JP2019218291A - クリーム状外用組成物、及びその製造方法 - Google Patents

クリーム状外用組成物、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】真空撹拌機等を用いなくても大気圧条件下で開放系の撹拌機で、泡がみ発生や残泡を抑えて、均一な状態に容易に製造できる脂肪酸石鹸系のクリーム状外用組成物、及びその製造方法を提供する。【解決手段】下記(1)〜(3)の構成を有するクリーム状外用組成物:(1)配合成分A〜Dを含有し、A:合計量が全組成物の22〜33質量%である、炭素数12〜18の直鎖脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1種の直鎖脂肪酸、B:合計量が全組成物の18〜24質量%であるグリセリン及びポリエチレングリコール、C:配合成分Aに対する中和率が76〜83%となる量の水酸化カリウム、及びD:全組成物を100質量%とする量の水;(2)前記グリセリンとポリエチレングリコールとの配合比が、グリセリン1質量部に対してポリエチレングリコールが0.8〜1.3質量部、(3)前記配合成分A及びBの配合比が、配合成分B1質量部に対して配合成分Aが1.1〜1.6質量部である。【選択図】なし

Description

本発明はクリーム状外用組成物、特に脂肪酸石鹸系のクリーム状洗浄用組成物、及びその製造方法に関する。
従来より、クリーム状の皮膚洗浄剤は、チューブから適時、適量を取り出して使用でき、水に容易に溶解できる簡便性に加えて、固形石鹸で生じる溶け崩れや液体洗浄剤で生じる液だれによる洗面台周囲の汚れを回避できる等の清潔さが好まれ、洗顔用途を中心に好んで使用されている。
かかるクリーム状皮膚洗浄剤のうち、脂肪酸石鹸系の皮膚洗浄剤の製造には、従来、アルカリを溶解した水相部に、脂肪酸を溶解した油相を添加し脂肪酸石鹸を生成させる方法が採用されてきた。しかしこの製法では、中和時にままこが生じやすく、ままこを溶解するのに長時間要し、加熱による焦げ臭などの異臭も問題になっていた。このため、最近では、油相部に水相を添加する方法が採用されており、この方法を用いることで高濃度の脂肪酸石鹸を配合することが可能になっている。しかし、この方法では、水相添加の途中で、脂肪酸とアルカリとの中和反応により反応混合物が高粘度状態になる段階があり、撹拌力の強い製造装置が必要となる。ただ、その際、急激に増粘した反応混合物を強い力での撹拌することにより反応混合物中に空気が巻き込まれて(泡がみ)、それが残存してしまう現象(残泡)が生じる。その結果、クリームの外観が損なわれ、クリ−ムの特徴である滑らかさが低下する等という問題がある。このため、この製造方法には、従来より、真空撹拌機や真空乳化機などを用いて、真空または減圧条件下で組成物を撹拌混合することで「泡がみ」や「残泡」を防止する方法が採用されている。
クリーム状皮膚洗浄剤には、脂肪酸石鹸系以外に、弱酸性低刺激性を特徴とするアミノ酸系界面活性剤を主成分とするクリーム状皮膚洗浄剤がある。アミノ酸系界面活性剤としてN−アシルグルタミン酸やN−長鎖アシルグリシン等を用いた場合の問題として、前記脂肪酸石鹸系の皮膚洗浄剤と同様、製造段階における冷却時の粘度の上昇、及びそれによる「泡がみ」及び「残泡」があり、これを解決するために、その製造には従来より真空撹拌機や真空乳化機などが使用されている。特許文献1には、アミノ酸系界面活性剤としてN−長鎖アシルグリシンを用いた場合の上記問題が指摘されており、その問題を解決することで、通常の撹拌機を用いても製造が容易になったクリーム状皮膚洗浄剤組成物が提案されている
このように、従来より、クリーム状皮膚洗浄剤等の外用組成物について、クリーム特有の質感を有する組成物であって、真空撹拌機等を用いることなく、大気圧条件下で開放系の撹拌機(通常の撹拌機)を用いても、「泡がみ」発生や「残泡」を抑えて、均一な状態に容易に製造できるクリーム状外用組成物が求められている。しかしながら、脂肪酸石鹸系のクリーム状外用剤については、いまだ解決方法が提案されていないのが現状である。
特開2007−269662号公報
本発明は前記従来の課題を解決するために開発されたものであり、第1に、真空装置を備えたタンクを使用しなくても、通常の開放系タンクを用いて常圧条件で撹拌または乳化した場合でも「泡がみ」や「残泡」による製造不良や製品不良が生じず、容易に製造することができるクリーム状外用組成物、特に脂肪酸石鹸系の洗浄用組成物を提供することを課題とする。また第2に、前記の通り製造が容易で、しかもクリ−ムの性状を安定に維持することが可能なクリーム状外用組成物、特に脂肪酸石鹸系の洗浄用組成物を提供することを課題とする。さらに第3に、水へのなじみがよく、皮膚洗浄後の角質水分量を高く維持することで、きしみが少なく、肌がしっとり仕上げるなど、良好な使用感を有するクリーム状外用組成物、特に脂肪酸石鹸系の洗浄用組成物を提供することを課題とする。さらに本発明はこうしたクリーム状外用組成物の製造方法を提供すること、ならびに脂肪酸石鹸系のクリーム状外用組成物の製造において、調製液の均一性を高める方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記の課題を解決すべき鋭意研究を行ったところ、炭素数12〜18の直鎖脂肪酸(配合成分A)、グリセリン及びポリエチレングリコール(配合成分B)、水酸化カリウム(配合成分C)、並びに水(配合成分D)を特定の配合割合で配合することで、上記各課題が解消できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、完成したものであり、下記の実施態様を包含するものである。
(I)クリーム状外用組成物
(I−1)下記(1)〜(3)の構成を有するクリーム状外用組成物:
(1)配合成分A〜Dを含有し、
A:合計量が全組成物の22〜33質量%である炭素数12〜18の直鎖脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1種の直鎖脂肪酸、
B:合計量が全組成物の18〜24質量%であるグリセリン及びポリエチレングリコール、
C:配合成分Aに対する中和率が76〜83%となる量の水酸化カリウム、及び
D:全組成物を100質量%とする量の水;
(2)前記グリセリンとポリエチレングリコールとの配合比が、グリセリン1質量部に対してポリエチレングリコールが0.8〜1.3質量部、
(3)前記配合成分A及びBの配合比が、配合成分B1質量部に対して配合成分Aが1.1〜1.6質量部である。
(I−2)さらに、保湿成分、抗炎症成分、ノニオン性界面活性剤、植物抽出物、水溶性高分子化合物、及び抗酸化剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する(I−1)記載のクリーム状外用組成物。
(I−3)前記直鎖脂肪酸(配合成分A)が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸からなる群より選択される2〜4種;好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸及びステアリン酸からなる群より選択される2〜3種からなるものである、(I−1)または(I−2)記載のクリーム状外用組成物。
