JP2019502905A - 少なくとも1個の物体を光学的に検出する検出器 - Google Patents
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Abstract
少なくとも1個の物体(162)の位置を決定するための検出器(110)が開示される。検出器(110)は、物体(162)から検出器(110)へと移動する少なくとも1つの光ビーム(174)の縦方向位置を決定するための少なくとも1個の縦方向光学センサ(155)であって、縦方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの縦方向センサ領域を有し、光ビーム(174)による縦方向感受性エリアの照明に依存する形で少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するように設計され、縦方向センサ信号は照明の総出力が同じである場合に縦方向感受性エリア内の光ビーム(174)のビーム断面に依存する、縦方向光学センサ(155)と、物体(162)から検出器(110)へと移動する少なくとも1つの光ビーム(174)の少なくとも1つの横方向位置を決定するための少なくとも1個の横方向光学センサ(112)であって、横方向感受性エリア(116)を形成する少なくとも1つの蛍光性導波シート(114)であって、物体(162)から検出器(110)へと伝播する少なくとも1つの光ビーム(174)が横方向感受性エリア(116)内で少なくとも1つの光点(148、150)を生成するように、物体(162)に向かうように配向され、少なくとも1つの蛍光性材料(122)を含有し、蛍光性材料(122)が光ビーム(174)によって照明されたことに応答して蛍光発光を生成するように適合される、蛍光性導波シート(114)、少なくとも2つの感光性要素(124、126、128,130)であって、蛍光性導波シート(114)によって光点(148、150)から感光性要素(124、126、128,130)へと誘導される蛍光発光を検出する能力を有する蛍光性導波シート(114)の少なくとも2つのエッジ(132、134、136、138)に位置し、横方向センサ信号を生成する能力を有する、感光性要素(124、126、128,130)を含む横方向光学センサ(112)と、縦方向センサ信号を評価することによって物体(162)の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように構成される少なくとも1個の評価装置(140)であって、感光性要素(124、126、128,130)の横方向センサ信号を評価することによって物体(162)の少なくとも1つの横方向座標を決定するようにさらに構成される、評価装置(140)とを含む。さらに、検出器(110)を含むカメラ(156)、検出器システム(158)、ヒューマンマシンインターフェース(164)、娯楽装置(166)、追跡システム(168)、および走査システム(170)も開示される。
Description
本発明は、少なくとも1個の物体の位置を決定するための検出器、検出器システムおよび方法に関する。本発明はさらに、使用者とマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するためのヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置、追跡システム、カメラ、走査システム、および検出装置の様々な使用に関する。本発明に係る装置、システム、方法および使用は具体的には例えば、日常生活、ゲーム、交通技術、製造技術、セキュリティ技術、芸術、文書作成もしくは技術目的のデジタル写真撮影もしくはビデオ写真撮影などの写真撮影、医療技術または科学の様々な分野に採用され得る。ただし、他の応用も可能である。
多数の光学センサおよび光起電装置が、先行技術から知られている。光起電装置は一般的に、紫外光、可視光または赤外光などの電磁放射を電気信号または電気エネルギーに変換する目的で使用される一方、光学検出器は一般的に、画像情報の取得および/または少なくとも1つの光学パラメータ、例えば輝度を検出する目的で使用される。
一般的に無機および/または有機センサ材料の使用に基づき得る、多数の光学センサが先行技術から知られている。このようなセンサの例は、米国特許出願公開第2007/0176165A1号、米国特許第6,995,445B2号、独国特許出願公開第2501124A1号、独国特許出願公開第3225372A1号、または他の多数の先行技術文献において開示されている。特にコストおよび大面積処理の理由から、例えば米国特許出願公開第2007/0176165A1号に記載されているような少なくとも1つの有機センサ材料を含むセンサの使用が広まっている。この分野では特に、例えば国際公開第2009/013282A1号に全般的に記載されている、いわゆる色素太陽電池の重要性が高まっている。ただし、本発明は有機装置の使用に限定されない。このように、具体的にはCCDセンサおよび/またはCMOSセンサなど無機装置、具体的にはピクセル化センサも採用され得る。
このような光学センサに基づいて、少なくとも1個の物体を検出する多数の検出器が知られている。このような検出器は、それぞれの使用目的に応じて多様な形で具現化され得る。このような検出器の例として画像処理装置、例えばカメラおよび/または顕微鏡が挙げられる。高分解能共焦点顕微鏡、例えば、特に医療技術および生物学の分野において生物試料を高い光学分解能で調べる目的に使用できる高分解能共焦点顕微鏡が知られている。少なくとも1個の物体を光学的に検出する検出器のさらなる例として、レーザパルスなどの対応する光学信号の伝播時間法に基づく測距装置が挙げられる。物体を光学的に検出する検出器のさらなる例として、同様に測距を実施可能な三角測量システムが挙げられる。
参照によってその内容が本明細書に含まれる国際公開第2012/110924A1号では、少なくとも1個の物体を光学的に検出する検出器が提案されている。検出器は少なくとも1個の縦方向光学センサを含む。縦方向光学センサは少なくとも1つのセンサ領域を有する。縦方向光学センサは、センサ領域の照明に依存する形で少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するように設計される。縦方向センサ信号は、照明の総出力が同じである場合、照明の幾何学、特に縦方向感受性エリア上の照明のビーム断面に依存する。検出器はさらに、少なくとも1個の評価装置をも有する。評価装置は、少なくとも1つの幾何学情報、特に照明および/または物体に関する少なくとも1つの幾何学情報を、縦方向センサ信号から生成するように設計される。
参照によってその内容の全体が本明細書に含まれる国際公開第2014/097181号は、少なくとも1個の縦方向光学センサおよび少なくとも1個の横方向光学センサを使用することによって少なくとも1個の物体の位置を決定するための方法および検出器を開示している。具体的には、曖昧さを伴わず高い正確度で物体の縦方向位置と少なくとも1つの横方向位置の両方を決定するための、センサスタックの使用が開示される。
参照によってその内容の全体が本明細書に含まれる国際公開第2015/024871A1号は、
光ビームの少なくとも1つの特性を空間的に分解する形で修正するように適合される少なくとも1個の空間光変調装置であって、複数のピクセルから成るマトリクスを有し、各ピクセルは、ピクセルを通過する光ビームの一部の少なくとも1つの光学特性を個別に修正するよう制御可能である、空間光変調装置と、
空間光変調装置における複数のピクセルから成るマトリクスを通過後に光ビームを検出して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように適合される少なくとも1個の光学センサと、
ピクセルの少なくとも2個を別々の変調周波数で周期的に制御するように適合される少なくとも1個の変調装置と、
変調周波数のセンサ信号の信号成分を決定する目的で周波数分析を実行するように適合される少なくとも1個の評価装置と
を含む光学検出器を開示している。
光ビームの少なくとも1つの特性を空間的に分解する形で修正するように適合される少なくとも1個の空間光変調装置であって、複数のピクセルから成るマトリクスを有し、各ピクセルは、ピクセルを通過する光ビームの一部の少なくとも1つの光学特性を個別に修正するよう制御可能である、空間光変調装置と、
空間光変調装置における複数のピクセルから成るマトリクスを通過後に光ビームを検出して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように適合される少なくとも1個の光学センサと、
ピクセルの少なくとも2個を別々の変調周波数で周期的に制御するように適合される少なくとも1個の変調装置と、
変調周波数のセンサ信号の信号成分を決定する目的で周波数分析を実行するように適合される少なくとも1個の評価装置と
を含む光学検出器を開示している。
参照によってその内容の全体が本明細書に含まれる国際公開第2014/198629A1号は、少なくとも1個の物体の位置を決定するための検出器であって、
物体から検出器へと伝播する光ビームを検出するように適合され、複数のピクセルから成る少なくとも1つのマトリクス(152)を有する少なくとも1個の光学センサと、
光ビームによって照明される光学センサのピクセル数Nを決定するように適合され、さらに、光ビームによって照明されるピクセル数Nの使用によって物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように適合される少なくとも1個の評価装置と
を含む検出器を開示している。
物体から検出器へと伝播する光ビームを検出するように適合され、複数のピクセルから成る少なくとも1つのマトリクス(152)を有する少なくとも1個の光学センサと、
光ビームによって照明される光学センサのピクセル数Nを決定するように適合され、さらに、光ビームによって照明されるピクセル数Nの使用によって物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように適合される少なくとも1個の評価装置と
を含む検出器を開示している。
さらに、一般的に、他の様々な検出器の概念についても国際公開第2014/198626A1号、国際公開第2014/198629A1号および国際公開第2014/198625A1号を参照することができ、参照によってこれらの文献の内容の全体が本明細書に含まれる。さらに、本発明の文脈において採用され得る潜在的材料および光学センサを参考に、2015年1月30日に出願された欧州特許出願第15153215.7号、2015年3月3日に出願された欧州特許出願第15157363.1号、2015年4月22日に出願された欧州特許出願第15164653.6号、2015年7月17日に出願された欧州特許出願第15177275.3号、2015年8月10日に出願された欧州特許出願第15180354.1号と欧州特許出願第15180353.3号、および2015年9月14日に出願された欧州特許出願第15185005.4号を参照することができ、参照によってこれらの文献の内容の全体が本明細書に含まれる。
上述の装置および検出器により、様々な優位性が示唆されているものの、いくつかの技術的課題がまだ残っている。このように、一般的に、空間内での物体の位置を検出する、信頼性があると同時に低コストで製造可能な検出器が必要とされている。具体的には、3Dセンシングの概念が必要とされている。既知の様々な概念は少なくとも部分的に、上述の概念の複数に該当するような、いわゆるFiPセンサの使用に基づく。その場合、一例として、個々のセンサピクセルが光点より大幅に広く、特定のサイズに固定される、大面積センサが使用され得る。依然、多くの場合、大面積センサは本質的にFiP測定原理の使用に限られ、具体的には複数の光点を同時に調査する場合に限られる。
さらに、追跡のためのFiPセンサを使用する3Dセンシングの概念は典型的に、1個または複数のFiPセンサと、任意で位置感受性検出器(PSDまたはPIF)の組み合わせを必要とする。FiPセンサとPSD装置は典型的に、色素増感太陽電池などにおいて電気的に連結され、またはFiP検出器とPSDに分離される。光学システムとしては、典型的には、複数の検出器の少なくとも1個を半透明の形で設計するのが望ましい。しかし、半透明性は、FiP検出器とPSD検出器双方における材料の選択肢を制限する。このように、FiP検出器および/またはPSD検出器の透明性が依然として技術的課題である。FiP検出器またはPSD検出器の使用におけるさらなる課題は、検出エリアまたは活性エリアである。典型的には、測距には大きな活性エリアの検出器が使用され、または必要とされる。しかし、このエリアは、特に四側方伝導性概念を採用してPSDを構築する場合にノイズ問題を生じ得る。これは、検出器の直列抵抗に関連する静電容量の増大による信号対ノイズ比の低下および検出器応答時間の遅れをもたらすことが多い。
あるいは、国際公開第2014/198629A1号で開示されているピクセル計数の概念のように、ピクセル化光学センサを使用してもよい。これらの概念は3D座標の効率的決定を勘案するものであり、また三角測量など既知の3Dセンシングの概念と比べ大幅に優れているものの、特に計算能力とリソースの必要性のほか、効率性の増進に関しても、いくつか課題が残る。一般的に、CCDおよび/またはCMOSセンサおよび/または光ダイオード(無機光ダイオードまたは有機光ダイオードなど)など、普通に入手可能な横方向光学センサの採用が望ましい場合もある。
さらに、P.Bartu,R.Koeppe,N.Arnold,A.Neulinger,L.Fallon, and S.Bauer、Conformable large−area position−sensitive photodetectors based on luminescence collecting silicone waveguides、J.Appl.Phys.107、123101(2010)にも、大面積や湾曲表面に適すると考えられる一種の位置感受性検出器(PSD)が記載されている。この種のPSD装置は、装置のエッジなどに規則的なパターンで配置する、または装置全体にわたり分散させることができる小型シリコン光ダイオードと併用される、蛍光性色素を埋め込んだ平面シリコン導波路に基づく。衝突するレーザ光はPSD装置内で色素によって吸収された後、より大波長の蛍光発光として再放出され得る。蛍光性色素分子からの等方性放出が支配的であることから、再放出される光は少なくとも部分的に平面シリコン導波路に結合され、シリコン光ダイオードの方向に差し向けられ、そこで光信号がシリコン光ダイオード経由で検出され得る。全地球測位システム(GPS)から既知のアルゴリズムを使用することによって、光点の位置を決定することができる。この種のPSD装置に関連するさらなる詳細および今後の開発に関する情報については国際公開第2009/105801A1号、国際公開第2010/118409A2号、国際公開第2010/118450A1号、国際公開第2013/090960A1号、国際公開第2013/116883A1号、および国際公開第2015/081362A1号を参照するとよい。ただし、この種のPSD装置は3Dセンシングに適応していないため、この目的に十分に適する光学検出器を提供するにはさらなる開発が必要である。
上述の先行技術文書の複数における概念など、既知の概念に関するこの議論は、いくつかの技術的課題が依然残ることを明確に示すものである。具体的には、測距、2次元センシング、または3次元センシング向けの位置検出器の正確性向上に関して言えば、まだ改善の余地がある。さらに、光学システムの複雑さも依然、対処可能な争点として残っている。
P.Bartu,R.Koeppe,N.Arnold,A.Neulinger,L.Fallon, and S.Bauer、Conformable large−area position−sensitive photodetectors based on luminescence collecting silicone waveguides、J.Appl.Phys.107、123101(2010)
したがって、本発明の目的は、既知の装置および方法における上述の技術的課題に直面する装置および方法を提供することにある。具体的には、本発明の目的は、空間内での物体の位置を確実に決定できる、好ましくは技術的労力が少なく済み、技術的なリソースと費用に関する要件も低い装置および方法を提供することである。
この課題は、独立特許請求項の特徴を有する本発明によって解決される。個別にまたは組み合わせて実現することができる本発明の有利な発展形態は、従属請求項および/または以下の明細書および詳細な実施形態において提示される。
以下で使用されるとき、用語「有する」、「備える」、または「含む」、あるいはそれらの用語の文法上の任意の異形は、非排他的に使用される。このように、これらの用語は、これらの用語によってもたらされる特徴以外に、その文脈で記述される実体に付加的特徴が存在しない状況と、1つまたは複数の付加的特徴が存在する状況の両方を指す場合がある。一例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、Aの中にB以外の他の要素が存在しない状況(すなわちAがもっぱらBのみで構成される状況)と、実体Aの中に、B以外に、要素C、要素CとDまたはさらに多くの要素など1つまたは複数の付加的要素が存在する状況の両方を指す場合がある。
さらに、注意しなければならない点として、「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」または同様の、ある特徴または要素が1回または複数回存在し得ることを示す表現は典型的に、各々の特徴または要素を紹介する場合に限り使用される。以下、ほとんどの場合、各々の特徴または要素に言及する際、各々の特徴または要素が1回または複数回存在し得るという事実に関係なく、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」という表現は反復されない。
さらに、以下で使用されるとき、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「具体的には」、「より具体的には」または同様の用語は、代替的な可能性を限定しない任意の特徴と併せて使用される。このように、これらの用語によってもたらされる特徴は任意の特徴であり、特許請求の範囲を何らかの形で限定することを意図するものではない。本発明は、当業者であれば認識すると予想されるとおり、代替的特徴を使用することによって実行することもできる。同様に、「本発明の一実施形態では」または同様の表現によってもたらされる特徴も、任意の特徴であることを意図するものであり、それら任意の特徴は、本発明の代替的実施形態を限定せず、本発明の範囲を限定せず、このような形でもたらされる特徴を本発明における他の任意の特徴または任意でない特徴と組み合わせる可能性を限定しない。
本発明の第1の態様において、少なくとも1個の物体の位置を決定するための検出器が開示される。本明細書で使用されるとき、「位置」は空間内の物体および/または物体の少なくとも一部の配置および/または配向に関する少なくとも1つの情報を指す。従って、少なくとも1つの情報は、物体の少なくとも1つの点と少なくとも1個の検出器との間における少なくとも1つの距離を意味し得る。以下にてさらに詳しく概説するとおり、距離は縦方向座標を指す、または物体における点の縦方向座標の決定に貢献し得る。付加的または代替的に、物体および/または物体の少なくとも一部の配置および/または配向に関する1つまたは複数の他の情報も決定され得る。一例として、物体および/または物体の少なくとも一部の横方向座標が決定され得る。このように、物体の位置は物体および/または物体の少なくとも一部の少なくとも1つの縦方向座標を意味し得る。付加的または代替的に、物体の位置は物体および/または物体の少なくとも一部の少なくとも1つの横方向座標を意味し得る。付加的または代替的に、物体の位置は、空間内での物体の配向を示す、物体の少なくとも1つの配向情報を意味し得る。
検出器は
物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置を決定ためのする少なくとも1個の縦方向光学センサであって、縦方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの縦方向センサ領域を有し、光ビームによる縦方向感受性エリア領域の照明に依存する形で少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するように設計され、縦方向センサ信号は照明の総出力が同じである場合に縦方向感受性エリア内の光ビームのビーム断面に依存する、縦方向光学センサと、
物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの少なくとも1つの横方向位置を決定するための少なくとも1個の横方向光学センサであって、
横方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの蛍光性導波シートであって、物体から検出器へと伝播する少なくとも1つの光ビームが横方向感受性エリア内で少なくとも1つの光点を生成するように、物体に向けて配向され、少なくとも1つの蛍光性材料を含有し、蛍光性材料が光ビームによって照明されたことに応答して蛍光発光を生成するように適合される、蛍光性導波シート、
少なくとも2つの感光性要素であって、蛍光性導波シートによって光点から感光性要素へと誘導される蛍光性発光とも呼ばれる蛍光発光を検出する能力を有する蛍光性導波シートの少なくとも2つのエッジに位置し、横方向センサ信号を生成する能力を有する、感光性要素
を含む横方向光学センサと、
縦方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように構成される少なくとも1個の評価装置であって、感光性要素の横方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するようにさらに構成される、評価装置と
を含む。
物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置を決定ためのする少なくとも1個の縦方向光学センサであって、縦方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの縦方向センサ領域を有し、光ビームによる縦方向感受性エリア領域の照明に依存する形で少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するように設計され、縦方向センサ信号は照明の総出力が同じである場合に縦方向感受性エリア内の光ビームのビーム断面に依存する、縦方向光学センサと、
物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの少なくとも1つの横方向位置を決定するための少なくとも1個の横方向光学センサであって、
横方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの蛍光性導波シートであって、物体から検出器へと伝播する少なくとも1つの光ビームが横方向感受性エリア内で少なくとも1つの光点を生成するように、物体に向けて配向され、少なくとも1つの蛍光性材料を含有し、蛍光性材料が光ビームによって照明されたことに応答して蛍光発光を生成するように適合される、蛍光性導波シート、
少なくとも2つの感光性要素であって、蛍光性導波シートによって光点から感光性要素へと誘導される蛍光性発光とも呼ばれる蛍光発光を検出する能力を有する蛍光性導波シートの少なくとも2つのエッジに位置し、横方向センサ信号を生成する能力を有する、感光性要素
を含む横方向光学センサと、
縦方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように構成される少なくとも1個の評価装置であって、感光性要素の横方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するようにさらに構成される、評価装置と
を含む。
明示的に指定される場合を除き、本明細書で使用する「光学センサ」という用語またはその一部、例えば感受性エリア、またはそれに関連する何らかの特徴、例えばセンサ信号は、縦方向光学センサおよび横方向光学センサの片方または両方を指し得る。本発明に関し、縦方向光学センサは物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置の決定、および評価装置の採用による物体の少なくとも1つの縦方向座標zの決定に使用される一方、横方向光学センサは物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの横方向位置の決定、および感光性要素の横方向センサ信号を評価する評価装置の採用による物体の横方向座標x、yの少なくとも1つの決定に使用される。本発明では、横方向光学センサは、好ましくは、物体の空間位置の2つの側方成分の双方を、特に同時に提供する能力を有することにより、「位置感受性検出器」(PSD)として機能するように構成され得る。結果として、物体の少なくとも1つの縦方向座標を物体の少なくとも1つの横方向座標と組み合わせることにより、上記にて規定される物体の3次元位置をこのように、評価装置の使用によって決定することができる。
本明細書で使用されるとき、「光学センサ」は一般的に、光ビームによって生成される照明および/または光点の検出用など、光ビームを検出する感光性装置を指す。光学センサは、以下にてさらに詳しく概説するとおり、物体および/または物体の少なくとも一部、例えば検出器に向けて移動する少なくとも1つの光ビームの起点となる物体の少なくとも一部の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように適合され得る。
本明細書でさらに使用されるとき、「蛍光性導波シート」は一般的に、導波特性と蛍光特性の両方を有する要素を指す。その場合、「導波」は一般的に、複数の要素において紫外スペクトル、可視スペクトルまたは赤外スペクトルの範囲の1つまたは複数に該当する光を内部反射、具体的には内部全反射によって誘導する特性を指す。「蛍光」という用語は一般的に、ある要素または材料において紫外スペクトル、可視スペクトルまたは赤外スペクトルの範囲の1つまたは複数に該当する蛍光発光とも呼ばれる二次発光を、一次発光または励起発光など一次放射または励起放射とも呼ばれる電磁放射による励起に応答して放出する特性を指す。ほとんどの場合、放出光、蛍光発光または二次発光は、一次放射と比べ波長が長くエネルギーが低い。一次放射は典型的に、蛍光性材料の内部でいわゆる励起子など、励起状態の存在を誘発する。典型的に、UVから近赤外に移行するエネルギーを伴う光子放出の励起状態減衰時間は、0.5〜20ナノ秒の範囲である。しかし、本発明の範囲内で、電磁放射は、以下にてより詳しく記載するとおり、好ましくは主に400nm〜900nmの波長範囲に吸収され、吸収極大は好ましくは500nm〜850nmの波長範囲で発生する一方、好ましくは放出光の波長がより長い、すなわち好ましくは可視スペクトル範囲または赤外スペクトル範囲、より好ましくは赤外スペクトル範囲、特に780nm〜3.0マイクロメートルの範囲にある。同様に、本明細書で使用されるとき、「蛍光性材料」という用語は一般的に、蛍光特性を有する材料を指す。「蛍光発光」という用語は一般的に、上述の蛍光方法の過程で生じる二次発光を指す。
蛍光性導波シートは、以下にてさらに詳しく概説するとおり、具体的には、シート状の形状を有する要素またはシートである要素である、または係る要素を含み得る。本明細書で使用されるとき、「シート」は一般的に、要素の厚さを大幅に超える、例えば少なくとも5倍、より好ましくは10倍、さらに好ましくは少なくとも20倍、50倍、または100倍である、直径または相当直径のような側方の広がりを有する要素を指す。シートは具体的には可撓性、可塑性または剛性であってもよい。
以下にてさらに詳しく概説するとおり、蛍光性導波シートは具体的には、透明の材料、具体的には透明のシートであるか、または透明のシートを含み得る。透明性は可視スペクトル範囲において50%以上70%以下、またはその一部、例えば500nm〜700nmの範囲の透明性であってもよい。他の実施形態も実現可能である。
本明細書でさらに使用されるとき、「感受性エリア」という用語は一般的に、ある要素において外部からの影響に対して感受性であり、また例えば外部から刺激されたことに応答して少なくとも1つの反応を生じる2次元領域または3次元領域を指す。本発明の場合、具体的には横方向光学センサの蛍光性導波シートの場合、横方向感受性エリアは光学的励起に対して感受性であってもよい。横方向感受性エリアは具体的には、蛍光性導波シートの表面または容積の一部、例えば蛍光性導波シートの表面全体またはその一部であってもよい。
一般的に、蛍光性材料または蛍光性導波シートは非線形の特性を有し、すなわち蛍光性が光ビームの照明、つまり励起発光の強度の出力に関する非線形関数であるという蛍光特性を示す。非線形の蛍光特性は、蛍光材料の分野で幅広く知られている。蛍光性における非線形の特性は一般的に、様々な物理的工程を背景に発生する。従って、理論に縛られることを望まなくても、非線形蛍光性は、具体的には励起子−励起子−消光または励起子−励起子−再結合に起因し得る飽和効果によって発生し得る。他の消光工程も一般的に知られており、蛍光性に関する文献に記載されている。最も一般的には、光ビームまたは励起光の強度が高くなるにつれ、蛍光性の総出力は準比例的に光ビームの強度に追従する。大抵、飽和効果が観察される。これらの非線形蛍光特性を、本発明の文脈で言えば、物体の横方向座標の決定に使用することができる。
本発明ではさらに、縦方向感受性エリアは照明の幾何形状、特に縦方向感受性エリアを照明する照明のビーム断面に対して感受性であってもよい。この目的のため、縦方向光学センサは1個または複数の光検出器、好ましくは1個または複数の色素増感有機太陽電池(DSC)、例えば1個または複数の固体色素増感有機太陽電池(SDSC)を含み得る。従って、縦方向感受性エリアは光検出器の第1電極と第2電極との間に埋め込まれる少なくとも1つの光起電材料によって形成され得、光起電材料は光による照明に対して感受性であることにより、光に応答して電荷を生じるように適合され得る。詳しくは国際公開第2012/110924A1号および国際公開第2014/097181A1号を参照するとよい。
あるいは、縦方向感受性エリアは少なくとも1つの光伝導性材料によって形成されてもよく、光伝導性材料は光による照明に対して感受性であることにより、光伝導性材料の導電性を交互にし得る。従って、特別な一例として、縦方向感受性エリアは、光伝導性モードで駆動される少なくとも1個の光ダイオードによって形成され得る。適切な光伝導性材料については上述の2015年1月30日に出願された欧州特許出願第15153215.7号、2015年3月3日に出願された欧州特許出願第15157363.1号、2015年4月22日に出願された欧州特許出願第15164653.6号、2015年7月17日に出願された欧州特許出願第15177275.3号、2015年8月10日に出願された欧州特許出願第15180354.1号と欧州特許出願第15180353.3号、および2015年9月14日に出願された欧州特許出願第15185005.4号を参照するとよい。
本発明の文脈において提案される縦方向光学センサおよび方法は、具体的には、いわゆる「FiP効果」の実装として捉えることができ、FiP効果は国際公開第2012/110924A1号および/または国際公開第2014/097181A1においてさらに詳しく説明されている。これらの文献において、「FiP」は、信号iが生成され得る効果を示唆し、これは照明の総出力Pが同じであるという前提で、光子密度、光子束、および結果的に入射ビームの断面φ(F)に依存する。したがって、縦方向座標の決定は縦方向座標zの直接決定を意味する、または光点のサイズを定義する1つまたは複数のパラメータの決定を意味する、または両方を同時もしくは段階的な形で意味し得る。
さらに、FiP効果は国際公開第2012/110924A1において開示されているとおり、光ビームの適切な変調に依存し得る、またはそれによって強調され得る。したがって、好ましくは、検出器はさらに、照明を変調する少なくとも1個の変調装置をも有し得る。相応に、検出器は、異なる変調、特に異なる変調周波数を含む少なくとも2つの縦方向センサ信号の場合に、少なくとも2つの縦方向センサ信号を検出するように設計され得る。この場合、変調された少なくとも2つの縦方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように、評価装置を構成することができる。したがって、縦方向光学センサは、照明の総出力が同じである場合、少なくとも1つの縦方向センサ信号が照明の変調の変調周波数に依存するような形で設計され得る。
さらに、検出器はあるいは、または好ましくは付加的に、異なる変調、特に異なる変調周波数を含む少なくとも2つの横方向センサ信号の場合に少なくとも2つの横方向センサ信号を検出するように設計され得る。この場合、変調された少なくとも2つの横方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するように、評価装置をさらに構成することができる。このように、横方向光学センサは、少なくとも1つの横方向センサ信号が照明の変調の変調周波数にも依存し得るような形で設計され得る。
本発明でさらに使用されるとき、「物体に向けて配向される」という表現は一般的に、蛍光性導波シートの表面またはこの表面の一部、具体的には感受性エリアが物体から完全にまたは部分的に見える状況を指す。具体的には、物体の少なくとも1つの点と感受性エリアの少なくとも1つの点との間を相互に繋ぐ少なくとも1つの線は、感受性エリアの表面要素または蛍光性導波シートの表面要素との間に0°以外の角度、例えば20°〜90°の範囲の角度を形成し得る。ただし、他の実施形態も実現可能である。
しかし、最も好ましくは、少なくとも1つの蛍光性導波シート、横方向感受性エリアまたはその一部が、横方向光学センサおよび/または検出器の光軸に対して本質的に垂直に配向される。好ましくは、縦方向感受性エリアまたはその一部が本質的に同じ形で、特に横方向感受性エリアに対して平行な配置で配向される。結果として、特に、物体の縦方向座標と横方向座標双方の決定における誤差の最小化が可能となり得る。従って、物体が光軸上または光軸付近に位置する場合、物体から検出器へと伝播する光ビームは光軸に対して本質的に平行となり得る。本明細書で使用されるとき、「本質的に垂直」という用語は垂直配向の状態を指し、許容差は例えば±20°以下、好ましくは±10°以下、より好ましくは±5°以下である。同様に、「本質的に平行」という用語は平行配向の状態を指し、許容差は例えば±20°以下、好ましくは±10°以下、より好ましくは±5°以下である。
少なくとも2個の光学センサ、すなわち横方向光学センサと少なくとも1個の縦方向光学センサは本発明に従って使用されることから、これらの光学センサは、具体的には光学センサの1個または複数が透明または半透明である好適な事例において、1つの同一のビーム経路内に位置し得る。特に、横方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの蛍光性導波シートを含む横方向光学センサは、好ましくは透明または半透明の特性を示すものであってもよい。本発明に従って、このように、入射光ビームが最初に横方向光学センサに衝突し、次いで複数の縦方向光学センサの1個に衝突するという形で、複数の縦方向光学センサの少なくとも1個の前方において、横方向光学センサを少なくとも1個の縦方向光学センサと同じビーム経路内に配置することが実現可能となり得る。この場合、最後の1個を除くすべての縦方向光学センサが一様に透明または半透明の特性を示し得る。これに関する限り、強調できる点として、複数の縦方向光学センサの少なくとも1個の前方で横方向光学センサを同じビーム経路内に配置するという可能性は、この特徴が一般的に、普通に入手可能な横方向光学センサ、特に通常は既知のCCDセンサおよび/またはCMOSセンサなど不透明の無機材料に基づく位置感受性装置では実現され得ないことから、本発明の配置における特異的な優位性を成すものである。
代替的または付加的に、複数の光学センサの少なくとも2個を、検出器における別々の部分的ビーム経路内に配置することができる。従って、例えば1つまたは複数のビーム分割要素、具体的には1つまたは複数の半透明のミラーおよび/またはビーム分割キューブの使用によって検出器のビーム経路を2つ以上の部分的ビーム経路へと分割することができる。他の実施形態も実現可能である。
本明細書でさらに使用されるとき、「光点」は一般的に、視認可能または検出可能な円形または非円形の、光ビームによる物体の照明を指す。光点内では光が完全にまたは部分的に散乱される、あるいは単純に伝送され得る。
光ビームは物体から検出器へと伝播する。以下にてさらに詳しく概説するとおり、光ビームは、物体から、例えば物体および/または物体に一体化または装着された光ビームを放出する少なくとも1個の照明源から発生するか、あるいは異なる照明源、例えば物体を直接または間接的に照明する照明源から発生してもよく、光ビームは物体によって反射または散乱されることにより、少なくとも一部が検出器の方向に差し向けられる。本発明では、少なくとも1個の照明源は、好ましくは400nm〜900nmの範囲、より好ましくは550nm〜850nmの範囲、特に600nm〜800nmの範囲をカバーする波長範囲の光を放出し得、蛍光性着色剤、特に色素など蛍光性材料は、以下にてさらに詳しく記載するとおり、吸収極大を示し得る。
本明細書でさらに使用されるとき、「光ビーム」という用語は一般的に、ある量の光、具体的には本質的に同じ方向で移動し、拡散角度または拡幅角度を有する可能性を含む、ある量の光を指す。光ビームは、具体的には、以下にてさらに詳しく概説するとおり、ガウス光ビームであってもよい。ただし、他の実施形態も実現可能である。
本明細書で使用されるとき、「感光性要素」という用語は一般的に、紫外スペクトル、可視スペクトルまたは赤外スペクトルの範囲の1つまたは複数に該当する照明に対して感受性である要素を指す。具体的には、感光性要素は光ダイオード、光電セル、光伝導体、光トランジスタまたはこれらの任意の組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの要素であるか、またはそれを含み得る。任意の他の種類の感光性要素を使用してもよい。以下にてさらに詳しく概説するとおり、感光性要素は一般的に、完全にまたは部分的に無機材料を原料としても、および/または完全にまたは部分的に有機材料を原料としてもよい。最も一般的には、以下にてさらに詳しく概説するとおり、1個または複数の光ダイオード、例えば無機半導体光ダイオードなど市販の光ダイオードを使用してもよい。
本明細書でさらに使用されるとき、「エッジ」という用語は一般的に、少なくとも1つの蛍光性導波シートの境界、例えば蛍光性導波シートの側方境界または側方エッジまたはおもて面または裏面を指す。このように、当業者であれば認識するとおり、「エッジ」という用語は一般的に、蛍光性導波シートと空気など周囲雰囲気との間の界面または境界を指す場合もある。具体的には、エッジは蛍光性導波シートによって形成される感光性エリアの境界であってもよい。「〜に位置する」という用語は一般的に、感光性要素がエッジに直接位置する、またはエッジに近接するという事実を指す。一例として、エッジから発生して感光性要素の方向に向かう光の少なくとも50%が、散乱、ビーム拡幅または他の損失によって失われることなく、個別の感光性要素によって収集される。一例として、感光性要素はエッジから10mm以内、より好ましくは5mm以内の間隔の位置に位置し得る。ただし、注意点として、蛍光発光を接続するための他の実施形態も実現可能である。最も好ましくは、すべての感光性要素について同等の測定条件を提供するように、すべての感光性要素がそれぞれ対応する蛍光性導波シートのエッジと相対的に同じ形で位置する。
一例として、蛍光性導波シートの少なくとも2つのエッジに位置する感光性要素は、完全にまたは部分的に蛍光性導波シートと同一面内に位置してもよく、および/または完全にまたは部分的に別の面内に位置してもよい。後者の場合、以下にてさらに詳しく概説するとおり、一例として、蛍光性導波シートの各エッジと各感光性要素との間に、少なくとも1つの光学的結合要素の使用による光学的結合が発生してもよい。さらに、複数の感光性要素の少なくとも1つが蛍光性導波シートと同一面内に位置し、複数の感光性要素の少なくとも1つが蛍光性導波シートの面外に位置してもよい。さらに、感光性要素の少なくとも1つまたはさらにすべての感光性要素の視野方向が蛍光性導波シートの面と平行であるか、またはその面に対して垂直のような、別の方向であってもよい。ここで、蛍光性導波シートの「面」について説明する場合、この用語は必ずしも蛍光性導波シートが完全に平面であることを意味するわけではない。このように、一例として、蛍光性導波シートは湾曲または屈曲していてもよく、また蛍光性導波シートにおいて各感光性要素が位置する部分の面は局所的に接平面であってもよい。
本発明で使用されるとき、「エッジ」という用語は、蛍光性導波シートにおける直線または直線状境界域(以下では「直線状エッジ」ともいう)を指す場合もあれば、蛍光性導波シートの隅部など、蛍光性導波シートにおける非直線または非直線状境界域を指す場合もある。このように、複数の感光性要素の少なくとも1つ、複数の感光性要素またはさらにすべての感光性要素が、蛍光性導波シートの少なくとも1つの隅部、例えば蛍光性導波シートによって形成される第2の感光性エリアの少なくとも1つの隅部に位置してもよい。相応に、具体的には、エッジは蛍光性導波シートの周縁または周縁の一部分、例えば隅部および/または直線状周縁部分を含み得る。ただし付加的または代替的に、エッジは蛍光性導波シートの平坦面、例えばおもて面または裏面などを含んでもよい。
