JP2019218643A - 金属製ヘルド、及び金属製ヘルドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、ヘルドに形成されるキャリアロッド孔又はメール孔を処理する際の生産性が高い金属製ヘルド、及び金属製ヘルドの製造方法を提供することである。【解決手段】打ち抜きプレス加工されたキャリアロッド孔又はメール孔の破断面及びバリはパンチによって面打ち加工される。この面打ち加工によって、バリは押し潰され、かつ、破断面の金属組織が引き裂かれた小さな凸部も押し潰され、平滑な面にされる。プレス加工の面打ち加工であるので、ヘルドの生産性が高い。また、破断面形成時に発生した微細なクラックは密接され、疲労破壊の起点になりにくくなる。これにより、キャリアロッド孔に適用した場合、ヘルドバーとの繰り返し衝突による破断を抑制できる。メール孔に適用した場合、経糸切れを防止し、かつ、耐久性が向上する。【選択図】図1
Description
本発明は、織機に用いられる金属製ヘルド及び金属製ヘルドの製造方法に関する。
詳しくは、金属製ヘルドに打ち抜き加工によって形成されるキャリアロッド孔又はメール孔の耐久性を向上させた金属性ヘルド、及び金属製ヘルドの製造方法に関する。
さらには、金属製ヘルドに打ち抜き加工によって形成されるキャリアロッド孔又はメール孔の耐久性を向上させると共に、生産性が高い金属性ヘルド、及び金属製ヘルドの製造方法に関する。
詳しくは、金属製ヘルドに打ち抜き加工によって形成されるキャリアロッド孔又はメール孔の耐久性を向上させた金属性ヘルド、及び金属製ヘルドの製造方法に関する。
さらには、金属製ヘルドに打ち抜き加工によって形成されるキャリアロッド孔又はメール孔の耐久性を向上させると共に、生産性が高い金属性ヘルド、及び金属製ヘルドの製造方法に関する。
第1の従来技術として、金属製ヘルドの端部位置にスリットが開口され、次いでカシメ加工によって当該開口を横方向に広げることにより、キャリアロッドが貫通されるキャリアロッド孔を形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
第2の従来技術として、金属製ヘルドの端部を圧延した後、当該圧延部にキャリアロッドが貫通されるキャリアロッド孔をパンチング加工によって形成すること知られている(例えば、特許文献2参照)。
第2の従来技術として、金属製ヘルドの端部を圧延した後、当該圧延部にキャリアロッドが貫通されるキャリアロッド孔をパンチング加工によって形成すること知られている(例えば、特許文献2参照)。
第1の従来技術において、キャリアロッドが貫通されるキャリアロッド孔は、ヘルドの端部位置にスリットが開口され、次いでカシメ加工によって当該開口を横方向に広げるようにして形成される。これによって、キャリアロッドと衝突する、キャリアロッド孔の端部が尖ったナイフ状部が形成されるので、キャリアロッドとの繰り返し衝突によって、キャリアロッド孔が所定の大きさよりも大きくなり、耐久性に劣る懸念がある。また、メール孔の形成に用いた場合、ナイフ状部によって経糸が切断されやすくなる懸念がある。
第2の従来技術においては、キャリアロッド孔及びメール孔が打ち抜きプレス加工によって穿孔されるのが一般的であり、打抜き加工された場合、キャリアロッド孔及びメール孔は、巨視的に見れば、剪断面に続いて微細な凸部を有する破断面が形成され、当該破断面の端部はバリとなって鋭い小突起が形成されることから、キャリアロッド孔の場合には孔周囲のバリを除去して滑らかな面(以下「滑面」という)にする必要がある。また、メール孔の場合には、経糸が擦れる破断面も滑面にしなければ、経糸切れた多発する懸念がある。本明細書において「滑面」とは表面が滑らかな面を意味し、平面及び曲面を含む概念である。
第2の従来技術においては、キャリアロッド孔及びメール孔が打ち抜きプレス加工によって穿孔されるのが一般的であり、打抜き加工された場合、キャリアロッド孔及びメール孔は、巨視的に見れば、剪断面に続いて微細な凸部を有する破断面が形成され、当該破断面の端部はバリとなって鋭い小突起が形成されることから、キャリアロッド孔の場合には孔周囲のバリを除去して滑らかな面(以下「滑面」という)にする必要がある。また、メール孔の場合には、経糸が擦れる破断面も滑面にしなければ、経糸切れた多発する懸念がある。本明細書において「滑面」とは表面が滑らかな面を意味し、平面及び曲面を含む概念である。
第2の従来技術の懸念を図7〜図14を参照して詳細に説明する。
まず、金属製の従来ヘルド10を製造する工程を主に図7及び図8を参照しつつ説明する。
まず供給工程Aにおいて、アンコイラー11に装着されたコイル12から、従来ヘルド10の基材となる細長であって、従来ヘルド10と同一の幅W及び厚さTに形成された堅い鋼材、例えばマルテンサイト系ステンレスであるSUS420(日本工業規格)によって製造された平板状の帯材14(図8(A))を引き出してレベラー16に通して帯材14の残留癖を取り除いた後、送り装置18によってプレス機22に装着された上型24と下型26とからなるプレス金型28へ送り込む。プレス金型28における打ち抜き工程B(図8(B))において、まず、従来ヘルド10の外縁32、端部の一対のキャリアロッド孔34A、34B及び中央部の細長のメール孔36が打ち抜き形成されるが、前後の従来ヘルド10はキャリア38によって連続されている(図8(B))。
次にエッジ取り工程Cにおいて、回転ブラシ等を用いたエッジ丸め機42に送り込み、主に従来ヘルド10における長手方向に延在する四つの角を丸めると共に、キャリアロッド孔34A、34B及びメール孔36のバリ取りを行う(図8(C))。
次に分離工程Dにおいて、カットプレス機44によって、その他の小孔46A、46B、48A、及び48Bを穿孔すると共に、メール孔36の前後の部位をヘルドの厚み方向(長手方向に対し直角方向)にずれるよう塑性変形させ、キャリアロッド孔34A、34Bを形成する一部を切除して開口52A、52Bを形成し、従来ヘルド10の端部をC型に形成すると共に、一方のキャリアロッド孔34Bを構成する部位に波形部54を形成し、さらに、キャリア38を切り落として単体の従来ヘルド10を形成する(図8(D))。
次いで、洗浄工程Eにおいて、洗浄機56によって洗浄し(図8(E))、従来ヘルド10が完成される(図8(F))。なお、開口52A、52Bを設けず、O型のキャリアロッド孔34A、34Bとしても良い。
図9に示すように、キャリアロッド孔34A、34B、及び、メール孔36が打ち抜き形成される際、帯材14の左右端部はそれぞれ下型(ダイ)26とストリッパ58によって挟持され、上型24であるパンチと弾性的に支持された逆押さえ62との共同による剪断及び破断によって楕円形の切り落とし部60が打ち抜かれ、穿孔される(図10)。換言すれば、キャリアロッド孔34A、34B、及び、メール孔36は、図10に示すように、ダレ面63、剪断面64、及び破断面66により囲われて形成され、破断面66の一端部がバリ68として帯材14の表面から抜き出し方向に向かって突出する。ダレ面63は、上型24によって引っ張られて延伸されて形成されることから、滑面である。剪断面64は、上型24によって剪断された面であるから、上型24を精密に構成することにより、滑面にすることができる。破断面66は、上型24の押力によって金属組織が引きちぎられて形成されることから、金属組織が破断され、微細な鋭い凸部が形成されると共に、表面から所定の深さを有する無数のクラック72が形成される。これらのクラック72の深さは多様であり浅いクラックや深いクラックが混在する。前述のエッジ丸め機42、例えば、回転バフを用いるバフ研磨機による研磨処理によって、孔周囲の表面部分は研磨されて除去され、滑らかな滑面68S(図10において鎖線示)になる。しかし、従来ヘルド10の板厚が0.3mm程度といえども、バリ取り作用が板厚の中央部にまで達せず、クラック72が残存するおそれがある。
従来ヘルド10は、図13に示すように、両端部のキャリアロッド孔34A、34Bに所定のストロークで上下動されるヘルドフレーム74に取付けられたキャリアロッド76A、76Bがそれぞれ貫通される。なお、ヘルドフレーム74は少なくとも2枚が隣接配置され、互いに逆方向へ所定のストロークで移動される。
このため、図11及び図12に示すキャリアロッド孔34A、34Bにおける被打撃部10Pは、ヘルドフレーム74の移動方向が転換される毎にキャリアロッド76A、又は76Bと衝突することになる。近時の織機、特にジェットルームは、常用回転数が1000回転/分を超えており、ヘルドフレーム74の移動方向転換は500回/分を超え、従来ヘルド10の被打撃部10Pは、一日当たり36万回(1000回/2/2×60分×24時間×稼働率100%)にも達する。このため、従来ヘルド10の被打撃部10Pにクラック72が残存する場合、図12(C)に示すように、このクラック72が起点となってひび割れが拡大し、ついには疲労破断する懸念がある。キャリアロッド孔34A又は34Bが破断した場合、従来ヘルド10がヘルドフレーム74と一体的に移動しないため、経糸開口が所定の状態に形成されないことから、織機の停止原因となり、稼働率が低下する問題がある。
そこで、図12(D)に示すように、前記エッジ取り工程Cにおいて、クラック72が残存しないように、従来ヘルド10の板厚の中央迄エッジ取り作用が達するようにしても良いが、このエッジ取り処理がキャリアロッド孔34A、34Bの板厚の中央迄達するようにするにはエッジ取り処理の時間が長くなり、生産性が低下する懸念がある。
また、メール孔36においては、経糸の切断防止のため、メール孔36内面及び周囲の滑面化が必須であることから、同様にエッジ取り処理時間が長くなり、生産性が低下する懸念がある。
まず、金属製の従来ヘルド10を製造する工程を主に図7及び図8を参照しつつ説明する。
まず供給工程Aにおいて、アンコイラー11に装着されたコイル12から、従来ヘルド10の基材となる細長であって、従来ヘルド10と同一の幅W及び厚さTに形成された堅い鋼材、例えばマルテンサイト系ステンレスであるSUS420(日本工業規格)によって製造された平板状の帯材14(図8(A))を引き出してレベラー16に通して帯材14の残留癖を取り除いた後、送り装置18によってプレス機22に装着された上型24と下型26とからなるプレス金型28へ送り込む。プレス金型28における打ち抜き工程B(図8(B))において、まず、従来ヘルド10の外縁32、端部の一対のキャリアロッド孔34A、34B及び中央部の細長のメール孔36が打ち抜き形成されるが、前後の従来ヘルド10はキャリア38によって連続されている(図8(B))。
次にエッジ取り工程Cにおいて、回転ブラシ等を用いたエッジ丸め機42に送り込み、主に従来ヘルド10における長手方向に延在する四つの角を丸めると共に、キャリアロッド孔34A、34B及びメール孔36のバリ取りを行う(図8(C))。
次に分離工程Dにおいて、カットプレス機44によって、その他の小孔46A、46B、48A、及び48Bを穿孔すると共に、メール孔36の前後の部位をヘルドの厚み方向(長手方向に対し直角方向)にずれるよう塑性変形させ、キャリアロッド孔34A、34Bを形成する一部を切除して開口52A、52Bを形成し、従来ヘルド10の端部をC型に形成すると共に、一方のキャリアロッド孔34Bを構成する部位に波形部54を形成し、さらに、キャリア38を切り落として単体の従来ヘルド10を形成する(図8(D))。
次いで、洗浄工程Eにおいて、洗浄機56によって洗浄し(図8(E))、従来ヘルド10が完成される(図8(F))。なお、開口52A、52Bを設けず、O型のキャリアロッド孔34A、34Bとしても良い。
図9に示すように、キャリアロッド孔34A、34B、及び、メール孔36が打ち抜き形成される際、帯材14の左右端部はそれぞれ下型(ダイ)26とストリッパ58によって挟持され、上型24であるパンチと弾性的に支持された逆押さえ62との共同による剪断及び破断によって楕円形の切り落とし部60が打ち抜かれ、穿孔される(図10)。換言すれば、キャリアロッド孔34A、34B、及び、メール孔36は、図10に示すように、ダレ面63、剪断面64、及び破断面66により囲われて形成され、破断面66の一端部がバリ68として帯材14の表面から抜き出し方向に向かって突出する。ダレ面63は、上型24によって引っ張られて延伸されて形成されることから、滑面である。剪断面64は、上型24によって剪断された面であるから、上型24を精密に構成することにより、滑面にすることができる。破断面66は、上型24の押力によって金属組織が引きちぎられて形成されることから、金属組織が破断され、微細な鋭い凸部が形成されると共に、表面から所定の深さを有する無数のクラック72が形成される。これらのクラック72の深さは多様であり浅いクラックや深いクラックが混在する。前述のエッジ丸め機42、例えば、回転バフを用いるバフ研磨機による研磨処理によって、孔周囲の表面部分は研磨されて除去され、滑らかな滑面68S(図10において鎖線示)になる。しかし、従来ヘルド10の板厚が0.3mm程度といえども、バリ取り作用が板厚の中央部にまで達せず、クラック72が残存するおそれがある。
従来ヘルド10は、図13に示すように、両端部のキャリアロッド孔34A、34Bに所定のストロークで上下動されるヘルドフレーム74に取付けられたキャリアロッド76A、76Bがそれぞれ貫通される。なお、ヘルドフレーム74は少なくとも2枚が隣接配置され、互いに逆方向へ所定のストロークで移動される。