(I−4)前記ポリエチレングリコールが重量平均分子量(Mw)が1,000〜20,000の範囲にあるものである、(I−1)〜(I−3)のいずれかに記載するクリーム状外用組成物。
(I−5)洗浄用組成物である、(I−1)〜(I−4)のいずれかに記載のクリーム状外用組成物。
(II)クリーム状外用組成物の製造方法
(II−1)下記の工程(1)〜(5)を有する、(I−1)〜(I−5)のいずれかに記載するクリーム状外用組成物の製造方法:
(1)配合成分A、B及びDを70℃以上で加熱混合して、脂肪酸を含有する油相部を調製する工程、
(2)配合成分C及びDを混合して、水酸化カリウムを含有する水相部を調製する工程、
(3)加温撹拌しながら前記油相部に前記水相部を添加し中和反応する工程、
(4)上記中和反応工程で得られた反応混合物を撹拌しながら35〜45℃まで冷却する工程、
(5)上記反応混合物を静置冷却し、クリーム状に固化する工程。
(II−2)前記(3)及び(4)の工程を常圧条件で実施する方法である、(II−1)に記載する製造方法。
(II−3)前記配合成分Aは、合計量が全組成物の22〜33質量%である炭素数12〜18の直鎖脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1種の直鎖脂肪酸であり、
前記配合成分Bは、合計量が全組成物の18〜24質量%であるグリセリン及びポリエチレングリコールであり、
前記配合成分Cは、配合成分Aに対する中和率が76〜83%となる量の水酸化カリウムであり、及び
前記配合成分Dは、前記(3)工程後の総量が全組成物を100質量%とする量の水であり;
前記グリセリンとポリエチレングリコールとの配合比が、グリセリン1質量部に対してポリエチレングリコールが0.8〜1.3質量部であり、および
前記配合成分A及びBの配合比が、配合成分B1質量部に対して配合成分Aが1.1〜1.6質量部である、(II−1)または(II−2)に記載する製造方法。
本発明のクリーム状外用組成物の組成によれば、真空撹拌機や真空乳化機など真空装置を備えたタンクを使用しなくても、常圧条件下、通常の開放系の装置を用いた場合であっても、泡がみ及び残泡を有意に抑えた状態で、所望の性状を有するクリ−ム形状の外用組成物を製造し、提供することができる。具体的には、本発明のクリーム状外用組成物の組成及び製造方法によれば、反応液の一部または全部がゲル状やままこになってそのまま残ることがなく、また中和反応時に一旦生じる粘度上昇が中和終了時には下降し適度な粘度になる。このため、真空装置を用いて減圧しなくても、通常の開放系のタンク内で撹拌することで、反応混合物に巻き込まれた気泡を容易に脱泡または破泡することができる。また、その後の冷却によっても急激に硬化することなく、徐々に硬化するために、泡がみしにくいという利点がある。つまり、本発明によれば、真空装置といった特殊な装置を用いることなく、大量のクリ−ム形態の外用組成物を、泡がみ及び残泡を抑制しながら均一な状態で、簡便にまた低コストで製造し提供することができる。
実験例7において、本発明のクリーム状外用組成物と市販の洗浄剤の保湿性を、洗浄後の皮膚角質中の水分含量(%)の点から測定比較した図を示す。
(I)クリーム状外用組成物
本発明のクリーム状外用組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも称する)は、下記の配合成分A〜Dを特定の配合割合で含有するものである。
A:炭素数12〜18の直鎖脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1種の直鎖脂肪酸、
B:グリセリン及びポリエチレングリコール、
C:水酸化カリウム、及び
D:水。
以下に各配合成分と、その配合割合について説明する。
(配合成分A)
本発明の組成物における配合成分Aは、炭素数12〜18の直鎖脂肪酸である。通常直鎖脂肪酸には、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、ヘキサデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、及びステアリン酸の飽和脂肪酸;並びにパルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、及びエレオステアリン酸の不飽和脂肪酸が含まれる。本発明において直鎖脂肪酸としては、好ましくは炭素数12〜18の直鎖の飽和脂肪酸であり、より好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸であり、特に好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、及びステアリン酸である。これらは1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。制限されないが、好ましくは2種以上を組み合わせて使用する態様である。かかる使用態様として、好ましくは例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリンからなる群より選択される直鎖脂肪酸から2種以上、好ましくは3種以上または4種を組み合わせて使用する態様;より好ましくは例えばラウリン酸、ミリスチン酸、及びステアリンからなる群より選択される直鎖脂肪酸から2種以上、好ましくは3種を組み合わせて使用する態様を挙げることができる。
2種以上の脂肪酸を併用する場合の各脂肪酸の配合比率は、制限されないももの、各脂肪酸をカリウム塩にしたときの組成物中での安定性、水への溶解性、肌への刺激、洗浄力、起泡性、及び泡持続性等の点から、本発明の組成物の種類や適用目的に応じて、適宜設定することができる。制限されないものの、本発明の組成物100質量%中に含まれる各直鎖脂肪酸の割合として、例えばラウリン酸は1〜3質量%、ミリスチン酸は14〜18質量%、パルミチン酸は0〜1質量%、及びステアリン酸は8〜12質量%を例示することができる。またこれらの直鎖脂肪酸の総量を100質量%とした場合、当該総量100質量%中に含まれるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸の割合として、それぞれ3〜15質量%程度、42〜65質量%程度、0〜1質量%及び24〜43質量%程度を例示することができる。
なお、本発明の効果を妨げないことを限度として、2種以上の直鎖脂肪酸を含有する天然油脂由来の脂肪酸を用いることもできる。かかる脂肪酸としては、ヤシ油、パーム油、パームオレイン、及び/又はパーム核に由来する脂肪酸(ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パームオレイン脂肪酸、及び/又はパーム核脂肪酸)を例示することができる。但し、本発明の組成物における配合成分Aは、好ましくは、前述するラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリンからなる群より選択される少なくとも2種、好ましくは3種以上の直鎖脂肪酸から実質的に構成される。より好ましくは実質的にパルミチン酸を除くラウリン酸、ミリスチン酸、及びステアリンからなる群より選択される少なくとも2種、好ましくは3種の直鎖脂肪酸から実質的に構成される。なお、本発明の組成物において、これらの脂肪酸は、その一部または全てが、後述する配合成分B(水酸化カリウム)と反応して、脂肪酸カリウムの状態で存在する。
