JP2019216509A - 多段変換器の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高調波の発生を抑制し電圧歪を低減するワンパルス駆動を実現する。【解決手段】 実施形態による制御装置は、多段変換器10の変調率を演算する変調率演算部21と、変調率に対応する、第1アーム3Pの単位変換器1P1〜1Pnの上側素子S1を駆動するゲート信号の位相シフト量を生成する位相シフト量生成部22と、オンパルス幅とオフパルス幅とが同一であり、オンパルス幅の中心が出力電圧指令の位相に対して前記位相シフト量進んだ段数の第1ゲート信号と、オンパルス幅の中心が出力電圧指令の位相に対して前記位相シフト量遅れた第1ゲート信号と同数の第2ゲート信号と、を生成し、第1ゲート信号と第2ゲート信号とを第1アーム3Pの複数の単位変換器1P1〜1Pnの上側素子S1のゲート信号とするゲート信号生成部23と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、多段変換器の制御装置に関する。
インバータに代表される半導体電力変換器の大容量手法として、複数台の電力変換器出力を直列接続し高電圧を得る手法がある。これは多段変換器やMMC(Modular Multilevel Converter)と呼ばれる系統連系変換器や電動機駆動用変換器等の主に大容量変換器に応用されている。
多段変換器は、それぞれキャパシタや整流器等の直流電源を有した単位変換器の出力を多直列接続する回路構成により複数レベルの電圧出力が得られるという特徴を持つ。このような特徴から複数ステップの電圧出力が得られ正弦波に近い出力を直接得ることができる。変換器段数が増えるほどにそのステップ数は増加することから、変換器段数が多い場合は、各スイッチング素子をPWMのような高速スイッチングせずに出力電圧基本波周波数で駆動するワンパルス駆動で歪の少ない出力電圧が得られる。ワンパルス駆動ではPWMと比較しスイッチング周波数を抑制できるため毎スイッチング発生するスイッチング損失を低減でき、変換器損失の低減、冷却器の削減効果が期待することができる。
多段変換器を動作させるには、単位電力変換器を単体の変換器と同じように三角波キャリア比較等でPWM変調を行い動作させることが可能だが、ワンパルス変調を行う場合は従来のキャリア比較で動作させることが困難である。そこで、単位変換器としてHブリッジを用いた多直列変換器のワンパルス変調法が提案されている。
この方式では多段変換器の出力電圧指令と、正と負とに変換器段数と同一個数の電圧ステップを持つ閾値と比較し、指令と閾値が交差する点で各変換器をスイッチングすることでワンパルス変調を実現する方式である。指令と閾値とを比較するシンプルな構成のため容易にワンパルス制御が実装できる。
児山 裕史, 長谷川 隆太, 新井 卓郎「デルタ結線モジュラー・マルチレベルSTATCOMの1パルス制御」,電学論D,Vol.137 No.3 pp.246−255(2017)
しかしながら、出力電圧指令の大きさに応じて電圧出力する変換器段数が変化するため、出力電圧が小さいときには電圧出力する変換器の段数が少なくなり、変換器利用率が低下する。また、電圧を出力しない変換器は、スイッチングを行わずバイパス状態となるため、出力電圧が小さい領域では出力段数低下に伴い低次高調波が増加し、電圧歪が増加することがあった。
本発明の実施形態は上記事情を鑑みて成されたものであって、高調波の発生を抑制し、電圧歪を低減するワンパルス駆動を実現可能な多段変換器の制御装置を提供する。
