JP2019218332A - ミネラル成分を含有する植物色素染毛剤 - Google Patents

ミネラル成分を含有する植物色素染毛剤 Download PDF

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はる美 中村
直子 上原
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Abstract

【課題】本発明は、ヘナと藍の乾燥粉末体を混合して植物染毛を行う際に、混合により起こる発色までの遅滞を改善し、使用性の高い染毛剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の染毛剤は、ヘナと藍の乾燥粉末体にミネラル成分含有物質を添加することによって、発色力を高めることを特徴とする白髪染めである。【選択図】図1

Description

本発明は植物色素を用いた染毛剤に関するものであり、頭皮や毛髪に優しく発色の速さが特徴である。
植物色素を用いた自然の染毛剤は、合成染料等に比べて毛質により染毛力や発色の差があるものの、頭皮等への刺激が少なく安全性が高いことから見直され、近年の安全・健康志向と相まって再び注目されている。
このような植物染料としては、明るい赤色系のヘナ染料や青色系を有する琉球藍、インド藍(ナンバンコマツナギ)および蓼藍などの藍染料がよく知られている。特に、ヘナや藍を併用すると、ヘナにより白髪を赤色系に染め上げ、これに藍の青系色が加わり、全体として日本人の髪の色調にあった黒色系の染毛ができることから(特開2014−19656)、より染毛力の向上を目的に、その染毛方法・条件や配合比の実用的検討が盛んに行われている。
ヘナの染料成分であるローソン(ナフトキノン)は毛髪タンパク質と結合し赤く発色する。藍染料の場合、生葉に含まれるインジカン(無色)がβ‐グルコシターゼによって加水分解され、最終的にインジゴに変化して青色を発色する。植物染料を用いた白髪染めの場合、ヘナ乾燥粉末体を混練しペーストにしたものを毛髪に塗布し90分程放置後にいったん洗髪し赤く染色後、藍乾燥粉末体を混練しペーストにしたものを再度毛髪に塗布し90分程放置後洗髪することで青系色を被せる。前述した従来工程による染色方法では、洗髪直後から発色力が高く、染毛効果の有無が即座に判断可能であるが、染色工程の煩雑さと染毛に多くの時間を要してしまうという課題があった。そこでヘナと藍の乾燥粉末体をあらかじめ混合し、染毛工程を1回に簡略化する方法が検討されたが、発色までの速さは藍の有するβ‐グルコシターゼの加水分解反応によって大きく左右されるため、ヘナとの配合により加水分解反応が緩慢となり、従来の染色工程後の発色に比較して発色遅滞が生じるという新たな課題が生じた。発色遅滞は、美容室や美容サロンなどで染毛を行った際、顧客であるお客様が染毛効果に不安を抱いたり、呈色力の懸念より追い染めが必要となり、工程の追加と時間的拘束を課してしまい、ヘナと藍乾燥粉末体を配合した染毛剤を使用する利点を損なってしまう。
特開2014−19656
上述したように、従来ヘナと藍の乾燥粉末体を混合してしまうと、植物染料従来の染色力に及ばす、発色までに時間を要してしまう。
そこで本発明は、発色までの遅滞を改善した使用性の高い染毛剤を提供することを目的とする。
本願の請求項1に係る染毛剤によれば、ミソギ科シコウカ属のヘナの乾燥粉末体と、藍の乾燥粉末体と、ミネラル成分含有物質とを含有することを特徴とする。
本願の請求項2に係る発明で使用されるミネラル成分含有物質は粉末である。
請求項2に係る発明によれば、取扱や保存が容易な効果がある。
本願の請求項3に係る発明で使用されるミネラル成分含有物質は液体である。
請求項3に係る発明によれば、ペースト状にするときの溶媒として使用することが可能であり、工程の煩雑性を軽減する効果がある。
本願の請求項4に係る発明によれば、ミネラル成分含有物質の配合量は、特に限定されずに広範囲で選択することができるが、好ましくはヘナと藍の乾燥粉末体合算重量に対して0.3〜14.0重量%であることが望ましい。
請求項4に係る発明によれば、上記の範囲内であれば最終的な色合いに影響を及ぼすことなく発色時間を短くすることができる。
本願の請求項5に係る発明によれば、ヘナ乾燥粉末体と藍乾燥粉末体の配合量は、特に限定されずに広範囲で選択することができるが、好ましくはヘナと藍乾燥粉末合算重量に対して藍乾燥粉末が25.0〜85.0重量%である。
請求項5に係る発明によれば、白髪を染色した際に、茶褐色から黒色と色合いに多様性をもたらすことが可能である。
本願の請求項6に係る発明によれば、使用されるミネラル成分含有物質とはナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンを少なくとも1種類以上含有することが望ましい。
請求項6に係る発明によれば、最終的な色合いに影響を及ぼすことなく発色時間を短くすることができる。
本願の請求項7に係る発明によれば、使用される藍とは、キツネノマゴ科イセハナビ属のリュウキュウアイ、タデ科イヌタデ属のタデアイ、マメ科コマツナギ属のナンバンコマツナギ(通称インド藍)およびアブラナ科タイセイ属のタイセイのいずれかを示す。
請求項7に係る発明によれば、地域性や流通の点からの選択が可能であり入手が容易である。
本願の請求項8に係る発明は、ヘナ乾燥粉末体と、藍乾燥粉末体と、粉末のミネラル成分含有物質とを水で混練したペーストを毛髪に塗布することを特徴とする染毛剤の製造方法である。
請求項8に係る染毛剤の製造方法は、ヘナ乾燥粉末と藍乾燥粉末をそれぞれ混練し塗布する工程に比べて簡便で施術時間も短く使用性が高い製品を提供できる。
