JP2019218220A - 反応器及び下水処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】一酸化炭素や二酸化炭素といった副産物が生成されるのを抑制した反応器及び下水処理システムを提供する。【解決手段】反応器は、炭化水素ガスから水素ガスとカーボンブラックとを生成するための反応器であって、前記反応器の上部に設けられ、前記炭化水素ガスを前記反応器の内部に供給するための供給孔と、前記反応器の上部に設けられた電極と、前記反応器の下部に設けられ、前記電極から前記炭化水素ガス中を電流が流れる放電の放電先となるとともに、この放電により前記炭化水素ガスを化学反応させて、水素ガスとカーボンブラックとを生成するための放電先部とを備える。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、反応器及び下水処理システムに関する。
従来、下水処理場で水素ガスを製造する場合、下水汚泥から微生物を用いて消化して生成された消化ガスを、水蒸気改質することにより、水素ガスを製造していた。しかし、水蒸気改質をする際には、一酸化炭素や二酸化炭素などの利用しにくい副産物が生成される問題があった。このため、このような利用しにくい副産物が生成されるのを抑制することのできる技術が必要とされていた。
B-DASHプロジェクトNo.11「下水バイオガス原料による水素創エネ技術導入ガイドライン(案)」
一酸化炭素や二酸化炭素といった副産物が生成されるのを抑制した反応器及び下水処理システムを提供する。
本実施形態に係る反応器は、炭化水素ガスから水素ガスとカーボンブラックとを生成するための反応器であって、前記反応器の上部に設けられ、前記炭化水素ガスを前記反応器の内部に供給するための供給孔と、前記反応器の上部に設けられた電極と、前記反応器の下部に設けられ、前記電極から前記炭化水素ガス中を電流が流れる放電の放電先となるとともに、この放電により前記炭化水素ガスを化学反応させて、水素ガスとカーボンブラックとを生成するための放電先部とを備える。
本実施形態に係る下水処理システムは、上記の反応器と、前記反応器の前処理として、下水汚泥を消化して生成された消化ガスから前記炭化水素ガスを生成して、前記反応器に供給する、前処理機構とを備える。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る反応器及び下水処理システムを説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る下水処理システム1の全体構成を説明するブロック図である。この図1に示すように、本実施形態に係る下水処理システム1は、前処理機構2と、反応機構4と、固気分離機構6と、熱回収利用機構8とを備えて構成されている。
図1は、第1実施形態に係る下水処理システム1の全体構成を説明するブロック図である。この図1に示すように、本実施形態に係る下水処理システム1は、前処理機構2と、反応機構4と、固気分離機構6と、熱回収利用機構8とを備えて構成されている。
前処理機構2は、下水汚泥から発生する消化ガスから、濃縮されたメタンガスを発生させる装置である。本実施形態においては、この前処理機構2は、脱硫塔20と、シロキサン除去塔22と、送気ブロア24と、ガス分離装置26とを備えて構成されている。
脱硫塔20には、下水汚泥を消化することにより生成された消化ガスが供給される。そして、脱硫塔20にて、消化ガスに含まれている硫化水素を除去する。硫化水素が除去された消化ガスは、脱硫塔20からシロキサン除去塔22に供給される。
シロキサン除去塔22では、消化ガスに含まれているシロキサンを除去する。シロキサンが除去された消化ガスは、送気ブロア24の力により、シロキサン除去塔22からガス分離装置26に供給される。
ガス分離装置26では、消化ガスに含まれる不純物であるオフガスと、メタンガスとを分離して、濃縮されたメタンガスを生成する。このガス分離装置26は、例えば、分離膜や圧力変動吸着(PSA:Pressure Swing Adsorption)装置で構成することができる。オフガスが分離された消化ガス、すなわち、濃縮されたメタンガスは、ガス分離装置26から反応機構4に供給される。
反応機構4は、供給されたメタンガスから、水素ガスとカーボンブラックを生成する。化学的な反応式としては、CH4→C+2H2で表すことができる。また、一般的に、前処理機構2から排出されて、反応機構4に供給されたメタンガスの組成は、メタン(CH4)が60%程度であり、二酸化炭素(CO2)が40%程度である。本実施形態においては、この反応機構4は、熱交換器40と、反応器42とを備えて構成されている。
