JP2019216136A - 静止誘導器 - Google Patents

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秀勇 松原
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Abstract

【課題】巻線の冷却効率を向上させることができる静止誘導器を得ること。【解決手段】静止誘導器100は、鉄心脚1c1の外周面を取り囲むように鉄心脚1c1の周囲に巻かれる電線と絶縁部材とが多層に積層して構成される筒状の巻線3−1と、巻線3−1の下端部から上端部に向けて貫通する冷媒流路6が形成されるように巻線3−1の径方向に隣接する絶縁部材同士の間に設けられる柱状部材5と、を備える。柱状部材5の径方向の外側面に接する絶縁部材には、巻線3−1の上端部よりも巻線3−1の上側に突き出ると共に、鉄心脚1c1の外周面の内、鉄心脚1c2と向き合う第1面11以外の第2面12をC字状に囲む第1絶縁部4−31が設けられることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、鉄心と鉄心に設けられる巻線とを備える静止誘導器に関する。
特許文献1には、冷却媒体で満たされた筐体の内部に設置される静止誘導器が備える巻線の冷却効率を向上させる技術が開示される。特許文献1に開示される静止誘導器では、鉄心の鉄心脚部の周囲を取り囲むように設けられる筒状の巻線の内部に、巻線の下端部から上端部に向けて伸びる複数の柱状部材が配置されることにより、柱状部材の間に隙間が形成される。柱状部材の上端部分は、巻線の上端部よりも巻線の上側に突き出ており、この突き出た部分に帯状片が設けられる。柱状部材及び帯状片を設けることにより、巻線には、巻線の下端部から上端部に貫通する冷媒流路が形成される。冷媒流路は、柱状部材の突き出た部分だけ延伸されているため、帯状片がない場合に比べて煙突効果が増加する。これにより、巻線の内部を通過する冷却媒体の流速が高まり、巻線が効果的に冷却される。
実開昭57−022219号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、鉄心脚部の第1側面から第4側面の内、1つの側面と向き合う部分のみに冷媒流路が形成される。そのため、冷媒流路の上部から排出された冷却媒体は、筐体の側面板で冷却されて筐体の底板に向かって下降する途中で、鉄心脚部の第1側面に隣接する第2側面及び第3側面と向き合う領域に存在する巻線で温められた高温の冷却媒体によって、再び冷媒流路の上部へ誘導される。従って、特許文献1に開示される技術では、冷媒流路から排出された冷却媒体が筐体の天板付近で循環し続けてしまい、冷却された冷却媒体が巻線の下端部に到達せず、冷却された冷却媒体を巻線の冷媒流路に流すことができない。このように、特許文献1に開示される技術では、筐体の側面板で冷却された冷却媒体を利用して巻線の冷却効率を向上させることができないという課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、巻線の冷却効率を向上させることができる静止誘導器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の静止誘導器は、第1鉄心ヨークと、第1鉄心ヨークから一定距離隔てて第1鉄心ヨークの下側に配置される第2鉄心ヨークと、第1鉄心ヨークから第2鉄心ヨークに向けて伸びる第1鉄心脚と、第1鉄心ヨークから第2鉄心ヨークに向けて伸びて第1鉄心脚から一定距離隔てて第1鉄心脚と平行に配置される第2鉄心脚とを有する鉄心を備える。