JP2019215487A - 治具、および、調整方法 - Google Patents

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Yasuhiro Asai
康博 浅井
勝 内田
Masaru Uchida
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Abstract

【課題】基準の位置に対するカメラの焦点が合っている位置のズレを適切に特定する。【解決手段】対象物の撮影よりも前に対象物の代わりに撮影されるべき治具は、治具の撮影時にカメラから治具へ向かうべき方向である撮影方向に対して斜めの方向である傾斜方向に延びる傾斜面を形成する傾斜面形成部と、撮影方向の位置の基準である基準位置を示す基準部と、を備えている。治具を撮影方向に垂直な投影面上に投影し、投影面上における傾斜面の延びる方向を延長方向と呼ぶ場合に、投影面上において、基準部の延長方向の位置は、傾斜面の延長方向の位置の範囲内である。【選択図】 図2

Description

本明細書は、対象物を撮影するためのカメラの焦点が合っている位置を調整するために対象物の撮影よりも前に対象物の代わりに撮影されるべき治具と、対象物を撮影するためのカメラの焦点が合っている位置を対象物の撮影よりも前に調整する調整方法と、に関する。
従来から、種々の物品を製造するにあたり、カメラによって生成される撮影画像が用いられている。例えば、特許文献1に示すように、カメラによって点火プラグを撮影し、撮影によって得られた撮影画像を解析することによって、中心電極に対する接地電極の相対位置を調整する技術が提案されている。また、特許文献2に示すように、カメラのピントを調整するために、エッジ像を形成可能なチャート板を用いる技術が提案されている。具体的には、近方チャート板と遠方チャート板とが、最も良好なピントが望まれる物体位置の前後に離れた位置に配置される。中間チャート板は、これらのチャートの間に配置される。近方、遠方および中間のチャート板のそれぞれが撮像され、得られた像が解析されて、チャート板毎のピント評価値が求められる。互いに異なる複数のピント調整量のそれぞれの像が撮像され、ピント評価値が、それぞれの像について、取得される。そして、得られたピント評価値を用いて、ピント調整が行われる。
特開2011−003478号公報 特開平08−068721号公報
チャート板を用いてカメラの焦点が合っている位置を調整する場合、複数回の撮影が行われる。ところが、複数回の撮影のためのユーザの負担が、大きかった。また、物品の製造設備によっては、チャート板を複数の位置に配置するためのスペースを確保することが困難である場合があった。このように、基準の位置に対するカメラの焦点が合っている位置のズレを特定することは、容易ではなかった。
本明細書は、基準の位置に対するカメラの焦点が合っている位置のズレを適切に特定する技術を開示する。
本明細書は、例えば、以下の適用例を開示する。
[適用例1]
対象物を撮影するためのカメラの焦点が合っている位置を調整するために、前記対象物の撮影よりも前に前記対象物の代わりに撮影されるべき治具であって、
治具の撮影時にカメラから前記治具へ向かうべき方向である撮影方向に対して斜めの方向である傾斜方向に延びる傾斜面を形成する傾斜面形成部と、
前記撮影方向の位置の基準である基準位置を示す基準部と、
を備え、
前記治具を前記撮影方向に垂直な投影面上に投影し、前記投影面上における前記傾斜面の延びる方向を延長方向と呼ぶ場合に、前記投影面上において、前記基準部の前記延長方向の位置は、前記傾斜面の前記延長方向の位置の範囲内である、
治具。
この構成によれば、治具を撮影して得られる撮影画像上において、傾斜面上の注目部分と基準部とのそれぞれの延長方向の位置は、撮影方向の位置を示している。従って、撮影画像上において、傾斜面のうちの焦点が合っている部分の延長方向の位置と、基準部の延長方向の位置と、を用いることによって、基準部によって示される基準位置に対する焦点が合っている位置の撮影方向の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
[適用例2]
適用例1に記載の治具であって、
前記基準部を形成する基準部形成部を備え、
前記基準部形成部は、第1外面と、第2外面と、前記第1外面と前記第2外面とが接続される直線状の第1エッジと、を形成しており、
前記第1外面は、前記撮影方向とは反対の方向側を向く面であって、前記治具の撮影時にカメラから見える面であり、
前記第2外面は、前記第1エッジから前記撮影方向側に向かって延びる面であって、前記投影面上において前記延長方向に垂直な面であり、
前記基準部は、前記第1エッジを含む、
治具。
この構成によれば、基準部が立体的な第1エッジを含んでいるので、治具を撮影して得られる撮影画像内において基準部を容易に特定できる。この結果、基準部によって示される基準位置に対する焦点が合っている位置の撮影方向の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
[適用例3]
適用例2に記載の治具であって、
前記投影面上の前記第1エッジの少なくとも一部において、前記第2外面は、前記第1エッジの前記第1外面側とは反対側にははみ出ずに、前記第1エッジと前記第1外面との少なくとも一方に重なっている、
治具。
この構成によれば、治具を撮影して得られる撮影画像内において、第1エッジの少なくとも一部において、第1エッジの一方側では第1外面が示され、第1エッジの反対側では第2外面がほとんど示されないので、撮影画像内において第1エッジを容易に特定できる。従って、基準部によって示される基準位置に対する焦点が合っている位置の撮影方向の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
[適用例4]
適用例1から3のいずれかに記載の治具であって、
前記傾斜面形成部は、第3外面と、前記傾斜面と前記第3外面とが接続される直線状の第2エッジと、を形成しており、
前記第3外面は、前記第2エッジから前記撮影方向側に向かって延びる面であって、前記投影面上において前記延長方向に平行な面である、
治具。
この構成によれば、治具を撮影して得られる撮影画像内における第2エッジのうちの焦点が合っている部分(すなわち、傾斜面のうちの焦点が合っている部分)を容易に特定できるので、基準部によって示される基準位置に対する焦点が合っている位置の撮影方向の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
[適用例5]
適用例4に記載の治具であって、
前記投影面上の前記第2エッジのうち前記延長方向の位置が前記基準部の位置を含む少なくとも一部の範囲に含まれる部分において、前記第3外面は、前記第2エッジの前記傾斜面側とは反対側にははみ出ずに、前記第2エッジと前記傾斜面との少なくとも一方に重なっている、
治具。
この構成によれば、治具を撮影して得られる撮影画像内において、第2エッジのうち延長方向の位置が基準部の位置を含む少なくとも一部の範囲に含まれる部分において、第2エッジの一方側では傾斜面が示され、第2エッジの反対側では第3外面がほとんど示されない。従って、撮影画像内における第2エッジの上記範囲に含まれる部分のうちの焦点が合っている部分(すなわち、傾斜面のうちの焦点が合っている部分)を容易に特定できる。この結果、基準部によって示される基準位置に対する焦点が合っている位置の撮影方向の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
[適用例6]
適用例1から5のいずれかに記載の治具であって、
前記傾斜面形成部は、前記傾斜面上で前記撮影方向の位置が変化する方向に延びるラインを備える、治具。
この構成によれば、治具を撮影して得られる撮影画像内におけるラインのうちの焦点が合っている部分(すなわち、傾斜面のうちの焦点が合っている部分)を容易に特定できるので、基準部によって示される基準位置に対する焦点が合っている位置の撮影方向の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
[適用例7]
対象物を撮影するためのカメラの焦点が合っている位置を前記対象物の撮影よりも前に調整する調整方法であって、
カメラを用いて、適用例1から6のいずれかに記載の治具を、対象物の代わりに撮影し、
撮影によって得られた撮影画像を解析することによって、前記撮影画像上の前記傾斜面の複数の部分であって前記撮影方向の位置が互いに異なる複数の部分のそれぞれのぼけの度合いを特定し、
前記ぼけの度合いが最も小さい部分の前記撮影方向の位置から、前記治具の前記基準部によって示される前記基準位置へ向かう方向に、前記カメラの焦点が合っている位置を移動させる、
調整方法。
この構成によれば、撮影画像上の傾斜面の複数の部分のうちのぼけの度合いが最も小さい部分によって示されるカメラの焦点が合っている位置を、適切に、基準部によって示される基準位置に近づけることができる。
[適用例8]
適用例7の記載の調整方法であって、
前記ぼけの度合いは、エッジ強度を用いて特定される、調整方法。
この構成によれば、エッジ強度を用いることによって、適切に、ぼけの度合いを特定できる。
[適用例9]
適用例7または8に記載の調整方法であって、
前記ぼけの度合いは、コントラストを用いて特定される、調整方法。
この構成によれば、コントラストを用いることによって、適切に、ぼけの度合いを特定できる。
[適用例10]
適用例7から9のいずれかに記載の調整方法であって、
前記治具の撮影は、前記治具の前記カメラ側とは反対側に、前記治具に光を照射する光源を配置した状態で、行われる、調整方法。
この構成によれば、撮影画像上の治具と背景との間の明るさの大きな差を利用することによって、撮影画像上の傾斜面の複数の部分のそれぞれのぼけの度合いを、容易に、特定できる。
[適用例11]
適用例7から9のいずれかに記載の調整方法であって、
前記治具の撮影は、前記治具よりも前記カメラ側に、前記治具に光を照射する光源を配置した状態で、行われる、調整方法。
この構成によれば、撮影画像上の治具の明るい画像を利用することによって、撮影画像上の傾斜面の複数の部分のそれぞれのぼけの度合いを、容易に、特定できる。
[適用例12]
適用例7から11のいずれかに記載の調整方法であって、
前記ぼけの度合いの特定の後に、前記ぼけの度合いが最も小さい部分の前記撮影画像上における特定の方向の座標と、前記基準部の前記撮影画像上における前記特定の方向の座標とを、表示装置に表示させる、
調整方法。
この構成によれば、表示装置に表示された座標を用いることによって、基準部によって示される基準位置に対する焦点が合っている位置の撮影方向の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、対象物を撮影するためのカメラの焦点が合っている位置を調整するために撮影されるべき治具、対象物を撮影するためのカメラの焦点が合っている位置の調整方法、装置の製造方法、等の形態で実現することができる。
