JP2019219049A - 磁気軸受システム及び回転機械 - Google Patents

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朋浩 松田
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健志郎 桂
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Abstract

【課題】回転軸11の変位の検出精度を向上させる。【解決手段】磁気軸受システムは、回転軸11に向けて磁力を発生させるラジアル磁気軸受と、回転軸11の変位を検出するための変位検出部と、制御部と、を備える。変位検出部は、回転軸11を挟んで互いに対向するコア部33a及びコア部33bと、コア部33aに設けられる変位検出コイル34a及び補償コイル35aと、コア部33bに設けられる変位検出コイル34b及び補償コイル35bと、を有する。補償コイル35aと補償コイル35bとは、互いに直列に接続され、制御部は、変位検出コイル34aのインダクタンスと変位検出コイル34bのインダクタンスとの差に応じた差分値を、補償コイル35a及び補償コイル35bの合成インダクタンスに応じて補正することによって検出値を算出するとともに、検出値に基づいて磁力を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、磁気軸受システム及び回転機械に関する。
モータの回転軸を非接触で支持する磁気軸受システムが知られている。例えば特許文献1には、回転体(回転軸)をラジアル方向に非接触支持するための電磁石を備える磁気軸受装置(磁気軸受システム)が記載されている。この磁気軸受システムでは、回転軸のラジアル方向の位置が変化すると、回転軸をそのラジアル方向の両側から挟むように配置された一対の電磁石それぞれのコイルに流れる励磁電流値が変化する。この励磁電流値の変化に基づいて回転軸の変位が検出され、一対の電磁石それぞれのコイルに供給する励磁電流値が制御されることによって、回転軸が所定の位置に非接触支持されている。
特開平9−126236号公報
上述の磁気軸受システムでは、一方の電磁石の近傍に設けられた温度センサの検出信号に基づいて各コイルに供給する励磁電流の制御特性が変化される。これにより、一対の電磁石それぞれのコイルの抵抗値の温度ドリフトが補償される。このような一対の電磁石のそれぞれは、磁性体である芯(コア)とコアに巻かれたコイルとによって構成される場合がある。この場合、コアの温度変化に伴って、コイルのインダクタンス特性等の電気的特性が変化する。このため、励磁電流値の変化等の回転軸の変位に伴う検出値をコアの温度に応じて補正することによって回転軸の変位を検出することが望まれる。しかしながら、特許文献1に記載の磁気軸受システムのように電磁石の近傍に設けられた温度センサではコアの温度を正確に測定することができずに、回転軸の変位を精度よく検出することができないおそれがある。
本発明は、回転軸の変位の検出精度を向上させることが可能な磁気軸受システム及び回転機械を提供する。
本発明の一側面に係る磁気軸受システムは、第1方向に延びる回転軸を非接触で支持するシステムである。この磁気軸受システムは、第1方向と交差する第2方向において回転軸に向けて第1磁力を発生させる第1ラジアル磁気軸受と、回転軸の第2方向における変位を検出するための第1変位検出部と、第1ラジアル磁気軸受を制御する制御部と、を備える。第1変位検出部は、第2方向において回転軸を挟んで互いに対向する第1コア部及び第2コア部と、第1コア部に設けられる第1変位検出コイル及び第1補償コイルと、第2コア部に設けられる第2変位検出コイル及び第2補償コイルと、を有し、第1補償コイルと第2補償コイルとは、互いに直列に接続される。制御部は、第1変位検出コイルの第1インダクタンスと第2変位検出コイルの第2インダクタンスとの差に応じた第1差分値を、互いに直列に接続された第1補償コイル及び第2補償コイルの第1合成インダクタンスに応じて補正することによって第1検出値を算出するとともに、第1検出値に基づいて第1磁力を制御する。
この磁気軸受システムでは、互いに直列に接続された第1補償コイル及び第2補償コイルの第1合成インダクタンスに応じて第1差分値を補正することにより算出された第1検出値に基づいて、第1ラジアル磁気軸受によって第2方向に発生する第1磁力が制御される。第1変位検出コイルの第1インダクタンスと第2変位検出コイルの第2インダクタンスとは、回転軸の第2方向における変位だけでなく、第1コア部及び第2コア部の温度変化によっても変化する。このため、第1差分値には、回転軸の変位成分と、温度変化による成分とが含まれ得る。一方、回転軸の変位に伴う第1補償コイル及び第2補償コイルのインダクタンスの増減は互いに反対となり、第1補償コイル及び第2補償コイルは互いに直列に接続されているので、第1合成インダクタンスでは、回転軸の第2方向の変位によって生じる変位成分が低減される。また、第1変位検出コイルと第1補償コイルとは、ともに第1コア部に設けられ、第2変位検出コイルと第2補償コイルとは、ともに第2コア部に設けられる。従って、第1合成インダクタンスでは回転軸の変位に伴って生じる変位成分が低減され、第1合成インダクタンスは第1コア部及び第2コア部の温度に応じた値となる。この第1合成インダクタンスを用いることで、第1差分値から温度変化による成分が低減された第1検出値を算出することができる。その結果、回転軸の変位の検出精度を向上させることが可能となる。
第1変位検出部は、第1コア部及び第2コア部を互いに連結するコア連結部をさらに有してもよい。
この場合、第1コア部及び第2コア部が互いに連結されているので、回転軸を挟んで互いに対向する位置に第1コア部及び第2コア部を容易に配置することができる。その結果、磁気軸受システムの製造工程を簡略化することが可能となる。
第1ラジアル磁気軸受は、第1方向及び第2方向と交差する第3方向において回転軸に向けて第2磁力を発生させてもよい。第1変位検出部は、回転軸の第3方向における変位を検出するために、第3方向において回転軸を挟んで互いに対向する第3コア部及び第4コア部と、第3コア部に設けられる第3変位検出コイル及び第3補償コイルと、第4コア部に設けられる第4変位検出コイル及び第4補償コイルと、をさらに有してもよい。第3補償コイルと第4補償コイルとは、互いに直列に接続されてもよい。互いに直列に接続された第1補償コイル及び第2補償コイルと、互いに直列に接続された第3補償コイル及び第4補償コイルとは、互いに並列に接続されてもよい。制御部は、第3変位検出コイルの第3インダクタンスと第4変位検出コイルの第4インダクタンスとの差に応じた第2差分値を、互いに直列に接続された第3補償コイル及び第4補償コイルの第2合成インダクタンスと第1合成インダクタンスとの第3合成インダクタンスに応じて補正することによって第2検出値を算出してもよく、第2検出値に基づいて第2磁力を制御してもよく、第1差分値を第3合成インダクタンスに応じて補正することによって第1検出値を算出してもよい。
第1合成インダクタンスと同様に、第2合成インダクタンスでは回転軸の変位に伴って生じる変位成分が低減され、第2合成インダクタンスは第3コア部及び第4コア部の温度に応じた値となる。このため、第1補償コイル及び第2補償コイルと第3補償コイル及び第4補償コイルとが互いに並列に接続された並列回路の第3合成インダクタンスには、第1コア部及び第2コア部の温度変化の影響と第3コア部及び第4コア部の温度変化の影響とが反映される。その結果、各コア部の温度のばらつきを低減することができ、回転軸の変位をさらに精度よく検出することが可能となる。
第1変位検出コイルに電流が流れることによって第1磁束が第1変位検出コイルから発生してもよく、第2変位検出コイルに電流が流れることによって第2磁束が第2変位検出コイルから発生してもよい。互いに直列に接続された第1補償コイル及び第2補償コイルに電流が流れることによって、第3磁束が第1補償コイルから発生するとともに、第4磁束が第2補償コイルから発生してもよい。第1磁束は第3磁束よりも大きくてもよく、第2磁束は第4磁束よりも大きくてもよい。
上述の磁束の大小関係を満たすために、例えば、第1変位検出コイルの第1インダクタンスが第1補償コイルのインダクタンスよりも大きくなるとともに、第2変位検出コイルの第2インダクタンスが第2補償コイルのインダクタンスよりも大きくなるように各コイルのインダクタンスが設定される。この場合、回転軸の第2方向の変位によって生じる第1インダクタンス及び第2インダクタンスの変化率が、第1コア部及び第2コア部の温度変化によって生じる第1合成インダクタンスの変化率よりも大きくなる。その結果、第1差分値を算出するための第1インダクタンス及び第2インダクタンスそれぞれの変化に基づいた回転軸の第2方向の変位の検出を、第1差分値を補正するための第1合成インダクタンスの変化に基づいた温度変化の検出よりも、高い分解能で行うことが可能となる。
第1変位検出コイルは、第1巻数で第1コア部に設けられてもよく、第2変位検出コイルは、第2巻数で第2コア部に設けられてもよい。第1補償コイルは、第3巻数で第1コア部に設けられてもよく、第2補償コイルは、第4巻数で第2コア部に設けられてもよい。第1巻数は、第3巻数よりも多くてもよく、第2巻数は、第4巻数よりも多くてもよい。
この場合、第1変位検出コイルの第1インダクタンスが第1補償コイルのインダクタンスよりも大きくなり、第2変位検出コイルの第2インダクタンスが第2補償コイルのインダクタンスよりも大きくなる。その結果、第1差分値を算出するための第1インダクタンス及び第2インダクタンスそれぞれの変化に基づいた回転軸の第2方向の変位の検出を、第1差分値を補正するための第1合成インダクタンスの変化に基づいた温度変化の検出よりも、高い分解能で行うことが可能となる。
