JP2019501184A - 鉄化合物及びシトレート化合物を用いる併用療法 - Google Patents

鉄化合物及びシトレート化合物を用いる併用療法 Download PDF

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Abstract

シトレート化合物と組み合わされた、鉄化合物、好ましくは、溶性ピロリン酸第二鉄(SFP)を含む併用療法が開示される。鉄不応性鉄欠乏性貧血及び他の鉄隔離症候群を含む、貧血を伴うまたは伴わない鉄欠乏の治療において、併用療法を用いる方法、ならびに、SFPまたは別の鉄化合物及びシトレート化合物を含む薬学的組成物及びキットも開示される。本開示は、鉄化合物及びシトレート化合物を含む併用療法に関する。一態様において、本開示は、任意選択により経口投与用組成物であってもよい、鉄化合物及びシトレート化合物を含む薬学的組成物を提供する。

Description

関連出願の相互参照
35U.S.C.§119(e)に基づき、2017年1月6日出願の米国仮特許出願第62/275,487号及び2016年12月9日出願の米国仮特許出願第62/432,564号の利益が、本明細書により請求され、それらの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、鉄欠乏の治療において用いるための、鉄化合物及びシトレート化合物を含む併用療法に関する。
鉄欠乏は、世界で最も一般的な微量栄養素の欠乏である。絶対的な鉄欠乏では、鉄貯蔵が欠失しており、総体内鉄が減少している。機能的な鉄欠乏では、鉄貯蔵は存在するが、例えば、これらの貯蔵から動員され得る量を上回って鉄要求性を増大する赤血球形成刺激剤の投与に起因して、血漿トランスフェリンへの鉄の供給が不十分である。鉄は、(1)酸素の輸送及び利用、例えば、肺から細胞への酸素の運搬体として、(2)エネルギー産生、(3)細胞増殖、(4)細胞内での電子の移動、(5)神経伝達、ステロイドホルモンの合成、胆汁酸塩の合成、及び肝臓での解毒過程における、必須ヘム及び非ヘム酵素反応の補助因子として、ならびに(6)病原体の破壊、を含む、幾つかの生命維持に不可欠な生理機能のために必要とされる。故に、重篤な鉄欠乏、すなわち、鉄欠乏貧血は、特に体を衰弱させる。鉄欠乏貧血の結果としては、母体及び胎児死亡率の増加、未熟分娩及び出産時低体重のリスクの増加、学習障害及び精神運動発達遅滞、逆行できない幼児及び小児期における神経認知発達障害、作業能力の低下、免疫障害(感染症への高リスク)、体温維持の不能性、及び鉛中毒に関連する/増大したリスクがある。鉄補給剤を経口投与することにより鉄欠乏を治療することは非常に困難であることが、よく知られている。一般的に、所望の治療効果を達成するためには比較的高い投薬量が必要とされ、また、鉄補給剤の経口投与は、悪心、上腹部痛、嘔吐、便秘及び胃刺激を含む、望ましくない副作用を一般的に伴うことが知られている。
鉄不応性鉄欠乏貧血(IRIDA)として知られている鉄欠乏性貧血の一つの型は、稀な常染色体劣性疾患である。IRIDAは、経口鉄療法に対して応答せず、非経口鉄処置に対する応答が遅くて不十分である鉄欠乏貧血により、特徴づけられる(De Falcoら.Haematologica 2013;98:845−853;Finbergら.Nat Genet 2008;40:569−571;Heeney MM 及び Finberg KE.Hematol Oncol Clin North Am 2014;28:637−52)。IRIDA患者は、先天的な小球性、低色素性貧血、低い血漿鉄及びトランスフェリン飽和度、ならびに正常または低下した血清フェリチン濃度を有する。原因となる変異は、ヘモジュベリンを分解して全身性鉄調節タンパク質であるヘプシジンを負に調節する、マトリプターゼ−2(MT−2)、II型血漿膜セリンプロテアーゼをコードするTMPRSS6遺伝子中にある(Finbergら、上記;Duら.Science 2008;320:1088−1092;Wangら.Front Pharmacol 2014;5:114)。ヘプシジンは、トランスフェリンによる赤血球系骨髄及び他の細胞への輸送のために、鉄輸送タンパク質であるフェロポルチンに結合して、それを不活性化させ、腸細胞、マクロファージ及び肝細胞から血漿への鉄の流出を防ぐことにより、作用する(Ganz T.Physiol Rev 2013;93:1721−1741)。TMPRSS6遺伝子変異は、不適切に高い血漿ヘプシジン濃度を生じさせ、腸細胞による鉄吸収ならびにマクロファージ及び肝細胞からの鉄放出の両方の障害に起因して、鉄隔離(iron sequestration)をもたらす。さらにより一般的なのは、赤血球系骨髄及び他の鉄要求性細胞への鉄の供給を制限する、血漿ヘプシジン濃度の上昇を生じる他の障害である(Goodnoughら.Blood 2013;116:4754−4761)。鉄隔離症候群において、体内鉄貯蔵は十分であるか、または増大されているが、血漿ヘプシジンの増大により、腸細胞、マクロファージ及び肝細胞が十分な鉄をトランスフェリンへ供給することが妨害されているために、生理学的鉄要求性を満たすために利用できない。鉄隔離、及び機能的な鉄欠乏では、血漿トランスフェリンへの鉄の供給は、赤血球系骨髄及び他の鉄要求性細胞の必要性を満たすには不十分である。持続的に異様に高いヘプシジンレベル、及び鉄隔離に関連する他の疾患は、慢性炎症性状態、慢性腎疾患、自己免疫疾患、慢性感染、バクテリア、ウイルス及び真菌感染、リウマチ疾患、炎症性腸疾患、重篤疾患、様々な他の慢性疾患、及び癌(例えば、悪性腫瘍)を含む。
現在利用可能な非経口鉄調製物は、網膜内皮マクロファージによりまず取り込まれて、処理され、引き続き、フェロポルチンによる輸送のために炭水化物から鉄を遊離させる、鉄−炭水化物複合体である。結果として、非経口鉄処置は、鉄輸送におけるヘプシジン誘導障害を回避することができず、緩やかに部分的に小球性貧血を補正するのみである。IRIDA及び慢性炎症性状態を含む、鉄欠乏(絶対的及び機能的)、鉄隔離症候群、貧血及び/または上昇したヘプシジンレベルを有する患者は、改善された鉄療法を選択する必要がある。
硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、コハク酸第一鉄、水酸化第二鉄、クエン酸第二鉄、第二鉄マルトール,及び鉄多糖複合体を含む、様々な鉄塩及び他の治療的な鉄化合物が、鉄欠乏の治療のために使用されてきた。溶性ピロリン酸第二鉄(SFP)は、シトレート及びピロホスフェートにキレート化または配位した鉄の混合物を含む鉄塩の一種であり、また、約1000Daの分子量及び水溶液中で高い溶解性を有するピロリン酸クエン酸第二鉄(FPC、TRIFERIC、Rockwell Medical、Inc.,Wixom、Michigan)を含む。SFPの投与は、多くの患者において、絶対的及び機能的な鉄欠乏ならびに鉄隔離症候群に打ち勝つ。非経口投与において、SFP−鉄はアポ−トランスフェリンへ直接結合し、それにより、SFP−鉄を骨髄へ直接送達させ、網膜内皮系を迂回する(Guptaら.J Am Soc Nephrol 2010;21:429A;Pratt ら、J Clin Pharmacol 2016;DOI:10.1002/jcph.819)。参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,689,275号、第6,779,468号、及び第7,857,977号は、血液透析用の液体重炭酸溶液へのSFPの添加を開示している。参照により本明細書に組み込まれる、米国仮特許第62/214,908号は、SFPの固形微粒子製剤を開示している。
米国特許第6,689,275号明細書 米国特許第6,779,468号明細書 米国特許第7,857,977号明細書
De Falcoら.Haematologica 2013;98:845−853 Finbergら.Nat Genet 2008;40:569−571 Heeney MM 及び Finberg KE.Hematol Oncol Clin North Am 2014;28:637−52 Duら.Science 2008;320:1088−1092 Wangら.Front Pharmacol 2014;5:114 Ganz T.Physiol Rev 2013;93:1721−1741 Goodnoughら.Blood 2013;116:4754−4761 Guptaら.J Am Soc Nephrol 2010;21:429A Pratt ら、J Clin Pharmacol 2016;DOI:10.1002/jcph.819
本開示は、鉄化合物及びシトレート化合物を含む併用療法に関する。一態様において、本開示は、任意選択により経口投与用組成物であってもよい、鉄化合物及びシトレート化合物を含む薬学的組成物を提供する。一態様において、当該薬学的組成物は、対象の体重1kgあたり約0.2mgの鉄〜約5mgの鉄、例えば、約5mgの鉄〜約500mgの鉄の量の鉄化合物を含む。別の態様において、当該薬学的製剤は、対象の体重1kgあたり約0.5mmol〜約2mmol、例えば、約0.5mmol〜約100mmolの量のシトレート化合物を含む。
本開示はまた、鉄化合物及びシトレート化合物と、ならびに貧血を伴うまたは伴わない鉄欠乏を有する対象へ治療上有効量の鉄化合物及びシトレート化合物を同時投与するための説明書とを含むキットを提供する。一態様において、当該キットは、一アンプル中に約5.44mg/mLの水中Feを含む鉄化合物を含む。別の態様において、当該キットは、クエン酸及びクエン酸ナトリウム、例えば、約128mg/mLのクエン酸及び約98mg/mLのクエン酸ナトリウムを含むシトレート化合物を含む。任意選択により、当該キットは、水中、例えば、Shohl溶液中に、約640mg/5mLのクエン酸及び約490mg/5mLの含水クエン酸ナトリウムを含む溶液である、シトレート化合物を含む。一態様において、当該鉄化合物及び/またはシトレート化合物は、経口投与用薬学的組成物中にある。
本開示は、鉄欠乏の治療を必要とする対象において、貧血を伴うまたは伴わない鉄欠乏を治療するための方法及び医学的使用を提供する。一態様において、鉄欠乏の治療方法は、治療上有効量の鉄化合物及びシトレート化合物を、鉄欠乏の治療を必要とする対象に同時投与することを含む。別の態様において、本開示は、鉄欠乏の治療に用いるための、鉄化合物及びシトレート化合物を提供する。さらなる別の態様において、本開示は、鉄欠乏を治療するための医薬の製造における鉄化合物及びシトレート化合物の使用を提供する。別の態様において、血清鉄を増大させる方法は、治療上有効量の、任意選択により、ベースラインと比較して少なくとも100μg/dLだけ血清鉄を増大させるのに有効な量で、鉄化合物及びシトレート化合物を、血清鉄の増大を必要とする対象に同時投与することを含む。さらなる別の態様において、ヘモグロビンレベルを増大させる方法は、治療上有効量の、任意選択により、ベースラインと比較して少なくとも1g/dLだけヘモグロビン濃度を増大させるのに有効な量で、鉄化合物及びシトレート化合物を、ヘモグロビンレベルの増大を必要とする対象に同時投与することを含む。前述した方法のいずれかにおいて、当該鉄化合物及びシトレート化合物は、同時に投与されてもよく、例えば、混合物中にて投与されてもよく、または、一成分(例えば、シトレート化合物)が初めに投与され、引き続き、任意選択により15分またはそれ未満のうちに、第二の成分が投与されてもよい。一態様において、鉄化合物が初めに投与される。別の態様において、シトレート化合物が初めに投与される。任意選択により、当該鉄化合物及び/またはシトレート化合物は経口投与され、例えば、鉄化合物及びシトレート化合物の両方が経口投与される。様々な態様において、当該鉄化合物及び/またはシトレート化合物は、1日あたり1、2、または3回投与される。任意選択により、当該鉄化合物及び/またはシトレート化合物は、少なくとも食前1時間または食後2時間に投与される。
