JP2019220252A - 2段式熱スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】飛翔体搭載機器の電気回路を、2回目の空力加熱ピーク時にクローズさせる2段式熱スイッチを提供する。【解決手段】2段式熱スイッチは、協働して電気回路の接点を構成する第1コンタクト(30)及び第2コンタクト(40)と、第1コンタクトのうち第2コンタクトと対向する面に固定され、作動温度領域に融点を有する熱検知素子(50)を備え、初期状態において、第2コンタクトと熱検知素子は、それらの間に間隔が存在する状態で配置されており、1回目の熱の流入後に、第2コンタクトと熱検知素子が互いに接触し、2回目の熱の流入時に、熱検知素子が融解して流失することにより、第1コンタクトと第2コンタクトが互いに接触し、電気回路がクローズする。【選択図】図1

Description

本発明は、高速飛翔体に搭載された機器の電気回路を、空力加熱を利用することにより所定のタイミングでクローズさせるための熱スイッチに関する。
例えばミサイル、観測用ロケット等の高速飛翔体においては、そのミッションに関わる電気機器(例えば、電気的に作動する信管、観測機器等)を所定のタイミングで作動可能な状態とするために、これらの機器の電気回路を所定のタイミングでクローズさせるためのスイッチが用いられている。
このようなスイッチの一つとして、高速飛翔体が大気中を飛行する際に受ける空力加熱を利用した熱スイッチが知られている。
この熱スイッチは、第1コンタクトと、スプリングによって第1コンタクトに向けて押し付けられた第2コンタクトと、両コンタクトの間に介在する熱検知素子とを備えており、第1コンタクトが空力加熱によって高温になると熱検知素子が融解して両コンタクトの間から流失し、その結果、両コンタクトが接触して、これらを接点とする電気回路がクローズするように構成されている(例えば、非特許文献1参照)。
弾道学研究会、「火器弾薬技術ハンドブック」、防衛技術協会、2012年4月、2012年改訂版、p.582(3.3.3(2)項、図2.4.3-16)
ところで、高速飛翔体には、ある地点から発射された後、大気中(及び、場合によっては宇宙空間内)を弾道飛行して、発射地点から遠く離れた目標地点に落下するように設計されるものがある。
図3は、このような長射程の高速飛翔体が受ける空力加熱の時間変化を示すグラフである。同図に示されるように、空力加熱による加熱率は2つのピークを有している。
このうち、ピークAは、高速飛翔体が発射地点から大気中を上昇する際に受ける空力加熱の加熱率が極大となるタイミングに対応し、ピークBは、高速飛翔体が目標地点に向けて大気中を下降する際に受ける空力加熱の加熱率が極大となるタイミングに対応している。
このように、ミッション中に2回にわたって空力加熱の加熱率が極大となるような高速飛翔体に、上述したような熱スイッチを採用した場合、2回目の空力加熱(図3におけるピークB)をトリガーとして電気回路をクローズさせることが求められる場合であっても、1回目の空力加熱(図3におけるピークA)がトリガーとなって意図しないタイミングで電気回路がクローズしてしまう虞がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、ミッション中に2回にわたって空力加熱が極大となるような高速飛翔体に搭載された機器の電気回路を、空力加熱が2回目に極大となるタイミングでクローズさせることができる2段式熱スイッチを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の2段式熱スイッチは、協働して電気回路の接点を構成する第1コンタクト及び第2コンタクトと、前記第1コンタクトのうち前記第2コンタクトと対向する面に固定され、作動温度領域に融点を有する熱検知素子と、を備え、初期状態において、前記第2コンタクトと前記熱検知素子は、それらの間に間隔が存在する状態で配置されており、1回目の熱の流入後に、前記第2コンタクトと前記熱検知素子が互いに接触し、2回目の熱の流入時に、前記熱検知素子が融解して流失することにより、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトが互いに接触し、前記電気回路がクローズする。