熱交換器40は、反応器42から排出された、加熱された水素ガスとカーボンブラックの熱を回収して、反応器42に供給するメタンガスを加熱する。すなわち、熱交換器40では、前処理機構2から供給されたメタンガスと、反応器42から排出された水素ガス及びカーボンブラックとの間で、熱交換を行う。これにより、熱効率の改善を図っている。熱交換器40で加熱されたメタンガスは、反応器42に供給される。
反応器42では、この反応器42の上部に設けられた電極から放電をして、供給されたメタンガスから、水素ガスとカーボンブラックを生成する。本実施形態では、このときの反応温度を、1500℃〜2000℃とする。このため、反応器42には、複数の温度測定器44が設けられており、反応器42内のメタンガスが1500℃〜2000℃となるように温度管理が行われる。具体的には、反応器42内のメタンガスが1500℃〜2000℃となるように、熱交換器40から反応器42に供給されるメタンガスの温度を制御する。反応器42で生成されて混合状態にある水素とカーボンブラックは、熱交換器40と熱回収利用機構8とを経由して、固気分離機構6に供給される。
固気分離機構6は、反応器42から供給された混合状態にある水素ガスとカーボンブラックとを分離して、水素ガスとカーボンブラックとを別個にそれぞれ取得する。本実施形態においては、固気分離機構6は、サイクロン60とフィルタ62とを備えて構成されている。
サイクロン60は、反応機構4から供給された水素ガスとカーボンブラックを、遠心分離する装置である。このサイクロン60で遠心分離された水素ガスは、誘引ブロア64により誘引されて、この下水処理システム1の外部に供給される。
一方、フィルタ62には、サイクロン60で遠心分離されたカーボンブラックが供給され、このフィルタ62で捕捉されたカーボンブラックも、この下水処理システム1の外部に供給される。また、フィルタ62を通過した残留の水素ガスも、誘引ブロア64により誘引されて、この下水処理システム1の外部に供給される。
熱回収利用機構8は、反応機構4から排出された混合状態の水素ガスとカーボンブラックから熱を回収して、熱効率を向上させている。このため、熱回収利用機構8は、必須の装置ではないともいえる。本実施形態においては、この熱回収利用機構8は、熱交換器80と、蒸気タービン82と、発電機84と、復水器86と、冷却塔88と、復水ポンプ90と、トランス92と、コンバータ94とを備えて構成されている。
熱交換器80は、反応機構4の反応器42から供給された混合状態の水素ガスとカーボンブラックの熱を回収して、蒸気を生成する。例えば、この熱交換器80は、いわゆる排熱回収ボイラにより構成されている。熱交換器80で生成された蒸気は、蒸気タービン82に供給される。
蒸気タービン82は、熱交換器80から供給された蒸気をエネルギーとして、この蒸気タービン82に設けられたタービンを回す。すなわち、蒸気タービン82は、蒸気エネルギーを回転エネルギーに変換する装置である。この蒸気タービン82のタービンが回転することにより、発電機84が駆動し、発電がなされて電力が生成される。
蒸気タービン82でタービンを回転駆動させた後の蒸気も、まだ、相応の熱を有している。このため、本実施形態においては、この余剰熱で温水を生成することも可能である。すなわち、この下水処理システム1が設けられている施設にある他の設備で、熱利用することが可能である。この余剰熱も利用された後の蒸気は、復水器86に供給される。
復水器86では、余剰熱が利用された後の蒸気を、水に戻す。このため、復水器86では、冷却塔88から供給された冷水と、蒸気との間で熱交換がなされる。復水器86で生成された水は、復水ポンプ90の力により、再び、熱交換器80に供給される。
上述した発電機84で生成された電力は、トランス92で昇圧されて、コンバータ94で交流電流から直流電流に変換されて、反応器42で放電を行うために用いられる。なお、蒸気タービン82で生成される電力だけでは、この下水処理システム1の起動時等には、電力不足が生じるおそれもあることから、本実施形態における下水処理システム1の電力系統には、外部からの系統電力も供給されている。
発電機84で生成された電力や系統電力は、上述した送気ブロア24と、誘引ブロア64と、復水ポンプ90とにも、供給されており、また、この下水処理システム1が設けられた施設の各所に供給されている。このように、反応器42で加熱された水素ガスとカーボンブラックとの熱エネルギーを、熱回収利用機構8で回収して、電力を生成したり、温水を生成したりして、エネルギーの効率化を図っている。
以上が、本実施形態に係る下水処理システム1の全体構成であるが、次に、反応機構4における反応器42の構成を詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る反応器42の構成の一例を説明する図であり、図2(a)は、反応機構4の構成を説明するための側面図であり、図2(b)は、反応器42の上面レイアウトを説明する図であり、図2(c)は、反応器42の下面レイアウトを説明する図である。
