実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る給湯暖房装置について説明する。本実施の形態1に係る給湯暖房装置は、冷凍サイクルを利用して水を加熱し、水を加熱することによって得られる湯を貯留するとともに、居室等の暖房を行うものである。
[給湯暖房装置1の設置例]
図1は、本実施の形態1に係る給湯暖房装置1の設置例を示す概略図である。図1の例では、居室100a、脱衣所100b、浴室100cおよび屋根裏等の非居住空間100dを備える住宅100に給湯暖房装置1が設置されている場合を示す。図1に示すように、給湯暖房装置1は、ヒートポンプユニット10および貯湯ユニット20を備えている。
ヒートポンプユニット10および貯湯ユニット20は、屋外に設置され、沸き上げ回路用の出湯配管2および入水配管3と、排熱回収回路用の排熱往き配管4および排熱戻り配管5とによって接続されている。貯湯ユニット20には、一般給湯回路用の一般給湯配管110a、ふろ給湯回路用のふろ給湯配管110b、および暖房回路用の暖房往き配管6および暖房戻り配管7が接続されている。
一般給湯配管110aには、浴室100c等に設けられたシャワーおよびカラン等の給湯端101が接続され、貯湯ユニット20から流出する湯が給湯端101に供給される。ふろ給湯配管110bには、浴室100cに設けられた浴槽102が接続され、貯湯ユニット20から流出する湯が浴槽102に供給される。
暖房往き配管6および暖房戻り配管7には、居室100aおよび脱衣所100b等に設置された床暖房およびラジエータ等の暖房機器103と、非居住空間100dに設置された排熱回収室内機104とが接続されている。これにより、貯湯ユニット20と暖房機器103および排熱回収室内機104との間で温水が循環する。
なお、給湯端101、浴槽102、暖房機器103および排熱回収室内機104の台数は、この例に限られず、住宅100の規模等に応じて適宜決定することができる。また、排熱回収室内機104は、必ずしも設けられる必要はない。
[給湯暖房装置1の構成]
図2は、本実施の形態1に係る給湯暖房装置1の構成の一例を示す概略図である。
図2に示すように、給湯暖房装置1は、ヒートポンプユニット10、貯湯ユニット20、給湯リモートコントローラ(以下、「給湯リモコン」と称する)40および暖房リモートコントローラ(以下、「暖房リモコン」と称する)50で構成されている。ヒートポンプユニット10および貯湯ユニット20は、沸き上げ回路用の出湯配管2および入水配管3と、排熱回収回路用の排熱往き配管4および排熱戻り配管5とで接続されている。
この例では、1台の利用側熱交換器60と1台の排熱回収熱交換器70とが、暖房往き配管6および暖房戻り配管7を介して貯湯ユニット20に接続されている。なお、利用側熱交換器60および排熱回収熱交換器70の台数は、これに限られず、それぞれが複数設けられてもよい。また、排熱回収熱交換器70は、設けられていなくてもよい。
(ヒートポンプユニット10)
ヒートポンプユニット10は、圧縮機11、凝縮器12、第1膨張弁13、蒸発器14、第2膨張弁15、中間圧熱交換器16および送風機17を備えている。圧縮機11、凝縮器12、第1膨張弁13および蒸発器14が冷媒配管で順次接続されることにより、冷媒回路が形成される。冷媒回路を流れる冷媒として、例えば、CO2(二酸化炭素)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、HC(ハイドロカーボン)およびHFO(ハイドロフルオロオレフィン)等の冷媒が適用できるが、これらに特に限定されるものではない。
圧縮機11は、低温低圧の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮し、高温高圧の冷媒を吐出する。圧縮機11は、例えば、運転周波数を変化させることにより、単位時間あたりの送出量である容量が制御されるインバータ圧縮機等からなる。圧縮機11の運転周波数は、加熱能力が設定値となるように、後述するヒートポンプコントローラ8によって制御される。
圧縮機11は、例えば、低圧側圧縮室11aと高圧側圧縮室11bとに分かれた二段圧縮機である。この場合、低圧側圧縮室11aの吸入側が蒸発器14に接続され、高圧側圧縮室11bの吐出側が凝縮器12に接続される。また、低圧側圧縮室11aの吐出側と高圧側圧縮室11bの吸入側との間の中間圧部は、中間圧熱交換器16に接続される。なお、圧縮機11は、二段圧縮機に限られず、例えば、圧縮室の途中に中間圧の冷媒をインジェクションするインジェクションポートを備えるものでもよい。
凝縮器12は、冷媒側流路に接続された冷媒回路を流れる冷媒と、水側流路に接続された沸き上げ回路を流れる水との間で熱交換を行い、冷媒の熱を水に放熱して冷媒を凝縮させる。第1膨張弁13は、凝縮器12と蒸発器14との間に接続され、凝縮器12から流出した冷媒を膨張させる。第1膨張弁13は、例えば、電子式膨張弁等の開度の制御が可能な弁で構成される。第1膨張弁13の開度は、貯湯運転時において、圧縮機11の吸入側の過熱度が予め設定された過熱度となるように、あるいは、圧縮機11から吐出される冷媒の吐出温度が予め設定された温度となるように、ヒートポンプコントローラ8によって制御される。
蒸発器14は、送風機17によって供給される室外空気と冷媒との間で熱交換を行う。蒸発器14は、冷媒を蒸発させ、その際の気化熱により室外空気を冷却する。送風機17は、蒸発器14に対して室外空気を供給する。送風機17の回転数は、ヒートポンプコントローラ8によって制御される。回転数が制御されることにより、蒸発器14に対する送風量が調整される。
第2膨張弁15は、凝縮器12と第1膨張弁13との間から分岐し、圧縮機11の中間圧部に接続されるバイパス回路に設けられ、凝縮器12から流出した冷媒を膨張させる。第2膨張弁15は、例えば、電子式膨張弁等の開度の制御が可能な弁で構成される。第2膨張弁15の開度は、後述する排熱回収ふろ給湯モードでのふろ給湯運転の際に、圧縮機11の中間圧部に流入する冷媒の過熱度が予め設定された設定過熱度となるように、ヒートポンプコントローラ8によって制御される。
中間圧熱交換器16は、バイパス回路に設けられ、冷媒側流路を流れる冷媒と、温水側流路を流れる温水との間で熱交換を行う。中間圧熱交換器16は、冷媒を蒸発させるとともに、その際の気化熱により温水を冷却する。なお、圧縮機11がインジェクションポートを備えるものである場合、凝縮器12と第1膨張弁13との間から分岐したバイパス回路は、圧縮機11のインジェクションポートに接続される。
また、ヒートポンプユニット10は、入水温度センサ41、出湯温度センサ42および外気温度センサ43を備えている。入水温度センサ41は、凝縮器12の水側流路に流入する水の温度を検知する。出湯温度センサ42は、凝縮器12の水側流路から流出する水の温度を検知する。外気温度センサ43は、ヒートポンプユニット10の外気の温度を検知する。
さらに、ヒートポンプユニット10は、ヒートポンプコントローラ8を備えている。ヒートポンプコントローラ8は、給湯暖房装置1で行われる各種の運転モードに応じて、ヒートポンプユニット10に設けられた各部を制御する。特に、本実施の形態1において、ヒートポンプコントローラ8は、圧縮機11の運転周波数、第1膨張弁13および第2膨張弁15の開度等を制御する。
