JP2019505559A - 肝臓の再生を向上させるための方法 - Google Patents

肝臓の再生を向上させるための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、療法有効量の、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる薬剤を投与することを含む、肝臓の再生を向上させる必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための方法、キット、および医薬組成物を提供する。本方法は、療法有効量の、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる薬剤およびサーチュイン1(Sirt1)アゴニストを投与することを含むことができる。NAD活性を増大させる薬剤はNAD前駆体であってもよい。NAD前駆体は、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸リボシド、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド、NADP、およびNAD自体、ならびにその医薬的に許容できる塩のうち1以上を含むことができる。【選択図】図1

Description

関連出願の引照
[0001] 本出願はU.S Provisional Application No. 62/298,139, 2016年2月22日出願に基づく優先権を主張し、その全体を本明細書に援用する。
政府のライセンス権
[0002] 本発明は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)が与えたR01 AG043483およびR01 DK098656のもとに政府の支援でなされた。政府は本発明に一定の権利をもつ。
発明の分野
[0003] 本発明は全般的に肝臓の再生を促進および/または向上させるための方法および組成物、より具体的には、ただし限定ではなく、肝障害の前または後に肝臓の再生を促進および/または向上させるための方法、キットおよび配合物における、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体およびNAD消費の阻害薬の使用に関する。
[0004] 肝臓の再生能は、外科的切除または外傷もしくは化学物質により誘発された障害からの回復にとって必須である。肝臓の再生に際してニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の濃度が低下し、それは少なくとも一部は前駆体に対する代謝競合によるものである。
[0005] 本発明は、肝臓の再生を向上および促進させるための処置としてNAD前駆体およびNAD消費の阻害薬を提供することにより、この分野におけるニーズに対処する。
[0006] 一側面において、本発明は、その必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための方法を含む。本方法は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる療法有効量の薬剤を投与することを含むことができる。
[0007] ある態様において、本発明は、その必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための方法を含む。本方法は、療法有効量の、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる薬剤およびサーチュイン1(sirtuin 1)(Sirt1)アゴニストを投与することを含むことができる。
[0008] ある態様において、NAD活性を増大させる薬剤はNAD前駆体であってもよい。たとえば、NAD前駆体は、NAD合成のためのデノボ経路の中間体、NADサルベージ経路の中間体、およびニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体のうち1種類以上を含むことができる。
[0009] ある態様において、NAD合成のためのデノボ経路の中間体は、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド、ニコチン酸モノヌクレオチド、キノリン酸、3−ヒドロキシアントラニレート、3−ヒドロキシキヌレニン、キヌレニン、N−ホルミルキヌレニン、またはその医薬的に許容できる塩を含むことができる。ある態様において、NADサルベージ経路の中間体は、ニコチンアミド、ニコチンアミドモノヌクレオチド、またはその医薬的に許容できる塩を含むことができる。ある態様において、ニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体は、ニコチンアミドリボシド、ニコチン酸リボシド、またはその医薬的に許容できる塩を含むことができる。
[0010] ある態様において、NAD前駆体は、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸リボシド、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド、NADP、およびNAD自体、ならびにその医薬的に許容できる塩のうち1以上を含むことができる。
[0011] ある態様において、NAD活性を増大させる薬剤はNAD消費の阻害薬であってもよい。NAD消費の阻害薬は、ポリadp−リボースポリメラーゼ(poly adp-ribose polymerase)(PARP)阻害薬、CD38阻害薬、およびその医薬的に許容できる塩のうち1以上であってもよい。
[0012] 他の側面において、本発明は、その必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させる方法を提供するためのキットを含むことができる。ある態様において、キットは療法有効量のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体またはNAD消費の阻害薬を単位剤形で収容することができる。ある態様において、キットは、療法有効量の、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる薬剤およびサーチュイン1(Sirt1)アゴニストを単位剤形で収容することができる。
[0013] 他の側面において、本発明は、その必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための医薬組成物を含むことができる。ある態様において、組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体またはNAD消費の阻害薬、および生理的に適合するキャリヤー媒体を含むことができる。ある態様において、組成物は、療法有効量の、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる薬剤およびサーチュイン1(Sirt1)アゴニスト、ならびに生理的に適合するキャリヤー媒体を含むことができる。
[0014] 本発明の例示態様の上記の概要および下記の詳細な記述は、添付の図面と併せて読むとさらに理解できるであろう。
[0015] 図1は、ニコチンアミドリボシドが肝臓の再生を促進することを示す。10〜14週齢のマウス、C57BL6/Jマウスを、約500mg/kg/日の用量のニコチンアミドリボシド(NR)で処理した。14日後、動物に2/3の部分肝切除を施し、48時間後に分析した(グループ当たりn=6)。(パネルA)再生した肝臓の顕微鏡写真。(パネルB)再生しつつある肝臓におけるEdU取込み。挿入図はNR処理した肝臓からの拡大図を示す。(パネルC)EdU陽性肝細胞の定量。(パネルD)肝重量体重比。(パネルE)PHxの前と後の肝臓のNAD含有量。(パネルF)H&Eで染色した、有糸分裂像ならびにミクロおよびマクロのベシクル状脂肪変化を示す40×の代表的な肝臓切片。(パネルG)多数の高倍率視野(high power field)にわたる有糸分裂像の定量。(パネルH)中性脂質を検出するためのオイルレッドO(Oil Red O)染色。(パネルI)NR処理マウスおよびプラセボ/HO処理マウスの肝切除の前と後の肝臓トリグリセリド含有量。誤差バーはS.E.M.を表わす;,p 0.05;**,p 0.01;***,p 0.001。 [0016] 図2は、肝細胞特異的なNamptの過剰発現が肝臓の再生を促進することを示す。Alb−CreのほかにNamptのCre誘導性対立遺伝子を保有するマウス(N+/Albcreと表記する)および同腹仔対照(N+/+)に2/3の部分肝切除を施し、48時間後に分析した。(パネルA)肝臓におけるNamptのタンパク質およびmRNAの発現。(パネルB)N+/Albcreマウスの門脈周囲および中心静脈周囲領域におけるNamptの過剰発現を示す免疫蛍光。挿入図はN+/Albcreの拡大図を示す。(パネルC)肝臓におけるNAMPTのmRNA発現。(パネルD)再生しつつある肝臓の顕微鏡写真。(パネルE)免疫蛍光法により検出したEdUによって同定した増殖しつつある肝細胞(そのアッセイにおいて緑色として指示される)およびDAPIで対比染色したもの(そのアッセイにおいて青色として指示される)。挿入図はN+/Albcreの拡大図を示す。(パネルF)EdU陽性肝細胞の定量(n=5/グループ)。(パネルG)肝重量体重比。(パネルH)空腹時血糖値。(パネルI)PHxの前と後の肝臓のNAD含有量。(パネルJおよびK)H&E染色切片において高倍率下で肝細胞における有糸分裂像を計数することにより決定した有糸分裂指数。H&Eで染色した代表的な肝臓切片を示す。(パネルL)オイルレッドOおよび肝臓トリグリセリドアッセイにより決定した肝臓脂質含有量。誤差バーはS.E.M.を表わす;,p 0.05;**,p 0.01;***,p 0.001。 [0017] 図3は、成人発症型Nampt過剰発現が再生表現型について十分であることを示す。NamptのCre誘導性対立遺伝子を保有するマウスにAAV−Creを感染させたもの(NAAVcreと表記する)および同腹仔対照(NAAVgfpまたはWTAAVcre)に2/3の部分肝切除を施し、36時間後に分析した。(パネルA)NAAVcreマウスの門脈周囲および中心静脈周囲領域におけるNamptの過剰発現を示す免疫蛍光。挿入図はNAAVcreの拡大図を示す。(パネルB)空腹時血糖値。(パネルC)再生しつつある肝臓の顕微鏡写真。(パネルD)免疫蛍光法により検出したEdUによって同定した増殖しつつある肝細胞(そのアッセイにおいて緑色として指示される)およびDAPIで対比染色したもの(そのアッセイにおいて青色として指示される)。(パネルE)EdU陽性肝細胞の定量(n=5/グループ)。(パネルF)肝重量体重比。(パネルG)肝臓トリグリセリド含有量。(パネルH)右パネル:H&Eで染色した代表的な肝臓切片。左パネル:オイルレッドOによる脂質蓄積。誤差バーはS.E.M.を表わす;,p 0.05;**,p 0.01;***,p 0.001。 [0018] 図4は、肝細胞特異的なNampt喪失が再生を損なわせ、NRによって救済されることを示す。2つのfloxed対立遺伝子を保有する動物にAAV発現Creリコンビナーゼ(AAV−Cre)を注射することにより、肝細胞特異的Namptを欠失したマウスを作成した。AAV−Gfpを感染させた同腹仔を対照として用いた。NR(約500mg/kg/日)による処理を感染の5日後、PHxの2週間前に開始した。PHxの48時間後に分析を開始した。(パネルAおよびB)肝臓におけるNamptのタンパク質およびmRNAの発現。(パネルC)再生しつつある肝臓の顕微鏡写真。(パネルD)免疫蛍光法により検出したEdUによって同定した増殖しつつある肝細胞(そのアッセイにおいて赤色として指示される)およびDAPIで対比染色したもの(そのアッセイにおいて青色として指示される)。(パネルE)EdU陽性肝細胞の定量(n=5〜6/グループ)。(パネルF)肝重量体重比。(パネルG)PHxの前と後の肝臓のNAD含有量。(パネルH)H&E染色切片において高倍率下で肝細胞における有糸分裂像を計数することにより決定した有糸分裂指数。H&Eで染色した代表的な肝臓切片を示す(n=5〜6/グループ)。(パネルI)H&E(左パネル)およびオイルレッドO(右パネル)で染色した代表的な肝臓切片。(パネルJ)肝臓トリグリセリド含有量。誤差バーはS.E.M.を表わす;,p 0.05;**,p 0.01;***,p 0.001。 [0019] 図5は、肝細胞増殖が肝臓NAD濃度との強い相関性および肝臓脂質含有量との逆相関性を示すことを示す。個々の動物からのデータをプロットして、NAD、脂質代謝および肝細胞増殖の間の相関性を調べた。(パネルA)NADと肝細胞増殖の正の相関性。(パネルB)肝細胞増殖とトリグリセリド含有量の逆相関性。(パネルC)NR処理マウス(n=6/グループ)において肝切除の前または後の両方で評価した肝臓ATP含有量。(パネルDおよびE)肝臓ATP含有量およびNADおよび肝細胞増殖の間の正の相関性。(パネルF)NAD仲介による再生の提唱モデル。 [0020] 図6は、(パネルA)NR処理した肝臓切片についてのSirt1ノックアウト試験、および(パネルB)Sirt1ノックアウトマウスからの易感染性肝臓におけるNRによる肝臓の再生試験に示すように、肝細胞特異的なSirt1欠失が再生を損なうこと、およびNRにより部分的に救済されることを示す。
[0021] 肝臓は哺乳類において実質的な再生が可能である数少ない構造体のひとつであり、元の質量の30%未満から完全に再増殖できる。この再生能は、外傷性障害、肝臓毒素もしくは感染因子への曝露、または外科的切除などの条件下での生存にとって重要である。肝機能の回復は、肝臓の質量を回復するために必要なエネルギー産生の増大に大きく依存する。しかし、肝臓が急性および慢性の障害に応答するために重要なメカニズム、ならびに肝臓が再生する能力を支配する生体経路は、十分には分かっていない。したがって、肝障害を伴う患者において正常な肝機能に戻る再生のプロセスおよび速度を促進できる療法に実質的な関心がある。
