JP2019218947A - 真空ポンプ - Google Patents

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雅嗣 眞鍋
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Abstract

【課題】真空環境下で高速回転する転がり軸受に、適切な量の潤滑流体を安定して供給することができる真空ポンプの提供。【解決手段】真空ポンプは、ポンプロータ3が設けられたシャフト10を支持するベアリング8と、ベアリング8に供給される潤滑流体が貯蔵される潤滑流体貯蔵部60と、ベアリング8と潤滑流体貯蔵部60との間の潤滑流体循環経路Rの内の回転軸側の潤滑流体循環経路に、潤滑流体を液滴状に放出する微小流量ポンプ401が形成されたMEMS素子40と、毛細管力により潤滑流体貯蔵部60の潤滑流体を微小流量ポンプ401まで移動させる毛細管構造の流路である吸引管61と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、真空ポンプに関する。
従来、ロータを転がり軸受で支持する構成の真空ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の真空ポンプはターボ分子ポンプであって、回転翼の径が小さな小型のターボ分子ポンプほどより高い回転速度が要求される。このような高速回転で使用される転がり軸受では、最適な潤滑剤供給量は非常に小さい。
従来は、特許文献1に記載の発明のように、転がり軸受の軸端側に円錐面を有したコーンを装着し、コーンの円錐面に接触する柔軟性のある潤滑剤流出部より少量ずつ潤滑剤を供給する構成としている。円錐面に付着した潤滑剤は、遠心力によってコーン径が増加する軸受側に移動し軸受内に流入する。特許文献1に記載の発明では、潤滑剤流路の出口を柔軟性のある芯で塞いで潤滑剤流出部とし、ポンプによって芯に潤滑剤を供給し、この芯をコーンの円錐面に接触させるようにしている。芯内を移送された潤滑剤は、毛管現象の作用によりコーンの円錐面に送られる。
特許第6162644号公報
しかしながら、コーンの円錐面に対する芯の組み立て誤差によって円錐面に対する芯の接触状態が変化し、接触状態によって潤滑剤の供給量が変化するという不都合がある。また、円錐面との接触による芯の摩耗等による劣化によって、潤滑剤の供給が不十分になるという問題もある。
本発明の好ましい態様による真空ポンプは、ポンプロータが設けられた回転軸を支持する転がり軸受と、前記転がり軸受に供給される潤滑流体が貯蔵される潤滑流体貯蔵部と、前記転がり軸受と前記潤滑流体貯蔵部との間の潤滑流体循環経路の内の回転軸側の潤滑流体循環経路に、潤滑流体を液滴状に放出する微小流量ポンプが形成されたMEMS素子と、毛細管力により前記潤滑流体貯蔵部の潤滑流体を前記微小流量ポンプまで移動させる毛細管構造の第1流路と、を備える。
さらに好ましい態様では、前記転がり軸受に隣接して前記回転軸に設けられ、潤滑流体循環経路の一部を構成する円錐面を有する潤滑経路部材を備え、前記円錐面の前記回転軸の軸芯からの半径は前記転がり軸受に近づくほど大きく設定され、前記微小流量ポンプから放出されて前記円錐面に付着した潤滑流体が、遠心力により前記円錐面上を前記転がり軸受の方向へ移動する。
さらに好ましい態様では、前記微小流量ポンプは潤滑流体を前記転がり軸受に向けて放出する。
さらに好ましい態様では、前記転がり軸受の振動を検出する振動センサおよび前記潤滑流体循環経路(回転軸側の潤滑流体循環経路)の温度を非接触で検出する温度センサの少なくとも一方と、前記振動センサおよび前記温度センサの少なくとも一方の検出結果に基づいて前記微小流量ポンプを駆動制御し、前記微小流量ポンプによる潤滑流体の移送量を制御する制御部と、を備える。
さらに好ましい態様では、前記振動センサおよび前記温度センサの少なくとも一方の検出結果に基づいて前記転がり軸受の劣化情報を出力する警報部をさらに備える。
さらに好ましい態様では、前記転がり軸受に隣接して前記回転軸に設けられる潤滑経路部材を備え、前記潤滑経路部材は、前記潤滑流体循環経路の一部を構成する円錐面と、 前記円錐面に接続し、前記潤滑流体循環経路の他の一部を構成する軸方向端面とを有し、前記微小流量ポンプが形成された前記MEMS素子は前記軸方向端面と対向配置され、前記微小流量ポンプから前記軸方向端面に向けて潤滑流体が液滴状に放出される。
さらに好ましい態様では、前記MEMS素子は、測温対象面である前記回転軸の表面または前記潤滑経路部材の表面から放射される赤外光を捉えて温度を計測する温度センサと、前記温度センサに導かれる赤外光が入射する赤外光入射窓とを有し、前記赤外光入射窓への潤滑流体の付着を防止する第1の保護部を備える。
さらに好ましい態様では、前記測温対象面への付着を防止する第2の保護部を備える。
さらに好ましい態様では、前記微小流量ポンプによる潤滑流体の移送量を検出する流量センサと、前記流量センサの検出結果に基づいて、前記潤滑流体貯蔵部の潤滑流体の貯蔵量を診断する診断部と、をさらに備える。
本発明によれば、真空環境下で高速回転する転がり軸受に、適切な量の潤滑流体を安定して供給することができる。
図1は、ターボ分子ポンプのポンプ本体の断面図である。 図2は、ベアリングの潤滑系を示す図である。 図3は、MEMS素子の潤滑流体送出側を示す図である。 図4は、図3のA−A断面を示す図である。 図5は、変形例(第1の変形例、第2の変形例)を示す図である。 図6は、第2の実施の形態を示す図である。 図7は、第3の実施の形態を示す図である。 図8は、第3の変形例を示す図である。 図9は、第4の変形例を示す図である。 図10は、第5の変形例を示す図である。 図11は、微小流量ポンプのみが設けられたMEMS素子を配置した場合の図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は本発明に係る真空ポンプの第1の実施の形態を示す図であり、ターボ分子ポンプ1の断面を示したものである。ターボ分子ポンプ1はポンプ本体に電力を供給する電源装置を備えるが、図1では図示を省略した。
ターボ分子ポンプ1は、排気機能部として、タービン翼を備えたターボポンプ部P1と、螺旋型の溝を備えたHolweckポンプ部P2とを備えている。もちろん、本発明は、排気機能部にターボポンプ部P1およびHolweckポンプ部P2を備えた真空ポンプに限らず、タービン翼のみを備えた真空ポンプや、ジーグバーンポンプやHolweckポンプなどのドラッグポンプのみを備えた真空ポンプや、それらを組み合わせた真空ポンプにも適用することができる。