本願の請求項9に係る発明は、ヘナ乾燥粉末体と藍乾燥粉末体を液体状のミネラル成分含有物質で混練したペーストを毛髪に塗布することを特徴とする染毛剤の製造方法である。
請求項9に係る染毛剤の製造方法は、ヘナ乾燥粉末と藍乾燥粉末をそれぞれ混練し塗布する工程に比べて簡便で施術時間も短く使用性が高い製品を提供するともに、ペースト塗布前に液体状のミネラル成分含有物質を直接毛髪に噴霧することにより、ペーストが馴染みやすく発色ムラを抑えることが可能となる。
本願の請求項に係る発明は、ミネラル成分含有物質を添加することにより、ヘナおよび藍を混合した乾燥粉末体においても従来の染色方法に近い発色能力を実現した。そのことにより染色工程の効率化および時間短縮につながり、より使用性の高い製品を提供することが可能になる。
琉球藍75%配合下で海塩が発色力に及ぼす影響を示した図である 琉球藍75%配合下で黒糖が発色力に及ぼす影響を示した図である 琉球藍75%配合下でわかめおよびシークワーサーが発色力に及ぼす影響を示した図である 琉球藍75%配合下でナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシムが発色力に及ぼす影響を示した図である 琉球藍29%配合下で海塩が発色力に及ぼす影響を示した図である 琉球藍71%配合下で海塩が発色力に及ぼす影響を示した図である 琉球藍83%配合下で海塩が発色力に及ぼす影響を示した図である ナンバンコマツナギ75%配合下で海塩が発色力に及ぼす影響を示した図である 琉球藍75%配合下で海洋深層水が発色力に及ぼす影響を示した図である 琉球藍75%配合下で海洋深層水+海塩が発色力に及ぼす影響を示した図である
ヘナ乾燥粉末体と藍乾燥粉末体を配合した際に、ミネラル成分総量がヘナと藍乾燥粉末体合算重量に対して0.3〜14.0重量%含有するようにミネラル成分含有物質を配合すること。実証試験に用いたミネラル成分含有物質を含む試料は、海塩、黒糖、海洋深層水、わかめ、シークワーサー果汁および化学試薬(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムおよび塩化カルシウム)である。
以下に、実証例を挙げて本発明をより詳細に説明する。但し本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(発色試験方法)
ヘナ乾燥粉末と藍乾燥粉末を配合したものにミネラル成分含有物質を添加し混練りしたペーストと無添加の混練りペースト(以下対照区と称する)を作成し、各ペーストを毛束0.5g(ビューラック社製人毛白髪)に塗布し塩化ビニールフィルムで包み込み、常温下90分静置し染色を行った。その後、ペーストを水道水で洗い流し、洗浄30分後の発色の様子を比較した。
(発色評価)
発色までの遅滞改善の指標として、洗浄後30分の発色の様子の目視画像と色彩値を用いた。洗浄30分後の毛束をデジタルカメラで撮影し、撮影画像を用いて発色の評価を行った。発色の評価にはマイクロソフト社製ソフトウェア「ペイント」を用いた。撮影した各試料の毛束の任意の8か所から「色の選択」ツールを用いて、色合い値、鮮やかさ値、明るさ値、赤値、緑値および青値の6項目を数値化し評価した。発色が進んだ色彩値とは、鮮やかさと色合い値は増加する一方で、明るさ値、赤値、青値および緑値が減少した状態を指す。
ヘナの乾燥粉末体と藍の乾燥粉末体と粉末状のミネラル成分含有物質を水で混練する染毛剤。
(処方例1)ミネラル成分含有物質:海塩
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 25.0%
琉球藍粉末 3.0g 75.0%
海塩 0.2g 5.0%(対ヘナ・藍合算重量)
精製水 14.0mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
ミネラル成分含有物質として海塩(ぬちまーす:販売元 ぬちまーす)を使用した。海塩のミネラル成分含有量はヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム1.49重量%、カリウム0.05重量%、カルシウム0.04重量%およびマグネシウム0.17重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図1に示す。目視では、海塩を添加していない対照区は黄褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、海塩を添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は明るさ値、赤値、青値、および緑値が減少し、鮮やか値が増加しており、発色が良いことが示された。
(処方例2)ミネラル成分含有物質:黒糖
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 25.0%
琉球藍粉末 3.0g 75.0%
黒糖 1.0g 25.0%(対ヘナ・藍合算重量)
精製水 14.0mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
ミネラル成分含有物質として黒糖(みやらび:販売元 北部製糖株式会社)を使用した。黒糖のミネラル成分含有量はヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム0.01重量%、カリウム0.40重量%、カルシウム0.06重量%およびマグネシウム0.02重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図2に示す。目視では、対照区は黄褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、黒糖を添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は明るさ値、赤値、青値、および緑値が減少し、発色が良いことが示された。
