JP2019501702A - 歯科用構成要素に取り付け可能な歯科用継手及び歯科用継手を備える歯科用アセンブリ - Google Patents

歯科用構成要素に取り付け可能な歯科用継手及び歯科用継手を備える歯科用アセンブリ Download PDF

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Abstract

本発明は、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素(30)に取り付け可能な歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)に関する。歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、本体(2、2’)と、本体(2、2’)に対して尖状端側に設けられた保持要素(4、104、104’、104’’)とを備えている。保持要素(4、104、104’、104’’)は、歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)を歯科用構成要素(30)に取り付けるための取付部分(6、106、106’、106’’)を備えている。保持要素(4、104、104’、104’’)は、取付部分(6、106、106’、106’’)から本体(2、2’)の冠状端(8)に向かう方向に垂直な断面において閉リング形状または開リング形状を有する。取付部分(6、106、106’、106’’)は、取付部分(6、106、106’、106’’)から本体(2、2’)の冠状端(8)に向かう方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向に延びる少なくとも1つの突起(10、110、110’、110’’)を備えている。保持要素(4、104、104’、104’’)は、本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または本体(2、2’)に一体的に取り付けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に取り付け可能なアバットメントなどの歯科用継手に関する。さらに、本発明は、このような歯科用継手と歯科用構成要素とを備える歯科用アセンブリ、及び、このような歯科用継手を歯科用構成要素に取り付ける方法に関する。
歯科用クラウンまたは歯科用ブリッジなどの義歯は、部分的にまたは完全に歯を失った患者の治療に広く使用されている。これらの義歯は、一般に、インプラントと義歯との間に配置されたアバットメントを使用して、患者の顎骨に設置された歯科用インプラントに取り付けられる。この目的のために、単一のピースからなるシングルピースアバットメント、または2つ以上の別個のピースを備えるマルチピースアバットメントを採用してよい。
患者に義歯を提供する際には、患者の顎骨に設置されたインプラントにアバットメントを取り付けなければならない。さらに、マルチピースアバットメントの場合には、アバットメントの異なるピースを互いに取り付ける必要がある。さらに、印象採取コンポーネントなどの他の歯科用継手、例えば、オープンまたはクローズドトレイ印象ポスト、口腔内スキャンまたはデスクトップスキャンロケータ、ヒーリングキャップ、一時的修復物などを、治療過程にあるインプラントに取り付ける必要がある場合がある。
これらの取付プロセスでは、歯科用継手と歯科用構成要素との間の不整合または不整列が生じ、取り付けが複雑になり、歯科用継手の不適切な設置の危険性が生じる。
具体的には、歯科用インプラントにアバットメントをはめ込む場合、アバットメントが適切に着座されているかどうか、すなわちインプラントと完全に係合しているかどうかを臨床医が評価することは困難である。アバットメントが、例えば、臨床ねじを係合して締め付けることによって、インプラントに誤った位置に固定されている場合、義歯の不適切な設置、異なる構成要素間の望ましくない隙間の形成などの問題が生じる可能性がある。インプラントが患者の上顎骨に設置されると、アバットメントをインプラントに取り付ける際のこれらの困難性は、重力のためさらに悪化する。
アバットメントがインプラント内に正しく着座されているかどうかを確認する1つの可能な方法は、アバットメントを設置した状態で、患者の顎骨のX線画像を撮ることである。しかし、このアプローチでは、取付プロセスが非効率でかつ高価になる。
アバットメントが誤った位置に固定されるのを防止するために、アバットメントが完全に着座されていない場合、臨床ねじがインプラントと係合することを防止する高さリフトを提供することが知られている。この場合、臨床医は、アバットメントを不適切な位置でインプラントに固定することができない。しかし、これは、臨床医が、ねじを外し、アバットメントの位置を確認し、ねじを係合させることができるまでねじを再び挿入する処置を繰り返さなければならないことを意味し、これにより取付プロセスを非効率的かつ煩雑にする。ねじ及び/またはインプラントへのねじや損傷したねじ部の誤った挿入など、ねじがインプラントと適切に係合しない理由はいくつか考えられる。したがって、ねじが係合されないという事実は、アバットメントの誤った設置の明白なしるしではない。
米国特許第8,033,826 B2号は、歯科用インプラントと共に使用するアバットメントを開示している。アバットメントは、その上の義歯及びインサートを支持するように適合された義歯部分を備える。インサートは、義歯部分の通路内に延び、義歯部分の歯肉下端に係合する。インサートは、通路に挿入されると、拡大した保持溝に達する前に最初に収縮し、次いで、拡大した保持溝内に外向きに膨張してインサートを義歯部分上に保持する可撓性の保持フィンガーを含む。
同様のアバットメントが、米国特許第7,484,959 B2号に開示されている。具体的には、米国特許第7,484,959 B2号は、インプラントとの接合部分に弾力のあるフィンガーを備えたアバットメントを教示している。
しかし、米国特許第8,033,826 B2号及び米国特許第7,484,959 B2号に開示されたアバットメントの場合、アバットメント全体の小さな部分を形成するフィンガーのみが可撓性である。したがって、これらのフィンガーは、特に、アバットメントが義歯部分と繰り返し係合したり、義歯部分から取り外されたりすると、摩耗及び破損しやすい。例えば、歯科技工所では、技術者は義歯部分または他の歯科用構成要素を繰り返し係合して除去しなければならない。さらに、例えば、患者に一時的な修復が施されている場合にも、インサートは何度も係合して除去されなければならない。
したがって、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素にアバットメントのなどの歯科用継手を取り付けるための、信頼性が高く効率的なアプローチが必要であり、特に、歯科用継手と歯科用構成要素とが互いに適切に取り付けられているかどうかの明確なしるしを提供し得るアプローチが必要である。
したがって、本発明の目的は、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に、信頼性が高く効率的な方法で取り付け可能な、アバットメントなどの歯科用継手を提供することである。具体的には、これにより、歯科用継手と歯科用構成要素とが互いに適切に取り付けられているかどうかの信頼性が高いしるしを提供し得る。さらに、本発明は、そのような歯科用継手を備える歯科用アセンブリ、及びそのような歯科用継手を歯科用構成要素に取り付ける方法を提供することを目的とする。
これらの目的は、請求項1の技術的特徴を有する歯科用継手、請求項2の技術的特徴を有する歯科用継手、請求項21の技術的特徴を有する歯科アセンブリ、及び請求項22の技術的特徴を有する方法によって達成される。
本発明は、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に取り付け可能なアバットメントなどの歯科用継手を提供する。歯科用継手は、本体と、本体に対して尖状端側に設けられた保持要素とを備える。保持要素は、歯科用継手を歯科用構成要素に取り付けるための取付部分を備える。保持要素は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に垂直な断面において、閉リング形状または開リング形状を有する。取付部分は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向に延びる少なくとも1つの突起を備える。保持要素は、本体と一体的に形成されるか、または本体に一体的に取り付けられる。
少なくとも1つの突起は、本体の冠状端から取付部分に向かう方向に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面を有してよい。少なくとも1つの突起の冠状面は、したがって、冠状面の半径方向外側への拡張、すなわち保持要素の1つまたは複数の半径方向における冠状面の外側拡張が、本体の冠状端から取付部分に向かう方向に沿って増加するように配置される。したがって、冠状面の半径方向外側への拡張は、本体の冠状端から取付部分に向かう方向において、本体の冠状端からより遠い位置より、本体の冠状端により近い位置にあるほうが、より小さい。
少なくとも1つの突起は、少なくとも1つの突起が90°未満の角度でそこから突出する保持要素の残りの部分の外壁面に対して傾斜した冠状面を有してよい。
保持要素は、保持要素の長手方向に垂直な断面において、開リング形状または開円環形状、すなわち、その円周に単一の開口を有するリングの形状、または実質的にC字形状を有してよい。単一の開口は、保持要素の尖状端から保持要素の冠状端まで延びる。
保持要素は、閉リング形状または閉円環形状、すなわち、その円周に開口のないリングの形状を有してもよい。
保持要素は、本体と一体的に形成されるか、または本体に一体的に取り付けられる。保持要素は、したがって、義歯、例えば、歯科用クラウンまたは歯科用ブリッジを歯科用インプラントに取り付けるためのアバットメントなどの歯科用継手の一体部分を形成する。
保持要素の取付部分は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向において、保持要素の残りの外面から延びる少なくとも1つの突起または凸部を備える。
取付部分の少なくとも1つの突起または凸部は、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素の冠状部分に形成された対応する空洞内に受け入れられるように構成される。
アバットメントなどの歯科用継手は、保持要素の取付部分を歯科用構成要素に取り付けることによって、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に取り付けられる。