[0022] 以上のことからみて、本発明は、その必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させ、肝臓の疾患、機能不全(disorder)、または障害(injury)を処置するための方法、キットおよび医薬組成物を提供する。ある態様において、これらの方法、キットおよび医薬組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体(単数または複数)および/またはNAD消費の阻害薬である薬剤を含むことができる。
[0023] 本明細書中で用いる“ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体”は、NADの増加をもたらすいずれかの小分子である。この小分子は還元型または非還元型であってもよい。
[0024] 本明細書中で用いる“NAD消費の阻害薬”は、NAD利用能を増大させる阻害薬である。NAD利用能には、細胞もしくは組織における総NADの増加、または当該酵素が利用できるNADの量の増加が含まれる。
[0025] 本発明の方法
[0026] 一側面において、肝臓を再生する方法が包含される。ある態様において、肝臓の疾患、機能不全または障害を処置する方法が包含される。それぞれの場合、本方法はニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を増加させることを含む。
[0027] NADの増加。本発明によれば、下記のうち1種類以上の薬剤を投与することにより、NADの活性および/または含有量を増大させことができる:(1)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体(単数または複数)である薬剤;および/または(2)NAD消費の阻害薬として作用する薬剤。
[0028] ある態様において、NADもしくはNADHを投与することにより、またはNADを合成することにより、NAD活性を増大させることができる。NADは3つの主要な経路を介して合成することができる;NADがトリプトファンから合成されるデノボ経路、分解されたNAD産物、たとえばニコチンアミドを再循環させることによりNADが産生されるNADサルベージ経路、およびニコチンアミドリボシドがニコチンアミドリボシドキナーゼによりニコチンアミドモノヌクレオチドに変換されるニコチンアミドリボシドキナーゼ経路。よって、本発明のNAD前駆体は、NAD合成のためのデノボ経路の中間体、NADサルベージ経路の中間体、およびニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体のうち1種類以上を含むことができる。
[0029] NAD前駆体がNAD合成のためのデノボ経路の中間体を含むある態様において、そのような中間体は、限定ではなく、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド、ニコチン酸モノヌクレオチド、キノリン酸、3−ヒドロキシアントラニレート、3−ヒドロキシキヌレニン、キヌレニン、N−ホルミルキヌレニン、またはその医薬的に許容できる塩を含むことができる。
[0030] NAD前駆体がニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体を含むある態様において、そのような中間体は、限定ではなく、ニコチンアミド、ニコチンアミドモノヌクレオチド、またはその医薬的に許容できる塩を含むことができる。
[0031] NAD前駆体がニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体を含むある態様において、そのような中間体は、限定ではなく、ニコチンアミドリボシド、ニコチン酸リボシド、またはその医薬的に許容できる塩を含むことができる。
[0032] ある態様において、NAD前駆体はトリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸リボシド、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド、NADP、およびNAD自体、ならびにその医薬的に許容できる塩からなる群から選択することができる。
[0033] ある態様において、本方法は、NAD消費の阻害薬を投与することを含むことができる。NAD消費の阻害薬は、ポリadp−リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬、CD38阻害薬、およびその医薬的に許容できる塩のうち1種類以上を含むことができる。ある態様において、PARP阻害薬は下記のうち1種類以上を含むことができるが、それらに限定されない:ヨードニトロクマリン、5−ヨード−6−ニトロクマリン、3,4−ジヒドロ−5−メチル−イソキノリノン 4−アミノ−1,8−ナフタルイミド、3−メトキシベンズアミド、8−ヒドロキシ−2−メチル−3−ヒドロ−キナゾリン−4−オン、3−(4−クロロフェニル)−キノキサリン−5−カルボキサミド、2−(3’−メトキシフェニル)ベンゾイミダゾール−4−カルボキサミド、ベンズアミド、3−アミノベンズアミド、3−アミノフタルヒドラジド、および1,5−ジヒドロキシイソキノリン、ならびにその医薬的に許容できる塩類。
[0034] 用語“医薬的に許容できる塩”は、当技術分野で知られている多様な有機および無機の対イオンから誘導される塩類を表わす。医薬的に許容できる酸付加塩は、無機酸および有機酸により形成できる。それから塩類を誘導できる特定の無機酸には、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸が含まれる。それから塩類を誘導できる特定の有機酸には、たとえば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびサリチル酸が含まれる。医薬的に許容できる塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基により形成できる。それから塩類を誘導できる無機塩基には、たとえば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガンおよびアルミニウムが含まれる。それから塩類を誘導できる有機塩基には、たとえば、第一級、第二級および第三級アミン、天然の置換アミンを含めた置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂が含まれる。具体例には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンが含まれる。医薬的に許容できる塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩から選択される。
[0035] Sirt1活性化。肝臓の再生は、NAD活性を増大させる薬剤とSirt1活性を増大させる薬剤を組み合わせることにより向上させることができる。ある態様において、本発明は、療法有効量の、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる薬剤およびSirt1アゴニストを投与することにより、その必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための方法を含む。したがって、療法有効量の、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる薬剤およびSirt1アゴニストを、その必要がある患者に共投与することができる。
[0036] 本明細書中で用いる用語“共投与(co-administration)”、“共投与する”、“と組み合わせた投与”、“と組み合わせて投与する”、“同時(simultaneous)”および“同時(concurrent)”は、2種類以上の有効医薬成分(本発明の好ましい態様において、たとえばNAD活性を増大させる少なくとも1種類の薬剤、およびSirt1活性を増大させる少なくとも1種類の薬剤)を、両方の有効医薬成分および/またはそれらの代謝産物がその対象に同時に存在するように対象に投与することを包含する。共投与は、別個の組成物中における同時投与、別個の組成物中における異なる時点での投与、または2種類以上の有効医薬成分が存在する組成物における投与を含む。別個の組成物中における同時投与および両方の薬剤が存在する組成物中における投与が好ましい。
[0037] 本明細書中で用いる用語“アゴニスト”は、タンパク質または分子の生物活性を増大させる化合物または分子薬剤を表わす。たとえば、“Sirt1”アゴニストはSirt1の生物活性を増大させる。アゴニストはSirt1タンパク質の酵素活性を刺激することができ、あるいはそれは転写および/または翻訳の増大によりSirt1の発現の増大をもたらすことができる。Sirt1アゴニストの例は既知であり、たとえば小分子、活性化作用をもつ抗体、タンパク質(たとえば、酵素系のコ−アクチベーター)、および上流エフェクターシグナルを含むことができる。アゴニストは、直接的に、または他のエフェクター分子を介して間接的に、Sirt1活性を活性化することができる。Sirt1アゴニスト(すなわち、Sirt1活性を増大させる薬剤)の例には、たとえばレスベラトロール(resveratrol)、SRT2104(GSK2245840)、SRT1460、ブテイン(butein)、フィセチン(fisetin)、イソニコチンアミド(IsoNAM)、ピセアタンノール(piceatannol)、およびケルセチン(quercetin)が含まれる。ある態様において、Sirt1アゴニストはレスベラトロール、SRT2104、SRT1460、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。そのような化合物の構造は下記のとおりである:
[0038] Sirt1アゴニストの例は、さらにBonkowski, et al.., Nature Reviews (2016) 17: 679-690、U.S. Patent Application Publication No. 2011/0015192および2013/0338178、ならびにU.S. Patent No. 7,829,556および8,247,565に提示および記載されており、それらの全体を本明細書に援用する。
[0039] 肝臓の疾患、機能不全、または障害。本発明の方法は、その必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させる。本発明の方法は、療法有効量の本明細書に記載する薬剤または薬剤類(たとえば、NAD活性を増大させる少なくとも1種類の薬剤および/またはSirt1活性を増大させる少なくとも1種類の薬剤)の投与を含むことができる。本方法は、哺乳類が肝障害を伴う場合に療法有効量の薬剤を投与することを含むことができる。本方法は、肝障害の前および/または肝障害の後に療法有効量の薬剤を投与することを含むこともできる。
[0040] 本明細書中で用いる“肝臓の再生”は、既存の肝細胞の複製または既存の肝細胞の機能の改善を表わす。
[0041] 本明細書中で用いる用語“肝障害(liver injury)”は、肝臓に対する損傷を表わすことができ、それは外傷性肝障害(たとえば、外傷性事象または事故により起きた肝損傷)、外科的肝臓切除(たとえば、肝臓の選択された部分を摘除するために実施された外科処置)、肝硬変、肝線維症、肝感染症、肝移植、胆管障害から生じた肝損傷、および化学物質誘発性肝障害を含むことができる。化学物質誘発性肝障害は、肝臓毒性化学物質により起きた肝臓に対する損傷、または1種類以上の化学物質による肝臓の中毒の結果を含むことができる。たとえば、化学物質誘発性肝障害はアセトアミノフェンおよびアルコールまたはその代謝副産物により起きた肝損傷を含むことができる。
[0042] 本発明における薬剤の投与は、当業者に既知であるいずれかの手段により達成できる。本発明の方法を実施するのに使用する薬剤は、そのレシピエントにおいて希望する療法効果を誘導するのに十分な量で投与することができる。よって、本明細書中で用いる用語“療法有効量”は、下記のために十分である薬剤または薬剤類の量を表わす:(1)そのような量の薬剤または薬剤類の非存在下の同様な状況の哺乳類と比較して、哺乳類において肝臓の再生を向上させるかまたは他の形で促進する;および/または(2)検出可能な治療効果、予防効果、または改善効果をもたらす。療法有効量は、意図する適用(インビトロまたはインビボ)、または処置される患者および疾患状態(たとえば、患者の体重、年齢および性別)、疾患状態の重症度、投与様式などに応じて変動する可能性があり、それは当業者が容易に決定できる。この用語は、標的とする細胞、組織またはタンパク質において特定の応答を誘導する用量にも適用される。具体的な用量は、選択する特定の化合物、従うべき投与計画、その化合物が他の化合物との組み合わせで投与されるかどうか、投与のタイミング、それを投与する組織、およびその化合物を運ぶ物理的送達システムに応じて変動するであろう。
[0043] 本明細書中で用いる用語“投与する(administer)”、“投与(administration)”、または“投与すること(administering)”は、下記を表わす:(1)本開示に従って、保険専門家または資格をもつ彼のエージェントが、または彼もしくは彼女の指示のもとに、供給すること(providing)、付与すること(giving)、投薬すること(dosing)、および/または処方すること;および/または(2)本開示に従って、哺乳類が挿入、服用または摂取すること。
[0044] 本明細書中で用いる用語“処置する(treat)”、“処置(treatment)”、および/または“処置すること(treating)”は、疾患、機能不全、損傷、または病的状態(たとえば、肝障害)を治癒、改善、安定化、阻止、または制御することを意図した、その疾患、機能不全、損傷、または病的状態(たとえば、肝障害)の管理を表わすことができる。処置は、哺乳類において肝障害の前または後にいずれかにおける、肝臓の再生を向上させるための本明細書に記載する介入をも含むことができる。