静止誘導器は、第1鉄心脚の外周面を取り囲むように第1鉄心脚の周囲に巻かれる電線と絶縁部材とが多層に積層して構成される筒状の巻線と、巻線の径方向に隣接する絶縁部材同士の間に設けられ、巻線の下端部から上端部に向けて貫通する冷媒流路を形成する流路形成部材と、を備える。流路形成部材の径方向の外側面に接する絶縁部材には、巻線の上端部よりも巻線の上側に突き出ると共に、第1鉄心脚の外周面の内、第2鉄心脚と向き合う第1面以外の面をC字状に囲む第1絶縁部が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、巻線の冷却効率を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る静止誘導器と内部に静止誘導器が設けられる筐体とを示す図 図1に示す鉄心の斜視図 図2に示す3つの鉄心脚のそれぞれに巻線が設けられた状態を示す図 図1に示すIV−IV矢視断面図 図4に示すV−V矢視断面図 図1に示す巻線への通電時に生じる冷却媒体の流れを説明するための図 比較例に係る静止誘導器と内部に当該静止誘導器が設けられる筐体とを示す図 本発明の実施の形態の変形例に係る静止誘導器の部分拡大図
以下に、本発明の実施の形態に係る静止誘導器を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は本発明の実施の形態に係る静止誘導器と内部に静止誘導器が設けられる筐体とを示す図である。筐体200の内部には、実施の形態に係る静止誘導器100が設けられる。静止誘導器100は、鉄心1と3つの巻線3−1,3−2,3−3とを備える三相変圧器である。図1では、左手系のXYZ座標において、静止誘導器100の上下方向をX軸方向とし、3つの巻線3−1,3−2,3−3の配列方向をZ軸方向とし、X軸方向とZ軸方向の両者に直交する方向をY軸方向とする。X軸方向は、静止誘導器100、鉄心1の上下方向に等しく、また3つの巻線3−1,3−2,3−3のそれぞれの上下方向に等しい。上下方向は鉛直方向に等しい。上記の各軸方向は、図2以降の各図においても同様とする。以下では、3つの巻線3−1,3−2,3−3のそれぞれを区別する必要がない場合、単に巻線3と称する。
筐体200の内部は、巻線3を冷却するための冷却媒体201で満たされている。冷却媒体201は、筐体200の内部で対流する絶縁油又は絶縁のための油である。絶縁油又は絶縁のための油は、JIS2320に記載される1種から7種までの油であり、例えば鉱油、アルキルベンゼン、ポリブテン、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルアルカン、シリコーン油などを主成分とする絶縁性の油である。筐体200は、静止誘導器100の上部に設けられる天板202と、静止誘導器100の下部に設けられる底板203と、静止誘導器100の側面部に設けられる側面板204とを備える。側面板204の上下方向の一端部は、天板202に固定される。側面板204の上下方向の他端は、底板203に固定される。天板202、底板203及び側面板204の材料には、銅合金、鋳鉄、鋼、鉄合金、アルミニウム合金、オーステナイト系ステンレス合金などの金属を例示できる。筐体200は、巻線3で発生した熱により温められた冷却媒体201の温度を筐体200の外部に放射でき、かつ、冷却媒体201の外部への漏洩を防止できる構造を有すればよく、筐体200の形状は、図示例の形状に限定されるものではない。
巻線3−1の上部には第1絶縁部4−31及び第2絶縁部4−32が設けられる。巻線3−3の上部にも第1絶縁部4−31及び第2絶縁部4−32が設けられる。巻線3−2の上部には第1絶縁部4−31’及び第2絶縁部4−32が設けられる。なお、静止誘導器100には、巻線3−1及び巻線3−3の少なくとも1つに、第1絶縁部4−31及び第2絶縁部4−32が設けられていればよい。