実施形態による多段変換器の制御装置は、上側素子と、前記上側素子と直列に接続した下側素子と、前記上側素子と前記下側素子とに並列に接続したキャパシタと、を備えたチョッパセルを複数直列接続した構成をそれぞれ備えた第1アームおよび第2アームを備え、前記第1アームの一端が高電位側の直流端子と電気的に接続し、他端が第1リアクトルを介し交流端子と電気的に接続し、前記第2アームの一端が低電位側の直流端子と電気的に接続し、他端が前記交流端子と第2リアクトルを介し電気的に接続した多段変換器を制御する制御装置であって、前記多段変換器の出力電圧指令と、前記高電位側の直流端子と前記低電位側の直流端子との間の電圧と、を用いて変調率を演算する変調率演算部と、前記変調率に基づいて、複数の前記チョッパセルの前記上側素子を駆動するゲート信号の複数の位相シフト量を生成する位相シフト量生成部と、出力電圧基本波周波数で複数の前記単位変換器を駆動する信号であって、オンパルス幅とオフパルス幅とが同一であり、オンパルス幅の中心が前記出力電圧指令の位相に対して前記位相シフト量進んだ第1ゲート信号と、オンパルス幅の中心が前記出力電圧指令の位相に対して前記位相シフト量遅れた前記第1ゲート信号と同数の第2ゲート信号とを生成し、前記第1ゲート信号と前記第2ゲート信号とを前記第1アームの複数の前記チョッパセルの前記上側素子のゲート信号とするゲート信号生成部と、を備え、前記第1アームと前記第2アームとのそれぞれは、偶数の前記チョッパセルを備え、前記位相シフト量はゼロより大きく180°未満である。
図1は、一実施形態の多段変換器の制御装置を概略的に示す図である。 図2は、変調率と位相シフト量との関係の一例を示す図である。 図3は、上アームのチョッパセルの上側の半導体素子のゲート信号と上アームの出力電圧との一例を示す図である。 図4は、下アームのチョッパセルの上側の半導体素子のゲート信号と下アームの出力電圧との一例を示す図である。 図5は、単一相のMMC回路における循環電流の制御の一例について説明するための図である。
以下、実施形態の多段変換器の制御装置について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の多段変換器の制御装置を概略的に示す図である。
本実施形態の制御装置は、例えば、半導体素子とコンデンサとを備えたチョッパセルを単位変換器とした多段変換器10の動作を制御する制御装置である。
多段変換器10は、直流電源(図示せず)と交流負荷との間に介在し、直流電力を三相交流電力に変換して交流負荷に供給もしくは三相交流電力を直流電力に変換して直流部へ電力供給が可能である。多段変換器10は、直流電源と接続する直流端子P、Nと、交流ラインUL、VL、WLを介して交流負荷と電気的に接続する交流端子U、V、Wと、直流電源に対して並列に接続した3つのレグ4と、電圧センサSVと、を備えている。3つのレグ4のそれぞれは、上アーム(第1アーム)3Pと下アーム(第2アーム)3Nとを備えている。
上アーム3Pのそれぞれは、高電位側の直流端子Pと電気的に接続した高電位側の直流リンクPLと、3つの交流ラインUL、VL、WLのいずれかとの間に電気的に接続している。下アーム3Nは、低電位側の直流端子Nと電気的に接続した低電位側の直流リンクNLと、3つの交流ラインUL、VL、WLのいずれかとの間に電気的に接続している。上アーム3Pと下アーム3Nとのそれぞれは、複数のチョッパセル1とバッファリアクトル2とを備えている。
本実施形態では、上アーム3Pにおいて、n段のチョッパセル1P1〜1Pnが電気的に直列に接続し、バッファリアクトル(第1リアクトル)2Pがチョッパセル1P1〜1Pnと交流ラインUL、VL、WLとの間に電気的に接続している。
下アーム3Nにおいて、n段のチョッパセル1N1〜1Nnが直列に接続し、バッファリアクトル(第2リアクトル)2Nがチョッパセル1N1〜1Nnと交流ラインUL、VL、WLとの間に電気的に接続している。
なお、nは偶数の正の整数であって、上アーム3Pと下アーム3Nとは、少なくとも2段のチョッパセル回路を直列接続した構成であればよく、段数の上限を特に設ける必要はない。