図3は、図2のヒートポンプコントローラ8の構成の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、ヒートポンプコントローラ8は、情報取得部81、演算部82、機器制御部83、通信部84および記憶部85を備えている。ヒートポンプコントローラ8は、マイクロコンピュータなどの演算装置上でソフトウェアを実行することにより各種機能が実現され、もしくは各種機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア等で構成されている。
情報取得部81は、入水温度センサ41、出湯温度センサ42および外気温度センサ43等の各種センサで検知された情報を取得する。演算部82は、情報取得部81で取得された各種の情報と、それぞれの情報に対応して記憶部85に記憶された情報とに基づき、演算処理を行う。
機器制御部83は、演算部82での演算結果等に応じて、圧縮機11、第1膨張弁13、第2膨張弁15および送風機17を制御する。例えば、機器制御部83は、加熱能力が予め設定された設定能力値となるように、圧縮機11の運転周波数を制御する。また、機器制御部83は、圧縮機11に吸入側における冷媒の過熱度が予め設定された設定過熱度となるように、もしくは、圧縮機11の吐出温度が予め設定された設定温度となるように、第1膨張弁13の開度を制御する。さらに、機器制御部83は、排熱回収モードの際に、圧縮機11の中間圧部に流入する冷媒の過熱度が予め設定された設定過熱度となるように、第2膨張弁15の開度を制御する。
通信部84は、貯湯ユニットコントローラ9との間で各種情報の送受信を行う。記憶部85は、ヒートポンプコントローラ8の各部で用いられる各種の値を予め記憶している。例えば、記憶部85は、機器制御部83が第1膨張弁13および第2膨張弁15を制御する際に用いられる圧縮機11に流入する冷媒の設定過熱度等を予め記憶している。
(貯湯ユニット20)
図2の貯湯ユニット20は、貯湯タンク21、沸き上げポンプ22、一般給湯混合弁23、ふろ給湯混合弁24、湯張り開閉弁25、暖房熱交換器26、1次側暖房ポンプ27、暖房往きヘッダ28、暖房戻りヘッダ29、流量調整弁30、2次側暖房ポンプ31および排熱切換弁32を備えている。貯湯ユニット20には、外部から水が供給される給水口20aと、給湯端101(図1参照)に湯を供給する一般給湯口20bと、浴槽102(図1参照)に湯を供給するふろ給湯口20cとが設けられている。
貯湯タンク21、沸き上げポンプ22およびヒートポンプユニット10の凝縮器12が配管で接続されることにより、沸き上げ回路が形成される。また、中間圧熱交換器16、暖房往きヘッダ28、利用側熱交換器60および排熱回収熱交換器70、流量調整弁30、暖房戻りヘッダ29、2次側暖房ポンプ31、ならびに、排熱切換弁32が配管で接続されることにより、排熱回収回路が形成される。さらに、暖房熱交換器26、暖房往きヘッダ28、利用側熱交換器60および排熱回収熱交換器70、流量調整弁30、2次側暖房ポンプ31、ならびに、排熱切換弁32が配管で接続されることにより、暖房回路が形成される。
貯湯タンク21は、給水口20aを介して外部から供給される水および凝縮器12で加熱された湯を貯留する。貯湯タンク21の下部には、タンク給水口21a、下部流出口21bおよび下部流入口21cが設けられている。貯湯タンク21の上部には、上部流入出口21dおよび上部流出口21eが設けられている。
タンク給水口21aは、給水配管20dを介して給水口20aに接続されている。下部流出口21bは、沸き上げポンプ22の吸入側に接続されている。下部流入口21cは、1次側暖房ポンプ27の送出側に接続されている。上部流入出口21dは、送湯配管20eおよび出湯配管2を介してヒートポンプユニット10における凝縮器12の水側流路の流出側に接続されている。また、上部流入出口21dは、給湯配管20fを介して一般給湯混合弁23の第1流入口23aおよびふろ給湯混合弁24の第1流入口24aにも接続されている。上部流出口21eは、温水導入配管20gを介して暖房熱交換器26における1次側流路の流入側に接続されている。
貯湯タンク21は、上記のようにして各種の流入出口が設けられていることにより、低温の水が下部に供給され、高温の湯が上部に供給される。これによって、貯湯タンク21の内部には、上部から下部に向かって高温域から低温域となる温度の層が形成される。すなわち、貯湯タンク21に貯留される湯は、上部から下部に向かうに従って温度が低くなっている。
沸き上げポンプ22は、図示しないモータによって駆動され、貯湯タンク21から流出した水または湯を送出し、凝縮器12の水側流路に供給する。沸き上げポンプ22の回転数は、凝縮器12から流出する湯の温度が目標貯湯温度となるように、後述する貯湯ユニットコントローラ9によって制御される。
一般給湯混合弁23は、例えば三方弁であり、第1流入口23a、第2流入口23bおよび流出口23cを有している。一般給湯混合弁23は、第1流入口23aに流入する高温の湯と、第2流入口23bに流入する水を混合し、流出口23cから流出させる。一般給湯混合弁23は、貯湯ユニットコントローラ9によって制御される。第1流入口23aは、給湯配管20fを介して上部流入出口21dに接続されている。第2流入口23bは、給水口20aに接続されている。流出口23cは、一般給湯口20bに接続されている。
ふろ給湯混合弁24は、例えば三方弁であり、第1流入口24a、第2流入口24bおよび流出口24cを有している。ふろ給湯混合弁24は、第1流入口24aに流入する高温の湯と、第2流入口24bに流入する水を混合し、流出口24cから流出させる。ふろ給湯混合弁24は、貯湯ユニットコントローラ9によって制御される。第1流入口24aは、給湯配管20fを介して上部流入出口21dに接続されている。第2流入口24bは、給水口20aに接続されている。流出口24cは、湯張り開閉弁25に接続されている。
湯張り開閉弁25は、浴槽102に湯張りする際の流路を開閉するために設けられている。湯張り開閉弁25は、貯湯ユニットコントローラ9によって制御される。湯張り開閉弁25の流入側は、ふろ給湯混合弁24の流出口24cに接続されている。湯張り開閉弁25の流出側は、ふろ給湯口20cに接続されている。
暖房熱交換器26は、1次側流路を流れる温水と、2次側流路を流れる温水との間で熱交換を行う。1次側流路の流入側は、温水導入配管20gを介して貯湯タンク21の上部流出口21eに接続されている。1次側流路の流出側は、温水導出配管20hを介して1次側暖房ポンプ27の吸入側に接続されている。2次側流路の流入側は、排熱切換弁32の第1流出口32bに接続されている。2次側流路の流出側は、暖房往きヘッダ28の流入側に接続されている。
なお、「1次側」は貯湯タンク21側を示し、「2次側」は、利用側熱交換器60側を示す。したがって、例えば「1次側の温水」とは、貯湯タンク21に貯留された温水を示し、「2次側の温水」とは、利用側熱交換器60を流れる温水を示す。
