JP2019215185A - 鋳片気泡欠陥の非破壊検査方法 - Google Patents
鋳片気泡欠陥の非破壊検査方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019215185A JP2019215185A JP2018111250A JP2018111250A JP2019215185A JP 2019215185 A JP2019215185 A JP 2019215185A JP 2018111250 A JP2018111250 A JP 2018111250A JP 2018111250 A JP2018111250 A JP 2018111250A JP 2019215185 A JP2019215185 A JP 2019215185A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- luminance
- value
- slab
- cast slab
- aspect ratio
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
Description
鋳片気泡欠陥を調査する方法としては、鋳片サンプル表面の研削と欠陥計測を繰り返す、いわゆる「段削り」がある。この方法は、研削面に露出した欠陥を計測するので、確実に欠陥を評価することができるが、作業負荷が大きく時間がかかることに加えて、研削により鋳片サンプルが欠損するため再計測ができないというデメリットがある。従って、鋳片サンプルの欠損を伴わない非破壊検査が望ましいといえる。
鋳片サンプルの場合、得られたX線透過画像に写っている欠陥について検査者がサイズごとの個数を目視で測定する方法が採られているが、欠陥個数が多いと作業負荷が大きく時間がかかるだけでなく、検査者によって測定結果が異なることも起こり得る。
また、特許文献2では、アルミダイカスト部品の予め設定された所定範囲の内部欠陥を超音波探傷及びX線CTし、当該所定範囲の超音波探傷による内部欠陥及びX線CTによる内部欠陥をそれぞれ画像解析することによりアルミダイカスト部品の内部欠陥、特に破断チル層の状態を検出する方法が開示されている。
(a)溶鋼が凝固する際に樹枝状晶(デンドライト)が生成し、その樹間に溶質元素が濃化(ミクロ偏析)するため、樹枝状晶と樹間では組成と密度が異なる。このような鋳片サンプルにX線を照射すると、欠陥の無い母相部でも凝固組織が「模様」として検知される。そのため、凝固組織と欠陥部を識別する輝度閾値を設定して、輝度閾値を超える輝度値を有するオブジェクトを欠陥と判定するが、「模様」のサイズは数10μm〜数100μmと様々である一方、気泡欠陥のサイズも小さいものは数100μmレベルであるため、輝度閾値を適切に設定しないと、凝固組織を欠陥部と誤認識することになる。
(b)照射したX線の透過度は鋳片サンプルの厚みに依存する。鋳片サンプルには鋳片から切り出した厚さ10mm〜20mm程度の板状片を用いるが、各鋳片サンプルの厚みには加工精度に起因する若干のばらつきがある。そのため、凝固組織と欠陥部を識別する輝度閾値が鋳片サンプルごとに異なるおそれがある。
(1)前記鋳片から採取した鋳片サンプルにX線を照射し、該鋳片サンプルを透過したX線の画像データを取得する工程
(2)前記画像データを画像処理し、輝度スペクトルから決定した一次閾値を超える輝度値を有するオブジェクトを検出する工程
(3)検出された各オブジェクトについて、該オブジェクトの縦横比を示すアスペクト比を算出し、アスペクト比が設定値以上の前記オブジェクトに対して輝度値のラインプロファイルを測定して輝度値の最大値をそれぞれ求める工程
(4)求められた前記輝度値の最大値の平均値を二次閾値とし、前記二次閾値を超える輝度値を有する前記オブジェクトのうち、短径が設定値以上のものを気泡と判定する工程
本装置は、鋳片サンプルSにX線を照射するX線発生装置10と、鋳片サンプルSを透過したX線を記録するX線記録媒体(本実施の形態ではイメージングプレート)Pと、イメージングプレートPに記録されたX線をデジタル画像データとして取得するX線画像読取装置11と、取得されたデジタル画像データを画像処理して気泡欠陥を検出するコンピュータ12及びモニター13とから概略構成されている。
イメージングプレートPの直上に鋳片サンプルSをセットし、X線発生装置10から鋳片サンプルSに向けてX線を照射する。
なお、その後実施する画像解析において解析範囲を指定するため、撮影前に、ポンチなどを用いて鋳片サンプルSの所定位置に打刻しておくことが好ましい。
X線画像読取装置11を用いて、イメージングプレートPに記録されたX線画像をデジタル画像データとして取得する。
気泡が存在する位置ではX線の透過率が高くなる。そのため、イメージングプレートPに気泡は黒く写るが、デジタル画像データ取得の際に白黒を反転させる操作を行う。従って、モニター13上では、気泡は白色で表示される。
コンピュータ12にインストールされている画像解析ソフトウェアを用いて、コンピュータ12にデジタル画像データを読み込む。そして、画像解析する範囲を指定し、その部分の画像の切り出し(トリミング)を行う。トリミングされた画像の一例を図4に示す。
なお、解析範囲は目的に応じて適宜設定すれば良い。
トリミングした画像を画像解析する下準備として以下の(1)〜(3)の変換処理〔画像処理〕を施す。これは、X線画像全体の輝度が、画像ごとに必ずしも同じではないことから、その違いを補正する目的で行うものである。鋳片サンプルSのサイズや、散乱X線の影響を低減するため撮影時に鋳片サンプルSの周囲に配置する遮蔽板などもX線画像の輝度に影響する。
(2)バックグラウンド平坦化:X線はX線源から円錐状に照射されるため、X線源からの水平距離が長くなるほどX線の透過距離も長くなる。このため、画像の中心部と端部の輝度の差を補正する処理を行う。
(3)輝度調整:各画像の輝度の平均値が所定の値となるよう、各画素の輝度値を相対的に変化させる。これは、輝度スペクトルを平行移動させることに対応する。
輝度調整後の輝度スペクトルを用いて、母相部と欠陥部を識別する一次閾値を決定し、画像データの処理を行う。
図5のグラフの縦軸を対数表示し、かつ横軸を拡大表示したグラフが図6であるが、スペクトル曲線には屈曲点が存在する。これは、母相部の輝度スペクトルと欠陥部の輝度スペクトルが重なることにより生じる。そこで、この屈曲点の輝度値を一次閾値とする。図6の例における一次閾値は107である。一次閾値を下回る輝度値のオブジェクトは欠陥部と見なさず除外する。
