JP2019216667A - ヒト肝臓への遺伝子導入のためのアデノ随伴ウイルスビリオン - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 配列番号2または3に記載のアミノ酸配列において、472番目のセリン、587番目のセリン、及び706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つが他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列であって、他の残基位置において1〜6個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入または付加されたアミノ酸配列を含むキャプシドタンパク質を含むアデノ随伴ウイルスベクターであって、血清中に存在する2型AAVに対する中和抗体と交差反応しない、アデノ随伴ウイルスベクター。
[2] 前記472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンが、それぞれ、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、トレオニンおよびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を有するキャプシドタンパク質を含む、上記[1]に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
[3] 前記472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つがアラニンに置換されたアミノ酸配列を有するキャプシドタンパク質を含む、上記[1]に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
[4] 前記キャプシドタンパク質が、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質を含む、上記[1]に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
[5] 前記中和抗体が、AAV3またはAAV8とは異なる型のアデノ随伴ウイルスに対する抗体である、上記[1]に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
[6] 前記中和抗体が、AAV2に対する抗体である、上記[1]に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
[7] 肝臓細胞特異的プロモーター配列を含むウイルスゲノムを有する、上記[1]に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
[8] 前記肝臓細胞特異的プロモーター配列が、ApoEプロモーター、アンチトリプシンプロモーター、cKitプロモーター、肝臓特異的転写因子(HNF-1、HNF-2、HNF-3、HNF-6、C/ERP、DBP)のプロモーター、アルブミン、サイロキシン結合グロブリン(TBG)のプロモーター、および配列番号1のポリヌクレオチド配列からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列と90%以上の相同性を有するポリヌクレオチドを含み、肝臓特異的なプロモーターとして機能する、上記[1]に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
[8a] 前記肝臓細胞特異的プロモーター配列と作動可能に結合された治療用遺伝子を含む、上記[1]に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
[8b] 前記治療用遺伝子が、血液凝固VIII因子(FVIII)、血液凝固IX因子(FIX)、肝細胞増殖因子(HGF)、または肝細胞増殖因子受容体(c-Kit)をコードする、上記[1]に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
[9] 配列番号2または3に記載のアミノ酸配列において、472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つが他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列であって、他の残基位置において1〜6個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入または付加されたアミノ酸配列、
前記472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンが、それぞれ、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、トレオニンおよびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