1次側暖房ポンプ27は、図示しないモータによって駆動され、温水導出配管20hを介して暖房熱交換器26の1次側流路から流出した温水を、貯湯タンク21の下部流入口21cに送出する。1次側暖房ポンプ27の回転数は、例えば、2次側の温水流量と1次側の温水流量とが略同等となるように、貯湯ユニットコントローラ9によって制御される。
暖房往きヘッダ28は、流入する温水を分岐して流出させるために設けられている。暖房往きヘッダ28の流入側は、暖房熱交換器26における2次側流路の流出側に接続されている。また、暖房往きヘッダ28の流入側は、排熱戻り配管5を介してヒートポンプユニット10における中間圧熱交換器16の温水側流路にも接続されている。暖房往きヘッダ28の流出側は、分岐されたそれぞれが暖房往き配管6を介して利用側熱交換器60および排熱回収熱交換器70それぞれの流入側に接続されている。
暖房戻りヘッダ29は、複数の流路のそれぞれから流入する温水を集約して流出させるために設けられている。暖房戻りヘッダ29の流入側は、複数の暖房戻り配管7および流量調整弁30を介して利用側熱交換器60および排熱回収熱交換器70それぞれの流出側に接続されている。暖房戻りヘッダ29の流出側は、2次側暖房ポンプ31の吸入側に接続されている。
流量調整弁30は、利用側熱交換器60または排熱回収熱交換器70に流れる温水の流量を調整するために設けられている。流量調整弁30の開度は、例えば、利用側熱交換器60の入口水温と出口水温との差が設定温度差となるように、貯湯ユニットコントローラ9によって制御される。流量調整弁30は、利用側熱交換器60または排熱回収熱交換器70の流出側と、暖房戻りヘッダ29の流入側との間にそれぞれ設けられている。
2次側暖房ポンプ31は、図示しないモータによって駆動され、暖房戻りヘッダ29から流出した温水を、排熱切換弁32の流入口32aに送出する。2次側暖房ポンプ31の回転数は、貯湯ユニットコントローラ9により、貯湯ユニット20に接続される利用側熱交換器60および排熱回収熱交換器70のうち、最も温水流量が大きくなる熱交換器に合わせて制御される。すなわち、2次側暖房ポンプ31の回転数は、複数の流量調整弁30のうち、最も開度が大きい流量調整弁30が最大開度となるように調整される。
排熱切換弁32は、例えば三方弁であり、流入口32a、第1流出口32bおよび第2流出口32cを有している。排熱切換弁32は、流入口32aに流入する温水を、第1流出口32bおよび第2流出口32cのいずれかから流出させる。排熱切換弁32は、貯湯ユニットコントローラ9によって制御される。流入口32aは、2次側暖房ポンプ31の送出側に接続されている。第1流出口32bは、暖房熱交換器26における2次側流路の流入側に接続されている。第2流出口32cは、排熱往き配管4を介してヒートポンプユニット10における中間圧熱交換器16の温水側流路に接続されている。
また、貯湯ユニット20は、貯湯温度センサ51、暖房往き温度センサ52および暖房戻り温度センサ53を備えている。貯湯温度センサ51は、貯湯タンク21の表面の高さ方向に複数設置された温度センサで構成されている。それぞれの貯湯温度センサ51は、設置された高さに存在する、貯湯タンク21内に貯留された水または湯の温度を検知する。
暖房往き温度センサ52は、暖房往きヘッダ28の流入側に設けられ、利用側熱交換器60および排熱回収熱交換器70に流入する温水の入口温度を検知する。暖房戻り温度センサ53は、暖房戻りヘッダ29の流入側に設けられ、利用側熱交換器60および排熱回収熱交換器70から流出する温水の出口温度を検知する。
さらに、貯湯ユニット20は、貯湯ユニットコントローラ9を備えている。貯湯ユニットコントローラ9は、給湯暖房装置1で行われる各種の運転モード、ならびに、貯湯温度センサ51、暖房往き温度センサ52および暖房戻り温度センサ53による検知結果に基づき、貯湯ユニット20に設けられた各部を制御する。貯湯ユニットコントローラ9は、ヒートポンプコントローラ8、給湯リモコン40および暖房リモコン50と接続されている。
図4は、図2の貯湯ユニットコントローラ9の構成の一例を示す機能ブロック図である。図4に示すように、貯湯ユニットコントローラ9は、情報取得部91、比較演算部92、機器制御部93、通信部94および記憶部95を備えている。貯湯ユニットコントローラ9は、マイクロコンピュータなどの演算装置上でソフトウェアを実行することにより各種機能が実現され、もしくは各種機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア等で構成されている。
情報取得部91は、貯湯温度センサ51、暖房往き温度センサ52および暖房戻り温度センサ53等の各種センサで検知された情報を取得する。例えば、情報取得部91は、貯湯温度センサ51で検知された貯湯タンク21のそれぞれの位置におけるタンク温度を取得する。
比較演算部92は、情報取得部91で取得された各種の情報と、それぞれの情報に対応して記憶部95に記憶された情報とを比較する処理と、比較結果に応じて判断する処理とを行う。また、比較演算部92は、貯湯温度センサ51で検知されたタンク温度に基づき、貯湯タンク21の貯湯量を算出するといった演算処理を行う。
機器制御部93は、比較演算部92での判断結果等に応じて、沸き上げポンプ22、一般給湯混合弁23、ふろ給湯混合弁24、湯張り開閉弁25、1次側暖房ポンプ27、流量調整弁30、2次側暖房ポンプ31および排熱切換弁32を制御する。通信部94は、ヒートポンプコントローラ8、給湯リモコン40および暖房リモコン50との間で各種情報の送受信を行う。
記憶部95は、貯湯ユニットコントローラ9の各部で用いられる各種の値を予め記憶している。具体的には、記憶部95は、比較演算部92で用いられる沸き上げ閾値、設定排熱回収可能温度、設定湯量および設定蓄熱温度等を記憶している。沸き上げ閾値は、貯湯タンク21に貯留される湯の最低貯湯量を示す。設定排熱回収可能温度は、排熱回収対象空間での排熱回収を行うための基準値である。設定湯量は、ふろ給湯運転の際に、浴槽102に給湯される温水の量を示す。設定蓄熱温度は、躯体蓄熱運転の際に、排熱回収対象空間での蓄熱を行う際の基準値である。また、記憶部95は、通信部94を介して受信した各種情報を記憶する。
給湯リモコン40は、ユーザによって操作され、給湯暖房装置1の給湯動作についての設定を行う。例えば、ユーザによって給湯リモコン40が操作されることにより、給湯運転時の給湯温度、および、浴槽102の湯量が設定される。また、給湯リモコン40が操作されることにより、排熱回収を用いた運転と、当該運転時の排熱回収対象となる利用側熱交換器60とが設定される。
給湯リモコン40は、通信を行う通信手段を備え、設定された各種の情報等の送受信を貯湯ユニットコントローラ9との間で行う。また、給湯リモコン40は、表示装置または音声出力装置等の報知手段を備え、報知手段を用いて給湯設定温度等の各種の情報をユーザに対して報知することができる。
暖房リモコン50は、ユーザによって操作され、給湯暖房装置1の暖房動作についての設定を行う。例えば、ユーザによって暖房リモコン50が操作されることにより、暖房運転時の室内温度が設定される。
