本発明が、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコル、および試薬に限定されず、そのため変化し得ることが理解されるべきである。本明細書に使用される用語は、特定の実施形態のみを記載するためにあり、本発明の範囲を限定するようには意図されておらず、請求項のみによって定義される。
特定されるすべての特許および他の公報は、例えば、本発明に関して使用されるかもしれないそのような公報に記載される方法論を記載する且つ開示する目的で引用によって本明細書に組み込まれるが、本明細書に提示される用語の定義と一致しない用語の定義を提供するものではない。これらの公報は、本出願の出願日よりも前に開示するためだけに提供される。この関連においていずれも、発明者が先の発明によって又はそれ以外の理由で、そのような開示に先行することができないという承認として解釈されてはならない。これらの文書の日付に関するすべての陳述または内容に関する表示は、出願人に利用可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確さに関する承認を構成しない。
本明細書および請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他に指定していない限り、複数の指示対象を含む。用語「または」は、修正されない限り、例えば、「いずれか」を包含する。したがって、文脈が他に明示しない限り、用語「または」は、特定のリストのメンバー、およびそのリストのメンバーのあらゆる随意の組み合わせを意味する。本明細書の全体にわたって、他に明示のない限り、「含む(comprise)」、「含む(omprises)」および、「含むこと(comprising)」は、排他的よりもむしろ包含的に使用され、その結果、明示された整数または整数のグループは、1つ以上の他の明示されていない整数または整数のグループを含み得る。
数または数値範囲に言及するときの用語「約」は、言及される数または数値範囲が、実験的な可変性内の(または統計的実験誤差内の)概算であることを意味し、故に数または数値範囲は変動し得る。「約」は、一般に指定値の±1%を指すが、当業者によって関連するコンテキストにおいて受け入れられた指定値の±5%または±10%を可能にし得る。したがって、本明細書で使用される量または反応条件を表わす数は、反対に明示されない限り用語「約」によってすべての事例において修正されると理解されるべきである。範囲が、分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性のために本明細書で使用されるとき、範囲およびその中の具体的な実施形態のすべての組み合わせ及びサブの組み合わせが包含されるように意図される。
<定義>
本明細書及び添付の請求項で使用されるように、他に特段に明記されない限り、次の用語は、以下に示される意味を有する。
「アミノ」は−NH2ラジカルを指す。
「シアノ」は−CNラジカルを指す。
「ニトロ」は−NO2ラジカルを指す。
「オキサ」は−O−ラジカルを指す。
「オキソ」は=Oラジカルを指す。
「チオキソ」は=Sラジカルを指す。
「イミノ」は、=N−Hラジカルを指す。
「オキシモ(オキシモ)」は=N−Hラジカルを指す。
「ヒドラジノ」は、=N−NH2ラジカルを指す。
「アルキル」は、炭素原子と水素原子のみから成り、不飽和を含まず、典型的に1〜15の炭素原子(例えば、C1−C15アルキル)を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す。特定の実施形態では、アルキルは、1〜13の炭素原子(例えばC1−C13アルキル)を含む。特定の実施形態では、アルキルは、1〜8の炭素原子(例えばC1−C8アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、1〜5の炭素原子(例えばC1−C5アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、1〜4の炭素原子(例えばC1−C4アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、1〜3の炭素原子(例えばC1−C3アルキル)(即ち、メチル、エチル、またはプロピル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、1〜2の炭素原子(例えばC1−C2アルキル)(即ち、メチルまたはエチル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、1つの炭素原子(例えばC1アルキル)(メチル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、5〜15の炭素原子(例えばC5−C15アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、5〜8の炭素原子(例えばC5−C8アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、2〜5の炭素原子(例えばC2−C5アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、2〜10の炭素原子(例えばC2−C10アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキルは、3〜5の炭素原子(例えばC3−C5アルキル)を含む。他の実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、1−プロピル(n−プロピル)、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、1−ブチル(n−ブチル)、1−メチルプロピル(sec−ブチル)、2−メチルプロピル(イソ−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、1−ペンチル(n−ペンチル)から選択される。アルキルは、単結合によって分子の残りに結合する。他に明記のない限り、アルキル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、アミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、ORa、SRa、OC(O)−Ra、N(Ra)2、C(O)Ra、C(O)ORa、C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(O)ORa、OC(O)−N(Ra)2、N(Ra)C(O)Ra、N(Ra)S(O)tRa、S(O)tORa、S(O)tRa、またはS(O)tN(Ra)2の1つ以上によって置換され得(即ち、随意に置換され)、ここでtはそれぞれ、独立して1または2であり、Raはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルを表わす。
「アルケニル」は、炭素原子および水素原子のみから成り、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合(C=C)を含み、および2〜12の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の実施形態では、アルケニルは、2〜8の炭素原子(即ちC2−C8アルケニル)を含む。他の実施形態では、アルケニルは、2〜4の炭素原子(即ちC2−C4アルケニル)を含む。アルケニルは、典型的に、単結合、例えば、エテニル(即ち、ビニル)、プロプ−1−エニル(即ちアリル)、ブタ−1−エニル、ペント−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルなどにより分子の残りに結合される。本明細書で他に指定のない限り、アルケニル基は、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、ORa、SRa、OC(O)−Ra、N(Ra)2、C(O)Ra、C(O)ORa、C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(O)ORa、OC(O)−N(Ra)2、N(Ra)C(O)Ra、N(Ra)S(O)tRa、S(O)tORa、S(O)tRa、またはS(O)tN(Ra)2の置換基の1つ以上によって随意に置換され、ここでtはそれぞれ、独立して1または2であり、Raはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルを表わす。
「アルキニル」は、炭素原子および水素原子のみから成り、少なくとも1つの炭素炭素三重結合(C≡C)を含み、2〜12の炭素原子(即ちC2−C12アルキニル)を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の実施形態では、アルキニルは、2〜8つの炭素原子(即ちC2−C8アルキニル)を含む。他の実施形態では、アルキニルは、2〜4の炭素原子(即ちC2−C4アルキニル)を含む。アルキニルは、典型的に、単結合、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどによって分子の残りに結合される。本明細書で他に指定のない限り、アルキニル基は、の置換基の1つ以上によって随意に置換され、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、ORa、SRa、OC(O)−Ra、N(Ra)2、C(O)Ra、C(O)ORa、C(O)N(Ra)2、N(Ra)C(O)ORa、OC(O)−N(Ra)2、N(Ra)C(O)Ra、N(Ra)S(O)tRa、S(O)tORa、S(O)tRa、またはS(O)tN(Ra)2の1つ以上によって置換され、ここでtはそれぞれ、独立して1または2であり、Raはそれぞれ、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルを表わす。
「アリール」は、環炭素原子から水素原子を取り除くことによる、芳香族の単環式または多環式の炭化水素環系に由来するラジカルを指す。芳香族の単環式または多環式の炭化水素環系は、5乃至18の炭素原子から水素および炭素のみを含み、ここで環系における環の少なくとも1つは完全に不飽和であり、即ち、ヒュッケルの理論に従った環式の、非局在化(4n+2)π−電子系を含む。アリール基が得られる環系は、限定されないが、ベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリン、およびナフタレンなどの基を含む。本明細書で他に具体的に明記のない限り、用語「アリール」または接頭語「ar−」(「アラルキル」など)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、シアノ、ニトロ、または随意に置換されたアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル、あるいはRb−ORa、Rb−OC(O)−Ra、Rb−OC(O)−ORa、Rb−OC(O)−N(Ra)2、Rb−N(Ra)2、Rb−C(O)Ra、Rb−C(O)ORa、Rb−C(O)N(Ra)2、Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、Rb−N(Ra)C(O)ORa、Rb−N(Ra)C(O)Ra、Rb−N(Ra)S(O)tRa、Rb−S(O)tRa、Rb−S(O)tORa、またはRb−S(O)tN(Ra)2から独立して選択される1つ以上の置換基によって随意に置換されたアリールラジカルを含むように意図され、ここでtはそれぞれ、独立して1または2であり、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(随意に1つ以上のハロ基と置換された)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルを表わし、Rbはそれぞれ独立して、直接的な単結合、あるいは直鎖または分枝鎖のアルキルまたはアルケニル鎖を表わし、およびRcは、直鎖または分枝鎖のアルキルかアルキルであり、ここで上記置換基の各々は、別段の定めのない限り置換され得る。
「アラルキル」は、式Rc−アリールのラジカルを指し、ここでRcは、上に定義されるアルキル、例えば、メチル、エチレン、分枝鎖または直鎖などである。アラルキルラジカルのアルキル部分は、アルキル鎖について上に記載される通りに随意に置換される。アラルキルラジカルのアリール部分は、アリール基について上に記載される通りに随意に置換される。
「アラルケニル」は、式Rd−アリールのラジカルを指し、ここでRdは、上に定義される通りのアルケニルである。アラルケニルラジカルのアリール部分は、アリール基について上に記載される通りに随意に置換される。アラルケニルラジカルのアルケニル鎖部分は、アルケニル基について上に定義される通りに随意に置換される。
「アラルキニル」は、式Re−アリールのラジカルを指し、式中、Reは上に定義される通りのアルキニルである。アラルキニルラジカルのアリール部分は、アリール基について上に記載される通りに随意に置換される。アラルキニルラジカルのアルキニル部分は、アルキニル基について上に定義される通りに随意に置換される。
「アラルオキシ」は、式O−Rc−アリールの酸素原子を介して結合されたラジカルを指し、ここでRcは、上に定義される通りのアルキル、例えば、メチル、エチル、直鎖または分枝鎖のアリール鎖などである。アラルオキシラジカルのアルキル部分は、アルキルについて上に定義される通りに随意に置換される。アラルオキシラジカルのアリール部分は、アリール基について上に記載される通りに随意に置換される。
「カルボシクリル」は、炭素原子および水素原子のみからなる安定した非芳香族の単環式または多環式の炭化水素ラジカルを指し、これは、3〜15の炭素原子を有する、縮合または架橋された環系を含み得る。特定の実施形態では、カルボシクリルは3〜10の炭素原子を含む。他の実施形態では、カルボシクリルは5〜7の炭素原子を含む。カルボシクリルは、単結合により分子の残りに結合する。カルボシクリルは、飽和(即ち、単一のC−C結合のみを含む)または不飽和(即ち、1以上の二重結合または三重結合を含む)であり得る。完全に飽和したカルボシクリルラジカルは「シクロアルキル」とも呼ばれる。単環式シクロアルキルの例は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを含む。不飽和カルボシクリルは「シクロアルケニル」とも呼ばれる。単環式のシクロアルケニルの例は、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルを含む。多環式のカルボシクリルラジカルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(即ち、ビシクロ(2.2.1)ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル(decalinyl)、7,7−ジメチル−ビシクロ(2.2.1)ヘプタニルなどを含む。本明細書で別段の定めがない限り、「カルボシクリル」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、または随意に置換されたアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル、あるいはRb−ORa、Rb−OC(O)−Ra、Rb−OC(O)−ORa、Rb−OC(O)−N(Ra)2、Rb−N(Ra)2、Rb−C(O)Ra、Rb−C(O)ORa、Rb−C(O)N(Ra)2、Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、Rb−N(Ra)C(O)ORa、Rb−N(Ra)C(O)Ra、Rb−N(Ra)S(O)tRa、Rb−S(O)tRa、Rb−S(O)tORa、またはRb−S(O)tN(Ra)2から独立して選択される1つ以上の置換基によって随意に置換されるカルボシクリルラジカルを含み、ここでtはそれぞれ、独立して1または2であり、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルを表わし、Rbはそれぞれ独立して、直接的な単結合あるいは直鎖または分枝鎖のアルキルまたはアルケニル鎖を表わし、およびRcは直鎖または分枝鎖のアルキルまたはアルケニル鎖を表わし、およびここで別段の定めのない限り、上記の置換基の各々は置換され得る。
「カルボシクリルアルキル」は、式Rc−カルボシクリルのラジカルを指し、ここでRcは、上に定義される通りのアルキル鎖である。アルキル鎖およびカルボシクリルラジカルは、上に定義される通りに随意に置換される。
「カルボシクリルアルコキシ」は、式−O−Rc−カルボシクリルの酸素原子を介して結合されたラジカルを指し、ここでRcは、上に定義される通りのアルキル鎖である。アルキル鎖およびカルボシクリルラジカルは、上に定義される通りに随意に置換される。
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードの置換基を指す。
「フルオロアルキル」は、(上に定義される通りに1つ以上のフルオロラジカルによって置換された)上に定義される通りのアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチルなどを指す。フルオロアルキルラジカルのアルキル部分は、アルキル基について上に定義される通りに随意に置換され得る。
「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素、および硫黄から選択される2〜12の炭素原子および1〜6のヘテロ原子(即ち炭素以外の原子)を含む、安定した3〜18員の非芳香環ラジカルを指す。別段の定めのない限り、ヘテロシクリルラジカルは、典型的に、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系であり、これは縮合または架橋された環系を含み得る。ヘテロシクリルラジカルにおけるヘテロ原子は、随意に酸化され得る。1つ以上の窒素原子は、存在する場合、随意に四級化される。ヘテロシクリルラジカルは、部分的または完全に飽和であり得る。ヘテロシクリルは、環の原子を介して分子の残りに結合され得る。そのようなヘテロシクリルラジカルの例としては、限定されないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロ−ピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオ−モルホリニル、および1,1−ジオキソチオモルホ−リニルが挙げられる。
別段の定めのない限り、用語「ヘテロシクリル」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル、またはRb−ORa、Rb−OC(O)−Ra、Rb−OC(O)−ORa、Rb−OC(O)−N(Ra)2、Rb−N(Ra)2、Rb−C(O)Ra、Rb−C(O)ORa、Rb−C(O)N(Ra)2、Rb−O−RcC(O)N(Ra)2、Rb−N(Ra)C(O)ORa、Rb−N(Ra)C(O)Ra、Rb−N(Ra)S(O)tRa、Rb−S(O)tRa、Rb−S(O)tORa、またはRb−S(O)tN(Ra)2から選択される1つ以上の置換基によって随意に置換される上に定義される通りのヘテロシクリルラジカルを含み、ここでtはそれぞれ独立して、1または2であり、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルを表わし、Rbはそれぞれ独立して、直接的な単結合、または直鎖または分枝鎖のアルキルまたはアルケニル鎖を表わし、およびRcは、直鎖または分枝鎖のアルキルかアルケニル鎖であり、およびここで別段の定めのない限り、上記の置換基の各々は非置換である。
「N−ヘテロシクリル」または「N結合したヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含有している上に定義される通りのヘテロシクリルラジカルを指し、ここで分子の残りへのヘテロシクリルラジカルの結合点は、ヘテロシクリルラジカルにおいて窒素原子を介する。N−ヘテロシクリルラジカルは、ヘテロシクリルラジカルについて上に記載される通りに随意に置換される。そのようなN−ヘテロシクリルラジカルの例としては、1−モルホリニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、1−ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、およびイミダゾリジニルが挙げられる。
「C−ヘテロシクリル」または「C結合したヘテロシクリル」は、少なくとも1つのヘテロ原子を含有している上に記載される通りのヘテロシクリルラジカルを指し、ここで分子の残りへのヘテロシクリルラジカルの結合点は、ヘテロシクリルラジカルにおいて炭素分子を介する。C−ヘテロシクリルラジカルは、ヘテロシクリルラジカルについて上に記載される通りに随意に置換される。そのようなC−ヘテロシクリルラジカルの例としては、2−モルホリニル、2−または3−または4−ピペリ−ジニル、2−ピペラジニル、2−または3−ピロリジニルが挙げられる。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式Rc−ヘテロシクリルのラジカルを指し、ここでRcは、上に定義される通りのアルキルを表わす。ヘテロシクリルは、窒素含有ヘテロシクリルである場合、窒素原子でアルキルラジカルに随意に結合される。ヘテロシクリルアルキルラジカルのアルキルは、アルキルについて上に定義される通りに随意に置換される。ヘテロシクリルアルキルラジカルのヘテロシクリル部分は、ヘテロシクリル基について上に定義される通りに随意に置換される。
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、式O−Rc−ヘテロシクリルの酸素原子を介して結合されたラジカルを指し、ここでRcは、上に定義される通りのアルキル鎖である。ヘテロシクリルは、窒素含有ヘテロシクリルである場合、窒素原子でアルキルラジカルに随意に結合される。ヘテロシクリルアルコキシラジカルのアルキルは、アルキルについて上に定義される通りに随意に置換される。ヘテロシクリルアルコキシラジカルのヘテロシクリル部分は、ヘテロシクリル基について上に定義される通りに随意に置換される。