本発明の組成物における配合成分Aの配合割合は、本発明の効果を奏する範囲であればよく、その限りにおいて限定するものではないが、合計量が22〜33重量%の範囲になるように適宜調整することができる。好ましくは25〜30質量%の範囲であり、より好ましくは27〜29質量%の範囲である。本発明の組成物に含まれるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸の合計量、より好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、及びステアリン酸の合計量が上記範囲になるように調整することが望ましい。
また本発明の組成物における配合成分Aの配合割合は、同じく本発明の組成物に配合されている後述する配合成分B(グリセリン、ポリエチレングリコール)との割合で調整することが好ましい。具体的には、本発明の組成物中の配合成分Bの合計量を1質量部とした場合、配合成分Aの配合量(合計量)が1.1〜1.6質量部の範囲になるように調整することが望ましい(配合比[A/B]=1.1〜1.6)。好ましくは1.16〜1.56質量部であり、より好ましくは1.3〜1.4質量部である。
(配合成分B)
本発明の組成物における配合成分Bは、グリセリン及びポリエチレングリコールである。本発明で用いられるポリエチレングリコール(以下、単に「PEG」とも称する)は、本発明の効果を奏するものであればよく、特に制限されないものの、例えば重量平均分子量が1,000〜20,000の範囲にあるものを好適に用いることができる。かかる重量平均分子量を有するPEGとしては、制限されないものの、例えば、市販製品として、PEG-1540(三洋化成、及び東邦化学工業)、Carbowax PEG1450(Dow Chemical)、Pluracare E 1450(BASF Florham park)、Polyglykol 1500(Clariant Corporation)(以上、重量平均分子量1290〜1650);PEG-4000(東邦化学工業)、Carbowax PEG3350(Dow Chemical)、Pluriol E 4000(BASF Florham park)、Polyglykol 3350(Clariant Corporation)(以上、重量平均分子量2600〜3800);及びPEG-6000(第一工業製薬、及び東邦化学工業)、PEG-8000(PAN ASIA)、Pluriol E 8000(BASF Florham park)、Polyglykol 6000(Clariant Corporation)(以上、重量平均分子量7300〜9300)等として商業的に入手することができ、これらを制限なく使用することができる。これらのPEGとして好ましくは重量平均分子量が2,700〜9,500の範囲にあるPEGである。
本発明の組成物における配合成分Bの配合割合は、本発明の効果を奏する範囲であればよく、その限りにおいて限定するものではないが、それらの合計量が18〜24重量%の範囲になるように適宜調整することができる。好ましくは19〜23質量%の範囲であり、より好ましくは20〜22質量%の範囲である。また、配合成分Bとして配合されるPEGの配合量が、グリセリン1質量部に対して0.8〜1.3質量部となるように調整されることが好ましい(配合比[PEG/グリセリン]=0.8〜1.3)。より好ましくは0.9〜1.2質量部であり、特に好ましくは0.95〜1.1質量部である。
また本発明の組成物における配合成分Bの配合割合は、前述するように、本発明の組成物に配合されている前述の配合成分Aの量との関係で調整することが好ましい。
(配合成分C)
本発明の組成物における配合成分Cは、水酸化カリウムである。当該水酸化カリウムは、本発明の組成物において、アルカリ剤として作用し、前述する脂肪酸とともに脂肪酸カリウム塩(カリウム石鹸)を形成する。本発明の組成物に対する配合成分C(水酸化カリウム)の配合割合は、本発明の組成物に配合される直鎖脂肪酸に対する中和率(%)で規定することができる。ブレンステッドローリーの定義に基づけば、直鎖脂肪酸は一価の酸(反応する相手にHを与える物質)であり、水酸化カリウムは一価の塩基(反応する相手からHを受け取る物質)であるから、中和率(%)は、両者の中和反応から算出することができる。具体的には、例えば本発明の組成物(1L)に配合される直鎖脂肪酸の総濃度(mol/L)を「X(mol/L)」とすると、それを100%の割合で中和するには、同様に「X(mol/L)」の水酸化カリウムが必要になる(中和率:100%)。またこれを85%の割合で中和するには、「X×0.85(mol/L)」の水酸化カリウムが必要になる(中和率:85%)。
水酸化カリウムの配合割合として、具体的には本発明の組成物に配合される直鎖脂肪酸の中和率が76〜83%となるような割合を挙げることができる。中和率として好ましくは77〜80%である。後述する実験例5に示すように、中和率が90%以上になると、製造段階の中和時に反応混合物の粘度下降が適切に生じず、泡がみ及び残泡の原因となり、常圧条件下での製造が困難になる。また中和率が75%よりも低い場合や85%よりも高い場合は製造後の性状が不安定になる傾向がある。具体的には中和率が75%よりも低くなると柔らかくなりすぎて液だれしやすくなる傾向があり、一方、中和率が85%よりも高くなると固化してクリーム形状にならず、また水どけが悪くなる傾向がある。また、前記中和率の範囲にして本発明の組成物中にフリーの脂肪酸を残存させることで、すすぎ性の向上に寄与する傾向が認められる。
(配合成分D)
本発明の組成物における配合成分Dは、水である。水は、一般に外用組成物(例えば、化粧料、医薬部外品等)に使用される程度の純度や精製度であれば、特に制限されない。具体的には、イオン交換水、蒸留水、市水、地下水、天然水、井戸水、海洋深層水、硬水、および軟水等を、制限なく、使用することができる。本発明の組成物の保存安定性や衛生面から、イオン交換水が好ましい。配合成分Dの配合量は、全組成物を最終的に100質量%とする量である。具体的には、クリーム状という本発明の外用組成物の形状を損なうことなく、本発明の効果を奏する範囲で選択調整することができ、制限されないものの、例えば20〜60質量%、好ましくは30〜60質量%、より好ましくは35〜50質量%の割合で配合することができる。
(その他の配合成分)
本発明の組成物には、前記配合成分A〜Dに加えて、本発明の効果を妨げないことを限度として。通常の外用組成物、特に化粧料や医薬部外品に使用される各種添加剤を添加することができる。かかる添加剤は、外用組成物の目的や所望の特性に応じて、適宜選択することができる。制限されないものの、例えば、界面活性剤、エモリアント剤(油分)、保湿成分、抗炎症成分、動物・植物抽出物等の天然抽出物、生理活性物質、酵素、美白成分、ビタミン類、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、キレート剤、pH調整剤、顔料(色素)、香料、パール化剤、湿潤剤、スクラブ剤(無機粉体、有機粉体)、水溶性高分子、基剤(例えばステアリン酸グリセリルなどのモノグリセリン脂肪酸エステル)、薬剤(例えば、硫黄、トリクロロカルバン等)等を制限なく例示することができる。