前記472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つがアラニンに置換されたアミノ酸配列、または
配列番号4に記載のアミノ酸配列
のうちのいずれか1つの配列をコードする、ポリヌクレオチド。
[9a] 配列番号6〜8のいずれかのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列をさらに含む、上記[9]のポリヌクレオチド。
[10] 上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のアデノ随伴ウイルスベクターを含む、生体の肝臓への遺伝子導入のための医薬組成物。
[11] 前記生体がヒトである、上記[10]に記載の医薬組成物。
1.1.アデノ随伴ウイルスについて
アデノ随伴ウイルスは、公知の多数の血液型のウイルスを含む。肝細胞(肝実質細胞)に対して指向性を示すアデノ随伴ウイルスとしては、例えば、2型、3型(3A及び3B)、8型の血液型のウイルスが挙げられる。本発明において、生体の肝細胞に送達するためのベクターとしては、例えば、特許文献1(WO 2008/124724)に記載される種々のアデノ随伴ウイルスベクターを用いることができる。
本発明において、特に肝細胞への指向性のために、AAV2、AAV3B(AF028705.1)、AAV8、またはAAV9に由来するキャプシドタンパク質(VP1、VP2、VP3など)を利用することが好ましい。これら各キャプシドタンパク質のアミノ酸配列は公知であり、例えば、各AAVに対応する上記のGenBank登録番号に登録された配列を参照できる。
本発明に用いるrAAVベクターは、変異されたキャプシドタンパク質を含む。このような変異体キャプシドタンパク質としては、配列番号2または3に記載のアミノ酸配列において、472番目のセリン、587番目のセリン、及び706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つ、例えば1つ、好ましくは2つ、より好ましくは3つ全てが他のアミノ酸で置換され、さらに472番目、587番目及び706番目以外の他の残基位置において複数のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入または付加されたアミノ酸配列を含み、キャプシドタンパク質として機能できる変異体タンパク質を含む。これら欠失、置換、挿入及び付加のうち2種以上の組合わせを同時に含んでもよい。
また、本発明に用いるrAAVベクターは、配列番号2または3に記載のアミノ酸配列において、472番目のセリンが、587番目のセリン及び706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つ、例えば1つ、好ましくは2つ、より好ましくは3つ全てが、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、トレオニンおよびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、好ましくはアラニンで置換された配列(例えば配列番号4のアミノ酸配列)であって、さらに472番目、587番目及び706番目以外の他の残基位置において複数のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入または付加されたアミノ酸配列を含むキャプシドタンパク質を含む。
上記のアミノ酸残基の欠失、置換、挿入または付加の数としては、例えば、1〜50個、1〜40個、1〜35個、1〜30個、1〜25個、1〜20個、1〜15個、1〜14個、1〜13個、1〜12個、1〜11個、1〜10個、1〜9個(1〜数個)、1〜8個、1〜7個、1〜6個、1〜5個、1〜4個、1〜3個、1〜2個または1個の数が挙げられる。上記アミノ酸残基の欠失、置換、挿入および/または付加の数は、一般的に小さい程好ましい。
本発明に用いるrAAVベクターの変異体キャプシドタンパク質は、好ましくは、上記配列番号2〜4のいずれかのアミノ酸配列に対して約90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.1%以上、99.2%以上、99.3%以上、99.4%以上、99.5%以上、99.6%以上、99.7%以上、99.8%以上、99.9%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつキャプシドタンパク質として機能できるタンパク質であり得る。