[0045] ある態様において、本発明の方法は、肝障害の約6か月、または約5か月、または約4か月、または約3か月、または約2か月、または約1か月、または約3週間、または約2週間、または約1週間、または約6日、または約5日、または約4日、または約3日、または約2日、または約1日、または約1〜23時間前に、療法有効量の薬剤を投与することを含むことができる。
[0046] ある態様において、本発明の方法は、肝障害の約1〜23時間、または約1日、または約2日、または約3日、または約4日、または約5日、または約6日、または約1週間、または約2週間、または約3週間、または約1か月、または約2か月、または約3か月、または約4か月、または約5か月、または約6か月後に、療法有効量の薬剤を投与することを含むことができる。
[0047] ある態様において、本発明の方法は、療法有効量の薬剤を毎時間、または毎日(たとえば、1日1回、1日2回、1日3回など)、または毎週(たとえば、週1回、週2回、週3回など)、または毎月、哺乳類に投与することを含むことができる。
[0048] ある態様において、本発明の方法は、療法有効量の薬剤を哺乳類に1以上の投与経路に従って投与することを含むことができる。特定の態様において、投与経路は口腔内、歯、子宮頚管、筋肉内、吸入、頭蓋内、リンパ内、眼内、腹腔内、胸膜腔内、クモ膜下、気管内、子宮内、脈管内、静脈内、膀胱内、鼻腔内、眼、経口、耳、胆嚢潅流、心臓潅流、歯周、直腸、脊髄、皮下、舌下、局所、膣内、経皮、尿管、尿道、およびそれらの組み合わせからなる群から選択できる。選択された態様において、投与経路は経口である。ある態様において、たとえば、哺乳類への療法有効量の薬剤の投与は、薬剤を哺乳類の食物および/または飲用水に入れることにより薬剤を哺乳類の食事に含有させることを含むことができる。
[0049] ある態様において、本発明の方法は、療法有効量の薬剤を下記のものからなる群から選択される剤形で哺乳類に投与することを含むことができる:ボーラス、エアゾール、計量エアゾール、咀嚼バー、カプセル剤、コートされたペレットを収容したカプセル剤、遅延放出ペレットを収容したカプセル剤、徐放ペレットを収容したカプセル剤、濃縮液剤、クリーム剤、強化クリーム剤、坐剤クリーム、ディスク剤(disc)、ドレッシング剤、エリキシル剤、乳剤、浣腸剤、徐放繊維、徐放フィルム、ガス剤、ゲル剤、計量ゲル剤、顆粒剤、遅延放出顆粒剤、発泡性顆粒剤、チューインガム、インプラント、吸入剤、注射剤、注射用脂質複合製剤(injectable lipid complex)、注射用リポソーム、挿入剤(insert)、徐放挿入剤、子宮内デバイス、ゼリー剤、液剤、徐放液剤、ローション剤、強化ローション剤、シャンプーローション剤、油剤、軟膏剤、強化軟膏剤、ペースト剤、香錠(pastille)、ペレット剤、散剤、セッケン液剤、流込み用液剤(solution for slush)、液剤/滴剤、濃縮液剤、ゲル形成液剤/滴剤、スポンジ、スプレー剤、計量スプレー剤、坐剤、懸濁液剤、懸濁液剤/滴剤、徐放懸濁液剤、スワブ、シロップ剤、錠剤、咀嚼錠、コートされた粒子を含有する錠剤、遅延放出錠、分散錠、発泡錠、徐放錠、口腔内崩壊錠、タンポン、テープ、およびトローチ/ロゼンジ
[0050] ある態様において、本発明の方法は、下記の投与量以下の療法有効量の薬剤を哺乳類に投与することを含むことができる:10g/kg、9.5g/kg、9.0g/kg、8.5g/kg、8.0g/kg、7.5g/kg、7.0g/kg、6.5g/kg、6.0g/kg、5.5g/kg、5.0g/kg、4.5g/kg、4.0g/kg、3.5g/kg、3.0g/kg、2.5g/kg、2.0g/kg、1.5g/kg、1.0g/kg、0.95g/kg、0.9g/kg、0.85g/kg、0.8g/kg、0.75g/kg、0.7g/kg、0.65g/kg、0.6g/kg、0.55g/kg、0.5g/kg、0.45g/kg、0.4g/kg、0.35g/kg、0.3g/kg、0.25g/kg、0.2g/kg、0.15g/kg、0.1g/kg、0.09g/kg、0.08g/kg、0.07g/kg、0.06g/kg、0.05g/kg、0.04g/kg、0.03g/kg、0.02g/kg、0.01g/kg、0.009g/kg、0.008g/kg、0.007g/kg、0.006g/kg、0.005g/kg、0.004g/kg、0.003g/kg、0.002g/kg、0.001g/kg、0.0009g/kg、0.0008g/kg、0.0007g/kg、0.0006g/kg、0.0005g/kg、0.0004g/kg、0.0003g/kg、0.0002g/kg、または0.0001g/kg(重量);ここで、“g/kg”は哺乳類の体重(kg)当たりの薬剤の平均重量(g)と解釈される。
[0051] ある態様において、本発明の方法は、下記の投与量より多い量の療法有効量の薬剤を哺乳類に投与することを含むことができる:0.0001g/kg、0.0002g/kg、0.0003g/kg、0.0004g/kg、0.0005g/kg、0.0006g/kg、0.0007g/kg、0.0008g/kg、0.0009g/kg、0.001g/kg、0.0015g/kg、0.002g/kg、0.0025g/kg、0.003g/kg、0.0035g/kg、0.004g/kg、0.0045g/kg、0.005g/kg、0.0055g/kg、0.006g/kg、0.0065g/kg、0.007g/kg、0.0075g/kg、0.008g/kg、0.0085g/kg、0.009g/kg、0.0095g/kg、0.01g/kg、0.015g/kg、0.02g/kg、0.025g/kg、0.03g/kg、0.035g/kg、0.04g/kg、0.045g/kg、0.05g/kg、0.055g/kg、0.06g/kg、0.065g/kg、0.07g/kg、0.075g/kg、0.08g/kg、0.085g/kg、0.09g/kg、0.095g/kg、0.1g/kg、0.15g/kg、0.2g/kg、0.25g/kg、0.3g/kg、0.35g/kg、0.4g/kg、0.45g/kg、0.5g/kg、0.55g/kg、0.6g/kg、0.65g/kg、0.7g/kg、0.75g/kg、0.8g/kg、0.85g/kg、0.9g/kg、0.95g/kg、1g/kg、1.5g/kg、2g/kg、2.5g/kg、3g/kg、3.5g/kg、4g/kg、4.5g/kg、5g/kg、5.5g/kg、6g/kg、6.5g/kg、7g/kg、7.5g/kg、8g/kg、8.5g/kg、9g/kg、9.5g/kg、または10g/kg(重量);ここで、“g/kg”は哺乳類の体重(kg)当たりの薬剤の平均重量(g)と解釈される。
[0052] 本発明のキット
[0053] 前記の本発明方法によれば、1種類以上の薬剤(たとえば、NAD活性を増大させる少なくとも1種類の薬剤および/またはSirt1活性を増大させる少なくとも1種類の薬剤)を単位剤形で収容することができるキットを提供することができる。本発明によるキットは、本明細書に記載する方法に使用できる。ある態様において、キットはそれらの薬剤を本発明方法に従って使用するための指示を含むことができる。
[0054] 本発明の医薬組成物
[0055] ある態様において、本発明は、その必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための医薬組成物を含む。特定の態様において、医薬組成物は1種類以上の薬剤(たとえば、NAD活性を増大させる少なくとも1種類の薬剤および/またはSirt1活性を増大させる少なくとも1種類の薬剤)および生理的に適合するキャリヤー媒体を含むことができる。
[0056] ある態様において、本発明の医薬組成物中に付与されるいずれかの薬剤の濃度は、たとえば医薬組成物の100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001% w/w、w/vまたはv/v未満である。
[0057] ある態様において、本発明の医薬組成物中に付与されるいずれかの薬剤の濃度は、医薬組成物の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、1.25%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%または0.0001% w/w、w/v、またはv/v以上である。
[0058] ある態様において、本発明の医薬組成物中におけるいずれかの薬剤の濃度は、医薬組成物の約0.0001%から約50%まで、約0.001%から約40%まで、約0.01%から約30%まで、約0.02%から約29%まで、約0.03%から約28%まで、約0.04%から約27%まで、約0.05%から約26%まで、約0.06%から約25%まで、約0.07%から約24%まで、約0.08%から約23%まで、約0.09%から約22%まで、約0.1%から約21%まで、約0.2%から約20%まで、約0.3%から約19%まで、約0.4%から約18%まで、約0.5%から約17%まで、約0.6%から約16%まで、約0.7%から約15%まで、約0.8%から約14%まで、約0.9%から約12%まで、または約1%から約10% w/w、w/vまたはv/vまでの範囲である。
[0059] ある態様において、本発明の医薬組成物中に付与されるいずれかの薬剤の濃度は、医薬組成物の約0.001%から約10%まで、約0.01%から約5%まで、約0.02%から約4.5%まで、約0.03%から約4%まで、約0.04%から約3.5%まで、約0.05%から約3%まで、約0.06%から約2.5%まで、約0.07%から約2%まで、約0.08%から約1.5%まで、約0.09%から約1%まで、約0.1%から約0.9% w/w、w/vまたはv/vまでの範囲である。
[0060] ある態様において、本発明の医薬組成物中に付与されるいずれかの薬剤の量は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、または0.0001g以下である。
[0061] ある態様において、本発明の医薬組成物中に付与される薬剤の量は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、または10gより多い。
[0062] 本発明による薬剤は、広い投与範囲にわたって有効である。たとえば、ある哺乳類の処置において、独立して1日当たり0.001から100gまで、0.01から75gまで、0.1から50gまで、および1から50gまでの範囲の投与量が使用できる投与量の例である。あるいは、ある哺乳類の処置において、独立して1日当たり0.01から1000mgまで、0.5から500mgまで、および1から50mgまでの範囲の投与量が使用できる投与量の例である。厳密な投与量は、投与経路、その薬剤を投与する剤形、処置すべき哺乳類の性別および年齢、処置すべき対象の体重、ならびに担当医の好みおよび経験に依存するであろう。
[0063] 本明細書中で用いる用語“生理的に適合するキャリヤー媒体”には、希望する特定の剤形に適したあらゆる溶媒、希釈剤、または他の液状ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、界面活性剤、等張化剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤、増量剤などが含まれる。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, A.R. Genaro et al., Part 5, Pharmaceutical Manufacturing, pp. 669-1015 (Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore, MD/Philadelphia, PA) (2000)に、医薬組成物の配合に用いられる種々のキャリヤー、およびその調製のための既知の手法が示されている。いずれかの一般的な医薬用キャリヤー媒体が、たとえば望ましくない生物学的作用を生じるかあるいはそのような化合物または薬剤を含めた他のいずれかの配合物成分(単数または複数)と有害な様式で相互作用することにより、本発明に用いられる薬剤と不適合である場合を除いて、それの使用は本発明の範囲に含まれるものとする。特定の態様において、生理的に適合するキャリヤー媒体は水であってもよい。
[0064] ある態様において、医薬組成物を単位剤形で製造することができる。特定の態様において、単位剤形は生理的に適合するキャリヤー媒体を含有することができ、下記のものからなる群から選択できる:ボーラス、エアゾール、計量エアゾール、咀嚼バー、カプセル剤、コートされたペレットを収容したカプセル剤、遅延放出ペレットを収容したカプセル剤、徐放ペレットを収容したカプセル剤、濃縮液剤、クリーム剤、強化クリーム剤、坐剤クリーム、ディスク剤、ドレッシング剤、エリキシル剤、乳剤、浣腸剤、徐放繊維、徐放フィルム、ガス剤、ゲル剤、計量ゲル剤、顆粒剤、遅延放出顆粒剤、発泡性顆粒剤、チューインガム、インプラント、吸入剤、注射剤、注射用脂質複合製剤、注射用リポソーム、挿入剤、徐放挿入剤、子宮内デバイス、ゼリー剤、液剤、徐放液剤、ローション剤、強化ローション剤、シャンプーローション剤、油剤、軟膏剤、強化軟膏剤、ペースト剤、香錠、ペレット剤、散剤、セッケン液剤、流込み用液剤、液剤/滴剤、濃縮液剤、ゲル形成液剤/滴剤、スポンジ、スプレー剤、計量スプレー剤、坐剤、懸濁液剤、懸濁液剤/滴剤、徐放懸濁液剤、スワブ、シロップ剤、錠剤、咀嚼錠、コートされた粒子を含有する錠剤、遅延放出錠、分散錠、発泡錠、徐放錠、口腔内崩壊錠、タンポン、テープ、およびトローチ/ロゼンジ。
[0065] 本発明の方法、キットおよび医薬組成物は、哺乳類を処置するのに有用である。そのような哺乳類には、ヒトおよび非ヒト哺乳類が含まれる。非ヒト哺乳類には、たとえば愛玩動物、たとえばイヌおよびネコ、農業用動物、たとえばウシ、ウマなどを含めた家畜、ならびに外来動物、たとえば動物園の動物が含まれる。しかし、特定の態様において哺乳類はヒトである。
[0066] 本発明は、NAD前駆体の補充が肝障害の実験モデルにおいて転帰を改善できることを立証する。しかし、部分肝切除からの回復も肝細胞におけるNamptの発現レベルによって影響される可能性があり、Namptを欠如するある哺乳類における再生不良がニコチンアミドリボシドによって完全に救済される。