上記にて既に概説のとおり、光点から少なくとも1つの感光性要素を経て少なくとも1つの対応する感光性要素へと誘導される蛍光発光の供給を改善するため、蛍光性導波シートと対応する感光性要素との間に少なくとも1つの光学的結合要素を使用することによる、少なくとも1つの光学的結合が発生し得る。従って、蛍光性導波シートから、そして好ましくは少なくとも部分的に感光性要素内に、蛍光性導波シートによって誘導される蛍光発光と少なくとも部分的に結合されるように構成される少なくとも1つの光学的結合要素によって、複数の感光性要素の少なくとも1つ、複数の感光性要素またはさらにすべての感光性要素が蛍光性導波シートに光学的に結合され得る。本明細書で使用されるとき、「光学的結合要素」という用語は一般的に、蛍光性導波シート内で導波中に発生する蛍光性導波シート内の内部全反射の分配、減衰または遮断の1つまたは複数を目的に構成される任意の要素を指す。従って、一例として、光学的結合要素は蛍光性導波シートと感光性要素および/または空気など周囲雰囲気との間に屈折指数を有する任意の透明な要素であってもよい。従って、一例として、蛍光性導波シートの屈折指数をn1で表わし、感光性要素の屈折指数をn2で表わすとすると、光学的結合要素の屈折指数n3はn1<n3<n2またはn1>n3>n2であってもよい。
光学的結合要素は蛍光性導波シートにおける物体に面する表面および/または物体から見て外方を向いている表面など、蛍光性導波シートの少なくとも1つの表面と直接接触する状態であってもよい。さらに、光学的結合要素は各感光性要素と直接接触する状態であってもよい。さらに、各感光性要素について独立の光学的結合要素が提供され得る、あるいは複数の感光性要素が1つの共通の光学的結合要素を共有し得るか、あるいは複数の光学的結合要素が1つの感光性要素に結合され得る。
様々な光学的結合方法が広く当業者に知られており、蛍光性導波シートからの蛍光発光を各感光性要素に結合するために使用され得る。このように、一例として、少なくとも1つの光学的結合要素は、感光性要素を蛍光性導波シートに付着させる透明な接着剤の一部分;蛍光性導波シートにおける物体に向いている表面および/または物体と反対向きの表面といった蛍光性導波シート内の表明内のような蛍光性導波シート内のエッチング処理部分;蛍光性導波シートにおける物体に向いている表面および/または物体と反対向きの表面といった蛍光性導波シート内のスクラッチのような蛍光性導波シート内のスクラッチ;プリズムから成る群から選択される少なくとも1つの要素を含み得る。付加的または代替的に、他の光学的結合要素も一般的に知られており、本発明においても使用され得る。最も簡単な一例において、少なくとも1つの感光性要素は蛍光性導波シートの表面に、少なくとも1つの透明の接着剤、例えば透明エポキシによって単純に接着され得る。他の光結合方法も実現可能である。
少なくとも2つの感光性要素の配置に関して、複数の可能性が存在する。相応に、一例として、少なくとも2つの感光性要素は、少なくとも2つの直線状エッジ、例えば対向する直線状周縁部分のような蛍光性導波シートの少なくとも2つの対向するエッジ;蛍光性導波シートの少なくとも2つの対向する隅部のような少なくとも2つの隅部;蛍光性導波シートの少なくとも1つの隅部と少なくとも1つの直線状エッジ、例えば少なくとも1つの直線状周縁部分、の1つまたは複数に位置し得る。他の可能性も一般的にもたらされる。
本明細書で使用されるとき、「センサ信号」は一般的に少なくとも1個の光学センサによって、特に縦方向感受性エリアと感光性要素によって同時に、照明されたことに応答して生成される任意の記憶可能かつ転送可能な信号を指す。従って、一例として、センサ信号は、デジタル電子信号および/またはアナログ電子信号であるか、またはこれらの信号を含み得る、少なくとも1つの電子信号であるか、またはそれを含み得る。センサ信号は少なくとも1つの電圧信号および/または少なくとも1つの電流信号であるか、またはそれを含み得る。さらに、生のセンサ信号が使用され得るか、または検出器、光学センサもしくは任意の他の要素がセンサ信号を処理するか、またはフィルタリングなどによる前処理のような前処理を行うように適合されることにより、センサ信号としても使用され得る二次センサ信号を生成し得る。
本明細書でさらに使用されるとき、「評価装置」という用語は一般に、好ましくは少なくとも1個のデータ処理装置の使用によって、より好ましくは少なくとも1個のプロセッサおよび/または少なくとも1個の専用集積回路の使用によって、指定された演算を実行するように適合される任意の装置を指す。従って、一例として、少なくとも1個の評価装置は複数のコンピュータコマンドを含むソフトウェアコードを保存している少なくとも1個のデータ処理装置を含み得る。
具体的には、以下にてさらに詳しく概説するとおり、評価装置は縦方法センサ信号の大きさと物体の縦方向座標との間における少なくとも1つの既知の決定可能なまたは既定の関係を使用することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。さらに、評価装置は付加的に、少なくとも2つの感光性要素の横方向センサ信号の相対的大きさと物体の横方向座標との間における少なくとも1つの既知の決定可能なまたは既定の関係を使用することによって物体の横方向座標x、yの少なくとも1つを決定するように構成され得る。
本発明により、評価装置は照明が変調される場合の変調周波数を考慮に入れるよう任意で構成され得る。従って、国際公開第2012/110924A1号において詳しく概説されているとおり、複数の縦方向センサ信号を、同じ縦方向光学センサによって、物体の照明における異なる複数の変調周波数の使用によって検出することができる。このように、少なくとも2つの縦方向センサ信号を、照明における異なる変調周波数にて取得することができ、これら少なくとも2つのセンサ信号から、例えば対応する較正曲線との比較により、照明の総出力および/または幾何形状を推測することができ、および/またはそれらを基に、直接または間接的に、物体の少なくとも1つの縦方向座標を推測することができ、および/または異なる変調周波数を有する光に照明され得る2個の異なる物体またはそれらの一部を区別することができる。
あるいは、好ましくは付加的に、複数の横方向センサ信号を、同じ横方向光学センサによって、物体の照明における異なる複数の変調周波数の使用によって検出することもできる。従って、少なくとも2つの横方向センサ信号を、照明における異なる変調周波数にて取得することができ、その少なくとも2つのセンサ信号から、例えば対応する較正曲線との比較により、照明の総出力および/または幾何形状を推測することができ、および/または同様に、異なる変調周波数を有する光に照明され得る2個の異なる物体またはそれらの一部を区別することができる。
さらに、相応に、異なる変調周波数にて取得される少なくとも2つの縦方向センサ信号を、同じ変調周波数にて好ましくは縦方向センサ信号と同時に取得される少なくとも2つの横方向センサ信号と組み合わせることにより、2個の異なる物体またはそれらの一部の間の空間的区別を提供することも可能となり得る。言い換えれば、本発明に係る検出器は、2個の個別の物体間および/または1個の単一の物体における2つの個別の部分間、さらには同じ視野方向内に位置し得る複数の物体間の区別を容易に可能にし得るという、特別な優位性を示し得る。異なる複数の物体またはそれらの一部を2種類の異なる光学センサによって検出するための同様の方法の使用は、付加的に、評価装置内の対応する決定手順の簡略化を可能にし得る。
上述の操作は、物体の少なくとも1つの縦方向座標および少なくとも1つの横方向座標の決定を含め、少なくとも1個の評価装置によって実行される。相応に、一例として、上述の関係の1つまたは複数は、例えば1つまたは複数のルックアップテーブルの実装など、ソフトウェアおよび/またはハードウェアにおいて実装され得る。このように、一例として、評価装置は、一方では非線形縦方向センサ信号の評価によって物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定し、他方では横方向センサ信号の評価および組み合わせによって物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するために上述の評価を実行するように構成される1つまたは複数のコンピュータ、用途別集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような1個または複数のプログラマブル装置を含み得る。ただし付加的または代替的に、評価装置は完全にまたは部分的にハードウェアによって具現化され得る。
さらなる注意点として、上述の装置の2個以上を、光学センサおよび評価装置を含めて、完全にまたは部分的に1個または複数の装置に一体化してもよい。一般的に、評価装置を完全にまたは部分的に、複数の光学センサの少なくとも1個に一体化してもよい。付加的または代替的に、評価装置を完全にまたは部分的に、両方の機能を実行する、一例として1つもしくは複数のASICおよび/または1つもしくは複数のFPGAのような1つまたは複数のハードウェアコンポーネントを含み得る1個の共通する装置に一体化してもよい。付加的または代替的に、評価装置は完全にまたは部分的に、1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントの使用によって実装され得る。一体化の度合いは評価速度および最大周波数にも影響を及ぼし得る。相応に、上記にて概説のとおり、検出器は完全にまたは部分的に、静止画像の取得またはビデオクリップの取得に適するカメラとして具現化され得る、および/またはそのようなカメラの内部で使用され得る。
上述の実施形態の1つまたは複数に記載の検出器は、以下にて簡潔に論ずるとおり様々な形で修正および改善またはさらに最適化され得ると同時に、当業者が認識するような様々な任意の組み合わせで実装され得る。
検出器は単一の縦方向光学センサまたは複数の縦方向光学センサを含み得る。従って、参照によって含まれる上述の様々な出願、具体的には国際公開第2014/097181A1号において論じられているとおり、焦点の前後において等しい距離の光点のサイズに曖昧さが存在する。それ故に、具体的にはこの曖昧さを解決するために、複数の縦方向光学センサを使用することができ、その場合、縦方向光学センサは光ビームの1つまたは複数のビーム経路沿いの異なる位置に配置される。その結果、縦方向光学センサ信号および/または2個以上の縦方向光学センサによって得られる結果の比較により、焦点が縦方向光学センサより手前に位置する状態(ビームは典型的に拡幅する)、縦方向光学センサより後方に位置する状態(ビームは典型的に狭くなる)、または中間に位置する状態のいずれであるか決定することができ、後者の場合、3個以上の縦方向光学センサの使用が必要になることが多い。従って、具体的には、少なくとも2個の縦方向光学センサの縦方向センサ信号の評価によって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように、評価装置を構成することができる。複数の縦方向光学センサの少なくとも2個は、物体と少なくとも2個の縦方向光学センサとの間の光経路長さが非同一となるように、光ビームの少なくとも1つのビーム経路沿いの異なる位置に配置され得る。評価装置は具体的には、縦方向センサ信号と縦方向座標zとの間の関係における曖昧さを解決するために、少なくとも2個の縦方向光学センサの縦方向センサ信号を使用するように構成され得る。
検出器はさらに、照明の変調、特に周期的変調のための少なくとも1個の変調装置、特に周期的ビーム遮断装置をも含み得る。照明変調は、照明の総出力を、好ましくは周期的に、特に1つまたは複数の変調周波数、例えば0.1Hz〜10kHzなど、0.05Hz〜1MHzの周波数で変化させるプロセスを意味すると理解されるべきである。特に、周期的変調は、照明の総出力の最大値と最小値との間で有効化され得る。最小値は0であってもよいが、例えば完全な変調を有効化する必要がないように、最小値は0より大きい値であってもよい。変調は、例えば物体と光学センサとの間のビーム経路において、例えば前記ビーム経路内に配置されている少なくとも1個の変調装置によって有効化され得る。ただし、あるいは付加的に、以下にてさらに詳しく記載されるとおり、物体を照明するための任意の照明源と物体との間のビーム経路において、例えば前記ビーム経路内に配置される少なくとも1個の変調装置によって変調を有効化することもできる。これらの可能性の組み合わせも考えられる。
少なくとも1個の変調装置は、例えば、好ましくは一定速度で回転し、その結果、照明を周期的に遮断することができる、少なくとも1個の遮断ブレードまたは遮断ホイールを含むビームチョッパまたは他の種類の周期的ビーム遮断装置を含み得る。ただし、あるいは付加的に、1個または複数の異なる種類の変調装置、例えば電気光学効果および/または音響光学効果に基づく変調装置の使用も可能である。同じく、あるいは付加的に、例えば前記照明源自体が変調強度および/または総出力、例えば周期的変調総出力を有することによって、および/または前記照明源がパルス照明源、例えばパルスレーザとして具現化されることによって、少なくとも1個の任意の照明源自体が変調照明を生成するように設計することもできる。従って、一例として、少なくとも1個の変調装置を照明源に完全にまたは部分的に一体化してもよい。他にも様々な可能性が実現可能である。
上述のように、従って、異なる変調の場合に少なくとも2つのセンサ信号、特にそれぞれ変調周波数が異なる2つのセンサ信号を同時および/または連続的に検出するように検出器を設計してもよい。さらに、少なくとも2つのセンサ信号から幾何学的座標を生成するように評価装置を設計してもよい。その結果、一例として、曖昧さを解消することができ、および/または例えば照明の総出力は一般的に未知の場合もあるという事実を考慮に入れることができる。さらに、それ故に、異なる変調周波数を有する個々の光ビームによって生成される少なくとも2つの異なる光点を互いに区別できる場合もある。
検出器はさらに、1つまたは複数の付加的な光学的要素を含んでもよい。一例として、検出器および/または光学センサは、転送装置の文脈で以下にてさらに詳しく概説するように、1つまたは複数のレンズおよび/または1つまたは複数の平坦もしくは湾曲型の反射要素を含み得る。ただし具体的には、光学センサおよび/または検出器はさらに、フィルタ要素における少なくとも1つの光学フィルタとも呼ばれる少なくとも1つの波長選択要素を含んでもよい。一例として、少なくとも1個の光学フィルタは少なくとも1個の透過フィルタもしくは吸収フィルタ、少なくとも1個のグレーチング、少なくとも1個のダイクロイックミラーまたはこれらの任意の組み合わせを含み得る。他の種類の波長選択要素を使用してもよい。好ましくは、少なくとも1個の光学センサは、少なくとも1個の光学ショートパスフィルタを有する少なくとも1個の光学フィルタ要素を含む。一例として、光学ショートパスフィルタは、光ビームが最初に、少なくとも1つの蛍光性導波シートを通過し、好ましくはその後、2番目に少なくとも1個のショートパスフィルタを通過するように、少なくとも1つの蛍光性導波シートの後方のビーム経路内に位置し得る。少なくとも1個のショートパスフィルタの後方のビーム経路内に、好ましくは、少なくとも1つの参照感光性要素など少なくとも1つのさらなる要素が配置され得る。
このように、一般的に、上記にて概説のとおり、横方向センサはさらに、参照光センサ、参照検出器または感光性参照要素とも呼ばれる少なくとも1つの参照感光性要素を含んでもよい。参照感光性要素は、一般的に、少なくとも1つの蛍光性導波シートを通過する前もしくは後の光ビームまたはこの光ビームの一部を検出するように構成および/または配置される任意の感光性要素であってもよい。上記にて概説のとおり、少なくとも1つの感光性要素は具体的には較正および/または標準化を目的に、例えば上述の手段および方法を多かれ少なかれ光ビームの総出力と無関係にするために使用され得る。少なくとも1つの参照感光性要素は一般的に少なくとも1つの感光性要素と同様の形で設計され得、一例として、光ダイオード、光電セル、光伝導体、光トランジスタもしくはこれらの組み合わせの1つまたは複数を含み得る。少なくとも1つの参照感光性要素は具体的には有機感光性要素および無機感光性要素から成る群から選択され得る。参照感光性要素は具体的には、一例として蛍光性導波シートおよび/またはその感受性エリアの面積の少なくとも10%、例えば10%〜100%をカバーする大面積感光性要素であるか、またはそれを含み得る。少なくとも1つの参照感光性要素は具体的には、蛍光性導波シートを通過した後の光ビームの光を検出し、少なくとも1つの参照センサ信号を生成するように設計され得る。上記にて概説のとおり、少なくとも1つの参照センサ信号は具体的には感光性要素の横方向センサ信号の標準化に使用され得る。評価装置は具体的には、以下にてさらに詳しく概説するように、物体の位置を決定するために、好ましくは物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを決定するために参照センサ信号を考慮に入れるように適合され得る。
上記にて概説のように、検出器は物体の全体または1つもしくは複数の部分の縦方向座標の決定という選択肢を含め、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定可能とされる。ただし付加的に、1つまたは複数の横方向座標および/もしくは回転座標を含めた物体の他の座標は、検出器によって、具体的には評価装置によって決定される。従って、一例として、光ビームによって生成される光点の横方向位置は、横方向感受性エリア内における、光点の中心の座標および/または光点の最大強度の座標の決定によるなどで評価され得る。典型的に検出器の光学的設定の特性は、検出器の1つまたは複数のビーム経路内に配置される1つもしくは複数のレンズまたは他の屈折要素の位置および/または特性を知ることなどによって判明することから、物体の少なくとも1つの横方向座標は評価装置によって決定され得る。このように、一般的に、評価装置は少なくとも1つの蛍光性導波シートの横方向感受性エリア上での光ビームの位置の決定によって物体の少なくとも1つの横方向感受性x、yを決定するように適合される。
このように、一般的に、評価装置は感光性要素のセンサ信号の評価によって物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを決定するように構成される。1つまたは複数の方向における少なくとも1つの横方向座標の決定を目的に、感光性要素の横方向センサ信号が比較され得る。従って、当業者にとっては明白であるように、蛍光性導波シートによって光点から、および結果的に蛍光発光の生成位置から感光性要素へと誘導される蛍光発光を表わす各感光性要素のセンサ信号は、光点と各感光性要素との間の距離に依存する。一般的に、光点と各感光性要素との間の距離が長くなるにつれ、各感光性要素のセンサ信号は、導波中の損失および/または蛍光発光の拡散などが原因で減少する。異なる既知の位置に位置する複数の感光性要素のセンサ信号の比較により、蛍光性導波シート上での光点の側方位置または横方向位置を決定することができ、それを基に、例えば光点の横方向位置と物体の横方向座標との間における既知のまたは決定可能な関係を使用して物体の横方向座標を決定することができる。同じく、一般的に当業者に知られているレンズ方程式など、経験的関係および/または準経験的関係および/または分析的関係を使用することができる。
一例として、少なくとも2つの感光性要素の少なくとも2つの横方向センサ信号間の少なくとも1つの差分信号が、これらのセンサ信号の比較および結果としての横方向座標の決定のために生成され得る。したがって、評価装置は、感光性要素の少なくとも2つによって生成される少なくとも2つの複数の横方向センサ信号間の少なくとも1つの差分信号Dを形成するように構成される少なくとも1個の減算装置を含み得る。横方向センサ信号は少なくとも1つの第1のセンサ信号s1および少なくとも1つの第2のセンサ信号s2を含み、少なくとも1つの差分信号Dは、具体的には、好ましくはa=1かつb=1である、実数の係数a、bを用いたa・s1−b・s2に比例してもよい。この簡易例では、少なくとも1つの差分信号Dは具体的には以下の式(1)
D=(a・s1−b・s2)/(a・s1+b・s2)
に従って導出される。
D=(a・s1−b・s2)/(a・s1+b・s2)
に従って導出される。
減算装置は、具体的には、物体の少なくとも1つの第1の横方向座標xが導出されるための、少なくとも1つの第1の差分信号Dxを形成するように構成されてもよい。減算装置はさらに、物体の少なくとも1つの第2の横方向座標yが導出されるための、少なくとも1つの第2の差分信号Dyを形成するように構成されてもよい。その結果、一例として、物体のデカルト座標が導出され得る。ただし注意点として、総体的設定の幾何学などに応じて極座標系など他の座標系も使用され得る。
第1の差分信号Dxは具体的にはx方向またはx次元とも呼ばれ得る第1次元内の導波シートにおいて対向するエッジに位置する少なくとも2つの感光性要素の少なくとも2つの横方向センサ信号sx1、sx2から生成され得る。同様に、第2の差分信号Dyはy方向またはy次元とも呼ばれ得る第2次元内の導波シートにおいて対向するエッジに位置する少なくとも2つの感光性要素の少なくとも2つの横方向センサ信号sy1、sy2から生成され得る。このように、座標系を、検出器の光軸をz軸とし、蛍光性導波シートの例えばz軸に対して垂直の面内で2つの軸xおよびyを定義することができる。ただし、他の座標系も実現可能である。
少なくとも1つの第1の差分信号Dxは具体的に、好ましくはa=1、b=1、c=1かつd=1である、実数の係数a、b、c、dを用いて、以下の式(2)
Dx=(a・sx1−b・sx2)/(a・sx1+b・sx2)に従って生成され得、
相応に、少なくとも1つの第2の差分信号Dyは以下の式(3)
Dx=(c・sy1−d・sy2)/(c・sy1+d・sy2)に従って導出され得る。ただし、他の例も実現可能である。
Dx=(a・sx1−b・sx2)/(a・sx1+b・sx2)に従って生成され得、
相応に、少なくとも1つの第2の差分信号Dyは以下の式(3)
Dx=(c・sy1−d・sy2)/(c・sy1+d・sy2)に従って導出され得る。ただし、他の例も実現可能である。
検出器のさらなる任意の詳細では感光性要素、及び任意で少なくとも1つの参照感光性要素に言及し得る。従って、感光性要素は蛍光性導波シートにおいて対向するエッジ、例えば対向する直線状周縁部分に位置する少なくとも2つの感光性要素を含み得る。一例として、蛍光性導波シートは少なくとも1つの矩形の蛍光性導波シートであるか、またはそれを含み得、少なくとも2つの感光性要素は矩形の蛍光性導波シートにおいて対向する平行なエッジ、例えば対向する直線状周縁部分に位置し得る。一例として、2つの平行なエッジ、例えば2つの平行な周縁部分はx方向内で対向する形で位置し、各エッジが少なくとも1つの感光性要素を有し得、および/または2つの平行なエッジ、例えば2つの平行な周縁部分はy方向内で対向する形で位置し、各エッジが少なくとも1つの感光性要素を有し得る。このように、一般的に、矩形の蛍光性導波シートのエッジまたは周縁部分はx−y座標系の軸に対して垂直に配向され得る。ただし注意点として、他の幾何学的形状および/または他の座標系も実現可能である。しかし、記載のデカルト座標系は技術的視点から見てかなり実施しやすく、またセンサ信号の評価は、例えば上述の式の1つまたは複数を使用することによって、かなり単純である。
感光性要素は具体的には、座標系の第1次元、例えばx次元内の蛍光性導波シートにおいて対向するエッジに位置する感光性要素の第1のペアを少なくとも1つ含み得、感光性要素はさらに、座標系の第2次元、例えばy次元内の蛍光性導波シートにおいて対向するエッジに位置する感光性要素の第2のペアをも少なくとも1つ含み得る。
さらなる任意の詳細では少なくとも1つの蛍光性導波シートおよび/または横方向感受性エリアに言及し得る。従って、一例として、横方向感受性エリアは具体的には均一な感受性エリアであってもよい。相応に、横方向感受性エリアは、ピクセルなど部分的エリアに物理的に細分化されなくてもよい。反対に、横方向感受性エリアは均等な蛍光性を形成する1つの均一なエリアであってもよい。好ましくは、縦方向感受性エリアまたはその一部は本質的に同じ形で具現化され、結果的に同じく均一な感受性エリアを含み得る。
感受性エリアは具体的には大型感受性エリアであってもよい。従って、一例として、感受性エリアの表面積は少なくとも5mm2、好ましくは少なくとも10mm2、より好ましくは少なくとも100mm2、より好ましくは少なくとも400mm2であってもよい。一例として、感受性エリアの表面積は5mm2〜10,000mm2の範囲、例えば100mm2〜2500mm2の範囲であってもよい。感受性エリアの大面積設計は多数の面で有利である。このように、具体的には感受性エリアの表面積を増やすことにより、横方向座標の決定の解像度を高めることができる。さらに、検出器の視野、例えば視角を、大型感受性エリアの使用によって拡幅することができる。
さらに、相応に、例えば感受性エリアの拡大に対して同等の規模を使用することによって、互いに近接する、好ましくは連続的な形で位置し得る横方向光学センサおよび少なくとも1個の縦方向光学センサの両方によって同じ入射光ビームを記録できるように、横方向光学センサおよび少なくとも1個の縦方向光学センサの均一な感受性エリアを調節することが可能となり得る。本明細書で使用されるとき、「同等の規模」という用語は縦方向感受性エリアおよび横方向感受性エリア双方の側方次元が0.1〜10の係数の範囲内、好ましくは0.3〜3の係数の範囲内、より好ましくは0.9〜1.1の係数の範囲内で同一であるという観察を指す。これに関する限り、そのような実施形態はCCDセンサおよび/またはCMOSセンサなど普通に入手可能なピクセル化感受性エリアを含むPSD装置、すなわち本発明の範囲内で採用されるようなFiP技術と両立性のある一般的に最大10,000mm2以上の均一な大型感受性エリアを採用するPSD装置とは明確に対照的なPSD装置を使用しても実現し得ないという点に言及することができる。
あるいは、大面積ダイオード、特に無機半導体センサ、例えばシリコンセンサ、ゲルマニウムセンサ、またはCdTeセンサ、または透明太陽電池などを含む普通に入手可能なさらなるPSD装置は通常、異なる電極に対して異なる横方向センサ信号を受信するように適合される抵抗性中間層を有する。しかし、一般的に、大面積ダイオードは容量Cの値がより高く、したがって「時間定数」とも呼ばれる積R・Cの値がより高い(Rは対応するダイオードの電気抵抗を表わす)。しかし、普通に入手可能なPSD装置は時間定数の値がより大きい結果、低周波域では周波数応答がかなり限られる。従って、この不利を回避するため、ドット型光ダイオードなど小型ダイオードまたは長尺光ダイオードは、特に、範囲が小さいことを背景に通常は小さい時間定数を含むことから、本発明に係る蛍光性導波シートにおける少なくとも2つのエッジに位置する感光性要素として使用され得る。したがって、対応する横方向センサ信号のより高い読み出し周波数のほか、その結果として、より高い照明変調周波数も実現可能となり得る。しかし、照明されないまたはごくわずかしか照明されないFiPセンサは通常、示す時間定数値が小さいので、より高い読み出し周波数および/または変調周波数は本発明に関して特に有利となり得る。従って、感光性要素が含まれるような小型ダイオードの横方向センサ信号の評価によって横方向座標x、yに関する物体の動きが分かれば、時間定数値を容易に補正することができる。それ故に、結果として、より高速の検出器を一体的な形で得ることができる。
蛍光性導波シートは具体的には少なくとも1つの平面シートを含み得る。ただしその場合、わずかな曲率もまた許容され得る。しかし、他の実施形態では、例えば一部の応用において望ましいと考えられる特有の光学的効果を誘発する目的で、蛍光性導波シートを湾曲型蛍光性導波シートとして具現化することもできる。このように、本発明の検出器の優位性の1つは、蛍光性導波シートが具体的に湾曲型、可撓性である、または特有の幾何学を有し得るという事実に存在し得る。
蛍光性導波シートは厚さが10μm〜3mm、好ましくは100μm〜1mm、例えば50μm〜2mmである。導波シートの厚さは具体的には検出器の光軸に沿った導波シートの1つの次元であってもよい。厚さは蛍光発光の導波特性を改善または最適化するように適合され得る。
上記にて概説のとおり、蛍光性導波シートは完全にまたは部分的に剛性であってもよく、あるいは、完全にまたは部分的に可撓性もしくは可塑性として具現化され得る。
蛍光性導波シートは少なくとも1つのマトリクス材料を含み得る。本明細書で使用されるとき、「マトリクス材料」という用語は一般的に、蛍光性導波シートの主要部分を形成し、蛍光性導波シートの本体を規定する材料を指す。一例として、マトリクス材料は1つまたは複数の付加的材料を混合、化学的結合、分散または溶解などによって内部に受容する能力を有する材料であってもよい。このように、少なくとも1つの蛍光性材料は好ましくはマトリクス中に埋め込まれる、すなわち蛍光性材料はマトリクス材料中に混合されるか、マトリクス材料中に分散されるか、マトリクス材料に化学的に結合されるか、またはマトリクス材料中に溶解されるか、の1つまたは複数であってもよい。
マトリクス材料は具体的には少なくとも1つのプラスチック材料であるか、またはそれを含み得る。プラスチック材料は具体的には少なくとも1つのポリマー材料である、またはそれを含み得る。プラスチック材料は、一例として、
C2−C10−モノオレフィン、1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、ビニルアルコールおよびそのC2−C10−アルキルエステル、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、C1−C10−アルコールのアクリレートおよびメタクリレート、ビニル芳香族、(メタ)アクリロニトリル、無水マレイン酸、ならびにエチレン的に不飽和のモノカルボン酸およびジカルボン酸から選択される少なくとも1つの共重合モノマーを含むホモポリマーおよびコポリマー
ビニルアセタールのホモポリマーおよびコポリマー
ポリビニルエステル
ポリビニルクロリド
ポリカーボネート
ポリエステル
ポリエーテル
ポリエーテルケトン
熱可塑性ポリウレタン
ポリスルフィド
ポリスルホン
ポリエーテルスルホン
セルロースアルキルエステル
ポリプロピレン
ポリエチレンテレフタレート
およびこれらの複数の混合物
から選択される少なくとも1つの材料であるか、またはそれを含み得る。
C2−C10−モノオレフィン、1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、ビニルアルコールおよびそのC2−C10−アルキルエステル、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、C1−C10−アルコールのアクリレートおよびメタクリレート、ビニル芳香族、(メタ)アクリロニトリル、無水マレイン酸、ならびにエチレン的に不飽和のモノカルボン酸およびジカルボン酸から選択される少なくとも1つの共重合モノマーを含むホモポリマーおよびコポリマー
ビニルアセタールのホモポリマーおよびコポリマー
ポリビニルエステル
ポリビニルクロリド
ポリカーボネート
ポリエステル
ポリエーテル
ポリエーテルケトン
熱可塑性ポリウレタン
ポリスルフィド
ポリスルホン
ポリエーテルスルホン
セルロースアルキルエステル
ポリプロピレン
ポリエチレンテレフタレート
およびこれらの複数の混合物
から選択される少なくとも1つの材料であるか、またはそれを含み得る。
例としてC4−C8−アルコール類(特にブタノール、ヘキサノール、オクタノール、および2−エチルヘキサノール)からの同一または異なるアルコール成分を有するポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー(EPDM)、ポリスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート(ASA)、スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレートコポリマー(SBMMA)、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、スチレン−メタクリル酸コポリマー(SMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリビニルアルコール(PVAL)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシブチル酸(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸(PHV)、ポリ乳酸(PLA)、エチルセルロース(EC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、および酢酸/酪酸セルロース(CAB)も挙げられる。
好ましくは、プラスチック材料はポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロリドから成る群から選択される少なくとも1つの材料であるか、またはそれを含み得る。ただし、他の材料も実現可能である。特に選好されるのはポリカーボネートまたはポリ(メチルメタクリレート)である。
マトリクス材料はさらに、ポリマーの安定化に適する安定剤を含んでもよい。そのような安定剤は当業者に知られており、例として抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、オゾン劣化防止剤など、特にヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。「ヒンダードアミン系光安定剤」という用語は、典型的に2,2,6,6テトラアルキルピペリジンによって表わされる化合物区分に属する立体的ヒンダードアミンを指す。
マトリクス材料が安定剤を含む場合、マトリクス材料は好ましくはすべてのマトリクス材料の合計質量を基準として0.001質量%〜10質量%の安定剤を含む。
好適な一実施形態によれば、マトリクス材料はポリマー材料から成る。
蛍光性材料は一般的に任意のフルオロフォアを含み得る。具体的には、少なくとも1つの蛍光性材料は少なくとも1つの蛍光性着色剤、好ましくは少なくとも1つの蛍光性色素を含み得る。特に、少なくとも1つの蛍光性材料は蛍光性着色剤、好ましくは蛍光性色素である。
多様な蛍光性色素、好ましくは色素は一般的に当業者に知られている。上記にて概説のとおり、これらの蛍光性色素はほとんどが上述の飽和効果を示すことから、蛍光性は励起の非線形関数となる。一例として、蛍光性色素は光ビームによって飽和状態になり得ることにより、蛍光性色素によって生じる蛍光発光の総出力は光ビームの強度の非線形関数である。具体的には、蛍光発光の総出力は光ビームの強度に対して準比例的であってもよい。
蛍光性色素は具体的には少なくとも1つの有機蛍光性色素を含み得る。ただし、付加的または代替的に、無機色素を使用してもよい。
好適な一実施形態によれば、蛍光性着色剤、好ましくは蛍光性色素はスチルベン、ベンゾオキサゾール、スクアライン、ビスジフェニルエチレン、クマリン、メロシアニン、ベンゾピラン、ナフタルイミド、リレン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、シアニン、キサンテン、オキサジン、オキサジアゾール、スクアライン、オキサジオール、アントラキノン、アクリジン、アリールメタン、ホウ素ジピロメテン、アザホウ素ジピロメテン、ビオランスロン、イソビオランスロンおよびジケトピロロピロールから成る群から選択される。より好ましくは、蛍光性着色剤はリレン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、シアニン、キサンテン、オキサジン、ホウ素ジピロメテン、アザホウ素ジピロメテンおよびジケトピロロピロールから成る群から、さらに好ましくはリレン、キサンテンおよびフタロシアニンから成る群から選択される。
さらに好適な一実施形態によれば、蛍光性色素は具体的には、キサンテン誘導体、好ましくはフルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン、テキサスレッド、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;シアニン誘導体、好ましくはシアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;スクアライン誘導体または環置換スクアライン、好ましくはSeta、SeTau、およびSquare色素、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;ナフタレン誘導体、好ましくはダンシルもしくはそのプロダン誘導体の1つまたは複数;クマリン誘導体;オキサジアゾール誘導体、好ましくはピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;アントラセン誘導体、好ましくはアントラキノン、DRAQ5、DRAQ7、CyTRAKオレンジ、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;ピレン誘導体、好ましくはカスケードブルー;オキサジン誘導体、好ましくはナイルレッド、ナイルブルー、クレジルバイオレット、オキサジン170、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;アクリジン誘導体、好ましくはプロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;アリールメチン誘導体、好ましくはオーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;テトラピロール誘導体、好ましくはポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンの1つまたは複数;リレン色素もしくはその任意の誘導体、例えばペリレン色素;ナフタレンイミドまたはペリレンイミド;国際公開第2012/168395A1号において公開されているようなナフトイレンベンゾイミダゾール色素;または挙げられた物質の任意の成分の誘導体から成る群から選択され得る。ただし注意点として、付加的または代替的に、他の色素を使用してもよい。
本発明の好適な一実施形態によれば、蛍光性材料は少なくとも1つの蛍光性着色剤、好ましくは蛍光性色素を含み、蛍光性着色剤は400nm〜900nmの波長範囲において500nm〜850nmの波長範囲で発生する吸収極大を有する。
一般的な用法として、「吸収」という用語は蛍光性着色剤などの物質において、入射放射、特に物質に衝突する光ビームを反射または伝送するよりむしろ、それを受け止め、分割された状態を維持することに関係する光学的特性を指す。したがって、反射を無視すれば、物質を通る入射放射の伝送は不完全となり得、その結果、衝突する光ビームが減衰する。しかし、概して、物質による入射放射の吸収は入射光ビームの波長に依存することから、物質の吸収は波長の増減範囲にわたり変動し得る。したがって、これに関して、「吸収極大」という用語は、物質による入射放射吸収が対応する波長に関して吸収の過程にわたり近隣の波長または波長範囲と比較して値が高くなり得る1つまたは複数の特異的な波長または波長範囲を指し得る。
特に好適な一実施形態では、吸収極大は既定の波長範囲、特に上述の400nm〜900nmの波長範囲全体にわたり絶対極大であってもよい。したがって、「絶対極大」という用語は、既定の波長範囲内で値が最高となる結果、既定の波長範囲内で他のすべての波長での物質吸収を超える、一種の物質吸収を表わす。ただし、「相対極大」も実現可能であり、すなわち例えば特定の波長での吸収が近隣の波長範囲での吸収を超える限りにおいて、着色剤の吸収極大の値が必ずしも最高となる必要はない。
本発明のこの好適な実施形態に関して、400nm〜900nmの波長範囲を踏まえ、蛍光性着色剤、好ましくは蛍光性色素は500nm〜850nmの波長範囲で発生する吸収極大を示す吸収特性を有する。ただし、この特徴は、400nm未満の波長範囲で発生し得るさらなる最大吸収極大を蛍光性着色剤が示し得ることが理解されなければならない。好ましくは、500nm〜850nmの波長範囲で発生する吸収極大は上記にて概説のように、400nm〜900nmの波長範囲における絶対極大である。より好ましくは、500nm〜850nmの波長範囲で発生する吸収極大は350〜900nmの範囲にわたる絶対極大である、すなわち400nm未満の波長範囲で任意で発生し得る如何なる付加的な極大も好ましくは相対極大である。
好ましくは、蛍光性着色剤、特に色素は、好ましくはマトリクス材料に埋め込まれた着色剤を使用して測定する場合に、400nm〜900nmの波長範囲において、より好ましくは600nm〜800nmの波長範囲において550nm〜850nmの波長範囲の吸収極大を示し得る。原則として、当業者に知られているどのような蛍光性着色剤、好ましくは蛍光性色素でも採用され得るが、前提条件として−この好適な実施形態によれば−これらの着色剤は上記にて規定される望ましい吸収極大を示す。近赤外スペクトル範囲内の蛍光性を示し得る蛍光性着色剤の使用において特に有利なのは、蛍光性がこのように、人間の目で感知できない波長域で発生し得ることであると考えられる。
概して、既定の波長範囲にわたる蛍光性着色剤の吸収過程を、蛍光性着色剤のみ使用して測定することができる。しかし、好適な一実施形態では、既定の波長範囲にわたる蛍光性着色剤の吸収過程を、マトリクス材料に埋め込まれた蛍光性着色剤を使用して測定することにより、蛍光性着色剤が配置されるマトリクス材料の吸収特性を考慮に入れることができる。