前述した方法のいずれかにおいて、当該鉄化合物及びシトレート化合物は、シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の当該鉄化合物と比較して、少なくとも1つの血清鉄薬物動態パラメーターを改善するのに有効な量で、該パラメーターの改善を必要とする対象に同時投与されてもよい。様々な態様において、鉄化合物及びシトレート化合物の対象への同時投与は、シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の当該鉄化合物と比較して、投与間隔中の最大血清鉄濃度(Cmax)を増大させ、当該鉄化合物のバイオアベイラビリティを増大させ、及び/または、当該鉄化合物から吸収される鉄の量を増大させる。
本開示の薬学的組成物、キット、方法、及び医学的使用のいずれかにおいて、当該鉄化合物は、任意選択により、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、コハク酸第一鉄、クエン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、SFP、水酸化第二鉄、ピロリン酸クエン酸第二鉄、鉄ポリマルトース、アスコルビン酸鉄、第二鉄(トリ)マルトール、ヘム鉄ポリプチド、鉄EDTA、鉄多糖複合体、及びそれらの組み合わせから選択される。当該鉄化合物は、任意選択により、7重量%〜11重量%の量の鉄、14重量%〜30重量%の量のシトレート、10重量%〜20重量%の量のピロホスフェート、及び2重量%以下の量のホスフェートを含む。当該鉄化合物は、体重1kgあたり約0.2mgの鉄〜約5mgの鉄、例えば、体重1kgあたり約3mgのFeの投薬量で投与されてもよい。当該シトレート化合物は、任意選択により、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸アンモニウム、前述のもののうちのいずれかの組み合わせ、及びそれらの溶液からなる群から選択される。一態様において、当該シトレート化合物は、例えば、Shohl溶液などの水溶液中、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを含む。当該シトレート化合物は、体重1kgあたり約0.5mmol〜約2mmol、例えば、体重1kgあたり約0.67mmolの投薬量で投与されてもよい。
本明細書で記載される薬学的製剤、キット、及び方法は、治療を必要とする対象を治療するために用いられる。好適な対象は、IRIDA、腎性貧血、慢性疾患の貧血、慢性炎症の貧血、自己免疫及びリウマチ疾患に伴う貧血、炎症性腸疾患に伴う貧血、バクテリア、ウイルス及び真菌感染に伴う貧血、癌に関連した貧血、化学療法に関連した貧血、ESA処置に伴うESAの産生障害に起因する貧血、低色素性貧血、炎症の貧血、及び小球性貧血を含む、貧血を伴うまたは伴わない、鉄欠乏(絶対的及び機能的)または鉄隔離症候群(複数可)を有する患者を含む。好適な対象は、IRIDA、炎症症状、慢性腎疾患、自己免疫疾患、慢性感染、バクテリア、ウイルス及び真菌感染、重篤疾患、リウマチ疾患、炎症性腸疾患、様々な他の慢性疾患または他の低鉄血症に伴う症状(血清鉄及びトランスフェリン飽和度の低下)、及び癌(例えば、悪性腫瘍)などの症状に起因する、上昇した血清及び/または尿ヘプシジンレベルを示す対象も含む。
前述した概要は、本発明の各態様を限定することを意図しておらず、本開示の他の特徴及び利点は、図面を含む、以下の詳細な説明から明らかとなろう。本開示は、統合された文書として関連し、本明細書に記載される特徴の全ての組み合わせが、その特徴の組み合わせが本開示の同じ文章、または段落、または節内で一緒に見られない場合であっても企図されることを理解されるべきである。加えて、本開示は、さらなる一態様として、具体的に上記された種々の変形例よりもいずれかの様式で狭い範囲にある、本発明の全ての実施態様を含む。「a」または「an」を用いて記載または特許請求される本開示の態様に関して、これらの用語は、文脈上より制限された意味が明確に求められない限り、「1つ以上」を意味することを理解されたい。1つのセット内で1つ以上として記載された要素に関しては、該セット内にある全ての組み合わせが企図されることが、理解されるべきである。本開示の態様がある特徴「を含む(comprising)」ものとして記載される場合、その特徴「からなる(consisting of)」またはその特徴「から本質的になる(consisting essentially of)」実施形態もまた企図される。本開示のさらなる特徴、及び種々の変形例は、本明細書の全体から当業者に明らかであり、かかる全ての特徴は、本開示の態様として意図される。
ベースライン(外因性の鉄なし)、ならびに処置A(硫酸第一鉄、経口的に)、処置B(Shohl溶液、経口的に、その10分後に、硫酸第一鉄)、処置C(SFP、経口的に)、処置D(Shohl溶液、経口的に、その10分後に、SFP、経口的に)、処置E(Shohl溶液、経口的に、その直後に、SFP鉄、経口的に)、及び処置F(SFP、静脈内に(IV)、4時間にわたって)で処置した対象についての、平均絶対的総血清鉄濃度−時間プロファイルを示す。 ベースライン及び処置A〜Fで処置した対象についての、ベースライン−補正平均総血清鉄濃度−時間プロファイルを示す。 図3Aは、ベースライン−補正総鉄Cmaxの箱プロットを示し、図3Bは、処置A〜Fで処置した対象における、ベースライン−補正AUClastの箱プロットを示す。実線=中央値;箱=25%及び75%四分位値(四分位範囲[IQR]);ひげ=第1/第3 四分位値の1.5*IQR内にある最小値/最大値;ドット記号=ひげを超えての観察結果;*=平均 図3Aは、ベースライン−補正総鉄Cmaxの箱プロットを示し、図3Bは、処置A〜Fで処置した対象における、ベースライン−補正AUClastの箱プロットを示す。実線=中央値;箱=25%及び75%四分位値(四分位範囲[IQR]);ひげ=第1/第3 四分位値の1.5*IQR内にある最小値/最大値;ドット記号=ひげを超えての観察結果;*=平均 処置A〜Fで処置した対象における、鉄のバイオアベイラビリティの5及び95百分位数を用いた箱プロットを示す。実線=中央値、点線=平均 ベースライン及び処置A〜Fで処置した対象についての、血清ヘプシジンについての平均値を示す。
本開示は、SFPなどの鉄化合物及びシトレート化合物を含む併用療法に関する。当該併用療法は、貧血を伴う及び伴わない、鉄欠乏(絶対的及び機能的)及び鉄隔離症候群を効果的に治療し、IRIDA及び/または慢性炎症障害を伴う対象などの、貧血及び/または上昇したヘプシジンレベルを伴う鉄欠乏を有する対象での治療を含む。循環に進入すると、SFPは、初めにマクロファージによるプロセシングを必要とすることなく、トランスフェリンへ鉄を直接供給できる(Guptaら.J Am Soc Nephrol 2010;21:429A;Prattら.J Clin Pharmacol 2016;DOI:10.1002/jcph.819)。結果として、血流へ進入すると、SFPは、IRIDA、及び高いヘプシジン状態(例えば、高い血漿ヘプシジン濃度)を有する他の症状の根底に存在する、フェロポルチン鉄輸送のヘプシジン誘導の障害を迂回する手段を与える。シトレート、トリカルボン酸アニオンは、胃腸管内でカルシウムと共に複合体を形成でき、細胞内の密なジャンクションを開き、溶性複合体の傍細胞取り込みを可能とする(Lemmerら.Expert Opin Drug Deliv 2013;10:103−114;Nolanら.Kidney Int 1990;38:937−941;Fromentら.Kidney Int 1989;36:978−984;Martinez−Palomoら.J Cell Biol 1980;87:736−745;Coburnら.Am J Kidney Dis 1991;17:708−711;Drueke TB.Nephrol Dial Transplant 2002;17 Suppl 2:13−16)。[1][2][3]慢性腎疾患を伴う患者において高リン酸血症を制御するために最近日本で認可されたクエン酸第二鉄は、投与の12週間にわたって、トランスフェリン飽和度及び血清フェリチンを増大する(Gupta A.Pharmaceuticals 2014;7:990−998;Yokoyamaら.Clin J Am Soc Nephrol 2014;9:543−552)。SFPなどの鉄化合物と共にシトレート化合物を同時投与することは、該鉄化合物の単独投与の場合よりも大きな、血清鉄レベル、及び全血(循環)ヘモグロビン(Hgb)濃度における相乗的な増大をもたらす。例えば、シトレート化合物と共に同時投与される、SFPクラスに属する1つ以上の鉄塩は、単独投与されるSFPを含む鉄塩または該シトレート化合物と共に同時投与されるSFP以外の鉄化合物の場合よりも大きな、血清鉄レベル、及び全血Hgbにおける相乗的な増大をもたらす。
本明細書中で用いられる以下の定義は、当業者が本開示を理解する際に有用となるだろう。本明細中で別途定義しない限り、本開示にて用いられる科学的及び技術的用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。
用語「鉄欠乏」は、鉄貯蔵が欠失しており、かつ総体内鉄が減少している絶対的な鉄欠乏と、鉄貯蔵は存在しているが、貯蔵からの鉄の供給が不十分である機能的な鉄欠乏との両方を意味する。
用語「溶性ピロリン酸第二鉄」または「SFP」は、他の賦形剤と、ピロホスフェート及びシトレートへ複合体化した鉄との混合物を含む溶性組成物を意味する。例えば、SFPは、ピロリン酸クエン酸鉄及び硫酸ナトリウムの混合物であり得る。一態様において、SFPはFPCを意味し、任意選択により、以下の式:Fe(C(H(P)(相対的MW 1313ダルトン)及び/または構造式(I):を有する、シトレート及びピロホスフェートにキレート化した鉄を含む、混合リガンド鉄化合物を含む。
本開示に従うSFPの例は、米国特許第7,816,404号及び第8,178,709号及び米国仮特許第62/214,908号に記載されており、それらの全体は参照により本明細書に組み込まれる。