[0067] 一過性肝臓脂肪症は、肝臓再生の特徴的な特色である。他の実験設定において、NamptはNAD合成を介して肝臓脂肪症に対する抵抗性を及ぼすことが示唆された。これらの所見は、NRを投与したマウスまたは肝細胞にNamptを過剰発現しているマウスにおいてPHx後48時間目には脂肪症がほぼ完全に存在しないという本発明の所見と良く一致する。NR処理したマウスにおいてPHx後36時間目には若干の脂肪症がみられ、それはNAD合成が増大した状態での再生に際して脂質がなお蓄積するが、より速やかに排除されるという可能性を示唆する。これは、再生しつつある肝臓により脂質がNAD感受性様式で処理されてエネルギー源を提供し、一方で血流中への排出または代謝前駆体としての使用のためのグルコースを節約するモデルと一致するであろう。十分なNAD濃度が存在しない状態では、脂質酸化および結果的にATPレベルが低下して、細胞増殖を停止させるであろう。
[0068] 本発明のいずれか1つの理論に限定されるわけではないが、NAD利用能の増大が、ATP産生に直接関与する酵素の補因子としてのそれの役割のみによって、および/または核酸合成のための前駆体の節約によって再生を改善する一方で、それはサーチュインを含めたシグナル伝達酵素に対する共基質としてのそれの役割を介して作用する可能性もある。これに関して、Namptはサーチュイン1(Sirt1)のデアシラーゼ活性に影響を及ぼすことが知られている。最近の研究は、肝臓脂質代謝および肝臓再生の両方においてSirt1についての役割を示唆している。肝臓再生が損なわれた高齢のマウスは肝臓Sirt1の発現が低く、高齢のマウスにおける部分肝切除に応答して異所性発現するSirt1は肝細胞増殖を再建し、これに対し若いマウスにおいてSirt1のノックダウンは再生に障害を及ぼす。これと対照的に、Sirt1を過剰発現している若いマウスは、胆汁酸調節の欠陥のため部分肝切除後の死亡率が高い。Nampt発現は障害のない肝臓において肝細胞トリグリセリドレベルを低下させ、その作用はSirt1活性増大と相関し、かつ過剰発現しているSirt1により表現型模写される(phenocopied)。したがって、本発明のいずれか1つの理論に限定されるわけではないが、NAD再生の増大に伴って本発明者らが観察している脂肪症の低減は脂質代謝に対するSirt1依存性の作用を反映している可能性がある。さらに、Sirt1を活性化する小分子ポリフェノールであるレスベラトロールは損傷モデルにおいて肝細胞生存率を改善するが、複製速度を低下させることも示された。
[0069] 全体として、本発明はNAD代謝を調節して肝障害からの回復を促進できることを立証する。
[0070] 以下の例により本発明をさらに詳細に記載する。これらの例は説明のために提示されるにすぎず、決して本発明を限定すると解釈すべきではない。
[0071] NAD利用能が肝臓の再生を制限するかどうかを直接試験するために、NAD前駆体ニコチンアミドリボシド(NR)を飲用水中に投与したマウスにおいて、肝障害についての十分に確立されたモデルである部分肝切除を実施した。NAD代謝の役割を肝細胞においてより具体的に証明するために、NAD生合成の律速酵素であるニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(Nicotinamide phosphoribosyltransferase)(Nampt)を過剰発現または欠失させる遺伝子戦略を採用した。その結果は、NAD利用能が実際に肝臓の再生を制限することを立証し、肝臓NAD含有量を増大させる戦略が肝障害または毒性傷害に対する防御となる可能性があることを示唆する。
[0072] 動物、ハウジングおよび薬物処理:floxed stopカセットによりCAGGSプロモーターから分離されたNampt cDNAの外因性コピーを保有する動物をC57BL/6Jバックグラウンド(先に記載)に戻し交雑したものを、アルブミン−Creを保有するマウス(JAX系統B6.Cg−Tg(Alb−cre)21Mgn/J,ストック番号003574)と交配することにより、Namptを肝細胞に発現しているマウスを得た。アルブミン Creを欠如する同腹仔を対照として用いた。成人発症型のNampt過剰発現に関する試験のために、8〜9週齢のマウスNamptfl/flおよびNamptwt/wtマウスの眼窩後叢(retroorbital plexus)内に、チロキシン結合グロブリン(thyroxine-binding globulin)(Tbg)プロモーター(AAV−Cre)の制御下でCreリコンビナーゼを発現するアデノ随伴ウイルス(AAV−Cre)または増強された緑色蛍光タンパク質を発現するアデノ随伴ウイルス(AAV−Gfp)を注射した。AAV−Gfpを注射したNamptfl/flマウスおよびAAV−Creを注射したNamptwt/wtマウスを対照として用いた。Namptの誘導欠失のために、リエージェ大学(Universite de Liege)のOberdan Leoが独自に作成してC57/BL6バックグラウンドに戻し交雑したマウスを使用し、これはワシントン大学(Washington University)のシンイチロー・イマイ(Shin-Ichiro Imai)によって寛大に提供された。前記のように、2つのfloxed対立遺伝子を保有する8〜9週齢のマウスの眼窩後叢に、チロキシン結合グロブリン(thyroxine-binding globulin)(Tbg)プロモーター(AAV−Cre)の制御下でCreリコンビナーゼを発現しているアデノ随伴ウイルス(AAV−Cre)または増強された緑色蛍光タンパク質を発現しているアデノ随伴ウイルス(AAV−Gfp)を注射した。空腹時血糖を測定し、成人発症型過剰発現および肝臓特異的ノックアウトの両コホートにおいて、AAV感染後14日目以降に部分肝切除を実施した。動物を無病原体バリヤー施設内にマウス4〜5匹/ケージのグループで12時間の明暗サイクルで飼料と水を自由に摂取できる状態で収容した。野生型動物のみを含む実験のために、雄C57BL/6JマウスをJackson Labsから直接注文した。ニコチンアミドリボシド(NR)(Chromadex Inc.)補充実験のために、遮光ボトル内の飲用水にNRを3.0mg/mlで溶解し、3日毎に交換した。絶食および再給餌実験のために、Alpha−dri床敷きを入れたケージ内において水を任意摂取できる状態で動物を16時間絶食させた。すべての動物作業を、U.S. Department of Health and Human Services Guide for the Care and Use of Laboratory Animals(米国保健福祉省、実験動物の管理と使用に関する指針)に従って、University of Pennsylvania Institutional Animal Care and Use Committee(ペンシルベニア大学、動物の管理と使用に関する委員会)の承認を得て実施した。
[0073] 部分肝切除:10〜14週齢の雄トランスジェニックマウスに、Mitchell and Willenbringのプロトコルに従って午前8時と正午の間に部分肝切除(PHx)を行なった。要約すると、イソフルオラン(isofluorane)麻酔後に、腹側正中線切開を行なった。次いで、肝臓の70%を構成する中葉および左側葉を椎弓根ライゲーション(pedicle ligation)により切除した。EdU(5−エチニル−2’−デオキシウリジン)標識化(Molecular probes)のために、マウスに標識試薬を16mg/kgの用量で、と殺の5時間前に腹腔内注射した。指示に従って、動物をPHxの36時間または48時間後にと殺した。切除して再生しつつある肝臓を液体窒素中で瞬間凍結し、4%パラホルムアルデヒド中に固定し、NADおよびATPアッセイのためにOCT媒体(Tissue−TEK O.C.Tコンパウンド,Sakura)に包埋するか、あるいは液体窒素中で予冷した金属クランプ内で急速凍結させた。マウスに関するすべての外科処置がInstitutional Animal Care and Use Committee protocols of the University of Pennsylvania(ペンシルベニア大学、動物の管理と使用に関する委員会のプロトコル)により承認された。
[0074] 組織検査、免疫組織化学、および免疫蛍光:ヘマトキシリンおよびエオシン染色したスライドにおいて有糸分裂像を計数した。パラフィン包埋した5μm厚の肝臓切片をキシレン中で脱パラフィン処理し、続いて勾配エタノール系列を通して再水和し、Gill 3ヘマトキシリン(Thermo Scientific)およびエオシン(Sigma)で染色した。有糸分裂活性領域をまず低倍率でスクリーニングした。定量には、大部分の有糸分裂活性領域の10の高倍率視野(40×)における総有糸分裂カウントを考慮に入れた。ディジタルイメージ捕捉システムと連結した光学顕微鏡を用いて、400×の倍率で代表的な顕微鏡写真を取得した。パラフィン切片におけるNampt発現の免疫蛍光検出のために、抗原をR−buffer(Electron Microscopy Sciences Ct # 62706−10)中に回収し、続いてCas−Block(Invitrogen 00−8120)中で20分間、ケンチングおよびブロッキングした。次いでスライドを4℃で加湿チャンバー内において一次ウサギポリクローナル抗NAMPT抗体(Bethyl Laboratories,希釈率1:1000)と共に一夜インキュベートした。ヤギ抗ウサギIgG(Alexa Fluor 488)を二次抗体として1:600の希釈率で用い、スライドをDAPI(Vector laboratories)で対比染色した。定量のために、Zeiss Axioplan 2イメージングシステムを用いて、中心静脈および門脈の両方の領域を撮影する20×対物レンズ下で細胞を検査およびイメージングした。
[0075] EdU染色:パラフィン包埋した肝臓切片を、Click−iT EdU Alexa Fluor 488またはAlexa Fluor 594 Imaging Kit(Molecular Probes)のいずれかを用い、製造業者のプロトコルに従って、EdU染色し、それぞれの肝臓の5〜6つのランダム領域をイメージングした。手動で200×において中心静脈および門脈三つ組(portal triad)の両方の領域を計数し、DAPI対比染色を正規化することにより、EdU陽性肝細胞の画分を判定した。
[0076] オイルレッドO染色:OCT中に凍結した肝臓試料を5μmの厚さに切断し、10%中性緩衝ホルマリン中に固定した。スライドをプロピレングリコール(Sigma)中に2分間入れておき、次いでオイルレッドO(Sigma)中で10分間、60℃でインキュベートした。スライドを次いで85%プロピレングリコール溶液に1分間移し、ヘマトキシリン(Fisher Scientific)で対比染色した。ディジタルイメージ捕捉システムと連結したNikon E600明視野顕微鏡を用いて200×の倍率で、代表的なイメージを取得した。
[0077] イムノブロッティング:ウェスタンブロット分析のために、瞬間凍結した肝臓片を、Haltホスファターゼ阻害薬(Thermo Scientific)および完全プロテアーゼ阻害薬(Roche)を補充したRIPA緩衝液中で、tissue lyzer(Qiagen)内において溶解した。組織溶解物を15,000gで15分間、4℃での遠心により予備澄明化した。変性した後、試料を4〜15% SDS−PAGEゲルに溶解し、湿式転写装置(Bio−Rad)でPVDFメンブレン(Milipore)へ転写し、抗NAMPT(Bethyl Laboratories,PBEF(A300−372A),希釈率1:5000)およびHRPコンジュゲートしたβ−アクチン(Abcam,ab49900)抗体を用いて検査した。免疫反応性タンパク質を化学発光により検出した。Super Signal West Femto基質(Pierce)を用いてBio−Radイメージングステーションにイメージを捕捉した。
[0078] 遺伝子発現分析:凍結した肝臓からTrizol(Sigma−Aldrich)で総RNAを抽出した。High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(高性能cDNA逆転写キット)(Applied Biosystems)で製造業者の推奨に従って1μgのRNAを逆転写した。Applied Biosystems 7900HTシステムでSYBR緑色マスターミックス(Applied Biosystems)を用いてリアルタイムPCRを実施した。各試料について3つのテクニカルレプリケートを取得し、遺伝子特異的プライマーを用いて得られた結果を定量するために相対標準曲線法を用いた。TATAボックス結合タンパク質(TATA box binding protein)遺伝子(TBP)およびβ−アクチンをハウスキーピング遺伝子として用いた。
[0079] 肝臓からのNAD代謝産物抽出:50mgの予冷したクランプ凍結(clamp frozen)肝臓から、0.6M過塩素酸中、4℃で、金属ビーズセットを備えたtissue lyzer(Qiagen)を用いて20Hzで2分間、NADを抽出した。不溶性物質を15,000gで10分間、4℃においてペレット化し、透明な上清を氷冷100mMリン酸緩衝液(pH8)中に1:100希釈した。前記7に従ってGraeff and Lee 11の方法から改変した96ウェルフォーマットでの酵素サイクリングアッセイにより、NADを測定した。要約すると、使用前に新たにサイクリングミックスを調製した;5ulのNAD標準品または希釈組織抽出物を、下記を含むサイクリング混合物95μlと混合した(2%エタノール,100g/ml アルコールデヒドロゲナーゼ,10g/ml ジアホラーゼ(diaphorase),20Mレサズリン(resazurin),10Mフラビンモノヌクレオチド,10mMニコチンアミド,0.1% BSA;100mMリン酸緩衝液(pH8.0)中)。サイクリング反応を室温で30分間進行させ、544nmにおける励起および590nmにおける発光の蛍光として測定したレゾルフィン(resorufin)蓄積率に基づいてNADの濃度を決定した。