以下の説明おいて、上アーム3Pと下アーム3Nとのそれぞれにおいて、交流ラインUL、VL、WLと接続したチョッパセルを1段目とし、直流リンクPL、NLと接続したチョッパセルをn段目とし、直列に接続したn段の単位変換器が並んだ順に1段目、2段目、…n段目と称する。
チョッパセル1P1〜1Pn、1N1〜1Nnは、それぞれ同じ構成である。チョッパセル1P1〜1Pn、1N1〜1Nnそれぞれは、2つの半導体素子S1、S2と、キャパシタCP1〜CPn、CN1〜CNnと、を備えている。チョッパセル1P1〜1Pn、1N1〜1Nnそれぞれにおいて、2つの半導体素子S1、S2は直列に接続し、キャパシタCP1〜CPn、CN1〜CNnは、2つの半導体素子S1、S2と並列に接続している。
また、チョッパセル1P1〜1Pn、1N1〜1Nnは、キャパシタCP1〜CPn、CN1〜CNnの電圧VCP1〜VCPn、VCN1〜VCNnおよび直流電圧VDCを検出する少なくとも1つの電圧センサ(図示せず)を備え、キャパシタCP1〜CPn、CN1〜CNnの電圧VCP1〜VCPn、VCN1〜VCNnおよび直流電圧VDCの検出値を制御装置20へ供給するように構成されてもよい。
2つの半導体素子S1、S2は、それぞれ、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(半導体電界効果トランジスタ:metal-oxide semiconductor field-effect transistor)などの半導体スイッチにダイオードを逆並列接続した構成、若しくは、MOSFET(半導体電界効果トランジスタ:metal-oxide semiconductor field-effect transistor)を備える。
チョッパセル1P1〜1Pn、1N1〜1Nnそれぞれにおいて、半導体素子(上側素子)S1と半導体素子(下側素子)S2とはそれぞれ反転動作をし、半導体素子S1がオンしているときに半導体素子S2はオフ動作となる。ただし、半導体素子S1と半導体素子S2との短絡を防止するため、半導体素子S1と半導体素子S2との両方をオフにするデットタイム期間を設けるときには、半導体素子S1と半導体素子S2とが同時にオフとなるようにデットタイム期間が設けられる。
電圧センサSVは、高電位側の直流リンクPLと低電位側の直流リンクNLとの間の電圧(直流電源電圧)VPNを検出し、検出値を制御装置20へ出力する。
制御装置20は、変調率演算部21と、位相シフト量生成部22と、ゲート信号生成部23と、を備えている。
本実施形態では、制御装置20は多段変換器10をワンパルス駆動にて動作させる。ワンパルス駆動では、チョッパセル1P1〜1Pn、1N1〜1Nnの半導体素子S1、S2を出力電圧基本波周波数にて駆動する。ワンパルス駆動ではPWM駆動と比較しスイッチング周波数を抑制できるためスイッチングするときに発生する損失を低減することができ、変換器損失の低減、冷却器の削減効果が期待できる。
制御装置20は、チョッパセル1P1〜1Pn、1N1〜1Nnの半導体素子S1、S2を、オンとオフとの時間幅が同一(Duty50%)であるスイッチングパルス(ゲート信号)で駆動し、そのゲート信号の位相を上アーム3Pのチョッパセル1P1〜1Pn間、下アーム3Nのチョッパセル1N1〜1Nn間で調整することにより出力電圧を調整する。
具体的には、制御装置20は、多段変換器10全体の出力電圧位相(0°の位置)に対して位相シフト量進ませた信号と、位相シフト量遅らせた信号とが同数となるように、上アーム3Pの複数のチョッパセル1P1〜1Pnの上側(高電位側)の半導体素子S1を駆動する複数のゲート信号の位相を調整する。
このとき、位相調整量(位相シフト量)は、出力電圧位相(0°の位置)に対して位相シフト量進ませた信号のオンパルス幅の中心と、遅らせた信号のオンパルス幅の中心とが、出力電圧に対して進み遅れ同一位相量(0°に対して対称な波形)になるよう位相操作を行う。