「ヘテロアリール」は、2〜17の炭素原子および1〜6のヘテロ原子、典型的に、窒素、酸素、または硫黄を含む、3〜18員の芳香環ラジカルに由来するラジカルを指す。ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式の環系であり得、ここで環系における環の少なくとも1つは、完全に不飽和である、即ち、ヒュッケルの理論に従った環式の、非局在化(4n+2)π−電子系を含む。ヘテロアリールは、縮合または架橋した環系を含む。ヘテロアリールラジカルにおけるヘテロ原子は、随意に酸化される。1つ以上の窒素原子は、存在する場合、随意に四級化される。ヘテロアリールは、環の原子を介して分子の残りに結合する。例となるヘテロアリールとしては、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チア−ゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾ−ピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジニル、ベンゾトリア−ゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6−ジヒドロ−ベンゾ[h]キナゾリニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2−c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサ−ヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダ−ゾリル、イソ−インドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8−メタノ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6−ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼ−ピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル(pyrido[3,4−d]pyr−imidinyl)、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノ−リニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ−[4,5]チエノ−[2,3−d]ピリミジニル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,5−c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ−[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニル、チエノ[2、3c]ピリジニル、およびチオフェニル(即ちチエニル)が挙げられる。本明細書で別段の定めのない限り、用語「ヘテロアリール」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル、あるいはRb−ORa、Rb−OC(O)−Ra、Rb−OC(O)−ORa、Rb−OC(O)−N(Ra)2、Rb−N(Ra)2、Rb−C(O)Ra、Rb−C(O)ORa、Rb−C(O)N(Ra)2、Rb−O−Rc−C(O)N(Ra)2、Rb−N(Ra)C(O)ORa、Rb−N(Ra)C(O)Ra、Rb−N(Ra)S(O)tRa、Rb−S(O)tRa、Rb−S(O)tORa、またはRb−S(O)tN(Ra)2から選択される1つ以上の置換基によって随意に置換される上に定義される通りのヘテロアリールラジカルを含み、ここでtはそれぞれ独立して、1または2であり、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルを表わし、Rbはそれぞれ独立して、直接的な単結合、または直鎖または分枝鎖のアルキルまたはアルケニル鎖を表わし、およびRcは直鎖または分枝鎖のアルキルまたはアルケニルを表わし、およびここで別段の定めのない限り、上記の置換基の各々は置換され得る。
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含有している上に定義される通りのヘテロアリールラジカルを指し、分子の残りへのヘテロアリールラジカルの結合点は、ヘテロアリールラジカルにおいて窒素原子を介する。N−ヘテロアリールラジカルは、ヘテロアリールラジカルについて上に記載される通りに随意に置換される。
「C−ヘテロアリール」は、上に定義される通りのヘテロアリールラジカルを指し、分子の残りへのヘテロアリールラジカルの結合点は、ヘテロアリールラジカルにおいて炭素分子を介する。C−ヘテロアリールラジカルは、ヘテロアリールラジカルについて上に記載される通りに随意に置換される。
「ヘテロアリールアルキル」は、式Rc−ヘテロアリールのラジカルを指し、ここでRcは、上に定義される通りのアルキルである。ヘテロアリールは、窒素含有ヘテロアリールである場合、窒素原子でアルキルラジカルに随意に結合される。ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキルは、アルキル鎖について上に定義される通りに随意に置換される。ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基について上に定義される通りに随意に置換される。
「ヘテロアリールアルコキシ」は、式O−Rc−ヘテロアリールの酸素原子を介して結合されたラジカルを指し、ここでRcは上に定義される通りのアルキルである。ヘテロアリールは、N含有ヘテロアリールである場合、N原子でアルキルラジカルに随意に結合される。ヘテロアリールアルコキシラジカルのアルキルは、アルキル鎖について上に定義される通りに随意に置換される。ヘテロアリールアルコキシラジカルのヘテロアリール部分は、ヘテロアリール基について上に定義される通りに随意に置換される。
本明細書で使用されるように、用語「カルボン酸生物学的等価体」は、カルボン酸部分として類似の物理的、生物学的、または化学的性質を示す官能基または部分を表す。カルボン酸生物学的等価体の例としては、限定されないが、以下などが挙げられる:
本明細書に記載される化合物(これはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む)は、幾つかの事例において、1つ以上の不斉中心を含有しており、それ故、(R)または(S)として、絶対立体化学の点から、定義されているエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性の形態を生じさせる。本明細書に記載される化合物が、オレフィンの二重結合または幾何学的非対称の他の中心を含有しているとき、別段の定めのない限り、これらの化合物は、EおよびZの幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)の両方を含み、同様に、すべての考えられ得る異性体は、それらのラセミ化合物および光学上純粋な形態、およびすべての互変異性型と同様に、別段の定めのない限り、本実施形態の化合物に含まれる。用語「幾何異性体」は、アルケン二重結合のEまたはZの幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を指す。用語「位置異性体」は、ベンゼン環のまわりのオルト−、メタ−、およびパラ−異性体などの、中心環のまわりの構造異性体を指す。
「立体異性体」は、同じ結合によって結合された同じ原子から構成されたが、交換可能でない異なる三次元構造を有している化合物を指す。本明細書で提供される議論は、様々な立体異性体およびそれらの混合物を包含し、「エナンチオマー」を含み、これは、分子構造が互いに重なることが不可能な(nonsuperimposeable)鏡像である2つの立体異性体を指す。
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同じ分子の別の原子へのプロトン移動が可能な分子を指す。本明細書で示される化合物は、特定の実施形態において、互変異性体として存在する。互変異性化が可能な状況では、互変異性体の化学平衡が存在する。互変異性体の正確な割合は、物理的状態、温度、溶媒、およびpHを含む複数の因子に依存する。互変異性平衡の幾つかの例としては、以下が挙げられる:
「随意の」または「随意に」は、続いて記載される事象または状況が生じ得る又は生じ得ないこと、および記載が事象または状況が生じるときの例および生じないときの例を含むことを意味する。例えば、「随意に置換されたアリール」は、アリールラジカルが置換され得る又は置換され得ないこと、および記載が置換されたアリールラジカルおよび置換のないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。一般に本明細書で使用されるように、部分、ラジカル、または置換基のリストにおいて、「随意に置換された」の第1の事例は、その句が各メンバーとともに繰り返されたかのようにリストのすべてのメンバーに適用される。したがって、「随意に置換されたベンゼンまたはヒドロキノリン」は、「随意に置換されたベンゼンまたは随意に置換されたヒドロキノリン」を意味するように理解されるべきである。
本明細書に記載される化合物のいずれか1つの「薬学的に許容可能な塩」は、全ての薬学的に適切な塩形態を含む。これらの薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な酸付加塩または薬学的に許容可能な塩基付加塩である。置換されたピリジンおよびピリダジンの誘導体化合物の薬学的な塩の調製および選択のための標準的基準は、当該技術分野で知られている。例えば、Stahl & Wermuth, HANDBOOK PHARM. SALTS (Verlag Helvetica Chimica Acta, Zurich, 2002); Berge et al., Pharmaceutical Salts, 66 J. Pharm. Sci. 1−19 (1997)を参照。
「薬学的に許容可能な酸付加塩」は、遊離塩基の望ましい生物学的効果および特性を保持し、典型的に、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などの無機酸により形成される。これらは、例えば、脂肪族のモノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換のアルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸(alkanedioic acids)、芳香族酸、脂肪族酸および芳香族スルホン酸などの有機酸により形成される塩を含み、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。それ故、典型的な塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩(monohydrogenphosphates)、二水素リン酸塩(dihydrogenphosphates)、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、琥珀酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩(dinitrobenzoates)、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。これらの塩はまた、アルギニン酸塩(arginates)、グルコン酸塩、およびガラクツロン酸塩(galacturonates)などの、アミノ酸の塩を含む。塩基性化合物の酸付加塩は、当業者が周知の方法および技術に従って、遊離塩基形態を十分な量の望ましい酸と接触させることによって調製され得る。Berge et al., 1997を参照。
「薬学的に許容可能な塩基付加塩」は、遊離塩基の望ましい生物学的効果および特性を保持し、遊離酸への無機塩基または有機塩基の付加から調製される。薬学的に許容可能な塩基付加塩は、アルカリおよびアルカリ性土類金属、または有機アミンなどの、金属またはアミンにより形成され得る。無機塩基に由来する塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などを含む。有機塩基由来の塩は、第一級、第二級、および第三級のアミン、自然に生じる置換されたアミンを含む置換されたアミン、環状アミン、および塩基イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアニリン、N−メチル−グルカミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオ−ブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチル−ピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩を含む。Berge et al., 1997を参照。
用語「処置」、「処置する」、「緩和する」、または「寛解する」は、本明細書で交換可能に使用され、限定されないが、治療効果または予防効果を含む、有益な又は望ましい結果を得るためのアプローチを指す。「治療効果」は、処置されている基礎疾患の根絶または寛解を意味する。また、治療効果は、患者がまた基礎障害による影響を受け得るにもかかわらず、患者の改善が観察されるように、基礎障害に関連した生理学的症状の1つ以上の根絶または寛解により達成される。予防効果に関して、疾患の診断が行われなくとも、組成物は、特定の疾患を進行させる危険のある患者に、または疾患の生理学的症状の1つ以上を報告する患者に投与され得る。
「プロドラッグ」は、生理学的条件下で、またはソルボリシスによって、本明細書に記載される生物活性化合物に変換され得る化合物を示す。したがって、用語「プロドラッグ」は、薬学的に許容可能である生物活性化合物の前駆体を指す。プロドラッグは、被験体に投与されるときに不活性であり得るが、例えば加水分解により、インビボで活性化合物に変換される。プロドラッグ化合物は、哺乳類生物体において溶解度、組織適合性、または遅延放出という利点を提供し得る。例えば、Bundgard, DESIGN OF PRODRUGS, 7−9, 21−24 (Elsevier, Amsterdam, 1985); Higuchi & Stella, Pro−drugs as Novel Delivery Systems, 14 A.C.S. Symposium Series in BIOREVERSIBLE CARRIERS IN DRUG DESIGN (Pergamon Press, 1987)を参照。
用語「プロドラッグ」はまた、哺乳動物の被験体に投与されるときにインビボで活性化合物を放出する共有結合した担体を含む。活性化合物のプロドラッグは、本明細書に記載されるように、日常的な操作またはインビボのいずれかで親の活性化合物へと開裂されるような方法で、活性化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製され得る。プロドラッグは、活性化合物のプロドラッグが哺乳動物の被験体に投与されるときに開裂して、遊離ヒドロキシ、遊離アミノ、または遊離メルカプトの基を形成する基に結合される、それぞれ、ヒドロキシ、アミノ、またはメルカプトの基を含む化合物を含む。プロドラッグの例としては、活性化合物におけるアルコールまたはアミン官能基の酢酸塩、ギ酸塩および安息香酸塩の誘導体が挙げられる。
本明細書における本実施形態の議論の全体にわたって、および請求項において、本明細書に記載される、またはその実施形態によって提供される、式1、式2、式3、式4の化合物に対する言及、化合物などは、この取り込みによって文脈が他に指定しない限り、薬学的に許容可能な塩、立体異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、またはそれらのN−オキシドを含む。したがって、例えば、「式1の化合物」に対する言及は、文脈が他に要求しない限り、典型的に「式1の化合物あるいはその立体異性体または薬学的に許容可能な塩」を包含する。
<置換されたピロロピリジン誘導体化合物>
本明細書に記載される置換されたピリジン誘導体化合物の実施形態は、少なくとも1つのヒストンデメチラーゼ酵素を阻害する。これらの化合物、およびこれらの化合物を含む組成物は、癌および腫瘍性疾患の処置に有用である。例えば、本明細書に記載される化合物の実施形態は、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、肺癌、または黒色腫などの処置に有用である。
少なくとも1つの実施形態は、式1の構造を有する化合物を提供し:
式中、式1の化合物は、その異性体および薬学的に許容可能な塩を含み;ここで
nは、0、1、または2であり;
R4は、水素または随意に置換されたC1−C6アルキルであり;
R6は、水素またはX−Yであり、ここで
Xは、単結合、O、S、N(R)、C(O)、N(R)C(O)、C(O)N(R)、または随意に置換されたC1−C3アルキルであり、
ここでRは、水素または随意に置換されたC1−C6アルキルであり、および
Yは、随意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり;および
R5、R7、およびR8はそれぞれ、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアニル、N(R1)(R2)、または随意に置換されたC1−C6アルキル、C1−C6アルキニル、C1−C6アルケニル、C1−C6アルコキシ、C3−C7カルボシクリル、C3−C7カルボシクリルオキシ、C4−C12カルボシクリルアルキル、C4−C12カルボシクリルアルコキシ、C6−C10アリール、C6−C10アリールオキシ、C6−C10アリール−S、C6−C10アリール−SO2、C7−C14アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシまたはヘテロアリール−Sから独立して選択され、ここで
R1は、水素または随意に置換されたアルキルであり、および
R2は、随意に置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、アルキルアルコキシ、ヘテロアリールアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、シクロアルキルアルキル、アリール−CO、ヘテロアリール−CO、シクロアルキル−CO、またはアルキル−COである。
式1の化合物の少なくとも1つの実施形態では、nは0である。式1の化合物の少なくとも1つの実施形態では、nは1である。式1の化合物の少なくとも1つの実施形態では、nは0である。式1の化合物の少なくとも1つの実施形態では、nは2である。
少なくとも1つの実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、R4は随意に置換されたC1−C6アルキルである。式1の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R4はメチルである。
式1の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R5、R7、およびR8の各々は、水素である。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、R5、R7、およびR8はそれぞれ独立して、水素またはハロゲンである。
別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Xは単結合である。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、XはOである。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、XはSである。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、XはN(R)である。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、XはC(O)である。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、XはN(R)C(O)である。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、XはC(O)N(R)である。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Xは随意に置換されたC1−C3アルキルである。
少なくとも1つの実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Rは水素である。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Rは随意に置換されたC1−C6アルキルである。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Rはメチルである。
別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Yは随意に置換されたアルキルである。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Yは随意に置換されたシクロアルキルである。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Yは随意に置換されたヘテロシクリルである。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Yは随意に置換されたアリールである。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、Yは随意に置換されたヘテロアリールである。
式1の化合物の少なくとも1つの実施形態では、YはN(R1)(R2)である。式1の化合物の少なくとも1つの実施形態では、Xは単結合であり、YはN(R1)(R2)である。
少なくとも1つの実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、R1は水素である。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、R1は随意に置換されたアルキルである。別の実施形態は、式1の化合物を提供し、式中、R1はメチルである。式1の化合物の少なくとも1つの実施形態では、Xは単結合であり、YはN(R1)(R2)であり、ここでR1はメチルであり、R2は置換されたアリールである。
式1の化合物の特定の実施形態では、nは0であり、R4はメチルであり、R5、R7、およびR8の各々は水素である。式1の化合物の幾つかの実施形態では、nは1であり、R4はメチルであり、R5、R7、およびR8の各々は水素である。式1の化合物の特定の実施形態では、nは0であり;R4はメチルであり;R5、R7、およびR8の各々は水素であり;およびR6はX−Yであり、ここでXは単結合であり、Yは、(a)Rがメチルである且つR9が随意に置換されたアリールまたはヘテロシクリルである、N(R)(R9)であるか、あるいは(b)随意に置換されたアリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、またはアリール−Sのいずれかである。Yが(N(R1)(R9)である特定の実施形態では、Rはメチルであり、R9はトリルである。トリルは、例えば、パラ−トリルまたはオルト−トリルであり得る。式1の化合物の特定の実施形態では、nは1であり;R4は水素であり;R5、R7、およびR8の各々は水素であり;およびR6はX−Yであり、ここでXは単結合であり、Yは、(a)Rがメチルである且つR9が随意に置換されたアリールまたはヘテロシクリルである、N(R)(R9)であるか、あるいは(b)随意に置換されたアリール、ヘテロシクリル、アリールオキシ、またはアリール−Sのいずれかである。