好ましくは、蛍光性着色剤はこのように、400nm〜900nmの波長範囲において500nm〜850nmの波長範囲内で発生する吸収極大を有する蛍光性着色剤、特に色素であり、スチルベン、ベンゾオキサゾール、スクアライン、ビスジフェニルエチレン、クマリン、メロシアニン、ベンゾピラン、ナフタルイミド、リレン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、シアニン、キサンテン、オキサジン、オキサジアゾール、スクアライン、オキサジオール、アントラキノン、アクリジン、アリールメタン、ホウ素ジピロメテン、アザホウ素ジピロメテン、ビオランスロン、イソビオランスロンおよびジケトピロロピロールから成る群から選択される、より好ましくはリレン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、シアニン、キサンテン、オキサジン、ホウ素ジピロメテン、アザホウ素ジピロメテン、およびジケトピロロピロールから成る群から選択される、さらに好ましくはリレン、キサンテンおよびフタロシアニンから成る群から選択される。
リレン着色剤
本明細書で使用されるとき、「リレン着色剤」という用語は、周縁位置で連結されるナフタレン単位から成るリレン骨格を含む着色剤を指す。そのようなリレン骨格の例としてペリレン、テリレンおよびクオテリレンが挙げられるが、これらに限定されない。このように、本発明に係るリレン着色剤は、リレン骨格、特に
のペリレン、テリレンまたはクオテリレンのコア構造に基づくコア構造を含む。
本明細書で使用されるとき、「リレン着色剤」という用語は、周縁位置で連結されるナフタレン単位から成るリレン骨格を含む着色剤を指す。そのようなリレン骨格の例としてペリレン、テリレンおよびクオテリレンが挙げられるが、これらに限定されない。このように、本発明に係るリレン着色剤は、リレン骨格、特に
のペリレン、テリレンまたはクオテリレンのコア構造に基づくコア構造を含む。
本発明の文脈で使用されるとき、「コア構造を含む」という用語は、示される構造が適切に置換され得るという意味を表わす。
好ましくは、リレン着色剤は多環式基Prを含み、多環式基はリレン骨格、特に少なくとも1つの基(ラジカル)Rrによって置換されるペリレン、テリレンまたはクオテリレンのコア構造を含み、Rrはアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−シクロアルキルおよび−O−シクロヘテロアルキルから成る群から選択される。理解されるべき点として、各残留Rrは互いに同一であっても異なっていてもよい。複数の基Rrが存在する場合、好ましくはすべての基Rrが同一である。
本発明の意味の範囲内で、「アルキル」という用語は非分枝鎖型アルキル残留物および分枝鎖型アルキル残留物に関する。この用語は1つまたは複数の適切な置換基によってさらに置換されるアルキル基をも包含する。本発明のこの文脈で使用されるとき、「置換アルキル」という用語は、好ましくは任意の位置で1つまたは複数の置換基、好ましくは1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの置換基、より好ましくは1つ、2つまたは3つの置換基によって置換されるアルキル基を指す。2つ以上の置換基が存在する場合、各置換基は少なくとも1つの他の置換基と同一であっても異なっていてもよい。概して置換基については制限がない。置換基は例えばアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸塩、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アクリルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、ウレイドを含む)、アミジノ、ニトロ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、トリフルオロメチル、シアノおよびアジドから成る群から選択され得る。そのような有機残留物の好適な置換基は例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲン、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボニル基、チオール基およびカルボキシル基である。
「ヘテロアルキル」という用語は、1個または複数のヘテロ原子もしくは、例えば、−O−、−S−、−NH−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−など官能基を含むアルキル残留物を指す。
「シクロアルキル」という用語は、例えばシクロペンチルまたはシクロヘキシルなど、5員環、6員環または7員環といった環を形成するアルキル基を指す。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1個または複数のヘテロ原子もしくは、例えば、−O−、−S−、−NH−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−など官能基、例えばモルフォリノ、ピペラジニルまたはピペリジニル、アルキルアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールを含むシクロアルキル基を指す。
本発明の意味の範囲内で、「アリール」という用語は、任意で適切に置換される5員または6員の単環芳香族基のほか、任意で適切に置換される多環式基、例えば二環式または三環式のアリール基を指すが、これらに限定されない。「アリール」という用語はこのように、任意に置換されるフェニル基または任意で適切に置換されるナフチル基を含む。アリール基は、ベンゾジオキソリルまたはテトラリンなどの多環式を形成するように、芳香族でない脂環式環またはヘテロシクロアルキル環によって融合または架橋される場合もある。
本発明の意味の範囲内で使用されるとき、「ヘテロアリール」という用語は、任意で適切に置換される5員および6員の単環芳香族基のほか、例えば1個または複数の、好ましくは1個〜4個、例えば1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含む三環式または二環式のアリール基のような置換または未置換の多環式アリール基を含み、アリール残留物が複数のヘテロ原子を含む場合、ヘテロ原子は同一であっても異なっていてもよい。1個〜4個のヘテロ原子を含むそのようなヘテロアリール基は例えば、ベンゾジオキソリル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾジオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、メチレンジオキシフェニリル、ナフチリジニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾフラニル、プリニル、デアザプリニル、またはインドリジニルである。
「任意に置換されるアリール」および「任意に置換されるヘテロアリール」という用語は、本発明の文脈で使用されるとき、アリール成分またはヘテロアリール成分におけるCまたはNなどの1個または複数の原子上で水素に代わる置換基を有する成分を表わす。更に、概して置換基については制限がない。置換基は、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸塩、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アクリルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、ニトロ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、シクロアルキル(シクロペンチルまたはシクロヘキシルなど)、ヘテロシクロアルキル(モルフォリノ、ピペラジニルまたはピペリジニルなど)、アルキルアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールから成る群から選択される。そのような有機残留物の好適な置換基は例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素などハロゲン、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボニル基、チオール基およびカルボキシル基である。
好ましくは、少なくとも1つの基Rrは、−O−アリールまたは−O−ヘテロアリール、より好ましくは−O−アルキルであり、最も好ましくは以下の構造
を有し、式中、Rr1、Rr2およびRr3は互いに独立に、H、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−アルキル、O−アリールおよびO−ヘテロアリールから成る群から選択され、より好ましくはRr1、Rr2およびRr3は互いに独立に、Hおよびアルキル、より好ましくはHおよびC1−C8アルキルから選択される。
を有し、式中、Rr1、Rr2およびRr3は互いに独立に、H、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−アルキル、O−アリールおよびO−ヘテロアリールから成る群から選択され、より好ましくはRr1、Rr2およびRr3は互いに独立に、Hおよびアルキル、より好ましくはHおよびC1−C8アルキルから選択される。
多環式基Prは好ましくは以下のコア構造
の1つを含み、
より好ましくは以下のコア構造
を含み、式中、Rr4およびRr5は互いに独立に、アルキルまたはアリール、好ましくはアリール、より好ましくはアルキル置換アリール、より好ましくはアルキル置換フェニル、より好ましくはC1−C6アルキル置換フェニル、さらに好ましくはオルトおよび/またはメタ位置をC1−C6アルキル基で置換したフェニル、最も好ましくはRr4およびRr5の少なくとも1つ、好ましくは両方が
であり、コア構造は好ましくは少なくとも1つのラジカルRrによって置換され、Rrは上述のとおりであり、好ましくはRrは以下のラジカル
から選択され、
またはコア構造は付加的置換基を全く含まない。
の1つを含み、
より好ましくは以下のコア構造
を含み、式中、Rr4およびRr5は互いに独立に、アルキルまたはアリール、好ましくはアリール、より好ましくはアルキル置換アリール、より好ましくはアルキル置換フェニル、より好ましくはC1−C6アルキル置換フェニル、さらに好ましくはオルトおよび/またはメタ位置をC1−C6アルキル基で置換したフェニル、最も好ましくはRr4およびRr5の少なくとも1つ、好ましくは両方が
であり、コア構造は好ましくは少なくとも1つのラジカルRrによって置換され、Rrは上述のとおりであり、好ましくはRrは以下のラジカル
から選択され、
またはコア構造は付加的置換基を全く含まない。
このように、着色剤は両方の異性体の混合物であってもよい。あるいは、着色剤は純粋な異性体であってもよい。
このように、好ましくは、本発明に係るリレン蛍光性着色剤は表1の化合物1、表1の化合物2、表1の化合物3、および表1の化合物4から成る群から選択される。
(2,13−ビス[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−5,10,16,21−テトラキス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−アントラ[9’’,1’’,2’’:6,5,10;10’’,5’’,6’’:6’,5’,10’]ジアントラ[2,1,9−デフ:2’,1’,9’−d’e’f’]ジイソキノリン−1,3,12,14(2H,13H)−テトロン)が特に好適である。
代替の好適な一実施形態によれば、リレン蛍光性着色剤、さらに好ましくは蛍光性着色剤は、表1の化合物15、表1の化合物16および表1の化合物17から成る群から選択される。
このように、本発明に係る好適なリレン着色剤は表1の化合物1、表1の化合物2、表1の化合物3、表1の化合物4、表1の化合物15、表1の化合物16および表1の化合物17である。しかし、より好ましくは、既に上記にて概説のとおり、本発明に係るリレン蛍光性着色剤は表1の化合物1、表1の化合物2、表1の化合物3、および表1の化合物4から成る群から選択され、最も好適なのは化合物4である。
上述のリレン着色剤ならびにさらなる適切なリレン着色剤の製造は当業者に知られている。そのような製造について、例えば欧州特許第1373272B1号、米国特許第2006/0075585号、国際公開第2016/083914号および国際公開第2007/006717号に記載されており、それぞれの内容が参照によって本明細書に組み込まれる。2,13−ビス[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−5,10,16,21−テトラキス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノキシ]アントラ[9’’,1’’,2’’:6,5,10;10’’,5’’,6’’:6’,5’,10’]ジアントラ[2,1,9−デフ:2’,1’,9’−d’e’f’]ジイソキノリン−1,3,12,14(2H,13H)−テトロン)(表1、化合物4参照)は例えば国際公開第2016/083914号の実施例4に従って製造することができ、その内容が参照によって本明細書に組み込まれ、2,11−ビス[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−5,8,14,17−テトラ[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェノキシ]ベンゾ[13,14]ペンタフェノ[3,4,5−デフ:10,9,8−d’e’f’]ジイソキノリン−1,3,10,12(2H,11H)−テトロン(表1、化合物3参照)は例えば国際公開第2007/006717号の実施例2に従って製造することができ、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
ナフタルイミド着色剤
本明細書で使用されるとき、「ナフタルイミド着色剤」という用語は以下のナフタルイミドコア構造
を含む着色剤を指し、式中、Rni1はアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルから成る群から選択される。
本明細書で使用されるとき、「ナフタルイミド着色剤」という用語は以下のナフタルイミドコア構造
を含む着色剤を指し、式中、Rni1はアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびシクロヘテロアルキルから成る群から選択される。
好ましくは、本発明に係るナフタルイミド着色剤は以下の式
の構造を有し、式中、Rni2、Rni3、Rni4、Rni5、Rni6およびRni7は互いに独立に、H、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアミン(アルキル−NH−)、アリールアミン(アリール−NH−)、アルキルアリールアミン(アリール−アルキル−NH−)、ヘテロアリールアミン(ヘテロアリール−NH−)およびヘテロアルキルアリールアミン(ヘテロアリール−アルキル−NH−)から成る群から選択され、好ましくはRni2、Rni3、Rni4、Rni5、Rni6およびRni7の少なくとも1つはアルキルアミン(アルキル−NH−)、アリールアミン(アリール−NH−)、アルキルアリールアミン(アリール−アルキル−NH−)、ヘテロアリールアミン(ヘテロアリール−NH−)およびヘテロアルキルアリールアミン(ヘテロアリール−アルキル−NH−)から成る群から選択される。
の構造を有し、式中、Rni2、Rni3、Rni4、Rni5、Rni6およびRni7は互いに独立に、H、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアミン(アルキル−NH−)、アリールアミン(アリール−NH−)、アルキルアリールアミン(アリール−アルキル−NH−)、ヘテロアリールアミン(ヘテロアリール−NH−)およびヘテロアルキルアリールアミン(ヘテロアリール−アルキル−NH−)から成る群から選択され、好ましくはRni2、Rni3、Rni4、Rni5、Rni6およびRni7の少なくとも1つはアルキルアミン(アルキル−NH−)、アリールアミン(アリール−NH−)、アルキルアリールアミン(アリール−アルキル−NH−)、ヘテロアリールアミン(ヘテロアリール−NH−)およびヘテロアルキルアリールアミン(ヘテロアリール−アルキル−NH−)から成る群から選択される。
そのようなナフタルイミド着色剤は例えばFIBRES & TEXTILES in Eastern Europe 2009、Vol.17、No.2(73)、pp.91−95に記載されており、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる。さらなる適切なナフタルイミド着色剤およびそれらの製造は当業者に知られている。
フタロシアニン着色剤
本明細書で使用されるとき、「フタロシアニン着色剤」という用語は無金属フタロシアニンのほか、金属含有フタロシアニンも指し、したがって以下の構造
の1つを含む着色剤を指し、この構造は好ましくは適切に置換され、式中、MはM1、M2(Rp1)、M3(Rp2)(Rp3)およびM4(=Rp4)から成る群から選択される金属または金属成分であり、M1はZn、Fe、Co、Ni、Pd、PtおよびMnから成る群から選択され、M2はAl、In、Laおよびランタノイドから成る群から選択され、M3はGe、Si、TiおよびVから成る群から選択され、M4はTiまたはVであり、Rp1はハロゲン、OH、アルキル、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、アルキル、−OSi(アルキル)3、−O−アルコキシ(好ましくは−O−(アルキル−O)1−5アルキル2および−O−Bp1−O−Lなど)から成る群から選択され、Bp1はC1−C12アルキレン、1個もしくは複数の酸素原子が割り込むC1−C12アルキレンまたは少なくとも1つのOH基によって置換されるC1−C12アルキレンであり、Lはさらなるフタロシアニン着色剤群であり、Rp2およびRp3は互いに独立に、ハロゲン、OH、−O−アルキル、−O−アリール、−O−アルコキシ、例えば好ましくは−O−(アルキル−O)1−5アルキル2および−M5(Rp5)(Rp6)(Rp7)から成る群から選択され、ただしRp5、Rp6およびRp7は互いに独立に、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、トリアルキルシロキシ、−CO2H、−SO3H、−O−(アルキル−O)1−5−アルキル2およびトリアルキルアンモニウム置換アルキルから成る群から選択され、M5はGe、Si、TiおよびVから成る群から選択され、Rp4はOまたはS、好ましくはOであり、M5とM3は好ましくは同一である。
本明細書で使用されるとき、「フタロシアニン着色剤」という用語は無金属フタロシアニンのほか、金属含有フタロシアニンも指し、したがって以下の構造
の1つを含む着色剤を指し、この構造は好ましくは適切に置換され、式中、MはM1、M2(Rp1)、M3(Rp2)(Rp3)およびM4(=Rp4)から成る群から選択される金属または金属成分であり、M1はZn、Fe、Co、Ni、Pd、PtおよびMnから成る群から選択され、M2はAl、In、Laおよびランタノイドから成る群から選択され、M3はGe、Si、TiおよびVから成る群から選択され、M4はTiまたはVであり、Rp1はハロゲン、OH、アルキル、−O−アルキル、−O−アリール、−S−アルキル、アルキル、−OSi(アルキル)3、−O−アルコキシ(好ましくは−O−(アルキル−O)1−5アルキル2および−O−Bp1−O−Lなど)から成る群から選択され、Bp1はC1−C12アルキレン、1個もしくは複数の酸素原子が割り込むC1−C12アルキレンまたは少なくとも1つのOH基によって置換されるC1−C12アルキレンであり、Lはさらなるフタロシアニン着色剤群であり、Rp2およびRp3は互いに独立に、ハロゲン、OH、−O−アルキル、−O−アリール、−O−アルコキシ、例えば好ましくは−O−(アルキル−O)1−5アルキル2および−M5(Rp5)(Rp6)(Rp7)から成る群から選択され、ただしRp5、Rp6およびRp7は互いに独立に、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、トリアルキルシロキシ、−CO2H、−SO3H、−O−(アルキル−O)1−5−アルキル2およびトリアルキルアンモニウム置換アルキルから成る群から選択され、M5はGe、Si、TiおよびVから成る群から選択され、Rp4はOまたはS、好ましくはOであり、M5とM3は好ましくは同一である。
フタロシアニンが金属含有フタロシアニンである場合、Mは好ましくはSi(Rp2)(RP3)またはGe(Rp2)(RP3)であり、より好ましくはMはSi(Rp2)(RP3)であり、Rp1は−O−アルキルまたは−O−アルコキシ、より好ましくは−O−(alkyl−O)1−5−alkyl2であり、alkyl2は好ましくはメチルまたはエチルであり、より好ましくはRp1は−O−(CH2CH2O)3−CH3であり、Rp2およびRp3は互いに独立に、ハロゲンOH、−O−アルキル、−O−アリール、−O−アルコキシ、好ましくは−O−(アルキル−O)1−5−アルキル2など、および−M5(Rp5)(Rp6)(Rp7)から成る群から選択され、Rp5、Rp6およびRp7は互いに独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、トリアルキルシロキシ、−CO2H、−SO3H、−O−(アルキル−O)1−5−アルキル2およびトリアルキルアンモニウム置換アルキルから成る群から選択される。
好ましくは、フタロシアニン着色剤は無金属着色剤である。
上述および後述のフタロシアニン着色剤ならびにさらなる適切なフタロシアニン着色剤およびそれらの製造について、例えば国際公開第2008/122531号ならびにDyes and Pigments 99(2013),613−619に記載されており、それぞれの内容が参照によって本明細書に組み込まれる。さらに適切な製造方法がHairong Li,Ngan Nguyen,Frank R.Fronczek,M.Graca H.Vicente,Tetrahedron 65(2009)3357−3363に記載されている。
上述のように、
の構造は好ましくは適切に置換される。好ましくは、本発明に係るフタロシアニン着色剤は以下の構造
を有し、式中、ZP1、ZP2、ZP3およびZP4は同一か又は異なり、また互いに独立に、ハロゲン、ニトロ、−OH、−CN、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル、−S−アルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−シクロアルキル、および−S−ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され、YP1、YP2、YP3およびYP4は同一か又は異なり、また互いに独立に、H、ハロゲン、ニトロ、−OH、−CN、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル、−S−アルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−シクロアルキル、および−S−ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される。
の構造は好ましくは適切に置換される。好ましくは、本発明に係るフタロシアニン着色剤は以下の構造
を有し、式中、ZP1、ZP2、ZP3およびZP4は同一か又は異なり、また互いに独立に、ハロゲン、ニトロ、−OH、−CN、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル、−S−アルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−シクロアルキル、および−S−ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され、YP1、YP2、YP3およびYP4は同一か又は異なり、また互いに独立に、H、ハロゲン、ニトロ、−OH、−CN、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル、−S−アルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−シクロアルキル、および−S−ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される。
好ましくはZP1、ZP2、ZP3およびZP4は互いに独立に、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−S−アリール、−S−ヘテロアリールから成る群から選択され、より好ましくはZP1、ZP2、ZP3およびZP4は互いに独立に、以下の残留物
から成る群から選択され、式中、XpzはOまたはS、好ましくはOである。
から成る群から選択され、式中、XpzはOまたはS、好ましくはOである。
好ましくはZP1、ZP2、ZP3およびZP4はすべて同一である。
好ましくはYP1、YP2、YP3およびYP4は互いに独立に、H、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−S−アリール、−S−ヘテロアリールから成る群から選択され、より好ましくはYP1、YP2、YP3およびYP4は互いに独立に、
から成る群から選択され、式中、YpzはOまたはS、好ましくはOである。
から成る群から選択され、式中、YpzはOまたはS、好ましくはOである。
好ましくはYP1、YP2、YP3およびYP4はすべて同一である。
最も好ましくはYP1、YP2、YP3およびYP4はHである。
特に、フタロシアニン着色剤、より好ましくは蛍光性着色剤は表1の化合物5、表1の化合物6、表1の化合物7、表1の化合物8、表1の化合物9、表1の化合物10および表1の化合物14から成る群から選択され、より好ましくはフタロシアニン着色剤は表1の化合物14または表1の化合物10であり、最も好ましくはフタロシアニン着色剤は表1の化合物14である。
そのような化合物の適切な製造方法が当業者に知られており、例えばHairong Li,Ngan Nguyen,Frank R.Fronczek,M.Grac H.Vicente,Tetrahedron 65(2009)3357−3363に記載されている。
ナフタロシアニン着色剤
本明細書で使用されるとき、「ナフタロシアニン着色剤」という用語は無金属ナフタロシアニンのほか、金属含有ナフタロシアニンも指し、したがって以下のコア構造
本明細書で使用されるとき、「ナフタロシアニン着色剤」という用語は無金属ナフタロシアニンのほか、金属含有ナフタロシアニンも指し、したがって以下のコア構造
上述および後述のナフタロシアニン着色剤ならびにさらなる適切なナフタロシアニン着色剤およびそれらの製造は当業者に知られている。
上述のように、
の構造は適切に置換され得る。従って、本発明に係るナフタロシアニン着色剤は、以下の構造
の1つを有し得、式中、Zn1、Zn2、Zn3およびZn4は同一か又は異なり、また互いに独立に、H、ハロゲン、ニトロ、−OH、−CN、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル、−S−アルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−シクロアルキル、および−S−ヘテロシクロアルキルから成る群から選択され、Zn1、Zn2、Zn3およびZn4は好ましくはすべて同一である。最も好ましくはZn1、Zn2、Zn3およびZn4はHである。
Yn1、Yn2、Yn3およびYn4は同一か又は異なり、また互いに独立に、H、ハロゲン、ニトロ、−OH、−CN、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル、−O−アルキル、−S−アルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−シクロアルキル、および−S−ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される。好ましくはYn1、Yn2、Yn3およびYn4はすべて同一である。最も好ましくはYn1、Yn2、Yn3およびYn4はHである。
シアニン着色剤
本明細書で使用されるとき、「シアニン着色剤」という用語はポリメチン基を含む、したがって交互の単一結合および二重結合によって一体的に結合される少なくとも3つのメチン基(CH)を含む着色剤を指す。そのようなシアニン着色剤の例としてインドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、またはこれら化合物のいずれか1つの誘導体などが挙げられる。
本明細書で使用されるとき、「シアニン着色剤」という用語はポリメチン基を含む、したがって交互の単一結合および二重結合によって一体的に結合される少なくとも3つのメチン基(CH)を含む着色剤を指す。そのようなシアニン着色剤の例としてインドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、またはこれら化合物のいずれか1つの誘導体などが挙げられる。
好ましくは、本発明に係るシアニン着色剤は式
の(Ic)または(IIc)の構造を有し、式中、Rc2とRc4は互いに独立に、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、Rc1はアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、またはRc6と一緒に任意で置換される環、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、Rc3はアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、またはRc4と一緒に任意で置換される環、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、Rc6はH、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、またはRc1と一緒に任意で置換される環、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、Rc5はH、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、またはRc5と一緒に任意で置換される環、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、Rc2とRc4は互いに独立に、H、アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択され、または互いに一緒に環を形成し、nは1〜10の範囲、好ましくは1〜10の範囲、より好ましくは1〜5の範囲の整数、最も好ましくは2である。
そのような着色剤は当該技術分野で知られており、例えばCy3、Cy5、Cy7、Cy3.5、Cy5.5、Cy7.5、S0315(3−ブチルl−2−[5−(3−ブチル−1,3−ジヒドロ−1,1−ジメチル−2H−ベンゾ[e]インドール−2−イリデン)−ペンタ−1,3−ジエニル]−1,1−ジメチル−1H−ベンゾ[e]インドリウムパークロレート)およびS0944(1,3,3−トリメチル−2−[5−(1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−イリデン)−ペンタ−1,3−ジエニル]−3Hインドリウムクロリド)という商標名で市販されている。S0315およびS0944が、例えばドイツのFEW Chemicals GmbHから市販されている。
さらなる適切な化合物およびそれらの製造について、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Vol.23(2012),Chapter “Methine Dyes and Pigments”に記載されている。
より好ましくは、本発明に係るシアニン着色剤は構造(Ic)を有し、ただしRc2とRc4は互いに独立に、任意で置換されるアルキル基であり、アルキル基は異なるか又は同一であり、好ましくはC1−C10アルキルであり、より好ましくは任意で置換されるメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルから成る群から選択され、より好ましくはアルキル基はメチル、ブチルまたはペンチルであり、メチル、ブチルまたはペンチル基はカルボキシ基−COOHなどによって適切に置換されてもよく、Rc1はRc6と一緒に任意に置換される環を形成し、Rc3はRc4と一緒に任意に置換される環を形成し、nは好ましくは1〜10の範囲、より好ましくは1〜5の範囲の整数、最も好ましくは2である。
より好ましくは、本発明に係るシアニン着色剤は式
の(Ica)または(IIcb)、より好ましくは(Ica)の構造を有し、式中、Rc2とRc4は互いに独立に、任意に置換されるアルキル基であり、アルキル基は異なっていても同一であってもよく、好ましくはC1−C10アルキルであり、より好ましくは任意に置換されるメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルから成る群から選択され、より好ましくはアルキル基はメチル、ブチルまたはペンチルであり、メチル、ブチルまたはペンチル基はカルボキシ基−COOHなどによって適切に置換されてもよく、より好ましくはRc4はメチルまたはブチルであり、Rc2はブチルまたは−C5H10−COOHであり、より好ましくはRc2とRc4はブチルであり、nは好ましくは1〜5の範囲、より好ましくは2である。
最も好ましくはシアン着色剤は、S0315(表1の化合物12、3−ブチル−2−[5−(3−ブチル−1,3−ジヒドロ−1,1−ジメチル−2H−ベンゾ[e]インドール−2−イリデン)−ペンタ−1,3−ジエニル]−1,1−ジメチル−1H−ベンゾ[e]インドリウムパークロレート)またはS0944(表1の化合物13、1,3,3−トリメチル−2−[5−(1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−イリデン)−ペンタ−1,3−ジエニル]−3H−インドリウムクロリド)、より好ましくはS0315である。
キサンテン着色剤
本明細書で使用されるとき、「キサンテン着色剤」という用語はキサンテン誘導体、すなわち適切に置換される以下のコア構造を含む着色剤を指す。
本明細書で使用されるとき、「キサンテン着色剤」という用語はキサンテン誘導体、すなわち適切に置換される以下のコア構造を含む着色剤を指す。
そのような着色剤の例としてローダミン着色剤、例えばピラノ[3,2−g:5,6−g’]ジキノリン−13−イウム,6−[2−(ブトキシカルボニル)フェニル]−1,11−ジエチル−1,2,10,11−テトラヒドロ−2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−,パークロレート、ローダミンB、Rhodamine 6G、ローダミン123、エオシン、テキサスレッド、これらの化合物のスルホンローダミン着色剤誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。
さらに、適切な化合物が国際公開第2003098617A2号のほか、Appl.Mater.Interfaces 2016,8,22953−62にも記載されており、それぞれの内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
そのような化合物は市販されている、または合成法が当業者に十分知られている。そのような化合物の適切な製造方法は、例えばE.Noelting,K.Dziewonski,:Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft.Band 38,1905,S.3516−3527のほか、T.Nedelcev,D.Racko,I.Krupa,Dyes and Pigments.Band 76,2008,S.550−556に記載されている。
好ましくは、本発明に係るキサンテン着色剤は
の構造(表1の化合物11)を有するピラノ[3,2−g:5,6−g’]ジキノリン−13−イウム,6−[2−(ブトキシカルボニル)フェニル]−1,11−ジエチル−1,2,10,11−テトラヒドロ−2,2,4,8,10,10−ヘキサメチル−,パークロレートである。
オキサジン着色剤
「オキサジン着色剤」という用語はオキサジン環を含む任意の着色剤を指す。そのような着色剤の例として、好ましくはナイルレッド(7−ジエチルアミノ−3,4−ベンゾフェノキサジン−2−オン)、ナイルブルー(9−(ジエチルアミノ)ベンゾ[a]フェノキサジン−5−イリデン]アザニウム;硫酸塩)、オキサジン170(エチル−[9−(エチルアミノ)−10−メチルベンゾ[a]フェノキサジン−5−イリデン]アザニウム;パークロレート)、またはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数挙げられるが、これらに限定されない。そのような化合物は市販されている、または合成法が当業者に十分知られている。
「オキサジン着色剤」という用語はオキサジン環を含む任意の着色剤を指す。そのような着色剤の例として、好ましくはナイルレッド(7−ジエチルアミノ−3,4−ベンゾフェノキサジン−2−オン)、ナイルブルー(9−(ジエチルアミノ)ベンゾ[a]フェノキサジン−5−イリデン]アザニウム;硫酸塩)、オキサジン170(エチル−[9−(エチルアミノ)−10−メチルベンゾ[a]フェノキサジン−5−イリデン]アザニウム;パークロレート)、またはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数挙げられるが、これらに限定されない。そのような化合物は市販されている、または合成法が当業者に十分知られている。
ホウ素ジピロメテン着色剤およびアザホウ素ジピロメテン着色剤
「ホウ素ジピロメテン着色剤」という用語は、BF2単位などの二置換ホウ素原子によってジピロメテンを錯体化したものを含む着色剤を指す。好ましくは、着色剤はBODIPYコア、すなわち4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンのコア構造を含み、この構造は好ましくは適切に置換される。
「ホウ素ジピロメテン着色剤」という用語は、BF2単位などの二置換ホウ素原子によってジピロメテンを錯体化したものを含む着色剤を指す。好ましくは、着色剤はBODIPYコア、すなわち4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセンのコア構造を含み、この構造は好ましくは適切に置換される。
「アザホウ素ジピロメテン着色剤」という用語は、ジフルオロ−ボラ−1,3,5,7−テトラフェニル−アザ−ジピロメテンのコア構造を含む着色剤を指し、この構造は好ましくは適切に置換される。
様々なホウ素ジピロメテン着色剤およびアザホウ素ジピロメテン着色剤が当業者に知られ、例えばLoudet et al.,Chem. Rev’.2007,107,4891−4932に記載されており、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
そのような化合物およびそれらの製造は、例えば国際公開第2008/145172A1号およびW.Zhao et al,Angew.Chem.Int.Ed.2005,44,1677−79に記載されており、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
ジケトピロロピロール着色剤
本発明に係る「ジケトピロロピロール着色剤(DPP着色剤)」という用語は、二環式複素環化合物ジケトピロロピロール、すなわち2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、またはその任意の誘導体に基づく着色剤を指す。そのような着色剤およびそれらの製造方法は当業者に知られている。
本発明に係る「ジケトピロロピロール着色剤(DPP着色剤)」という用語は、二環式複素環化合物ジケトピロロピロール、すなわち2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、またはその任意の誘導体に基づく着色剤を指す。そのような着色剤およびそれらの製造方法は当業者に知られている。
理解されるべき点として、「ジケトピロロピロール着色剤」という用語はジケトピロロピロールの複素環誘導体に基づく着色剤、例えば以下の式
の着色剤をも含み、式中、XはH、BF2およびBPH2から成る群から選択される。そのような着色剤は例えばE Daltrozzo,A.Zumbusch et al,Angew.Chem.Int.Ed.2007,46,3750−3753に記載されており、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
さらなる適切な着色剤
上述のように、上記にて詳しく論じた着色剤に加え、スチルベン、ベンゾオキサゾール、クマリンおよびベンゾピラン、スクアライン、オキサジオール、アントラキノン、アクリジン、アリールメタン、ビオランスロン、およびイソビオランスロン、およびオキサジンも、本発明に係る好適な着色剤として言及されるべきである。
上述のように、上記にて詳しく論じた着色剤に加え、スチルベン、ベンゾオキサゾール、クマリンおよびベンゾピラン、スクアライン、オキサジオール、アントラキノン、アクリジン、アリールメタン、ビオランスロン、およびイソビオランスロン、およびオキサジンも、本発明に係る好適な着色剤として言及されるべきである。