以下では、図2〜5を参照して、巻線3、第1絶縁部4−31などの構造を詳細に説明する。図2は図1に示す鉄心の斜視図である。図3は図2に示す3つの鉄心脚のそれぞれに巻線が設けられた状態を示す図である。図4は図1に示すIV−IV矢視断面図である。図5は図4に示すV−V矢視断面図である。
鉄心1は、例えば、「E」字状に形成される複数の鋼板をY軸方向に積み重ねて構成されるEコアと「I」字状に形成されるIコアとを組み合わせたものでもよいし、2つの貫通孔が形成された複数の鋼板をY軸方向に積み重ねて構成されるものでもよい。鉄心1は、鉄心ヨーク1a1と、鉄心ヨーク1a2と、3つの鉄心脚1c1,1c2,1c3とを備える。鉄心ヨーク1a1及び鉄心ヨーク1a2のそれぞれは、Z軸方向に伸び、互いにX軸方向に離れて配置される。鉄心ヨーク1a1と鉄心ヨーク1a2との間には、3つの鉄心脚1c1,1c2,1c3が設けられる。3つの鉄心脚1c1,1c2,1c3のそれぞれは、X軸方向に伸び、互いにZ軸方向に離れて配列される。鉄心脚1cのX軸方向の一端は、鉄心ヨーク1a1に接続される。鉄心脚1c1のX軸方向の他端は、鉄心ヨーク1a2に接続される。これにより、3つの鉄心脚1cと鉄心ヨーク1a1と鉄心ヨーク1a2とが、磁気的に接続される。以下では、3つの鉄心脚1c1,1c2,1c3のそれぞれを区別する必要がない場合、単に鉄心脚1cと称する。
鉄心脚1c1には巻線3−1が設けられる。図5に示すように、巻線3−1は、電線2と、流路形成部材である柱状部材5と、複数の絶縁部材4−1,4−2,4−3,4−4とを備える。以下では、複数の絶縁部材4−1,4−2,4−3,4−4のそれぞれを区別する必要がない場合、単に絶縁部材4と称する。電線2は、銅線、アルミニウム線、アルミニウム合金線などの導電性の配線である。絶縁部材4は例えば絶縁紙である。絶縁紙の厚みは、例えば0.1mmから0.8mmまでの寸法に設定される。なお、絶縁部材4は、絶縁性の材料を用いて製造されるフィルム状の部材であればよく、絶縁紙に限定されない。
巻線3−1は、鉄心脚1c1の外周面1c11を取り囲むように、鉄心脚1c1の周囲に巻かれる電線2と絶縁部材が多層に積層して筒形状に形成されたものである。図5に示す例では、電線2と柱状部材5と複数の絶縁部材4とが、巻線3−1の内側面3Iから外側面3Oに向かって、絶縁部材4−1、電線2、絶縁部材4−2、柱状部材5、絶縁部材4−3、電線2、絶縁部材4−4の順で配列される。巻線3−1の内側面3Iは、巻線3−1の鉄心脚1c1と向き合う面である。向き合うとは、2つの物が互いに見通せる状態にあることを意味する。
柱状部材5は、絶縁部材4−2と絶縁部材4−3との間に設けられている。複数の柱状部材5のそれぞれは、巻線3−1の下端部3Dから上端部3Uに向けて伸びる棒状の部材である。複数の柱状部材5は、電線2が伸びる方向に互いに離れて配列される。電線2が伸びる方向は、図4に矢印D1で示される方向に等しい。柱状部材5は、巻線3−1の内部に冷却媒体201を通過させるための複数の冷媒流路6を形成するための部材である。柱状部材5は、シリコーンゴム、ポリイソブチレンゴム、アクリルゴムなどの絶縁性の樹脂を用いてダイカストにより棒状に製造したものでもよいし、アルミニウム合金、オーステナイト系ステンレス合金、銅合金、鋳鉄、鋼、鉄合金などの金属を用いてダイカストにより棒状に製造したものでもよい。複数の冷媒流路6のそれぞれは、巻線3−1の下端部3Dから上端部3Uに向けて貫通する。
なお、柱状部材5の位置は、巻線3−1の内部に冷媒流路6を設けることができればよく、図示例の位置に限定されない。また柱状部材5のX軸方向の長さは、巻線3−1の内部に冷媒流路6を設けることができれば、巻線3−1の上端部3Uから下端部3Dまでの長さよりも短くてもよいし、当該長さよりも長くてもよい。また電線2及び絶縁部材4の積層数は、巻線3−1の内部に柱状部材5を設けることができればよく、図示例に限定されない。