用語「キレート」は、金属カチオンを取り囲み、かつ静電結合によりそれに結合している金属カチオン及びアニオンを意味し、例えば、シトレート及びピロホスフェートアニオンの両方により取り囲まれ、かつ静電結合によりそれらに結合している第二鉄カチオンを意味する。
用語「シトレート化合物」は、生理学的pHにてシトレートアニオン(C 3−)を生じる、対象、例えば、ヒトなどの哺乳類への投与のために好適な化合物を意味する。本開示に従うシトレート化合物の例は、クエン酸、及びクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸アンモニウム、クエン酸第二鉄などのクエン酸塩、及び前述のもののうちのいずれかの組み合わせを含むが、これらに限定されない。シトレート化合物は、固形、半固形、または液体(例えば、Shohl溶液などの水溶液)であってよい。
用語「同時投与」及び「併用療法」は、両化合物が重複した時間にわたって生理学的効果を及ぼすことが可能な様式で、鉄化合物及びシトレート化合物が投与されることを意味する。鉄化合物及びシトレート化合物を含む併用療法において、両化合物は、同一の薬学的組成物(例えば、混合物)または別の組成物にて、同一または別の投与経路を介して、投与されてもよい。鉄化合物及びシトレート化合物は、両化合物が重複した時間にわたって生理学的効果を及ぼす限り、同時、すなわち、同時発生的、または別時間に、同時投与されてもよい。例えば、鉄化合物及びシトレート化合物は、両方とも、約1分間、約2分間、約3分間、約4分間、約5分間、約10分間、約15分間、約20分間、約25分間、約30分間、約1時間、約1.5時間、約2時間、約2.5時間、約3時間、約4時間、約5時間,またはそれ以上の時間にわたって対象へ投与されてもよい。該鉄化合物及びシトレート化合物が同時に投与されないならば、該鉄化合物またはシトレート化合物のいずれかが最初に投与されてもよい。初めに投与された化合物の生理学的効果が存在する間に、次の化合物が投与される限り、当該鉄化合物及びシトレート化合物は、同時投与され、本開示の教示に従う併用療法において用いられたと見なされる。
用語「鉄化合物」は、例えば、経口活性のある治療用化合物のように、対象への投与に好適な、鉄(例えば、第二鉄または第一鉄)を含む化合物を意味する。鉄化合物の例は、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、コハク酸第一鉄、クエン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、溶性ピロリン酸第二鉄、水酸化第二鉄、ピロリン酸クエン酸第二鉄、鉄ポリマルトース、アスコルビン酸鉄、第二鉄(トリ)マルトール、ヘム鉄ポリペプチド、鉄EDTA、鉄多糖複合体、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
用語「治療上有効量」及び「有効量」は、所望の生物学的効果、例えば、臨床効果に到達するのに効果的な、単一剤または併用療法の量を意味する。治療上有効量は、治療される疾患の性質、活性が望まれる時間の長さ、ならびに対象の年齢及び状態によって、様々である。一態様において、治療上有効量は、ベースラインと比較して、血清鉄レベル、及び/またはHgb濃度を増大するのに効果的な量である。
用語「相乗的な増大」は、鉄化合物及びシトレート化合物単独の治療効果の合計、または非SFP鉄化合物及びシトレート化合物を含む併用療法の治療効果と比較して、該鉄化合物及びシトレート化合物を含む併用療法の投与に由来する治療効果における改善を意味する。
本開示は、鉄化合物及びシトレート化合物を含む薬学的組成物、キット、治療方法、及び医学的使用を提供する。一態様において、当該鉄化合物は、ピロリン酸第二鉄及びクエン酸ナトリウムの混合物を含む。別の態様において、当該鉄化合物は、ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸ナトリウム、クエン酸第二鉄、及びクエン酸ナトリウムの混合物を含む。様々な態様において、当該鉄化合物は、7重量%〜11重量%の量の鉄、少なくとも14重量%(例えば、14重量%〜30重量%)の量のシトレート、及び少なくとも10重量%(例えば、10重量%〜20重量%)の量のピロホスフェートを含む。任意選択により、当該鉄化合物は、米国特許第7,816,404号及び第8,178,709号または米国仮特許出願第U.S.62/214,908号のいずれかに記載される鉄組成物を含む。例えば、一態様において、当該鉄化合物は、任意選択により本明細書に記載の式Fe(C(H(P)及び/または構造式(I)を有する、シトレート及びピロホスフェートにキレート化した鉄を含む混合リガンド鉄化合物を含むFPC組成物である、SFPである。
一態様において、当該シトレート化合物は、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸アンモニウム、クエン酸第二鉄、前述のもののうちのいずれかの組み合わせ、及びそれらの溶液からなる群から選択される。一態様において、当該シトレート化合物は、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを含む水溶液である。任意選択により、当該シトレート化合物は、クエン酸またはクエン酸ナトリウム、あるいはクエン酸及びクエン酸ナトリウムの両方を、約50g/L〜約200g/L、例えば、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約110g/L、約120g/L、約130g/L、約140g/L、約150g/L、約160g/L、約170g/L、約180g/L、約190g/L、または約200g/Lの濃度で含む。例えば、一態様において、当該シトレート化合物は、約130g/L〜約140g/Lのクエン酸及び約100g/Lの含水クエン酸ナトリウムを含む。一態様において、当該シトレート化合物は、シスチン尿症及び腎性細管性アシドーシスの幾つかの形態を有する小児の長期治療のために一般的に用いられているクエン酸ナトリウム及びクエン酸の緩衝液、Shohl溶液である。
本開示は、鉄化合物及びシトレート化合物を含む薬学的組成物を提供する。一態様において、当該薬学的組成物は、対象の体重1キログラムあたり約0.2mgの鉄〜約5mgの鉄、例えば、対象の体重1キログラムあたり、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、または約5mgの鉄化合物の投薬量を含む。任意選択により、当該薬学的組成物は、約5mgの鉄〜約500mgの鉄、例えば、約5mgの鉄、約10mgの鉄、約20mgの鉄、約30mgの鉄、約40mgの鉄、約50mgの鉄、約60mgの鉄、約70mgの鉄、約80mgの鉄、約90mgの鉄、約100mgの鉄、約150mgの鉄、約200mgの鉄、約250mgの鉄、約300mgの鉄、約350mgの鉄、約400mgの鉄、約450mgの鉄、または約500mgの鉄の量で鉄化合物を含む。任意選択により、当該薬学的組成物は、約110μg/Lまたは約2μMの鉄濃度を含む。別の態様において、当該薬学的組成物は、対象の体重1キログラムあたり約0.5mmol〜約5mmol、例えば、対象の体重1キログラムあたり約0.5mmol、約0.6mmol、約0.7mmol、約0.8mmol、約0.9mmol、約1mmol、約1.5mmol、約2mmol、約2.5mmol、約3mmol、約3.5mmol、約4mmol、約4.5mmol、または約5mmolのシトレート化合物の投薬量を含む。任意選択により、当該薬学的組成物は、約0.5mmol〜約100mmol、例えば、約0.5mmol、約1mmol、約2mmol、約3mmol、約4mmol、5mmol、約10mmol、約15mmol、約20mmol、約25mmol、約30mmol、約35mmol、約40mmol、約45mmol、約50mmol、約55mmol、約60mmol、約65mmol、約70mmol、約75mmol、約80mmol、約85mmol、約90mmol、約95mmol、または約100mmolの量のシトレート化合物を含む。
一態様において、当該薬学的組成物は、鉄化合物、シトレート化合物、ならびに、水、生理的食塩水、リン酸緩衝生理的食塩水、透析液、及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない薬学的に許容される担体を含む。緩衝剤、分散剤、及び防腐剤を含む他の賦形剤は当該分野において知られており、当該薬学的組成物に含まれてもよい。本開示の薬学的組成物中で使用されてもよい成分のさらなる例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、16thEd.(1980)及び20thEd.(2000)、Mack Publishing Company、Easton、Paに示されている。薬学的組成物は、錠剤、カプセル、液体、ロゼンジ、及びゲルを含むがこれらに限定されない、いずれかの好適な投薬形態であってもよい。一態様において、当該薬学的組成物は、経口投与用であり、錠剤、カプセル、ゲル、ロゼンジ、または液体の形態である。
本開示は、別の薬学的組成物中の鉄化合物及びシトレート化合物と、ならびに本明細書に記載された方法を用いて、例えば、IRIDAなどの貧血を伴うまたは伴わない鉄欠乏を有する対象へ治療上有効量の該鉄化合物及びシトレート化合物を同時投与するための説明書とを含むキットも提供する。一態様において、本開示のキットは、経口投与されるべき製剤中に鉄化合物及び/またはシトレート化合物を含む。一態様において、該キットは、固形形態で、例えば、経口または非経口投与用の水溶液へ中に含まれる鉄化合物が加えられることを可能とする、折られることで該添加が可能となるカプセルまたはアンプル中、穴をあけられるまたは剥がされることで該添加が可能となるブリスターパック中、あるいは開封されることで該添加が可能となるサシェ中に、鉄化合物を含む。任意選択により、鉄化合物は、水溶液へ直接加えられることが可能な、例えば、錠剤またはウエハなどの塊に成型されるか、あるいは水溶液中で溶解する分解性パッケージ内に貯蔵される。別の態様において、当該キットは、液体形態で、例えば、アンプル中に鉄化合物を含み、任意選択により、例えば水中、約5mg/mLの鉄〜約6mg/mLの鉄(例えば、5.44mg/mLの鉄)の濃度の鉄化合物を含む。別の態様において、キットは、任意選択により約640mg/5mLのクエン酸及び/または約490mg/5mLの含水クエン酸ナトリウムを含む、水溶液、例えば、Shohl溶液であるシトレート化合物を含む。