本発明の別の側面に係る回転機械は、上述の磁気軸受システムと、回転軸を有するとともに回転軸を回転させるモータ部と、回転軸の端部に設けられるインペラと、を備える回転機械である。磁気軸受システムは、第2方向において回転軸に向けて第3磁力を発生させる第2ラジアル磁気軸受と、回転軸の第2方向における変位を検出するための第2変位検出部と、第1方向において回転軸を非接触に支持するアキシャル磁気軸受と、をさらに有する。第2変位検出部は、第2方向において回転軸を挟んで互いに対向する第5コア部及び第6コア部と、第5コア部に設けられる第5変位検出コイル及び第5補償コイルと、第6コア部に設けられる第6変位検出コイル及び第6補償コイルと、を含み、第5補償コイルと第6補償コイルとは、互いに直列に接続される。制御部は、第5変位検出コイルの第5インダクタンスと第6変位検出コイルの第6インダクタンスとの差に応じた第3差分値を、互いに直列に接続された第5補償コイル及び第6補償コイルの第4合成インダクタンスに応じて補正することによって第3検出値を算出するとともに、第3検出値に基づいて第3磁力を制御する。インペラ、モータ部、及びアキシャル磁気軸受は、第1方向に沿ってこの順で配置され、第1コア部及び第2コア部は、インペラ及びモータ部の間に位置し、第5コア部及び第6コア部は、モータ部及びアキシャル磁気軸受の間に位置する。互いに直列に接続された第5補償コイル及び第6補償コイルに電流が流れることによって、第5磁束が第5補償コイルから発生するとともに、第6磁束が第6補償コイルから発生し、第3磁束及び第4磁束それぞれは、第5磁束及び第6磁束よりも大きい。
この回転機械では、第1変位検出部の第1コア部及び第2コア部は、ともに高温の熱を発生させるインペラ及びモータ部の間に配置される。このため、第1コア部及び第2コア部の温度変化が、モータ部とアキシャル磁気軸受との間に配置される第2変位検出部の第5コア部及び第6コア部よりも大きくなるおそれがある。上述の磁束の大小関係を満たすために、例えば、第1合成インダクタンスが第4合成インダクタンスよりも大きくなるように各補償コイルのインダクタンスが設定される。この場合、単位温度あたりの第1合成インダクタンスの変化が、単位温度あたりの第4合成インダクタンスの変化よりも大きくなる。これにより、第1合成インダクタンスの変化に基づいた第1コア部及び第2コア部の温度変化の検出を、第4合成インダクタンスの変化に基づいた第5コア部及び第6コア部の温度変化の検出よりも、高い分解能で行うことができる。その結果、第1変位検出部における温度補正を第2変位検出部に比べて高い精度で行うことが可能となる。
本発明によれば、回転軸の変位の検出精度を向上させることが可能となる。
図1は、一実施形態に係る磁気軸受システムを備える回転機械の概略構成図である。 図2は、アキシャル方向から見たセンサ部を示す図である。 図3は、アキシャル方向から見たセンサ部を示す図である。 図4は、変位検出コイルに接続される回路部の構成を示す図である。 図5は、補償コイルに接続される回路部の構成を示す図である。 図6は、制御部が行う処理を説明するためのブロック図である。 図7は、センサ部の第1変形例を示す図である。 図8は、センサ部の第2変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面には必要に応じてXYZ直交座標系が示される。ここでは、XYZ直交座標系におけるX軸方向及びY軸方向は後述の回転軸11のラジアル方向に対応し、Z軸方向は回転軸11のアキシャル方向に対応する。
図1は、一実施形態に係る磁気軸受システムを備える回転機械の概略構成図である。図1に示される回転機械1は、回転運動を利用することによってガスを圧縮する圧縮機(コンプレッサ)である。回転機械1は、モータ部10と、コンプレッサ部14と、磁気軸受システム20と、を備える。
モータ部10は、回転力をコンプレッサ部14に伝達する装置である。モータ部10は、Z軸方向(第1方向)に延びる回転軸11と、回転軸11に取り付けられたロータ12と、ロータ12を囲むように設けられたステータ13と、を備える。回転軸11は、ロータ12とステータ13との間で作用する磁気によって回転させられる。回転軸11は、磁気軸受システム20によって回転可能に支持される。
コンプレッサ部14は、ガスを圧縮することによって昇圧されたガスを生成する。コンプレッサ部14は、回転軸11のZ軸方向における一方の端部11aに設けられる。コンプレッサ部14は、インペラ15と、インペラ15を収容するハウジング16と、を備える。インペラ15は、回転軸11の端部11aに接続されており、回転軸11の回転に伴って回転する。ハウジング16には、ハウジング16のZ軸方向の一端に吸気口16aが形成され、インペラ15の周囲を囲むスクロール16bが形成されている。吸気口16aからハウジング16の内部に流入したガスは、回転するインペラ15によって回転軸11の回転方向に加速された後、スクロール16bにより減速され昇圧される。これにより昇圧されたガスが生成される。昇圧されたガスは、例えば、不図示の接続配管等によってスクロール16bからコンプレッサ部14の外部に送出される。
磁気軸受システム20は、回転軸11を非接触で支持するシステムである。磁気軸受システム20は、アキシャル磁気軸受21と、ラジアル磁気軸受24A(第1ラジアル磁気軸受)と、ラジアル磁気軸受24B(第2ラジアル磁気軸受)と、変位検出部26A(第1変位検出部)と、変位検出部26B(第2変位検出部)と、制御部60と、を備える。なお、モータ部10及び磁気軸受システム20は、不図示のケーシングに収容されている。
アキシャル磁気軸受21は、回転軸11をアキシャル方向(Z軸方向)に非接触で支持する。具体的には、アキシャル磁気軸受21は、回転軸11のZ軸方向における支持位置を非接触で調整する。言い換えると、アキシャル磁気軸受21は、ロータ12のZ軸方向における位置を調整する。アキシャル磁気軸受21は、スラストディスク22と、磁極23と、を備える。スラストディスク22は、回転軸11の端部11aとは反対の端部11bに設けられる。このように、回転機械1では、コンプレッサ部14(インペラ15)、モータ部10、及びアキシャル磁気軸受21は、Z軸方向において回転軸11の端部11aから、この順で配置されている。
スラストディスク22は、円板状の部材である。スラストディスク22は、電磁鋼板等によって構成されている。磁極23は、Z軸方向においてスラストディスク22を挟むように設けられ、不図示のケーシングに固定されている。スラストディスク22と磁極23とは、Z軸方向において互いに離間している。磁極23は、例えば電磁石である。アキシャル磁気軸受21は、磁極23に駆動電流が流れることにより磁極23から発生した磁力によって、スラストディスク22を吸引し、回転軸11のZ軸方向における支持位置を調整する。アキシャル磁気軸受21は、他の周知の手法によってZ軸方向における回転軸11の支持位置を調整してもよい。
ラジアル磁気軸受24A及びラジアル磁気軸受24Bは、回転軸11を回転可能に非接触で支持する。言い換えると、ラジアル磁気軸受24A及びラジアル磁気軸受24Bは、回転軸11のラジアル方向における支持位置を調整する。ここでは、ラジアル磁気軸受24A及びラジアル磁気軸受24Bは、回転軸11のX軸方向及びY軸方向における支持位置を調整する。ラジアル磁気軸受24Aは、Z軸方向においてコンプレッサ部14とモータ部10との間に配置され、ラジアル磁気軸受24Bは、Z軸方向においてモータ部10とアキシャル磁気軸受21との間に配置される。ラジアル磁気軸受24A及びラジアル磁気軸受24Bは、配置位置を除き、互いに同様の機能及び構成を有している。
ラジアル磁気軸受24Aは、X軸方向において回転軸11を挟んで互いに対向する一対の磁極25aを備え、Y軸方向において回転軸11を挟んで互いに対向する一対の磁極25aを備える。これらの磁極25aは、不図示のケーシングに固定されている。磁極25aは、例えば回転軸11に向けて磁気吸引力を発生させる電磁石である。ラジアル磁気軸受24Aは、Y軸方向において互いに対向する一対の磁極25aに駆動電流が流れることにより磁極25aから回転軸11に向けて発生した磁力(第1磁力)によって、回転軸11のY軸方向(第2方向)における支持位置を調整する。ラジアル磁気軸受24Aは、X軸方向において互いに対向する一対の磁極25aに駆動電流が流れることにより磁極25aから回転軸11に向けて発生した磁力(第2磁力)によって、回転軸11のX軸方向(第3方向)における支持位置を調整する。
ラジアル磁気軸受24Bは、X軸方向において回転軸11を挟んで互いに対向する一対の磁極25bを備え、Y軸方向において回転軸11を挟んで互いに対向する一対の磁極25bを備える。これらの磁極25bは、不図示のケーシングに固定されている。磁極25bは、例えば回転軸11に向けて磁気吸引力を発生させる電磁石である。ラジアル磁気軸受24Bは、Y軸方向において互いに対向する一対の磁極25bに駆動電流が流れることにより磁極25bから回転軸11に向けて発生した磁力(第3磁力)によって、回転軸11のY軸方向における支持位置を調整する。ラジアル磁気軸受24Bは、X軸方向において互いに対向する一対の磁極25bに駆動電流が流れることにより磁極25bから回転軸11に向けて発生した磁力によって、回転軸11のX軸方向における支持位置を調整する。