絶縁部材4−3は、巻線3−1の径方向において、柱状部材5の外側面5Oに接している。径方向は、YZ平面上で、巻線3−1の内側面3Iと外側面3Oとを結ぶ仮想線D2が伸びる方向に等しい。絶縁部材4−3には第1絶縁部4−31が設けられる。第1絶縁部4−31は、巻線3−1の上端部3Uよりも巻線3−1の上側に突き出ると共に、鉄心脚1c1の外周面1c11の内、第2鉄心脚である鉄心脚1c2と向き合う第1面11以外の面である第2面12を取り囲むように、YZ断面がC字状の部材である。C字状とは、環状部材の一部が開放された形状を意味し、円弧状、コ字状などを含む。なお、図4に示される鉄心脚1c1はYZ断面が四角形状であるため、鉄心脚1c1には、1つの第1面11と、3つの第2面12とが形成される。第1絶縁部4−31は、3つの第2面12と向き合うように配置される。なお、第1絶縁部4−31は、少なくともその一部が3つの第2面12と向き合うように配置されていればよく、例えば、第1絶縁部4−31の、鉄心ヨーク1a1の下側領域の一部が、鉄心脚1c1の第2面12に垂直な法線上に存在していればよい。
また、絶縁部材4−3には、図3及び図4に示すように第2絶縁部4−32が設けられる。第2絶縁部4−32は、第1絶縁部4−31のYZ平面上の端部と、鉄心ヨーク1a1の側面22との間に設けられる部材である。鉄心ヨーク1a1の側面22は、鉄心ヨーク1a1のY軸方向側の端面である。第2絶縁部4−32は、絶縁部材4−3及び第1絶縁部4−31と一体に形成されたものでもよいし、絶縁部材4−3及び第1絶縁部4−31とは別に製造された後に取り付けられたものでもよい。第2絶縁部4−32は、第1絶縁部4−31と同様に、巻線3−1の上端部3Uよりも巻線3−1の上側に突き出ている。さらに、第2絶縁部4−32は、電線2が伸びる方向に沿って、第1絶縁部4−31から鉄心ヨーク1a1に向かって伸びると共に、鉄心脚1c1の第1面11と向き合う。なお、第2絶縁部4−32は、その一部が鉄心脚1c1の第1面11と向き合うように配置されていればよく、例えば、第2絶縁部4−32の、鉄心ヨーク1a1の側面22側の先端が、鉄心脚1c1の第1面11に垂直な法線上に存在していなくても、鉄心脚1c1の第1面11を見通せる位置に存在していればよい。
鉄心脚1c2には巻線3−2が設けられる。巻線3−2は、巻線3−1と同様に、電線2と絶縁部材4が多層に積層して筒形状に形成されたものである。巻線3−2には、複数の柱状部材5と、第1絶縁部4−31’と、第2絶縁部4−32とが設けられる。巻線3−2に設けられる第1絶縁部4−31’は、鉄心脚1c2の外周面1c21の内、鉄心脚1c1又は鉄心脚1c3と向き合う第1面13以外の第2面14と向き合う位置に設けられる。巻線3−2に設けられる第2絶縁部4−32は、電線2が伸びる方向に沿って、巻線3−2に設けられる第1絶縁部4−31’から鉄心ヨーク1a1に向かって伸びると共に、鉄心脚1c2の第1面13と向き合う。
鉄心脚1c3には巻線3−3が設けられる。巻線3−3は、巻線3−1と同様に、電線2と絶縁部材4が多層に積層して筒形状に形成されたものであり、鉄心脚1c3の外周面1c31を取り囲むように設けられる。巻線3−3には、巻線3−1と同様に、複数の柱状部材5と、第1絶縁部4−31と、第2絶縁部4−32とが設けられる。巻線3−3に設けられる第1絶縁部4−31は、鉄心脚1c3の外周面1c31の内、鉄心脚1c2と向き合う第1面15以外の第2面16と向き合う位置に設けられる。巻線3−3に設けられる第2絶縁部4−32は、電線2が伸びる方向に沿って、第1絶縁部4−31から鉄心ヨーク1a1に向かって伸びると共に、鉄心脚1c3の第1面15と向き合う。
