JP2019218803A - 水栓装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設計の自由度を向上させることができると共に、製造コストを抑制することができる水栓装置を提供する。【解決手段】本発明の水栓装置1は、台座部材16と、外殻部材8と、外殻部材8の支柱部8a内に挿入されその一端側が台座部材に固定されるケーシング部材40と、湯及び水をそれぞれ供給する湯供給管44及び水供給管46と、ケーシング部材の他端側に設けられたシングルレバーカートリッジ54と、ケーシング部材の内部に設けられ湯供給管及び水供給管とシングルレバーカートリッジとを接続する接続部材50と、シングルレバーカートリッジを接続部材に固定する固定部材56と、を備え、ケーシング部材40は、概ね少なくとも半筒状に形成された本体部25と、本体部25の他端側に連続する他側弾性部材保持部26と、を有しており、本体部25及び他側弾性部材保持部26は金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、水栓装置及びその製造方法に係り、特に、給湯源から供給される湯と給水源から供給される水とを混合した湯水を吐止水可能にする水栓装置及びその製造方法に関する。
従来から、給湯源から供給される湯と給水源から供給される水とを混合した湯水を吐止水可能にする水栓装置として、例えば、特許文献1に記載されているように、水栓装置の種類に応じた形状に形成された外殻部材を備えているものが知られている。
また、この従来の水栓装置の外殻部材の内部には、別体のケーシング部材が挿入されている。このケーシング部材には、水栓機能ユニットが内蔵されており、この水栓機能ユニットは、給水源及び給水源のそれぞれから一次側流路により供給された湯と水とを混合し、この混合した湯水を吐止水する機能を備えている。
欧州特許出願公開第2586919号明細書
しかしながら、上述した従来の水栓装置においては、外殻部材の内部に挿入されているケーシング部材が樹脂材料で形成されているため、水栓装置の種類に応じた外殻部材の寸法や形状に応じて、射出成形用の型を用意する必要があり、製造コストがかかるという問題がある。
また、従来の水栓装置の樹脂製のケーシング部材については、金属製のものに比べて強度が低く、経年変化等による耐久性も低いという問題もある。これにより、長期的な安全性を確保するためには、点検や部品交換等のメンテナンスにおいてもコストがかかるという問題がある。
一方、従来の水栓装置のケーシング部材について、仮に、樹脂材料とは異なる銅合金等の金属を用いて鋳造した場合には、銅合金から鉛成分が溶出することを規制する対策が必要となるという問題や、ケーシング部材のサイズ自体も大型化するという問題、或いは、銅価格の相場変動に影響を受け易いという問題もある。
また、常時湯水に晒される水栓装置の事情を考慮し、ケーシング部材として耐食性が高いステンレス材料を採用した場合には、ステンレス材料が高い加工精度で加工することが難しいという問題もある。
したがって、脱銅合金や脱鋳物を実現し、銅合金以外の素材を活用し、水栓装置の種類に応じて様々な仕様に対しても、いかに製造コストを抑制しつつ、設計の自由度を高めていくかが、近年要請された課題となっている。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題や近年要請された課題を解決するためになされたものであり、設計の自由度を向上させることができると共に、製造コストを抑制することができる水栓装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
給湯源から供給される湯と給水源から供給される水とを混合した湯水を吐止水可能にする水栓装置であって、上記水栓装置が設置される設置面に固定される台座部材と、上記台座部材に取り付けられる概ね筒状の支柱部を備えた外殻部材と、この外殻部材の支柱部内に挿入され、その一端側が上記台座部材に固定される金属製のケーシング部材と、このケーシング部材の内部に設けられ、上記台座部材から下流側にそれぞれ延びて湯及び水をそれぞれ供給する一次側流路を形成する湯供給流路及び水供給流路と、上記ケーシング部材の他端側の内部に設けられたシングルレバーカートリッジであって、上記湯供給流路及び上記水供給流路から供給される湯水の混合比と流量を調整する開閉弁と、この開閉弁の開閉操作を可能にする単一のレバーと、を備えた上記シングルレバーカートリッジと、上記ケーシング部材の内部に設けられ、上記湯供給流路及び上記水供給流路のそれぞれの下流端と上記シングルレバーカートリッジとを接続する接続部材と、上記シングルレバーカートリッジを上記接続部材に固定する固定部材と、を有し、上記ケーシング部材は、側面に流出穴を有する本体部と、上記本体部の他端側に連続する他側弾性部材保持部と、を有しており、上記本体部及び上記他側弾性部材保持部は、上記外殻部材の支柱部内に挿入可能な寸法で金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されており、上記他側弾性部材保持部には、他側環状弾性部材が保持されており、上記他側環状弾性部材は、上記外殻部材の上記支柱部の内周面と上記ケーシング部材の外周面との間を水密にシールしていることを特徴とする水栓装置である。
このように構成された本発明においては、水栓装置を組み立てる際、水栓装置の種類に応じた形状に形成された外殻部材の概ね筒状の支柱部内に対して、概ね少なくとも半筒状の金属製のケーシング部材が挿入される。その際、予め、金属製のケーシング部材により、水栓装置の種類に応じた形状の外殻部材に応じて、その支柱部内の軸方向のスペースや距離寸法を定めることができると共に、支持部内に挿入されている内部構造の強度を高めることができる。
さらに、金属製のケーシング部材については、水栓装置の種類に応じた形状の外殻部材の支柱部内に挿入可能に金属製の板材又は管材によって概ね少なくとも半筒状に形成することができる。これにより、ケーシング部材が樹脂材料で射出成形された場合や金属材料で鋳造成形された場合に比べて、水栓装置の種類に応じた外殻部材の形状毎にケーシング部材の成形用の型を用意する必要がないため、比較的安価な加工方式でケーシング部材の寸法や形状を容易に調整することができる。
また、ケーシング部材が金属製の板材又は管材によって概ね少なくとも半筒状に形成されるため、ケーシング部材について、必要な強度を保ちながら、薄く形成することもできる。これにより、水栓装置の内部寸法を抑制することができる。
さらに、水栓装置の種類に応じた様々な形状の外殻部材に対しても、ある程度共通化させたケーシング部材を用意しておけば、このケーシング部材の一部に切断加工等を施すだけで、比較的安価な加工方式で所望の軸方向の寸法に調整することができる。これにより、例えば台座部材と接続部材との間のケーシング部材の軸方向の寸法距離についても、ケーシング部材の軸方向の寸法に応じて自由に設定することができる。また、軸方向の寸法を調整した状態のケーシング部材を外殻部材の支柱部内に挿入するだけで、簡単に組み付けることができる。
これらの結果、水栓装置の設計の自由度を向上させることができると共に、製造コストを抑制することができる。
そして更に、本発明においては、ケーシング部材が、概ね少なくとも半筒状に形成されて側面に流出穴を有する本体部と、上記本体部の他端側に連続する他側弾性部材保持部と、を有しており、当該本体部及び当該他側弾性部材保持部は、上記外殻部材の支柱部内に挿入可能な寸法で金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されている。すなわち、本発明は、金属製の板材又は管材によって概ね少なくとも半筒状に形成される領域内に弾性部材保持部(環状部材を保持できる構成)を直接的に形成することが難しい、という本件発明者の知見に対して、新規な解決策を提示したものである。塑性変形加工としては、具体的には、絞り加工、プレスビード加工、種々の金属管の端末加工等が採用され得る。
本発明の他側弾性部材保持部には、他側環状弾性部材が保持されて、当該他側環状弾性部材は、外殻部材の支柱部の内周面とケーシング部材の外周面との間を水密にシールする。これにより、ケーシング部材の外周面の周囲に流路を形成することが容易となる。
例えば、上記他側弾性部材保持部は、上記本体部から径方向外側に広がって上記他側環状弾性部材の他側面を保持する他側フランジ部を有している。
これによれば、他側環状弾性部材を容易に保持することができる。
上記他側環状弾性部材の一側面は、外殻部材の支柱部の内面によって保持されてもよいし、外殻部材の支柱部の内面に沿って配置され得る別個のスペーサ部材によって保持されてもよい。
あるいは、上記他側弾性部材保持部は、上記本体部から径方向外側に広がって上記他側環状弾性部材の一側面を保持する他側内方突出部を有していてもよい。
これによれば、他側弾性部材保持部のみによって他側環状弾性部材をより確実に保持することができる。