好適なスチルベンとして、400nm〜900nmの波長範囲において500nm〜850nmの波長範囲で発生する吸収極大を有する任意のスチルベン着色剤が使用され得る。この背景では、ジビニルスチルベン、トリアジンスチルベン、スチルベントリアゾールおよびスチルベンベンゾオキサゾールが例として挙げられる。
好適なベンゾオキサゾールは、400nm〜900nmの波長範囲において500nm〜850nmの波長範囲で発生する吸収極大を有し、例としてナフタレンベンゾオキサゾール、ビス−ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサゾールチオフェンなどが挙げられる。
好適なアリールメタンの例としてクリスタルバイオレット((4−(4,4’−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリリデン)シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イリデン)ジメチルアンモニウムクロリド)、マラカイトグリーン(4−{[4−(ジメチルアミノ)フェニル](フェニル)メチリデン}−N,N−ジメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イミニウムクロリド)、またはこれらの着色剤の誘導体が挙げられる。
メロシアニン、クマリンおよびベンゾピラン着色剤として、任意のメロシアニン、クマリンまたはベンゾピラン、特に400nm〜900nmの波長範囲において500nm〜850nmの波長範囲で発生する吸収極大を有する任意のメロシアニン、クマリンまたはベンゾピランが使用され得る。例として
の好適な着色剤が挙げられる。
スクアライン着色剤として、任意のスクアライン、好ましくは400nm〜900nmの波長範囲において500nm〜850nmの波長範囲で発生する吸収極大を有する任意のスクアラインが使用され得る。これは例えば
など、スクアライン誘導体または環置換スクアラインを含む。
そのようなスクアライン着色剤およびそれらの製造は当業者に知られ、例えばAngew.Chem.Int.Ed.2012,51,2020−2068に記載されており、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
適切なアントラキノン着色剤の例としてDisperse Blue 60(4,11−ジアミノ−2−(3−メトキシプロピル)ナフト[2,3−f]イソインドール−1,3,5,10−テトロン)
が挙げられる。ただし、他のアントラキノン着色剤も想定可能である。
アクリジンの例としてアクリジンオレンジ(N,N,N’,N’−テトラメチルアクリジン−3,6−ジアミン、CAS 65−61−2)、ニュートラルレッド(3−アミノ−7−ジメチルアミノ−2−メチルフェナジンヒドロクロリド、CAS 553−24−2)およびSafranin O(3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニル−フェナジニウムクロリド、CAS 477−73−6)が挙げられる。ただし、他のアクリジン着色剤も想定可能である。
そのような着色剤は例えばDyes and Pigments 11(1989)303−317(特に309〜311頁)に記載されており、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる。ただし、理解されるべき点として、他のビオランスロンまたはイソビオランスロン着色剤、特に400nm〜900nmの波長範囲において500nm〜850nmの波長範囲で発生する吸収極大を有するものも想定可能である。
この組み立てから導出され得るように、多種多様な蛍光性色素が本発明に係る横方向光学センサでの使用向けに入手可能である。これに関する限り、蛍光性導波シート向けに使用される蛍光性材料は、材料の費用および可用性に関する考察だけでなく、特定の波長範囲での蛍光性利得など材料の特性面での性能に関する考察にも応じて選定するとよい。加えて、PSD装置とFiPセンサの両方に有機材料を使用する場合、互いに対して調節され得る上述のセンサおよび/または装置の各構成要素を考慮して材料を選定するとよい。これらの考察および/または特性は、特に、合理的な製造コストの条件下で感応性能を調節可能な3Dセンシングの概念の実現に適する検出器の製造を可能にし得る。
検出器のさらなる選択肢の詳細では感光性要素に言及する。同じ選択肢が、上記にて概説のとおり、一般的に、少なくとも1つの参照感光性要素の選択肢を指す場合もある。このように、一例として、感光性要素は少なくとも1個の光ダイオード、好ましくは少なくとも1個の無機光ダイオードを含み得る。感光性要素は各々、導波シートのエッジの側方および/または隅部に位置し得る1つのドット型感光性要素を含み得る。付加的または代替的に、感光性要素は好ましくは導波シートのエッジの少なくとも1区間に沿って延びる少なくとも1つの長尺感光性要素を含み得る。この実施形態は、特に照明出力が低い条件で光点の位置をより正確に決定できるようにするために使用され得る。
したがって、本発明に係る横方向光学センサに使用される感光性要素の特定の実施形態に関係なく、横方向感受性エリアのエッジのみに位置する感光性要素は、小型で、それ故に高速の電子要素として具現化することができ、複数のピクセル化された感受性エリアおよび/または抵抗性中間層の配列を一般的に含む、普通に入手可能なPSD装置と比べて、所望の横方向センサ信号の提供に短い時間しか要しない。相乗効果として、横方向光学センサにおけるこの優位性は、横方向光学センサおよび縦方向位置の決定に使用される評価装置の対応部分のための利用可能なより多くの時間を得ることに慣れ得る。したがって、既知の先行技術とは対照的に、本発明で使用されるようなPSD装置と上述のFiPセンサの1個または複数との組み合わせは、物体またはその一部の3D位置をより迅速および/またはより正確に決定できる。
上記にて概説のように、蛍光性導波シートは具体的には矩形の蛍光性導波シート、好ましくは方形の導波シートであってもよい。この設定では、一例として、感光性要素は導波シートの4つのエッジそれぞれ、例えば4つの周縁部分および/または隅部のそれぞれに位置し得る。他の実施形態も実現可能である。
上記にて概説のように、検出器はさらに、1つまたは複数の付加的光学要素のような1つまたは複数の付加的要素を含んでもよい。さらに、検出器は少なくとも1つのハウジングに完全にまたは部分的に一体化され得る。検出器は具体的には少なくとも1個の転送装置を含んでもよく、転送装置は光ビームを少なくとも2個の光学センサへと誘導するように適合される。転送装置は、少なくとも1つのレンズ、好ましくは少なくとも1つの可変焦点レンズ;少なくとも1つのビーム偏向要素、好ましくは少なくとも1個のミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブまたはビーム分割ミラーの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズ、の1つまたは複数を含み得る。
上記にて概説のように、検出器はさらに、例えば1つもしくは複数のレンズおよび/または1つもしくは複数の屈折要素、1個もしくは複数のミラー、1つもしくは複数のダイヤフラムなど、1つまたは複数の光学要素を含んでもよい。上述および/または後述の、光ビームのビームパラメータの1つまたは複数、光ビームの幅、または光ビームの方向の修正などによって光ビームを修正するように適合されるこれらの光学要素も「転送要素」と呼ばれる。従って、検出器はさらに少なくとも1個の転送装置を含んでもよく、転送装置は光ビームの偏向、合焦または非合焦の1つまたは複数などにより、光ビームを少なくとも2個の光学センサへと誘導するように適合され得る。具体的には、転送装置は1つもしくは複数のレンズおよび/または1個もしくは複数の湾曲側ミラーおよび/または1つもしくは複数の他の種類の屈折要素を含んでもよい。
検出器が1個または複数の転送装置を含む場合、少なくとも1個の転送装置は具体的には少なくとも1つの焦点距離を有し得る。その場合、焦点距離は固定でも可変でもよい。可変の場合、具体的には1つまたは複数の可変焦点レンズが少なくとも1個の転送装置に含まれ得る。この背景としては、一例として、全内容が本明細書に組み込まれる、2014年12月9日に出願された欧州特許出願第14196944.4号が参照され得る。同出願において開示されている可変焦点レンズを、本発明に係る検出器における少なくとも1個の任意の転送装置に使用してもよい。
本明細書で使用されるとき、「可変焦点レンズ」という用語は一般的に、可変焦点レンズを通過する光ビームの焦点位置を制御された形で修正するように適合される光学要素を指す。可変焦点レンズは、焦点距離を調節可能な1つもしくは複数のレンズおよび/または1個もしくは複数の湾曲型ミラーのような1つまたは複数のレンズ要素であるか、またはそれらを含んでもよい。1つまたは複数のレンズは、一例として、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凸凹レンズ、または凹凸レンズの1つまたは複数を含み得る。1個または複数の湾曲型ミラーは凹ミラー、凸ミラーまたはその他の種類の、1つまたは複数の湾曲型反射表面を有するミラーの1つまたは複数であるか、またはそれらを含み得る。これらのどのような任意の組み合わせでも、当業者であれば認識するように、一般的に実現可能である。その場合、「焦点位置」は一般的に光ビームの幅が最も狭くなる位置を指す。さらに、「焦点位置」という用語は一般的に、光学設計分野の当業者にとっては明白となるように、拡散やレイリー長など他のビームパラメータを指す場合もある。このように、一例として、可変焦点レンズは、例えば外部からの影響光、制御信号、電圧または電流などによって制御された形で焦点距離を変化または修正することができる少なくとも1つのレンズであるか、またはそれを含み得る。焦点位置の変化は、屈折率を切り替え可能な光学要素によっても達成可能であり、それ自体は合焦装置でなくてもよく、光ビーム中に配置されると固定焦点レンズの焦点を変化させ得る。本明細書でさらに使用されるとき、「制御された形で」という用語は一般的に、例えばデジタル制御信号、アナログ制御信号、制御電圧または制御電流の1つまたは複数のような制御信号を可変焦点レンズに印加するといった手段で可変焦点レンズに外部影響を及ぼすことにより、可変焦点レンズを通過する光ビームの実際の焦点位置および/または可変焦点レンズの焦点距離が1つまたは複数の所望の値に調節され得るという、可変焦点レンズに及び得る影響を要因として修正が生じる事実を指す。具体的に、可変焦点レンズは、電気制御信号など適切な制御信号の印加によって焦点距離を調節することができるレンズまたは湾曲型ミラーなどの1つのレンズ要素であるか、またはそれを含み得る。可変焦点レンズの例は文献において知られており、市販されている。一例として、本発明の文脈で採用され得る可変レンズ、好ましくはOptotune AG社(所在地:CH−8953 Dietikon,Switzerland)から入手可能な電気式可変レンズが挙げられる。さらに、Varioptic社(所在地:69007 Lyon,France)から市販されている可変焦点レンズも使用され得る。可変焦点レンズ、具体的には流体効果に基づくものに関するレビューについては、例えばN.Nguyen:“Micro−optofluidic Lenses:A review”,Biomicrofluidics,4,031501(2010)および/またはUriel Levy,Romi Shamai:“Tunable optofluidic devices”,Microfluid Nanofluid,4,97(2008)を参照するとよい。ただし、注意点として、あるいは付加的に可変焦点レンズに関する他の原理も使用され得る。
可変焦点レンズの様々な原理が当該技術分野で知られており、それらを本発明の範囲内で使用することができる。従って、第1に、可変焦点レンズは少なくとも1つの透明な成形可能材料、好ましくは形状を変化させることができ、したがって機械的影響および/または電気的影響のような外部影響を要因として光学特性および/または光学的界面を変化させることができる成形可能材料を含み得る。具体的には、影響を及ぼすアクチュエータが可変焦点レンズの一部であってもよい。付加的または代替的に、可変焦点レンズは1つまたは複数の電気ポートのように、可変焦点レンズに少なくとも1つの制御信号を提供するための1つまたは複数のポートを有し得る。成形可能材料は具体的には透明な液体および透明な有機材料、好ましくはポリマー、より好ましくは電気活性ポリマーから成る群から選択され得る。さらに、組み合わせも可能である。相応に、一例として、成形可能材料は親水性液体と親油性液体など2種類の液体を含み得る。他の種類の材料も実現可能である。可変焦点レンズはさらに、成形可能材料の少なくとも1つの界面を成形するための少なくとも1個のアクチュエータを含んでもよい。アクチュエータは具体的には、可変焦点レンズのレンズゾーン内の一定量の液体を制御するための液体アクチュエータ、または成形可能材料の界面の形状を電気的に変化させるように適合される電気アクチュエータから成る群から選択され得る。可変焦点レンズの一実施形態は静電可変焦点レンズである。従って、可変焦点レンズは少なくとも1つの液体および少なくとも2個の電極を含み得、液体の少なくとも1つの界面の形状は電極への電圧もしくは電流の片方または両方の印加により、好ましくは電気湿潤によって変化させることができる。付加的または代替的に、可変焦点レンズは電圧および/または電界の印加によって形状を変化させることができる1つまたは複数の電気活性ポリマーの使用に基づいてもよい。
単一の可変焦点レンズまたは複数の可変焦点レンズが使用され得る。従って、可変焦点レンズは1つの単一レンズ要素または複数の単一レンズ要素であるか、またはそれらを含み得る。付加的または代替的に、複数の可変焦点レンズを各々が有する1つまたは複数のモジュールなどにおいて相互接続される複数のレンズ要素を使用してもよい。このように、一例として、少なくとも1つの可変焦点レンズは、C.U.Murade et al.,Optics Express,Vol.20,No.16,18180−18187(2012)において開示されているような、マイクロレンズアレイなど少なくとも1つのレンズアレイであるか、またはそれを含み得る。単一可変焦点レンズのような他の実施形態も実現可能である。
少なくとも1つの可変焦点レンズは様々な形で使用され得る。従って、具体的には、少なくとも1つの可変焦点レンズを少なくとも1個の任意の転送装置で使用することにより、z座標の決定における曖昧さを解消することができる。このように、例えば国際公開第2014/097181A1号において説明されているように、光ビーム、具体的にはガウス光線のビームウエストまたはビーム直径は焦点の前後で対称であり、したがって光点のサイズを1つの縦方向位置でしか決定しない場合は曖昧さが発生する。したがって、国際公開第2014/097181A1号において提案されているように、曖昧さを解消するために、また物体の少なくとも1つのz座標を曖昧さのない形で決定するために、本発明の文脈でも可能な、様々な位置における光点のサイズを決定することができる。この目的のために、一例として、以下にてさらに詳しく説明するとおり、好ましくは光学的ビーム経路沿いの異なる位置および/または様々な部分的ビーム経路内に配置される2個以上の縦方向光学センサを使用してもよい。ただし付加的または代替的に、少なくとも1つの任意の可変焦点レンズを使用してもよく、また本発明に係る評価は少なくとも2回の別々の調節、すなわち少なくとも1つの可変焦点レンズにおける少なくとも2つの別々の焦点位置で達成し得る。焦点より手前の一定距離で測定される場合と、焦点より後方の一定距離で測定される別の場合とで、焦点位置が変化するときの測定されるビームスポットの大きさの挙動が異なるので、焦点位置の移動により、上述の曖昧さを解消することができる。このように、光点のサイズは場合によりけりで増加したり減少したりするが、これは当業者であれば国際公開第2014/097181A1号の図5Aまたは5Bを見れば容易に分かる。
相応に、少なくとも1つの可変焦点レンズを使用することによって、ビーム分割装置の使用またはビーム経路の2つ以上の部分的ビーム経路への分割を回避することができる。さらに、1個または複数の不透明な光学センサが使用され得る。少なくとも1つの可変焦点レンズを使用して、例えば評価装置の入力信号として使用し得る複数の画像を連続的に記録することができる。これにより、光ビーム経路が1つだけの検出器またはカメラが、例えば少なくとも1つの可変焦点レンズの様々な焦点で複数の画像を連続的に記録することによって実現され得る。画像は少なくとも1個の評価装置の入力として使用することができる。
第2に、少なくとも1つの可変焦点レンズは物体の様々な面の画像を記録するために使用され得る。従って、少なくとも1つの可変焦点レンズの焦点距離を変えることにより、3D画像処理が可能となる。
このように、一般的に、少なくとも1個の任意の転送装置は少なくとも1つの可変焦点レンズを含み得る。検出器、具体的には評価装置は物体の様々な面の画像を後で記録するように構成され得る。付加的または代替的に、検出器、具体的には評価装置は、少なくとも1つの可変焦点レンズにおける少なくとも2回の別々の調節時に取得される少なくとも2つの別々の縦方向センサ信号の評価によって、物体における縦方向座標zが異なる少なくとも2つの別々の部分の縦方向座標を決定するように構成され得る。検出器、具体的には評価装置は、少なくとも1つの可変焦点レンズにおける少なくとも2回の別々の調節時に取得される結果の比較によって、少なくとも1つの縦方向座標zの決定時の曖昧さを解消するように構成され得る。
さらに、付加的または代替的に、少なくとも1個の転送装置は少なくとも1つのレンズアレイ、具体的には少なくとも1つのマイクロレンズアレイのような少なくとも1つのマルチレンズ系を含み得る。本明細書で使用されるとき、「マルチレンズ」システムは一般的に複数のレンズを指し、「レンズアレイ」は複数のレンズを1つのパターン、例えば矩形、円形、六角形または星型のパターンで、具体的には検出器の光軸に対して垂直な面に配置したものを指す。「マイクロレンズアレイ」は、ミリメートル未満の範囲の直径または相当直径、例えば1mm未満、具体的には500μm以下、より具体的には300μm以下の直径または相当直径を有する複数のレンズの配置を指す。少なくとも1つのマルチレンズ系、具体的には少なくとも1つのレンズアレイ、より具体的には少なくとも1つのマイクロレンズアレイを使用し、任意に少なくとも1つのさらなるレンズ、例えば少なくとも1つの主レンズと併用することにより、検出器はライトフィールドカメラおよび/またはプレノプティックカメラのいずれかまたは両方として具現化され得る。本明細書で使用されるとき、「ライトフィールド検出器」は一般的に、物体の少なくとも2つの別々の面からの情報を好ましくは同時に記録するように構成される光学検出器を指す。さらに、本明細書で使用されるとき、「ライトフィールドカメラ」は一般的に、物体の少なくとも2つの別々の面からの画像を好ましくは同時に記録するように構成されるカメラを指す。本明細書でさらに使用されるとき、「プレノプティック検出器」は一般的に、検出器の光軸に対して垂直な面内に位置する複数のレンズおよび/または複数の湾曲型ミラーのような焦点が異なる複数のレンズおよび/または複数の湾曲型ミラーを有する検出器を指す。同様に、本明細書で使用されるとき、「プレノプティックカメラ」は一般的に、カメラの光軸に対して垂直な面内に位置する複数のレンズおよび/または複数の湾曲型ミラーのような焦点が異なる複数のレンズおよび/または複数の湾曲型ミラーを有するカメラを指す。ライトフィールド検出器および/またはライトフィールドカメラの光学系は具体的には少なくとも1つの主レンズまたは主レンズ系を含み、付加的に、少なくとも1つのマルチレンズ系、具体的には少なくとも1つのレンズアレイ、より具体的には少なくとも1つのマイクロレンズアレイを含み得る。ライトフィールド検出器および/またはライトフィールドカメラはさらに、少なくとも1個の光学センサ、例えば少なくとも1個のCCDセンサおよび/またはCMOSセンサを含んでもよく、光学センサは具体的には画像センサであってもよい。画像を記録中、第1の対物面内の複数の物体が合焦し得ることから、画像面はマルチレンズ系の1つの面のレンズ、具体的には少なくとも1つのレンズアレイ、より具体的には少なくとも1つのマイクロレンズアレイと一致し得る。この対物面で合焦する画像は、各レンズの下方、例えば各マイクロレンズの下方の非線形のセンサ信号または強度を総括することによって得られる。
上記にて概説のように、検出器は少なくとも1個の縦方向光学センサおよび少なくとも1個の横方向光学センサを含む。一般的に、光学センサは透明、半透明または不透明であってもよい。このように、一例として、光学センサは透明で、光ビームの出力の50%超、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも99%を伝送するように適合され得、または半透明で、光ビームの出力の少なくとも1%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも25%から最大50%を伝送するように適合され得る。
複数の光学センサが積層形式で提供される場合、光学センサの少なくとも1個は半透明、または好ましくは透明である。従って、特定の一実施形態において、光学センサの少なくとも1個は、1つまたは複数の既定の波長範囲にわたり透明または半透明であってもよい。一例として、入射光ビームが最初に衝突する第1の光学センサは第1の波長範囲内で透明または半透明であってもよく、一方、入射光ビームがその後に衝突する第2の光学センサは特に第1の波長範囲内で感受性であってもよい。別の例として、第1の波長範囲内で第2の光学センサが比較的高い信号を取得できるようにするために、第2の光学センサは、第1の光学センサが特に透明であってもよい第1の波長範囲内では特に非感受性であってもよい。ただし、他の配置も実現可能である。さらに、本発明の主要な優位性の1つは、典型的に不透明である従来型カメラチップを光学センサとして使用することができるという事実にある。この場合、透明な光学センサを使用せずに済むように、複数の光学センサを使用する場合はビーム経路を分割するのが典型的に好ましい。
同種の光学センサが複数提供される場合、すなわち複数の縦方向光学センサまたは複数の横方向光学センサが積層された形および/または別の形で配置され得る場合、それぞれの種類の光学センサは同一のスペクトル感度を有し得るか、または異なるスペクトル感度を提供し得る。このように、一例として、この種の光学センサの少なくとも2つは異なるスペクトル感度を有し得る。本明細書で使用されるとき、スペクトル感度という用語は一般的に、光ビームの出力が同じである場合、対応する光学センサのそれぞれのセンサ信号が光ビームの波長に応じて変動し得るという事実を指す。相応に、一般的に、同種の光学センサの少なくとも2つはそれぞれスペクトル特性が異なっていてもよい。この実施形態は一般的に、それぞれの光学センサ向けに異なる種類の光学フィルタおよび/または異なる種類の吸収材料、例えば異なる種類の色素または他の吸収材料を使用することによって実現され得る。付加的または代替的に、光学センサの様々なスペクトル特性が、光学センサおよび/または検出器に実装される他の手段によって、例えば光学センサの前方の1つまたは複数のフィルタ(カラーフィルタなど)のような1つもしくは複数の波長選択性要素の使用および/または1個もしくは複数のプリズムの使用および/または1個もしくは複数のダイクロイックミラーの使用によって生成され得る。このように、複数の種類の光学センサが提供される場合、光学センサの少なくとも1個は特定の伝送特性または反射特性を有するカラーフィルタなど波長選択性要素を含むことにより、光学センサの様々なスペクトル特性を生成し得る。
複数の同種の光学センサを使用し、その光学センサの少なくとも2個のスペクトル感度がそれぞれ異なる場合、評価装置は一般的にスペクトル感度が異なる光学センサのセンサ信号の比較によって光ビームの色を決定するように適合され得る。本明細書で使用されるとき、「色を決定する」という表現は一般的に、光ビームに関する少なくとも1つのスペクトル情報を生成する工程を指す。この少なくとも1つのスペクトル情報は、波長、具体的にはピーク波長、およびCIE座標など色座標から成る群から選択され得る。
光ビームの色の決定は、当業者にとって一般的に既知である様々な形で行うことができる。したがって、光学センサのスペクトル感度は色空間内の座標系にまたがり、また光学センサによって提供される信号は、例えばCIE座標の決定方法から当業者にとっては既知のように、色空間内での座標を提供し得る。
一例として、検出器は1つのスタック内に2個または3個以上の同種の光学センサを含み得る。その場合、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの光学センサは異なるスペクトル感度を有し得る。さらに、評価装置は、異なるスペクトル感度を有する光学センサの信号を評価することにより、光ビームに関する少なくとも1項目の色情報を生成するように適合され得る。
一例として、スペクトル感受性光学センサである少なくとも3つの同種の光学センサが、スタック内に格納され得る。従って、例えばスペクトル感受性光学センサは少なくとも1つの赤色感受性光学センサを含んでもよく、その赤色感受性光学センサの最大吸収波長λrは600nm<λr<780nmのスペクトル範囲内にあり、スペクトル感受性光学センサはさらに、少なくとも1つの緑色感受性光学センサを含んでもよく、その緑色感受性光学センサの最大吸収波長λgは490nm<λg<600nmのスペクトル範囲内にあり、スペクトル感受性光学センサはさらに、少なくとも1つの青色感受性光学センサを含んでもよく、その青色感受性光学センサの最大吸収波長λbは380nm<λb<490nmのスペクトル範囲内にある。一例として、赤色感受性光学センサ、緑色感受性光学センサおよび青色感受性光学センサはこの順序または別の順序で、光学センサスタックにおいて物体と向かい合う第1の光学センサであってもよい。
評価装置は、少なくとも2つの色座標、好ましくは少なくとも3つの色座標を生成するように適合され得、色座標はそれぞれ、標準化された値によってスペクトル感受性光学センサの1つの信号を分割することによって決定される。一例として、標準化値は、すべてのスペクトル感受性光学センサの信号の合計を含み得る。付加的または代替的に、標準化値は1つの白色検出器の検出器信号を含み得る。
少なくとも1項目の色情報は、色座標を含み得る。少なくとも1項目の色情報は、一例としてCIE座標を含み得る。
少なくとも2個、より好ましくは少なくとも3個の好適なスペクトル感受性光学センサに加え、検出器はさらに、少なくとも1個の白色光学センサを含んでもよく、白色検出器はすべてのスペクトル感受性検出器の吸収範囲内の光を吸収するように適合され得る。従って、一例として、白色光学センサは可視スペクトル範囲全体にわたり光を吸収する吸収スペクトルを有し得る。
さらに、複数の光学センサが提供される場合、複数の光学センサは装置設定および/または使用材料が異なってもよい。具体的には、これらの光学センサはそれぞれの有機性または無機性が異なってもよい。従って、複数の光学センサは1個もしくは複数の有機光学センサ、1個もしくは複数の無機光学センサ、1個もしくは複数のハイブリッド有機−無機光学センサ、またはこれらの光学センサの少なくとも2個の任意の組み合わせを含み得る。相応に、一例として、検出器は有機光学センサのみで構成され得る、無機光学センサのみで構成され得るか、またはハイブリッド有機−無機光学センサのみで構成され得る。付加的または代替的に、検出器は少なくとも1個の有機光学センサおよび少なくとも1個の無機光学センサを含み得るか、または少なくとも1個の有機光学センサおよび少なくとも1個のハイブリッド有機−無機光学センサを含み得るか、または少なくとも1個の無機光学センサおよび少なくとも1個のハイブリッド有機−無機光学センサを含み得る。
本発明のさらなる一態様において、少なくとも1個の物体の位置を判定するための検出器システムが開示される。検出器システムは、上記にて開示の実施形態の1つもしくは複数および/または以下にてさらに詳しく開示される実施形態の1つもしくは複数に記載のような、本発明に係る少なくとも1個の検出器を含む。検出器システムはさらに、少なくとも1つの光ビームを検出器へと向かわせるように適合された少なくとも1個のビーコン装置をも含み、ビーコン装置は物体に装着可能か、物体によって保持可能かおよび物体に一体化可能かの少なくとも1つである。ビーコン装置に関するさらなる詳細を、潜在的実施形態を含め、以下に記載する。従って、少なくとも1個のビーコン装置は、レーザ、LED、電球または同様の1個または複数の光源など1個または複数の照明源を含む少なくとも1個の能動型ビーコン装置であるか、またはそれを含み得る。一例として、照明源によって放出される光は300〜500nmの波長を有し得る。付加的または代替的に、少なくとも1個のビーコン装置は検出器へと向かう1つまたは複数の光ビームを例えば1つまたは複数の反射要素を含むことによって反射するように適合され得る。さらに、少なくとも1個のビーコン装置は光ビームを散乱させるように適合される1つまたは複数の散乱要素であるか、またはそれを含み得る。その場合、弾性または非弾性の散乱が使用され得る。少なくとも1個のビーコン装置が検出器へと向かう主要な光ビームを反射および/または散乱させるように適合される場合、ビーコン装置は光ビームのスペクトル特性が影響を受けない状態のまま残すように適合され得、あるいは、光ビームの波長の修正などによって光ビームのスペクトル特性を変えるように適合され得る。
本発明のさらなる一態様において、使用者とマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するためのヒューマンマシンインターフェースが開示される。このヒューマンマシンインターフェースは上記にて開示の実施形態に記載の、および/または以下にてさらに詳しく開示される実施形態の1つまたは複数に記載の少なくとも1つの検出器システムを含む。その場合、少なくとも1個のビーコン装置は直接または間接的に使用者に装着される状態または使用者によって保持される状態の少なくとも1つとなるように適合される。このヒューマンマシンインターフェースは、検出器システムを手段として使用者の少なくとも1つの位置を決定するように設計され、そのヒューマンマシンインターフェースは少なくとも1つの情報をその位置に割り当てるように設計される。
本発明のさらなる一態様において、少なくとも1つの娯楽機能を実行する娯楽装置が開示される。この娯楽装置は上記にて開示の実施形態に記載の、および/または以下にてさらに詳しく開示される実施形態の1つまたは複数に記載の少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを含む。この娯楽装置は、ヒューマンマシンインターフェースを手段として少なくとも1項目の情報をプレーヤが入力可能となるように構成される。この娯楽装置はさらに、情報に従って娯楽機能を変化させるように構成される。
本発明のさらなる一態様において、少なくとも1個の可動物体の位置を追跡する追跡装置が開示される。この追跡システムは上記にて開示および/または以下にてさらに詳しく開示されるような検出器システムに言及する実施形態の1つまたは複数に記載の少なくとも1つの検出器システムを含む。この追跡システムはさらに、少なくとも1個の進路制御装置をも含む。進路制御装置は特定の時点における物体の一連の位置を追跡するように適合される。
本発明のさらなる一態様において、少なくとも1個の物体の画像処理用カメラが開示される。このカメラは上記にて開示または以下にてさらに詳しく開示されるような検出器に言及する実施形態のいずれか1つに記載の少なくとも1つの検出器を含む。
本発明のさらなる一態様において、少なくとも1個の物体の少なくとも1つの位置を決定するための走査システムが提供される。本明細書で使用されるとき、走査システムは少なくとも1つの光ビームを放出するように適合される装置であり、少なくとも1個の物体の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1個のドットを照明するために、また少なくとも1個のドットと走査システムとの間の距離に関する少なくとも1項目の情報を生成するために構成される。少なくとも1個のドットと走査システムとの間の距離に関する少なくとも1項目の情報の生成という目的に対し、走査システムは、上記に挙げた実施形態の1つもしくは複数および/または下記の実施形態の1つまたは複数において開示されるような検出器の少なくとも1個のような、本発明に係る少なくとも1つの検出器を含む。
従って、走査システムは、少なくとも1個の物体の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1個のドットを照明するために構成される少なくとも1つの光ビームを放出するように適合される少なくとも1個の照明源を含む。本明細書で使用されるとき、「ドット」という用語は、例えば走査システムの使用者により、照明源によって照明されて選択され得る、物体の表面の一部に存在する区域、具体的には小さな区域を指す。好ましくは、ドットは走査システムに含まれる照明源と、物体の表面上でドットが位置し得る部分との間の距離の値を、走査システムが可能な限り正確に決定できるように、可能な限り小さいサイズを示すものであってもよい一方、他方では走査システムの使用者または走査システム自体が、特に自動手順により、物体の表面上の関連部分におけるドットの存在を検出できる程度に大きいサイズであってもよい。
この目的のために、照明源は人工照明源、特に少なくとも1個のレーザ光源および/または少なくとも1個の白熱電球および/または少なくとも1個の半導体光源、例えば少なくとも1個の発光ダイオード、特に有機および/または無機の発光ダイオードを含み得る。一例として、照明源によって放出される光は300〜500nmの波長を有し得る。一般的に規定されるビームプロファイルおよび他の操作特性の関係上、少なくとも1個のレーザ光源を照明源として使用するのが特に好適である。本発明では、特に、使用者にとって保管しやすく運びやすいと考えられる小型走査システムの提供が重要となり得る場合、単一のレーザ光源の使用が好適と考えられる。従って、照明源は、好ましくは検出器の構成要素であってもよく、したがって特に、検出器のハウジングへの一体化といった形で検出器に一体化され得る。好適な一実施形態において、特に走査システムのハウジングは、距離関連情報を使用者に例えば判読しやすい形で提供するように構成される少なくとも1個のディスプレイを含み得る。さらに好適な一実施形態において、特に走査システムのハウジングは付加的に、1つまたは複数の操作モードを設定するといった走査システムに関連する少なくとも1つの機能を操作するように構成され得る少なくとも1個のボタンを含み得る。さらなる好適な一実施形態において、特に走査システムのハウジングは付加的に、特に距離測定の正確性および/または使用者による走査システムの操作性の向上のために、走査システムを別の表面、例えばゴム製脚、ベースプレートまたは壁ホルダ、例えば磁性材料を含むベースプレートまたはホルダに固定するように構成され得る少なくとも1つの固定用ユニットを含み得る。
特に、走査システムの照明源はこのように、物体の表面に位置する単一のドットを照明するように構成され得る単一のレーザビームを放出し得る。従って、本発明に係る検出器を少なくとも1個使用することにより、少なくとも1個のドットと走査システムとの間の距離に関する少なくとも1項目の情報が生成され得る。本発明により、好ましくは、走査システムに含まれる照明システムと照明源によって生成される単一のドットとの間の距離は、少なくとも1個の検出器に含まれる評価装置の採用などによって決定され得る。ただし、走査システムはさらに、特にこれを目的に適合され得る付加的な評価システムを含んでもよい。付加的または代替的に、走査システムのサイズ、特に走査システムのハウジングのサイズを考慮に入れることができ、そしてその結果、走査システムのハウジングの前端または後端といったハウジング表面の特定の点と単一のドットとの間の距離を選択的に決定することができる。
あるいは、走査システムの照明源は、2つのビームの放出方向の間に直角などの個別の角度を提供することにより、同じ物体の表面または2個の別々の物体における2つの異なる表面に位置する2個の個別のドットを照明することができるように構成され得る2つの個別のレーザビームを放出し得る。ただし、2つの個別のレーザビーム間における個別の角度について、他の値も実現可能である。この特徴は特に、例えば走査システムとドットとの間における1個または複数の障害物の存在などが原因で直接アクセスできない可能性があるとか、または別段に到達困難であり得る間接距離の導出のためといったような間接測定機能向けに採用され得る。このように、一例として、2つの個別の距離を測定し、ピタゴラスの定理の使用によって高さを導出することによって、物体の高さの値の決定が実現可能となり得る。特に、物体を基準に既定の水平の維持を可能にするために、走査システムはさらに、使用者が既定の水平を維持するために使用し得る、少なくとも1つの水平調整ユニット、特に一体型気泡バイアルを含んでもよい。
さらなる一選択肢として、走査システムの照明源は、個別のピッチ、特に規則的なピッチを、互いに対して示し得る、少なくとも1個の物体の少なくとも1つの表面上に位置する複数のドットから成る配列を生成する形で配置され得る、複数のレーザビームから成る配置など複数の個別のレーザビームを放出し得る。この目的のために、レーザビームの上記配列の生成を可能とする、ビーム分割装置および鏡のような、特別に適合された光学要素を備え得る。特に、周期的または非周期的な形で光ビームを向け直す1個または複数の可動型ミラーの使用によって、照明源を1つの区域または容積を走査する方向に向けることができる。この様式で構造化された光源を提供するために、照明源をさらに、複数のマイクロミラーの配列を使用して向け直してもよい。構造化された光源は、点または辺のような光学的特徴の投影に使用され得る。
従って、走査システムは、1個または複数の物体の1つまたは複数の表面上に配置された1個または複数のドットの静的配置を提供し得る。あるいは、走査システムの照明源、特に上述の複数のレーザビームから成る配列のような1つまたは複数のレーザビームは、時間の経過につれ変化する強度を示し得る、および/または時間が経過する中で放出方向が交互に変化し得る、1つまたは複数の光ビームを、特に上述のマイクロミラーの配列内に含まれるマイクロミラーのような1個または複数のミラーを動かすことによって提供するように構成され得る。結果として、照明源は、走査装置の少なくとも1個の照明源によって生成される交互特徴を有する1つまたは複数の光ビームを使用することにより、少なくとも1個の物体の少なくとも1つの表面の一部を1個の画像として走査するように構成され得る。従って、特に、走査システムは、1個または複数の物体の1つまたは複数の表面の連続的走査または同時走査のような、少なくとも1回の列走査および/または線走査を使用し得る。非限定的な例として、走査システムは生産環境などでの安全レーザスキャナ、および/または3Dプリンティングへの接続、身体走査、品質管理といった物体の形状決定に使用されるような3D走査装置、距離計など建設への応用、小包のサイズもしくは容積の決定など物流への応用、ロボット掃除機もしくは芝刈り機など家庭用品、またはその他、走査工程を含み得る応用に使用され得る。
任意の転送装置は、上記にて説明のように、物体から検出器へと伝播する光を少なくとも2個の光学センサへ、好ましくは連続的に供給するように設計され得る。上記にて説明のように、この供給は任意に、画像処理を手段として、または転送装置の非画像処理特性を手段として有効化され得る。特に、転送装置は、電磁放射が1個または複数の光学センサに供給される前に電磁放射を収集するように設計されてもよい。任意の転送装置は、以下にてさらに詳しく説明するように、完全にまたは部分的に、任意の少なくとも1個の照明源、例えば少なくとも1つのガウスビームなど定義されたビームプロファイルまたは正確に既知であるビームプロファイルなどの規定された光学特性を有する光ビーム、特に既知のビームプロファイルを有する少なくとも1つのレーザビームを供給するように設計されている照明源の構成要素であってもよい。
任意の照明源の潜在的実施形態については、国際公開第2012/110924A1号を参照するとよい。さらに、他の実施形態も実現可能である。物体から出る光は、物体自体から生じてよいが、任意に、異なる起点を有していてもよく、この起点から物体へと伝播し、その後、横方向および/または縦方向光学センサへと伝播してもよい。後者の場合、例えば使用中の少なくとも1個の照明源に影響され得る。この照射源は、例えば環境照明源であるか、もしくはこれを含み得る、および/または人工照明源であるか、もしくはこれを含み得る。一例として、検出器自体は、少なくとも1個の照明源、例えば少なくとも1個のレーザおよび/または少なくとも1個の白熱電球および/または少なくとも1個の半導体照明源、例えば少なくとも1個の発光ダイオード、特に有機および/または無機の発光ダイオードを含み得る。一般的に規定されるビームプロファイルおよび他の操作特性の関係上、1個または複数のレーザを照明源またはその一部として使用するのが特に好適である。照明源自体は、検出器の構成要素であるか、または検出器から独立する形で形成され得る。照明源は、特に検出器内、例えば検出器のハウジングに一体化され得る。付加的または代替的に、少なくとも1個の照明源を少なくとも1個のビーコン装置または複数のビーコン装置の1個もしくは複数および/または物体に一体化するか、または物体に接続もしくは空間結合してもよい。