次に図6を用いて、静止誘導器100の巻線3に通電されたときに生じる冷却媒体201の流れについて説明する。図6は図1に示す巻線への通電時に生じる冷却媒体の流れを説明するための図である。なお図6では、説明を簡単化するため、巻線3−1に形成される冷媒流路6に流れる冷却媒体201について説明する。また図6では、図4に示される巻線3−1に設けられる複数の冷媒流路6の内、2つの冷媒流路6のみが示される。図6に示される2つの冷媒流路6の内、一方は、図4に示される鉄心脚1c1のZ軸方向の第2面12と向き合う位置に設けられるものであり、他方は、図4に示される鉄心脚1c1のY軸方向に第2面12と向き合う位置に設けられるものである。なお、巻線3−3に形成される冷媒流路6への冷却媒体201の流れは、巻線3−1に形成される冷媒流路6への冷却媒体201の流れと同様であり、以下ではその説明を割愛する。
通電により巻線3−1の温度が上昇すると、巻線3−1の熱が冷媒流路6の内部に存在する冷却媒体201に伝わり、当該冷却媒体201の温度が上昇する。温度が上昇して高温になった冷却媒体cmhは、巻線3−1の上端部3Uから巻線3−1の外部に排出される。冷却媒体cmhの熱が筐体200の側面板204に伝わることにより、冷却媒体cmhの温度は低下する。このようにして温度が低下することによって低温になった冷却媒体cmhは、冷却媒体cmlとして、筐体200の底板203に向かって下降する。底板203に向かって下降する冷却媒体cmlと、天板202に向かって上昇する冷却媒体cmhとの間には、断面がC字状の第1絶縁部4−31が存在するため、第1絶縁部4−31が冷却媒体cmlと冷却媒体cmhとの間を仕切る壁となり、冷却媒体cmlが冷却媒体cmhに引き寄せられることがない。そして、冷却媒体cmlが筐体200の底板203に向かって下降する途中で、冷却媒体cmlの熱が筐体200の側面板204に伝わり、筐体200の外部に放射されるため、冷却媒体cmlの温度はさらに低下する。このようにして低温になった冷却媒体cmlは、巻線3−1の下端部3Dまで到達すると、冷媒流路6の煙突効果により、冷媒流路6の内部へ引き込まれ、巻線3−1の冷却に利用される。
図7は比較例に係る静止誘導器と内部に当該静止誘導器が設けられる筐体とを示す図である。図7に示す静止誘導器100Aは、第1絶縁部4−31及び第2絶縁部4−32の代わりに、第1絶縁部4−31Aを備える。第1絶縁部4−31Aは、鉄心脚1c1の外周面1c11の内、鉄心脚1c1のZ軸方向の第2面12と向き合う位置にのみ設けられる断面が平板形状の部材である。静止誘導器100Aでは第1絶縁部4−31AがC字状に形成されていないため、筐体200の側面板204で冷却されて低温になった冷却媒体cmlは、筐体200の底板203に向かって下降する途中で、鉄心脚1c1のY軸方向の第2面12と向き合う位置に設けられる冷媒流路6から排出される高温の冷却媒体cmhに引き寄せられ、再び冷媒流路6の上部へ誘導される。従って、第1絶縁部4−31Aが設けられる静止誘導器100Aでは、冷却媒体cmlが、筐体200の天板202付近で循環し続けてしまい、巻線3−1の下端部3Dに到達しないため、冷媒流路6の内部に導入されない。
これに対して実施の形態に係る静止誘導器100は第1絶縁部4−31を備えるため、下降する途中の低温の冷却媒体cmlが、高温の冷却媒体cmhによって冷媒流路6の上部へ誘導されることを抑制できる。これにより、低温の冷却媒体cmlが巻線3−1の下端部3Dに到達して、巻線3−1の冷却に利用される。その結果、図7に示す静止誘導器100Aに比べて、巻線3−1の冷却効率が向上する。