一次閾値を超える輝度値を有するオブジェクトから、縦横比を示すアスペクト比が設定値以上のオブジェクトを、アスペクト比が大きい順に3個以上選択し、それらに対して輝度値のラインプロファイルを測定して輝度値の最大値をそれぞれ求める。そして、求められた輝度値の最大値の平均値を二次閾値とする。これが母相部と欠陥部を識別する二次閾値となる。
なお、ラインプロファイルとは、1つのライン(線)上の強度(輝度値)の変化をグラフで表したものである。具体的には、ライン上にある画素のグレースケールの値を算出してグラフとして描画する。
二次閾値を超える輝度値を有するオブジェクトのうち、短径が設定値(以下、「検出下限値」と呼ぶ。)以上のものを気泡と判定する。
前記したように、二次閾値はラインプロファイルにより取得した輝度値の最大値の平均値であるから、輝度値が二次閾値を超えるオブジェクトの一部に母相部が含まれることがありうる。そのようなオブジェクトはサイズが小さいため、検出下限値を設定して除外する。検出下限値は、画像の4ピクセル分のサイズである。例えば、508dpiの画像の場合、1ピクセルのサイズが0.05mmとなるので、検出下限値は0.2mmとなる。
二次閾値を超える輝度値を有し、かつ検出下限値より大きなサイズを有するオブジェクトを気泡と判定し、その個数及び気泡径を出力する。気泡径には、検査目的に応じて、長径、短径、円相当径などを選択すればよい。
湾曲型連続鋳造機で鋳片(幅:2000mm、厚さ:280mm)を鋳造し、鋳片上面側の幅方向に亘って鋳片サンプルを採取した。鋳片サンプルのサイズは、長さ200mm×幅100mm×厚さ10mmである。
管電圧:90kV、照射時間:90秒、照射距離:600mm
また、X線画像は、解像度508dpi、TIFF形式とした。
比較例2では、X線画像に写っている気泡を目視計測した。データ取得に1.6時間を要し、気泡個数は比較例1より多くなった。特に、気泡径が小さくなるほど、比較例1との誤差が大きくなった(図7参照)。
比較例3は、X線画像を画像解析したものであるが、一次閾値108による一次スクリーニングのみを行ったケースである。凝固組織を気泡と誤検知したため、気泡個数が比較例1に比べて大幅に増加した。比較例2と同様、気泡径が小さくなるほど、比較例1との誤差が大きくなった(図7参照)。
一方、実施例におけるデータ取得時間は3分であり、気泡個数及び気泡径も比較例1とほぼ一致した。
Claims (1)
- 連続鋳造された鋳片の内部に生成する気泡を検出する非破壊検査方法であって、
前記鋳片から採取した鋳片サンプルにX線を照射し、該鋳片サンプルを透過したX線の画像データを取得する工程と、
前記画像データを画像処理し、輝度スペクトルから決定した一次閾値を超える輝度値を有するオブジェクトを検出する工程と、
検出された各オブジェクトについて、該オブジェクトの縦横比を示すアスペクト比を算出し、アスペクト比が設定値以上の前記オブジェクトに対して輝度値のラインプロファイルを測定して輝度値の最大値をそれぞれ求める工程と、
求められた前記輝度値の最大値の平均値を二次閾値とし、前記二次閾値を超える輝度値を有する前記オブジェクトのうち、短径が設定値以上のものを気泡と判定する工程とを備えることを特徴とする鋳片気泡欠陥の非破壊検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018111250A JP6988705B2 (ja) | 2018-06-11 | 2018-06-11 | 鋳片気泡欠陥の非破壊検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018111250A JP6988705B2 (ja) | 2018-06-11 | 2018-06-11 | 鋳片気泡欠陥の非破壊検査方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019215185A true JP2019215185A (ja) | 2019-12-19 |
JP6988705B2 JP6988705B2 (ja) | 2022-01-05 |
Family
ID=68919129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018111250A Active JP6988705B2 (ja) | 2018-06-11 | 2018-06-11 | 鋳片気泡欠陥の非破壊検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6988705B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111652869A (zh) * | 2020-06-02 | 2020-09-11 | 中冶赛迪重庆信息技术有限公司 | 基于深度学习的板坯空洞识别方法、系统、介质及终端 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62232547A (ja) * | 1986-04-02 | 1987-10-13 | Kawasaki Steel Corp | 金属用x線透視観察装置 |
JPH0280955A (ja) * | 1988-09-16 | 1990-03-22 | Kawasaki Steel Corp | 連続鋳造鉄鋼スラブの清浄度判別方法 |
JPH08262009A (ja) * | 1995-03-23 | 1996-10-11 | Hitachi Ltd | 高温部材の余寿命評価法 |
JP2010281648A (ja) * | 2009-06-03 | 2010-12-16 | Nagoya Electric Works Co Ltd | 放射線検査装置、放射線検査方法および放射線検査プログラム |
US20140270072A1 (en) * | 2013-03-13 | 2014-09-18 | Robert L. McCormick | Grain size inspection of a gas turbine component by x-ray refraction |
JP2016217913A (ja) * | 2015-05-21 | 2016-12-22 | 株式会社島津製作所 | X線検査装置 |