(処方例3)わかめ
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 25.0%
琉球藍粉末 3.0g 75.0%
わかめ 0.5g 12.5%(対ヘナ・藍合算重量)
精製水 14.0mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
ミネラル成分含有物質として微粉砕したわかめ(カットわかめ:販売元 ヤマナカフーズ)を使用した。わかめのミネラル成分含有量はヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム1.19重量%、カリウム0.06重量%、カルシウム0.10重量%およびマグネシウム0.05重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図3−(b)および図3−(d)に示す。目視では、対照区は黄褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、微粉砕わかめを添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は明るさ値、赤値、青値、および緑値が減少し、発色が良いことが示された。
(処方例4)ミネラル成分含有物質:化学試薬
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 25.0%
琉球藍粉末 3.0g 75.0%
各ミネラル試薬 0.2g 5.0%(対ヘナ・藍合算重量)
精製水 14.0mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
ミネラル成分含有物質として化学試薬である塩化ナトリウム(nacalai tesque 31320−5)、塩化カリウム(WAKO 160−03555)、塩化マグネシウム(WAKO 133−00161)、塩化カルシウム(関東 07058−00)をヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,各々5%になるように添加した。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図4に示す。目視では対照区は黄褐色の毛髪部分が見受けられるが、各化学試薬を添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示され、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムイオンの各々が発色力に影響を及ぼしていることがわかった。色彩値は各化学試薬とも赤値、青値、および緑値が減少し発色が良いことが示された。塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムでは鮮やかさ値の増加もみられ、含有ミネラルの配合によって発色の仕方に影響がある可能性が示された。
変更例1
藍の配合割合
ヘナと藍の乾燥粉末体合算重量における藍乾燥粉末体の配合割合を28.6、71.4、83.3%となるように配合した染毛剤。
(処方例5)藍配合比:28.6%
重量 配合割合
ヘナ粉末 2.5g 71.4%
琉球藍粉末 1.0g 28.6%
海塩 0.18g 5.0%(対ヘナ・藍合算重量)
精製水 12.3mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
ヘナと藍の乾燥粉末体合算重量における藍乾燥粉末体の配合割合を28.6%とした。ミネラル成分含有物質として海塩(ぬちまーす:販売元 ぬちまーす)を使用した。海塩のミネラル成分含有量はヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム1.49重量%、カリウム0.05重量%、カルシウム0.04重量%およびマグネシウム0.17重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図5に示す。目視では、海塩を添加していない対照区は赤褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、海塩を添加した毛髪は茶緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は明るさ値、および緑値が減少し発色が良いことが示された。
(処方例6)藍配合比:71.4%
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 28.6%
琉球藍粉末 2.5g 71.4%
海塩 0.18g 5.0%(対ヘナ・藍合算重量)
精製水 12.3mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
ヘナと藍の乾燥粉末体合算重量における藍乾燥粉末体の配合割合を71.4%とした。ミネラル成分含有物質として海塩(ぬちまーす:販売元 ぬちまーす)を使用した。海塩のミネラル成分含有量はヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム1.49重量%、カリウム0.05重量%、カルシウム0.04重量%およびマグネシウム0.17重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図6に示す。目視では、海塩を添加していない対照区は黄褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、海塩を添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は赤値と緑値が減少し、発色が良いことが示された。