(界面活性剤)
例えば、本発明の組成物が皮膚洗浄用組成物である場合、起泡性と優れた洗浄効果を発揮するために、本発明の効果を妨げないことを限度として、脂肪酸石鹸に加えて他の界面活性剤が配合されていてもよい。かかる界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤よりなる群から選択される1種または2種以上を挙げることができる。好ましくは非イオン性界面活性剤であり、例えばポリオキシエチレン(以下、「POE」と称する)アルキルエーテル、POEアリールエーテル、ポリオキシエチレン(POE)・ポリオキシプロピレン(以下「POP」と称する)グリコール等のPOE・POPブロックポリマー、POE硬化ひまし油エーテル、POEひまし油エーテル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビトール脂肪酸エステル、POEアルキルエーテルリン酸塩グリセロール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド等を制限なく例示することができる。なかでも好ましくは親油型の界面活性剤であり、例えばプロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等を挙げることができる。また、脂肪酸石鹸に加えてアニオン性界面活性剤として、アミノ酸系界面活性剤(例えば、N−アシルグルタミン酸、N−長鎖アシルグリシン等)、アシルメチルタウリン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンNaなどを配合することもできる。これらの界面活性剤は、本発明の組成物の効果を妨げない範囲、例えば0〜10質量%の範囲で配合することができる。
また本発明の組成物が皮膚洗浄用組成物である場合、洗浄による過度の脱脂や肌荒れを防ぐ目的で、エモリアント剤(油分)、保湿成分、抗炎症成分、及び動植物等の天然抽出物等を配合することができ、かかるものとして、本発明の効果を妨げないことを限度として制限されないものの、下記のものを例示することができる。
(エモリエント剤(油分))
ホホバ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、月見草油、ミンク油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、トーモロコシ油、カカオ油、ヤシ油、コメヌカ油、オリーブ油、アーモンド油、ごま油、サフラワー油、大豆油、椿油、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、パーム油、パーム核油、卵黄油、ラノリン、ラノリン誘導体、スクワレン等の天然動植物油脂類;
合成トリグリセライド;スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン等の炭化水素類;
カルナバウロウ、パラフィンワックス、鯨ロウ、ミツロウ、キヤンデリラワックス、ラノリン等のワックス類;
セタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類。
これらのエモリエント剤(油分)は、本発明の組成物の効果を妨げない範囲、例えば0〜5質量%の範囲で配合することができる。
(保湿成分)
マルチトール、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリコール、ジプロピレングリコール、POEグルコース誘導体等の多価アルコール;
ピロリドンカルボン酸、、乳酸、クエン酸、及びこれらのナトリウム塩など、有機酸およびその塩;
ヒアルロン酸ナトリウム等のヒアルロン酸およびその塩;
酵母および酵母抽出液の加水分解物、酵母培養液、乳酸菌培養液など醗酵代謝産物;
コラーゲン、エラスチン、ケラチン、セリシン等の水溶性蛋白、コラーゲン加水分解物、カゼイン加水分解物、シルク加水分解物、ポリアスパラギン酸ナトリウム等のぺプチド類およびその塩;
グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、アスパラギン酸、チロシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、グルタミン、プロリン、ヒスチジン、フェニルアラニン等のアミノ酸;
トレハロース、キシロビオース、マルトース、ラフィノース、メリビオース、蔗糖、ブドウ糖、植物性粘質多糖等の糖類;
結晶性セルロース、非結晶性セルロース、キシラン、マンナン、ガラクタン、アラビナン、アラビノキシラン等の多糖類およびその誘導体;
水溶性キチン、キトサン、ペクチン、コンドロイチン硫酸およびその塩等のグリコサミノグリカンおよびその塩;
アミノカルボニル反応物等の糖アミノ酸化合物;
アロエ、マロニエ等の植物抽出液;
トリメチルグリシン、尿素、尿酸、アンモニア、レシチン、ラノリン、スクワラン、スクワレン、グルコサミン、クレアチニン、DNA、RNA等の核酸関連物質等。
これらの保湿成分は、本発明の組成物の効果を妨げない範囲、例えば0〜5質量%の範囲で配合することができる。
(抗炎症成分)
グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウムなどのグリチルリチン酸塩、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン等。
これらの抗炎症成分は、本発明の組成物の効果を妨げない範囲、例えば0〜1質量%の範囲で配合することができる。
(天然抽出物)
サッカロマイセスなどの酵母、糸状菌、バクテリア、牛胎盤、人胎盤、人臍帯、酵母、牛コラーゲン、牛乳由来蛋白、小麦、大豆、牛血液、ブタ血液、鶏冠、カミツレ、キュウリ、コメ、シアバター、シラカバ、茶、トマト、ニンニク、ハマメリス、バラ、ヘチマ、ホップ、モモ、アンズ、レモン、キウイ、ドクダミ、トウガラシ、クララ、ギシギシ、コウホネ、セージ、ノコギリ草、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、アロエベラ、オウゴン、オウバク、コウカ、ベニバナ、サンシン、シコン、タイソウ、チンピ、ニンジン、ヨクイニン、ハトムギ、クチナシ、サワラ等の動植物・微生物およびその一部から有機溶媒、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコール等で抽出または加水分解して得た天然抽出物。
これらの天然抽出物は、本発明の組成物の効果を妨げない範囲、例えば0〜5質量%の範囲で配合することができる。
(pH)
本発明の組成物のpHは、制限されないものの、通常pH8〜11、好ましくはpH8.5〜10の範囲になるように調整される。pHの調整には、通常酸を用いて調整することができる。かかる酸としては、クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸等の有機酸;アスパラギン酸、グルタミン酸、ピロリドンカルボン酸などの酸性アミノ酸;塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸などを挙げることができる。pH緩衝能があって、他成分によってpH変動し難いという点で、好ましくはクエン酸、酒石酸、グルタミン酸、リン酸が好ましく、より好ましくはクエン酸である。