製造システムの実施形態の一部を示す斜視図である。 治具500の斜視図と投影図とである。 合焦位置710を調整する処理の例を示すフローチャートである。 撮影画像の例を示す説明図と、画素位置と輝度値Iとの関係の例を示すグラフと、エッジ強度の算出式の例と、画素位置と輝度差DIとの関係の例を示すグラフと、である。 表示画面の例を示す概略図である。 製造システムの別の実施形態の一部を示す斜視図である。 治具500aの斜視図である。 撮影画像の例を示す説明図と、画素位置と輝度値Iとの関係の例を示すグラフと、コントラストの算出式の例と、である。 表示画面の例を示す概略図である。 別の実施形態の治具500bの斜視図である。 別の実施形態の治具500cの斜視図である。
A.第1実施形態:
図1は、製造システムの実施形態の一部を示す斜視図である。図示されたシステム1000は、製品の製造システムの例の一部である。システム1000は、製品の一部を形成する部品である組立体120を検査するシステムの例である。組立体120は、第1部材10と、第1部材10に接続された第2部材20と、を含む部品である。製品は、この組立体120を用いて製造される。
システム1000は、搬送装置910と、光源920と、デジタルカメラ700と、デジタルカメラ700によって生成された画像データを解析するデータ処理装置600と、治具500と、を含んでいる。搬送装置910は、円状の軌道911に沿って延びる環状の装置である。搬送装置910は、組立体120を嵌め込むための複数の凹部912を有している。凹部912の形状は、例えば、円柱状である。複数の凹部912は、軌道911に沿って間隔をあけて配置されている。デジタルカメラ700は、軌道911上の予め決められた撮影位置919を向くように、配置されている。デジタルカメラ700の光軸Axは、デジタルカメラ700から、撮影位置919へ向かって、延びている。Dc方向は、デジタルカメラ700から光軸Axに平行に撮影位置919へ向かう方向である(実撮影方向Dcとも呼ぶ)。本実施形態では、Dc方向は、水平な方向である。Dv方向は、鉛直下方向である(下方向Dvとも呼ぶ)。Dh方向は、Dc方向とDv方向とに垂直な、水平方向である(水平方向Dhとも呼ぶ)。以下、Dh方向を、+Dh方向とも呼び、Dh方向に反対の方向を、−Dh方向とも呼ぶ。他の符号によって示される方向についても、同様である。方向の符号の前に「+」を付加して得られる符号は、同じ方向を示している。方向の符号の前に「−」を付加して得られる符号は、反対の方向を示している。
搬送装置910は、複数の凹部912が軌道911に沿って移動するように、回転する。そして、搬送装置910は、複数の凹部912のそれぞれに嵌め込まれた組立体120を、撮影位置919へ、1つずつ順番に、搬送する。図示を省略するが、デジタルカメラ700は、撮影位置919に配置された組立体120を、撮影する(図中では、組立体120に代えて、治具500が、撮影位置919の凹部912に嵌め込まれている)。デジタルカメラ700によって生成された組立体120の撮影画像は、組立体120の検査に利用される。例えば、第1部材10に対する第2部材20の位置ずれの大きさが、撮影画像の解析によって、特定される。位置ずれの大きさが予め決められた許容範囲外である場合、組立体120は、製品の製造には利用されず、位置ずれの大きさが許容範囲内である場合に、組立体120は製品の製造に利用される。搬送装置910に対するデジタルカメラ700のおおよその位置と向きとは、光軸Axが撮影位置919に配置された組立体120(図示せず)の検査対象の部分の近傍を通るように、予め決められている。
適切な検査のために、デジタルカメラ700の焦点が組立体120の検査対象の部分に合うように、デジタルカメラ700の焦点が合っている位置710が、調整される。以下、焦点が合っている位置710を、合焦位置710とも呼ぶ。合焦位置710は、光軸Ax上の焦点が合っている位置を示している。図中の距離Dfは、デジタルカメラ700から合焦位置710までの、光軸Axに沿って測定された距離である。図示を省略するが、焦点が合っている位置は、デジタルカメラ700からの距離がおおよそ同じである面を形成する。図中の領域720は、デジタルカメラ700によって撮影される領域を示している(視野720とも呼ぶ)。ぼけていない組立体120の撮影画像を得るために、光軸Axに平行なDc方向の合焦位置710、すなわち、距離Dfが、治具500の撮影画像を用いて、調整される。光源920は、治具500の撮影時に治具500に光を照射するための光源である。本実施形態では、光源920は、治具500のデジタルカメラ700側とは反対側に、配置されている。すなわち、デジタルカメラ700、治具500、光源920は、光軸Ax上に、この順番で並んでいる。このような配置の光源920は、バックライトとも呼ばれる。なお、合焦位置710の調整は、デジタルカメラ700の実撮影方向Dcの位置を移動させる、または、デジタルカメラ700のレンズの焦点調整装置を動かす、などの方法によって、行われる。
データ処理装置600(以下、単に処理装置600とも呼ぶ)は、例えば、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータなどのコンピュータである。処理装置600は、プロセッサ610と、記憶装置615と、画像を表示する表示部640と、ユーザによる操作を受け入れる操作部650と、インタフェース670と、を有している。記憶装置615は、揮発性記憶装置620と、不揮発性記憶装置630と、を含んでいる。処理装置600の各要素は、図示しないバスを介して互いに接続されている。
プロセッサ610は、データ処理を行う装置であり、例えば、CPUである。揮発性記憶装置620は、例えば、DRAMであり、不揮発性記憶装置630は、例えば、フラッシュメモリである。不揮発性記憶装置630は、プログラム632を格納している。後述するように、プロセッサ610は、プログラム632を実行することによって、デジタルカメラ700を制御し、デジタルカメラ700から画像データを取得し、取得した画像データを解析する。また、本実施形態では、プロセッサ610は、解析結果を、表示部640に表示する。プロセッサ610は、プログラム632の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置615(例えば、揮発性記憶装置620、不揮発性記憶装置630のいずれか)に、一時的に格納する。
表示部640は、画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。操作部650は、ユーザによる操作を受け取る装置であり、例えば、表示部640上に重ねて配置されたタッチパネルである。ユーザは、操作部650を操作することによって、種々の指示を処理装置600に入力可能である。インタフェース670は、他の装置と通信するためのインタフェースである(例えば、USBインタフェース)。デジタルカメラ700は、このインタフェース670に接続されている。
図2(A)は、治具500の斜視図である。図2(B)は、別の方向から見た治具500の斜視図である。図2(A)、図2(B)中の方向Dh5、Dv5、Dc5は、デジタルカメラ700(図1)による治具500の撮影時に、方向Dh、Dv、Dcが向くべき方向を、それぞれ示している。以下、方向Dh5、Dv5、Dc5を、水平方向Dh5、下方向Dv5、撮影方向Dc5とも呼ぶ。図中の中心軸CLは、治具500の中心軸である。中心軸CLは、下方向Dv5に平行である。図2(C)は、撮影方向Dc5に垂直な投影面上に投影された治具500を示す投影図である。
本実施形態の治具500は、第1部分510と、第2部分520と、第3部分530と、第4部分540と、で構成されている。治具500の材料は、治具500の変形を抑制するのに十分な剛性を有する任意の材料であってよい(例えば、樹脂、金属など)。
第4部分540は、治具500の下方向Dv5側の端部を形成する部分である。第4部分540の形状は、中心軸CLを中心とする円柱状である。第4部分540は、搬送装置910(図1)の凹部912に嵌め込まれるように構成されている。例えば、第4部分540の外径は、凹部912の内径と、おおよそ同じである。
第3部分530は、第4部分540の−Dv5方向側に接続された部分である。第3部分530の形状は、中心軸CLを中心とする円柱状である。第3部分530の外径は、第4部分540の外径よりも、大きい。
第2部分520は、第3部分530の−Dv5方向側に接続された部分である。第2部分520の形状は、中心軸CLに平行に延びる略四角柱である。第2部分520は、−Dc5方向側を向く外面である第1外面521と、−Dv5方向側を向く外面である第2外面522と、第1外面521と第2外面522とが接続される直線状の第1エッジ523と、を形成している。第1外面521は、撮影方向Dc5におおよそ垂直である。治具500の撮影時には、第1外面521は、デジタルカメラ700(図1)から見える面である。第2外面522は、下方向Dv5におおよそ垂直である。第1エッジ523は、水平方向Dh5におおよそ平行である。第2外面522は、第1エッジ523から撮影方向Dc5に向かって延びている。図2(C)の投影面上においては、第2外面522は、第1エッジ523の外(すなわち、第1エッジ523の第1外面521側とは反対側)にははみ出ずに、第1エッジ523に重なっている。
第1部分510は、第2部分520の−Dv5方向側に接続された部分である。第1部分510の形状は、水平方向Dh5に延びる略三角柱である。第1部分510は、傾斜面511と、側面512と、傾斜面511と側面512とが接続される直線状の第2エッジ513と、を形成している。
傾斜面511は、第1部分510の−Dc5方向側を向く平らな外面である。傾斜面511は、水平方向Dh5に平行である。傾斜面511は、−Dv5方向側の上端e1から+Dv5方向側の下端e2まで傾斜方向D1に延びる略矩形状の面である。傾斜方向D1は、撮影方向Dc5に対して斜めの方向である。具体的には、傾斜方向D1は、+Dv5方向側、かつ、−Dc5方向側に向かう方向である。傾斜面511の下端e2は、上端e1よりも、−Dc5方向側に位置している。図2(C)の投影面上の方向D2は、投影面上に投影された傾斜方向D1を示している。投影面上において、傾斜面511は、方向D2に延びている(延長方向D2とも呼ぶ)。
側面512は、第1部分510の−Dh5方向側を向く外面であり、水平方向Dh5におおよそ垂直である。第2エッジ513は、水平方向Dh5におおよそ垂直である。側面512は、第2エッジ513から撮影方向Dc5に向かって延びている。図2(C)の投影面上においては、側面512は、第2エッジ513の外(すなわち、第2エッジ513の傾斜面511側とは反対側)にははみ出ずに、第2エッジ513に重なっている。なお、側面512は、第2部分520の−Dh5方向側を向く外面524と、連続している。