変位検出部26A及び変位検出部26Bは、X軸方向及びY軸方向それぞれにおける回転軸11の変位を検出するための装置(センサ)である。言い換えると、変位検出部26A及び変位検出部26Bは、ラジアル方向における回転軸11の支持位置の変化を検出するための装置である。変位検出部26Aは、ターゲット27Aと、センサ部28Aと、回路部29Aと、を備える。変位検出部26Bは、ターゲット27Bと、センサ部28Bと、回路部29Bと、を備える。変位検出部26A及び変位検出部26Bは、配置位置を除き、互いに同様の機能及び構成を有している。
ターゲット27A及びターゲット27Bは、回転軸11に設けられる。ターゲット27A及びターゲット27Bのそれぞれは、電磁鋼板等によって構成されている。ターゲット27A及びターゲット27Bのそれぞれは、例えば、Z軸方向から見て回転軸11の中心軸線P(図2参照)を中心としたリング状に形成されており、回転軸11に嵌め込まれている。Z軸方向から見たターゲット27A及びターゲット27Bそれぞれの外周面は、回転軸11の外周面と略一致する。ターゲット27A及びターゲット27Bそれぞれの外周面は、回転軸11から露出している。ターゲット27Aは、コンプレッサ部14とモータ部10との間に設けられ、ターゲット27Bは、モータ部10とアキシャル磁気軸受21との間に設けられる。
図2及び図3は、アキシャル方向から見たセンサ部を示す図である。図2に示されるように、センサ部28Aは、Y軸方向において回転軸11(ターゲット27A)を挟んで互いに対向する磁路形成部31a及び磁路形成部31bと、X軸方向において回転軸11(ターゲット27A)を挟んで互いに対向する磁路形成部32a及び磁路形成部32bと、を備える。磁路形成部31a及び磁路形成部31bのそれぞれと回転軸11とは、Y軸方向において離間している。
磁路形成部31aは、コア部33a(第1コア部)と、変位検出コイル34a(第1変位検出コイル)と、補償コイル35a(第1補償コイル)と、を備える。コア部33aと、ターゲット27Aと、コア部33a及びターゲット27Aの間の空間(ギャップ)と、によって磁路Mp1が形成される。磁路形成部31bは、コア部33b(第2コア部)と、変位検出コイル34b(第2変位検出コイル)と、補償コイル35b(第2補償コイル)と、を備える。コア部33bと、ターゲット27Aと、コア部33b及びターゲット27Aの間の空間(ギャップ)と、によって磁路Mp2が形成される。
コア部33a及びコア部33bは、Y軸方向において回転軸11(ターゲット27A)を挟んで互いに対向するように設けられる。コア部33a及びコア部33bのそれぞれと回転軸11(ターゲット27A)とは、Y軸方向において離間している。コア部33a及びコア部33bのそれぞれは、不図示のケーシングに固定されている。コア部33a及びコア部33bのそれぞれは、Z軸方向において所定の厚さを有している。コア部33a及びコア部33bは、Z軸方向においてコンプレッサ部14とモータ部10との間に配置されている。コア部33a及びコア部33bのそれぞれは、磁性体(磁性材料)から構成されている。コア部33aは、磁路Mp1に沿って磁束Φ1を発生させるための芯であり、コア部33bは、磁路Mp2に沿って磁束Φ2を発生させるための芯である。
コア部33aは、X軸方向に沿って延びる基部36aと、基部36aの両端それぞれからY軸方向に沿って回転軸11(ターゲット27A)に向かって延びる突出部37a及び突出部38aと、によって構成されている。コア部33bは、X軸方向に沿って延びる基部36bと、基部36bの両端それぞれからY軸方向に沿って回転軸11(ターゲット27A)に向かって延びる突出部37b及び突出部38bと、によって構成されている。コア部33aとコア部33bとは、互いに同一形状に構成されている。回転軸11が基準位置(目標位置)に位置しているとき、コア部33a及びコア部33bのそれぞれと回転軸11(ターゲット27A)との間の距離が、互いに同一である。言い換えると、Z軸方向から見たコア部33aとコア部33bとは、回転軸11が基準位置に位置するときの回転軸11の中心軸線Pを中心として点対称である。
変位検出コイル34a及び補償コイル35aは、コア部33aに設けられる。具体的には、変位検出コイル34a及び補償コイル35aのそれぞれは、コア部33aの基部36aに巻き回されることによって、基部36aに設けられる。ここでは、変位検出コイル34aが基部36aのうちの突出部38aに近い位置に設けられ、補償コイル35aが基部36aのうちの突出部37aに近い位置に設けられる。変位検出コイル34aと補償コイル35aとの巻き方向は、互いに同じである。変位検出コイル34aと補償コイル35aとにそれぞれ電流が流れたときに、磁束Φ1が、磁路Mp1に沿って基部36a、突出部37a、ターゲット27A、及び突出部38aの順で循環するように、変位検出コイル34a及び補償コイル35aは基部36aに巻き回される。磁束Φ1は、変位検出コイル34aから発生する磁束Φ11(第1磁束)と、補償コイル35aから発生する磁束Φ12(第3磁束)と、を含んでいる。
本実施形態では、磁束Φ11の大きさは、磁束Φ12の大きさよりも大きい。磁束Φ11と磁束Φ12との大小関係は、変位検出コイル34a及び補償コイル35aのそれぞれに流れる電流値の大小関係、又は変位検出コイル34aのインダクタンスL1(第1インダクタンス)と補償コイル35aのインダクタンスL2との大小関係によって定まる。ここでは、インダクタンスL1は、インダクタンスL2よりも大きい。具体的には、変位検出コイル34aの巻数n1(第1巻数)は、補償コイル35aの巻数n2(第3巻数)よりも多い。なお、インダクタンスL1は、磁路Mp1に含まれる磁性体(コア部33a及びターゲット27A)の透磁率、磁性体及び空間それぞれの磁路長、並びに巻数n1によって定まる。インダクタンスL2は、磁路Mp1に含まれる磁性体の透磁率、磁性体及び空間それぞれの磁路長、並びに巻数n2によって定まる。
変位検出コイル34b及び補償コイル35bは、コア部33bに設けられる。具体的には、変位検出コイル34b及び補償コイル35bのそれぞれは、コア部33bの基部36bに巻き回されることによって、基部36bに設けられる。ここでは、変位検出コイル34bが基部36bのうちの突出部38bに近い位置に設けられ、補償コイル35bが基部36bのうちの突出部37bに近い位置に設けられる。変位検出コイル34bと補償コイル35bとの巻き方向は、互いに同じである。変位検出コイル34bと補償コイル35bとにそれぞれ電流が流れたときに、磁束Φ2が、磁路Mp2に沿って基部36b、突出部37b、ターゲット27A、及び突出部38bの順で循環するように、変位検出コイル34b及び補償コイル35bは基部36bに巻き回される。磁束Φ2は、変位検出コイル34bから発生する磁束Φ21(第2磁束)と、補償コイル35bから発生する磁束Φ22(第4磁束)と、を含んでいる。
本実施形態では、磁束Φ21の大きさは、磁束Φ22の大きさよりも大きい。磁束Φ21と磁束Φ22との大小関係は、変位検出コイル34b及び補償コイル35bのそれぞれに流れる電流値の大小関係、又は変位検出コイル34bのインダクタンスL3(第2インダクタンス)と補償コイル35bのインダクタンスL4との大小関係によって定まる。ここでは、インダクタンスL3は、インダクタンスL4よりも大きい。具体的には、変位検出コイル34bの巻数n3(第2巻数)は、補償コイル35bの巻数n4(第4巻数)よりも多い。なお、インダクタンスL3は、磁路Mp2に含まれる磁性体(コア部33b及びターゲット27A)の透磁率、磁性体及び空間それぞれの磁路長、並びに巻数n3によって定まる。インダクタンスL4は、磁路Mp2に含まれる磁性体の透磁率、磁性体及び空間それぞれの磁路長、並びに巻数n4によって定まる。
磁路形成部32a及び磁路形成部32bは、磁路形成部31a及び磁路形成部31bと同様に構成される。磁路形成部32a及び磁路形成部32bは、X軸方向において互いに対向しており、磁路形成部31a及び磁路形成部31bと同一のZ軸方向に直交する平面に設けられる。磁路形成部32a及び磁路形成部32bは、回転軸11(ターゲット27A)とX軸方向において離間している。
磁路形成部32aは、コア部39a(第3コア部)と、変位検出コイル40a(第3変位検出コイル)と、補償コイル41a(第3補償コイル)と、を備える。コア部39aと、ターゲット27Aと、コア部39a及びターゲット27Aの間の空間(ギャップ)と、によって磁路Mp3が形成される。磁路形成部32bは、コア部39b(第4コア部)と、変位検出コイル40b(第4変位検出コイル)と、補償コイル41b(第4補償コイル)と、を備える。コア部39bと、ターゲット27Aと、コア部39b及びターゲット27Aの間の空間(ギャップ)と、によって磁路Mp4が形成される。
コア部39a及びコア部39bは、X軸方向において回転軸11(ターゲット27A)を挟んで互いに対向するように設けられる。コア部39a及びコア部39bのそれぞれと回転軸11(ターゲット27A)とは、X軸方向において離間している。コア部39a及びコア部39bのそれぞれは、不図示のケーシングに固定されている。コア部39a及びコア部39bのそれぞれは、Z軸方向において所定の厚さを有している。コア部39a及びコア部39bのそれぞれは、磁性体(磁性材料)から構成されている。コア部39aは、磁路Mp3に沿って磁束Φ3を発生させるための芯であり、コア部39bは、磁路Mp4に沿って磁束Φ4を発生させるための芯である。