本開示は、治療上有効量の鉄化合物及びシトレート化合物を対象へ同時投与することを含む、それらを必要とする対象を治療するための治療方法及び医学的使用を提供する。一態様において、鉄欠乏(例えば、貧血)を治療する方法は、治療上有効量の鉄化合物及びシトレート化合物を、鉄欠乏の治療を必要とする対象に同時投与することを含む。別の態様において、本開示は、鉄欠乏(例えば、貧血)の治療に用いるための鉄化合物及びシトレート化合物を提供する。さらなる別の態様において、本開示は、鉄欠乏(例えば、貧血)を治療するための医薬の製造における鉄化合物及びシトレート化合物の使用を提供する。一態様において、当該鉄化合物及びシトレート化合物は、同時に、例えば、投与前に単一の組成物中に混合されて、投与される。別の態様において、当該シトレート化合物は、当該鉄化合物の前に投与される。さらなる別の態様において、当該鉄化合物は、当該シトレート化合物の前に投与される。併用療法において、当該鉄化合物及びシトレート化合物は、重複した時間中に、両化合物が生理学的効果を及ぼすことが可能な様式にて、投与される。一態様において、両化合物は、互いに30分以内に、例えば、約5分間〜15分間、例えば、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、11分間、12分間、13分間、14分間,または15分間の間隔で投与され、当該鉄化合物またはシトレート化合物のいずれかが初めに投与される。様々な態様において、当該鉄化合物及び/またはシトレート化合物は、1日あたり、1、2または3回、投与される。任意選択により、当該鉄化合物及び/またはシトレート化合物は、少なくとも食前1時間または食後2時間に投与される。任意選択により、当該鉄化合物及び/またはシトレート化合物は経口投与され、例えば、当該鉄化合物及びシトレート化合物の両方が経口投与されるか、または当該シトレート化合物が経口投与され、かつ当該鉄化合物が非経口的に、例えば、注射または注入により投与される。
単なる説明であるが、本開示の方法は、(1)対象の体重に基づいて約0.2mg/kg/日の鉄〜約20mg/kg/日の鉄またはそれ以上、例えば、約0.5mg/kg/日、約1mg/kg/日、約2mg/kg/日、約3mg/kg/日、約4mg/kg/日、約5mg/kg/日、約6mg/kg/日、約7mg/kg/日、約8mg/kg/日、約9mg/kg/日、約10mg/kg/日、約11mg/kg/日、約12mg/kg/日、約13mg/kg/日、約14mg/kg/日、約15mg/kg/日、約16mg/kg/日、約17mg/kg/日、約18mg/kg/日、約19mg/kg/日、または約20mg/kg/日の鉄の量の鉄化合物、及び(2)対象の体重に基づいて約0.5mmol/kg/日〜約15mmol/kg/日、またはそれ以上の量のシトレート化合物、を投与することを含む。幾つかの態様において、鉄化合物の1日投薬量は、約0.3mg/kg〜約3mg/kgの鉄、約1mg/kg〜約5mg/kgの鉄、約3mg/kg〜約5mg/kgの鉄、または約5mg/kg〜約10mg/kgの鉄の範囲である。関連する態様において、シトレート化合物の1日投薬量は、約1mmol/kg〜約5mmol/kg、約2mmol/kg〜約10mmol/kg、約0.5mmol/kg〜約3mmol/kg、または約1mmol/kg〜約10mmol/kgの範囲である。本開示の方法、組成物、及びキットにおいて用いるための前述の投薬量は、平均的な場合の例示であるが、より高いまたは低い投薬量に利益がある個々の場合もあり得、それらも本開示の範囲内にある。
一態様において、本開示の方法、及び医学的使用は、約50μg/dL〜約250μg/dL、例えば、約50μg/dL〜約150μg/dL、約50μg/dL〜約120μg/dL、約60μg/dL〜約175μg/dL、約100μg/dL〜約250μg/dL、または約100μg/dL〜約200μg/dLの血清鉄濃度に到達、及び/または、維持するのに有効な量で、鉄化合物及びシトレート化合物を、該濃度の血清鉄濃度に到達、及び/または、維持する必要がある対象に同時投与することを含む。幾つかの態様において、鉄化合物及びシトレート化合物は、少なくとも約50μg/dL以上、例えば、約60μg/dL以上、約70μg/dL以上、約80μg/dL以上、約90μg/dL以上、約100μg/dL以上、約110μg/dL以上、または約120μg/dL以上の血清鉄濃度に到達、及び/または、維持するのに有効な量で、同時投与される。別の態様において、当該方法は、当該併用療法で処置する前、または当該シトレート化合物を伴わない当該鉄化合物の投与と比較して、少なくとも約25μg/dL、例えば、少なくとも約50μg/dL 少なくとも約75μg/dL、または少なくとも約100μg/dLだけ血清鉄を増大するのに有効な量で、鉄化合物及びシトレート化合物を同時投与することを含む。
本開示は、Hgbレベルを維持または増大するのに有効な量で、鉄化合物及びシトレート化合物を、Hgbレベルの維持または増大を必要とする対象に同時投与する方法も提供する。例えば、鉄化合物及びシトレート化合物は、対象の細胞を十分に酸素化するか、または対象の細胞の酸素化に改善を与えるように十分高くなるまでHgbレベルを増大するのに有効な量で、同時投与される。好ましくは、同時投与される鉄化合物及びシトレート化合物の用量は、約9g/dL〜10g/dLまたはそれ以上のレベルに、対象のHgbレベルを増大または維持し、それにより、輸血の必要性を軽減し、疲労を軽減し、身体的及び認知的機能を改善し、循環器系機能を改善し、運動耐性を改善し、及び生活の質を改善する。様々な態様において、鉄化合物及びシトレート化合物は、9g/dL〜10g/dLの範囲の標的レベル、9g/dL〜12g/dLの範囲の標的レベル、10g/dL〜12g/dLの範囲の標的レベル、9g/dL〜14g/dLの範囲の標的レベル、10g/dL〜14g/dLの範囲の標的レベル、または12g/dL〜14g/dLの範囲の標的レベルにHgbレベルを増大させるか、またはHgbレベルを維持するのに有効な量で同時投与される。加えて、本開示は、少なくとも約9g/dLの、少なくとも約10g/の、少なくとも約11g/dLの、少なくとも約12g/dLの、少なくとも約13g/dLの、または少なくとも約14g/dLの標的レベルにHgbを増大するか、またはHgbを維持するのに有効な量で、鉄化合物及びシトレート化合物の単一用量を同時投与する方法を提供する。本開示は、処置前と比較して少なくとも約0.1g/dL、例えば、少なくとも約0.1g/dL、少なくとも約0.2g/dL、少なくとも約0.3g/dL、少なくとも約0.4g/dL、少なくとも約0.5g/dL、少なくとも約0.6g/dL、少なくとも約0.7g/dL、少なくとも約0.8g/dL、少なくとも約0.9g/dL、少なくとも約1.0、少なくとも約1.1g/dL、少なくとも約1.2g/dL、少なくとも約1.3g/dL、少なくとも約1.4g/dL,または少なくとも約1.5g/dLだけ、Hgb濃度を増大する方法も提供する。
本開示は、(i)血清鉄、トランスフェリン飽和度、網状赤血球Hgb、血清フェリチン、網状赤血球数、及び全血Hgbからなる群から選択される鉄状態のマーカーの少なくとも1つを増大させる、及び(ii)標的ヘモグロビンレベルに到達または維持するための赤血球形成刺激剤(ESA)投与の必要性、あるいは、全血、濃厚赤血球細胞または血液代用剤の輸血の必要性を減少または排除する、治療上有効用量で、鉄化合物及びシトレート化合物が同時投与される、前述した方法または使用も提供する。加えて、対象において実施される前述した方法または使用のいずれかは、対象において、疲労を軽減し、身体的及び認知的能力を増大させ、または運動耐性を改善し得る。本開示の方法及び使用は、血清鉄、Hgb濃度、及び/または鉄状態の別のマーカーを増大させるために、また、長期間にわたって、例えば、少なくとも1ケ月、少なくとも2ケ月、少なくとも3ケ月、少なくとも4ケ月、少なくとも5ケ月、少なくとも6ケ月、またはそれ以上の間、増大したレベルを維持するために、用いられ得る。
一態様において、本開示の方法及び医学的使用は、シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の当該鉄化合物と比較して、少なくとも1つの血清鉄薬物動態パラメーターを改善するのに有効な量で、鉄化合物及びシトレート化合物を、該パラメーターの改善を必要とする対象に同時投与することを含む。一態様において、対象への鉄化合物及びシトレート化合物の同時投与は、当該シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の当該鉄化合物のCmaxと比較して、投与間隔中の最大血清鉄濃度(Cmax)を増大させる。様々な態様において、鉄化合物及びシトレート化合物は、シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の当該鉄化合物のCmaxと比較して、少なくとも10μg/dL、少なくとも20μg/dL、少なくとも30μg/dL、少なくとも40μg/dL、少なくとも50μg/dL、少なくとも60μg/dL、少なくとも70μg/dL、少なくとも80μg/dL、少なくとも90μg/dL、または少なくとも100μg/dLだけ、及び/または、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%だけ、Cmaxを増大させるのに有効な量で同時投与される。別の態様において、対象への鉄化合物及びシトレート化合物の同時投与は、当該シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の当該鉄化合物のバイオアベイラビリティと比較して、当該鉄のバイオアベイラビリティを増大させる。様々な態様において、鉄化合物及びシトレート化合物は、当該シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の当該鉄化合物のバイオアベイラビリティと比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%だけバイオアベイラビリティを増大させるのに有効な量で同時投与される。さらなる別の態様において、対象への鉄化合物及びシトレート化合物の同時投与は、当該シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の当該鉄化合物から吸収される鉄の量と比較して、当該鉄化合物から吸収される鉄の量を増大させる。様々な態様において、鉄化合物及びシトレート化合物は、当該シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の当該鉄化合物から吸収される鉄の量と比較して、少なくとも0.5mg、少なくとも1mg、少なくとも1.5mg、少なくとも2mg、少なくとも2.5mg、少なくとも3mg、少なくとも3.5mg、少なくとも4mg、少なくとも4.5mg,または少なくとも5mg、及び/または少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、または少なくとも200%だけ、吸収される鉄の量を増大させるのに有効な量で、同時投与される。