傾斜面511と第2部分520の第1エッジ523とは、同じ平面上に配置されている。また、傾斜面511は、第1エッジ523の−Dh5方向側に、接続されている。治具500は、撮影のために撮影位置919(図1)に治具500が配置される場合の第1エッジ523の実撮影方向Dcの位置が、検査のために撮影位置919に組立体120が配置される場合の検査対象の部分の実撮影方向Dcの位置とおおよそ同じであるように、構成されている。デジタルカメラ700の光軸Axは、撮影位置919に配置された組立体120(図示省略)の検査対象の部分に向けられている。図2(A)の実施形態では、光軸Axは、撮影位置919に配置された治具500の第1エッジ523の近傍(例えば、第1エッジ523と傾斜面511との接続部分の近傍)に、向けられる。
図2(A)では、傾斜面511上に、合焦部分820が示されている。合焦部分820は、傾斜面511上のデジタルカメラ700の焦点が合っている部分である。このような合焦部分820は、デジタルカメラ700からの距離が、デジタルカメラ700と合焦位置710との間の距離Df(図1)とおおよそ同じ部分である。傾斜面511のうち合焦部分820よりも+Dv方向側の部分は、合焦部分820よりもデジタルカメラ700に近い位置に位置している。傾斜面511のうち合焦部分820よりも−Dv方向側の部分は、合焦部分820よりもデジタルカメラ700から遠い位置に位置している。
治具500の撮影画像(図示省略)は、図2(C)の投影面上の治具500の画像とおおよそ同じ画像を、表す(ただし、後ろの部分は、前の部分によって、隠される)。このような撮影画像内において、治具500のうち、デジタルカメラ700からの距離が合焦位置710の距離Df(図1)と大きく異なる部分は、ぼけて表される。治具500のうち、デジタルカメラ700からの距離が距離Dfとおおよそ同じである部分は、シャープに表される。例えば、傾斜面511のうちの合焦部分820から遠い部分は、ぼけて表される。また、傾斜面511のうちの合焦部分820の近傍の部分は、シャープに表される。このように、傾斜面511のうちのぼけの度合いが最も小さい部分が、合焦部分820に最も近い部分、すなわち、焦点が合っている部分に相当する。以下、ぼけの度合いが最も小さい部分を、最小ぼけ部分とも呼ぶ。後述するように、組立体120の検査対象の部分にデジタルカメラ700の焦点を合わせるために、治具500の撮影画像内における傾斜面511の最小ぼけ部分が第1エッジ523の近傍に位置するように、合焦位置710が調整される。このように、第1エッジ523は、撮影方向Dc5の位置の基準である基準位置を示している。以下、第1エッジ523を、基準部523とも呼ぶ。本実施形態では、基準部523の撮影方向Dc5の位置が、基準部523によって示される基準位置である。
図3は、合焦位置710を調整する処理の例を示すフローチャートである。S110では、検査の対象物(ここでは、組立体120)に代えて、治具500が、検査の対象物を配置すべき位置である撮影位置919に配置される。図1で説明したように、治具500(図2(A))の第4部分540が、搬送装置910の凹部912に嵌め込まれる。そして、搬送装置910によって、治具500は、撮影位置919へ搬送される。ここで、搬送装置910に対する治具500の向きは、図2(A)のDh5、Dv5、Dc5方向が、Dh、Dv、Dc方向を、それぞれ向くように、調整される。
S120では、ユーザは、処理装置600(図1)の操作部650を操作することにより、位置調整のための処理を開始する指示を、入力する。プロセッサ610は、指示に応じて、プログラム632に従って、処理を開始する。具体的には、S120では、プロセッサ610は、デジタルカメラ700を制御することによって、デジタルカメラ700に治具500を撮影させる。以下、デジタルカメラ700によって生成される画像データを、撮影画像データと呼び、撮影画像データによって表される画像を、撮影画像とも呼ぶ。プロセッサ610は、デジタルカメラ700から、撮影画像データを取得する。本実施形態では、撮影画像データは、撮影画像を示すビットマップデータである。このビットマップデータは、撮影画像を示す複数の画素のそれぞれの色値を示している。各画素の色値は、例えば、赤(R)と緑(G)と青(B)との3個の色成分の値(以下、R値、G値、B値とも呼ぶ)を含んでいる。また、各成分値の階調数は、例えば、256階調である。
図4(A)は、撮影画像の例を示す説明図である。この撮影画像IMGは、治具500のうちの第1エッジ523と傾斜面511と第2エッジ513とを含む部分を表している。撮影画像IMGは、水平なX方向と垂直なY方向とに沿ってマトリクス状に配置される複数の画素によって、表される。本実施形態では、光軸Ax(図1)を中心とするデジタルカメラ700の向きは、撮影画像IMG内において、X方向が水平方向Dhとおおよそ同じであり、Y方向が下方向Dvとおおよそ同じとなるように、予め調整されている。この結果、撮影画像IMG上において、傾斜方向D1(図2(A))、ひいては、延長方向D2(図2(C))は、Y方向と、おおよそ同じである。
撮影画像IMGによって表される治具500の画像は、図2(C)の投影面上の治具500の画像と、おおよそ同じである。なお、図1で説明したように、デジタルカメラ700から見て、光源920は、治具500の後ろに配置されている。従って、撮影画像IMGのうち、治具500を表す部分は、暗い色で示され、治具500の外側の背景BGを表す部分は、明るい色で示される。このように、撮影画像IMGは、二値画像のように、治具500の影を表している。
S125(図3)では、プロセッサ610は、撮影画像データを解析することによって、撮影画像IMG内の基準部523を特定する。図2(C)で説明したように、本実施形態では、第2部分520の第2外面522は、基準部523から撮影方向Dc5に向かって延びており、デジタルカメラ700からは見えない。従って、撮影画像IMG内において、基準部523は、治具500と背景BGとの境界線によって、示される。また、図1で説明したように、本実施形態では、搬送装置910に対するデジタルカメラ700のおおよその位置と向きとは、予め決められている。従って、撮影画像IMG内において、治具500は、予め決められた位置に配置される。
プロセッサ610は、撮影画像IMG内の予め決められた第1領域523Aを解析することによって、撮影画像IMGにおける基準部523のY方向の位置Yaを特定する(以下、第1位置Yaとも呼ぶ)。なお、撮影画像IMG内の位置は、X方向の画素位置を示す番号とY方向の画素位置を示す番号とを用いて、表される。X方向の画素位置の番号は、X方向に向かって昇順に並ぶように、1から順番に割り当てられている。Y方向の画素位置の番号は、Y方向に向かって昇順に並ぶように、1から順番に割り当てられている。
第1領域523Aは、X方向に延びる矩形領域であり、基準部523の少なくとも一部を含むように、予め決められている。基準部523の第1位置Yaの特定方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、プロセッサ610は、第1領域523Aを解析することによって画像内のエッジを表す複数のエッジ画素を特定し、特定された複数のエッジ画素を、基準部523を示す複数の画素として採用する。そして、プロセッサ610は、複数のエッジ画素のそれぞれのY方向の画素位置を用いて得られる統計量(例えば、最頻値、平均値、中央値のいずれか)を、基準部523のY方向の第1位置Yaとして特定する。上述したように、延長方向D2は、Y方向と同じである。従って、特定された第1位置Yaは、延長方向D2の位置を示している。なお、エッジ画素の特定方法は、任意の方法であってよい。例えば、公知のエッジ検出フィルタ(例えば、Sobelフィルタ、Prewittフィルタなど)を画像データに適用することによって、エッジ画素が特定されてよい。エッジ画素の特定には、予め決められた特定の色成分(例えば、輝度値)が用いられてよい。プロセッサ610は、RGB色空間の階調値とYCbCr色空間の輝度値とを対応付ける公知の関係式を用いて、輝度値を算出可能である。
S130(図3)では、プロセッサ610は、撮影画像IMGを解析することによって、第2エッジ513の複数の位置のそれぞれのぼけの度合いを特定する。図2(C)で説明したように、本実施形態では、撮影画像IMG内において、第2エッジ513は、治具500と背景BGとの境界線によって、示される。第2エッジ513のぼけの度合いは、境界線のぼけの度合いによって、示される。
プロセッサ610は、撮影画像IMG(図4(A))内の予め決められた第2領域513Aを解析することによって、ぼけの度合いを算出する。第2領域513Aは、Y方向に延びる矩形領域であり、第2エッジ513の少なくとも一部を含むように、予め決められている。
図4(A)中には、画素ラインPa〜Peが示されている。第2領域513A内では、X方向に並ぶ複数の画素が、1本の画素ラインを形成している。そして、Y方向の位置が互いに異なる複数の画素ラインが、Y方向に並んで配置されている。画素ラインPa〜Peは、複数の画素ラインから説明のために選択された5本の画素ラインである。画素ラインPa〜Peは、Y方向に向かって、互いに離れて、この順番に並んでいる。撮影画像IMG内において、第2エッジ513は、Y方向に沿って延びている。第2領域513A内の複数の画素ラインのそれぞれは、第2エッジ513と交差している。
図4(A)の左部には、画素ラインPa〜Peの拡大図が示されている。これらの拡大図には、輝度分布の概要が、ハッチングを用いて示されている。ハッチングが濃いほど、輝度が低い。いずれの画素ラインPa〜Peにおいても、治具500を示す右側の部分では、輝度が低く、背景BGを示す左側の部分では、輝度が高い。また、治具500と背景BGとの境界(すなわち、第2エッジ513)の近傍における輝度の分布は、Y方向の位置に応じて変化している。具体的には、以下の通りである。図4(A)の例では、傾斜面511の合焦部分820が、画素ラインPcに近いこととしている。このように合焦部分820に近い画素ラインPcでは、治具500と背景BGとの境界(すなわち、第2エッジ513)がシャープに表現される。合焦部分820から遠い画素ラインPa、Peでは、第2エッジ513がぼやけて表現される。このように、合焦部分820に近いほど、第2エッジ513はシャープに表現される。
図4(B)、図4(C)は、X方向の画素位置と輝度値Iとの関係の例を示すグラフである。図4(B)は、合焦部分820から遠い画素ラインPaのグラフを示し、図4(C)は、合焦部分820に近い画素ラインPcのグラフを示している。図4(B)に示すように、画素ラインPa上では、輝度値Iは、第2エッジ513の近傍において、X方向の位置の変化に対して、比較的緩やかに変化する。図4(C)に示すように、画素ラインPc上では、輝度値Iは、第2エッジ513の近傍において、X方向の位置の変化に対して、比較的急に変化する。