他側環状弾性部材をより確実に保持するという目的では、前記他側内方突出部は、周方向に連続的なフランジ状に設けられていることが好ましい。
但し、他側弾性部材保持部は塑性変形によって形成されており、応力腐食割れが懸念されるため、水と接触する面積をできるだけ小さくすることが望ましい。従って、例えば他側フランジ部が円形状であって、他側内方突出部も円形状である場合において、他側内方突出部の外径が他側フランジ部の外径よりも小さいことが好ましく、及び/または、他側内方突出部は、周方向に離散的に配置された複数の突出要素を有することが好ましい。
また、本発明の水栓装置は、上記他側弾性部材保持部の更に他端側に連続する他側シール面提供部を更に有しており、上記他側シール面提供部の内周面と上記シングルレバーカートリッジの外周面との間が水密にシールされていることが好ましい。
他側弾性部材保持部は塑性変形によって形成されるため、一般に高い寸法精度を得ることが難しい。他側弾性部材保持部とは別領域に他側シール面提供部を設けることで、当該他側シール面提供部の内周面とシングルレバーカートリッジの外周面との間をより確実に水密にシールすることができる。
本発明の水栓装置は、好ましくは、上記流出穴に対して上記他側環状弾性部材とは反対側の領域において、上記外殻部材の上記支柱部の内周面と上記ケーシング部材の外周面との間を水密にシールする一側環状弾性部材を更に備える。
この場合、ケーシング部材の外周面の周囲において、上記流出穴と連通する流路を形成することが更に容易となる。
更に好ましくは、上記ケーシング部材は、上記本体部の一端側に連続する一側弾性部材保持部を更に有しており、上記一側弾性部材保持部、上記本体部及び上記他側弾性部材保持部が、上記外殻部材の支柱部内に挿入可能な寸法で金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されており、上記一側弾性部材保持部には、一側環状弾性部材が保持されており、上記一側環状弾性部材も、上記外殻部材の上記支柱部の内周面と上記ケーシング部材の外周面との間を水密にシールしている。
すなわち、他側弾性部材保持部と同様に、一側弾性部材保持部も、金属製の板材又は管材から本体部と一体的に形成されている。この特徴も、金属製の板材又は管材によって概ね少なくとも半筒状に形成される領域内に弾性部材保持部(環状部材を保持できる構成)を直接的に形成することが難しい、という本件発明者の知見に対して、新規な解決策を提示したものである。塑性変形加工としては、具体的には、絞り加工、プレスビード加工、種々の金属管の端末加工等が採用され得る。
一側弾性部材保持部には、一側環状弾性部材が保持されて、当該一側環状弾性部材は、外殻部材の支柱部の内周面とケーシング部材の外周面との間を水密にシールする。これにより、ケーシング部材の外周面の周囲において、上記流出穴と連通する流路を形成することが更に容易となる。
例えば、上記一側弾性部材保持部は、上記本体部から径方向外側に広がって上記一側環状弾性部材の一側面を保持する一側フランジ部を有している。
これによれば、一側環状弾性部材を容易に保持することができる。
上記一側環状弾性部材の他側面は、外殻部材の支柱部の内面によって保持されてもよいし、外殻部材の支柱部の内面に沿って配置され得る別個のスペーサ部材によって保持されてもよい。
あるいは、上記一側弾性部材保持部は、上記本体部から径方向外側に広がって上記一側環状弾性部材の他側面を保持する一側内方突出部を有していてもよい。
これによれば、一側弾性部材保持部のみによって一側環状弾性部材をより確実に保持することができる。
一側環状弾性部材をより確実に保持するという目的では、前記一側内方突出部は、周方向に連続的なフランジ状に設けられていることが好ましい。
但し、一側弾性部材保持部は塑性変形によって形成されており、応力腐食割れが懸念されるため、水と接触する面積をできるだけ小さくすることが望ましい。従って、例えば一側フランジ部が円形状であって、一側内方突出部も円形状である場合において、一側内方突出部の外径が一側フランジ部の外径よりも小さいことが好ましく、また、一側内方突出部は、周方向に離散的に配置された複数の突出要素を有することが好ましい。
また、本発明は、給湯源から供給される湯と給水源から供給される水とを混合した湯水を吐止水可能にする水栓装置の製造方法であって、上記水栓装置の設置面に固定される台座部材を準備する工程と、上記台座部材に取り付けられる概ね筒状の支柱部を備えた外殻部材を準備する工程と、上記台座部材に取り付けられる概ね筒状の支柱部を備えた外殻部材を準備する工程と、上記外殻部材の支柱部内に挿入される金属製のケーシング部材であって、概ね少なくとも半筒状に形成されて本体部と、上記本体部の他端側に連続する他側弾性部材保持部と、を有するケーシング部材を準備する工程と、給湯源の湯を供給する湯供給流路及び給水源の水を供給する水供給流路をそれぞれ準備する工程と、上記湯供給流路及び上記水供給流路から供給される湯水の混合比と流量を調整する開閉弁と、この開閉弁の開閉操作を可能にする単一のレバーと、を備え、上記ケーシング部材に設けられるシングルレバーカートリッジを準備する工程と、上記湯供給流路及び上記水供給流路のそれぞれの下流端と上記シングルレバーカートリッジとを上記ケーシング部材の内部で接続する接続部材を準備する工程と、上記シングルレバーカートリッジを上記接続部材に固定する固定部材を準備する工程と、を有し、上記金属製のケーシング部材を準備する工程において、金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に上記本体部及び上記他側弾性部材保持部が上記外殻部材の支柱部内に挿入可能な寸法で形成され、上記ケーシング部材を準備する工程の後に、上記弾性部材保持部に他側環状弾性部材が保持され、上記他側環状弾性部材が上記外殻部材の上記支柱部の内周面と上記ケーシング部材の外周面との間を水密にシールするように上記外殻部材と上記ケーシング部材とを組み付ける工程が実施されることを特徴とする水栓装置の製造方法である。
このように構成された本発明においては、水栓装置を組み立てる際、水栓装置の種類に応じた形状に形成された外殻部材の概ね筒状の支柱部内に対して、概ね少なくとも半筒状の金属製のケーシング部材が挿入される。その際、予め、金属製のケーシング部材により、水栓装置の種類に応じた形状の外殻部材に応じて、その支柱部内の軸方向のスペースや距離寸法を定めることができると共に、支持部内に挿入されている内部構造の強度を高めることができる。
さらに、金属製のケーシング部材については、水栓装置の種類に応じた形状の外殻部材の支柱部内に挿入可能に金属製の板材又は管材によって概ね少なくとも半筒状に形成することができる。これにより、ケーシング部材が樹脂材料で射出成形された場合や金属材料で鋳造成形された場合に比べて、水栓装置の種類に応じた外殻部材の形状毎にケーシング部材の成形用の型を用意する必要がないため、比較的安価な加工方式でケーシング部材の寸法や形状を容易に調整することができる。
また、ケーシング部材が金属製の板材又は管材によって概ね少なくとも半筒状に形成されるため、ケーシング部材について、必要な強度を保ちながら、薄く形成することもできる。これにより、水栓装置の内部寸法を抑制することができる。
さらに、水栓装置の種類に応じた様々な形状の外殻部材に対しても、ある程度共通化させたケーシング部材を用意しておけば、このケーシング部材の一部に切断加工等を施すだけで、比較的安価な加工方式で所望の軸方向の寸法に調整することができる。これにより、例えば台座部材と接続部材との間のケーシング部材の軸方向の寸法距離についても、ケーシング部材の軸方向の寸法に応じて自由に設定することができる。また、軸方向の寸法を調整した状態のケーシング部材を外殻部材の支柱部内に挿入するだけで、簡単に組み付けることができる。
これらの結果、水栓装置の設計の自由度を向上させることができると共に、製造コストを抑制することができる。
そして更に、本発明においては、ケーシング部材が、概ね少なくとも半筒状に形成される本体部と、上記本体部の他端側に連続する他側弾性部材保持部と、を有しており、当該本体部及び当該他側弾性部材保持部は、上記外殻部材の支柱部内に挿入可能な寸法で金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されている。すなわち、本発明は、金属製の板材又は管材によって概ね少なくとも半筒状に形成される領域内に弾性部材保持部(環状部材を保持できる構成)を直接的に形成することが難しい、という本件発明者の知見に対して、新規な解決策を提示したものである。塑性変形加工としては、具体的には、絞り加工、プレスビード加工、種々の金属管の端末加工等が採用され得る。
本発明の他側弾性部材保持部には、他側環状弾性部材が保持されて、当該他側環状弾性部材は、外殻部材の支柱部の内周面とケーシング部材の外周面との間を水密にシールする。これにより、ケーシング部材の外周面の周囲に流路を形成することが容易となる。