本発明においてキャプシドタンパク質として機能するとは、標的細胞に対する感染能を有するウイルスベクターを形成可能であるタンパク質を指す。本発明に用いるキャプシドタンパク質は、単独で又は他のキャプシドタンパク質メンバー(例えば、VP2、VP3など)と一緒になってウイルスベクターを形成できる。当該ウイルスベクター内には、標的細胞、例えば肝臓細胞に送達されるための目的の治療用遺伝子などを含むポリヌクレオチドがパッケージングされる。
好ましくは、変異体キャプシドタンパク質を含むウイルスベクターは、野生型キャプシドタンパク質を含むウイルスベクターと同等の感染能を有するものであり、具体的には、野生型のウイルスゲノム重量当たりの感染能と比較して、好ましくは50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上であることを意味する。感染能の測定には、当該分野において公知の方法、例えばレポーターアッセイを用いることができる。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2-アミノブタン酸、メチオニン、o-メチルセリン、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン;
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2-アミノアジピン酸、2-アミノスベリン酸;
C群:アスパラギン、グルタミン;
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4-ジアミノブタン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸;
E群:プロリン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン;
F群:セリン、トレオニン、ホモセリン;
G群:フェニルアラニン、チロシン。
目的のアミノ酸残基置換を含むタンパク質は、通常の遺伝子操作技術、化学合成など、当業者に公知の手法に従って作製することができる。このような遺伝子操作手順については、例えば、Molecular Cloning 4th Edition, J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press. 2012、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons 1987-2018(ISSN:1934-3647等)などを参照することができる。
(1)rAAVウイルスゲノムについて
本発明のrAAVベクター中にパッケージングされるポリヌクレオチド(すなわち、ポリヌクレオチド)は、野生型ゲノムの5'側および3'側に位置するITRの間に位置する内部領域(すなわち、rep遺伝子及びcap遺伝子の一方または両方)のポリヌクレオチドを、目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチド(ゲノム編集手段、及び/又は修復用遺伝子)およびこのポリヌクレオチドを転写するためのプロモーター配列などを含む遺伝子カセットによって置換することにより作製できる。好ましくは、5'側および3'側に位置するITRは、それぞれAAVゲノムの5’末端および3’末端に位置する。好ましくは、本発明のrAAVゲノムにおいて、5’末端および3’末端に位置するITRは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV6、AAV8、またはAAV9のゲノムに含まれる5'側ITRおよび3'側ITRを含むが、これら特定のAAVに限定されない。一般的に、ITR部分は容易に相補配列が入れ替わった配列(flip and flop structure)をとるため、本発明のrAAVゲノムに含まれるITRは、5’と3’の方向が逆転していてもよい。本発明のrAAVゲノムにおいて、内部領域と置き換えられるポリヌクレオチド(すなわち、ゲノム編集手段及び/又は修復用遺伝子)の長さは、元のポリヌクレオチドの長さと同程度が実用上好ましい。すなわち、本発明のrAAVゲノムは、全長が野生型の全長である5kbと同程度、例えば約2〜6kb、好ましくは約4〜6kbであることが好ましい。本発明のrAAVゲノムに組込まれる治療用遺伝子の長さは、プロモーター、ポリアデニレーションなどを含めた転写調節領域の長さ(例えば、約1〜1.5kbと仮定する場合)を差し引くと、好ましくは長さが約0.01〜3.7kb、より好ましくは長さが約0.01〜2.5kb、さらに好ましく約0.01〜2kbであるが、これに限定されない。さらに、公知のinternal ribosome entry site (IRES)配列、T2A配列等を介在させるなどの公知の手法を用いて、rAAVゲノムの全長が上記の範囲内である限り、二種類以上の治療用遺伝子を同時に組み込むことが可能である。本発明のrAAVが二種以上のタンパク質を発現する場合、各々のタンパク質をコードする遺伝子は、同じ方向に配置されても、異なる方向に配置されてもよい。