なお、第1絶縁部4−31が、図5に示す柱状部材5の内側面5Iに接する絶縁部材4−2に設けられている場合、図4に示す冷媒流路6は、第1絶縁部4−31の径方向の外側に位置する。従って、第1絶縁部4−31は、冷却媒体cmlと冷却媒体cmhとの間を仕切ることができない。これに対して実施の形態に係る静止誘導器100では、第1絶縁部4−31が、柱状部材5の外側面5Oに接する絶縁部材4−3に設けられているため、第1絶縁部4−31が冷却媒体cmlと冷却媒体cmhとの間を仕切る壁となり、冷却媒体cmlが冷却媒体cmhに引き寄せられることがない。
また静止誘導器100では、第1絶縁部4−31のYZ平面上の端部と鉄心ヨーク1a1の側面22との間に、第2絶縁部4−32が設けられている。そのため、例えば、筐体200の側面板204で冷却されて低温になった冷却媒体cmlが、筐体200の底板203に向かって下降する途中で、鉄心脚1c1の鉄心脚1c2側の第2面12と向き合う位置に設けられる冷媒流路6から排出される高温の冷却媒体cmhに引き寄せられることを抑制できる。従って、第2絶縁部4−32が設けられていない場合に比べて、冷媒流路6への低温の冷却媒体cmlの導入量が増加し、巻線3の冷却効率が一層向上する。
なお、第2絶縁部4−32は、電線2が伸びる方向の先端面21が、鉄心ヨーク1a1の側面22に接するように構成することが望ましい。この構成により、鉄心ヨーク1a1の側面22と第2絶縁部4−32の先端面21との間の隙間を無くすことができる。当該隙間が存在する場合、筐体200の側面板204で冷却されて低温になった冷却媒体cmlが、筐体200の底板203に向かって下降する途中で、当該隙間から漏れ出る高温の冷却媒体cmhに引き寄せられてしまうが、当該隙間が無くなることにより、冷却媒体cmlが冷却媒体cmhに引き寄せられることを抑制できる。従って、第2絶縁部4−32の先端面21が鉄心ヨーク1a1の側面22に接していない場合に比べて、冷媒流路6への低温の冷却媒体cmlの導入量が増加し、巻線3の冷却効率がより一層向上する。
なお、第1絶縁部4−31及び第2絶縁部4−32には、巻線3−1の絶縁部材として広く利用されている絶縁紙を用いることが望ましい。絶縁紙を用いることにより、例えば絶縁性の樹脂を用いてダイカストにより製造される部材を用いる場合に比べて、第1絶縁部4−31及び第2絶縁部4−32の製造コストを低減することができる。
図8は本発明の実施の形態の変形例に係る静止誘導器の部分拡大図である。図8に示す静止誘導器100Bでは、図5に示す柱状部材5の代わりに、X軸方向の寸法が柱状部材5よりも長い柱状部材5Aが用いられる。柱状部材5Aの下端部5A1は、巻線3−1の下端部3D付近に位置する。柱状部材5Aの上端部5A2は、第1絶縁部4−31の上端部17付近に位置している。このように、柱状部材5Aは、上端部5A2が巻線3−1の上端部3Uよりも巻線3−1の上側に突き出ている。このように構成された柱状部材5Aを用いることにより、冷却媒体201の流動時に、柱状部材5Aが第1絶縁部4−31の折れ曲がりを防ぐ補強部材として機能する。そのため、例えば、第1絶縁部4−31に厚さが薄い絶縁紙などが利用されている場合でも、冷却媒体201の流動によって、第1絶縁部4−31が折れ曲がることを防止できる。従って、第1絶縁部4−31によって、図4に示す冷媒流路6からの冷却媒体201の排出が妨げられずに済み、巻線3−1の冷却効率が低下することを抑制できる。
なお静止誘導器100,100Bには、例えば鉄心脚1c1を第1鉄心脚とし、鉄心脚1c2を第2鉄心脚として、3つの鉄心脚1c1,1c2,1c3を備える鉄心1が利用されているが、例えば、鉄心脚1c1を第1鉄心脚とし、鉄心脚1c3を第2鉄心脚として、2つの鉄心脚1c1,1c3を備える鉄心1を利用してもよい。この場合、静止誘導器100,100Bは、単相型の変圧器として機能する。このように、静止誘導器100,100Bが、単相型の変圧器として構成される場合、鉄心脚1c1に設けられる巻線3−1と、鉄心脚1c3に設けられる巻線3−3との少なくとも1つに、第1絶縁部4−31及び第2絶縁部4−32が設けられていればよい。