本開示の方法、医学的使用、薬学的組成物、及びキットは、治療を必要とする対象を治療するために用いられる。好適な対象は、貧血を伴うまたは伴わない鉄欠乏または鉄隔離症候群(複数可)を患っている対象を含む、鉄補充から利益を受け得る対象である。本開示の薬学的製剤、キット、及び方法を用いて治療されてもよい貧血の例は、IRIDAを含む鉄欠乏性貧血、慢性疾患の貧血、慢性炎症の貧血、腎性貧血、癌に関連した貧血、化学療法に関連した貧血、ESAの産生障害に起因する貧血、炎症の貧血、炎症性腸疾患を伴う患者における貧血、鬱血性心不全を伴う患者における貧血、B型肝炎またはC型肝炎、結核、HIVなどの慢性感染における貧血、ループス及び関節リウマチなどのリウマチ性疾患を伴う患者における貧血、小球性貧血及び/または低色素性貧血を含むが、これらに限定されない。好適な対象は、IRIDA、炎症症状、慢性腎疾患、自己免疫疾患、慢性感染、リウマチ疾患、炎症性腸疾患、慢性疾患、及び癌などの症状に起因する、上昇した血清及び/または尿ヘプシジンレベル(例えば、10ng/mLより高い血清/尿ヘプシジン、または患者の鉄状態を考慮すると不適切に高いヘプシジンレベル)を示す対象を含む。
本開示は、説明のために示され、かつ限定的であることを意図していない、以下の実施例を参照することにより、容易に理解されよう。
以下の実施例は、シトレート化合物と共に同時投与された鉄化合物が安全であり、かつIRIDAの治療のために有効であることを実証する臨床試験を記載する。
実施例1
健常成人男性及び女性ボランティアにおいて、シトレート化合物(ORACIT Shohl溶液、CMC Pharma、Farmville、NC)を伴う及び伴わない、硫酸第一鉄(FER−IN−SOL、Mead Johnson、Glenview、IL)またはSFP(TRIFERIC、Rockwell Medical、Inc.)に由来する鉄の安全性、薬物動態、及び絶対的バイオアベイラビリティを評価するために、第1相、非盲検、無作為化割り付け、単一用量試験が実施された。スクリーニング時に≦35kg/mの肥満度指数(BMI)を有した人を含む、18〜65歳の年齢層の合計14人の健常成人男性及び女性対象が、当該試験に登録された。対象は、スクリーニング時に、ヘモグロビン(男性、≧13g/dL;女性、≧12g/dL)、平均血球体積、網状赤血球数、及び血清フェリチン(男性、23〜336ng/mL;女性、11〜306ng/mL);TSAT≧20%;及び血清TIBC濃度≧250g/dLについて、各性別についての基準範囲内の値を有することが必要とされた。対象は、ベースライン前の14日間、全ての鉄調製物の使用を中止することに合意した。
当該試験は、各対象につき最高6週間の合計参加期間について、スクリーニング期(−28〜−1日目)、ベースライン期(1日目)、処置期(2〜12日目)、及びフォローアップ期(13日目)を含んだ。適格とされた対象が、翌朝(1日目)に当該試験に登録されて、鉄(ベースライン、外因性の鉄なし)の日内変動を測定するために、24時間(0、1、2、4、6、8、12、16及び24時間にて)にわたる連続的な薬物動態血液採取を受けた。当該試験デザインの概要を表1に示す。
対象は、入院時(−1日目)から、最終試験処置の投与後の朝(13日目)まで、臨床試験施設(CRU)に拘束された。対象は、CRUに拘束されている間、低鉄分の食事を与えられた。対象は、ベースライン評価(1日目)前の夕方、2、4、6、8、10、及び12日目の試験処置の投与前の夕方、及びCRUから解放される朝(13日目)における最終血液試料の収集前の夕方に、一晩絶食(真夜中〜午前8時までは水以外は経口により摂取しない)する必要があった。対象は、13日目の朝に全ての試験評価が完了した後、CRUから、また当該試験から解放された。対象は、2、4、6、8及び10日目に、無作為化順序にて、5種の経口鉄処置を受けた。処置A:FER−IN−SOL、3mg鉄/kg、経口的に;処置B:Shohl溶液、0.7mL/kg、経口的に、その10分後に、FER−IN−SOL、3mg鉄/kg、経口的に;処置C:TRIFERIC、3mg鉄/kg、経口的に;処置D:Shohl溶液、0.7mL/kg、経口的に、その10分後に、TRIFERIC、3mg鉄/kg、経口的に;処置E:Shohl溶液、0.7mL/kg、経口的に、その直後に、TRIFERIC、3mg鉄/kg、経口的に;及び処置F:TRIFERIC、6.6mg鉄、4時間にわたる連続的IV注入による。TRIFERICは、注射用に、水中5.44mg/mLの鉄を含む無菌5mLアンプル中にて供給された(ストック溶液)。各アンプルは、27.2mg/5mLのTRIFERIC鉄を含んだ。ORACITは、640mg/5mLのクエン酸及び490mg/mLのクエン酸ナトリウムとして供給された。FER−IN−SOLは、15mg鉄/5mLを含む液体調製物として供給された。
薬物動態分析
鉄パラメーターの薬物動態測定のための血液試料は、各投与日について、投与直前(0時間)及び投与後1、2、4、6、8、12、16及び24時間にて、直ちに採取された。各対象の鉄貯蔵は、当該試験処置の各々の投与前(すなわち、0時間にて)の、血清溶性トランスフェリン受容体(sTfR)及びフェリチン濃度を用いて、推定された。主な薬物動態エンドポイントは、血清中の最大薬剤濃度(Cmax)、最大薬剤濃度到達時間(Tmax)、最終定量濃度時間(Tlast)、時間ゼロから最終定量濃度時間までの血清濃度−時間曲線下面積(AUClast)、時間ゼロから試験薬剤の注入終了までの血清濃度−時間曲線下面積(AUC0−end)、時間ゼロから推定無限大時間までの血清濃度−時間曲線下面積(AUCinf)、終末期速度定数(λz)、終末期半減期(t1/2)、全身クリアランス(CL)、及び経口クリアランス(CL/F)についての、平均絶対的及びベースライン−補正値であった。分析のための薬物動態集団は、少なくとも単一用量の試験薬剤を投与され、かつ薬物動態評価に含まれるために十分な薬物動態試料を有した全ての登録済み対象を含んだ。第2の薬物動態エンドポイントは、単一IV用量のTRIFERIC鉄のCmax及びAUClastとの比較により評価されるような、各試験処置から吸収される鉄の絶対量と、各試験処置にて投与された鉄の量を、投与されたTRIFERIC鉄の量と比較することにより評価されるような、各試験処置からの鉄のバイオアベイラビリティと、投与後8及び24時間での、血清フェリチン濃度及びTSATにおける試験処置の効果と、ならびに、血清ヘプシジン濃度における試験処置の効果、とであった。
sFeについての血清濃度ならびに絶対的及びベースライン−補正薬物動態パラメーターは、各試験処置について、PHOENIX WINNONLIN version6.3の非コンパートメント法を用いて(Pharsight Corporation、St.Louis、Missouri、USA)、血清濃度−時間プロファイルから得られた。sFeの血清濃度及びsFeの薬物動態パラメーター(Tmax及びTlastを除く)について、統計の概要(算術平均、パーセンテージとして示される変動係数[CV%]、算術平均のSD、最小中央値、最小値、最大値、幾何平均、及び幾何平均のCV%)が示された。Tmax及びTlastについて、中央値、最小値、及び最大値が示された。バイオ分析アッセイの定量限界下(BLQ)のsFe濃度を有した薬物動態試料が多数あったため、臨床検査データを用いる探査分析も実施された。
ベースラインsFeプロファイル(1日目、外因性の鉄なし)は、内因性鉄濃度の明確な周期性パターンを示し、試験開始(午前8時)後およそ1時間でピーク平均濃度が観察され、その後、12時間目で最低平均濃度まで減少し(77.7μg/dL)、次いで、24時間目に平均濃度に増大した(146μg/dL)(図1)。6.6mgのTRIFERIC鉄の4時間注入後の(処置F)平均絶対的sFe濃度は、注入後にピークとなり、また、16時間目試料まで、ベースライン(1日目)プロファイルより高いままであった。平均絶対的sFe濃度は、Fer−In−Sol鉄経口溶液単独(処置A)及びShohl溶液を伴うFER−IN−SOL鉄経口溶液(処置B)の投与後1〜2時間でピークとなった。経口TRIFERIC鉄単独(処置C)は、ベースラインと同様の血清鉄濃度を示した。Shohl溶液を伴う経口TRIFERIC鉄(処置D及びE)は、TRIFERIC単独(処置C)よりも大きな、血清鉄における増大を示した。
ベースライン−補正平均sFe濃度は、全6種の試験処置について、時間を整合させたベースライン(1日目)値に対して増大した(図2)。ベースライン鉄プロファイルに由来する投与前、及び24時間目の試料は、一般的に、外因性鉄投与の後の、投与前、及び24時間目値より高かった。このため、全ての処置について、十分に補正された時間を整合させた血清鉄値を得ることが困難となった。故に、クリアランスパラメーターλ及びλ−依存性パラメーターの算出は、少数の対象の鉄プロファイルについてのみ可能となった。ベースライン−補正平均sFe濃度は、TRIFERIC鉄の4時間IV注入(処置F)の終わりにピークとなり、かつ16時間目の試料まで、ベースラインプロファイルより高いままであった。ベースライン−補正平均sFe濃度は、経口FER−IN−SOL鉄処置の投与(処置A及びB)後4時間にて、及び経口TRIFERIC鉄処置の投与(処置C〜E)後6〜8時間にて、ピークとなった。経口鉄処置の各々について、16時間前後で、濃度はベースラインに戻った。
該臨床検査から得られたsFe濃度を用いる、探査分析から得られたsFe濃度−時間プロファイルは、該バイオ分析アッセイから得られたデータを用いたものと、同様であった。該臨床検査により測定された濃度と、該バイオ分析試験により測定された濃度との間には、高い相関性(R≧0.9)が観察された。該臨床検査により、BLQ値は全く報告されなかった。対照的に、該バイオ分析アッセイについては、より低い定量限界(LLQ)が50μg/dLであったため、該バイオ分析試験により、52のBLQ値が報告された。対照的に、臨床検査(自動分析器)についてのLLQは5μg/dLであった。
絶対的な総血清鉄薬物動態パラメーターを表2に要約する。
sFeについての中央絶対的Tmax値は、FER−IN−SOL鉄経口溶液単独投与後2.0時間(範囲、1.0〜4.0時間)(処置A)、Shohl溶液を伴うFER−IN−SOL鉄経口溶液の投与後1.0時間(範囲、1.0〜4.0時間)(処置B)、経口TRIFERIC鉄単独投与後2.0時間(範囲、1.0〜24.0時間)(処置C)、Shohl溶液の10分後の経口TRIFERIC鉄投与後1.5時間(範囲、1.0〜4.0時間)(処置D)、及びShohl溶液の直後の経口TRIFERIC鉄の投与後1.0時間(範囲、1.0〜6.0時間)(処置E)であった。sFeについての中央絶対的Tmax値は、TRIFERIC鉄のIV投与後4.05時間(範囲、4.05〜4.08時間)であった。
ベースライン−補正総血清鉄薬物動態パラメーターを表3に要約する。
sFeのCmax及びAUClastについてのベースライン−補正値は、鉄処置間の吸収、及び暴露の関係性を示し、これらは、臨床検査データに基づくsFeのCmax及びAUClastについての絶対的及びベースライン−補正値と同様に、絶対値に基づくものと一致した。主にベースライン鉄状態における差異に起因して、血清鉄パラメーターにおける可変性が、全対象間及び処置内で、観察された。FER−IN−SOL処置(処置A及びB)については、最低ベースラインヘプシジン及びフェリチン濃度を有する対象において、最高Cmax及びAUClast値が観察された。