本発明に係るアデノ随伴ウイルスベクターは、血清中に存在する2型AAV(AAV2)または8型AAV(AAV8)に対する中和抗体と交差反応しないものである。
本発明において、中和抗体とは、ある抗原が生体に対して毒性や感染力などの活性をもつとき、その抗原に結合して活性を減退または消失させる抗体を指す。本発明において、抗体の活性に関する文脈において「中和」とは、例えば血清中の抗アデノ随伴ウイルス中和抗体(例えば、IgG、IgM、IgA)が、抗原であるAAVベクターと結合した結果、そのAAVベクターの遺伝子導入能力を低下または喪失させることをいう。この中和反応は、抗原(例えばAAVベクター)と抗体との結合、抗体のFc部分と補体第1成分(C1)との結合などの一連の補体反応等を含み、結果的にそのAAVベクターは標的細胞への感染能(遺伝子導入能)を低下または喪失する。また、本発明において、中和抗体は、血清成分を伴うこと、すなわち補体などの抗体と結合して抗原の不活性化や除去などの中和反応に直接的に関係する成分も含むことが意図される。
さらに、本発明に用いる中和抗体は、複数のアイソタイプ(例えば、IgG、IgM、IgAなど)を含み得る。したがって、本発明に係るAAV2に対する中和抗体は、事前に抗体濃度もしくは抗体力価などの性能について検証する必要がある。そのような検証手段は公知であり、例えば、Itoらの文献(Ito et al., Ann Clin Biochem 46: 508-510, 2009)に記載される手段を用いることができる。具体的には、中和抗体の力価(抗体価)を、HEK293細胞に対してβガラクトシダーゼのレポーター遺伝子を含むAAV2ベクターを導入する場合の阻害能力を評価することによって分析することが記載されている(Ito et al.,メソッド)。
また、中和抗体の交差反応性を確認するためのアッセイ方法の具体的な手順として、Li C, et al., Gene Ther 19: 288-294, 2012、Meliani A, et al., Hum Gene Ther Methos 26:45-53, 2015などの文献に記載の方法を用いることができる。
あるいは、本発明のウイルスベクターは、野生型のウイルスベクターと比較して、血清中の中和抗体によって処理された後に、標的細胞に対して1.2倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.75倍以上、さらに好ましくは2倍以上の量の遺伝子を導入できるものである。
また、AAVの細胞への感染に関する細胞外レセプターとして、以下のものが知られている(Summerfold et al., Mol Ther 24: 2016;Pillay et al., Nature 530:108-112, 2016)。
一次レセプター
AAV2、3、6:ヘパラン硫酸プロテオグリカン
AAV9:N末端ガラクトース
AAV1、4、5、6:特定のN連結型またはO連結型シアル酸部分
二次レセプター
AAV2:線維芽細胞増殖因子レセプター及びインテグリン
AAV2、3:肝細胞増殖因子レセプター(c-Met)
AAV5:血小板由来増殖因子(これはシアル酸によって修飾され得る)
本出願の開示内容と上記の受容体に関する知見に基づいて、本発明に係る組換えウイルスベクターに基づいて、AAV2等に対する生体の中和抗体による阻害をより一層受けにくい組換えベクターを設計、スクリーニング、取得することも考えられる。
1実施形態において、本発明のrAAVベクターは、好ましくは、肝臓特異的なプロモーター配列およびそのプロモーター配列と作動可能に連結された目的遺伝子を含むポリヌクレオチドを含む(すなわち、そのようなポリヌクレオチドがパッケージングされている)。本発明に用いるプロモーター配列としては、肝臓中の細胞に特異的なプロモーター配列、例えば、肝実質細胞、肝非実質細胞(星状細胞等)などに特異的なプロモーター配列を用いることができる。このようなプロモーター配列としては、具体的には、ApoEプロモーター、アンチトリプシンプロモーター、cKitプロモーター、肝臓特異的転写因子(HNF-1、HNF-2、HNF-3、HNF-6、C/ERP、DBPなど)のプロモーター、サイロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター(Ran FA, et al., Nature 520(7546):186-91, 2015)、その他の肝臓特異的タンパク質(アルブミンなど)のプロモーター、これらプロモーターを組み合わせた合成プロモーターなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、これらのプロモーターはさらに、公知のエンハンサー配列、好ましくは肝臓特異的なエンハンサー配列と組み合わせることができる。このようなエンハンサー配列としては、ApoEエンハンサー配列などが挙げられる。これらプロモーター配列およびエンハンサー配列は、単独または任意の複数を組み合わせて用いることができる。さらにまた、上記の肝臓特異的なプロモーター及びエンハンサーを利用した合成プロモーターを用いることもできる。本発明のrAAVベクターは、好ましくは、肝臓特異的、より好ましくは肝細胞(肝実質細胞)特異的なApoEプロモーター、アンチトリプシンプロモーター、TBGプロモーター、または公知のHCRhAAT合成プロモーターの配列を含み得る。