WO2018020681A1 (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-01 | 株式会社ニコン | 設定方法、検査方法、欠陥評価装置および構造物の製造方法 |
-
2018
- 2018-06-11 JP JP2018111250A patent/JP6988705B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62232547A (ja) * | 1986-04-02 | 1987-10-13 | Kawasaki Steel Corp | 金属用x線透視観察装置 |
JPH0280955A (ja) * | 1988-09-16 | 1990-03-22 | Kawasaki Steel Corp | 連続鋳造鉄鋼スラブの清浄度判別方法 |
JPH08262009A (ja) * | 1995-03-23 | 1996-10-11 | Hitachi Ltd | 高温部材の余寿命評価法 |
JP2010281648A (ja) * | 2009-06-03 | 2010-12-16 | Nagoya Electric Works Co Ltd | 放射線検査装置、放射線検査方法および放射線検査プログラム |
US20140270072A1 (en) * | 2013-03-13 | 2014-09-18 | Robert L. McCormick | Grain size inspection of a gas turbine component by x-ray refraction |
JP2016217913A (ja) * | 2015-05-21 | 2016-12-22 | 株式会社島津製作所 | X線検査装置 |
WO2018020681A1 (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-01 | 株式会社ニコン | 設定方法、検査方法、欠陥評価装置および構造物の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111652869A (zh) * | 2020-06-02 | 2020-09-11 | 中冶赛迪重庆信息技术有限公司 | 基于深度学习的板坯空洞识别方法、系统、介质及终端 |
CN111652869B (zh) * | 2020-06-02 | 2023-04-07 | 中冶赛迪信息技术(重庆)有限公司 | 基于深度学习的板坯空洞识别方法、系统、介质及终端 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6988705B2 (ja) | 2022-01-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2018105652A1 (ja) | 溶融金属表面のスラグ体積評価方法 | |
Wilczek et al. | Porosity characterization of aluminium castings by using particular non-destructive techniques | |
CN106546615A (zh) | 一种铝合金复杂壳体的x射线数字实时成像检测方法 | |
CN113155872B (zh) | 一种连铸坯内部质量无损检测方法 | |
JP6988705B2 (ja) | 鋳片気泡欠陥の非破壊検査方法 | |
JP2010085096A (ja) | 表面検査装置 | |
JP4981433B2 (ja) | 検査装置、検査方法、検査プログラムおよび検査システム | |
Mohamad et al. | Image enhancement process on digital radiographic image with weld discontinuities | |
JP2006189349A (ja) | 非破壊欠陥検査システム | |
JP4449596B2 (ja) | 実装基板検査装置 | |
CN113129259A (zh) | 铸坯致密度检测方法、系统及电子设备 | |
US8831172B2 (en) | Method for filmless radiographic inspection of components | |
JPH0712759A (ja) | 鋳造部品の品質判定方法 | |
CN112697823B (zh) | 一种基于实时成像等级评价的铝铸件气孔尺寸评估方法 | |
JP2022025864A (ja) | 画像処理方法 | |
US5606591A (en) | Procedure for measuring the dimensions of the optical focus of an X-ray tube | |
JP4905712B2 (ja) | 鋳造における空洞欠陥の原因の識別方法 | |
JP2889931B2 (ja) | 金属材料検査方法及び金属材料検査装置 | |
JPH0337564A (ja) | 自動磁粉探傷装置 | |
KR20000004110U (ko) | 방사선 비파괴검사기의 영상처리 및 영상판독기 | |
KR101105602B1 (ko) | Alc 블록 불량검사 장치 및 방법 | |
JP2022057165A (ja) | 外観検査装置 | |
JP7042168B2 (ja) | 検出同等性評価方法及び検出同等性評価装置 | |
JP2618303B2 (ja) | 電縫管溶接ビード切削形状計測方法 | |
JP4185841B2 (ja) | 放射線透過試験画像の解像度を求める方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210203 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20211020 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211102 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211115 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6988705 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |