以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが、本発明に必須とは限らない。また、別々の実施形態の中で説明されている特徴を適宜組み合せることも可能である。
[第1の実施形態]
図1(A)は、電子機器(撮像制御装置)の一例であるデジタルカメラ100の前面斜視図であり、図1(B)は、デジタルカメラ100の背面斜視図である。図1(A)及び(B)において、表示部28は、画像や各種情報を表示する表示部である。表示部28はタッチパネル70aと一体となっており、ユーザは表示部28面上をタッチすることにより、直感的に表示部28上に表示されるアイテムや被写体の位置を選択可能である。シャッターボタン61は、撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は、各種モードを切り替えるための操作部である。端子カバー40は、デジタルカメラ100と外部装置とを接続する接続ケーブルのためのコネクタ(不図示)を保護するカバーである。メイン電子ダイヤル71は、回転操作部材であり、メイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。電源スイッチ72は、デジタルカメラ100の電源のON及びOFFを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル73は、選択枠の移動や画像送りなどを行う回転操作部材である。十字キー74は、上キー74a、下キー74b、左キー74c、右キー74dをそれぞれ押し込み可能な4方向キーであり、押下した方向へとカーソル等を移動する指示が可能である。SETボタン75は、主に選択項目の決定などに用いられる押しボタンである。再生ボタン79は、撮影モードと再生モードとを切り替える操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することでデジタルカメラ100を再生モードに移行させ、記録媒体200(後述)に記録された画像のうち最新の画像を表示部28に表示させることができる。シャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、十字キー74、SETボタン75、再生ボタン79は、操作部70に含まれる。ファインダ16は、フォーカシングスクリーン13(後述)を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点や構図の確認を行うための覗き込み型のファインダである。グリップ部90は、ユーザがデジタルカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状とした保持部である。
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。図2において、レンズユニット150は、撮影レンズを搭載するレンズユニットであり、交換可能である。
レンズ103は、通常は複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略化して1枚のレンズのみで示している。通信端子6は、レンズユニット150がデジタルカメラ100と通信を行うための通信端子である。通信端子10は、デジタルカメラ100がレンズユニット150と通信を行うための通信端子である。レンズユニット150は、この通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信する。レンズユニット150は、レンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り102の制御を行い、AF駆動回路3を介してレンズ103の位置を変位させることで焦点を合わせる。
AEセンサ17は、レンズユニット150、クイックリターンミラー12を介してフォーカシングスクリーン13上に結像した被写体の輝度を測光する。
焦点検出部11(AFセンサ)は、クイックリターンミラー12及びサブミラー(不図示)を介して入射する像を撮像し、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する、位相差検出方式のAFセンサである。システム制御部50は、デフォーカス量情報に基づいてレンズユニット150を制御し、位相差AFを行う。なお、AFの方式は、位相差AFでなくてもよく、コントラストAFでもよい。また、位相差AFは、焦点検出部11を用いずに、撮像部22の撮像面で検出されたデフォーカス量に基づいて行ってもよい(撮像面位相差AF)。
クイックリターンミラー12は、露光、ライブビュー撮影、動画撮影の際にシステム制御部50から指示されて、不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。クイックリターンミラー12は、レンズ103から入射した光束をファインダ16側と撮像部22側との間で切り替えるためのミラーである。クイックリターンミラー12は、通常時はファインダ16へと光束を導くよう反射させるように配されているが、撮影が行われる場合やライブビュー表示の場合には、撮像部22へと光束を導くように上方に跳ね上がり光束中から待避する(ミラーアップ)。またクイックリターンミラー12は、その中央部が光の一部を透過できるようにハーフミラーとなっており、光束の一部を、焦点検出を行うための焦点検出部11に入射するように透過させる。
ユーザは、ペンタプリズム14とファインダ16を介して、フォーカシングスクリーン13上に結像した像を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点状態や構図の確認が可能となる。
シャッター101は、システム制御部50の制御に従い、撮像部22の露光時間を制御する。撮像部22は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、直接メモリ制御部15を介して、メモリ32に書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像及び音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ32は、画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器19においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダが実現し、スルー画像表示(ライブビュー表示)を行える。
不揮発性メモリ56は、システム制御部50によって電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーを内蔵し、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50は、メモリ32、D/A変換器19、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。システムタイマー53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、操作部70は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作部材である。モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60で、メニュー画面に含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切替スイッチ60でメニュー画面に一旦切り換えた後に、メニュー画面に含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画記録モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり、第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定を実行可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザは、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向キー(十字キー74)やSETボタン75などを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