ビーコン装置から発生する光は、相応に、前記の光が各ビーコン装置自体を起点とするという選択の代わりにまたはこれに加えて、照明源から発生してもよく、および/または照明源によって励起されてもよい。一例として、ビーコン装置から発生する電磁光はビーコン装置自体から放出されてもよく、および/または検出器へと供給される前にビーコン装置によって反射され、および/またはビーコン装置によって散乱されてもよい。この場合、電磁放射の放出および/または散乱は、電磁放射のスペクトル的影響を受けずに有効化される場合もあれば、係る影響を伴う場合もある。従って、一例として、例えばストークスまたはラマンに従って散乱中に波長シフトが発生する可能性もある。さらに、光の放出は、例えば一次照明源により、例えば、ルミネセンス、特にリン光および/または蛍光を生成するよう励起される物体または物体の部分領域によって励起されてもよい。他の放出工程も原則として可能である。反射が生じる場合、物体は例えば少なくとも1つの反射領域、特に少なくとも1つの反射表面を有し得る。前記反射表面は、物体自体の一部であってもよいが、例えば物体に接続または空間的に結合された反射体、例えば物体に接続された反射体プラークであってもよい。少なくとも1つの反射体を使用する場合、これを例えば検出器の他の構成要素から独立に、物体に接続された検出器の一部と見なしてもよい。
ビーコン装置および/または少なくとも1個の任意の照明源は、一般的に、紫外スペクトル範囲、好ましくは200nm〜380nmの範囲;可視スペクトル範囲(380nm〜780nm);赤外スペクトル範囲、好ましくは780nm〜3.0μmの範囲の少なくとも1つに該当する光を放出し得る。赤外線画像処理への応用には、標的は遠赤外スペクトル範囲、好ましくは3.0マイクロメートル〜20マイクロメートルの範囲の光を放出し得る。最も好ましくは、少なくとも1個の照明源は、可視スペクトル範囲、好ましくは500nm〜780nm、最も好ましくは650nm〜750nmまたは690nm〜700nmの範囲の光を放出するように適合される。
光学センサへの光ビームの供給は、特に、光点、例えば円形、楕円形または他の構成の断面を有する光点が、光学センサの感受性エリア上に生成されるような形で有効化され得る。一例として、検出器は、可視範囲、特に固定角度範囲および/または空間範囲を有し得、その範囲内で物体が検出され得る。好ましくは、任意の転送装置は、例えば物体が検出器の可視範囲内に配置されている場合、光点が光学センサの感受性エリア上に完全に配置されるように設計される。一例として、感受性エリアは、この条件を確保するために対応するサイズを有するよう選択され得る。
さらに、本発明では、少なくとも1個の物体の位置を、本発明に係る検出器、例えば上記にて開示の検出器または以下にてさらに詳しく開示される検出器に言及する実施形態の1つまたは複数に記載の検出器を使用して決定するための方法も開示する。さらに、他の種類の検出器を使用してもよい。
この方法は、以下の方法工程を含み、これらの方法工程は、記載の順序で実行してもよく、または異なる順序で実行してもよい。さらに、列記されていない1つまたは複数の付加的な方法工程も存在し得る。さらに、これらの方法工程の1つ、2つ以上、またはさらにすべての方法工程を繰り返して実行してもよい。
該方法工程は、
少なくとも1個の縦方向光学センサの少なくとも1つの縦方向センサ領域内の少なくとも1つの縦方向感受性エリアを、光ビームによる縦方向感受性エリアの照明に依存する少なくとも1つの縦方向センサ信号が生成されるように照明し、照明の総出力が同じである場合に縦方向センサ信号が縦方向感受性エリア内の光ビームのビーム断面に依存する工程と、
検出器の少なくとも1個の横方向光学センサの少なくとも1つの蛍光性導波シートの少なくとも1つの横方向感受性エリアを物体から検出器へと伝播する少なくとも1つの光ビームで照明し、光ビームが少なくとも1つの光点を横方向感受性エリア内に生成し、蛍光性導波シートが少なくとも1つの蛍光性材料を含有する工程と、
光ビームによって照明されたことに応答して蛍光性導波シートにより蛍光発光を生成する工程と、
光点からの蛍光発光を蛍光性導波シートの少なくとも2つのエッジに位置する少なくとも2つの感光性要素へと誘導する工程と、
感光性要素を使用することによって蛍光発光を検出すると共に、横方向センサ信号を生成する工程と、
少なくとも1個の評価装置を使用することによって縦方向センサ信号を評価すると共に、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定する工程と、
少なくとも1個の評価装置を使用することによって感光性要素の横方向センサ信号を評価すると共に、物体の少なくとも1つの横方向座標を決定する工程と
を含む。
少なくとも1個の縦方向光学センサの少なくとも1つの縦方向センサ領域内の少なくとも1つの縦方向感受性エリアを、光ビームによる縦方向感受性エリアの照明に依存する少なくとも1つの縦方向センサ信号が生成されるように照明し、照明の総出力が同じである場合に縦方向センサ信号が縦方向感受性エリア内の光ビームのビーム断面に依存する工程と、
検出器の少なくとも1個の横方向光学センサの少なくとも1つの蛍光性導波シートの少なくとも1つの横方向感受性エリアを物体から検出器へと伝播する少なくとも1つの光ビームで照明し、光ビームが少なくとも1つの光点を横方向感受性エリア内に生成し、蛍光性導波シートが少なくとも1つの蛍光性材料を含有する工程と、
光ビームによって照明されたことに応答して蛍光性導波シートにより蛍光発光を生成する工程と、
光点からの蛍光発光を蛍光性導波シートの少なくとも2つのエッジに位置する少なくとも2つの感光性要素へと誘導する工程と、
感光性要素を使用することによって蛍光発光を検出すると共に、横方向センサ信号を生成する工程と、
少なくとも1個の評価装置を使用することによって縦方向センサ信号を評価すると共に、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定する工程と、
少なくとも1個の評価装置を使用することによって感光性要素の横方向センサ信号を評価すると共に、物体の少なくとも1つの横方向座標を決定する工程と
を含む。
詳細、選択肢および定義については上述の検出器を参照するとよい。従って、具体的には、上記に概説するとおり、該方法は本発明に係る検出器、例えば上記の実施形態または以下にてさらに詳しく記載される実施形態の1つまたは複数に係る検出器の使用を含む。
本発明のさらなる一態様において、交通技術における位置測定;娯楽への応用;セキュリティへの応用;監視への応用;安全への応用、ヒューマンマシンインターフェースへの応用;追跡への応用;写真撮影への応用;少なくとも1個の飛行時間検出器との併用;構造化光源との併用;ステレオカメラとの併用;機械視覚への応用;ロボット工学への応用;品質管理への応用;製造への応用、構造化照明源との併用;ステレオカメラとの併用から成る群から選択される使用目的のための、上記の実施形態または以下にてさらに詳しく記載される実施形態の1つまたは複数に係る検出器など、本発明に係る検出器を使用する方法が提案される。
光学センサは、1個もしくは複数の信号処理装置、例えば1個もしくは複数のフィルタ、および/または少なくとも1個の信号を処理および/または前処理するアナログデジタルコンバータを含み得る。1個もしくは複数の信号処理装置は完全にもしくは部分的に光学センサに一体化されてもよく、および/または完全にもしくは部分的に独立的なソフトウェアおよび/またはハードウェアコンポーネントとして具現化され得る。
物体は一般的に、生物または無生物物体であってもよい。検出器システムは少なくとも1個の物体を含むことにより、物体が検出器システムの一部を形成し得る。ただし好ましくは、物体は少なくとも1つの空間次元内で検出器から独立的に移動し得る。
物体は一般的に任意の物体であってもよい。一実施形態において、物体は剛性物体であってもよい。物体が非剛性物体または形状が変化し得る物体であるといった、他の実施形態が実現可能である。
以下にてさらに詳しく概説するように、本発明は具体的には機械制御、ゲームまたはスポーツシミュレーションなどを目的に、人の位置および/または運動の追跡に使用され得る。この実施形態または他の実施形態において、具体的には物体はスポーツ用品群、好ましくはラケット、クラブ、バット、衣類、帽子、靴から成る用品群から選択され得る。
本発明のさらなる一態様において、上記にて概説のとおり、使用者とマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するためのヒューマンマシンインターフェースが開示される。ヒューマンマシンインターフェースは、上記にて開示の実施形態の1つまたは複数および/または以下にてさらに詳しく開示される実施形態の1つまたは複数に記載のような、本発明に係る少なくとも1つの検出器システムを含む。ビーコン装置は直接または間接的に使用者に装着される状態または使用者によって保持される状態の少なくとも1つとなるように適合される。ヒューマンマシンインターフェースは検出器システムを手段として使用者の少なくとも1つの位置を決定するように設計される。ヒューマンマシンインターフェースはさらに少なくとも1つの情報をその位置に割り当てるように設計される。
本発明の一態様において、上記にて概説のとおり、少なくとも1つの娯楽機能を実行する娯楽装置が開示される。娯楽装置は本発明に係る少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを含む。娯楽装置はさらに、ヒューマンマシンインターフェースを手段として少なくとも1つの情報をプレーヤが入力可能となるように設計される。娯楽装置はさらに、情報に従って娯楽機能を変化させるように設計される。
上記にて概説のとおり、本発明のさらなる一態様において、少なくとも1個の可動物体の位置を追跡する追跡装置が開示される。追跡システムは、上記にて開示の実施形態の1つまたは複数および/または以下にてさらに詳しく開示される実施形態の1つまたは複数に記載のような、本発明に係る少なくとも1つの検出器システムを含む。追跡システムはさらに、少なくとも1個の進路制御装置をも含み、進路制御装置は特定の時点での物体の位置を連続的に追跡するように適合される。
このように、一般的に、検出器など本発明に係る装置を様々な使用分野に応用することができる。具体的には、検出器を以下から成る群から選択される用途、:交通技術における位置測定;娯楽への応用;セキュリティへの応用;ヒューマンマシンインターフェースへの応用;追跡への応用;写真撮影への応用;少なくとも1つの空間のマップ生成用のマッピングへの応用(例:部屋、建物および街路の群から選択される少なくとも1つの空間);モバイルへの応用;ウェブカム;音響装置;ドルビーサラウンド音響システム;コンピュータ周辺機器;ゲームへの応用;カメラまたはビデオへの応用;セキュリティへの応用;監視への応用;自動車への応用;輸送への応用;医療への応用;スポーツへの応用;機械視覚への応用;車両への応用;航空機への応用;船舶への応用;宇宙船への応用;建築への応用;工事への応用;地図製作への応用;製造への応用;少なくとも1個の飛行時間検出器との併用、に応用することができる。付加的または代替的に、局所測位システムおよび/または全地球測位システムでの応用、特に乗用車または他の車両(例:鉄道、自動二輪車、自転車、貨物輸送トラック)、ロボットまたは歩行者用の陸標ベースの測位および/または航法での応用も挙げられる。さらに、屋内測位システムも潜在的応用として、例えば家庭用品および/または製造技術で使用されるロボットも挙げられる。
従って、第1に、本発明に係る装置は携帯電話機、タブレットコンピュータ、ラップトップ、スマートパネルあるいは他の固定型または移動型または着用型のコンピュータまたは通信アプリケーションにおいて使用され得る。相応に、本発明に係る装置は少なくとも1個の活性光源、例えば可視光範囲または赤外光スペクトル範囲の光を放出する光源と、性能向上を目的に組み合わされ得る。相応に、一例として、本発明に係る装置はカメラおよび/またはセンサとして、例えば環境、物体および生物を走査するモバイルソフトウェアと組み合わせて使用され得る。本発明に係る装置はさらに、画像処理効果を高めるために、従来型カメラのような2Dカメラと組み合わせることもできる。本発明に係る装置はさらに、監視および/または記録目的に、あるいはモバイル機器を制御する入力装置として、特に音声および/またはジェスチャ認識と組み合わせて使用することもできる。従って、具体的には、ヒューマンマシンインターフェースとして働く、入力装置とも呼ばれる本発明に係る装置は、携帯電話機のようなモバイル機器を介して他の電子装置または構成要素を制御するためのようなモバイルへの応用に使用され得る。一例として、本発明に係る少なくとも1個の装置を含むモバイルアプリケーションを、テレビジョン、ゲームコンソール、音楽再生機器または音楽装置または他の娯楽装置の制御用として使用することができる。
さらに、本発明に係る装置はコンピューティングへの応用向けのウェブカムまたは他の周辺機器にも使用され得る。従って、一例として、本発明に係る装置は画像処理、記録、監視、走査、または運動検出用のソフトウェアと組み合わせて使用され得る。ヒューマンマシンインターフェースおよび/または娯楽装置の文脈で概説されているように、本発明に係る装置は特に、顔面表現および/または身体表現による命令付与に有用である。本発明に係る装置は、マウス、キーボード、タッチパッド、マイクロフォンなどのような他の入力生成装置と組み合わせることができる。さらに、本発明に係る装置は例えばウェブカムを使用することによって、ゲーム向けの応用にも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は仮想トレーニングへの応用および/またはビデオ会議にも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、仮想現実または拡張現実への応用において、特に頭部装着型ディスプレイを着用する際、使用される手、腕または物体の認識または追跡にも使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は、上記にて部分的に説明したように、携帯型音響装置、テレビジョン装置およびゲーム装置にも使用され得る。具体的には、本発明に係る装置は、電子装置、娯楽装置などの制御装置として使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、2D表示技法および3D表示技法におけるような眼球検出または視線追跡向けに、特に拡張現実への応用および/またはディスプレイに視線が向けられているか否かの認識および/またはディスプレイに視線が向けられている方向の認識向けの透明ディスプレイと併せて使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、仮想現実または拡張現実への応用との関連において、特に頭部装着型ディスプレイを着用する際、部屋、境界または障害物を探索する目的にも使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は、例えばDSCカメラのようなデジタルカメラおよび/またはSLRカメラなどレフレックスカメラにおいて、あるいはそれらとして使用され得る。これらの応用については、上記に開示するような携帯電話機のようなモバイルアプリケーションにおける本発明に係る装置を使用する方法を参照するとよい。
さらに、本発明に係る装置はセキュリティへの応用または監視への応用にも使用され得る。従って、一例として、本発明に係る少なくとも1個の装置を、ある物体が既定の区域内または区域外に存在する場合に信号を発する1個または複数のデジタルおよび/またはアナログの電子機器と組み合わせることができる(例:銀行または博物館での監視への応用)。具体的には、本発明に係る装置は光学的暗号化に使用され得る。本発明に係る少なくとも1個の装置の使用による検出を、IR、X線、UV−VIS、レーダまたは超音波検出器のような、波長を補完する他の検出装置と組み合わせることができる。本発明に係る装置をさらに、低光量環境での検出を可能にする、アクティブ赤外光源と組み合わせることもできる。本発明に係る装置は第三者によって検出され得る信号を能動的に送信することを回避するので、例えばレーダへの応用、超音波への応用、LIDARまたは同様の能動型検出装置内のような場合、本発明に係る装置は一般的に、能動型検出器システムと比べ有利である。従って、一般的に、本発明に係る装置は、移動中の物体を、認識されず、かつ気付かれずに追跡するために使用され得る。加えて、本発明に係る装置は一般的に、従来の装置と比べ、不正操作されにくく、過敏になりにくい。
さらに、本発明に係る装置を使用することによって3D検出が容易かつ正確になることを踏まえ、本発明に係る装置は一般的に、顔面、身体および人の認識および識別に使用され得る。その場合、本発明に係る装置は、パスワード、指紋、虹彩検出、音声認識または他の手段のような、識別または個人化のための他の検出手段と組み合わされ得る。このように、本発明に係る装置は一般的に、セキュリティ装置および他の個人化への応用に使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は生産物識別用3Dバーコードリーダとして使用され得る。
前述のセキュリティおよび監視への応用に加え、本発明に係る装置は一般的に、空間および区域の監視およびモニタリングにも使用され得る。従って、本発明に係る装置は、空間および区域の測量およびモニタリング用に、また一例として、禁止区域への侵入が発生した場合の警報の発動または実行に使用され得る。従って、本発明に係る装置は一般的に、建物監視または博物館において、例えば運動センサまたは熱センサとの組み合わせで、あるいは画像増倍管または画像拡大装置および/または光電子増倍管との組み合わせでといったような、他の種類のセンサとの組み合わせで、監視目的に任意に使用され得る。さらに、本発明に係る装置は公共空間または混雑空間において、駐車場での窃盗の実行のような犯罪行動といった潜在的に危険有害な活動、または空港における置き去りの手荷物のような置き去りの物体の検出にも使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は、ビデオおよびカムコーダへの応用のようなカメラ応用に優位に適用され得る。従って、本発明に係る装置は運動捕捉および3D映画撮影に使用され得る。その場合、本発明に係る装置は一般的に、従来の光学装置と比べ、多数の利点を提供する。従って、本発明に係る装置は一般的に、光学構成要素に関してより低い複雑性しか必要としない。従って、一例として、レンズを1個だけ有する本発明に係る装置の提供などにより、従来の光学装置と比べ、レンズ数を少なくすることができる。複雑性が低減されることから、モバイル用途用のような超小型装置が可能である。高品質のレンズを複数有する従来の光学システムは一般的に、概して大型のビーム分割装置が必要となるといった理由により、大型である。さらに、本発明に係る装置は一般的に、自動焦点カメラなど、合焦/自動合焦装置向けにも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は光学顕微鏡法、特に共焦点顕微鏡法にも使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は一般的に、自動車技術および輸送技術の技術分野においても適用可能である。したがって、一例として、本発明に係る装置は、適応型クルーズコントロール、非常用ブレーキアシスト、車線離脱警告、サラウンドビュー、死角検出、後退時横断通行警告および他の自動車への応用および交通への応用のような、距離センサおよび監視センサとして使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、本発明に係る検出器の使用によって得られる位置情報の第1および第2の時間導関数の分析などにより、速度および/または加速度の測定にも使用され得る。この特徴は一般的に、自動車技術、輸送技術または全般的交通技術に適用可能である。他の分野の技術への応用も実現可能である。屋内測位システムにおける具体的応用として、輸送における乗客の配置の検出、より具体的にはエアバッグのような安全システムの使用の電子制御が挙げられる。エアバッグの使用が重傷の原因になるような位置に乗員が位置する場合に、エアバッグの使用を回避することができる。
これらまたは他の応用において、本発明に係る装置は一般的に単独の装置として、あるいはレーダおよび/または超音波装置との組み合わせのような他のセンサ装置との組み合わせで使用され得る。具体的には、本発明に係る装置は自律型運転および安全対策向けに使用され得る。さらに、これらへの応用において、本発明に係る装置は、赤外センサ、音波センサであるレーダセンサ、2次元カメラまたは他の種類のセンサと組み合わせて使用され得る。これらの応用では、本発明に係る装置の概して受動的な性質が有利である。このように、本発明に係る装置は一般的に信号放出を必要としないことから、能動型センサ信号が他の信号源と干渉するリスクを回避することができる。本発明に係る装置は具体的には、標準的な画像認識ソフトウェアのような、認識ソフトウェアと組み合わせて使用され得る。このように、本発明に係る装置によって提供されるような信号およびデータは一般的に、容易に処理可能であり、したがって一般的に、計算能力に対する要求は、LIDARのような確立された立体視システムよりも低い。空間要求が低いことから、カメラなど本発明に係る装置を、フロントガラス、前方フード、バンパ、灯火類、ミラーまたは他の場所といった、車両内の事実上どこにでも設置することができる。本発明の範囲内で開示される効果に基づく1個または複数の検出器など、本発明に係る様々な検出器を、例えば車両の自律運転を可能にするために、またはアクティブセーフティの概念の性能を向上させるために組み合わせることができる。従って、本発明に係る様々な装置を、本発明に係る他の1個または複数の装置および/または従来型のセンサと、例えばリアウィンドウ、サイドウィンドウまたはフロントウィンドウ、バンパまたは灯火類において、組み合わせることができる。
本発明に係る少なくとも1個の検出器のような本発明に係る少なくとも1個の装置と、1個または複数の降雨検出センサとの組み合わせも可能である。これは、本発明に係る装置が一般的に、とりわけ豪雨の間は、レーダのような従来型のセンサ技術よりも有利であるという事実による。本発明に係る少なくとも1個の装置と、レーダのような、少なくとも1つの従来型センシング技術との組み合わせは、気象条件に応じた複数の信号の適正な組み合わせを選択するソフトウェアを実現することができる。
さらに、本発明に係る装置は一般的に、ブレーキアシストおよび/またはパーキングアシストとして、および/または速度測定用に使用され得る。速度測定は、車両内に一体化することができ、或いは、車両外において、例えば交通規制時において他の車両の速度を測定するために使用することができる。さらに、本発明に係る装置は、駐車場で空き駐車スペースを検出するために使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は、医療システムおよびスポーツの分野にも使用され得る。相応に、本発明に係る装置は小さな容積しか必要とせず、且つ他の装置に組み込むことができるので、医療技術分野では、例えば内視鏡内での使用のための外科用ロボット工学が挙げられる。具体的には、せいぜい1つのレンズを有する本発明に係る装置が、内視鏡のような医療用装置において3D情報を捕捉するために使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、運動の追跡および分析を可能にするために、適切なモニタリングソフトウェアと組み合わされ得る。これは、内視鏡または外科用メスのような医療用装置の位置を瞬間的に、磁気共鳴映像法、X線撮影または超音波撮影などから取得された医療用画像処理結果と重ね合わせることを可能とする。これらの応用は具体的には、例えば、脳手術および遠隔診断および遠隔治療のような、精密な位置情報が重要となる医療処置において有益である。さらに、本発明に係る装置は3D身体走査に使用され得る。身体走査は医療分野において、歯科手術、形成手術、肥満手術または美容整形手術などに適用され得、あるいは筋膜疼痛症候群、癌、身体醜形障害または他の疾患の診断などに適用され得る。身体走査はさらに、スポーツ用具の人間工学的な使用または適合を評価するために、スポーツ分野にも適用され得る。
身体走査はさらに、衣類の文脈において、衣類の適切なサイズやフィッティングの決定などにも使用され得る。この技術は、テーラーメードの衣類の文脈で、あるいはインターネットから、または、マイクロキオスク装置または顧客コンシェルジュ装置のようなセルフサービスのショッピング装置で注文した衣類または履物の文脈で使用され得る。衣類の文脈における身体走査は、正装した顧客を走査する場合に特に重要である。
さらに、本発明に係る装置は、エレベーター、列車、バス、乗用車、または航空機内の人数の計数、あるいは玄関、扉、通路、小売店舗、スタジアム、娯楽会場、博物館、図書館、公共の場所、映画館、劇場などを通過する人数の計数のような、人数計数システムの文脈で使用され得る。さらに、人数計数システムにおける3D機能は、例えば身長、体重、年齢、体力のような、計数される人々に関する詳細情報を取得または推定するたえに使用され得る。この情報は、ビジネスインテリジェンス測定基準のために、および/または人数が係数される地域社会をより魅力的または安全とするさらなる最適化のために使用され得る。小売環境では、本発明に係る装置は人数計数の文脈で言えば、再来店顧客または買物客の往来の認識、買物行動の評価、実際に購入する来訪者の割合の評価、交代勤務の最適化、あるいは商店街における来訪者1人当たり原価のモニタリングなどに使用され得る。さらに、人数計数システムは身体計測調査にも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は公共輸送システムにおいて、輸送距離に応じた自動運賃課金にも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は児童の遊び場において、負傷した児童または危険な活動に関わっている児童の認識、遊具との付加的な相互交流の実現、遊具の安全な使用の確保などにも使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は、物体もしくは壁までの距離を決定する距離計や、表面が平面かどうかを評価するための、物体を順序通りに整列または配置するための、または建設環境などで使用するための検査用カメラにおける、といった建設用具において使用され得る。
さらに、本発明に係る装置はトレーニング、遠隔指導または競技目的といった、スポーツおよび運動の分野にも適用され得る。具体的には、本発明に係る装置はダンス、エアロビクス、フットボール、サッカー、バスケットボール、野球、クリケット、ホッケー、陸上競技、水泳、ポロ、ハンドボール、バレーボール、ラグビー、相撲、柔道、フェンシング、ボクシング、ゴルフ、自動車レース、レーザータグ、戦場シミュレーションなどの分野にも適用され得る。本発明に係る装置はスポーツと試合の両方において、ボール、バットまたは剣の位置および運動などを検出するため、例えば試合を監視するため、審判をサポートするため、またはスポーツにおける特定の状況において決定を行うため、とりわけ自動決定を行うため、例えば、実際に得点またはゴールがあったか否の決定を行うために使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は自動車レースまたは自動車運転訓練または自動車安全訓練などの分野において、車両の位置または進路、あるいは従前の進路または理想的な進路からの逸脱などを決定する目的に使用され得る。
本発明に係る装置はさらに、楽器の練習の補助、特に遠隔レッスン、例えばフィドル、バイオリン、ヴィオラ、チェロ、ベース、ハープ、ギター、バンジョーまたはウクレレなどの弦楽器、ピアノ、オルガン、キーボード、ハープシコード、ハーモニウムまたはアコーディオンなどの鍵盤楽器、および/またはドラム、ティンパニ、マリンバ、木琴、ビブラホン、ボンゴ、コンガ、タンバル、ジャンベまたはタブラなどの打楽器のレッスンの補助に使用され得る。
本発明に係る装置はさらに、トレーニングの奨励および/または運動の調査および是正を目的に、リハビリテーションおよび理学療法にも使用され得る。その場合、本発明に係る装置を遠隔診断に応用することもできる。
さらに、本発明に係る装置は、機械視覚の分野にも適用され得る。従って、本発明に係る装置の1個または複数を、例えば自律運転および/またはロボットの作業に関する受動的制御ユニットとして使用することができる。移動するロボットとの組み合わせで、本発明に係る装置は、自律的な移動および/または部品の不具合の自律的な検出を実現し得る。本発明に係る装置は、これに限らないが、例えばロボットと生産部品と生物との間での衝突などの事故を回避するために、製造および安全性の監視にも使用され得る。ロボット工学では、ロボットが人間を認識しないと人間に重傷を負わせてしまうおそれがあることから、人間とロボットとの安全な直接の相互作用が争点となることが多い。本発明に係る装置は、ロボットが物体や人間の位置をより良好かつ迅速に決定し、安全な相互作用を可能にする上で役立ち得る。本発明に係る装置の受動的性質を踏まえ、本発明に係る装置は能動型装置よりも有利と考えられ、および/またはレーダ、超音波、2Dカメラ、IR検出などのような、既存の解決手段を補うように使用され得る。本発明に係る装置における1つの特別な利点は、信号干渉の可能性が低いことである。したがって、複数のセンサが同じ環境で同時に、信号干渉のリスクを伴うことなく作動し得る。従って、本発明に係る装置は一般的に、高度に自動化された生産環境、これに限らないが、例えば自動車産業、鉱業、鉄鋼産業などにおいて有用となり得る。本発明に係る装置は、例えば2D画像処理、レーダ、超音波、IRなどの他のセンサと組み合わせて、品質管理または他の目的のような、生産における品質管理にも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は表面品質の評価向けに、例えば製品の表面平坦性または指定された寸法の遵守状況の調査などを目的に、数マイクロメートルから数メートルの範囲に至るまで使用することができる。他の品質管理への応用も実現可能である。製造環境において、本発明に係る装置は食品または木材など天然生産物の加工に特に有用であり、複雑な3次元構造に伴う大量の廃棄物の発生を回避する。さらに、本発明に係る装置は、タンクやサイロなどの充填レベルのモニタリングにも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は複雑な製品の部品検査、特に欠落部品、不完全な部品、緩んでいる部品、または低品質の部品の検査向けに、例えば自動光学検査または印刷回路基板に関連する検査、組立品または部分組立品の検査、工学的構成要素の検証、エンジン部品検査、木材品質検査、ラベル検査、医療用具検査、製品配向検査、包装検査、食品包装検査、あるいは他の種類の部品に関連する検査にも使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は車両、列車、航空機、船舶、宇宙船および他の交通への応用にも使用され得る。このように、交通への応用の文脈においては上述の応用に加え、航空機や車両など用の受動型追跡システムも挙げられる。本発明に係る少なくとも1個の検出器など、本発明に係る少なくとも1個の装置を、移動中の物体の速度および/または方向のモニタリングに使用することが実現可能である。具体的には、陸地、海および空(宇宙空間を含む)における高速移動中の物体の追跡が挙げられる。具体的には、本発明に係る少なくとも1個の検出器など、本発明に係る少なくとも1個の装置を、固定型および/または移動型の装置に装着することができる。本発明に係る少なくとも1個の装置の出力信号を、例えば別の物体の自律移動または誘導移動のための誘導機構と組み合わせることができる。従って、追跡対象物体と操縦対象物体との間での衝突を回避する、または可能にするための応用が実現可能である。本発明に係る装置は一般的に有用かつ有利であるが、その背景には要求される計算能力が低く、瞬時に応答することと、検出システムの受動的性質のおかげで一般的に、レーダなど能動型システムと比べ、見つかりにくく、撹乱されにくいという点がある。本発明に係る装置は、例えば速度制御装置や航空交通制御装置に特に有用であるが、これらに限られるわけではない。さらに、本発明に係る装置は、有料道路の自動料金徴収システムにも使用され得る。
本発明に係る装置は一般的に、受動的応用に使用され得る。受動的応用の例として港湾または危険区域での船舶の誘導や、航空機の離着陸時の誘導が挙げられる。この場合、精密誘導を目的に、固定型の既知の能動的標的が使用され得る。同じものを、鉱山用車両など、危険であるが適切に規定された経路上での車両運転に使用することができる。さらに、本発明に係る装置は、自動車、列車、飛行物体、動物などのような、急速に接近する物体の検出にも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、物体の速度または加速度の検出、あるいは時間に応じた位置、速度および/または加速度の1つまたは複数の追跡による物体の動きの予測にも使用され得る。
さらに、上記にて概説のとおり、本発明に係る装置はゲームの分野にも使用され得る。相応に、本発明に係る装置は、サイズ、色、形状などが同一または異なる複数の物体と併用する場合、例えば運動を内容に組み入れるソフトウェアとの組み合わせによる運動検出に対し、受動的であってもよい。特に、運動をグラフィック出力内に実装する応用が実現可能である。さらに、命令を付与するための本発明に係る装置の応用が、ジェスチャ認識または顔面認識用のような、本発明に係る装置を1個または複数使用することによって実現可能である。本発明に係る装置は、例えば低光量条件またはその他、周囲条件の強調が必要となる状況下で作動できるように、能動型システムと組み合わせることができる。付加的または代替的に、本発明に係る1個または複数の装置と1個または複数のIR光源またはVIS光源との組み合わせが可能である。これに限らないが、例えば特別な色、形状、他の装置に対する相対位置、移動速度、光、装置の光源の変調に使用される周波数、表面特性、使用材料、反射特性、透明度、吸収特性などをシステムとそのソフトウェアによって容易に区別することができる特殊装置と本発明に係る検出器を組み合わせることも可能である。装置は、他にも数ある可能性の中で特に、スティック、ラケット、クラブ、銃、ナイフ、ホイール、リング、ステアリングホイール、ボトル、ボール、グラス、花瓶、スプーン、フォーク、キューブ、ダイス、フィギュア、人形、テディ、ビーカ、ペダル、スイッチ、手袋、宝飾品、楽器または楽器用補助用具、例えばピック、ドラムスティックなどに類似するものであってもよい。他の選択肢も実現可能である。
さらに、本発明に係る装置は、高温または他の発光プロセスなどによってそれ自体が発光する物体の検出および/または追跡に使用され得る。発光部分は排気流などであってもよい。さらに、本発明に係る装置は、反射性物体の追跡や、これらの物体の回転または配向の分析に使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は一般的に、建築、建設および地図製作の分野に使用され得る。従って、本発明に係る1個または複数の装置は一般的に、環境的区域、例えば田園地帯または建物の測定および/またはモニタリングに使用され得る。その場合、本発明に係る1個または複数の装置を他の方法および装置と組み合わせるか、または単独で、建築プロジェクト、変化する物体、住宅などの、進捗および正確性のモニタリングのために使用することができる。本発明に係る装置は、部屋、街路、住宅、コミュニティまたは景観(地上または上空からの双方)に関する地図を作成するために、スキャンされた環境の3次元モデルを生成するために使用され得る。潜在的な適用分野の例は、建設、地図作成、不動産管理、土地測量などであり得る。一例として、建物や、畑、生産プラントまたは地形のような農業生産環境の監視や、救難作業の支援、あるいは単独または複数の人または動物などの発見のために、本発明に係る装置をマルチコプターに搭載して使用することができる。
さらに、本発明に係る装置は、家屋内での基本的な電化製品関連サービス、例えばエネルギーまたは負荷の管理、遠隔診断、ペット関連電化製品、児童関連電化製品、児童監視、電化製品関連監視、高齢者または病人の補助またはサービス提供、家屋の保安および/または監視、電化製品の操作の遠隔制御、及び自動保守補助の、相互接続、自動化および制御のための、CHAIN(欧州家電機器委員会相互運用ネットワーク)のような、家庭用電化製品の相互接続ネットワーク内でも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、空調システムなど冷暖房システムにおいて、所望の温度または湿度への調整対象となる部屋の部分を、特に1人または複数の人の位置に応じて決定するためにも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、家事に使用され得る奉仕ロボットまたは自律型ロボットのような、家庭用ロボットにも使用され得る。本発明に係る装置は、衝突回避または環境地図作成のような多種多様な目的に使用され得るだけでなく、使用者の識別、任意の使用者についてのロボットの性能の個人化、セキュリティ目的、あるいはジェスチャ認識または顔面認識にも使用され得る。一例として、本発明に係る装置は、ロボット掃除機、床洗浄ロボット、乾拭きロボット、衣類のアイロン掛け用ロボット、動物用トイレロボット(猫用トイレロボットなど)、侵入者を発見するセキュリティロボット、芝刈りロボット、自動プール洗浄機、雨樋洗浄ロボット、窓洗浄ロボット、おもちゃのロボット、テレプレゼンスロボット、移動能力が低い人々の友達になるソーシャルロボット、または手話通訳ロボットにおいて使用され得る。高齢者など移動能力が低い人々の背景において、本発明に係る装置を有する家庭用ロボットは、物体の拾い上げ、運搬、および物体や使用者との安全な形での相互交流といった目的に使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、危険物を扱うロボットまたは危険な環境で働くロボットにも使用され得る。非限定的な一例として、本発明に係る装置は、化学物質または放射性物質のような危険物(特に災害発生後)、あるいは地雷、不発弾といった他の危険物または潜在的危険物を扱うロボットまたは無人遠隔制御型車両において、あるいは燃えている物体または被災地の付近のような不安全な環境での運用またはそのような環境の調査に使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は、家庭用機器、モバイル機器または娯楽装置、例えば冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、窓のブラインドまたはシャッター、家庭用警報器、空調機器、暖房機器、テレビジョン、音響装置、スマートウォッチ、携帯電話機、電話機、食器洗浄機、またはストーブなどにおいて、人の存在の検出、装置の内容または機能のモニタリング、あるいは人との相互交流および/または人に関する情報を別の家庭用機器、モバイル機器または娯楽装置と共有する目的に使用され得る。
本発明に係る装置はさらに、農業分野において、例えば害虫、雑草および/または菌類や昆虫によって感染するおそれのある作物植物の感染状況の完全なまたは部分的な検出および選別にも使用され得る。さらに、作物収穫の場合、本発明に係る装置を使用しなければ収穫用機器によって負傷する可能性のあるシカなどの動物の検出に、本発明に係る装置を使用することもできる。さらに、本発明に係る装置は、畑または温室での植物の成長を観察するため、特に畑または温室内の任意の領域について、さらには任意の植物について、水または肥料または作物保護製品の量の調整にも使用され得る。さらに、農業用バイオテクノロジー分野において、本発明に係る装置は植物のサイズおよび形状のモニタリングにも使用され得る。
さらに、本発明に係る装置を、化学物質または汚染物質を検出するセンサ、バクテリアまたはウイルスなどを検出する電子鼻チップ、微生物センサチップ、ガイガーカウンタ、触覚センサ、熱センサなどと組み合わせることもできる。これは例えば危険または困難な作業、例えば感染性の高い患者の治療、極めて危険な物質の取扱いまたは除去、高度汚染区域(高放射能区域または化学物質漏出)の浄化、あるいは農業での害虫駆除向けに構成されるスマートロボットの製造に使用され得る。
本発明に係る1個または複数の装置はさらに、物体のスキャン向けに、例えばCADまたは同様のソフトウェアと組み合わせて、例えば添加物製造および/または3Dプリンティング用に使用することができる。その場合、本発明に係る装置の高い寸法精度を、例えばx方向、y方向またはz方向において、あるいはこれらの方向の任意の組み合わせで、例えば同時に利用することができる。さらに、本発明に係る装置はパイプライン検査ゲージのような、検査および保守の際にも使用され得る。さらに、生産環境において、本発明に係る装置は、自然に成長する物体のような規定困難な形状の物体が相手の作業、例えば野菜または他の自然生産物の形状またはサイズによる選別、あるいは加工行程に必要な精度よりも低い精度で製造される食肉または物体などの生産物の切断に使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は、車両またはマルチコプターなどを屋内空間または屋外空間経由で自律移動または部分自律移動させることを可能にするための、局所操縦システムにも使用され得る。非限定的な一例として、物体を拾い上げ、それらを様々な位置に配置するために、自動化された貯蔵施設を通って移動する車両が挙げられる。屋内操縦はさらに、商店街、小売店舗、博物館、空港または鉄道駅における可動物品、可動装置、手荷物、顧客または従業員の位置の追跡、あるいは地図上での現在位置など場所特異的情報、または販売された物品に関する情報の使用者への提供などにも使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は、自動二輪車の安全運転の確保、例えば速度、傾斜、接近中の障害物、道路の凹凸、またはカーブのモニタリングによる自動二輪車運転支援などに使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、列車または路面電車の衝突回避に使用され得る。