このため、図11及び図12に示すキャリアロッド孔34A、34Bにおける被打撃部10Pは、ヘルドフレーム74の移動方向が転換される毎にキャリアロッド76A、又は76Bと衝突することになる。近時の織機、特にジェットルームは、常用回転数が1000回転/分を超えており、ヘルドフレーム74の移動方向転換は500回/分を超え、従来ヘルド10の被打撃部10Pは、一日当たり36万回(1000回/2/2×60分×24時間×稼働率100%)にも達する。このため、従来ヘルド10の被打撃部10Pにクラック72が残存する場合、図12(C)に示すように、このクラック72が起点となってひび割れが拡大し、ついには疲労破断する懸念がある。キャリアロッド孔34A又は34Bが破断した場合、従来ヘルド10がヘルドフレーム74と一体的に移動しないため、経糸開口が所定の状態に形成されないことから、織機の停止原因となり、稼働率が低下する問題がある。
そこで、図12(D)に示すように、前記エッジ取り工程Cにおいて、クラック72が残存しないように、従来ヘルド10の板厚の中央迄エッジ取り作用が達するようにしても良いが、このエッジ取り処理がキャリアロッド孔34A、34Bの板厚の中央迄達するようにするにはエッジ取り処理の時間が長くなり、生産性が低下する懸念がある。
また、メール孔36においては、経糸の切断防止のため、メール孔36内面及び周囲の滑面化が必須であることから、同様にエッジ取り処理時間が長くなり、生産性が低下する懸念がある。
本発明は上記懸念を解消することを目的とし、具体的には、本発明の第1の目的は、ヘルドに形成されるキャリアロッド孔又はメール孔を処理する際の生産性が高い金属製ヘルドを提供することである。
本発明の第2の目的は、生産性が高い金属製ヘルドの製造方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、生産性が高い金属製ヘルドの製造方法を提供することである。
この目的を達成するため、請求項1に係る第1の発明は以下のように構成される。
織機に用いられ、パンチとダイを用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔及びメール孔を打ち抜かれて形成された金属製ヘルドであって、前記キャリアロッド孔又はメール孔のプレス加工による破断面及びバリをプレスの面打ち加工により成形された滑面を有することを特徴とする金属製ヘルドである。
織機に用いられ、パンチとダイを用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔及びメール孔を打ち抜かれて形成された金属製ヘルドであって、前記キャリアロッド孔又はメール孔のプレス加工による破断面及びバリをプレスの面打ち加工により成形された滑面を有することを特徴とする金属製ヘルドである。
本発明に係る第2の発明は、織機に用いられ、パンチとダイを用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔及びメール孔を打ち抜かれて形成された金属製ヘルドであって、前記キャリアロッド孔のプレス加工による破断面及びバリをプレスの面打ち加工により成形された滑面を有することを特徴とする金属製ヘルドである。
本発明に係る第3の発明は、織機に用いられ、パンチとダイを用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔及びメール孔を打ち抜かれて形成された金属製ヘルドであって、前記メール孔のプレス加工による破断面及びバリをプレスの面打ち加工により形成された滑面を有することを特徴とする金属製ヘルドである。
本発明に係る第4の発明は、前記滑面がプレス加工による前記破断面及びバリに対しパンチによって面打ちされて形成されたことを特徴とする第1の発明乃至第3の発明の何れかの金属製ヘルドである。
本発明に係る第5の発明は、プレス加工による前記バリが形成される側の反対側の前記メール孔の周囲に対してもパンチによって面打ち加工されることによって形成された滑面を有することを特徴とする第3又は第4の発明の金属製ヘルドである。
本発明に係る第6の発明は、前記面打ち加工の後、ヘルドの全体に対しショットブラスト加工が施されたことを特徴とする第1乃至第5の発明の何れかの金属製ヘルドである。
本発明に係る第7の発明は、織機に用いられ、パンチとダイを用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔及びメール孔を打ち抜かれて形成された金属製ヘルドの製造方法であって、前記キャリアロッド孔及びメール孔がプレス加工によって打ち抜かれて形成された後、前記キャリアロッド孔又はメール孔のプレス加工による破断面及びバリがプレス加工における面打ち加工により滑面に成形されることを特徴とする金属製ヘルドの製造方法である。
本発明に係る第8の発明は、織機に用いられ、パンチとダイを用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔及びメール孔が打ち抜かれて形成された金属製ヘルドの製造方法であって、前記キャリアロッド孔がプレス加工によって打ち抜かれて形成された後、前記キャリアロッド孔のプレス加工による破断面及びバリをプレスの面打ち加工により滑面に成形されることを特徴とする金属製ヘルドの製造方法である。
本発明に係る第9の発明は、織機に用いられ、パンチとダイを用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔及びメール孔が打ち抜かれて形成された金属製ヘルドの製造方法であって、前記メール孔がプレス加工によって打ち抜かれて形成された後、前記メール孔のプレス加工による破断面及びバリを面打ち加工により滑面に成形することを特徴とする金属製ヘルドの製造方法である。
本発明に係る第10の発明は、プレス加工による前記破断面及びバリが前記パンチによって面打ちされることを特徴とする第7乃至第9の発明の何れかの金属製ヘルドの製造方法である。
本発明に係る第11の発明は、プレス加工による前記バリが形成される側と反対側の前記メール孔の周囲に対し、パンチによって面打ち加工をすることを特徴とする第9又は第10の発明の金属製ヘルドの製造方法である。
本発明に係る第12の発明は、前記面打ち加工の後、ヘルドの全体に対しショットブラスト加工が施されることを特徴とする第7乃至第11の何れかの発明の金属製ヘルドの製造方法である。
第1の発明の金属製ヘルドは、キャリアロッド孔又はメール孔のプレス加工による破断面及びバリをプレス加工における面打ち加工により成形された滑面を有する。換言すれば、バリを大きな力で押圧することにより押し潰してヘルドに一体化し、また、破断面を大きな力で押圧することにより、表面の凸部を潰すことにより滑らかな滑面が形成される。破断面にクラックが残存する場合であても、クラックが大きな力で押し潰されて隙間無く密着され、恰も、一体化された状態になるので、バリ及び破断面の一部又は全部が滑面になる。これにより、密着したクラックはキャリアロッド孔の場合には衝撃の繰り返しによる疲労破壊の基点になりにくい。また、メール孔の場合にも同様である。そして、プレス加工における面打ち加工であるので、プレス加工と同様の速度で処理できるので、生産性を損なうことが無く、本発明の第1の目的を達成できる利点がある。さらに、第1の発明においては、少なくとも、プレス加工によるバリ及び破断面がプレス工程において面打ち加工されるので、金属の塑性変形により表面硬化されることから、耐久性が向上する利点がある。
第2の発明の金属製ヘルドは、キャリアロッド孔のプレス加工による破断面及びバリをプレス加工における面打ち加工により成形された滑面を有する。したがって、前述したように、バリを大きな力で押圧することにより押し潰してヘルドに一体化し、また、破断面を大きな力で押圧することにより、表面の凸部を潰して滑らかな滑面が形成される。破断面にクラックが残存していた場合であても、クラックが大きな力で押し潰されて隙間無く密着するので、バリ及び破断面が滑面になることから、キャリアロッドとの衝突による衝撃の繰り返しによる疲労破壊の基点になりにくい。そして、面打ち加工はプレス加工であるので、プレス加工と同様の速度で処理でき、生産性を損なうことが無く、本発明の第1の目的を達成することができる。さらに、押圧による表面硬化によって、耐久性が向上する利点がある。
第3の発明の金属製ヘルドは、メール孔のプレス加工による破断面及びバリをプレス工程における面打ち加工により形成された滑面を有する。したがって、前述したように、バリを大きな力で押圧することによりヘルドに一体化させ、また、破断面を大きな力で押圧することにより、表面の凸部を潰して滑らかな滑面が形成され、そして、面打ち加工はプレス加工であるので、プレス加工と同様の速度で処理できるので、生産性を損なうことが無く、本発明の第1の目的を達成することができる。さらに、押圧による表面硬化によって、耐久性が向上する利点がある。
第4の発明の金属製ヘルドは、第1乃至第3の発明における滑面が、破断面及びバリに対しパンチによって面打ちされて形成されることから、ヘルドを製造するプレス工程の一つに組み入れることができ、生産性を低下させることがなく、本発明の第1の目的を達成することができる。さらに、面打ちによる表面硬化によって、耐久性が向上する利点がある。
第5の発明の金属製ヘルドは、プレス加工によるバリが存する側と反対側の前記メール孔の周囲に対してもパンチによって面打ち加工によって形成された滑面を有するヘルドである。換言すれば、メール孔における経糸の入側及び出側において面打ちが行われ、メール孔の縁部及び内面が滑面にされることから、ヘルドを製造するプレス工程の一つに組み入れることができ、生産性を低下させることがなく、本発明の第1の目的を達成することができる。さらに、第5の発明においては、ヘルドにおける経糸の入側及び出側がパンチによるプレス加工によって表面硬化されるので、耐久性が向上される利点がある。
第6の発明の金属製ヘルドは、面打ち加工の後、ヘルドの全体に対しショットブラスト加工が施される。したがって、第6の発明においては、ショットブラストにより、ヘルド全体が表面硬化され、耐摩耗性の向上、疲労強度の向上、及び耐応力腐食割れが向上される利点がある。また、万が一、パンチによる面打ち加工後にバリ、破断面の微細な凸部が残った場合であっても、ショットブラストによってそれらを潰して滑面にすることができる利点がある。
第7の発明のヘルド製造方法によれば、キャリアロッド孔及びメール孔をプレス加工によって打ち抜いて形成した後、前記キャリアロッド孔又はメール孔のプレス加工による破断面及びバリをプレス工程における面打ち加工により滑面に成形される。これにより、破断面の微細な凸部及びバリは押圧によって滑面に形成されることから、ヘルドを製造するプレス工程に組み入れることができ、生産性を低下させることがなく、本発明の2の目的を達成することができる。さらに、第7の発明においては、ヘルドにおけるキャリアロッド孔及びメール孔の一方の面がプレス加工によって表面硬化されるので、耐久性が向上する利点がある。
第8の発明のヘルド製造方法によれば、キャリアロッド孔をプレス加工によって打ち抜いて形成した後、前記キャリアロッド孔の少なくともキャリアロッドと接触する部分のプレス加工による破断面及びバリをプレス工程における面打ち加工により滑面に成形される。これにより、キャリアロッド孔の破断面における微細な凸部、及びバリはプレス加工によって滑面に形成されることから、ヘルドを製造するプレス工程に組み入れることができ、生産性を低下させることがなく、本発明の第2の目的を達成することができる。さらに、第8の発明においては、ヘルドにおけるキャリアロッド孔の一側の面がプレス加工によって表面硬化されるので、耐久性が向上する利点がある。
第9の発明のヘルド製造方法によれば、メール孔をプレス加工によって打ち抜いて形成した後、前記メール孔のプレス加工による破断面及びバリをプレス加工により滑面に成形される。これにより、メール孔の破断面における微細な凸部、及びバリはプレス加工によって滑面に形成されることから、ヘルドを製造するプレス工程に組み入れることができ、生産性を低下させることがなく、本発明の第2の目的を達成することができる。さらに、第9の発明においては、ヘルドにおけるメール孔の面がプレス加工によって表面硬化されるので、耐久性が向上する利点がある。
第10の発明のヘルド製造方法によれば、プレス加工による破断面及びバリに対しパンチによって面打ちをすることにより滑面に成形される。これにより、キャリアロッド孔又はメール孔の破断面における微細な凸部、及びバリはパンチによる面打ちによって滑面に形成されることから、ヘルドを製造するプレス工程に組み入れることができ、生産性を低下させることがなく、本発明の第2の目的を達成することができる。さらに、第10の発明においては、ヘルドにおけるキャリアロッド孔又はメール孔の面が面打ち加工によって表面硬化されるので、耐久性が向上する利点がある。
第11の発明のヘルド製造方法によれば、プレス加工によるバリが存する側と反対側の前記メール孔の周囲に対してもパンチによって面打ち加工が行われる。これにより、メール孔のダレ面において微細な凸部、又はクラックが存在する場合、それらはパンチによる面打ちによって滑面に形成されることから、ヘルドを製造するプレス工程に組み入れることができ、生産性を低下させることがなく、本発明の第2の目的を達成することができる。さらに、第11の発明においては、メール孔のダレ面が面打ち加工によって表面硬化されるので、耐久性が向上する利点がある。