具体的には、保持要素の取付部分を歯科用構成要素に取り付ける際、保持要素は、保持要素の1つ、いくつか、または全ての横方向、すなわち半径方向に沿って、最初に弾性的に変形でき、すなわち弾性的に圧縮することができ、その後、少なくとも1つの突起または凸部が歯科用構成要素の対応する空洞に受け入れられたときに、保持要素の復元力によって、その初期形状に復元される。したがって、取付部分は、信頼性が高くかつ効率的な方法でスナップ嵌合によって歯科用構成要素に取り付けることができる。取付部分の少なくとも1つの突起または凸部と歯科用構成要素の対応する空洞との係合は、例えば歯科技工所で、臨床医または技術者などの使用者に可聴式及び/または触覚的な手応えを提供し、保持要素、ひいては歯科用継手も歯科用構成要素に適切に取り付けられていることを明確かつ曖昧でないしるしを提供する。
保持要素の開リング形状または閉リング形状は、確実な方法で歯科用構成要素への歯科用継手の取り付けを可能にする、特に堅牢な構成を提供する。特に、この開リング形状または閉リング形状により、取付プロセス中に保持要素に作用する力を実質的に均一な方法で分配することが可能になる。
したがって、たとえ保持要素が歯科用構成要素と繰り返し係合したり、歯科用構成要素から取り外されたりしても、保持要素の磨耗または破損の危険性をかなり低減することができる。
本体の冠状端から取付部分に向かう方向に対する少なくとも1つの突起の傾斜が90°未満の角度であると、歯科用継手を歯科用構成要素に取り付ける際に、歯科用継手の案内が改善される。具体的には、この傾斜は、歯科用構成要素の対応する空洞内に少なくとも1つの突起を受け入れるプロセスを容易にし、歯科用継手を取付位置に引き寄せるように作用することができる。
したがって、本発明は、信頼性が高く効率的な方法で、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に取り付け可能な歯科用継手を提供する。
保持要素は、本体と一体的に形成されてよい。本明細書において、「一体的に形成される」という用語は、保持要素及び歯科用継手の本体が単一ピースとして、すなわち1ピース構成で形成されていることを示している。
保持要素及び歯科用継手の本体を単一ピースとして形成することにより、歯科用継手を、例えば射出成形、CNCミリングなどの微粉砕などによって、特に簡単かつ効率的な方法で製造することが可能になる。
保持要素は、本体に一体的に取り付けられてよい。本明細書において、「一体的に取り付けられる」という用語は、保持要素が、保持要素及び/または本体を損傷または破壊することなく、本体から取り外されるまたは切り離されることができないように、保持要素が歯科用継手の本体に取り付けられていることを示す。
保持要素が本体と一体的に形成されるか、または本体に一体的に取り付けられるので、歯科用継手の特に強固で安定した構成が得られる。
保持要素は、本体の尖状端に設けられてよい。あるいは、保持要素は、本体の尖状端と冠状端との間に位置する本体の中間部分に設けられてよい。
保持要素の取付部分は尖状取付部分であってよい。
保持要素は、例えば、取付部分から本体の冠状端に向かう方向、すなわち保持要素の長手方向、つまり、その軸方向に垂直な略円形の断面を有する、略円筒形状を有してもよい。
保持要素の取付部分の少なくとも1つの突起または凸部は、保持要素の長手方向に対して実質的に垂直な1つまたは複数の方向、すなわち、その1つまたは複数の横方向に延びる。具体的には、取付部分は、保持要素の複数の横方向に延びる、すなわち保持要素の円周方向における保持要素の残りの外面の一部に沿って延びる少なくとも1つの突起または凸部を備えていてもよい。少なくとも1つの突起または凸部は、保持要素の残りの部分の外周の5%以上、10%以上、20%以上または30%以上に沿って延びてよい。非限定的な例として、少なくとも1つの突起は、保持要素の残りの部分の外周の7%に沿って延びてよい。換言すれば、少なくとも1つの突起は半径方向において25°に延びてよい((25°/360°=)7%)。
歯科用継手は、例えば、アバットメント(例えば、シングルピースまたはマルチピースアバットメント、スキャンアバットメント、一時的アバットメント、アバットメントポジションロケータ)、印象採取コンポーネント(例えば、オープンもしくはクローズドトレイ印象ポストまたはスクリューレス印象コーピングなどの印象コーピング)、口腔内スキャンまたはデスクトップスキャンロケータ、治癒キャップ、一時的修復物または最終的修復物などであってよい。
歯科用構成要素は、例えば、歯科用インプラントまたはインプラントアナログなど、例えば、歯科技工所で使用するためのものであってよい。
マルチピースアバットメント、例えばツーピースアバットメントの場合、歯科用継手はアバットメントの1ピースであってもよく、歯科用構成要素はアバットメントの別のピースであってよい。この場合、アバットメントの1ピースは保持要素を備え、保持要素を介してアバットメントの他のピースに取り付けることができる。これに代えて、またはこれに加えて、マルチピースアバットメントのベースピースまたはユニットは、保持要素を備え、保持要素によって歯科用インプラントに取り付けられてよい。
例えば、義歯を支持することを目的とした、歯科用インプラントに取り付けられることを意図したベース部と上部とを備えるツーピースアバットメントの場合、ツーピースアバットメントの一部または両部は本発明による歯科用継手であってよい。言い換えれば、ツーピースアバットメントの上部は保持要素を備えてもよいし、保持要素を通るツーピースアバットメントのベース部に取り付けることができる。これに代えて、またはこれに加えて、ツーピースアバットメントのベース部も本発明による歯科用継手であってよいし、保持要素によって歯科用インプラントに取り付けられてよい。
歯科用継手及び/または歯科用構成要素は、例えば、チタン、チタン合金またはステンレス鋼などの金属、セラミック、ポリマーまたは複合材料で作ることができる。
具体的には、歯科用継手は、セラミック、金属(チタン、チタン合金またはステンレス鋼など)、ポリマーまたは複合材料で作られたアバットメントであってよい。歯科用構成要素は、例えば、チタン、チタン合金またはステンレス鋼などの金属で作られた歯科用インプラントであってよい。
保持要素及び歯科用継手の本体は、同じ材料から、または異なる材料から作られてよい。保持要素が本体のものとは異なる材料で作られている場合、保持要素によってもたらされる保持力は特に簡単な方法で設定することができる。
本発明はさらに、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に取り付け可能なアバットメントなどの歯科用継手を提供する。歯科用継手は、本体と、本体に対して尖状端側に設けられた保持要素とを備える。保持要素は、歯科用継手を歯科用構成要素に取り付けるための取付部分を備える。保持要素は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に垂直な断面において、閉リング形状または開リング形状を有する。取付部分は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向に各々が延びる少なくとも2つの突起を備える。少なくとも2つの突起は、保持要素の円周方向に互いに離間している。保持要素は、本体と一体的に形成されるか、または本体に一体的に取り付けられる。
保持要素の円周方向において離間されている少なくとも2つの突起を有するリング状の保持要素を設けることにより、歯科用継手を歯科用構成要素に取り付ける際の歯科用継手の案内が改善される。
本発明の歯科用継手は、したがって、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に、信頼性が高く効率的な方法で取り付けることができる。
保持要素は、少なくとも2つの突起の一方を半径内側方向において、すなわち保持要素の中心に向かって半径方向に変位させるためには、少なくとも2つの突起の他方を半径内側方向において、すなわち保持要素の中心に向かって半径方向に変位させるよりも低い力が必要とされるように構成される。少なくとも2つの突起のうちの他方は、したがって、案内突起として特に確実に作用し、歯科用継手を歯科用構成要素に取り付ける際に歯科用継手を案内する。少なくとも2つの突起の他方は、半径方向に変位可能でなくてもよく、または少なくとも2つの突起の一方よりも半径方向に変位しなくてもよい。
本体の一部、特に本体の尖状端は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に垂直な非円形断面を有してよい。
本体の一部分、特に本体の尖状部分は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に垂直な断面を有してもよく、本体は、断面の中心とその外側輪郭との間の距離を測定する半径が相対最大値をとり、ひいては隣接する方向よりも高い値をとる多数の主方向を有する。
本体の一部、特に本体の尖状部分は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に垂直な三角楕円形状の断面を有してよい。
少なくとも2つの突起の他方は、断面の中心とその外側輪郭との間の距離を測定する半径が相対最大値を取る、例えば三角楕円形状(trioval)の断面の極大である円周方向位置または角度位置に配置されてよい。少なくとも2つの突起の他方は、断面の中心とその外側輪郭との間の最大半径、例えば、三角楕円形状の断面の極大よりも小さい半径方向の拡張を有してよい。この場合、少なくとも2つの突起の他方は、断面の外側輪郭から半径内側方向に配置される。
少なくとも2つの突起のうちの一方は、断面の中心とその外側輪郭との間の距離を測定する半径が相対最小値を取る円周方向位置または角度位置、例えば三角楕円形状の断面の極小である円周方向位置に配置されてよい。少なくとも2つの突起のうちの一方は、断面の中心とその外側輪郭との間で、例えば三角楕円形状の断面の極小で、最小半径よりも大きい半径方向の拡張を有してよい。この場合、少なくとも2つの突起のうちの一方は、断面の外側輪郭を越えて半径方向に延びるように配置される。
この場合、歯科用継手を歯科用構成要素に取り付ける際、少なくとも2つの突起のうちの一方は、少なくとも2つの突起のうちの他方が歯科用構成要素の内壁に接触する前に、この内壁と接触することができる。したがって、取付プロセスにおける歯科用継手を案内及び/または整列させるのを助ける。
少なくとも2つの突起は、互いに等間隔に配置されてもよく、または保持要素の円周方向において異なる間隔で互いから離間されていてもよい。
保持要素は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に垂直な少なくとも全ての方向において弾性変形可能であってよい。
したがって、歯科用継手の保持要素全体が弾性変形可能である。保持要素は、その全長に沿って弾性変形可能であってよい。保持要素の長さは、その長手方向、すなわちその軸方向、つまり、取付部分から本体の冠状端に向かう方向、すなわち保持要素の尖状端から保持要素の冠状端に向かう方向に沿って延びる。