暖房リモコン50は、通信を行う通信手段を備え、設定された各種の情報等の送受信を貯湯ユニットコントローラ9との間で行う。また、暖房リモコン50は、表示装置または音声出力装置等の報知手段を備え、報知手段を用いて室内温度等の各種の情報をユーザに対して報知することができる。
(利用側熱交換器60)
利用側熱交換器60は、図1の暖房機器103に設けられており、暖房往き配管6を介して流入した温水と、居室100a等の室内空気との間で熱交換を行い、温水の熱を室内空気に放熱する。利用側熱交換器60の近傍には、利用側温度センサ61が設けられている。利用側温度センサ61は、居室100a等の室内空間の温度を検知する。
(排熱回収熱交換器70)
排熱回収熱交換器70は、図1の排熱回収室内機104に設けられており、暖房往き配管6を介して流入した温水と、非居住空間100dの空気との間で熱交換を行い、温水の熱を非居住空間100dの空気に放熱する。排熱回収熱交換器70の近傍には、排熱回収側温度センサ71が設けられている。排熱回収側温度センサ71は、非居住空間100dの空間の温度を検知する。
[給湯暖房装置1の動作]
次に、上記構成を有する給湯暖房装置1の動作について説明する。本実施の形態1に係る給湯暖房装置1では、貯湯運転、暖房運転、一般給湯運転、ふろ給湯運転および躯体蓄熱運転が行われる。以下で説明する各種の運転は、ユーザによって給湯リモコン40および暖房リモコン50が操作されることにより行われる。
(貯湯運転)
給湯暖房装置1による貯湯運転について、図2を参照しながら説明する。貯湯運転は、ヒートポンプによって低温の水を高温に沸き上げ、沸き上げられた湯を貯湯タンク21に貯留する運転である。貯湯運転は、主に、深夜時間帯などの予め設定された時間帯に実施される。また、夕方または夜間などの給湯使用量が多く、貯湯タンク21の残湯量が少なくなった場合にも実施される。
貯湯運転時において、給湯リモコン40は、ユーザの操作等により設定された給湯設定温度に応じて、貯湯タンク21の貯湯温度を決定する。貯湯温度は、例えば65℃とされる。給湯リモコン40は、設定された給湯設定温度に基づき決定された貯湯温度を、貯湯ユニットコントローラ9に送信する。
貯湯ユニットコントローラ9の通信部94により貯湯温度が受信されると、貯湯ユニットコントローラ9は、受信した貯湯温度を目標貯湯温度として記憶部95に記憶する。そして、機器制御部93は、通信部94を介して受信した、出湯温度センサ42によって検知される凝縮器12の出湯温度が目標貯湯温度となるように、沸き上げポンプ22の回転数を制御する。
また、比較演算部92は、貯湯温度センサ51の検知結果と予め設定され記憶部95に記憶された沸き上げ閾値とを比較し、貯湯タンク21の貯湯量が予め設定された沸き上げ閾値を下回った場合に、貯湯運転を開始する。このとき、貯湯ユニットコントローラ9は、通信部94を介して、ヒートポンプコントローラ8に対して貯湯温度である目標沸き上げ温度を指令する。
貯湯運転が開始された場合、ヒートポンプユニット10では、低温低圧の冷媒が圧縮機11によって圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器12に流入し、沸き上げ回路を流れる水と熱交換して放熱しながら凝縮し、高圧の液冷媒となって凝縮器12から流出する。
凝縮器12から流出した高圧の液冷媒は、第1膨張弁13によって減圧されて低温低圧の気液二相冷媒となる。低温低圧の気液二相冷媒は、蒸発器14に流入し、送風機17によって取り込まれた室外空気と熱交換して吸熱および蒸発し、低圧のガス冷媒となって圧縮機11へ吸入される。
このとき、ヒートポンプコントローラ8の機器制御部83は、通信部84を介して貯湯ユニットコントローラ9から受け取った目標沸き上げ温度に基づき、ヒートポンプユニット10の各部を制御する。具体的には、機器制御部83は、加熱能力が予め設定された設定能力値となるように、圧縮機11の運転周波数を制御する。また、機器制御部83は、圧縮機11に吸入側における冷媒の過熱度が予め設定された設定過熱度となるように、もしくは、圧縮機11の吐出温度が予め設定された設定温度となるように、第1膨張弁13の開度を制御する。
なお、貯湯運転を行う場合、機器制御部83は、第2膨張弁15を閉止するように制御する。すなわち、貯湯運転時には、第2膨張弁15および中間圧熱交換器16に冷媒が流れない。
一方、貯湯ユニット20において、機器制御部93は、沸き上げポンプ22を駆動する。これにより、貯湯タンク21の下部に存在する低温の水は、下部流出口21bから流出し、沸き上げポンプ22の吸入側に吸入される。沸き上げポンプ22に吸入された水は、加圧されて送水され、入水配管3を介して凝縮器12に流入する。
凝縮器12に流入した水は、冷媒側流路を流れる冷媒と熱交換して湯となり、凝縮器12から流出する。凝縮器12から流出した湯は、出湯配管2を介して貯湯タンク21の上部流入出口21dに流入する。
このようにして、貯湯運転は、貯湯タンク21の貯湯量が予め設定された目標貯湯量に達するまで継続される。このときの目標貯湯量は、例えば、現在から予め設定された設定時間までに予測される給湯負荷と、現在の貯湯タンク21の貯湯量との差から算出される。給湯負荷は、例えば、過去数日間の給湯負荷を学習することによって決定されるとよい。
貯湯タンク21の貯湯量が目標貯湯量に達すると、貯湯ユニットコントローラ9は、貯湯運転を停止する。
(暖房運転)
給湯暖房装置1による暖房運転について、図2を参照しながら説明する。暖房運転は、貯湯タンク21に貯留された湯である1次側の温水と、利用側熱交換器60を流れる2次側の温水との間で熱交換を行うことにより、図1の居室100a等を加温する運転である。以下では、図1に示す複数の居室100aを暖房する場合を例にとって説明する。すなわち、図2に示す給湯暖房装置1には、複数の居室100aの暖房機器103に対応する利用側熱交換器60が接続されているものとする。
暖房運転時において、ユーザによる暖房リモコン50に対する操作等により居室100aの室内温度が設定されると、暖房リモコン50は、設定室内温度を貯湯ユニットコントローラ9に送信する。貯湯ユニットコントローラ9の通信部94により室内温度が受信されると、貯湯ユニットコントローラ9は、受信した設定室内温度を記憶部95に記憶する。
機器制御部93は、排熱切換弁32の流入口32aと第1流出口32bとが連通するように、排熱切換弁32を制御する。また、機器制御部93は、各居室100aに設けられた暖房機器103のそれぞれに対応する利用側熱交換器60を流れる2次側の温水の流量を調整するように、流量調整弁30の開度を制御する。例えば、機器制御部93は、暖房往き温度センサ52で検知される利用側熱交換器60の入口水温と、暖房戻り温度センサ53で検知される出口水温との差が、設定室内温度に基づき決定される設定温度差となるように、流量調整弁30の開度を調整する。
さらに、機器制御部93は、複数の利用側熱交換器60のうち最も温水流量が大きくなる利用側熱交換器60の温水流量に応じて、2次側暖房ポンプ31の回転数を制御する。すなわち、機器制御部93は、複数の利用側熱交換器60のそれぞれに対応する複数の流量調整弁30のうち、開度が最も大きい流量調整弁30の開度が最大開度となるように、2次側暖房ポンプ31の回転数を制御する。さらにまた、機器制御部93は、2次側流路を流れる2次側の温水の流量と、1次側流路を流れる1次側の温水の流量とが略同一となるように、1次側暖房ポンプ27の回転数を制御する。