操作部70は、ユーザからの操作を受け付ける入力部としての各種操作部材である。操作部70には、少なくとも以下の操作部材が含まれる。シャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、十字キー74、SETボタン75、再生ボタン79。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインタフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。電源スイッチ72は、デジタルカメラ100の電源のONとOFFとを切り替えるためのスイッチである。
通信部54は、無線又は有線ケーブルによって外部装置と接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は、無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部54は、撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部装置から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
姿勢検知部55は、重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像なのかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサやジャイロセンサなどを用いることができる。
デジタルカメラ100は、操作部70の一部として、表示部28に対する接触を検知可能なタッチパネル70a(図1(B)参照)を有する。タッチパネル70aと表示部28とは、一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aを光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成し、表示部28の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を構成することができる。システム制御部50は、タッチパネル70aへの以下の操作、あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと。即ち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch−Down)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch−On)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch−Move)と称する)。
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンを離したこと。即ち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch−Up)と称する)。
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch−Off)と称する)。
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は、内部バスを通じてシステム制御部50に通知される。システム制御部50は、通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作が行われたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。またタッチパネル70a上をタッチダウンから一定のタッチムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル70a上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行われたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でタッチムーブしたことが検出された場合はドラッグが行われたと判定するものとする。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式のものがあるが、いずれの方式でもよい。
以下、図3を参照して、デジタルカメラ100が実行する、撮影モードに応じた露出パラメータ変更処理の基本的な流れについて説明する。本フローチャートの各ステップの処理は、特に断らない限り、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。これは、後述する図4〜図9のフローチャートにおいても同様である。本フローチャートの処理は、例えば、デジタルカメラ100の電源がOnになると開始する。
S300で、システム制御部50は、電源スイッチ72がOn状態であるか否かを判定する。On状態の場合、処理はS301に進み、Off状態の場合、S300の処理が繰り返される。
S301で、システム制御部50は、デジタルカメラ100の現在の撮影モード(露出設定モード)を取得する。撮影モードは、システムメモリ52に記録されており、システム制御部50は、システムメモリ52より撮影モードを読み取る。
S302で、システム制御部50は、S301において取得した撮影モードが露出調整モードであるか否かを判定する。露出調整モードの場合、処理はS303へ進み、露出調整モードでない場合、処理はS306へ進む。
S303で、システム制御部50は、不揮発性メモリ56から露出調整モード用の露出制御に関する露出パラメータを取得する。以下の説明において、露出パラメータは、シャッター速度、絞り値、ISO感度、及び露出補正値を含むものとするが、本実施形態の露出パラメータはこれに限定されない。
S304で、システム制御部50は、不揮発性メモリ56から露出調整モード用の選択パラメータ位置を取得する。
S320で、システム制御部50は、図15のように、表示部28に、露出調整用の露出パラメータを表示する設定表示画面1502をライブビュー画像と共に表示する。本実施形態では、露出パラメータには、シャッター速度、絞り値、露出補正値、ISO感度が含まれている。そのため、システム制御部50は、設定表示画面1502において、シャッター速度の設定値1502_1、絞り値1502_2、露出補正値1502_3、ISO感度1502_4を表示する。
S321で、システム制御部50は、設定表示画面1502において、S304にて取得した選択パラメータ位置、つまり選択中のパラメータをユーザに識別可能に示すためのカーソル表示1502_5を行う。選択パラメータ位置の表示方法としては、カーソル表示でなく、強調表示、色で区別するといった表示を行ってもよい。また、選択パラメータ位置の初期位置として、本実施形態では、露出補正にしている。選択パラメータ位置の初期位置を露出補正位置にすることで、ユーザに対してプログラムモードに近い撮影操作を提供することが考えられる。
ここで、露出調整モードを出入りした場合、露出調整モード用の露出パラメータおよび選択パラメータ位置を保持しておくことで、露出調整モードにおける撮影操作を前回の状態から継続できるようにしてもよい。