保持要素の全体は、したがって、少なくとも取付部分から本体の冠状端に向かう方向に垂直な全方向においてまたはそれに沿って、すなわち保持要素の全ての横方向に沿った方向においてまたはそれに沿って、つまり保持要素の全ての半径方向においてまたはそれに沿って弾性的に変形することができる。
取付部分から本体の冠状端に向かう方向に垂直な方向における本体の弾性変形性は、保持要素の弾性変形性より低くてもよい。本体は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に垂直な方向において弾性変形可能でなくてもよい。
保持要素は、その一部のみではなく全体が、その横方向に沿って弾性変形可能であってよい。このようにして、保持要素の特に高度な可撓性が達成され得る。さらに、保持要素全体が、歯科用構成要素への歯科用継手の取り付け時に弾性的に変形することができ、したがって、保持要素が歯科用構成要素と繰り返し係合したり、歯科用構成要素から取り外されたりしても保持要素の摩耗または破損の危険性を最小限にする。
したがって、歯科用継手が歯科用構成要素に適切に取り付けられているかどうかの明確で信頼性が高く効率的なしるしを提供することができる。
保持要素は、0.02mmから0.50mmの範囲、好ましくは0.04mmから0.20mmの範囲、より好ましくは0.05mmから0.17mmの範囲、さらにより好ましくは0.10mmから0.16mmの範囲の壁厚を有してよい。保持要素は、TiAlV合金で形成されてよい。
保持要素は、ヤング率が95GPaから120GPa、好ましくは98GPaから110GPaの範囲の材料で形成されてよい。保持要素は、例えば、795MPaから975MPaの範囲の引張降伏強度(0.2%歪み)を有する材料で形成されてよい。例えば、保持要素はTiAlV合金で形成されてよい。
少なくとも1つの突起または少なくとも2つの突起の冠状面は、本体の冠状端から取付部分に向かう方向に対して、25°以上、好ましくは30°以上の角度で傾斜していてもよい。このようにして、歯科用継手が取付位置に安全に保持されることが特に確実に保証される。
少なくとも1つの突起または少なくとも2つの突起の冠状面は、本体の冠状端から取付部分に向かう方向に対して90°未満の角度、好ましく80°以下の角度で傾斜していてもよい。
保持要素は、保持要素の尖状端から保持要素の冠状端まで延びる少なくとも1つの部分を有してもよく、少なくとも1つの部分は、保持要素の残りの部分よりも可撓性である。保持要素のこの可撓性部分は、保持要素の弾性変形性に寄与し、またはそれを提供する。したがって、保持要素は、簡単かつ効率的な方法で弾性変形可能な様式で構成することができる。
保持要素の尖状端から保持要素の冠状端まで延びる少なくとも1つの部分は、保持要素の残りの部分の材料よりも可撓性のある材料で作られているか、または形成されていてもよい。代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの部分は、保持要素の残りの部分の構成または構造よりも高い程度の可撓性を有する構成または構造を有してよい。例えば、少なくとも1つの部分は、例えば、その中に穿孔、凹部、開口などを設けることにより、より可撓性にすることができる。また、例えば、少なくとも1つの部分は、保持要素の残りの部分よりも薄い厚さ、すなわち壁厚を有してもよい。
保持要素は、保持要素の尖状端から保持要素の冠状端まで延びる2つ以上、3つ以上、または4つ以上の部分を有してもよく、これらの部分は、保持要素の残りの部分よりも可撓性である。
保持要素は、保持要素の尖状端から保持要素の冠状端まで延びる少なくとも1つの切り欠き部分または凹部分を有してよい。少なくとも1つの切り欠き部分または凹部分は、保持要素の弾性変形性に寄与し、またはさらには弾性変形性を提供する。これらの少なくとも1つの切り欠き部分または凹部分を有する保持要素を形成することにより、保持要素の特に可撓性の構成が得られる。さらに、保持要素は、特に簡単な構造を有する。
保持要素は、中空の及び/または管状の本体であってもよく、少なくとも1つの切り欠き部分または凹部分は、保持要素の外壁を貫通する。
保持要素は、保持要素と本体との間に配置された1つまたは複数のリンク部分を介して本体と一体的に形成されてもよく、本体に一体的に取り付けられてもよい。1つまたは複数のリンク部分は、保持要素の長手方向において保持要素と本体との間に配置されてよい。1つまたは複数のリンク部分の各々は、保持要素の円周方向において保持要素の一部のみに沿って延びてよい。
このようにして、保持要素は、特に簡単で信頼性が高い方法で歯科用継手の本体と一体化することができる。
1つまたは複数のリンク部分の少なくとも1つまたはいくつかは、保持要素の円周の5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、または40%以上に沿って延びてよい。1つまたは複数のリンク部分の各々は、保持要素の円周の5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、または40%以上に沿って延びてよい。
特定の実施形態では、1つまたは複数のリンク部分の少なくとも1つは、保持要素の円周の7%に沿って延びる。
1つまたは複数のリンク部分の少なくとも1つまたはいくつかは、保持要素の円周の10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、または80%以下に沿って延びてよい。1つまたは複数のリンク部分の各々は、保持要素の円周の10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、または80%以下に沿って延びてよい。
保持要素は、複数のリンク部分、例えば2つのリンク部分、3つのリンク部分、4つのリンク部分、または5つのリンク部分を介して、本体と一体的に形成されてもよく、本体に一体的に取り付けられてもよい。リンク部分は、保持要素と本体との間に配置される。リンク部分は、保持要素の円周方向において互いに分離されてもよく、すなわち、保持要素の円周方向において隣接するリンク部分の間に隙間が存在するようにそれぞれ配置されてもよい。リンク部分は、保持要素の円周方向において互いに等間隔に配置されてもよく、または保持要素の円周方向において異なる間隔で互いに離間していてもよい。リンク部分は、保持要素の円周に沿って、すなわち保持要素の円周方向において、同一のまたは異なる拡張を有することができる。
保持要素は、単一リンク部分を介して本体と一体的に形成されてもよく、本体に一体的に取り付けられてもよい。保持要素は、保持要素の尖状端から保持要素の冠状端まで延びる単一部分を有してもよく、単一部分は、保持要素の残りの部分よりも可撓性である。単一リンク部分は、保持要素の半径方向において単一部分の反対側に配置されるか、または保持要素の円周方向において単一部分に隣接して配置されてよい。
保持要素は、単一リンク部分を介して本体と一体的に形成されてもよく、本体に一体的に取り付けられてもよい。保持要素は、保持要素の尖状端から保持要素の冠状端まで延びる単一の切り欠き部分または凹部分を有してよい。単一リンク部分は、保持要素の半径方向において切り欠き部分または凹部分の反対側に配置されるか、または保持要素の円周方向において切り欠き部分または凹部分に隣接して配置されてよい。
保持要素は、単一リンク部分を介して本体と一体的に形成されてもよく、本体に一体的に取り付けられてよい。単一リンク部分は、保持要素の半径方向において、取付部分の少なくとも1つの突起または凸部の反対側に配置されるか、保持要素の円周方向において、取付部分の少なくとも1つの突起または凸部に隣接して配置されてよい。
保持要素は、少なくとも2つのリンク部分を介して本体に一体的に形成されてもよく、本体と一体的に取り付けられてもよい。少なくとも2つのリンク部分は、保持要素の半径方向において互いに反対側に配置されてよい。
歯科用継手の取付部分は、複数の、例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上、6つ以上の突起または凸部を備えてもよく、各々は、取付部分から本体の冠状端に向かう方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向に延びる。
複数の突起のうちの1つ、いくつかまたは全ては、本体の冠状端から取付部分に向かう方向に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面を有してよい。複数の突起のうちの1つ、いくつか、または全ては、それぞれの突起または複数の突起がそこからそれぞれ突出する保持要素の残りの部分の外壁面に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面を有してよい。
複数の突起または凸部は、保持要素の円周方向において同一のまたは異なる拡張を有してよい。複数の突起または凸部は、保持要素の残りの外面からの、すなわち取付部分から冠状端に向かう方向に対して実質的に垂直な1つまたは複数の方向におけるこの外面からの同一のまたは異なる突出高さを有してよい。
取付部分複数の突起または凸部は、保持要素の円周方向において順次連続的に、すなわち、この周方向において交互に配置されるように配置されてよい。複数の突起または凸部は、互いに等間隔に配置されていてもよいし、保持要素の円周方向において互いに異なる間隔で離間していてもよい。
取付部分の複数の突起または凸部は、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素の冠状部分に形成された対応する1つの空洞または対応する複数の空洞内に受け入れられるように構成される。
上記で詳述したように、保持要素は、保持要素の尖状端から保持要素の冠状端まで延びる少なくとも1つの部分を有してもよく、少なくとも1つの部分は保持要素の残りの部分よりも可撓性である。保持要素は、保持要素の尖状端から保持要素の冠状端まで延びる少なくとも1つの切り欠き部分または凹部分を有してよい。歯科用継手の取付部分の少なくとも1つの突起または凸部は、保持要素の少なくとも1つのより可撓性の部分または少なくとも1つの切り欠き部分または凹部分に隣接して配置されてよい。このようにして、保持要素と歯科用構成要素との間に、特に信頼性が高く効率的なスナップ嵌合接続を保証することができる。
歯科用継手は、歯科用継手を通って歯科用継手の冠状端から歯科用継手の尖状端への方向に延びる貫通孔をさらに備えてよい。この場合、アバットメントなどの歯科用継手は、保持要素を介して、歯科用継手に形成された貫通孔を通過するねじなどの固定要素によって、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に固定することができる。