[0080] 肝臓トリグリセリドアッセイ:25mgの瞬間凍結した肝臓組織を、tissue lyserを用いて細胞溶解緩衝液(140mM NaCl,50mM Tris,pH7.4,0.1% Triton−X)中に抽出した。試料を14,000rpmで15分間遠心し、Triglyceride Assay Kit(Stanbio)でグリセロールを標準品として用いてトリグリセリドをアッセイした。
[0081] ATP測定:瞬間凍結した肝臓の中和した酸抽出物約50mg中のATPを、ATP determination Kit(Life Technologies)を用いて製造業者のプロトコルに従って測定した。
[0082] グルコース測定:一夜(16時間)絶食後、OneTouch Ultraグルコース分析計を用いて尾静脈から血糖値を測定した。
[0083] 統計解析:すべての結果を平均±SEMとして表わす。2グループ間の比較は、独立両側スチューデントのt検定(unpaired 2-tailed Student’s t test)を用いて解析された。3以上のグループの比較は、Prism 6(GraphPad)における一元配置分散分析(one-way ANOVA)、続いてスチューデントのt検定による事後解析(post-hoc analysis)を用いて解析された。相関行列については、ピアソン相関係数
(Pearson correlation coefficient)を用いてデータを解析した。平均間の差はP<0.05を有意と判定した。
[0084] 実施例1:ニコチンアミドリボシドは肝臓の再生を促進する
[0085] NAD利用能が肝臓再生の速度を制限するかどうかを調べるために、2/3の部分肝切除(PHx)の14日前に開始して、野生型C57BL/6Jマウスの飲用水にNR(3mg/mL,約500mg/kg)を補充した。対照マウスからの再生しつつある肝臓はPHx後48時間までは特徴的なまだらのパターンをもつ淡色であったが、NR処理したマウスからのものはより均一に着色し(図1,パネルA)、DNAへのEdUの取込みにより査定して著しく向上した肝細胞増殖を示した(図1,パネルBおよびC)。これは肝臓質量の有意の改善に反映された(図1,パネルD)。明らかに、NRを投与した対照マウスにおける肝臓のサイズの変化はみられず、2グループ間に切除した肝葉の重量の差はなかった(データを示していない)。予想どおり、NR処理マウスにおいては肝切除の前(約35%)と後(約58%)の両方で肝臓のNAD含有量が増大した(図1,パネルE)。H&E染色切片の分析により、NRの存在下での有糸分裂活性の48%増大が明らかになった(図1,パネルFおよびG)。さらに、肝臓再生の初期に特徴的な脂肪変化は、対照においては容易に認められたが、NR処理マウスにおいては顕著ではなかった。これらには、ミクロおよびマクロ両方のベシクル状脂肪滴の存在(図1,パネルFおよびH)ならびに肝臓トリグリセリドの蓄積(図1,パネルI)を特徴とする肝臓脂肪症が含まれる。よって、NR処理は肝臓NAD含有量を増大させて肝臓の再生を有意に促進し、一方で脂肪の変化を改善するのに十分である。
[0086] 実施例2:肝細胞特異的Nampt過剰発現は肝臓の再生に対する全身NRの影響を再現する
[0087] 経口NRは肝臓再生速度に影響を及ぼす全身作用を伴う可能性があるので、特に肝細胞におけるNAD合成が以上の所見を再現するのに十分であるかどうかを判定するための試験を実施した。ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(Nampt)を過剰発現するマウスの系統をCre誘導様式で用い、アルブミンプロモーターの制御下でCreを発現するマウスに交配した(図2,パネルA〜C)。Nampt過剰発現は均一ではなく(図2,パネルB)、門脈および中心静脈の周囲領域で著しく顕著であった。PHx後、48時間目までに、Nampt過剰発現肝臓はより濃くかつより均一な色に見え(図2,パネルD)、NR処理についてみられたように、劇的に増大したEdU取込みがあった(図2,パネルEおよびF)。これらの変化は再生した肝臓のサイズの増大と相関していた(図2,パネルG)。明らかに、肝細胞特異的なNampt過剰発現は外科処置前の体重または肝臓重量に影響を及ぼさなかったが、空腹時血糖値のわずかな上昇が認められた(図2,パネルH)。肝臓のNAD含有量は、PHxの前と後の両方で有意に増大した(図2,パネルI)。有糸分裂指数が増大し、脂肪滴の蓄積およびトリグリセリドの含有量は劇的に低減した(図2,パネルJ〜L)。したがって、肝臓特異的なNAD生合成増強は肝臓の再生に対する全身NR処理の鍵効果を再現する。
[0088] 実施例3:成人発症型過剰発現はNamptの有益な効果に十分である
[0089] Nampt過剰発現マウスにおける再生改善が若齢期における代謝適応に対する二次的なものである可能性を除外するために、Creをアデノ随伴ウイルス(AAV)により成体マウスに送達する第2セットの実験を実施した。この実験からのNampt過剰発現マウスを異なる2セットの同腹仔対照と比較した:floxed対立遺伝子を保有し、GFPをコードするAAVを感染させたもの、およびAAV−Creを感染させた野生型マウス。成体期にのみ肝臓にNamptを過剰発現するマウスは、軽度に上昇した空腹時血糖値(図3,パネルAおよびB)、および増大した肝細胞増殖を示した;これは生涯過剰発現を伴うマウスにおいて得られた結果と類似する(図3,パネルC〜F)。前者のグループのマウスは有糸分裂像を定量できるように、PHx後、48時間目にと殺されたのに対し、成人発症型グループはDNA合成のピークを捕えるために36時間目にと殺された。先の実験の場合のように、Nampt過剰発現は急性肝臓脂肪症および肝臓トリグリセリド蓄積を減弱させた(図3,パネルGおよびH)。
[0090] 実施例4:肝細胞特異的なNampt欠失は肝臓の再生を損ない、ニコチンアミドリボシド(NR)によって完全に救済される
[0091] Namptは脂肪組織および免疫細胞から分泌され、細胞外形態(eNampt/PBEF/ビスファチン(Visfatin))は触媒活性を維持する。初代肝細胞からのNampt分泌も観察されており、したがってトランスジェニックマウスからの肝細胞におけるNamptの過剰発現が循環中への漏出をもたらし、それが他の細胞タイプにおいてNAD依存性作用をもつことは形式上は依然として可能性がある。さらに、eNamptはそれの触媒活性とは別の機能をもつ可能性があり、その結果、NRとNampt過剰発現が独立した経路を介して作動して肝臓の再生に影響を及ぼすという可能性が生じる。これらの点に対処するために、Namptに対する2つのfloxed対立遺伝子を保有する成体動物にAAV−Creを注射することにより、肝細胞特異的Nampt欠失マウスを作成した(図4,パネルAおよびB)。AAV−GFPを感染させたfloxed対立遺伝子を保有する同腹仔を対照として用いた。感染後5日目に、各グループの半数のマウスにNRを含有する飲用水を与え、PHx前にさらに2週間処理した。肉眼的には、Namptfl/flAAV−Creマウスの再生肝臓は点状出血を伴う淡色であり、それがNR処理により阻止された(図4,パネルC)。PHx後の最初の48時間における肝臓再生は、Nampt KOマウスにおいては顕著に損なわれ、NR処理により回復し(図4,パネルD〜F)、それによって両遺伝子型において効果的にNAD含有量が増大した(図4,パネルG)。一貫してNR処理はNampt KOマウスにおいて有糸分裂指数を大幅に回復させ(図4,パネルHおよびI)、この場合も切除した肝葉の重量に変化がなく、それはすべての肝臓が損傷前には正常サイズであったことを示す。
[0092] 組織学的検査により、ミクロおよびマクロ両方のベシクル状脂肪滴を含む劇的な肝臓脂肪症がNamptfl/flAAV−Creマウスに明らかになった(図4,パネルI,上の図)。対照的に、NRは再生しつつある野生型肝臓における肝臓脂質蓄積を消失させ、NAMPT欠失した再生しつつある肝臓における肝臓脂肪変化をほぼ正常化した(図4,パネルI,下の図)。肝臓トリグリセリドも、NR処理でNamptfl/flAAV−Gfpマウスにおいて約75%、Namptfl/flAAV−Creマウスにおいて約35%、減少した(図4,パネルJ)。これらの結果は、肝細胞における内因性Nampt発現の損失は肝臓の再生を損ない、脂質代謝を劣化させること、およびNAD前駆体の補充がこれらの変化を改善するのに十分であることを立証する。
[0093] 実施例5:肝臓NAD含有量はエネルギー状態、トリグリセリド蓄積、および肝細胞増殖と強く相関する
[0094] NAD、脂質代謝および肝細胞増殖の間の関係をさらに洞察するために、これらの相関関係が個々の動物のレベルでも正しいかどうかを判定するための試験を準備した。肝細胞増殖は、肝臓NAD含有量との著しい正の相関性、および肝臓トリグリセリドとの逆相関性を示す(図5,パネルAおよびB)。いずれか1つの理論に限定されるわけではないが、これは細胞の増殖および分裂のためのエネルギーを供給するには脂質を酸化できる最適NADレベルが必要であることを反映している可能性がある;それは、NADが脂肪酸酸化の3−ヒドロキシアシル−CoA デヒドロゲナーゼ(HADH)触媒工程およびトリカルボン酸サイクル(TCA)に直接必要であること、あるいはシグナル伝達酵素、たとえばサーチュインの共基質としてのそれの役割によるものである。この仮説と一致して、再生しつつある肝臓においてATPレベルが有意に低下し、NR処理によって増大した(図5,パネルC)。さらに、ATP含有量はNADおよび肝細胞増殖の両方と正の相関性があり(図5,パネルDおよびE)、これは肝臓における再生によって課されるエネルギーストレスをNRが軽減できることを示唆する。
[0095] 提唱した肝臓再生のモデルを図5に示す(パネルF)。本発明のいずれか1つの理論に拘束されるわけではないが、肝臓NADは脂肪酸酸化を促進し、それにより肝細胞の増殖および再生に必要なATPを産生する。NADは脂肪酸酸化の3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)触媒工程およびトリカルボン酸サイクル(TCA)に直接必要であるが、間接的には、たとえばNADを共基質として用いるSIRT1などのシグナル伝達酵素を介して作用する可能性もある。NAD濃度は、ニコチンアミドおよびホスホリボシルピロホスフェートからのニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の形成を触媒するNamptの発現に基づいて調節される可能性がある。あるいは、NMNはNRからNRキナーゼの作用によって産生される可能性がある。
[0096] 実施例6:肝細胞特異的なサーチュイン1欠失は再生を損ない、NRによって部分的に救済される
[0097] NRが肝臓の再生を改善する能力を判定するための試験を、このプロセスを損なうSirt1欠失に関して実施した。
[0098] Sirt1ノックアウトおよび同腹仔対照を部分肝切除(PHx)の前にNR(500mg/Kg/日)で2週間処理した。ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した代表的な肝臓切片は、Sirt1欠失マウスにおいてミクロおよびマクロ両方のベシクル状脂肪滴をもつ急性肝臓脂肪症を明らかにした(図6,パネルA)。NR処理はこの表現型を部分的に救済し、肝臓の脂肪変化を減弱した。
[0099] 他のアッセイにおいて、Sirt1ノックアウトマウスにおいてPHx後の最初の36時間における肝臓の再生が損なわれ、NR処理によって回復した。NR仲介による肝臓組織再生は、野生型およびSirt1ノックアウトマウスの両方の非処理肝臓と比較した再生肝臓のサイズの増大として現われる(図6,パネルB)。
[00100] 本発明が関係する技術の水準を記載するために多数の特許および非特許刊行物を本明細書に引用することができる。これらの刊行物それぞれの開示内容全体を本明細書に援用する。
[00101] 本発明の特定の態様を前記に記載および/または例示したが、以上の開示内容から他の種々の態様が当業者に明らかであろう。したがって、本発明は記載および/または例示した特定の態様に限定されず、特許請求の範囲に記載の範囲および精神から逸脱することなく変更および改変が可能である。
[00102] さらに、本明細書中で用いる用語“約”は、寸法、サイズ、配合、パラメーター、形状、ならびに他の量および特徴は厳密ではなく、その必要もなく、おおよそであり、および/または希望に従ってより大きいかまたはより小さく、許容度、換算因子、四捨五入、測定誤差など、および当業者に既知である他の因子を反映することを意味する。一般に寸法、サイズ、配合、パラメーター、形状、ならびに他の量および特徴は、そうであると明確に述べているか否かにかかわらず“約”または“おおよそ”である。著しく異なるサイズ、形状および寸法の態様に前記のアレンジメントを採用できることを明記する。
[00103] さらに、接続語(transitional term)“を含む(comprising)”、“本質的に・・・からなる(consisting essentially of)”および“からなる(consisting of)”は、元の形または補正した形の特許請求の範囲において用いる場合、引用されていない追加の請求要素または工程(あるとすれば)がその請求項(単数または複数)の範囲から除外されるものに関して、その請求項の範囲を規定する。用語“を含む”は、包括的(inclusive)または無制限(open-ended)であって追加の引用されていない要素、方法、工程または物質をいずれも除外しないものとする。用語“からなる”は、その請求項に特定されたもの以外の要素、方法、工程または物質(後者の場合は特定されたその物質(単数または複数)に通常付随する不純物)を除外する。用語“本質的に・・・からなる”は、請求項の範囲を、特定された要素、方法、工程または物質(単数または複数)、およびその請求項に記載された発明の基本的な新規特徴(単数または複数)に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。本明細書に記載された、本発明を具体的に示したすべての組成物、配合物、キットおよび方法は、別の態様においては“を含む”、“本質的に・・・からなる”および“からなる”によってより詳細に規定することができる。