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様の2段式熱スイッチは、中空円筒状のハウジングと、前記ハウジング内に収容され、前端への熱の流入により軸方向長さが増加し、当該前端からの熱の流出により軸方向長さが減少する伸縮ユニットと、前記第2コンタクトの前記ハウジング内における軸方向位置を変更する位置変更ユニットと、をさらに備え、前記第1コンタクト及び第2コンタクトは、前記ハウジング内に軸方向に並んで収容され、前記第1コンタクトは、前記ハウジング内に軸方向に移動可能に収容されたキャリアによって支持されており、前記キャリアは、スプリングによって前記第2コンタクトに向かう方向に押し付けられ、初期状態において、前記熱検知素子と前記第2コンタクトとの間に間隔が存在する位置に配置されており、前記伸縮ユニットの前記前端に熱が流入して当該伸縮ユニットの長さが増加した後、当該前端から熱が流出して前記伸縮ユニットの長さが減少すると、前記位置変更ユニットによって、前記第2コンタクトの前記ハウジング内における軸方向位置が、初期状態における位置から前記熱検知素子と接触する位置へ変更される。
本発明の第3の態様の2段式熱スイッチにおいて、前記伸縮ユニットは、前記ハウジング内に固定された中空円筒状のシリンダと、前端が軸方向に移動可能に前記シリンダに挿入された非導電性の材料から成る円柱状のシャフトと、を備え、前記シリンダ内には作動油が貯留されており、前記シャフトの前記前端は当該作動油と接しており、前記シリンダの前端への熱の流入に伴い、前記作動油が膨張して前記シャフトを後方へ変位させることにより、前記伸縮ユニットはその長さが増加し、前記シリンダの前記前端からの熱の流出に伴い、前記作動油が収縮して前記シャフトを前方へ変位させることにより、前記伸縮ユニットはその長さが減少する。
本発明の第4の態様の2段式熱スイッチにおいて、前記位置変更ユニットは、前記ハウジングの内面から径方向内方へピンが突出し得るように取り付けられ、初期状態において前記第2コンタクトの軸方向の移動を規制するように構成された第1プランジャと、前記第2コンタクトの内面から径方向内方へピンが突出し得るように取り付けられた第2プランジャと、前記シャフトの外面における前記第2プランジャと周方向に同位相となる位置に設けられ、軸方向に延びるキー溝と、から成り、前記第2プランジャの前記ピンの先端は、初期状態において前記シャフトの外面と接触しており、前記伸縮ユニットの長さが増加すると、前記第2プランジャの前記ピンの先端は前記キー溝に嵌り込み、その後、前記伸縮ユニットの長さが減少すると、前記第2プランジャの前記ピンの先端が前記キー溝の後端面と係合することにより、前記第2コンタクトの軸方向位置が変更され、同時に、前記第1プランジャの前記ピンの先端が前記第2コンタクトの後方において径方向内方へ落ち込んだ状態となることにより、前記第2コンタクトの軸方向の移動が規制される。
本発明によれば、ミッション中に2回にわたって空力加熱が極大となるような高速飛翔体に搭載された機器の電気回路を、空力加熱が2回目に極大となるタイミングでクローズさせることが求められる場合に、空力加熱が1回目に極大となるタイミングでは電気回路をクローズさせず、空力加熱が2回目に極大となるタイミングで確実に電気回路をクローズさせることができるという優れた効果を得ることができる。