具体的には、歯科用継手は、ねじの頭部を保持するためのねじ座を有する貫通孔を備えていてもよい。ねじの下側ねじ部は、歯科用継手が保持要素を介してねじによって歯科用構成要素に確実に固定することができるように、歯科用構成要素に形成されたねじ孔に挿入されてよい。このような貫通孔を有する歯科用継手を提供することにより、歯科用継手と歯科用構成要素との間に、可逆的な固定接続、すなわち容易に解放され得る接続を得ることができる。
歯科用継手は、カラーコードなどのマーキングを有してよい。このようなマーキングは、歯科用継手の誤った使用の防止を保証する。例えば、カラーコードなどのマーキングは、取付部分の外径を示してよい。マーキング、例えばカラーコードは、歯科用継手と共に使用される、例えば歯科用インプラントのプラットフォームサイズを示してよい。マーキングは、保持要素に設けられてよい。
歯科用継手は、RFIDタグなどの表示及び/または追跡装置を備えてよい。表示及び/または追跡装置は、歯科用継手と共に使用される歯科用構成要素に関する情報、例えば、プラットフォームサイズ、接続タイプ、インプラントタイプ、インプラントのサイズもしくは長さ、設置の日付、初期安定性などを提供してよい。RFIDタグなどの表示及び/または追跡装置は、歯科用継手に収容されるか、または受け入れられてよい。具体的には、表示及び/または追跡装置は、保持要素に、例えばその壁または取付部分の突起もしくは凸部に収容されるか、または受け入れられてよい。
保持要素は、単一の材料で形成されてよい。保持要素は、例えば、チタン、チタン合金(例えば、TiAlV合金)、またはステンレス鋼などの金属、ポリマー、または複合材料で作ることができる。このようにして、保持要素は、特に簡単で信頼性が高い方法で弾性変形可能な様式で構成することができる。
保持要素の材料は、金属性、超弾性、非晶質などであってよい。
保持要素は、例えば、射出成形、CNCミリングなどの微粉砕によって製造してよい。例えば、保持要素は、例えば、マーキングとしてカラーコードを提供するために、着色プラスチックを使用した射出成形によって製造してもよい。保持要素がチタン、チタン合金またはステンレス鋼などの金属で作られている場合、保持要素は陽極酸化されてよい。
本発明はさらに、本発明の歯科用継手と、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素とを備える歯科用アセンブリを提供する。歯科用継手及び歯科用構成要素に関して上記で提供された説明及び定義は、本発明の歯科用アセンブリに完全に適用される。
本発明の歯科用アセンブリは、本発明の歯科用継手について既に上記で詳細に説明した効果及び利点を提供する。
歯科用構成要素は、例えば、歯科用インプラントまたはインプラントアナログなど、例えば、歯科技工所で使用するためのものであってよい。
マルチピースアバットメント、例えばツーピースアバットメントの場合、歯科用継手はアバットメントの1ピースであってもよく、歯科用構成要素はアバットメントの別のピースであってよい。この場合、アバットメントの1ピースは保持要素を備え、保持要素を介してアバットメントの他のピースに取り付けることができる。これに代えて、またはこれに加えて、マルチピースアバットメントのベースピースまたはユニットは、保持要素を備え、保持要素によって歯科用インプラントに取り付けられてよい。
歯科用継手は、歯科用構成要素と同じ材料または異なる材料で作られてよい。
歯科用構成要素は、保持要素の取付部分の少なくとも1つの突起または凸部を受け入れるために、冠状部分に形成された少なくとも1つの空洞を有する。
歯科用インプラントなどの歯科用構成要素は、上述したようなねじのねじ部を受け入れるためのねじ孔を有してもよく、歯科用継手は、上記で詳述したように、歯科用継手の長手方向において歯科用継手を通って延びる貫通孔を有してよい。貫通孔は、ねじの頭部を保持するためのねじ座を有してよい。このようにして、歯科用継手は、ねじによって可逆的に歯科用構成要素に固定することができる。
さらに、本発明は、本発明による歯科用継手を歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に取り付ける方法を提供する。
本発明の方法は、人間または動物の体の外側(または内側)で、本発明による歯科用継手を歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に取り付ける方法であってよい。例えば、本発明の歯科用継手は、例えば顎骨モデルを使用して、歯科技工所において歯科用構成要素に取り付けられてよい。
歯科用継手を歯科用構成要素に取り付ける本発明の方法は、本発明の歯科用継手について既に上記で詳細に説明した効果及び利点を提供する。
以下、図面を参照して本発明の非限定的な実施例を説明する。
本発明の第1の実施形態による歯科用継手を示す。図1(a)は、歯科用継手の尖状部分の斜視図である。図1(b)は、歯科用継手全体の斜視図である。図1(c)は、歯科用継手の側面図である。図1(d)は、図1(c)のA−A線に沿った断面図である。 図1に示す歯科用継手と歯科用インプラントとを備える、本発明の一実施形態による歯科用アセンブリを示す。図2(a)は、歯科用アセンブリの斜視図である。図2(b)は、歯科用アセンブリの側面図である。 本発明の実施形態による歯科用アセンブリを示す。図3(a)は、歯科用継手を歯科用インプラントに取り付ける前の歯科用アセンブリを示す、歯科用アセンブリの断面図である。図3(b)は、組立状態の歯科用アセンブリを示す歯科用アセンブリの断面図である。図3(c)は、歯科用継手がねじによって歯科インプラントに固定されている状態を示す、歯科用アセンブリの断面図である。 本発明の第2及び第3の実施形態による歯科用継手を示す図である。図4(a)は、第2の実施形態による歯科用継手の斜視図である。図4(b)は、第3の実施形態による歯科用継手の斜視図である。図4(c)は、第2の実施形態による歯科用継手の保持要素の上面図である。図4(d)は、第3の実施形態による歯科用継手の保持要素の上面図である。 本発明の第4及び第5の実施形態による歯科用継手を示す図である。図5(a)は、第4の実施形態による歯科用継手の斜視図である。図5(b)は、第5の実施形態による歯科用継手の斜視図である。図5(c)は、第4の実施形態による歯科用継手の保持要素の上面図である。図5(d)は、第5の実施形態による歯科用継手の保持要素の上面図である。 本発明の第6の実施形態による歯科用継手を示す図である。図6(a)は、歯科用継手の尖状部分の斜視図である。図6(b)は、歯科用継手の底面図である。図6(c)は、図6(b)のB−B線に沿った断面図である。図6(d)は、歯科用継手の保持要素の上面図である。 本発明の第7の実施形態による歯科用継手を示す図である。図7(a)は、歯科用継手の尖状部分の斜視図である。図7(b)は、歯科用継手の底面図である。図7(c)は、図7(b)のB−B線に沿った断面図である。図7(d)は、歯科用継手の保持要素の上面図である。 本発明の第8の実施形態による歯科用継手を示す図である。図8(a)は、歯科用継手の尖状部分の斜視図である。図8(b)は、歯科用継手の底面図である。図8(c)は、図8(b)のB−B線に沿った断面図である。図8(d)は、歯科用継手の保持要素の上面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による歯科用継手1を示す。
歯科用継手1は、歯科用インプラントのような歯科用構成要素に取り付け可能なアバットメント、すなわちシングルピースアバットメントである(図2及び図3参照)。歯科用継手1は、図1(b)及び図1(c)に示すように、本体2と、本体2に対して尖状端側に設けられた保持要素4とを備えている。保持要素4は、歯科用継手1を歯科用構成要素に取り付けるための取付部分6を備える(例えば、図1(a)参照)。保持要素4は、取付部分6から本体2の冠状端8に向かう方向に垂直な全ての方向、すなわち保持要素4の全ての横方向に弾性変形可能である。
取付部分6は、取付部分6から本体2の冠状端8に向かう方向に実質的に垂直な複数の方向、すなわち、保持要素4の複数の横方向に沿って延びる2つの突起10を備える。
2つの突起10の各々は、図1(a)及び図1(c)に示すように、本体2の冠状端8から取付部分6に向かう方向に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面を有する。
保持要素4は、本体2と一体的に形成されている。具体的には、保持要素4は、保持要素4と本体2との間に長手方向において配置された単一リンク部分12を介して本体2と一体的に形成される(図1(a)〜図1(c)参照)。リンク部分12は、保持要素4の一部のみに沿って保持要素4の円周方向に延びており、例えば、図1(a)及び図1(c)に略示されている。
歯科用継手1は、チタンまたはチタン合金などの金属製である。歯科用継手1は、例えば、CNCミリングなどの微粉砕によって製造されてよい。具体的には、歯科用継手1は、例えばCNCミリングなどの微粉砕によって、単一ピースのチタンまたはチタン合金から形成されてよい。
保持要素4は、保持要素4の長手方向に垂直な略円形の断面を有する略円筒形状を有する(図1(a)及び図1(d)参照)。保持要素4は、中空の筒状体として形成され、保持要素4の切り欠き部分14から延びる尖状端16と、保持要素4の冠状端18とを有する。切り欠き部分14は、図1(a)、図1(b)及び図1(d)に略示されているように、保持要素4の外壁を貫通する。保持要素4は、取り付け部分6から本体2の冠状端8に向かう方向に垂直な断面において開リング形状を有する。
保持要素4の外壁に形成された切り欠き部分14は、取り付け部分6から本体2の冠状端8に向かう方向に垂直な全ての方向、すなわち、保持要素4の横方向の全てにおいて、保持要素4全体が弾性変形可能であるようにする。具体的には、歯科用継手1を歯科用インプラントなどの歯科用構成要素に取り付ける際には、保持要素4をその横方向に弾性的に圧縮することができる(例えば、図3)。
図3を参照して以下に詳細に説明するように、取り付け部分6の突起10は、スナップ嵌合により歯科用継手1を歯科用構成要素に取り付けることを可能にする。
図1(a)、図1(b)、及び図1(d)に示すように、取り付け部分6の突起10が切り欠き部分14に隣接して設けられている。このように、取付部分6と歯科用構成要素の、特に信頼性が高くかつ効率的なスナップ嵌合を確実にすることができる。
さらに、図1(d)にも示されているように、突起10は、保持要素4の残りの外面から突出ている高さと同じ高さ、すなわち、保持要素4の横方向におけるこの外面からの高さを有する。
前記リンク部分12は、保持要素4の半径方向において、切り欠き部分14の反対側に配置される(図1(a)及び図1(b)参照)。さらに、前記リンク部分12は、保持要素4の半径方向において、取り付け部分6の2つの突起10の反対側に配置される。
歯科用継手1は、図1(a)及び図1(b)に略示されているように、また、図3を参照して以下でさらに詳細に説明するように、歯科用継手1を通って歯科用継手1の冠状端から歯科用継手1の尖状端への方向に延びる貫通孔20をさらに備えている。