さらに、本発明に係る装置は、携帯型装置において、包装物または小包の、物流プロセス最適化のための走査に使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、さらなる携帯型装置、例えば個人用買物装置、RFIDリーダ、病院または保健環境において使用するための医療用携帯型装置、あるいは患者または患者の健康に関連する情報の入手、交換または記録、あるいは小売環境または保健環境向けのスマートバッジなどに使用され得る。
上記にて概説のとおり、本発明に係る装置はさらに、製造、品質管理または識別への応用、例えば生産物識別またはサイズ識別(最適な場所または包装物の発見、廃棄物低減などの目的)に使用され得る。さらに、本発明に係る装置は物流への応用に使用され得る。従って、本発明に係る装置は、載荷または包装容器または車両の最適化に使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、製造分野における表面損傷のモニタリングまたは制御、レンタル車両などレンタル物品のモニタリングまたは制御、および/または損害評価など保険への応用に使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、最適な材料の取扱いなど、材料、物体または道具のサイズの識別用として、特にロボットと併用する形で使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、タンクの充填レベル観察など生産工程管理に使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、これに限らないが、タンク、パイプ、反応装置、道具など生産用資産の保守に使用され得る。さらに、本発明に係る装置は3D品質マークの分析に使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、歯の詰め物、歯列矯正具、義歯、衣類などのオーダーメード製品の製造に使用され得る。本発明に係る装置は、1つまたは複数の3Dプリンタとの組み合わせによる、迅速な試作品製作、3D複製などにも使用され得る。さらに、本発明に係る装置は、1個または複数の物品の形状検出にも、例えば海賊品や偽造品の摘発のために使用され得る。
相応に、具体的には、本出願は写真分野に適用され得る。従って、検出器は写真装置、具体的にはデジタルカメラの一部であってもよい。具体的には、検出器は3D写真撮影、具体的にはデジタル3D写真撮影に使用され得る。従って、検出器はデジタル3Dカメラを形成する、またはデジタル3Dカメラの一部であってもよい。本明細書で使用されるとき、「写真撮影」という用語は一般的に、少なくとも1個の物体の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用されるとき、「カメラ」は一般的に、写真撮影の実施向けに適合される装置を指す。本明細書でさらに使用されるとき、「デジタル写真撮影」という用語は一般的に、照明の強度および/または色を示す電気信号、好ましくは、デジタル電気信号を生成するように適合された複数の感光性要素の使用によって、少なくとも1個の物体の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用されるとき、「3D写真撮影」という用語は一般的に、3次元空間における少なくとも1個の物体の画像情報を取得する技術を指す。相応に、3Dカメラは3D写真撮影の実施向けに適合された装置を指す。カメラは一般的に、単一の画像、例えば単一の3D画像を取得するために適合され得る、または複数の画像、例えば一連の画像を取得するために適合され得る。従って、カメラは、例えばデジタルビデオシーケンスの取得など、ビデオへの応用向けに適合されたビデオカメラであってもよい。
従って、一般的に、本発明はさらに、少なくとも1個の物体の画像処理用のカメラ、具体的にはデジタルカメラ、より具体的には3Dカメラまたはデジタル3Dカメラを指す。上記にて概説のとおり、「画像処理」という用語は、本明細書で使用されるとき、一般的に、少なくとも1個の物体の画像情報の取得を指す。カメラは本発明に係る少なくとも1個の検出器を含む。カメラは、上記にて概説のとおり、単一の画像の取得、あるいは画像シーケンスなど複数の画像の取得、好ましくはデジタルビデオシーケンスの取得向けに適合され得る。従って、一例として、カメラはビデオカメラであるか、またはビデオカメラを含むものであってもよい。後者の場合、カメラは好ましくは画像シーケンスを保存するためのデータメモリを含む。
本発明で使用されるとき、「位置」という表現は一般的に、物体の1つまたは複数の絶対位置および物体の1つまたは複数の点の配向に関する少なくとも1つの情報を指す。従って、具体的には、位置は検出器の座標系、例えばデカルト座標系において決定され得る。ただし付加的または代替的に、他の種類の座標系、例えば極座標系および/または球座標系も使用され得る。
上記にて概説のとおり、また以下にてさらに詳しく概説するとおり、本発明は好ましくはヒューマンマシンインターフェース分野、スポーツ分野および/またはコンピュータゲーム分野に適用され得る。このように、好ましくは、物体はスポーツ用品群、好ましくはラケット、クラブ、バット、衣類、帽子、靴から成る用品群から選択され得る。他の実施形態も実現可能である。
本明細書で使用されるとき、物体は一般的に、生物物体および無生物物体から選択される1個の任意の物体であってもよい。相応に、一例として、少なくとも1個の物体は1個または複数の物品および/または1個の物品を構成する1個または複数の部分を含み得る。付加的または代替的に、物体は、1つまたは複数の生物および/またはその1つまたは複数の部分、例えば使用者など人間および/または動物の1つまたは複数の身体部分であってもよい。
物体の位置を決定するための、検出器の座標系であってもよい座標系に関して、検出器は、検出器の光軸がz軸を構成し、また付加的にz軸に対して垂直でかつ互いに垂直であるx軸とy軸が提供され得る座標系を構成し得る。一例として、検出器および/または検出器の一部は、この座標系の原点など、この座標系における特定の点に所在し得る。この座標系において、z軸に平行または逆平行な方向を縦方向と見なすことができ、z軸に沿った座標を、縦方向座標と見なすことができる。縦方向に対して垂直な任意の方向を横方向と見なすことができ、x座標および/またはy座標を横方向座標と見なすことができる。
あるいは、他の種類の座標系を使用してもよい。従って、一例として、光軸がz軸を形成する極座標系を使用することができ、またz軸からの距離および極角を付加的座標として使用することができる。同じく、z軸に平行または逆平行な方向を縦方向と見なすことができ、またz軸に沿った座標を縦方向座標と見なすことができる。z軸に対して垂直な任意の方向を横方向と見なすことができ、また極座標および/または極角を横方向座標と見なすことができる。
検出器は、少なくとも1個の物体および/またはその一部の位置に関する少なくとも1つの情報を提供するように構成された装置であってもよい。このように、位置は物体または物体の一部の位置、好ましくは検出器の座標系内での位置を十分に表わす1つの情報を指すか、または位置の一部のみを表わす部分的情報を指し得る。検出器は一般的に、ビーコン装置から検出器へと伝播する光ビームのような、光ビームを検出するように適合された装置であり得る。
評価装置および検出器を単一の装置に完全にまたは部分的に一体化してもよい。従って、一般的に、評価装置も検出器の一部を形成し得る。あるいは、評価装置および検出器を別々の装置として完全にまたは部分的に具現化してもよい。検出器はさらなる構成要素を含んでもよい。
検出器は、固定式装置であるか、または移動式装置であってもよい。さらに、検出器は独立型装置であるか、あるいはコンピュータ、車両または他の装置のような別の装置の一部を形成し得る。さらに、検出器は携帯型装置であってもよい。検出器の他の実施形態も実現可能である。
検出器は具体的には、プレノプティックカメラまたはライトフィールドカメラに匹敵する検出器のレンズまたはレンズ系の後方のライトフィールドの記録に使用され得る。このように、具体的には、検出器は複数の焦点面内の画像を例えば同時に取得するように適合されるライトフィールドカメラとして具現化され得る。本明細書で使用されるとき、「ライトフィールド」という用語は一般的に、内蔵カメラのような検出器の内部の光の空間的伝播を指す。本発明に係る、具体的には複数の光学センサから成るスタックを有する検出器は、検出器またはカメラの内部、例えばレンズの後方のライトフィールドを直接記録する能力を有し得る。複数のセンサが、レンズからの距離が異なる複数の画像を記録し得る。「焦点からの深度」または「焦点外れからの深度」のような、例えばコンボリューションベースのアルゴリズムを使用して、レンズの後方の光の伝播方向、焦点および拡散をモデル化することができる。レンズの後方の光の伝播モデルを基に、レンズまでの距離が異なる複数の画像を抽出することができ、フィールド深度を最適化することができ、様々な距離での合焦画像を抽出することができ、または物体の距離を計算することができる。さらなる情報も抽出することができる。
検出器のレンズ後方のような検出器の内部での光伝播がモデル化および/または記録されれば、光伝播に関するこの知識が多数の優位性をもたらす。従って、検出器によって捕捉される場面における1つまたは複数の光ビームのビームパラメータに関して、ライトフィールドを記録することができる。一例として、光ビームを記録する都度、1つまたは複数のガウスビームパラメータ、例えばビームウエスト、焦点としての最小ビームウエスト、レイリー長または他のビームパラメータなど、複数のビームパラメータを記録することができる。光ビームの様々な表現を使用し、ビームパラメータを相応に選ぶことができる。
この光伝播の知識は、一例として、画像処理技法を使用して画像スタックを記録した後に観察者の位置を若干修正することを可能にする。単一画像では、物体が別の物体の背後に隠れ、見えなくなるおそれがある。しかし、もし隠れた物体によって散乱された光がレンズに到達し、更にレンズを通してセンサの1個または複数に到達する場合、光軸と相対的なレンズおよび/または画像面までの距離を変えることにより、またはさらに非平面画像面を使用することにより、物体を見える状態にすることができる。観察者の位置の変化を、観察者の位置の変更によって画像が若干変化するホログラムを見る動作と比較することができる。
レンズ後方の光伝播のモデル化によるといった検出器内部での光伝播の知識はさらに、個々の光学センサによって記録される各画像の従来型の保存技術と比べ、よりコンパクトな形で画像情報を保存することも可能にする。光伝播のメモリ需要は、モデル化される光ビームの数と光ビーム1つ当たりパラメータ数の積に比例する。光ビームに関する典型的なモデル関数としてガウス関数、ローレンツ関数、ベッセル関数、特に球形ベッセル関数およびその他、物理学において回折効果の記述に典型的に使用される関数、または点拡がり関数、線拡がり関数もしくはエッジ拡がり関数のような、焦点外れからの深度を測る技法で使用される典型的な拡がり関数が挙げられる。
複数の光学センサの使用はさらに、画像記録後における画像処理工程でのレンズ誤差補正を可能にする。光学機器はレンズ誤差の補正が必要となると高価で製造に困難を伴うことが多い。これらは特に、顕微鏡や望遠鏡で問題となる。顕微鏡では、典型的なレンズ誤差は、光軸までの距離が変化する光線の歪み具合が異なる状態を指す(球面収差)。望遠鏡では、大気中の温度変化から焦点変動が発生し得る。球面収差または製造に起因するさらなる誤差といった静的誤差は、較正工程で誤差を決定し、次いで固定されたピクセルおよびセンサの固定されたセットのような固定画像処理を使用して、または光伝播情報を使用するもっと手の込んだ処理技法を使用して補正することができる。レンズ誤差が強く時間依存である、すなわち望遠鏡において気象条件に左右される場合、レンズ誤差はレンズ後方の光伝播の使用、視野画像の拡張深度の計算、焦点からの距離を使用する技法などによって補正することができる。
上記にて概説のとおり、本発明に係る検出器はさらに、色検出を可能にし得る。複数の光学センサから成るスタックでの色検出では、単一スタックにおいていわゆるバイエルパターンと同等または類似する、異なる吸収特性を有する光学センサを有し、補間技法によって色情報を取得することができる。さらなる一方法は、交互に色を切り替えるセンサを使用し、スタック内の別々のセンサが別々の色を記録し得るという方法である。バイエルパターンでは、同色ピクセル間で色を補間することができる。センサのスタックでは、色および輝度などの画像情報も補間技法によって取得することができる。
評価装置は、1個または複数の用途別集積回路(ASIC)のような1個または複数の集積回路、および/または1個または複数のコンピュータ、好ましくは1個または複数のマイクロコンピュータおよび/またはマイクロコントローラなどの1個または複数のデータ処理装置であるか、またはこれらを含み得る。付加的な構成要素、例えばセンサ信号の受信および/または前処理を行う1個または複数の装置のような1個または複数の前処理装置および/またはデータ取得装置、例えば1個もしくは複数のAD変換器および/または1個もしくは複数のフィルタおよび/または1個もしくは複数の位相感受性電子素子、特にロックイン測定技法に基づくものも含まれ得る。さらに、評価装置は1個または複数の測定装置、例えば電流および/または電圧を測定する1個または複数の測定装置を含んでもよい。さらに、評価装置は1個または数個のデータ保存装置を含んでもよい。さらに、評価装置は、1個もしくは複数の無線インターフェースおよび/または1個もしくは複数の有線インターフェースなど、1個または複数のインターフェースを含んでもよい。
少なくとも1個の評価装置は、本発明に係る方法における1つまたは複数またはさらにすべての方法行程を実行または補助するように適合される少なくとも1つのコンピュータプログラムなど、少なくとも1つのコンピュータプログラムを実行するように適合され得る。一例として、センサ信号を入力変数として使用することによって物体の位置を決定し得る1つまたは複数のアルゴリズムが実装され得る。
評価装置は、光学センサおよび/または評価装置によって取得される情報といった情報の表示、視覚化、分析、分配、伝達もしくはさらなる処理の1つまたは複数のために使用され得る少なくとも1個のさらなるデータ処理装置に接続されるか、またはそれを含み得る。データ処理装置は、一例として、ディスプレイ、プロジェクタ、モニタ、LCD、TFT、拡声器、マルチチャネル音響システム、LEDパターン、またはさらなる視覚化装置に接続される、またはそれを組み込んでもよい。データ処理装置はさらに、電子メール、テキストメッセージ、電話機、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi、赤外線もしくはインターネットのインターフェース、ポートまたは接続の1つまたは複数を使用して暗号化情報または非暗号化情報を送信する能力を有する通信装置または通信用のインターフェース、コネクタもしくはポートの少なくとも1つに接続されるか、またはそれを組み込んでもよい。データ処理装置はさらに、プロセッサ、グラフィックプロセッサ、CPU、オープンマルチメディアアプリケーションプラットフォーム(OMAP(商標))、集積回路、システム・オン・チップ(Apple社製AシリーズまたはSamsung社製S3C2シリーズなど)、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ、1個もしくは複数のメモリブロック(ROM、RAM、EEPROMまたはフラッシュメモリなど)、タイミングソース(オシレータまたは位相ロックループなど)、カウンタタイマ、リアルタイムタイマ、または電源投入時リセット式発電機、電圧調整器、電力管理回路、またはDMA制御装置の少なくとも1つに接続されるか、またはそれを組み込んでもよい。個々のユニットをさらに、AMBAバスなどバスを使用して接続してもよい。
評価装置および/またはデータ処理装置は、直列もしくは並列のインターフェースまたはポート、USB、Centronics Port、FireWire、HDMI(登録商標)、Ethernet、Bluetooth(登録商標)、RFID、Wi−Fi、USART、またはSPIの1つまたは複数、あるいはADCもしくはDAC、または標準化されたインターフェースもしくはポートの1つまたは複数などアナログのインターフェースまたはポートなど、さらなる外部のインターフェースまたはポートによってCameraLinkなどRGBインターフェースを使用する2Dカメラ装置などさらなる装置に接続されるか、またはそれに至るさらなる外部のインターフェースまたはポートを有してもよい。評価装置および/またはデータ処理装置はさらに、インタープロセッサインターフェースまたはポート、FPGA−FPGAインターフェース、または直列もしくは並列のインターフェースポートの1つまたは複数によって接続されてもよい。評価装置およびデータ処理装置をさらに、光ディスクドライブ、CD−RWドライブ、DVD+RWドライブ、フラッシュドライブ、メモリカード、ディスクドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスクもしくはソリッドステートハードディスクの1つまたは複数に接続してもよい。
評価装置および/またはデータ処理装置は、電話コネクタ、RCAコネクタ、VGAコネクタ、雌雄同型コネクタ、USBコネクタ、HDMI(登録商標)コネクタ、8P8Cコネクタ、BCNコネクタ、IEC60320 C14コネクタ、光ファイバーコネクタ、D−sub小型コネクタ、RFコネクタ、同軸コネクタ、SCARTコネクタ、XLRコネクタの1つまたは複数など1つまたは複数のさらなる外部のコネクタによって接続されるか、またはそれらを有してもよく、および/またはこれらのコネクタの1つまたは複数に適する少なくとも1個のソケットを組み込んでもよい。
本発明に係る検出器、評価装置またはデータ処理装置の1つまたは複数を組み込む、例えば光学センサ、光学システム、評価装置、通信装置、データ処理装置、インターフェース、システム・オン・チップ、ディスプレイ、もしくはさらなる電子装置の1つまたは複数を組み込む単一の装置を使用して可能となる実施形態は、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、テレビジョン、ゲームコンソールまたはさらなる娯楽装置である。さらなる一実施形態において、以下にてさらに詳しく概説する3Dカメラ機能を、装置のハウジングまたは概観に目立つ相違を生じることなく従来型2Dデジタルカメラと併せて利用可能な装置に一体化することができ、使用者にとって目立つ相違は3D情報の取得および/または処理の機能性の相違のみと考えられる。
具体的には、検出器および/またはその一部、例えば評価装置および/またはデータ処理装置を組み込む実施形態の例として、ディスプレイ、データ処理装置、光学センサ、任意でセンサ光学系、および評価装置を3Dカメラ機能向けに組み込む携帯電話機が挙げられる。本発明に係る検出器は具体的には娯楽装置および/または携帯電話機のような通信装置への一体化に適し得る。
本発明のさらなる一実施形態として、検出器またはその一部、例えば評価装置および/またはデータ処理装置の、自動車での使用、自律運転での使用もしくは自動車安全システム(Daimler社のIntelligent Driveシステムなど)のための装置への組み込みが挙げられ、一例として、光学センサ、任意で1つもしくは複数の光学システム、評価装置、任意に通信装置、任意にデータ処理装置、任意に1つもしくは複数のインターフェース、任意にシステム・オン・チップ、任意に1個もしくは複数のディスプレイ、または任意にさらなる電子装置の1つまたは複数を組み込む装置を車両、乗用車、トラック、列車、自転車、航空機、船舶、自動二輪車の一部とすることができる。自動車への応用では、装置を自動車設計に一体化するには光学センサ、任意に光学系、もしくは装置を外部または内部からの最低限の視認性を有する状態で一体化する必要が生じ得る。検出器またはその一部、例えば評価装置および/またはデータ処理装置は特に、自動車設計へのそのような一体化に適し得る。
本明細書で使用されるとき、「光」という用語は一般的に、可視スペクトル範囲、紫外スペクトル範囲および赤外スペクトル範囲のうちの1つまたは複数のスペクトル範囲の電磁放射を指す。その中で、「可視スペクトル範囲」という用語は一般的に380nm〜780nmのスペクトル範囲を指す。「赤外スペクトル範囲」という用語は一般的に780nm〜1mmの範囲、好ましくは780nm〜3.0μmの範囲の電磁放射を指す。「紫外スペクトル範囲」という用語は一般的に1nm〜380nmの範囲、好ましくは100nm〜380nmの範囲の電磁放射を指す。好ましくは、本発明の範囲内で使用される光は可視光、すなわち可視スペクトル範囲内の光である。
「光ビーム」という用語は一般的に、特定の方向に放出および/または反射された一定量の光を指す。相応に、光ビームは、光ビームの伝播方向に対して垂直な方向に既定の拡がりを有する光線の束であってもよい。好ましくは、光ビームは、1つまたは複数のガウスビームパラメータ、例えばビームウエスト、レイリー長またはその他、空間内でのビーム直径および/またはビーム伝播の発達の特徴付けに適する任意のビームパラメータまたは複数のビームパラメータの組み合わせの1つまたは複数によって特徴付けられ得る、1つまたは複数のガウス光ビームであるか、またはこれを含み得る。
上記にて概説のとおり、本発明はさらに、使用者とマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するためのヒューマンマシンインターフェースにも関する。提案されるヒューマンマシンインターフェースは、上述のまたは以下にてさらに詳しく記載される1つまたは複数の実施形態において、上述の検出器が1人または複数の使用者によって、マシンに情報および/または命令を提供するために使用され得るという事実を活用し得る。従って、好ましくは、ヒューマンマシンインターフェースは制御命令の入力に使用され得る。
一般的に、本明細書で使用されるとき、使用者の少なくとも1つの位置は、使用者の全身および/または使用者の1つまたは複数の身体部分の位置に関する1項目以上の情報を意味し得る。従って、好ましくは、使用者の位置は検出器の評価装置によって提供される使用者の位置に関する1項目以上の情報を意味し得る。使用者、使用者の1つの身体部分または使用者の複数の身体部分は、少なくとも1個の検出器によって位置を検出され得る1個または複数の物体と見なされ得る。この場合、検出器を1個だけ提供する、または複数の検出器の組み合わせを提供してもよい。一例として、使用者の複数の身体部分の位置の決定および/または使用者の少なくとも1つの身体部分の位置の決定を目的に、複数の検出器が提供され得る。
本発明に係る検出器をさらに、1つまたは複数の他の種類のセンサまたは検出器と組み合わせてもよい。従って、検出器はさらに少なくとも1個の付加的検出器を含んでもよい。少なくとも1個の付加的検出器は少なくとも1つのパラメータ、例えば周囲環境のパラメータ(周囲環境の温度および/または輝度など)、検出器の位置および/または配向に関するパラメータ、検出対象物体の状態を指定するパラメータ(例えば空間内での物体の絶対位置および/または配向など、物体の位置)、これらの少なくとも1つを検出するように適合され得る。従って、一般的に、付加的情報の取得のためにおよび/または測定結果の検証あるいは測定誤差またはノイズの低減のために、本発明の原理を他の測定原理と組み合わせることができる。
具体的には、本発明に係る検出器はさらに、少なくとも1個の物体と検出器との間の少なくとも1つの距離を少なくとも1回の飛行時間測定の実行によって検出するように適合される少なくとも1個の飛行時間(ToF)検出器を含んでもよい。本明細書で使用されるとき、飛行時間測定は一般的に、信号が2個の物体間で伝播するか、または1個の物体から2個目の物体へと伝播して戻ってくるまでの所要時間に基づく測定を指す。本発明では、信号は具体的には音響信号、または光信号のような電磁信号の1つまたは複数であってもよい。したがって、飛行時間検出器は飛行時間測定を実行するために適合される検出器を指す。飛行時間測定は、市販の距離測定装置または超音波流量計など市販の流量計といった様々な技術分野で十分に知られている。飛行時間検出器はさらに、飛行時間カメラとしても具現化され得る。これらの種類のカメラは、既知の光の速度に基づいて物体間の距離を分解する能力を有する距離画像処理カメラシステムとして市販されている。
現在入手可能なToF検出器は一般的に、パルス信号を任意にCMOSセンサのような1個または複数の光センサとの組み合わせで使用する方法に基づく。光センサによって生成されるセンサ信号は積分され得る。積分は2つの異なる時点で開始してもよい。2回の積分結果同士での相対的信号強度から距離を計算することができる。
さらに、上記にて概説のように、ToFカメラは知られており、概して本発明の文脈でも使用され得る。これらのToFカメラはピクセル化光センサを搭載し得る。しかし、各ピクセルは一般的に2回の積分を実行可能にしなければならないことから、ピクセル構成は概して比較的複雑であり、市販のToFカメラの解像度はかなり低い(典型的に200×200ピクセル)。約40cm未満の距離および数メートルを超える距離は典型的に、検出が困難または不可能である。さらに、1つの期間内におけるパルスの相対的シフトしか測定されないことから、パルスの周期性が距離の曖昧さに繋がる。
ToF検出器は、単独の装置として、典型的に様々な欠点や技術的課題がある。従って、概して、ToF検出器、より具体的にはToFカメラは光経路内の雨および他の透明物体に悩まされ、何故ならパルスが過剰に早く反射される可能性があり、雨滴の背後の物体が隠れるか、または部分反射における積分が誤った結果に繋がるからである。さらに、測定誤差を回避し、パルスの明確な区別を可能にするには、低光量条件がToF測定に好適である。明るい日光など明るい光はToF測定を不可能にし得る。さらに、典型的なToFカメラのエネルギー消費がかなり高く、何故ならパルスは後方反射され、それでもなおカメラによって検出可能となるには十分に明るくなければならないからである。しかし、パルスの輝度は眼もしくは他のセンサにとって有害となる、または2回以上のToF測定が互いに干渉すると測定誤差を引き起こすおそれがある。要約すると、現在のToF検出器および具体的には現在のToFカメラは、低解像度、距離測定における曖昧さ、限られた使用範囲、限られた光条件、光経路内の透明物体に対する感度、気象条件に対する感度および高いエネルギー消費といった様々な不利点がある。こうした技術的課題は一般的に、乗用車の安全への応用など日常的な応用向けの現在のToFカメラ、日常的使用またはヒューマンマシンインターフェース向け、特にゲーミングへの応用向けのカメラの適性を低下させる。
本発明に係る検出器との組み合わせでは、両方のシステムの優位性と能力を有意義な形で統合することができる。従って、検出器は明るい光の条件で優位性をもたらし得る一方、ToF検出器は一般的に低光量条件でより良い結果をもたらす。したがって、複合型装置、すなわち少なくとも1個のToF検出器をさらに含む本発明に係る検出器は、両方の単一システムと比べ、光条件に関して許容度が高くなる。これは特に、乗用車または他の車両などにおける安全への応用に重要である。
具体的には、検出器は本発明に係る検出器の使用によって実行される少なくとも1回の測定時に補正を行うために少なくとも1回のToF測定を使用し、その逆の工程も行うように設計され得る。さらに、ToF測定の曖昧さを検出器の使用によって解消することができる。
少なくとも1個の任意のToF検出器は基本的に、本発明に係る検出器の実施形態のどれとでも組み合わせることができる。具体的には、少なくとも1個のToF検出器は単一のToF検出器またはToFカメラであってもよく、これを単一の光学センサまたはセンサスタックのような複数の光学センサと組み合わせることができる。さらに、検出器はCCDチップおよび/もしくはCMOSチップなど1個または複数の無機画像処理装置、好ましくは1個または複数のフルカラーCCDチップもしくはフルカラーCMOSチップといった、1個または複数の画像処理装置を含んでもよい。付加的または代替的に、検出器はさらに1個または複数のサーモグラフィ用カメラを含んでもよい。
上記にて概説のように、ヒューマンマシンインターフェースは、直接または間接的に使用者に装着される状態または使用者によって保持される状態の少なくとも1つとなるように適合される複数のビーコン装置を含み得る。従って、ビーコン装置は各々独立に、適切な固定装置など任意の適切な手段によって使用者に装着され得る。付加的または代替的に、使用者は少なくとも1個のビーコン装置または複数のビーコン装置の1個もしくは複数を自分の手で、および/または少なくとも1個のビーコン装置および/またはビーコン装置を格納する衣類を身体部分に着用することにより、保持および/または携行することができる。
ビーコン装置は一般的に、少なくとも1個の検出器によって検出可能な、および/または少なくとも1個の検出器による検出を容易にする任意の装置であってもよい。従って、上記にて概説のように、また以下にてさらに詳しく概説するように、ビーコン装置は、例えば少なくとも1つの光ビームを生成する1個または複数の照明源を有することにより、検出器によって検出されることになる少なくとも1つの光ビームを生成するように適合される能動型ビーコン装置であってもよい。付加的または代替的に、ビーコン装置は、別々の照明源により生成される光ビームを反射するように適合された1個または複数の反射要素を備えるなどにより、完全にまたは部分的に受動型ビーコン装置として設計され得る。少なくとも1個のビーコン装置は、直接または間接的に使用者に恒久的または一時的に装着されてもよく、および/または使用者が携行もしくは保持してもよい。装着は、1つまたは複数の装着手段を使用することによって、および/または使用者自身により、例えば使用者が少なくとも1個のビーコン装置を手で保持することにより、および/または使用者がビーコン装置を着用することによって達成され得る。
付加的または代替的に、ビーコン装置は物体に装着された状態および使用者が保持する物体に一体化された状態の少なくとも1つであってもよく、これは本発明の意味で言えば、使用者がビーコン装置を保持するという選択肢の意味に含まれるものである。従って、以下にてさらに詳しく概説するように、ビーコン装置は、ヒューマンマシンインターフェースの一部となり得、且つ使用者が保持または携行することができ、且つ検出装置によって配向を認識され得る、1つの制御要素に装着または一体化され得る。従って、一般的に、本発明は、本発明に係る少なくとも1個の検出装置を含み、さらに、少なくとも1個の物体を含んでもよく、ビーコン装置が、物体に装着された状態、物体によって保持された状態および物体に一体化された状態の1つである検出器システムにも言及する。一例として、物体は好ましくは、配向が使用者によって認識され得る制御要素を形成し得る。このように、検出器システムは上記にて概説のような、または以下にてさらに詳しく概説するようなヒューマンマシンインターフェースの一部であってもよい。一例として、使用者は例えば1つまたは複数の命令をマシンに送信するために、1つまたは複数の情報をマシンに送信するための特定の方法で制御要素を操作し得る。
あるいは、検出器システムは他の形でも使用され得る。このように、一例として、検出器システムの物体は使用者または使用者の身体部分と異なってもよく、また一例として、使用者から独立して動く物体であってもよい。一例として、検出器システムは、製造工程および/またはロボット工学工程のような装置、および/または産業工程の制御に使用され得る。このように、一例として、物体は機械および/または機械部品、例えばロボットアームであってもよく、その配向を検出器システムの使用によって検出することができる。
ヒューマンマシンインターフェースは、検出装置が使用者または使用者の少なくとも1つの身体部分の位置に関する少なくとも1項目の情報を生成するような形で適合され得る。具体的には、少なくとも1個のビーコン装置を使用者に装着する形態が既知である場合、少なくとも1個のビーコン装置の位置を評価することにより、使用者もしくは使用者の身体部分の位置および/または配向に関する少なくとも1項目の情報を得ることができる。
ビーコン装置は、好ましくは、使用者の身体または使用者の身体部分に装着可能なビーコン装置、および使用者が保持し得るビーコン装置の1つである。上記にて概説のように、ビーコン装置は、完全にまたは部分的に能動型ビーコン装置として設計され得る。従って、ビーコン装置は、検出器へと伝送されることになる少なくとも1つの光ビーム、好ましくはビーム特性が既知である少なくとも1つの光ビームを生成するように適合された少なくとも1個の照明源を含み得る。付加的または代替的に、ビーコン装置は、照明源により生成される光を反射するように適合された少なくとも1個の反射体を含むことにより、検出器へと伝送されることになる反射された光ビームを生成し得る。
物体は、検出器システムの一部を形成してもよく、一般的に任意の形状を有し得る。好ましくは、検出器システムの一部である物体は、上記にて概説のように、使用者によって例えば手動で扱うことができる制御要素であってもよい。一例として制御要素は、手袋、ジャケット、帽子、靴、ズボンおよびスーツ、手で保持できる杖、バット、クラブ、ラケット、鞭、トイガンのような玩具から成る群から選択される少なくとも1つの要素であるか、またはそれを含み得る。従って、一例として、検出器システムはヒューマンマシンインターフェースおよび/または娯楽装置の一部であってもよい。
本明細書で使用されるとき、娯楽装置は、1人または複数の使用者(以下では1人または複数のプレーヤともいう)のレジャーおよび/または娯楽の目的に役立ち得る装置である。一例として、娯楽装置はゲーム、好ましくはコンピュータゲームの目的に役立ち得る従って、娯楽装置は、コンピュータ、コンピュータネットワークまたはコンピュータシステムに実装される、または1つもしくは複数のゲーム用ソフトウェアプログラムを実行するコンピュータ、コンピュータネットワークまたはコンピュータシステムを含み得る。
娯楽装置は、本発明に係る、例えば上記にて開示されている1つまたは複数の実施形態および/または以下にて開示される1つまたは複数の実施形態に記載の少なくとも1個のヒューマンマシンインターフェースを含む。娯楽装置は、ヒューマンマシンインターフェースを手段として、少なくとも1つの情報をプレーヤが入力可能となるように設計される。少なくとも1つの情報は、娯楽装置の制御装置および/またはコンピュータへと伝送され得、および/またはそれらによって使用され得る。
少なくとも1項目の情報は、好ましくはゲームの過程に影響を及ぼすように適合された少なくとも1個の命令を含み得る。従って、一例として、少なくとも1項目の情報がプレーヤおよび/またはプレーヤの身体部分の1つ以上の少なくとも1つの配向に関する少なくとも1項目の情報を含むことより、プレーヤはゲームに必要な特定の位置および/または配向および/または動作をシミュレートすることができる。一例として、ダンス;ランニング;ジャンプ;ラケットのスイング;バットのスイング;クラブのスイング;ある物体から別の物体への指向、例えば標的に向けたトイガンの指向、といった動きの1つまたは複数をシミュレートし、娯楽装置の制御装置および/またはコンピュータに伝達することができる。
娯楽装置の一部または全体、好ましくは娯楽装置の制御装置および/またはコンピュータは、娯楽機能を情報に従って変えるように設計される。このように、上記にて概説のように、ゲームの過程は少なくとも1つの情報に従って影響され得る。従って、娯楽装置は1個または複数の制御装置を含んでもよく、制御装置は少なくとも1個の検出器の評価装置から分離され、および/または少なくとも1個の評価装置と完全にまたは部分的に同一であり、さらには少なくとも1個の評価装置を含んでもよい。好ましくは、少なくとも1個の制御装置は、1個もしくは複数のコンピュータおよび/またはマイクロコントローラのような、1個もしくは複数のデータ処理装置を含み得る。
本明細書でさらに使用されるとき、追跡システムは、少なくとも1個の物体および/または物体の少なくとも一部における、一連の過去の位置に関する情報を収集するように適合される装置である。付加的に、追跡システムは、少なくとも1個の物体または物体の少なくとも一部について予測される少なくとも1つの将来の位置および/または配向に関する情報を提供するように適合され得る。追跡システムは少なくとも1個の進路制御装置を有してもよく、進路制御装置は完全にまたは部分的に電子装置として、好ましくは少なくとも1個のデータ処理装置、より好ましくは少なくとも1個のコンピュータまたはマイクロコントローラとして具現化され得る。同じく、少なくとも1個の進路制御装置は完全にもしくは部分的に少なくとも1個の評価装置を含んでもよく、および/または少なくとも1個の評価装置の一部であってもよく、および/または完全にもしくは部分的に少なくとも1個の評価装置と同一であってもよい。
追跡システムは、上記に挙げた1つもしくは複数の実施形態において開示されているような、および/または下記の1つもしくは複数の実施形態において開示されているような、少なくとも1個の検出器のような、本発明に係る少なくとも1個の検出器を含む。追跡システムはさらに、少なくとも1個の進路制御装置を含んでもよい。進路制御装置は、少なくとも1つの位置情報および少なくとも1つの時間情報を各々が含む複数のデータ群またはデータペアの記録などにより、特定の時点での物体の一連の位置を追跡するように適合される。
追跡システムはさらに、本発明に係る少なくとも1つの検出器システムを含んでもよい。従って、少なくとも1個の検出器および少なくとも1個の評価装置および任意の少なくとも1個のビーコン装置に加え、追跡システムはさらに、物体自体またはその一部、例えばビーコン装置を含む少なくとも1つの制御要素または少なくとも1個のビーコン装置を含んでもよく、その場合、制御要素は追跡対象物体に直接または間接的に装着可能または一体化可能である。
追跡システムは、追跡システム自体における1つまたは複数の動作、および/または1個もしくは複数の別個の装置における1つまたは複数の動作を開始するように適合され得る。後者を目的とする場合、追跡システム、好ましくは、進路制御装置は、少なくとも1つの動作を開始するための、1個もしくは複数の無線および/または有線のインターフェース、および/または他の種類の制御接続を有し得る。好ましくは、少なくとも1個の進路制御装置は、物体の少なくとも1つの実際の位置に従って、少なくとも1つの動作を開始するように適合され得る。一例として、動作は、物体の将来の位置の予測;物体に対する少なくとも1個の装置の指向;検出器に対する少なくとも1個の装置の指向;物体の照明;検出器の照明から成る群から選択され得る。
追跡システムの応用の一例として、追跡システムは、少なくとも1個の第1の物体を、少なくとも1個の第2の物体に、たとえ第1の物体および/または第2の物体が動いても、継続的に指向するために使用され得る。同じく潜在的な例は、ロボット工学におけるような産業への応用、および/または製造ラインもしくは組み立てラインにおける製造途中のような、たとえ物品が移動中であっても物品に対する継続的な作業に対して見出すことができる。付加的または代替的に、追跡システムは、たとえ物体が移動中であっても物体に対して照明源を継続的に指向することによって物体を継続的に照明するためのような、照明目的に使用され得る。さらなる応用は、移動中の物体に対して送信機を指向することによって、移動中の物体に情報を継続的に伝送する目的のような、通信システムに見出すことができる。
検出器、検出器システム、ヒューマンマシンインターフェース、娯楽装置または追跡システムはさらに、少なくとも1個の照明源を含むか、または少なくとも1個の照明源と併用してもよい。具体的には、少なくとも1個の照明源は、少なくとも1個の構造化もしくはパターン化された照明源であるか、またはそれを含んでもよい。構造化照明源を使用すると、物体の位置検出の解像度が高まり得、および/またはコントラストが高まり得る。
提案される装置および方法は、この種の既知の検出器と比べて多数の優位性をもたらす。従って、検出器は、距離測定またはz座標測定の機能を横方向座標の測定という付加的選択肢と組み合わせることにより、PSD装置の機能を一体化する簡易装置として実現され得る。検出器は単純に、1つの蛍光性材料シートおよび4個のドット型または好ましくは帯状のダイオードを蛍光性シートのエッジに配置したものを採用し得る。付加的に、1つまたは複数の参照感光性要素が提供され得る。蛍光性シートは発光性集光器として使用してもよく、つまり光点所在位置からの蛍光発光が蛍光性材料シートの導波モードにおいて誘導され得る。この概念は一般的に、集光太陽電池分野のような太陽電池分野の当業者に知られている。
光点および/または物体のxy座標など少なくとも1つの横方向座標を測定するために、エッジに位置する、ドット型または好ましくは帯状の感光性要素の4つの横方向センサ信号が測定され得る。信号振幅間の関係がxy座標を示し得る。信号評価のために、特にロックインベースの技法を用いる位相感受性電子要素が使用され得る。さらに、感光性要素に近い光点は、他の感光性要素と比べて、この感光性要素でより強い信号を生じる。これは感光性要素の照明の導波減衰および幾何学的曲線因子の複合的効果と考えられ、何故なら典型的に、光が円内で放出され、光点に近い検出器はより大きな角度で遭遇することから、検出器に近い光点はより多くの蛍光発光を捉えるからである。
