JP2019220329A - プラズマ供給装置、プラズマ生成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、第2ガスが第1空間に多量に供給された場合には、複数の電極において放電が行われ難くなったり、電極が酸化し易くなったりする。そのため、第2ガスを第1空間に多量に供給することは望ましくない。
それに対して、第2ガスが、第1空間より下流側の第2空間に供給されれば、上述の問題を回避することができる。そこで、本プラズマ供給装置においては、第2ガスが第2空間に供給されるようにしたのであり、それにより、第2空間に供給される第2ガスの量を増やし、生成される第2プラズマの量を多くすることができる。被処理物に供給される第2プラズマの量を増やすことができ、被処理物のプラズマ処理効果を高めることができる。
内側部材30と外側部材32との間には、隙間が形成され、その隙間のうち、放電空間28より下流側に位置する部分が第2空間としての下流側空間34とされる。内側部材30の底部(下流側の部分)、すなわち、放電空間28と下流側空間34との間に位置する部分が仕切り部36とされ、仕切り部36には、複数の長手方向に貫通する貫通孔38が形成される。下流側空間34と放電空間28とは互いにz方向に仕切り部36を介して隣接して設けられ、放電空間28において生成されたプラズマが活性状態を保ったまま下流側空間34に供給可能とされる。また、貫通孔38は、後述するように、放電空間28から下流側空間34へのプラズマの流れを許容し、下流側空間34から放電空間28への第2ガスの流れを抑制するように設計される。
なお、第1ガスは、酸素ガス、エア、水蒸気を含むガスとすることもできるが、第1ガスは、電極22,24に直接接触するものであるため、第1ガスに含まれる酸素ガス、エア、水蒸気等の量は少なくすることが望ましい。
放電空間28において、一対の電極22,24の間に交流電圧が印加されることにより、放電が起き、第1ガスがプラズマ化されて第1プラズマが生成される。第1ガスとして、窒素ガスと酸素ガスとを含むガスが供給された場合には、放電空間28において、第1プラズマとして酸素イオン、酸素ラジカル、電子等が生成される。そして、第1プラズマは、仕切り部36を経て(複数の貫通孔38を経て)下流側空間34に供給される。
第2プラズマの照射により被処理物Wの表面に生成される親水性の官能基の種類は、被処理物Wを構成する材料等で決まるが、被処理物Wが有機材料(プラスチックス材料)である場合には、炭素、窒素を含む官能基が生成されることが多い。
例えば、仕切り部36に形成された貫通孔38の開口面積(断面積)が大きく(流路抵抗が小さく)、かつ、プラズマ出力部42に形成された貫通孔40等の開口面積が小さい(流路抵抗が大きい)場合には、第1ガスが放電空間28に供給されることにより、放電空間28と下流側空間34とを含む空間において対流が生じ易くなる。そのため、下流側空間34に供給された第2ガスが下流側空間34から放電空間28に流入する可能性が高く、望ましくない。
一方、貫通孔38の開口面積が小さい(流路抵抗が大きい)場合には、第1ガスの対流は下流側空間34に及び難いため、第2ガスが下流側空間34から放電空間28に流入する可能性は低くなる。しかし、第1プラズマが放電空間28から下流側空間34に供給され難くなる。
これら、放電空間28および下流側空間34を含む空間における対流の生じ易さ、第1プラズマの下流側空間34への流入し易さ、第2ガスの放電空間28への流入し易さ等は、第1ガスの放電空間28への流量、貫通孔38,40の形状等の影響を受ける。
以上のことを考慮して、本実施例においては、貫通孔38、40の形状(開口面積、長さ)等は、第1プラズマの放電空間28から下流側空間34への流れを許容し、かつ、第2ガスが下流側空間34から放電空間28に流れ難くなるように設計されるのである。
また、外側部材32は、絶縁性材料で製造されたものとすることに限らず、金属材料で製造されたものとすることができる等、本発明は、前記実施形態に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
Claims (7)
- 本体と、
前記本体の内部に設けられ、複数の電極の間の空間を含み、第1ガスが供給される第1空間と、
前記本体の内部の前記第1空間より下流側に設けられ、前記第1ガスとは異なる第2ガスが供給される第2空間と、
前記第2空間において生成されたプラズマを出力して被処理物に供給するプラズマ出力部と
を含むプラズマ供給装置。 - 前記本体が、前記第1空間と前記第2空間との間に設けられ、前記第1空間から前記第2空間へのプラズマの流れを許容するが、前記第2空間から前記第1空間へのプラズマの流れを抑制する仕切り部を含む請求項1に記載のプラズマ供給装置。
- 前記第1ガスが、前記第2ガスより前記複数の電極における放電によりプラズマ化され易いものであり、
前記第2ガスが、前記第1ガスより前記被処理物のプラズマ処理効果の高いプラズマが生成される成分を多く含むものである請求項1または2に記載のプラズマ供給装置。 - 前記第1ガスが、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、エアのうちの1つ以上を含み、
前記第2ガスが、酸素ガス、水蒸気、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、水素ガス、フッ素ガスのうちの1つ以上を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載のプラズマ供給装置。 - 前記本体が、概して2重構造とされ、前記第1空間を形成する内側部材と、前記内側部材の外側に位置し、かつ、前記内側部材とは別部材である外側部材とを含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載のプラズマ供給装置。
- 前記内側部材が、前記第1空間と前記第2空間とを仕切る仕切り部を含み、
前記仕切り部が、前記第1空間から前記第2空間へのプラズマの流れを許容するが、前記第2空間から前記第1空間へのプラズマの流れを抑制するものである請求項5に記載のプラズマ供給装置。 - 複数の電極の間の空間を含む第1空間に第1ガスを供給することにより第1プラズマを生成する第1プラズマ生成工程と、
前記第1空間より下流側の、前記第1プラズマが供給される第2空間に第2ガスを供給することにより第2プラズマを生成する第2プラズマ生成工程と
を含むプラズマ生成方法。
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