S322で、システム制御部50は、表示部28に、リセット操作方法に関するガイダンス1501を表示する。
1501はリセット操作方法に関するガイダンスであり、選択項目をリセットする操作と、Tv,Av,露出補正,ISOをリセットする操作について説明している。
また、ガイダンスを表示するタイミングの一例としては、露出調整モードに遷移したタイミングで表示し、一定時間経過後に表示を消すことが考えられる。また、表示したままにしてもよく、一定時間経過後に表示を消さずに、表示を小さくすることも考えられる。また、デジタルカメラ100の電源On後の1回目の露出調整モードに遷移した場合のみ、ガイダンスを表示するようにしてもよい。
また、ガイダンスに表示するリセット操作の操作部材について、操作部材に割り当てられた機能が変更されてリセット機能でなくなった場合、ガイダンス表示を行わないようにしてもよく、ガイダンスの表示内容を変更してもよい。
なお、本実施形態のガイダンス表示はこれらに限定されない。
なお、S320〜S322の処理を分けて説明したが、システム制御部50は、図15のように、設定表示画面1502、カーソル表示1502_5、ガイダンス1501を同時に表示開始する。
S305で、システム制御部50は、露出調整モード用の露出パラメータの変更処理を行う。露出調整モードにおける変更処理の詳細については、図4を参照して後述する。
S306で、システム制御部50は、不揮発性メモリ56から非露出調整モード用の露出パラメータを取得する。そして、S325で、システム制御部50は、ライブビュー表示と共に、S306で取得した露出パラメータを表示部28に表示する。
S307で、システム制御部50は、露出調整モードとは異なるモードにおける露出パラメータの変更処理を行う。露出調整モードとは異なるモードには、シャッター速度優先モード、絞り値優先モード、プログラムAEモード、マニュアルモード(設定値候補からユーザが設定値を選択するモード)、オートモード等のいずれかが含まれる。露出調整モードとは異なるモードにおける露出パラメータの変更処理の詳細については、図7を参照して後述する。
S311で、システム制御部50は、電源スイッチ72がOffになったか否かを判定する。電源スイッチ72がOffになった場合、処理はS308に進み、そうでない場合、処理はS300に戻る。
S308で、システム制御部50は、露出調整モード用の露出パラメータ及び選択パラメータ位置を不揮発性メモリ56に保存する。
S309で、システム制御部50は、露出調整モードとは異なる、各モードにおいて設定された露出パラメータを不揮発性メモリ56に保存する。
S310で、システム制御部50は、デジタルカメラ100の電源をOffにする。
次に、図4を参照して、露出調整モード用の露出パラメータの変更処理(図3のS305)の詳細について説明する。
S400で、システム制御部50は、撮影モードの切り替えが行われたか否かを判定する。切り替えが行われた場合、本フローチャートの処理は終了する。切り替えが行われていない場合、処理はS401へ進む。
S401で、システム制御部50は、選択パラメータ位置の変更操作が行われたか否かを判定する。変更操作は、例えば、サブ電子ダイヤル73の操作により行われる。変更操作が行われた場合、処理はS402に進み、変更操作が行われていない場合、処理はS403に進む。
S402で、システム制御部50は、選択パラメータ位置の変更処理を行う。変更処理の詳細については、図5を参照して後述する。
S403で、システム制御部50は、パラメータの変更操作が行われたか否かを判定する。変更操作は、例えば、メイン電子ダイヤル71の操作により行われる。変更操作が行われた場合、処理はS405に進み、変更操作が行われていない場合、処理はS404に進む。
S404で、システム制御部50は、パラメータのリセット処理を行う。リセット処理の詳細については、図6を参照して後述する。
S405で、システム制御部50は、パラメータの変更処理を行う。変更処理の詳細については、図8を参照して後述する。
S406で、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62がONであるか否かを判定する。第1シャッタースイッチ62がONの場合、処理はS407に進み、そうでない場合、処理はS400に進む。また、シャッタースイッチ62(SW1)がONになったことに応じて、測光タイマーを開始する。シャッタースイッチ62がONになってから、測光タイマーが終了するまで、または、撮影指示がなされてS417でYESとなるまで、S407、S408の処理が実行される。
S407で、システム制御部50は、被写体の測光(測光処理)を行い、測光値(被写体輝度)と、被写体輝度及び現在の設定値から算出される測光演算値と、を取得する。測光演算値は、測光処理の結果に応じて決定される設定値であり、それぞれの露出パラメータとして選択可能な複数の設定値の中から決定される。
S408で、システム制御部50は、測光演算値を、露出パラメータの仮設定値として、システムメモリ52に保存する。なお、露出パラメータの各々には、所定の動作モードでの動作中に自動的に決定された設定値を適応するための特定の設定値である「Auto」、又はユーザにより指定された「1/60秒」などの具体的な数値を示す設定値が設定されている。仮設定値の保存は、設定値として「Auto」を持つ露出パラメータを対象に行われる。すなわち、S406の前の測光が行われる前に、ユーザによって設定値が設定された項目については設定値が変更されないが、Autoと設定されていた項目については設定値が測光結果に基づいて算出され、仮設定値として記録される。そして、システム制御部50は、「Auto」が設定されており、設定表示画面において設定値が「Auto」であることを示す「A」が表示されている露出パラメータについて、「A」の表示から、仮設定値の表示に切り替えて表示する。この表示については、図13を参照して後に詳しく説明する。
S409で、システム制御部50は、測光タイマーが終了しているか否かを判定する。測光タイマーが終了している場合、処理はS410に進み、そうでない場合、処理はS412に進む。
S410で、システム制御部50は、システムメモリ52に仮設定値が保存されているか否かを判定する。仮設定値が保存されている場合、処理はS411に進み、そうでない場合、処理はS400に進む。
S411で、システム制御部50は、S407の測光結果に基づいて算出され、S408において記録された仮設定値をシステムメモリ52から削除する。測光タイマーが終了したこと、つまり、SW1がONとなって測光処理を開始してから所定時間経過したことに応じて、仮設定値をシステムメモリ52から削除する。
このように、SW1がONとなってから測光タイマーが終了するまでの所定時間の間、S407、S408の測光処理と仮設定値の記憶処理が続行される測光状態となる。そして、測光タイマーが終了したことに応じて、測光処理を終了し、仮設定値を有さない非測光状態となる。また、測光処理の実行前(開始前)も非測光状態である。つまり、測光処理を開始して実行中は測光状態であり、測光処理の開始前と測光処理の終了後は非測光状態となる。そして、測光状態から非測光状態に変化した後、再びSW1がONになったことに応じて、S407、S408の処理を実行して測光状態になる。従って、次に測光が行われた場合、露出パラメータのうち設定値が「Auto」であるもの(例えば、シャッター速度)については、再び測光演算値が取得され新たな仮設定値が設定される。
このような処理を行うことで、SW1が操作されてから一定期間だけ、測光処理を実行することにより仮設定値を取得し、「Auto」の場合の露出パラメータを取得することができる。なお、本実施形態では、SW1が操作されてから所定期間経過する間、測光処理と仮設定値の取得を継続して行うものとした。しかし、SW1の操作に応じて、測光処理と仮設定値の取得を1回だけ行うようにしてもよい。この場合、所定期間経過したことに応じてS411のように仮設定値を破棄して、取得した無効化しするとよい。
