以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る運転支援システム(運転支援システム1)の一構成例を表すものである。運転支援システム1は、自車両が走行すべき道路において、路上に駐車された車両、車両などからの落下物、水たまり、道路工事など、一時的に車両が通行しにくくなる障害が生じた場合に、その障害についての情報を自車両の運転者に通知するものである。なお、本開示の実施の形態に係る運転支援方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
運転支援システム1は、複数の車両10と、サーバ20とを備えている。複数の車両10のそれぞれは、例えばLTE(Long Term Evolution)や無線LAN(Local Area Network)などの無線通信を用いて、インターネットINETに接続される。同様に、サーバ20は、インターネットINETに接続されている。
この運転支援システム1では、複数の車両10のそれぞれは、GPS(Global Positioning System)などのGNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて、車両10の位置についての情報を含む位置情報IPOSを生成し、この位置情報IPOSをサーバ20に送信する。サーバ20は、この位置情報IPOSを、データベース(後述する走行情報データベース24)に蓄積する。この走行情報データベース24では、複数の車両10のそれぞれについての軌跡データDTが管理される。サーバ20は、例えば、複数の車両10のうちのある車両10(車両10A)から送信された位置情報IPOSに基づいて、地図情報を含むデータベース(後述する地図情報データベース23)および走行情報データベース24を用いて、その車両10Aが走行すべき道路における走行ルートRT(標準走行ルートRT1および走行ルートRT2)を生成する。標準走行ルートRT1は、長い期間P1(例えば1カ月程度前から現在までの期間)に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDTが示す複数の軌跡の平均軌跡であり、走行ルートRT2は、短い期間P2(例えば1時間前から現在までの期間)に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDTが示す複数の軌跡の平均軌跡である。そして、サーバ20は、この標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、その車両10Aが走行すべき道路において、一時的に車両が通行しにくくなる障害が生じているかどうかを検出する。そして、サーバ20は、この処理結果を示す処理結果情報IRESを車両10Aに送信する。そして、車両10Aは、この障害についての情報を、この車両10Aの運転者に通知するようになっている。
(車両10)
複数の車両10のそれぞれは、通信部11と、座標取得部12と、表示部13と、スピーカ14と、制御部15とを有している。以下に、複数の車両10のうちのある車両10Aを例に説明する。
通信部11は、LTEや無線LANなどの無線通信を用いて、インターネットINETを介してサーバ20と通信を行うものである。具体的には、通信部11は、サーバ20に対して位置情報IPOSを送信するとともに、サーバ20から送信された処理結果情報IRESを受信するようになっている。
座標取得部12は、GPSなどのGNSSを用いて、地上での車両10Aの位置を示す座標情報を取得するものである。
表示部13は、例えば液晶ディスプレイを用いて構成されるものであり、制御部15からの指示に基づいて、車両10Aの状態などについての情報を表示するものである。表示部13は、例えばインスツルメントパネルに設けてもよいし、ナビゲーションシステムの表示部であってもよい。また、この表示部13は、後述するように、車両10Aが走行すべき道路において障害があると判断された場合に、制御部15からの指示に基づいて、その障害についての情報を表示するようになっている。
スピーカ14は、制御部15からの指示に基づいて、車両10Aの状態などについての情報を示す音を発するものである。また、スピーカ14は、後述するように、車両10Aが走行すべき道路において障害があると判断された場合に、制御部15からの指示に基づいて、音を発するようになっている。
制御部15は、例えばECU(Electronic Control Unit)を用いて構成されるものであり、車両10Aを制御するものである。制御部15は、位置情報生成部16と、通知制御部17とを有している。
位置情報生成部16は、座標取得部12が取得した座標情報に基づいて、サーバ20に送信すべき位置情報IPOSを生成するものである。位置情報IPOSは、車両10Aの位置を示す座標情報と、その座標情報が得られた時刻についての情報と、車両10Aの識別子IDとを含んでいる。位置情報生成部16は、所定の時間(例えば10秒)が経過する度に、位置情報IPOSを生成する。そして、通信部11は、位置情報生成部16が生成した位置情報IPOSをサーバ20に送信するようになっている。
通知制御部17は、サーバ20から送信された処理結果情報IRESに基づいて、サーバ20が一時的に障害が生じていると判断したどうかを確認し、一時的に障害が生じていると判断した場合には、表示部13およびスピーカ14を用いて、運転者に障害についての情報を通知するものである。
(サーバ20)
サーバ20は、複数の車両10から送信された位置情報IPOSを蓄積することにより複数の軌跡データDTを蓄積するとともに、複数の車両10のうちのある車両10(車両10A)から供給された位置情報IPOSに基づいて、その車両10Aが走行すべき道路において、一時的に車両が通行しにくくなる障害が生じているかどうかを検出するものである。サーバ20は、1つのサーバ装置により構成されていてもよいし、複数のサーバ装置により構成されていてもよい。サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、制御部25とを有している。
通信部21は、インターネットINETを介して、複数の車両10の通信部11と通信を行うものである。具体的には、通信部21は、複数の車両10のそれぞれから送信された位置情報IPOSを受信するとともに、複数の車両10のそれぞれに対して、受信した位置情報IPOSに応じた処理結果情報IRESを送信するようになっている。
記憶部22は、例えばハードディスクドライブなどを用いて構成されるものであり、サーバ20で用いられる各種プログラムやデータを記憶するものである。記憶部22は、地図情報データベース23と、走行情報データベース24とを記憶している。地図情報データベース23は、道路地図についての情報を記憶するものである。走行情報データベース24は、複数の車両10から送信された位置情報IPOSを記憶するものである。
制御部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)やメモリを用いて構成されるものであり、サーバ20の動作を制御するものである。制御部25は、データベース管理部26と、ルート生成部27と、障害検出部28とを有している。
データベース管理部26は、地図情報データベース23および走行情報データベース24を管理するものである。具体的には、データベース管理部26は、複数の車両10から送信された位置情報IPOSを、走行情報データベース24に蓄積するとともに、複数の位置情報IPOSを、識別子IDと関連づけて管理する。例えば、ある識別子ID(識別子ID1)を含む複数の位置情報IPOSは、その識別子ID1に対応づけられた車両10の移動に応じた一連の座標情報を含んでいる。よって、これらの複数の位置情報IPOSは、その識別子ID1に対応づけられた車両10の軌跡データDTを構成する。このようにして、データベース管理部26は、複数の車両10の軌跡データDTを、互いに識別しつつ管理するようになっている。
また、データベース管理部26は、ある車両10(車両10A)から送信された位置情報IPOSに基づいて、地図情報データベース23および走行情報データベース24を用いて、その車両10Aが走行すべき道路に係る、様々な車両10の複数の軌跡データDTを取得する。具体的には、データベース管理部26は、その車両10Aが走行すべき道路に係る、長い期間P1(例えば1カ月程度前から現在までの期間)に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDT(複数の軌跡データDT1)と、短い期間P2(例えば1時間前から現在までの期間)に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDT(複数の軌跡データDT2)とを取得するようになっている。
ルート生成部27は、データベース管理部26が取得した複数の軌跡データDT1,DT2に基づいて、車両10Aが走行すべき道路における走行ルートRT(標準走行ルートRT1および走行ルートRT2)を生成するものである。具体的には、ルート生成部27は、長い期間P1に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDT1に基づいて、これらの複数の軌跡データDT1が示す複数の軌跡の平均軌跡を求めることにより、標準走行ルートRT1を生成する。同様に、ルート生成部27は、短い期間P2に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDT2に基づいて、これらの複数の軌跡データDT2が示す複数の軌跡の平均軌跡を求めることにより、走行ルートRT2を生成する。この走行ルートRT2は、例えば1時間前から現在までの期間における軌跡データDTに基づくものであり、最近の交通状況を反映したものである。
また、ルート生成部27は、データベース管理部26が取得した軌跡データDT1の数が所定の数に満たない場合には、標準走行ルートRT1を生成しない。同様に、ルート生成部27は、データベース管理部26が取得した軌跡データDT2の数が所定の数に満たない場合には、走行ルートRT2を生成しないようになっている。
障害検出部28は、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、障害検出処理を行うものである。具体的には、障害検出部28は、車両10Aが走行すべき道路において、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、一時的に障害が生じているかどうかを判断する。そして、障害検出部28は、一時的に障害が生じていると判断した場合には、その障害が生じている位置を検出する。そして、障害検出部28は、この障害検出処理の結果に基づいて、処理結果情報IRESを生成する。一時的に障害が生じていると判断された場合には、この処理結果情報IRESは、障害が生じている旨の情報、および障害が生じている位置の座標情報を含む。また、一時的な障害が生じていないと判断された場合には、この処理結果情報IRESは、障害が生じていない旨の情報を含むようになっている。
この構成により、運転支援システム1では、サーバ20は、車両10Aから送信された位置情報IPOSに基づいて、車両10Aが走行すべき道路において、一時的に障害が生じているかどうかを検出することにより処理結果情報IRESを生成し、この処理結果情報IRESを車両10Aに送信する。そして、車両10Aは、この処理結果情報IRESが示す情報を、車両10Aの運転者に通知する。これにより、この運転者は、車両10Aが走行すべき道路において、一時的に障害が生じていることをあらかじめ把握することができるようになっている。
ここで、車両10Aは、本開示における「自車両」の一具体例に対応する。座標取得部12および位置情報生成部16は、本開示における「生成部」の一具体例に対応する。通知制御部17、表示部13、およびスピーカ14は、本開示における「通知部」の一具体例に対応する。通信部11は、本開示における「第1の通信部」の一具体例に対応する。制御部25は、本開示における「処理部」の一具体例に対応する。走行情報データベース24は、本開示における「第1のデータベース」の一具体例に対応する。期間P1は、本開示における「第1の期間」の一具体例に対応する。複数の軌跡データDT1は、本開示における「第1の複数の軌跡データ」の一具体例に対応する。標準走行ルートRT1は、本開示における「第1の走行ルート」の一具体例に対応する。期間P2は、本開示における「第2の期間」の一具体例に対応する。複数の軌跡データDT2は、本開示における「第2の複数の軌跡データ」の一具体例に対応する。走行ルートRT2は、本開示における「第2の走行ルート」の一具体例に対応する。通信部21は、本開示における「第2の通信部」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の運転支援システム1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、運転支援システム1の全体動作概要を説明する。複数の車両10のそれぞれは、GPSなどのGNSSを用いて、車両10の位置についての情報を含む位置情報IPOSを生成し、この位置情報IPOSをサーバ20に送信する。サーバ20は、この位置情報IPOSを、走行情報データベース24に蓄積する。
また、サーバ20は、例えば、複数の車両10のうちのある車両10(車両10A)から送信された位置情報IPOSに基づいて、地図情報データベース23および走行情報データベース24を用いて、その車両10Aが走行すべき道路における走行ルートRT(標準走行ルートRT1および走行ルートRT2)を生成する。そして、サーバ20は、この標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、その車両10Aが走行すべき道路において、一時的に障害が生じているかどうかを検出する。そして、サーバ20は、この処理結果を示す処理結果情報IRESを車両10Aに送信する。車両10Aは、この処理結果情報IRESが示す情報を、この車両10Aの運転者に通知する。
(詳細動作)
図2は、運転支援システム1の一動作例を表すものである。サーバ20は、複数の車両10のうちのある車両10(車両10A)から送信された位置情報IPOSに基づいて、の車両10Aが走行すべき道路において、一時的に障害が生じているかどうかを検出する。以下に、この動作についての詳細に説明する。
まず、車両10Aは、位置情報IPOSを生成する(ステップS101)。具体的には、まず、車両10Aの座標取得部12は、GPSなどのGNSSを用いて、車両10Aの位置を示す座標情報を取得する。そして、制御部15の位置情報生成部16は、座標取得部12が取得した座標情報、その座標情報が得られた時刻についての情報、および車両10Aの識別子IDに基づいて、サーバ20に送信すべき位置情報IPOSを生成する。
次に、車両10Aの通信部11は、サーバ20に対してこの位置情報IPOSを送信する(ステップS102)。サーバ20の通信部21は、この位置情報IPOSを受信する。
次に、サーバ20において、制御部25のデータベース管理部26は、車両10Aから送信された位置情報IPOSを、走行情報データベース24に登録する(ステップS103)。そして、データベース管理部26は、この位置情報IPOSを、識別子IDと関連づけて管理する。
次に、制御部25のデータベース管理部26は、車両10Aから送信された位置情報IPOSに基づいて、地図情報データベース23および走行情報データベース24を用いて、その車両10Aが走行すべき道路における、様々な車両10の複数の軌跡データDTを取得する(ステップS104)。具体的には、データベース管理部26は、車両10Aが走行すべき道路に係る、長い期間P1(例えば1カ月程度前から現在までの期間)に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDT(複数の軌跡データDT1)、および短い期間P2(例えば1時間前から現在までの期間)に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDT(複数の軌跡データDT2)を取得する。
次に、ルート生成部27は、データベース管理部26が取得した複数の軌跡データDT1に基づいて、車両10Aが走行すべき道路における標準走行ルートRT1を生成する(ステップS105)。具体的には、ルート生成部27は、長い期間P1に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDT1に基づいて、これらの複数の軌跡データDT1が示す複数の軌跡の平均軌跡を求めることにより、標準走行ルートRT1を生成する。
図3は、ルート生成部27が標準走行ルートRT1を生成する動作の一例を表すものである。道路100は、車両10Aが走行すべき道路である。車両位置101は、走行情報データベース24に、長い期間P1(例えば1カ月程度前から現在までの期間)に蓄積された位置情報IPOSに含まれる座標情報が示す位置である。この図3では、説明の便宜上、長い期間P1に蓄積された位置情報IPOSのうちの一部を描いている。この例では、道路100の左側において、車両位置101が上方に移動しており、道路100の右側において、車両位置101が下方に移動している。
この例では、車両10Aは、この道路100の左側を上方(走行方向D)に向かって移動している。この場合には、一つの車両10に係る、道路100の左側を上方(走行方向D)に向かって移動する一連の車両位置101が、一つの軌跡データDT1を構成する。ルート生成部27は、これらの複数の軌跡データDT1が示す複数の軌跡の平均軌跡を求めることにより、標準走行ルートRT1を生成する。
次に、ルート生成部27は、データベース管理部26が取得した複数の軌跡データDT2に基づいて、車両10Aが走行すべき道路における走行ルートRT2を生成する(ステップS106)。具体的には、ルート生成部27は、短い期間P2に蓄積された位置情報IPOSに基づく複数の軌跡データDT2に基づいて、これらの複数の軌跡データDT2が示す複数の軌跡の平均軌跡を求めることにより、走行ルートRT2を生成する。
図4は、ルート生成部27が走行ルートRT2を生成する動作の一例を表すものである。車両位置102は、走行情報データベース24に、短い期間P2(例えば1時間前から現在までの期間)に蓄積された位置情報IPOSに含まれる座標情報が示す位置である。この図4では、説明の便宜上、短い期間P2に蓄積された位置情報IPOSのうちの一部を描いている。
この例では、車両10Aは、この道路100の左側を上方(走行方向D)に向かって移動しているので、一つの車両10に係る、道路100の左側を上方(走行方向D)に向かって移動する一連の車両位置102が、一つの軌跡データDT2を構成する。この例では、複数の軌跡データDT2は、道路100におけるある部分W1を避けるような軌跡を示している。ルート生成部27は、これらの複数の軌跡データDT2が示す複数の軌跡の平均軌跡を求めることにより、走行ルートRT2を生成する。
次に、障害検出部28は、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて障害検出処理を行う(ステップS107)。
図5は、障害検出部28の一動作例を表すものである。障害検出部28は、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2の差に基づいて、道路100に一時的に障害が生じているかどうかを判断する。例えば、この例では、標準走行ルートRT1は、道路100に沿って略直線の形状を有しており、走行ルートRT2は、道路100におけるある部分W1を避けるような形状を有している。よって、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2は、この部分W1付近において、互いに離れている。よって、障害検出部28は、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2の差に基づいて、部分W1付近に一時的に障害が生じていると判断する。このようにして、障害検出部28は、障害が生じている位置を検出する。
一方、図6に示したように、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2がほぼ一致している場合には、障害検出部28は、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に殆ど差がないので、一時的な障害が生じていないと判断する。
そして、障害検出部28は、この障害検出処理の結果に基づいて、処理結果情報IRESを生成する。一時的に障害が生じていると判断された場合には、この処理結果情報IRESは、障害が生じている旨の情報、および障害が生じている位置の座標情報を含む。また、一時的な障害が生じていないと判断された場合には、この処理結果情報IRESは、障害が生じていない旨の情報を含む。
次に、サーバ20の通信部21は、車両10Aに対してこの処理結果情報IRESを送信する(ステップS108)。車両10Aの通信部11は、この処理結果情報IRESを受信する。
次に、車両10Aにおいて、制御部15の通知制御部17は、処理結果情報IRESに基づいて、サーバ20が一時的に障害が生じていると判断したかどうかを確認し、一時的に障害が生じていると判断した場合には、表示部13およびスピーカ14を用いて、運転者に障害についての情報を通知する(ステップS109)。
図7は、表示部13の表示例を表すものである。この例では、表示部13は、車両10Aのインスツルメントパネル190に設けられている。インスツルメントパネル190は、スピードメータ191と、タコメータ192と、表示部13とを含んでいる。表示部13は、画像110を表示している。この画像110は、車両10Aが走行している道路の左端を示すアイコン111Lと、道路の右端を示すアイコン111Rと、障害を示すアイコン112とを含んでいる。このアイコン112は、この画像110において、アイコン111Lの近くに配置されている。この画像110は、車両10Aが走行している道路の前方左側に障害があることを示している。このようにして、表示部13は、運転者に対して、障害が生じている位置を通知する。
通知制御部17は、処理結果情報IRESに基づいて、このような画像を表示部13に表示させることにより、運転者に障害についての情報を通知する。また、通知制御部17は、スピーカ14に音を発生させることにより、運転者に障害についての情報を通知する。
例えば、通知制御部17は、車両10Aから障害が生じている位置までの距離が長い場合と、この距離が短い場合とで、通知の仕方を変えるようにしてもよい。具体的には、例えば、通知制御部17は、距離が長い場合に、表示部13に図7に示したような画像110を表示させるとともに、スピーカ14に通知音を発生させ、距離が短い場合に、表示部13に強調表示を行わせるとともに、スピーカ14に警告音を発生させるようにしてもよい。
以上で、このシーケンスは終了する。
このように、運転支援システム1では、複数の車両10の位置の軌跡を示す複数の軌跡データDTを走行情報データベース24に蓄積するようにした。そして、この走行情報データベース24を用いて、長い期間P1(例えば1カ月程度前から現在までの期間)に蓄積された複数の軌跡データDT1に基づいて標準走行ルートRT1を生成するとともに、短い期間P2(例えば1時間前から現在までの期間)に蓄積された複数の軌跡データDT2に基づいて走行ルートRT2を生成するようにした。そして、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、障害検出処理を行うようにした。これにより、運転支援システム1では、一時的に障害が生じているかどうかを判断することができる。よって、運転者は、車両10Aが走行すべき道路において、一時的に障害が生じていることをあらかじめ把握することができる。これにより、運転者は、その障害に備えて、前方に特に注意を払い、必要に応じて例えばブレーキ操作やステアリング操作を行うことができるので、例えば障害を生じさせている物(障害物)への衝突を未然に防ぐことができる。その結果、運転者の利便性を高めることができる。
例えば路上に駐車された車両は、電柱などに比べて大きな障害物になり得る。よって、衝突を避けるため、運転者に早めに通知することが望ましい。また、霧や大雨で前方の視界が悪い場合には、このような大きな障害物であっても、運転者は確認しにくい。このような場合でも、運転支援システム1では、障害についての情報を運転者に通知することができるので、運転者の利便性を高めることができる。
また、運転支援システム1では、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2の差に基づいて障害検出処理を行うようにしたので、一時的な障害を効果的に検出することができる。すなわち、例えば、道路には、電柱など、道路地図には表れていない、定常的に存在する様々な障害物がある。複数の車両10による複数の軌跡データDTは、この定常的に存在する障害物を避けるような軌跡を有する。よって、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2は、このような障害物を避ける軌跡を反映したものになる。運転支援システム1では、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2の差に基づいて、障害が生じているかどうかを判断するので、道路に生じ得る定常的な障害および一時的な障害のうちの、一時的な障害を検出する。その結果、一時的な障害を効果的に検出することができる。
また、運転支援システム1では、ルート生成部27は、データベース管理部26が取得した軌跡データDT1の数が所定の数に満たない場合には、標準走行ルートRT1を生成
しないようにした。同様に、ルート生成部27は、データベース管理部26が取得した軌跡データDT2の数が所定の数に満たない場合には、走行ルートRT2を生成しないようにした。これにより、運転支援システム1では、軌跡データDT1が十分な数だけ確保できない場合や、軌跡データDT2が十分な数だけ確保できない場合には、道路に一時的に障害が生じているかどうかを判断しないので、障害検出における検出精度の低下を防ぐことができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、複数の車両の位置情報の軌跡を示す複数の軌跡データを走行情報データベースに蓄積し、この走行情報データベースを用いて、長い期間に蓄積された複数の軌跡データに基づいて標準走行ルートを生成するとともに、短い期間に蓄積された複数の軌跡データに基づいて走行ルートを生成するようにした。そして、標準走行ルートおよび走行ルートに基づいて、障害検出処理を行うようにした。これにより、一時的に障害が生じているかどうかを判断することができるので、運転者の利便性を高めることができる。
本実施の形態では、標準走行ルートおよび走行ルートの差に基づいて障害検出処理を行うようにしたので、道路に一時的に障害が生じているかどうかを効果的に判断することができる。
本実施の形態では、データベース管理部が取得した軌跡データDT1の数が所定の数に満たない場合には標準走行ルートを生成せず、データベース管理部が取得した軌跡データDT2の数が所定の数に満たない場合には走行ルートを生成しないようにしたので、障害検出における検出精度の低下を防ぐことができる。
[変形例1]
上記実施の形態では、サーバ20の障害検出部28が障害検出処理を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、車両が障害検出処理を行ってもよい。以下に、本変形例に係る運転支援システム1Aについて詳細に説明する。
図8は、運転支援システム1Aの一構成例を表すものである。運転支援システム1Aは、サーバ40と、複数の車両30とを備えている。
サーバ40は、制御部45を有している。制御部45は、データベース管理部26と、ルート生成部27とを有している。制御部45は、上記実施の形態に係る制御部25から、障害検出部28を省いたものである。通信部21は、複数の車両10のそれぞれに対して、受信した位置情報IPOSに応じた、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2についての情報を送信するようになっている。
複数の車両30のそれぞれは、制御部35を有している。以下に、複数の車両30のうちのある車両30Aを例に説明する。制御部35は、障害検出部38を有している。障害検出部38は、上記実施の形態に係る障害検出部28と同様に、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、障害検出処理を行うものである。通知制御部17は、障害検出部38の処理結果に基づいて、表示部13およびスピーカ14を用いて、運転者に障害についての情報を通知するようになっている。
ここで、車両30Aは、本開示における「自車両」の一具体例に対応する。制御部45は、本開示における「処理部」の一具体例に対応する。
図9は、運転支援システム1Aの一動作例を表すものである。
まず、車両30Aは、上記実施の形態の場合と同様に位置情報IPOSを生成し(ステップS101)、その車両30Aの通信部11は、サーバ40に対してこの位置情報IPOSを送信する(ステップS102)。サーバ40の通信部21は、この位置情報IPOSを受信する。
次に、サーバ40において、制御部45のデータベース管理部26は、車両30Aから送信された位置情報IPOSを、走行情報データベース24に登録する(ステップS103)。そして、データベース管理部26は、この位置情報IPOSを、識別子IDと関連づけて管理する。
次に、制御部45のデータベース管理部26は、車両30Aから送信された位置情報IPOSに基づいて、地図情報データベース23および走行情報データベース24を用いて、その車両30Aが走行すべき道路における、様々な車両30の複数の軌跡データDT(複数の軌跡データDT1,DT2)を取得する(ステップS104)。
次に、ルート生成部27は、データベース管理部26が取得した複数の軌跡データDT1に基づいて、車両30Aが走行すべき道路における標準走行ルートRT1を生成し(ステップS105)、データベース管理部26が取得した複数の軌跡データDT2に基づいて、車両30Aが走行すべき道路における走行ルートRT2を生成する(ステップS106)。
次に、サーバ40の通信部21は、車両30Aに対して、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2についての情報を送信する(ステップS111)。車両30Aの通信部11は、この標準走行ルートRT1および走行ルートRT2についての情報を受信する。
次に、車両30Aにおいて、制御部35の障害検出部38は、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、上記実施の形態に係る障害検出部28(図5,6)と同様に、障害検出処理を行う(ステップS112)。
そして、制御部35の通知制御部17は、障害検出部38における障害検出処理の結果に基づいて、一時的に障害が生じていると判断したかどうかを確認し、一時的に障害が生じていると判断した場合には、表示部13およびスピーカ14を用いて、運転者に障害についての情報を通知する(ステップS113)。
以上で、このシーケンスは終了する。
このように、運転支援システム1Aでは、車両30が障害検出処理を行うようにしたので、サーバ40の負荷を軽減することができる。
[変形例2]
上記実施の形態では、車両10Aの表示部13が、運転者に障害についての情報を通知したが、その際、障害についてのさらに詳細な情報を通知してもよい。以下に、本変形例に係る運転支援システム1Bについて詳細に説明する。
図10は、運転支援システム1Bの一構成例を表すものである。運転支援システム1Bは、複数の車両50と、サーバ60とを備えている。
この運転支援システム1Bでは、複数の車両50のそれぞれは、GPSなどのGNSSを用いて、車両50の位置についての情報、および車両50に搭載されたカメラが撮像した画像を含む位置情報IPOS2を生成し、この位置情報IPOS2をサーバ60に送信する。サーバ60は、この位置情報IPOS2を、データベース(後述する走行情報データベース64)に蓄積する。サーバ60は、例えば、複数の車両50のうちのある車両50(車両50A)から送信された位置情報IPOS2に基づいて、地図情報データベース23および走行情報データベース64を用いて、その車両50Aが走行すべき道路における走行ルートRT(標準走行ルートRT1および走行ルートRT2)を生成する。そして、サーバ60は、この標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、その車両50Aが走行すべき道路において、一時的に障害が生じているかどうかを検出する。また、サーバ60は、一時的に障害が生じている場合には、その障害が生じている位置の付近で得られた1または複数の位置情報IPOS2に含まれる画像データに基づいて画像解析を行うことにより、障害を生じさせている物(障害物)を特定する。サーバ60は、これらの処理結果を示す処理結果情報IRES2を車両50Aに送信する。そして、車両50Aは、この処理結果情報IRES2が示す情報を、この車両50Aの運転者に通知するようになっている。
複数の車両50のそれぞれは、カメラ59と、制御部55を有している。以下に、複数の車両50のうちのある車両50Aを例に説明する。カメラ59は、例えば、車両50Aの前方を撮像することにより画像データを生成するものである。制御部55は、位置情報生成部56と、通知制御部57とを有している。位置情報生成部56は、座標取得部12が取得した座標情報に基づいて、サーバ60に送信すべき位置情報IPOSを生成するものである。位置情報IPOSは、車両50Aの位置を示す座標情報と、その座標情報が得られた時刻についての情報と、カメラ59が生成した画像データと、車両50Aの識別子IDとを含んでいる。通知制御部57は、サーバ60から送信された処理結果情報IRES2に基づいて、サーバ60が一時的に障害が生じていると判断したどうかを確認し、一時的に障害が生じていると判断した場合には、表示部13およびスピーカ14を用いて、運転者に障害についての情報を通知するものである。
サーバ60は、記憶部62と、制御部65とを有している。記憶部62は、走行情報データベース64を記憶している。走行情報データベース64は、複数の車両50から送信された位置情報IPOS2を記憶するものである。制御部65は、データベース管理部66と、障害検出部68と、画像解析部69とを有している。
データベース管理部66は、複数の車両50から送信された位置情報IPOS2を、走行情報データベース64に蓄積するとともに、複数の位置情報IPOS2を、識別子IDと関連づけて管理する。また、データベース管理部66は、ある車両50(車両50A)から送信された位置情報IPOS2に基づいて、地図情報データベース23および走行情報データベース64を用いて、その車両50Aが走行すべき道路における、様々な車両50の複数の軌跡データDTを取得する。また、データベース管理部66は、障害検出部28が、一時的に障害が生じていると判断した場合において、走行情報データベース64から、その障害が生じている位置の付近で得られた1または複数の位置情報IPOS2に含まれる画像データを取得するようになっている。
障害検出部68は、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、障害検出処理を行うものである。また、障害検出部68は、一時的に障害が生じていると判断した場合には、画像解析部69に、画像解析を行わせることにより、障害を生じさせている物(障害物)を特定させる。そして、障害検出部68は、障害検出処理の結果、および画像解析部69により特定された障害物についての情報に基づいて、処理結果情報IRES2を生成するようになっている。
画像解析部69は、データベース管理部66が取得した1または複数の画像データに対して画像解析を行うことにより、障害物を特定するものである。
ここで、車両50Aは、本開示における「自車両」の一具体例に対応する。カメラ59は、本開示における「撮像部」の一具体例に対応する。座標取得部12および位置情報生成部56は、本開示における「生成部」の一具体例に対応する。通知制御部57、表示部13、およびスピーカ14は、本開示における「通知部」の一具体例に対応する。制御部65は、本開示における「処理部」の一具体例に対応する。走行情報データベース64は、本開示における「第1のデータベース」の一具体例に対応する。
図11は、運転支援システム1Bの一動作例を表すものである。
まず、車両50Aは、位置情報IPOS2を生成する(ステップS121)。具体的には、まず、車両50Aの座標取得部12は、GPSなどのGNSSを用いて、車両50Aの位置を示す座標情報を取得する。カメラ59は、例えば、車両50Aの前方を撮像することにより画像データを生成する。そして、制御部55の位置情報生成部56は、座標取得部12が取得した座標情報、その座標情報が得られた時刻についての情報、カメラ59が生成した画像データ、および車両50Aの識別子IDに基づいて、サーバ60に送信すべき位置情報IPOS2を生成する。
次に、車両50Aの通信部11は、サーバ60に対してこの位置情報IPOS2を送信する(ステップS122)。サーバ60の通信部21は、この位置情報IPOS2を受信する。
次に、サーバ60において、制御部65のデータベース管理部66は、車両50Aから送信された位置情報IPOS2を、走行情報データベース64に登録する(ステップS123)。そして、データベース管理部66は、この位置情報IPOS2を、識別子IDと関連づけて管理する。
次に、制御部65のデータベース管理部66は、車両50Aから送信された位置情報IPOS2に基づいて、地図情報データベース23および走行情報データベース64を用いて、その車両50Aが走行すべき道路における、様々な車両50の複数の軌跡データDT(複数の軌跡データDT1,DT2)を取得する(ステップS104)。
次に、ルート生成部27は、データベース管理部66が取得した複数の軌跡データDT1に基づいて、車両50Aが走行すべき道路における標準走行ルートRT1を生成し(ステップS105)、データベース管理部66が取得した複数の軌跡データDT2に基づいて、車両50Aが走行すべき道路における走行ルートRT2を生成する(ステップS106)。
次に、障害検出部68は、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて障害検出処理を行う(ステップS107)。
この障害検出処理において、一時的に障害が生じていると判断された場合には、画像解析部69は、障害を生じさせている物(障害物)を特定する(ステップS127)。具体的には、まず、データベース管理部66が、走行情報データベース64から、その障害が生じている位置の付近で得られた1または複数の位置情報IPOS2に含まれる画像データを取得する。そして、画像解析部69は、データベース管理部66が取得した1または複数の画像データに対して画像解析を行うことにより、障害物を特定する。
そして、障害検出部68は、障害検出処理の結果、および画像解析部69により特定された障害物についての情報に基づいて、処理結果情報IRES2を生成する。一時的に障害が生じていると判断された場合には、この処理結果情報IRES2は、障害が生じている旨の情報、障害が生じている位置の座標情報、および画像解析部69により特定された障害物についての情報を含む。
次に、サーバ60の通信部21は、車両50Aに対して、処理結果情報IRES2を送信する(ステップS128)。車両50Aの通信部11は、この処理結果情報IRES2を受信する。
次に、車両50Aにおいて、制御部55の通知制御部57は、処理結果情報IRES2に基づいて、サーバ60が一時的に障害が生じていると判断したかどうかを確認し、一時的に障害が生じていると判断した場合には、表示部13およびスピーカ14を用いて、運転者に障害についての情報を通知する(ステップS129)。
図12は、障害物が車両であると特定された場合における、表示部13の表示例を表すものである。表示部13は、画像120を表示している。この画像120は、車両を示すアイコン122を含んでいる。このアイコン122は、この画像120において、道路の左端を示すアイコン111Lの近くに配置されている。この画像120は、車両50Aが走行している道路の前方左側に、障害物である車両があることを示している。
以上で、このシーケンスは終了する。
このように、運転支援システム1Bでは、運転者に対して、障害についてのさらに詳細な情報を通知することができるので、運転者の利便性を高めることができる。
[変形例3]
上記実施の形態では、データベース管理部26は、ステップS104において、ある車両10(車両10A)から送信された位置情報IPOSに基づいて、地図情報データベース23および走行情報データベース24を用いて、その車両10Aが走行すべき道路に係る、様々な車両10の複数の軌跡データDTを取得するようにした。その際、データベース管理部26は、様々な車両10のうち、車両10Aのサイズ(例えば車幅および車高)と同程度のサイズの車両10についての複数の軌跡データDTを取得してもよい。具体的には、例えば、位置情報IPOSに含まれる識別子IDを、車両のサイズと関連づけてもよい。例えば、識別子IDを複数の桁の数字で構成した場合には、上位数桁を、その識別子IDを有する車両10のサイズと関連づけることができる。また、例えば、位置情報IPOSが、その位置情報IPOSを生成した車両のサイズについての情報を有していてもよい。
これにより、データベース管理部26は、複数の軌跡データDTのそれぞれを、その軌跡データDTが得られた車両10のサイズ情報と関連づけて管理することができる。この場合、データベース管理部26は、車両10Aから送信された位置情報IPOSに基づいて、車両10Aのサイズと同程度のサイズの複数の車両10の複数の軌跡データDTを取得することができる。これにより、サーバ20は、車両10Aのサイズと同程度のサイズの複数の車両10の複数の軌跡データDTに基づいて障害検出処理を行うことができるので、障害検出における検出精度を高めることができる。
[変形例4]
上記実施の形態では、一時的な障害を検出するようにしたが、これに限定されるものではなく、さらに、定常的な障害をも検出してもよい。以下に、本変形例に係る運転支援システム1Cについて詳細に説明する。
図13は、運転支援システム1Cの一構成例を表すものである。運転支援システム1Cは、複数の車両10と、サーバ70とを備えている。サーバ70は、制御部75を有している。制御部75は、障害検出部78を有している。
障害検出部78は、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、障害検出処理を行うものである。具体的には、障害検出部78は、上記実施の形態に係る障害検出部28と同様に、車両10Aが走行すべき道路において、標準走行ルートRT1および走行ルートRT2に基づいて、一時的に障害が生じているかどうかを判断する。さらに、障害検出部78は、標準走行ルートRT1に基づいて、車両10Aが走行すべき道路において、定常的な障害が生じているかどうかをも判断するようになっている。具体的には、例えば狭い道路において、道路の端に電柱や水路がある場合には、車両はその道路を通行しにくくなるおそれがある。障害検出部78は、一時的な障害に加え、このような定常的な障害を検出することができる。
図14は、障害検出部78の一動作例を表すものである。道路103は、車両10Aが走行すべき道路であり、1車線分の狭い道路である。この例では、標準走行ルートRT1は、地図情報データベース23を用いて得られた道路103の中心線104よりも常に右側にずれている。よって、障害検出部78は、標準走行ルートRT1に基づいて、道路103の左端部分W2に定常的な障害が生じていると判断する。このようにして、障害検出部78は、障害が生じている位置を検出する。
このように、障害検出部78は、一時的な障害に加え、定常的な障害を検出することができる。そして、障害検出部78は、障害が生じていると判断した場合には、この障害検出処理の結果に基づいて、処理結果情報IRESを生成する。
ここで、車両10Aは、本開示における「自車両」の一具体例に対応する。制御部75は、本開示における「処理部」の一具体例に対応する。地図情報データベース23は、本開示における「第2のデータベース」の一具体例に対応する。
図15は、定常的な障害についての情報を通知する場合における、表示部13の表示例を表すものである。表示部13は、画像130を表示している。この画像130は、道路の左端を示すアイコン111Lに沿って長い距離にわたって障害があることを示すマーク132を含んでいる。
このように、運転支援システム1Cでは、一時的な障害に加え、定常的な障害をも検出することができるので、運転者の利便性を高めることができる。
[変形例5]
上記実施の形態では、障害があると判断された場合に、運転者に対して障害についての情報を通知したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、車両が、ステアリングのアシスト制御などの走行制御を行うようにしてもよい。以下に本変形例に係る運転支援システム1Dについて詳細に説明する。
図16は、運転支援システム1Dの一構成例を表すものである。運転支援システム1Dは、複数の車両80と、サーバ20とを備えている。
複数の車両80のそれぞれは、制御部85と、走行制御部89とを有している。制御部85は、車両80を制御するものである。また、制御部85は、サーバ20から送信された処理結果情報IRESに基づいて、走行制御部89に指示を与えるようになっている。走行制御部89は、制御部85からの指示に基づいて、車両80の走行制御を行うものである。
ここで、車両80Aは、本開示における「自車両」の一具体例に対応する。制御部85および走行制御部89は、本開示における「走行制御部」の一具体例に対応する。
例えば、図4に示したように、車両80が走行している道路の前方左側に障害があると判断された場合には、走行制御部89は、例えば、制御部85からの指示に基づいて、ステアリングの左向きのアシストトルクを大きくするとともに、ステアリングの右向きのアシストトルクを小さくする。これにより、運転者が、ステアリングを右向きに操作しやすくすることができる。なお、この例では、ステアリングのアシスト制御を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、自動ステアリング制御や自動ブレーキ制御などの走行制御を行ってもよい。これにより、障害物への衝突を未然に防ぐことができる。
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態等では、表示部13は、図7に示したように、現在走行している道路の前方に障害があることを示す画像を表示したが、これに限定されるものではない。これに代えて、表示部13は、図17に示したように、障害が生じている位置についてのより詳細な情報を表示してもよい。この例では、表示部13は、画像140を表示している。この画像140は、車両10Aから障害物までの距離を示す情報143を含んでいる。この画像140は、現在走行している道路の前方20m先の左側に障害があることを示している。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。