本発明の2段式熱スイッチの概略構造を示す断面図である。 本発明の2段式熱スイッチの作動態様を示す説明図であり、(A)は空力加熱が1回目に極大となるタイミングにおける状況を、(B)は空力加熱が1回目に極大となった後、2回目に極大となるタイミングまでの状況を、(C)は空力加熱が2回目に極大となるタイミングにおける初期状況を、(D)は(C)の状況に続いて2つのコンタクトが接触した状況を、それぞれ示している。 長射程の高速飛翔体が受ける空力加熱の時間変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の2段式熱スイッチの概略構造を示す断面図である。なお、同図は、2段式熱スイッチが組み立てられた直後の状態(以下、初期状態という。)を示している。
2段式熱スイッチ1は、主要な構成要素として、ハウジング10、シリンダ20、第1コンタクト30、第2コンタクト40、熱検知素子50及びシャフト60を備えている。
ハウジング10は、高断熱性かつ非導電性の材料から成る中空円筒状の部材である。中空部分は、前方内壁10Fによって囲まれた大径部と、後方内壁10Rによって囲まれた小径部とから成り、前方内壁10Fと後方内壁10Rとは、軸方向に垂直な中間内壁10Mによって接続されている。
シリンダ20は、同軸上に配置された直径の異なる2つの円筒状の部分から成り軸方向の後端が開放された部材であって、大径の貯油部22と、小径のシャフトガイド部24とから成っている。
貯油部22は、前壁22F、周壁22C及び後壁22Rから成る中空円筒状の部分であり、後壁22Rの中心部には円形の開口22Aが形成されている。
周壁22Cは、その外径がハウジング10の前方内壁10Fの内径より僅かに大きく形成されており、当該ハウジング10の前方内壁10Fに締まり嵌めされている。このとき、前壁22Fの前面は、ハウジング10の前面と面一になることが好ましいが、ハウジング10の前面より前方へ突出、あるいは、後方へ陥入していてもよい。
前壁22F、周壁22C及び後壁22Rによって囲まれた空洞22Hは、作動油で満たされている。この作動油は、後壁22Rの中心部に形成された開口22Aを通じて、後述するシャフトガイド部24の内部と空洞22Hとの間を流動できるようになっている。
シャフトガイド部24は、軸方向の両端が開放された中空円筒状の部分であり、貯油部22の後壁22Rに形成された円形の開口22Aの直径と等しい内径を有している。シャフトガイド部24は、後述するシャフト60の前後方向の移動を案内する機能を有している。シャフトガイド部24の内壁には、軸方向の1または複数箇所に全周にわたる溝(図示省略)が形成されており、当該溝にはシールリング(図示省略)が嵌め込まれている。これにより、後述するようにシャフト60が前後方向に移動する際にも、貯油部22の空洞22Hから作動油が漏出することが防止される。
第1コンタクト30は、後述する第2コンタクト40と共に、高速飛翔体に搭載される機器の電気回路ECの接点を構成する部材である。第1コンタクト30は、導電性の材料から成る環状の部材であり、キャリア32によって支持されている。
キャリア32は、高断熱性の材料から成る環状の部材であって、その後面には環状の溝32Gが形成されており、当該溝32Gに第1コンタクト30が嵌め込まれている。
また、キャリア32の前面と、シリンダ20の貯油部22の後壁22Rとの間には、スプリング33が介装されている。これにより、キャリア32には、スプリング33の後ろ向きの弾性力が作用し、初期状態においては、キャリア32の後面がハウジング10の中間内壁10Mに押し付けられている。
さらに、キャリア32の外周には、導電性の材料から成るインナースリーブ34が締まり嵌めされており、当該インナースリーブ34と第1コンタクト30は、キャリア32の内部に埋め込まれた導電路W1aを介して接続されている。
ハウジング10の前方内壁10Fのうち、インナースリーブ34と対向する部位には、全周にわたる溝10Gが形成されており、当該溝10Gには導電性の材料から成るアウタースリーブ12が嵌め込まれている。アウタースリーブ12は、ハウジング10に埋め込まれた導電路W1bを介して、上述した電気回路ECに接続されている。
アウタースリーブ12の内面は、前方内壁10Fの内面と面一とされており、また、インナースリーブ34は、前方内壁10Fの内径と等しい外径を有するものとして形成されている。これにより、後述するようにキャリア32が前後方向に移動する際、インナースリーブ34とアウタースリーブ12の接触状態が維持される。その結果、第1コンタクト30は、キャリア32の内部に埋め込まれた導電路W1a、インナースリーブ34、アウタースリーブ12及びハウジング10に埋め込まれた導電路W1bを介して、上述した電気回路ECとの導通を維持することができる。
第2コンタクト40は、第1コンタクト30と軸方向に並んで設けられ、第1コンタクト30と共に、高速飛翔体に搭載される機器の電気回路ECの接点を構成する部材である。第2コンタクト40は、導電性の材料から成る環状の部材であり、導電路W2を介して、上述した電気回路ECに接続されている。
第2コンタクト40は、ハウジング10の後方内壁10Rの内径より僅かに小さい外径を有するものとして形成されている。また、第2コンタクト40の外面には窪み40Dが形成されている。
ハウジング10の後方内壁10Rのうち、初期状態において、第2コンタクト40の外面に形成されたくぼみ40Dと対向する部位には、径方向に延びる止まり穴10Hが形成されており、当該止まり穴10Hには第1プランジャ14が嵌め込まれている。
第1プランジャ14は、ハウジング14Hとスプリング14Sとピン14Pから成り、ピン14Pにはスプリング14Sの径方向内向きの弾性力が作用している。初期状態においては、ピン14Pの先端が第2コンタクト40の外面に形成されたくぼみ40Dに嵌り込んでいる。これにより、第2コンタクト40の軸方向移動が規制されている。
ただし、くぼみ40Dは比較的浅く形成されており、そこに嵌り込んだ第1プランジャ14のピン14Pによる軸方向の拘束力は比較的小さい。したがって、第2コンタクト40に軸方向の大きな荷重が作用した場合には、ピン14Pがくぼみ40Dの内面から受ける荷重の径方向成分によって第1プランジャ14のスプリング14Sが押し縮められ、ピン14Pがくぼみ40Dから逸脱する。その結果、第2コンタクト40は、軸方向に移動することが可能となる。
また、第2コンタクト40の内面には、径方向に延びる止まり穴40Hが形成されており、当該止まり穴40Hには第2プランジャ42が嵌め込まれている。
第2プランジャ42は、ハウジング42Hとスプリング42Sとピン42Pから成り、ピン42Pにはスプリング42Sの径方向内向きの弾性力が作用している。初期状態において、ピン42Pの先端は後述するシャフト60の外面と接触しているが、当該接触は、シャフト60の軸方向移動を規制するものではない。
熱検知素子50は、例えば樹脂などの非導電性材料から成る環状の部材であって、第1コンタクト30の後面に適宜の方法により固定されている。熱検知素子50を構成する材料としては、後述するように2段式熱スイッチ1が空力加熱を受けた際に達する温度領域、すなわち2段式熱スイッチ1の作動温度領域に融点を有するものが選択される。
シャフト60は、非導電性材料から成る円柱状の部材であって、その前方部分はシリンダ20のシャフトガイド部24の内部に嵌め込まれている。このとき、シャフト60の前面は、シリンダ20の貯油部22の空洞22H内に貯留された作動油と接している。換言すれば、シリンダ20の内部空間のうちシャフト60の前方に位置する部位は、作動油によって満たされており、空隙は存在しない。
シャフト60は、第1コンタクト30及び第2コンタクト40を貫通して軸方向に延びているが、シャフト60の外面と第1コンタクト30の内面との間には、環状の通路Pが形成されている。また、第2コンタクト40の内面は、シャフト60の外径よりも僅かに大きな内径を有するものとして形成されており、シャフト60の外面との間に実質的に摩擦力は作用しない。さらに、シャフト60の外面のうち、周方向において、第2コンタクト40の内面に形成された止まり穴40Hに嵌め込まれた第2プランジャ42と同位相となる部位には、軸方向に延びるキー溝60Gが形成されている。
以上のように構成された2段式熱スイッチ1は、高速飛翔体が空力加熱を受ける際に、その熱がシリンダ20の貯油部22の前壁22Fに効率的に伝達されるような位置、例えば高速飛翔体の頭部(先端部)の近傍に配置される。
これによって、2段式熱スイッチ1は、高速飛翔体に搭載された機器の電気回路ECを、空力加熱が1回目に極大となるタイミング(高速飛翔体が発射地点から大気中を上昇する際に受ける空力加熱の加熱率が極大となるタイミング)ではクローズさせず、空力加熱が2回目に極大となるタイミング(高速飛翔体が目標地点に向けて大気中を下降する際に受ける空力加熱の加熱率が極大となるタイミング)でクローズさせるように作動するが、当該作動の態様を、図2を参照して以下で説明する。
図2は、2段式熱スイッチ1の作動態様を示す説明図であり、(A)は空力加熱が1回目に極大となるタイミングにおける状況を、(B)は空力加熱が1回目に極大となった後、2回目に極大となるタイミングまでの状況を、(C)は空力加熱が2回目に極大となるタイミングにおける初期状況を、(D)は(C)の状況に続いて2つのコンタクトが接触した状況を、それぞれ示している。
空力加熱が1回目に極大となるタイミングにおいて、その熱がシリンダ20の貯油部22の前壁22Fに伝達されると(図2(A)中の矢印AH参照)、貯油部22の空洞22H内に貯留された作動油も加熱され、膨張する。その結果、シャフト60の前面には軸方向後向きの荷重が作用し、シャフト60は後方へ移動する(図中の白抜き矢印参照)。
このとき、シャフト60との間に間隔(通路P)を有するキャリア32によって支持された第1コンタクト30、及び、第1プランジャ14によって軸方向移動が規制された第2コンタクト40は、初期状態と同じ状態を維持するが、第2コンタクト40の第2プランジャ42のピン42Pは、シャフト60のキー溝60Gに嵌り込んだ状態となる。
空力加熱が1回目に極大となるタイミングが過ぎると、シリンダ20の貯油部22の前壁22Fは放熱し(図2(B)中の矢印HD参照)、これに伴って貯油部22の空洞22H内に貯留された作動油は収縮する。その結果、シャフト60には軸方向前向きの荷重が作用し、シャフト60は前方へ移動する(図中の白抜き矢印参照)。
このとき、シャフト60のキー溝60Gに嵌り込んだ第2プランジャ42のピン42Pは、当該キー溝60Gの後端面から軸方向前向きの荷重を受ける。この荷重は、上述したように、作動油の容積の減少に起因する大きなものであるため、第2コンタクト40は、第1プランジャ14のピン14Pによる軸方向の拘束力に打ち勝って前方へ移動する。その結果、第2コンタクト40の前面は、熱検知素子50の後面に接触し、さらに、スプリング33の弾性力に抗して熱検知素子50と共に第1コンタクト30及びキャリア32を前方へ移動させる。また、これと同時に、第1プランジャ14のピン14Pは、第2コンタクト40の後方において径方向内方へ落ち込んだ状態となる。これにより、第2コンタクト40は、第1プランジャ14のピン14Pによって軸方向後方への移動が規制された状態となる。
続いて、空力加熱が2回目に極大となるタイミングにおいて、その熱がシリンダ20の貯油部22の前壁22Fに伝達されると(図2(C)中の矢印AH1参照)、空力加熱が1回目に極大となるタイミングと同様に、貯油部22の空洞22H内に貯留された作動油も加熱されて膨張し、その結果、シャフト60は後方へ移動する(図中の白抜き矢印参照)。
しかしながら、シャフト60のキー溝60Gの軸方向長さは、このときのシャフト60の後方への移動量より大きなものとされているので、当該キー溝60Gに嵌り込んだ状態となっている第2コンタクト40の第2プランジャ42のピン42Pが、キー溝60Gの前面と接触して軸方向後向きの荷重を受けることはない。また、第2コンタクト40の軸方向後方への移動は、第1プランジャ14のピン14Pによって規制された状態にある。したがって、空力加熱が2回目に極大となるタイミングにおいては、第2コンタクト40の軸方向位置に変化は生じない。
一方、上述した熱はさらに、図2(C)中の矢印AH2で示すように、シリンダ20の貯油部22の前壁22Fから周壁22C及び後壁22R、シャフト60、並びに、第2コンタクト40を介して熱検知素子50に伝達される。このように、シャフト60及び第2コンタクト40は、熱検知素子50に熱を伝達する機能を有する部材であるので、熱伝導率の高い材料(例えば銅など)で形成されることが好ましい。
このように熱検知素子50への熱の伝達が続くと、当該熱検知素子50は遂には融解し始める。このとき、融解した液状の熱検知素子50の一部はキャリア32の後面とハウジング10の中間内壁10Mの間に形成された空間Sへ、残部は通路Pを経てキャリア32の前方の空間(スプリング33が収容されている空間)へ、それぞれ流出する。そして、融解の進行に伴って熱検知素子50の軸方向の厚さが減少すると、スプリング33の後ろ向きの弾性力によって、第1コンタクト30を支持するキャリア32が軸方向後方へ徐々に移動する。
最終的に、熱検知素子50が全て融解してキャリア32の前方の空間へ流出すると、図2(D)に示すように、第1コンタクト30の後面と第2コンタクト40の前面とが接触するに至り、電気回路ECがクローズすることになる。
以上で説明したように、シリンダ20及びシャフト60は、前端(貯油部22の前壁22F)への熱の流入によって長さが増加し、当該前端からの熱の流出によって長さが減少する伸縮ユニットとして作用すると共に、前端から流入した熱を第2コンタクト40に伝達する作用をも有している。
また、第1プランジャ14及び第2プランジャ42、並びに、シャフト60に形成されたキー溝60Gは、上述した伸縮ユニットの(1回目の)伸縮の際に、第2コンタクト40を、初期状態における位置、すなわち第1コンタクト30の表面に固定された熱検知素子50との間に間隔が存在する状態の位置から、当該熱検知素子50と接触する位置まで移動させると共に、その位置に固定する位置変更ユニットとして作用する。
これにより、1回目の加熱(空力加熱が1回目に極大となるタイミングに対応)及びその後の放熱によって伸縮ユニットが伸縮すると、位置変更ユニットの作用によって第2コンタクト40が移動して熱検知素子50を介して第1コンタクト30と対向する状態となり、2回目の加熱(空力加熱が2回目に極大となるタイミングに対応)によって伸縮ユニット及び第2コンタクト40を通じて伝達される熱により熱検知素子50が融解し流失すると、スプリング33によって第2コンタクト40に向かって押し付けられている第1コンタクト30が最終的に第2コンタクト40に接触して、電気回路がクローズすることになる。
以上のように、本発明の2段式熱スイッチ1によれば、ミッション中に2回にわたって空力加熱が極大となるような高速飛翔体に搭載された機器の電気回路ECを、空力加熱が2回目に極大となるタイミングでクローズさせることが求められる場合に、空力加熱が1回目に極大となるタイミングでは電気回路ECをクローズさせず、空力加熱が2回目に極大となるタイミングで確実に電気回路ECをクローズさせることができるという優れた効果を得ることができる。
なお、熱検知素子50は、空力加熱が2回目に極大となる際の入熱量によって完全に融解するような大きさを有するものとして形成されていればよく、その形状は、上述したように環状でなくてもよい。例えば、角柱状または円柱状のブロックとして形成した複数の熱検知素子を、第1コンタクト30の後面上の周方向に互いに離れた箇所に固定してもよい。
1 2段式熱スイッチ
10 ハウジング
14 第1プランジャ(位置変更ユニット)
14P ピン
20 シリンダ(伸縮ユニット)
30 第1コンタクト
32 キャリア
33 スプリング
40 第2コンタクト
42 第2プランジャ(位置変更ユニット)
42P ピン
50 熱検知素子
60 シャフト(伸縮ユニット)
60G キー溝(位置変更ユニット)