つまり、本実施形態において、測光状態は、測光処理を実行して、有効な仮設定値を取得している状態であり、非測光処理は、測光処理を開始する前、または、測光処理を終了した後の、有効な仮設定値を有していない状態を示している。
このように、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62がONになることにより開始する動作モード(所定の動作モード)での動作中に測光を行い、「Auto」に設定されている露出パラメータに関して、仮設定値の保存(値の自動設定)を行う。そして、システム制御部50は、この動作モードが終了したことに応じて、自動設定が行われた露出パラメータの仮設定値をシステムメモリ52から削除し、Autoとして設定される。つまり、シャッター速度であればテーブルナンバーN=0〜54(図10(A)参照)の何れかが設定値として設定されていた状態からN=55に変更される。これにより、測光開始前(開始時)に「Auto」に設定されていた露出パラメータについては、後述するように、測光中に設定値が変更されなければ、測光終了後も「Auto」に設定された状態となる。
なお、ここでは、設定値と仮設定値とを区別することにより、「Auto」に設定された露出パラメータが測光終了後も「Auto」に設定された状態となることを可能にする構成について説明した。しかし、具体的な実装に関しては特に限定されず、例えば、Autoに設定されていた項目にはフラグを立てる等をしてもよく、設定値と仮設定値とを厳密に区別する必要はない。「Auto」に設定されたパラメータに対して測光の結果に基づいて具体的な値が自動設定され、測光終了後はこのパラメータに「Auto」が設定された状態になる構成であれば、任意の構成を採用可能である。
また、図9を参照して後述するように、測光の結果に基づいて自動設定が行われたパラメータに対して、測光状態においてパラメータの変更処理が行われる場合がある。この場合、システム制御部50は、測光状態において変更されたパラメータについては、測光終了後に「Auto」に戻さないように制御してもよい。
再び図4を参照すると、S412で、システム制御部50は、S401と同様、選択パラメータ位置の変更操作が行われたか否かを判定する。変更操作が行われた場合、処理はS413に進み、変更操作が行われていない場合、処理はS414に進む。
S413で、システム制御部50は、S402と同様、選択パラメータ位置の変更処理を行う。変更処理の詳細については、図5を参照して後述する。
S414で、システム制御部50は、S403と同様、パラメータの変更操作が行われたか否かを判定する。変更操作が行われた場合、処理はS416に進み、変更操作が行われていない場合、処理はS415に進む。
S415で、システム制御部50は、S404と同様、パラメータのリセット処理を行う。リセット処理の詳細については、図6を参照して後述する。
S416で、システム制御部50は、測光状態でのパラメータの変更処理を行う。変更処理の詳細については、図9を参照して後述する。
S417で、システム制御部50は、撮影指示が行われたか否か(第2シャッタースイッチ64がONであるか否か)を判定する。撮影指示が行われた場合、処理はS418に進み、そうでない場合、処理はS407に進む。
S418で、システム制御部50は、撮影処理を行う。撮影処理においては、システム制御部50は、設定されている露出調整モード用の露出パラメータ(各設定項目の設定値)に基づいて、デジタルカメラ100の各部を制御して、画像の撮影を行う。
次に、図5を参照して、選択パラメータ位置の変更処理(図4のS402及びS413)の詳細について説明する。
S500で、システム制御部50は、図10(E)に示すテーブルを参照して、S304において取得した露出調整モード用の選択パラメータ位置を示すテーブルナンバーを取得する。なお、このテーブルは、不揮発性メモリ56に格納され、図5の処理の開始と共にシステムメモリ52に展開される。
S501で、システム制御部50は、図10(E)に示すテーブルを参照して、下限の選択パラメータ位置を示すテーブルナンバー(N_Min)を取得する。
S502で、システム制御部50は、図10(E)に示すテーブルを参照して、上限の選択パラメータ位置を示すテーブルナンバー(N_Max)を取得する。
S503で、システム制御部50は、サブ電子ダイヤル73の回転方向が右であるか否かを判定する。回転方向が右の場合、処理はS504に進み、回転方向が左の場合、処理はS505に進む。
S504で、システム制御部50は、S500において取得したテーブルナンバー(N)をインクリメントする。つまり、N=N+1としてテーブルナンバーを更新する。
S505で、システム制御部50は、S500において取得したテーブルナンバー(N)をデクリメントする。つまり、N=N−1としてテーブルナンバーを更新する。
S506で、システム制御部50は、S504においてインクリメントされたテーブルナンバー(N)が、S502において取得した上限のテーブルナンバー(N_Max)を上回っているか否かを判定する。N>N_Maxの場合、処理はS508に進み、そうでない場合、処理はS510に進む。
S507で、システム制御部50は、S505においてデクリメントされたテーブルナンバー(N)が、S501において取得した下限のテーブルナンバー(N_Min)を下回っているか否かを判定する。N<N_Minの場合、処理はS509に進み、そうでない場合、処理はS510に進む。
S508で、システム制御部50は、現在の選択パラメータ位置を示すテーブルナンバー(N)に、S501において取得した下限のテーブルナンバー(N_Min)を代入する。
S509で、システム制御部50は、現在の選択パラメータ位置を示すテーブルナンバー(N)に、S502において取得した上限のテーブルナンバー(N_Max)を代入する。
S510で、システム制御部50は、S503〜S509において更新された現在の選択パラメータ位置を示すテーブルナンバー(N)と、図10(E)に示すテーブルとに基づき、新たな選択パラメータ位置を設定する。そして、システム制御部50は、新たな選択パラメータ位置に応じて、設定表示画面のカーソルの表示位置を変更して表示する。例えば、図11(A)に示すようにカーソル1101がシャッター速度を指している状態を考える。この状態において、ユーザがサブ電子ダイヤル73を右方向に繰り返し回転させた場合には、図11(A)→図11(B)→図11(C)→図11(D)→図11(A)・・・のように、表示部28の設定表示画面が変化する。このように、サブ電子ダイヤル73の操作に応じて選択パラメータ位置が新たに設定されることにより選択中のパラメータが変更され、設定表示画面には選択中のパラメータを示すカーソル1101の表示位置が変わる。なお、図11(A)〜図11(D)の設定表示画面において、「A」は、設定値が「Auto」であることを意味する。
なお、S506またはS507においてYesと判定された場合には、テーブルナンバーを変更しないようにしてもよい。
次に、図6を参照して、パラメータのリセット処理(図4のS404及びS415)の詳細について説明する。
S600で、システム制御部50は、十字キー74の左又は上が押下(ボタン押下)されたか否かを判定する。十字キー74の左又は上が押下された場合、処理はS601に進み、そうでない場合、処理はS603に進む。
S601で、システム制御部50は、図10(E)に示すテーブルに基づき、現在の露出調整モード用の選択パラメータ位置を示すテーブルナンバー(N)を取得する。