これら図2(a)乃至図2(c)に示すように、反応器42の上部には、電極100が設けられている。本実施形態においては、電極100は複数設けられて、円筒形の反応器42に合わせて、反応器42の同心円の円周状に配置されている。この電極100には、上述したように、発電機84で発電した電力が、コンバータ94を介して、供給されている。電極100は、例えば、カーボングラファイト(炭素)により形成されている。無論、電極100は、他の金属材料で形成することもできる。
また、反応器42の上部には、熱交換器40から、加熱されたメタンガスが供給される。本実施形態においては、反応器42の上部に複数の供給孔102が設けられており、この供給孔102からメダンガスが、反応器42の内部に供給される。つまり、メタンガスが供給される供給孔102の近傍に、放電を行う電極100が配置されていることとなる。
一方、反応器42の下部には、放電先部104が形成されており、電極100からの放電先となる。本実施形態においては、この放電先部104は、複数の凹凸を有する構造物により構成されている。特に本実施形態においては、先端が鋭角の複数の突起物が反応器42の底部で円周状に同心円をなすように、配置されている。そして、電極100が陽極となり、放電先部104が陰極となり、電極100から放電先部104に向けてメタンガス中を電流が流れて、放電が発生する。本実施形態においては、特に、気体の絶縁破壊、すなわち、メタンガスの絶縁破壊による放電を促して、プラズマを生成する。ここで、プラズマを生成する放電には、火花放電、アーク放電、グロー放電、コロナ放電など、種々の放電が含まれる。
また、反応器42の下部には、生成された水素ガスとカーボンブラックとが混合状態で排出される排出孔106が、設けられている。特に本実施形態においては、排出孔106は、反応器42の底部の中央部分に設けられている。これは、本実施形態に係る反応器42の底部に設けられた放電先部104は、緩やかに中央部分へ向けて凹んだ形状をなしており、生成されたカーボンブラックは、次第に、反応器42の底部の中央部分に集まるように構成されている。このため、本実施形態においては、反応器42の底部における中央部分に、排出孔106が設けられている。
安定した放電を生成するためには、放電先部104の凹凸は、凸部の先端が鋭角であることが望ましい。また、放電先部104の凹凸の数や配置間隔は、反応器42の大きさや形状に合わせて任意に調整可能である。このように、反応器42の上部に電極100を設け、下部に放電先部104を設けることにより、放電が反応器42の上部から下部の全体に行き渡るようになり、メタンガスから水素ガスとカーボンブラックとを生成する反応を、より促進させることができる。このため、本実施形態における反応器42の上部とは、反応器42におけるおよそ上方を意味しており、頂部を意味するものではない。同様に、反応器42における下部とは、反応器42のおよそ下方を意味しており、底部を意味するものではない。
次に、図3に基づいて、反応器42の別の構成例を説明する。図3(a)は、変形例に係る反応器42の構成を説明する側面図であり、上述した図2(a)に対応する図である。図3(b)は、変形例に係る反応器42の内部に設けられた整流器110の側壁を展開した4つの例を示す展開図である。
これら図3(a)及び図3(b)に示すように、本変形例に係る反応器42には、その内部に、供給されたメタンガスの流れを整える整流器110が設けられている。この整流器110は円筒形状であり、上部と下部は開口している。つまり、整流器110は、反応器42の上部から下部に延びる円筒状の側壁により形成されている。そして、この整流器110の内側に、放電用の電極100が配置されており、整流器110の外側にメタンガスの供給孔102が配置されている。
また、この整流器110の側壁には、スリット112が形成されている。スリット112の形状や配置は任意であるが、所定の大きさのスリット112が、所定の周期、或いは、所定の規則性で配置されている。このため、反応器42の上部から供給されたメタンガスは、この整流器110によって、流れが整えられて、反応器42の下部に流れる。また、供給孔102から供給されたメタンガスは、スリット112から整流器110の内部に流れ込み、均一かつ段階的に放電されたプラズマ等と反応する。このように、メタンガスに均一的に反応を起こさせることにより、生成されるカーボンブラックの粒子を細かくかつ均一にすることができる。