プロセッサ610は、第2領域513Aに含まれる複数の画素ラインのそれぞれのエッジ強度を算出する。エッジ強度は、位置の変化に対する色(ここでは、輝度値)の変化の大きさを示している。図4(D)は、エッジ強度の算出式の例を示している。エッジ強度DImax(j)は、Y方向の画素位置がjである注目画素ラインのエッジ強度を示している。輝度差DI(i)は、X方向の画素位置がiである注目画素の輝度差を示している。具体的には、輝度差DI(i)は、注目画素の両隣の輝度値I(i+1)、I(i−1)の差分の絶対値である。エッジ強度DImax(j)は、注目画素ラインの複数の画素のそれぞれの輝度差DI(i)のうちの最大値である。
図4(E)、図4(F)は、X方向の画素位置と輝度差DIとの関係の例を示すグラフである。図4(E)は、合焦部分820から遠い画素ラインPaのグラフを示し、図4(F)は、合焦部分820に近い画素ラインPcのグラフを示している。図4(E)に示すように、画素ラインPa上では、輝度差DIは、第2エッジ513の近傍で、比較的に幅が広く低いピークを形成している。図4(F)に示すように、画素ラインPc上では、輝度差DIは、第2エッジ513の近傍で、比較的に幅が狭く高いピークを形成している。このように、合焦部分820から遠い画素ラインPaでは、エッジ強度DImaxは小さくなる。合焦部分820に近い画素ラインPcでは、エッジ強度DImaxは大きくなる。このように、小さいエッジ強度DImaxは、大きいぼけの度合いを示し、大きいエッジ強度DImaxは、小さいぼけの度合いを示している。
図4(A)の右部には、Y方向の位置とエッジ強度DImaxとの関係の例を示すグラフが示されている。図示するように、エッジ強度DImaxは、合焦部分820の近傍で最大となるピークを形成する。
S135(図3)では、プロセッサ610は、複数の画素ラインのエッジ強度DImaxを用いて、第2エッジ513のうちのぼけの度合いが最も小さい部分を特定する。上述したように、大きいエッジ強度DImaxは、小さいぼけの度合いを示している。プロセッサ610は、複数の画素ラインのうち、エッジ強度DImaxが最も大きい画素ラインを、第2エッジ513のうちのぼけの度合いが最も小さい部分を示す画素ラインとして、採用する。なお、撮影画像IMGの各画素の色値は、ノイズを含み得る。従って、各画素ラインのエッジ強度DImaxも、ノイズを含み得る。このようなノイズの影響を緩和するために、プロセッサ610は、図4(A)の右部のグラフによって示されるエッジ強度DImaxの分布(特に、頂点を含む一部分)を、近似関数C1で近似する。近似関数C1は、ピークの形状を近似する任意の関数であってよく、例えば、2次関数である。そして、プロセッサ610は、近似関数C1によって示されるエッジ強度DImaxが最も大きいY方向の位置Ybを特定する(第2位置Ybとも呼ぶ)。この第2位置Ybが、撮影画像IMG内の第2エッジ513のうちのぼけの度合いが最も小さい部分を示している。このような第2位置Ybは、デジタルカメラ700の焦点が合っている部分を、示している。
S140(図3)では、プロセッサ610は、解析の結果を、表示部640(図1)に、表示する。図5(A)〜図5(C)は、表示部640に表示される表示画面の例を示す概略図である。図5(A)〜図5(C)の表示画面DS1〜DS3は、撮影画像IMGと、エッジ強度DImaxのグラフGLと、座標情報CIと、を表している。グラフGLは、図4(A)の右部のグラフと同様に、Y方向の位置とエッジ強度DImaxとの関係を示している。座標情報CIは、エッジ強度DImaxが最も大きい部分のY方向の座標(すなわち、第2位置Yb)と、基準部523のY方向の座標(すなわち、第1位置Ya)と、これらの座標Ya、Ybの差(Yb−Ya)と、を含んでいる。
図5(A)の表示画面DS1は、合焦位置710(図2(A))が、基準部523よりも+Dc方向側に位置する場合の例を示している。この場合、撮影画像IMG内において、デジタルカメラ700の焦点は、傾斜面511のうちの基準部523よりも−Y方向側の部分に合っている。従って、第2位置Ybは、第1位置Yaよりも小さい。ユーザは、表示画面DS1の座標情報CIを観察することによって、容易に、デジタルカメラ700の焦点が基準部523よりも+Dc方向側にずれていることを、確認できる。
図5(B)の表示画面DS2は、合焦位置710が、基準部523とおおよそ同じ位置に位置する場合の例を示している。この場合、撮影画像IMG内において、デジタルカメラ700の焦点は、傾斜面511のうちの基準部523の近傍の部分に合っている。従って、第2位置Ybは、第1位置Yaとおおよそ同じである。ユーザは、表示画面DS2の座標情報CIを観察することによって、容易に、デジタルカメラ700の焦点が基準部523の近傍の部分に合っていることを、確認できる。
図5(C)の表示画面DS3は、合焦位置710が、基準部523よりも−Dc方向側に位置する場合の例を示している。この場合、撮影画像IMG内において、デジタルカメラ700の焦点は、傾斜面511のうちの基準部523よりも+Y方向側の部分に合っている。従って、第2位置Ybは、第1位置Yaよりも大きい。ユーザは、表示画面DS3の座標情報CIを観察することによって、容易に、デジタルカメラ700の焦点が基準部523よりも−Dc方向側にずれていることを、確認できる。
S150(図3)では、プロセッサ610は、座標の差(すなわち、第1位置Yaと第2位置Ybとの差)が許容範囲内であるか否かを判断する。本実施形態では、許容範囲は、第1位置Yaと第2位置Ybとの差の絶対値が予め決められた閾値以下である範囲である。座標の差が許容範囲内である場合(S150:Yes)、図3の処理は、終了する。ここで、プロセッサ610は、座標の差が許容範囲内であることを示す情報を、表示部640に表示してもよい。
座標の差が許容範囲内ではない場合(S150:No)、S160で、第2位置Ybから第1位置Yaへ向かう方向に、デジタルカメラ700の合焦位置710が移動される。本実施形態では、ユーザが、合焦位置710を、移動させる。ユーザは、表示部640の表示画面の座標情報CI(図5(A)〜図5(C))を参照することによって、合焦位置710を移動すべき方向と、適切な移動量とを、容易に特定できる。座標の差と適切な移動量との対応関係は、予め実験的に決められてよい。ユーザは、デジタルカメラ700のDc方向の位置を移動させる、または、デジタルカメラ700のレンズの焦点調整装置を動かす、などの方法によって、合焦位置710を移動させる。
なお、合焦位置710は、プロセッサ610によって、移動されてもよい。例えば、デジタルカメラ700には、レンズの焦点調整装置を動かすための第1電気モータが接続されてよい。そして、プロセッサ610は、第1位置Yaと第2位置Ybとに応じて第1電気モータを制御することによって、合焦位置710が基準部523に近づくように、焦点調整装置を動かしてよい。また、デジタルカメラ700は、+Dc方向と−Dc方向とに移動可能な台に固定されてよい。そして、この台には、+Dc方向と−Dc方向とに台を移動させるための第2電気モータが、接続されてよい。プロセッサ610は、第1位置Yaと第2位置Ybとに応じて第2電気モータを制御することによって、合焦位置710が基準部523に近づくように、デジタルカメラ700を移動させてよい。
S160の後、処理は、S120へ移行する。そして、座標の差が許容範囲内になるまで、S120〜S160の処理が、繰り返される。以上により、デジタルカメラ700の合焦位置710は、基準部523によって示される基準位置を含む許容範囲内に、調整される。
以上のように、本実施形態の治具500(図2(A))は、傾斜面511を形成する第1部分510を有している。傾斜面511は、治具500の撮影時にデジタルカメラ700から治具500へ向かうべき方向である撮影方向Dc5に対して斜めの方向である傾斜方向D1に延びている。従って、傾斜面511上の注目部分の傾斜方向D1に平行な方向の位置を変化させる場合、注目部分の撮影方向Dc5の位置も変化する。図2(C)に示す投影面上では、傾斜面511は、傾斜方向D1に対応する延長方向D2に延びている。従って、投影面上の傾斜面511上の注目部分の延長方向D2に平行な方向の位置が変化する場合、注目部分の撮影方向Dc5の位置も変化する。また、治具500は、撮影方向Dc5の位置の基準である基準位置を示す基準部523を有している。図2(C)に示す投影面上において、基準部523の延長方向D2の位置は、傾斜面511の延長方向D2の位置の範囲R1、すなわち、上端e1から下端e2までの範囲R1内である。そして、治具500の撮影画像(例えば、図4(A)の撮影画像IMG)は、図2(C)の投影面上の治具500の画像と同じ画像を表している。従って、図5(A)〜図5(C)で説明したように、撮影画像上において、傾斜面511のうちの焦点が合っている部分の延長方向D2の第2位置Ybと、基準部523の延長方向D2の第1位置Yaと、を用いることによって、基準部523によって示される基準位置に対する合焦位置710の撮影方向Dc5(ひいては、実撮影方向Dc)の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
このように、傾斜面511を形成する治具500が用いられる場合には、1枚の撮影画像を用いることによって、傾斜面511の最小ぼけ部分、すなわち、現行の合焦位置710を、容易に特定できる。さらに、治具500が基準部523を有するので、1枚の撮影画像を用いることによって、基準部523によって示される基準位置に対する最小ぼけ部分(すなわち、現行の合焦位置710)のずれ方向とずれ量とを、容易に特定できる。従って、少ない撮影回数で、容易に、合焦位置710を調整できる。
なお、傾斜面511上の注目部分の傾斜方向D1の位置を変化させる場合、撮影画像の傾斜面511上では、注目部分の延長方向D2の位置が変化する。ここで、光軸Axと傾斜面511とが成す角度が小さい場合、撮影画像上での注目部分の延長方向D2の位置の変化量に対する実際の傾斜面511上での注目部分の実撮影方向Dcの位置の変化量の割合が大きい。従って、1枚の撮影画像を用いることによって、実撮影方向Dcの位置の広い範囲に亘って、現行の合焦位置710を特定できる。逆に、光軸Axと傾斜面511とが成す角度が大きい場合、実際の傾斜面511上での注目部分の実撮影方向Dcの位置の変化量に対する、撮影画像上での注目部分の延長方向D2の位置の変化量の割合が大きい。従って、1枚の撮影画像を用いることによって、高精度で、現行の合焦位置710を特定できる。光軸Axと傾斜面511とが成す角度は、現行の合焦位置710の特定可能な範囲と精度とのバランスを考慮して、予め決定されてよい。また、光軸Axと傾斜面511とが成す角度が互いに異なる複数の治具500を用いることによって、複数の段階で、合焦位置710が調整されてもよい。
また、図2(A)で説明したように、基準部523を形成する第2部分520は、第1外面521と、第2外面522と、第1外面521と第2外面522とが接続される直線状の第1エッジ523と、を形成している。そして、撮影方向Dc5の位置の基準である基準位置を示す基準部523は、立体的な第1エッジ523を含んでいる。従って、治具500の撮影画像内において、基準部523を容易に特定できる。この結果、基準部523によって示される基準位置に対する合焦位置710の撮影方向Dc5(ひいては、実撮影方向Dc)の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