本発明の水栓装置及びその製造方法によれば、設計の自由度を向上させることができると共に、製造コストを抑制することができる。
本発明の第1実施形態による水栓装置を斜め前方から見た概略斜視図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置全体の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置の中央側面断面図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置の水栓機能ユニットを分解した斜視図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置の水栓機能ユニットの正面断面図であり、湯側及び水側のそれぞれの一次側流路の縦断面を示す。 図3に示す本発明の第1実施形態による水栓装置の中央側面断面図において、水栓機能ユニットの上方部分を拡大した部分拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による水栓装置のケーシング部材の斜視図である。 図8のVIII−VIII線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態による水栓装置のケーシング部材の斜視図である。 図9のX−X線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態による水栓装置のケーシング部材の斜視図である。 図11のXII−XII線に沿った断面図である。 本発明の第4実施形態による水栓装置のケーシング部材の斜視図である。 図13のXIV−XIV線に沿った断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の第1実施形態による水栓装置について説明する。
まず、図1は、本発明の第1実施形態による水栓装置を斜め前方から見た概略斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による水栓装置1は、給湯源(図示せず)から供給される湯と給水源(図示せず)から供給される水とを混合して吐止水する、いわゆる、「シングルレバー式」と呼ばれる水栓装置であり、台所のシンク又は洗面台のカウンター等の設置面F1上に設置されている。
すなわち、このシングルレバー式の水栓装置1においては、いわゆる、「シングルレバー」と呼ばれる単一の操作ハンドル2が手動で回動操作されることにより、流量と温度が調整された湯水がスパウト4の吐水口6から吐止水されるようになっている。
例えば、図1に示すように、本実施形態の水栓装置1において、まず、操作ハンドル2が最下方の止水操作位置に設定されている場合には、スパウト4の吐水口6から吐出される湯水が止水されるようになっている。
また、図1に示すように、操作ハンドル2が止水操作位置から上方の操作位置に回動操作された場合には、スパウト4の吐水口6から吐出される湯水が吐水状態に設定されるようになっている。
すなわち、操作ハンドル2は、吐水状態において、より上方(図1に示す矢印「開」の方向)に回動操作される程、湯水の流量が大きく設定され、より下方(図1に示す矢印「閉」の方向)に回動操作される程、湯水の流量が小さく設定されるようになっている。
さらに、図1に示すように、操作ハンドル2は、水栓装置1の鉛直方向に延びる中心軸線(回転中心軸線A1)を中心に水側(図1に示す矢印「C」側)に回動操作された場合には、スパウト4の吐水口6から吐出される湯水の温度が低温側に設定されるようになっている。
一方、図1に示すように、操作ハンドル2が回転中心軸線A1を中心に湯側(図1に示す矢印「H」側)に回動操作された場合には、スパウト4の吐水口6から吐出される湯水の温度が高温側に設定されるなっている。
つぎに、図2〜図8により、本発明の第1実施形態による水栓装置の内部構造について具体的に説明する。
図2は、本発明の第1実施形態による水栓装置全体の分解斜視図である。また、図3は、本発明の第1実施形態による水栓装置の中央側面断面図である。
まず、図2及び図3に示すように、本実施形態の水栓装置1は、その種類又は仕様に応じた形状に形成された中空の外殻部材8を備えている。この外殻部材8は、上下方向に概ね筒状に延びる支柱部8a、及び、この支柱部8aの側面から外側に延びるスパウト部8bをそれぞれ備えている。
なお、外殻部材8については、金属材料で形成されていてもよいし、樹脂材料で形成されていてもよい。
つぎに、図2及び図3に示すように、本実施形態の水栓装置1は、外殻部材8の下方側(上流側)において、湯供給管10、水供給管12、固定金具14(把持金具14a、締結金具14b)、及び、台座部材16をそれぞれ備えている。
図2及び図3に示すように、台座部材16は、水栓装置1の設置面F1に配置された状態で固定金具14の馬蹄形の把持金具14a及び締結金具14bにより固定されるようになっている。
また、図2に示すように、台座部材16には、縦方向に貫く通湯穴16a及び通水穴16bがそれぞれ形成されている。通湯穴16aには、給湯器等の給湯源(図示せず)から湯を供給する湯供給管10が下方から接続されている。同様に、通水穴16bには、水道等の給水源(図示せず)から水を供給する水供給管12が下方から接続されている。
さらに、図2及び図3に示すように、本実施形態の水栓装置1は、外殻部材8の支柱部8aの内部において、詳細は後述する水栓機能ユニット18を備えている。
つぎに、図4は、本発明の第1実施形態による水栓装置1の水栓機能ユニット18を分解した斜視図である。
図4に示すように、本実施形態の水栓装置1は、水栓機能ユニット18の外側において、下方から上方に向って、下方シール部材22(一側弾性部材)及び上方シール部材28(他側弾性部材)をそれぞれ備えている。下方シール部材22及び上方シール部材28のそれぞれは、水栓機能ユニット18の外側面と外殻部材8の支柱部8aの内側面との間を水密にシールするものである。
さらに、図2及び図3に示すように、本実施形態の水栓装置1は、外殻部材8とその上方の操作ハンドル2との上下方向の間において、下方から上方に向って、Cリング32、シール部材34、固定部材36、及び、留め具38(ビス38a、キャップ38b)をそれぞれ備えている。
これらの部材32,34,36,38については、外殻部材8の支柱部8a内に挿入された水栓機能ユニット18について、上方から水密に保持するものである。
つぎに、図5は、本発明の第1実施形態による水栓装置1の水栓機能ユニット18の正面断面図であり、湯側及び水側のそれぞれの一次側流路の縦断面を示す。また、図6は、図3に示す本発明の第1実施形態による水栓装置1の中央側面断面図において、水栓機能ユニット18の上方部分を拡大した部分拡大断面図である。
まず、図3〜図6に示すように、本実施形態の水栓装置1の水栓機能ユニット18は、詳細については後述する金属製のケーシング部材40を備えている。この金属製のケーシング部材40は、外殻部材8の支柱部8a内に挿入された状態で、その一端側(下端側)が台座部材16に対して固定されている。
つぎに、図4及び図5に示すように、水栓機能ユニット18は、ケーシング部材40の内部において、下方から上方に且つ内側から外側に向って(或いは、上流側から下流側に向って)、軸シール部材42(湯側軸シール部材42a、水側軸シール部材42b)、湯供給管44、水供給管46、軸シール部材48(湯側軸シール部材48a、水側軸シール部材48b)、一次側アダプタ部材50、シングルレバーカートリッジ54(固定弁体54a、可動弁体54b、レバー操作部54c)、及び、カートリッジ押さえ部材56をそれぞれ備えている。
また、図4に示すように、水栓機能ユニット18は、ケーシング部材40の外側面において、台座部材保持用の機械的係合ピン58、及び、一次側アダプタ部材保持用の機械的係合ピン60をそれぞれ備えている。
また、図4及び図5に示すように、湯供給管44及び水供給管46のそれぞれは、下方の台座部材16の通湯穴16a及び通水穴16bのそれぞれと、上方の一次側アダプタ部材50の通湯穴50a及び通水穴50bのそれぞれと、を互いに連通させる一次側通湯路及び一次側通水路を形成している。
また、図5に示すように、湯供給管44は、下側被接続部44a及び上側被接続部44bをそれぞれ備えている。湯供給管44の下側被接続部44aは、台座部材16の通湯穴16aの上端(下流端)の湯側接続受け部16c内に湯側軸シール部材42aを介して差し込まれて水密に接続され、いわゆる、軸シールされている。一方、湯供給管44の上側被接続部44bは、一次側アダプタ部材50の通湯穴50aの下端(上流端)の湯側接続受け部50c内に湯側軸シール部材48aを介して差し込まれて水密に接続され、いわゆる、軸シールされている。