また、図2及び図3は、図1に示す歯科用継手1と歯科用構成要素としての歯科用インプラント30を備える本発明の一実施形態による歯科用アセンブリを示す。
歯科用インプラント30は、金属、例えば、チタン、チタン合金で作られている。
図3(a)から図3(c)に示すように、歯科用継手1の貫通孔20は、ねじ頭をその上に載置するためのねじ座22を備えている。
歯科用インプラント30は、保持要素4を含んで歯科用継手1の尖状部分26を受け入れるために、インプラント30の冠状部分34に形成された凹部32を有する(図2(a)及び図3(a)参照)。インプラント30の冠状部分34には、図3(b)及び図3(c)に示すように、保持要素4の取り付け部分6の突起10を受け入れるための環状空洞36(図3(a)参照)が形成される。そのため、保持要素4の取付部分6は、スナップ嵌合によりインプラント30の冠状部分34内で安全に保持されることができる。
凹部32は、空洞36に対して冠状に位置する(または、図3を考慮すると、上に位置する)回転防止部分と、回転防止部分に対して冠状に位置する(または、図3を考慮すると、上に位置する)円錐形部分とをさらに画定してよい。継手1は凹部30の上記部分に合致する部分を有していてもよい。
さらに、歯科用インプラント30は、図3(a)から図3(c)に示すように、インプラント30の尖状端方向において凹部32の下方に延びるねじ孔38を有する。さらに、歯科用インプラント30は、インプラント30を患者の顎骨にねじ込むための外側ねじ部39を有する(図2及び図3参照)。
歯科用継手1を歯科用インプラント30に取り付ける際には、保持要素4の取付部分6の突起10が、インプラント30の冠状部分34に形成された環状空洞36内に受け入れられるように、歯科用継手1の尖状部分26をインプラント30の凹部32に挿入する。したがって、保持要素4は、この冠状部分34内で、スナップ嵌合することによって安全に保持され、したがって、歯科用継手1をインプラント30に確実に取り付ける。
歯科用継手1をインプラント30に取り付けるプロセスで、保持要素4を凹部32に挿入すると、保持要素4は、最初にその横方向に弾性的に変形し、すなわち弾性的に圧縮され、その後、突起10が環状空洞36内に受け入れられるとすぐに、その初期形状に復元される。突起10のこの「スナップイン」プロセスは、例えば、歯科技工所で、臨床医または技術者などの歯科用アセンブリの使用者に、歯科用継手1がインプラント30に適切に着座されていることを示して、可聴式で触覚的な手応えを提供する(図3(b)参照)。
歯科用継手1が保持要素4を介して歯科用インプラント30に適切に取り付けられた後、歯科用継手1及びインプラント30は、歯科用継手1の貫通孔20の冠状開口部を通してねじ40を挿入し、ねじ40をインプラント30のねじ孔38にねじ込むことによって、取り付け状態でしっかりと固定される。図3(c)に示されているねじ40が完全に挿入された状態では、ねじ40の下側ねじ部42は、インプラント30のねじ孔38内に受け入れられ、ねじ40のねじ頭44は歯科用継手1の貫通孔20のねじ座22上に載置され、これにより歯科用継手1及びインプラント30をそれらの相対位置においてしっかりと保持する。
上記で詳述した方法で、歯科用継手1は、患者の顎骨に設置されたインプラントに固定することができる。具体的には、インプラント30は、インプラント30の外側ねじ部39によって患者の顎骨にねじ込むことができる。インプラント30が顎骨に骨接合されるとすぐに、またはインプラント設置の直後に、歯科用継手1は、上記で詳述したように、保持要素4及びねじ40を介して、インプラント30に固定される。
さらに、歯科用継手1は、人間または動物の体外で、例えば歯科技工所において、歯科用インプラント30などの歯科用構成要素に取り付けられてよい。具体的には、上記で詳述した方法で、歯科用継手1は、例えばインプラント30の代わりにインプラントアナログを使用して、歯科技工所において顎骨モデルに固定することができる。
上記で詳述した本発明の実施形態による歯科用アセンブリは、歯科用継手としてのシングルピースアバットメントと、歯科用構成要素としての歯科用インプラントとを備えるが、歯科用継手及び/または歯科用構成要素は、上記で詳細に説明したように、他の様々な要素であってよい。
具体的には、歯科用継手は、例えば、マルチピースアバットメント、スキャンアバットメント、一時的アバットメント、アバットメントポジションロケータ、オープンまたはクローズドトレイ印象ポストまたは例えばスクリューレス印象コーピングなどの印象コーピングなどの印象採取コンポーネント、口腔内スキャンまたはデスクトップスキャンロケータ、治癒キャップ、一時的修復物または最終的修復物などであってよい。
歯科用構成要素は、例えば、上記で詳細に説明したように、例えば、歯科技工所で使用するためのインプラントアナログであってよい。
マルチピースアバットメント、例えばツーピースアバットメントの場合、歯科用継手はアバットメントの1つのピースであってもよく、歯科用構成要素はアバットメントの別のピースであってよい。この場合、アバットメントの1つのピースは保持要素を備え、保持要素を介してアバットメントの他のピースに取り付けることができる。これに代えて、またはこれに加えて、マルチピースアバットメントのベースピースまたはユニットは、保持要素を備え、保持要素によって歯科用インプラントに取り付けられてよい。
歯科用継手1及び歯科用インプラント30の代わりに、上記のような歯科用継手及び歯科用構成要素が使用される場合、これらの要素は、歯科用継手1及び歯科用インプラント30の場合、上記で詳述したように実質的に同じ方法で、保持要素を介して、互いに対して取り付けられる。
図4は、本発明の第2及び第3の実施形態による歯科用継手を示す。第2及び第3の実施形態による歯科用継手は、シングルピースアバットメントである。
図4(a)及び図4(c)に示した第2の実施の形態による歯科用継手1’は、本体部2’の構成が第1の実施形態による歯科用継手1と異なる(図1(b)、図4(a)参照)。歯科用継手1’の保持要素4は、歯科用継手1の保持要素4と実質的に同一である。したがって、保持要素4については同じ参照符号を使用し、その繰り返しの詳細な説明は省略する。
歯科用継手1’は、歯科用継手1について上述したのと同じ方法で、歯科用構成要素、例えば、歯科用インプラント30などの歯科用インプラントに取り付けることができる。
図4(b)及び図4(d)に示す第3の実施形態による歯科用継手101は、保持要素104の構成が第2の実施の形態による歯科用継手1’と異なる。歯科用継手101の本体2’は、歯科用継手1’の本体2’と同一である。したがって、本体2’については同一の参照符号を使用する。
保持要素104は、歯科用継手101を歯科用構成要素に取り付けるための取付部分106を備える。保持要素104は、保持要素104の全ての横方向において弾性変形可能である。取付部分106は、保持要素104の複数の横方向に延びる単一突起110を備える。
単一突起110は、図4(b)に示すように、本体2’の冠状端から取付部分106に向かう方向に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面を有する。
保持要素104は、保持要素104の長手方向において保持要素104と本体2’との間に配置された単一リンク部分112を介して本体2’と一体的に形成される(図4(b)参照)。リンク部分112は、図4(b)及び図4(d)に略示されているように、保持要素104の円周方向において保持要素104の一部のみに沿って延びている。
保持要素104は、保持要素104の長手方向に垂直な略円形の断面を有する略円筒形状を有する(図4(d)参照)。保持要素104は、中空の管状体として形成され、保持要素104の尖状端から保持要素104の冠状端まで延びる切り欠き部分114を有する。切り欠き部分114は、図4(b)及び図4(d)に略示されているように、保持要素104の外壁を貫通する。保持要素104は、したがって、取付部分106から本体2’の冠状端に向かう方向に垂直な断面において開リング形状を有する。
取付部分106の単一突起110は、保持要素104の円周方向において、切り欠き部分114に隣接して設けられている。
リンク部分112は、保持要素104の円周方向において、切り欠き部分114に隣接して配置されている(図4(d)参照)。さらに、リンク部分112は、保持要素104の半径方向において、取付部分106の突起110の反対側に配置されている。
歯科用継手101は、歯科用継手1について上述したのと同じ方法で、歯科用構成要素、例えば、歯科用インプラント30などの歯科用インプラントに取り付けることができる。
図5は、本発明の第4及び第5の実施形態による歯科用継手を示す。第4及び第5の実施形態による歯科用継手は、シングルピースアバットメントである。
図5(a)及び図5(c)に示す第4の実施形態による歯科用継手101’は、保持要素104’の構成が、第2の実施形態による歯科用継手1’及び第3の実施形態による歯科用継手101と異なる。歯科用継手101’の本体2’は、歯科用継手1’及び101の本体2’と同一である。したがって、本体2’については同一の参照符号を使用する。
保持要素104’は、歯科用継手101’を歯科用構成要素に取り付けるための取付部分106’を備える。保持要素104’は、保持要素104’の全ての横方向において弾性変形可能である。
保持要素104’は、保持要素104’の長手方向に垂直な略円形の断面を有する略円筒形状を有する(図5(c)参照)。
保持要素104’は、中空の管状体として形成され、閉リング形状または閉円環形状、すなわち、その円周に開口のないリングの形状を有する。保持要素104’のその全ての横方向における弾性変形性は、保持要素104’の材料及び壁厚を適切に選択することによって提供される。
取付部分106’は、保持要素104’の複数の横方向に延びる単一突起110’を備える。
単一突起110’は、本体2’の冠状端から取付部分106’に向かう方向に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面を有する。
保持要素104’は、保持要素104’の長手方向において保持要素104’と本体2’との間に配置された単一リンク部分112’を介して本体2’と一体的に形成される(図5(a)参照)。リンク部分112’は、図5(a)及び図5(c)に略示されているように、保持要素104’の円周方向において保持要素104’の一部のみに沿って延びている。
リンク部分112’は、保持要素104’の半径方向において、取付部分106’の突起110’の反対側に配置されている。
歯科用継手101’は、歯科用継手1について上で詳述したのと同じ方法で、歯科用構成要素、例えば、歯科用インプラント30などの歯科用インプラントに取り付けることができる。