コア部39aは、Y軸方向に沿って延びる基部42aと、基部42aの両端それぞれからX軸方向に沿って回転軸11(ターゲット27A)に向かって延びる突出部43a及び突出部44aと、によって構成されている。コア部39bは、Y軸方向に沿って延びる基部42bと、基部42bの両端それぞれからX軸方向に沿って回転軸11(ターゲット27A)に向かって延びる突出部43b及び突出部44bと、によって構成されている。コア部39aとコア部39bとは、互いに同一形状に構成されている。回転軸11が基準位置(目標位置)に位置しているとき、コア部39a及びコア部39bのそれぞれと回転軸11(ターゲット27A)との間の距離が、互いに同一である。言い換えると、Z軸方向から見たコア部39aとコア部39bとは、回転軸11が基準位置に位置しているときの回転軸11の中心軸線Pを中心として点対称である。例えば、コア部39aはコア部33aと同一形状に構成され、コア部39bはコア部33bと同一形状に構成されている。
変位検出コイル40a及び補償コイル41aは、コア部39aに設けられる。具体的には、変位検出コイル40a及び補償コイル41aのそれぞれは、コア部39aの基部42aに巻き回されることによって、基部42aに設けられる。ここでは、変位検出コイル40aが基部42aのうちの突出部44aに近い位置に設けられ、補償コイル41aが基部42aのうちの突出部43aに近い位置に設けられる。変位検出コイル40aと補償コイル41aとにそれぞれ電流が流れたときに、磁束Φ3が、磁路Mp3に沿って基部42a、突出部43a、ターゲット27A、及び突出部44aの順に循環するように、変位検出コイル40a及び補償コイル41aは基部42aに巻き回される。磁束Φ3は、変位検出コイル40aに電流が流れることによって発生する磁束Φ31と、補償コイル41aに電流が流れることによって発生する磁束Φ32と、を含んでいる。
変位検出コイル40b及び補償コイル41bは、コア部39bに設けられる。具体的には、変位検出コイル40b及び補償コイル41bのそれぞれは、コア部39bの基部42bに巻き回されることによって、基部42bに設けられる。ここでは、変位検出コイル40bが基部42bのうちの突出部44bに近い位置に設けられ、補償コイル41bが基部42bのうちの突出部43bに近い位置に設けられる。変位検出コイル40bと補償コイル41bとにそれぞれ電流が流れたときに、磁束Φ4が、磁路Mp4に沿って基部42b、突出部43b、ターゲット27A、及び突出部44bの順に循環するように、変位検出コイル40b及び補償コイル41bは基部42bに巻き回される。磁束Φ4は、変位検出コイル40bに電流が流れることによって発生する磁束Φ41と、補償コイル41bに電流が流れることによって発生する磁束Φ42と、を含んでいる。
変位検出コイル40a及び補償コイル41aにおける互いの巻き方向、巻数、及びインダクタンスの関係、並びにそれぞれから発生する磁束の大きさの関係は、変位検出コイル34a及び補償コイル35aにおける関係と同様である。変位検出コイル40b及び補償コイル41bにおける互いの巻き方向、巻数、及びインダクタンスの関係、並びにそれぞれから発生する磁束の大きさの関係は、変位検出コイル34b及び補償コイル35bにおける関係と同様である。
本実施形態のセンサ部28Aでは、コア部33a,33b,39a,39bそれぞれの突出部の回転軸11(ターゲット27A)と対向する先端における極性が、中心軸線Pを中心とした周方向に沿って交互となるように、磁路Mp1〜Mp4が形成される。つまり、中心軸線Pを中心とした周方向において互いに隣り合う突出部同士の先端の極性は、互いに反対となっている。例えば、突出部37aの先端の極性はN極であり、突出部44bの先端の極性はS極である。これにより、中心軸線Pを中心とした周方向にて互いに隣り合う磁路同士において磁束の混入が生じることが抑制されている。
続いて、回転軸11のX軸方向及びY軸方向それぞれにおける変位に伴って生じる各コイルのインダクタンスの変化について説明する。回転軸11がY軸方向に変位すると、突出部37a及び突出部38aのターゲット27Aと対向するそれぞれの先端とターゲット27Aとの間の距離が変化する。これにより、磁路Mp1に含まれる空間の磁路長が変化するので、変位検出コイル34aのインダクタンスL1は、式(1)に示されるように変化し、補償コイル35aのインダクタンスL2は、式(2)に示されるように変化する。
Figure 2019219049

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式(1)に示されるように、インダクタンスL1は、回転軸11が基準位置に位置しているときの変位検出コイル34aのインダクタンスLdsに、回転軸11のY軸方向の変位に伴う変化量ΔLdyを加えた値となる。式(2)に示されるように、インダクタンスL2は、回転軸11が基準位置に位置しているときの補償コイル35aのインダクタンスLcsに、回転軸11のY軸方向の変位に伴う変化量ΔLcyを加えた値となる。ここで、回転軸11がY軸方向の正方向に変位したときに、変化量ΔLdy,ΔLcyは正の値としており、回転軸11がY軸方向の負方向に変位したときに、変化量ΔLdy,ΔLcyは負の値としている。なおY軸方向の正方向とは、回転軸11がコア部33a(磁路形成部31a)に近づく方向であり、Y軸方向の負方向とは、回転軸11がコア部33aから離れる方向である。
また、回転軸11がY軸方向に変位すると、突出部37b及び突出部38bのターゲット27Aと対向するそれぞれの先端とターゲット27Aとの間の距離も変化する。これにより、磁路Mp2に含まれる空間の磁路長が変化するので、変位検出コイル34bのインダクタンスL3は、式(3)に示されるように変化し、補償コイル35bのインダクタンスL4は、式(4)に示されるように変化する。
Figure 2019219049

Figure 2019219049
式(3)に示されるように、インダクタンスL3は、回転軸11が基準位置に位置しているときの変位検出コイル34bのインダクタンスLdsから、回転軸11のY軸方向の変位に伴う変化量ΔLdyを減じた値となる。式(4)に示されるように、インダクタンスL4は、回転軸11が基準位置に位置しているときの補償コイル35bのインダクタンスLcsから、回転軸11のY軸方向の変位に伴う変化量ΔLcyを減じた値となる。
本実施形態では、回転軸11が基準位置に位置するときに、インダクタンスL1とインダクタンスL3とが互いに略同一の値となるとともに、インダクタンスL2とインダクタンスL4とが互いに略同一の値となるように、磁路形成部31a及び磁路形成部31bは構成されている。また、回転軸11のY軸方向における変位に伴うインダクタンスL1,L2における変化量(絶対値)及びインダクタンスL3,L4における変化量(絶対値)が互いに略同一となるように、磁路形成部31a及び磁路形成部31bは構成されている。
回転軸11がX軸方向に変位した場合も、Y軸方向に変位した場合と同様である。変位検出コイル40aのインダクタンスL5(第3インダクタンス)は、式(5)に示されるように、基準位置でのインダクタンスLdsに、回転軸11のX軸方向の変位に伴う変化量ΔLdxを加えた値となる。補償コイル41aのインダクタンスL6は、式(6)に示されるように、基準位置でのインダクタンスLcsに、回転軸11のX軸方向の変位に伴う変化量ΔLcxを加えた値となる。ここで、回転軸11がX軸方向の正方向に変位したときに、変化量ΔLdx,ΔLcxは正の値としており、回転軸11がX軸方向の負方向に変位したときに、変化量ΔLdx,ΔLcxは負の値としている。なお、X軸方向の正方向とは、回転軸11がコア部39a(磁路形成部32a)に近づく方向であり、X軸方向の負方向とは、回転軸11がコア部39aから離れる方向である。
Figure 2019219049

Figure 2019219049
変位検出コイル40bのインダクタンスL7(第4インダクタンス)は、式(7)に示されるように、基準位置でのインダクタンスLdsから、変化量ΔLdxを減じた値となる。補償コイル41bのインダクタンスL8は、式(8)に示されるように、基準位置でのインダクタンスLcsから、変化量ΔLcxを減じた値となる。
Figure 2019219049

Figure 2019219049
本実施形態では、回転軸11が基準位置に位置するときに、インダクタンスL5及びインダクタンスL7が互いに略等しくなるとともに、インダクタンスL6及びインダクタンスL8が互いに略等しくなるように、磁路形成部32a及び磁路形成部32bは構成されている。また、回転軸11のX軸方向における変位に伴うインダクタンスL5,L6における変化量(絶対値)及びインダクタンスL7,L8における変化量(絶対値)が互いに略同一となるように、磁路形成部32a及び磁路形成部32bは構成されている。さらに、回転軸11が基準位置に位置するときに、インダクタンスL1及びインダクタンスL3のそれぞれが、インダクタンスL5及びインダクタンスL7と略等しくなるとともに、インダクタンスL2及びインダクタンスL4のそれぞれが、インダクタンスL6及びインダクタンスL8と略等しくなるように、センサ部28Aは構成されている。磁気軸受システム20では、このようなインダクタンスの変化から回転軸11の変位が検出されるが、検出方法の詳細については後述する。
図3に示されるセンサ部28Bは、センサ部28Aと同様の構成を有する。センサ部28Bは、Y軸方向において回転軸11(ターゲット27B)を挟んで互いに対向する磁路形成部31c及び磁路形成部31dと、X軸方向において回転軸11(ターゲット27B)を挟んで互いに対向する磁路形成部32c及び磁路形成部32dと、を備える。磁路形成部31cは、コア部33c(第5コア部)と、コア部33cに設けられた変位検出コイル34c(第5変位検出コイル)及び補償コイル35c(第5補償コイル)と、を備える。磁路形成部31dは、コア部33d(第6コア部)と、コア部33dに設けられた変位検出コイル34d(第6変位検出コイル)及び補償コイル35d(第6補償コイル)と、を備える。磁路形成部32cは、コア部39cと、コア部39cに設けられた変位検出コイル40c及び補償コイル41cと、を備える。磁路形成部32dは、コア部39dと、コア部39dに設けられた変位検出コイル40d及び補償コイル41dと、を備える。センサ部28Bの各コア部は、ターゲット27Bと対向する位置に設けられる。このように、コア部33c及びコア部33dとコア部39c及びコア部39dとは、モータ部10とアキシャル磁気軸受21との間に位置する。