同様に、図5に示すように、水供給管46は、下側被接続部46a及び上側被接続部46bをそれぞれ備えている。水供給管46の下側被接続部46aは、台座部材16の通水穴16bの上端(下流端)の水側接続受け部16d内に水側軸シール部材42bを介して差し込まれて水密に接続され、いわゆる、軸シールされている。一方、水供給管46の上側被接続部46bは、一次側アダプタ部材50の通水穴50bの下端(上流端)の水側接続受け部50d内に水側軸シール部材48bを介して水密に接続され、いわゆる、軸シールされている。
また、図5に示すように、台座部材16及び一次側アダプタ部材50の各接続受け部16c,16d,50c,50dにおいて、湯供給管44及び水供給管46の各被接続部44a,44b,46a,46bに対するクリアランスd1,d2,d3,d4がそれぞれ設けられている。
これらのクリアランスd1,d2,d3,d4により、湯供給管44の各被接続部44a,44b及び水供給管46の各被接続部46a,46bが、台座部材16の各接続受け部16c,16d及び一次側アダプタ部材50の各接続受け部50c,50dにおける各クリアランスd1〜d4の範囲内で水密状態を保ちながら移動することができるようになっている。
また、図4〜図6に示すように、一次側アダプタ部材50の上面には、シングルレバーカートリッジ54が水密に接続されている。一次側アダプタ部材50は、ポリプロピレン等の樹脂材料で概ね円柱状に形成されている。
また、一次側アダプタ部材50は、湯供給管44及び水供給管46のそれぞれの下流端とシングルレバーカートリッジ54とを互いに水密に接続する接続部材として機能するようになっている。
ここで、図4〜図6に示すように、シングルレバーカートリッジ54の構造については、周知のシングルレバーカートリッジの構造と同様であるため、詳細な説明は省略するが、代表的には、下方から上方に向って、固定弁体54a、可動弁体54b、及び、レバー操作部54cをそれぞれ備えている。
図4〜図6に示すように、固定弁体54aは、シングルレバーカートリッジ54内の底部に固定されている。
つぎに、図5及び図6に示すように、可動弁体54bは、固定弁体54aの上面に対して並進及び回転する摺動が可能に配置されている。
さらに、図5及び図6に示すように、レバー操作部54cは、その下端が可動弁体54bに連結されており、上端が操作ハンドル2に連結されている単一の軸部材となっている。
なお、図5に示すように、固定弁体54a及び可動弁体54bのそれぞれには、一次側アダプタ部材50の通湯穴50a及び通水穴50bのそれぞれと連通する一次側流路である通湯路54d及び通水路54eがそれぞれ形成されている。
また、図6に示すように、固定弁体54a及び可動弁体54bのそれぞれには、通湯路54d及び通水路54eのそれぞれから供給された湯と水を混合する二次側流路である湯水混合路54fがそれぞれ形成されている。
また、図6に示すように、シングルレバーカートリッジ54の湯水混合路54fの流出口54gが、詳細は後述するケーシング部材40の上側ケーシング部74の側面の流出穴74fと連通している。
つぎに、図3及び図6に示すように、本実施形態の水栓装置1は、シングルレバーカートリッジ54の側方のケーシング部材40の外側と外殻部材8の支柱部8aの内側との間において、二次側流路形成部材62、二次側アダプタ部材64、及び、スペーサ部材66をそれぞれ備えている。
また、図3及び図6に示すように、本実施形態の水栓装置1は、外殻部材8のスパウト部8b内において、スパウト流路68aを形成するスパウト側流路形成部材68と、吐水口6を形成する吐水口形成部材70と、をそれぞれ備えている。
つぎに、図7及び図8を参照して、本実施形態による水栓装置1のケーシング部材40の詳細について、このケーシング部材40の加工方法と共に説明する。
図7は、本発明の第1実施形態による水栓装置1のケーシング部材40の斜視図である。また、図8は、図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。
図4、図7及び図8に示すように、本実施形態による水栓装置1の金属製のケーシング部材40は、下側ケーシング部72と上側ケーシング部74とを有しており、上部円環部材76が上側ケーシング部74上に溶接等によって接続されている。上側ケーシング部74は更に、本体部25と、下側(一側)弾性部材保持部24と、上側(他側)弾性部材保持部26と、を有している。
また、これらの部材40,76の金属材料としては、耐食性が比較的高く、耐久性や強度等も比較的高いステンレス材料(例えば、SUS304等)等が用いられている。
しかしながら、本実施形態による水栓装置1の金属製のケーシング部材40に用いられる金属材料については、耐食性が比較的高く、耐久性や強度等も比較的高い材料であれば、ステンレス材料以外の他の金属材料であってもよい。
ここで、図7及び図8に示すように、上部円環部材76と溶接等されるケーシング部材40は、全体的に大まかに見れば、外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能な寸法でほぼ円筒状に形成されている。一方で、細かく見れば、本実施形態のケーシング部材40は、上端から下端までほぼ円筒状の下側ケーシング部72と、絞り加工によって5つのフランジ部74b、26f、26s、24s、24fと2つの内周側のシール面提供部25r、27とが形成された上側ケーシング部74と、を有している。
例えば、ケーシング部材40を成形する際には、金属製の薄板材について、ロール成形等の曲げ加工を行うことにより湾曲状に成形し、外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能な寸法でほぼ円筒状に形成する。或いは、予め外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能な寸法径の金属製の管材を用意し、この管材について、切断加工又は切削加工を行うことにより、外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能な軸方向の長さ寸法に調整する。
その後、例えば適宜の絞り加工を順次に施すことによって、下側フランジ部24f、下側内方フランジ部24s、下側(一側)シール面提供部25rを含む本体部25、上側内方フランジ部26s、上側フランジ部26f、上側(他側)シール面提供部27、及び、上縁フランジ部74bが形成される(上縁フランジ部74bは絞り加工の残部として形成される)。
上縁フランジ部74bは、上部円環部材76と溶接等されるための部位である。
上側シール面提供部27は、シングルレバーカートリッジ54の外周面に対するシール機能のために、上縁フランジ部74bと上側フランジ部26fとの間の領域内に設けられる部位である。
上側内方フランジ部26sと下側内方フランジ部24sとの間のほぼ円筒状の領域が、本体部25と称される部位である。
下側シール面提供部25rは、一次側アダプタ部材50の外周面に対するシール機能のために、本体部25内の下側内方フランジ部24s側の領域内に設けられる部位である。
上側フランジ部26fと上側内方フランジ部26sとは、上側(他側)弾性部材保持部26を形成しており、上側(他側)環状弾性部材である上方シール部材28を上下方向に挟むように保持するようになっている。
すなわち、上側フランジ部26fは、本体部25から径方向外側に広がって上方シール部材28の上側(他側)面を保持するようになっており、上側内方フランジ部26sは、本体部25から径方向外側に広がって上方シール部材の下側(一側)面を保持するようになっている。
更に、本実施形態では、上側フランジ部26fが円形状であり、上側内方フランジ部26sも円形状であり、上側内方フランジ部26sの外径が上側フランジ部26fの外径よりも小さくなっている。
一方、下側フランジ部24fと下側内方フランジ部24sとは、下側(一側)弾性部材保持部24を形成しており、下側(一側)環状弾性部材である下方シール部材22を上下方向に挟むように保持するようになっている。
すなわち、下側フランジ部24fは、本体部25から径方向外側に広がって下方シール部材22の下側(一側)面を保持するようになっており、下側内方フランジ部24sは、本体部25から径方向外側に広がって下方シール部材の上側(他側)面を保持するようになっている。
更に、本実施形態では、下側フランジ部24fが円形状であり、下側内方フランジ部24sも円形状であり、下側内方フランジ部24sの外径が下側フランジ部24fの外径よりも小さくなっている。
絞り加工の代わりに、プレスビード加工や金属管用の端末加工等の塑性変形加工が採用されてもよい。いずれにしても、下側ケーシング部72と上側ケーシング部74とを含むケーシング部材40は、金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されている。
その後、図8に示すように、本体部25の側面において穴開け加工(例えばパンチング加工)等によって流出穴74fが形成される。