上記の治療を行うために、本発明に用いる組換えウイルスベクターは、様々な治療用遺伝子を含み得る。そのような治療用遺伝子がコードするタンパク質としては、例えば、血液凝固VIII因子(FVIII)、血液凝固IX因子(FIX)、肝細胞増殖因子(HGF)、肝細胞増殖因子受容体(c-Kit)などのタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。また、本発明に用いる治療用遺伝子は、標的の機能を阻害するための遺伝子(アンチセンスヌクレオチド、CAS9等)であってもよい。そのような遺伝子としては、例えば、トロンビン、プロテインC、またはプロテインSをコードする遺伝子に対するアンチセンスヌクレオチドなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に用いる場合、アンチセンスヌクレオチドとは、標的とする内在性遺伝子の機能を変化(例えば、破壊、低下)させるためのポリヌクレオチド、または内在性タンパク質の発現レベルを変化(例えば、低下)させるためのポリヌクレオチドを指す。このようなポリヌクレオチドとしては、例えば、アンチセンス分子、リボザイム、干渉性RNA(iRNA)、マイクロRNA(miRNA)、sgRNAが挙げられるが、これらに限定されない。二重鎖RNA(dsRNA、siRNA、shRNA又はmiRNA)の調製方法、使用方法などは、多くの文献から公知である(特表2002-516062号公報; 米国公開許第2002/086356A号; Nature Genetics, 24(2), 180-183, 2000 Feb.等参照)。さらに、本発明に用いる組換えウイルスベクターは、1種以上の治療用遺伝子を含んでもよい。
本発明のさらなる実施形態において、本発明のrAAVベクター(rAAVビリオン)を含む医薬組成物が提供される。本発明のrAAVベクターを含む医薬組成物(以下、本発明の医薬組成物という)を利用することによって、被検体の肝臓の細胞に高い効率で治療用遺伝子を導入可能であり、導入される治療用遺伝子が発現することによって目的の疾患を治療できる医薬組成物を提供する。このような治療用遺伝子を含むrAAVベクターは、本発明の医薬組成物に含められる。このような治療用遺伝子としては、例えば上記のようなゲノム編集手段、ゲノム修復手段などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のウイルスベクターは、好ましくは、対象に末梢投与によってより安全かつ容易に投与される。本明細書において末梢投与とは、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、心腔内投与、筋肉内投与など、当業者に末梢投与として通常理解される投与経路をいう。
本発明は別の実施形態において、本発明のrAAVを作製するためのキットを提供する。このようなキットは、例えば、(a)キャプシドタンパク質VP1等を発現するための第1のポリヌクレオチド、および(b)rAAVベクター内にパッケージングされる第2のポリヌクレオチドを含むことができる。例えば、第1のポリヌクレオチドは、配列番号:のアミノ酸をコードするポリヌクレオチドを含む。例えば、第2のポリヌクレオチドは、目的の治療用遺伝子を含んでも含まなくてもよいが、好ましくは、そのような目的の治療用遺伝子を組込むための種々の制限酵素切断部位を含むことができる。
本明細書中に用いられる各用語が示す意味は以下のとおりである。本明細書中、特には説明されない用語については、当業者が通常理解する用語が意味する範囲を指すことが意図される。
特に述べられない限り、本明細書中、rAAVゲノムがコードするプロモーター、目的遺伝子、ポリアデニレーションシグナルなどの遺伝子上の配置について説明される場合、rAAVゲノムがセンス鎖である場合についてはその鎖自体について、アンチセンス鎖である場合はその相補鎖について記載される。また、本明細書中、文脈より明らかな場合、組換えを表す「r」は省略されることもある。
(a) AAVベクター
4種類のAAVベクター(AAV2、AAV3B、AAVGT5、AAV8)を使用した。
AAVGT5は、AAV3Aおよび3Bの外被蛋白VP1の3か所のアミノ酸置換、すなわち472番目のセリン(S)をアラニン(A)に、587番目のセリン(S)をアラニン(A)に、706番目のアスパラギン(N)をアラニン(A)に置換したアミノ酸配列を含む。