また、制御装置20は、下アーム3Nの複数のチョッパセル1N1〜1Nnの上側の半導体素子S1を駆動する複数のゲート信号は、上アーム3Pの複数のチョッパセル1P1〜1Pnの上側の半導体素子S1を駆動するゲート信号の位相を180°ずらしたものとする。
すなわち、制御装置20は、多段変換器10全体の出力電圧位相(0°の位置)に対して位相シフト量進ませた信号と、位相シフト量遅らせた信号とが同数となるように、下アーム3Nの複数のチョッパセル1N1〜1Nnの上側(高電位側)の半導体素子S1を駆動する複数のゲート信号の位相を調整する。
変調率演算部21は、直流電源電圧VPNと、電圧指令値Vとを用いて、変調率Mを演算する。変調率演算部21にて演算された変調率Mは、位相シフト量生成部22に入力される。変調率演算部21は、例えば下記(1)式を用いて、上アーム3P変調率Mを演算する。
ここでは、各段の直流電源電圧VPNと出力基本波振幅Vとの比を変調率Mとして下記(1)式の通り定義する。
M=(2*V)/(N*VDC) (1)
ただし、Nはアーム内のチョッパ段数、VDCは各チョッパの直流電圧とする。
位相シフト量生成部22は、入力された変調率Mに対応する位相シフト量α〜αn/2を出力する。なお、以下では、上アーム3Pが8段のチョッパセル1P1〜1P8を備える場合について説明する。この場合、4つのチョッパセルの位相を進ませて、4つのチョッパセルの位相を遅らせて、4つの進み量と4つの遅れ量との絶対値が等しいものとすると、位相シフト量生成部22は、4つの位相シフト量α〜αを出力する。
絶対値が等しい進み量と遅れ量とにより位相をシフトしたときの位相シフト量αと、多段変換器の出力電圧の基本波振幅との関係を次式に示す。ただし、VDCは、各チョッパセルの直流電圧であり、ここでは複数のチョッパセルの直流電圧は等しいものと仮定する。
8段構成の上アーム3Pの場合の基本波振幅量は下記(2)式で表される。なお、mは上アーム3Pを構成するチョッパセルの段数の1/2となる。
上記(2)式より、所望の出力電圧振幅Vを得るための位相シフト量α〜αの組み合わせは無数にあることが分かる。
また、k次の高調波電圧は下記(3)式により求められる。
上記(3)式で得られるk次の高調波から、制約条件とする所望の基本波V1を満たすαの組み合わせの中から、高調波電圧の総和もしくは特定次高調波、電圧から電流を算出し高調波電流の総和もしくは特定次高調波が最小になる等の評価関数からαを選択してもよい。
例えば、各アーム8段の場合、出力電圧基本波と、3次、5次、7次の3(=N/2−1)つの高調波に関する式を用いた4つの方程式の連立方程式によれば、4つの位相シフト量α〜αを連立方程式から求めることができる。
例えば下記式のように、基本波振幅と、3次高調波振幅と、5次高調波振幅と、7次高調波振幅とをそれぞれゼロとする方程式を用いた下記連立方程式により、4つの位相シフト量α〜αを算出することができる。
図2は、変調率と位相シフト量との関係の一例を示す図である。なお、ここでは、位相シフト量α〜αはα<α<α<αであるものとしている。ここでは、高調波電流の総和(3次〜39次高調波の和)が最小となるαの組み合わせを求めた結果の一例を示している。
例えば、図2の変調率Mと位相シフト量α〜αとの関係は、変調率M(若しくは出力電圧振幅V)を制約条件として、それを満たす位相シフト量α〜αの複数の組み合わせの中から高調波量が最小になる位相シフト量α〜αを最適化アルゴリズムで抽出した値である。また、非線形連立方程式の解から位相シフト量α〜αを算出することも可能である。なお、本実施形態では、位相シフト量α〜αはゼロより大きく180°未満の範囲とする。
位相シフト量生成部22は、上記(3)式および(4)式を用いて予め演算された位相シフト量α〜αを利用して、例えば、変調率Mに対応する位相シフト量α〜αのテーブルを備えていてもよい。