つぎに、図4、図7及び図8に示すように、下側ケーシング部72の側面の下方において、穴開け加工等により、径方向に貫く下方ピン係合穴72aが周方向に間隔を置いて複数形成されている。
これにより、図3、図4、図7及び図8に示すように、台座部材保持用の機械的係合ピン58が、下方ピン係合穴72aに対して外側から挿入されるようになっている。そして、この機械的係合ピン58は、下方ピン係合穴72aに係合した後、その内側端部が台座部材16の側面の係合穴16eに係合するようになっている。
したがって、下側ケーシング部72の下方ピン係合穴72a、台座部材保持用の機械的係合ピン58、及び、台座部材16の係合穴16eは、下側ケーシング部72が機械的係合により台座部材16を保持可能にする機械的係合手段として機能するようになっている。
同様に、図4、図7及び図8に示すように、下側ケーシング部72の側面の上方においても、穴開け加工等により、径方向に貫く上方ピン係合穴72bが周方向に複数形成されている。
これにより、図3、図4、図7及び図8に示すように、一次側アダプタ部材保持用の機械的係合ピン60が、上方ピン係合穴72bに対して外側から挿入されるようになっている。そして、この機械的係合ピン60は、上方ピン係合穴72bに係合した後、その内側端部が一次側アダプタ部材50の側面の係合穴50eに係合するようになっている。
したがって、下側ケーシング部72の上方ピン係合穴72b、一次側アダプタ部材保持用の機械的係合ピン60、及び、一次側アダプタ部材50の係合穴50eは、下側ケーシング部72が機械的係合により一次側アダプタ部材50を保持可能にする機械的係合手段として機能するようになっている。
なお、本実施形態の水栓装置1では、下側ケーシング部72の側面について穴開け加工を行うことにより、下方ピン係合穴72aや上方ピン係合穴72bを下側ケーシング部72の機械的係合部とするような形態を採用している。
しかしながら、下側ケーシング部72の機械的係合部として、下方ピン係合穴72aや上方ピン係合穴72bを設けた形態を採用する代わりに、下側ケーシング部72について曲げ加工等を行うことにより、下側ケーシング部72の側面に機械的係合を可能にする係合面等を設けた形態を採用してもよい。
つぎに、図7及び図8に示すように、上側ケーシング部74と溶接される前の状態の上部円環部材76は、外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能な寸法で金属製の板材又は管材によってほぼ円環状に形成されている。
例えば、ほぼ円環状の金属製の上部円環部材76を成形する際には、予め外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能な寸法径の金属製の管材を用意し、この管材について切断加工又は切削加工を行うことにより、外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能な軸方向の長さ寸法に調整する。
すなわち、金属製の上部円環部材76を成形する際には、鋳型等を用いる鋳造加工は採用されていないため、水栓装置1の種類に応じた外殻部材8の形状毎に上部円環部材76の成形用の型を用意する必要がない。
つぎに、図7及び図8に示すように、上部円環部材76の内周面において、雌ねじ加工により雌ねじ76aが形成されている。
また、図5に示すように、上部円環部材76の雌ねじ76aにより、カートリッジ押さえ部材56の外周面に形成された雄ねじ56aが螺合可能であり、カートリッジ押さえ部材56がケーシング部材40の上端部(上部円環部材76)に対して固定されるようになっている。
このような雌ねじ加工の後、図7及び図8に示すように、上部円環部材76の下縁部分と上側ケーシング部74の上縁フランジ部74bとが互いに溶接加工され、上側ケーシング部74の上端と上部円環部材76の下端とが互いに一体的に接続されている。
なお、本実施形態の水栓装置1では、上部円環部材76の内周面に雌ねじ76aを形成して雌側部材とし、カートリッジ押さえ部材56の外周面に雄ねじ56aを形成して雄側部材として互いに螺合させる形態を採用している。しかしながら、このような形態に限られず、上部円環部材76の外周面に雄ねじを形成して雄側部材とし、カートリッジ押さえ部材56の内周面に雌ねじを形成して雌側部材として互いに螺合させる形態を採用してもよい。
つぎに、図4及び図6に示すように、一次側アダプタ部材50は、機械的係合ピン60により下側ケーシング部72内の上方に保持されている。
本実施形態の一次側アダプタ部材50は、図4に示すように、ほぼ円筒状の本体部50mと、当該本体部の上方のほぼ円筒状の小径部50sと、を有している。本体部50mの外径は、下側ケーシング部72の内径より僅かに小径となっており、小径部50sの外径は、下側シール面提供部25rの内径より僅かに小径となっている。そして、小径部50sの外周面に保持溝50gが設けられていて、当該保持溝50gに保持された水密シール20によって、下側シール面提供部25rの内周面と一次側アダプタ部材50の外周面との間が水密にシールされている。
つぎに、図6に示すように、上側ケーシング部74内の一次側アダプタ部材50の上方には、シングルレバーカートリッジ54が配置されている。
また、図6に示すように、シングルレバーカートリッジ54の上方において、カートリッジ押さえ部材56の雄ねじ56aが上部円環部材76の雌ねじ76aに螺合されることにより、シングルレバーカートリッジ54が上側ケーシング部74内の一次側アダプタ部材50の上方において押圧された状態で保持されている。すなわち、カートリッジ押さえ部材56は、シングルレバーカートリッジ54を一次側アダプタ部材50に固定する固定部材となる。
シングルレバーカートリッジ54の上部の外周面には保持溝が設けられていて、当該保持溝に保持された水密シール30によって、上側シール面提供部27の内周面とシングルレバーカートリッジ54の外周面との間が水密にシールされている。
このとき、図6に示すように、シングルレバーカートリッジ54の湯水混合路54fの流出口54gは、上側ケーシング部74の流出穴74fと連通している。
また、図6に示すように、上側ケーシング部74の外周面とその外側の二次側流路形成部材62の内周面との間には、二次側流路78が形成されている。シングルレバーカートリッジ54の湯水混合路54fの流出口54gから流出した湯水は、上側ケーシング部74の流出穴74fを介して二次側流路78に流出するようになっている。
さらに、図6に示すように、二次側流路78内の湯水は、二次側流路形成部材62のスパウト側の側面に形成された流出穴62aから二次側アダプタ部材64内の流路64aに流出した後、スパウト側流路形成部材68内のスパウト流路68aに流出するようになっている。
つぎに、上述した本発明の第1実施形態による水栓装置1の作用について、水栓装置1の組立方法や加工方法を交えながら説明する。
まず、本実施形態による水栓装置1によれば、この水栓装置1を組み立てる際、水栓装置1の種類に応じた形状に形成された外殻部材8の概ね筒状の支柱部8a内に対して、概ね円筒状の水栓機能ユニット18が挿入される。
その際、予め、この水栓機能ユニット18のケーシング部材40において、台座部材保持用の機械的係合ピン58及び一次側アダプタ部材保持用の機械的係合ピン60のそれぞれを介して、台座部材16及び一次側アダプタ部材50のそれぞれを保持することができる。これにより、台座部材16と一次側アダプタ部材50とをケーシング部材40を介して軸方向に接続することができる。
また、金属製のケーシング部材40により、水栓装置1の種類に応じた形状の外殻部材8に応じて、その支柱部8a内の台座部材16と一次側アダプタ部材50との間の軸方向のスペースや距離寸法を定めることができると共に、外殻部材8の支柱部8a内に挿入されている水栓機能ユニット18等の内部構造の強度を高めることができる。
さらに、金属製のケーシング部材40については、水栓装置1の種類に応じた形状の外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能に金属製の板材又は管材によって概ね円筒状に形成することができる。
これにより、ケーシング部材40が樹脂材料で射出成形された場合や金属材料で鋳造成形された場合に比べて、水栓装置1の種類に応じた外殻部材8の形状毎にケーシング部材40の成形用の型を用意する必要がないため、比較的安価な加工方式でケーシング部材40の寸法や形状を容易に調整することができる。
また、ケーシング部材40が金属製の板材又は管材によって概ね円筒状に形成されるため、ケーシング部材40について、必要な強度を保ちながら、薄く形成することもできる。これにより、水栓装置1の内部寸法を抑制することができる。