また、図2(A)で説明したように、第1外面521は、撮影方向Dc5とは反対の方向側を向く面である。撮影方向Dc5とは反対の方向側を向く面は、治具500の撮影時にデジタルカメラ700から見える面である。第2外面522は、第1エッジ523から撮影方向Dc5に向かって延びる面である(本実施形態では、第2外面522は、撮影方向Dc5に平行な面である)。図2(C)の投影面上において、第2外面522は、延長方向D2に垂直な面である。そして、第2外面522は、第1エッジ523の第1外面521側とは反対側にははみ出ずに、第1エッジ523に重なっている。従って、治具500の撮影画像(例えば、図4(A)の撮影画像IMG)内において、第1エッジ523の一方側では第1外面521が示され、第1エッジ523の反対側では第2外面522はほとんど示されない。この結果、撮影画像内において、第1エッジ523を容易に特定できる。以上により、基準部523によって示される基準位置に対する合焦位置710の撮影方向Dc5(ひいては、実撮影方向Dc)の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
また、図2(A)、図2(B)で説明したように、第1部分510は、傾斜面511と、側面512と、傾斜面511と側面512とが接続される直線状の第2エッジ513と、を形成している。従って、治具500の撮影画像内において、第2エッジ513のうちの焦点が合っている部分(すなわち、傾斜面511のうちの焦点が合っている部分)を容易に特定できる。この結果、基準部523によって示される基準位置に対する合焦位置710の撮影方向Dc5(ひいては、実撮影方向Dc)の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
また、図2(A)、図2(B)で説明したように、側面512は、第2エッジ513から撮影方向Dc5側に向かって延びる面である(本実施形態では、側面512は、撮影方向Dc5に平行な面である)。図2(C)の投影面上において、側面512は、延長方向D2に平行な面である。また、第2エッジ513のうち延長方向D2の位置が基準部523の位置を含む少なくとも一部の範囲R1に含まれる部分において、側面512は、第2エッジ513の傾斜面511側とは反対側にははみ出ずに、第2エッジ513に重なっている。従って、治具500の撮影画像(例えば、図4(A)の撮影画像IMG)内において、第2エッジ513のうち延長方向D2の位置が基準部523の位置を含む少なくとも一部の範囲R1に含まれる部分において、第2エッジ513の一方側では傾斜面511が示され、第2エッジ513の反対側では側面512は示されない。従って、撮影画像内における第2エッジ513の上記範囲R1に含まれる部分のうちの焦点が合っている部分(すなわち、傾斜面511のうちの焦点が合っている部分)を容易に特定できる。この結果、基準部523によって示される基準位置に対する合焦位置710の撮影方向Dc5(ひいては、実撮影方向Dc)の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
また、本実施形態の調整方法(図3)では、S120で、デジタルカメラ700を用いて、組立体120の代わりに治具500が撮影される。S130で、撮影画像(例えば、図4(A)の撮影画像IMG)を解析することによって、撮影画像上の第2エッジ513の複数の部分であって延長方向D2の位置が互いに異なる複数の部分を示す複数の画素ラインのそれぞれのエッジ強度DImaxが、特定される。上述したように、第2エッジ513は、傾斜面511のエッジである。エッジ強度DImaxは、ぼけの度合いを示している。撮影画像の傾斜面511上における延長方向D2の位置は、撮影方向Dc5(すなわち、実撮影方向Dc)の位置に対応している。従って、複数の画素ラインのそれぞれのエッジ強度DImaxは、傾斜面511のうちの実撮影方向Dcの位置が互いに異なる複数の部分のぼけの度合いを示している。S160では、ぼけの度合いが最も小さい部分(第2位置Yb)の撮影方向Dc5の位置から、治具500の基準部523によって示される基準位置へ向かう方向に、デジタルカメラ700の焦点が合っている位置である合焦位置710が移動される。以上により、合焦位置710を、適切に、基準部523によって示される基準位置に近づけることができる。
このように、本実施形態では、検査の対象物である組立体120の代わりに、撮影位置919に配置された治具500を撮影することによって、合焦位置710が調整される。このように、合焦位置710の調整には、治具500以外の追加の装置(例えば、位置調整用の複数枚のチャート板など)は、用いられない。従って、治具500、そして、治具500を用いる位置の調整方法は、種々の製造システムに、容易に適用できる。
また、本実施形態では、S130(図3)では、処理装置600(例えば、コンピュータ)が、撮影画像IMG(具体的には、撮影画像を表す撮影画像データ)を解析することによって、撮影画像IMG上の傾斜面511の複数の部分のそれぞれのぼけの度合い(ここでは、エッジ強度DImax)を特定する。そして、S135では、処理装置600が、第2エッジ513(すなわち、傾斜面511)のうちのぼけの度合いが最も小さい部分を特定する。従って、ユーザが目視によって撮影画像IMG上の傾斜面511のぼけの度合いが最も小さい部分を特定する場合と比べて、ユーザの負担を軽減できる。また、S125では、処理装置600が、撮影画像IMGを解析することによって、撮影画像IMG上の基準部523の位置を特定する。従って、ユーザが目視によって撮影画像IMG上の基準部523の位置を特定する場合と比べて、ユーザの負担を軽減できる。なお、処理装置600に代えて、ユーザが、撮影画像IMGを観察することによって、傾斜面511のうちのぼけの度合いが最も小さい部分と、基準部の位置とを、特定してもよい。
また、S130(図3)、図4(D)で説明したように、ぼけの度合いは、エッジ強度DImaxを用いて特定される。従って、ぼけの度合いを適切に特定できる。
また、図1で説明したように、治具500の撮影は、治具500のデジタルカメラ700側とは反対側に、治具500に光を照射する光源920を配置した状態で、行われる。従って、撮影画像(例えば、図4(A)の撮影画像IMG)上の治具500と背景BGとの間の明るさの大きな差を利用することによって、撮影画像上の傾斜面511の複数の部分のそれぞれのぼけの度合いを、容易に、特定できる。
また、ぼけの度合いの特定(S130)の後、S140で、ぼけの度合いが最も小さい部分の撮影画像上における特定の方向であるY方向の座標Ybと、基準部の撮影画像上におけるY方向の座標Yaとが、表示部640に表示される。従って、ユーザは、表示部640に表示された座標を用いることによって、基準部523によって示される基準位置に対する合焦位置710の撮影方向Dc5(ひいては、実撮影方向Dc)の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
B.第2実施形態:
図6は、製造システムの別の実施形態の一部を示す斜視図である。図1のシステム1000と図6のシステム1000aとの間の差異は、3点ある。第1の差異は、治具500に代えて治具500aが用いられる点である。第2の差異は、治具500aに光を照射する光源930が、治具500aよりもデジタルカメラ700側に配置されている点である。このような光源930の配置は、反射照明とも呼ばれる。第3の差異は、処理装置600のプログラム632が、プログラム632aに置換されている点である。後述するように、プログラム632aに従って動作するプロセッサ610は、エッジ強度に代えてコントラストを算出する。システム1000aの他の部分の構成は、システム1000の対応する部分の構成と、同じである(同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
図7は治具500aの斜視図である。図2(A)の治具500との差異は、第1部分510aの傾斜面511a上に、傾斜方向D1に延びるライン514が設けられている点だけである。治具500aの他の部分の構成は、図2(A)の治具500の対応する部分の構成と同じである(同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する)。
本実施形態では、ライン514は、傾斜面511a上に印刷された直線状のラインである。傾斜面511aの色は、明るく、ライン514の色は、暗い。なお、傾斜面511aの色が暗く、ライン514の色が明るくてもよい。このように、傾斜面511a上で、ライン514は、容易に視認可能である。なお、ライン514が設けられている点を除いて、傾斜面511aの構成は、図2(A)の傾斜面511の構成と、同じである。
治具500aは、図3の調整処理において、治具500の代わりに利用される。S110は、第1実施形態のS110と同様に、行われる。S120では、光源930(図6)からの光を用いて、治具500aが撮影される。
図8(A)は、撮影画像の例を示す説明図である。この撮影画像IMGaは、治具500aのうちの傾斜面511a(ライン514を含む)と第2エッジ513とを含む部分を表している。図4(A)の撮影画像IMGとは異なり、治具500aは、明るい色で表され、ライン514は、暗い色で表されている。なお、治具500aが暗い色で表され、ライン514が明るい色で表されてもよい。また、背景BGは、暗い色で表されている。ただし、背景BGが明るい色で表されてもよい。S125(図3)は、第1実施形態のS125と同様に、行われる。
S130(図3)では、プロセッサ610は、撮影画像IMGa(図8(A))を解析することによって、ライン514の複数の位置のそれぞれのぼけの度合いを特定する。プロセッサ610は、撮影画像IMGa内の予め決められた第2領域514Aを解析することによって、ぼけの度合いを算出する。第2領域514Aは、Y方向に延びる矩形領域であり、ライン514の少なくとも一部を含むように、予め決められている。本実施形態では、第2領域514AのY方向の位置は、基準部523の−Y方向側から、+Y方向側まで、拡がっている。
図中には、画素ラインPf〜Pjが示されている。これらの画素ラインPf〜Pjは、第2領域514A内の複数の画素ラインから説明のために選択された5本の画素ラインである。画素ラインPf〜Pjは、Y方向に向かって、互いに離れて、この順番に並んでいる。撮影画像IMGa内において、ライン514は、Y方向に沿って延びている。第2領域514A内の複数の画素ラインのそれぞれは、ライン514と交差している。