4つの光ダイオード信号のような横方向センサ信号の総和は典型的に、光ビーム内の出力が同量であれば、焦点サイズが小さいと信号も小さく、焦点サイズが大きいと信号も大きくなるという結果に繋がる。この光ビームの出力が不詳の場合、少なくとも1つの任意の参照感光性要素を使用してもよい。従って、一例として、蛍光性シート後方の別の光ダイオードを使用して参照信号を提供することができる。一般的に、1個または複数のショートパスフィルタのような1つまたは複数のフィルタ要素を使用して、蛍光発光を少なくとも1つの参照感光性要素から除外することができる。好ましくは、蛍光性導波シートは透明である。蛍光性導波シートが透明であることから、少なくとも1つの参照感光性要素を単純に蛍光性導波シートの後方に配置してもよい。具体的には、蛍光性導波シートの透明性は、有機または無機の光ダイオードまたは太陽電池など普通の光検出器における透明性の達成と比べ、大幅に簡単に達成できる。
光学センサは複数の光ダイオードを含み得る。感光性要素は、蛍光性導波シートにおける周縁部分のような直線状エッジといったエッジ、および/または隅部および/または1つもしくは他の表面に、直線状エッジおよび/または隅部のごく近くへのこれらの感光性要素の配置などによって配置され得る。さらに、蛍光性導波シートは一般的に、完全にまたは部分的に透明な形で設計され得る。これにより、少なくとも1個の光学センサが完全にまたは部分的に透明なPSDとして生成され得る。検出器内にさらなるPSDが要求されなくてもよい。
蛍光性導波シートからの蛍光発光の出力結合は、上記にて概説のように、接着剤の滴下、エッチング、スクラッチなどのような、ごく単純な形で行うことができる。出力結合は具体的には蛍光性導波シートの直線状エッジおよび/または隅部の近くで発生し得る。
感光性要素を基準として、これらの感光性要素を、一例として、超小型またはスポット状にしてもよい。一般的に、電子分野において、光ダイオードは、サイズが小さければ非常に高速となり、これは一般的に電気容量の低下によるものである。しかし付加的または代替的に、帯状光ダイオードなど他の種類の感光性要素を使用してもよい。
上述のように、少なくとも1個のFiPセンサの前方の同一のビーム経路内への(半)透明のPSD装置の配置が可能であることは、この特徴が上述のような普通に入手可能なPSD装置とは対照的に、本発明に係る透明な蛍光性導波シートを含むPSDを使用して実現され得るという、本発明の配置における特異的な優位性を構成し得る。さらに、この組み合わせは複数の物体または物体の複数部分の同時3D決定にも適すると考えられる。結果として、(半)透明PSD装置とFiPセンサとのそのような組み合わせは、特に、小型化、堅牢性、決定所要時間、決定の正確性および費用対効果の1つまたは複数に関して性能の改善を示す3Dセンシングの概念を実現し得る検出器の提供に適すると考えられる。
全体として、本発明の文脈においては以下の実施形態が好ましいと考えられる。
実施形態1:少なくとも1個の物体の位置を決定するための検出器であって、
物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置を決定するための少なくとも1個の縦方向光学センサであって、縦方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの縦方向センサ領域を有し、光ビームによる縦方向感受性エリア領域の照明に依存する形で少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するように設計され、縦方向センサ信号は照明の総出力が同じである場合に縦方向感受性エリア内の光ビームのビーム断面に依存する、縦方向光学センサと、
物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの横方向位置を決定するための少なくとも1個の横方向光学センサであって、
横方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの蛍光性導波シートであって、物体から検出器へと伝播する少なくとも1つの光ビームが横方向感受性エリア内で少なくとも1つの光点を生成するように、物体に向けて配向され、少なくとも1つの蛍光性材料を含有し、蛍光性材料が光ビームによって照明されたことに応答して蛍光発光を生成するように適合される、蛍光性導波シート、
少なくとも2つの感光性要素であって、蛍光性導波シートによって光点から感光性要素へと誘導される蛍光性発光とも呼ばれる蛍光発光を検出する能力を有する蛍光性導波シートの少なくとも2つのエッジに位置し、横方向センサ信号を生成する能力を有する、感光性要素
を含む横方向光学センサと、
縦方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される少なくとも1個の評価装置であって、感光性要素の横方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを決定するようにさらに構成される、評価装置と
を含む検出器。
物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの縦方向位置を決定するための少なくとも1個の縦方向光学センサであって、縦方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの縦方向センサ領域を有し、光ビームによる縦方向感受性エリア領域の照明に依存する形で少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するように設計され、縦方向センサ信号は照明の総出力が同じである場合に縦方向感受性エリア内の光ビームのビーム断面に依存する、縦方向光学センサと、
物体から検出器へと移動する少なくとも1つの光ビームの横方向位置を決定するための少なくとも1個の横方向光学センサであって、
横方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの蛍光性導波シートであって、物体から検出器へと伝播する少なくとも1つの光ビームが横方向感受性エリア内で少なくとも1つの光点を生成するように、物体に向けて配向され、少なくとも1つの蛍光性材料を含有し、蛍光性材料が光ビームによって照明されたことに応答して蛍光発光を生成するように適合される、蛍光性導波シート、
少なくとも2つの感光性要素であって、蛍光性導波シートによって光点から感光性要素へと誘導される蛍光性発光とも呼ばれる蛍光発光を検出する能力を有する蛍光性導波シートの少なくとも2つのエッジに位置し、横方向センサ信号を生成する能力を有する、感光性要素
を含む横方向光学センサと、
縦方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される少なくとも1個の評価装置であって、感光性要素の横方向センサ信号を評価することによって物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを決定するようにさらに構成される、評価装置と
を含む検出器。
実施形態2:蛍光発光の総出力が非線形的に光ビームの照明強度に依存する実施形態1に記載の検出器。
実施形態3:縦方向センサ信号と縦方向座標zとの間における少なくとも1つの既定の関係を使用することによって物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するよう評価装置が構成される実施形態1または2に記載の検出器。
実施形態4:横方向光学センサがさらに少なくとも1つの光学フィルタ要素、好ましくは少なくとも1個の光学ショートパスフィルタをも含む実施形態1から3のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態5:横方向光学センサがさらに少なくとも1つの参照感光性要素を含み、その参照感光性要素が、蛍光性導波シートを通過した後の光ビームの光を検出すると共に、少なくとも1つの参照センサ信号を生成するよう配置される実施形態1から4のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態6:物体の位置を決定するために、好ましくは物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを決定するために参照センサ信号を考慮するよう評価装置が適合される実施形態5に記載の検出器。
実施形態7:少なくとも2つの感光性要素によって生成される複数の横方向センサ信号間で少なくとも1つの差分信号Dを形成するように構成される少なくとも1個の減算装置を評価装置が含む実施形態1から6のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態8:横方向センサ信号が少なくとも1つの第1のセンサ信号s1および少なくとも1つの第2のセンサ信号s2を含み、少なくとも1つの差分信号Dが、好ましくはa=1かつb=1である、実数の係数a、bを用いたa・s1−b・s2に比例する実施形態7に記載の検出器。
実施形態9:少なくとも1つの差分信号Dが式D=(a・s1−b・s2)/(a・s1+b・s2)に従って導出される実施形態8に記載の検出器。
実施形態10:減算装置が、物体の少なくとも1つの第1の横方向座標xが導出されるための、少なくとも1つの第1の差分信号Dxを形成するように構成され、減算装置がさらに、物体の少なくとも1つの第2の横方向座標yが導出されるための、少なくとも1つの第2の差分信号Dyを形成するように構成される実施形態7から9のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態11:第1次元内の導波シートにおいて対向するエッジに位置する少なくとも2つの感光性要素の少なくとも2つのセンサ信号sx1、sx2から第1の差分信号Dxが生成され、第2次元内の導波シートにおいて対向するエッジに位置する少なくとも2つの感光性要素の少なくとも2つのセンサ信号sy1、sy2から第2の差分信号Dyが生成される実施形態10に記載の検出器。
実施形態12:少なくとも1つの第1の差分信号Dxが、好ましくはa=1、b=1、c=1かつd=1である、実数の係数a、b、c、dを用いて、式Dx=(a・sx1−b・sx2)/(a・sx1+b・sx2)に従って導出され、少なくとも1つの第2の差分信号Dyが式Dy=(c・sy1−d・sy2)/(c・sy1+d・sy2)に従って導出される実施形態11に記載の検出器。
実施形態13:感光性要素が、蛍光性導波シートの対向するエッジに位置する少なくとも2つの感光性要素を含む実施形態1から12のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態14:感光性要素が、座標系の第1の次元内の蛍光性導波シートの対向するエッジに位置する感光性要素の第1のペアを少なくとも1つ含み、感光性要素がさらに、座標系の第2の次元内の蛍光性導波シートの対向するエッジに位置する感光性要素の第2のペアを少なくとも1つ含む実施形態1から13のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態15:感光性要素が、蛍光性導波シートの対向するエッジ、好ましくは直線状エッジ、例えば直線状周縁部分に位置する少なくとも2つの感光性要素を含む実施形態1から14のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態16:感光性要素が、座標系の第1の次元内の蛍光性導波シートの対向するエッジに位置する感光性要素の第1のペアを少なくとも1つ含み、蛍光性要素がさらに、座標系の第2の次元内の蛍光性導波シートの対向するエッジに位置する感光性要素の第2のペアをも少なくとも1つ含む実施形態1から15のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態17:縦方向感受性エリアが均一な感受性エリアである実施形態1から16のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態18:縦方向感受性エリアの面積が少なくとも5mm2、好ましくは少なくとも10mm2、より好ましくは少なくとも100mm2、より好ましくは少なくとも400mm2である実施形態1から17のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態19:横方向感受性エリアが均一な感受性エリアである実施形態1から18のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態20:横方向感受性エリアの面積が少なくとも5mm2、好ましくは少なくとも10mm2、より好ましくは少なくとも100mm2、より好ましくは少なくとも400mm2である実施形態1から19のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態21:縦方向光学センサと横方向光学センサが、縦方向感受性エリアと横方向感受性エリアの側方次元が0.1から10の係数の範囲内で同一であるように配置される実施形態1から20のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態22:縦方向感受性エリアが横方向感受性エリアと平行な配置で配向される実施形態1から21のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態23:蛍光性導波シートが少なくとも1つの平面シートを含む実施形態1から22のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態24:蛍光性導波シートの厚さが10μm〜3mm、好ましくは100μm〜1mm、例えば50μm〜2mmである実施形態1から23のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態25:蛍光性導波シートが可撓性または可塑性である実施形態1から24のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態26:蛍光性導波シートが少なくとも1つのマトリクス材料を含み、少なくとも1つの蛍光性材料がマトリクス材料中に混合されるか、マトリクス材料中に分散されるか、マトリクス材料に化学的に結合されるか、またはマトリクス材料中に溶解されるかの1つまたは複数である実施形態1から25のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態27:マトリクス材料が少なくとも1つのプラスチック材料を含む実施形態26に記載の検出器。
実施形態28:プラスチック材料が少なくとも1つのポリマー材料を含む実施形態27に記載の検出器。
実施形態29:プラスチック材料がポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロリドから成る群から選択される少なくとも1つの材料を含む実施形態27または28に記載の検出器。
実施形態30:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤、好ましくは少なくとも1つの蛍光性色素を含み、より好ましくは蛍光性材料が蛍光性着色剤、好ましくは蛍光性色素である実施形態1から29のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態31:蛍光性色素が光ビームによって飽和状態になり得ることにより、蛍光性色素によって生じる蛍光発光の総出力が光ビームの強度に関する非線形関数である実施形態30に記載の検出器。
実施形態32:蛍光発光の総出力が光ビームの強度に対して準比例的である実施形態31に記載の検出器。
実施形態33:蛍光性色素が少なくとも1つの有機蛍光性色素を含む実施形態30から32のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態34:蛍光性色素がキサンテン誘導体、好ましくはフルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシン、テキサスレッド、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;シアニン誘導体、好ましくはシアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;スクアライン誘導体または環置換スクアライン、好ましくはSeta、SeTau、およびSquare色素、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;ナフタレン誘導体、好ましくはダンシルもしくはそのプロダン誘導体の1つまたは複数;クマリン誘導体;オキサジアゾール誘導体、好ましくはピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;アントラセン誘導体、好ましくはアントラキノン、DRAQ5、DRAQ7、CyTRAKオレンジ、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;ピレン誘導体、好ましくはカスケードブルー;オキサジン誘導体、好ましくはナイルレッド、ナイルブルー、クレジルバイオレット、オキサジン170、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;アクリジン誘導体、好ましくはプロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;アリールメチン誘導体、好ましくはオーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、もしくはこれらの任意の成分の誘導体の1つまたは複数;テトラピロール誘導体、好ましくはポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンの1つまたは複数;リレン色素もしくはその任意の誘導体、例えばペリレン色素;ナフタレンイミドまたはペリレンイミド;国際公開第2012/168395A1号において公開されているようなナフトイレンベンゾイミダゾール色素;またはこれらの任意の成分の誘導体から成る群から選択される実施形態30から33のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態35:マトリクス材料に埋め込まれた着色剤を使用して吸収極大が測定される実施形態34に記載の検出器。
実施形態36:吸収極大が400nm〜900nmの範囲にわたる絶対極大である実施形態34または35に記載の検出器。
実施形態37:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤が400nm〜900nmの範囲では550nm〜850nmの波長範囲の吸収極大を有する実施形態1から36のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態38:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤が400nm〜900nmの範囲では600nm〜800nmの範囲の吸収極大を有する実施形態1から37のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態39:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤がスチルベン、ベンゾオキサゾール、スクアライン、ビスジフェニルエチレン、メロシアニン、クマリン、ベンゾピラン、ナフタルイミド、リレン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、シアニン、キサンテン、オキサジン、オキサジアゾール、スクアライン、オキサジオール、アントラキノン、アクリジン、アリールメタン、ホウ素ジピロメテン、アザホウ素ジピロメテン、ビオランスロン、イソビオランスロンおよびジケトピロロピロールから成る群から選択される実施形態1から38のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態40:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤がリレン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、シアニン、キサンテン、オキサジン、ホウ素ジピロメテン、アザホウ素ジピロメテン、およびジケトピロロピロールから成る群から選択される実施形態1から39のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態41:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤がリレン着色剤であり、好ましくは着色剤が表1の化合物1、表1の化合物2、表1の化合物3、表1の化合物15、表1の化合物16、表1の化合物17および表1の化合物4から成る群から選択される実施形態1から40のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態42:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その着色剤が表1の化合物1、表1の化合物2、表1の化合物3、および表1の化合物4から成る群から選択され、好ましくは着色剤が表1の化合物3または表1の化合物4であり、化合物4(2,13−ビス[2,6−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−5,10,16,21−テトラキス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−アントラ[9’’,1’’,2’’:6,5,10;10’’,5’’,6’’:6’,5’,10’]ジアントラ[2,1,9−デフ:2’,1’,9’−d’e’f’]ジイソキノリン−1,3,12,14(2H,13H)−テトロン)が特に好適である実施形態1から41のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態43:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤がナフタルイミド着色剤であり、その着色剤が好ましくは式
の構造を有し、式中、Rni2、Rni3、Rni4、Rni5、Rni6およびRni7は互いに独立に、H、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルキルアミン(アルキル−NH−)、アリールアミン(アリール−NH−)、アルキルアリールアミン(アリール−アルキル−NH−)、ヘテロアリールアミン(ヘテロアリール−NH−)およびヘテロアルキルアリールアミン(ヘテロアリール−アルキル−NH−)から成る群から選択され、好ましくはRni2、Rni3、Rni4、Rni5、Rni6およびRni7の少なくとも1つがアルキルアミン(アルキル−NH−)、アリールアミン(アリール−NH−)、アルキルアリールアミン(アリール−アルキル−NH−)、ヘテロアリールアミン(ヘテロアリール−NH−)およびヘテロアルキルアリールアミン(ヘテロアリール−アルキル−NH−)から成る群から選択される実施形態1から42のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態44:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤がフタロシアニン着色剤であり、好ましくは表1の化合物5、表1の化合物6、表1の化合物7、表1の化合物8、表1の化合物9、表1の化合物10および表1の化合物14から成る群から選択され、より好ましくはフタロシアニン着色剤が表1の化合物14または表1の化合物10であり、最も好ましくはフタロシアニン着色剤が表1の化合物14である実施形態1から43のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態45:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤がナフタロシアニン着色剤である実施形態1から44のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態46:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤が式
の(Ic)または(IIc)の構造を有するシアニンであり、式中、Rc2とRc4は互いに独立にアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、Rc1はアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、またはRc6と一緒に任意で置換される環、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、Rc3はアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、またはRc4と一緒に任意で置換される環、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、Rc6はH、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、またはRc1と一緒に任意で置換される環、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、Rc5はH、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、またはRc5と一緒に任意で置換される環、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、Rc2とRc4は互いに独立にH、アルキルおよびシクロアルキルから成る群から選択され、または互いに一緒に環を形成し、nは1〜10の範囲、好ましくは1〜10の範囲、より好ましくは1〜5の範囲の整数、最も好ましくは2であり、好ましくは本発明に係るシアニン着色剤が式
の(Ica)または(IIcb)、より好ましくは(Ica)の構造を有し、式中、Rc4はメチルまたはブチルであり、Rc2はブチルまたは−C5H10−COOHであり、より好ましくはRc2とRc4の両方がブチルであり、nは好ましくは1〜5の範囲、より好ましくは2であり、シアニン着色剤はより好ましくはS0315(3−ブチル−2−[5−(3−ブチル−1,3−ジヒドロ−1,1−ジメチル−2H−ベンゾ[e]インドール−2−イリデン)−ペンタ−1,3−ジエニル]−1,1−ジメチル−1H−ベンゾ[e]インドリウムパークロレート)またはS0944(1,3,3−トリメチル−2−[5−(1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−イリデン)−ペンタ−1,3−ジエニル]−3Hインドリウムクロリド)、より好ましくはS0315である実施形態1から45のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態47:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤がキサンテン着色剤、好ましくはローダミン着色剤、より好ましくは式
の構造を有する着色剤である実施形態1から46のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態48:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤が表1の化合物1、表1の化合物2、表1の化合物3、表1の化合物4、表1の化合物5、表1の化合物6、表1の化合物7、表1の化合物8、表1の化合物9、表1の化合物10、表1の化合物11、表1の化合物12、表1の化合物13、表1の化合物14、表1の化合物15、表1の化合物16、表1の化合物17、表1の化合物18、表1の化合物19および表1の化合物20から成る群から選択され、好ましくは蛍光性着色剤が表1の化合物1、表1の化合物2、表1の化合物3、表1の化合物4、表1の化合物5、表1の化合物6、表1の化合物7、表1の化合物8、表1の化合物9、表1の化合物10、表1の化合物11、表1の化合物12、表1の化合物13および表1の化合物14から成る群から選択される実施形態1から47のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態49:蛍光性材料が少なくとも1つの蛍光性着色剤を含み、その蛍光性着色剤が表1の化合物3、表1の化合物14、表1の化合物11および表1の化合物5から成る群から選択され、表1の化合物4が特に好適である実施形態1から48のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態50:感光性要素が少なくとも1つの光ダイオード、好ましくは少なくとも1つの無機光ダイオードを含む実施形態1から49のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態51:感光性要素が、導波シートの隅部および/またはエッジ沿いに位置する少なくとも1つのドット型感光性要素を含む実施形態1から50のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態52:感光性要素が、導波シートのエッジ、例えば周縁部分における少なくとも1つの区間に沿って伸長する少なくとも1つの長尺感光性要素を含む実施形態1から51のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態53:蛍光性導波シートが矩形の蛍光性導波シート、好ましくは方形の蛍光性導波シートであり、感光性要素が導波シートの4つのエッジそれぞれに位置する実施形態1から52のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態54:光ビームが物体または少なくとも1個の照明源から発生し、照明源が光ビームを放出する物体に一体化または装着されるか、あるいは物体を直接または間接的に照明する別の照明源である実施形態1から53のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態55:照明源が400nm〜900nm、より好ましくは550nm〜850nmの範囲、特に600nm〜800nmの範囲の、蛍光性材料が吸収極大を示す範囲をカバーする波長範囲の光を放出する実施形態54に記載の検出器。
実施形態56:縦方向センサ信号および/または横方向センサ信号が照明の変調の変調周波数に依存するように縦方向光学センサがさらに設計される実施形態1から55のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態57:検出器が少なくとも2つの縦方向センサ信号をそれぞれ異なる変調周波数で検出するように構成され、評価装置が少なくとも2つの縦方向センサ信号の評価によって縦方向座標を決定するように構成される実施形態1から56のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態58:検出器が少なくとも2つの横方向センサ信号をそれぞれ異なる変調周波数で検出するように構成され、評価装置が少なくとも2つの横方向センサ信号の評価によって横方向座標を決定するように構成される実施形態1から57のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態59:光ビームが変調光ビームである実施形態1から58のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態60:検出器がさらに照明変調用の変調装置を少なくとも1個含む実施形態1から59のいずれか1つに記載の検出器。
実施形態61:検出器がさらに少なくとも1個の転送装置を含み、転送装置が光ビームを光学センサへと誘導するように適合される実施形態1から60のいずれか一項に記載の検出器。
実施形態62:転送装置が少なくとも1つのレンズ、好ましくは少なくとも1つの可変焦点レンズ;少なくとも1つのビーム偏向要素、好ましくは少なくとも1個のミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブまたはビーム分割ミラーの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズの1つまたは複数を含む実施形態61に記載の検出器。
実施形態63:少なくとも1個の物体の位置を決定するための検出器システムであって、実施形態1から62のいずれか1つに記載の少なくとも1個の検出器を含み、さらに少なくとも1つの光ビームを検出器へと向かわせるように適合された少なくとも1個のビーコン装置を含み、ビーコン装置が物体に装着可能、物体によって保持可能および物体に一体化可能の少なくとも1つである検出器システム。
実施形態64:使用者とマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するヒューマンマシンインターフェースであって、実施形態63に記載の少なくとも1つの検出器システムを含み、少なくとも1個のビーコン装置は使用者に直接または間接的に装着する方式および使用者が保持する方式の少なくとも1つであるように適合され、検出器システムによって使用者の少なくとも1つの位置を決定するように設計され、その位置に少なくとも1項目の情報を割り当てるように設計されるヒューマンマシンインターフェース。
実施形態65:少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置であって、実施形態64に記載の少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェースを含み、ヒューマンマシンインターフェースによってプレーヤが少なくとも1項目の情報を入力可能となるように設計され、その情報に従って娯楽機能を変えるように設計される娯楽装置。
実施形態66:少なくとも1個の可動物体の位置を追跡する追跡システムであって、検出器システムに言及する上記実施形態のいずれか1つに記載の検出器システムを少なくとも1つ含み、さらに少なくとも1個の進路制御装置を含み、その進路制御装置が、特定の時点における物体の一連の位置を追跡するように適合される追跡システム。
実施形態67:少なくとも1個の物体の少なくとも1つの位置を決定するための走査システムであって、検出器に言及する上記実施形態のいずれか1つに記載の検出器を少なくとも1個含み、さらに少なくとも1個の物体の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1個の点を照明するために構成される少なくとも1つの光ビームを放出するように適合される少なくとも1個の照明源をも含み、少なくとも1個の点と走査システムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報を少なくとも1個の検出器の使用によって生成するように設計される走査システム。
実施形態68:少なくとも1個の物体の画像を処理するカメラであって、検出器に言及する上記実施形態のいずれか1つに記載の検出器を少なくとも1個含むカメラ。
実施形態69:少なくとも1個の物体の位置を、少なくとも1個の検出器、具体的には検出器に言及する実施形態1から68のいずれか1つに記載の検出器を使用して決定するための方法であって、
少なくとも1個の縦方向光学センサの少なくとも1つの縦方向センサ領域内の少なくとも1つの縦方向感受性エリアを、光ビームによる縦方向感受性エリアの照明に依存する少なくとも1つの縦方向センサ信号が生成されるように照明し、照明の総出力が同じである場合に縦方向センサ信号が縦方向感受性エリア内の光ビームの断面に依存する工程と、
検出器の少なくとも1個の光学センサの少なくとも1つの蛍光性導波シートの少なくとも1つの横方向感受性エリアを物体から検出器へと伝播する少なくとも1つの光ビームで照明し、光ビームが少なくとも1つの光点を横方向感受性エリア内に生成し、蛍光性導波シートが少なくとも1つの蛍光性材料を含有する工程と、
光ビームによって照明されたことに応答して蛍光性導波シートにより蛍光発光を生成する工程と、
光点からの蛍光発光を蛍光性導波シートの少なくとも2つのエッジに位置する少なくとも2つの感光性要素へと誘導する工程と、
感光性要素を使用することによって蛍光発光を検出すると共に、横方向センサ信号を生成する工程と、
少なくとも1個の評価装置を使用することによって縦方向センサ信号を評価すると共に、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定する工程と、
少なくとも1個の評価装置を使用することによって感光性要素の横方向センサ信号を評価すると共に、物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを決定する工程と
を含む方法。
少なくとも1個の縦方向光学センサの少なくとも1つの縦方向センサ領域内の少なくとも1つの縦方向感受性エリアを、光ビームによる縦方向感受性エリアの照明に依存する少なくとも1つの縦方向センサ信号が生成されるように照明し、照明の総出力が同じである場合に縦方向センサ信号が縦方向感受性エリア内の光ビームの断面に依存する工程と、
検出器の少なくとも1個の光学センサの少なくとも1つの蛍光性導波シートの少なくとも1つの横方向感受性エリアを物体から検出器へと伝播する少なくとも1つの光ビームで照明し、光ビームが少なくとも1つの光点を横方向感受性エリア内に生成し、蛍光性導波シートが少なくとも1つの蛍光性材料を含有する工程と、
光ビームによって照明されたことに応答して蛍光性導波シートにより蛍光発光を生成する工程と、
光点からの蛍光発光を蛍光性導波シートの少なくとも2つのエッジに位置する少なくとも2つの感光性要素へと誘導する工程と、
感光性要素を使用することによって蛍光発光を検出すると共に、横方向センサ信号を生成する工程と、
少なくとも1個の評価装置を使用することによって縦方向センサ信号を評価すると共に、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定する工程と、
少なくとも1個の評価装置を使用することによって感光性要素の横方向センサ信号を評価すると共に、物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを決定する工程と
を含む方法。
実施形態70:縦方向感受性エリアおよび/または横方向感受性エリアを照明する少なくとも2つの個別の光ビームを評価装置の使用による縦方向センサ信号および/または横方向センサ信号の変調周波数に対する依存性の評価によって区別する工程をもさらに含む実施形態69に記載の方法。
実施形態71:交通技術における位置測定;娯楽への応用;セキュリティへの応用;監視への応用;安全への応用、ヒューマンマシンインターフェースへの応用;追跡への応用;写真撮影への応用;少なくとも1個の飛行時間検出器との併用;構造化光源との併用;ステレオカメラとの併用;機械視覚への応用;ロボット工学への応用;品質管理への応用;製造への応用;構造化照明源との併用;ステレオカメラとの併用から成る群から選択される使用目的のための、検出器に関する上記実施形態のいずれか1つに記載の検出器を使用する方法。
本発明のさらなる任意の詳細および特徴は、従属請求項に関して以下に記載される、好ましい模範的実施形態の説明から明らかである。この文脈において、特定の特徴は、単独でまたはいくつかの特徴と組み合わせて実現可能である。本発明は、模範的実施形態に限定されない。模範的実施形態は図面中で概略的に示されている。個々の図面中の同一の参照番号は、同一の要素または同一の機能を有する1つまたは複数の要素あるいは機能に関して互いに対応する要素を指す。
模範的実施形態
図1Aおよび1Bは、高度な概略図において、本発明に係る検出器110の横方向間仕切り111の模範的な一実施形態を示す図である。図1Aは上面図、図1Bは断面図である。
図1Aおよび1Bは、高度な概略図において、本発明に係る検出器110の横方向間仕切り111の模範的な一実施形態を示す図である。図1Aは上面図、図1Bは断面図である。
検出器110は、蛍光性導波シート114を有する横方向光学センサ112を含み、蛍光性導波シート114はこの図では描かれていない1個の物体と向かい合う横方向感受性エリア116を形成する。蛍光性導波シートは、この模範的実施形態では平坦導波シートとして設計され得、シート内で、矢印118で象徴的に描かれているように、内部反射による、具体的には内部全反射による導波、具体的には蛍光性導波シート114内で生成される蛍光発光の導波が発生し得る。蛍光性導波シート114は、一例として、少なくとも25mm2、例えば少なくとも100mm2、より好ましくは少なくとも400mm2の側方拡張を有し得る。一例として、10mm×10mmの方形のシート、20mm×20mmの方形のシート、50mm×50mmの方形のシートまたは別の寸法が使用され得る。ただし注意点として、非方形の幾何形状またはさらに非矩形の幾何形状、例えば円形または楕円形も使用され得る。
蛍光性導波シート114は、一例として、マトリクス材料120およびその内部に配置される少なくとも1つの蛍光性材料122、少なくとも1つのフルオロフォアなど、例えば蛍光性色素を含み得る。模範的実施形態については国際公開第2012/168395A1号に列記されている1つまたは複数の材料など、上述の材料を参照するとよい。一例として、
の蛍光性材料が使用され得る。
蛍光性材料は国際公開第2012/168395A1号において物質34.2として、潜在的合成方法を含めて、開示されている。材料をポリスチレン中に、例えば0.001〜0.5質量%の濃度で浸漬してもよい。蛍光性材料122は光ビームによる照明に応答して蛍光発光を生成するように設計される。その場合、蛍光性材料122は非線形材料、すなわち励起光に対して非線形な応答を有する蛍光性材料であるように選定される結果、励起に応答して生成される蛍光発光の総出力は、励起光による、すなわち光ビームによる照明強度に関して非線形関数である。一例として、飽和効果が使用され得る。非線形性は、材料特性であることに加え、マトリクス材料120中での蛍光性材料122の濃度の影響をも受け得る。一般的に、一例として、本発明のこの模範的実施形態または他の実施形態では0.001〜0.5質量%の濃度が好適である。従って、一般的に、「設計される」または「適合される」という用語は蛍光性材料122の非線形蛍光特性を指す場合、蛍光性材料122自体の本質的特性および/またはマトリクス材料120中の蛍光性材料122の濃度の両方を指し得る。