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[00103] さらに、接続語(transitional term)“を含む(comprising)”、“本質的に・・・からなる(consisting essentially of)”および“からなる(consisting of)”は、元の形または補正した形の特許請求の範囲において用いる場合、引用されていない追加の請求要素または工程(あるとすれば)がその請求項(単数または複数)の範囲から除外されるものに関して、その請求項の範囲を規定する。用語“を含む”は、包括的(inclusive)または無制限(open-ended)であって追加の引用されていない要素、方法、工程または物質をいずれも除外しないものとする。用語“からなる”は、その請求項に特定されたもの以外の要素、方法、工程または物質(後者の場合は特定されたその物質(単数または複数)に通常付随する不純物)を除外する。用語“本質的に・・・からなる”は、請求項の範囲を、特定された要素、方法、工程または物質(単数または複数)、およびその請求項に記載された発明の基本的な新規特徴(単数または複数)に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。本明細書に記載された、本発明を具体的に示したすべての組成物、配合物、キットおよび方法は、別の態様においては“を含む”、“本質的に・・・からなる”および“からなる”によってより詳細に規定することができる。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]肝臓の再生を向上させる必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための方法であって、療法有効量の、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる薬剤を投与することを含む、上記方法。
[態様2]薬剤がNAD前駆体を含む、態様1に記載の方法。
[態様3]NAD前駆体が、NAD合成のためのデノボ経路の中間体、NADサルベージ経路の中間体、およびニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体のうち1種類以上を含む、態様2に記載の方法。
[態様4]NAD合成のためのデノボ経路の中間体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド、ニコチン酸モノヌクレオチド、キノリン酸、3−ヒドロキシアントラニレート、3−ヒドロキシキヌレニン、キヌレニン、もしくはN−ホルミルキヌレニン、またはその医薬的に許容できる塩を含む、態様3に記載の方法。
[態様5]NADサルベージ経路の中間体が、ニコチンアミドもしくはニコチンアミドモノヌクレオチド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、態様3に記載の方法。
[態様6]ニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体が、ニコチンアミドリボシドもしくはニコチン酸リボシド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、態様3に記載の方法。
[態様7]NAD前駆体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸リボシド、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド、NADP、およびNAD自体、ならびにその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、態様2に記載の方法。
[態様8]薬剤がNAD消費の阻害薬を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様9]NAD消費の阻害薬が、ポリadp−リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬、CD38阻害薬、およびその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、態様8に記載の方法。
[態様10]哺乳類が肝臓外科処置を受けようとしている、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様11]哺乳類が肝障害のリスクをもつ、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様12]哺乳類が肝障害を伴う、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様13]療法有効量の薬剤を肝障害の前に投与することを含む、態様1〜11のいずれか1に記載の方法。
[態様14]療法有効量の薬剤を肝障害の約6か月前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様15]療法有効量の薬剤を肝障害の約5か月前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様16]療法有効量の薬剤を肝障害の約4か月前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様17]療法有効量の薬剤を肝障害の約3か月前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様18]療法有効量の薬剤を肝障害の約2か月前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様19]療法有効量の薬剤を肝障害の約1か月前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様20]療法有効量の薬剤を肝障害の約3週間前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様21]療法有効量の薬剤を肝障害の約2週間前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様22]療法有効量の薬剤を肝障害の約1週間前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様23]療法有効量の薬剤を肝障害の約6日前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様24]療法有効量の薬剤を肝障害の約5日前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様25]療法有効量の薬剤を肝障害の約4日前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様26]療法有効量の薬剤を肝障害の約3日前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様27]療法有効量の薬剤を肝障害の約2日前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様28]療法有効量の薬剤を肝障害の約1日前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様29]療法有効量の薬剤を肝障害の約1〜23時間前に投与することを含む、態様13に記載の方法。
[態様30]療法有効量の薬剤を肝障害の後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様31]療法有効量の薬剤を肝障害の約1〜23時間後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様32]療法有効量の薬剤を肝障害の約1日後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様33]療法有効量の薬剤を肝障害の約2日後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様34]療法有効量の薬剤を肝障害の約3日後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様35]療法有効量の薬剤を肝障害の約4日後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様36]療法有効量の薬剤を肝障害の約5日後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様37]療法有効量の薬剤を肝障害の約6日後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様38]療法有効量の薬剤を肝障害の約1週間後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様39]療法有効量の薬剤を肝障害の約2週間後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様40]療法有効量の薬剤を肝障害の約3週間後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様41]療法有効量の薬剤を肝障害の約1か月後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様42]療法有効量の薬剤を肝障害の約2か月後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様43]療法有効量の薬剤を肝障害の約3か月後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様44]療法有効量の薬剤を肝障害の約4か月後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様45]療法有効量の薬剤を肝障害の約5か月後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様46]療法有効量の薬剤を肝障害の約6か月後に投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様47]肝障害が、外傷性肝障害、肝硬変、肝線維症、肝感染症、肝移植、肝損傷(胆管障害、外科的肝臓切除および化学物質誘発性肝障害から生じるもの)のうち1以上を含む、態様11〜46のいずれか1に記載の方法。
[態様48]化学物質誘発性肝障害が、アセトアミノフェン誘発性肝障害およびアルコール誘発性肝障害のうち1以上を含む、態様47に記載の方法。
[態様49]療法有効量の薬剤の投与が、口腔内、歯、子宮頚管、筋肉内、吸入、頭蓋内、リンパ内、眼内、腹腔内、胸膜腔内、クモ膜下、気管内、子宮内、脈管内、静脈内、膀胱内、鼻腔内、眼、経口、耳、胆嚢潅流、心臓潅流、歯周、直腸、脊髄、皮下、舌下、局所、膣内、経皮、尿管、尿道、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される投与経路を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様50]療法有効量の薬剤の投与が経口投与を含む、態様49に記載の方法。
[態様51]療法有効量の薬剤の投与が、ボーラス、エアゾール、計量エアゾール、咀嚼バー、カプセル剤、コートされたペレットを収容したカプセル剤、遅延放出ペレットを収容したカプセル剤、徐放ペレットを収容したカプセル剤、濃縮液剤、クリーム剤、強化クリーム剤、坐剤クリーム、ディスク剤、ドレッシング剤、エリキシル剤、乳剤、浣腸剤、徐放繊維、徐放フィルム、ガス剤、ゲル剤、計量ゲル剤、顆粒剤、遅延放出顆粒剤、発泡性顆粒剤、チューインガム、インプラント、吸入剤、注射剤、注射用脂質複合製剤、注射用リポソーム、挿入剤、徐放挿入剤、子宮内デバイス、ゼリー剤、液剤、徐放液剤、ローション剤、強化ローション剤、シャンプーローション剤、油剤、軟膏剤、強化軟膏剤、ペースト剤、香錠、ペレット剤、散剤、セッケン液剤、流込み用液剤、液剤/滴剤、濃縮液剤、ゲル形成液剤/滴剤、スポンジ、スプレー剤、計量スプレー剤、坐剤、懸濁液剤、懸濁液剤/滴剤、徐放懸濁液剤、スワブ、シロップ剤、錠剤、咀嚼錠、コートされた粒子を含有する錠剤、遅延放出錠、分散錠、発泡錠、徐放錠、口腔内崩壊錠、タンポン、テープ、およびトローチ/ロゼンジからなる群から選択される剤形で薬剤を投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様52]療法有効量の薬剤の投与がNAD前駆体をボーラスとして投与することを含む、態様42に記載の方法。
[態様53]療法有効量の薬剤の投与が1時間毎の投与を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様54]療法有効量の薬剤の投与が1日1回の投与を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様55]療法有効量の薬剤の投与が1日2回の投与を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様56]療法有効量の薬剤の投与が1日3回の投与を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様57]療法有効量の薬剤の投与が週1回の投与を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様58]療法有効量の薬剤の投与が週2回の投与を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様59]療法有効量の薬剤の投与が週3回の投与を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様60]療法有効量の薬剤の投与が月1回の投与を含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様61]療法有効量のサーチュイン1(Sirt1)アゴニストを投与することを含む、前記態様のいずれか1に記載の方法。