ゲート信号生成部23は、位相シフト量生成部22から位相シフト量α〜αを受信し、上アーム3Pの8つのチョッパセル1P1〜1P8に供給されるゲート信号と、下アーム3Nのチョッパセル1N1〜1N8に供給されるゲート信号とを生成する。本実施形態では、ゲート信号のオン時間とオフ時間とは等しく(Duty50%であり)、それぞれ位相が180°の期間とする。
図3は、上アームのチョッパセルの上側の半導体素子のゲート信号と上アームの出力電圧との一例を示す図である。
ゲート信号生成部23は、上アーム3Pのチョッパセル1P1〜1P8の8つの上側の半導体素子S1のゲート信号のうち、4つゲート信号(第1ゲート信号)をオンパルス幅の中心が電圧指令の位相(0°の位置)よりも位相シフト量α〜α遅らせた信号とし、4つのゲート信号(第2ゲート信号)をオンパルス幅の中心が電圧指令の位相(0°の位置)よりも位相シフト量α〜α進ませた信号とする。
上記のように、ゲート信号生成部23は、電圧指令の位相を基準として位相シフト量α〜αの位相を調整して、上アーム3Pのチョッパセル1P1〜1P8の8つの上側の半導体素子S1のゲート信号を生成する。ゲート信号生成部23は、チョッパセル1P1〜1P8の8つの上側の半導体素子S1のゲート信号を反転して、下側の半導体素子S2の8つのゲート信号を生成し、上アーム3Pのチョッパセル1P1〜1P8へ供給する16のゲート信号を生成する。
ゲート信号生成部23は、上アーム3Pのチョッパセル1P1〜1P8それぞれにおいて、上側の半導体素子S1と下側の半導体素子S2とに互いに反転した関係のゲート信号が供給されるように、生成したゲート信号を複数のチョッパセル1P1〜1P8へ出力する。なお、本実施形態では、ゲート信号生成部23は、図3に示す8つのゲート信号を、チョッパセル1P1〜1P8のいずれに割り当ててもよい。
図4は、下アームのチョッパセルの上側の半導体素子のゲート信号と下アームの出力電圧との一例を示す図である。
ゲート信号生成部23は、図3に示す上アーム3Pの8つのチョッパセル1P1〜1P8の上側の半導体素子S1の8つのゲート信号を反転して、下アーム3Nの8つのチョッパセル1N1〜1N8の上側の半導体素子S1を駆動するゲート信号を生成する。
すなわち、下アーム3Nのチョッパセル1N1〜1N8の8つの上側の半導体素子S1のゲート信号のうち、4つゲート信号はオフパルス幅の中心を電圧指令の位相(0°の位置)よりも位相シフト量α〜α遅らせたものであり、4つのゲート信号はオフパルス幅の中心を電圧指令の位相(0°の位置)よりも位相シフト量α〜α進ませたものである。
ゲート信号生成部23は、チョッパセル1N1〜1N8の8つの上側の半導体素子S1のゲート信号を反転して、下側の半導体素子S2の8つのゲート信号を生成し、下アーム3Nのチョッパセル1P1〜1P8へ供給する16のゲート信号とする。
ゲート信号生成部23は、下アーム3Nのチョッパセル1N1〜1N8それぞれにおいて、上側の半導体素子S1と下側の半導体素子S2とに互いに反転した関係のゲート信号が供給されるように、生成したゲート信号をチョッパセル1N1〜1N8へ出力する。なお、本実施形態では、ゲート信号生成部23は、図4に示す8つのゲート信号を、チョッパセル1N1〜1N8のいずれに割り当ててもよい。
上記のように、本実施形態では、上アーム3Pを構成するチョッパセル1P1〜1Pnそれぞれについて、チョッパセル1P1〜1Pnの上側の半導体素子S1の位相を出力電圧位相に対して進ませるチョッパセルと遅らせるチョッパセルとが同数となるように、各チョッパセル1P1〜1Pnの上側の半導体素子のゲート信号の位相を調整している。
また、下アーム3Nを駆動するゲート信号は上アーム3Pを駆動するゲート信号を反転させたものであり、下アーム3Nを構成するチョッパセル1N1〜1Nnそれぞれについて、チョッパセル1N1〜1Nnの上側の半導体素子S1の位相を出力電圧位相に対して進ませるチョッパセルと遅らせるチョッパセルとが同数となる。