図5(b)及び図5(d)に示す第5実施形態の歯科用継手101’’は、保持要素104’’の構成が、第2から第4の実施形態による歯科用継手1’、101及び101’と異なる。歯科用継手101’’の本体2’は、歯科用継手1’、101及び101’の本体2’と同一である。したがって、本体2’については同一の参照符号を使用する。
保持要素104’’は、歯科用継手101’’を歯科用構成要素に取り付けるための取付部分106’’を備える。保持要素104’’は、保持要素104’’の全ての横方向において弾性変形可能である。
保持要素104’’は、保持要素104’’の長手方向に垂直な略円形の断面を有する略円筒形状を有する(図5(d)参照)。
保持要素104’’は、中空の管状体として形成され、閉リング形状または閉円環形状、すなわち、その円周に開口のないリングの形状を有する。保持要素104’’のその全ての横方向における弾性変形性は、保持要素104’’の材料及び壁厚を適切に選択することによって提供される。
取付部分106’’は、保持要素104’’の複数の横方向に各々が延びる2つの突起110’’を備える。2つの突起110’’は、保持要素104’’の半径方向において互いに反対側に配置される(図5(d)参照)。
2つの突起110’’の各々は、図5(b)に示すように、本体2’の冠状端から取付部分106’’に向かう方向に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面を有する。
保持要素104’’は、保持要素104’’の長手方向において保持要素104’’と本体2’との間に配置された2つのリンク部分112’’を介して本体2’と一体的に形成される(図5(b)参照)。2つのリンク部分112’’の各々は、図5(d)に略示されているように、保持要素104’’の円周方向において保持要素104’’の一部のみに沿って延びる。
2つのリンク部分112’’は、保持要素104’’の半径方向において互いに反対側に配置される。
歯科用継手101’’は、歯科用継手1について上で詳述したのと同じ方法で、歯科用構成要素、例えば、歯科用インプラント30などの歯科用インプラントに取り付けることができる。
図6は、本発明の第6の実施形態による歯科用継手を示す。
図6(a)及び図6(d)に示す第6実施形態の歯科用継手201は、保持要素204の構成が、第4の実施形態による歯科用継手101’及び第5の実施形態による歯科用継手101’’と異なる(図6(a)参照)。歯科用継手201の本体の残りの部分は、歯科用継手1’及び101の本体2’の残りの部分と同一とすることができる。
保持要素204は、歯科用継手201を歯科用構成要素に取り付けるための取付部分206を備える。保持要素204は、保持要素204の全ての横方向において弾性変形可能である。
保持要素204は、保持要素204の長手方向に垂直な略円形の断面を有する略円筒形状を有する(図6(b)及び図6(d)参照)。
保持要素204は、中空の管状体として形成され、閉リング形状または閉円環形状、すなわち、その円周に開口のないリングの形状を有する。保持要素204のその全ての横方向における弾性変形性は、保持要素204の材料及び壁厚を適切に選択することによって提供される。
取付部分206は、保持要素204の複数の横方向に各々が延びる2つの突起210を備える。2つの突起210は、保持要素204の半径方向において互いに反対側に配置される(図6(a)、(b)及び(d)参照)。
2つの突起210の各々は、図6(a)及び図6(c)に示すように、本体の冠状端から取付部分206に向かう方向に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面211を有する。
保持要素204は、保持要素204の長手方向において、保持要素204と本体との間に配置された単一リンク部分212を介して本体と一体的に形成される(図6(a)及び図6(c)参照)。リンク部分212は、図6(d)の斜線領域によって略示されているように、保持要素204の円周方向において保持要素204の一部のみに沿って延びる。
リンク部分212は、図6(d)に示すように、2つの突起210の一方のみの位置に配置されるように構成されている。
リンク部分212の上記配置により、2つの突起210の一方(図6(b)及び図6(d)の下側突起210)を半径内側方向において、半径方向に変位させるためには、2つの突起210の他方(図6(b)及び図6(d)の上側突起210)を半径内側方向において、半径方向に変位させるよりも低い力を必要とする。2つの突起210のうちの他方は、したがって、案内突起として特に確実に作用し、歯科用継手201を歯科用構成要素に取り付ける際に歯科用継手201を案内する。
本体の尖状部分205は、取付部分206から本体の冠状端に向かう方向に垂直な三角楕円形状の断面を有する。図6(b)に示すように、三角楕円形状の断面は3つの半径方向極大207と3つの半径方向極小209を有する。
2つの突起210の一方(図6(b)の下側突起210)は、三角楕円形状の断面の半径方向極小209に配置されている。さらに、この突起210は、極小209の半径方向の拡張よりも大きい半径方向の拡張を有する。したがって、突起210は極小209を超えて半径方向に延びるように配置される(図6(b)参照)。
2つの突起210の他方(図6(b)の上側突起210)は、三角楕円形状の断面の半径方向極大207に配置されている。さらに、この突起210は、極大207の半径方向の拡張よりも小さい半径方向の拡張を有する。したがって、突起210は、極大207から半径内側方向に配置される(図6(b)参照)。
半径方向極小209に配置された突起210は、その半径方向変位を達成するために、より低い力が必要とされる突起である。
歯科用継手201は、歯科用継手1について上で詳述したのと同じ方法で、歯科用構成要素、例えば、歯科用インプラント30などの歯科用インプラントに取り付けることができる。
この取り付けプロセスでは、2つの突起210のうちの一方が2つの突起210のうちの他方より前に歯科用構成要素の内壁と接触し、これにより取り付けプロセスにおいて歯科用継手201を案内し整列させるのを助ける。
図7は、本発明の第7の実施形態による歯科用継手を示す。
図7(a)から図7(d)に示す第7の実施形態による歯科用継手301は、実質的に保持要素304の構成のみが第6の実施形態による歯科用継手201と異なる。歯科用継手301の本体の外側構造は、歯科用継手201の本体の外側構造と同一である。したがって、その詳細な説明は省略する。
保持要素304は、歯科用継手301を歯科用構成要素に取り付けるための取付部分306を備える。保持要素304は、保持要素304の全ての横方向において弾性変形可能である。
保持要素304は、保持要素304の長手方向に垂直な略円形の断面を有する略円筒形状を有する(図7(b)及び図7(d)参照)。
保持要素304は、中空の管状体として形成され、閉リング形状または閉円環形状、すなわち、その円周に開口のないリングの形状を有する。保持要素304のその全ての横方向における弾性変形性は、保持要素304の材料及び壁厚を適切に選択することによって提供される。
取付部分306は、保持要素304の複数の横方向に各々が延びる3つの突起310を備える。3つの突起310は、保持要素304の円周方向において互いに等間隔に配置されている(図7(a)、図7(b)及び図7(d)参照)。
3つの突起310の各々は、図7(c)に示すように、本体の冠状端から取付部分306に向かう方向に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面311を有する。
保持要素304は、保持要素304の長手方向において、保持要素304と本体との間に配置された3つのリンク部分312を介して本体と一体的に形成される(図7(a)及び図7(c)参照)。3つのリンク部分312の各々は、図7(d)の斜線領域によって略示されているように、保持要素304の円周方向において保持要素304の一部のみに沿って延びる。
3つのリンク部分312は、保持要素304の円周方向において互いに等間隔に配置されている(図7(a)、図7(b)及び図7(d)参照)。
3つのリンク部分312は、各リンク部分312が保持要素304の円周方向における突起310の2つのそれぞれの間に配置されるように、配置されている。
上記で示したように、歯科用継手301の本体の尖状部分は、歯科用継手201の本体の尖状部分205と同一の三角楕円形状の断面を有する。この三角楕円形状の断面は、図7(b)に示すように、3つの半径方向極大と3つの半径方向極小とを有する。
3つの突起310の各々は、三角楕円形状の断面の半径方向極小に配置され、3つのリンク部分312の各々は、三角楕円形状の断面の半径方向極大に配置される(図7(b)参照)。
歯科用継手301は、歯科用継手1について上で詳述したのと同じ方法で、歯科用構成要素、例えば、歯科用インプラント30などの歯科用インプラントに取り付けることができる。
図8は、本発明の第8の実施形態による歯科用継手を示す。第8の実施形態による歯科用継手は、シングルピースアバットメントである。
図8(a)から図8(d)に示す第8実施形態の歯科用継手401は、保持要素404の構成のみが第7の実施形態による歯科用継手301と異なる。歯科用継手401の本体は、歯科用継手301の本体と同一の構造を有する。したがって、その詳細な説明は省略する。
歯科用継手401の保持要素404は、保持要素404の壁に3つの凹部403が設けられている点のみが、歯科用継手301の保持要素304と異なる(図8(a)及び図8(c)参照)。歯科用継手401の保持要素404の残りの部分は、歯科用継手301の保持要素304のものと同一である。したがって、その詳細な説明は省略する。
3つの凹部403の各々は、保持要素404の壁を完全に貫通し、保持要素404の長手方向において保持要素404の長さの一部のみに沿って延びるように構成される。
3つの凹部403は、保持要素404の円周方向において互いに等間隔に配置されている(図8(a)参照)。
3つの凹部403の各々は、保持要素404の円周方向における突起の2つのそれぞれの間に配置されている。3つの凹部403の各々は、リンク部分のそれぞれの位置に配置されている(図8(a))。
3つの凹部403は、保持要素404の横方向における弾性変形性を制御するのを助ける。
歯科用継手401は、歯科用継手1について上で詳述したのと同じ方法で、歯科用構成要素、例えば、歯科用インプラント30などの歯科用インプラントに取り付けることができる。
以下の番号付けされた条項は、本発明のさらなる開示を提供する。
1.歯科用インプラントなどの歯科用構成要素(30)に取り付け可能な歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)であって、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、
本体(2、2’)と、
前記本体(2、2’)に対して尖状端側に設けられた保持要素(4、104、104’、104’’)と、を備えており、