(形態)
本発明の組成物は水中油型乳化組成物であり、クリーム状を呈している。本発明が対象とするクリーム状の組成物は、容器に充填する場合はその容器から指先で容易にすくい上げることができ、またチューブに充填する場合はそのチューブを指圧することにより容易に吐出することができる硬さと形状を有するものであり、容器を傾けると直ちに流動性を示す乳液等とは区別される。本発明の組成物の硬度は、制限されないものの、充填機を通した後の硬度として、品温30℃の条件で、B型粘度計(東機産業製のVISCOMETER TVB-10のTH7ロータ使用)を用いて10rpmにおいて60秒間測定した場合に粘度が15,000〜60,000mPa・sの範囲にあるものとして規定することができる。本発明の組成物は、不透明で白濁状の外観を呈し、時に真珠様光沢を有することもある。
(用途)
本発明の組成物は、化粧料または外用医薬部外品として身体に適用することができる。具体的には、クリーム状メイク落とし(クレンジングクリーム)、クリーム状洗顔料、クリーム状手指洗浄料、クリーム状身体洗浄料、クリーム状ヘアシャンプー(毛髪洗浄料)などの清浄又は洗浄用組成物;ひげ剃り用組成物(シャービングクリーム);歯みがき等を例示することができる。好ましくは皮膚清浄または洗浄用組成物である。
(II)クリーム状外用組成物の製造方法
本発明のクリーム状外用組成物は、脂肪酸石鹸系のクリーム状洗浄用組成物の製造方法(従来法)に従って製造することができる。但し、従来法とは異なり、真空装置を用いないで製造することができる。つまり、本発明の組成物は、常圧(大気圧)条件下で、通常の開放系のタンクを用いて製造することができることを特徴とする。但し、真空装置を用いて製造することを制限するものではない。
具体的には、まず、撹拌機付きタンク(オープンタンク)にいれた配合成分A、配合成分B、及び配合成分Dの一部を70℃以上、好ましくは75〜90℃に加熱溶解して油相部を調製する。なお、この際に、必要に応じて配合成分A〜D以外の任意成分(例えば、前述するエモリエント剤、界面活性剤、キレート化剤、抗酸化剤、粉体等など)をあわせて配合し、これらの任意成分を含む油相部として調製してもよい。調製した油相部を加温した状態で撹拌しながら、別途、室温条件にて調製した配合成分C及び配合成分Dの一部の混合物(水酸化カリウム水溶液)(水相部)を徐々に時間をかけながら添加し、撹拌混合する。その際、一旦、粘度が上昇するものの、その後、適度な粘度まで下降する。そのまましばらく少なくとも粘度が安定するまで撹拌を続けることで中和が終了する。次いで、自然放冷または水浴を用いて撹拌を続けながら、品温が45℃以下、好ましくは42〜43℃程度になるまで冷却する。なお、必要に応じて、中和反応後、冷却撹拌しながら配合成分A〜D以外の任意成分(例えば、保湿成分、抗炎症成分、天然抽出物、pH調整剤、色素、香料など)を添加し、混合してもよい。さらに冷却し、品温が40℃以下、好ましくは37〜38℃付近になった段階で、撹拌を停止し、静置して室温(25±5℃)まで冷却する。斯くして、乳濁状に乳化したクリーム状の組成物を得ることができる。
本発明の組成物を調製する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力と全体混合できる複数の攪拌羽根(例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなど)を備えた攪拌装置が好ましく、具体的にはアジホモミキサー、逆流ミキサー、ハイブロッドミキサーなどを例示することができる。例えば、制限されないものの、一例としてパドルミクサー(例えば、ZA-4000型、及びプライミクスZZ3500型:特殊機化工業社製)、リボンミクサー(セイワ工業キョーテック事業部製)、TKアジホモミキサー(2T-200型:特殊機化工業社製)などが挙げられる。また、本発明は、真空撹拌機や真空乳化機を用いた製造を制限するものではなく、例えば真空乳化装置(VQ-1-75:ミズホ工業社製)等の装置を用いて製造することもできる。
以下に本発明の構成及び効果の理解を容易にするために、実施例を用いて説明する。但し、本発明はこれらの実施例に何ら拘束されるものではない。下記において、特に言及しない限り、「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味するものとする。また、下記において、特に言及しない限り、実験は常温(25±5℃)、常圧(大気圧)条件にて実施した。
下記の実験で使用した材料のうち、ポリエチレングリコール(PEG)、及びアミノ酸混合液としては、下記のものを使用した。
PEG#1500:日油株式会社製(重量平均分子量500〜600)
PEG−1540:三洋化成工業株式会社製(重量平均分子量1290〜1650)
PEG−4000:東邦化学工業株式会社製(重量平均分子量2600〜3800)
PEG−8000:PAN ASIA製(重量平均分子量7300〜9300)
アミノ酸混合液:アルギニン、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、セリン、バリン、プロリン、トレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、リシンHCl、グルタミン酸、ロイシン、及びチロシンの混合物を総量1質量%の割合で含む水溶液。
水酸化カリウム(48%水溶液):旭硝子株式会社製
実験例1 クリーム状洗浄用組成物の製造とその評価(その1)
脂肪酸の配合量が各々異なる表1に記載する各種のクリーム状洗浄用組成物について、製造段階(中和時、冷却時)、製造直後(仕上がり時)、及び保存時における性状(経時状態)を評価した。
(1)クリーム状洗浄用組成物の製造
表1に記載する組成成分及び組成比率(%)に従って各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例1−1〜1−6、比較例1−1及び1−2)を製造した。
具体的には、まず、パドルミクサー(プライミクスZZ3500型:特殊機化工業社製)のタンク内で、油溶性成分として、脂肪酸石鹸原料の脂肪酸(配合成分A)、グリセリン及びポリエチレングリコール(配合成分B)、精製水(配合成分D)、及び基剤としてステアリン酸グリセリルを混合したものを75〜90℃に加温し溶解して油相を調製した。別途、水相部として48質量%濃度の水酸化カリウム水溶液(配合成分C及びD)を準備した。次いで、前記75〜90℃に調整した油相に、その加温状態を維持した状態で、前記の水相部を、混合液の相が均一になるように撹拌しながら徐々に添加した。水相部の全量を、油相に添加しおえた後は、撹拌回転数を下げて、しばらく加温状態を維持した状態で、撹拌して、脂肪酸を中和した(中和時)。
その後、得られた混合物を、循環水浴のなかで撹拌混合しながら徐々に43℃付近まで冷却した(冷却時)。斯くして調製される組成物は品温約42℃で半透明な液状を呈している。この組成物を、撹拌回転数を減じてゆっくり撹拌して冷却増粘させ、品温が38℃になった段階で撹拌を停止した。これを、品温が30℃以下になるまで静置した。かかる自然静置及び冷却により脱泡し、前記組成物はクリーム状を呈するようになる。斯くして水中油型のクリーム状洗浄用組成物を得た(調製後仕上がり)。