第12の発明のヘルド製造方法によれば、面打ち加工の後、ヘルドの全体に対しショットブラスト加工が行われる。したがって、ショットブラストにより、ヘルド全体が表面硬化され、耐摩耗性の向上、疲労強度の向上、及び耐応力腐食割れの向上がある利点がある。また、万が一、パンチによる面打ち加工後にバリ、破断面の微細な凸部が残った場合であっても、ショットブラストによってそれらを潰して滑面にすることができる利点がある。
まず図1乃至図2を参照して、本発明にかかる金属製ヘルド100の製造方法を説明する。説明を簡易にするため、従来と同一部には同一符号を付し、異なる製造工程を説明する。
本実施例において、順送プレス型を前提に説明するが、単発プレス型を適用することができる。順送プレス型は同一品種の大量生産に適し、単発プレス型は多品種の生産に適する。
本実施例におけるヘルドの製造工程は、図2に示すように、プレス工程におけるプレス機22において、キャリアロッド孔34A、34B、メール孔36、及び外形の打ち抜き工程Bに続いてメール孔36のダレ面63の面打ち工程B1、次にキャリアロッド孔34A、34B及びメール孔36のバリ68及び破断面66の面打ち工程B2、続いて第1洗浄工程B3、続いて表面硬化工程B4、続いて従来のエッジ取り工程C乃至洗浄工程Eが行われた後、完成される。なお、外形の打ち抜き工程B、ダレ面63の面打ち工程B1、バリ68及び破断面66の面打ち工程B2を1つの順送型内において行い、次いで第1洗浄工程B3を別の製造ラインで行い、次いで表面硬化工程B4をさらに別の製造ラインで行うことが好ましいが、それぞれの工程を独立した製造ラインで行うこともできる。
本実施例において、順送プレス型を前提に説明するが、単発プレス型を適用することができる。順送プレス型は同一品種の大量生産に適し、単発プレス型は多品種の生産に適する。
本実施例におけるヘルドの製造工程は、図2に示すように、プレス工程におけるプレス機22において、キャリアロッド孔34A、34B、メール孔36、及び外形の打ち抜き工程Bに続いてメール孔36のダレ面63の面打ち工程B1、次にキャリアロッド孔34A、34B及びメール孔36のバリ68及び破断面66の面打ち工程B2、続いて第1洗浄工程B3、続いて表面硬化工程B4、続いて従来のエッジ取り工程C乃至洗浄工程Eが行われた後、完成される。なお、外形の打ち抜き工程B、ダレ面63の面打ち工程B1、バリ68及び破断面66の面打ち工程B2を1つの順送型内において行い、次いで第1洗浄工程B3を別の製造ラインで行い、次いで表面硬化工程B4をさらに別の製造ラインで行うことが好ましいが、それぞれの工程を独立した製造ラインで行うこともできる。
本発明における実施例の工程を説明する前に、実施例に係る上型24と下型26を図5及び図6を参照しつつ説明する。本実施例は順送プレス加工であるので、キャリアロッド孔上型102UP、メール孔上型106UPは同一の上型24(図1)に構成され、キャリアロッド孔下型102LDとメール孔下型106LDは同一の下型26(図1)に構成される。したがって、キャリアロッド孔面打ち型102Cはキャリアロッド孔上型102UPとキャリアロッド孔下型102LDによって構成され、メール孔面打ち型106Cはメール孔上型106UPとメール孔下型106LDによって構成される。なお、キャリアロッド孔34Aと34Bは上下対称構造であるので、説明の簡単化のため、キャリアロッド孔34Aを代表して説明する。
まず、キャリアロッド孔上型102UPを図5を参照しつつ説明する。
本実施例において、キャリアロッド孔上型102UPは、キャリアロッド孔ストリッパ102US及びキャリアロッド孔パンチ102CPPによって構成されている。キャリアロッド孔ストリッパ102USは通常のストリッパと同様に、鉛直下方に移動して帯材14をキャリアロッド孔ダイ102LM上に押さえつける。キャリアロッド孔パンチ102CPPは、楕円形の横断面(紙面に対する垂直面)に形成され、鉛直方向に上下動される。したがって、キャリアロッド孔34Aを形成する場合、まず、キャリアロッド孔ストリッパ102USが鉛直下方に移動されて帯材14を後述するキャリアロッド孔ダイ102LMに押しつける。次いで、キャリアロッド孔パンチ102CPPが鉛直に降下され、楕円形のキャリアロッド孔34Aを打ち抜く。キャリアロッド孔パンチ102CPPによる打抜き加工によって、前述したように、キャリアロッド孔34Aの周面には上側から順に、ダレ面63、剪断面64、破断面66が形成され、及びキャリアロッド孔34Aに隣接する周囲における帯材14の下方に突出するバリ68が形成される(図5(A))。なお、バリ68の下方への突出量は帯材14の材料が堅いため、小さい。
本実施例において、キャリアロッド孔上型102UPは、キャリアロッド孔ストリッパ102US及びキャリアロッド孔パンチ102CPPによって構成されている。キャリアロッド孔ストリッパ102USは通常のストリッパと同様に、鉛直下方に移動して帯材14をキャリアロッド孔ダイ102LM上に押さえつける。キャリアロッド孔パンチ102CPPは、楕円形の横断面(紙面に対する垂直面)に形成され、鉛直方向に上下動される。したがって、キャリアロッド孔34Aを形成する場合、まず、キャリアロッド孔ストリッパ102USが鉛直下方に移動されて帯材14を後述するキャリアロッド孔ダイ102LMに押しつける。次いで、キャリアロッド孔パンチ102CPPが鉛直に降下され、楕円形のキャリアロッド孔34Aを打ち抜く。キャリアロッド孔パンチ102CPPによる打抜き加工によって、前述したように、キャリアロッド孔34Aの周面には上側から順に、ダレ面63、剪断面64、破断面66が形成され、及びキャリアロッド孔34Aに隣接する周囲における帯材14の下方に突出するバリ68が形成される(図5(A))。なお、バリ68の下方への突出量は帯材14の材料が堅いため、小さい。
次にキャリアロッド孔下型102LDを図5を参照しつつ説明する。
本実施例において、キャリアロッド孔下型102LDは、キャリアロッド孔ダイ102LM及びキャリアロッド孔面打ちパンチ102CPによって構成されている。キャリアロッド孔ダイ102LMは、水平に固定される。キャリアロッド孔ストリッパ102USによって帯材14をキャリアロッド孔ダイ102LMに押さえつけた状態において、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPを垂直上方へ突き上げ、楕円形のキャリアロッド孔34Aの周囲のバリ68及び破断面66を押圧する。キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPによって、キャリアロッド孔34Aの周囲に存するバリ68及び破断面66を面打ち加工する。
キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPは、図4(B)において鎖線で示す範囲、即ち、キャリアロッド76Aが衝突するキャリアロッド孔端部34Eの全長、及びその両側のキャリアロッド孔左端部34L、及びキャリアロッド孔右端部34Rの一部に相対して形成され、キャリヤロッド孔34Aの端部に対し、下向き凹型に面打ち加工が行われる。キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPは、載頭四角錐形のキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTが所定の高さで形成され、その根元部にキャリアロッド孔の外側端部に対する面打ちパンチ部102CPSが四角柱の三辺に形成されている。キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPは、全体としては四角柱型に形成され、鉛直方向に所定のストロークで上下動される。面打ちパンチ部102CPSは、縦断面が上向き、且つ外向きの凹部であり、その断面形状は四分の一の円弧状である。したがって、キャリアロッド孔34Aの外側端部周縁に対する面打ち加工は、まず、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTがキャリアロッド孔34Aに進行し(図5(A)において上昇し)、次いでキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSがキャリアロッド孔34Aの周囲に存するバリ68を押し潰し、帯材14に一体化させる。キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSのストロークは、帯材14の厚みの半分程度である。換言すれば、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSが帯材14の下面に接した状態から、帯材14の厚みTの数分の一程度、更に上昇される。したがって、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPは、バリ68のみならず、破断面66の全部又は一部をも押圧する。すなわち、キャリアロッド孔34Aのバリ側(図5において下側)周縁部がキャリアロッド孔面打ちパンチ102CPのキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSによって押圧されるので、キャリアロッド孔34Aの内面が孔内へ膨らむように横方向へ塑性変形される。換言すれば、キャリアロッド孔34Aの内面の破断面66がキャリアロッド孔34Aの内方側にその断面が弧状に膨出され、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTに押圧されるため、キャリアロッド孔面打ち部104Pが形成される。キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTに押圧されることにより、破断面66に存する微細な凸部は押し潰されて平滑にされる。なお、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPのストロークは、前述したように、帯材14の厚みの数分の一程度であるが、最終的に形成された面打ち部の変形量はスプリングバックによって、帯材14の厚みの十分の一程度である。キャリアロッド孔面打ち部104Pは、帯材14の下面14LSに弧状に接続され、帯材14の厚み方向においては、中間部において、僅かな凹み34Dが形成される。上面14USに対しては、ダレ面63による弧状で接続される。したがって。キャリアロッド孔34Aの面打ち部の断面形状は、横向き略M字状に形成される。なお、キャリアロッド孔上型102UPとキャリアロッド孔下型102LDとを上下逆に配置することもできる。
本実施例において、キャリアロッド孔下型102LDは、キャリアロッド孔ダイ102LM及びキャリアロッド孔面打ちパンチ102CPによって構成されている。キャリアロッド孔ダイ102LMは、水平に固定される。キャリアロッド孔ストリッパ102USによって帯材14をキャリアロッド孔ダイ102LMに押さえつけた状態において、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPを垂直上方へ突き上げ、楕円形のキャリアロッド孔34Aの周囲のバリ68及び破断面66を押圧する。キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPによって、キャリアロッド孔34Aの周囲に存するバリ68及び破断面66を面打ち加工する。
キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPは、図4(B)において鎖線で示す範囲、即ち、キャリアロッド76Aが衝突するキャリアロッド孔端部34Eの全長、及びその両側のキャリアロッド孔左端部34L、及びキャリアロッド孔右端部34Rの一部に相対して形成され、キャリヤロッド孔34Aの端部に対し、下向き凹型に面打ち加工が行われる。キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPは、載頭四角錐形のキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTが所定の高さで形成され、その根元部にキャリアロッド孔の外側端部に対する面打ちパンチ部102CPSが四角柱の三辺に形成されている。キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPは、全体としては四角柱型に形成され、鉛直方向に所定のストロークで上下動される。面打ちパンチ部102CPSは、縦断面が上向き、且つ外向きの凹部であり、その断面形状は四分の一の円弧状である。したがって、キャリアロッド孔34Aの外側端部周縁に対する面打ち加工は、まず、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTがキャリアロッド孔34Aに進行し(図5(A)において上昇し)、次いでキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSがキャリアロッド孔34Aの周囲に存するバリ68を押し潰し、帯材14に一体化させる。キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSのストロークは、帯材14の厚みの半分程度である。換言すれば、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSが帯材14の下面に接した状態から、帯材14の厚みTの数分の一程度、更に上昇される。したがって、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPは、バリ68のみならず、破断面66の全部又は一部をも押圧する。すなわち、キャリアロッド孔34Aのバリ側(図5において下側)周縁部がキャリアロッド孔面打ちパンチ102CPのキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSによって押圧されるので、キャリアロッド孔34Aの内面が孔内へ膨らむように横方向へ塑性変形される。換言すれば、キャリアロッド孔34Aの内面の破断面66がキャリアロッド孔34Aの内方側にその断面が弧状に膨出され、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTに押圧されるため、キャリアロッド孔面打ち部104Pが形成される。キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTに押圧されることにより、破断面66に存する微細な凸部は押し潰されて平滑にされる。なお、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPのストロークは、前述したように、帯材14の厚みの数分の一程度であるが、最終的に形成された面打ち部の変形量はスプリングバックによって、帯材14の厚みの十分の一程度である。キャリアロッド孔面打ち部104Pは、帯材14の下面14LSに弧状に接続され、帯材14の厚み方向においては、中間部において、僅かな凹み34Dが形成される。上面14USに対しては、ダレ面63による弧状で接続される。したがって。キャリアロッド孔34Aの面打ち部の断面形状は、横向き略M字状に形成される。なお、キャリアロッド孔上型102UPとキャリアロッド孔下型102LDとを上下逆に配置することもできる。
次に、メール孔上型106UPを図6を参照しつつ説明する。
本実施例において、メール孔上型106UPは、メール孔ストリッパ106US及びメール孔上パンチ106MUPによって構成されている。メール孔ストリッパ106USは、所定のタイミングで鉛直方向に上下動され、後述するメール孔ダイ106LDDに帯材14を押しつける機能を有する。メール孔上パンチ106MUPは鉛直方向に所定のストロークで上下動される。メール孔上パンチ106MUPの下端部がメール孔パンチ106MPであり端面形状が楕円形の柱状に形成されている。
メール孔パンチ106MPの上端部に続いてメール孔パンチ106MPの全周にメール孔面打ちパンチ106MFPが構成されている。メール孔面打ちパンチ106MFPは、その断面が大凡下向き、かつ外向きの円弧状に形成されている。したがって、メール孔上型106UPは、下端部が小さい柱状のメール孔パンチ106MP、その上端部に一回り大きいメール孔面打ちパンチ106MFPが形成された二段階棒状を呈している。
この構成によって、まず、メール孔ストリッパ106USによって帯材14をメール孔ダイ106LDD上に押さえつけた状態でメール孔上パンチ106MUPを下降させ、メール孔パンチ106MPによって楕円形のメール孔36を打ち抜く。楕円形のメール孔パンチ106MPによる打抜き加工によって、前述したように、メール孔36の周面には上側から順に、ダレ面63、剪断面64、破断面66、及びバリ68が形成される。
次に、メール孔上パンチ106MUPが更に下降され、メール孔ダレ面側面打ちパンチ106MFPによってダレ面63が面打ち加工される。
本実施例において、メール孔上型106UPは、メール孔ストリッパ106US及びメール孔上パンチ106MUPによって構成されている。メール孔ストリッパ106USは、所定のタイミングで鉛直方向に上下動され、後述するメール孔ダイ106LDDに帯材14を押しつける機能を有する。メール孔上パンチ106MUPは鉛直方向に所定のストロークで上下動される。メール孔上パンチ106MUPの下端部がメール孔パンチ106MPであり端面形状が楕円形の柱状に形成されている。
メール孔パンチ106MPの上端部に続いてメール孔パンチ106MPの全周にメール孔面打ちパンチ106MFPが構成されている。メール孔面打ちパンチ106MFPは、その断面が大凡下向き、かつ外向きの円弧状に形成されている。したがって、メール孔上型106UPは、下端部が小さい柱状のメール孔パンチ106MP、その上端部に一回り大きいメール孔面打ちパンチ106MFPが形成された二段階棒状を呈している。
この構成によって、まず、メール孔ストリッパ106USによって帯材14をメール孔ダイ106LDD上に押さえつけた状態でメール孔上パンチ106MUPを下降させ、メール孔パンチ106MPによって楕円形のメール孔36を打ち抜く。楕円形のメール孔パンチ106MPによる打抜き加工によって、前述したように、メール孔36の周面には上側から順に、ダレ面63、剪断面64、破断面66、及びバリ68が形成される。
次に、メール孔上パンチ106MUPが更に下降され、メール孔ダレ面側面打ちパンチ106MFPによってダレ面63が面打ち加工される。
次に、メール孔下型106LDを図6を参照しつつ説明する。
本実施例において、メール孔下型106LDは、メール孔ダイ106LDD及びメール孔バリ側面打ちパンチ106CPによって構成されている。メール孔ダイ106LDDは固定状態である。メール孔ストリッパ106USによって帯材14をメール孔ダイ106LDD上に押さえつけた状態でメール孔上パンチ106MUPを鉛直方向に下降させ、楕円形のメール孔36を打ち抜く。この工程がメール孔36の打ち抜き工程Bである。メール孔バリ側面打ちパンチ106CPによる打抜き加工によって、前述したように、メール孔36の周面には上側から順に、ダレ面63、剪断面64、破断面66、及びバリ68が形成される。
本実施例において、メール孔下型106LDは、メール孔ダイ106LDD及びメール孔バリ側面打ちパンチ106CPによって構成されている。メール孔ダイ106LDDは固定状態である。メール孔ストリッパ106USによって帯材14をメール孔ダイ106LDD上に押さえつけた状態でメール孔上パンチ106MUPを鉛直方向に下降させ、楕円形のメール孔36を打ち抜く。この工程がメール孔36の打ち抜き工程Bである。メール孔バリ側面打ちパンチ106CPによる打抜き加工によって、前述したように、メール孔36の周面には上側から順に、ダレ面63、剪断面64、破断面66、及びバリ68が形成される。
次にメール孔バリ側面打ちパンチ106CPを説明する。
メール孔バリ側面打ちパンチ106CPはメール孔ダイ106LDDに対し所定のタイミングで鉛直方向に上下動され、メール孔36の縁部におけるバリ68及び破断面66を面打ち加工し、バリ68及び破断面66の微細な凸部を押し潰して、平滑にする。このメール孔36のバリ68及び破断面66の面打ち加工がメール孔ダレ面打ち工程B1である。メール孔バリ側面打ちパンチ106CPは、先端部に形成されたメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGとメール孔バリ側面打ち部106CPPと、メール孔パンチ基部106CPBによって構成されている。メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGは、メール孔36の内周面に対し傾斜する傾斜面106CPGFを有する。したがって、メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGは、栽頭錐形に形成され、その下部にメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGよりも一回り大きく形成された矩形柱状のメール孔パンチ基部106CPBとの段差の角部を弧状面、本実施例においては所定半径の円弧面で接続されており、当該弧状面がメール孔バリ側面打ち部106CPPである。メール孔バリ側面打ち部106CPPは、上向き、かつ外向きであって、メール孔パンチ基部106CPBの全周に形成され、縦断面が四分の一の円弧状に形成された凹部である。メール孔バリ側面打ちパンチ106CPがメール孔36を上昇する際、帯材14は傾斜面106CPGFに案内されて帯材14の位置だしが行われた後、メール孔バリ側面打ち部106CPPは、メール孔36の周縁のバリ68を押圧し、面打ち加工を行う。メール孔バリ側面打ちパンチ106CPのストロークは、前述のキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSと同様に、帯材14の厚みの二分の一程度である。メール孔上型106UPとメール孔下型106LDとでメール孔面打ち型106Cが構成される。
メール孔バリ側面打ちパンチ106CPはメール孔ダイ106LDDに対し所定のタイミングで鉛直方向に上下動され、メール孔36の縁部におけるバリ68及び破断面66を面打ち加工し、バリ68及び破断面66の微細な凸部を押し潰して、平滑にする。このメール孔36のバリ68及び破断面66の面打ち加工がメール孔ダレ面打ち工程B1である。メール孔バリ側面打ちパンチ106CPは、先端部に形成されたメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGとメール孔バリ側面打ち部106CPPと、メール孔パンチ基部106CPBによって構成されている。メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGは、メール孔36の内周面に対し傾斜する傾斜面106CPGFを有する。したがって、メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGは、栽頭錐形に形成され、その下部にメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGよりも一回り大きく形成された矩形柱状のメール孔パンチ基部106CPBとの段差の角部を弧状面、本実施例においては所定半径の円弧面で接続されており、当該弧状面がメール孔バリ側面打ち部106CPPである。メール孔バリ側面打ち部106CPPは、上向き、かつ外向きであって、メール孔パンチ基部106CPBの全周に形成され、縦断面が四分の一の円弧状に形成された凹部である。メール孔バリ側面打ちパンチ106CPがメール孔36を上昇する際、帯材14は傾斜面106CPGFに案内されて帯材14の位置だしが行われた後、メール孔バリ側面打ち部106CPPは、メール孔36の周縁のバリ68を押圧し、面打ち加工を行う。メール孔バリ側面打ちパンチ106CPのストロークは、前述のキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSと同様に、帯材14の厚みの二分の一程度である。メール孔上型106UPとメール孔下型106LDとでメール孔面打ち型106Cが構成される。
次にメール孔上パンチ106MUPを更に詳細に説明する。
メール孔上パンチ106MUPは、主にメール孔36の打ち抜き工程Bを行うメール孔パンチ106MPと、当該メール孔パンチ106MPの打ち抜きによって生じたダレ面63を押圧し、滑らかなメール孔反バリ側滑面112Sを形成するメール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPとを有する。メール孔反バリ側滑面112Sは、メール孔36の全周に形成することが望ましい。メール孔36には経糸Yが通され、ヘルドフレーム74の上下動によって、経糸Yがメール孔36の全周において摺接する必然性が高いからである。したがって、メール孔パンチ106MPはメール孔36と相似形であって、僅かに小さく楕円形のメール孔パンチ106MPが所定の高さで柱状に形成され、及びメール孔パンチ106MPの上端部のメール孔36の周縁に相対する部分には、メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPが楕円リング形に形成されている。
メール孔上パンチ106MUPは、主にメール孔36の打ち抜き工程Bを行うメール孔パンチ106MPと、当該メール孔パンチ106MPの打ち抜きによって生じたダレ面63を押圧し、滑らかなメール孔反バリ側滑面112Sを形成するメール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPとを有する。メール孔反バリ側滑面112Sは、メール孔36の全周に形成することが望ましい。メール孔36には経糸Yが通され、ヘルドフレーム74の上下動によって、経糸Yがメール孔36の全周において摺接する必然性が高いからである。したがって、メール孔パンチ106MPはメール孔36と相似形であって、僅かに小さく楕円形のメール孔パンチ106MPが所定の高さで柱状に形成され、及びメール孔パンチ106MPの上端部のメール孔36の周縁に相対する部分には、メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPが楕円リング形に形成されている。
次にメール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPを更に詳細に説明する。
メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPは、ダレ面63を押圧し、表面の微細な凸部を潰して滑らかなメール孔反バリ側滑面112Sを形成する機能を有する。メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPは、前述したように、下方、かつ外向きの四分の一円弧状に形成されている。したがって、金属製ヘルド100のメール孔36の周縁がメール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPによって押圧された場合、メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPの形状に倣って円弧状に塑性変形され、メール孔反バリ側滑面112Sがその形状に倣って断面が円弧状に形成さると共に、メール孔36の内面が孔の内方へ膨出するメール孔反バリ側膨出部112Eが形成される。
メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPによってダレ面63を面打ち加工を行う際、メール孔36内面に近接した位置にメール孔パンチ106MPが進行している。これにより、メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPの押圧によって、メール孔36内に膨出したメール孔反バリ側膨出部112Eは、メール孔パンチ106MPの周面によって制約を受けて成形される。換言すれば、メール孔反バリ側膨出部112Eはメール孔パンチ106MPによって所定量以上の膨出を制約されるので、金属製ヘルド100の厚み方向における内側へ向かって弧状に膨出する。これによって、メール孔36の反バリ側(図4(E)・図6(D)において上側)は、断面形状が弧状に形成される。また、その表面は、メール孔パンチ106MPの側面に押圧にされることによって微細な凸部が潰されて滑らかなメール孔反バリ側滑面112Sに成形される。
本実施例においては説明の便宜上、図4(E)及び図6(D)における下側をメール孔バリ側滑面108Sとし、上側をメール孔反バリ側滑面112Sとして説明する。
メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPは、ダレ面63を押圧し、表面の微細な凸部を潰して滑らかなメール孔反バリ側滑面112Sを形成する機能を有する。メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPは、前述したように、下方、かつ外向きの四分の一円弧状に形成されている。したがって、金属製ヘルド100のメール孔36の周縁がメール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPによって押圧された場合、メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPの形状に倣って円弧状に塑性変形され、メール孔反バリ側滑面112Sがその形状に倣って断面が円弧状に形成さると共に、メール孔36の内面が孔の内方へ膨出するメール孔反バリ側膨出部112Eが形成される。
メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPによってダレ面63を面打ち加工を行う際、メール孔36内面に近接した位置にメール孔パンチ106MPが進行している。これにより、メール孔ダレ面面打ちパンチ106MFPの押圧によって、メール孔36内に膨出したメール孔反バリ側膨出部112Eは、メール孔パンチ106MPの周面によって制約を受けて成形される。換言すれば、メール孔反バリ側膨出部112Eはメール孔パンチ106MPによって所定量以上の膨出を制約されるので、金属製ヘルド100の厚み方向における内側へ向かって弧状に膨出する。これによって、メール孔36の反バリ側(図4(E)・図6(D)において上側)は、断面形状が弧状に形成される。また、その表面は、メール孔パンチ106MPの側面に押圧にされることによって微細な凸部が潰されて滑らかなメール孔反バリ側滑面112Sに成形される。
本実施例においては説明の便宜上、図4(E)及び図6(D)における下側をメール孔バリ側滑面108Sとし、上側をメール孔反バリ側滑面112Sとして説明する。
次にメール孔下型106LDを更に詳細に説明する。
メール孔下型106LDは、主にメール孔36のバリ・破断面面打ち工程B2において生じた破断面66及びバリ68を押圧し、滑らかなメール孔バリ側滑面108Sを形成する機能を有する。メール孔下型106LDはメール孔ダイ106LDDとメール孔バリ側面打ちパンチ106CPによって構成されている。メール孔ダイ106LDDは固定状体に設けられ、帯材14を上面に載置して水平状態に保持する機能を有する。メール孔バリ側滑面108Sは、メール孔反バリ側滑面112Sと同様にメール孔36の全周に形成することが望ましい。したがって、メール孔バリ側面打ちパンチ106CPはメール孔36よりも一回り小型の相似形の楕円柱型(本実施例では錘形柱型)に形成されたメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPG、メール孔バリ側面打ち部106CPP、及びメール孔パンチ基部106CPBによって構成されている。したがって、メール孔バリ側面打ち部106CPPは、楕円リング状であって、メール孔36の周縁に相対し、断面形状が上向き且つ外向きの四分の一円弧状に形成されている。
メール孔下型106LDは、主にメール孔36のバリ・破断面面打ち工程B2において生じた破断面66及びバリ68を押圧し、滑らかなメール孔バリ側滑面108Sを形成する機能を有する。メール孔下型106LDはメール孔ダイ106LDDとメール孔バリ側面打ちパンチ106CPによって構成されている。メール孔ダイ106LDDは固定状体に設けられ、帯材14を上面に載置して水平状態に保持する機能を有する。メール孔バリ側滑面108Sは、メール孔反バリ側滑面112Sと同様にメール孔36の全周に形成することが望ましい。したがって、メール孔バリ側面打ちパンチ106CPはメール孔36よりも一回り小型の相似形の楕円柱型(本実施例では錘形柱型)に形成されたメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPG、メール孔バリ側面打ち部106CPP、及びメール孔パンチ基部106CPBによって構成されている。したがって、メール孔バリ側面打ち部106CPPは、楕円リング状であって、メール孔36の周縁に相対し、断面形状が上向き且つ外向きの四分の一円弧状に形成されている。
次にメール孔バリ側面打ち部106CPPを説明する。
メール孔バリ側面打ち部106CPPは、バリ68を押し潰し、及び破断面66の一部を押圧し、表面の微細な凸部を塑性変形させて滑らかな滑面とする機能を有する。
メール孔バリ側面打ち部106CPPは、メール孔下型106LD上の金属製ヘルド100のバリ68及び破断面66の一部に相対して形成されている。メール孔バリ側面打ち部106CPPの水平方向の長さは、押圧されたバリ68がメール孔36から離れる方向へ押し潰された場合であっても、メール孔バリ側面打ち部106CPPの範囲からはみ出ない長さに設定されている。換言すれば、メール孔バリ側面打ち部106CPPは、破断面66及びバリ68の垂直下方において、これらと相対している。メール孔バリ側面打ち部106CPPによって、所定の押圧力で押圧された場合、金属製ヘルド100の表面部分は塑性変形され、破断面66にある微細な凸部は押し潰され、滑らかな面に成形される。破断面66に微細なクラックが存する場合、当該クラックは押し潰されて密着され、恰も一体化されたようになる。メール孔36の内面は、メール孔36の内方へ膨出され、メール孔バリ側膨出面108Eが形成される。
メール孔バリ側面打ち部106CPPは、バリ68を押し潰し、及び破断面66の一部を押圧し、表面の微細な凸部を塑性変形させて滑らかな滑面とする機能を有する。
メール孔バリ側面打ち部106CPPは、メール孔下型106LD上の金属製ヘルド100のバリ68及び破断面66の一部に相対して形成されている。メール孔バリ側面打ち部106CPPの水平方向の長さは、押圧されたバリ68がメール孔36から離れる方向へ押し潰された場合であっても、メール孔バリ側面打ち部106CPPの範囲からはみ出ない長さに設定されている。換言すれば、メール孔バリ側面打ち部106CPPは、破断面66及びバリ68の垂直下方において、これらと相対している。メール孔バリ側面打ち部106CPPによって、所定の押圧力で押圧された場合、金属製ヘルド100の表面部分は塑性変形され、破断面66にある微細な凸部は押し潰され、滑らかな面に成形される。破断面66に微細なクラックが存する場合、当該クラックは押し潰されて密着され、恰も一体化されたようになる。メール孔36の内面は、メール孔36の内方へ膨出され、メール孔バリ側膨出面108Eが形成される。
次にメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGを説明する。
メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGFは、メール孔バリ側面打ち部106CPPによるバリ68に対する押圧によって、メール孔36の内方へ膨らむように塑性変形される形態を制御し、かつ平滑な面に成形する機能を有する。本実施例においてメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGは、メール孔バリ側面打ち部106CPPの上端から垂立するように形成され、面打ち加工を行う際は、メール孔36内に進行し、メール孔内面に近接して位置し、少なくとも破断面66に相対する。したがって、メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGへの押圧によって、メール孔36内に膨出した部分は、メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGによって制約を受けて成形される。換言すれば、メール孔バリ側膨出面108Eはメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGによって膨出を制約されるので、金属製ヘルド100の厚み方向におけるメール孔36の内方へ向かって半円形に膨出する。これによって、メール孔36の内側縁部は図4(E)、図6(D)に示すように、メール孔バリ側面打ち面108P及びメール孔バリ側膨出面108Eによってメール孔バリ側滑面108Sが形成され、メール孔36の厚み方向の断面形状は、中間にメール孔谷部114Vを有する横向きM字形に形成される。したがって、メール孔谷部114Vは経糸Yと接触することは無い。換言すれば、谷部114Vに破断面66が残っている場合であっても、経糸Yが破断面66に接触せず、破断面66の微細な凸部を起因とする経糸切断を防止できる利点がある。なお、メール孔上型106CPとメール孔下型106LDを上下逆に配置することもできる。
メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGFは、メール孔バリ側面打ち部106CPPによるバリ68に対する押圧によって、メール孔36の内方へ膨らむように塑性変形される形態を制御し、かつ平滑な面に成形する機能を有する。本実施例においてメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGは、メール孔バリ側面打ち部106CPPの上端から垂立するように形成され、面打ち加工を行う際は、メール孔36内に進行し、メール孔内面に近接して位置し、少なくとも破断面66に相対する。したがって、メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGへの押圧によって、メール孔36内に膨出した部分は、メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGによって制約を受けて成形される。換言すれば、メール孔バリ側膨出面108Eはメール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGによって膨出を制約されるので、金属製ヘルド100の厚み方向におけるメール孔36の内方へ向かって半円形に膨出する。これによって、メール孔36の内側縁部は図4(E)、図6(D)に示すように、メール孔バリ側面打ち面108P及びメール孔バリ側膨出面108Eによってメール孔バリ側滑面108Sが形成され、メール孔36の厚み方向の断面形状は、中間にメール孔谷部114Vを有する横向きM字形に形成される。したがって、メール孔谷部114Vは経糸Yと接触することは無い。換言すれば、谷部114Vに破断面66が残っている場合であっても、経糸Yが破断面66に接触せず、破断面66の微細な凸部を起因とする経糸切断を防止できる利点がある。なお、メール孔上型106CPとメール孔下型106LDを上下逆に配置することもできる。
次にメール孔36を主に図4(E)及び図6(D)を参照しつつ説明する。
メール孔36は、バリ68の突出側及び反対側に面打ちされたメール孔バリ側滑面108Sと、ダレ面63側のメール孔反バリ側滑面112Sが形成される。
メール孔36は、バリ68の突出側及び反対側に面打ちされたメール孔バリ側滑面108Sと、ダレ面63側のメール孔反バリ側滑面112Sが形成される。
まずメール孔バリ側滑面108Sを説明する。