[態様62]Sirt1アゴニストが、レスベラトロール、SRT2104、SRT1460、ブテイン、フィセチン、イソニコチンアミド(IsoNAM)、ピセアタンノール、ケルセチン、およびその組み合わせからなる群から選択される、態様61に記載の方法。
[態様63]肝臓の再生を向上させる必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させる方法を提供するためのキットであって、療法有効量のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体またはNAD消費の阻害薬を単位剤形で含むキット。
[態様64]NAD前駆体が、NAD合成のためのデノボ経路の中間体、NADサルベージ経路の中間体、およびニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体のうち1種類以上を含む、態様63に記載のキット。
[態様65]NAD合成のためのデノボ経路の中間体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド、ニコチン酸モノヌクレオチド、キノリン酸、3−ヒドロキシアントラニレート、3−ヒドロキシキヌレニン、キヌレニン、もしくはN−ホルミルキヌレニン、またはその医薬的に許容できる塩を含む、態様64に記載のキット。
[態様66]NADサルベージ経路の中間体が、ニコチンアミドもしくはニコチンアミドモノヌクレオチド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、態様64に記載のキット。
[態様67]ニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体が、ニコチンアミドリボシドもしくはニコチン酸リボシド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、態様64に記載のキット。
[態様68]NAD前駆体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸リボシド、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド、NADP、およびNAD自体、ならびにその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、態様63に記載のキット。
[態様69]NAD消費の阻害薬が、ポリadp−リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬、CD38阻害薬、およびその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、態様68に記載のキット。
[態様70]療法有効量のサーチュイン1(Sirt1)アゴニストを含む、態様63に記載のキット。
[態様71]Sirt1アゴニストが、レスベラトロール、SRT2104、SRT1460、ブテイン、フィセチン、イソニコチンアミド(IsoNAM)、ピセアタンノール、ケルセチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様70に記載のキット。
[態様72]療法有効量のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体またはNAD消費の阻害薬、および生理的に適合するキャリヤー媒体を含む、肝臓の再生を向上させる必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための医薬組成物。
[態様73]NAD前駆体が、NAD合成のためのデノボ経路の中間体、NADサルベージ経路の中間体、およびニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体のうち1種類以上を含む、態様72に記載の医薬組成物。
[態様74]NAD合成のためのデノボ経路の中間体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド、ニコチン酸モノヌクレオチド、キノリン酸、3−ヒドロキシアントラニレート、3−ヒドロキシキヌレニン、キヌレニン、もしくはN−ホルミルキヌレニン、またはその医薬的に許容できる塩を含む、態様73に記載の医薬組成物。
[態様75]NADサルベージ経路の中間体が、ニコチンアミドもしくはニコチンアミドモノヌクレオチド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、態様73に記載の医薬組成物。
[態様76]ニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体が、ニコチンアミドリボシドもしくはニコチン酸リボシド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、態様73に記載の医薬組成物。
[態様77]NAD前駆体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸リボシド、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド、NADP、およびNAD自体、ならびにその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、態様72に記載の医薬組成物。
[態様78]NAD消費の阻害薬が、ポリadp−リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬、CD38阻害薬、およびその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、態様72に記載の医薬組成物。
[態様79]医薬組成物が単位剤形で製造される、態様72〜78のいずれか1に記載の医薬組成物。
[態様80]単位剤形が、ボーラス、エアゾール、計量エアゾール、咀嚼バー、カプセル剤、コートされたペレットを収容したカプセル剤、遅延放出ペレットを収容したカプセル剤、徐放ペレットを収容したカプセル剤、濃縮液剤、クリーム剤、強化クリーム剤、坐剤クリーム、ディスク剤、ドレッシング剤、エリキシル剤、乳剤、浣腸剤、徐放繊維、徐放フィルム、ガス剤、ゲル剤、計量ゲル剤、顆粒剤、遅延放出顆粒剤、発泡性顆粒剤、チューインガム、インプラント、吸入剤、注射剤、注射用脂質複合製剤、注射用リポソーム、挿入剤、徐放挿入剤、子宮内デバイス、ゼリー剤、液剤、徐放液剤、ローション剤、強化ローション剤、シャンプーローション剤、油剤、軟膏剤、強化軟膏剤、ペースト剤、香錠、ペレット剤、散剤、セッケン液剤、流込み用液剤、液剤/滴剤、濃縮液剤、ゲル形成液剤/滴剤、スポンジ、スプレー剤、計量スプレー剤、坐剤、懸濁液剤、懸濁液剤/滴剤、徐放懸濁液剤、スワブ、シロップ剤、錠剤、咀嚼錠、コートされた粒子を含有する錠剤、遅延放出錠、分散錠、発泡錠、徐放錠、口腔内崩壊錠、タンポン、テープ、およびトローチ/ロゼンジからなる群から選択される、態様79に記載の医薬組成物。
[態様81]単位剤形がボーラスである、態様80に記載の医薬組成物。
[態様81]療法有効量のサーチュイン1(Sirt1)アゴニストを含む、態様72に記載の医薬組成物。
[態様82]Sirt1アゴニストが、レスベラトロール、SRT2104、SRT1460、ブテイン、フィセチン、イソニコチンアミド(IsoNAM)、ピセアタンノール、ケルセチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様81に記載の医薬組成物。

Claims (83)

  1. 肝臓の再生を向上させる必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための方法であって、療法有効量の、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)活性を増大させる薬剤を投与することを含む、上記方法。
  2. 薬剤がNAD前駆体を含む、請求項1に記載の方法。
  3. NAD前駆体が、NAD合成のためのデノボ経路の中間体、NADサルベージ経路の中間体、およびニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体のうち1種類以上を含む、請求項2に記載の方法。
  4. NAD合成のためのデノボ経路の中間体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド、ニコチン酸モノヌクレオチド、キノリン酸、3−ヒドロキシアントラニレート、3−ヒドロキシキヌレニン、キヌレニン、もしくはN−ホルミルキヌレニン、またはその医薬的に許容できる塩を含む、請求項3に記載の方法。
  5. NADサルベージ経路の中間体が、ニコチンアミドもしくはニコチンアミドモノヌクレオチド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、請求項3に記載の方法。
  6. ニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体が、ニコチンアミドリボシドもしくはニコチン酸リボシド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、請求項3に記載の方法。
  7. NAD前駆体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸リボシド、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド、NADP、およびNAD自体、ならびにその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  8. 薬剤がNAD消費の阻害薬を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. NAD消費の阻害薬が、ポリadp−リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬、CD38阻害薬、およびその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 哺乳類が肝臓外科処置を受けようとしている、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 哺乳類が肝障害のリスクをもつ、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 哺乳類が肝障害を伴う、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 療法有効量の薬剤を肝障害の前に投与することを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 療法有効量の薬剤を肝障害の約6か月前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 療法有効量の薬剤を肝障害の約5か月前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  16. 療法有効量の薬剤を肝障害の約4か月前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  17. 療法有効量の薬剤を肝障害の約3か月前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  18. 療法有効量の薬剤を肝障害の約2か月前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  19. 療法有効量の薬剤を肝障害の約1か月前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  20. 療法有効量の薬剤を肝障害の約3週間前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  21. 療法有効量の薬剤を肝障害の約2週間前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  22. 療法有効量の薬剤を肝障害の約1週間前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  23. 療法有効量の薬剤を肝障害の約6日前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  24. 療法有効量の薬剤を肝障害の約5日前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  25. 療法有効量の薬剤を肝障害の約4日前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  26. 療法有効量の薬剤を肝障害の約3日前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  27. 療法有効量の薬剤を肝障害の約2日前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  28. 療法有効量の薬剤を肝障害の約1日前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  29. 療法有効量の薬剤を肝障害の約1〜23時間前に投与することを含む、請求項13に記載の方法。