斯くして製造したクリーム状洗浄用組成物を容器に収容し、0℃、室温、及び40℃の各暗所条件下で30日間放置して、性状の経時的変化(経時状態)を観察した。
(2)クリーム状洗浄用組成物の評価
前記各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例1−1〜1−6、比較例1−1及び1−2)について、その製造段階(中和時、冷却時)、製造直後(製造後仕上がり時)、及び保存時(0℃、室温、及び40℃)における経時状態を、下記の基準に従って、目視により評価した。なお、「中和時」とは、脂肪酸を含む油相に水酸化カリウムを含む水相を添加し終え、中和が完了した段階を意味する。また「冷却時」とは、中和が完了した組成物を冷却し、43℃付近まで冷却された時点を意味し、「製造直後(製造後仕上がり時」とは、乳化が完了しクリーム状になった時点を意味する。
[製造段階:中和時]
(1)粘度低下の有無
脂肪酸を含有する油相に水酸化カリウムを含有する水相を添加すると、水相を半量添加した段階で、一旦、液状組成物がゲル状になり粘度が上昇する。しかし、水相を全量添加すると粘度は低下する。粘度が適度に低下する場合を良好○として、下記の通りに判断した。
[粘度低下]
○:粘度が適度に低下する。
△:粘度の低下が若干悪い
×:粘度低下せず、上昇したまま
(2)反応混合液の均一性
脂肪酸を含有する油相に水酸化カリウムを含有する水相を添加して混合した際に、中和反応が局所的に進むことで反応混合液中に石鹸の濃淡が生じ、ゲル状物が不均一に生じる場合がある。また反応混合液の粘度が高いと泡がみが生じた場合に脱泡または破泡しにくくなり「残泡」が生じる。このような現象が生じると反応混合液が不均一になる。そこで、中和後の組成物(反応混合液)が不均一であるか否か、つまり反応混合液の均一性について、下記の基準に従って判断した。
[均一性評価]
○:石鹸の濃淡、ゲル状物及び残泡のいずれの現象もなく均一な液状である。
△:石鹸の濃淡、ゲル状物及び残泡のうちいずれか少なくとも1つの現象が認められるものの、撹拌することで解消可能である。
×:石鹸の濃淡、ゲル状物及び残泡のうちいずれか少なくとも1つの現象が生じており、しかも粘度が高くて解消できない。
[製造段階:冷却時]
中和が完了後、42℃付近まで冷却した際の組成物の状態を目視で観察して判断した。
[外観評価]
○:半透明な液状
△:白濁し増粘したヨーグルト状
×:クリーム状
[製造直後(製造後仕上がり)]
外観と粘度の両面から評価した。つまり滑らかなクリーム状を呈し(外観)、適正な粘度を有している場合を良好○とした。なお、ここで適正な粘度を有するとは、製造直後の組成物の粘度を、品温30℃の条件で、B型粘度計(東機産業製のVISCOMETER TVB-10のTH7ロータ使用)を用いて、10rpmにおいて60秒間測定した場合に、50,000〜100,000mPa・sの範囲にある場合をいう。
[外観と粘度]
○良好:外観及び粘度のいずれとも良好(滑らかなクリーム状を呈し、適正粘度範囲にある)。
△やや悪い:外観及び粘度のいずれか少なくとも一方が良好ではないものの、許容範囲である(肌理は粗いがクリーム状、または/及び、適正な粘度よりもやや高い若しくは緩い)
×不良:外観及び粘度のいずれか少なくとも一方が良好ではなく、しかも許容範囲でない。
[保存時の経時状態]
0℃、室温、及び40℃の各条件で保存したときの組成物の性状を、下記の基準に従って目視で評価した。下記でいう「性状異常」には、色変化、ブツブツの発生、分離、及び粘度異常が含まれる。
○:いずれの条件で保存した場合でも、いずれの性状異常」も認められず、正常なクリーム状を保っている。
△:いずれかの条件で、多少の性状異常が認められるものの、クリーム状洗浄用製品として許容範囲である。
×:いずれかの条件で、許容範囲を超えて性状異常が認められる。
(3)クリーム状洗浄用組成物の評価結果
各クリーム状洗浄用組成物(実施例1−1〜1−6、比較例1−1及び1−2)の評価結果を、その組成と併せて表1に示す。
表1の結果から、最終のクリーム状洗浄用組成物中の脂肪酸(配合成分A)の合計量が35%以上であって、しかもグリセリンとPEG(配合成分B)の合計量1質量部に対する脂肪酸(配合成分A)の割合が1.67質量部以上であると、製造段階の中和時に粘度が降下せず泡がみ及び残泡が発生して反応混合液に均一にならず、開放系の装置を用いた常圧条件下での製造が困難になる傾向が認められた(比較例1−2)。また、最終のクリーム状洗浄用組成物中の脂肪酸(配合成分A)の合計量が20質量%以下であって、しかもグリセリンとPEG(配合成分B)の合計量1質量部に対する脂肪酸(配合成分A)の割合が0.95質量部以下であると、製造後の仕上がりと保存時の性状が不良になる傾向が認められた(比較例1−1)。これに対して、少なくとも、配合成分Aの合計量が25〜30質量%であって、配合成分Bの合計量1質量部に対する配合成分Aの割合が約1.1〜1.5質量部の範囲にあると、製造段階の中和時での反応混合液の不均一性(泡がみ及び残泡の発生等)が抑制され、開放系の装置を用いた常圧条件下での製造がほぼ支障なく可能になることが確認された(実施例1−1〜1−6)。特に、配合成分Aの合計量が27質量%より多く29質量%未満であって、配合成分Bの合計量1質量部に対する配合成分Aの割合が1.3〜1.36質量部程度の範囲にあると、製造段階のみならず、製造直後の性状及び保存時の経時状態も良好なクリーム状洗浄用組成物が調製できることが確認された(実施例1−4)。
実験例2 クリーム状洗浄用組成物の製造とその評価(その2)
使用PEGの分子量が各々異なる各種のクリーム状洗浄用組成物について、実験例1と同様にして、製造段階(中和時、冷却時)、製造直後(製造後仕上がり時)、及び保存時における性状(経時状態)を評価した。なお、実験例1で最も評価が高かった実施例1−4のクリーム状洗浄用組成物の組成を基本のベースとした。また比較実験として、PEGに代えて複数の多価アルコールを用いて調製した各種のクリーム状洗浄用組成物(比較例2−1〜2−6)についても、同様に試験して、製造時及び製造後の性状を評価した。
(1)クリーム状洗浄用組成物の製造
表2に記載する組成成分及び組成比率(%)に従って、実験例1に記載する方法と同様にして、各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例2−1〜2−3、比較例2−1〜2−6)を製造した。製造したクリーム状洗浄用組成物を密閉容器に収容し、0℃、室温、及び40℃の各暗所条件下で30日間放置した。
(2)クリーム状洗浄用組成物の評価
前記各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例2−1〜2−3、比較例2−1〜2−6)について、その製造段階(中和時、冷却時)及び製造直後(仕上がり時)の性状、並びに保存時(0℃、室温、及び40℃)における経時状態を、実験例1と同様に、目視により評価した。
(3)クリーム状洗浄用組成物の評価結果
各クリーム状洗浄用組成物(実施例2−1〜2−3、比較例2−1〜2−6)の評価結果を、その組成と併せて表2に示す。