さらに、水栓装置1の種類に応じた様々な形状の外殻部材8に対しても、ある程度共通化させたケーシング部材40を用意しておけば、このケーシング部材40の例えば下側ケーシング部72に切断加工等を施すだけで比較的安価な加工方式で所望の軸方向の寸法に調整することができる。これにより、台座部材16と一次側アダプタ部材50との間のケーシング部材40の軸方向の寸法距離についても、ケーシング部材40の軸方向の寸法に応じて自由に設定することができる。また、軸方向の寸法を調整した状態のケーシング部材40を外殻部材8の支柱部8a内に挿入するだけで、簡単に組み付けることができる。
これらの結果、水栓装置1の設計の自由度を向上させることができると共に、製造コストを抑制することができる。
また、本実施形態による水栓装置1によれば、下側ケーシング部72の下方ピン係合穴72a、台座部材保持用の機械的係合ピン58、及び、台座部材16の係合穴16eは、下側ケーシング部72が機械的係合により台座部材16を保持可能にする機械的係合手段として機能する。
さらに、下側ケーシング部72の上方ピン係合穴72b、一次側アダプタ部材保持用の機械的係合ピン60、及び、一次側アダプタ部材50の係合穴50eは、下側ケーシング部72が機械的係合により一次側アダプタ部材50を保持可能にする機械的係合手段として機能する。
これらにより、金属製の板材又は管材によって概ね円筒状に形成されているケーシング部材40であっても、このケーシング部材40が、台座部材16及び一次側アダプタ部材50を確実に保持することができる。
さらに、本実施形態による水栓装置1によれば、図5に示すように、特に、湯供給管44内を流れる湯の熱量等により、湯供給管44やその周辺の水供給管46、或いは、湯供給管44の各被接続部44a,44b及び水供給管46の各被接続部46a,46bにおいて、熱膨張が生じることにより軸方向に移動することがある。
これに対し、本実施形態の水栓装置1では、図5に示すように、湯供給管44の各被接続部44a,44b及び水供給管46の各被接続部46a,46bが、台座部材16の各接続受け部16c,16d及び一次側アダプタ部材50の各接続受け部50c,50dにおける各クリアランスd1〜d4の範囲内で水密状態を保ちながら移動することができる。これにより、熱膨張による湯供給管44の各被接続部44a,44b及び水供給管46の各被接続部46a,46bの移動を吸収することができる。
また、本実施形態による水栓装置1によれば、接続部材である一次側アダプタ部材50が樹脂材料で形成されている。これにより、安価で且つ軽量な一次側アダプタ部材50を提供することができると共に、浸出性能についても確保することができる。
そして更に、本実施形態の水栓装置1によれば、ケーシング部材40が、概ね少なくとも半筒状に形成されて側面に流出穴74fを有する本体部25と、本体部25の上端側に連続する上側弾性部材保持部26と、を有しており、当該本体部25及び当該上側弾性部材保持部26は、外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能な寸法で金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されている。すなわち、本実施形態は、金属製の板材又は管材によって概ね少なくとも半筒状に形成される領域内に弾性部材保持部(環状部材を保持できる構成)を直接的に形成することが難しい、という本件発明者の知見に対して、新規な解決策を提示するものである。
そして、本実施形態の上側弾性部材保持部26には、上方シール部材28が保持されていて、当該上方シール部材28は、外殻部材8の支柱部8aの内周面とケーシング部材40の外周面との間を水密にシールしていて、ケーシング部材40の外周面の周囲に流路が安定的に形成されている。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、上側弾性部材保持部26が、本体部25から径方向外側に広がって上方シール部材28の上側面を保持する上側フランジ部26fを有しているため、上方シール部材28を容易に保持することができる。
更に本実施形態の水栓装置1によれば、上側弾性部材保持部26が、本体部25から径方向外側に広がって上方シール部材28の下側面を保持する上側内方フランジ部26sを有しているため、上側弾性部材保持部26のみによって上方シール部材28をより確実に保持することができる。
もっとも、上方シール部材28の下側面は、外殻部材8の支柱部8aの内面によって保持されてもよいし、外殻部材8の支柱部8aの内面に沿って配置され得る別個のスペーサ部材(不図示)によって保持されてもよい。あるいは、上方シール部材28が上側フランジ部26fに接着されてもよい。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、上側内方フランジ部26sが周方向に連続的なフランジ状に設けられているため、上方シール部材28をより確実に保持するという目的において優れている。
但し、上側弾性部材保持部26は塑性変形によって形成されており、応力腐食割れが懸念されるため、水と接触する面積をできるだけ小さくすることが望ましい。この点を考慮して、本実施形態においては、上方シール部材28の下側にあって水と接触する上側内方フランジ部26sの外径が、上方シール部材28の上側にあって水とは接触しない上側フランジ部26fの外径よりも小さくなっている。これにより、応力腐食割れの発生が抑制されている。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、上側弾性部材保持部26の更に上端側に連続する上側シール面提供部27が設けられており、当該上側シール面提供部27の内周面とシングルレバーカートリッジ54の外周面との間が水密にシールされている。上側弾性部材保持部26は塑性変形によって形成されるため、一般に高い寸法精度を得ることが難しいため、本実施形態のように上側弾性部材保持部26とは別領域に上側シール面提供部27を設けることにより、当該上側シール面提供部27の内周面とシングルレバーカートリッジ54の外周面との間をより確実に水密にシールすることができる。
また、本実施形態の水栓装置1は、流出穴74fに対して上方シール部材28とは反対側(すなわち下側)の領域において、外殻部材8の支柱部8aの内周面とケーシング部材40の外周面との間を水密にシールする下方シール部材22(一側環状弾性部材)を備えているため、ケーシング部材40の外周面の周囲において流出穴74fと連通する流路を形成することが更に容易となっている。
特に、本実施形態の水栓装置1によれば、ケーシング部材40は、本体部25の上端側に連続する下側(一側)弾性部材保持部24を更に有しており、上側弾性部材保持部26、本体部25及び下側弾性部材保持部24が、外殻部材8の支柱部8a内に挿入可能な寸法で金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されている。
すなわち、上側弾性部材保持部26と同様に、下側弾性部材保持部24も、金属製の板材又は管材から本体部25と一体的に形成されている。この特徴も、金属製の板材又は管材によって概ね少なくとも半筒状に形成される領域内に弾性部材保持部(環状部材を保持できる構成)を直接的に形成することが難しい、という本件発明者の知見に対して、新規な解決策を提示したものである。
そして、本実施形態の下側弾性部材保持部24には、下方シール部材22が保持されていて、当該下方シール部材22は、外殻部材8の支柱部8aの内周面とケーシング部材40の外周面との間を水密にシールしている。これにより、ケーシング部材40の外周面の周囲において流出穴74fと連通する流路を形成することが更に容易となっている。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、下側弾性部材保持部24が、本体部25から径方向外側に広がって下方シール部材22の下側面を保持する下側フランジ部24fを有しているため、下方シール部材22を容易に保持することができる。
更に本実施形態の水栓装置1によれば、下側弾性部材保持部24が、本体部25から径方向外側に広がって下方シール部材22の上側面を保持する下側内方フランジ部24sを有しているため、下側弾性部材保持部24のみによって下方シール部材22をより確実に保持することができる。
もっとも、下方シール部材22の上側面は、外殻部材8の支柱部8aの内面によって保持されてもよいし、外殻部材8の支柱部8aの内面に沿って配置され得る別個のスペーサ部材(不図示)によって保持されてもよい。あるいは、上方シール部材28が上側フランジ部26fに接着されてもよい。
また、本実施形態の水栓装置1によれば、下側内方フランジ部24sが周方向に連続的なフランジ状に設けられているため、下方シール部材22をより確実に保持するという目的において優れている。