(処方例7)海塩
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 16.7%
琉球藍粉末 5.0g 83.3%
海塩 0.3g 5.0%(対ヘナ・藍合算重量)
精製水 21.0mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
ヘナと藍の乾燥粉末体合算重量における藍乾燥粉末体の配合割合を83.3%とした。ミネラル成分含有物質として海塩(ぬちまーす:販売元 ぬちまーす)を使用した。海塩のミネラル成分含有量はヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム1.49重量%、カリウム0.05重量%、カルシウム0.04重量%およびマグネシウム0.17重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図7に示す。目視では、海塩を添加していない対照区は黄褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、海塩を添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は明るさ値、鮮やかさ値、赤値、青値、および緑値が減少し発色が良いことが示された。
処方例1、5、6および7より、藍乾燥粉末体の配合割合は、特に限定されずに広範囲で選択することができるが、好ましくはヘナと藍乾燥粉末合算重量に対して藍乾燥粉末が25.0〜85.0重量%で発色時間を短縮する効果が得られる。また配合比を変えることによって白髪を染色した際に、茶褐色から黒色と色合いに多様性をもたらすことが可能となる。
変更例2
染色剤の原材料である藍乾燥粉末体の材料としてナンバンコマツナギ粉末を配合に用いた染毛剤。
(処方例8)藍乾燥粉末体原料:ナンバンコマツナギ
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 25.0%
ナンバンコマツナギ粉末 3.0g 75.0%
海塩 0.2g 5.0%(対ヘナ・藍合算重量)
精製水 14.0mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
染毛剤を構成する藍の原料としてナンバンコマツナギ乾燥粉末を用いた。ヘナと藍の乾燥粉末体合算重量における藍乾燥粉末体の配合割合は75.0%とした。ミネラル成分含有物質として海塩(ぬちまーす:販売元 ぬちまーす)を使用した。海塩のミネラル成分含有量はヘナとナンバンコマツナギ乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム1.45重量%、カリウム0.05重量%、カルシウム0.04重量%およびマグネシウム0.17重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図8に示す。目視では対照区は黄褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、海塩を添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は明るさ値、赤値、緑値、および青値が減少し発色が良いことが示された。琉球藍同様ナンバンコマツナギにおいても海塩添加による発色遅滞の改善が確認された。
藍乾燥粉末体の原材料として、キツネノマゴ科イセハナビ属のリュウキュウアイ、タデ科イヌタデ属のタデアイ、マメ科コマツナギ属のナンバンコマツナギ(通称インド藍)およびアブラナ科タイセイ属のタイセイが利用可能であり、生息分布の広さより、地域性や流通の点から原材料の選定が可能となる。
ヘナの乾燥粉末体と藍の乾燥粉末体を液体のミネラル成分含有物質で混練する染毛剤。
(処方例9)ミネラル成分含有物質:海洋深層水
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 25.0%
琉球藍粉末 3.0g 75.0%
海洋深層水 14.0mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
ミネラル成分含有物質として海洋深層水(海洋深層水:販売元 沖縄県海洋深層水研究所)を使用した。海洋深層水のミネラル成分含有量はヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム4.91重量%、カリウム0.17重量%、カルシウム0.18重量%およびマグネシウム0.46重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図9に示す。目視では、対照区は黄褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、海洋深層水を添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は明るさ値、赤値、青値、および緑値が減少し、発色が良いことが示された。
(処方例10)ミネラル成分含有物質:シークワーサー果汁
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 25.0%
琉球藍粉末 3.0g 75.0%
シークワーサー果汁 7.0mL
精製水 7.0mL