該臨床検査アッセイを用いるベースライン−補正sFeは、より少ないBLQ値のために(図3A及び3B)、Cmax及びAUClastのより信頼できる概算を与えた。TRIFERIC鉄単独の投与(処置C)は、最低の鉄吸収を示した。Shohl溶液とTRIFERIC鉄との同時投与(処置D及びE)は、TRIFERIC鉄単独(処置C)と比較して、Cmax及びAUClast値における全体的増大を示した。静脈内TRIFERIC鉄(処置F、参照処置)は、FER−IN−SOL単独(処置A)のものと同様の範囲のCmax及びAUClast値も示した。
6.6mgのTRIFERIC鉄のIV投与についてのベースライン−補正AUClast値を用いて、Shohl溶液を伴う及び伴わない経口投与後のFER−IN−SOL及びTRIFERICからの鉄の吸収を概算した。ベースラインsFeにおける可変性のために、基底鉄の完全補正は、多くのBLQ値をもたらした。鉄吸収の最善の概算は、sFeの臨床検査測定に基づいたものであり、これは最も少ないBLQ値をもたらした。鉄吸収は、対象間及び対象内で可変的であった。一般的に、第一鉄(FER−IN−SOL)の吸収は、Shohl溶液を伴う及び伴わない両方において、最も高い鉄吸収量をもたらした(図4)。経口投与されたTRIFERIC鉄は、第二鉄製品について予期されるように、非常に少ない吸収を示した。しかし、Shohl溶液とTRIFERIC鉄との同時投与は、経口TRIFERIC鉄単独と比較して、鉄吸収における増大をもたらした。理論に束縛されることを意図しないが、吸収における増大は、シトレートによる胃腸(GI)カルシウムの複合体化により開かれた細胞外経路を介して、TRIFERIC(SFP)のような分子への浸透性を増大させているようだ。一旦、血液中へ入ると、SFPは、鉄要求性細胞への送達のためにトランスフェリンへ鉄を供給可能である。
対象のベースラインプロファイルに由来する投与前、及び24時間試料は、対象が外因性鉄投与を受けた後のプロファイルに由来する投与前、及び24時間試料よりも、一般的に高かった。完全に時間を整合させたベースライン試料を収集する試みにもかかわらず、λz及びλz−依存性パラメーターの算出は、プロファイルの少数においてのみ可能であった。AUC0−tから算出されるような、バイオアベイラビリティ及び吸収された鉄推定量の概算の両方は、λzに依存しており、該結果は、表2及び3において、欠失しているか、または「NC」(算出せず)と示されている。投与用量を算出するために平均体重を70kgと想定する、バイオアベイラビリティ(F)と、ならびに、ベースライン−補正Cmaxから算出されるような、処置に由来する吸収された鉄推定量(Abs)とを、表4に要約する。
8時間目での血清ヘプシジンについての平均値は、FER−IN−SOL鉄経口溶液単独の投与後に最も高く(処置A)、ならびに、経口TRIFERIC鉄単独投与後に最も低かった(処置C)(図5)。8時間目での血清ヘプシジンについての平均値は、8時間目でのベースラインプロファイルにおけるものよりも、経口TRIFERIC鉄処置の各々の投与後により低く(処置C、D、及びE)、ならびに、TRIFERIC鉄のIV投与後により低かった(処置F)。対照的に、8時間目での血清ヘプシジンについての平均値は、8時間目でのベースラインプロファイルにおけるものよりも、FER−IN−SOL鉄経口溶液処置の両方の投与後により高かった(処置A及びB)。血清ヘプシジンについての平均値は、6種の鉄処置の各々の投与後24時間までにベースラインへ戻った。平均及び中央値は、8時間目でのベースラインプロファイル、及び鉄処置の各々の投与後において、血清ヘプシジンについての正常限界内(男性について<0.5〜14.7nm、及び閉経前女性について<5 12.3nm)であった。血清ヘプシジンについての正常限界の上限を超える値は、対象1人においてのみ3回、鉄処置の投与後8時間目に、観察された(FER−IN−SOL鉄経口溶液単独の投与後、Shohl溶液を伴うFer−In−Sol鉄経口溶液の投与後、及びShohl溶液の10分後の経口TRIFERIC鉄の投与後)。値は、投与後24時間にて男性について十分に正常限界内であった。
安全性試験
安全性は、有害事象の性質、頻度、及び重篤度の評価を通して、ならびに、バイタルサイン及び臨床検査試験(血液学、血清化学、及び尿分析)の評価を通して、評価された。分析のための安全性集団は、試験毎の告知に基づく同意書に署名をし、かつ少なくとも単一用量の試験薬剤を受けた全対象を含んだ。
1日目の0時間目(約午前8時)及び1、2、4、6、8、12、16及び24時間後にて(ベースライン、外因性の鉄なし)、ならびに2、4、6、8、10及び12日目の投与直前(0時間)、及び1、2、4、6、8、12、16及び24時間投与後にて、安全性血清鉄プロファイル、(血清鉄[sFe]、フェリチン、トランスフェリン飽和度[TSAT]、及び総鉄−結合能[TIBC])についての血液試料が得られた。血清ヘプシジン濃度の測定のための血液試料は、1、2、4、6、8、10及び12日目の0時間目及び8及び24時間目にて得られた。
経口TRIFERIC鉄(3mg鉄/kg)及びFER−IN−SOL鉄経口溶液(3mg鉄/kg)の単一用量は、Shohl溶液を伴う及び伴わずに投与された場合に、十分に忍容性があった。胃腸関連有害事象は、全5種の経口試験処置にわたって一般的に報告されている有害事象であった。GI関連有害事象の発生率は、経口TRIFERIC鉄単独投与後(7.1%、14のうち1)よりも、FER−IN−SOL鉄経口溶液単独(50.0%、14のうち7)の投与後に大きかった。経口TRIFERIC鉄単独投与と比較された場合に、Shohl溶液と経口TRIFERIC鉄との同時投与は、GI関連有害事象の発生率における増大に関連した。少なくとも1つのGI関連有害事象が、経口TRIFERIC鉄がShohl溶液の10分後に投与された場合に対象の42.9%(14のうち6)に、及び経口TRIFERIC鉄がShohl溶液の直後に投与された場合に対象の35.7%(14のうち5)に、報告され、一方、1つのGI関連有害事象(悪心)は、経口TRIFERIC鉄単独の投与後の対象の7.1%(14のうち1)に、報告された。
Shohl溶液と経口TRIFERIC鉄との同時投与後に報告されたGI関連事象は、経口鉄製品の投与後に一般的に報告されているものであった(例えば、腹部不快感、腹部膨張、腹部痛、排便緊急性、下痢、鼓腸、悪心)。個々のGI関連事象のいずれかの発生率において、Shohl溶液に対する経口TRIFERIC鉄の投与時間(すなわち、Shohl溶液の10分間後、またはShohl溶液の直後)に基づいて、臨床上有意な差異は、全く観察されなかった。GI関連事象の全ては、重篤度において、穏やかまたは中程度であった。GI関連事象のいずれもが重篤ではなく、かつ、いずれかの対象も試験からの早期中止に至ることはなかった。FER−IN−SOL鉄経口溶液が単独投与された場合よりも(50.0%、14のうち7)、経口TRIFERIC鉄が、Shohl溶液の10分後(42.9%、14のうち6)または直後(35.7%、14のうち5)に投与された場合に、より少ない対象がGI関連事象を経験した。最も明白には、FER−IN−SOL鉄経口溶液が単独投与された場合よりも(42.9%、14のうち6)、Shohl溶液の10分後(21.4%、14のうち3)またはShohl溶液の直後(14.3%、14のうち2)に経口TRIFERIC鉄が投与された場合に、悪心が、より少ない頻度で報告された。Shohl溶液の投与の10分後(42.9%、14のうち6)または直後(35.7%、14のうち5)のいずれかである、Shohl溶液と経口TRIFERIC鉄との同時投与後の,少なくとも1つのGI関連有害事象の発生率は、Shohl溶液とFER−IN−SOL鉄経口溶液との同時投与後(35.7%、14のうち5)のものと同等であった。Shohl溶液と経口TRIFERIC鉄との同時投与後の個々のGI関連事象(例えば、下痢、鼓腸、悪心)は、Shohl溶液とFER−IN−SOL鉄溶液との同時投与後のものと同等である発生率で報告された。重篤な有害事象は全く報告されず、また、鉄処置のいずれかの投与後に有害事象による中止はなかった。
Shohl溶液を伴う及び伴わない経口TRIFERIC鉄の鉄安全性プロファイルは、鉄補充製品の投与と、及びFER−IN−SOL(Shohl溶液を伴う及び伴わない)及びIVTRIFERIC鉄の鉄安全性プロファイルとに、一貫した。Shohl溶液を伴わない経口TRIFERIC鉄投与後、及びShohl溶液の投与の10分後または直後の経口TRIFERIC鉄の投与後に、sFe及びTSATにおけるベースラインからの増大が、観察され、Shohl溶液を伴わない経口TRIFERIC鉄の投与後よりも、Shohl溶液を伴う経口TRIFERIC鉄の投与後に、より高いsFe濃度を伴った。Shohl溶液を伴うまたは伴わない経口TRIFERIC鉄の投与後のsFeの濃度は、Shohl溶液を伴わないFERIN−SOL鉄経口溶液の投与後よりも低かった。血清フェリチン及びTIBC濃度は、Shohl溶液を伴わないまたは伴う経口TRIFERIC鉄の投与後に、ベースラインから相対的に変化しないままであった。Shohl溶液を伴わないまたは伴う経口TRIFERIC鉄の投与後、TSAT値のいずれもが100%を超えなかった。収縮期または拡張期血圧、心拍数、または安全性試験測定について、いずれの試験処置からも有害事象は全く観察されなかった。
概要
本試験の結果は、Shohl溶液を伴うTRIFERICの投与が、潜在的に細胞外経路による、鉄吸収を増大させることを実証した。Shohl溶液は、TRIFERIC鉄の10分前の投与された場合(処置D)、または連続的に投与された場合(処置E)に、TRIFERIC鉄の投与後に、鉄吸収において有意な増大をもたらした。TRIFERIC3mg鉄/kgが経口的に単独投与された場合(処置C)、実質的に全く鉄吸収はなかった。Shohl溶液及びTRIFERIC鉄に由来する鉄の概算量は、0.8mgの鉄〜11.1mgの鉄の範囲であり、処置Dについては4.6mgの鉄、及び処置Eについては5.5mgの鉄の平均を伴った。ベースライン(1日目)血清鉄濃度は、対象間で可変的であり、かつ、ベースラインヘプシジン濃度の範囲により証明されるように、CRUへ入院する前の体内鉄状態における差異を反映していてもよい。TRIFERIC6.6mgのIV注入後の総血清鉄(処置F)は、増大を示し、注入開始後約4時間にてピーク濃度に達し、及び16時間目までにベースライン濃度に戻った。3mgの鉄/kgのFER−IN−SOLの投与は、Shohl溶液を伴う、3mg鉄/kgFER−IN−SOL(処置B)よりも高い鉄暴露(処置A)をもたらした。血清鉄パラメーターは、バイオ分析試験及び臨床検査測定の間で同様であり、sFeの臨床検査測定により得られたBLQ値は、より少なかった。Shohl溶液との同時投与を伴わない及び伴うTRIFERIC鉄は、一般的に十分に忍容性であった。有害事象は、一般的に穏やか〜中程度であり、主にGI系で発症し、投与後急速に軽減し、及びShohl溶液と共に投与されたFER−IN−SOLと頻度が同様であった。