本実施形態の態様は、式1の化合物を含む組成物を提供する。少なくとも1つの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤および式1の化合物を含む医薬組成物である。
本実施形態の別の態様は、ヒストンデメチラーゼ酵素を阻害する方法を提供し、該方法は、ヒストンデメチラーゼ酵素を式1の化合物または式1の化合物を含む組成物と接触させる工程を含む。
本実施形態の別の態様は、必要としている被験体の癌を処置する方法を提供し、該方法は、式1の化合物を含む医薬組成物を被験体に投与する工程を含む。関連する実施形態は、必要としている被験体の癌を処置する方法を提供し、該方法は、式1の化合物を含む医薬組成物を被験体に投与する工程を含む。
少なくとも1つの実施形態は、式2の化合物を提供し:
式中、式2の化合物は、その異性体および薬学的に許容可能な塩を含み;ここで
nは、0、1、または2であり;
R4は、水素または随意に置換されたC1−C6アルキルであり;および
R3は、N(R)(R9)、N(R)C(O)、C(O)N(R)または随意に置換されたC3−C7カルボシクリル、C3−C7カルボシクリルオキシ、C4−C12カルボシクリルアルキル、C4−C12カルボシクリルアルコキシ、C6−C10アリール、C6−C10アリールオキシ、C6−C10アリール−S、C6−C10アリール−SO2、C7−C14アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシまたはヘテロアリール−Sであり、ここで
Rは、水素または随意に置換されたC1−C6アルキルであり、および
R9は、随意に置換されたC3−C7カルボシクリル、C3−C7カルボシクリルオキシ、C4−C12カルボシクリルアルキル、C4−C12カルボシクリルアルコキシ、C6−C10アリール、C6−C10アリールオキシ、C6−C10アリール−S、C6−C10アリール−SO2、C7−C14アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシまたはヘテロアリール−Sである。
式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、nは0である。式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、nは1である。
式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R4はメチルである。式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R4はHである。式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R4はC2アルキルである。式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R4はC3アルキルである。式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R4はC4アルキルである。
式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R3はN(R)(R9)である。式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、RおよびR4は独立して、Hまたはメチルである。
式2の化合物の幾つかの実施形態では、R9は、クロロフェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、またはフルオロクロロフェニルなどの、随意に置換されたハロアリールである。これらの実施形態の幾つかでは、RおよびR4は、水素またはメチルから独立して選択され得る。
式2の化合物の幾つかの実施形態では、R9は、メチルフェニル(「トリル」)、エチルフェニル(2−エチルフェニルなど)、n−プロピルフェニル(4−n−プロピルフェニルなど)、イソプロピルフェニル(2−または4−イソプロピルフェニルなど)、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、シクロヘキシルフェニル、シクロブチルメチルフェニル、またはシクロプロピルメチルフェニルなどの、随意に置換されたアルキルアリールである。式2の化合物の幾つかの実施形態では、R9は、随意に置換された2−トリル(o−トリル)、または4−トリル(p−トリル)である。これらの実施形態の幾つかでは、RおよびR4は、水素またはメチルから独立して選択され得る。
式2の化合物の幾つかの実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、ここでR9は、トリフルオロエトキシフェニルなどの、随意に置換されたアルキルオキシフェニルである。式2の化合物の幾つかの実施形態では、R9は、トリフルオロエトキシ−メチルフェニルまたは(トリフルオロエトキシ)フルオロフェニルなどの、随意に置換されたトリフルオロエチルフェニルまたはトリフルオロエトキシ−フェニルである。これらの実施形態では、RおよびR4は、水素またはメチルから独立して選択され得る。
R3がN(R)(R9)である幾つかの実施形態では、R9は、ピラニルフェニルなどの、ヘテロシクリルアリールである。これらの実施形態の幾つかでは、RおよびR4は、水素またはメチルから独立して選択され得る。
式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、ここでRはメチルであり、R9はプロピルフェニルまたはイソプロピルフェニルである。式2の化合物の実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、ここでRはメチルであり、R9はトリフルオロエトキシフェニルである。式2の化合物の特定の実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、Rはメチルであり、R9は随意に置換されたメチルフェニルである。式2の特定の実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、Rはメチルであり、R9はイソプロピルフェニルである。式2の化合物の特定の実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、Rはメチルであり、R9は、随意に置換されたハロフェニル、アルキルフェニル、ハロアルキルフェニル、ハロ(アルキルオキシ)フェニル、またはハロアルキルオキシフェニルである。式2の化合物の実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、Rはメチルであり、R9は、随意に置換されたアルキルフェニルまたはハロアルキルオキシフェニルである。式2の化合物の実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、Rはメチルであり、R9はトリルである。トリルは、式2の特定の実施形態において、p−トリルまたはo−トリルである。これらの実施形態の幾つかでは、RおよびR4は独立して、水素またはメチルであり得る。
少なくとも1つの実施形態では、R3は随意に置換されたアミノフェニルである。例えば、アミノラジカルはN(R)2であり得、ここでRはメチルである。これらの実施形態の幾つかでは、RおよびR4は独立して、水素またはメチルであり得る。
R3がN(R)(R9)である式2の化合物の特定の実施形態では、R9は、クロロフェニル、ジフルオロフェニル、クロロフルオロフェニル、(トリフルオロエチル)フェニル、(トリフルオロプロピル)フェニル、メチルフェニル(トリル)、ジメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、(シクロプロピルエチル)フェニル、シクロプロピルフェニル、シクロブチルフェニル、シクロペンチルフェニル、シクロヘキシルフェニル、(シクロブチルメチル)フェニル、プロポキシフェニル、(プロピルメトキシ)フェニル、(トリフルオロエトキシ)フェニル、(トリフルオロエトキシ)フルオロフェニル、(トリフルオロエトキシ)ジメチルフェニル、(プロポキシ)メチルフェニル、(ジフルオロメトキシ)メチルフェニル、(キノリニル)メチル−フェニル、(ジヒドロキノリニル)メチルフェニル、インドリニルフェニル、ジメチルアミノフェニル、ピラニルフェニル、メチルジヒドロベンゾフラニル、(インドリニル)メチルフェニル、(ピロリジニル)メチルフェニル、またはチオールから選択される。これらの実施形態の幾つかでは、RおよびR4は独立して、水素またはメチルであり得る。
R3がN(R)(R9)である式2の化合物の幾つかの実施形態では、Rは随意に置換されたC2−C4アルキルであり;例えば、Rは、エチル、シクロプロピルメチル、またはトリフルオロエチルであり得る。式2の化合物のそのような実施形態では、R9は、式2の化合物に関して本明細書に記載される通りの置換基であり得る。例えば、R3がN(R)(R9)であり、Rがエチル、シクロプロピルメチルまたはトリフルオロエチルであるときに、R9はトリルであり得る。これらの実施形態の幾つかでは、R4は水素またはメチルであり得る。
式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R3は、随意に置換されたアリール、アルキルフェニル、アルコキシフェニル、シクリルオキシフェニル、アリールオキシフェニル、ヘテロシクリルフェニル、またはヘテロシクリルアルキルフェニルである。これらの実施形態の幾つかでは、R4は水素またはメチルであり得る。
例えば、随意に置換されたアリールは、随意に置換されたフルオロフェニルなどの、随意に置換されたハロアリールであり得るか、あるいは随意に置換されたメチルフェニルなどの、アルキルアリールであり得る。式2の化合物の幾つかの実施形態では、R3は置換されたC6−C10アリールである。式2の幾つかの実施形態では、R3は、随意に置換されたモノ−、ジ−、またはトリ−ハロフェニルである。式2の幾つかの実施形態では、R3は、随意に置換されたフルオロフェニル、ジフルオロフェニル(例えば、2,4−ジフルオロフェニル)、クロロフルオロフェニル、またはクロロジフルオロフェニルである。
式2の化合物の一実施形態では、R3は(メトキシ)フルオロフェニルである。式2の幾つかの実施形態では、R3は、(トリフルオロエチル)メチルフェニルまたは(トリフルオロエチル)ジメチルフェニルなどの、随意に置換されたハロアルキルアリールである。式2の一実施形態では、R3は、(トリフルオロエトキシ)メチルフェニルなどの、随意に置換されたハロアルキルオキシアリールである。式2の一実施形態では、R3は、(トリフルオロエトキシ)−フルオロフェニルなどの、(トリフルオロエトキシ)−ハロフェニルである。これらの実施形態の幾つかでは、R4は水素またはメチルであり得る。
式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R3は随意に置換されたアルキルフェニルである。式2の化合物の幾つかの実施形態では、R3は、随意に置換されたメチルフェニル(2−または4−メチルフェニルなど)またはジメチルフェニル(2,4−ジメチルフェニルなど)である。式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R3は、エチルフェニル(2つまたは4−エチルフェニルなど)またはプロピルフェニル(2つまたは4−イソ−またはシクロ−プロピルフェニルなど)である。式2の化合物の幾つかの実施形態では、R3は、(イソプロピル)メチルフェニルまたは(n−プロピル)−メチルフェニルである。式2の化合物の幾つかの実施形態では、R3は、(メトキシ)メチルフェニル、(エトキシ)メチルフェニル、(プロポキシ)メチルフェニル、(イソプロポキシ)メチルフェニル、(トリフルオロエトキシ)メチルフェニル、(フェノキシ)メチルフェニル、(ピロリジン)メチルフェニルなどの、置換されたメチルフェニルである。これらの実施形態の幾つかでは、R4は水素またはメチルであり得る。
幾つかの実施形態では、R3は、メトキシ−イソプロピルフェニルなどの、随意に置換されたアルキルオキシフェニルである。式2の化合物の一実施形態では、R3は随意に置換された(シクロアルキルオキシ)フェニルである。式2の化合物の一実施形態では、R3は、例えば、(シクロプロピルメトキシ)メチルフェニル、(シクロブチルメトキシ)メチルフェニル、または(シクロペンチルメトキシ)メチルフェニルなどの、(シクロアルキルオキシ)メチルフェニルなどの、置換されたC4−C12カルボシクリルアルコキシである。式2の化合物の一実施形態では、R3は、(メチルフェノキシ)フェニルなどの、置換されたアルキルアリールオキシアリール(alkaryloxyaryl)である。これらの実施形態の幾つかでは、R4は水素またはメチルであり得る。
式2の幾つかの実施形態では、R3は、(ジヒドロキノリニル)メチルフェニル)または(ピロリジニル)メチル−フェニルなどの、随意に置換されたヘテロシクリルアルキルフェニルである。これらの実施形態では、R4は水素またはメチルであり得る。
式2の少なくとも1つの実施形態では、R3は、随意に置換されたヘテロシクリルまたはヘテロアリールである。式2の幾つかの実施形態では、R3は、随意に置換されたチオフェニルまたはチオール、インドリニル、またはキノリニルである。置換されたリンドリニル(lindolinyl)の例となる実施形態は、メチルインドリニルおよびビイソキノリニル(biisoquinolinyl)である。式2の幾つかの実施形態では、R3は、随意に置換されたジヒドロベンゾフラニルまたはメチルジヒドロベンゾフラニルである。これらの実施形態の幾つかでは、R4は水素またはメチルであり得る。
式2の少なくとも1つの実施形態では、R3は、ハロフェノキシなどの、随意に置換されたC6−C10アリールオキシ、例えば、フルオロフェノキシ(例えば、2−または4−フルオロフェノキシ)であるか、あるいはC6−C10アルキルアリールオキシ、例えばトリルオキシである。これらの実施形態では、R4は水素またはメチルであり得る。
少なくとも1つの実施形態では、R3は、ヘテロシクリル−またはヘテロビシクリル−メチルフェニル;例えば、キノリンメチルフェニル、特に6−(3,4−ジヒドロキノリン)メチルフェニルまたは4(3,4−ジヒドロキノリン)−メチルフェニルである。少なくとも1つの実施形態では、R3は、ヘテロシクリルオキシ−またはヘテロビシクリルオキシ−メチルフェニル(例えばフェノキシフェニル)である。少なくとも1つの実施形態では、R3は(ピロリジニル)メチルフェニルである。これらの実施形態の幾つかでは、R4は水素またはメチルであり得る。
式2の少なくとも1つの実施形態では、R3は、アルキルアリール−Sなどの、随意に置換されたC6−C10アリール−S、例えばトリルチオ(例えば、p−またはo−トリルチオ)である。式2の少なくとも1つの実施形態では、R3は、ハロアリール−S(halolaryl−S)などの、随意に置換されたC6−C10アリール−S、例えば、2−または4−フルオロフェニルチオである。式2の一実施形態では、R3は、トリルチオ(またはトリルスルファニル)またはフルオロフェニルチオなどの、随意に置換されたC6−C10アリールスルファニルである。これらの実施形態の幾つかでは、R4は水素またはメチルであり得る。
式2の化合物の特定の実施形態では、R3は、クロロ−フェニル、ジフルオロフェニル、クロロフルオロフェニル、(トリフルオロエチル)フェニル、(トリフルオロプロピル)−フェニル、メチルフェニル(「トリル」)、ジメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル(イソプロピルフェニルなど)、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、シクロプロピルフェニル、シクロブチルフェニル、シクロペンチル−フェニル、シクロヘキシルフェニル、(シクロプロピルエチル)フェニル、(シクロブチルメチル)フェニル、プロポキシフェニル、(プロピルメトキシ)フェニル、(トリフルオロエトキシ)フェニル、(トリフルオロエトキシ)フルオロフェニル、(トリフルオロエトキシ)ジメチルフェニル、(プロポキシ)メチルフェニル、(ジフルオロメトキシ)メチルフェニル、(キノリニル)メチルフェニル、(ジヒドロキノリニル)メチルフェニル、インドリニルフェニル、ジメチルアミノフェニル、ピラニルフェニル、メチルジヒドロベンゾフラニル、(インドリニル)メチルフェニル、(ピロリジニル)メチルフェニル、またはチオールから選択される。これらの実施形態では、R4は水素またはメチルであり得る。
式2の化合物の特定の実施形態では、化合物は、(R)または(S)の3−[((6−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル)メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸;(R)または(S)の3−([(6−(メチル[4−(メチルエチル)フェニル]アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル)メチル]アミノ)ピリジン−4−カルボン酸;(R)または(S)の3−[((5−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]イソインドリニル)メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸;(R)または(S)の3−([(6−(メチル[4−(メチルエチル)フェニル]アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル)メチル]アミノピリジン−4−カルボン酸;(R)または(S)の3−(((2−メチル−5−(メチル(p−トリル)アミノ)イソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;(R)または(S)の3−(((2−メチル−6−(メチル(p−トリル)アミノ)−1,2,3,4−テトラ−ヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;(R)または(S)3−(((6−((4−エチルフェニル(メチル)アミノ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;(R)または(S)3−(((6−(2−エチルフェニル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソ−キノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;(R)または(S)3−(((2−メチル−5−(メチル(p−トリル)アミノ)イソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;(R)または(S)の3−(((5−((4−エチルフェニル)(メチル)アミノ)−2−メチルイソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;(R)または(S)の3−(((2−メチル−5−(メチル(4−プロピルフェニル)アミノ)イソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;(R)または(S)の3−(((2−メチル−5−(o−トリル)イソ−インドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;または3−(((5−(2−エチルフェニル)−2−メチルイソ−インドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸である。これらの実施形態では、R4は水素またはメチルであり得る。
式2の幾つかの実施形態では、nは2である。式2の幾つかの実施形態では、nは2であり、R3およびR4は上に記載される通りであり得る。これらの実施形態の幾つかでは、RおよびR4は独立して、水素またはメチルであり得る。
式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R4はC2アルキル(エチル)である。式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R4は、n−プロピル、イソプロピル、またはシクロプロピルなどの、C3アルキルである。式2の化合物の少なくとも1つの実施形態では、R4は、シクロプロピルメチルなどの、C4アルキルである。R4がC2−C4アルキルである実施形態では、R3は、式2の化合物に関して上に記載される通りの置換基であり得る。特定の実施形態では、R4はエチルであり、R3はトリルまたはフルオロである。特定の実施形態では、R4は、イソプロパノールまたはシクロプロピルであり、R3は、トリルまたはフルオロである。特定の実施形態では、R4はシクロプロピルメチルであり、R3はトリルまたはフルオロである。
少なくとも1つの実施形態は、式2の化合物を含む組成物を提供する。少なくとも1つの実施形態では、組成物は医薬組成物であり、該医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤および式2の化合物を含む。
少なくとも1つの実施形態は、ヒストンデメチラーゼ酵素を阻害する方法を提供し、該方法は、ヒストンデメチラーゼ酵素を式2の化合物または式2の化合物を含む組成物と接触させる工程を含む。
少なくとも1つの実施形態は、必要としている被験体の癌を処置する方法を提供し、該方法は、式2の化合物を含む医薬組成物を被験体に投与する工程を含む。関連する実施形態は、必要としている被験体の癌を処置する方法を提供し、該方法は、式2の化合物を含む医薬組成物を被験体に投与する工程を含む。
少なくとも1つの実施形態は、式3の構造を有する化合物を提供し:
式中、式2の化合物は、その異性体および薬学的に許容可能な塩を含み;ここで
nは、0、1、または2であり;
R6はX−Yであり、ここで
Xは、単結合、O、S、N(R)、C(O)、N(R)C(O)、C(O)N(R)、または随意に置換されたC1−C3アルキルであり、
ここでRは、水素または随意に置換されたアルキルであり、および
Yは、随意に置換されたアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり;および
R5、R7、およびR8はそれぞれ、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアニル、またはN(R1)(R2)、あるいは随意に置換されたC1−C6アルキル、C1−C6アルキニル、C1−C6アルケニル、C1−C6アルコキシ、C3−C7カルボシクリル、C3−C7カルボシクリルオキシ、C4−C12カルボシクリルアルキル、C4−C12カルボシクリルアルコキシ、C6−C10アリール、C6−C10アリールオキシ、C6−C10アリール−S、C6−C10アリール−SO2、C7−C14アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、またはヘテロアリール−Sから独立して選択され、ここで