図3(b)に示す第1パターンでは、整流器110には、正方形のスリット112が、斜め上方に延びるライン上に複数並ぶように形成されている。第2パターンでは、長方形のスリット112が複数本、水平に延びており、かつ、そのスリット112の始点と終点が互いにずれて水平方向にシフトするように配置されている。第3パターンでは、長方形のスリット112が複数本、垂直方向に延びており、かつ、そのスリット112の始点と終点とが互いにずれて垂直方向にシフトするように配置されている。第4パターンでは、正方形のスリット112が、市松模様を形成するように配置されている。
本実施形態においては、例えば、メタンガスが1500℃〜2000℃に加熱された状態で、この反応器42の内部で、化学反応を生じさせる。このような高温の状態で、メタンガスが放電されたプラズマ等と段階的に、均一に反応することを意図しているため、その目的の範囲内において、スリット112のパターンは、図3(b)に示したものに限られるものではない。
さらに、本実施形態に係る反応器42においては、その下部の周囲にリブ114が設けられている。リブ114は、リング状をなして、反応器42の側壁内周で、内周方向に延びる突起状に形成されている。このリブ114を設ける位置は任意であるが、本実施形態においては、円筒状の整流器110の下端と、底部に設置された放電先部104との間の高さに、設けられている。
このリブ114が存在することにより、メタンガスの流れにより、反応器42の底部に堆積したカーボンブラックが舞い上がってしまうのを回避することができる。これらの説明から明らかなように、整流器110やリブ114は、必ずしも反応器42に必要なものではないが、これら整流器110やリブ114が設けられていることにより、より効率的に、反応器42の内部で、メタンガスから水素ガスとカーボンブラックとを生成することができるようになる。
次に、図4に基づいて、反応器42のさらに別の変形例を説明する。この図4は、さらに別の変形例における反応器42の構成を説明する斜視図である。図4に示すように、この変形例では、反応器42は、配管状に形成されている。つまり、下水処理システム1に反応器42のための反応容器を設けるのではなく、配管の一部として反応器42を設置する。このため、図4の上部開口からメタンガスが供給され、下部開口から水素ガスとカーボンブラックとが排出される。
反応器42の内部には、スリット112が形成された整流器110が設けられている。このスリット112の形状や配置は、上述したように種々のものが考えられる。また、整流器110の内部には、電極100が配置されている。このため、メタンガスから水素ガスとカーボンブラックとを生成するための化学反応は、この整流器110の内部で発生する。
また、反応器42は、メタンガスの流れる方向が下向きになるように、斜めに傾けて配置されている。このため、メタンガスから生成されたカーボンブラックは、反応器42の下部に溜まり、そこから反応器42の外部に排出される。なお、上述した例と同様に、反応器42は垂直に設置することも可能である。
上流から流れ込んだメタンガスは、整流器110で整流され、段階的にスリット112から整流器110の内部に流れ込み、プラズマ等の放電により、水素ガスとカーボンブラックとが生成される。このように段階的にメタンガスを反応させることにより、均一で細かい粒子のカーボンブラックを生成することができる。
また、本実施形態においては、放電先部104は、整流器110の内周側下端部に設けられている。このため、電極100に所定の電圧を印加することにより、電極100から放電先部104へ、メタンガス中を電流が流れる放電が、発生する。図4の例では、放電先部104は、整流器110の内周側上下にそれぞれ設けられた一対の突起物により構成されている。この突起物の数は2つに限るものではなく、放電が発生するような条件であれば任意である。
なお、反応器42にも、突起状のリブ114が設けられていてもよい。この図4の例では、リブ114は、反応器42の側壁の内周側上下にそれぞれ設けられた一対の突起物により構成されている。但し、このリブ114は、上述した例と同様に、反応器42の内周側に設けられたリング状の突起物により構成することも可能である。このリブ114により、反応器42に堆積したカーボンブラックが舞い上がるのを防止しつつ、カーボンブラックが反応器42の下部に溜まって、反応器42の外部に排出されるのを促進している。
このように反応容器を別途設ける必要をなくして、配管の一部として反応器42を設置することにより、反応器42の省スペース化を図ることができ、設置コストや製造コストを低減することができる。なお、配管の一部として反応器42を構成することから、メタンガスの流速や流量を調整して、反応器42の内部で、メタンガスの化学反応により水素ガスとカーボンブラックとが生成されるようにする必要がある。