磁路Mp5に沿って発生する磁束Φ5は、変位検出コイル34cに電流が流れることによって発生する磁束Φ51と、補償コイル35cに電流が流れることによって発生する磁束Φ52(第5磁束)と、を含んでいる。磁路Mp6に沿って発生する磁束Φ6は、変位検出コイル34dに電流が流れることによって発生する磁束Φ61と、補償コイル35dに電流が流れることによって発生する磁束Φ62(第6磁束)と、を含んでいる。磁路Mp7に沿って発生する磁束Φ7は、変位検出コイル40cに電流が流れることによって発生する磁束Φ71と、補償コイル41cに電流が流れることによって発生する磁束Φ72と、を含んでいる。磁路Mp8に沿って発生する磁束Φ8は、変位検出コイル40dに電流が流れることによって発生する磁束Φ81と、補償コイル41dに電流が流れることによって発生する磁束Φ82と、を含んでいる。
本実施形態では、磁束Φ12及び磁束Φ22のそれぞれは、磁束Φ52及び磁束Φ62よりも大きい。磁束Φ32及び磁束Φ42のそれぞれは、磁束Φ72及び磁束Φ82よりも大きい。例えば、補償コイルの巻数(インダクタンス)の大小関係、又は補償コイルに流れる電流値の大小関係が調整されることによって、上述の磁束の大小関係が満たされる。なお、磁束Φ11に対する磁束Φ12の比及び磁束Φ21に対する磁束Φ22の比のそれぞれが、磁束Φ51に対する磁束Φ52の比及び磁束Φ61に対する磁束Φ62の比よりも大きくてもよい。磁束Φ31に対する磁束Φ32の比及び磁束Φ41に対する磁束Φ42の比のそれぞれが、磁束Φ71に対する磁束Φ72の比及び磁束Φ81に対する磁束Φ82の比よりも大きくてもよい。
図4は、変位検出コイルに接続される回路部の構成を示す図である。図5は、補償コイルに接続される回路部の構成を示す図である。回路部29Aは、回路部50aと、回路部50bと、を備える。
図4に示されるように、回路部50aは、電源51aと、制限抵抗器R1〜R4と、を備える。電源51aは、例えば所定周波数の交流電圧を発生する定電圧源である。電源51aは、制限抵抗器R1を介して変位検出コイル34aの一端に電気的に接続され、変位検出コイル34aの他端は接地電位に接続される。電源51aは、制限抵抗器R2を介して変位検出コイル34bの一端に電気的に接続され、変位検出コイル34bの他端は接地電位に接続される。電源51aは、制限抵抗器R3を介して変位検出コイル40aの一端に電気的に接続され、変位検出コイル40aの他端は接地電位に接続される。電源51aは、制限抵抗器R4を介して変位検出コイル40bの一端に電気的に接続され、変位検出コイル40bの他端は接地電位に接続される。制限抵抗器R1〜R4は、例えば互いに同一の抵抗値を有する。なお、電源51aは所定周波数の交流電流を発生する定電流源であってもよい。
変位検出コイル34a,34b,40a,40bそれぞれに、制限抵抗器R1〜R4を介して電源51aが接続されることによって、変位検出コイル34a,34b,40a,40bにそれぞれ電流が流れる。例えば、回転軸11が変位可能な範囲において、回転軸11のY軸方向の変位に対してインダクタンスL1,L3が略線形に変化するとともに、回転軸11のX軸方向の変位に対してインダクタンスL5,L7が略線形に変化するように、変位検出コイル34a,34b,40a,40bに流れる電流値が設定される。
このように、制限抵抗器R1と変位検出コイル34aとが互いに直列に接続されることで検出回路部52aが構成される。検出回路部52aは、変位検出コイル34aの両端に発生する電圧Vayを制御部60に出力する。制限抵抗器R2と変位検出コイル34bとが互いに直列に接続されることで検出回路部52bが構成される。検出回路部52bは、変位検出コイル34bの両端に発生する電圧Vbyを制御部60に出力する。制限抵抗器R3と変位検出コイル40aとが互いに直列に接続されることで検出回路部53aが構成される。検出回路部53aは、変位検出コイル40aの両端に発生する電圧Vaxを制御部60に出力する。制限抵抗器R4と変位検出コイル40bとが互いに直列に接続されることで検出回路部53bが構成される。検出回路部53bは、変位検出コイル40bの両端に発生する電圧Vbxを制御部60に出力する。検出回路部52a,52b及び検出回路部53a,53bは、電源51aに対して互いに並列に接続される。
電圧Vayは、変位検出コイル34aの両端電圧であるので、変位検出コイル34aのインダクタンスL1(インピーダンス)に応じて変化する。式(1)に示されるように、インダクタンスL1は、回転軸11のY軸方向の変位に応じて変化するので、電圧Vayは、回転軸11のY軸方向の変位に応じて変化する。電圧Vbyは、変位検出コイル34bの両端電圧であるので、変位検出コイル34bのインダクタンスL3(インピーダンス)に応じて変化する。式(3)に示されるように、インダクタンスL3は、回転軸11のY軸方向の変位に応じて変化するので、電圧Vbyは、回転軸11のY軸方向の変位に応じて変化する。また、コア部33a及びコア部33bの温度が変化すると、コア部33a及びコア部33bを構成する磁性体の透磁率が変化するので、インダクタンスL1及びインダクタンスL3が変化する。つまり、コア部33a及びコア部33bの温度変化によっても、電圧Vay及び電圧Vbyは変化する。電圧Vax及び電圧Vbxも同様に、回転軸11のX軸方向の変位に応じて変化するとともに、コア部39a及びコア部39bの温度変化によって変化する。
図5に示されるように、回路部50bは、電源51bと、制限抵抗器R5と、を備える。電源51bは、電源51aとは別の定電圧源であり、例えば所定周波数の交流電圧を発生する。電源51bは、制限抵抗器R5を介して並列合成コイル部56の一端に電気的に接続され、並列合成コイル部56の他端は接地電位に接続される。並列合成コイル部56は、直列合成コイル部55yと直列合成コイル部55xとが互いに並列に接続された並列回路である。直列合成コイル部55yは、補償コイル35aと補償コイル35bとが互いに直列に接続された直列回路である。直列合成コイル部55xは、補償コイル41aと補償コイル41bとが互いに直列に接続された直列回路である。なお、電源51bは所定周波数の交流電流を発生する定電流源であってもよい。また、並列合成コイル部56(各補償コイル)に、電源51bに代えて電源51aが接続されてもよい。つまり、回路部29Aにおいて、単一の定電圧源に対して、各変位検出コイル及び並列合成コイル部56が互いに並列に接続されてもよい。
並列合成コイル部56に制限抵抗器R5を介して電源51bが接続されることによって、補償コイル35a,35b,41a,41bにそれぞれ電流が流れる。例えば、回転軸11が変位可能な範囲において、回転軸11のY軸方向の変位に対してインダクタンスL2,L4が略線形に変化するとともに、回転軸11のX軸方向の変位に対してインダクタンスL6,L8が略線形に変化するように、補償コイル35a,35b,41a,41bに流れる電流値が設定される。
互いに直列に接続された制限抵抗器R5と並列合成コイル部56とによって検出回路部57が構成される。検出回路部57は、並列合成コイル部56の両端に発生する電圧Vcを制御部60に出力する。
電圧Vcは、並列合成コイル部56の両端電圧であるので、並列合成コイル部56の合成インダクタンスLt(第3合成インダクタンス)に応じて変化する。補償コイル35aと補償コイル35bとが互いに直列に接続されているので、直列合成コイル部55yの合成インダクタンスLy(第1合成インダクタンス)は、式(9)に示されるように求められる。合成インダクタンスLyでは、回転軸11のY軸方向の変位に伴うインダクタンスの変化量ΔLcyが相殺される。補償コイル41aと補償コイル41bとが互いに直列に接続されているので、直列合成コイル部55xの合成インダクタンスLx(第2合成インダクタンス)は、式(10)に示されるように求められる。合成インダクタンスLxでは、回転軸11のX軸方向の変位に伴うインダクタンスの変化量ΔLcxが相殺される。合成インダクタンスLtは、式(11)に示されるように求められる。
Figure 2019219049

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Figure 2019219049
式(9)〜式(11)に示されるように、合成インダクタンスLt,Ly,Lxは、回転軸11の変位に伴って変化せずに、回転軸11が基準位置に位置するときの各補償コイルのインダクタンスLcsに応じて変化する。インダクタンスLcsは各コア部の温度に応じて変化する。このため、合成インダクタンスLyは、回転軸11のY軸方向の変位に依存せずに、コア部33a及びコア部33bの温度変化に応じて変化する。合成インダクタンスLxは、回転軸11のX軸方向の変位に依存せずに、コア部39a及びコア部39bの温度変化に応じて変化する。合成インダクタンスLtは、回転軸11の変位に依存せずに、コア部33a,33b及びコア部39a,39bの温度変化に応じて変化する。つまり、電圧Vcは、コア部33a,33b及びコア部39a,39bの温度変化に応じて変化する。