ターボポンプ部P1は、ポンプロータ3に形成された複数段の回転翼30とベース2側に配置された複数段の固定翼20とで構成される。一方、ターボポンプ部P1の排気下流側に設けられたHolweckポンプ部P2は、ポンプロータ3に形成された円筒部31とベース2側に配置されたステータ21とで構成されている。円筒状のステータ21の内周面には螺旋溝が形成されている。複数段の回転翼30と円筒部31とが回転側排気機能部を構成し、複数段の固定翼20とステータ21とが固定側排気機能部を構成する。
ポンプロータ3はシャフト10に締結されており、そのシャフト10はモータ4により回転駆動される。モータ4には例えばDCブラシレスモータが用いられ、ベース2にモータステータ4aが設けられ、シャフト10側にはモータロータ4bが設けられている。シャフト10とポンプロータ3とから成る回転体ユニットRUは、永久磁石6a,6bを用いた永久磁石磁気軸受6と転がり軸受であるベアリング8とにより回転自在に支持されている。
永久磁石6a,6bは、軸方向に磁化されたリング状の永久磁石である。ポンプロータ3に設けられた複数の永久磁石6aは、同極同士が対向するように軸方向に複数配置されている。一方、固定側の複数の永久磁石6bは、ポンプケーシング12に固定された磁石ホルダ11に装着されている。これらの永久磁石6bも、同極同士が対向するように軸方向に複数配置されている。
ポンプロータ3に設けられた永久磁石6aの軸方向位置は、その内周側に配置された永久磁石6bの位置よりも若干上側となるように設定されている。すなわち、回転側の永久磁石の磁極は、固定側の永久磁石の磁極に対して軸方向に所定量だけずれている。この所定量の大きさによって、永久磁石磁気軸受6の支持力が異なる。図1に示す例では、永久磁石6aの方が図示上側に配置されているため、永久磁石6aと永久磁石6bとの反発力により、ラジアル方向の支持力と軸方向上向き(ポンプ排気口側方向)の力とが回転体ユニットRUに働いている。
磁石ホルダ11の中央には、ベアリング9を保持するベアリングホルダ13が固定されている。図1では、ベアリング8,9に深溝玉軸受を用いているが、これに限らず、例えばアンギュラコンタクトの軸受を用いても良い。ベアリング9は、シャフト上部のラジアル方向の振れを制限するタッチダウンベアリングとして機能するものである。定常回転状態ではシャフト10とベアリング9とが接触することはなく、大外乱が加わった場合や、回転の加速時または減速時にシャフト10の振れ回りが大きくなった場合に、シャフト10がベアリング9に接触する。
ベアリング8は、ベース2に設けられたベアリングホルダ50に保持される。ベアリングホルダ50には、ベアリング8に供給される潤滑流体を貯蔵する潤滑流体貯蔵部60と、ベアリング8に潤滑流体を供給するため微小流量ポンプを搭載するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)素子40とが設けられている。なお、MEMSとは、微細な機械要素部品、センサ、アクチュエータなどと電子回路とを一つの基板(シリコン基板、ガラス基板、有機材料など)上に集積させたデバイス・システムのことである。ベアリング8の潤滑流体には、潤滑油等の液状の潤滑剤が用いられる。
図2はベアリング8の潤滑系を示す図であり、ベアリング8と、MEMS素子40とが設けられたベアリングホルダ50の部分を詳細に示したものである。ベアリング8は外輪81,内輪82,転動体83および保持器84を備えている。外輪81の内周側の面および内輪82の外周側の面には、転動面811,821が形成されている。コーン型ナット100をシャフト10の下端に形成された雄ねじ部10aに螺合させることで、ベアリング8の内輪82がシャフト10に固定される。外輪81はベアリングホルダ50に保持される。外輪81とベアリングホルダ50との間には、外輪81の外周側に配置されるラジアルダンパー52が設けられている。ラジアルダンパー52には、例えばゴム等の弾性部材が用いられる。
潤滑流体貯蔵部60は、ベアリングホルダ50の下端(図1参照)に固定される貯蔵部ホルダ51に設けられている。また、外輪81の下端と潤滑流体貯蔵部60の上端との間には、毛細管構造体で形成された潤滑流体戻り部62が両者に接触するように設けられている。潤滑流体貯蔵部60および潤滑流体戻り部62は、フェルト状やスポンジ状の多孔質材または多孔質焼結プラスチックや多孔質焼結金属などで形成されており、多孔質材に形成された多数の微小空隙に潤滑流体が貯蔵される。多数の微小空隙が形成された多孔質材に潤滑流体が接触すると、毛細管力によって潤滑流体が多孔質材内に浸透し周囲の領域に拡がる。この毛細管力は、後述するように微小空隙の空間的な寸法と空間内面の濡れ性に依存しており、潤滑流体が潤滑系の流路に拡がるのに十分な毛細管力を有する構造のことを本実施の形態では毛細管構造と呼ぶことにする。また、適切な濡れ性が確保されたフェルト状やスポンジ状の多孔質材、多孔質焼結プラスチック、多孔質焼結金属などを、毛細管構造体と呼ぶことにする。
MEMS素子40は、コーン型ナット100の外周面100aに対向する貯蔵部ホルダ51の内周面に固定されている。コーン型ナット100の外周面100aは円錐面を構成しており、潤滑流体に対して親液性の材料で形成される。外周面100aは、シャフト10の軸芯からの半径がベアリング8に近づくほど大きくなるように設定されている。MEMS素子40には微小流量ポンプ401が搭載されており、本実施の形態では、ベアリング8への潤滑流体の供給はMEMS素子40に組み込まれた微小流量ポンプ401によって行われる。
MEMS素子40は、ケーブル42を介して接続された駆動回路301によって駆動制御される。本実施の形態では、駆動回路301はターボ分子ポンプの電源装置300に設けられているが、ポンプ本体側に設けても良い。MEMS素子40と潤滑流体貯蔵部60とは、潤滑流体貯蔵部60の潤滑流体を毛細管力によって潤滑流体をMEMS素子40へ導く吸引管61によって接続されている。吸引管61も毛細管構造体であって、例えば、管内にフェルト等の多孔質材を充填したものが用いられる。
微小流量ポンプ401は、潤滑流体貯蔵部60から供給された潤滑流体を液滴状にしてコーン型ナット100の外周面100aへ放出する。上述したように外周面100aは親液性の材料で形成されているので、外周面100aに付着した潤滑流体は面上に拡がる。上述したように、外周面100aはシャフト10の軸芯からの半径がベアリング8に近づくほど大きくなるように設定されているので、シャフト10が高速回転すると外周面100a上の潤滑流体は遠心力によって半径がより大きい方向へ移動する。すなわち、外周面100a上の潤滑流体は、外周面100a上をベアリング方向へ移動し、内輪82内へ入る。内輪82内へ入った潤滑流体の一部は、回転する転動体83を介して外輪81へ移動する。潤滑流体は転動面811,821と転動体83との間の接触で転動面811,821に拡がり、この部分の潤滑に供される。また、外輪81の転動面811から排出された潤滑流体は、潤滑流体戻り部62を介して潤滑流体貯蔵部60へと戻る。このように、潤滑流体は、図2の破線矢印で示すような潤滑流体循環経路Rで循環する。