いずれのAAVベクターも、cytomegalovirus promoter (CMV)プロモーター、緑色蛍光蛋白質(AcGFP)のcDNA、SV40 poly(A)からなる発現カセットを、AAV3Aのinverted terminal repeats (ITR)の間に挿入した。AAV2ベクターでは、緑色蛍光蛋白質(AcGFP)のcDNAの代わりに、β-GalactosidaseをコードするLacZ配列を挿入した発現カセットも使用し、それぞれAAV2-CMV-AcGFPとAAV2-CMV-LacZベクターを作製した。
AAV2: GenBank Accession # NC_001401.2(全ゲノム配列)
(AAV2 キャプシドタンパク質VP1のアミノ酸配列を配列番号:1に示す。)
AAV3A: GenBank Accession # U48704(ゲノム配列)
(AAV3A キャプシドタンパク質VP1のアミノ酸配列を配列番号:2に示す。)
AAV3B: GenBank Accession # AF028705.1(ゲノム配列)
(AAV3B キャプシドタンパク質VP1のアミノ酸配列を配列番号:3に示す。)
AAVGT5:(本出願において作製したもの)
(キャプシドタンパク質VP1のアミノ酸配列を配列番号:4に示す。)
AAV8: GenBank Accession # NC_006261(ゲノム配列)
(AAV8 キャプシドタンパク質VP1のアミノ酸配列を配列番号:5に示す。)
1)HEK 293細胞
5×104 cells/wellのHEK293細胞を播き、10% ウシ胎仔血清(FCS)- DMEM/F12培地(Thermo Fisher Scientific)を使用して5% CO2、37℃で培養した。
2)HepG2細胞
5×104 cells/wellのHepG2細胞を播き、10% FCS- DMEM Low glucose培地 (Thermo Fisher Scientific)を使用して5%CO2、37℃で培養した。
3)PXB細胞(フェニックスバイオ社)
PXBマウス肝臓から採取した細胞であり、ヒト肝細胞が90%以上をしめる。7×104 cells/wellの細胞を播き、専用のdHCGM培地(フェニックスバイオ社)を使用して5% CO2、37℃で培養した。
(a)に記載した、GFPを発現する各種のAAVベクター(AAV2-CMV-AcGFP、AAV8-CMV-AcGFP、AAV3-CMV-AcGFP、あるいはAAVGT5-CMV-AcGFP)またはβ-Galactosidaseを発現するAAVベクター(AAV2-CMV-LacZ)1〜5×108vg/wellを各培養細胞に添加し、2〜7日間、培養した。
プレートリーダー(バイオテックジャパン)を用いて、各種AAVベクターによって発現されたGFPの蛍光強度またはβ-Galactosidase assayによる吸光度を測定し比較した。また、GFP発現細胞を蛍光顕微鏡 (オリンパスIX83)で代表的な視野の画像を撮影した。
AAV2に対する中和抗体の抗体価を、 Ito Tら、Ann Clin Biochem. 46(Pt 6):508-510, 2009に記載の方法により予め測定して、血清原液(培地中では10倍希釈となる)の濃度でAAV2ベクターによるLacZの発現を完全に阻害した血清4人分(Serum 1〜4)を使用した。
HEK293細胞 5×104 cells/wellを96 well Plate (Thermo Fisher Scientific)に播種し、37℃、5% CO2 インキュベーターで1日間培養した。被検血清(Serum 1〜4)は原液から128倍まで順次2倍の希釈系列を調整した。希釈にはウシ胎仔血清(FCS)を用いた。
AAV2-CMV-LacZを50 mM Hepes, 150 mM NaCl(HN)緩衝液で1×108vg/μLに希釈し、前述の希釈血清と1:2(AAV:血清volume/volume)で混和した。対照(Sample (-) )には、被検血清を含まないFCSとAAV2-CMV-LacZとを混和したものを用いた。具体的には、1ウェル当り2×107 vg/μLのAAV 5μLと希釈血清10μLを室温で1時間反応後、85μLの培地を含む細胞ウェルに15μL/well添加した。この時点での培地中の血清希釈率は10倍から1280倍である(図4A、4B)。
37℃、5% CO2 インキュベーターで2日間培養した後、β-Gal assay Kit(Thermo Fisher Scientific)を用い、プレートリーダーで吸光度を測定することによりβ-Galactosidaseの発現を評価した。
Sample(-)のウェルが示す吸光度の50%未満を示す最高の希釈率を抗体価とし、培地中における血清の希釈倍率で表した。