図8(A)の左部には、画素ラインPf〜Pjの拡大図が示されている。これらの拡大図には、輝度分布の概要が、ハッチングを用いて示されている。ハッチングが濃いほど、輝度が低い。いずれの画素ラインPf〜Pjにおいても、ライン514を示す部分では、輝度が低く、ライン514ではなく傾斜面511aを示す部分では、輝度が高い。また、ライン514の近傍における輝度の分布は、Y方向の位置に応じて変化している。具体的には、以下の通りである。図8(A)の例では、傾斜面511aの合焦部分820が、画素ラインPhに近いこととしている。このように合焦部分820に近い画素ラインPhでは、ライン514がシャープに表現される。合焦部分820から遠い画素ラインPf、Pjでは、ライン514がぼやけて表現される。このように、合焦部分820に近いほど、ライン514はシャープに表現される。
図8(B)、図8(C)は、X方向の画素位置と輝度値Iとの関係の例を示すグラフである。図8(B)は、合焦部分820から遠い画素ラインPfのグラフを示し、図8(C)は、合焦部分820に近い画素ラインPhのグラフを示している。図8(B)に示すように、画素ラインPf上では、輝度値Iは、ライン514の近傍で、比較的に幅が広く浅い谷を形成している。図8(C)に示すように、画素ラインPh上では、輝度値Iは、ライン514の近傍で、比較的に幅が狭く深い谷を形成している。
プロセッサ610は、第2領域514Aに含まれる複数の画素ラインのそれぞれのコントラストを算出する。コントラストは、最も暗い部分と最も明るい部分との間の明るさの差の大きさを示している。図8(D)は、コントラストの算出式の例を示している。コントラストCT(j)は、Y方向の画素位置がjである注目画素ラインのコントラストを示している。最大輝度Imaxは、注目画素ラインの複数の画素のそれぞれの輝度値Iのうちの最大値である。最小輝度Iminは、注目画素ラインの複数の画素のそれぞれの輝度値Iのうちの最小値である。図8(D)のコントラストCTは、最大輝度Imaxと最小輝度Iminとの合計値で正規化されている。
図8(B)の画素ラインPfのように合焦部分820から比較的に遠い画素ラインでは、最大輝度Imaxと最小輝度Iminとの差が比較的に小さいので、コントラストCTは、比較的に小さくなる。図8(C)の画素ラインPhのように合焦部分820に比較的に近い画素ラインでは、最大輝度Imaxと最小輝度Iminとの差が比較的に大きいので、コントラストCTは、比較的に大きくなる。このように、小さいコントラストCTは、大きいぼけの度合いを示し、大きいコントラストCTは、小さいぼけの度合いを示している。
図8(A)の右部には、Y方向の位置とコントラストCTとの関係の例を示すグラフが示されている。図示するように、コントラストCTは、合焦部分820の近傍で最大となるピークを形成する。
S135(図3)では、プロセッサ610は、複数の画素ラインのコントラストCTを用いて、ライン514のうちのぼけの度合いが最も小さい部分を特定する。上述したように、大きいコントラストCTは、小さいぼけの度合いを示している。プロセッサ610は、複数の画素ラインのうち、コントラストCTが最も大きい画素ラインを、ライン514のうちのぼけの度合いが最も小さい部分を示す画素ラインとして、採用する。図4(A)の実施形態と同様に、ノイズの影響を緩和するために、プロセッサ610は、図8(A)の右部のグラフによって示されるコントラストCTの分布(特に、頂点を含む一部分)を、近似関数C2で近似する。近似関数C2は、ピークの形状を近似する任意の関数であってよく、例えば、2次関数である。そして、プロセッサ610は、近似関数C2によって示されるコントラストCTが最も大きいY方向の位置Ycを特定する(第2位置Ycとも呼ぶ)。この第2位置Ycが、撮影画像IMGa内のライン514のうちのぼけの度合いが最も小さい部分を示している。このような第2位置Ycは、ライン514のうち、デジタルカメラ700の焦点が合っている部分を、示している。
S140(図3)では、プロセッサ610は、解析の結果を、表示部640(図1)に、表示する。図9(A)〜図9(C)の表示画面DS11〜DS13は、表示部640に表示される表示画面の例を示す概略図である。表示画面DS11〜DS13は、撮影画像IMGaと、コントラストCTのグラフGLaと、座標情報CIaと、を表している。グラフGLaは、図8(A)の右部のグラフと同様に、Y方向の位置とコントラストCTとの関係を示している。座標情報CIaは、コントラストCTが最も大きい部分のY方向の座標(すなわち、第2位置Yc)と、第1位置Yaと、これらの座標Ya、Ycの差(Yc−Ya)と、を含んでいる。
図9(A)の表示画面DS11は、合焦位置710(図2(A))が、基準部523よりも+Dc方向側に位置する場合の例を示している。図5(A)の例と同様に、撮影画像IMGa内において、デジタルカメラ700の焦点は、ライン514(ひいては、傾斜面511a)のうちの基準部523よりも−Y方向側の部分に合っている。従って、第2位置Ycは、第1位置Yaよりも小さい。
図9(B)の表示画面DS12は、合焦位置710が、基準部523とおおよそ同じ位置に位置する場合の例を示している。図5(B)の例と同様に、撮影画像IMGa内において、デジタルカメラ700の焦点は、ライン514(ひいては、傾斜面511a)のうちの基準部523の近傍の部分に合っている。従って、第2位置Ycは、第1位置Yaとおおよそ同じである。
図9(C)の表示画面DS13は、合焦位置710が、基準部523よりも−Dc方向側に位置する場合の例を示している。図5(C)の例と同様に、撮影画像IMGaにおいて、デジタルカメラ700の焦点は、ライン514(ひいては、傾斜面511a)のうちの基準部523よりも+Y方向側の部分に合っている。従って、第2位置Ycは、第1位置Yaよりも大きい。
S150(図3)、S160は、第1実施形態のS150、S160と、それぞれ同様に行われる。以上により、第1実施形態と同様に、デジタルカメラ700の合焦位置710は、基準部523によって示される基準位置を含む許容範囲内に、調整される。
以上のように、本実施形態の治具500aの第1部分510aは、傾斜面511a上で傾斜方向D1に延びるライン514を備えている。従って、治具500aの撮影画像IMGa内におけるライン514のうちの焦点が合っている部分(すなわち、傾斜面511aのうちの焦点が合っている部分)を容易に特定できる。この結果、基準部523によって示される基準位置に対する合焦位置710の撮影方向Dc5(ひいては、実撮影方向Dc)の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
また、図8(D)で説明したように、ぼけの度合いは、コントラストCTを用いて特定される。従って、ぼけの度合いを適切に特定できる。
また、治具500aの撮影は、治具500aよりもデジタルカメラ700側に、治具500aに光を照射する光源930を配置した状態で、行われる。従って、撮影画像(例えば、図8(A)の撮影画像IMGa)上の治具500aの明るい画像を利用することによって、撮影画像上の傾斜面511aの複数の部分のそれぞれのぼけの度合いを、容易に、特定できる。
また、第2実施形態の治具500aの構成は、ライン514が設けられている点を除いて、第1実施形態の治具500の構成と、同じである。従って、第2実施形態の治具500aは、第1実施形態の治具500と同様に、種々の利点を実現できる。
また、第2実施形態の位置調整方法は、ライン514を表す部分のコントラストCTが用いられる点を除いて、第1実施形態の位置調整方法と、同様である。従って、第2実施形態の位置調整方法は、第1実施形態の位置調整方法と同様に、種々の利点を実現できる。
C.第3実施形態:
図10は、別の実施形態の治具500bの斜視図である。本実施形態の治具500bは、図7の第4部分540と同じ第4部分540と、第4部分540の−Dv5方向側に接続された2つの部分510b、520bと、で構成されている。
第1部分510bは、第1傾斜面511bと、側面512bと、第1傾斜面511bと側面512bとが接続される直線状のエッジ513bと、を形成している。第1傾斜面511bは、図7の傾斜面511aと同様に傾斜方向D1に延びる矩形状の面である。この第1傾斜面511b上には、傾斜方向D1に延びる直線状の3本のライン514bが設けられている。これらのライン514bは、図7のライン514と同様に、第1傾斜面511b上に印刷されている。側面512bは、第1部分510bの−Dh5方向側を向く外面であり、水平方向Dh5におおよそ垂直である。エッジ513bは、水平方向Dh5におおよそ垂直である。
第2部分520bは、第1部分510bの+Dh5方向側に接続された部分である。第2部分520bは、第1部分510bと同様に、第2傾斜面521bを形成している。2つの傾斜面511b、521bの間では、撮影方向Dc5に対する傾斜角度が異なっている。第2傾斜面521bの中央部分には、水平方向Dh5におおよそ平行な直線状のマーク523bが、設けられている。マーク523bは、第2傾斜面521b上に、印刷されている。2つの傾斜面511b、521bは、このマーク523bの位置で、互いに接している。第1傾斜面511bとマーク523bとは、同じ平面上に配置されている。
また、図示するように、第1傾斜面511bのうちのマーク523bと接触する部分は、第1傾斜面511bの−Dv5方向側の上端e1bと+Dv5方向側の下端e2bとの間に位置している。従って、図示を省略するが、治具500bの撮影画像上では、マーク523bの延長方向(例えば、図8(A)の延長方向D2)の位置は、第1傾斜面511bの上端e1bと下端e2bとの間に位置している。
この治具500bは、図7の治具500aの代わりに、利用可能である。治具500bは、撮影のために撮影位置919(図6)に治具500bが配置される場合のマーク523bの実撮影方向Dcの位置が、検査のために撮影位置919に組立体120が配置される場合の検査対象の部分の実撮影方向Dcの位置とおおよそ同じであるように、構成されている。
治具500bを用いる合焦位置710の調整処理は、治具500aを用いる合焦位置710の調整処理と、同様に行われる。ここで、立体的な基準部523(図7)に代えて、印刷されたマーク523bが、基準部として用いられる(基準部523bとも呼ぶ)。治具500bの撮影画像内では、基準部523bの色は、第2傾斜面521bの他の部分の色と比べて、暗い。従って、基準部523bは、エッジ画素によって、表される。S125(図3)では、プロセッサ610(図6)は、複数のエッジ画素を、基準部523bを示す複数の画素として採用する。S130(図3)では、プロセッサ610は、図8(A)、図8(D)の実施形態と同じく、3本のライン514bと交差する複数の画素ラインのそれぞれのコントラストCTを算出する。そして、S135では、複数の画素ラインのそれぞれのコントラストCTを用いて、ライン514bのうちのぼけの度合いが最も小さい部分が、特定される。他のステップの処理は、図7の治具500aが用いられる場合の処理と、同じである。
このように、基準部523bは、立体的な部分に代えて、平らなマークであってよい。この場合も、立体的な基準部を用いる場合と同様に、基準部523bによって示される基準位置に対する合焦位置710の撮影方向Dc5(ひいては、実撮影方向Dc)の位置のずれの方向とずれ量とを、容易に特定できる。