図3はMEMS素子40を示す図であり、MEMS素子40をコーン型ナット100側から見た図である。上述したように、MEMS素子40には微小流量ポンプ401が組み込まれ、吸引管61が接続されている。吸引管61に連通する流路404と微小流量ポンプ401に連通する流路405との間には、バルブ403が設けられている。バルブ403の開閉によって、流路404と流路405との接続・遮断が制御される。微小流量ポンプ401は、液滴状の潤滑流体をノズル402から放出する。
図4は、図3のA−A断面を示す図である。図4(a)はバルブ403が閉状態の場合を示し、図4(b)はバルブ403が開状態の場合を示す。図4に示す本実施の形態の微小流量ポンプ401は、圧電素子を用いて潤滑流体を移送する構造のポンプである。圧電素子を用いるタイプの微小流量ポンプは、撓みが許容される薄板または薄板構成部分と圧電素子とを組み合わせて流体の入る容積(圧力室)を加圧することで、流体を送り出す方式のポンプである。
図4(a)および図4(b)に示すように、MEMS素子40は、上層40A、中層40B、下層40Cの3層が貼り合わされた構造となっている。なお、上層40Aについては二点鎖線で示した。微小流量ポンプ401は,圧電素子411、ダイヤフラム412および圧力室413を備えている。圧電素子411への電圧の印加は駆動回路301によって制御される。圧電素子411の上面は上層40Aに固着されており、圧電素子411の下面はダイヤフラム412に固着されている。圧力室413には、ダイヤフラム412と相対する位置にノズル402の入口となる開口部414が形成されている。開口部414は、圧力室413側に広がる円錐形状に形成されている。
バルブ403は、ダイヤフラムから成る弁体415と、弁体415を駆動する圧電素子416と、弁体415に相対する位置に設けられたバルブシート417を備えている。圧電素子416への電圧の印加は駆動回路301によって制御される。圧電素子416の上面は上層40Aに固着されており、圧電素子416の下面は弁体415に固着されている。図4(a)に示す状態では弁体415とバルブシート417とが密着しており、バルブ403は閉状態となっている。その結果、流路404と流路405とは遮断状態となっている。
図4(a)に示すバルブ閉状態において、微小流量ポンプ401の圧電素子411に電圧が印加されると、圧力室413内の潤滑流体がノズル402から液滴状となって放出される。すなわち、圧電素子411に電圧が印加されると圧電素子411が図示上下方向に伸び、ダイヤフラム412が図示下方に押し下げられて圧力室413が加圧される。その加圧によって、圧力室413内の潤滑流体の一部が開口部414を通ってノズル402から放出される。このように、MEMS素子40に形成されたノズル402から潤滑流体を液滴状に放出する構成とする場合には、ノズル402の出口までは流路表面は潤滑流体に対して濡れ性の良い親液性の材料で構成し、出口から外側(出口周辺の外表面を含む)は撥液性の材料で構成するのが好ましい。
微小流量ポンプ401の圧力室413に潤滑流体を供給する際には、バルブ403の圧電素子416に電圧を印加して図4(b)に示すようにバルブ403を開状態にする。圧電素子416に電圧が印加されると、図4(b)に示すように圧電素子416が上下方向に縮んで弁体415が上方に持ち上げられ、弁体415とバルブシート417との間に隙間が形成されてバルブ403が開状態となる。その結果、流路404と流路405とが連通する。
なお、ベアリング8および潤滑流体貯蔵部60を含む潤滑流体の循環系は真空環境中にあるので、潤滑流体の移動に大気の圧力差は利用できない。そのため、本実施の形態では、毛細管現象における毛細管力を利用して、流路404内の潤滑流体を圧力室413に移動させるような構成としている。すなわち、流路404,405や圧力室413の寸法は、適切な毛細管力が発生するような寸法に設定されている。毛細管力の詳細については後述する。
なお、図4では圧電素子を用いるタイプの微小流量ポンプ401を例に説明したが、微小流量ポンプ401の構造はこれに限定されず、他の方式の微小流量ポンプを適用しても構わない。例えば、MEMS素子40に組み込まれる微小流量ポンプとしては、流体を封じた容積内の一部を急激に加熱し、流体を気化させて泡を作って体積を増大させて流体(液部分)を押し出すという方式のものや、帯電状態の薄板(ダイヤフラム)に相対した面に電位を与えることで、静電気による反発力や吸引力により薄板を変位させ、流体を吸い込んだり押し出したりする方式等が知られている。
ところで、高速回転するシャフト10を支持するベアリング8においては、潤滑流体の撹拌損失を極力小さくして発熱を抑えると共に、転動体83の転動時に潤滑流体膜の膜切れにより固体同士が接触しないという潤滑状態が最良である。そのため、ベアリング8の転動面811,821と転動体83の表面に存在する潤滑流体膜の厚さは、これらの表面の仕上がり表面粗さの数倍程度となるようにするのが理想である。例えば、転動面811,821と転動体83の表面が二乗平均平方根粗さR=0.04μmに仕上げられている場合には、潤滑流体膜の厚さは0.12〜0.20μm程度であるのが好ましい。
上述したように、ベアリング8内に入った潤滑流体は外輪81の端部からの流出等によって少しずつ減少するので、この減少分を補うために微小流量ポンプ401によって潤滑流体を供給する。ベアリング8内の各所に1μm以下の厚さの油膜が形成されている場合、ベアリング8内に存在する潤滑流体の量は数mg(体積では数μL(マイクロリットル)に相当)程度である。毎秒当たりの流出量は流出する部分の構造によって異なるが、例えば、ベアリング8内に溜まっている潤滑流体の量の1/100〜1/10000程度の量となる。そのため、この程度の量(毎秒数nL(ナノリットル)やそれ以下という微少量)の潤滑流体を供給することにより、潤滑流体膜の厚さを良好に維持することができる。本実施の形態では、毎秒数nL(ナノリットル)やそれ以下という微少量の潤滑流体をベアリング8に供給するために、MEMS素子40に組み込まれた微小流量ポンプ401を用いることとした。
(潤滑流体循環系について)
図2に示した潤滑流体の循環系では、潤滑流体貯蔵部60の潤滑流体は、潤滑流体貯蔵部60→吸引管61→MEMS素子40→外周面100a→ベアリング8→潤滑流体戻り部62→潤滑流体貯蔵部60のように循環する。これらの潤滑流体循環経路Rの内、少なくとも潤滑流体貯蔵部60からMEMS素子40の微小流量ポンプ401までの流路においては、潤滑流体の移動に毛細管力が利用される。潤滑流体戻り部62においては重力を利用して潤滑流体を潤滑流体貯蔵部60に戻すことも可能であるが、潤滑流体戻り部62を毛細管構造体で構成して毛細管力を利用することで、ポンプ姿勢に関係なく潤滑流体を潤滑流体貯蔵部60に戻すことができる。