R1は、水素または随意に置換されたアルキルであり、および
R2は、随意に置換されたアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール−CO、ヘテロアリール−CO、シクロアルキル−CO、またはアルキル−COである。
式3の化合物の一実施形態では、nは0である。式3の化合物の一実施形態では、nは1である。式3の化合物の一実施形態では、R5、R7、およびR8の各々は、水素である。
少なくとも1つの実施形態は、式3の化合物を含む組成物を提供する。少なくとも1つの実施形態では、式3の化合物を含む組成物は医薬組成物であり、該医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
少なくとも1つの実施形態は、ヒストンデメチラーゼ酵素を阻害する方法を提供し、該方法は、ヒストンデメチラーゼ酵素を式3の化合物または医薬組成物であり得る式3を含む組成物と接触させる工程を含む。
少なくとも1つの実施形態は、必要としている被験体の癌を処置する方法を提供し、該方法は、式3の化合物を含む医薬組成物を被験体に投与する工程を含む。関連する実施形態は、必要としている被験体の癌を処置する方法を提供し、該方法は、式3の化合物を含む医薬組成物を被験体に投与する工程を含む。
少なくとも1つの実施形態は、式4の化合物を提供し:
式中、式4の化合物は、その異性体および薬学的に許容可能な塩を含み;ここで
nは、0、1、または2であり;および
R3は、N(R)(R9)、N(R)C(O)、C(O)N(R)または随意に置換されたC3−C7カルボシクリル、C3−C7カルボシクリルオキシ、C4−C12カルボシクリルアルキル、C4−C12カルボシクリルアルコキシ、C6−C10アリール、C6−C10アリールオキシ、C6−C10アリール−S、C6−C10アリール−SO2、C7−C14アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、またはヘテロアリール−Sであり、ここで
Rは、水素または随意に置換されたC1−C6アルキルであり、および
R9は、随意に置換されたC3−C7カルボシクリル、C3−C7カルボシクリルオキシ、C4−C12カルボシクリルアルキル、C4−C12カルボシクリルアルコキシ、C6−C10アリール、C6−C10アリールオキシ、C6−C10アリール−S−、C7−C14アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、C6−C10アリール−SO2、またはヘテロアリール−Sである。
式4の化合物の一実施形態では、nは0である。式4の化合物の一実施形態では、nは1である。式4の化合物の一実施形態では、R3はN(R)(R9)である。式4の化合物の一実施形態では、Rはメチルである。式4の化合物の一実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、ここでRはメチルであり、R9は、随意に置換されたアルキルフェニルまたはハロアルキルオキシフェニルである。式4の化合物の一実施形態では、R9は、メチルフェニル(トリル)またはイソプロピルフェニルである。式4の化合物の一実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、ここでRはメチルであり、R9は、随意に置換されたメチルフェニルである。式4の化合物の一実施形態では、R3はN(R)(R9)であり、ここでRはメチルであり、R9はイソプロピルフェニルである。式4の化合物の一実施形態では、R9はトリフルオロエトキシフェニルである。式4の化合物の一実施形態では、R3は置換されたC6−C10アリールである。式4の化合物の一実施形態では、R3は置換されたメチルフェニルである。式4の化合物の一実施形態では、R3は置換されたシクロアルキルオキシフェニルである。式4の化合物の一実施形態では、R3は置換されたC4−C12カルボシクリルアルコキシである。式4の化合物の一実施形態では、R3はシクロアルキルオキシメチルフェニルである。式4の化合物の一実施形態では、R3は(シクロプロピルメトキシ)メチルフェニルである。別段の定めがない限り、式4の化合物のR3およびR9の置換基は、式2に関して記載される置換基を含む。
少なくとも1つの実施形態は、式4の化合物を含む組成物を提供する。少なくとも1つの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤および式4の化合物を含む医薬組成物である。
少なくとも1つの実施形態は、ヒストンデメチラーゼ酵素を阻害する方法を提供し、該方法は、ヒストンデメチラーゼ酵素を式4の化合物または式4の化合物を含む組成物と接触させる工程を含む。少なくとも1つの実施形態は、必要としている被験体の癌を処置する方法を提供し、該方法は、式4の化合物を含む医薬組成物を被験体に投与する工程を含む。関連する実施形態は、必要としている被験体の癌を処置する方法を提供し、該方法は、式4の化合物を含む医薬組成物を被験体に投与する工程を含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるような置換されたピリジン誘導体化合物は、表1に提供される構造を有し、ここで「実施例」は、本明細書の実施例に記載される化学合成例を指す:
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるような置換されたピリジン誘導体化合物、またはその立体異性体または薬学的に許容可能な塩は、表2に提供される構造を有する:
<置換されたピリジン誘導体化合物の調製>
本明細書に記載される反応に使用される化合物は、当業者に既知の有機合成技術に従って作られ、商業上利用可能な化学物質から及び/又は化学文献に記載される化合物から出発する。商業上利用可能な化学物質は、Acros Organics (Pittsburgh, PA)、Aldrich Chemical (Milwaukee, WI, including Sigma Chemical and Fluka)、Apin Chemicals Ltd. (Milton Park, UK)、Avocado Research (Lancashire, U.K.)、BDH Inc. (Toronto, Canada)、Bionet (Cornwall, U.K.)、Chemservice Inc. (West Chester, PA)、Crescent Chemical Co. (Hauppauge, NY),Eastman Organic Chemicals、Eastman Kodak Co. (Rochester, NY)、Fisher Scientific Co. (Pittsburgh, PA)、Fisons Chemicals (Leicestershire, UK)、Frontier Scientific (Logan, UT)、ICN Biomedicals, Inc. (Costa Mesa, CA)、Key Organics (Cornwall, U.K.)、Lancaster Synthesis (Windham, NH)、Maybridge Chemical Co. Ltd. (Cornwall, U.K.)、Parish Chemical Co. (Orem,
UT)、Pfaltz & Bauer,Inc.(Waterbury,CN)、Polyorganix(Houston,TX)、Pierce Chemical Co.(Rockford,IL)、Riedel de Haen AG(Hanover,Germany)、Spectrum Quality Product,Inc.(New Brunswick,NJ)、TCI America(Portland,OR)、Trans World Chemicals,Inc.(Rockville,MD)、及びWako Chemicals USA,Inc.(Richmond,VA)を含む、通常の商用供給源から得られる。
当業者に既知の方法は、様々な参考図書及びデータベースを通じて確認される。本明細書に記載される化合物の調製に有用な反応物の合成を詳述し、又は、その調製を説明する論説に対する言及を提供する、多数の参考図書と論文が、当業者に周知である。例えば、SYNTH. ORG. CHEM. (John Wiley & Sons, Inc., New York);Sandler et al., ORG. FUNCT. GROUP PREP. (2nd Ed., Academic Press, New York, 1983);House, MOD. SYNTH. REACT. (2nd Ed., W. A. Benjamin, Inc., Menlo Park, Calif., 1972);Gilchrist, HETEROCYCL. CHEM. (2nd Ed., John Wiley & Sons, New York, 1992);March, ADV. ORG. CHEM: REACT., MECH. & STR. (4th Ed., Wiley Intersci., New York, 1992);Fuhrhop & Penzlin, ORG. SYNTH: CONCEPTS, METHS., STARTING MATER., 2ND, REVIS. & ENLARGED ED. (John Wiley & Sons,1994);Hoffman, ORG. CHEM., INTERMED. TEXT (Oxford Univ. Press, 1996);Larock, COMPR. ORG. TRANSFORM.: GUIDE TO FUNCT. GROUP PREP. (2nd Ed., Wiley−VCH, 1999);MOD. CARBONYL CHEM. (Otera, ed., Wiley−VCH, 2000);Patai, PATAI’S 1992 GUIDE TO CHEM. FUNCT. GROUPS (Intersci., 1992);Solomons, ORG. CHEM. (7th Ed., John Wiley & Sons 2000);Stowell, INTERMED. ORG. CHEM. (2nd Ed. Wiley−Intersci. 1993);INDUS. ORG. CHEM.: STARTING MATER. & INTERMED.: AN ULLMANN’S ENCYCLO., in 8 vol. (John Wiley & Sons, 1999);ORG. REACT., in over 55 vol. (John Wiley & Sons, 1942−2000);CHEM. FUNCT. GROUPS, in 73 vol. (John Wiley & Sons)を参照。
特異的且つ類似の反応物はまた、大半の公共機関及び大学図書館で、且つオンラインデータベースを介して利用可能なAmerican Chemical Society (Washington, DC)のChemical Abstract Serviceにより調製されるものなどの、既知の化学物質の指標を介して識別され得る。既知ではあるがカタログでは市販されていない化学物質は通常、特注の化学合成商社(custom chemical synthesis houses)によって調製されることができ、標準的な化学品供給商社の多くは特注の合成サービスを提供している。
例えば、模式図1−3に従い本明細書に記載されるように、本実施形態の置換されたピリジン誘導体化合物は一般的な合成経路により調製され得る。
模式図1を参照すると、上記化合物A及びアミン化合物Bが混合され、様々な条件下で処理され、化合物Cが形成される。例えば、化合物AとアミンBの混合物は、120℃乃至172℃に及ぶ温度で、適切な溶媒中で、マイクロ波照射に晒され得る。エステル化合物Eは、塩基の存在下で、HATUなどのカップリング試薬を使用して、化合物CとアルコールDから調製され得る。
模式図2を参照すると、上記化合物F及びアルデヒド化合物Gが混合され、還元的アミノ化条件下で処理され、化合物Cが形成される。エステル化合物Eは、塩基の存在下で、HATUなどのカップリング試薬を使用して、化合物CとアルコールDから調製され得る。
模式図3を参照すると、化合物H及びアミン化合物Bが混合され、様々な条件下で処理され、化合物Eが形成される。例えば、化合物HとアミンBの混合物は、100℃乃至120℃に及ぶ温度で、適切な溶媒中で、マイクロ波照射下でBuchwald反応に晒され得る。エステル化合物Eは、1N aq.NaOHなどの塩基条件を使用して、化合物Cを得るために加水分解され得る。
<医薬組成物>
特定の実施形態において、本明細書に記載されるような置換されたピリジン誘導体化合物は、純粋な化学物質(即ち、化合物又はその塩)として投与されてもよい。他の実施形態において、本明細書に記載される置換されたピリジン誘導体化合物は、選択された投与経路及び標準の薬務に基づいて選択される、薬学的に適切又は許容可能な賦形剤又は担体(本明細書では、生理学的に適切又は許容可能な賦形剤又は担体とも称される)と組み合わされる。例えば、REMINGTON: SCI. & PRACT. PHARM. (Gennaro, 21st Ed. Mack Pub. Co., Easton, PA, 2005)を参照。
従って、少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの置換されたピリジン誘導体化合物、或いはその立体異性体、プロドラッグ、薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、或いはN−オキシドと、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物が提供される。1つの実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤と、式1、式2、式3、式4の化合物、或いはそれらの互変異性体、立体異性体、幾何異性体、N−オキシド、又は薬学的に許容可能な塩とを含む、医薬組成物が提供される。別の実施形態では、少なくとも1つの置換されたピリジン誘導体化合物、或いはその立体異性体、プロドラッグ、薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、或いはN−オキシドと、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が提供され、該医薬組成物は治療薬又は予防薬などの少なくとも1つの他の活性剤を更に含む。典型的には、賦形剤は、組成物の他の成分(例えば活性剤又は賦形剤)に適合し、且つ組成物のレシピエント(例えば被験体又は患者)に有害でない場合に、許容可能又は適切である。
特定の実施形態において、式1、式2、式3、又は式4により記載されるような置換されたピリジン誘導体化合物は、例えば化合物合成中に作られる汚染中間体又は副産物などの他の有機小分子を約5%未満又は約1%未満、或いは約0.1%未満しか含まないという点で、ほぼ純粋である。
医薬組成物は、医療分野における当業者によって決定されるような、処置(又は予防)されるべき疾患に適切な方式で投与され得る。投与の適切な用量、及び適切な持続時間並びに頻度は、患者の疾病、患者の疾患のタイプ及び重症度、活性成分の特定の形態、及び投与方法などの要因によって、決定される。通常、適切な用量及び処置レジメンは、治療的及び/又は予防的な利益(例えば、より頻繁な完全寛解又は部分寛解、又はより長い期間にわたり疾患が無い状態及び/又は全生存、或いは症状の重症度の緩和などの、改善された臨床結果)を提供するのに十分な量で、組成物を提供する。最適な用量は一般的に、実験モデル及び/又は臨床試験を使用して決定されてもよい。最適な用量は、患者の体質量、重量、又は血液量に依存してもよい。
本明細書に記載されるような少なくとも1つの置換されたピリジン誘導体化合物を含む医薬組成物の用量は、患者(例えばヒト)の状態、即ち、疾患の段階、通常の健康状態、年齢、及び用量を決定するために医療分野における当業者が使用するであろう他の要因に依存して、異なる場合がある。
従って、幾つかの実施形態では、式1の化合物、式2の化合物、式3の化合物、又は式4の化合物を含む経口投薬形態が提供される。適切な経口投薬形態は、例えば、ハードゼラチン又はソフトゼラチン、メチルセルロース、又は消化管にて容易に溶解する別の適切な材料で作られた、錠剤、丸剤、サシェ剤、又はカプセル剤を含む。例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、滑石、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどの医薬等級を含む、適切な無毒な固形担体が使用され得る。例えば、Remington,2005を参照。
本明細書に記載される置換されたピリジン誘導体化合物に関して、経口用量は典型的に、1日につき1〜4回以上、約1.0mg〜約1000mgの範囲に及ぶ。
関連する実施形態では、医薬製剤、例えば希釈された医薬組成物、或いは式1の化合物、式2の化合物、式3の化合物、又は式4の化合物が提供され、ここで希釈剤は、希釈された医薬組成物、或いは式1の化合物、式2の化合物、式3の化合物、又は式4の化合物の静脈注射に適している。一例の医薬製剤は、医薬組成物又は式2の化合物と、希釈剤として生理食塩水又はデキストロースを含む。
ヒストンデメチラーゼ
各哺乳動物細胞において、約2メートルの線形DNAは、およそ10μm直径の核の内部に適合するほど十分にしっかりと包装され、また更には、必要とされる遺伝子発現に適切なアクセスを確保する。塩基性包装ユニット(basic package unit)であるヌクレオソームは、8つのヒストンタンパク質コアの周囲で配列にDNA創傷のセグメントを含む。これらヌクレオソームは、順に、染色体を形成する一連の連続的により高次のクロマチン構造を介して折り重ねられる。ヒストンはクロマチンの主要なタンパク質成分であるため、例えばメチル化、アセチル化、脱メチル化、又は脱アセチル化によるヒストン修飾には、クロマチン構造に対する深刻な効果がある。様々な部位でヒストンを修飾する複数の種類の酵素が知られている。
より具体的には、ヒストンは、アセチル化、メチル化、リン酸化、又はユビキチン化により修飾され得る(翻訳後)。メチル化は、S−アデノシル(adenyosyl)メチオニンからヒストンへとメチル基を移動させるヒストンメチルトランスフェラーゼにより触媒される。具体的なメチル化の標的は、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、又はタンパク質のC末端のカルボキシメチル化により、リジン残基におけるアミノ基、及びアルギニンのグアニジノ基を含む。ヒストンメチル化は、ヘテロクロマチン形成、X染色体不活性化、及び転写調節を含む多様な範囲の生物プロセスに関与すると知られている。ヒストンメチル化は、DNAメチル化に加えて後成的なコードを提供する「ヒストンコード」の特徴付けられた修飾である。Lachner et al., 116 J. Cell Sci. 2117 (2003); Margueron et al., 15 Curr. Opin. Genet. Devel. 163 (2005)を参照。
メチル化されたリジンは恐らく、ヒストンコードの最も理解されているマークであるが、このコードは、4つの標準のヒストンがそれぞれ複数の異なる修飾により複数の異なる部位にて同時に修飾され得るため、複雑なままである。4つのヒストンファミリーが存在し、例えばヒストンH3は、独立してメチル化されると知られている19のリジンを含み:各々はメチル化されず、或いは、モノメチル化、ジメチル化、又はトリメチル化され得る。ヒストンリジンメチル化のパターンは標準化されており、ヒストンファミリーである、K(リジンの標準の略語)、メチル化された位置残基、及び加えられたメチル基の数(例えば、「me3」は3つのメチル基を意味する)を指し;従ってH3K4me3は、ヒストンH3の上のリジン4のトリメチル化を意味する。一般的に転写活性化と関連付けられるアセチル化とは異なり、ヒストンメチル化が転写の活性化又は抑圧に通じるかどうかは、メチル化の特定の部位及びメチル化の程度(例えば、特定のヒストンリジン残基が、モノメチル化され、ジメチル化され、又はトリメチル化されるかどうか)に依存する。一般に、ヒストンH3K9、H3K27、及びH4K20のメチル化は、転写の抑圧に関連し;反対に、H3K4の脱メチル化はゲノム領域のサイレンシングに関連している。リジンH3K4、H3K36、及びH3K79のメチル化は一般的に、転写活性化に関連し;及びH3K4のトリメチル化とジメチル化(それぞれ、H3K4me3とH3K4me2)は一般に、活発に転写された遺伝子の転写開始部位をマークするが、一方でH3K4のモノメチル化(H3K4me)はエンハンサー配列に関連付けられている。
「デメチラーゼ」又は「タンパク質デメチラーゼ」は、本実施形態の文脈において、ヒストンのアミノ酸側鎖から少なくとも1つのメチル基を取り除く酵素であり、例えばヒストンH3又はH4デメチラーゼとして作用する。例えば、H3デメチラーゼは、H3K4、H3K9、H3K27、H3K36、又はH3K79の1つ以上を脱メチル化することもある。代替的に、H4デメチラーゼはH4K20を脱メチル化することもある。デメチラーゼは、モノメチル化、ジメチル化、又はトリメチル化された基質を脱メチル化し、(例えば細胞ベースのアッセイにおいて)メチル化されたコアヒストン基質、モノヌクレオソーム基質、ジヌクレオソーム基質、又は、ヌクレオソーム基質、ペプチド基質、又はクロマチンに作用することができる。適切に命名されたリジン特異的デメチラーゼ1(LSD1/KDM1)は、発見された第1のリジン特異的ヒストンデメチラーゼであり、この酵素は、補助因子としてフラビンを使用してモノメチル化及びジメチル化されたH3K4とH3K9の両方を脱メチル化する。
Jumonji C(JmjC)ドメインを含む第2の種類のヒストンデメチラーゼが、ホルムアルデヒド放出アッセイとH3K36を使用して確認され;この種類は「JmjCドメイン含有ヒストンデメチラーゼ1」(JHDM1/KDM2A)と命名された。付加的なJmjCドメイン含有タンパク質が後に同定され、それらは、系統発生的に7つのサブファミリーへとクラスター化される:JHDM1、JHDM2、JHDM3、JMJD2、JARID、PHF2/PHF8、UTX/UTY、及びJmjCのドメインのみ。
<JMJD2ファミリー>
JMJD2 jumonjiタンパク質は、トリメチル化及びジメチル化されたH3K9を脱メチル化するヒストンデメチラーゼであり、且つ第1の同定されたヒストントリメチルデメチラーゼであった。特に、JMJD2ファミリーメンバーの異所的発現は、劇的にH3K9me3とH3K9me2のレベルを減少させ、H3K9meのレベルを増大させ;これは、ヘテロクロマチンタンパク質1(HPl)を非局在化し、インビボでヘテロクロマチンの全体的なレベルを下げる。jumonjiタンパク質のJMJD2サブファミリーのメンバーは、JMJD2CとそのホモログであるJMJD2A、JMJD2B、JMJD2D、及びJMJD2Eを含んでいる。jumonjiタンパク質のJMJD2サブファミリーで見られる共通の構造的特徴は、JmjN、JmjC、PHD、及びTdrの配列を含む。