これにより、例えば多段変換器10の変調率が変化しても全てのチョッパセル1P1〜1Pn、1N1〜1Nnの半導体素子S1、S2がスイッチングし、各段のチョッパセルをワンパルス駆動にて動作させても、多段変換器10の出力電圧の総和は疑似的にPWM変調のような波形となり、低次高調波の発生が抑制できる。
上記のように、本実施形態の多段変換器の制御装置によれば、出力電圧の大小にかかわらず全ての単位変換器を電圧出力に活用することができ、高調波の発生を抑制し、電圧歪を低減するワンパルス駆動を実現可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述の実施形態において、制御装置20は、チョッパセル1P1〜1P8それぞれの上側半導体素子S1のゲート信号のオンパルス幅を調整することにより、上アーム電圧Vの直流電圧成分を調整し、上アームと下アームとに共通して流れる循環電流icirを制御することができる。
ここで多直列チョッパから構成される上アーム(第1アーム)の電流をi、下アーム(第2アーム)の電流をiとすると循環電流icirは次式で表せる。
cir=(1/2)*(i+i
ただしiは直流端子Pから交流端子方向へ流れる向きを正とし、iは交流端子から直流端子Nへ流れる向きを正とする。
循環電流icirは直流端子PNに対して各相の上下アーム間に共通して流れる電流成分と定義するため、各相それぞれ個別に循環電流icirが流れる。そこで、循環電流の制御については、単一の相について説明する。
図5は、単一相のMMC回路における循環電流の制御の一例について説明するための図である。
図5に単一相のMMC等価回路を示す。なお、ここで示す等価回路では、第1アームおよび第2アームを上下アーム電圧V、Vとして、電圧源として置き換えている。
上下アームのそれぞれは、Duty50%のゲート信号にて駆動されたチョッパセルを多直列接続して構成されるため、上下アームの電圧V、Vには次式で示される直流電圧成分VPDC、VNDCがそれぞれ含まれる。
PDC=VNDC=0.5*N*VDC
ただし、Nはアーム内のチョッパ段数、VDCは各チョッパの直流電圧を示す。
また、上下アームの電圧V、Vには、上記直流電圧成分VPDC、VNDCに加えて、前述した変調率に応じた交流電圧成分が含まれるが、上アームの交流成分については出力電圧指令と同位相であり、下アームの交流電圧成分については逆位相となる。
そこで、循環電流icirに着目した図5の直流端子PNと上下アームを介した閉回路について考えると、上下アームに含まれる交流電圧成分は逆位相となりそれぞれ打消し合うため、循環電流icirに対して影響する電圧成分は、直流端子間電圧VPNと直流電圧成分VPDCおよび直流電圧成分VNDCとなることがわかる。よって循環電流icirは次式で示される。
cir=(VPN−(VPDC+VNDC))/s2l
ここでsはラプラス演算子、lはバッファリアクトルインダクタンス値とする。
上記の式の通り、循環電流icirは上下アームそれぞれに設置する2つのバッファリアクトルに印加される電圧となる直流端子間電圧VPNと上アーム直流電圧成分および下アーム直流電圧成分の差の積分となることがわかる。
そのためVPNに対して上下アームの直流電圧成分VPDCおよび直流電圧成分VNDCの量を操作することで循環電流icirを制御できることになる。すなわち、制御装置20は、循環電流検出値と循環電流指令との差分に応じてPI補償器で得られる直流電圧操作量に応じて、上アームおよび下アームの各チョッパセルのゲート信号のDutyを操作することで、電流制御が可能になる。
例えば、直流端子間電圧VPNがN*VDCと等しい場合、制御装置20は、上下アームの複数のチョッパセルのDutyを50%とすることで、直流電圧成分VPDCおよび直流電圧成分VNDCを0.5*N*VDCとすることができる。このとき、制御装置20は、上下アームの直流電圧成分の和(VPDC+VNDC)と直流端子間電圧VPNとが等しくなるように制御し、循環電流icirの変化を抑制することができる。