前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)を前記歯科用構成要素(30)に取り付けるための取付部分(6、106、106’、106’’)を備えており、
前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記取付部分(6、106、106’、106’’)から前記本体(2、2’)の冠状端(8)に向かう方向に垂直な少なくとも全ての方向において弾性変形可能であり、
前記取付部分(6、106、106’、106’’)は、前記取付部分(6、106、106’、106’’)から前記本体(2、2’)の前記冠状端(8)に向かう方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向に延びる少なくとも1つの突起(10、110、110’、110’’)を備えており、
前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられる、
歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
2.前記保持要素(4、104)は、前記保持要素(4、104)の尖状端(16)から前記保持要素(4、104)の冠状端(18)まで延びる少なくとも1つの部分を有し、
前記少なくとも1つの部分は、前記保持要素(4、104)の残りの部分よりも可撓性である、
条項1に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
3.前記保持要素(4、104)は、前記保持要素(4、104)の前記尖状端(16)から前記保持要素(4、104)の前記冠状端(18)まで延びる少なくとも1つの切り欠き部分(14、114)を有している、
条項1または条項2に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
4.前記保持要素(4、104)は中空体であり、前記少なくとも1つの切り欠き部分(14、114)は、前記保持要素(4、104)の外壁を貫通する、
条項3に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
5.前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記保持要素(4、104、104’、104’’)と前記本体(2、2’)との間に配置された1つまたは複数のリンク部分(12、112、112’、112’’)を介して、前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられ、
前記1つまたは複数のリンク部分(12、112、112’、112’’)の各々は、前記保持要素(4、104、104’、104’’)の一部に沿って前記保持要素(4、104、104’、104’’)の円周方向に延びる、
条項1から条項4のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
6.前記保持要素(4、104)は、単一リンク部分(12、112)を介して前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられ、
前記保持要素(4、104)は、前記保持要素(4、104)の前記尖状端(16)から前記保持要素(4、104)の前記冠状端(18)まで延びる単一部分を有し、前記単一部分は、前記保持要素(4、104)の残りの部分よりも可撓性であり、
前記リンク部分(12、112)は、前記保持要素(4、104)の半径方向において前記単一部分の反対側に配置されるか、前記保持要素(4、104)の円周方向において前記単一部分に隣接して配置される、
条項2に従属する条項5に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
7.前記保持要素(4、104)は、単一リンク部分(12、112)を介して前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられ、
前記保持要素(4、104)は、前記保持要素(4、104)の前記尖状端(16)から前記保持要素(4、104)の前記冠状端(18)まで延びる単一切り欠き部分(14、114)を有し、
前記リンク部分(12、112)は、前記保持要素(4、104)の半径方向において前記切り欠き部分(14、114)の反対側に配置されるか、前記保持要素(4、104)の円周方向において前記切り欠き部分(14、114)に隣接して配置される、条項3または条項4に従属する条項5に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
8.前記保持要素(4、104、104’)は、単一リンク部分(12、112、112’)を介して前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられ、
前記リンク部分(12、112、112’)は、前記保持要素(4、104、104’)の半径方向において前記取付部分(6、106、106’)の前記少なくとも1つの突起(10、110、110’)の反対側に配置される、
条項5から条項7のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’)。
9.前記保持要素(104’’)は、少なくとも2つのリンク部分(112’’)を介して前記本体(2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2’)に一体的に取り付けられ、
前記少なくとも2つのリンク部分(112’’)は、前記保持要素(104’’)の半径方向において互いに反対側に配置される、
条項5に記載の歯科用継手(101’’)。
10.前記取付部分(6、106’’)は、2つ以上の突起(10、110’’)を備えており、
各々が、前記取付部分(6、106’’)から前記本体(2、2’)の前記冠状端(8)に向かう前記方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向に延びる、
条項1から条項9のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101’’)。
11.前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)を通って前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)の冠状端から前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)の尖状端の方向に延びる貫通孔(20)をさらに備える、
条項1から条項10のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
12.前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、カラーコードのようなマーキングを有し、及び/または、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、RFIDタグのような表示及び/または追跡装置をさらに備えている、
条項1から条項11のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
13.前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、金属、ポリマー、または複合材料で作られている、
条項1から条項12のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
14.条項1から条項13のいずれか1項に記載の前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)と、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素(30)と、を備える、歯科用アセンブリ。
15.条項1から条項13のいずれか1項に記載の前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)を歯科用インプラントなどの歯科用構成要素(30)に取り付ける方法。

Claims (22)

  1. 歯科用インプラントなどの歯科用構成要素(30)に取り付け可能な歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)であって、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、
    本体(2、2’)と、
    前記本体(2、2’)に対して尖状端側に設けられた保持要素(4、104、104’、104’’)と、を備え、
    前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)を前記歯科用構成要素(30)に取り付けるための取付部分(6、106、106’、106’’)を備え、
    前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記取付部分(6、106、106’、106’’)から前記本体(2、2’)の冠状端(8)に向かう方向に垂直な断面において、閉リング形状または開リング形状を有し、
    前記取付部分(6、106、106’、106’’)は、前記取付部分(6、106、106’、106’’)から前記本体(2、2’)の前記冠状端(8)に向かう方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向に延びる少なくとも1つの突起(10、110、110’、110’’)を備え、
    前記少なくとも1つの突起(10、110、110’、110’’)は、前記本体(2、2’)の前記冠状端(8)から前記取付部分(6、106、106’、106’’)に向かう前記方向に対して90°未満の角度で傾斜した冠状面を有し、
    前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられる、
    歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  2. 歯科用インプラントなどの歯科用構成要素(30)に取り付け可能な歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)であって、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、
    本体(2、2’)と、
    前記本体(2、2’)に対して尖状端側に設けられた保持要素(4、104、104’、104’’)と、を備えており、
    前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)を前記歯科用構成要素(30)に取り付けるための取付部分(6、106、106’、106’’)を備え、