また、機器制御部93は、利用側温度センサ61によって検知された室内空間の温度と、設定室内温度とに基づき、流量調整弁30の開度を制御する。例えば、機器制御部93は、室内空間の温度が設定室内温度以上となった場合に、流量調整弁30の開度を最小開度に設定する。
暖房運転が開始された場合、貯湯ユニット20では、貯湯タンク21に貯留された1次側の温水が上部流出口21eから流出し、温水導入配管20gを介して暖房熱交換器26の1次側流路に流入する。暖房熱交換器26に流入した1次側の温水は、2次側流路を流れる2次側の温水と熱交換を行い、冷却される。冷却された1次側の温水は、暖房熱交換器26から流出し、温水導出配管20hを介して1次側暖房ポンプ27に吸入され、加圧されて貯湯タンク21の下部流入口21cに流入する。
一方、2次側の温水は、暖房熱交換器26において、1次側の温水と熱交換することによって加熱される。加熱されて暖房熱交換器26から流出した2次側の温水は、暖房往きヘッダ28で分岐し、それぞれ暖房往き配管6を介して各利用側熱交換器60に流入する。利用側熱交換器60に流入した2次側の温水は、居室100aの室内空気と熱交換を行い、冷却される。これにより、室内空気は加熱される。
冷却されて各利用側熱交換器60から流出したそれぞれの2次側の温水は、暖房戻り配管7および流量調整弁30を介して暖房戻りヘッダ29に流入し、集約される。集約された2次側の温水は、2次側暖房ポンプ31に吸入されて加圧され、排熱切換弁32を介して暖房熱交換器26の2次側流路に流入する。
なお、給湯暖房装置1に排熱回収熱交換器70が接続されている場合、機器制御部93は、排熱回収熱交換器70に対応する流量調整弁30の開度を「閉」状態とし、排熱回収熱交換器70に2次側の温水が流入しないようにするとよい。
(一般給湯運転)
給湯暖房装置1による一般給湯運転について、図2を参照しながら説明する。一般給湯運転は、図1に示すシャワーまたはカラン等の給湯端101から給湯を行うための運転である。
一般給湯運転時において、ユーザによる給湯リモコン40に対する操作等により給湯温度が設定されると、給湯リモコン40は、設定給湯温度を貯湯ユニットコントローラ9に送信する。貯湯ユニットコントローラ9の通信部94によって設定給湯温度が受信されると、貯湯ユニットコントローラ9は、受信した設定給湯温度を記憶部95に記憶する。機器制御部93は、設定給湯温度に基づき、一般給湯口20bから給湯される温水の温度が設定給湯温度となるように、一般給湯混合弁23の第1流入口23aおよび第2流入口23bの開度を調整する。
図5は、本実施の形態1に係る給湯暖房装置1による一般給湯処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、一般給湯運転時において、貯湯ユニットコントローラ9は、例えば、一般給湯口20bから流出する温水の給湯流量を図示しない流量センサ等で計測しているものとする。
ステップS1において、貯湯ユニットコントローラ9の比較演算部92は、一般給湯口20bから流出する温水の給湯流量と、予め設定された設定流量とを比較し、給湯流量が設定流量以上であるか否かを判断する。判断の結果、給湯流量が設定流量未満である場合(ステップS1;No)には、処理がステップS1に戻る。
一方、給湯流量が設定流量以上である場合(ステップS1;Yes)、機器制御部93は、ステップS2において、一般給湯混合弁23の開度を制御する。具体的には、機器制御部93は、給湯温度が設定給湯温度となるように、一般給湯混合弁23の第1流入口23aおよび第2流入口23bの開度を調整し、貯湯タンク21からの温水と給水口20aからの水との混合比を調整する。
ステップS3において、比較演算部92は、一般給湯口20bから流出する温水の給湯流量と設定流量とを比較し、給湯流量が設定流量未満であるか否かを判断する。判断の結果、給湯流量が設定流量未満である場合(ステップS3;Yes)には、一般給湯処理が終了する。一方、給湯流量が設定流量以上である場合(ステップS3;No)には、処理がステップS2に戻る。
このように、一般給湯運転では、貯湯タンク21に貯留された温水を用いて、設定された給湯温度の温水が給湯される。
(ふろ給湯運転)
給湯暖房装置1によるふろ給湯運転について説明する。本実施の形態1では、通常ふろ給湯モードと排熱回収ふろ給湯モードとのいずれかのモードによるふろ給湯運転が行われる。
通常ふろ給湯モードは、ヒートポンプを用いて加熱された湯を湯張りの際の温水として用いるモードである。排熱回収ふろ給湯モードは、ふろ給湯運転の際に、排熱回収対象空間の熱を排熱として回収し、回収した排熱をヒートポンプで利用することで、ふろ給湯を補助して湯張りの速度を向上させるモードである。
ふろ給湯運転を行う場合には、例えば給湯リモコン40を用いて、排熱回収ふろ給湯モードの選択または非選択がユーザの操作によって事前に設定される。なお、これに限られず、暖房リモコン50を用いて排熱回収ふろ給湯モードの選択または非選択が設定されてもよい。また、排熱回収ふろ給湯モードが選択された場合には、排熱回収の対象となる熱交換器が、ユーザによる暖房リモコン50に対する操作によって事前に設定される。例えば、給湯暖房装置1に対して排熱回収熱交換器70が接続されている場合には、当該排熱回収熱交換器70が排熱回収の対象となる熱交換器として設定されるとよい。また、給湯暖房装置1に排熱回収熱交換器70が接続されていない場合には、例えば使用しない居室100aに設けられた室内機に対応する利用側熱交換器60が排熱回収の対象となる熱交換器として設定されるとよい。
ふろ給湯運転を行う際には、これらの設定に基づいて用いられるモードが決定される。以下では、ふろ給湯運転時のモード選択について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6は、本実施の形態1に係る給湯暖房装置1によるふろ給湯運転の際のモード選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS11において、貯湯ユニットコントローラ9は、ユーザによる給湯リモコン40に対する操作に基づき、浴槽102(図1参照)への湯張りが指令されたか否かを判断する。判断の結果、湯張りが指令されていない場合には、処理がステップS11に戻り、湯張りが指令されるまで、ステップS11の処理が繰り返される。
一方、湯張りが指令された場合(ステップS11;Yes)、貯湯ユニットコントローラ9は、ステップS12において、排熱回収ふろ給湯モードが選択されているか否かを判断する。排熱回収ふろ給湯モードが選択されている場合(ステップS12;Yes)には、ステップS13において、排熱回収対象空間の利用側温度センサ61または排熱回収側温度センサ71による対象空間の温度が検知される。また、排熱回収ふろ給湯モードが選択されていない場合(ステップS12;No)には、処理がステップS16に移行する。
ステップS14において、比較演算部92は、ステップS13で検知された空間の温度と、予め設定され記憶部95に記憶された設定排熱回収可能温度とを比較し、空間温度が設定排熱回収可能温度以上であるか否かを判断する。設定排熱回収可能温度は、例えば20℃以上が好ましく、23℃程度とするとより好ましい。