表2の結果から、PEGとして少なくとも重量平均分子量が1200〜9500の範囲にある例えばPEG−1540、PEG−4000及びPEG−8000等を用いることで、製造段階(中和時、冷却時)での泡がみ及び残泡といった現象が抑制され、開放系の装置を用いた常圧条件下での製造がほぼ支障なく可能になることが確認された。また製造段階のみならず、製造直後の性状及び保存時の経時状態も良好なクリーム状洗浄用組成物が調製できることが確認された(実施例2−1〜2−4)。特に、PEG−4000及びPEG−8000を用いることで、製造段階、製造直後、及び保存時の全てにおいて良好な性状を有するクリーム状洗浄用組成物を調製することができた(実施例2−2及び2−3)。一方、PEGに代えて、他の多価アルコールを用いると、製造段階の特に中和時に泡がみ及び残泡が生じ、開放系の装置を用いた常圧条件下での製造が困難になる傾向が認められた(比較例2−5及び2−6)。またその傾向がない場合であっても保存時の性状が不良であった(比較例2−1〜2−4)。
実験例3 クリーム状洗浄用組成物の製造とその評価(その3)
配合成分Bの合計量が各々異なる各種のクリーム状洗浄用組成物について、実験例1と同様にして、製造段階(中和時、冷却時)、製造直後(仕上がり時)、及び保存時における性状(経時状態)を評価した。なお、実験例1で最も評価が高かった実施例1−4のクリーム状洗浄用組成物の組成を基本のベースとした。
(1)クリーム状洗浄用組成物の製造
表3に記載する組成成分及び組成比率(%)に従って、実験例1に記載する方法と同様にして、各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例3−1〜3−7、比較例3−1〜3−2)を製造した。製造したクリーム状洗浄用組成物を密閉容器に収容し、0℃、室温、及び40℃の各暗所条件下で30日間放置した。
(2)クリーム状洗浄用組成物の評価
前記各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例3−1〜3−7、比較例3−1〜3−2)について、その製造段階(中和時、冷却時)及び製造直後(仕上がり時)の性状、並びに保存時(0℃、室温、及び40℃)における経時状態を、実験例1と同様に、目視により評価した。
(3)クリーム状洗浄用組成物の評価結果
各クリーム状洗浄用組成物(実施例3−1〜3−7、比較例3−1〜3−2)の評価結果を、その組成と併せて表3に示す。
表3の結果から、最終のクリーム状洗浄用組成物中の配合成分B(PEGとグリセリン)の合計量が17質量%以下または25%以上であって、しかも配合成分Bの合計量1質量部に対する脂肪酸(配合成分A)の割合が1.12質量部以下または1.65質量部以上であると、製造後の仕上がりと保存時の性状が不良になる傾向が認められた(比較例3−1及び3−2)。これに対して、少なくとも、配合成分Bの合計量が18〜24質量%であって、配合成分Bの合計量1質量部に対する配合成分Aの割合が約1.1〜1.6質量部の範囲にあると、製造段階の中和時で発生しやすい反応混合液の不均一(泡がみ及び残泡の発生等)が抑制され、開放系の装置を用いた常圧条件下での製造がほぼ支障なく可能になることが確認された(実施例3−1〜3−7)。製造段階の中和時での前記現象は、配合成分Bの合計量を20〜22質量%、配合成分Bの合計量1質量部に対する配合成分Aの割合を1.25〜1.4質量部程度とすることで顕著に抑制することができた(実施例3−3〜3−5)。また、配合成分Bの合計量を21質量%程度、配合成分Bの合計量1質量部に対する配合成分Aの割合を1.33質量部程度とすることで、製造段階のみならず、製造直後の性状及び保存時の経時状態も良好なクリーム状洗浄用組成物が調製できることが確認された(実施例3−4)。
実験例4 クリーム状洗浄用組成物の製造とその評価(その4)
PEGとグリセリンとの配合比(配合比[PEG/グリセリン])が各々異なる各種のクリーム状洗浄用組成物について、実験例1と同様にして、製造段階(中和時、冷却時)、製造直後(製造後仕上がり時)、及び保存時における性状(経時状態)を評価した。なお、実験例1で最も評価が高かった実施例1−4のクリーム状洗浄用組成物の組成を基本のベースとした。
(1)クリーム状洗浄用組成物の製造
表4に記載する組成成分及び組成比率(%)に従って、実験例1に記載する方法と同様にして、各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例4−1〜4−5、比較例4−1及び4−2)を製造した。製造したクリーム状洗浄用組成物を密閉容器に収容し、0℃、室温、及び40℃の各暗所条件下で30日間放置した。
(2)クリーム状洗浄用組成物の評価
前記各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例4−1〜4−5、比較例4−1及び4−2)について、その製造段階(中和時、冷却時)及び製造直後(製造後仕上がり時)の性状、並びに保存時(0℃、室温、及び40℃)における経時状態を、実験例1と同様に、目視により評価した。
(3)クリーム状洗浄用組成物の評価結果
各クリーム状洗浄用組成物(実施例4−1〜4−5、比較例4−1及び4−2)の評価結果を、その組成と併せて表4に示す。
表4の結果から、最終のクリーム状洗浄用組成物中の配合比[PEG/グリセリン]が0.7以下であると、製造段階の中和時にゲル化による粘度の急上昇が生じ、開放系の装置を用いた常圧条件下での製造が困難になる傾向が認められた(比較例4−1)。また、配合比[PEG/グリセリン]が1.43以上であると、保存時の性状が不良になる傾向が認められた(比較例4−2)。。これに対して、配合比[PEG/グリセリン]が少なくとも0.8〜1.25の範囲にあると、製造段階の前記現象が抑制され、開放系の装置を用いた常圧条件下での製造がほぼ支障なく可能になることが確認され、また保存時の性状もほぼ良好であった(実施例4−1〜4−5)。配合比[PEG/グリセリン]を1程度にすることで、製造段階のみならず、製造直後の性状及び保存時の経時状態も良好なクリーム状洗浄用組成物が調製できることが確認された(実施例4−3)。
実験例5 クリーム状洗浄用組成物の製造とその評価(その5)
中和率が各々異なる各種のクリーム状洗浄用組成物について、実験例1と同様にして、製造段階(中和時、冷却時)、製造直後(仕上がり時)、及び保存時における性状(経時状態)を評価した。なお、実験例1で最も評価が高かった実施例1−4のクリーム状洗浄用組成物の組成を基本のベースとした。
(1)クリーム状洗浄用組成物の製造
表5に記載する組成成分及び組成比率(%)に従って、実験例1に記載する方法と同様にして、各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例5−1〜5−8、比較例5−1及び5−2)を製造した。製造したクリーム状洗浄用組成物を密閉容器に収容し、0℃、室温、及び40℃の各暗所条件下で30日間放置した。
(2)クリーム状洗浄用組成物の評価
前記各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例5−1〜5−8、比較例5−1及び5−2)について、その製造段階(中和時、冷却時)及び製造直後(仕上がり時)の性状、並びに保存時(0℃、室温、及び40℃)における経時状態を、実験例1と同様に、目視により評価した。
(3)クリーム状洗浄用組成物の評価結果