横方向光学センサ112はさらに、図1Aおよび1BではPD1〜PD4と表記されて、蛍光性導波シート114の各エッジ132、134、136、138に位置する、複数の感光性要素124、126、128、130を有する。この模範的実施形態では、蛍光性導波シート114は矩形の形状を有し得ることから、エッジ132,134のペアとエッジ136、138のペアといったように、エッジのペアが互いに対向している。導波シート114の矩形の辺は、x次元がエッジ132と134間の相互接続によって規定され、y次元がエッジ136と138間の相互接続によって規定される、デカルト座標系を規定し得る。ただし注意点として、他の座標系も実現可能である。
感光性要素124、126、128、130は、一例として、光ダイオードを含み得る。ただし、概して、他の感光性要素も使用され得る。感光性要素124、126、128、130は、一例として、各エッジ132、134、136、138の好ましくは全長をカバーするか、または好ましくは各エッジ132、134、136、138の長さの少なくとも50%、もしくはより好ましくは少なくとも70%をカバーする帯状光ダイオードであるか、またはそれらを含み得る。ただし、各エッジに複数の感光性要素が位置する実施形態など、他の実施形態も実現可能である。
感光性要素124、126、128、130はそれぞれ、これらの感光性要素124、126、128、130によって検出される光、具体的には蛍光発光に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成する。感光性要素124、126、128、130は検出器110の評価装置140に接続され、その機能については以下にてさらに詳しく説明する。感光性要素124、126、128、130のセンサ信号は評価装置140に提供される。評価装置140は、これらの図では描かれていないが検出器へと伝播する光ビームの発生源である物体の少なくとも1つの横方向座標x、yをセンサ信号の評価によって決定するように構成される。付加的に、図3および4を参考にして、以下にてさらに詳しく概説するように、少なくとも1つの縦方向座標zが決定される。
横方向光学センサ112はさらに、横方向光学センサ112において物体と反対方向を向き、且つ感受性エリア116と反対方向を向いている裏面144に位置し得る、図1BにPD5と表記される少なくとも1つの参照感光性要素142を含んでもよい。同じく、参照感光性要素142は、少なくとも1個の大面積光ダイオードのような少なくとも1個の光ダイオードであるか、またはそれを含み得る。一例として、参照感光性要素142は、蛍光性導波シート114の裏側144(後側と呼ばれる場合もある)の少なくとも50%をカバーする大面積光ダイオードを含み得る。ただし注意点として、複数の参照感光性要素142を含む実施形態など、他の実施形態も実現可能である。一例として、複数の参照感光性要素142を裏側144に位置して、複数が全体で裏側144を完全にカバーしてもよい。さらなる一例として、複数の感光性要素142から成る格子配列、例えば一次元または二次元のCCDチップまたはCMOSチップのような画像センサまたは画像チップを裏側144に位置してもよい。
横方向光学センサ112はさらに、少なくとも1つの光学フィルタ要素146を含んでもよい。一例として、図1Bの断面図で見えるように、少なくとも1つの光学フィルタ要素146は参照感光性要素142の前方、例えば蛍光性導波シート114と参照感光性要素142との間のビーム経路内などに配置され得る。一例として、層構造が使用され得る。このように、横方向光学センサ112は一般的に、この実施形態または本発明の他の実施形態において、少なくとも1つの蛍光性導波シート114、少なくとも1つの光学フィルタ要素146および少なくとも1つの参照感光性要素142を、好ましくは記載の順序で有するスタックおよび/または層構造を含み得る。一例として、少なくとも1個の光学フィルタ要素146は、蛍光発光が参照感光性要素142に進入することを防ぐように設計されるか、または少なくとも蛍光発光を少なくとも70%、もしくは好ましくは少なくとも80%減衰させ得る。しかし、光ビームからの光のような認定光は、好ましくは光学フィルタ要素146を、例えば好ましくは40%以下の減衰率、より好ましくは20%以下で通過し得る。従って、一例として、この模範的実施形態または本発明の他の模範的実施形態において、少なくとも1つの光学フィルタ要素146は具体的には、ショートパスフィルタ、例えば400nm〜600nmの範囲、例えば500〜550nmの範囲の閾値波長を有するショートパスフィルタを含み得る。ショートパスフィルタは、少なくとも1つの参照感光性要素142が一般的に、蛍光発光の測定よりむしろ、光ビームおよび/または励起光の総出力のための尺度を提供することを確保し得る。
しかし、ここで言えるのは、図1Aおよび1Bの提示に関わらず、本発明に係る横方向光学センサ112には参照感光性要素142が必要ない場合もある。この場合、総和信号自体が参照感光性要素142の役割を代行し得る結果、横方向光学センサ112に関するこの実施形態は、十分に機能的な、任意に透明な横方向位置感受性検出器(PSD)を提供し得る。
横方向光学センサ112のさらなる代替的実施形態(本明細書には不記載)では感光性要素124、126、128、130の様々な特性に言及し得る。
従って、対向するエッジ132、134、136、138に位置する感光性要素124、126、128、130に加え、付加的な感光性要素が蛍光性導波シート114の隅部に位置し、隅部は蛍光性導波シート114のエッジの一部であってもよい。従って、隅部に位置する付加的な感光性要素は、図3の概略図と同様の形で評価され得る付加的なセンサ信号を提供し得る。それらはx座標および/またはy座標の決定の正確性を高める能力を有し得る。従って、一例として、これらの付加的なセンサ信号は、上記の式(1)の使用によって形成されるような総和信号に含まれ得る。一例として、対向する隅部に位置する2つの感光性要素間で差分信号が形成され得、および/または隅部に位置する1つの感光性要素と直線状エッジに位置する1つの感光性要素との間に差分信号が形成され得る。
さらに、あるいは付加的に、感光性要素124、126、128、130および/または付加的な感光性要素は、蛍光性導波シート114に対する各々の配置の変化を示し得る。感光性要素124、126、128、130が蛍光性導波シート114の面内に位置する図1Aおよび1Bとは対照的に、感光性要素124、126、128、130および/または付加的な感光性要素の一部もしくは全部が、あるいは付加的に、蛍光性導波シート114の面外に位置してもよい。具体的には、感光性要素124、126、128、130および/または付加的な感光性要素は光結合要素によって蛍光性導波シート114に光結合され得る。この目的のために、感光性要素124、126、128、130および/または付加的な感光性要素を、光結合要素の役割を果たし得るエポキシ接着剤のような1つまたは複数の透明な接着を使用することによって、蛍光性導波シート114に接着してもよい。ただし、他の種類の既知の光結合要素を採用してもよい。
さらに、あるいは付加的に、感光性要素124、126、128、130および/または付加的な感光性要素はサイズおよび/または形状を変化し得る。従って、感光性要素124、126、128、130および/または付加的な感光性要素は必ずしも、図1Aおよび1Bの概略図のように帯状の感光性要素でなくてもよい。一例として、矩形の光ダイオード、スポット状の光ダイオード、またはさらに点状の光ダイオードのような、超小型光ダイオードを使用してもよい。上記にて概説のように、一般的に、光ダイオードのサイズが小さければ電力容量が低下し、その結果、横方向光学センサ112の応答の高速化に繋がり得る。
図2では、光ビームによる蛍光性導波シート114の横方向感受性エリア116の照明を示している。この図では2通りの別々の状況が描かれ、検出器110へと伝播する光ビームの発生源である物体と検出器110自体との間の異なる距離を表わし、結果として蛍光性導波シート114において光ビームによって生成される光点の点サイズが別々の2通りとなり、最初に小さい光点148が生じ、次に大きい光点150が生じる。いずれの場合も光ビームの総体的出力は光点148、150にわたり同じのままである。したがって、小さい光点148での平均強度は大きい光点150での強度より著しく高い。さらに、いずれの場合も光点148、150の中心152の位置は、光点148、150のサイズと関係なく不変のままである。この特徴は、この図で例示されているとおり、物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを明確に決定するように構成される評価装置140に横方向光学センサ112の感光性要素124、126、128、130が横方向センサ信号を提供する能力を実証するものである。
光ビームによる照明は、上記の図1Bで描かれているとおり、完全にまたは部分的に、導波によって感光性要素124、126、128、130へと輸送される蛍光を誘発する。上述のとおり、対応するセンサ信号がこれらの感光性要素124、126、128、130によって生成され、次いで評価装置140へ、少なくとも1つの参照感光性要素142により生成される少なくとも1つの参照センサ信号と併せて提供される。
評価装置140は、図3の概略図で象徴的に描かれているように、感光性要素124、126、128、130の横方向センサ信号について記号PD1〜PD4で表わされている横方向センサ信号、および縦方向センサ信号を表わすFIPを評価するように設計される。センサ信号は物体の位置情報および/または幾何学的情報を導出するために様々な形で評価装置によって評価され得る。
このように、上記にて概説のとおり、少なくとも1つの横方向座標x、yが導出され得る。これは主に、光点148、150の中心152と感光性要素124、126、128および130との間の距離が均等ではないという事実に起因する。このように、光点148、150の中心152は感光性要素124からの距離l1、感光性要素126からの距離l2、感光性要素128からの距離l3、および感光性要素130からの距離l4を有する。蛍光発光の生成位置と蛍光発光を検出する感光性要素124、126、128、130との間の距離がこのように異なることから、横方向センサ信号に差異が生じる。これは様々な効果に起因する。第1に、重ねて、毎回の内部全反射が一定の損失を含むために導波過程で内部損失が発生し、その結果、蛍光発光は伝播中に経路の長さに応じて減衰する。移動距離が長いほど、減衰と損失が大きくなる。さらに、吸収効果も発生する。第3に、光の拡散を考慮しなければならない。光点148、150から各々の感光性要素124、126、128、130までの距離が長くなるほど、感光性要素124、126、128、130以外の方向に光子が向けられる確率が高くなる。したがって、感光性要素124、126、128、130のセンサ信号の比較により、横方向位置情報が生成される。
センサ信号の比較は様々な形で発生し得る。従って、一般的に、評価装置140は物体または光点の少なくとも1つの横方向座標を導出するために横方向センサ信号を比較するように設計され得る。一例として、評価装置140は少なくとも1個の減算装置154および/またはその他、座標x、yなどの少なくとも1つの横方向座標に依存する機能を備える装置を含み得る。模範的実施形態において、減算装置154は図2に記載の次元x、yの1つまたは各々について、上記の式(1)に係る信号のような、少なくとも1つの差分信号を生成するように設計され得る。一例として、PD1とPD2との間の単純な差、例えば(PD1−PD2)/(PD1+PD2)をx座標の尺度として使用し、PD3とPD4との間の差、例えば(PD3−PD4)/(PD3+PD4)をy座標の尺度として使用することができる。一例として、感受性エリア116の面内における光点148、150の横方向座標の、検出器110へと伝播する光ビームの発生源である物体の横方向座標への変換を、よく知られているレンズ方程式を使用して行うことができる。さらなる詳細については、一例として、国際公開第2014/097181A1号など上述の先行技術文書の1つまたは複数を参照するとよい。
上記にて概説のように、縦方向座標zも、特に国際公開第2012/110924A1号および/または国際公開第2014/097181A1号においてさらに詳しく説明されているFiP効果の実装によって導出することができる。この目的のために、FiPセンサによって提供されるような少なくとも1つの縦方向光学センサ信号が、評価装置140の使用およびそれに基づく物体の少なくとも1つの縦方向座標zの決定によって評価される。
ただし注意点として、評価装置140によるセンサ信号の処理については、他の変換または他のアルゴリズムも実現可能である。従って、減算または正の係数もしくは負の係数との近似結合に加え、非線形変換も一般的に実現可能である。一例として、センサ信号をz座標および/またはx、y座標に変換するために、一例として経験的に、例えば検出器110から様々な距離に配置された物体を伴う較正実験および/または様々な横方向位置もしくは三次元位置に配置された物体を伴う較正実験、および各センサ信号の記録によって導出され得る、1つまたは複数の既知または決定可能な関係を使用することができる。
図4の高度な概略図では、複数の横方向光学センサ112および複数の縦方向光学センサ155を有する検出器110の模範的実施形態を示しており、縦方向光学センサ155は上述のFiP効果に従って機能するFiPセンサである。検出器110は具体的にはカメラ156として具現化されるか、またはカメラ156の一部であってもよい。カメラ156は画像処理用、具体的には3D画像処理用とされてもよく、また静止画像および/またはデジタルビデオクリップのような画像シーケンスの取得用とされてもよい。他の実施形態も実現可能である。
図4ではさらに、少なくとも1個の検出器110に加え、1個または複数のビーコン装置160も含み、この模範的実施形態では物体162に装着および/または一体化され、その位置が検出器110の使用によって検出される、検出器システム158の一実施形態を示す。図4ではさらに、少なくとも1個の検出器システム158を含むヒューマンマシンインターフェース164と、さらに、ヒューマンマシンインターフェース164を含む娯楽装置166の、模範的な一実施形態を示している。この図ではさらに、検出器システム158を含む、物体162の位置を追跡するための追跡システム168の一実施形態も示している。これらの装置およびシステムの構成要素について、以下にてさらに詳しく説明する。
図4ではさらに、少なくとも1個の物体162の少なくとも1つの位置を決定するための走査システム170の模範的な一実施形態を示している。走査システム170は少なくとも1個の検出器110と、さらに、少なくとも1個の物体162の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1つのドット(例えばビーコン装置160の位置の1つまたは複数に位置するドット)を照明するように構成される少なくとも1つの光ビーム174を放出するように適合される少なくとも1個の照明源172を含む。走査システム170は、少なくとも1つのドットと走査システム170、具体的には検出器110との間の距離に関する少なくとも1項目の情報を、少なくとも1個の検出器110の使用によって生成するように設計される。
上記にて概説のように、図1〜3に記載の検出器110の横方向間仕切り111の模範的な一実施形態を、図4の構成に使用してもよい。従って、検出器110は、1個または複数の横方向光学センサ112に加え、1個または複数の縦方向光学センサ155、図4において象徴的に描かれているように、任意で少なくとも1個の減算装置154および少なくとも1個の変調装置175を有する、少なくとも1個の評価装置140を含む。本発明では、変調装置175は、縦方向センサ信号および/または横方向センサ信号が照明変調の変調周波数に依存する状態となるように、照明を変調させるために採用され得る。評価装置140の構成要素は、光学センサ112、155の1つもしくはすべてもしくは各々に完全にもしくは部分的に一体化され得るか、または完全にもしくは部分的に光学センサ112、155から独立した別々の構成要素として具現化され得る。
2つ以上の構成要素を完全にまたは部分的に結合するという上述の可能性に加え、1個または複数の光学センサ112、155の1個または複数および評価装置140の構成要素の1個または複数を、図4で象徴的に描かれているように、1個もしくは複数のコネクタ176および/または1個もしくは複数のインターフェースによって相互接続してもよい。さらに、任意の少なくとも1個のコネクタ176はセンサ信号を修正または前処理するための1個もしくは複数のドライバおよび/または1個または複数の装置を含み得る。さらに、少なくとも1個の任意のコネクタ176を使用する代わりに、評価装置140を完全にまたは部分的に、光学センサ112、155に一体化および/または検出器110のハウジング178に一体化してもよい。あるいは付加的に、評価装置140を完全にまたは部分的に別々の装置として設計してもよい。
この模範的実施形態では、位置を検出され得る物体162は、スポーツ用品として設計されてもよく、および/または、使用者182が位置を操作可能な制御要素もしくは制御装置180を形成してもよい。一例として、物体162はバット、ラケット、クラブまたはその他、スポーツ用品および/または疑似スポーツ用具であるか、またはそれらを含み得る。他の種類の物体162も可能である。さらに、使用者182自身を、位置が検出されるべき物体182として捉えてもよい。
上記にて概説のように、検出器110は1個または複数の光学センサ112、155を含む。光学センサ112、155は、検出器110のハウジング178の内部に位置してもよい。さらに、少なくとも1個の転送装置184、例えば1つまたは複数の光学系、好ましくは1つまたは複数のレンズ186を含む装置が含まれ得る。
好ましくは検出器110の光軸190に対して同心円状に配置されるハウジング178内の開口188は、好ましくは検出器110の視野方向192を規定する。光軸190に対して平行または逆平行の方向が縦方向として規定される座標系194が規定され得、光軸190に対して垂直の方向は横方向として規定され得る。座標系194において、図4では象徴的に描かれているように、縦方向はz、横方向はそれぞれxおよびyとして表わされている。他の種類の座標系194も実現可能である。
検出器110は光学センサ112、155の1個または複数を含み得る。好ましくは、図4で描かれているように、一例として、図4で描かれているように、1個または複数のビーム分割装置198によって分割され得る別々の部分ビーム経路196に位置してもよい、複数の光学センサ112、155が含まれる。図4でさらに図示されているように、光学センサ112、155は各々、好ましくは、少なくとも1つの入射光ビーム174が縦方向光学センサ155に衝突する前に横方向光学センサ112に最初に衝突する形で配置され得る。この場合、入射光ビーム174が十分な強度で両方の種類の光学センサ112、155に到達することを実際に可能とするために、横方向光学センサ112は、特に透明または少なくとも半透明の特性を示してもよい。これに関する限り、図1に記載のような横方向光学センサ112はこの目的に対して特に適する配置を含むと言える。ただし注意点として、2個以上の横方向光学センサ112または2個以上の縦方向光学センサ155のスタック構成のような他の選択肢も実現可能である。さらに、光学センサ112、155の数が異なる実施形態も実現可能である。
1つまたは複数の光ビーム174は物体162からおよび/または1個もしくは複数のビーコン装置160から、検出器110へと伝播する。検出器110は少なくとも1個の物体162の位置を決定するように適合される。この目的のために、図1〜3の文脈で上記にて説明のように、評価装置140は1個または複数の光学センサ112、115によって提供されるセンサ信号を評価するように構成される。検出器110は物体162の位置を決定するように適合され、また光学センサ112、115は物体162から、具体的には1個または複数のビーコン装置160から検出器110へと伝播している光ビーム174を検出するように適合される。光ビーム174は、直接、および/または転送装置184によって修正された後、例えばレンズ186によって合焦された後、光点148、150を横方向光学センサ112または複数の横方向光学センサ112各々の横方向感受性エリア116と、縦方向光学センサ155または複数の縦方向光学センサ155各々の縦方向感受性エリア(不記載)に創出する。
上記にて概説のように、検出器110の使用による物体162および/またはその一部の位置の決定は、少なくとも1項目の情報をマシン200に提供するためのヒューマンマシンインターフェース164を設けるために使用され得る。図4の概略図に記載の実施形態において、マシン200はコンピュータであってもよく、および/またはコンピュータを含んでもよい。他の実施形態も実現可能である。評価装置140をコンピュータなどのマシン200に完全にまたは部分的に一体化してもよい。
上記にて概説のように、図4は少なくとも1個の物体162の位置を追跡するように構成された追跡システム168の一例も描いている。追跡システム168は検出器110および少なくとも1個の進路制御装置202を含む。進路制御装置202は特定の時点における物体162の一連の位置を追跡するように適合され得る。進路制御装置202は独立した装置であってもよく、および/または完全にもしくは部分的にマシン200のコンピュータの一部を形成してもよい。
同様に、上記にて概説のように、ヒューマンマシンインターフェース164は娯楽装置166の一部を形成し得る。マシン200、具体的にはコンピュータは、娯楽装置166の一部を形成してもよい。従って、物体162として機能する使用者182により、および/または物体162として働く制御装置180を扱う使用者182により、使用者182は、少なくとも1つの制御コマンドのような少なくとも1項目の情報をコンピュータに入力し得ることにより、コンピュータゲームの過程の制御のような娯楽機能を変化させることができる。
I.着色サンプルの製造
I.1 マトリクスとしてのPMMA
1000.00gのポリメチルメタクリレート(PMMA 6N、透明、Roehm GmbH社(ドイツ)製)を最高温度90℃で4時間にわたり予備乾燥させ、次いで0.02重量%の蛍光性着色剤X(表2参照)と一緒にTurbula Fuchsミキサ内で20分かけて混合した。均一な混合物をTwin Screwという25mmのCollin社(ドイツ)製押し出し装置上で、6通りの加熱ゾーン(低温、150℃、195℃、200℃、200℃、200℃、200℃)に分け、最高温度200℃の条件で押し出した。押し出し物をグラニュレータ(Scheer社(シュツットガルト)製)内で粒状化した。粒状物を最高温度90℃で4時間にわたり乾燥させ、次いでBoy注入成形機(Dr.Boy GmbH社(ノイシュタット、ドイツ)製のBoy 30A)またはKloeckner Ferromatik FM 40(Kloeckner社(ドイツ)製)を使用して着色サンプルへと加工した(30mm×55mm×約1.2mm)。得られた成形品を乾燥後、真空包装機を使用して無酸素ビニール袋内に収納した。
I.1 マトリクスとしてのPMMA
1000.00gのポリメチルメタクリレート(PMMA 6N、透明、Roehm GmbH社(ドイツ)製)を最高温度90℃で4時間にわたり予備乾燥させ、次いで0.02重量%の蛍光性着色剤X(表2参照)と一緒にTurbula Fuchsミキサ内で20分かけて混合した。均一な混合物をTwin Screwという25mmのCollin社(ドイツ)製押し出し装置上で、6通りの加熱ゾーン(低温、150℃、195℃、200℃、200℃、200℃、200℃)に分け、最高温度200℃の条件で押し出した。押し出し物をグラニュレータ(Scheer社(シュツットガルト)製)内で粒状化した。粒状物を最高温度90℃で4時間にわたり乾燥させ、次いでBoy注入成形機(Dr.Boy GmbH社(ノイシュタット、ドイツ)製のBoy 30A)またはKloeckner Ferromatik FM 40(Kloeckner社(ドイツ)製)を使用して着色サンプルへと加工した(30mm×55mm×約1.2mm)。得られた成形品を乾燥後、真空包装機を使用して無酸素ビニール袋内に収納した。
I.2 マトリクスとしてのMacrolon(ポリカーボネート)
1000.00gのポリカーボネート(MACROLON 2805、Bayer社製)を最高温度120℃で4時間にわたり予備乾燥させ、次いで0.2gの蛍光性着色剤X(表3参照)と一緒にTurbula Fuchsミキサ内で20分かけて混合した。均一な混合物をTwin Screwという25mmのCollin社(ドイツ)製押し出し装置上で、6通りの加熱ゾーン(低温、150℃、265℃、275℃、280℃、280℃、280℃)に分け、最高温度280℃の条件で押し出した。押し出し物をグラニュレータ(Scheer社(シュツットガルト)製)内で粒状化した。粒状物を最高温度120℃で4時間にわたり乾燥させ、次いでBoy注入成形機(Dr.Boy GmbH社(ノイシュタット、ドイツ)製のBoy 30A)またはKloeckner Ferromatik FM 40(Kloeckner社(ドイツ)製)を使用して着色サンプルへと加工した。得られた成形品を乾燥後、真空包装機を使用して無酸素ビニール袋内に収納した。
1000.00gのポリカーボネート(MACROLON 2805、Bayer社製)を最高温度120℃で4時間にわたり予備乾燥させ、次いで0.2gの蛍光性着色剤X(表3参照)と一緒にTurbula Fuchsミキサ内で20分かけて混合した。均一な混合物をTwin Screwという25mmのCollin社(ドイツ)製押し出し装置上で、6通りの加熱ゾーン(低温、150℃、265℃、275℃、280℃、280℃、280℃)に分け、最高温度280℃の条件で押し出した。押し出し物をグラニュレータ(Scheer社(シュツットガルト)製)内で粒状化した。粒状物を最高温度120℃で4時間にわたり乾燥させ、次いでBoy注入成形機(Dr.Boy GmbH社(ノイシュタット、ドイツ)製のBoy 30A)またはKloeckner Ferromatik FM 40(Kloeckner社(ドイツ)製)を使用して着色サンプルへと加工した。得られた成形品を乾燥後、真空包装機を使用して無酸素ビニール袋内に収納した。
II.0.02%の蛍光性着色剤を使用したプラスチックシートの吸収決定
実施例I.1およびI.2に従って製造したプラスチックシートの吸収特性を測定した。結果は図5から図21に示されている。
実施例I.1およびI.2に従って製造したプラスチックシートの吸収特性を測定した。結果は図5から図21に示されている。
III.0.02%のLumogenFバイオレット570を使用したプラスチックシートの吸収決定
0.02%のLumogenFバイオレット570(BASF社製)を着色剤として使用したプラスチックシート(厚さ2mm、PMMA 7N)吸収特性を測定した。結果は図22に示されている。
0.02%のLumogenFバイオレット570(BASF社製)を着色剤として使用したプラスチックシート(厚さ2mm、PMMA 7N)吸収特性を測定した。結果は図22に示されている。
IV.様々な蛍光性着色剤を0.02%組み込んだプラスチックシートの特性の評価
様々な蛍光性着色剤サンプルを0.02%組み込んだプラスチックシートの特性を評価した。様々な方法とマトリクスポリマーを使用し、実施例I.1およびI.2に従って膜を生成した。
様々な蛍光性着色剤サンプルを0.02%組み込んだプラスチックシートの特性を評価した。様々な方法とマトリクスポリマーを使用し、実施例I.1およびI.2に従って膜を生成した。
光ダイオードをフォイルに接着し、入射光点(405nmで70mWの光出力)までの様々な距離での光応答を記録した。
着色剤の吸収性が強く、蛍光量子収率が高く、蛍光発光の再吸収は少ないときに、短い距離での絶対応答が大きい。
したがって、吸収による光応答の加重が有意義な評価方法であると考えられる。これは光応答を405nmでのフォイルの光学密度で割ることによって達成される。一般的に知られているように、光学密度は所定の波長でサンプルを通過する光の割合の測定によって決定できる。ここで405nmの波長を選んだのは、すべての研究対象着色剤がこの波長を中心に吸収帯域を示すからである。
プラスチックシート内部で蛍光発光が移動しなければならない距離全域に伴う光応答の減衰は、サンプルの導波特性の尺度である。フィルムと表面の品質があまり好ましくないと、距離に伴う急速な低下の原因となり、したがって下記のグラフでは大きな勾配が生じている。
結果は図23から30に示されている。
光点から光ダイオードまでの距離が5mmで最も高い加重光応答(2000超)はリレン着色剤の化合物3および化合物4のほか、フタロシアニン着色剤の化合物14およびローダミン着色剤の化合物11で達成された。特に、405nmはもとより、660nmでも高い絶対光応答と低い吸収を示した化合物4の最高性能は驚異的である。
参照番号一覧
110 検出器
111 横方向間仕切り
112 横方向光学センサ
114 蛍光性導波シート
116 横方向感受性エリア
118 導波
120 マトリクス材料
122 蛍光性材料
124 感光性要素
126 感光性要素
128 感光性要素
130 感光性要素
132 エッジ
134 エッジ
136 エッジ
138 エッジ
140 評価装置
142 参照感光性要素
144 裏側
146 光学フィルタ要素
148 (小)光点
150 (大)光点
152 光点の中心
154 減算装置
155 縦方向光学センサ
156 カメラ
158 検出器システム
160 ビーコン装置
162 物体
164 ヒューマンマシンインターフェース
166 娯楽装置
168 追跡システム
170 走査システム
172 照明源
174 光ビーム
175 変調装置
176 コネクタ
178 ハウジング
180 制御装置
182 使用者
184 転送装置
186 レンズ
188 開口
190 光軸
192 視野方向
194 座標系
196 部分ビーム経路
198 ビーム分割装置
200 マシン
202 進路制御装置
110 検出器
111 横方向間仕切り
112 横方向光学センサ
114 蛍光性導波シート
116 横方向感受性エリア
118 導波
120 マトリクス材料
122 蛍光性材料
124 感光性要素
126 感光性要素
128 感光性要素
130 感光性要素
132 エッジ
134 エッジ
136 エッジ
138 エッジ
140 評価装置
142 参照感光性要素
144 裏側
146 光学フィルタ要素
148 (小)光点
150 (大)光点
152 光点の中心
154 減算装置
155 縦方向光学センサ
156 カメラ
158 検出器システム
160 ビーコン装置
162 物体
164 ヒューマンマシンインターフェース
166 娯楽装置
168 追跡システム
170 走査システム
172 照明源
174 光ビーム
175 変調装置
176 コネクタ
178 ハウジング
180 制御装置
182 使用者
184 転送装置
186 レンズ
188 開口
190 光軸
192 視野方向
194 座標系
196 部分ビーム経路
198 ビーム分割装置
200 マシン
202 進路制御装置
Claims (15)
- 少なくとも1個の物体(162)の位置を決定するための検出器(110)であって、
前記物体(162)から前記検出器(110)へと移動する少なくとも1つの光ビーム(174)の縦方向位置を決定するための少なくとも1個の縦方向光学センサ(155)であって、縦方向感受性エリアを形成する少なくとも1つの縦方向センサ領域を有し、前記光ビーム(174)による前記縦方向感受性エリアの照明に依存する形で少なくとも1つの縦方向センサ信号を生成するように設計され、前記縦方向センサ信号は前記照明の総出力が同じである場合に前記縦方向感受性エリア内の前記光ビーム(174)のビーム断面に依存する、縦方向光学センサ(155)と、
前記物体(162)から前記検出器(110)へと移動する前記少なくとも1つの光ビーム(174)の横方向位置を決定するための少なくとも1個の横方向光学センサ(112)であって、
横方向感受性エリア(116)を形成する少なくとも1つの蛍光性導波シート(114)であって、前記物体(162)から前記検出器(110)へと伝播する前記少なくとも1つの光ビーム(174)が前記横方向感受性エリア(116)内で少なくとも1つの光点(148、150)を生成するように、前記物体(162)に向けて配向され、少なくとも1つの蛍光性材料(122)を含有し、前記蛍光性材料(122)が前記光ビーム(174)によって照明されたことに応答して蛍光発光を生成するように適合される、蛍光性導波シート(114)、
少なくとも2つの感光性要素(124、126、128,130)であって、前記蛍光性導波シート(114)によって前記光点(148、150)から前記感光性要素(124、126、128,130)へと誘導される蛍光発光を検出する能力を有する前記蛍光性導波シート(114)の少なくとも2つのエッジ(132、134、136、138)に位置し、横方向センサ信号を生成する能力を有する、感光性要素(124、126、128,130)
を含む横方向光学センサ(112)と、
前記縦方向センサ信号を評価することによって前記物体(162)の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように構成される少なくとも1個の評価装置(140)であって、前記感光性要素(124、126、128,130)の前記横方向センサ信号を評価することによって前記物体(162)の少なくとも1つの横方向座標を決定するようにさらに構成される、評価装置(140)と
を含む検出器(110)。 - 前記感光性要素(124、126、128,130)の少なくとも2つによって生成される前記横方向センサ信号間で少なくとも1つの差分信号Dを形成するように構成される少なくとも1個の減算装置(154)を前記評価装置(140)が含む請求項1に記載の検出器(110)。
- 前記横方向光学センサ(112)がさらに少なくとも1つの参照感光性要素(142)をも含み、前記参照感光性要素(142)が、前記蛍光性導波シート(114)を通過した後の前記光ビーム(174)の光を検出すると共に、少なくとも1つの参照センサ信号を生成するよう配置され、前記評価装置(140)が前記物体(162)の前記横方向位置を決定するために前記参照センサ信号を考慮するように適合される請求項1または2に記載の検出器(110)。
- 前記蛍光性導波シート(114)が少なくとも1つのマトリクス材料(120)を含み、前記少なくとも1つの蛍光性材料(122)が前記マトリクス材料(120)中に混合されるか、前記マトリクス材料(120)中に分散されるか、前記マトリクス材料(120)に化学的に結合されるか、または前記マトリクス材料(120)中に溶解されるか、の1つまたは複数である請求項1から3のいずれか一項に記載の検出器(110)。
- 前記検出器(110)がさらに、前記縦方向センサ信号および/または前記横方向センサ信号が前記照明の変調の変調周波数に対する依存性を示す形で設計される請求項1から4のいずれか一項に記載の検出器(110)。
- 前記評価装置(140)がさらに、前記縦方向感受性エリアおよび/または前記横方向感受性エリア(116)を照明する少なくとも2つの個別の光ビーム(174)を前記縦方向センサ信号のおよび/または前記横方向センサ信号の前記変調周波数に対する前記依存性の評価によって区別するように設計される請求項5に記載の検出器(110)。
- 少なくとも1個の物体(162)の位置を決定するための検出器システム(158)であって、請求項1から6のいずれか一項に記載の少なくとも1個の検出器(110)を含み、さらに少なくとも1つの光ビーム(174)を前記検出器(110)へと向かわせるように適合された少なくとも1個のビーコン装置(160)をも含み、前記ビーコン装置(160)が前記物体(162)に装着可能、前記物体(162)によって保持可能および前記物体(162)に一体化可能の少なくとも1つである検出器システム(158)。
- 使用者(182)とマシンとの間で少なくとも1つの情報を交換するヒューマンマシンインターフェース(164)であって、請求項7に記載の少なくとも1つの検出器システム(158)を含み、前記少なくとも1個のビーコン装置(160)は前記使用者(182)に直接または間接的に装着する方式および前記使用者(182)が保持する方式の少なくとも1つであるように適合され、前記検出器システム(158)を手段として前記使用者(182)の少なくとも1つの位置を決定するように設計され、前記位置に少なくとも1つの情報を割り当てるように設計されるヒューマンマシンインターフェース(164)。
- 少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置(166)であって、請求項8に記載の少なくとも1つのヒューマンマシンインターフェース(164)を含み、前記ヒューマンマシンインターフェース(164)を手段としてプレーヤが少なくとも1つの情報を入力可能となるように設計され、前記情報に従って前記娯楽機能を変えるように設計される娯楽装置(166)。
- 少なくとも1個の可動物体(162)の位置を追跡する追跡システム(168)であって、検出器システム(158)に関する請求項1から9のいずれか一項に記載の検出器システム(158)を少なくとも1つ含み、さらに少なくとも1個の、特定の時点における前記物体(162)の一連の位置を追跡するように適合される進路制御装置(202)をも含む追跡システム(168)。
- 少なくとも1個の物体(162)の少なくとも1つの位置を決定するための走査システム(170)であって、検出器(110)に関する請求項1から10のいずれか一項に記載の検出器(110)を少なくとも1個含み、さらに前記少なくとも1個の物体(162)の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1個のドットを照明するために構成される少なくとも1つの光ビーム(174)を放出するように適合される少なくとも1個の照明源(172)を含み、前記少なくとも1個のドットと前記走査システム(170)との間の距離に関する少なくとも1つの情報を前記少なくとも1個の検出器(110)の使用によって生成するように設計される走査システム(170)。
- 少なくとも1個の物体(162)の撮像のためのカメラ(156)であって、検出器(110)に関する請求項1から11のいずれか一項に記載の検出器(110)を少なくとも1個含むカメラ(156)。
- 少なくとも1個の物体(162)の位置を、少なくとも1個の検出器(110)を使用して決定するための方法であって、
少なくとも1個の縦方向光学センサ(155)の少なくとも1つの縦方向センサ領域内の少なくとも1つの縦方向感受性エリアを、前記光ビーム(174)による前記縦方向感受性エリアの照明に依存する少なくとも1つの縦方向センサ信号が生成されるように照明し、前記照明の総出力が同じである場合に前記縦方向センサ信号が前記縦方向感受性エリア内の前記光ビーム(174)の断面に依存する工程と、
前記検出器(110)の少なくとも1個の横方向光学センサ(112)の少なくとも1つの蛍光性導波シート(114)の少なくとも1つの横方向感受性エリア(116)を前記物体(162)から前記検出器(110)へと伝播する前記少なくとも1つの光ビーム(174)で照明し、前記光ビーム(174)が少なくとも1つの光点(148、150)を前記横方向感受性エリア(116)内に生成し、蛍光性導波シート(114)が少なくとも1つの蛍光性材料(122)を含有する工程と、
前記光ビーム(174)によって照明されたことに応答して前記蛍光性導波シート(114)により蛍光発光を生成する工程と、
前記光点(148、150)からの前記蛍光発光を前記蛍光性導波シート(114)の少なくとも2つのエッジ(132、134、136、138)に位置する少なくとも2つの感光性要素(124、126、128,130)へと誘導する工程と、
前記感光性要素(124、126、128,130)を使用することによって前記蛍光発光を検出すると共に、横方向センサ信号を生成する工程と、
少なくとも1個の評価装置(140)を使用することによって前記縦方向センサ信号を評価すると共に、前記物体(162)の少なくとも1つの縦方向座標を決定する工程と、
前記少なくとも1個の評価装置(140)を使用することによって前記感光性要素(124、126、128,130)の前記横方向センサ信号を評価すると共に、前記物体(162)の少なくとも1つの横方向座標を決定する工程と
を含む方法。 - 前記縦方向感受性エリアおよび/または前記横方向感受性エリア(116)を照明する少なくとも2つの個別の光ビーム(174)を前記評価装置(140)の使用による前記縦方向センサ信号および/または前記横方向センサ信号の前記変調周波数に対する前記依存性の評価によって区別する工程をもさらに含む請求項13に記載の方法。
- 交通技術における位置測定;娯楽への応用;セキュリティへの応用;監視への応用;安全への応用、ヒューマンマシンインターフェース(164)への応用;追跡への応用;写真撮影への応用;少なくとも1個の飛行時間検出器(110)との併用;構造化光源との併用;ステレオカメラとの併用;機械視覚への応用;ロボット工学への応用;品質管理への応用;製造への応用、構造化照明源との併用;ステレオカメラとの併用から成る群から選択される使用目的のための、検出器(110)に関する請求項1から14のいずれか一項に記載の検出器(110)を使用する方法。
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