次に、図5乃至図7に基づいて、ガス分離装置26の具体的な構成例を説明する。まず、図5は、ガス分離装置26を構成する分離膜120の一例を示す図である。この図5に示すように、ガス分離装置26を分離膜120で構成した場合、シロキサンを除去した消化ガスは、送気ブロア24で圧縮され、中空糸状の高分子膜の一端から供給されて、中空糸状の高分子膜を通過する。この際、メタンガスの分子と、他のオフガスの分子の透過量の違いにより、メタンガスが選択的に分離膜120を透過して、中空糸状の高分子膜の他端から排出される。一方、メタンガス以外のオフガスは、分離膜120を通過することなく、その周囲から排出される。
図6は、ガス分離装置26を構成する分離膜120の別の例を示す図である。これら図5及び図6から分かるように、中空糸状の高分子膜120は、種々の構成が存在するが、いずれの構成でも、メタンガスの透過率が高く、オフガスの透過率が低いという特性に基づいて、消化ガスから純度の高いメタンガスを精製する。
図7は、ガス分離装置26を圧力変動吸着装置(PSA)130で構成した場合の例を示す図である。ガス分離装置26を圧力変動吸着装置130で構成する場合、この圧力変動吸着装置130の下部に、シロキサンを除去した消化ガスが、送気ブロア24で圧縮されて供給され、圧力変動吸着装置130の上部から、純度の高いメタンガスが排出される。すなわち、分子サイズの違いによる、吸着剤への吸着速度の差を利用して、メタンガスを選択的に抽出する。
なお、これら図5乃至図7は、ガス分離装置26において、消化ガスから純度の高いメタンガスを抽出するための構成の一例に過ぎず、種々の手法で、メタンガスを精製することが可能である。
以上のように、本実施形態に係る反応器42によれば、電極100から放電先部104への放電により、前処理機構2から供給されたメタンガスを化学反応させて、水素ガスとカーボンブラックとを生成することとした。このため、従来のように、一酸化炭素や二酸化炭素などの利用しにくい副産物を生成することなく、水素ガスを生成することができる。また、そのような反応器42を用いて、下水処理システム1を構成したので、下水汚泥を消化して生成される消化ガスから、利用価値のない副産物を生成することなく、水素ガスを取得することができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態は、上述した第1実施形態に係る下水処理システム1において、固気分離機構6で生成された水素ガスを濃縮して純度を上げるためのガス分離装置を、固気分離機構6の後段に設けて、水素燃料自動車などの他の用途に直接利用することができるようにしたものである。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
第2実施形態は、上述した第1実施形態に係る下水処理システム1において、固気分離機構6で生成された水素ガスを濃縮して純度を上げるためのガス分離装置を、固気分離機構6の後段に設けて、水素燃料自動車などの他の用途に直接利用することができるようにしたものである。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
図8は、第2実施形態に係る下水処理システム1の全体構成を説明するブロック図であり、上述した第1実施形態の図1に対応する図である。この図8に示すように、本実施形態に係る下水処理システム1においては、誘引ブロア64により誘引された水素ガスが供給されるガス分離装置140が追加的に設けられている。
このガス分離装置140は、供給された水素ガスを濃縮して、水素の純度を上げる役割を有している。このガス分離装置140の構成は、上述した第1実施形態におけるガス分離装置26と同様に、種々のものが考えられる。このガス分離装置140の構成は、上述したガス分離装置26と同じでもよいし、異なっていてもよい。
このガス分離装置140を通過して、純度の上がった水素ガスは、そのまま、水素燃料自動車などの他の用途に利用することができる。また、その一部を、反応器42にフィードバックして供給して、水素プラズマ等を反応器42の内部に生成するために利用することも可能になる。
以上のように、本実施形態に係る反応器42及びそのような反応器42を用いた下水処理システム1によっても、従来のように、一酸化炭素や二酸化炭素などの利用しにくい副産物を生成することなく、水素を生成することができる。また、生成された水素ガスの純度を高めたので、そのまま水素燃料自動車などの他の用途に利用することができる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
例えば、上述した各実施形態では、下水処理システム1や反応器42で処理するガスが、メタンガスである場合を例に、本発明を説明したが、下水処理システム1や反応器42で処理するガスは、メタンガスに限られるものではなく、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)等の炭化水素ガスを下水処理システム1や反応器42で処理するようにすることもできる。