GASC1とKDM4Cとしても知られるJMJD2Cは、H3K9me3とH3K36me3を脱メチル化すると知られている。JMJD2Cによるヒストン脱メチル化は、鉄及びα−ケトグルタル酸塩に依存するヒドロキシル化反応を介して生じ、ここで、JMJD2Cによるα−ケトグルタル酸塩の酸化脱カルボキシル化は、二酸化炭素、スクシナート、及びフェリルを生成し、フェリルは後に、メチル化されたリジンH3K9をヒドロキシル化して、ホルムアルデヒドを放出する。JMJD2Cは核受容体PPARγによる脂肪形成の制御を調整することが知られており、胚性幹細胞中の自己複製の制御に関与することが知られている。
<JARIDファミリー>
JARID1サブファミリー中のJARIDタンパク質は、JARID1A、JARID1B、JARID1C、及びJARID1Dのタンパク質、並びにJARID2サブファミリー、加えてそれらの相同体を含む。JARIDタンパク質の更なる記載及び列挙は、他の場所にも見出すことができる。Klose et al., 7 Nat. Rev. Genet. 715 (2006)を参照。JARID1ファミリータンパク質は、様々な保存ドメインを含む:JmjN、ARID、JmjC、PHD、及びC5HC2のジングフィンガー(zing finger)。
KDM5A又はRBP2とも呼ばれるJARID1Aは、網膜芽細胞腫(Rb)タンパク質の結合パートナーとして最初に見出された。JARID1Aは後に、H3K4me3及びH3K4me2のデメチラーゼとして機能することが分かり、且つ細胞増殖を促進しながら、老化と分化を阻害することが分かっている。例えば、マウス細胞からのJARID1Aが抑止されると、細胞増殖は阻害され、老化と分化が誘発され、インビトロで胚性幹細胞の多能性が失われる。JARID1Aは胃癌で過剰発現されることが分かっており、JARID1Aの喪失は、マウスの癌モデルにおいて腫瘍形成を減少させることが分かっている。加えて、研究により、レチノブラストーマ(retinoblastome)結合タンパク質2(RBP2)ヒストンデメチラーゼの喪失が、Rb1又はMen1を欠いたマウスにおける腫瘍形成を抑えることが実証され、このことは、RBP2阻害薬が抗癌活性を有しているかもしれないことを示している。Lin et al., 108 PNAS 13379 (2011)。
KDM5B及びPLU1とも呼ばれるJARID1Bは元来、HER2チロシンキナーゼによって調節された遺伝子に関する実験において見出された。一貫して、研究により、JARID1Bは乳癌細胞株において発現されることが示され、一方でJARID1Bの制限は、精巣を除く通常の成人組織において見出された。一見するとJARID1Bは前立腺癌においてアップレギュレートされるが、良性の前立腺では発現が更に制限されており;また、膀胱癌及び肺癌(SCLCとNSCLCの両方)においてもアップレギュレートされている。加えて、侵襲性の腺管癌の90%がJARID1Bを発現する。最後に、JARID1Bは、BRCA1、CAV1、及び14−3−3σなどの腫瘍抑制遺伝子を抑制すると見出され;JARID1Bのノックダウンは、これら遺伝子においてトリメチル化されたH3K4のレベルを増大する。
UTX/UTYファミリー
UTX/UTYファミリーは、KDM6A、KDM6B、及びUTYを含む。KDM6A(UTXとも呼ばれる)及びKDM6B(JMJD3とも呼ばれる)は、H3K27me2とH3K27me3に作用し、発達に重要なものである一方、UTYの基質と役割は未だに解明されていない。KDM6A(UTX)及びKDM6B(JMJD3)の両方は、腫瘍形成性のポリコーム群(PcG)タンパク質に対するアンタゴニストとして機能することにより、腫瘍を抑制する特徴を実証した。PcGタンパク質は、H3K27のトリメチル化とジメチル化を触媒する、重要な抑圧的なヒストンマークである。PcG遺伝子は、癌において頻繁に過剰発現又は増幅される腫瘍遺伝子であると特徴付けられている。
従って、少なくとも1つの実施形態では、酵素を本明細書に開示されるような置換されたピリジン誘導体化合物と接触させる工程を含む、ヒストンデメチラーゼ酵素を阻害する方法が提供される。具体的な実施形態において、ヒストンデメチラーゼ酵素はJmjCドメインを含む。別の実施形態では、酵素を本明細書に開示されるような置換されたピリジン誘導体化合物と接触させる工程を含む、ヒストンデメチラーゼ酵素を阻害する方法が提供され、ヒストンデメチラーゼ酵素はJARID1A、JARID1B、JMJD2C、又はJMJD3である。1つの実施形態において、ヒストンデメチラーゼ酵素JMJD3を阻害する方法は、JMJD3酵素を本明細書に開示されるような置換されたピリジン誘導体化合物と接触させる工程を含む。別の実施形態において、ヒストンデメチラーゼ酵素JMJD2Cを阻害する方法は、JMJD2C酵素を本明細書に開示されるような置換されたピリジン誘導体化合物と接触させる工程を含む。
<処置方法>
本明細書には、通常の、又は1以上の特異的な標的遺伝子に関する、細胞又は被験体における脱メチル化を調節する方法が開示される。脱メチル化は、限定されないが、分化;増殖;アポトーシス;腫瘍形成、白血病誘発、又は他の発癌性形質転換の事象;脱毛;又は、性分化を含む様々な細胞の機能を制御するために調節することができる。例えば、本明細書中の特定の実施形態では、JmjCドメインを含む少なくとも1つのデメチラーゼの活性を調節することにより被験体におけるヒストンメチル化又は脱メチル化によって調節される疾患を処置する方法が提供される。具体的な実施形態において、ヒストンデメチラーゼ酵素はJHDMタンパク質である。
本実施形態の別の態様では、被験体に本明細書に記載される少なくとも1つの化合物を投与する工程を含む、癌又は腫瘍性疾患を処置する方法を提供する。患者の癌を処置する方法の更なる態様において、癌は、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、肺癌、又は黒色腫である。特定の実施形態において、腫瘍性疾患は1型多発性内分泌新生物である。特定の実施形態において、癌は網膜芽細胞腫である。一実施形態では、患者に式1の化合物、或いは式1の化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む、患者の癌を処置する方法が提供される。別の実施形態では、患者に式2の化合物、或いは式2の化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む、患者の癌を処置する方法が提供される。別の実施形態では、患者に式3の化合物、或いは式3の化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む、患者の癌を処置する方法が提供される。別の実施形態では、患者に式4の化合物、或いは式4の化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む、患者の癌を処置する方法が提供される。
本実施形態の追加の態様において、腫瘍又は細胞を本明細書に記載される少なくとも1つの化合物に晒す(例えば接触させる)工程を含む、腫瘍又は腫瘍細胞の増殖を阻害する方法が提供される。特定の実施形態において、腫瘍は、網膜芽腫遺伝子(RB1)機能の喪失を特徴とする。特定の実施形態において、腫瘍は、1型多発性内分泌新生物遺伝子(Men1)機能の喪失を特徴とする。実施形態において、腫瘍又は腫瘍細胞の増殖を阻害する方法は、式1の化合物、式1の化合物を含む組成物、又は式1の化合物を含む医薬組成物に腫瘍を晒す工程を含む。実施形態において、腫瘍又は腫瘍細胞の増殖を阻害する方法は、式2の化合物、式2の化合物を含む組成物、又は式2の化合物を含む医薬組成物に腫瘍を晒す工程を含む。実施形態において、腫瘍又は腫瘍細胞の増殖を阻害する方法は、式3の化合物、式3の化合物を含む組成物、又は式3の化合物を含む医薬組成物に腫瘍を晒す工程を含む。実施形態において、腫瘍又は腫瘍細胞の増殖を阻害する方法は、式4の化合物、式4の化合物を含む組成物、又は式4の化合物を含む医薬組成物に腫瘍を晒す工程を含む。
本実施形態の別の態様では、癌又は腫瘍性疾患を処置する薬剤としての、又はそれを製造するための、本明細書に記載される少なくとも1つの化合物の使用が提供される。薬物を製造する対象である癌又は腫瘍性疾患は、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、肺癌、黒色腫、網膜芽細胞腫、又は1型多発性内分泌新生物であり得る。少なくとも1つの実施形態では、式1の化合物、又は式1の化合物を含む組成物の使用が提供される。別の実施形態では、式2の化合物、又は式2の化合物を含む組成物の使用が提供される。別の実施形態では、式3の化合物、又は式3の化合物を含む組成物の使用が提供される。また別の実施形態では、式4の化合物、又は式4の化合物を含む組成物の使用が提供される。
他の実施形態及び使用は、本明細書に照らして当業者に明白となる。以下の実施例は、単に様々な実施形態の実例として提供され、任意の方法で本発明を制限するようには解釈されない。
<I.化学合成>
別段の定めのない限り、試薬と溶媒を、商業供給者から受け取ったものとして使用した。無水の溶媒と炉乾燥させたガラス器具を、湿気及び/又は酸素に敏感な合成形質転換に使用した。収率は最適化されなかった。反応時間はおよそのものであり、最適化されなかった。別段の定めのない限り、カラムクロマトグラフィーと薄層クロマトグラフィー(TLC)をシリカゲル上で行なった。スペクトルをppm(δ)で与え、結合定数Jをヘルツで報告した。プロトンスペクトルについては、溶媒のピークを基準ピークとして用いた。
共通中間体である6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製を、以下の概説に従い行った:
工程A:2−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン
CH3CN(25mL)中の(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−酢酸(1g、4.87mmol)の溶液に、2−(3−ブロモ−フェニル)−エチルアミン(1.08g、5.36mmol)及びPOCl3(3.0g、19.8mmol)を加えた。反応混合物を一晩中還流させた。溶液を真空内で濃縮し、残留物をNaHCO3水溶液で中和した。水相をDCMで抽出し、有機質層をNa2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:1)により精製して、表題化合物(0.6g、35%)を得た。
工程B:2−(6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン
AcOH(10mL)中の2−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(400mg、1.08mmol)の混合物に、において、NaBH4(85mg、2.16mmol)を0℃で少量ずつ加えた(9.5g、61.4mmol)。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO3水溶液で中和し、DCMで抽出した。有機質層をNa2SO4で乾燥し、真空内で濃縮して、表題の粗製化合物(400mg、100%)を得て、これを更に精製することなく次の工程に直接使用した。
工程C:6−ブロモ−1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
DCM(50mL)中の2−(6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(8.0g、21.6mmol))の溶液に、(Boc)2O(5.7g、25.9mmol)及びDIEA(5.9g、43.2mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度(「temp」)で2時間撹拌した。NH4Cl水溶液を加え、有機質層を集め、真空内で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:1)により精製して、表題化合物(4.5g、45%)を得た。
工程D:1−アミノメチル−6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
CH3CN(50mL)中の6−ブロモ−1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−3,4−ジ−ヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.5g、9.6mmol)の溶液に、H2NNH2・H2O(2.7g、96mmol)を加え、反応混合物を一晩還流した。反応の完了後、混合物を真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をDCMにおいて得て、有機質層を水とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=1:1)により精製して、表題化合物(2.5g、76%)を得た。
工程E:6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
N2雰囲気下のトルエン中の1−アミノメチル−6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.5g、7.35mmol)の溶液に、3−ブロモ−イソニコチン酸メチルエステル(1.98g、8.82mmol)、Pd2(dba)3(340mg、0.37mmol)、キサントホス(260mg、0.45mmol)、及びCs2CO3(3.36g、10.3mmol)を加えた。反応混合物を一晩中還流させた。完了後、反応混合物を濾過し、濾液を真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:4)により精製して、表題化合物(1.8g、51.4%)を得た。
工程R:(R)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル及び(S)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシ−カルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
N2雰囲気下のトルエン中の1−アミノメチル−6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.5g、7.35mmol)の溶液に、3−ブロモ−イソニコチン酸メチルエステル(1.98g、8.82mmol)、Pd2(dba)3(340mg、0.37mmol)、キサントホス(260mg、0.45mmol)、及びCs2CO3(3.36g、10.3mmol)を加えた。反応混合物を一晩中還流させた。完了後、反応混合物を濾過し、濾液を真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:4)により精製して、表題化合物(1.8g、51.4%)を得た。NMR(400MHz,CDCl3):δ 1.34−1.49 (d, 9H), 2.74 2.31 (m, 2H), 3.21−3.37 (m, 1H), 3.52−3.66 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.96−4.28 (m, 1H), 5.31 5.47 (m, 1H), 7.06 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 7.34−7.37 (m, 2H), 7.61−7.67 (m, 2H), 7.93−7.97 (m, 1H), 8.34−8.64 (m, 1H)。[M+H] Calc’d for C22H26BrN3O4:476;Found:476。随意に、ラセミ化合物をキラル分離に晒した:カラム、Superchiral S OD、0.46cm I.D.*25cm L;相:CO2/IPA/DE、A=75/25/0.05;F:2.5ml/分;W:UV245nm;T):35℃;RT:4.014分、4.241分。
工程S:tert−ブチル(R)−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−6−(o−トリル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート及びtert−ブチル(S)−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−6−(o−トリル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート
エナンチオマーのスズキカップリングを以下のように行った:N2の下のトルエン(30mL)中の、(R)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル又は(S)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(350mg、0.74mmol)の溶液に、2−メチルフェニルボロン酸(150mg、1.1mmol)、Pd(PPh3)4(43mg、0.04mmol)、及びCs2CO3(720mg、2.2mmol)を加えた。反応混合物を一晩中還流させた。完了後、反応混合物をEAにおいて取り上げ、組み合わせた有機質層を水とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:3)により精製して、表題化合物(350mg、83%)を得た。[M+H] Calc’d for C29H33N3O4:488;Found:488。
実施例1A及び実施例1B:3−[({(1S)−6−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸;及び3−[({(1R)−6−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸
工程F:1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−6−(メチル−p−トリル−アミノ)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
N2雰囲気下のトルエン(30mL)中の6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(110mg、0.23mmol)の溶液に、N−メチル−p−トリル−アミン(34mg、0.28mmol)、Pd2(dba)3(11mg、0.012mmol)、キサントホス(20mg、0.035mmol)、及びCs2CO3(105mg、0.32mmol)を加えた。反応混合物を一晩中還流させた。完了後、反応混合物をEAにおいて取り上げ、組み合わせた有機質層を水とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:4)により精製して、表題化合物(90mg、75%)を得た。分取HPLC(Chiralpak IA 5μm 4.6*250mm、相:Hex:IPA=70:30;F:1.0mL/min;W:230nm;T:30℃)を使用するキラル分離により、以下の2つの光学的に活性な化合物を得た:
3−[({(1S)−6−[メチル(4−トリル)アミノ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸;及び3−[({(1R)−6−[メチル(4−トリル)アミノ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸:
エナンチオマーの各々のBocの加水分解と脱保護を、以下のように実行した:THF/H2O(1:1、10mL)中の1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−6−(メチル−p−トリル−アミノ)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(80mg、0.155のmmol)の溶液に、LiOH・H2O(16mg、0.62mmol)を加えた。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。完了後、反応混合物を真空内で濃縮し、残留物をHCl(2N)でpH3に調整した。水層をEAで抽出し(3回)、組み合わせた有機質層をNa2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をDCM(10mL)に溶解して、その後TFA(1mL)に溶解した。反応混合物を2時間撹拌し、真空内で濃縮して、表題化合物(65%〜80%の収率)を得た。2つのエナンチオマーの分析データは同一である。1H NMR(400MHz,メタノール−d4):δ 2.32 (s, 3H), 3.00−3.07 (m, 2H), 3.29 (s, 3H), 3.33−3.39 (m, 1H), 3.57−3.64 (m, 1H), 3.85−3.93 (m, 1H), 4.04−4.10 (m, 1H), 4.78−4.81 (m, 1H), 6.68−6.75 (m, 2H), 7.02(d, J = 10.8 Hz, 2H), 7.16 7.22 (m, 3H), 8.02 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.43 (s, 1H)。[M+H] Calc’d for C24H26N4O2:403;Found:403。
実施例2A及び実施例2B:3−[({(1S)−6−[2−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸;及び3−[({(1R)−6−[2−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸
工程G:1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−6−[2−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
N2雰囲気下のトルエン(30mL)中の6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(400mg、0.84mmol)の溶液に、2,2,2−トリフルオロ−1−[3−メチル−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エタン(400mg、1.26mmol)、Pd(PPh3)4(50mg、0.043mmol)、及びCs2CO3(825mg、2.53mmol)を加えた。反応物を混合して一晩還流させた。完了後、反応混合物をEAにおいて取り上げ、組み合わせた有機質層を水とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:4)により精製して、表題化合物(380mg、78%)を得た。分取HPLC(Chiralpak IA 5μm 4.6*250mm、相:Hex:EtOH=80:20,F:1.0mL/min;W:230nm;T:30℃)を使用するキラル分離により、以下の2つの光学的に活性な化合物を得た:
表題化合物を、実施例1Aの手順に従い、85〜88%の収率で調製した。1H NMR(400MHz,メタノール−d4):δ 2.23 (s, 3H), 3.17−3.23 (m, 2H), 3.29−3.31 (m, 1H), 3.43−3.52 (m, 1H), 3.67−3.73 (m, 1H), 4.14−4.20 (m, 1H), 4.50−4.59 (m, 2H), 4.98−5.02 (m, 1H), 6.87−6.95 (m, 2H), 7.14(d, J = 10.8 Hz, 1H), 7.25−7.28 (m, 2H), 7.51 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 7.97−8.00 (m, 2H), 8.44 (s, 1H)。[M+H] Calc’d for C25H24F3N3O3:472;Found:472。
実施例3A及び実施例3B:3−{[((1S)−6−{メチル[4−(メチルエチル)フェニル]アミノ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル)メチル]アミノ}ピリジン−4−カルボン酸;及び3−{[((1R)−6−{メチル[4−(メチルエチル)フェニル]アミノ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル−1−メチル]アミノ}ピリジン−4−カルボン酸
表題化合物を、実施例1Aの手順に従い、80%の収率で調製した。1H NMR(400MHz,メタノール−d4):δ 1.25 (d, J = 7.2 Hz, 6H), 2.87−3.06 (m, 3H), 3.29 (s, 3H), 3.34−3.40 (m, 1H), 3.59−3.65 (m, 1H), 3.81−3.87 (m, 1H), 4.02−4.07 (m, 1H), 4.79 4.85 (m, 1H), 6.70 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.76−6.79 (m, 1H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.21 7.25 (m, 3H), 7.90 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 8.34 (s, 1H)。[M+H] Calc’d for C26H30N4O2:431;Found:431
実施例4A及び実施例4B:3−[({(1S)−6−[4−(シクロプロピルメトキシ)−2−メチルフェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸;及び3−[({(1R)−6−[4−(シクロプロピルメトキシ)−2−メチルフェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸
表題化合物を、実施例1Aの手順に従い、72〜75%の収率で調製した。NMR(400MHz,メタノール−d4):δ 0.34−0.38 (m, 2H), 0.59−0.65 (m, 2H), 1.23−1.29 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 3.16−3.30 (m, 2H), 3.42−3.50 (m, 1H), 3.67−3.72 (m, 1H), 3.81 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 3.90−3.98 (m ,1H), 4.12−4.18 (m, 1H), 4.92−5.00 (m, 1H), 6.76−6.82 (m, 2H), 7.07 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 7.23−7.29 (m, 2H), 7.49 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.99 (J = 7.2 Hz, 1H ), 8.41 (s, 1H)。[M+H] Calc’d for C27H29N3O3, 444;Found,444。
以下の概説に従う、共通の中間体であるメチル3−[({(1S)−2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−ブロモイソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート、及びメチル3−[({(1R)−2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−ブロモイソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラートの調製:
工程A:5−ブロモ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
THF(100mL)中の5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン(10.0g、47.4mmol)の溶液に、(Boc)2O(20.6g、94.5mmol)の溶液、及びDMAP(0.57g、4.6mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。完了後、反応混合物を真空内で濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:10)により精製して、表題化合物(13g、88%)を得た。
工程B:5−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
アルゴンの下の78℃の無水THF(10mL)中の5−ブロモ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.0g、16.0mmol)の溶液に、液滴でヘキサン(16mL、24.0mmol)中の水素化ジイソブチルアルミニウムの1.5M溶液を加えた。反応混合物を78℃で2時間撹拌した。反応物を飽和酢酸ナトリウム水溶液(50mL)でクエンチして、室温に暖めた。ジエチルエーテルと飽和塩化アンモニウム水溶液(320mL)の3:1の混合物を加え、懸濁液が生じるまで、結果として生じる混合物を室温で撹拌した。固形物を減圧下で濾過し、ジエチルエーテル(2×5mL)で洗浄した。有機質層を集め、水層をジエチルエーテル(3×100mL)で抽出した。組み合わせた有機質層を水(50mL)とブライン(50mL)で連続して洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空内で濃縮した。粗製の固形物を、更に精製することなく次の工程で使用した。
工程C:5−ブロモ−1−メトキシ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
MeOH(50mL)中の5−ブロモ−1−ヒドロキシ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液に、ピリジニウムp−トルエンスルホナート(500mg、1.9mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次にトリエチルアミン(2.4g、23.7mmol)でクエンチした。反応物を真空内で集めて表題化合物を得て、それを更に精製することなく次の工程に使用した。
工程D:5−ブロモ−1−シアノ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
無水CH2Cl2(50mL)中の粗製の5−ブロモ−1−メトキシ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液に、アルゴンの下、78℃で、トリメチルシリルシアニド(TMSCN、3.0mL、24.1mmol)、及び三フッ化ホウ素−ジエチルエーテラート(3.0mL、24.1mmol)を加えた。反応混合物を78℃で1時間撹拌し、次に飽和NaHCO3(50mL)でクエンチした。結果として生じる混合物を室温に暖め、2時間撹拌した。二相性の溶液を分割し、水相をCH2Cl2(3×40mL)で抽出した。組み合わせた有機質層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EA:PE=1:30)により精製して、白色固形物として表題化合物(3g、58%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 1.57 (s, 9H), 4.72 (s, 2H), 5.70 (s, 1H), 7.29−7.37 (m, 1H), 7.50−7.54 (m, 2H)。
工程E:1−アミノメチル−5−ブロモ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
EtOH(20mL)中の5−ブロモ−1−シアノ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.2g、3.7mmol)の溶液に、ラネーNi(2mLの水中で100mg)を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩、H2雰囲気下で撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を真空内で濃縮して、表題化合物(1.2g、100%)を得た。
工程F:5−ブロモ−1−[(2−メトキシカルボニル−フェニルアミノ)−メチル]−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
N2雰囲気下のトルエン中の1−アミノメチル−5−ブロモ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.2g、3.68mmol)の溶液に、3−ブロモ−イソニコチン酸メチルエステル(0.87g、4.02mmol)、Pd2(dba)3(169mg、0.18mmol)、キサントホス(319mg、0.55mmol)、及びCs2CO3(1.68g、5.15mmol)を加えた。反応混合物を還流で一晩で撹拌した。完了後、反応物を真空内で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EA:PE=1:2)により精製して、表題化合物(0.4g、19%)を得た。
工程G:メチル3−[({(1S)−2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−ブロモイソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート、及びメチル3−[({(1R)−2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−ブロモイソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート
分取−SFC(Superchiral S−OZ 5μl 4.6*250mm、CO2:IPA:DEA=60:40:0.05、F:2.5mL/min、W:254nm、T:35℃)を使用するキラル分離により、2つの光学的に活性な化合物(RT:2.46min及び3.13min)を得た。
実施例5A及び実施例5B:3−[({(1S)−5−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸;及び3−[({(1R)−5−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸
N2下のトルエン(10mL)中のメチル3−[({2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−ブロモイソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート(50mg、0.11mmol)の溶液に、N−メチル−p−トリル−アミン(26mg、0.21mmol)、Pd(dba)3(5mg、0.005mmol)、キサントホス(9mg、0.015mmol)、及びCs2CO3(49mg、0.15mmol)を加えた。反応混合物を一晩中還流させた。完了後、反応混合物をEAにおいて取り上げ、水とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥して、真空内で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EA:PE=1:2)により精製して、油としてメチル3−[({2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート(50mg、92%)を得た。
THF/H2O(1:1,10mL)中のメチル3−[({2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−[メチル(4−メチル−フェニル)アミノ]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート(50mg、0.099mmol)の溶液に、LiOH・H2O(16mg、0.62mmol)を加えた。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応物を真空内で濃縮し、pHをHCl(2N)で〜pH3に調整した。水層をEAで抽出し(3回)、組み合わせた有機質層をNa2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をDCM(10mL)に溶解して、その後、液滴でTFA(1mL)を加え、周囲温度で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を真空内で濃縮して、表題化合物(68〜84%)を得た。2つのエナンチオマーの分析データは同一である。1H NMR(400MHz,メタノール−d4):δ 2.33 (s, 3H), 3.25 (s, 3H), 3.84−3.91 (m, 1H), 4.02−4.08 (m, 1H), 4.46−4.62 (m, 2H), 5.19−5.22 (m, 1H), 6.78−6.81 (m, 2H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.18 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.97−8.07 (m, 2H), 8.38 (s, 1H)。[M+H] Calc’d for C23H24N4O2:403;Found:403。
実施例6A及び実施例6B:3−{[((1S)−5−{メチル[4−(メチルエチル)フェニル]アミノ}イソ−インドリニル)メチル]アミノ}ピリジン−4−カルボン酸;及び3−{[((1R)−5−{メチル[4−(メチルエチル)フェニル]アミノ}イソインドリニル)メチル]アミノ}ピリジン−4−カルボン酸
表題化合物を、実施例5Aの手順に従い、44〜58%の収率で調製した。1H NMR(300MHz,メタノール−d4):δ 1.25 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 2.88−2.92 (m, 1H), 3.26 (s, 3H), 3.85−3.88 (m, 1H), 4.00−4.02 (m, 1H), 4.45−4.57 (m, 2H), 5.17−5.20 (m, 1H), 6.80−6.83 (m, 2H), 7.05 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.22−7.30 (m, 3H), 7.93−7.95 (m, 2H), 8.33 (s, 1H)。[M+H] Calc’d for C25H28N4O2, 416;Found,416。
実施例7A及び7B:3−[({(1S)−5−[2−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸;及び3−[({(1R)−5−[2−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸
N2雰囲気下のトルエン(10mL)中のメチル3−[({2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−ブロモイソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート(50mg、0.11mmol)の溶液に、2,2,2−トリフルオロ−1−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))フェノキシ]エタン(68mg、0.21mmol)、Pd(PPh3)4(12mg、0.01mmol)、及びCs2CO3(106mg、0.32mmol)を加えた。反応混合物を一晩還流させた。完了後、反応混合物をEAにおいて取り上げ、水とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥して、真空内で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EA:PE=1:2)により精製して、油としてメチル3−[({(2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−[2−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート(80、%)を得た。
THF/H2O(1:1,10mL)中のメチル3−[({2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−[2−メチル−4−(2,2,2−トリ−フルオロエトキシ)フェニル]イソインドリニル}メチル)−アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート(50mg、0.087mmol)の溶液に、LiOH・H2O(16mg、0.62mmol)を加えた。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応物を真空内で濃縮し、pHをHCl(2N)で〜pH3に調整した。水層をEAで抽出し(3回)、組み合わせた有機質層をNa2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をDCM(10mL)に溶解して、その後、液滴でTFA(1mL)を加え、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を真空内で濃縮して、表題化合物(66〜76%)を得た。1H NMR(400MHz,メタノール−d4):δ 2.20 (s, 3H), 4.00−4.02 (m, 1H), 4.13−4.15 (m, 1H), 4.50−4.56 (m, 2H), 4.64−4.74 (m, 2H), 5.37−5.40 (m, 1H), 6.88−6.95 (m, 2H), 7.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.34−7.37 (m, 2H), 7.58 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.97−8.04 (m, 2H), 8.43 (s, 1H)。[M+H] Calc’d for C24H22F3N3O3, 457;Found, 457。
実施例8A及び実施例8B:(R)−3−(((6−(o−トリル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((6−(o−トリル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
エナンチオマーの各々のBocの加水分解と脱保護を、以下のように実行した:THF/H2O(1:1.10mL)中のtert−ブチル(R)−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−6−(o−トリル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート又は(S)−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−6−(o−トリル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート(90mg、0.18mmol)の溶液に、LiOH・H2O(24mg、0.55mmol)を加えた。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。完了後、反応混合物を真空内で濃縮し、残留物をHCl(2N)で〜pH3に調整した。水層をEAで抽出し(3×5mL)、組み合わせた有機質層をNa2SO4で乾燥させ、真空内で濃縮した。残留物をDCM(10mL)に溶解して、その後TFA(1mL)に溶解した。反応混合物を2時間撹拌し、真空内で濃縮して、表題化合物(70mg、75%)を得た。NMR(400MHz,メタノール−d4):δ 2.23 (s, 3H), 3.18−3.24 (m, 2H), 3.47−3.60 (m, 1H), 3.69−3.74 (m, 1H), 3.97−4.03 (m, 1H), 4.16−4.20 (m, 1H), 5.01−5.03 (m, 1H), 7.15−7.30 (m, 6H), 7.53 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 8.04−8.07 (m, 2H), 8.49(s, 1H)。[M+H] Calc’d for C23H23N3O2:374;Found:374。
実施例9A及び実施例9B:(R)−3−(((6−(2−エチルフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((6−(2−エチルフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例8Aと8Bの手順に従い、最大80%の収率で調製した。NMR(400MHz,メタノール−d4):δ 1.05 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 2.57 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 3.15−3.23 (m, 2H), 3.45−3.52 (m, 1H), 3.69−3.75 (m, 1H), 3.99−4.05 (m, 1H), 4.18−4.23 (m, 1H), 5.03−5.06 (m, 1H), 7.11−7.32 (m, 6H), 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.54 (s, 1H)[M+H] Calc’d for C24H25N3O2:388;Found:388。