また、第1傾斜面511bの焦点が合っている部分を特定するために利用される傾斜面511b上のライン514bの総数は、複数であってよい。この場合も、ラインの総数が1本である場合と同様に、コントラストCTを用いてぼけの度合いを特定できる。
D.第4実施形態:
図11は、別の実施形態の治具500cの斜視図である。本実施形態の治具500cは、図2(A)の治具500とは異なり、2個の基準部523c、527cを備えている。この治具500cは、対象物(例えば、組立体120(図1)))の2つの部分のそれぞれの撮影画像を用いて対象物が検査される場合に、適している。例えば、組立体120の第1部材10の先端の形状が、第1部材10の先端に焦点が合っている第1撮影画像を用いて検査され得る。そして、組立体120の第2部材20の先端の形状が、第2部材20の先端に焦点が合っている第2撮影画像を用いて検査され得る。第1撮影画像と第2撮影画像とは、図示しない2つのデジタルカメラを用いて取得される。これらの2つのデジタルカメラのそれぞれの合焦位置を調整する場合に、治具500cが用いられる。
治具500cは、図2の部分530、540と同じ第3部分530と第4部分540と、第3部分530の−Dv5方向側に接続された第2部分520cと、第2部分520cの−Dv5方向側に接続された第1部分510cと、で構成されている。
第1部分510cの構成は、図2の第1部分510の構成と、同様である。第1部分510cは、傾斜面511cと、側面512cと、傾斜面511cと側面512cとが接続される直線状の第2エッジ513cと、を形成している。
傾斜面511cは、図2の傾斜面511と同様に、第1部分510cの−Dc5方向側を向く外面であり、傾斜方向D1に延びる略矩形状の面である。側面512cは、第1部分510cの−Dh5方向側を向く外面であり、水平方向Dh5におおよそ垂直である。第2エッジ513cは、水平方向Dh5におおよそ垂直である。
第2部分520cは、−Dc5方向側を向く外面である第1外面521cと、−Dv5方向側を向く外面である第2外面522cと、第1外面521cと第2外面522とcが接続される直線状のエッジ523cと、を形成している。第1外面521cは、撮影方向Dc5におおよそ垂直である。第2外面522cは、下方向Dv5におおよそ垂直である。エッジ523cは、水平方向Dh5におおよそ平行である。エッジ523cは、図2(A)の第1エッジ523と同様に、撮影方向Dc5の第1基準位置を示している(第1基準部523cとも呼ぶ)。
第2部分520cは、さらに、第2外面522c上に設けられた矩形状の部分524cを備えている。部分524cの水平方向Dh5の長さは、エッジ523cの水平方向Dh5の長さよりも、短い。部分524cは、−Dc5方向側を向く外面である第3外面525cと、−Dv5方向側を向く外面である第4外面526cと、第3外面525cと第4外面526cとが接続される直線状のエッジ527cと、を形成している。第3外面525cは、撮影方向Dc5におおよそ垂直である。第4外面526cは、下方向Dv5におおよそ垂直である。エッジ527cは、水平方向Dh5におおよそ平行である。エッジ527cは、図2(A)の第1エッジ523と同様に、撮影方向Dc5の第2基準位置を示している(第2基準部527cとも呼ぶ)。
第1基準部523cと第2基準部527cとは、傾斜面511cの+Dh5方向側に、接続されている。このように、傾斜面511cと第1基準部523cと第2基準部527cとは、同じ平面上に配置されている。第2基準部527cは、第1基準部523cよりも、+Dc5方向側に、位置している。
治具500cは、撮影のために撮影位置919(図1)に治具500cが配置される場合のエッジ523c、527cの実撮影方向Dcの位置が、検査のために撮影位置919に組立体120が配置される場合の検査対象の2つの部分の実撮影方向Dcの位置とそれぞれおおよそ同じであるように、構成されている。2つのデジタルカメラ(図示省略)の光軸Ax1、Ax2は、撮影位置919に配置された組立体120(図示省略)の2つの検査対象の部分に、それぞれ向けられている。図11の実施形態では、第1光軸Ax1は、撮影位置919に配置された治具500cの第1基準部523cの近傍(例えば、第1基準部523cと傾斜面511cとの接続部分の近傍)に、向けられる。第2光軸Ax2は、撮影位置919に配置された治具500cの第2基準部527cの近傍(例えば、第2基準部527cと傾斜面511cとの接続部分の近傍)に、向けられる。
図示するように、傾斜面511cのうちの基準部523c、527cと接触する部分は、傾斜面511cの−Dv5方向側の上端e1cと+Dv5方向側の下端e2cとの間に位置している。従って、図示を省略するが、治具500cの撮影画像上では、基準部523c、527cの延長方向(例えば、図4(A)の延長方向D2)の位置は、傾斜面511cの上端e1cと下端e2cとの間に位置している。
本実施形態の治具500cは、2つのデジタルカメラのそれぞれの合焦位置の調整に、利用される。各デジタルカメラの合焦位置の調整は、図2の治具500を用いる合焦位置の調整と同じ手順で、独立に行われる。以上により、第1光軸Ax1上の合焦位置は、第1基準部523cによって示される基準位置に調整され、第2光軸Ax2上の合焦位置は、第2基準部527cによって示される基準位置に調整される。なお、2つの光軸Ax1、Ax2の間の距離が小さい場合、2つのデジタルカメラを2つの光軸Ax1、Ax2上にそれぞれ配置することが困難であり得る。この場合、ハーフミラー等を用いて、2つの光軸Ax1、Ax2を分離し、分離された2本の光軸上に2つのデジタルカメラが配置されてよい。
このように、治具500cは、1つの傾斜面511cと共に利用される複数の基準部523c、527cを備えてよい。この治具500cを用いることによって、複数のデジタルカメラの合焦位置のそれぞれを、対応する基準部によって示される基準位置に、適切に調整できる。
また、治具500cの傾斜面511cと基準部523c、527cとの構成は、図2の治具500の傾斜面511と基準部523との構成と、それぞれ同様である。従って、第4実施形態の治具500cは、第1実施形態の治具500と同様に、種々の利点を実現できる。
また、第4実施形態の治具500cを用いる場合の位置調整方法は、第1実施形態の治具500を用いる場合の位置調整方法と、同じである。従って、第4実施形態の位置調整方法は、第1実施形態の位置調整方法と同様に、種々の利点を実現できる。
E.変形例:
(1)撮影方向Dc5の位置の基準である基準位置を示す基準部の構成は、図2(A)、図7、図10、図11の基準部523、523b、523c、527cの構成に代えて、撮影方向Dc5の基準位置を示す任意の構成であってよい。例えば、図10の治具500bにおいて、基準部523bは、水平方向Dh5に延びる凹部(すなわち、溝)であってよい。また、基準部523bは、水平方向Dh5延びる凸部であってよい。
また、図2(A)、図7、図11の基準部523、523c、527cは、2つの外面(例えば、図2(A)の第1外面521と第2外面522)が接続されることによって形成される直線状のエッジである。ここで、エッジを形成する2つの外面は、互いに垂直ではなくてよく、鋭角、または、鈍角の角を形成してよい。例えば、図2(A)の第2外面522は、エッジ523から、撮影方向Dc5側、かつ、下方向Dv5側に向かって、斜めに傾斜してもよい。一般的には、2つの外面のうちのカメラから見える第1外面と、第1外面とは異なる第2外面とが、エッジを形成してよい。第1外面は、撮影方向Dc5に対して斜めに傾斜してもよい。図2(C)のような投影面(ひいては、撮影画像)上において、第2外面は、エッジの一部において、エッジの外側(すなわち、エッジの第1外面側とは反対側)にはみ出てもよい。また、第2外面は、エッジの第1外面側に配置されてもよい。また、エッジは、撮影方向Dc5に対して斜めに傾斜してもよい。また、治具が、基準部として立体的なエッジを有する場合に、治具は、図6のシステム1000aのように、デジタルカメラ700側に光源930が配置された状態で、撮影されてよい。
(2)傾斜面を形成する傾斜面形成部の構成は、図2(A)、図7、図10、図11の第1部分510、510a、510b、510cの構成に代えて、−Dc5方向側を向くとともに撮影方向Dc5に対して斜めに傾斜する傾斜面を形成する任意の構成であってよい。例えば、図7、図10のライン514、514bは、傾斜方向D1に延びる凹部(すなわち、溝)であってよい。また、ライン514、514bは、傾斜方向D1に延びる凸部であってもよい。いずれの場合も、傾斜面上に設けられたラインは、曲線部分と折れ線部分との少なくとも一方を含んでよい。一般的には、ラインは、傾斜面上において撮影方向Dc5の位置が変化する方向(例えば、傾斜方向D1)に向かって延びる種々のラインであってよい。このようなラインを用いることによって、撮影画像上の傾斜面の複数の部分であって撮影方向Dc5の位置が互いに異なる複数の部分のそれぞれのぼけの度合いを、容易に特定できる。また、ラインの色は、傾斜面の他の部分と比べて、暗い色であってよく、明るい色であってよい。いずれの場合も、コントラストCT(図8(D))を用いることによって、ぼけの度合いを特定できる。コントラストCTに代えてエッジ強度DImaxが用いられてもよい。また、傾斜面上に設けられるラインの総数は、1以上の任意の数であってよい。
また、図2(A)、図7、図10、図11の第1部分510、510a、510b、510cは、傾斜面511、511a、511b、511cと、外面512、512b、512cと、が接続されることによって形成される立体的なエッジ513、513b、513cを形成している。このように傾斜方向D1に延びる直線状のエッジは、ぼけの度合いの特定に、利用可能である。ここで、エッジを形成する2つの外面は、互いに垂直ではなくてよく、鋭角、または、鈍角の角を形成してよい。例えば、図2(B)の側面512は、エッジ513から、撮影方向Dc5側、かつ、水平方向Dh5側に向かって、斜めに傾斜してもよい。一般的には、カメラから見える傾斜面と、第3外面とが、エッジを形成してよい。図2(C)のような投影面(ひいては、撮影画像)上において、第3外面は、エッジの一部において、エッジの外側(すなわち、エッジの傾斜面側とは反対側)にはみ出てもよい。また、第3外面は、エッジの傾斜面側に配置されてもよい。ただし、傾斜方向D1の位置の範囲であって、基準部を含む少なくとも一部の範囲で、第3外面は、エッジの外側にはみ出ていないことが好ましい。この構成によれば、基準部を含む範囲内において、エッジを用いることによってぼけの度合いを容易に特定できる。この結果、基準部の近傍に位置する現行の合焦位置710と基準部との間の位置のずれ方向とずれ量とを、適切に特定できる。
いずれの場合も、傾斜面のエッジは、傾斜面上において撮影方向Dc5の位置が変化する方向(例えば、傾斜方向D1)に向かって延びる種々のエッジであってよい。このようなエッジを用いることによって、撮影画像上の傾斜面の複数の部分であって撮影方向Dc5の位置が互いに異なる複数の部分のそれぞれのぼけの度合いを、容易に特定できる。