判断の結果、空間温度が設定排熱回収可能温度以上である場合(ステップS14;Yes)には、ステップS15において、排熱回収ふろ給湯モードでのふろ給湯運転が行われる。一方、空間温度が設定排熱回収可能温度未満である場合(ステップS14;No)には、ステップS16において、通常ふろ給湯モードでのふろ給湯運転が行われる。
(通常ふろ給湯モードによるふろ給湯運転)
給湯暖房装置1による通常ふろ給湯モードでのふろ給湯運転について説明する。ここでは、ユーザによる給湯リモコン40に対する操作等により、ふろ給湯運転時のモードとして排熱回収ふろ給湯モードが選択されていないものとする。
通常ふろ給湯モードでのふろ給湯運転時において、ユーザによる給湯リモコン40に対する操作等により湯張り温度が設定されると、給湯リモコン40は、設定湯張り温度を貯湯ユニットコントローラ9に送信する。貯湯ユニットコントローラ9の通信部94によって設定湯張り温度が受信されると、貯湯ユニットコントローラ9は、受信した設定湯張り温度を記憶部95に記憶する。機器制御部93は、設定湯張り温度に基づき、ふろ給湯口20cから給湯される温水の温度が設定湯張り温度となるように、ふろ給湯混合弁24の第1流入口24aおよび第2流入口24bの開度を調整する。
また、貯湯ユニットコントローラ9は、通常ふろ給湯モードによるふろ給湯運転の指令を示す情報を、ヒートポンプコントローラ8に対して送信する。ヒートポンプコントローラ8において、通信部84によって通常ふろ給湯モードによるふろ給湯運転の指令を示す情報が受信されると、機器制御部83は、ヒートポンプ運転を行うために、ヒートポンプユニット10内の各部を制御する。このとき、第2膨張弁15は、最低開度となるように開度が機器制御部83によって制御される。これにより、第2膨張弁15および中間圧熱交換器16には、冷媒が流れない。
さらに、貯湯ユニットコントローラ9の機器制御部93は、湯張り開閉弁25を「開」とするように制御する。このとき、ふろ給湯混合弁24の第1流入口24aには、貯湯タンク21から流出した湯と、ヒートポンプユニット10の凝縮器12で沸き上げられた湯とが、給湯配管20fを介して供給される。
図7は、本実施の形態1に係る給湯暖房装置1による通常ふろ給湯モードでのふろ給湯処理の流れの一例を示すフローチャートである。通常ふろ給湯モードによるふろ給湯運転が開始されると、ステップS21において、ヒートポンプコントローラ8の機器制御部83は、ヒートポンプユニット10内の各部を制御し、ヒートポンプ運転を行う。貯湯ユニットコントローラ9の機器制御部93は、ステップS22において、沸き上げポンプ22を駆動する。また、機器制御部93は、ステップS23において、湯張り開閉弁25を「開」状態とする。
ステップS24において、機器制御部93は、ふろ給湯混合弁24の開度を制御し、浴槽102(図1参照)に給湯する湯の沸き上げ温度を調整する。具体的には、機器制御部93は、沸き上げ温度が設定沸き上げ温度となるように、ふろ給湯混合弁24の第1流入口24aおよび第2流入口24bの開度を調整する。すなわち、機器制御部93は、給湯配管20fを流れる貯湯タンク21からの温水および凝縮器12によって沸き上げられた温水と、給水口20aからの水との混合比を調整する。
ステップS25において、比較演算部92は、浴槽102の浴槽湯量と、予め設定され記憶部95に記憶された設定湯量とを比較し、浴槽湯量が設定湯量以上であるか否かを判断する。ここで、浴槽湯量は、例えば、ふろ給湯口20cから流出する給湯流量を計測する図示しない給湯流量センサ、または、浴槽102に設けられ、貯められた湯量を計測する図示しない水位センサ等を用いて判断される。
判断の結果、浴槽湯量が設定湯量未満である場合(ステップS25;No)には、処理がステップS24に戻り、浴槽湯量が設定湯量に達するまで、ステップS24およびステップS25の処理が繰り返される。一方、浴槽湯量が設定湯量以上である場合(ステップS25;Yes)、機器制御部93は、ステップS26において、湯張り開閉弁25を「閉」状態とする。
また、ステップS27において、ヒートポンプコントローラ8の機器制御部83は、ヒートポンプ運転を停止するように、ヒートポンプユニット10内の各部を制御する。ステップS28において、貯湯ユニットコントローラ9の機器制御部93は、沸き上げポンプ22の駆動を停止させる。
このように、通常ふろ給湯モードによるふろ給湯運転では、貯湯タンク21に貯留された温水と、凝縮器12によって沸き上げられた温水とを用いて、設定された沸き上げ温度の温水が浴槽102に給湯される。これにより、貯湯タンク21に貯留された温水のみを利用する場合と比較して、浴槽102へ供給する時間あたりの湯量を多くすることができる。
(排熱回収ふろ給湯モードによるふろ給湯運転)
給湯暖房装置1による排熱回収ふろ給湯モードでのふろ給湯運転について、図2を参照して説明する。ここでは、ユーザによる給湯リモコン40に対する操作等により、ふろ給湯運転時のモードとして排熱回収ふろ給湯モードが選択されているものとする。また、給湯暖房装置1には、非居住空間100dに設置された排熱回収室内機104の排熱回収熱交換器70が接続され、非居住空間100dが排熱回収対象空間として設定されているものとする。なお、給湯暖房装置1に排熱回収熱交換器70が接続されていない場合には、例えば使用していない利用側熱交換器60が排熱回収対象の熱交換器として用いられてもよい。
排熱回収ふろ給湯モードでのふろ給湯運転時において、ユーザによる給湯リモコン40に対する操作等により湯張り温度が設定されると、給湯リモコン40は、設定湯張り温度を貯湯ユニットコントローラ9に送信する。
貯湯ユニットコントローラ9の通信部94によって設定湯張り温度が受信されると、貯湯ユニットコントローラ9は、受信した設定湯張り温度を記憶部95に記憶する。機器制御部93は、暖房運転が実施されている場合には暖房運転を停止させ、排熱切換弁32の流入口32aと第2流出口32cとが連通するように、排熱切換弁32を制御する。また、機器制御部93は、設定湯張り温度に基づき、ふろ給湯口20cから給湯される温水の温度が設定湯張り温度となるように、ふろ給湯混合弁24の第1流入口24aおよび第2流入口24bの開度を調整する。
貯湯ユニットコントローラ9は、排熱回収ふろ給湯モードによるふろ給湯運転の指令を示す情報を、ヒートポンプコントローラ8に対して送信する。ヒートポンプコントローラ8において、通信部84によって排熱回収ふろ給湯モードによるふろ給湯運転の指令を示す情報が受信されると、機器制御部83は、ヒートポンプ運転を行うために、ヒートポンプユニット10内の各部を制御する。このとき、第2膨張弁15は、機器制御部83によって開度が「開」状態となるように制御される。これにより、第2膨張弁15および中間圧熱交換器16には、冷媒が流れる。
さらに、貯湯ユニットコントローラ9の機器制御部93は、湯張り開閉弁25を「開」とするように制御する。このとき、ふろ給湯混合弁24の第1流入口24aには、貯湯タンク21から流出した湯と、ヒートポンプユニット10の凝縮器12で沸き上げられた湯とが、給湯配管20fを介して供給される。