また、水素ガスの生成を目的とせずに、カーボンブラックの生成のみを目的とする場合には、上述した下水処理システム1におけるガス分離装置26を省略することが可能である。すなわち、シロキサン除去塔22でシロキサンを除去した消化ガスを反応器42に供給し、プラズマ放電等により化学反応させることにより、消化ガスからカーボンブラックを生成することができる。
さらに、上述した反応器42は、下水処理システム1以外の用途にも使用することが可能である。例えば、天然ガスは90%程度のメタン(CH4)を含んでいるが、このような天然ガスを反応器42に供給して、水素ガスとカーボンブラックとを生成することもできる。
1:下水処理システム、2:前処理機構、4:反応機構、6:固気分離機構、8:熱回収利用機構、20:脱硫塔、22:シロキサン除去塔、24:送気ブロア、26:ガス分離装置、40:熱交換器、42:反応器、60:サイクロン、62:フィルタ、80:熱交換器、82:蒸気タービン、84:発電機、86:復水器、88:冷却塔、90:復水ポンプ、92:トランス、94:コンバータ
Claims (13)
- 炭化水素ガスから水素ガスとカーボンブラックとを生成するための反応器であって、
前記反応器の上部に設けられ、前記炭化水素ガスを前記反応器の内部に供給するための供給孔と、
前記反応器の上部に設けられた電極と、
前記反応器の下部に設けられ、前記電極から前記炭化水素ガス中を電流が流れる放電の放電先となるとともに、この放電により前記炭化水素ガスを化学反応させて、水素ガスとカーボンブラックとを生成するための放電先部と、
を備える反応器。 - 前記反応器の下部に設けられ、生成された前記水素ガスと前記カーボンブラックとを排出するための排出孔を、さらに備える請求項1に記載の反応器。
- 前記反応器の内部に設けられ、前記供給孔から供給された前記炭化水素ガスの流れを整える整流器を、さらに備える請求項1又は請求項2に記載の反応器。
- 前記整流器には、複数のスリットが形成されている、請求項3に記載の反応器。
- 前記整流器は、前記反応器の上部から下部に延びる円筒状の側壁を有し、その上部と下部には開口が形成されており、
前記供給孔は前記円筒状の側壁の外側に配置されており、
前記電極は前記円筒状の側壁の内側に配置されている、
請求項4に記載の反応器。 - 複数の前記電極が、前記反応器の上部に円周状に配置されている、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の反応器。
- 前記放電先部は、複数の凹凸を有する構造物により構成されている、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の反応器。
- 前記反応器の側壁内周に、前記反応器の内周方向に延びる突起状のリブを、さらに備える請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の反応器。
- 前記電極と前記放電先部との間で発生する前記放電は、プラズマ放電である、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の反応器。
- 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の反応器と、
前記反応器の前処理として、下水汚泥を消化して生成された消化ガスから前記炭化水素ガスを生成して、前記反応器に供給する、前処理機構と、
を備える下水処理システム。 - 前記反応器で生成された前記水素ガスと前記カーボンブラックを分離して、前記水素ガスと前記カーボンブラックとをそれぞれ取得する、固気分離機構を、さらに備える請求項10に記載の下水処理システム。
- 前記反応器から排出された前記水素ガスと前記カーボンブラックとから熱を回収して、発電を行う、熱回収利用機構を、さらに備える請求項10又は請求項11に記載の下水処理システム。
- 前記前処理機構から排出された後で前記反応器に供給される前の前記炭化水素ガスと、前記反応器で生成された前記水素ガス及び前記カーボンブラックとの間で熱交換を行う、熱交換器をさらに備える請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の下水処理システム。
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JP2023520253A (ja) * | 2020-12-15 | 2023-05-16 | エコナ パワー インコーポレイテッド | 炭素を原料ガス反応器に再循環させる方法 |
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