各クリーム状洗浄用組成物(実施例5−1〜5−8、比較例5−1及び5−2)の評価結果を、その組成と併せて表5に示す。
表5の結果から、脂肪酸の中和率が90%以上であると、製造段階の中和時にゲル化による粘度の急上昇が生じ、開放系の装置を用いた常圧条件下での製造が困難になる傾向が認められた(比較例5−3)。また脂肪酸の中和率が75%以下または85%以上になると保存時の性状が不良になる傾向が認められた(比較例5−2および5−3)。これに対して、脂肪酸の中和率が76〜83%の範囲にあると、製造段階の前記現象が抑制され、開放系の装置を用いた常圧条件下での製造がほぼ支障なく可能になることが確認された(実施例5−1〜5−8)。かかるクリーム状洗浄用組成物は、製造段階の中和時のみならず、冷却時、及び製造直後の性状、並びに及び保存時の経時状態も良好な性状を有していた。製造段階の中和時での前記現象は、特に脂肪酸の中和率を77〜80%にすることで、顕著に抑制することができた(実施例5−2〜5−5)。
実験例6 クリーム状洗浄用組成物の製造とその評価(その6)
脂肪酸の種類が各々異なる各種のクリーム状洗浄用組成物について、実験例1と同様にして、製造段階(中和時、冷却時)、製造直後(仕上がり時)、及び保存時における性状(経時状態)を評価した。
(1)クリーム状洗浄用組成物の製造
表6に記載する組成成分及び組成比率(%)に従って、実験例1に記載する方法と同様にして、各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例6−1〜6−8)を製造した。製造したクリーム状洗浄用組成物を密閉容器に収容し、0℃、室温、及び40℃の各暗所条件下で30日間放置した。
(2)クリーム状洗浄用組成物の評価
前記各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例6−1〜6−8)について、その製造段階(中和時、冷却時)及び製造直後(仕上がり時)の性状、並びに保存時(0℃、室温、及び40℃)における経時状態を、実験例1と同様に、目視により評価した。
(3)クリーム状洗浄用組成物の評価結果
各クリーム状洗浄用組成物(実施例6−1〜6−8)の評価結果を、その組成と併せて表6に示す。
表6の結果から、C12〜16の脂肪酸を任意に複数を組み合わせてることで、製造段階の中和時における前記現象が抑制され、また製造段階の中和時のみならず、冷却時、及び製造直後の性状、並びに及び保存時の経時状態も良好な性状を有するクリーム状洗浄用組成物(実施例6−1〜6−8)が製造できることが確認された。
実験例7 クリーム状洗浄用組成物の製造とその評価(その7)
各種の保湿成分、抗炎症成分及び基剤を配合したクリーム状洗浄用組成物を、実験例1と同様に製造し、その保湿性を評価した。
(1)クリーム状洗浄用組成物の製造
表7に記載する組成成分及び組成比率(%)に従って、実験例1に記載する方法に準じて、各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例7−1〜7−4)を製造した。なお、基剤は、配合成分A、B及びDを混合する際に添加して油相として調製した。また保湿成分及び抗炎症成分は、油相と水相とを混合した後、冷却する際に撹拌しながら配合した。
(2)クリーム状洗浄用組成物の評価
前記各種のクリーム状洗浄用組成物(実施例7−1〜7−4)について、下記の方法に従って洗浄前後の皮膚角質水分量を測定することで、その保湿性を評価した。
(1)保湿性の評価方法
被験者(3名)の前腕内側部に試験区画(被験部位)を設定し、被験部位の角質水分量を、皮表角層水分量測定装置(SKICON-200EX-USB:株式会社ヤヨイ)を用いて測定した(初期値)。その後、泡立てた各クリーム状洗浄用組成物(実施例7−1〜7−4)にて当該被験部位を洗浄し、水で洗い流した。その1、2、3、4及び5分後の当該被験部位の角質水分量を測定した(試験値)。比較実験として、既製洗浄剤(水、ミリスチン酸、ステアリン酸、PEG−8、パルミチン酸、水酸化K、グリセリン、ラウリン酸、ヒアルロン酸Na、水溶性コラーゲン、トレハロース、ステアリン酸グリセリル(SE)、ポリクオタニウム−7、EDTA−2Na、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、配合比率不明)を用いて同様に試験を行った。
(2)保湿性の評価結果
測定結果を図1に示す。なお、各被験部位の角質水分量の変化は、初期値を100%とした相対値で示した。洗浄後5分経過時の皮膚角質水分量から、下記の基準に従って、既製洗浄剤(比較例)と本発明のクリーム状洗浄用組成物(実施例7−1〜7−4)の保湿性を評価した。
<評価基準>
◎:20%前後の増加が認められる
○:10%前後の増加が認められる
△:増加が認められない
×:5%以上前後の低下が認められる。
評価結果をその組成と併せて表7に示す。
表7の結果から、本発明のクリーム状洗浄用組成物は保湿成分や抗炎症成分等を配合することなく、そのままの組成成分で保湿性を有することが確認された。また、保湿成分または/及び抗炎症成分を配合することで、本発明のクリーム状洗浄用組成物の性状を損なうことなく、保湿性がさらに向上することが確認された。

Claims (5)

  1. 下記(1)〜(3)の構成を有するクリーム状外用組成物:
    (1)配合成分A〜Dを含有し、
    A:合計量が全組成物の22〜33質量%である、炭素数12〜18の直鎖脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1種の直鎖脂肪酸、
    B:合計量が全組成物の18〜24質量%であるグリセリン及びポリエチレングリコール、
    C:配合成分Aに対する中和率が76〜83%となる量の水酸化カリウム、及び
    D:全組成物を100質量%とする量の水;
    (2)前記グリセリンとポリエチレングリコールとの配合比が、グリセリン1質量部に対してポリエチレングリコールが0.8〜1.3質量部、
    (3)前記配合成分A及びBの配合比が、配合成分B1質量部に対して配合成分Aが1.1〜1.6質量部である。
  2. さらに、保湿成分、抗炎症成分、ノニオン性界面活性剤、植物抽出物、水溶性高分子化合物、及び抗酸化剤よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1記載のクリーム状外用組成物:
  3. 洗浄用組成物である、請求項1または2に記載のクリーム状外用組成物。
  4. 下記の工程(1)〜(5)を有する、請求項1〜3のいずれかに記載するクリーム状外用組成物の製造方法:
    (1)配合成分A、B及びDを70℃以上で加熱混合して、脂肪酸を含有する油相部を調製する工程、
    (2)配合成分C及びDを混合して、水酸化カリウムを含有する水相部を調製する工程、
    (3)加温撹拌しながら前記油相部に前記水相部を添加し中和反応する工程、
    (4)上記中和反応工程で得られた反応混合物を撹拌しながら35〜45℃まで冷却する工程、
    (5)上記反応混合物を静置冷却し、クリーム状に固化する工程。
  5. 前記(3)及び(4)の工程を常圧条件で実施する方法である、請求項4に記載する製造方法。
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