AAV2の中和抗体に対するAAV3またはAAV GT5の交差反応性を比較するため、これらAAV3ベクターまたはAAV GT5ベクターを中和抗体を含む血清と予め反応させた後、これらベクターの遺伝子導入能を、HEK293細胞におけるGFP発現によって比較した。細胞はHEK293細胞 5×104 cell/wellを96well Optical bottom Plateに播種して翌日に用いた。
中和抗体陽性血清は、上記(e)で測定した結果からAAV2の発現を完全に阻止するヒト血清4種を用いた。AAV3-CMV-AcGFPおよびAAVGT5-CMV-AcGFPをこれらの血清と1:2 (volume/volume)で混和し、室温で1時間反応後、細胞に投与した。具体的には、1ウェル当り2×107 vg/μLのAAV 5μLと希釈血清10μLを混和・反応させ、85 μLの培地を含む細胞ウェルに投与した。FCSのみとAAVを混和・反応して対照(No Serum)とした。37℃、5% CO2インキュベーターで3日間培養後、プレートリーダー(バイオテックジャパン)でGFPの蛍光強度を測定し、対照の値に対する相対値で比較した。
(1) 変異体AAVGT5の作製
アデノ随伴ウイルスAAV3AとAAV3Bとの融合Rep配列、およびAAV3BのVP配列を含むDNAを人工合成した。その際にAAV3BのVP1においてS472A、S587A、N706Aの変異を生じるように遺伝子操作し、アデノ随伴ウイルス変異体AAVGT5を得た。
AAV3A、AAV3B及びAAVGT5のそれぞれのVP1タンパク質アミノ酸配列(配列番号2〜4)及びRepタンパク質アミノ酸配列(配列番号6〜8)のアラインメントを図1A〜図1Dに示す。
上記で作製したAAVGT5のヒト肝臓由来細胞への感染能を確認した。
ヒト肝臓由来細胞株であるHepG2細胞 5×104 cell/wellを96 well Optical bottom Plateに播種した翌日、AAV8-CMV-AcGFP、AAV2-CMV-AcGFP、AAV3-CMV-AcGFPおよびAAVGT5-CMV-AcGFP 5×108vg/well を投与した。37℃、5% CO2インキュベーターで7日間培養後、プレートリーダーでGFPの蛍光強度を測定して比較した(図2A)、このときの細胞の様子を図2Bに示す。
同様に実施した、PXBマウス肝臓から採取した、ヒト肝細胞が90%以上をしめるPXB細胞に対する遺伝子導入の結果を図3に示した。PXB細胞(フェニックスバイオ社)7×104 cell/wellを96well Plateに播種した6日後、AAV8-CMV-AcGFP、AAV2-CMV-AcGFP、AAV3-CMV-AcGFPおよびAAVGT5-CMV-AcGFP 5×108 vg/well を投与した。37℃、5% CO2インキュベーターで7日間培養後、プレートリーダーでGFPの蛍光強度を測定して比較した(図3A)。このときの細胞の様子を図3Bに示す。
HepG2細胞、PXB細胞いずれにおいてもAAVGT5-CMV-AcGFPのGFP発現量はAAV3の約1.1倍であった。AAVGT5はこれらヒト肝臓由来細胞に対してAAV3と同等以上の遺伝子導入が可能と考えられる。一方、AAV8とAAV2は、AAV3、AAVGT5に比べてヒト肝細胞への遺伝子導入効率は低かった(図2、図3)。
上記(e)の手順(図4A)に従って、被検血清(Serum 1〜4)中のAAV2抗体の抗体価を測定した。
その結果、Serum 1〜4の抗体価をそれぞれ40、160、80、160とした(図4B、下記の表3)。これらSerum 1〜4を交差反応性に関する実験に使用した。
AAV2の発現を完全に阻止する中和抗体を含む4種の血清(Serum 1〜Serum 4)と、AAV3-CMV-AcGFPあるいはAAVGT5-CMV-AcGFPとを反応させた後、各AAVベクターをHEK293細胞に感染させてGFPの発現を比較した(図5A)。
HEK293細胞 5×104cell/wellを96well Optical bottom Plateに播種して翌日にGFP活性の測定に用いた。対照(No Serum)に対する相対値で比較した。
高力価の中和抗体を含む血清(Serum 1〜Serum 4)との反応によりAAV3のGFP発現量は対照の53〜28%に下がったのに対し、AAVGT5の発現量は85〜75%の高いレベルに維持された(図5A)。このときの細胞の様子を図5Bに示す。
したがって、AAV3ベクターは、AAV GT5ベクターへの変異によって、4種全ての血清中の中和抗体に対する抵抗性が高まった(すなわち、交差反応性が低下した)結果、細胞への遺伝子導入量を向上させることができた。
配列番号2:AAV3Aキャプシドタンパク質のアミノ酸配列
配列番号3:AAV3Bキャプシドタンパク質のアミノ酸配列
配列番号4:AAVGT5変異キャプシドタンパク質(S472A、S587A、N706A)のアミノ酸配列
配列番号5:AAV8キャプシドタンパク質のアミノ酸配列
配列番号6:AAV3AのRepタンパク質(ARep)のアミノ酸配列