工程T:tert−ブチル(R)−6−((4−エチルフェニル)(メチル)アミノ)−1−(((4−(メトキシカルボニル(ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート;及びtert−ブチル(S)−6−((4−エチルフェニル)(メチル)アミノ)−1−(((4−(メトキシカルボニル(ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート
エナンチオマーのバックワルド反応を以下のように行った:N2下のトルエン(30mL)中の(R)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(80mg、0.17mmol)の溶液に、4−エチル−N−メチルアニリン(27mg、0.20mmol)、Pd2(dba)3(8mg、0.01mmol)、キサントホス(6mg、0.01mmol)、及びCs2CO3(80mg、0.24mmol)を加えた。反応混合物を一晩中還流させた。完了後、反応混合物をEAにおいて取り上げ、組み合わせた有機質層を水とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:3)により精製して、表題化合物(40mg、44%)を得た。[M+H] Calc’d for C31H38N4O4:531;Found:531。
実施例10A及び実施例10B:(R)−3−(((6−((4−エチルフェニル)(メチル)アミノ)−1,2,3,4−テトラ−ヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((6−((4−エチルフェニル)(メチル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例8Aと8Bの手順に従い、最大50%の収率で調製した。NMR(400MHz,メタノール−d4):δ 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 2.65 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.96−3.12 (m, 2H), 3.29 (s, 3H), 3.34−3.41 (m, 1H), 3.59−3.65 (m, 1H), 3.85−3.91 (m, 1H), 4.05−4.09 (m, 1H), 4.82−4.93 (m, 1H), 6.69−6.77 (m, 2H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.20−7.22 (m, 3H), 8.01−8.10 (m, 2H), 8.42−8.50 (m, 1H)。[M+H] Calc’d for C25H28N4O2:417;Found:417。
工程U:(R)−2−(6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン、及び(S)−2−(6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン
DMF(500mL)中の2−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(111.1g、301mmol)の溶液に、RuCl(p−シメン)[(R,R)−Ts−DPEN]又はRuCl(p−シメン)[(S,S)−Ts−DPEN](19.2g、30.1mmol)を室温で加えた。HCO2H(100mL)とTEA(40mL)の混合物を0℃で液滴で加えた。混合物を周囲温度で4時間撹拌した。完了後、溶液をH2Oで希釈し、pHをNa2CO3で〜pH10に調整した。溶液をDCM(3×800ml)で抽出した。有機質層をH2Oとブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空内で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:4〜1:1)により精製して、白色固形物として表題化合物(82.0g、73.4%)を得た。[M+H] Calc’d for C18H15BrN2O2:371;Found:371。
工程V:(R)−6−ブロモ−1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル、及び(S)−6−ブロモ−1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
DCM(800mL)中の2−(6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(82.0g、221mmol)の溶液に、(Boc)2O(57.8g、265mmol)及びDIEA(57.0g、442mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で6時間撹拌した。NH4Cl水溶液を加え、有機質層を真空内で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:10〜1:5)により精製して、白色固形物として表題化合物(93g、93.6%)を得た。[M+H] Calc’d for C23H23BrN2O4:471;Found:471。
工程W:(R)−1−アミノメチル−6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル、及び(S)−1−アミノメチル−6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
CH3CN(500mL)中の(R)−6−ブロモ−1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル又は(S)−6−ブロモ−1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(55g、117mmol)の溶液に、H2NNH2・H2O(117g、2.34mol)を加え;反応混合物を6時間還流した。反応の完了後、混合物を真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をDCMに溶解し、水とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空内で濃縮して、ピンク色の油として表題化合物(39.7g、100%)を得た。[M+H] Calc’d for C15H21BrN2O2:341;Found:341。
工程X:(R)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル;及び(S)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(300mL)中の(R)−1−アミノメチル−6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル又は(S)−1−アミノメチル−6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(39.7g、117mmol)、3−ブロモ−イソニコチン酸メチルエステル(30.3g、140mmol)、Pd2(dba)3(5.38g、5.84mmol)、キサントホス(4.05g、7.01mmol)、及びCs2CO3(53.3g、163mmol)の混合物を、N2の下、120℃で一晩撹拌した。完了後、反応混合物を濾過し、濾液を真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:20〜1:4)により精製して、黄色固形物として表題化合物(28.0g、50.1%)を得た。[M+H] Calc’d for C22H26BrN3O4:476;Found:476。
工程Y:(R)−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−6−(メチル−p−トリル−アミノ)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸)tert−ブチルエステル、及び(S)−1−[(4−メトキシ−カルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−6−(メチル−p−トリル−アミノ)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
トルエン(80mL)中の(R)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル又は(S)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシ−カルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.0g、8.40mmol)、N−メチル−p−トリル−アミン(1.22g、10.1mmol)、Pd2(dba)3(387mg、0.42mmol)、キサントホス(729mg、1.26mmol)、及びCs2CO3(3.83g、11.8mmol)の混合物を、N2雰囲気の下、120℃で一晩撹拌した。完了後、反応混合物を濾過し、濾液を真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:10〜1:5)により精製して、黄色の油として表題化合物(3.16g、72.8%)を得た。[M+H] Calc’d for C30H36N4O4:517;Found:517。
工程Z:メチル(R)−3−(((6−(メチル(p−トリル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチナート、及びメチル(S)−3−(((6−(メチル(p−トリル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチナート
DCM(30mL)中の(R)−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−6−(メチル−p−トリル−アミノ)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸)tert−ブチルエステル又は(S)−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−6−(メチル−p−トリル−アミノ)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.16g、6.11mmol)の溶液に、周囲温度でTFA(10mL)を加え、2時間撹拌した。完了後、結果として生じる溶液を真空内で濃縮した。残留物を飽和NaHCO3で中和し、EA(3×100mL)で抽出した。有機質層をブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空内で濃縮して、黄色の油として表題化合物(2.54g、99.6%)を得た。[M+H] Calc’d for C25H28N4O2:417;Found:417。
工程A1:メチル(R)−3−(((2−メチル−6−(メチル(p−トリル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチナート、及びメチル(S)−3−(((2−メチル−6−(メチル(p−トリル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチナート
DMSO(50mL)中の(R)−3−{[6−(メチル−p−トリル−アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル]−アミノ}−イソニコチン酸メチルエステル又は(S)−3−{[6−(メチル−p−トリル−アミノ)−1,2,3,4−テトラ−ヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル]−アミノ}−イソニコチン酸メチルエステル(2.54g、6.11mmol)及びDIEA(1.58g、12.2mmol)の溶液に、液滴でDMSO(50mL)中のCH3I(865mg、6.11mmol)の溶液を加えた。混合物を周囲温度で2時間撹拌した。完了後、溶液をH2Oで希釈し、DCM(100mL)で抽出した。有機質層をH2O(80mLで3回)とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH:DCM=1:40)により精製して、黄色の油として表題化合物(1.4g、53.2%)を得た。[M+H] Calc’d for C26H30N4O2:431;Found:431。
実施例11A及び実施例11B:(R)−3−(((2−メチル−6−(メチル(p−トリル)アミノ)−1,2,3,4−テトラ−ヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((2−メチル−6−(メチル(p−トリル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
THF/H2O(50mL)中の(R)−3−{[2−メチル−6−(メチル−p−トリル−アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソ−キノリン−1−イルメチル]−アミノ}−イソニコチン酸メチルエステル又は(S)−3−{[2−メチル−6−(メチル−p−トリル−アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イルメチル]−アミノ}−イソニコチン酸メチルエステル(1.4g、3.25mmol)及びLiOH・H2O(410mg、9.74mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。完了後、反応混合物の量を真空内で還元し、pHをHCl(1N)で〜pH7に調整した。沈殿物を濾過し、濾過ケーキを真空内で乾燥して、黄色の油として表題化合物(1.05g、77.8%)を得た。[M+H] Calc’d for C25H28N4O2:417;Found:417。NMR(400MHz,CD3OD):δ 8.07 (s, 1H), 7.82 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.15−7.12 (m, 3H), 7.00−6.97 ( m, 2H), 6.74 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.65 (s, 1H), 4.41 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 3.76 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.67−3.63 (m, 1H), 3.24 3.18 (m, 4H), 3.01−2.98 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 2.31(s, 3H)。
工程B1:tert−ブチル(R)−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−6−(o−トリル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート;及びtert−ブチル(S)−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−6−(o−トリル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート
エナンチオマーのスズキカップリングを以下のように行った:トルエン(40mL)中の(R)−6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル又は(S)6−ブロモ−1−[(4−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルアミノ)−メチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(900mg、1.89mmol)、2−メチル−フェニルボロン酸(311mg、2.29mmol)、Pd(PPh3)4(108mg、0.095mmol)、及びCs2CO(1.85g、5.67mmol)の混合物を、N2雰囲気の下、120℃で一晩撹拌した。完了後、反応混合物を濾過し、濾液を真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:10〜1:5)により精製して、黄色の油として表題化合物(921mg、99.8%)を得た。[M+H] Calc’d for C29H33N3O4:488;Found:488。
実施例12A及び実施例12B:(R)−3−(((2−メチル(6−(o−トリル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((2−メチル−6−(o−トリル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソ−キノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例8Aと実施例8Bの手順に従い調製した。NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.26 (s, 1H), 7.77 (d, J = 5.2 Hz, 1H,), 7.49 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.27−7.19 (m, 3H), 7.16−7.10 (m, 1H), 7.08 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 3.82−3.81 (m, 1H), 3.71−3.61 (m, 2H), 3.16−3.11 (m, 1H), 2.88 2.82 (m, 2H), 2.70−2.65 (m, 1H), 2.50 (s, 3H ), 2.19 (s, 3H )。[M+H] Calc’d for C24H25N3O2:388;Found:388。
実施例13A及び実施例13B:(R)−3−(((6−((4−エチルフェニル)(メチル)アミノ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((6−((4−エチルフェニル)(メチル)アミノ)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例11Aと実施例11Bの手順に従い、86%の収率で調製した。NMR(400MHz,CD3OD):δ 8.06 (s, 1H), 7.81 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.17−7.12 (m, 3H), 7.01−6.99 (m, 2H), 6.75 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 4.42−4.39 (m, 1H), 3.77 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 3.66−3.62 (m, 1H), 3.26−3.18 (m, 4H), 3.00−2.98 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 2.62 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.22 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。[M+H] Calc’d for C26H30N4O2:431;Found:431。
実施例14A及び実施例14B:(R)−3−(((2−メチル−6−(メチル(4−プロピルフェニル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((2−メチル−6−(メチル(4−プロピルフェニル)アミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例11Aと実施例11Bの手順に従い調製した。NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.10 (s, 1H), 7.86 (d, J = 5.2 Hz, 1H),7.70 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.17−7.14 (m, 3H), 7.02 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.78−6.75 (m, 1H), 6.68 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.57−4.54 (m, 1H), 3.82−3.81 (m, 2H), 3.76−3.73 (m, 1H), 3.33−3.30 (m, 1H), 3.25 (s, 3H), 3.06−3.03 (m, 2H), 2.94 (s, 3H), 2.59−2.55 (m, 2H), 1.67−1.61 (m, 2H), 0.97−0.93 (m, 2H)。[M+H] Calc’d for C27H32N4O2:445;Found:445。
実施例15A及び実施例15B:(R)−3−(((6−(2−エチルフェニル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソ−キノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((6−(2−エチルフェニル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例12Aと実施例12Bの手順に従い、最大66%の収率で調製した。NMR(400MHz,CD3OD):δ 8.22 (s, 1H), 7.75 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.36−7.26 (m, 3H), 7.23−7.18 (m, 1H), 7.11 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.01 (s, 1H), 3.80 (t, J = 4.0 Hz, 1H), 3.66−3.61 (m, 2H), 3.16−3.10 (m, 1H), 2.88−2.81 (m, 2H), 2.69−2.64 (m, 1H), 2.53−2.48 (m, 2H), 2.48 (s, 3H), 1.01(t, J = 7.6 Hz, 3H)。LCMS:[M+H] Calc’d for C25H27N3O2:402;Found:402。