一方、制御装置20は、上下アームの複数のチョッパセルのDutyを50%より小さい値にして、上下アームの直流電圧成分の和(VPDC+VNDC)よりも直流端子間電圧VPNを大きくして、循環電流icirは上昇させることができる。
また、制御装置20は、上下アームの複数のチョッパセルのDutyを50%よりも大きい値にして、上下アームの直流電圧成分の和(VPDC+VNDC)の方が直流端子間電圧VPNよりも大きくなるように制御し、循環電流icirを下降させることができる。以上のように、制御装置20は、上下アームの複数のチョッパセルのDutyを操作することで循環電流icirを制御することができる。
10…多段変換器、1P1〜1P8、1N1〜1N8…チョッパセル(単位変換器)、CP1〜CPn…キャパシタ、S1…上側の半導体素子(上側素子)、S2…下側の半導体素子(下側素子)、2、2P、2N…バッファリアクトル、3…アーム、3P…上アーム(第1アーム)、3N…下アーム(第2アーム)、4…レグ、20…制御装置、21…変調率演算部、22…位相シフト量生成部、23…ゲート信号生成部、α〜α…位相シフト量、SV…電圧センサ、P…高電位側直流端子、N…低電位側直流端子、U、V、W…交流端子。

Claims (4)

  1. 上側素子と、前記上側素子と直列に接続した下側素子と、前記上側素子と前記下側素子とに並列に接続したキャパシタと、を備えた単位変換器を複数直列接続した構成をそれぞれ備えた第1アームおよび第2アームを備え、前記第1アームの一端が高電位側の直流端子と電気的に接続し、他端が交流端子と第1リアクトルを介し電気的に接続し、前記第2アームの一端が低電位側の直流端子と電気的に接続し、他端が前記交流端子と第2リアクトルを介し電気的に接続した多段変換器を制御する制御装置であって、
    前記多段変換器の出力電圧指令と、前記高電位側の直流端子と前記低電位側の直流端子との間の電圧と、を用いて変調率を演算する変調率演算部と、
    前記変調率に基づいて、複数の前記単位変換器の前記上側素子を駆動するゲート信号の複数の位相シフト量を生成する位相シフト量生成部と、
    出力電圧基本波周波数で複数の前記単位変換器を駆動する信号であって、オンパルス幅とオフパルス幅とが同一であり、オンパルス幅の中心が前記出力電圧指令の位相に対して前記位相シフト量進んだ第1ゲート信号と、オンパルス幅の中心が前記出力電圧指令の位相に対して前記位相シフト量遅れた前記第1ゲート信号と同数の第2ゲート信号とを生成し、前記第1ゲート信号と前記第2ゲート信号とを前記第1アームの複数の前記単位変換器の前記上側素子のゲート信号とするゲート信号生成部と、を備え、
    前記第1アームと前記第2アームとのそれぞれは、偶数の前記単位変換器を備え、
    前記位相シフト量はゼロより大きく180°未満である、多段変換器の制御装置。
  2. 複数の前記位相シフト量は、前記多段変換器の基本波振幅を制約条件として、所定次数の高調波の和が最小となる組み合わせである、請求項1記載の多段変換器の制御装置。
  3. N段の前記単位変換器をそれぞれ備えた前記第1アームおよび前記第2アームを含む前記多段変換器を制御する制御装置であって、
    複数の前記位相シフト量は、基本波振幅の方程式と、高調波振幅をゼロとするN/2−1の方程式との連立方程式を満たす組み合わせである、請求項1記載の多段変換器の制御装置。
  4. 前記ゲート信号生成部は、複数の前記単位変換器それぞれの前記上側素子のオンパルスを調整して、前記第1アームと前記第2アームとに共通して流れる循環電流を制御する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の多段変換器の制御装置。
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