なお、傾斜面形成部は、上述したラインと立体的なエッジとの少なくとも一方を形成してよい。例えば、図7、図10の第1部分510a、510bは、ライン514、514bを形成している。従って、エッジ513、513bは、丸められてもよい。また、傾斜面形成部によって形成される立体的なエッジ(例えば、図2のエッジ513)を用いてぼけの度合いが特定される場合に、治具は、図6のシステム1000aのように、デジタルカメラ700側に光源930が配置された状態で、撮影されてよい。
(3)治具の構成は、上記の各実施形態と各変形例との構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、傾斜面上に基準部が設けられていてもよい。例えば、図10の実施形態において、基準部523bが、傾斜面511b上に設けられてもよい。この場合、第2部分520bが、省略されてもよい。また、傾斜面と基準部とは、互いに離れた位置に配置されてもよい。いずれの場合も、基準部の構成は、撮影方向Dc5の位置の基準である基準位置を示す任意の構成であってよい。特に、基準部は、図2(C)のような投影面(ひいては、撮影画像)上において、傾斜面のうちの撮影方向Dc5の位置が基準位置である基準位置部分を示すように、構成されていることが好ましい。
(4)エッジ強度の算出式は、図4(D)の算出式に代えて、位置の変化に対する色の変化の大きさを示す値を算出する任意の式であってよい。例えば、輝度値に公知のエッジ検出フィルタ(例えば、Sobelフィルタ、Prewittフィルタなど)を適用して算出される値を、エッジ強度として用いてよい。
(5)コントラストの算出式は、図8(D)の算出式に代えて、最も暗い部分と最も明るい部分との間の明るさの差の大きさを示す値を算出する任意の式であってよい。例えば、図8(D)の算出式の分母が省略されてもよい。また、注目画素ライン上の注目画素のコントラストが、注目画素ラインの複数の画素のうち注目画素を中心とする所定数の連続する画素(例えば、9画素)を用いて算出されてよい。そして、注目画素ラインのコントラストとして、注目画素ラインの複数の画素のそれぞれのコントラストのうちの最大値が、用いられてよい。
(6)合焦位置710の調整方法は、上記の各実施形態の方法に代えて、他の種々の方法であってよい。例えば、合焦位置710を移動させるS160よりも前に実行されるS140(図3)で表示される座標は、撮影画像上の1つの特定の方向の座標であってよい。ここで、特定の方向は、延長方向D2(図2(C))に近い方向であることが好ましい。例えば、撮影画像の複数の画素が、互いに垂直な2つの方向に沿ってマトリクス状に配置される場合、2つの方向のうちの延長方向D2に近い方向の座標(例えば、画素位置)が、表示されてよい。図4(A)の例では、Y方向の座標が表示されてよい。また、S160でプロセッサ610が自動的に合焦位置710を調整する場合、S140は、省略されてよい。
S130(図3)では、コントラストとエッジ強度との両方を用いて、ぼけの度合いが特定されてよい。例えば、エッジ強度DImaxとコントラストCTとの合計値が、ぼけの度合いを示す値として用いられてよい。また、図7、図10の治具500a、500bのように、傾斜面形成部が、ラインとエッジとの両方を有している場合、ラインとエッジとの両方を用いて、ぼけの度合いが特定されてよい。例えば、ラインとエッジとの両方を含む画素ラインを用いて、ぼけの度合いが特定されてよい。
(7)合焦位置710の調整に利用されるデータ処理装置600の構成は、図1等で説明した構成に代えて、他の種々の構成であってよい。例えば、表示部640は、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、有機ELディスプレイなどの任意の画像を表示可能な装置であってよい。これに代えて、表示部640は、7セグメントディスプレイのように、座標を示す数値のみを表示可能な装置であってもよい。また、データ処理装置は、コンピュータに代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のような専用の電気回路を用いて構成されてよい。
(8)撮影の対象物(例えば、組立体120(図1)のような検査の対象物)を撮影するためのシステムの構成は、図1、図6のシステム1000、1000aの構成に代えて、他の任意の構成であってよい。例えば、光軸Axの途中には、ミラー、レンズなどの光学機器が配置されてよい。また搬送装置910は、直線の軌道に沿って対象物を搬送する装置であってよい。また、搬送装置910は、省略されてよい。また、撮影の対象物は、例えば、点火プラグ、グロープラグ、NOxセンサなど、内燃機関を備えるシステム(例えば、車両など)に装着される電気装置、または、その電気装置の部品であってよい。
(9)上記各実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含み得る。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
10…第1部材、20…第2部材、120…組立体、500、500a、500b、500c…治具、510、510a、510b、510c…第1部分、511、511a、511b、511c…傾斜面、512、512b、512c…側面(外面)、513、513b、513c…エッジ、514、514b…ライン、513A、514A…第2領域、520、520b、520c…第2部分、521、521c…第1外面、521b…第2傾斜面、522、522c…第2外面、523、523c…エッジ(基準部)、523b…マーク(基準部)、523A…第1領域、524…外面、524c…部分、525c…第3外面、526c…第4外面、527c…エッジ(基準部)、529…エッジ、530…第3部分、540…第4部分、600…データ処理装置、610…プロセッサ、615…記憶装置、620…揮発性記憶装置、630…不揮発性記憶装置、632、632a…プログラム、640…表示部、650…操作部、670…インタフェース、700…デジタルカメラ、710…合焦位置、720…視野、820…合焦部分、910…搬送装置、911…軌道、912…凹部、919…撮影位置、920、930…光源、1000、1000a…システム、Ax、Ax1、Ax2…光軸、CL…中心軸、D1…傾斜方向、D2…延長方向、Dc…実撮影方向、Dh…水平方向、Dv…下方向、Dc5…撮影方向、Dh5…方向、Dv5…方向、DS1、DS2、DS3、DS11、DS12、DS13…表示画面、e1、e1b、e1c…上端、e2、e2b、e2c…下端、BG…背景、IMG、IMGa…撮影画像

Claims (12)

  1. 対象物を撮影するためのカメラの焦点が合っている位置を調整するために、前記対象物の撮影よりも前に前記対象物の代わりに撮影されるべき治具であって、
    治具の撮影時にカメラから前記治具へ向かうべき方向である撮影方向に対して斜めの方向である傾斜方向に延びる傾斜面を形成する傾斜面形成部と、
    前記撮影方向の位置の基準である基準位置を示す基準部と、
    を備え、
    前記治具を前記撮影方向に垂直な投影面上に投影し、前記投影面上における前記傾斜面の延びる方向を延長方向と呼ぶ場合に、前記投影面上において、前記基準部の前記延長方向の位置は、前記傾斜面の前記延長方向の位置の範囲内である、
    治具。
  2. 請求項1に記載の治具であって、
    前記基準部を形成する基準部形成部を備え、
    前記基準部形成部は、第1外面と、第2外面と、前記第1外面と前記第2外面とが接続される直線状の第1エッジと、を形成しており、
    前記第1外面は、前記撮影方向とは反対の方向側を向く面であって、前記治具の撮影時にカメラから見える面であり、
    前記第2外面は、前記第1エッジから前記撮影方向側に向かって延びる面であって、前記投影面上において前記延長方向に垂直な面であり、
    前記基準部は、前記第1エッジを含む、
    治具。
  3. 請求項2に記載の治具であって、
    前記投影面上の前記第1エッジの少なくとも一部において、前記第2外面は、前記第1エッジの前記第1外面側とは反対側にははみ出ずに、前記第1エッジと前記第1外面との少なくとも一方に重なっている、
    治具。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の治具であって、
    前記傾斜面形成部は、第3外面と、前記傾斜面と前記第3外面とが接続される直線状の第2エッジと、を形成しており、
    前記第3外面は、前記第2エッジから前記撮影方向側に向かって延びる面であって、前記投影面上において前記延長方向に平行な面である、
    治具。
  5. 請求項4に記載の治具であって、
    前記投影面上の前記第2エッジのうち前記延長方向の位置が前記基準部の位置を含む少なくとも一部の範囲に含まれる部分において、前記第3外面は、前記第2エッジの前記傾斜面側とは反対側にははみ出ずに、前記第2エッジと前記傾斜面との少なくとも一方に重なっている、
    治具。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の治具であって、
    前記傾斜面形成部は、前記傾斜面上で前記撮影方向の位置が変化する方向に延びるラインを備える、治具。
  7. 対象物を撮影するためのカメラの焦点が合っている位置を前記対象物の撮影よりも前に調整する調整方法であって、
    カメラを用いて、請求項1から6のいずれかに記載の治具を、対象物の代わりに撮影し、
    撮影によって得られた撮影画像を解析することによって、前記撮影画像上の前記傾斜面の複数の部分であって前記撮影方向の位置が互いに異なる複数の部分のそれぞれのぼけの度合いを特定し、
    前記ぼけの度合いが最も小さい部分の前記撮影方向の位置から、前記治具の前記基準部によって示される前記基準位置へ向かう方向に、前記カメラの焦点が合っている位置を移動させる、
    調整方法。
  8. 請求項7の記載の調整方法であって、
    前記ぼけの度合いは、エッジ強度を用いて特定される、調整方法。
  9. 請求項7または8に記載の調整方法であって、
    前記ぼけの度合いは、コントラストを用いて特定される、調整方法。
  10. 請求項7から9のいずれかに記載の調整方法であって、
    前記治具の撮影は、前記治具の前記カメラ側とは反対側に、前記治具に光を照射する光源を配置した状態で、行われる、調整方法。
  11. 請求項7から9のいずれかに記載の調整方法であって、
    前記治具の撮影は、前記治具よりも前記カメラ側に、前記治具に光を照射する光源を配置した状態で、行われる、調整方法。
  12. 請求項7から11のいずれかに記載の調整方法であって、
    前記ぼけの度合いの特定の後に、前記ぼけの度合いが最も小さい部分の前記撮影画像上における特定の方向の座標と、前記基準部の前記撮影画像上における前記特定の方向の座標とを、表示装置に表示させる、
    調整方法。
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