実施例16A及び実施例16B:(R)−3−(((6−(2−イソプロピルフェニル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((6−(2−イソプロピルフェニル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例12Aと実施例12Bの手順に従い、最大42%の収率で調製した。NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 8.25 (s, 1H), 7.75 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.40−7.29 (m, 3H), 7.18 (m, 1H), 7.08 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.01 (m, 2H), 3.80 (t, J = 4.0 Hz, 1H), 3.67−3.65 (m,2H), 3.14−3.11(m, 1H), 2.94−2.81 (m, 3H), 2.67−2.66 (m, 1H), 2.51 (s, 3H), 1.08(m, 6H)。LCMS:[M+H] Calc’d for C26H29N3O2:416;Found:416。
実施例17A及び実施例17B:(R)−3−(((6−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((6−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例12Aと実施例12Bの手順に従い調製した。NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 8.25 (s, 1H), 7.74 (d, J = 4.8 Hz, 1H),7.45 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.15−7.05 (m, 3H), 6.86−6.84 (m, 2H), 3.81 (s, 1H), 3.70−3.66 (m, 2H), 3.12−3.09 (m, 1H), 2.86−2.78 (m, 2H), 2.67−2.65 (m, 1H), 2.50 (s, 3H ), 1.96 (s, 3H ), 1.84 (s, 3H )。[M+H] Calc’d for C25H27N3O2:402;Found:402。
工程C1:tert−ブチル(R)−5−ブロモ−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)イソインドリン−2−カルボキシラート;及びtert−ブチル(S)−5−ブロモ−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)イソインドリン−2−カルボキシラート
分取−SFC(Superchiral S−OZ 5μl 4.6*250mm、CO2:IPA:DEA=60:40:0.05、F:2.5mL/min、W:254nm、T:35℃)を使用するキラル分離により、2つの光学的に活性な化合物(RT:2.46min及び3.13min)を得た。NMR(CDCl3,400MHz):δ 8.44 (s, 1H), 7.95−7.88(m, 1H), 7.62−7.55 (m, 1H), 747−7.36 (m, 3H), 7.20−7.10 (m, 1H), 5.29−5.19 (m, 1H), 4.85 4.48 (m, 2H), 3.92−3.90 (m, 4H), 3.80−3.77 (m, 1H), 1.54 (s, 9H,)。LCMS:[M+H] Calc’d for C21H24BrN3O4:462;Found:462。
工程D1:3−[({(1S)−5−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸、及び3−[({(1R)−5−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボン酸
N2雰囲気下のトルエン(100mL)中のメチル3−[({2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−ブロモイソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート(4.5g、9.72mmol)の溶液に、N−メチル−p−トリル−アミン(1.4g、11.66mmol)、Pd(dba)3(450mg、0.5mmol)、キサントホス(840mg、1.5mmol)、及びCs2CO3(4.5g、13.6mmol)を加えた。反応混合物を一晩中還流させた。完了後、反応混合物をEAにおいて取り上げ、水とブラインで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥して、真空内で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EA:PE=1:4)により精製して、油としてメチル3−[({2−[(tert−ブチル)オキシカルボニル]−5−[メチル(4−メチルフェニル)アミノ]イソインドリニル}メチル)アミノ]ピリジン−4−カルボキシラート(2.6g、54%)を得た。LCMS:[M+H] Calc’d for C29H34N4O4:503;Found:503。
実施例18A及び実施例18B:(R)−3−(((2−メチル−5−(メチル(p−トリル)アミノ)イソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((2−メチル−5−(メチル(p−トリル)アミノ)イソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例11Aと11Bの手順に従い、最大65%の収率で調製した。NMR(400MHz,CD3OD):δ 8.49 (s, 1H), 8.30 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.27−7.19 (m, 3H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.83−6.79 (m, 2H), 5.10−5.09 (m, 1H), 4.94−4.89 (m, 1H), 4.45−4.42 (m, 1H), 4.17−4.00 (m, 2H), 3.27 (s, 3H), 3.14 (s, 3H), 2.33 (s, 3H)。LCMS:[M+H] Calc’d for C24H26N4O2:403;Found:403。
実施例19A及び実施例19B:(R)−3−(((5−((4−エチルフェニル)(メチル)アミノ)−2−メチルイソ−インドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((5−((4−エチルフェニル)(メチル)アミノ)−2−メチルイソ−インドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例18Aと18Bの手順に従い、最大87%の収率で調製した。NMR(400MHz,CD3OD):δ 8.35 (s, 1H), 8.01−7.97(m, 2H), 7.28−7.21 (m, 3H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.85−6.78 (m, 2H), 5.07−5.05 (m, 1H), 4.90−4.85 (m, 1H), 4.47−4.41 (m, 1H), 4.14−4.09 (m, 1H), 3.98−3.95 (m, 1H), 3.27 (s, 3H), 3.14 (s, 3H), 2.64 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。LCMS:[M+H] Calc’d for C25H28N4O2:417;Found:417。
実施例20A及び実施例20B:(R)−3−(((2−メチル−5−(メチル(4−プロピルフェニル)アミノ)イソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸、及び(S)−3−(((2−メチル−5−(メチル(4−プロピル−フェニル)アミノ)イソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例18Aと18Bの手順に従い、最大60%の収率で調製した。NMR(400MHz,CD3OD):δ 8.34 (s, 1H), 8.02−7.97 (m, 2H), 7.27−7.19 (m, 3H), 7.06−7.03 (m, 2H), 6.84−6.78 (m, 2H), 5.07−5.04 (m, 1H), 4.90−4.85 (m, 1H), 4.44−4.40 (m, 1H), 4.13−4.09 (m, 1H), 3.98−3.93 (m, 1H), 3.27 (s, 3H), 3.13 (s, 3H), 2.58 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.69−1.59 (m, 2H), 0.95 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。LCMS:[M+H] Calc’d for C26H30N4O2:431;Found:431。
工程E1:tert−ブチル(R)−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−5−(o−トリル)イソインドリン−2−カルボキシラート;
及びtert−ブチル(S)−1−(((4−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イル)アミノ)メチル)−5−(o−トリル)イソインドリン−2−カルボキシラート
トルエン(40mL)中のtert−ブチル(1R)−5−ブロモ−1−({[4−(メトキシカルボニル)(3−ピリジン)]アミノ}メチル)イソインドリン−2−カルボキシラート(200mg、0.43mmol)、2−メチルフェニルボロン酸(118mg、0.86mmol)、Pd(PPh3)4(25mg、0.02mmol)、及びCs2CO3(420mg、1.29mmol)の混合物を、N2雰囲気の下、120℃で一晩撹拌した、完了後、反応混合物を濾過し、濾液を真空内で濃縮した。結果として生じる残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EA:PE=1:3)により精製して、黄色の油として表題化合物(130mg、65%)を得た。[M+H] Calc’d for C28H31N3O4:474;Found:474。
実施例21A及び実施例21B:(R)−3−(((2−メチル−5−(o−トリル)イソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;及び(S)−3−(((2−メチル−5−(o−トリル)イソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例12Aと12Bの手順に従い、最大60%の収率で調製した。NMR(400MHz,CD3OD):δ 8.19 (s, 1H), 8.80 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.30−7.12 (m, 6H), 5.07−5.04 (m, 1H), 4.90−4.85 (m, 1H), 4.28−4.25 (m, 1H), 4.11−4.07 (m, 1H), 3.96−3.92 (m, 1H), 3.01 (s, 3H), 2.18 (s, 3H)。
LCMS:[M+H] Calc’d for C23H23N3O2:374;Found:374。
実施例22A及び実施例22B:(R)−3−(((5−(2−エチルフェニル)−2−メチルイソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸;及び(S)−3−(((5−(2−エチルフェニル)−2−メチルイソインドリン−1−イル)メチル)アミノ)イソニコチン酸
表題化合物をそれぞれ、実施例21Aと21Bの手順に従い、最大47%の収率で調製した。NMR(400MHz,CD3OD):δ 8.25 (s, 1H), 7.86 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.34−7.29 (m, 4H), 7.23−7.20 (m, 1H), 7.11 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.10−5.03 (m, 2H), 4.44 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.18−4.14 (m, 1H), 4.04−3.99 (m, 1H), 3.11 (s, 3H), 2.53 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.03 (t, J = 7.6 Hz, 3H)LCMS:[M+H] Calc’d for C24H25N3O2:388;Found:388。
式2の化合物の追加の実施形態を表3に示す(「実施例」は、上述のような「実施例の調製」の例に従い調製された化学物質の合成例を指す):
<II.生物学的評価>
実施例1A:JMJD2C活性に関するインビトロの酵素阻害アッセイ
このアッセイにより、試験化合物がJMJD2Cデメチラーゼ活性を阻害する能力を判定する。バキュロウィルス発現JMJD2C(GenBank Accession #BC143571, AA 2−372)を、BPS Bioscience(Cat#50105)から購入した。
JMJD2Cアッセイ
試験化合物がJMJD2Cの活性を阻害する能力を、以下の反応条件下で384ウェルのプレートのフォーマットにおいて判定した:0.3nMのJMJD2C、300nMのH3K9me3−ビオチン標識化ペプチド(Anaspec cat # 64360)、50mMのHEPES、pH7.3、0.005%のBrij35、0.5mMのTCEP、0.2mg/mlのBSA、50μMのL−アスコルビン酸ナトリウム、及び2μMの硫酸鉄(II)アンモニウムのアッセイバッファー中の2μMのα−ケトグルタル酸。それぞれ50nMと1nMの終末濃度でのLANCE検出バッファー(PerkinElmer)における5mMのEDTAの存在下で、検出試薬であるPhycolink ストレプトアビジン−アロフィコシアニン(Prozyme)とユーロピウム−抗−ジメチル化ヒストンH3リジン9(H3K9me2)抗体(PerkinElmer)の追加後、反応生成物をTR−FRETによって定量的に判定した。
アッセイ反応を、以下により開始した:3%のDMSO中の11点連続希釈した2μlの阻害剤を伴う、900nMのH3K9me3−ビオチン標識化ペプチドと6μMのα−ケトグルタル酸の2μlの混合物を、プレートの各ウェルに加え、続いて、2μlの0.9nM JMJD2Cを加えて、反応を生じさせた。反応混合物を室温で30分間インキュベートし、100nMのPhycolink ストレプトアビジン−アロフィコシアニンと2nMのユーロピウム−抗−H3K9me2抗体を含有するLANCE検出バッファー中に6μlの5mM EDTAを加えることで、終了させた。室温で1時間のインキュベーション後、TR−FRETモード(320nmにて励起、615nm及び665nmにて発光)のEnVisionMultilabel Readerにより、プレートを読み取った。各ウェルについて比率を計算し(665/615)、阻害定数(IC50)を判定するために適合させた。
実施例1B:JMJD3活性に関するインビトロの酵素阻害アッセイ
このアッセイにより、試験化合物がJMJD3デメチラーゼ活性を阻害する能力を判定する。バキュロウィルス発現JMJD3(GenBank Accession #NM−001080424,AA1043−end)を、BPS Bioscience(Cat#50110)から購入した。
JMJD3アッセイ
JMJD3活性の酵素アッセイは、時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(TR−FRET)の検出に基づく。試験化合物がJMJD3の活性を阻害する能力を、以下の反応条件下で384のウェルプレートのフォーマットにおいて判定した:5nMのJMJD3、250nMのH3K27me3−ビオチン標識化ペプチド(Anaspec cat #64367)、50mMのHEPES、pH7.3、0.005%のBrij35、0.5mMのTCEP、0.2mg/mlのBSA、50μMのL−アスコルビン酸ナトリウム、及び5μMの硫酸鉄(II)アンモニウムのアッセイバッファー中の0.4〜2μMのα−ケトグルタル酸。それぞれ50nMと1nMの終末濃度でのLANCE検出バッファー(PerkinElmer)における5mMのEDTAの存在下で、検出試薬であるPhycolink ストレプトアビジン−アロフィコシアニン(Prozyme)とユーロピウム−抗−ジメチル化H3K27me2抗体(PerkinElmer)の追加後、反応生成物をTR−FRETによって定量的に判定した。
アッセイ反応を、以下により開始した:3%のDMSO中の11点連続希釈した2μLの阻害剤を伴う、750nMのH3K27me3−ビオチン標識化ペプチドと1.2〜6μMのα−ケトグルタル酸の2μlの混合物を、プレートの各ウェルに加え、続いて、2μlの15nM JMJD3を加えて、反応を生じさせた。反応混合物を室温で30分間インキュベートし、100nMのPhycolink ストレプトアビジン−アロフィコシアニンと2nMのユ−ロピウム−抗−H3K27me2抗体を含有するLANCE検出バッファー中に6μlの5mM EDTAを加えることで、終了させた。室温で1時間のインキュベーション後、TR−FRETモード(320nmにて励起、615nm及び665nmにて発光)のEnVisionMultilabel Readerにより、プレートを読み取った。各ウェルについて、665/615の読み取りからの比率を計算し、阻害定数(IC50)を判定するために適合させた。
実施例1C:Jarid1B活性に関するインビトロの酵素阻害アッセイ
Jarid1Bアッセイ
試験化合物がJarid1Bの活性を阻害する能力を、以下の反応条件下で384ウェルのプレートのフォーマットにおいて判定した:0.8nM Jarid1B、300nM H3K4me3−ビオチン標識化ペプチド(Anaspec cat # 64357)、50mM HEPES、pH7.3、0.005% Brij35、0.5mM TCEP、0.2mg/ml BSA、50μM L−アスコルビン酸ナトリウム、及び2μMの硫酸鉄(II)アンモニウムのアッセイバッファー中の2μMのα−ケトグルタル酸。それぞれ25nMと1nMの終末濃度でのLANCE検出バッファー(PerkinElmer)における5mMのEDTAの存在下で、検出試薬であるPhycolink ストレプトアビジン−アロフィコシアニン(Prozyme)とユーロピウム−抗−ジメチル化H3K4me又はH3K4me2抗体(PerkinElmer)の追加後、反応生成物をTR−FRETによって定量的に判定した。
アッセイ反応を、以下により開始した:3%のDMSO中の11点連続希釈した阻害剤を伴う、900nMのH3K4me3−ビオチン標識化ペプチドと6μMのα−ケトグルタル酸の2μlの混合物を、プレートの各ウェルに加え、続いて、2μlの2.4nM Jarid1Bを加えて、反応を生じさせた。反応混合物を室温で30分間インキュベートし、50nMのPhycolink ストレプトアビジン−アロフィコシアニンと2nMのユーロピウム−抗−H3K4me/H3K4me2抗体を含有するLANCE検出バッファー中に6μlの5mM EDTAを加えることで、終了させた。室温で1時間のインキュベーション後、TR−FRETモード(320nmにて励起、615nm及び665nmにて発光)のEnVisionMultilabel Readerにより、プレートを読み取った。各ウェルについて比率を計算し(665/615)、阻害定数(IC50)を判定するために適合させた。
本明細書に開示される化合物がデメチラーゼ活性を阻害する能力を定量化し、それぞれのIC50値を判定した。表4と5は、本明細書に開示された様々な化合物のIC50値を提供する(「実施例」は、上述のような化学物質の合成例を指す):
実施例2:インビトロの細胞ベースのアッセイ
Jurkat(T−ALL)細胞株の増殖アッセイ(Cell−MTSアッセイ)は、確立されたヒト急性T細胞白血病癌細胞株Jurkatの増殖をKDM小分子阻害剤が達成する能力を評価するための比色定量の細胞アッセイである。
このCell−MTSアッセイは、試験化合物の有無にかかわらず、新しく生成されたNADHの量を定量化する、7日間のプレートベースの比色定量アッセイである。これらのNADHレベルを、癌細胞増殖の定量化の代わりに使用する。
アッセイ方法
p53変異が検証されている確立された癌細胞株Jurkatを、American Type Culture Collection(ATCC)から購入し、ATCCにより公開されたプロトコルに従って慣例的に継代した。慣例的なアッセイのために、これらの細胞を、96ウェル当たり10,000の細胞の密度で蒔いた。プレーティングの24時間後、細胞は、10μM〜0.15nMの終末濃度範囲を持つ試験化合物の11点の稀釈を受けた。37℃、及び5%のCO2で168時間、化合物の存在下で細胞をインキュベートした。この化合物インキュベーション期間の終わりに、80μLの培地を取り除き、20μのCellTiter 96(登録商標)AQueous Non−Radioactive Cell Proliferation Assayの溶液(Promega)を加える。OD490が>0.6に到達するまで、細胞をインキュベートした。IDBS XLfitソフトウェアパッケージを使用してIC50値を計算し、これは、バックグラウンド減算したOD490値、及びDMSO対照に対する標準化を含む。細胞増殖のIC50値をアップロードし、Chem Biography Platformを用いてアーカイブに保管する。
表6は、本明細書に開示される様々な化合物の細胞IC50値を提供する。
表7は、細胞のヒト食道扁平上皮癌KYSE−150細胞において試験された、本明細書に開示される様々な化合物のIC50値を提供する:
実施例3:インビトロの異種移植研究
0.72mgの17−βエストラジオールを含有する時間放出ペレット剤を、nu/nuマウスに皮下注入する。MCF−7細胞を、5%のCO2、37℃で、10%のFBSを含有するRPMI中で増殖させる。細胞を沈降させ、1×107細胞/mLで50%の無血清RPMI及び50%のマトリゲルの中で再懸濁する。ペレット剤注入の2−3日後、MCF−7細胞を右側腹部に皮下注射し(100μL/動物)、腫瘍体積(長さ×幅2/2)を隔週毎にモニタリングする。腫瘍が最大200mm3の平均体積に達すると、動物を無作為化し、処置を始める。動物を4週間、ビヒクル又は試験化合物で毎日処置する。腫瘍体積と体重を、研究の全体にわたって隔週毎にモニタリングする。処置期間の終わりに、血漿と腫瘍のサンプルを、薬物動態学的及び薬理学的な分析それぞれのために採取する。
III.医薬剤形の調製
実施例1:経口錠剤
48重量%の式1、式2、式3、又は式4の化合物;45重量%の微結晶性セルロース;5重量%の低置換ヒドロキシプロピルセルロース;及び2重量%のステアリン酸マグネシウムを混合することによって、錠剤を調製する。直接圧縮によって錠剤を調製する。圧縮錠剤の全重量を、250−500mgで維持する。