  30. 療法有効量の薬剤を肝障害の後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  31. 療法有効量の薬剤を肝障害の約1〜23時間後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  32. 療法有効量の薬剤を肝障害の約1日後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  33. 療法有効量の薬剤を肝障害の約2日後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  34. 療法有効量の薬剤を肝障害の約3日後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  35. 療法有効量の薬剤を肝障害の約4日後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  36. 療法有効量の薬剤を肝障害の約5日後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  37. 療法有効量の薬剤を肝障害の約6日後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  38. 療法有効量の薬剤を肝障害の約1週間後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  39. 療法有効量の薬剤を肝障害の約2週間後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  40. 療法有効量の薬剤を肝障害の約3週間後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  41. 療法有効量の薬剤を肝障害の約1か月後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  42. 療法有効量の薬剤を肝障害の約2か月後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  43. 療法有効量の薬剤を肝障害の約3か月後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  44. 療法有効量の薬剤を肝障害の約4か月後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  45. 療法有効量の薬剤を肝障害の約5か月後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  46. 療法有効量の薬剤を肝障害の約6か月後に投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  47. 肝障害が、外傷性肝障害、肝硬変、肝線維症、肝感染症、肝移植、肝損傷(胆管障害、外科的肝臓切除および化学物質誘発性肝障害から生じるもの)のうち1以上を含む、請求項11〜46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 化学物質誘発性肝障害が、アセトアミノフェン誘発性肝障害およびアルコール誘発性肝障害のうち1以上を含む、請求項47に記載の方法。
  49. 療法有効量の薬剤の投与が、口腔内、歯、子宮頚管、筋肉内、吸入、頭蓋内、リンパ内、眼内、腹腔内、胸膜腔内、クモ膜下、気管内、子宮内、脈管内、静脈内、膀胱内、鼻腔内、眼、経口、耳、胆嚢潅流、心臓潅流、歯周、直腸、脊髄、皮下、舌下、局所、膣内、経皮、尿管、尿道、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される投与経路を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  50. 療法有効量の薬剤の投与が経口投与を含む、請求項49に記載の方法。
  51. 療法有効量の薬剤の投与が、ボーラス、エアゾール、計量エアゾール、咀嚼バー、カプセル剤、コートされたペレットを収容したカプセル剤、遅延放出ペレットを収容したカプセル剤、徐放ペレットを収容したカプセル剤、濃縮液剤、クリーム剤、強化クリーム剤、坐剤クリーム、ディスク剤、ドレッシング剤、エリキシル剤、乳剤、浣腸剤、徐放繊維、徐放フィルム、ガス剤、ゲル剤、計量ゲル剤、顆粒剤、遅延放出顆粒剤、発泡性顆粒剤、チューインガム、インプラント、吸入剤、注射剤、注射用脂質複合製剤、注射用リポソーム、挿入剤、徐放挿入剤、子宮内デバイス、ゼリー剤、液剤、徐放液剤、ローション剤、強化ローション剤、シャンプーローション剤、油剤、軟膏剤、強化軟膏剤、ペースト剤、香錠、ペレット剤、散剤、セッケン液剤、流込み用液剤、液剤/滴剤、濃縮液剤、ゲル形成液剤/滴剤、スポンジ、スプレー剤、計量スプレー剤、坐剤、懸濁液剤、懸濁液剤/滴剤、徐放懸濁液剤、スワブ、シロップ剤、錠剤、咀嚼錠、コートされた粒子を含有する錠剤、遅延放出錠、分散錠、発泡錠、徐放錠、口腔内崩壊錠、タンポン、テープ、およびトローチ/ロゼンジからなる群から選択される剤形で薬剤を投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  52. 療法有効量の薬剤の投与がNAD前駆体をボーラスとして投与することを含む、請求項42に記載の方法。
  53. 療法有効量の薬剤の投与が1時間毎の投与を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  54. 療法有効量の薬剤の投与が1日1回の投与を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  55. 療法有効量の薬剤の投与が1日2回の投与を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  56. 療法有効量の薬剤の投与が1日3回の投与を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  57. 療法有効量の薬剤の投与が週1回の投与を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  58. 療法有効量の薬剤の投与が週2回の投与を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  59. 療法有効量の薬剤の投与が週3回の投与を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  60. 療法有効量の薬剤の投与が月1回の投与を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  61. 療法有効量のサーチュイン1(Sirt1)アゴニストを投与することを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  62. Sirt1アゴニストが、レスベラトロール、SRT2104、SRT1460、ブテイン、フィセチン、イソニコチンアミド(IsoNAM)、ピセアタンノール、ケルセチン、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
  63. 肝臓の再生を向上させる必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させる方法を提供するためのキットであって、療法有効量のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体またはNAD消費の阻害薬を単位剤形で含むキット。
  64. NAD前駆体が、NAD合成のためのデノボ経路の中間体、NADサルベージ経路の中間体、およびニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体のうち1種類以上を含む、請求項63に記載のキット。
  65. NAD合成のためのデノボ経路の中間体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド、ニコチン酸モノヌクレオチド、キノリン酸、3−ヒドロキシアントラニレート、3−ヒドロキシキヌレニン、キヌレニン、もしくはN−ホルミルキヌレニン、またはその医薬的に許容できる塩を含む、請求項64に記載のキット。
  66. NADサルベージ経路の中間体が、ニコチンアミドもしくはニコチンアミドモノヌクレオチド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、請求項64に記載のキット。
  67. ニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体が、ニコチンアミドリボシドもしくはニコチン酸リボシド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、請求項64に記載のキット。
  68. NAD前駆体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸リボシド、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド、NADP、およびNAD自体、ならびにその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、請求項63に記載のキット。
  69. NAD消費の阻害薬が、ポリadp−リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬、CD38阻害薬、およびその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、請求項68に記載のキット。
  70. 療法有効量のサーチュイン1(Sirt1)アゴニストを含む、請求項63に記載のキット。
  71. Sirt1アゴニストが、レスベラトロール、SRT2104、SRT1460、ブテイン、フィセチン、イソニコチンアミド(IsoNAM)、ピセアタンノール、ケルセチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項70に記載のキット。
  72. 療法有効量のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)前駆体またはNAD消費の阻害薬、および生理的に適合するキャリヤー媒体を含む、肝臓の再生を向上させる必要がある哺乳類において肝臓の再生を向上させるための医薬組成物。
  73. NAD前駆体が、NAD合成のためのデノボ経路の中間体、NADサルベージ経路の中間体、およびニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体のうち1種類以上を含む、請求項72に記載の医薬組成物。
  74. NAD合成のためのデノボ経路の中間体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド、ニコチン酸モノヌクレオチド、キノリン酸、3−ヒドロキシアントラニレート、3−ヒドロキシキヌレニン、キヌレニン、もしくはN−ホルミルキヌレニン、またはその医薬的に許容できる塩を含む、請求項73に記載の医薬組成物。
  75. NADサルベージ経路の中間体が、ニコチンアミドもしくはニコチンアミドモノヌクレオチド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、請求項73に記載の医薬組成物。
  76. ニコチンアミドリボシドキナーゼ経路の中間体が、ニコチンアミドリボシドもしくはニコチン酸リボシド、またはその医薬的に許容できる塩を含む、請求項73に記載の医薬組成物。
  77. NAD前駆体が、トリプトファン、ニコチン酸、ニコチン酸リボシド、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド、NADP、およびNAD自体、ならびにその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、請求項72に記載の医薬組成物。
  78. NAD消費の阻害薬が、ポリadp−リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬、CD38阻害薬、およびその医薬的に許容できる塩からなる群から選択される、請求項72に記載の医薬組成物。
  79. 医薬組成物が単位剤形で製造される、請求項72〜78のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  80. 単位剤形が、ボーラス、エアゾール、計量エアゾール、咀嚼バー、カプセル剤、コートされたペレットを収容したカプセル剤、遅延放出ペレットを収容したカプセル剤、徐放ペレットを収容したカプセル剤、濃縮液剤、クリーム剤、強化クリーム剤、坐剤クリーム、ディスク剤、ドレッシング剤、エリキシル剤、乳剤、浣腸剤、徐放繊維、徐放フィルム、ガス剤、ゲル剤、計量ゲル剤、顆粒剤、遅延放出顆粒剤、発泡性顆粒剤、チューインガム、インプラント、吸入剤、注射剤、注射用脂質複合製剤、注射用リポソーム、挿入剤、徐放挿入剤、子宮内デバイス、ゼリー剤、液剤、徐放液剤、ローション剤、強化ローション剤、シャンプーローション剤、油剤、軟膏剤、強化軟膏剤、ペースト剤、香錠、ペレット剤、散剤、セッケン液剤、流込み用液剤、液剤/滴剤、濃縮液剤、ゲル形成液剤/滴剤、スポンジ、スプレー剤、計量スプレー剤、坐剤、懸濁液剤、懸濁液剤/滴剤、徐放懸濁液剤、スワブ、シロップ剤、錠剤、咀嚼錠、コートされた粒子を含有する錠剤、遅延放出錠、分散錠、発泡錠、徐放錠、口腔内崩壊錠、タンポン、テープ、およびトローチ/ロゼンジからなる群から選択される、請求項79に記載の医薬組成物。
  81. 単位剤形がボーラスである、請求項80に記載の医薬組成物。
  82. 療法有効量のサーチュイン1(Sirt1)アゴニストを含む、請求項72に記載の医薬組成物。
  83. Sirt1アゴニストが、レスベラトロール、SRT2104、SRT1460、ブテイン、フィセチン、イソニコチンアミド(IsoNAM)、ピセアタンノール、ケルセチン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項81に記載の医薬組成物。
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