メール孔バリ側滑面108Sはメール孔36を囲うように楕円リング型に形成され、メール孔バリ側面打ち面108Pとメール孔バリ側膨出面108Eによって構成されている。メール孔バリ側面打ち面108Pとメール孔バリ側膨出面108Eは連続している。メール孔バリ側膨出面108Eは、図4(E)に図示するように、断面が半円形に形成され、メール孔反バリ側膨出面112Eに連なる。前述したように、メール孔バリ側面打ち面108Pは面打ち加工されているので、バリ68は潰されると共に、破断面66の一部又は全部の微細な凸部は潰されて滑らかな面に成形される。さらに、メール孔36内へのメール孔バリ側膨出面108Eは、メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGによって膨出を規制され、押圧されることにより破断面66の微細な凸部は潰されて滑らかなメール孔バリ側膨出面108Eに成形される。したがって、メール孔バリ側滑面108Sは、メール孔バリ側面打ち面108Pとメール孔バリ側膨出面108Eによって滑らかな面に構成される。更にまた、破断面66に存するクラック72は、押し潰されて密着される。
メール孔バリ側滑面108Sはメール孔36を囲うように楕円リング型に形成され、メール孔バリ側面打ち面108Pとメール孔バリ側膨出面108Eによって構成されている。メール孔バリ側面打ち面108Pとメール孔バリ側膨出面108Eは連続している。メール孔バリ側膨出面108Eは、図4(E)に図示するように、断面が半円形に形成され、メール孔反バリ側膨出面112Eに連なる。前述したように、メール孔バリ側面打ち面108Pは面打ち加工されているので、バリ68は潰されると共に、破断面66の一部又は全部の微細な凸部は潰されて滑らかな面に成形される。さらに、メール孔36内へのメール孔バリ側膨出面108Eは、メール孔バリ側面打ちパンチ案内部106CPGによって膨出を規制され、押圧されることにより破断面66の微細な凸部は潰されて滑らかなメール孔バリ側膨出面108Eに成形される。したがって、メール孔バリ側滑面108Sは、メール孔バリ側面打ち面108Pとメール孔バリ側膨出面108Eによって滑らかな面に構成される。更にまた、破断面66に存するクラック72は、押し潰されて密着される。
次にメール孔反バリ側滑面112Sを説明する。
メール孔反バリ側滑面112Sは、ダレ面63側において、メール孔36を囲うように楕円リング型に形成されたメール孔反バリ側面打ち面112Pとメール孔反バリ側膨出面112Eとによって構成されている。メール孔反バリ側面打ち面112Pとメール孔反バリ側膨出面112Eは連続している。メール孔反バリ側膨出面112Eは、図4(E)に図示するように、断面が半円形に形成され、メール孔バリ側膨出面108Eに連なる。前述したように、メール孔反バリ側面打ち面112Pは面打ちされているので、表面の凸部は潰されて滑らかな面に成形される。さらに、メール孔36内へのメール孔反バリ側膨出面112Eは、メール孔パンチ106MPの側面によって膨出を規制され、押圧されることにより表面の微細な凸部は潰されて滑らかなメール孔反バリ側膨出面112Eに成形される。したがって、メール孔反バリ側滑面112Sは、メール孔反バリ側面打ち面112Pとメール孔反バリ側膨出面112Eによって構成される。
メール孔反バリ側膨出面112Eとメール孔バリ側膨出面108Eは、楕円型のメール孔36のメール孔内壁面114を構成し、その断面形状は横向きM型を呈する。換言すれば、メール孔反バリ側膨出面112Eとメール孔バリ側膨出面108Eの間にメール孔凹溝114Vがリング状に形成される。メール孔凹溝114Vは、メール孔36を構成するといえども、経糸Yに対して凹んでいることから、メール孔凹溝114V内の破断面66に凸部が残っている場合であっても経糸Yと接触することはなく、経糸切れを生じる問題は無い。
メール孔反バリ側滑面112Sは、ダレ面63側において、メール孔36を囲うように楕円リング型に形成されたメール孔反バリ側面打ち面112Pとメール孔反バリ側膨出面112Eとによって構成されている。メール孔反バリ側面打ち面112Pとメール孔反バリ側膨出面112Eは連続している。メール孔反バリ側膨出面112Eは、図4(E)に図示するように、断面が半円形に形成され、メール孔バリ側膨出面108Eに連なる。前述したように、メール孔反バリ側面打ち面112Pは面打ちされているので、表面の凸部は潰されて滑らかな面に成形される。さらに、メール孔36内へのメール孔反バリ側膨出面112Eは、メール孔パンチ106MPの側面によって膨出を規制され、押圧されることにより表面の微細な凸部は潰されて滑らかなメール孔反バリ側膨出面112Eに成形される。したがって、メール孔反バリ側滑面112Sは、メール孔反バリ側面打ち面112Pとメール孔反バリ側膨出面112Eによって構成される。
メール孔反バリ側膨出面112Eとメール孔バリ側膨出面108Eは、楕円型のメール孔36のメール孔内壁面114を構成し、その断面形状は横向きM型を呈する。換言すれば、メール孔反バリ側膨出面112Eとメール孔バリ側膨出面108Eの間にメール孔凹溝114Vがリング状に形成される。メール孔凹溝114Vは、メール孔36を構成するといえども、経糸Yに対して凹んでいることから、メール孔凹溝114V内の破断面66に凸部が残っている場合であっても経糸Yと接触することはなく、経糸切れを生じる問題は無い。
次にキャリアロッド孔下型102LDを主に図5を参照しつつ詳細に説明する。
キャリアロッド孔下型102LDは、キャリアロッド孔34A、34Bの打ち抜き工程Bにおいて生じた破断面66及びバリ68を押圧し、図4(C)に示すように、滑らかな滑面104、従ってキャリアロッド孔滑面104Cを形成する機能を有する。キャリアロッド孔滑面104Cは、キャリアロッド孔34A及び34Bの全周に形成することができる。しかし、本実施例においては、キャリアロッド孔34A、34Bにおいてキャリアロッド76Aと衝突する、キャリアロッド孔34A、34Bのキャリアロッド孔端部34E(図4(B)における下向き溝形の鎖線部)にのみキャリアロッド孔滑面104Cが形成される。必要最小限の範囲に面打ち加工によってキャリアロッド孔滑面104Cを形成することにより、型構造を簡素化し、製造コストを低減するためである。本実施例においては、説明の便宜上、キャリアロッド孔34Aにおけるキャリアロッド孔滑面104Cを例として説明する。図5に示すように、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPのキャリアロッド孔端部34Eに相対する部分には、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTとキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSが形成されている。したがって、キャリアロッド孔下型102LDにおいて、キャリアロッド孔端部34Eに相対する部位はコ字状に形成されている。
キャリアロッド孔下型102LDは、キャリアロッド孔34A、34Bの打ち抜き工程Bにおいて生じた破断面66及びバリ68を押圧し、図4(C)に示すように、滑らかな滑面104、従ってキャリアロッド孔滑面104Cを形成する機能を有する。キャリアロッド孔滑面104Cは、キャリアロッド孔34A及び34Bの全周に形成することができる。しかし、本実施例においては、キャリアロッド孔34A、34Bにおいてキャリアロッド76Aと衝突する、キャリアロッド孔34A、34Bのキャリアロッド孔端部34E(図4(B)における下向き溝形の鎖線部)にのみキャリアロッド孔滑面104Cが形成される。必要最小限の範囲に面打ち加工によってキャリアロッド孔滑面104Cを形成することにより、型構造を簡素化し、製造コストを低減するためである。本実施例においては、説明の便宜上、キャリアロッド孔34Aにおけるキャリアロッド孔滑面104Cを例として説明する。図5に示すように、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPのキャリアロッド孔端部34Eに相対する部分には、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTとキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSが形成されている。したがって、キャリアロッド孔下型102LDにおいて、キャリアロッド孔端部34Eに相対する部位はコ字状に形成されている。
次にキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSを説明する。
キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSは、破断面66及びバリ68を押圧し、表面の凸部を塑性変形させて滑らかな滑面とする機能を有する。
キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSは、キャリアロッド孔ダイ102LM上の帯材14のバリ68及び破断面66に相対して形成され、上向き、且つ外向きの4分の1の円弧状に形成されている。キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSの円弧の半径は、帯材14の厚みの20〜30%であり、押圧されたバリ68がキャリアロッド孔34Aから離れる方向へ押し潰された場合であっても、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSの範囲から突出しない長さに設定されている。換言すれば、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSは、破断面66及びバリ68の鉛直下方において、これらと相対している。キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTによって、キャリアロッド孔34Aの周囲が所定の力で押圧(面打ち加工)された場合、キャリアロッド孔34Aの内面はキャリアロッド孔34A内へ膨出するように塑性変形されてキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTに大きな力で押圧されることから、破断面66にある微細な凸部は押し潰され、滑らかなキャリアロッド孔面打ち部104Pに形成される。破断面66に微細なクラック72が存する場合、当該クラック72は押し潰されて密着される。
キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSは、破断面66及びバリ68を押圧し、表面の凸部を塑性変形させて滑らかな滑面とする機能を有する。
キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSは、キャリアロッド孔ダイ102LM上の帯材14のバリ68及び破断面66に相対して形成され、上向き、且つ外向きの4分の1の円弧状に形成されている。キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSの円弧の半径は、帯材14の厚みの20〜30%であり、押圧されたバリ68がキャリアロッド孔34Aから離れる方向へ押し潰された場合であっても、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSの範囲から突出しない長さに設定されている。換言すれば、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSは、破断面66及びバリ68の鉛直下方において、これらと相対している。キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTによって、キャリアロッド孔34Aの周囲が所定の力で押圧(面打ち加工)された場合、キャリアロッド孔34Aの内面はキャリアロッド孔34A内へ膨出するように塑性変形されてキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTに大きな力で押圧されることから、破断面66にある微細な凸部は押し潰され、滑らかなキャリアロッド孔面打ち部104Pに形成される。破断面66に微細なクラック72が存する場合、当該クラック72は押し潰されて密着される。
次にキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTを説明する。
キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTは、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSによるバリ68に対する押圧によってキャリアロッド孔34A内へ膨らむように塑性変形される形態を制御し、平滑な面に成形する機能を有する。本実施例においてキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTは、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSの上端から垂立するように形成され、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSが面打ち加工を行う際は、キャリアロッド孔34Aの内面に近接した位置に進行し、少なくとも破断面66に相対する。したがって、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSの押圧によって、キャリアロッド孔34A内に膨出した破断面66の部分は、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTによって制約を受けて成形される。換言すれば、キャリアロッド孔34A内への膨出部分はキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTによって膨出を制約されるので、金属製ヘルド100の厚み方向における内側(図5においては左方)へ向かって膨出する。これによって、キャリアロッド孔34Aの内側面は、図4(C)及び図5(C)に示すように、断面形状が丸みを帯びた横向きM字を描くように形成される。
キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTは、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSによるバリ68に対する押圧によってキャリアロッド孔34A内へ膨らむように塑性変形される形態を制御し、平滑な面に成形する機能を有する。本実施例においてキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTは、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSの上端から垂立するように形成され、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSが面打ち加工を行う際は、キャリアロッド孔34Aの内面に近接した位置に進行し、少なくとも破断面66に相対する。したがって、キャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSの押圧によって、キャリアロッド孔34A内に膨出した破断面66の部分は、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTによって制約を受けて成形される。換言すれば、キャリアロッド孔34A内への膨出部分はキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTによって膨出を制約されるので、金属製ヘルド100の厚み方向における内側(図5においては左方)へ向かって膨出する。これによって、キャリアロッド孔34Aの内側面は、図4(C)及び図5(C)に示すように、断面形状が丸みを帯びた横向きM字を描くように形成される。
更に詳述すれば、キャリアロッド孔34A内に膨出したキャリアロッド孔膨出部104Eは、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTによって規制され、金属の難変形性も影響し、断面が弧状に膨出される。結果として、破断面66はキャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTに圧接され、その表面の微細な凸部は押し潰されて滑面にされる。したがって、キャリアロッド孔滑面104Cは、キャリアロッド孔面打ち部104Pとキャリアロッド孔膨出部104Eによって構成される。よってキャリアロッド孔の断面は、ダレ面63及び剪断面64との協同によって、大凡横向きM字状をなす。これにより、キャリアロッド76Aと衝突する部分はキャリアロッド孔滑面104Cである。換言すれば、キャリアロッド76Aと衝突するキャリアロッド孔端部34Eにクラック72は残存しないので、交番衝突により、疲労破断することはない。また、バリ68及び破断面66が押圧され、塑性変形されることによる表面硬化によって、キャリアロッド孔端部34Eが硬化され、キャリアロッド76A、76Bとの衝突による摩耗及び破断を軽減することができる。なお、キャリアロッド孔34Aにおける、バリ68と反対側のダレ面63にも面打ちすることができる。これにより、キャリアロッド76Aと衝突する面のクラックを実質的に消滅させることができるので、繰り返し打撃による疲労破断を防止できる。
次に本発明にかかる金属製ヘルド100を製造する工程を図2及び図3を参照して説明する。
まず打ち抜き工程B〜バリ・破断面面打ち工程B2を図4(B)〜(B2)を参照しつつ説明する。
打ち抜き工程Bは、キャリアロッド孔34A、34B及びメール孔36、並びに金属製ヘルド100の外形を打ち抜く工程である。金属製ヘルド100の外形を打ち抜く工程は、説明を省略し、キャリアロッド孔34A、34B及びメール孔36に絞って説明する。
まず打ち抜き工程B〜バリ・破断面面打ち工程B2を図4(B)〜(B2)を参照しつつ説明する。
打ち抜き工程Bは、キャリアロッド孔34A、34B及びメール孔36、並びに金属製ヘルド100の外形を打ち抜く工程である。金属製ヘルド100の外形を打ち抜く工程は、説明を省略し、キャリアロッド孔34A、34B及びメール孔36に絞って説明する。
まず、キャリアロッド孔34A及び34B、並びにメール孔36の打ち抜き工程を説明する。キャリアロッド孔34A及び34B、並びにメール孔36の打ち抜きは、上型24を下降させることにより、ほぼ同時に打ち抜かれる。
まず、キャリアロッド孔34A及び34Bの打ち抜き工程を説明する。なお、キャリアロッド孔34Aと34Bは波形部54を除いて上下対称に形成されているので、キャリアロッド孔34Aを代表して説明する。
図5(A)に示すように、まずキャリアロッド孔ストリッパ102USが下降されてキャリアロッド孔ダイ102LM上に帯材14を固定する。
次に、キャリアロッド孔パンチ102CPPが鉛直下方へ移動され、キャリアロッド孔34Aを打ち抜く。この打ち抜きによって、楕円形のキャリアロッド孔34Aが形成され、その内周面にはダレ面63、剪断面64、破断面66、及びバリ68が形成される。
まず、キャリアロッド孔34A及び34Bの打ち抜き工程を説明する。なお、キャリアロッド孔34Aと34Bは波形部54を除いて上下対称に形成されているので、キャリアロッド孔34Aを代表して説明する。
図5(A)に示すように、まずキャリアロッド孔ストリッパ102USが下降されてキャリアロッド孔ダイ102LM上に帯材14を固定する。
次に、キャリアロッド孔パンチ102CPPが鉛直下方へ移動され、キャリアロッド孔34Aを打ち抜く。この打ち抜きによって、楕円形のキャリアロッド孔34Aが形成され、その内周面にはダレ面63、剪断面64、破断面66、及びバリ68が形成される。
次にメール孔36の打ち抜き工程を説明する。
キャリアロッド孔パンチ102CPPの下降と連動して、メール孔パンチ106MPが鉛直下方へ移動され、メール孔36が打ち抜かれる。この打ち抜きによって、楕円形のメール孔36が形成されるが、その内周面にはダレ面63、剪断面64、破断面66、及びバリ68が形成される。
これにより、打ち抜き工程Bが終了する。
キャリアロッド孔パンチ102CPPの下降と連動して、メール孔パンチ106MPが鉛直下方へ移動され、メール孔36が打ち抜かれる。この打ち抜きによって、楕円形のメール孔36が形成されるが、その内周面にはダレ面63、剪断面64、破断面66、及びバリ68が形成される。
これにより、打ち抜き工程Bが終了する。
次にダレ面面打ち工程B1を説明する。
打ち抜き工程Bが終了した後、メール孔上パンチ106MUPが更に鉛直方向へ、帯材上面14USから帯材14の厚みの2分の1程度まで下降された後、所定の待機位置まで上昇される。これによって、メール孔面打ちパンチ106MFPがダレ面63を面打ち加工し、ダレ面63はメール孔上パンチ106MUPの形状である弧状に塑性変形される。面打ち加工によって、ダレ面に存する凸部は押し潰され塑性変形させられて平滑にされる。この面打ち加工によって、破断面66がメール孔36の内方へ膨出されてメール孔パンチ106MPの側面に押圧され、微細な凸部が存する場合、押し潰されて塑性変形され、平滑にされる。クラックが存在する場合、クラック隙間は塑性変形によって密着される。この塑性変形によって、メール孔36の内面及び周囲は表面硬化し、耐摩耗性が向上する。ダレ面63の面打ち加工後、メール孔上パンチ106MUPが所定の待機位置へ上昇され、ダレ面面打ち工程B1が終了する。
打ち抜き工程Bが終了した後、メール孔上パンチ106MUPが更に鉛直方向へ、帯材上面14USから帯材14の厚みの2分の1程度まで下降された後、所定の待機位置まで上昇される。これによって、メール孔面打ちパンチ106MFPがダレ面63を面打ち加工し、ダレ面63はメール孔上パンチ106MUPの形状である弧状に塑性変形される。面打ち加工によって、ダレ面に存する凸部は押し潰され塑性変形させられて平滑にされる。この面打ち加工によって、破断面66がメール孔36の内方へ膨出されてメール孔パンチ106MPの側面に押圧され、微細な凸部が存する場合、押し潰されて塑性変形され、平滑にされる。クラックが存在する場合、クラック隙間は塑性変形によって密着される。この塑性変形によって、メール孔36の内面及び周囲は表面硬化し、耐摩耗性が向上する。ダレ面63の面打ち加工後、メール孔上パンチ106MUPが所定の待機位置へ上昇され、ダレ面面打ち工程B1が終了する。
次にバリ・破断面面打ち工程B2を説明する。
バリ・破断面面打ち工程B2においては、キャリアロッド孔34A及びメール孔36におけるバリ68及び破断面66を面打ち加工する工程である。
バリ・破断面面打ち工程B2においては、キャリアロッド孔34A及びメール孔36におけるバリ68及び破断面66を面打ち加工する工程である。
まず、キャリアロッド孔34Aに対する面打ち加工を図5を参照して説明する。
メール孔上パンチ106MUPが待機位置に戻された後、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPが垂直上方に移動され、キャリアロッド孔34Aの周囲のバリ68及び破断面66をキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSによって面打ち加工を行う(図5(B))。これによって、前述したように、キャリアロッド孔34Aのキャリアロッド孔端部34Eの内周面は、その断面が中央に凹み34Dを有する大凡横向きM字に形成されると共に、バリ68、及び破断面66の小さな凸部が潰されて塑性変形され、滑らかな滑面に成形される。また、破断面66に存するクラックは押し潰されて恰もクラックが存しないようになり、交番衝突によるクラックの拡大がしにくくなる。
キャリアロッド孔膨出部104Eは、図4(C)に図示するように、断面が半円状に形成され、ダレ面63に連なる。前述したように、キャリアロッド孔面打ち部104Pは面打ち加工されているので、バリ68は潰されると共に、破断面66の微細な凸部は潰されて滑らかな面に成形される。特に、破断面66は、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTによって膨出を規制され、押圧されることにより破断面66の微細な凸部は潰されて滑らかなキャリアロッド孔膨出部104Eに成形される。したがって、キャリアロッド孔滑面104Cは、キャリアロッド孔面打ち部104Pとキャリアロッド孔膨出部104Eによって構成される。更にまた、破断面66に発生したクラック72は、押し潰されて密着される。クラック72が密着されることによって、キャリアロッド76Aと繰り返し衝突しても、疲労破壊の起点になりにくい利点がある。
メール孔上パンチ106MUPが待機位置に戻された後、キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPが垂直上方に移動され、キャリアロッド孔34Aの周囲のバリ68及び破断面66をキャリアロッド孔面打ちパンチ部102CPSによって面打ち加工を行う(図5(B))。これによって、前述したように、キャリアロッド孔34Aのキャリアロッド孔端部34Eの内周面は、その断面が中央に凹み34Dを有する大凡横向きM字に形成されると共に、バリ68、及び破断面66の小さな凸部が潰されて塑性変形され、滑らかな滑面に成形される。また、破断面66に存するクラックは押し潰されて恰もクラックが存しないようになり、交番衝突によるクラックの拡大がしにくくなる。
キャリアロッド孔膨出部104Eは、図4(C)に図示するように、断面が半円状に形成され、ダレ面63に連なる。前述したように、キャリアロッド孔面打ち部104Pは面打ち加工されているので、バリ68は潰されると共に、破断面66の微細な凸部は潰されて滑らかな面に成形される。特に、破断面66は、キャリアロッド孔面打ちパンチ案内部102CPTによって膨出を規制され、押圧されることにより破断面66の微細な凸部は潰されて滑らかなキャリアロッド孔膨出部104Eに成形される。したがって、キャリアロッド孔滑面104Cは、キャリアロッド孔面打ち部104Pとキャリアロッド孔膨出部104Eによって構成される。更にまた、破断面66に発生したクラック72は、押し潰されて密着される。クラック72が密着されることによって、キャリアロッド76Aと繰り返し衝突しても、疲労破壊の起点になりにくい利点がある。
次にメール孔36に対する面打ち加工を説明する。
キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPの上方移動と連動してメール孔バリ側面打ちパンチ106CPが鉛直方向に上昇され、メール孔36の周囲のバリ68及び破断面66をメール孔バリ側面打ち部106CPPによって面打ち加工を行う(図6(C))。これによって、メール孔バリ側面打ち部106CPPによって面打ちされた、メール孔36の周縁のバリ68は潰されて滑らかにされ、破断面66の微細な凸部も前述のように潰されて滑らかにされる。また、メール孔36の断面は、ダレ面63側の面打ち加工とも相まって、横向きM字型になる。これにより、メール孔36の板厚方向の中央部分に微細な凸部が残った場合であっても、その中央部分はメール孔凹溝114Vとなるため、引き通された経糸が接触することはなく、残留した凸部によって経糸切れを生じることがない。
キャリアロッド孔面打ちパンチ102CPの上方移動と連動してメール孔バリ側面打ちパンチ106CPが鉛直方向に上昇され、メール孔36の周囲のバリ68及び破断面66をメール孔バリ側面打ち部106CPPによって面打ち加工を行う(図6(C))。これによって、メール孔バリ側面打ち部106CPPによって面打ちされた、メール孔36の周縁のバリ68は潰されて滑らかにされ、破断面66の微細な凸部も前述のように潰されて滑らかにされる。また、メール孔36の断面は、ダレ面63側の面打ち加工とも相まって、横向きM字型になる。これにより、メール孔36の板厚方向の中央部分に微細な凸部が残った場合であっても、その中央部分はメール孔凹溝114Vとなるため、引き通された経糸が接触することはなく、残留した凸部によって経糸切れを生じることがない。
次に第1洗浄工程B3を説明する。
第1洗浄工程B3は、次の表面硬化工程B4の前処理として必須のため、組み込んでいる。第1洗浄工程B3は、打ち抜き工程B及び面打ち工程B1、B2において発生した微細な切り子などが、後工程たる表面硬化工程B4において悪影響を与えないようにするために行う。本実施例においては、金属製ヘルド100を洗浄水中に続いてすすぎ水中を進行させた後、高温空気を吹き付けて乾燥させる第1洗浄装置116(図1)によって第1洗浄工程B3を行っているが、公知の適当な洗浄装置を採用することができる。
第1洗浄工程B3は、次の表面硬化工程B4の前処理として必須のため、組み込んでいる。第1洗浄工程B3は、打ち抜き工程B及び面打ち工程B1、B2において発生した微細な切り子などが、後工程たる表面硬化工程B4において悪影響を与えないようにするために行う。本実施例においては、金属製ヘルド100を洗浄水中に続いてすすぎ水中を進行させた後、高温空気を吹き付けて乾燥させる第1洗浄装置116(図1)によって第1洗浄工程B3を行っているが、公知の適当な洗浄装置を採用することができる。
次に表面硬化工程B4を説明する。
表面硬化工程B4は、金属製ヘルド100の耐久性を向上(詳しくは、疲労強度向上、及び耐応力腐食割れの向上)させるため、残留圧縮応力を付与し、かつ表面硬化させるために組み込んでいる。表面硬化工程B4は、例えばショットブラスト加工機118(図1)が採用される。金属、セラミック、ガラス、プラスチック等の硬質粒子を、圧縮空気又は高速回転羽根で金属製ヘルド100に対し高速で投射することにより行われる。なお、ショットブラスト加工は、バリの除去や表面研削の効果をも期待できる。すなわち、面打ち工程B2、B3によって、バリ68及び破断面66における凸部は潰されて滑らかなキャリアロッド孔滑面104C、又はメール孔滑面114に成形されるのであるが、万が一、バリ・破断面面打ち工程B2において、バリ68が除去されず、又は経糸Yと接触する部分の破断面66の凸部が残留した場合であっても、ショットブラスト加工によって、当該残留したバリ68又は破断面66の残留凸部が潰されて滑らかなキャリアロッド孔滑面104C、及びメール孔滑面114が得られる。特に、メール孔反バリ側膨出面112E又はメール孔バリ側膨出面108Eに破断面66の微細な凸部が残った場合、ショットブラスト加工によって、完全に滑らかな面にされる利点がある。表面硬化工程B4はショットブラスト加工の他、表面焼き入れや化学的方法も採用することができるが、ショットブラスト加工が、前記残留凸部の潰し、及びコスト等の面で優位である。
表面硬化工程B4は、金属製ヘルド100の耐久性を向上(詳しくは、疲労強度向上、及び耐応力腐食割れの向上)させるため、残留圧縮応力を付与し、かつ表面硬化させるために組み込んでいる。表面硬化工程B4は、例えばショットブラスト加工機118(図1)が採用される。金属、セラミック、ガラス、プラスチック等の硬質粒子を、圧縮空気又は高速回転羽根で金属製ヘルド100に対し高速で投射することにより行われる。なお、ショットブラスト加工は、バリの除去や表面研削の効果をも期待できる。すなわち、面打ち工程B2、B3によって、バリ68及び破断面66における凸部は潰されて滑らかなキャリアロッド孔滑面104C、又はメール孔滑面114に成形されるのであるが、万が一、バリ・破断面面打ち工程B2において、バリ68が除去されず、又は経糸Yと接触する部分の破断面66の凸部が残留した場合であっても、ショットブラスト加工によって、当該残留したバリ68又は破断面66の残留凸部が潰されて滑らかなキャリアロッド孔滑面104C、及びメール孔滑面114が得られる。特に、メール孔反バリ側膨出面112E又はメール孔バリ側膨出面108Eに破断面66の微細な凸部が残った場合、ショットブラスト加工によって、完全に滑らかな面にされる利点がある。表面硬化工程B4はショットブラスト加工の他、表面焼き入れや化学的方法も採用することができるが、ショットブラスト加工が、前記残留凸部の潰し、及びコスト等の面で優位である。
表面硬化工程B4の後、従来工程で説明したエッジ丸め機42によるエッジ取り工程C、カットプレス機44における分離工程D、及び洗浄機56による洗浄工程Eが行われ、金属製ヘルド100が完成する。
本発明は、前記実施例に拘わらず、発明に係る技術思想の範囲において、変形可能である。例えば、金属製ヘルド100のキャリアロッド孔34A又は34BはO型であっても良い。
A 供給工程
B 打ち抜き工程
B1 ダレ面面打ち工程
B2 バリ・破断面面打ち工程
B3 第1洗浄工程
B4 表面硬化工程
C エッジ取り工程
D 分離工程
E 洗浄工程
24 上型
26 ダイ
34A,34B キャリアロッド孔
36 メール孔
63 ダレ面
66 破断面
68 バリ
100 金属製ヘルド
104C,114 滑面
102CPP キャリアロッド孔パンチ
106CP メール孔バリ側面打ちパンチ
106MP メール孔パンチ
B 打ち抜き工程
B1 ダレ面面打ち工程
B2 バリ・破断面面打ち工程
B3 第1洗浄工程
B4 表面硬化工程
C エッジ取り工程
D 分離工程
E 洗浄工程
24 上型
26 ダイ
34A,34B キャリアロッド孔
36 メール孔
63 ダレ面
66 破断面
68 バリ
100 金属製ヘルド
104C,114 滑面
102CPP キャリアロッド孔パンチ
106CP メール孔バリ側面打ちパンチ
106MP メール孔パンチ
Claims (12)
- 織機に用いられ、パンチ(24)とダイ(26)を用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔(34A,34B)及びメール孔(36)を打ち抜かれて形成された金属製ヘルドであって、
前記キャリアロッド孔(34A,34B)又はメール孔(36)のプレス加工による破断面(66)及びバリ(68)がプレスの面打ち加工により成形された滑面(104C,108S,112S)を有する
ことを特徴とする金属製ヘルド。 - 織機に用いられ、パンチ(24)とダイ(26)を用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔(34A,34B)及びメール孔(36)を打ち抜かれて形成された金属製ヘルドであって、
前記キャリアロッド孔(34A,34B)の少なくともキャリアロッド(76A,76B)と接触する部分のプレス加工による破断面(66)及びバリ(68)をプレスの面打ち加工により成形された滑面(104C)を有する
ことを特徴とする金属製ヘルド。 - 織機に用いられ、パンチ(24)とダイ(26)を用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔(34A,34B)及びメール孔(36)を打ち抜かれて形成された金属製ヘルドであって、
前記メール孔(36)のプレス加工による破断面(66)及びバリ(68)をプレスの面打ち加工により形成された滑面(108S,112S)を有する
を特徴とする金属製ヘルド。 - 前記滑面(114)が、プレス加工による前記破断面(66)及びバリ(68)に対しパンチ(102CPP、106MP)によって面打ちされて形成される
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載した金属製ヘルド。 - プレス加工による前記バリ(68)が形成される側の反対側の前記メール孔(36)の周囲に対してもパンチ(106MP)によって面打ち加工されることによって形成された滑面(112S)を有する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載した金属製ヘルド。 - 前記面打ち加工の後、金属製ヘルド(100)の全体に対しショットブラスト加工が施されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の金属製ヘルド。
- 織機に用いられ、パンチ(24)とダイ(26)を用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔(34A,34B)及びメール孔(36)を打ち抜かれて形成された金属製ヘルドの製造方法であって、
前記キャリアロッド孔(34A,34B)及びメール孔(36)がプレス加工によって打ち抜かれて形成された後、
前記キャリアロッド孔(34A,34B)又はメール孔(36)の少なくとも一方における、プレス加工による破断面(66)及びバリ(68)がプレスにおける面打ち加工により滑面(104C,108S,112S)に成形されること
を特徴とする金属製ヘルドの製造方法。 - 織機に用いられ、パンチ(24)とダイ(26)を用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔(34A,34B)及びメール孔(36)が打ち抜かれて形成された金属製ヘルドの製造方法であって、
前記キャリアロッド孔(34A,34B)がプレス加工によって打ち抜かれて形成された後、
前記キャリアロッド孔(34A,34B)の少なくともキャリアロッド(76A,76B)と接触する部分のプレス加工による破断面(66)及びバリ(68)をプレスの面打ち加工により滑面(104C)に成形されること
を特徴とする金属製ヘルドの製造方法。 - 織機に用いられ、パンチ(24)とダイ(26)を用いたプレス加工によって、少なくともキャリアロッド孔(34A,34B)及びメール孔(36)が打ち抜かれて形成された金属製ヘルドの製造方法であって、
前記メール孔(36)がプレス加工によって打ち抜かれて形成された後、
前記メール孔(36)のプレス加工による破断面(66)及びバリ(68)をプレスの面打ち加工により滑面(108S)に構成すること
を特徴とする金属製ヘルドの製造方法。 - プレス加工による前記破断面(66)及びバリ(68)が前記パンチ(24)によって面打ちされること
を特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載した金属製ヘルドの製造方法。 - プレス加工による前記バリ(68)が形成される側と反対側の前記メール孔(36)の周囲に対し、パンチ(106CP)によって面打ち加工をすること
を特徴とする請求項9又は10に記載した金属製ヘルドの製造方法。 - 前記面打ち加工の後、金属製ヘルド(100)の全体に対しショットブラスト加工が施される
ことを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の金属製ヘルドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018115052A JP2019218643A (ja) | 2018-06-17 | 2018-06-17 | 金属製ヘルド、及び金属製ヘルドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018115052A JP2019218643A (ja) | 2018-06-17 | 2018-06-17 | 金属製ヘルド、及び金属製ヘルドの製造方法 |
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JP2018115052A Pending JP2019218643A (ja) | 2018-06-17 | 2018-06-17 | 金属製ヘルド、及び金属製ヘルドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019218643A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2023037961A1 (ja) * | 2021-09-08 | 2023-03-16 |
-
2018
- 2018-06-17 JP JP2018115052A patent/JP2019218643A/ja active Pending
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