排熱回収ふろ給湯モードでのふろ給湯運転が開始された場合、ヒートポンプユニット10では、貯湯運転時と同様にして冷媒回路を冷媒が流れる。また、このふろ給湯運転において、ヒートポンプコントローラ8の機器制御部83は、第2膨張弁15を「開」状態とするように制御する。すなわち、排熱回収ふろ給湯モードでのふろ給湯運転時には、第2膨張弁15および中間圧熱交換器16に冷媒が流れる。
したがって、凝縮器12で冷却された冷媒は、第2膨張弁15にも流入し、中温中圧に減圧されて第2膨張弁15から流出する。このときの、第2膨張弁15の開度は、圧縮機11の中間圧部に流入する冷媒の過熱度が予め設定された設定過熱度となるように、機器制御部83によって制御される。
第2膨張弁15から流出した中温中圧の冷媒は、中間圧熱交換器16の冷媒側流路に流入する。中間圧熱交換器16の冷媒側流路に流入した冷媒は、排熱往き配管4を介して温水側流路に流入した温水と熱交換を行い、加熱および蒸発する。中間圧熱交換器16から流出した冷媒は、圧縮機11の中間圧部に流入し、低圧側圧縮室11aで圧縮されて中間圧となった冷媒と合流する。そして、中間圧の冷媒は、高圧側圧縮室11bでさらに圧縮され、高圧の冷媒となる。
一方、貯湯ユニット20における2次側の温水は、排熱往き配管4を介してヒートポンプユニット10における中間圧熱交換器16の温水側流路に流入する。中間圧熱交換器16に流入した温水は、冷媒側流路に流入した冷媒と熱交換を行い、冷却されて中間圧熱交換器16から流出する。中間圧熱交換器16から流出した温水は、排熱戻り配管5、暖房往きヘッダ28および暖房往き配管6を介して排熱回収熱交換器70に流入する。
排熱回収熱交換器70に流入した温水は、非居住空間100dの空気と熱交換し、加熱されて排熱回収熱交換器70から流出する。また、これにより、非居住空間100dの空気は冷却される。排熱回収熱交換器70から流出した温水は、暖房戻り配管7、流量調整弁30および暖房戻りヘッダ29を介して2次側暖房ポンプ31に吸入されて加圧される。そして、2次側暖房ポンプ31から流出した温水は、排熱切換弁32を介して排熱往き配管4に流れる。
このとき、貯湯ユニットコントローラ9の機器制御部93は、排熱回収熱交換器70の入口水温と出口水温との差が、予め設定された設定温度差となるように、2次側暖房ポンプ31の回転数および流量調整弁30の開度を調整する。
図8は、本実施の形態1に係る給湯暖房装置1による排熱回収ふろ給湯モードでのふろ給湯処理の流れの一例を示すフローチャートである。排熱回収ふろ給湯モードによるふろ給湯運転が開始されると、ステップS31において、貯湯ユニットコントローラ9の機器制御部93は、排熱切換弁32の流入口32aと第2流出口32cとが連通するように、排熱切換弁32を制御する。
ステップS32において、ヒートポンプコントローラ8の機器制御部83は、ヒートポンプユニット10内の各部を制御し、ヒートポンプ運転を行う。また、貯湯ユニットコントローラ9の機器制御部93は、ステップS33〜ステップS35において、沸き上げポンプ22および2次側暖房ポンプ31をそれぞれ駆動するとともに、湯張り開閉弁25を「開」状態とする。
ステップS36において、機器制御部93は、ふろ給湯混合弁24の開度を制御し、浴槽102(図1参照)に給湯する湯の沸き上げ温度を調整する。具体的には、機器制御部93は、沸き上げ温度が設定沸き上げ温度となるように、ふろ給湯混合弁24の第1流入口24aおよび第2流入口24bの開度を調整する。すなわち、機器制御部93は、給湯配管20fを流れる貯湯タンク21からの温水および凝縮器12によって沸き上げられた温水と、給水口20aからの水との混合比を調整する。
ステップS37において、比較演算部92は、給湯中の各種条件が排熱回収継続条件を満足するか否かを判断する。この場合、比較演算部92は、以下に示す排熱回収を終了する第1〜第4の条件のいずれにも該当しない場合に、排熱回収継続条件を満足すると判断する。
排熱回収を終了する第1の条件は、例えば、ユーザによる給湯リモコン40または暖房リモコン50に対する操作により、排熱回収ふろ給湯モードが解除されることである。排熱回収を終了する第2の条件は、排熱回収対象空間の温度が予め設定された15℃程度の設定排熱回収終了温度以下となることである。排熱回収を終了する第3の条件は、排熱回収熱交換器70の出口水温が予め設定された10℃程度の設定出口温度以下となることである。排熱回収を終了する第4の条件は、排熱回収熱交換器70の入口水温が予め設定された15℃程度の設定入口温度以下となることである。
判断の結果、排熱回収継続条件を満足している場合(ステップS37;Yes)には、処理がステップS38に移行する。ステップS38において、比較演算部92は、浴槽102の浴槽湯量と、予め設定され記憶部95に記憶された設定湯量とを比較し、浴槽湯量が設定湯量以上であるか否かを判断する。浴槽湯量は、通常ふろ給湯モードによるふろ給湯運転と同様に、給湯流量センサまたは水位センサ等を用いて判断される。
判断の結果、浴槽湯量が設定湯量未満である場合(ステップS38;No)には、処理がステップS36に戻り、浴槽湯量が設定湯量に達するまで、ステップS36〜ステップS38の処理が繰り返される。一方、浴槽湯量が設定湯量以上である場合(ステップS38;Yes)、機器制御部93は、ステップS39において、湯張り開閉弁25を「閉」状態とする。
また、ステップS40において、ヒートポンプコントローラ8の機器制御部83は、ヒートポンプ運転を停止するように、ヒートポンプユニット10内の各部を制御する。さらに、ステップS41およびステップS42において、貯湯ユニットコントローラ9の機器制御部93は、沸き上げポンプ22および2次側暖房ポンプ31の駆動を停止させる。
一方、ステップS37において、排熱回収継続条件を満足していない場合(ステップS37;No)、貯湯ユニットコントローラ9の機器制御部93は、ステップS43において、2次側暖房ポンプ31の駆動を停止させる。そして、ステップS44において、通常ふろ給湯モードによるふろ給湯運転が継続され、図7のステップS24以降の処理が行われる。
このように、排熱回収ふろ給湯モードによるふろ給湯運転では、貯湯タンク21に貯留された温水と、凝縮器12によって沸き上げられた温水とを用いて、設定された沸き上げ温度の温水が浴槽102に給湯される。これにより、通常ふろ給湯モードによるふろ給湯運転と同様に、貯湯タンク21に貯留された温水のみを利用する場合と比較して、浴槽102へ供給する時間あたりの湯量を多くすることができる。
また、排熱回収ふろ給湯モードによるふろ給湯運転では、排熱回収対象空間の排熱を利用し、凝縮器12および中間圧熱交換器16の両方で冷媒が蒸発し、中間圧熱交換器16で蒸発した冷媒が圧縮機11の中間圧部に導入される。そのため、凝縮器12を流れる冷媒流量を多くすることができ、貯湯運転時と比較して加熱能力を向上させることができる。さらに、この場合には、排熱切換弁32によって暖房回路と排熱回収回路とを分岐させるようにしているため、暖房回路と排熱回収回路とで流路を共通化することができる。
(躯体蓄熱運転)