内径dの毛細管内の潤滑流体における真空界面には、次式(1)で計算される圧力が作用する。ただし、Tは潤滑流体の真空界面に対する張力(N/m)であり、θは潤滑流体に対する接触面の濡れ性を表す接触角である。この場合、毛細管を重力方向に沿って立てると、高さh=(4Tcosθ)/ρgdまで界面が上昇することになる。ただし、ρ=液体の密度、g=重力加速度である。すなわち、細い管やフェルト等の毛細管構造体においては、毛細管力によって潤滑流体が移動(浸透)して毛細管構造体内に拡がる。
(4Tcosθ)/d …(1)
例えば、濡れ性の良い材料として接触角がθ=15°となる部材を用い、内径がd=1.0×10−5m=10μmである流路の場合,表面張力がT=2.6×10−2N/mである潤滑流体を用いた場合、式(1)の毛細管力は10kPa程度の圧力となる。また、潤滑流体の密度をρ=1000kg/m、重力加速度をg=9.8m/sとすると、重力中における毛細管中の潤滑流体の界面の高さhは約100cmとなる。
図2に示した潤滑流体の循環系において潤滑流体貯蔵部60および潤滑流体戻り部62に毛細管構造体を用いる場合、空洞の径寸法(多孔質材の場合)や繊維の隙間間隔(フェルト等の場合)は上述した毛細管の内径dに相当し、本実施形態では、それらの寸法を適切な毛細管力が生じる程度の値以下に設定する。また、MEMS素子40に形成される流路404〜406および圧力室413の寸法も、内径dに相当する値以下に設定する。MEMS素子40の場合には、微細構造であるためそのような条件は十分満足される。さらに、吸引管61については、吸引管61の内径を上述の内径dに設定しても良いし、太い管内にフェルトのようなものを充填した毛細管構造体を用いても良い。このように、潤滑流体が循環する経路の隙間寸法を十分な毛細管力が生じる程度の寸法に設定することで、微小流量ポンプ401による潤滑流体の供給を適切に行わせることができる。
また、微小流量ポンプ401によりベアリング8へ供給すべき潤滑流体の量は、上述したように毎秒数nL(ナノリットル)程度であるが、特許第3171958号公報に記載のようなプリンタ等のインクジェットヘッドに用いられる微小流量ポンプにおいては、1パルスでピコリットルオーダーの微少量まで吐出することができる。例えば、微小流量ポンプ401を1パルスで10ピコリットルを移送可能なポンプとした場合、毎秒100パルスで潤滑流体を移送すれば、供給量は2ナノリットルとなる。すなわち、MEMS素子40に組み込まれた微小流量ポンプ401を用いることで、毎秒ナノリットルオーダーという微少量の潤滑流体をベアリング8に供給することが可能となる。なお、微小流量ポンプ401による潤滑流体の供給量(移送量)は、圧電素子411の伸縮振動の周波数を駆動回路301により制御することで調節することができる。
なお、式(1)からも明らかなように、毛細管力を決するのは、毛細管の寸法や流体界面の表面張力に加え、流体が接する面の濡れ性も重要な要素である。一般的に、MEMS素子40に用いられる単結晶シリコン等のウエハ材は、表面を化学処理する前に脱脂処理を行う必要があることからも明らかなとおり、基本的には親油性(良好な濡れ性)を持っている。しかし、加工工程の中で表面に撥油性のある物質が被膜として付着した場合、濡れ性が極端に悪くなる。そこで、MEMS素子40の加工工程では、流路の内面に撥油性(撥液性)のある物質が付着しない工程を採用することで良好な濡れ性を実現できる。
以上のように、本実施の形態では、微小流量ポンプ401が形成されたMEMS素子40を設け、潤滑流体貯蔵部60から微小流量ポンプ401へは毛管構造体である吸引管61により潤滑流体を毛細管力で移動させる。そして、微小流量ポンプ401によって、回転軸側の潤滑流体循環経路Rである転動体83や保持器84に潤滑流体を液滴状に放出するようにした。その結果、真空環境における軸受への微少量の潤滑流体供給を安定して行わせることができる。
(変形例)
上述した実施の形態では、回転軸側の潤滑流体循環経路の一つであるコーン型ナット100の外周面100aに潤滑流体を液滴状に放出する構成としたが、これ以外の領域の潤滑流体循環経路に潤滑流体を放出するようにしても良い。図5(a)に示す第1の変形例では、貯蔵部ホルダ51に設けられたMEMS素子40の微小流量ポンプ401から、回転軸側の潤滑流体循環経路の一部であるベアリング8の転動体83や保持器84に向けて潤滑流体を放出する。転動体83や保持器84に付着した潤滑流体はベアリング8の回転に伴って外輪81および内輪82の転動面811,821にも付着し、この部分の潤滑に供される。すなわち、潤滑流体は破線矢印で示すような潤滑流体循環経路Rに沿って循環する。
図5(b)は第2の変形例を示す図であり、ベアリングホルダ50に設けられたMEMS素子40の微小流量ポンプ401から、回転軸側の潤滑流体循環経路の一部であるベアリング8の転動体83や保持器84に向けて潤滑流体を放出する。この場合も、転動体83や保持器84に付着した潤滑流体はベアリング8の回転に伴って外輪81および内輪82の転動面811,821にも付着し、この部分の潤滑に供される。図5(a)および図5(b)に示す構成では、図2に示したような円錐面状の外周面100aが形成されたコーン型ナット100を用いる必要がなく、内輪82の固定には単なるナット110により行われる。
−第2の実施の形態−
図6は、第2の実施の形態を示す図である。上述した第1の実施の形態では、例えば、図3に示すように、潤滑流体循環系としての微小流量ポンプ401およびバルブ403をMEMS素子40に備えていた。一方、第2の実施の形態では、MEMS素子40は、微小流量ポンプ401およびバルブ403を備える潤滑流体循環系430に加えて、流量センサ431と、温度センサ432と、加速度センサ等の振動センサ433とを備えている。なお、図6に示す例では、流量センサ431、温度センサ432および振動センサ433の全てを備えるようにしたが、必要に応じてこれらの少なくとも一つを設けるような構成としても良い。
流量センサ431は、流路404を流れる潤滑流体の流量、すなわち、吸引管61から微小流量ポンプ401へ流れる潤滑流体の流量を計測する。温度センサ432は、ベアリング8に関する温度を計測する。振動センサ433は、ベアリング8に発生している振動を計測する。温度センサ432には、熱電対やサーモパイルを利用したものでも良いし、他の計測方法のものでも良い。
ただし、熱電対は接触している対象物の温度を計測する方式の温度センサなので、図2や図5(a),5(b)のように配置されたMEMS素子40内に搭載されている温度センサ432として熱電対を使用した場合、直接的にはMEMS素子40が装着されている貯蔵部ホルダ51やベアリングホルダ50の温度を計測することになり、計測された温度からベアリング8の温度を推定することになる。そのため、このような構成の場合には、温度センサ432には、計測対象物からの輻射を検出して温度を計測する非接触式の温度センサであるサーモパイルを用いるのが好ましい。