回路部29Bは、回路部29Aと同様に構成される。例えば、回路部29Bによって、補償コイル35cと補償コイル35dとは互いに直列に接続され、補償コイル41cと補償コイル41dとは互いに直列に接続される。回路部29Aと同様に、各変位検出コイルの両端に発生する電圧が制御部60に入力され、それぞれ直列に接続された二対の補償コイル同士を互いに並列に接続することによって構成された並列合成コイル部の両端に発生する電圧が制御部60に入力される。
図6は、制御部が行う処理を説明するためのブロック図である。制御部60は、ラジアル磁気軸受24A及びラジアル磁気軸受24Bの制御を行う装置である。制御部60は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)並びに入出力インターフェース等を有するコンピュータを備える。ラジアル磁気軸受24Aの制御では、制御部60は、変位検出部26Aによって検出された電圧Vay,Vby及び電圧Vcに基づいて、例えば、Y軸方向において互いに対向する一対の磁極25aに流す駆動電流Iay,Ibyの値を調整する。また、制御部60は、変位検出部26Aによって検出された電圧Vax,Vbx及び電圧Vcに基づいて、X軸方向において互いに対向する一対の磁極25aに流す駆動電流Iax,Ibxの値を調整する。
図6に示されるように、制御部60は、差動出力部61と、温度補正部62と、偏差算出部63と、制御量算出部64と、アンプ部65と、を有する。ここでは、温度補正部62、偏差算出部63、及び制御量算出部64は、制御部60が有するコンピュータに含まれる。なお、図6では、Y軸方向における回転軸11の変位の検出に基づいたラジアル磁気軸受24Aの制御を行う場合のブロック図が例として示されている。
制御部60の具体的な処理を説明すると、差動出力部61には、電圧Vay及び電圧Vbyが入力される。差動出力部61は、例えば差動アンプである。なお、ここでは差動アンプの増幅度は1である。差動出力部61は、電圧Vayと電圧Vbyとの差分値である電圧Vdy(第1差分値)を算出する。差動出力部61は、例えば電圧Vayから電圧Vbyを減算することによって電圧Vdyを算出する。差動出力部61は、例えば、アナログ−ディジタル変換回路を介して電圧Vdyを温度補正部62に出力する。
電圧Vdyは、電圧Vayと電圧Vbyとの差分値であるので、変位検出コイル34aのインダクタンスL1と変位検出コイル34bのインダクタンスL3との差に応じた値となる。式(1)及び式(3)によれば、インダクタンスL1とインダクタンスL3との差は変化量ΔLdyの2倍(2×ΔLdy)となるので、電圧Vdyは変化量ΔLdyに応じた値である。例えば、回転軸11が変位する範囲において、電圧Vdyが変化量ΔLdyに略比例するように、磁路形成部31a及び磁路形成部31b(センサ部28A)が構成される。このように、電圧Vdyを算出することによって、回転軸11のY軸方向の変位成分が抽出される。インダクタンスL1及びインダクタンスL3のそれぞれは、コア部33a及びコア部33bの温度に応じて変化するので、電圧Vdyには、コア部33a及びコア部33bの温度変化による成分も含まれ得る。
温度補正部62には、電圧Vc及び電圧Vdyが入力される。温度補正部62は、例えば補正テーブルを参照することによって、入力された電圧Vcの値に応じた補正値αを取得する。補正テーブルは、電圧Vcの各値と補正値αとを対応づけたテーブルであり、制御部60が有するコンピュータに予め記憶されている。補正値αは、例えば、電圧Vdyを基準温度での電圧値に変換するための値である。例えば、補正テーブルは、回転軸11を基準位置に固定した状態で、コア部の温度を変化させた場合の電圧Vcの値を事前に測定するとともに、各温度での電圧Vay,Vbyの基準温度での電圧からの変化率を事前に測定することによって得られる。
温度補正部62は、補正値αに基づいて電圧Vdyを補正することによって電圧Vey(第1検出値)を算出する。例えば、温度補正部62は、電圧Vdyに補正値αを乗算することによって電圧Veyを算出する。電圧Veyは、電圧Vdyを温度補正した値となる。つまり、電圧Veyには回転軸11のY軸方向の変位成分が含まれるとともに、電圧Veyでは電圧Vdyに含まれ得るコア部33a及びコア部33bの温度変化による成分が低減される。温度補正部62は、電圧Veyを偏差算出部63に出力する。このように、電圧Veyは、電圧Vdyを合成インダクタンスLt(合成インダクタンスLy)に応じて補正することによって算出される。
偏差算出部63は、電圧Veyと目標電圧Vsyとの偏差δyを算出する。目標電圧Vsyは、回転軸11が基準位置(目標位置)に位置するときの電圧Veyの値である。目標電圧Vsyは、制御部60が有するコンピュータに予め記憶されている。目標電圧Vsyは、例えば0Vである。例えば、偏差算出部63は、目標電圧Vsyから電圧Veyを減算することによって偏差δyを算出する。偏差算出部63は、偏差δyを制御量算出部64に出力する。例えば、偏差δyがゼロに近いほど、回転軸11は基準位置の近くに位置しており、偏差δyがゼロである場合、回転軸11はY軸方向において基準位置と等しい位置に支持されている。
制御量算出部64は、偏差δyに基づいて制御量Cay及び制御量Cbyを算出する。例えば、制御量Cay,Cbyは電圧値(ディジタル値)であり、制御量Cay,Cbyに応じてアンプ部65から出力される駆動電流Iay,Ibyの値が変化する。例えば偏差δyがゼロに近づくような値を有する駆動電流Iay,Ibyがアンプ部65から出力されるように、制御量Cay,Cbyが算出される。制御量算出部64は、例えば、PID(Proportional-Integral-Differential)制御方式での制御量Cay,Cbyを算出する。この場合、制御量算出部64には、偏差δyとともに電圧Veyが入力されてもよい。制御量算出部64は、ディジタル−アナログ変換回路を介してアンプ部65にアナログ値の制御量Cay,Cbyを出力する。
アンプ部65は、アナログ値の制御量Cay,Cbyに応じた値を有する駆動電流Iay,Ibyを生成する。アンプ部65は、例えば制御量Cay,Cbyを増幅することによって得られる電圧と、磁極25aに接続された定抵抗値を有する抵抗器と、によって駆動電流Iay,Ibyを生成する。このように、制御量Cay,Cbyに応じて駆動電流Iay,Ibyの値が変化する。アンプ部65は、駆動電流Iay,Ibyをラジアル磁気軸受24Aに出力する。これにより、ラジアル磁気軸受24AのY軸方向において互いに対向する一対の磁極25aから回転軸11に向けて発生する磁力が制御される。
制御部60は、電圧Vdyの算出から駆動電流Iay,Ibyの出力までの処理を繰り返す。これによって、回転軸11のY軸方向における変位がゼロとなるようにラジアル磁気軸受24Aの制御が行われ、回転軸11がY軸方向において基準位置と略等しい位置に支持される。
制御部60は、電圧Vax,Vbx及び電圧Vcに基づいて、ラジアル磁気軸受24AのX軸方向における制御をY軸方向の制御と同様に行う。例えば、差動出力部61は、電圧Vaxと電圧Vbxとの差分値である電圧Vdx(第2差分値)を温度補正部62に出力し、温度補正部62は、補正テーブルに基づいた補正値αで電圧Vdxを補正することによって電圧Vex(第2検出値)を算出する。つまり、電圧Vexは、電圧Vdxを合成インダクタンスLt(合成インダクタンスLx)に応じて補正することによって算出される。偏差算出部63は、電圧Vexと目標電圧Vsxとの差である偏差δxを算出する。制御部60は、例えば、偏差δxがゼロに近づくような値を有する駆動電流Iax,Ibxをラジアル磁気軸受24Aに出力する。これにより、ラジアル磁気軸受24AのX軸方向において互いに対向する一対の磁極25aから回転軸11に向けて発生する磁力が制御される。つまり、回転軸11のX軸方向における変位がゼロとなるようにラジアル磁気軸受24Aの制御が行われ、回転軸11がX軸方向において基準位置と略等しい位置に支持される。
制御部60は、ラジアル磁気軸受24Bの制御もラジアル磁気軸受24Aと同様に行う。例えば、制御部60は、変位検出コイル34cの両端に発生する電圧と変位検出コイル34dの両端に発生する電圧との差である差分値(第3差分値)を取得する。この差分値は、変位検出コイル34cのインダクタンスL9(第5インダクタンス)と変位検出コイル34dのインダクタンスL10(第6インダクタンス)との差に応じた値である。そして、制御部60は、センサ部28Bの各補償コイルによって構成される並列合成コイル部の合成インダクタンスLtBに応じて上記差分値を補正することによって、回転軸11のY軸方向の変位に応じた検出値(第3検出値)を算出する。制御部60は、この検出値に基づいてラジアル磁気軸受24BのY軸方向において互いに対向する一対の磁極25bから回転軸11に向けて発生する磁力を制御する。制御部60は、ラジアル磁気軸受24BのX軸方向において互いに対向する一対の磁極25bから回転軸11に向けて発生する磁力を、Y軸方向と同様にして制御する。なお、合成インダクタンスLtBは、互いに直列に接続された補償コイル35c及び補償コイル35dの合成インダクタンスLyB(第4合成インダクタンス)に応じた値となる。
以上説明したように、磁気軸受システム20では、互いに直列に接続された補償コイル35a及び補償コイル35bの合成インダクタンスLyに応じて電圧Vdyを補正することにより算出された電圧Veyに基づいて、ラジアル磁気軸受24AによってY軸方向に発生する磁力が制御される。変位検出コイル34aのインダクタンスL1と変位検出コイル34bのインダクタンスL3とは、回転軸11のY軸方向における変位だけでなく、コア部33a及びコア部33bの温度変化によっても変化する。このため、電圧Vdyには、回転軸11の変位成分と、温度変化による成分とが含まれ得る。一方、補償コイル35a及び補償コイル35bは互いに直列に接続されているので、合成インダクタンスLyでは、回転軸11のY軸方向の変位によって生じる補償コイル35a及び補償コイル35bのそれぞれのインダクタンスの変化量ΔLcyが相殺される。