ミネラル成分含有物質としてシークワーサー果汁(大宜味村産 100%シークワーサー:販売元 (株)健食沖縄 KO)を使用した。シークワーサー果汁のミネラル成分含有量はヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム0.00重量%、カリウム0.32重量%、カルシウム0.03重量%およびマグネシウム0.03重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図3−(c)および図3−(e)に示す。目視では、対照区は黄褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、シークワーサー果汁を添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は明るさ値、赤値、青値、および緑値が減少し、発色が良いことが示された。
処方例9および10より、添加するミネラル成分含有物質は液体でも発色遅滞改善効果を有し、混練する際の溶媒として用いることが可能である。
変更例3
ヘナの乾燥粉末体と藍の乾燥粉末体と粉末状のミネラル成分含有物質を含有し、かつ液体状のミネラル含有物質で混練することを特徴とする染毛剤。
(処方例11)ミネラル成分含有物質:海塩+海洋深層水
重量 配合割合
ヘナ粉末 1.0g 25.0%
琉球藍粉末 3.0g 75.0%
海塩 0.2g 5.0%(対ヘナ・藍合算重量)
海洋深層水 14.0mL (ヘナ・藍合算重量)g×3.5mL
ミネラル成分含有物質として海塩(ぬちまーす:販売元 ぬちまーす)と海洋深層水(海洋深層水:販売元 沖縄県海洋深層水研究所)を使用した。海塩+海洋深層水のミネラル成分含有量はヘナと琉球藍乾燥粉末体合算重量に対して,ナトリウム6.40重量%、カリウム0.22重量%、カルシウム0.22重量%およびマグネシウム0.63重量%である。
ペースト洗浄30分後の発色の様子を図10に示す。対照区は黄褐色の毛髪部分が多数見受けられるが、海洋深層水を添加した毛髪は深緑色に発色している部分が多く、発色力が高いことが示された。色彩値は明るさ値、赤値、青値、および緑値が減少し、色合い値が増加しており、発色が良いことが示された。
粉末体と液体状のミネラル成分含有物質の併用は、ミネラル成分以外の有効成分を考慮し、保湿性や損傷毛髪修復効果など副次的な効果を期待した複数のミネラル成分含有物質を選定・利用することが可能となる。
処方例1〜11が示すように、ミネラル成分含有物質を配合することにより、短時間で深い色に染色され、発色遅滞を改善することが可能になった。
洗髪後の発色遅滞改善により、ヘナと藍乾燥粉末体配合による染毛剤の使用性が向上した。
使用性の向上により、美容室や美容サロンなどでは、1回工程による染毛施術によりお客様の拘束時間の短縮を図るとともに、回転率を上げることにより収益性の増加が見込まれる。
処方例4が示すように、ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム単体の添加によっても発色力が高まることより、これらの成分が少なくとも1種類以上含有することによって効果が生じる。
また処方例1〜11と海塩による濃度試験の結果、ミネラル成分含有物質の配合量は、特に限定されずに広範囲で選択することができるが、好ましくはヘナと藍の乾燥粉末体合算重量に対して0.3〜14.0重量%であることが望ましい。更に、ヘナや藍の栽培方法や台風などの潮害など収穫時の環境要因によって、ヘナおよび藍自体のミネラル含有量が高い場合も当事例に含む。
ミネラル成分含有物質を添加することによって、安全性の高い植物染毛剤においても簡単な染毛工程にて高い染色効果が得られ、使用感の高い染毛剤が提供できる。

Claims (9)

  1. ミソギ科シコウカ属のヘナの乾燥粉末体と、藍の乾燥粉末体と、ミネラル成分含有物質とを含有することを特徴とする染毛剤。
  2. 前記ミネラル成分含有物質は粉末である請求項1記載の染毛剤。
  3. 前記ミネラル成分含有物質は液体である請求項1記載の染毛剤。
  4. 前記ミネラル成分含有物質は、ヘナと藍の合算重量に対してミネラル成分総量が0.3〜14.0重量%となるように配合してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の染毛剤。
  5. 前記ヘナ乾燥粉末と藍乾燥粉末の配合割合は、ヘナ・藍乾燥粉末合算重量に対して藍乾燥粉末が25.0〜85.0重量%とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の染毛剤。
  6. 前記ミネラル成分含有物質とはナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、およびカルシウムイオンを少なくとも1種類以上含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の染毛剤。
  7. 前記藍とはキツネノマゴ科イセハナビ属のリュウキュアイ、タデ科イヌタデ属のタデアイ、マメ科コマツナギ属のナンバンコマツナギ(通称インド藍),およびアブラナ科タイセイ属の大青のいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の染毛剤。
  8. ヘナの乾燥粉末体と、藍の乾燥粉末体と、粉末のミネラル成分含有物質とを用い、水で混練りしたペーストを毛髪に塗布することを特徴とする染毛剤の製造方法。
  9. ヘナの乾燥粉末体と藍の乾燥粉末体を、液体のミネラル成分含有物質を用い混練りしたペーストを毛髪に塗布することを特徴とする染毛剤の製造方法。
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