MEMS素子40において、微小流量ポンプ401のノズル開口(潤滑流体放出口)が設けられている側の面あるいは他の面に、温度センサ432であるサーモパイルへ計測対象からの赤外光を導く赤外光窓が形成されている場合、温度計測対象はMEMS素子40が対向する部材となる。例えば、図2の構成の場合には、MEMS素子40の符号S1で示す部分に温度センサ432の赤外光窓を設けてコーン型ナット100の温度を計測する。また、図5(a)の構成の場合には、MEMS素子40の符号S2で示す部分に温度センサ432の赤外光窓が設けられ、相対するナット110の円筒面110aの温度を計測する。図5(b)の構成の場合には、MEMS素子40の符号S3で示す部分に温度センサ432の赤外光窓が設けられ、相対するシャフト10の相対する面10bの温度を計測する。
このようにMEMS素子に流量センサ、温度センサ、振動センサ等を搭載する構成は周知であり、振動センサ433としては、例えば、特開平5−25687号公報や特許第4804468号公報などに開示されているような、特定の隙間の状態が加速度や振動によって変化することによる静電容量の変化を検出する方式のものが利用できる。流量センサ431としては、例えば、特開平6−066613号公報に開示されているような流体の移動によって生じる熱の移動を計測する方式のものが利用できる。
電源装置300には、微小流量ポンプ401およびバルブ403を駆動制御する駆動回路301と、流量センサ431,温度センサ432および振動センサ433からの計測信号が入力される演算回路302が設けられている。演算回路302は、入力された計測信号に基づいて、ベアリング8の潤滑流体に関する診断を行う。
演算回路302では、外輪81の温度の変化や外輪81に発生する振動の特徴から、ベアリング8内の潤滑の状態を推定する。図2に示すように、ベアリング8は転動体83として球体が用いられるボールベアリングである。ボールベアリングにおけるボールと内外輪の転動面の間の接触では、部分的に「すべり」のある接触になっている。一般論として、接触面間に油膜が存在する金属接触では,存在する油膜厚さを金属面の表面粗さ代表値との比の値に応じて、境界潤滑領域→混合潤滑領域→流体潤滑領域となる、いわゆるストライベック曲線で示される複数形態が現れる。
図1に示すターボ分子ポンプのベアリング8においては、流体潤滑領域内で、かつ、流体潤滑領域のなるべく混合潤滑領域に近づけた状態を維持して運転することが求められる。この領域においては、摩擦係数が最小になり、軸受の回転損失を低く抑えることができる。一方、混合潤滑領域では、潤滑油膜が切れて金属同士の接触が発生し、損失の急増や焼き付き等を引き起こす可能性がある。また、潤滑油膜が厚くなると、潤滑油の攪拌抵抗が増大し、回転損失を増大させてしまう。
そこで、演算回路302では、転動面における潤滑油膜の厚さ増減を、転動体の転動によって生じる振動の特性から推測する。例えば、潤滑油膜厚さが適正な状態(通常状態)の場合には、振動センサ433の振動データをFFTで処理すると、ロータ回転数に対応する振動数とその倍数およびベアリング8の構成部品(外輪81,内輪82,転動体83および保持器84)に対応する振動数にピークが見られる。しかし、潤滑油膜厚さが減少して混合潤滑領域に入ると、金属面の突起部分が接触するために起きる衝撃音のような突発振動が、上述したピークの振動数とは異なる位置に現れたり、前記ベアリング8の構成部品に対応する振動数のピーク値が増大する。そのため、突発振動の発生によって潤滑流体の量が適正量よりも少なくなっていることが推定できる。
また、図6のように温度センサ432も搭載している場合には、潤滑流体減少時に金属面の突起部分接触に起因する急峻な温度上昇も観測される場合が多い。そこで、上記突発振動の発生と温度上昇が観測された場合、または、突発振動の発生および急峻な温度上昇のいずれか一方が観測された場合には、潤滑流体量が減少していると推定できる。
一方、潤滑油膜が厚くなると攪拌現象が顕著になり、外輪81に現れる振動の内の特定の周波数範囲(数kHzの範囲)の振幅が全体的に増大する現象が見られる。例えば、ロータ回転数に対応する振動数の3〜7倍の周波数範囲の振幅が全体的に増大する。この周波数は、例えば、外輪転動面の一部に潤滑油膜の厚い部分が存在していれば、ほぼボールの公転周波数にボールの個数を乗じた値に近いものである。攪拌損失の場合には、その周波数付近全体が盛り上がるような特性が現れる。これは、攪拌が生じる場所がずれたり、それぞれのボールが受ける抵抗値が都度変化したりしているためと推測される。この場合も温度センサ432を搭載していると、潤滑流体が増大し攪拌減少が顕著になると温度上昇が観測される。そこで、上記特定周波数振動の発生と温度上昇が観測された場合には、潤滑流体量が過大になっていると推定できる。
演算回路302は、振動センサ433の計測データ、または、振動センサ433および温度センサ432の計測データに基づいて上述したような解析を行い潤滑流体量の減少および過剰の診断を行う。その診断結果は駆動回路301や監視装置1000に出力される。診断結果を受信した駆動回路301は、潤滑流体量が適正量よりも減少している場合には、微小流量ポンプ401による潤滑流体の供給量を増加させる。逆に、潤滑流体量が過剰な場合には、微小流量ポンプ401による潤滑流体の供給を減少または停止させてベアリング8の潤滑流体量を適正量に調整する。
また、振動センサ433の計測データは、潤滑流体の流量診断だけでなく、ベアリング8の劣化診断にも利用することができる。ベアリング8が劣化した場合には、一般的に、周波数全体に亘って振幅が増大するという状況や、劣化したベアリング8の構成部品に対応する周波数の振幅の増加が観測される。また、転動面に傷が生じたり転動面に異物が混入したりした場合には、回転数の関数となる特定の周波数で振動ピークが現れるということが多い。同様に温度センサ432で軸受内輪に近い位置部分の温度をモニタすると、この部分は放熱先が限られていることから、軸受内部劣化で回転抵抗が漸増することに起因した漸増する温度変化を捉えることができる。そのため、演算回路302は振動データからこのような振動状況が観測されたり、軸受内輪近傍で温度の漸増現象が観察された場合には、ベアリング8に劣化が生じたことを報知する警報信号を監視装置1000に出力し、保守を促す。このような動作を行うことによって、ベアリング8の劣化に適切に対処することができ、ベアリング劣化に伴うポンプ不具合の発生を防止することができる。