    前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記取付部分(6、106、106’、106’’)から前記本体(2、2’)の冠状端(8)に向かう方向に垂直な断面において、閉リング形状または開リング形状を有し、
    前記取付部分(6、106、106’、106’’)は、前記取付部分(6、106、106’、106’’)から前記本体(2、2’)の前記冠状端(8)に向かう前記方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向に各々が延びる少なくとも2つの突起(10、110、110’、110’’)を備え、
    前記少なくとも2つの突起(10、110、110’、110’’)は、前記保持要素(4、104、104’、104’’)の円周方向において互いから離間されており、
    前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられる、
    歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  3. 前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記少なくとも2つの突起(10、110、110’、110’’)のうちの一方を半径方向に変位させるために、前記少なくとも2つの突起(10、110、110’、110’’)の他方を半径方向に変位させるためよりも、低い力が必要とされるように構成される、
    請求項2に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  4. 前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、少なくとも前記取付部分(6、106、106’、106’’)から前記本体(2、2’)の前記冠状端(8)に向かう前記方向に垂直な全ての方向において弾性変形可能である、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  5. 前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、0.02mmから0.50mmの範囲の壁厚を有する、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  6. 前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、ヤング率が95GPaから120GPaの範囲である材料から形成される、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  7. 前記少なくとも1つの突起(10、110、110’、110’’)または前記少なくとも2つの突起(10、110、110’、110’’)の前記冠状面は、前記本体(2、2’)の前記冠状端(8)から前記取付部分(6、106、106’、106’’)に向かう前記方向に対して25°以上の角度で傾斜している、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  8. 前記少なくとも1つの突起(10、110、110’、110’’)または前記少なくとも2つの突起(10、110、110’、110’’)の前記冠状面は、前記本体(2、2’)の前記冠状端(8)から前記取付部分(6、106、106’、106’’)に向かう前記方向に対して80°以下の角度で傾斜している、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  9. 前記保持要素(4、104)は、前記保持要素(4、104)の尖状端(16)から前記保持要素(4、104)の冠状端(18)まで延びる少なくとも1つの部分を有し、前記少なくとも1つの部分は、前記保持要素(4、104)の残りの部分よりも可撓性である、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
  10. 前記保持要素(4、104)は、前記保持要素(4、104)の前記尖状端(16)から前記保持要素(4、104)の前記冠状端(18)まで延びる少なくとも1つの切り欠き部分(14、114)を有している、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
  11. 前記保持要素(4、104)は中空体であり、前記少なくとも1つの切り欠き部分(14、114)は、前記保持要素(4、104)の外壁を貫通する、
    請求項10に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
  12. 前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、前記保持要素(4、104、104’、104’’)と前記本体(2、2’)との間に配置された1つまたは複数のリンク部分(12、112、112’、112’’)を介して、前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられ、
    前記1つまたは複数のリンク部分(12、112、112’、112’’)の各々は、前記保持要素(4、104、104’、104’’)の一部に沿って前記保持要素(4、104、104’、104’’)の円周方向に延びる、
    請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  13. 前記保持要素(4、104)は、単一リンク部分(12、112)を介して前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられ、
    前記保持要素(4、104)は、前記保持要素(4、104)の前記尖状端(16)から前記保持要素(4、104)の前記冠状端(18)まで延びる単一部分を有し、前記単一部分は、前記保持要素(4、104)の残りの部分よりも可撓性であり、
    前記リンク部分(12、112)は、前記保持要素(4、104)の半径方向において前記単一部分の反対側に配置されるか、または前記保持要素(4、104)の円周方向において前記単一部分に隣接して配置される、
    請求項9に従属する請求項12に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
  14. 前記保持要素(4、104)は、単一リンク部分(12、112)を介して前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられ、
    前記保持要素(4、104)は、前記保持要素(4、104)の前記尖状端(16)から前記保持要素(4、104)の前記冠状端(18)まで延びる単一切り欠き部分(14、114)を有し、
    前記リンク部分(12、112)は、前記保持要素(4、104)の半径方向において前記切り欠き部分(14、114)の反対側に配置されるか、または前記保持要素(4、104)の円周方向において前記切り欠き部分(14、114)に隣接して配置される、
    請求項10または請求項11に従属する請求項12に記載の歯科用継手(1、1’、101)。
  15. 前記保持要素(4、104、104’)は、単一リンク部分(12、112、112’)を介して前記本体(2、2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2、2’)に一体的に取り付けられ、
    前記リンク部分(12、112、112’)は、前記保持要素(4、104、104’)の半径方向において前記取付部分(6、106、106’)の前記少なくとも1つの突起(10、110、110’)の反対側に配置される、
    請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’)。
  16. 前記保持要素(104’’)は、少なくとも2つのリンク部分(112’’)を介して前記本体(2’)と一体的に形成されるか、または前記本体(2’)に一体的に取り付けられ、
    前記少なくとも2つのリンク部分(112’’)は、前記保持要素(104’’)の半径方向において互いに反対側に配置される、請求項12に記載の歯科用継手(101’’)。
  17. 前記取付部分(6、106’’)は、2つ以上の突起(10、110’’)を備えており、各々が、前記取付部分(6、106’’)から前記本体(2、2’)の前記冠状端(8)に向かう前記方向に実質的に垂直な1つまたは複数の方向に延びる、
    請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101’’)。
  18. 前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)を通って前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)の冠状端から前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)の尖状端の方向に延びる貫通孔(20)をさらに備える、
    請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  19. 前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、カラーコードのようなマーキングを有し、及び/または、前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)は、RFIDタグのような表示及び/または追跡装置をさらに備える、
    請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  20. 前記保持要素(4、104、104’、104’’)は、金属、ポリマー、または複合材料で作られている、
    請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)。
  21. 請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)と、歯科用インプラントなどの歯科用構成要素(30)と、を備える、歯科用アセンブリ。
  22. 請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の前記歯科用継手(1、1’、101、101’、101’’)を歯科用インプラントなどの歯科用構成要素(30)に取り付ける方法。
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