以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という)について図面に基づき詳細に説明する。
[本実施形態に係る電子時計の概略構成:図1]
図1を参照して、本実施形態に係る電子時計100の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る電子時計の概略構成を示すシステム構成図である。電子時計100は、指針2によって時刻を表示するアナログ表示式時計である。なお、以下の説明において、各構成の符号に添えた添え字aは分針用の構成を示し、添え字bは時針用の構成を示す。なお、いずれ指針用であるかを区別して説明する必要がない場合は、添え字を省略して示す。
電子時計100は、図1に示すように、電源である電池10と、基準信号源20と、制御回路30と、パルス生成回路40と、回転検出回路50と、セレクタ60と、ドライバ回路70と、受信回路80と、電圧検出回路91と、温度検出回路92と、ステップモータ1と、指針2とを備えている。指針としては一般的に、秒針、分針、時針があるが、本実施形態においては、分針2aと時針2bに関する駆動について説明をする。
制御回路30は、メモリ等を内蔵するマイクロコンピュータであって、メモリに記憶されるプログラムに従って、電子時計100に含まれる各種回路等の動作を制御するものである。また、制御回路30は、データ取得手段31及び切替手段32を含むものであるが、その詳細については後述する。
電池10は、例えば、太陽電池等の発電デバイスで発生する電力を蓄える二次電池であるとよい。基準信号源20は、不図示の水晶振動子によって所定の基準信号を出力する発信回路21と、その基準信号を入力しタイミング信号を制御回路30に出力する分周回路22とを備えている。このタイミング信号に基づいて後述の各パルス信号が出力される。
パルス生成回路40は、通常パルス生成回路41と、補正パルス生成回路42と、回転検出パルス生成回路43とを含む。
通常パルス生成回路41は、分針用通常パルス生成回路と、時針用通常パルス生成回路とを含むとよい。分針用通常パルス生成回路は、分針用ステップモータ1aを駆動するための分針用の通常パルス信号SPを生成する。時針用通常パルス生成回路は、時針用ステップモータ1bを駆動するための時針用の通常パルス信号SPを生成する。
補正パルス生成回路42は、分針用補正パルス生成回路と、時針用補正パルス生成回路とを含むとよい。分針用補正パルス生成回路は、分針用の通常パルス信号SPよりも駆動力の大きい分針用の補正パルス信号FPを生成する。時針用補正パルス生成回路は、時針用の通常パルス信号SPよりも駆動力の大きい時針用の補正パルス信号FPを生成する。なお、本実施形態においては、分針用ステップモータ1a及び時針用ステップモータ1bのいずれに対しても補正パルス信号FPを出力可能な構成について説明するが、少なくともいずれか一方のステップモータ1に補正パルス信号FPを出力可能な構成であってもよい。
なお、時針用の通常パルス信号SPと、分針用の通常パルス信号SPとは、同じものであってもよいし異なるものであってもよい。同様に、時針用の補正パルス信号FPと、分針用の補正パルス信号FPとは、同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
なお、補正パルス信号FPは、後述の図5等でも示すように、後半部分がチョッパーパルスにより構成されるとよい。これにより、ステップモータ1の回り過ぎを抑制することが可能となる。
回転検出パルス生成回路43は、分針用検出パルス生成回路及び時針用検出パルス生成回路(不図示)を含むとよい。分針用検出パルス生成回路及び時針用検出パルス生成回路は、それぞれ第1検出パルス信号DP1及び第2検出パルス信号DP2の2種類の検出パルスを生成する。
具体的には、分針用検出パルス生成回路は、分針用の通常パルス信号SPで分針用ステップモータ1aを駆動したときに後述するコイル13に発生する逆起電力で、分針用の通常パルス信号SPと異なる側(逆極性)に発生する逆起電力を検出する分針用の第1検出パルス信号DP1を生成する。また、分針用検出パルス生成回路は、分針用の通常パルス信号SPと同じ側(同極性)で逆起電力を検出する分針用の第2検出パルス信号DP2を生成する。
同様に、時針用検出パルス生成回路は、時針用の通常パルス信号SPで時針用ステップモータ1bを駆動したときに後述するコイル13に発生する発生する逆起電力で、時針用の通常パルス信号SPと異なる側(逆極性)に発生する逆起電力を検出する時針用の第1検出パルス信号DP1を生成する。また、時針用検出パルス生成回路は、時針用の通常パルス信号SPと同じ側(同極性)で逆起電力を検出する時針用の第2検出パルス信号DP2を生成する。
なお、本実施形態においては、より高精度に回転検出を行うため、回転検出パルス生成回路43が第1検出パルス信号DP1及び第2検出パルス信号DP2という2種類の検出パルスを生成可能な構成について説明するが、ステップモータ1の回転、非回転を判定可能な構成であればこれに限られるものではなく、1種類の検出パルス信号DPのみを生成可能な構成であっても構わない。
また、回転検出回路50は、分針用回転検出回路及び時針用回転検出回路(不図示)を含むとよい。分針用回転検出回路は、分針用の第1検出パルス信号DP1により発生する分針用の第1検出信号DS1の検出発数を検出する分針用の第1検出カウンタと、分針用の第2検出パルス信号DP2により発生する分針用の第2検出信号DS2の検出発数を検出する分針用第2検出カウンタとを含むとよい。時針用回転検出回路は、時針用の第1検出パルス信号DP1により発生する時針用の第1検出信号DS1の検出発数を検出する時針用の第1検出カウンタと、時針用の第2検出パルス信号DP2bにより発生する時針用の第2検出信号DS2の検出発数を検出する時針用の第2検出カウンタとを備えている。なお、これら複数の検出カウンタは、検出パルス信号DPの検出発数をカウントすると共に、検出された各検出パルス信号DPの検出位置も検出するとよい。
回転検出回路50は、上述の複数のカウンタにより検出した検出信号DSの検出発数に応じて、ステップモータ1が単位回転したか否かを判定する。その判定結果に基づいて、セレクタ60が特定の周波数や駆動力を選択し、その選択された周波数及び駆動力をドライバ回路70が出力するとよい。
ドライバ回路70は、図示しないがバッファ回路を内蔵し、出力端子O1、O2から通常パルス信号SP、または補正パルス信号FPを出力し、ステップモータ1を駆動する。また、ドライバ回路70は、第1検出パルス信号DP1及び第2検出パルス信号DP2に対しては、その短いパルス幅の期間だけ二つの出力端子O1、O2を共にオープン(高インピーダンス)とするように動作する。これにより、ステップモータ1のコイルの両端が、第1検出パルス信号DP1及び第2検出パルス信号DP2によって短期間オープン状態となるので、そのオープン期間にコイルに発生する逆起電力が現れ、そのパルス状の逆起電力を第1検出信号DS1及び第2検出信号DS2として回転検出回路50に入力する。すなわち、第1検出信号DS1及び第2検出信号DS2は、第1検出パルス信号DP1及び第2検出パルス信号DP2によって同一タイミングに発生するパルス状の信号である。
[ステップモータの構成と基本動作の説明:図2A、図2B]
次に、ステップモータ1の構成と基本動作を図2A、図2Bを用いて説明する。図2Aは、ステップモータの構成を示す図である。図2Bは、通常パルス信号の波形と、コイルに流れる電流波形を示す波形図である。なお、本実施形態においては、各ステップモータ1がロータ11やコイル13等をそれぞれ備える例について説明するが、これに限られるものではなく、各ステップモータ1においてそれら部品を共通にしても構わない。それにより、各ステップモータ1に対して出力される通常パルス信号SPや補正パルス信号FPも共通に出力でき、回路規模を小さくすることが可能となる。
図2Aに示すように、ステップモータ1は、ロータ11、ステータ12、コイル13などによって構成される。ロータ11は2極磁化された円盤状の回転体であり、径方向にN極、S極に着磁されている。ステータ12は、軟磁性材により成り、ロータ11を囲む半円部12a、12bがスリットで分割されている。なお、スリットはコイル13から発生した磁束を効率よくロータ11に導くため空隙となっているが、スリットの代わりに非磁性材料を使用しても構わないし、ステータ12を分割せず、スリットに対応する領域に狭窄部を設けて磁気を通りにくくするような構成をとっても構わない。また、半円部12a、12bが結合している基部12eに単相のコイル13が巻装されている。単相とはコイルが1個であり、通常パルス信号SPを入力する入力端子が2個(入力端子C1、C2)であることを意味している。
また、ステータ12の半円部12a、12bの内周面の対向する所定の位置に、凹状のノッチ12h、12iが形成されている。このノッチ12h、12iによって、ステータ12の電磁的安定点(直線Aで示す)に対してロータ11の静的安定点(制止時の磁極の位置:斜線Bで示す)がずれることになる。このずれによる角度差を初期位相角θiと称し、この初期位相角θiによって、ロータ11が所定の方向に回転しやすいように癖付けされることになる。
次に、ステップモータ1の基本動作を図2A、図2Bを用いて説明する。図2Bにおいて、横軸は時間であり、通常パルス信号SPは図示するように、断続的に出力される複数の単パルスによって構成される。この通常パルス信号SPがステップモータ1の入力端子C1、C2へ交互に供給されることで、ステータ12が交互に反転磁化されてロータ11が回転する。そして、通常パルス信号SPの繰り返し周期を可変することで、ロータ11の回転速度を増減できる。また、パルス信号の駆動力(デューティ比)を可変することで、ステップモータ1の駆動力(回転力)を調整することもできる。
ここで、図2Aにおいて、ステップモータ1のコイル13に通常パルス信号SPが供給されると、ステータ12は磁化され、ロータ11は静的安定点Bから180度回転(図面上左回転)するが、その位置で直ちに停止することはなく、実際には180度の位置をオーバーランして振動し、しだいに振幅が小さくなり停止する(曲線矢印Cで軌跡を示す)。このときのロータ11の減衰振動はコイル13への磁束変化となり、電磁誘導による逆起電力が発生してコイル13に誘起電流が流れる。
図2Bの電流波形i1は、ロータ11が通常パルス信号SPによって正常に180度回転したときのコイル13に流れる誘起電流の一例である。ここで、通常パルス信号SPが供給されている駆動期間T1での電流波形i1は、複数の単パルス群による駆動電流と誘起電流が重なった電流波形となり、通常パルス信号SP終了後の減衰期間T2では、ロータ11の減衰振動による誘起電流が発生する。
また、図2Aの曲線矢印Dは、ステップモータ1が何らかの影響によって、通常パルス信号SPが供給されたのにもかかわらず、ロータ11が回転できずに元の位置に戻ってしまう場合の軌跡を示している。そして、図2Bの電流波形i2は、ロータ11が正常に回転できなかったときのコイル13に流れる誘起電流の一例である。ロータ11が回転できなかった場合の減衰期間T2における電流波形i2は、ロータ11が回転しないために、前述した電流波形i1と比較して振幅が小さく周期も異なる。
[ステップモータ(ロータ)の回転検出の基本動作の説明:図3]
次に図3のタイミングチャートを用いて、前述した図2Bの正常回転した場合の電流波形i1を例として、ステップモータ1(ロータ11)の回転状態の検出の基本動作を説明する。図3は、ステップモータの回転状態の検出動作について説明する図である。
図3において、通常パルス信号SPがステップモータ1に供給されると、ロータ11が矢印Cのように180度回転して、その後、減衰振動する(図2A、図2B参照)。駆動期間T1の終了後、ロータ11の減衰振動によって、通常パルス信号SPと反対側(GNDに対してプラス側)に誘起電流が流れる。この電流の山形状を「裏の山」と称する。
また、ロータ11の減衰振動によって、通常パルス信号SPと同じ側(GNDに対してマイナス側)に誘起電流が流れる。この電流の山形状を「表の山」と称する。本実施形態においては、この裏の山と表の山の位置や期間を、複数の検出区間でなる第1検出パルス信号DP1及び第2検出パルス信号DP2によってサンプリングし、詳細に検出することでロータ11の回転状態を高精度に把握できる。
ここで一例として、裏の山を検出する第1検出パルス信号DP1による回転検出を説明する。図3の第1検出パルス信号DP1は、一つの検出区間の中で3発のパルス(DP11〜DP13)が出力されたことを示している。この第1検出パルス信号DP1が出力される区間を第1検出区間G1と称する。
ここで、前述したように、第1検出パルス信号DP1によってコイル13が短期間オープンとなり、入力端子C1、C2から第1検出信号DS1が発生するが、1発目の第1検出パルス信号DP11によって発生する第1検出信号DS11は、GNDよりマイナス側となって、裏の山は検出されない。
また、2発目と3発目の第1検出パルス信号DP12、DP13は、電流波形i1の裏の山の領域で出力されるので、この第1検出パルス信号DP12、DP13によって発生する第1検出信号DS12、DS13は、GNDよりプラス側となってVthを超えるので、裏の山が検出されたと判定される。すなわち、図3に示す例では、第1検出区間G1の第1検出信号DS1の2発目と3発目で裏の山が検出されたことになる。
このように、裏の山を検出する第1検出区間G1は、裏の山が発生する可能性のある期間(すなわち、第1検出信号DS1が検出可能な期間)に設定される。なお、ステップモータ1から発生する逆起電力による電流波形i1の検出は、実際には回転検出回路50の内部で電流波形i1を電圧波形に変換し、その電圧波形が予め設定したVth(図3参照)を超えたか否かで判定される。第1検出区間G1は、第1検出信号DS1によって所定回数の裏の山が検出されたときに終了するように設定されてもよい。
また、ここでは図示せず詳細は後述するが、表の山が発生する可能性のある期間に第2検出区間を設定して所定の第2検出パルス信号DP2を出力し、表の山を検出する。第2検出区間は、第1検出信号DS1によって所定回数の裏の山が検出されたタイミングと同時に開始されるように設定してもよい。
なお、各検出区間は、さらに細かい区間に分けてもよい。たとえば図示しないが、裏の山を検出する第1検出区間G1を前半と後半に分け、その分けられた検出区間での検出結果に応じて、通常パルス信号SPの駆動間隔等を選択してもよい。これにより、ロータ11の回転状態に応じたきめ細かい駆動制御を実現できる。
また、各検出区間での検出パルス信号DPの繰り返し周期t1(図3参照)は、検出する電流波形に応じて任意に選択してよく、周期t1が短ければ電流波形のサンプリングを細かくでき、周期t1を長くすれば電流波形のサンプリングが粗くなる。また、検出パルス信号DPのパルス幅も限定されないが、検出信号DSが発生するために必要なパルス幅を設定する。
なお、以上説明した回転検出動作については一例であり、これに限られるものではなく、本実施形態においては、少なくともステップモータ1が単位回転したか否かが判定できるものであればよい。
[本実施形態おけるパルス信号の信号出力パターン:図4〜図6]
図4〜図6を参照して、本実施形態における信号出力パターンについて説明する。図4は、通常パルス信号によりステップモータが単位回転したと判定された場合の信号出力パターンを示す図である。図5は、本実施形態における第1信号出力パターンを示す図である。図6は、本実施形態における第2信号出力パターンを示す図である。なお、図4〜図6において、(a)は通常パルス信号SPを示し、(b)は第1検出パルス信号DP1を示し、(c)は第2検出パルス信号DP2を示し、(d)は補正パルス信号FPを示す。すなわち、図5に示す第1信号出力パターンにおいては、通常パルス信号SP、第1検出信号パルスDP1、第2検出信号パルスD2、及び補正パルス信号FPが出力されることを示しており、図6に示す第2信号出力パターンにおいては、補正パルス信号FPのみが出力されることを示している。以下、詳細について説明する。
通常運針時においては、周波数を1Hzとして通常パルス信号SPが出力される。一方、指針2を高速に動かす高速運針時においては、例えば、周波数を128Hzとして通常パルス信号SPが出力される。なお、通常パルス信号SPのデューティ比は任意に設定してよく、例えば、16/32、20/32、24/32等とするとよい。なお、ここで、デューティ比とは、所定の期間内で通常パルス信号SP等が出力される割合を示す。また、ここで、周波数とは、単位時間当たりにパルス信号が出力される回数であり、例えば、周波数128Hzのパルス信号は約8.0ms毎に出力され、周波数64Hzのパルス信号は約16ms毎に出力され、周波数16Hzのパルス信号は約64ms毎に出力される。
図4に示すように、電子時計100においては、通常パルス信号SPを出力し、その後、検出パルス信号DPを出力することにより、ステップモータ1が単位回転したか否かを判定する。ステップモータ1が単位回転したと判定された場合、続けてステップモータ1を単位回転させるために、通常パルス信号SPを出力する。すなわち、図4に示す信号出力パターンを繰り返す。本実施形態においては、この際の周波数は128Hzとなり、この周波数での運針を高速運針と呼ぶこととする。
一方、図5に示すように、電子時計1においては、ステップモータ1が単位回転しないと判定された場合、ステップモータ1を強制的に回転させる補正パルス信号FPを出力する。補正パルス信号FPは、通常パルス信号SPと比較してパルス幅が広い分、駆動力が大きいが、高速性には不向きなパルス信号である。このように補正パルス信号FPを出力することにより、少なくとも補正パルス信号FPを出力する期間分、図4に示した例よりも運針速度は遅くなるが、確実にステップモータ1を単位回転させることができる。本実施形態においては、この際の周波数は16Hzとなり、この周波数での運針を低速運針と呼ぶこととする。
このように、ステップモータ1が非回転であると判定された場合、補正パルス信号FPの出力期間が生じる分、指針2の運針速度が低下してしまう。このような第1信号出力パターンが連続して行われると、指針2の運針速度が過度に低下することとなってしまう。指針2の運針速度が低下すると、指針2が目的位置へ移動するのに長時間を要してしまい、ユーザにストレスを与えることとなってしまう。
ここで、ステップモータ1が単位回転するか否か、すなわち、図5で示したように補正パルス信号FPが出力されるか否かは、電池10の電圧(以下、単に電池電圧ともいう)に依存する。例えば、電池電圧が所定の閾値未満の場合、通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転しない確率は高く、補正パルス信号FPが出力される可能性が高くなる。すなわち、運針速度が低下する可能性が高くなる。
そこで、本実施形態においては、データ取得手段31が、ステップモータ1が通常パルス信号SPにより単位回転しない確率に関するデータを取得し、切替手段32が、データ取得手段31が取得したデータに基づいて、第1運針モードと第2運針モードとを切り替えることとした。
本実施形態において、第1運針モードとは、図4で示す信号出力パターン又は図5で示す第1信号出力パターンを出力するモードであって、第2運針モードとは、図6に示す第2信号出力パターンを出力するモードである。
また、本実施形態においては、第1信号出力パターンとは、通常パルス信号SPを出力し、ステップモータ1が単位回転しない場合に、ステップモータ1を強制的に単位回転させる補正パルス信号FPを続いて出力する信号出力パターンである。上述のように、第1信号出力パターンにおける周波数は16Hzとなっている。
また、本実施形態においては、第2信号出力パターンとは、通常パルス信号SP及び回転検出パルスDPを出力することなく、ステップモータ1を強制的に単位回転させる強制パルス信号の信号出力パターンである。強制パルス信号は、先に説明した補正パルス信号FPと同じ信号出力パターンであってもよい。第2信号出力パターンにおける周波数は、通常パルス信号SP及び検出パルス信号DPを出力しない分、第1信号出力パターンにおける周波数よりも高く、64Hzとなっている。この周波数での運針を中速運針と呼ぶこととする。
すなわち、第2信号出力パターンの期間は、第1信号出力パターンの期間よりも短い。そのため、第2信号出力パターンの場合の方が、第1信号出力パターンの場合よりも、運針速度が速い。
本実施形態においては、ステップモータ1が通常パルス信号SPにより単位回転しない確率に関するデータとして、電池電圧を用いた。具体的には、本実施形態においては、データ取得手段31は、電圧検出回路91が検出した電池電圧を取得する。そして、切替手段32が、電圧検出回路91により検出された電池電圧が所定の閾値未満の場合、運針モードを第2運針モードに切り替える。例えば、電池電圧が2.7V未満の場合、運針モードを第2運針モードに切り替えるとよい。閾値電圧は、特に限定されず、電子時計100の有する機能に制限がかかる電圧、またはそれ以下であって高速運針動作にともなう電圧降下によってシステムダウンする電圧値以上の範囲内で設定してもよい。閾値は、例えば、受信禁止電圧以下や、充電警告電圧以下や、電池容量が全体容量の10%未満となる範囲での電圧値としてもよい。
なお、本実施形態においては、ステップモータ1が通常パルス信号SPにより単位回転しない確率に関するデータとして、電池電圧を用いたが、これに限られるものではなく、電子時計100の内部温度を示す電池10の環境温度を用いてもよいし、電池電圧と環境温度の双方を用いてもよい。この場合、データ取得手段31が、温度検出手段92により検出された電池10の環境温度を取得するとよい。電池10の環境温度が低いほど、電池電圧の降下量が大きくなり、ステップモータ1が通常パルス信号SPにより単位回転しない確率が高くなるため、電池10の環境温度が所定の閾値よりも低い場合、切替手段32が運針モードを第2運針モードに切り替えるとよい。閾値温度は、特に限定されず、電子時計100の有する機能に制限がかかる温度範囲とすることが望ましい。例えば、氷点下以下としてもよいし、電池の充放電が禁止とされる温度範囲としてもよい。
ステップモータ1が通常パルス信号SPにより単位回転しない確率に関するデータとして、電池電圧及び環境温度を用いる場合、電池電圧が2.7Vよりも高い場合、例えば、2.8Vであっても、環境温度が所定の閾値未満の場合は、運針モードを第2運針モードに切り替えることとするとよい。このように、電池10の電圧及び環境温度に基づいて、より緻密な制御を行い、運針速度が過度に低下することを抑制できる。
[本実施形態における制御回路の動作:図7〜図9]
さらに、図7〜図9を参照して、本実施形態における制御回路30の動作について説明する。図7は、本実施形態における制御回路の動作を示すフローチャートである。
まず、制御回路30のデータ取得手段31が、通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転しない確率に関するデータを取得する(ステップS1)。ステップモータ1が単位回転しない確率が高くない場合(ステップS2のNO)、切替手段32が運針モードを第1運針モードに切り替える(ステップS3、図8)。一方、ステップモータ1が単位回転しない確率が高い場合(ステップS2のYES)、切替手段32が運針モードを第2運針モードに切り替える(ステップS4、図9)。
ここで、図8を参照して、切替手段32が運針モードを第1運針モードに切り替えた際の制御回路30の動作について説明する。図8は、切替手段が運針モードを第1運針モードに切り替えた際の制御回路の動作を示すフローチャートである。
第1運針モードに切り替えた後、制御回路30は、通常パルス信号SPを出力するようにドライバ回路70を制御する(ステップS5)。その後、制御回路30は、検出パルス信号DPを出力するようドライバ回路70を制御する(ステップS6)。そして、回転検出回路50が検出した検出信号DSの検出数に基づいて、ステップモータ1が単位回転したか否かを判定する(ステップS7)。ステップモータ1が単位回転したとの判定を行った場合(ステップS7のYES)、続けて図7で示した動作を継続する。
一方、制御回路30は、ステップモータ1が単位回転しなかったとの判定を行った場合(ステップS7のNO)、続けて補正パルス信号FPを出力するようにドライバ回路70を制御する(ステップS8)。その後、図7で示した動作を継続する。
また、図9を参照して、切替手段32が運針モードを第2運針モードに切り替えた際の制御回路30の動作について説明する。図9は、切替手段が運針モードを第2運針モードに切り替えた際の制御回路の動作を示すフローチャートである。
図9に示すように、第2運針モードに切り替えた後、制御回路30は、通常パルス信号SP及び検出パルス信号DPを出力することなく、補正パルス信号FPを出力するようにドライバ回路70を制御する(ステップS9)。その後、図7で示した動作を継続する。
以上説明したように、本実施形態においては、ステップモータ1が単位回転しない確率に基づいて、第1運針モードと第2運針モードとを切り替えることにより、指針2の運針が過度に低下することを抑制することができる。
なお、データ取得手段31によるデータの取得及び切替手段32による運針モードの切り替えは、高速運針開始時のみ判断してもよいし、1運針毎に判断してもよい。また、運針を所定回数行う毎に、又は所定期間行う毎に、運針モードを切り替えるか否かを判断するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、第1信号出力パターンにおいても、第2信号出力パターンにおいても、補正パルス信号FPを出力することとしたが、第2信号出力パターンにおいて出力されるパルス信号は、ステップモータ1を強制的に回転させるものであればよく、パルス幅やデューティ比等が補正パルス信号FPと異なる固有のパルス信号であっても構わない。また、当該固有のパルス信号は、複数種類あってもよい。すなわち、第2運針モードは、複数の信号出力パターンを含んでもよい。そして、電池電圧や環境温度に応じて、固有のパルス信号のうちステップモータ1を強制的に回転させるのに最適なパルス信号を選択して出力する構成としてもよい。
また、本実施形態においては、電池電圧が低い場合、運針モードを第2運針モードに切り替える例について説明したが、電池電圧が過度に高い場合、運針モードを第2運針モードに切り替えることとしてもよい。同様に、環境温度が過度に高い場合、運針モードを第2運針モードに切り替えることとしてもよい。
さらには、ステップモータ1の負荷に基づいて、データ取得手段31が通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転しない確率に関するデータを取得し、そのデータに基づいて、切替手段32が、第1運針モードと第2運針モードとを切り替えることとしてもよい。例えば、電子時計100において、ステップモータ1が指針2の駆動に加えて日車等を所定の期間毎に駆動させる構成を採用した場合、日車等を駆動させる際、ステップモータ1の負荷が大きくなり、通常パルス信号SPによりステップモータ1を単位回転させることができない確率が高くなる。そのため、高速運針中にステップモータ1が指針2と同時に日車等を駆動させる期間の開始タイミングとなった場合、その開始タイミングにおいて、切替手段32が運針モードを第2運針モードに切り替えることとするとよい。さらに、同時に日車等を駆動させる期間が終了した場合、切替手段32が運針モードを第1運針モードに切り替えることとするとよい。
同じように、ステップモータ1が複数の指針を同時に運針させる場合も、負荷が大きくなり電圧降下の量が増えるため、通常パルス信号SPによりステップモータ1を単位回転させることができない確率が高くなる。駆動する指針が単体と複数とを切り替えられる場合には、それぞれの場合におけるデータ(例えば閾値電圧や閾値温度)を用意して切り替えるようにしてもよい。なお、指針の形状や重量も運針負荷に影響するため、ステップモータ1に接続される針の形状や重量に対応し最適化されたデータを電子時計100が有する記憶部に記憶させておくとよい。その場合、モータコイルに生じる誘導起電力を利用した外部装置との非接触通信を用いて、データを記憶部に記憶することができる。
さらには、第1信号出力パターンの出力が行われた回数に基づいて、データ取得手段31が通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転しない確率に関するデータを取得し、そのデータに基づいて、切替手段32が第1運針モードと第2運針モードとを切り替えることとしてもよい。第1信号出力パターンが複数回連続して行われた場合、その後も通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転する確率は低いといえる。そのため、第1信号出力パターンが行われた回数が所定の回数を超えた際に、切替手段32が運針モードを第2運針モードに切り替えることとするとよい。また、第2運針モードによる第2信号出力パターンを複数回実施した場合、もしくは、連続運針が終了した場合は、次回の出力パターンを第1運針モードに戻すとよい。
さらには、高速運針の運針時間に基づいて、データ取得手段31が通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転しない確率に関するデータを取得し、そのデータに基づいて、切替手段32が第1運針モードと第2運針モードとを切り替えることとしてもよい。運針を長時間行うと、電池電圧が低下するため、通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転する確率が低くなる。そのため、高速運針の運針時間が所定時間以上となった場合、切替手段32が運針モードを第2運針モードに切り替えることとするとよい。
さらには、分針用ステップモータ1aと時針用ステップモータ1bなど複数のステップモータが同時に駆動している駆動時間やステップモータの数に基づいて、データ取得手段31が通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転しない確率に関するデータを取得し、そのデータに基づいて、切替手段32が第1運針モードと第2運針モードとを切り替えることとしてもよい。ステップモータ1が複数同時に駆動していると、電池電圧が大きく低下するため、通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転する確率が低くなる。複数同時駆動しているステップモータ数が所定数以上の時や、複数同時駆動しているステップモータ1の駆動時間が所定時間以上となった場合、切替手段32が運針モードを第2運針モードに切り替えることとするとよい。なお、第1運針モードと第2運針モードとの選択切替えはステップモータ1ごとに設定できることとしてもよく、例えば、ステップモータ1の駆動力がステップモータ1毎に異なる場合、ステップモータ1が単位回転しない確率が高いステップモータから順に第2運針モードに切り替えるようなことをしてもよい。
なお、高速運針は、ユーザが手動で電子時計100に設けられるボタン等を操作することにより開始されるものであってもよいし、受信回路80がGPS衛星などからの時刻情報を含む信号を受信することにより開始されるものであってもよい。なお、受信動作は、時刻情報を含む信号を受信する動作に限られず、位置情報を含む信号を受信する動作であってもよい。
受信回路80による受信結果に基づいて高速運針させる場合においては、例えば、直近の受信動作の動作時間及び受信動作の完了タイミングからの経過時間の少なくともいずれかに基づいて、データ取得手段31が通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転しない確率に関するデータを取得し、そのデータに基づいて、切替手段32が第1運針モードと第2運針モードとを切り替えることとしてもよい。
受信動作時間が長い程電池電圧は低下するため、通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転する確率が低くなる。そのため、受信動作時間が所定時間以上となった場合、切替手段32が運針モードを第2運針モードに切り替えることとするとよい。一方、受信動作の直後は電池電圧が過度に低下し、その後電池電圧はなだらかに回復するため、受信動作の完了タイミングからの経過時間が長いほど通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転する可能性が高くなる。そのため、受信動作の完了タイミングからの所定時間以上経過した場合、切替手段32が運針モードを第1運針モードに切り替えることとするとよい。
また、受信動作の直後、電池電圧を測定し、その測定された電池電圧の値に基づいて運針モードを切り替えてもよい。あるいは電池電圧が回復する時間は温度等の外部要因によって異なり、電池電圧の差が大きければ電池電圧が回復しておらず、ステップモータ1が単位回転する確率が低くなる。よって受信動作の直後、電池電圧を複数回測定し、測定された電池電圧の差に基づいて運針モードを切り替えるようなことをしてもよい。
また上記は、受信動作の完了タイミングからの所定時間以上経過した場合、切替手段32が運針モードを第1運針モードに切り替えるとしたが、受信動作の直後、第2運針モードでの高速運針中あるいは高速運針を一時的に停止させ電池電圧を測定し、測定された電池電圧に基づいて第1運針モードに切り替えるようなことをしてもよい。なお、受信動作時間だけでなく、電池電圧が低下する他の動作の動作時間、例えば、アラームの鳴動時間やスマートフォン等の別媒体への接続した時間に基づいて、運針モードを切り替えることとしてもよい。
さらには、コイル13に誘起される電流の波形、及び出力端子O1、O2における電圧波形に基づいて、データ取得手段31が通常パルス信号SPによりステップモータ1が単位回転しない確率に関するデータを取得し、そのデータに基づいて、切替手段32が、第1運針モードと第2運針モードとを切り替えることとしてもよい。以下、そのような場合の例について、図10〜図14を参照して説明する。
図10〜図14は、ステップモータが回転判定された場合における、コイルに誘起される電流の波形、及び出力端子における電圧波形の一例を示す図である。なお、図10〜図14は、回転検出回路50によってステップモータ1が単位回転したと判定された場合の波形を示すが、実際にステップモータ1が単位回転したか否かについては不明であり、図10に示す波形がステップモータ1が単位回転した可能性が最も高い波形であり、図14に示す波形がステップモータ1が単位回転した可能性が最も低い波形である。
電池電圧に応じて、コイル13に誘起される電流の波形、及び出力端子O1、O2における電圧波形は変動する。電池電圧が高いほど、ステップモータ1が単位回転したと判定される波形となる確率が高く、電池電圧が低いほど、ステップモータ1が非回転であると判定される波形となる確率が高い。また、ステップモータ1が単位回転したと判定される波形において、電池電圧が高いほど、検出パルス信号DPの出力終了位置(第2検出パルス信号DP2が最後に出力される位置)が速くなる。
なお、図10〜図14において、例えば、V3.125は、通常パルス信号SPの出力開始時点から3.125ms後の位置において出力される検出パルス信号DPを示す。また、検出パルス信号DPの長さは電圧の大きさを示し、通常パルス信号SPの同極性側で所定の閾値Vth以上の大きさの電圧が発生している位置において、検出信号DSが検出されることとなる。
また、図10〜図14のc1は、図3で示した駆動期間T1での電流波形i1を示し、c2、c4は図3で示した表の山を示し、c3、c5は図3で示した裏の山を示す。出力端子O1側の波形と出力端子O2側の波形が交互に切り替わり、それに応じて、コイル13に誘起される電流の値の正負が反転する。なお、図10〜図14で示す波形においては、第1検出信号DS1が3回検出された場合に、第2検出信号DS2の検出を開始することとしたが、これは一例であり、第2検出信号DS2の検出を開始するまでの第1検出信号DS1の検出回数については適宜変更しても構わない。
図10においては、電圧検出回路91により検出された電池電圧が3.1Vであって、第1検出パルス信号DP1が3回出力されて第1検出信号DS1が3回検出された後、第2検出パルス信号DP2が2回出力されて第2検出信号DSが2回検出され、第2検出信号DSが最後に検出された位置が通常パルス信号SPの出力開始時点から3.375ms後の場合の波形を示す。
図11においては、電圧検出回路91により検出された電池電圧が3.0Vである場合であって、第1検出パルス信号DP1が3回出力されて第1検出信号DS1が3回検出された後、第2検出パルス信号DP2が3回出力されて第2検出信号DS2が2回検出され、第2検出信号DS2が最後に検出された位置が通常パルス信号SPの出力開始時点から3.625ms後の場合の波形を示す。
図12においては、電圧検出回路91により検出された電池電圧が2.9Vであって、第1検出パルス信号DP1が4回出力されて第1検出信号DS1が3回検出された後、第2検出パルス信号DP2が4回出力されて第2検出信号DS2が2回検出され、第2検出信号DS2が最後に検出された位置が通常パルス信号SPの出力開始時点から4.125ms後の場合の波形を示す。
図13においては、電圧検出回路91により検出された電池電圧が2.7Vであって、第1検出パルス信号DP1が7回出力されて第1検出信号DS1が3回検出された後、第2検出パルス信号DP2が4回出力されて第2検出信号DS2が2回検出され、第2検出信号DS2が最後に検出された位置が通常パルス信号SPの出力開始時点から4.875ms後の場合の波形を示す。
図14においては、電圧検出回路91により検出された電池電圧が2.5Vであって、第1検出パルス信号DP1が10回出力されて第1検出信号DS1が3回検出された後、第2検出パルス信号DP2が4回出力されて第2検出信号DS2が2回検出され、第2検出信号DS2が最後に検出された位置が通常パルス信号SPの出力開始時点から5.625ms後の場合の波形を示す。
電子時計100においては、例えば、データ取得手段31が、第2検出パルス信号DP2が最後に出力された位置に基づいて、通常パルス信号SPによりステップモータ1が回転しない確率に関するデータを取得するとよい。上述のように、第2検出信号DS2が最後に検出された位置が、通常パルス信号SPの出力開始時点から遠いほど、通常パルス信号SPによりステップモータ1が回転しない確率が高い。そのため、例えば、第2検出信号DS2が最後に検出された位置が4.875msよりも遠い場合、すなわち、図14に示すような波形が得られた場合、切替手段32が運針モードを第2運針モードに切り替えることとするとよい。また、通常パルス信号SPによりステップモータ1が回転しない確率に関するデータとして、第1検出信号DS1の検出が終了してから第2検出信号DS2が検出されるまでの期間や、回転検出が終了するまでの第2検出パルス信号DP2の出力回数や、第1検出パルス信号DP1の出力回数や、第1検出パルス信号DP1が最後に出力された位置などを用いてもよい。また、それらを適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、通常パルス信号SPによりステップモータ1が回転しない確率に関するデータは、上述の電池電圧、環境温度、ステップモータ1の負荷、受信動作の動作時間等、及びコイル13に誘起される電流の波形、及び出力端子O1、O2における電圧波形の少なくともいずれかを含むものであり、それらの組み合わせに基づくものであってもよい。例えば、制御回路30が、電池電圧とステップモータ1の負荷とを関連付けて通常パルス信号SPによりステップモータ1が回転しない確率に関するテーブルをメモリに記憶しており、そのテーブルに基づいて、切替手段32が運針モードを切り替える構成としてもよい。
なお、図4に示す信号出力パターンを用いて高速運針を行う必要のない場合、例えば、ユーザがボタンや竜頭などの操作部を操作することにより高速運針を行うことを規制する設定を行っている場合、ステップモータ1が通常パルス信号SPにより単位回転しない確率に関するデータに関わらず、図6に示す第2信号出力パターンを連続して出力し、中速運針を行うこととしてもよい。また、指針2の運針量が極端に少ない場合、例えば、数分分のみ指針2が回転する場合は、高速運針を行う必要性が低いため、中速運針を行うこととしてもよい。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。