また、潤滑流体貯蔵部60における潤滑流体の貯蔵量が欠乏した場合、微小流量ポンプ401が正常に作動しているにもかかわらず、流量センサ431で検出される流量が適正量よりも小さくなる。このような状態で真空ポンプの運転を続けていると重大な故障を引き起こすことが予想されるので、演算回路302は、流量センサ431の検出結果に基づいて潤滑流体貯蔵部60の潤滑流体の貯蔵量を診断し、その診断結果(すなわち、保守作業が必要という旨の信号)を監視装置1000に出力し、適切な対応を促す。このような動作を行うことによって、潤滑流体貯蔵部60における潤滑流体の欠乏に起因する不具合を回避することができる。
上述したように、第2の実施の形態では、ベアリング8の振動を検出する振動センサ433または温度センサ432の少なくともいずれかからの検出結果に基づいて微小流量ポンプ401を駆動制御することで潤滑流体の移送量を制御し、ベアリング8内の潤滑流体量が過剰になったり欠乏状態になったりすることなく、適切な量に維持することができる。また、ベアリング8の劣化を診断することで、ベアリング劣化に伴う不具合の発生を防止できる。
−第3の実施の形態−
図7は、第3の実施の形態を示す図である。上述した図1に示す例ではコーン型ナット100の円錐面を成す外周面100aに液滴状の潤滑流体を放出する構成とし、図5に示した例ではベアリング8へ向けて潤滑流体を放出する構成とした。
MEMS素子40に形成された微小流量ポンプ401は微少量の潤滑流体を正確に吐出することができるので、微小流量ポンプ401から吐出された潤滑流体の全てがベアリング8に達すれば、ベアリング8への潤滑流体供給量を正確に制御することが可能になる。そのため、微小流量ポンプ401から吐出された潤滑流体の液滴の全てを、コーン型ナット100の外周面100aに確実に付着させる必要がある。
ところで、ターボ分子ポンプ1のシャフト10は高速回転しているので、コーン型ナット100の外周面100aとベース側に固定されたMEMS素子40の微小流量ポンプ401から吐出された液滴との相対速度が大きい。そのため、潤滑流体の液滴の一部が外周面100aにより弾き飛ばされてしまい、微小流量ポンプ401から吐出された潤滑流体の一部はベアリング8に供給されないおそれがある。微小流量ポンプ401の潤滑流体放出量は高い精度でコントロールしても、微小流量ポンプ401から放出されてベアリング8に至る間に潤滑流体の不確定な減少(潤滑流体循環経路からの離脱)があると、低損失でのベアリング回転状態を維持するために適正な潤滑流体供給状態の確保が難しくなる。
そのため、第3の実施の形態では、MEMS素子40の微小流量ポンプ401をコーン型ナット100の軸方向端面100bに対向させて配置し、潤滑流体の液滴を軸方向端面100bに向けて放出するような構成とした。高速回転するコーン型ナット100においては、軸方向端面100bの周速は外周面100aの周速に比べて小さいので、図2に示す構成に比べて液滴と軸方向端面100bとの相対速度を小さくすることができる。そのため、軸方向端面100bに付着せずに弾き飛ばされる液滴の量を低減することができる。軸方向端面100bに付着した潤滑流体は遠心力によって軸方向端面100bの外縁方向に移動した後に外周面100aへと移動し、外周面100a上をベアリング8の方向へと移動する。なお、液滴と軸方向端面100bとの相対速度をできるだけ小さくするためには、軸方向端面100bの回転軸に近い領域に液滴を放出するのが好ましい。
コーン型ナット100の軸芯には、六角穴100cが貫通するように形成されている。コーン型ナット100をシャフト10の雄ねじ部10aに固定する際には、この六角穴100cに六角レンチ等の工具を挿入してコーン型ナット100を締め込むようにする。MEMS素子40は、上述したように微小流量ポンプ401が軸方向端面100bに対向し、かつ、温度センサ432の赤外光窓432aが六角穴100cに対向するように配置される。すなわち、温度センサ432は、シャフト10の雄ねじ部10aの端面101から放出される赤外線を検出し、シャフト10の温度をモニタする。
MEMS素子40には、赤外光窓432aの周囲を囲むように筒状の保護部440が設けられている。保護部440は、微小流量ポンプ401から放出される潤滑流体の液滴が赤外光窓432aに付着するのを防止する部材である。液滴が赤外光窓432aに付着すると、温度センサ432による正しい温度計測が困難になる。そのため、赤外光窓432aが、液滴を放出する微小流量ポンプ401と、液滴が弾き飛ばされるおそれのある軸方向端面100bとから見通せないように、保護部440が設けられている。保護部440を設けたことにより、微小流量ポンプ401から放出された液滴が赤外光窓432aに飛来して付着するのを防止することができる。また、仮に、液滴が軸方向端面100bで弾き飛ばされたとしても保護部440に遮られ、弾き飛ばされた液滴が赤外光窓432aに付着するおそれがない。
なお、微小流量ポンプ401および軸方向端面100bからの液滴の飛来を防止するためだけであれば、保護部440の先端の軸方向位置は軸方向端面100bと略同一位置であれば十分といえる。図7に示す例では、保護部440の高さ寸法は、保護部440の先端が六角穴100cの内部まで挿入されるような寸法に設定されている。このように保護部440を六角穴100cの内部まで挿入することにより、微小流量ポンプ401からシャフト10の端面101を見通せなくなる。そのため、微小流量ポンプ401から放出された潤滑流体の液滴が温度計測対象面であるシャフト10の端面101に付着するのを防止することができる。
温度計測対象面に潤滑流体が付着すると、温度計測対象面から放射される赤外光の状態が変化し温度計測値の精度が劣化する。図7に示す例では、保護部440を六角穴100cに挿入することで温度計測対象面への潤滑流体の付着が防止され、温度計測値の精度劣化を防止することができる。なお、保護部440の六角穴100cへの挿入量は、保護部440と六角穴100cとの隙間寸法等を考慮して適宜設定される。
図7に示す例では、コーン型ナット100の軸方向端面100bを回転軸に垂直な平面としたが、必ずしも平面に限定されない。例えば、軸方向端面100bをコーン型ナット100の下端から図示上方に拡がる緩いテーパ面(円錐面)としたり、円錐状の外周面100aに繋がる曲面の一部を成す、曲率の緩い曲面で形成したりしても良い。また、コーン型ナット100の軸方向端面100bが形成された端部を貫通する穴を六角穴100cとし、その六角穴100cをコーン型ナット100の締め付けにも利用した。しかし、貫通穴以外の箇所を締め付けに利用する構成の場合には、貫通穴は六角穴に限定されない。
(第3の変形例)
図8は、図7に示す第2の実施の形態の変形例である第3の変形例を示す図である。第3の変形例では、MEMS素子40における潤滑流体の液滴が放出される面(以下では、放出面と呼ぶことにする)410と、赤外光窓432aが設けられている面419とに段差Δhを設けると共に、保護部440をコーン型ナット100に固定するようにした。段差Δhは赤外光窓432aの突出量よりも大きく設定されており、放出面410から赤外光窓432aを見通せない構成になっている。さらに、保護部440の存在により、軸方向端面100bから赤外光窓432aを見通すこともできない。また、保護部440を設けたことにより、放出面410からコーン型ナット100の端面101を見通すことはできない。