配列番号7:AAV3BのRepタンパク質(BRep)のアミノ酸配列
配列番号8:AAVGT5のRepタンパク質(baRep)のアミノ酸配列
Claims (11)
- 配列番号2または3に記載のアミノ酸配列において、472番目のセリン、587番目のセリン、及び706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つが他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列であって、他の残基位置において1〜6個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入または付加されたアミノ酸配列を含むキャプシドタンパク質を含むアデノ随伴ウイルスベクターであって、血清中に存在する2型AAVに対する中和抗体と交差反応しない、アデノ随伴ウイルスベクター。
- 前記472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンが、それぞれ、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、トレオニンおよびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を有するキャプシドタンパク質を含む、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
- 前記472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つがアラニンに置換されたアミノ酸配列を有するキャプシドタンパク質を含む、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
- 前記キャプシドタンパク質が、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質を含む、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
- 前記中和抗体が、AAV3またはAAV8とは異なる型のアデノ随伴ウイルスに対する抗体である、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
- 前記中和抗体が、AAV2に対する抗体である、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
- 肝臓細胞特異的プロモーター配列を含むウイルスゲノムを有する、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
- 前記肝臓細胞特異的プロモーター配列が、ApoEプロモーター、アンチトリプシンプロモーター、cKitプロモーター、肝臓特異的転写因子(HNF-1、HNF-2、HNF-3、HNF-6、C/ERP、DBP)のプロモーター、アルブミン、サイロキシン結合グロブリン(TBG)のプロモーター、および配列番号1のポリヌクレオチド配列からなる群から選択されるポリヌクレオチド配列と90%以上の相同性を有するポリヌクレオチドを含み、肝臓特異的なプロモーターとして機能する、請求項1に記載のアデノ随伴ウイルスベクター。
- 配列番号2または3に記載のアミノ酸配列において、472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つが他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列であって、他の残基位置において1〜6個のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入または付加されたアミノ酸配列、
前記472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンが、それぞれ、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、トレオニンおよびイソロイシンからなる群から選択されるアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
前記472番目のセリン、587番目のセリンおよび706番目のアスパラギンのうちの少なくとも1つがアラニンに置換されたアミノ酸配列、または
配列番号4に記載のアミノ酸配列
のうちのいずれか1つの配列をコードする、ポリヌクレオチド。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のアデノ随伴ウイルスベクターを含む、生体の肝臓への遺伝子導入のための医薬組成物。
- 前記生体がヒトである、請求項10に記載の医薬組成物。
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