) Genetically modified non-human animal with human or chimeric pvrig
JP2005517410A (ja) Latタンパク質をコードする突然変異型遺伝子及びその生物学的適用
JP2007054073A (ja) Nkt細胞欠損動物及びnkt細胞動物
JP2010276505A (ja) 新規癌転移抑制剤の探索法
JP2013223459A (ja) Hmgb1コンディショナルノックアウト非ヒト動物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200115

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20200115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210112

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210712

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211026

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220214

C116 Written invitation by the chief administrative judge to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C116

Effective date: 20220301

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220301

C27A Decision to dismiss

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C2711

Effective date: 20220419

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20220510

C032 Notice prior to dismissal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C032

Effective date: 20220531

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20220531