図8に示すような構成とすることで、赤外光窓432aおよびシャフト10の端面101に潤滑流体が付着するのを防止することができる。特に、第3の変形例では、図7の構成のように保護部440とコーン型ナット100の貫通穴(六角穴)との間に隙間が形成されないので、微小流量ポンプ401から放出された潤滑流体の液滴が端面101に付着するのを確実に防止することができる。
(第4の変形例)
なお、図7、8に示す例では、コーン型ナット100を貫通する六角穴100cを形成したが、図9に示す第4の変形例のようにコーン型ナット100の端面に凹部100dを形成し、凹部100dに保護部440を固定するようにしても良い。MEMS素子40の構成は図8に示すMEMS素子40と同様である。この場合、温度センサ432は凹部100dの底面から放射される赤外光を検出し、コーン型ナット100の温度を計測する。
(第5の変形例)
図10は、第5の変形例を示す図である。第5の変形例では、コーン型ナット100の軸方向端面100bに六角柱の凸部100eを形成している。MEMS素子40の構成は図8,9に示すMEMS素子40と同様である。凸部100eは、凸部100eの先端面が、放出面410とほぼ同一面上または放出面410よりも赤外光窓432a側となるように形成されている。温度センサ432は凸部100eに対向しており、凸部100eの表面(先端面)から放出された赤外光を検出し、コーン型ナット100の温度を計測する。
図10に示す構成では、MEMS素子40には段差Δhが形成されているので、放出面410から赤外光窓432aを見通すことはできない。また、放出面410から、温度センサ432の計測対象面である凸部100eの端面102を見通すことはできない。そのため、微小流量ポンプ401から放出された潤滑流体の液滴が赤外光窓432aおよび凸部100eの端面102に付着するのを防止することができる。さらに、凸部100eの存在により、軸方向端面100bから赤外光窓432aを見通すことができないので、仮に液滴が軸方向端面100bで弾き飛ばされることがあったとしても、液滴が赤外光窓432aに付着することは無い。
なお、六角柱の凸部100eはコーン型ナット100の締め付けに利用される。しかし、貫通穴以外の箇所を締め付けに利用する構成の場合には、凸部100eは六角柱に限定されず、例えば円柱であっても構わない。また、図11に示すように、コーン型ナット100の軸方向端面100bに対向するように配置されたMEMS素子40に、微小流量ポンプ401のみが設けられる構成であっても良い。温度センサの図示は省略したが、温度センサはMEMS素子40とは異なる他の位置に配置されている。
上述した複数の例示的な実施の形態および変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
[1]一態様に係る真空ポンプは、ポンプロータが設けられた回転軸を支持する転がり軸受と、前記転がり軸受に供給される潤滑流体が貯蔵される潤滑流体貯蔵部と、前記転がり軸受と前記潤滑流体貯蔵部との間の潤滑流体循環経路の内の回転軸側の潤滑流体循環経路に、潤滑流体を液滴状に放出する微小流量ポンプが形成されたMEMS素子と、毛細管力により前記潤滑流体貯蔵部の潤滑流体を前記微小流量ポンプまで移動させる毛細管構造の第1流路と、を備える。
図2に示すように、潤滑流体貯蔵部60の潤滑流体は、毛細管構造の流路である吸引管61でMEMS素子40に形成された微小流量ポンプ401まで移動され、微小流量ポンプ401から潤滑流体循環経路の一部であるコーン型ナット100の外周面100aに液滴状に放出される。その結果、ベアリング8に適切な量の潤滑流体を安定して供給することができる。
[2]上記[1]に記載の真空ポンプにおいて、前記転がり軸受に隣接して前記回転軸に設けられ、潤滑流体循環経路の一部を構成する円錐面を有する潤滑経路部材を備え、前記円錐面の前記回転軸の軸芯からの半径は前記転がり軸受に近づくほど大きく設定され、前記微小流量ポンプから放出されて前記円錐面に付着した潤滑流体が、遠心力により前記円錐面上を前記転がり軸受の方向へ移動する。
図2に示すように、コーン型ナット100の外周面100aは円錐面で構成され、円錐面のシャフト10の軸芯からの半径をベアリング8に近づくほど大きく設定することで、外周面100aに付着した潤滑流体を遠心力によりベアリング8の方向へ効果的に移動させることができる。
[3]上記[1]に記載の真空ポンプにおいて、前記微小流量ポンプは潤滑流体を前記転がり軸受に向けて放出する。図5(a)または図5(b)に示すように、微小流量ポンプ401からベアリング8に向けて潤滑流体を放出するようにしても良く、この場合には、円錐面形状の外周面100aを有するコーン型ナット100を必要としない。
[4]上記[1]から[3]までのいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、前記転がり軸受の振動を検出する振動センサおよび前記潤滑流体循環経路の温度を非接触で検出する温度センサの少なくとも一方と、前記振動センサおよび前記温度センサの少なくとも一方の検出結果に基づいて前記微小流量ポンプを駆動制御し、前記微小流量ポンプによる潤滑流体の移送量を制御する制御部と、を備える。図6に示すように、振動センサ433および温度センサ432の少なくとも一方の検出結果に基づいて微小流量ポンプ401を駆動制御して潤滑流体の移送量を制御することで、ベアリング8の状況に応じて適切な量の潤滑流体を供給することができる。
[5]上記[4]に記載の真空ポンプにおいて、前記振動センサおよび前記温度センサの少なくとも一方の検出結果に基づいて前記転がり軸受の劣化情報を出力する警報部をさらに備える。警報部から出力される劣化情報に基づいて、転がり軸受に対する適切な対応を行うことができる。
[6]上記[1]に記載の真空ポンプにおいて、前記転がり軸受に隣接して前記回転軸に設けられる潤滑経路部材を備え、前記潤滑経路部材は、前記潤滑流体循環経路の一部を構成する円錐面と、前記円錐面に接続し、前記潤滑流体循環経路の他の一部を構成する軸方向端面とを有し、前記微小流量ポンプが形成された前記MEMS素子は前記軸方向端面と対向配置され、前記微小流量ポンプから前記軸方向端面に向けて潤滑流体が液滴状に放出される。
図7に示すように、微小流量ポンプ401が形成されたMEMS素子40をコーン型ナット100の軸方向端面100bに対向させて配置し、そのMEMS素子40に設けられた微小流量ポンプ401から潤滑流体の液滴を軸方向端面100bに向けて放出することで、液滴と液滴の付着面である軸方向端面100bとの相対速度をより小さくすることができる。その結果、液滴が弾き飛ばされることなく確実に潤滑流体を軸方向端面100bに付着させることができ、潤滑流体をベアリング8に安定供給することができる。
[7]上記[6]に記載の真空ポンプにおいて、前記MEMS素子は、測温対象面である前記回転軸の表面または前記潤滑経路部材の表面から放射される赤外光を捉えて温度を計測する温度センサと、前記温度センサに導かれる赤外光が入射する赤外光入射窓とを有し、前記赤外光入射窓への潤滑流体の付着を防止する第1の保護部を備える。図7に示すように赤外光窓432aの周囲を囲むように筒状の保護部440を設けることによって、赤外光窓432aへの潤滑流体の付着を防止することができ、温度センサ432による正しい温度計測を確実に行うことができる。
[8]上記[7]に記載の真空ポンプにおいて、前記測温対象面への付着を防止する第2の保護部を備える。例えば、図7や図8に示す保護部440は第2の保護部として機能しており、温度計測対象面であるシャフト10の端面101に微小流量ポンプ401から放出された潤滑流体の液滴が付着するのを防止している。その結果、端面101への潤滑流体の付着による温度計測値精度の劣化を防止することができる。
[9]上記[1]から[8]までのいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、前記微小流量ポンプによる潤滑流体の移送量を検出する流量センサと、前記流量センサの検出結果に基づいて、前記潤滑流体貯蔵部の潤滑流体の貯蔵量を診断する診断部と、をさらに備える。診断部として機能する演算回路302(図6参照)は、流量センサ431の検出結果に基づいて潤滑流体貯蔵部60の潤滑流体の貯蔵量を診断する。その診断結果を利用することにより、例えば、潤滑流体貯蔵部60における潤滑流体の欠乏に起因する不具合を回避することができる。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、これらを組み合わせても良い。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。例えば、真空ポンプとして潤滑流体で潤滑を行う軸受でポンプロータの回転軸を支持するターボ分子ポンプを例に説明したが、ターボ分子ポンプに限らず、高速回転するポンプロータの回転軸を潤滑流体で潤滑する転がり軸受で支持する真空ポンプであれば、同様に適用することができる。
1…ターボ分子ポンプ、3…ポンプロータ、8,9…ベアリング、10…シャフト、13,50…ベアリングホルダ、40…MEMS素子、60…潤滑流体貯蔵部、61…吸引管、62…潤滑流体戻り部、81…外輪、82…内輪、83…転動体、100…コーン型ナット、100a…外周面、100b…軸方向端面、300…電源装置、301…駆動回路、302…演算回路、401…微小流量ポンプ、402…ノズル、403…バルブ、404,405〜406…流路、411,426…圧電素子、412…ダイヤフラム、413…圧力室、425…弁体、427…バルブシート、430…潤滑流体循環系、431…流量センサ、432…温度センサ、432a…赤外光窓、433…振動センサ、440…保護部、500,502,812…貫通穴、811,821…転動面、1000…監視装置、R…潤滑流体循環経路

Claims (9)

  1. ポンプロータが設けられた回転軸を支持する転がり軸受と、
    前記転がり軸受に供給される潤滑流体が貯蔵される潤滑流体貯蔵部と、
    前記転がり軸受と前記潤滑流体貯蔵部との間の潤滑流体循環経路の内の回転軸側の潤滑流体循環経路に、潤滑流体を液滴状に放出する微小流量ポンプが形成されたMEMS素子と、
    毛細管力により前記潤滑流体貯蔵部の潤滑流体を前記微小流量ポンプまで移動させる毛細管構造の第1流路と、を備える真空ポンプ。
  2. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記転がり軸受に隣接して前記回転軸に設けられ、潤滑流体循環経路の一部を構成する円錐面を有する潤滑経路部材を備え、
    前記円錐面の前記回転軸の軸芯からの半径は前記転がり軸受に近づくほど大きく設定され、前記微小流量ポンプから放出されて前記円錐面に付着した潤滑流体が、遠心力により前記円錐面上を前記転がり軸受の方向へ移動する、真空ポンプ。
  3. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記微小流量ポンプは潤滑流体を前記転がり軸受に向けて放出する、真空ポンプ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
    前記転がり軸受の振動を検出する振動センサおよび前記潤滑流体循環経路の温度を非接触で検出する温度センサの少なくとも一方と、
    前記振動センサおよび前記温度センサの少なくとも一方の検出結果に基づいて前記微小流量ポンプを駆動制御し、前記微小流量ポンプによる潤滑流体の移送量を制御する制御部と、を備える真空ポンプ。
  5. 請求項4に記載の真空ポンプにおいて、
    前記振動センサおよび前記温度センサの少なくとも一方の検出結果に基づいて前記転がり軸受の劣化情報を出力する警報部をさらに備える、真空ポンプ。
  6. 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
    前記転がり軸受に隣接して前記回転軸に設けられる潤滑経路部材を備え、
    前記潤滑経路部材は、
    前記潤滑流体循環経路の一部を構成する円錐面と、
    前記円錐面に接続し、前記潤滑流体循環経路の他の一部を構成する軸方向端面とを有し、
    前記微小流量ポンプが形成された前記MEMS素子は前記軸方向端面と対向配置され、前記微小流量ポンプから前記軸方向端面に向けて潤滑流体が液滴状に放出される、真空ポンプ。
  7. 請求項6に記載の真空ポンプにおいて、
    前記MEMS素子は、
    測温対象面である前記回転軸の表面または前記潤滑経路部材の表面から放射される赤外光を捉えて温度を計測する温度センサと、
    前記温度センサに導かれる赤外光が入射する赤外光入射窓とを有し、
    前記赤外光入射窓への潤滑流体の付着を防止する第1の保護部を備える、真空ポンプ。
  8. 請求項7に記載の真空ポンプにおいて、
    前記測温対象面への付着を防止する第2の保護部を備える、真空ポンプ。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の真空ポンプにおいて、
    前記微小流量ポンプによる潤滑流体の移送量を検出する流量センサと、
    前記流量センサの検出結果に基づいて、前記潤滑流体貯蔵部の潤滑流体の貯蔵量を診断する診断部と、をさらに備える真空ポンプ。
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