S602で、システム制御部50は、S601において取得したテーブルナンバー(N)の指すパラメータの設定値を初期値の「Auto」に設定し、設定値の変更に応じて設定表示画面の設定値の表示も更新する。例えば、図12(A)に示すように、シャッター速度が「6」(1/6秒を意味する)、絞り値が「3.5」(F3.5を意味する)、ISO感度が「A」(Autoを意味する)、露出補正値が「0」に設定されている状態を考える。ここで、カーソル1201は、絞り値を指している。この状態でS602の処理が行われると、絞り値の設定値が「Auto」に設定され、設定表示画面が、図12(A)から図12(B)へと遷移する。
なお、パラメータの設定値をリセットして「Auto」に変更しても、選択パラメータ位置はリセットせずに、現在の位置から変更しない。そのため、ユーザはリセット操作後に前回のパラメータの変更操作を継続できる。
このように制御することで、選択している絞り値のみ「Auto」に変更することが可能になる(即ち、選択された設定項目以外についての設定値は変更されない)。この例では、十字キー74を押下する操作のみで、露出設定をシャッター速度優先モードと同等の状態に変更することが可能である。
なお、図4のS415の処理として図6の処理が実行される場合、最初から「Auto」に設定されていた露出パラメータについては、対応する仮設定値が存在する。従って、例えば図12(A)及び(B)において、ISO感度に対応する部分には、「A」の代わりに仮設定値が表示されている。また、S602において「Auto」に設定された露出パラメータについては、次にS408の処理が実行される際に、対応する仮設定値が保存される。従って、例えば図12(B)において、絞り値に対応する部分には、「A」の代わりに借り設定値が表示される。これは、後述するS604の処理においても同様である。仮設定値が表示されている場合に、Autoへと設定と変更する指示がされると一旦Autoに設定が変更されるが、測光中であれば測光結果に基づいてすぐに仮設定値が表示される。
S603で、システム制御部50は、十字キー74の右又は下が押下されたか否かを判定する。十字キー74の右又は下が押下された場合、処理はS605に進み、そうでない場合、処理は終了する。
S604で、システム制御部50は、全露出パラメータを初期値の「Auto」に設定し、設定値の変更に応じて設定表示画面の設定値の表示も更新する。ただし、露出補正値については、「Auto」の設定値がなく「Auto」には設定できないので、初期値の「0」に設定する。例えば、図12(A)に示す状態を考える。この場合、カーソル1201が指している絞り値のみならず、シャッター速度も「Auto」に変更され、設定表示画面が、図12(A)から図12(C)へと遷移する。
なお、パラメータの設定値をリセットして「Auto」に変更しても、選択パラメータ位置は現在の位置から変更しない。そのため、ユーザはリセット操作後にも前回のパラメータの変更操作を継続できる。
このように制御することで、シャッター速度及び絞り値の両方とも「Auto」に変更することが可能になる。この例では、十字キー74を押下する操作のみで、露出設定をプログラムAEモードと同等の状態に変更することが可能である。なお、S604の処理が測光中に行われた場合には、シャッター速度、絞り数値、ISO感度はAutoになった後測光結果に基づいて仮設定値が設定される。露出補正値のようにAutoの設定がない項目の場合には初期値に設定をしてもよいし、予め定められた基準値に設定をしてもよい。
このように図6のリセット処理によれば、複数の露出パラメータに対応する複数の表示項目(「A」など)の表示中に、選択された露出パラメータ又は全ての露出パラメータを選択的に「Auto」に設定することを、容易に行うことができる。
なお、S600またはS603の判定は、タッチ操作により判定をしてもよい。S600においては、タッチパネル70a上へのタッチ時間が0.3秒以〜0.5秒や、0.4秒〜1秒といった所定時間内であればYesと判定してもよい。また、S603においては、タッチパネル70a上へのタッチ時間が0.5秒〜1秒や、0.8秒〜2秒といった所定時間(S600の所定時間より長い)以内であればYesと判定してもよい。
さらに、項目上をタッチしたら、選択中の項目をAutoに設定し、全体をオートにするアイテムを表示し、そのアイテムをタッチしたら、S604の処理を行うようにしてもよい。
また、十字キー74でなくても、専用のボタンを設けてもよいし、その他のボタンにAutoにする機能を割り当ててもよい。
このように、S600、S603の判定は十字キー74の操作だけでなく、タッチ操作により行ってもよい。なお、上述した操作方法は一例であり、Autoにするための操作は上述の例に限定されるわけではない。
上述したように、選択中の項目をAutoに設定するためには、十字キー74の上キーまたは左キーを押下し、Autoに設定可能な全ての項目をAutoに設定するためには十字キー74の下キーまたは右キーを押下する。十字キー74はグリップ部90の近くにあり、グリップ部90を把持した状態で操作が可能である。よって、撮影待機状態においてカメラを横向きで撮影したり、縦向きで撮影したりしても、ユーザの手がすぐに届く位置にある。また、横向きの場合にも、縦向きの場合にも、選択項目をAutoにする指示と、Autoに設定可能な全ての項目をAutoにする指示とをするためのキーの位置関係が同じなので操作性がよい。具体的には、横向きでは、上キーで選択項目をAutoに、下キーでAutoに設定可能な全ての項目をAutoに変更することができる。すなわち、カメラを構えた状態で重力方向に上にある十字キーのボタンを押せば選択項目をAutoに、重力方向に下にある十字キーのボタンを押せばAutoに設定可能な全ての項目をAutoにすることができる。
縦向きの場合、例えば、グリップ部90を重力方向下側にして縦に構えた場合にも、カメラを構えた状態で重力方向に上にある十字キー(左キー)のボタンを押せば選択項目をAutoに変更することができる。また、重力方向に下にある十字キーのボタン(右キー)のボタンを押せばAutoに設定可能な全ての項目をAutoに変更することができる。グリップ部90がデジタルカメラ100背面から見て右側にあるので、縦向きに構える場合にはグリップ部90が重力方向下側にくる可能性が高いので、上キーと左キー、下キーと右キーとをそれぞれセットにすると操作性が向上する。
次に、図14を参照して、カメラ設定初期化処理について説明する。カメラ設定初期化処理は、メニュー画面において、カメラ設定初期化処理が選択されたことに応じて実行される。
S1400で、システム制御部50は、電源スイッチ72がOn状態であるか否かを判定する。On状態の場合、処理はS1401に進み、Off状態の場合、S1400の処理が繰り返される。
S1402で、システム制御部50は、カメラ設定初期化操作が行われたか否かを判定する。行われた場合、S1403へ進み、行われていない場合はS1411へ進む。
S1403で、システム制御部50は、露出調整モード用の露出パラメータを全て初期値の「Auto」に設定する。ただし、露出補正値については、「Auto」の設定はないので、初期値の「0」に設定する。
S1404で、システム制御部50は、露出調整モード用の選択パラメータ位置を初期位置(露出補正位置)に設定する。
本実施形態では、初期位置を露出補正位置としているが、他の項目にしてもよいこのように、カメラ設定初期化処理においては、露出調整モード用の選択パラメータ位置を初期位置に設定している。図6で説明したリセット操作では、露出調整モード用の選択パラメータ位置を初期化位置に設定せずに、露出パラメータのみを初期化している。それに対し、カメラ設定初期化処理では、選択パラメータ位置と、露出パラメータの両方を処理化している。図6で説明したリセット操作では、露出調整モード用の露出パラメータの設定表示画面を表示し、露出パラメータの変更操作を可能な状態でリセット操作を受け付けている。そこで、リセット操作時には、リセット操作後にも前回のパラメータの変更操作を継続できるように、選択パラメータ位置は初期化せずに変更しないようにしている。S1405で、システム制御部50は、非露出調整モード用の露出パラメータを初期値に設定する。
S1411で、システム制御部50は、電源スイッチ72がOffになったか否かを判定する。電源スイッチ72がOffになった場合、処理はS1408に進み、そうでない場合、処理はS1400に戻る。
S1408で、システム制御部50は、露出調整モード用の露出パラメータ及び選択パラメータ位置を不揮発性メモリ56に保存する。
S1409で、システム制御部50は、露出調整モードとは異なる、各モードにおいて設定された露出パラメータを不揮発性メモリ56に保存する。
S1410で、システム制御部50は、デジタルカメラ100の電源をOffにする。
上述の説明では、カメラ設定初期化処理において、露出調整モード用の露出パラメータ及び選択パラメータ位置、非露出調整モード用の露出パラメータを初期化するものとしたが、これら以外の他の設定についても処理化するようにしてもよい。
次に、図7を参照して、露出調整モードとは異なるモード用の露出パラメータの変更処理(図3のS307)の詳細について説明する。
S700で、システム制御部50は、撮影モードがシャッター速度優先モード(Tvモード)であるか否かを判定する。Tvモードの場合、処理はS701に進み、そうでない場合、処理はS702に進む。
S701で、システム制御部50は、絞り値を「Auto」に設定する。
S702で、システム制御部50は、撮影モードが絞り優先モード(Avモード)であるか否かを判定する。Avモードの場合、処理はS703に進み、そうでない場合、処理はS704に進む。
S703で、システム制御部50は、シャッター速度を「Auto」に設定する。
S704で、システム制御部50は、撮影モードがプログラムAEモード(プログラムモード(Pモード))であるか否かを判定する。Pモードの場合、処理はS705に進み、そうでない場合、処理はS706に進む。
S705で、システム制御部50は、シャッター速度及び絞り値を「Auto」に設定する。
S706で、システム制御部50は、メイン電子ダイヤル71の操作が行われたか否かを判定する。操作が行われた場合、処理はS707に進み、操作が行われていない場合、処理はS713に進む。
S707で、システム制御部50は、撮影モードがマニュアルモード(Mモード)又はシャッター速度優先モードであるか否かを判定する。Mモード又はTvモードの場合、処理はS708に進み、そうでない場合、処理はS709に進む。
S708で、システム制御部50は、シャッター速度の変更を行う。
S709で、システム制御部50は、撮影モードが絞り優先モード又はBulbモードであるか否かを判定する。Bulbモードの場合は、シャッターボタン61を押下している期間、露光がされる撮影モードであるので、シャッター速度は設定せず、Av値の設定を変更する。Avモード又はBulbモードの場合、処理はS710に進み、そうでない場合、処理はS711に進む。
S710で、システム制御部50は、絞り値を変更する。
S711で、システム制御部50は、撮影モードがプログラムAEモードであるか否かを判定する。Pモードの場合、処理はS712に進み、そうでない場合、処理は終了する。
S712で、システム制御部50は、プログラムシフト値を変更する。
S713で、システム制御部50は、サブ電子ダイヤル73の操作が行われたか否かを判定する。操作が行われた場合、処理はS714に進み、操作が行われていない場合、処理は終了する。
S714で、システム制御部50は、撮影モードがマニュアルモード又はBulbモードであるか否かを判定する。Mモード又はBulbモードの場合、処理はS715に進み、そうでない場合、処理はS716に進む。
S715で、システム制御部50は、絞り値を変更する。
S716で、システム制御部50は、露出補正値を変更する。
以上のように制御することで、露出調整モード以外のモードでは、設定値の設定をすることができる。露出調整モード以外のモードでは、同じモード内において設定項目にユーザの設定した設定値から「Auto」へと設定変更することができない。例えば、Tv値をユーザの設定した値からAutoに変更する際には、TvモードからAvモードへとモードを切り替える必要がある。さらに、マニュアルモードからTv、AvをAutoに設定する際には、Pモードへと切り替える必要がある。
次に、図8を参照して、露出調整モードにおける非測光状態でのパラメータの変更処理(図4のS405)の詳細について説明する。システム制御部50は、図8の処理により、パラメータを変更可能である。
S800で、システム制御部50は、図10(A)〜(D)に示すテーブルのうち、現在選択中のパラメータに対応するテーブルを参照して、現在選択中のパラメータの現在の設定値を示すテーブルナンバー(N)を取得する。例えば、図13(A)に示すようにカーソル1301がシャッター速度を指している場合(即ち、現在選択中のパラメータがシャッター速度である場合)を考える。この場合、システム制御部50は、図10(A)に示すテーブルを参照する。そして、シャッター速度の現在の設定値は「Auto」であるため、システム制御部50は、テーブルナンバー(N)として、「55」を取得する。なお、図10(A)〜(D)に示すテーブルは、例えば不揮発性メモリ56に格納されている。
S801で、システム制御部50は、図10(A)〜(D)に示すテーブルのうち、現在選択中のパラメータに対応するテーブルを参照して、現在選択中のパラメータの下限を示すテーブルナンバー(N_Min)を取得する。
S802で、システム制御部50は、図10(A)〜(D)に示すテーブルのうち、現在選択中のパラメータに対応するテーブルを参照して、現在選択中のパラメータの上限を示すテーブルナンバー(N_Max)を取得する。
S803で、システム制御部50は、メイン電子ダイヤル71の回転方向が右であるか否かを判定する。回転方向が右の場合、処理はS804に進み、回転方向が左の場合、処理はS810に進む。
S804で、システム制御部50は、S800において取得したテーブルナンバー(N)をインクリメントする。
S805で、システム制御部50は、現在選択中のパラメータが露出補正値であるか否かを判定する。露出補正値の場合、処理はS808に進み、そうでない場合、処理はS806に進む。
S806で、システム制御部50は、S804においてインクリメントしたテーブルナンバー(N)が、S802において取得したテーブルナンバー(N_Max)+1を上回っているか否かを判定する。N>N_Max+1の場合、処理はS807に進み、そうでない場合、処理はS813に進む。
S807で、システム制御部50は、現在選択中のパラメータの現在の設定値を示すテーブルナンバー(N)に、S802において取得したテーブルナンバー(N_Max)+1を代入する。
S808で、システム制御部50は、S804においてインクリメントしたテーブルナンバー(N)が、S802において取得したテーブルナンバー(N_Max)を上回っているか否かを判定する。N>N_Maxの場合、処理はS809に進み、そうでない場合、処理はS813に進む。
S809で、システム制御部50は、現在選択中のパラメータの現在の設定値を示すテーブルナンバー(N)に、S802において取得したテーブルナンバー(N_Max)を代入する。
S810で、システム制御部50は、S800において取得したテーブルナンバー(N)をデクリメントする。
S811で、システム制御部50は、S810においてデクリメントされたテーブルナンバー(N)が、S801において取得したテーブルナンバー(N_Min)を下回っているか否かを判定する。N<N_Minの場合、処理はS812に進み、そうでない場合、処理はS813に進む。
S812で、システム制御部50は、現在選択中のパラメータの現在の設定値を示すテーブルナンバー(N)に、S801において取得したテーブルナンバー(N_Min)を代入する。
S813で、システム制御部50は、図10(A)〜(D)に示すテーブルのうち、現在選択中のパラメータに対応するテーブルを参照して、S803〜S812において更新されたテーブルナンバー(N)に対応する設定値を取得する。そして、システム制御部50は、取得した設定値により、現在選択中のパラメータの設定値を更新してシステムメモリ52に記録する。そして、設定表示画面に、更新された設定値を表示する。例えば、図13(A)に示される設定表示画面の状態において、メイン電子ダイヤル71が左方向に1クリックされた場合を考える。この場合、シャッター速度の設定値が「AUTO」から「1/8000秒」に変更され、設定表示画面は、図13(A)から図13(B)へと遷移する。また、図13(B)に示される設定表示画面の状態において、メイン電子ダイヤル71が、右方向に1クリックされた場合、シャッター速度の設定値が「1/8000秒」から「AUTO」に変更され、設定表示画面は図13(A)に遷移する。このように、非測光状態では、「Auto」の設定値への変更を可能とし、具体的な値を持つ設定値と「Auto」の設定値との間を行き来することが可能である。
次に、図9を参照して、露出調整モードにおける測光状態でのパラメータの変更処理(図4のS416)の詳細について説明する。
S900で、システム制御部50は、図10(A)〜(D)に示すテーブルのうち、現在選択中のパラメータに対応するテーブルを参照して、現在選択中のパラメータの設定値または仮設定値(S408参照)を示すテーブルナンバー(N)を取得する。現在選択中のパラメータが、測光開始前から「Auto」以外の値に設定されていた項目である場合は、すでにユーザにより設定された設定値のテーブルナンバーを取得する。また、現在選択中のパラメータが測光開始前は「Auto」に設定されていた場合であっても、既に図9のパラメータ変更処理が行われている場合も、設定値を取得する。測光結果に基づいて算出された仮設定値が設定されている場合には、システムメモリ52より仮設定値を取得する。
S901で、システム制御部50は、図10(A)〜(D)に示すテーブルのうち、現在選択中のパラメータに対応するテーブルを参照して、現在選択中のパラメータの下限を示すテーブルナンバー(N_Min)を取得する。
S902で、システム制御部50は、図10(A)〜(D)に示すテーブルのうち、現在選択中のパラメータに対応するテーブルを参照して、現在選択中のパラメータの上限を示すテーブルナンバー(N_Max)を取得する。
S903で、システム制御部50は、メイン電子ダイヤル71の回転方向が右であるか否かを判定する。回転方向が右の場合、処理はS904に進み、回転方向が左の場合、処理はS905に進む。
S904で、システム制御部50は、S900において取得したテーブルナンバー(N)をインクリメントする。
S905で、システム制御部50は、S900において取得したテーブルナンバー(N)をデクリメントする。
S906で、システム制御部50は、S904においてインクリメントしたテーブルナンバー(N)が、S902において取得したテーブルナンバー(N_Max)を上回っているか否かを判定する。N>N_Maxの場合、処理はS908に進み、そうでない場合、処理はS910に進む。
S907で、システム制御部50は、S905においてデクリメントしたテーブルナンバー(N)が、S901において取得したテーブルナンバー(N_Min)を下回っているか否かを判定する。N<N_Minの場合、処理はS909に進み、そうでない場合、処理はS910に進む。
S908で、システム制御部50は、現在選択中のパラメータの仮設定値を示すテーブルナンバー(N)に、S902において取得したテーブルナンバー(N_Max)を代入する。
S909で、システム制御部50は、現在選択中のパラメータの仮設定値を示すテーブルナンバー(N)に、S901において取得したテーブルナンバー(N_Min)を代入する。
S910で、システム制御部50は、図10(A)〜(D)に示すテーブルのうち、現在選択中のパラメータに対応するテーブルを参照して、S903〜S909において更新されたテーブルナンバー(N)に対応する設定値を取得する。そして、システム制御部50は、取得した設定値により、現在選択中のパラメータの設定値を更新し、仮設定値ではなく設定値としてシステムメモリ52に記録する。すなわち、仮設定値からユーザにより設定値の変更操作がされると変更後の値が設定値としてシステムメモリ52に記録される。そして、システム制御部50は、設定表示画面に、更新された設定値を表示する。
例えば、シャッター速度、絞り値、ISO感度の設定値が「Auto」であり、露出補正値の設定値が「0」である場合を考える。この場合、測光開始前は、表示部28の設定表示画面は、図13(A)に示す状態である。その後、測光処理が実行され、図4のS408において仮設定値が記憶されると、設定表示画面は、例えば図13(C)に遷移し、「Auto」となっている設定値について、仮設定値の値を表示する。ここでは、シャッター速度の仮設定値は「8000」(1/8000を意味する)であり、カーソル1301はシャッター速度を指している。即ち、現在選択中のパラメータは、シャッター速度である。そして、絞り値の仮設定値は「2.0」(F2.0を意味する)、ISO感度の仮設定値は「5000」である。そして、設定値が「Auto」であり、仮設定値が表示されるものについては、図13(C)のように仮設定値の下に下線を表示する。この状態において、ユーザがメイン電子ダイヤル71を左方向に1クリックすると、S905において、Nが、1/6400秒に対応する「53」に変化する。そして、S910において、シャッター速度の設定値が「Auto」から「1/6400秒」に更新され、仮設定値(1/8000秒)はシステムメモリ52から削除される。もしくは、仮設定値として記録されるが、設定値が設定されたので、撮影には用いられない。このとき、表示部28の設定表示画面は、図13(C)から図13(D)に遷移する。図13(D)では、図13(C)からはシャッター速度に関する表示が変更され、シャッター速度として1/6400秒を意味する「6400」が表示され、さらに、シャッター速度には仮設定値であることを示す下線は表示されなくなる。測光状態において仮設定値を表示するようにすると、「Auto」が設定されている設定項目についても撮影時に時に使用される設定値を確認できるようになる。しかし、表示されている設定値が、ユーザにより選択された設定値であるか、測光処理で演算した仮設定値であるかが分からなくなってしまう。そのため、仮設定値の値を表示する場合には下線を付加して表示することで、「Auto」が設定されており、表示されている設定値は測光処理で演算した仮設定値であることをユーザが識別できるようになる。本実施形態では、仮設定値には下線を付加して表示するものとした。しかし、下線を表示せずに、設定値の表示色やフォントを変えて表示形態を変更してもよい。また、下線ではない他の表示アイテムを付加して表示したりすることにより、表示中の設定値が仮設定値であること(「Auto」が設定されていること)を識別できるように表示してもよい。このように制御することで、測光状態では、測光演算値(仮設定値)からの露出調整が可能となる。
また、図13(D)に示される設定表示画面の状態において、ユーザがメイン電子ダイヤル71を右方向に2クリックした場合、シャッター速度の設定値は「1/6400秒」から「1/8000秒」に更新されるが、「Auto」には更新されない。つまり、測光状態においては「Auto」の設定値への変更を不可にしている。測光状態において設定値が「Auto」以外から「Auto」に変更されてしまうと、再測光が行われて仮設定値が決定される。よって、測光状態では、非測光状態の場合(図8参照)と異なり、メイン電子ダイヤル71の操作により設定値を「Auto」に変更せず、十字キー74への操作によってAutoに変更する。これにより、ユーザがAutoに設定したのに、設定できなかった(実際にはAutoに設定されているが仮設定値が表示されるので)と認識してしまう可能性を低減することができる。
また、図13(D)に示す状態において測光タイマーが終了し、図4のS411の処理が行われた場合を考える。この場合、シャッター速度の設定値はS910において「1/6400秒」に更新されているが、露出調整されていない絞り値及びISO感度の設定値は「Auto」のままである。従って、S411において、絞り値及びISO感度の設定値は、仮設定値からAutoへと変わり、表示部28の設定表示画面は、図13(D)から図13(E)に遷移する。このように、測光タイマーが終了した場合、測光状態で変更されたパラメータ以外のパラメータは、測光開始前の設定値である「Auto」に戻る。これにより、次回からの撮影の際に、すぐ前回の撮影終了前と同じ状態から、撮影を開始することが可能となる。なお、S910において設定値を更新する際に、測光開始前の設定値を記憶しておき、測光タイマー終了時に全てのパラメータを測光開始前の設定値に戻すように構成してもよい。つまり、Autoであった項目が、仮設定値から設定値へと変更されたとしても、測光タイマー終了後にAutoへ戻るようにしてもよい。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、デジタルカメラ100は、複数の表示項目のうち、選択中の表示項目の設定をAutoにするのと、複数の表示項目の設定をAutoにするのとを操作により、いずれも容易に行うことができる。デジタルカメラ100は、複数の表示項目の表示中に、第1のユーザ操作(十字キー74の左の押下等)に応じて、選択された露出パラメータに「Auto」を設定するように制御する。また、デジタルカメラ100は、複数の表示項目の表示中に、第2のユーザ操作(十字キー74の右の押下等)に応じて、複数の露出パラメータに「Auto」を設定するように制御する。
例えばユーザがマニュアルでパラメータの設定変更を行ったが所望の撮影状態を得られなかった場合に、パラメータを瞬時にAutoに設定可能な全ての項目をAutoにすることが可能である。撮影状態に応じて、いずれかの項目の設定値を設定したり、Autoにしたりすることができるので、モードを切り替えなくても素早く所望の露出設定にすることができる。これにより、ユーザが設定値の設定が所望のものとならず、設定値の調整を行っている間に撮影機会を逃したりする可能性が低減される。また、被写体の明るさが急激に変わった場合に1つ1つ項目の設定値を変更しなくてもAutoに設定可能な全ての項目をAutoにすることで容易に適切な露出で撮影を行える。さらに、基本的には絞り数値をAutoでシャッター速度の設定値を変更しながら撮影をしたい(Tvモード相当)ような場合にも、シャッター速度を適切な露出(Auto)に簡単に設定できるので、素早くユーザ所望の設定値へと設定をすることができる。
露出調整モードの有効な例としては、マニュアルモード撮影において、追っている被写体が日向いており明るい状態で、急に雲がかかって日陰に入ってしまい、被写体輝度が大きく変化し、現状の設定と、適正露出とする為の設定が大きく離れてしまう場合がある。このような時、適正露出にして素早く撮影を行いたいが、一手で容易に適正露出にするためにはモード切替スイッチ60を操作してPモードにしなければならない。また、適正露出にした後に例えばユーザが被写界深度を変更したい場合には、Av値にカーソルを合わせてダイヤルを回すだけでAv値が固定され、被写体の流れ方を変えたい場合には同様にTv値にカーソルを合わせてダイヤルを回すだけでTv値が固定される。このように、適正露出に素早く設定可能することができつつも、適正露出にした後にモードを変更する操作をすることなく、ユーザが選択した項目の設定値を変えることができる。すなわち、露出調整モードでは、モードを変更しなくても、ワンアクションでPモード相当の動きをする状態にし、さらに適正露出にした状態からモードを変更しなくても、ダイヤルを回転するだけでユーザ所望の項目の設定値を変更することができる。
さらに、設定を変更した後に再び撮影中に被写体輝度の変化が激しくなった場合には、AutoにすることでPモードの動きを継続する為、適正露出で撮影をすることが可能となる。このように、Pモード相当の動きと、Avモード相当、Tvモード相当、Mモード相当とを切り替えることができるので、明るさが急激に変化したり、適正露出の状態からボケや流れ方を変えたい場合にモードを切り替えることなく素早く設定することができる。
また、Mモード相当にしていたが、急激に明るさが変わった場合に、絞り値は現在の設定から変えたくないが、シャッター速度だけ素早く変えたい場合にもシャッター速度だけをAutoにすることができる。例えば、シャッター速度を1/2500に設定していたが、急激に明るさが変化した場合に1/320あたりまで設定値を変更したいとユーザが思った場合には、Mモードでは1/2500から1/320までダイヤルを回転する必要がある(例えば9クリック分)。ここで、露出調整モードでは一手でAutoにすることで1/320近くまで変更することができる。例えば、Autoにして1/250まで一手で設定値を変更できれば、その後は1クリック分ダイヤルの回転をすればよいので、操作量が減る。
このように、全てのモード変更と同等の動きをモード変更を行うことなく可能になる。
上述した実施形態においては、選択項目の設定値を変更するためのダイヤル回転操作(第1の操作)と、項目をAutoに設定するためのボタン操作(第2の操作)とは、その操作方法が異なることを説明した。よって、ユーザは、細かく設定を変更するか、もしくは簡単にAutoにするのかを操作方法によって区別して認識できる。タッチ操作によって行う場合には、設定値の候補とAutoとを選択可能なバーがあり(例えばAutoは端位置に対応する)、バー上をタッチすることにより、設定の変更が可能となる。また、選択項目をAutoにするためのアイテムと、Autoに設定可能な全ての項目をAutoにするためのアイテムとが表示され、アイテム上をタッチすることにより設定可能としてもよい。
また、ダイヤル操作に応じて、Auto、複数の設定値の候補とからいずれかを設定可能であることを説明したが、ダイヤル操作に応じては、Autoに設定しないようにしてもよい。つまり、例えば、ダイヤル操作に応じてはAutoを含まない複数の設定値の候補から設定値を設定可能とし、ボタン操作に応じてAutoに設定可能としてもよい。さらに、タッチ操作によって行う場合には、Autoを示さず設定値の候補を示すバーと、Autoを示すアイテムとを別々に表示してもよい。
なお、上の説明では、設定項目の例として、露出パラメータ(露出制御に関する1以上の設定項目)を採用した。しかしながら、本実施形態の設定項目は、露出パラメータに限定されない。例えば、設定項目は、オートフォーカスの測距点に関する設定項目であってもよい。この場合、オートフォーカスにおける自動測距中にユーザがメイン電子ダイヤル71を操作した場合に、測距点を、追尾測距点から任意の測距点に変更する制御を行う構成に対して、本実施形態の構成を適用することが可能である。或いは、設定項目は、オートホワイトバランスに関する設定項目であってもよい。
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は、1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、設定項目を制御する制御装置であれば適用可能である。即ち、本発明は、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤーなどに適用可能である。また、本発明は、ゲーム機、電子ブックリーダー、タブレット端末、スマートフォン、投影装置、ディスプレイを備える家電装置や車載装置などにも適用可能である。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。