当該臨床試験は、シトレート化合物とSFPとの同時投与が、SFPの傍細胞吸収と、及びその後の、赤血球系骨髄及び他の細胞により利用されるためのトランスフェリンへの鉄の供給とをもたらすという証拠を提供した。本試験からの薬物動態及び安全性結果は、シトレート化合物と同時投与されたSFPが、IRIDA及び慢性炎症の貧血を伴う患者などの、ヘプシジンの構成的増大を伴う患者における貧血を改善するのに十分な鉄を提供可能である、ということを支持した。シトレート化合物の同時投与を伴わない場合、SFPは、最低量しか吸収されなかったが、該シトレート化合物を伴った場合、平均SFP鉄吸収は、約4mg、すなわち、成人男性の1日鉄必要量(約1mg/日)の約4倍であった。IRIDAまたは慢性炎症の貧血を伴う患者のために、この規模の傍細胞鉄吸収は、ヘモグロビン濃度を正常または正常付近レベルまで上昇させ、貧血を補正するのに十分であるべきである。
実施例2
IRIDAを有する患者へ経口投与された、SFP(TRIFERIC、Rockwell Medical、Inc.)及びシトレート化合物(ORACIT Shohl溶液、CMC Pharma、Farmville、NC)の安全性、効能、及び薬物動態を評価する、第2相、非盲検、3期試験が実施される。4つの年齢群(年齢0〜<6歳、年齢6〜<12歳、年齢12〜<18歳、及び年齢≧18歳)により階級化された合計28人の患者が試験される。当該試験デザインスキームを表5に示す。
患者が、(1)先天的な低色素性小球性貧血の病歴、(2)スクリーニング時に平均血球体積(MCV)≦75fL;(3)スクリーニング時に血清トランスフェリン飽和度≦15%、(4)経口鉄療法、及び静脈内鉄投与への応答が皆無または不十分である病歴、(5)鉄欠乏性貧血において見出される範囲について、上昇したヘプシジン濃度の病歴、(6)TMPRSS6におけるホモ接合性または複合型ヘテロ接合性病原性変異についての、CLIA公認試験に由来する書類、(7)スクリーニング時に対象疾患状態についての適切な試験値(試験者判断による)、及び(8)当該試験への参加が不能になりうるような、スクリーニング時の身体検査にて有意な異常所見がないこと(試験者判断による)、を有する場合にのみ、患者は登録される。来院2の2週間前から、フォローアップ/早期終了来院の後に全血液試料が収集されるまで、鉄を含む経口マルチビタミンを含む、経口及びIV鉄製品が、禁止される。輸血は、来院2の3ケ月前から、禁止される。試験1日目から、対象の当該シトレート化合物の最終投与日まで、アルミニウムを含む化合物(例えば、MAALOX、ALTERNAGEL、ALU−CAP、DIALUME、AMPHOJEL、ALU−TAB、ALOH−GELなど)は、禁止される。
硫酸第一鉄(FER−IN−SOL、Mead Johnson、Glenview、IL)は、15mgのFe/mLを含む50mLのボトルとして供給され、来院2及び3にて3mgFe/kgの用量で投与される。来院3にて、該用量は、該シトレート化合物の投与の5分〜15分後に与えられる。該シトレート化合物は、クエン酸USP640mg/5mL及び含水クエン酸ナトリウムUSP490mg/5mLを含む、500mLのボトルとして供給される。他の商業的に入手できる、Shohl溶液または他のシトレート化合物の調製物が用いられてもよい。来院3〜4にて、Shohl溶液が0.67mmol/kgにて投与される。SFPは、水中5.44mg/mLの鉄を含む無菌5mLアンプルとして供給される。各5mLアンプルは、27.2mgのSFP鉄を収容する。SFPは、来院4にて、該シトレート化合物の投与の5分〜15分後に、3mgFe/kgの用量にて投与される。来院5、7、9、10及び11の各々において、少なくとも60日間の用量を提供するのに十分な量のSFP及びシトレート化合物が、患者に分配される。試験来院日において、患者は、試験来院後まで、自身のSFP及びシトレート化合物を服用しない。患者は、来院12後に、SFP及び該シトレート化合物の服用を中止する。
血液試料は、CBC、網状赤血球数、網状赤血球Hgb濃度(CHr)、血清鉄プロファイル、(血清鉄、フェリチン、トランスフェリンTSAT、TIBC、及びUIBC)、他の血清鉄パラメーター(TBI、NTBI、及びLPI)、及び溶性トランスフェリン受容体(sTfR)及びヘプシジン濃度における変化を分析するために、様々な時間で採取される。患者は、試験の間、有害事象、臨床検査パラメーター、及びバイタルサインを含む、安全性パラメーターについてもモニターされる。
第1期(来院2〜4、1〜3週)において、患者は、3回の来院の間に、経口鉄吸収試験を受け、当該シトレート化合物と共にSFPが投与される場合に、SFPから十分に鉄を吸収することを、確認される。患者は、第1期の間、以下のように投与される。来院2にて、経口FeSO、3mgFe/kg体重;来院3にて、経口シトレート化合物、0.67mmol/kg体重、次いで、5分〜15分後、経口的にFeSO、3mgFe/kg体重;及び、来院4にて、経口シトレート化合物、0.67mmol/kg体重、次いで、5分〜15分後、経口SFP、3mgFe/kg体重。来院2〜4の各々において、血清鉄パラメーター(血清鉄、TSAT、TBI、NTBI、及びLPI)についての血液試料は、経口鉄投与の前30分以内、及び経口鉄投与後1時間、2時間、及び4時間にて、収集される。来院4の後、患者の来院4、血清鉄Cmaxを、来院4、時間0の血清鉄濃度と比較する。来院4、血清鉄Cmaxが来院4、時間0の血清鉄濃度よりも≧100g/dL高いならば、該患者は「SFP応答者」と選定され、かつ第2期へ進む。そうでなければ、患者は、来院4の約1週間後に行われる早期終了来院へと進む。
第2期(用量タイトレーション来院5〜9、4〜20週)において、第1期「SFP応答者」は、試験結果、及び患者の忍容性に基づき必要に応じてタイトレーションされながら、4ケ月間、1日あたり最大3回まで、SFP及び当該シトレート化合物を経口的に受け、そのヘモグロビンレベルが本処置に応答しているかどうかを、測定する。静脈血が収集され、かつ、血液学、網状赤血球数、CHr、化学、血清鉄プロファイル、及びsTfR及びヘプシジン濃度について分析される。来院9の後,患者の来院9のヘモグロビンレベルが、来院5のヘモグロビンレベルと比較される。患者の来院9のヘモグロビンレベルが来院5のレベルよりも≧1g/dL高いならば、該患者は「ヘモグロビン応答者」と選定され、かつ第3期へ進む。そうでなければ、患者は、来院9の約1週間以内に行われる早期終了来院へ進む。
第3期(ヘモグロビン維持、来院10〜12,21〜44週)において、第2期「ヘモグロビン応答者」は、さらに6ケ月の間、1日あたり最大3回まで、SFP及び当該シトレート化合物を経口的に受け、第2期において観察されたヘモグロビン応答が持続可能であることを確認する。第3期の間、SFP及び当該シトレート化合物の用量及び頻度は、試験結果、及び患者の忍容性に基づき、必要に応じて、引き続きタイトレーションされる。静脈血が収集され、かつ血液学、網状赤血球数、CHr、化学、血清鉄プロファイル、及びsTfR及びヘプシジン濃度について分析される。第2期及び第3期の間、患者は、SFP及びシトレート化合物を経口的に、少なくとも食前1時間または食後2時間に服用することが推奨される。
フォローアップ来院は、来院12の約1週間後に行われる。血液が収集され、かつ血液学、化学、及び血清鉄プロファイルについて分析される。直近30日以内に収集されていないならば、網状赤血球数、CHr、及びsTfR及びヘプシジン濃度が収集される。スクリーニングから最終試験来院までの期間は約12ケ月である。
主な効能エンドポイントは、例えば、4ケ月での、ヘモグロビン濃度におけるベースラインからの変化である。重要な第2の効能エンドポイントは、(1)例えば、4ケ月での、血清鉄及びTSATにおけるベースラインからの変化、(2)例えば、4週間毎、及び処置終了時(EoT)での、Hgb、RBC、MCV、網状赤血球数、CHr、血清鉄、TIBC、フェリチン、UIBC、TSAT、及びsTfR及びヘプシジン濃度におけるベースラインからの変化、(3)例えば、4週間毎、及びEoTでの、ヘモグロビン応答者の発生率(Hgb濃度≧1.0g/dLにてベースラインからの増大を伴う患者)、(4)例えば、来院4での、血清鉄Cmax、及び(5)例えば、来院4での、SFP応答者の発生率(血清鉄濃度≧100μg/dLにてベースラインからの最大の増大を伴う患者)、を含む。安全性エンドポイントは、処置緊急性のある有害事象及び重篤な有害事象の発生率、ならびに臨床検査試験、バイタルサイン、及び体重における変化を含む。
SFP及びシトレート化合物を含む併用療法は、大多数の処置患者において、≧100μg/dLの血清鉄及び≧1g/dLのヘモグロビン濃度において、持続的増大をもたらす。SFP及びシトレート化合物の同時投与は、慣用的な硫酸第一鉄及び該シトレート化合物を含む併用療法よりも、血清鉄及びヘモグロビン濃度の増大において、より効果的である。理論に束縛されることはないが、IRIDAを有する患者において、当該シトレート化合物とSFPとの経口同時投与は、(i)引き続きトランスフェリンへの鉄の直接供給を伴う、近位十二指腸及び空腸に到達するインタクトなSFPの、及び(ii)SFPに由来する鉄の、傍細胞吸収を可能にすることにより、腸細胞鉄取り込みのヘプシジン介在の障害を迂回する。鉄療法に以前は不応答であったIRIDA患者における、SFP及びシトレート化合物を含む併用療法の治療的な効能は、鉄欠乏、貧血、及び/または高いヘプシジンレベルを患う多様な患者を処置するための、かかる併用療法の力量を実証している。
前述した発明は、理解を明確にするための説明及び例示として、幾つか詳細に記載されているが、本明細書の教示内容を考慮すれば、添付の特許請求の範囲の精神または範囲を逸脱することなく、特定の変更及び修飾がなされてもよいということが、当業者には容易に明白となるだろう。

Claims (58)

  1. 鉄化合物及びシトレート化合物を含む、薬学的組成物。
  2. 前記鉄化合物が、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、コハク酸第一鉄、水酸化第二鉄、クエン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、溶性ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸クエン酸第二鉄、鉄ポリマルトース、アスコルビン酸鉄、第二鉄(トリ)マルトール、ヘム鉄ポリペプチド、鉄EDTA、鉄多糖、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記鉄化合物が溶性ピロリン酸第二鉄(SFP)を含む、請求項1または2に記載の薬学的組成物。
  4. 前記SFPが、傍細胞経路を介した吸収後に、トランスフェリンへ急速に鉄を供給する、請求項3に記載の薬学的組成物。
  5. 前記SFPが、7重量%〜11重量%の量の鉄、14重量%〜30重量%の量のシトレート、10重量%〜20重量%の量のピロホスフェートを含むピロリン酸クエン酸第二鉄である、請求項3または4に記載の薬学的組成物。
  6. 前記シトレート化合物が、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸アンモニウム、前述のもののうちのいずれかの組み合わせ、及びそれらの溶液からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の薬学的組成物。