給湯暖房装置1による躯体蓄熱運転について説明する。躯体蓄熱運転は、躯体である部屋等の空間に蓄熱する運転である。蓄熱対象となる部屋は、例えば、非居住空間100dまたは居室100a等の居住空間である。居住空間を蓄熱対象の部屋とする場合には、その空間が使用されていない時間帯に蓄熱が行われる。例えば、寝室等は、日中不在となることが多いので、不在の時間帯に床暖房等の暖房機器103を用いて部屋に蓄熱することができる。
躯体蓄熱運転を開始する条件は、蓄熱対象となる部屋が不在となる時間帯とする。躯体蓄熱運転に用いられる利用側熱交換器60と、躯体蓄熱運転を行う時間帯とは、例えば暖房リモコン50等を用いて設定することができる。なお、躯体蓄熱運転の際の温水の流れについては、上述した暖房運転と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図9は、本実施の形態1に係る給湯暖房装置1による躯体蓄熱運転の処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下では、複数の居室100aのうち、利用されていない居室100aに蓄熱する場合を例にとって説明する。
躯体蓄熱運転が開始されると、ステップS51において、蓄熱対象となる部屋に設けられた利用側熱交換器60に温水が供給される。このとき、他の居室100a等に対して暖房運転が行われていない場合、機器制御部93は、排熱切換弁32の流入口32aと第1流出口32bとが連通するように、排熱切換弁32を制御する。また、機器制御部93は、1次側暖房ポンプ27および2次側暖房ポンプ31を駆動する。
ステップS52において、比較演算部92は、記憶部95に予め設定された設定蓄熱温度と、利用側温度センサ61で検知された蓄熱対象となる居室100aの室内温度とを比較する。設定蓄熱温度は、例えば25℃程度とするとよい。
比較の結果、室内温度が設定蓄熱温度以上である場合(ステップS52;Yes)には、ステップS53において、躯体蓄熱運転が終了する。一方、室内温度が設定蓄熱温度未満である場合(ステップS52;No)には、処理がステップS51に戻り、室内温度が設定蓄熱温度以上となるまで躯体蓄熱運転が継続される。
躯体蓄熱運転が終了する際に、他の居室100a等に対して暖房運転が実行されていない場合、機器制御部93は、1次側暖房ポンプ27および2次側暖房ポンプ31を停止する。
以上のように、本実施の形態1に係る給湯暖房装置1では、バイパス回路に設けられた中間圧熱交換器16により、バイパス回路を流れる冷媒と、排熱回収回路を流れる水との間で熱交換が行われる。そして、凝縮器12で加熱された水と、貯湯タンク21に貯留された温水とが外部の浴槽102に給湯される。これにより、ヒートポンプで水を加熱する際に、排熱を利用した排熱回収運転が行われるため、空気のみを熱源とする場合と比較して、ヒートポンプを大型化しなくても、加熱能力を大きくすることができる。また、蓄熱量が小さい小型の貯湯タンク21を用いた場合でも、大きな熱量が必要となるふろ給湯などに対応することができ、効率的な湯の沸き上げを行うことができる。
また、このとき、中間圧熱交換器16で熱交換される冷媒の圧力が中間圧となる。そのため、例えば冷媒と温水を熱交換する蒸発器から流出する冷媒を低圧とする場合と比較して、冷媒の蒸発温度を高くすることができるので、ヒートポンプのCOPを高くすることができる。また、この場合には、蒸発器から流出する冷媒を低圧とする場合と比較して、冷媒の蒸発温度が高く、排熱戻り配管5を流れる温水温度が低下しすぎないため、配管および利用側熱交換器60等の結露を防止することができる。
さらに、例えば高気密および高断熱住宅では、日中の日射の影響で冬期でも住宅の2階や屋根裏などに熱が籠もりやすいが、本実施の形態1では、このようにして籠もった熱を排熱として利用するため、熱籠もりを解消することができる。
給湯暖房装置1において、利用側温度センサ61で検知された温度が設定排熱回収可能温度以上である場合に、ヒートポンプコントローラ8は、バイパス回路に冷媒が流れるように、第2膨張弁15の開度を制御する。また、貯湯ユニットコントローラ9は、排熱回収回路に水が流れるように、2次側暖房ポンプ31を駆動する。これにより、室内に蓄えられた熱を利用した排熱回収運転を行うことができる。
給湯暖房装置1において、利用側温度センサ61で検知された温度が設定排熱回収終了温度以下となった場合に、ヒートポンプコントローラ8は、バイパス回路に冷媒が流れないように、第2膨張弁15の開度を制御する。また、貯湯ユニットコントローラ9は、排熱回収回路に水が流れないように、2次側暖房ポンプ31の駆動を停止する。これにより、空調対象空間の温度を下げすぎない程度に排熱回収運転を行うことができる。
なお、利用側熱交換器60から流出する水の出口温度が設定出口温度以下となった場合に、ヒートポンプコントローラ8は、排熱回収運転を停止するように、第2膨張弁15の開度を制御してもよい。また、貯湯ユニットコントローラ9は、排熱回収運転を停止するように、2次側暖房ポンプ31の駆動を制御してもよい。
さらに、利用側熱交換器60に流入する水の入口温度が設定入口温度以下となった場合に、ヒートポンプコントローラ8は、排熱回収運転を停止するように、第2膨張弁15の開度を制御してもよい。また、貯湯ユニットコントローラ9は、排熱回収運転を停止するように、2次側暖房ポンプ31の駆動を制御してもよい。
給湯暖房装置1では、排熱回収運転が行われる前に、利用側熱交換器60によって暖房熱交換器26から流出する加熱された水と室内空気との間での熱交換が行われることにより、室内空気が加熱される。これにより、例えば日中不在にする部屋等に蓄熱し、ふろ給湯などの給湯負荷が大きい場合に蓄熱された熱を排熱として利用することができる。そのため、浴槽102への湯張りを実施しない場合など、予測および予定と異なる場合でも、日中の蓄熱を暖房の予熱とすることができるため、蓄熱を有効利用することができる。
給湯暖房装置1において、圧縮機11は、低圧側圧縮室11aおよび高圧側圧縮室11bを有し、バイパス回路が低圧側圧縮室11aと高圧側圧縮室11bとの間の中間圧部に接続される。また、圧縮機11は、圧縮室の中間圧部にインジェクションポートが設けられ、バイパス回路がインジェクションポートに接続されてもよい。これにより、中間圧熱交換器16で蒸発した冷媒が圧縮機11の中間圧部に導入されるため、低圧側圧縮室11aの容積を大型化しなくても冷媒流量を大きくすることができる。
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本発明は、上述した本発明の実施の形態1に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。実施の形態1では、ヒートポンプユニット10にヒートポンプコントローラ8が設けられ、貯湯ユニット20に貯湯ユニットコントローラ9が設けられるように説明したが、これはこの例に限られない。
例えば、ヒートポンプコントローラ8および貯湯ユニットコントローラ9に代えて、両方の機能を備えたコントローラが設けられてもよい。この場合、コントローラは、ヒートポンプユニット10および貯湯ユニット20のいずれかに設けられてもよいし、これらのユニットとは別体に設けられてもよい。