また、変位検出コイル34aと補償コイル35aとは、ともにコア部33aに設けられ、変位検出コイル34bと補償コイル35bとは、ともにコア部33bに設けられる。従って、合成インダクタンスLyは、回転軸11のY軸方向の変位に依存せずにコア部33a及びコア部33bの温度に応じた値となる。この合成インダクタンスLy(合成インダクタンスLt)を用いることで、電圧Vdyから温度変化による成分が低減された電圧Veyを算出することができる。ラジアル磁気軸受24AによってX軸方向に発生する磁力が制御される場合も同様に、電圧Vdxからコア部39a及びコア部39bの温度変化による成分が低減された電圧Vexを算出することができる。その結果、回転軸11の変位の検出精度を向上させることが可能となる。
温度補正を行うために、コア部33a及びコア部33bの少なくとも一方の近傍に、例えばバイメタル式の温度センサを設けることも考えられる。この場合と比べて、磁気軸受システム20ではコア部33a及びコア部33bの温度変化が直接反映される合成インダクタンスLy(合成インダクタンスLt)に応じて温度補正が行われるので、より精度よく温度補正を行うことが可能となる。また、コア部33a(コア部33b)の近傍に温度センサを設けた場合に、Z軸方向において温度センサがコア部33a(コア部33b)の厚さよりも厚いと、温度センサが設けられていないときと比べて回転軸11の全長が長くなってしまうおそれがある。これに対して、磁気軸受システム20では、各補償コイルが、変位検出コイルと同じ各コア部に巻き回されるので、Z軸方向におけるセンサ部28Aの厚さは、温度補正機能を有しない場合と同一となり得る。つまり、磁気軸受システム20では、温度補正機能を追加することに伴って回転軸11の全長が長くなることが抑制されつつ、回転軸11の変位の検出精度を向上させることが可能となる。
合成インダクタンスLyと同様に、合成インダクタンスLxは、回転軸11のX軸方向の変位に依存せずにコア部39a及びコア部39bの温度に応じた値となる。このため、合成インダクタンスLtには、コア部33a及びコア部33bの温度変化の影響とコア部39a及びコア部39bの温度変化の影響とが反映される。これにより、各コア部において温度にばらつきがある場合、そのばらつきの影響を低減させることができ、回転軸11の変位をさらに精度よく検出することが可能となる。
変位検出コイル34aのインダクタンスL1が補償コイル35aのインダクタンスL3よりも大きく、変位検出コイル34bのインダクタンスL2が補償コイル35bのインダクタンスL4よりも大きい。このため、インダクタンスL1及びインダクタンスL3のそれぞれが、合成インダクタンスLt(合成インダクタンスLyの半分の値)よりも大きくなる。これにより、回転軸11の変位によって生じるインダクタンスL1,L3(電圧Vay,Vby)の変化率が、コア部33a,33bの温度変化によって生じる合成インダクタンスLt(電圧Vc)の変化率よりも大きくなる。その結果、電圧Vdyを算出するためのインダクタンスL1及びインダクタンスL3それぞれの変化に基づいた回転軸11のY軸方向の変位の検出を、電圧Vdyを補正するための合成インダクタンスLt(合成インダクタンスLy)の変化に基づいた温度変化の検出よりも、高い分解能で行うことが可能となる。
回転機械1では、コア部33a及びコア部33bは、ともに高温の熱を発生させるインペラ15及びモータ部10の間に配置される。このため、コア部33a及びコア部33bの温度変化が、モータ部10とアキシャル磁気軸受21との間に配置されるコア部33c及びコア部33dよりも大きくなるおそれがある。磁束Φ12及び磁束Φ22それぞれは、磁束Φ52及び磁束Φ62よりも大きい。この磁束の大小関係を満たすために、合成インダクタンスLyが合成インダクタンスLyBよりも大きくなるようにセンサ部28A及びセンサ部28Bは構成される。この場合、単位温度あたりの合成インダクタンスLyの変化が、単位温度あたりの合成インダクタンスLyBの変化よりも大きくなる。これにより、合成インダクタンスLyの変化に基づいたコア部33a及びコア部33bの温度変化の検出を、合成インダクタンスLyBの変化に基づいたコア部33c及びコア部33dの温度変化の検出よりも、高い分解能で行うことができる。その結果、変位検出部26Aにおける温度補正を変位検出部26Bに比べて高い精度で行うことが可能となる。
本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。
図7は、センサ部の第1変形例を示す図である。図7に示されるセンサ部28Cは、各コア部を連結するコア連結部47a〜47dをさらに有する点において、センサ部28Aと主に相違する。コア部33aとコア部39aとは、コア連結部47aによって互いに連結される。コア部33aとコア部39bとは、コア連結部47bによって互いに連結される。コア部33bとコア部39aとは、コア連結部47cによって互いに連結される。コア部33bとコア部39bとは、コア連結部47dによって互いに連結される。このように、コア部33aとコア部33bとは、コア部39aを介してコア連結部47a及びコア連結部47cによって連結されるとともに、コア部39bを介してコア連結部47b及びコア連結部47dによって連結される。コア部39aとコア部39bとは、コア部33aを介してコア連結部47a及びコア連結部47bによって連結されるとともに、コア部33bを介してコア連結部47c及びコア連結部47dによって連結される。
言い換えると、センサ部28Cは、各コア部とコア連結部47a〜47dとが一体に構成されたセンサコア46を備える。センサコア46は、回転軸11の中心軸線Pを中心とした周方向に沿って延びる環状のリング部と、リング部から回転軸11に向かってX軸方向及びY軸方向のいずれか一方に沿って延びる突出部と、を備える。リング部のうちの各コア部の一対の突出部の間に位置する部分が各コア部の基部であり、基部以外がコア連結部47a〜47dである。センサコア46は、不図示のケーシングに固定される。
センサ部28Cを備える磁気軸受システム20では、センサコア46をケーシングに組み付けることによって、コア部33a,33b(コア部39a,39b)が回転軸11を挟んで互いに対向する位置に配置される。その結果、磁気軸受システム20の製造工程におけるセンサ部の組付工程を、センサ部28Aに比べて簡略化することが可能となる。
図8は、センサ部の第2変形例を示す図である。図8に示されるセンサ部28Dは、磁路形成部32aに代えて磁路形成部48aを備える点、及び磁路形成部32bに代えて磁路形成部48bを備える点において、センサ部28Aと主に相違する。磁路形成部48aは、補償コイル41aを備えない点において磁路形成部32aと相違し、磁路形成部48bは、補償コイル41bを備えない点において磁路形成部32bと相違する。この場合、回路部50bの検出回路部57は、直列合成コイル部55yと、制限抵抗器R5と、によって構成される。検出回路部57は、直列合成コイル部55yの両端に発生する電圧を電圧Vcとして制御部60に出力する。
センサ部28Dでは、Y軸方向において互いに対向するコア部33a及びコア部33bにのみ補償コイル35a,35bが設けられるので、センサ部28A〜28Cに比べて、補償コイルに接続される回路部及びセンサ部を簡略化することが可能となる。
なお、コア部33a及びコア部33bに補償コイル35a,35bが設けられずに、コア部39aに補償コイル41aが設けられるとともに、コア部39bに補償コイル41bが設けられてもよい。この場合、互いに直列に接続された補償コイル41a及び補償コイル41bによって構成された直列合成コイル部55xの両端に発生する電圧に応じて、電圧Vdy及び電圧Vdxのそれぞれが補正されてもよい。センサ部28Dは、センサ部28Cと同様のコア連結部を備えてもよい。つまり、第2変形例に第1変形例が適用されてもよい。
回転機械1は、圧縮機に限られない。回転機械1は、回転軸11と、磁気軸受システム20と、を備えていればよい。
センサ部28A,28C,28Dにおいて、コア部33a及びコア部33bのそれぞれを構成する磁性材と、コア部39a及びコア部39bのそれぞれを構成する磁性材とは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。センサ部28Bにおいて、コア部33c及びコア部33dのそれぞれを構成する磁性材と、コア部39c及びコア部39dのそれぞれを構成する磁性材とは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
コア部39a(コア部39b)は、コア部33a及びコア部33bのそれぞれと異なる形状を有してもよい。
変位検出コイル34aは、突出部37aに設けられてもよく、突出部38aに設けられてもよい。補償コイル35aは、突出部37aに設けられてもよく、突出部38aに設けられてもよい。磁路形成部31b,32a,32bにおいても、各変位検出コイル及び各補償コイルのそれぞれは、各突出部に設けられてもよい。
磁路Mp1に沿って発生する磁束Φ1が変位検出コイル34a及び補償コイル35aを通る順番では、どちらのコイルが先であってもよい。磁路Mp2〜Mp4に沿って発生する各磁束が変位検出コイル及び補償コイルを通る順番においても、どちらのコイルが先であってもよい。