Claims (4)

  1. 協働して電気回路の接点を構成する第1コンタクト及び第2コンタクトと、
    前記第1コンタクトのうち前記第2コンタクトと対向する面に固定され、作動温度領域に融点を有する熱検知素子と、を備え、
    初期状態において、前記第2コンタクトと前記熱検知素子は、それらの間に間隔が存在する状態で配置されており、
    1回目の熱の流入後に、前記第2コンタクトと前記熱検知素子が互いに接触し、
    2回目の熱の流入時に、前記熱検知素子が融解して流失することにより、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトが互いに接触し、前記電気回路がクローズすることを特徴とする2段式熱スイッチ。
  2. 中空円筒状のハウジングと、
    前記ハウジング内に収容され、前端への熱の流入により軸方向長さが増加し、当該前端からの熱の流出により軸方向長さが減少する伸縮ユニットと、
    前記第2コンタクトの前記ハウジング内における軸方向位置を変更する位置変更ユニットと、をさらに備え、
    前記第1コンタクト及び第2コンタクトは、前記ハウジング内に軸方向に並んで収容され、前記第1コンタクトは、前記ハウジング内に軸方向に移動可能に収容されたキャリアによって支持されており、
    前記キャリアは、スプリングによって前記第2コンタクトに向かう方向に押し付けられ、初期状態において、前記熱検知素子と前記第2コンタクトとの間に間隔が存在する位置に配置されており、
    前記伸縮ユニットの前記前端に熱が流入して当該伸縮ユニットの長さが増加した後、当該前端から熱が流出して前記伸縮ユニットの長さが減少すると、前記位置変更ユニットによって、前記第2コンタクトの前記ハウジング内における軸方向位置が、初期状態における位置から前記熱検知素子と接触する位置へ変更されることを特徴とする請求項1に記載の2段式熱スイッチ。
  3. 前記伸縮ユニットは、
    前記ハウジング内に固定された中空円筒状のシリンダと、
    前端が軸方向に移動可能に前記シリンダに挿入された非導電性の材料から成る円柱状のシャフトと、を備え、
    前記シリンダ内には作動油が貯留されており、前記シャフトの前記前端は当該作動油と接しており、
    前記シリンダの前端への熱の流入に伴い、前記作動油が膨張して前記シャフトを後方へ変位させることにより、前記伸縮ユニットはその長さが増加し、
    前記シリンダの前記前端からの熱の流出に伴い、前記作動油が収縮して前記シャフトを前方へ変位させることにより、前記伸縮ユニットはその長さが減少する、ことを特徴とする請求項2に記載の2段式熱スイッチ。
  4. 前記位置変更ユニットは、
    前記ハウジングの内面から径方向内方へピンが突出し得るように取り付けられ、初期状態において前記第2コンタクトの軸方向の移動を規制するように構成された第1プランジャと、
    前記第2コンタクトの内面から径方向内方へピンが突出し得るように取り付けられた第2プランジャと、
    前記シャフトの外面における前記第2プランジャと周方向に同位相となる位置に設けられ、軸方向に延びるキー溝と、から成り、
    前記第2プランジャの前記ピンの先端は、初期状態において前記シャフトの外面と接触しており、
    前記伸縮ユニットの長さが増加すると、前記第2プランジャの前記ピンの先端は前記キー溝に嵌り込み、
    その後、前記伸縮ユニットの長さが減少すると、前記第2プランジャの前記ピンの先端が前記キー溝の後端面と係合することにより、前記第2コンタクトの軸方向位置が変更され、同時に、前記第1プランジャの前記ピンの先端が前記第2コンタクトの後方において径方向内方へ落ち込んだ状態となることにより、前記第2コンタクトの軸方向の移動が規制される、ことを特徴とする請求項3に記載の2段式熱スイッチ。
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