  7. 前記シトレート化合物が、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の薬学的組成物。
  8. 前記シトレート化合物が、約128mg/mLのクエン酸、及び約98mg/mLのクエン酸ナトリウムを含む、請求項7に記載の薬学的組成物。
  9. 前記シトレート化合物が水溶液である、請求項1〜8のいずれかに記載の薬学的組成物。
  10. 前記シトレート化合物がShohl溶液である、請求項9に記載の薬学的組成物。
  11. 前記組成物が経口投与用である、請求項1〜10のいずれかに記載の薬学的組成物。
  12. 約5mgの鉄〜約500mgの鉄の前記鉄化合物の投薬量を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の薬学的組成物。
  13. 約0.5mmol〜約100mmolの前記シトレート化合物の投薬量を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の薬学的組成物。
  14. 鉄化合物及びシトレート化合物と、鉄欠乏を有する対象へ治療上有効量の前記鉄化合物及び前記シトレート化合物を同時投与するための説明書とを含む、キット。
  15. 前記鉄化合物が、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、コハク酸第一鉄、水酸化第二鉄、クエン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、溶性ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸クエン酸第二鉄、鉄ポリマルトース、アスコルビン酸鉄、第二鉄(トリ)マルトール、ヘム鉄ポリペプチド、鉄EDTA、鉄多糖、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項14に記載のキット。
  16. 前記鉄化合物が、溶性ピロリン酸第二鉄(SFP)を含む、請求項14または15に記載のキット。
  17. 前記SFPが、傍細胞経路を介した吸収後に、トランスフェリンへ急速に鉄を供給する、請求項16に記載のキット。
  18. 前記SFPが、7重量%〜11重量%の量の鉄、14重量%〜30重量%の量のシトレート、及び10重量%〜20重量%の量のピロホスフェートを含むピロリン酸クエン酸第二鉄である、請求項16または17に記載のキット。
  19. アンプル中に約5.44mg/mLの水中の鉄を含むSFPを含む、請求項16〜18のいずれかに記載のキット。
  20. 前記シトレート化合物が、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸アンモニウム、前述のもののうちのいずれかの組み合わせ、及びそれらの溶液からなる群から選択される、請求項14〜19のいずれかに記載のキット。
  21. 前記シトレート化合物が、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを含む、請求項14〜20のいずれかに記載のキット。
  22. 前記シトレート化合物が、約128mg/mLのクエン酸、及び約98mg/mLのクエン酸ナトリウムを含む、請求項21に記載のキット。
  23. 前記シトレート化合物が水溶液である、請求項14〜22のいずれかに記載のキット。
  24. 前記シトレート化合物がShohl溶液である、請求項23に記載のキット。
  25. 前記シトレート化合物が、水中に、約640mg/5mLのクエン酸、及び約490mg/5mLの含水クエン酸ナトリウムを含む、請求項14〜24のいずれかに記載のキット。
  26. 前記鉄化合物及び/またはシトレート化合物が、経口投与用薬学的製剤中にある、請求項14〜25のいずれかに記載のキット。
  27. 鉄欠乏または鉄隔離症候群(iron sequestration syndrome)の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、請求項1〜13のいずれかに記載の薬学的組成物を前記対象へ投与することを含む、方法。
  28. 鉄欠乏または鉄隔離症候群の治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、治療上有効量の鉄化合物及びシトレート化合物を前記対象へ同時投与することを含む、方法。
  29. 患者において貧血の治療に用いるための、鉄化合物及びシトレート化合物。
  30. 患者において鉄欠乏を治療するための医薬の製造における、鉄化合物及びシトレート化合物の使用。
  31. 血清鉄の増大を必要とする対象においてそれを行う方法であって、治療上有効量の鉄化合物及びシトレート化合物を前記対象へ同時投与することを含む、方法。
  32. ヘモグロビンレベルの増大を必要とする対象においてそれを行う方法であって、治療上有効量の鉄化合物及びシトレート化合物を前記対象へ同時投与することを含む、方法。
  33. ベースラインと比較して少なくとも100μg/dLだけ、対象における血清鉄を増大させるのに有効な量で、前記鉄化合物及び前記シトレート化合物を同時投与することを含む、請求項27〜32のいずれかに記載の方法または使用。
  34. ベースラインと比較してトランスフェリン飽和度を増大させるのに有効な量で、前記鉄化合物及び前記シトレート化合物を同時投与することを含む、請求項27〜33のいずれかに記載の方法または使用。
  35. ベースラインと比較して少なくとも1g/dLだけヘモグロビン濃度を増大させるのに有効な量で、前記鉄化合物及び前記シトレート化合物を同時投与することを含む、請求項27〜34のいずれかに記載の方法または使用。
  36. 前記鉄化合物及び前記シトレート化合物を同時に、任意選択により、混合物中にて投与することを含む、請求項27〜35のいずれかに記載の方法または使用。
  37. 前記シトレート化合物の後に前記鉄化合物を投与することを含む、請求項27〜36のいずれかに記載の方法または使用。
  38. 前記シトレート化合物を投与後15分未満のうちに前記鉄化合物を投与することを含む、請求項27〜37のいずれかに記載の方法または使用。
  39. 前記鉄化合物及び前記シトレート化合物を少なくとも食前1時間、または食後2時間に同時投与することを含む、請求項27〜38のいずれかに記載の方法または使用。
  40. 1日あたり体重1kgあたり約0.2mgのFe〜約5mgのFeの投薬量の前記鉄化合物を、単一または分割用量にて投与することを含む、請求項27〜39のいずれかに記載の方法または使用。
  41. 約3mgのFe/kg体重の投薬量で前記鉄化合物を投与することを含む、請求項40に記載の方法または使用。
  42. 体重1kgあたり約0.5mmol〜約2mmolの投薬量で前記シトレート化合物を投与することを含む、請求項27〜41のいずれかに記載の方法または使用。
  43. 1日あたり最大3回前記鉄化合物及び前記シトレート化合物を同時投与することを含む、請求項27〜42のいずれかに記載の方法または使用。
  44. 前記対象が鉄不応性鉄欠乏性貧血を有する、請求項27〜43のいずれかに記載の方法または使用。
  45. 前記対象が上昇した血清または尿ヘプシジンレベル、任意選択により、少なくとも10ng/mLのヘプシジンレベルを有する、請求項27〜44のいずれかに記載の方法または使用。
  46. 前記鉄化合物が、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、コハク酸第一鉄、水酸化第二鉄、クエン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄、溶性ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸クエン酸第二鉄、鉄ポリマルトース、アスコルビン酸鉄、第二鉄(トリ)マルトール、ヘム鉄ポリペプチド、鉄EDTA、鉄多糖、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項27〜45のいずれかに記載の方法または使用。
  47. 前記鉄化合物が溶性ピロリン酸第二鉄(SFP)を含む、請求項27〜46のいずれかに記載の方法または使用。
  48. 前記SFPが、細胞外経路を介した吸収後にトランスフェリンへ急速に鉄を供給する、請求項47に記載の方法または使用。
  49. 前記SFPが、7重量%〜11重量%の量の鉄、14重量%〜30重量%の量のシトレート、及び10重量%〜20重量%の量のピロホスフェートを含むピロリン酸クエン酸第二鉄である、請求項47または48に記載の方法または使用。
  50. 前記シトレート化合物が、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸アンモニウム、前述のもののうちのいずれかの組み合わせ、及びそれらの溶液からなる群から選択される、請求項27〜49のいずれかに記載の方法または使用。
  51. 前記シトレート化合物がクエン酸及びクエン酸ナトリウムを含む、請求項27〜50のいずれかに記載の方法または使用。
  52. 前記シトレート化合物が約128mg/mLのクエン酸、及び約98mg/mLのクエン酸ナトリウムを含む、請求項51に記載の方法または使用。
  53. 前記シトレート化合物が水溶液である、請求項27〜52のいずれかに記載の方法または使用。
  54. 前記シトレート化合物がShohl溶液である、請求項27〜53のいずれかに記載の方法または使用。
  55. 前記鉄化合物及び/または前記シトレート化合物が経口投与される、請求項27〜54のいずれかに記載の方法または使用。
  56. 前記シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の前記鉄化合物のCmaxと比較して、投与間隔中の最大血清鉄濃度(Cmax)を増大するのに有効な量で、前記鉄化合物及び前記シトレート化合物が同時投与される、請求項27〜55のいずれかに記載の方法または使用。
  57. 前記シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の前記鉄化合物のバイオアベイラビリティと比較して、前記鉄化合物のバイオアベイラビリティを増大するのに有効な量で、前記鉄化合物及び前記シトレート化合物が同時投与される、請求項27〜56のいずれかに記載の方法または使用。
  58. 前記シトレート化合物を伴わずに投与された等投薬量の前記鉄化合物から吸収される鉄の量と比較して、前記鉄化合物から吸収される鉄の量を増大するのに有効な量で、前記鉄化合物及び前記シトレート化合物が同時投与される、請求項27〜57のいずれかに記載の方法または使用。
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