センサ部28Aにおける各補償コイルから発生する磁束の大きさは、センサ部28Bにおける各補償コイルから発生する磁束の大きさ以下であってもよい。センサ部28Aにおける各補償コイルの巻数は、センサ部28Bにおける各補償コイルの巻数よりも多くてもよく、センサ部28Bにおける各補償コイルの巻数以下であってもよい。
回転軸11のY軸方向における変位に伴うインダクタンスL1,L2の変化量及びインダクタンスL3,L4の変化量は、互いに略同一でなくてもよく、回転軸11がY軸方向の正方向又は負方向に変位したときにインダクタンスの増減が互いに反対であればよい。回転軸11のX軸方向における変位に伴うインダクタンスL5,L6の変化量及びインダクタンスL7,L8の変化量は互いに略同一でなくてもよく、回転軸11がX軸方向の正方向又は負方向に変位したときにインダクタンスの増減が互いに反対であればよい。
各変位検出コイル及び並列合成コイル部56の両端に発生する電圧が制御部60に入力されることによって、各インダクタンスの変化が検出されるが、インダクタンスの変化の検出方法はこれに限られない。例えば、制限抵抗器R1〜R4の両端の発生する電圧によって各変位検出コイルのインダクタンスの変化が検出されてもよく、制限抵抗器R5の両端に発生する電圧によって合成インダクタンスLtの変化が検出されてもよい。各変位検出コイルに流れる電流によって各変位検出コイルのインダクタンスの変化が検出されてもよく、制限抵抗器R5に流れる電流によって合成インダクタンスLtの変化が検出されてもよい。
制御部60において、電圧Vay(電圧Vax)と電圧Vby(電圧Vbx)との差分である電圧Vdy(電圧Vdx)が温度補正されることによって、電圧Vey(電圧Vex)が算出されるが、電圧Veyの算出方法はこれに限られない。制御部60は、電圧Vayを温度補正した電圧と電圧Vbyを温度補正した電圧との差分から電圧Veyを算出してもよい。電圧Vexについても上述と同様に算出されてもよい。
制御部60に、直列合成コイル部55xの両端の電圧が入力されるとともに、直列合成コイル部55yの両端の電圧が入力されもよい。この場合、直列合成コイル部55xの両端の電圧に基づいて、電圧Vdxが温度補正されてもよく、直列合成コイル部55yの両端の電圧に基づいて、電圧Vdyが温度補正されてもよい。
変位検出部26Bは、センサ部28Bに代えて、センサ部28C又はセンサ部28Dを備えてもよい。変位検出部26Aが備えるセンサ部と変位検出部26Bが備えるセンサ部との構成が互いに異なってもよい。
アキシャル磁気軸受21(スラストディスク22)は、回転軸11の端部11bではなく、Z軸方向において回転軸11の端部11bから離間する位置に設けられてもよい。この場合、端部11bに別のコンプレッサ部(インペラ)が設けられてもよい。
1 回転機械
10 モータ部
11 回転軸
15 インペラ
20 磁気軸受システム
21 アキシャル磁気軸受
24A ラジアル磁気軸受
24B ラジアル磁気軸受
26A 変位検出部
26B 変位検出部
33a コア部
33b コア部
33c コア部
33d コア部
34a 変位検出コイル
34b 変位検出コイル
34c 変位検出コイル
34d 変位検出コイル
35a 補償コイル
35b 補償コイル
35c 補償コイル
35d 補償コイル
39a コア部
39b コア部
40a 変位検出コイル
40b 変位検出コイル
41a 補償コイル
41b 補償コイル
47a、47b、47c、47d コア連結部
60 制御部

Claims (6)

  1. 第1方向に延びる回転軸を非接触で支持する磁気軸受システムであって、
    前記第1方向と交差する第2方向において前記回転軸に向けて第1磁力を発生させる第1ラジアル磁気軸受と、
    前記回転軸の前記第2方向における変位を検出するための第1変位検出部と、
    前記第1ラジアル磁気軸受を制御する制御部と、を備え、
    前記第1変位検出部は、前記第2方向において前記回転軸を挟んで互いに対向する第1コア部及び第2コア部と、前記第1コア部に設けられる第1変位検出コイル及び第1補償コイルと、前記第2コア部に設けられる第2変位検出コイル及び第2補償コイルと、を有し、
    前記第1補償コイルと前記第2補償コイルとは、互いに直列に接続され、
    前記制御部は、前記第1変位検出コイルの第1インダクタンスと前記第2変位検出コイルの第2インダクタンスとの差に応じた第1差分値を、互いに直列に接続された前記第1補償コイル及び前記第2補償コイルの第1合成インダクタンスに応じて補正することによって第1検出値を算出するとともに、前記第1検出値に基づいて前記第1磁力を制御する、
    磁気軸受システム。
  2. 前記第1変位検出部は、前記第1コア部及び前記第2コア部を互いに連結するコア連結部をさらに有する、
    請求項1に記載の磁気軸受システム。
  3. 前記第1ラジアル磁気軸受は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向において前記回転軸に向けて第2磁力を発生させ、
    前記第1変位検出部は、前記回転軸の前記第3方向における変位を検出するために、前記第3方向において前記回転軸を挟んで互いに対向する第3コア部及び第4コア部と、前記第3コア部に設けられる第3変位検出コイル及び第3補償コイルと、前記第4コア部に設けられる第4変位検出コイル及び第4補償コイルと、をさらに有し、
    前記第3補償コイルと前記第4補償コイルとは、互いに直列に接続され、
    互いに直列に接続された前記第1補償コイル及び前記第2補償コイルと、互いに直列に接続された前記第3補償コイル及び前記第4補償コイルとは、互いに並列に接続され、
    前記制御部は、
    前記第3変位検出コイルの第3インダクタンスと前記第4変位検出コイルの第4インダクタンスとの差に応じた第2差分値を、互いに直列に接続された前記第3補償コイル及び前記第4補償コイルの第2合成インダクタンスと前記第1合成インダクタンスとの第3合成インダクタンスに応じて補正することによって第2検出値を算出し、
    前記第2検出値に基づいて前記第2磁力を制御し、
    前記第1差分値を前記第3合成インダクタンスに応じて補正することによって前記第1検出値を算出する、
    請求項1又は請求項2に記載の磁気軸受システム。
  4. 前記第1変位検出コイルに電流が流れることによって第1磁束が前記第1変位検出コイルから発生し、
    前記第2変位検出コイルに電流が流れることによって第2磁束が前記第2変位検出コイルから発生し、
    互いに直列に接続された前記第1補償コイル及び前記第2補償コイルに電流が流れることによって、第3磁束が前記第1補償コイルから発生するとともに、第4磁束が前記第2補償コイルから発生し、
    前記第1磁束は前記第3磁束よりも大きく、
    前記第2磁束は前記第4磁束よりも大きい、
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の磁気軸受システム。
  5. 前記第1変位検出コイルは、第1巻数で前記第1コア部に設けられ、
    前記第2変位検出コイルは、第2巻数で前記第2コア部に設けられ、
    前記第1補償コイルは、第3巻数で前記第1コア部に設けられ、
    前記第2補償コイルは、第4巻数で前記第2コア部に設けられ、
    前記第1巻数は、前記第3巻数よりも多く、
    前記第2巻数は、前記第4巻数よりも多い、
    請求項4に記載の磁気軸受システム。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の磁気軸受システムと、前記回転軸を有するとともに前記回転軸を回転させるモータ部と、前記回転軸の端部に設けられるインペラと、を備える回転機械であって、
    前記磁気軸受システムは、前記第2方向において前記回転軸に向けて第3磁力を発生させる第2ラジアル磁気軸受と、前記回転軸の前記第2方向における変位を検出するための第2変位検出部と、前記第1方向において前記回転軸を非接触に支持するアキシャル磁気軸受と、をさらに有し、
    前記第2変位検出部は、前記第2方向において前記回転軸を挟んで互いに対向する第5コア部及び第6コア部と、前記第5コア部に設けられる第5変位検出コイル及び第5補償コイルと、前記第6コア部に設けられる第6変位検出コイル及び第6補償コイルと、を含み、
    前記第5補償コイルと前記第6補償コイルとは、互いに直列に接続され、
    前記制御部は、前記第5変位検出コイルの第5インダクタンスと前記第6変位検出コイルの第6インダクタンスとの差に応じた第3差分値を、互いに直列に接続された前記第5補償コイル及び前記第6補償コイルの第4合成インダクタンスに応じて補正することによって第3検出値を算出するとともに、前記第3検出値に基づいて前記第3磁力を制御し、
    前記インペラ、前記モータ部、及び前記アキシャル磁気軸受は、前記第1方向に沿ってこの順で配置され、
    前記第1コア部及び前記第2コア部は、前記インペラ及び前記モータ部の間に位置し、
    前記第5コア部及び前記第6コア部は、前記モータ部及び前記アキシャル磁気軸受の間に位置し、
    互いに直列に接続された前記第5補償コイル及び前記第6補償コイルに電流が流れることによって、第5磁束が前記第5補償コイルから発生するとともに、第6磁束が前記第6補償コイルから発生し、
    前記第3磁束及び前記第4磁束それぞれは、前記第5磁束及び前記第6磁束よりも大きい、
    回転機械。
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