但し、下側弾性部材保持部24は塑性変形によって形成されており、応力腐食割れが懸念されるため、水と接触する面積をできるだけ小さくすることが望ましい。この点を考慮して、本実施形態においては、下方シール部材22の上側にあって水と接触する下側内方フランジ部24sの外径が、下方シール部材22の下側にあって水とは接触しない下側フランジ部24fの外径よりも小さくなっている。これにより、応力腐食割れの発生が抑制されている。
なお、上述した本発明の第1実施形態において、上側ケーシング部74及び下側ケーシング部72は、必ずしも全周に亘って連続的に形成された完全な円筒形状に限られず、半円筒形状であってもよいし、この半円筒よりも周方向に延びて且つ完全な円筒未満の形状であってもよいし、要するに少なくとも半円筒形状に形成された形状であればよい。また、ケーシング部材40の各部の穴開け加工後に、必要に応じて、ケーシング部材40を補強する工程が実施されてもよい。具体的には、例えば必要箇所を肉厚にするべく、補強用金属部材が溶接されてもよい。
つぎに、図9及び図10を参照して、本発明の第2実施形態による水栓装置について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態による水栓装置のケーシング部材の斜視図である。また、図10は、図9のX−X線に沿った断面図である。
図9及び図10に示す本発明の第2実施形態による水栓装置のケーシング部材240において、図7及び図8に示す本発明の第1実施形態による水栓装置1のケーシング部材40と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図9及び図10に示すように、本発明の第2実施形態による水栓装置のケーシング部材240は、上側弾性部材保持部226において、周方向に連続的な円形フランジ状であった上側内方フランジ部26sが、周方向に離散的に配置された複数の突出要素226pに置換されており、同様に、下側弾性部材保持部224において、周方向に連続的な円形フランジ状であった下側内方フランジ部24sが、周方向に離散的に配置された複数の突出要素224pに置換されている。
図9及び図10に示すように、本実施形態の突出要素226pの各々は、周方向に部分的に延びる要素として構成されており、上方シール部材28の下側面を保持するようになっている。また、当該突出要素226pは、例えば絞り加工のような塑性変形加工によって形成され、上方シール部材28の下側にあって水と接触するが、突出要素226pの水との接触面積が小さいため、応力腐食割れの発生が顕著に抑制されている。
同様に、本実施形態の突出要素224pの各々も、周方向に部分的に延びる要素として構成されており、下方シール部材22の上側面を保持するようになっている。また、当該突出要素224pも、例えば絞り加工のような塑性変形加工によって形成され、下方シール部材22の上側にあって水と接触するが、突出要素224pの水との接触面積が小さいため、応力腐食割れの発生が抑制されている。
以上のように、本実施形態の水栓装置によれば、塑性変形によって形成されているために水との接触によって応力腐食割れが懸念される弾性部材保持部224,226(具体的には特に突出要素224p,226p)について、水との接触面積が小さくなっているため、応力腐食割れの発生が抑制されている。
つぎに、図11及び図12を参照して、本発明の第3実施形態による水栓装置について説明する。
図11は、本発明の第3実施形態による水栓装置のケーシング部材の斜視図である。また、図12は、図11のXII−XII線に沿った断面図である。
図11及び図12に示す本発明の第3実施形態による水栓装置のケーシング部材340において、図7及び図8に示す本発明の第1実施形態による水栓装置1のケーシング部材40と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図11及び図12に示すように、本発明の第3実施形態による水栓装置のケーシング部材340では、上側弾性部材保持部326において、周方向に連続的な上側内方フランジ部26sも周方向に離散的な複数の突出要素226pも設けられておらず、同様に、下側弾性部材保持部324において、周方向に連続的な下側内方フランジ部24sも周方向に離散的な複数の突出要素224pも設けられていない。
本実施形態の水栓装置では、上方シール部材28の下側面を保持する機能及び下方シール部材22の上側面を保持する機能は、ケーシング部材340が担うのではなく、外殻部材8の支柱部8aの内面に設けられる支持段差部(不図示)、あるいは、外殻部材8の支柱部8aの内面に沿って配置され得る別個のスペーサ部材(不図示)が担う。あるいは、上方シール部材28が上側フランジ部26fに接着され、下方シール部材22が下側フランジ部24fに接着されてもよい。
以上のように、本実施形態の水栓装置によれば、上方シール部材28の下側及び下方シール部材22の上側にあって水と接触する領域内において複雑な塑性変形部が少ない(下側シール面提供部25rのみである)ために、応力腐食割れの発生が抑制されている。
つぎに、図13及び図14を参照して、本発明の第4実施形態による水栓装置について説明する。
図13は、本発明の第4実施形態による水栓装置のケーシング部材の斜視図である。また、図14は、図13のXIV−XIV線に沿った断面図である。
図13及び図14に示す本発明の第4実施形態による水栓装置のケーシング部材440において、図7及び図8に示す本発明の第1実施形態による水栓装置1のケーシング部材40と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図13及び図14に示すように、本発明の第4実施形態による水栓装置のケーシング部材440は、周方向に連続的な円形フランジ状の上側内方フランジ部426sが、同様に周方向に連続的な円形フランジ状である上側フランジ部26fと同径(あるいはより大径)に構成されている。同様に、周方向に連続的な円形フランジ状の下側内方フランジ部424sが、同様に周方向に連続的な円形フランジ状である下側フランジ部24fと同径(あるいはより大径)に構成されている。
本実施形態の上側内方フランジ部426sは、第1実施形態の上側内方フランジ部26sと比較して水との接触面積が大きいため、応力腐食割れの発生を抑制する効果において劣ると考えられる。同様に、本実施形態の下側内方フランジ部424sも、第1実施形態の下側内方フランジ部24sと比較して水との接触面積が大きいため、応力腐食割れの発生を抑制する効果において劣ると考えられる。しかしながら、少なくとも本願出願の時点においては、本実施形態も本件の保護対象に含まれる。
1 水栓装置(第1実施形態)
2 操作ハンドル
4 スパウト
6 吐水口
8 外殻部材
8a 支柱部
8b スパウト部
10 湯供給管(一次側流路)
12 水供給管(一次側流路)
14 固定金具
14a 把持金具
14b 締結金具
16 台座部材
16a 通湯穴
16b 通水穴
16c 湯側接続受け部
16d 水側接続受け部
16e 係合穴
18 水栓機能ユニット
20 水密シール
22 下方シール部材(環状弾性部材)
24 下側弾性部材保持部(ケーシング部材40の要素)
24f 下側フランジ部(ケーシング部材40の要素)
24s 下側内方フランジ部(ケーシング部材40の要素)
25 本体部(ケーシング部材40の要素)
25r 下側シール面提供部(ケーシング部材40の要素)
26 上側弾性部材保持部(ケーシング部材40の要素)
26f 上側フランジ部(ケーシング部材40の要素)
26s 上側内方フランジ部(ケーシング部材40の要素)
27 上側シール面提供部(ケーシング部材40の要素)
28 上方シール部材(環状弾性部材)
30 水密シール
32 Cリング
34 シール部材
36 固定部材
38 留め具
38a ビス
38b キャップ
40 ケーシング部材(第1実施形態)
42 軸シール部材
42a 湯側軸シール部材
42b 水側軸シール部材
44 湯供給管(一次側流路)
44a 下側被接続部(被接続部)
44b 上側被接続部(被接続部)
46 水供給管(一次側流路)
46a 下側接続部
46b 上側接続部
48 軸シール部材
48a 湯側軸シール部材
48b 水側軸シール部材
50 一次側アダプタ部材(接続部材)
50a 通湯穴
50b 通水穴
50c 湯側接続部
50d 水側接続部
50e 係合穴
50f 取付穴
50g 保持溝
50m 本体部(相対的に大径)
50s 小径部(相対的に小径)
54 シングルレバーカートリッジ
54a シングルレバーカートリッジの固定弁体
54b シングルレバーカートリッジの可動弁体(開閉弁)
54c シングルレバーカートリッジのレバー操作部
54d シングルレバーカートリッジ内の通湯路(一次側流路)
54e シングルレバーカートリッジ内の通水路(一次側流路)
54f シングルレバーカートリッジ内の湯水混合路(二次側流路)
54g シングルレバーカートリッジの湯水混合路の流出口
56 カートリッジ押さえ部材(固定部材)
56a 雄ねじ
58 台座部材保持用の機械的係合ピン