また本実施の形態では、YZ断面が四角形状の鉄心脚1cを有する鉄心1を用いた静止誘導器100,100Bの構成例について説明したが、鉄心脚1cの形状は、これに限定されず、例えばYZ断面が円柱形状のものでもよい。
また、本実施の形態では、流路形成部材として柱状部材5が用いられているが、冷媒流路6を形成する部材は、径方向に隣接する絶縁部材4の間に冷媒流路6を形成することができる部材であればよく、柱状の部材に限定されない。例えば、図5に示される絶縁部材4−3の絶縁部材4−2側の面に、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに互いに離れて配列される複数の突起を流路形成部材として設けてもよいし、絶縁部材4−2の絶縁部材4−3側の面に当該複数の突起を流路形成部材として設けてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 鉄心、1a1,1a2 鉄心ヨーク、1c,1c1,1c2,1c3 鉄心脚、1c11,1c21,1c31 外周面、2 電線、3,3−1,3−2,3−3 巻線、3D,5A1 下端部、3I,5I 内側面、3O,5O 外側面、3U,5A2,17 上端部、4,4−1,4−2,4−3,4−4 絶縁部材、4−31,4−31’,4−31A 第1絶縁部、4−32 第2絶縁部、5,5A 柱状部材、6 冷媒流路、11,13,15 第1面、12,14,16 第2面、21 先端面、22 側面、100,100A,100B 静止誘導器、200 筐体、201 冷却媒体、202 天板、203 底板、204 側面板。

Claims (5)

  1. 第1鉄心ヨークと、前記第1鉄心ヨークから一定距離隔てて前記第1鉄心ヨークの下側に配置される第2鉄心ヨークと、前記第1鉄心ヨークから前記第2鉄心ヨークに向けて伸びる第1鉄心脚と、前記第1鉄心ヨークから前記第2鉄心ヨークに向けて伸びて前記第1鉄心脚から一定距離隔てて前記第1鉄心脚と平行に配置される第2鉄心脚とを有する鉄心と、
    前記第1鉄心脚の外周面を取り囲むように前記第1鉄心脚の周囲に巻かれる電線と絶縁部材とが多層に積層して構成される筒状の巻線と、
    前記巻線の径方向に隣接する前記絶縁部材同士の間に設けられ、前記巻線の下端部から上端部に向けて貫通する冷媒流路を形成する流路形成部材と、
    を備え、
    前記流路形成部材の前記径方向の外側面に接する前記絶縁部材には、
    前記巻線の上端部よりも前記巻線の上側に突き出ると共に、前記第1鉄心脚の外周面の内、前記第2鉄心脚と向き合う第1面以外の面をC字状に囲む第1絶縁部が設けられることを特徴とする静止誘導器。
  2. 前記流路形成部材の前記径方向の外側面に接する前記絶縁部材には、
    前記電線が伸びる方向に沿って前記第1絶縁部から前記第1鉄心ヨークに向かって伸びると共に、前記第1面と向き合う第2絶縁部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の静止誘導器。
  3. 前記第2絶縁部は、前記第1鉄心ヨークの側面に接することを特徴とする請求項2に記載の静止誘導器。
  4. 前記絶縁部材は絶縁紙で構成されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の静止誘導器。
  5. 前記流路形成部材は、前記第1絶縁部の上端部まで伸びる柱状部材であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の静止誘導器。
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