60 一次側アダプタ部材保持用の機械的係合ピン
62 二次側流路形成部材
62a 流出穴
64 二次側アダプタ部材
64a 流路
66 スペーサ部材
68 スパウト側流路形成部材
68a スパウト流路
70 吐水口形成部材
72 下側ケーシング部(ケーシング部材40の要素)
72a 下方ピン係合穴
72b 上方ピン係合穴
72c 上方開口縁部
74 上側ケーシング部(ケーシング部材40の要素)
74f 上側ケーシング部の側面の流出穴
76 上部円環部材
76a 雌ねじ
78 二次側流路
240 ケーシング部材(第2実施形態)
224 下側弾性部材保持部(第2実施形態)
224p 突出要素(第2実施形態)
226 上側弾性部材保持部(第2実施形態)
226p 突出要素(第2実施形態)
340 ケーシング部材(第3実施形態)
324 下側弾性部材保持部(第3実施形態)
326 上側弾性部材保持部(第3実施形態)
440 ケーシング部材(第4実施形態)
424 下側弾性部材保持部(第4実施形態)
424s 下側内方フランジ部(第4実施形態)
426 上側弾性部材保持部(第4実施形態)
426s 上側内方フランジ部(第4実施形態)
A1 回転中心軸線
d1 クリアランス
d2 クリアランス
d3 クリアランス
d4 クリアランス
F1 設置面

Claims (17)

  1. 給湯源から供給される湯と給水源から供給される水とを混合した湯水を吐止水可能にする水栓装置であって、
    上記水栓装置が設置される設置面に固定される台座部材と、
    上記台座部材に取り付けられる概ね筒状の支柱部を備えた外殻部材と、
    この外殻部材の支柱部内に挿入され、その一端側が上記台座部材に固定される金属製のケーシング部材と、
    このケーシング部材の内部に設けられ、上記台座部材から下流側にそれぞれ延びて湯及び水をそれぞれ供給する一次側流路を形成する湯供給流路及び水供給流路と、
    上記ケーシング部材の他端側の内部に設けられたシングルレバーカートリッジであって、上記湯供給流路及び上記水供給流路から供給される湯水の混合比と流量を調整する開閉弁と、この開閉弁の開閉操作を可能にする単一のレバーと、を備えた上記シングルレバーカートリッジと、
    上記ケーシング部材の内部に設けられ、上記湯供給流路及び上記水供給流路のそれぞれの下流端と上記シングルレバーカートリッジとを接続する接続部材と、
    上記シングルレバーカートリッジを上記接続部材に固定する固定部材と、
    を有し、
    上記ケーシング部材は、側面に流出穴を有する本体部と、上記本体部の他端側に連続する他側弾性部材保持部と、を有しており、
    上記本体部及び上記他側弾性部材保持部は、上記外殻部材の支柱部内に挿入可能な寸法で金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されており、
    上記他側弾性部材保持部には、他側環状弾性部材が保持されており、
    上記他側環状弾性部材は、上記外殻部材の上記支柱部の内周面と上記ケーシング部材の外周面との間を水密にシールしている
    ことを特徴とする水栓装置。
  2. 上記他側弾性部材保持部は、上記本体部から径方向外側に広がって上記他側環状弾性部材の他側面を保持する他側フランジ部を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の水栓装置。
  3. 上記他側弾性部材保持部は、上記本体部から径方向外側に広がって上記他側環状弾性部材の一側面を保持する他側内方突出部を有している
    ことを特徴とする請求項2に記載の水栓装置。
  4. 前記他側内方突出部は、周方向に連続的なフランジ状に設けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の水栓装置。
  5. 上記他側フランジ部は、円形状であり、
    前記他側内方突出部も、円形状であり、
    上記他側内方突出部の外径は、上記他側フランジ部の外径よりも小さい
    ことを特徴とする請求項4に記載の水栓装置。
  6. 前記他側内方突出部は、周方向に離散的に配置された複数の突出要素を有している
    ことを特徴とする請求項3に記載の水栓装置。
  7. 上記他側弾性部材保持部の更に他端側に連続する他側シール面提供部
    を更に有しており、
    上記他側シール面提供部の内周面と上記シングルレバーカートリッジの外周面との間は、水密にシールされている
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の水栓装置。
  8. 上記流出穴に対して上記他側環状弾性部材とは反対側の領域において、上記外殻部材の上記支柱部の内周面と上記ケーシング部材の外周面との間を水密にシールする一側環状弾性部材
    を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の水栓装置。
  9. 上記ケーシング部材は、上記本体部の一端側に連続する一側弾性部材保持部を更に有しており、
    上記一側弾性部材保持部、上記本体部及び上記他側弾性部材保持部が、上記外殻部材の支柱部内に挿入可能な寸法で金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に形成されており、
    上記一側弾性部材保持部には、一側環状弾性部材が保持されており、
    上記一側環状弾性部材も、上記外殻部材の上記支柱部の内周面と上記ケーシング部材の外周面との間を水密にシールしている
    ことを特徴とする請求項8に記載の水栓装置。
  10. 上記一側弾性部材保持部は、上記本体部から径方向外側に広がって上記一側環状弾性部材の一側面を保持する一側フランジ部を有している
    ことを特徴とする請求項9に記載の水栓装置。
  11. 上記一側弾性部材保持部は、上記本体部から径方向外側に広がって上記一側環状弾性部材の他側面を保持する一側内方突出部を有している
    ことを特徴とする請求項10に記載の水栓装置。
  12. 前記一側内方突出部は、周方向に連続的なフランジ状に設けられている
    ことを特徴とする請求項11に記載の水栓装置。
  13. 上記一側フランジ部は、円形状であり、
    前記一側内方突出部も、円形状であり、
    上記一側内方突出部の外径は、上記一側フランジ部の外径よりも小さい
    ことを特徴とする請求項12に記載の水栓装置。
  14. 前記一側内方突出部は、周方向に離散的に配置された複数の突出要素を有している
    ことを特徴とする請求項11に記載の水栓装置。
  15. 給湯源から供給される湯と給水源から供給される水とを混合した湯水を吐止水可能にする水栓装置の製造方法であって、
    上記水栓装置の設置面に固定される台座部材を準備する工程と、
    上記台座部材に取り付けられる概ね筒状の支柱部を備えた外殻部材を準備する工程と、
    上記外殻部材の支柱部内に挿入される金属製のケーシング部材であって、概ね少なくとも半筒状に形成されて本体部と、上記本体部の他端側に連続する他側弾性部材保持部と、を有するケーシング部材を準備する工程と、
    給湯源の湯を供給する湯供給流路及び給水源の水を供給する水供給流路をそれぞれ準備する工程と、
    上記湯供給流路及び上記水供給流路から供給される湯水の混合比と流量を調整する開閉弁と、この開閉弁の開閉操作を可能にする単一のレバーと、を備え、上記ケーシング部材に設けられるシングルレバーカートリッジを準備する工程と、
    上記湯供給流路及び上記水供給流路のそれぞれの下流端と上記シングルレバーカートリッジとを上記ケーシング部材の内部で接続する接続部材を準備する工程と、
    上記シングルレバーカートリッジを上記接続部材に固定する固定部材を準備する工程と、
    を有し、
    上記金属製のケーシング部材を準備する工程において、金属製の板材又は管材を塑性変形させることで一体的に上記本体部及び上記他側弾性部材保持部が上記外殻部材の支柱部内に挿入可能な寸法で形成され、
    上記ケーシング部材を準備する工程の後に、上記弾性部材保持部に他側環状弾性部材が保持され、上記他側環状弾性部材が上記外殻部材の上記支柱部の内周面と上記ケーシング部材の外周面との間を水密にシールするように上記外殻部材と上記ケーシング部材とを組み付ける工程が実施される
    ことを特徴とする水栓装置の製造方法。
  16. 上記ケーシング部材を準備する工程の後に、上記本体部の側面に流出穴が形成される
    ことを特徴とする請求項15に記載の水栓装置の製造方法。
  17. 上記ケーシング部材を準備する工程の後に、上記ケーシング部材を補強する工程が実施される
    ことを特徴とする請求項15または16に記載の水栓装置の製造方法。
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