JP2019214631A - カルシウム吸収不良及び代謝性骨障害を治療するための非晶質炭酸カルシウム - Google Patents

カルシウム吸収不良及び代謝性骨障害を治療するための非晶質炭酸カルシウム Download PDF

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Abstract

【課題】骨代謝に関連する障害、疾患又は状態に罹患している対象において骨ミネラル密度を向上させる。【解決手段】少なくとも1種の安定剤を含む安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)およびビスホスホネートを併用して投与することによって、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態に罹患している対象において骨ミネラル密度を向上させる。【選択図】なし

Description

本発明は、カルシウム吸収不良及び吸収不良に関連する障害、疾患及び状態を治療するのに使用するための、並びにカルシウム吸収不良及び骨代謝に関連する障害において骨ミネラル密度を高めるための天然の及び合成の非晶質炭酸カルシウム組成物に関する。
カルシウムはヒトの体内で最も重要なミネラルの1つであると考えられる。それは、骨ミネラル密度を維持するのに必要とされ、神経伝達物質のエキソサイトーシスに必須であり、筋肉細胞の収縮に関与し、心臓における脱分極ミネラルとしてナトリウムに取って代わり、多数の他の生理的機能に関与する。カルシウムの消化管吸収は、食事のカルシウムの利用性だけでなく、腸管の吸収能力にも左右され、それは、たとえば、カルシウム貯蔵、ホルモン調節又は以前の食事のカルシウム供給のような生理的な因子に影響される。胃におけるカルシウム塩(たとえば、炭酸カルシウム)の溶解は、近位小腸におけるカルシウムイオン(Ca2+)としてのカルシウムの適切な能動的な及び受動的な吸収の1工程である。胃酸は難溶性のカルシウム塩の溶解及びイオン化を顕著に高める。酸が適切に分泌されなければ、カルシウム塩は最少限にしか溶解(イオン化)されず、その後、適切に及び効果的に吸収され得ない。萎縮性胃炎、胃の手術及び抗分泌剤の高用量で長期の使用は酸の分泌を顕著に減らすので、食事及び補完剤のカルシウムの吸収不良のリスク状態であり得、それによって長期の骨粗鬆症のリスクを高め得る(Sipponen et al., Scand J Gastroenterol. 2010;45(2):133−8)。
カルシウムの消化管吸収は、肥満症手術後の患者、副甲状腺機能低下症、クローン病、嚢胞性線維症、炎症性大腸疾患又はセリアック病を患っている患者でも低下し得る。たとえば、プロトンポンプ阻害剤、抗痙攣剤、及び慢性のコルチコステロイドのような追加型の薬剤を使っている人もカルシウム吸収不良を発症し得る。
カルシウムの生体利用効率は、その消化管吸収及び吸収されたカルシウムの骨への取り込みに左右される。腸管の吸収については、生理的因子、特にホルモンがカルシウムの骨への取り込みにおいて主要な役割を担う。従って、カルシウムの生体利用効率は、腸管によって潜在的に吸収可能であり、生理的機能、特に骨のミネラル化に使用することができ、又は骨の損失を限定するのに使用することができる食事中のカルシウムの分画として定義され得る(Gueguen et al, J Am Coll Nutr, 2000 vol. 19 no. suppl 2 119S−136S)。
骨ミネラル密度の低下は、たとえば、骨減少症、骨軟化症、くる病、嚢胞性線維性骨炎及び骨粗鬆症のような種々の代謝性骨疾患に関連する。研究によって食事中カルシウムの不適切な取り込みが骨粗鬆症のような多数の骨関連の疾患を誘導することができることが示されている。
特定の種類の骨量減少(骨粗鬆症を含む)の予防及び治療のための標準的な薬物は再吸収阻害剤である。再吸収阻害剤の非限定例の1つはビスホスホネート、たとえば、ビスホスホネート剤アレンドロネート(ALN)である。ALNの投与は、ALNが骨再吸収阻害効果を有するので、骨ミネラル密度(BMD)の低下を減衰させる。しかしながら、ALNは骨形成も抑制し、その投与が有害な症状のリスクに関連することは認知された課題である。併用での幾つかの薬剤の使用が患者のコンプライアンス及び治療効果の改善のために提案されている。
今日、サプリメントで使用されているカルシウムは、天然起源から得ようと、合成沈殿物から得ようと、有機カルシウム塩及び無機カルシウム塩の双方を含み得る。カルシウムの消化管吸収が限定されている特定の状態では、利用可能なサプリメントの標準的な摂取は吸収を促進するには不十分で、結果的に摂取量を高めることが必要になる。吸収不良に関連する状態にて高用量のカルシウムの摂取を必要とすることは、便秘、腎臓結石、血管の問題及びそれに続くコンプライアンスの低下のような有害な効果を招く。さらに、ほとんどのカルシウムサプリメントは胃腸を介して効率的に溶解され、吸収されるためには胃の低pHを必要とするので、その生体利用効率は空腹状態で優れる。
過去20年にわたって、非晶質炭酸カルシウム(ACC)と称される、炭酸カルシウムの熱力学的に不安定な非晶質の多形体における急速に進展する科学的な関心が出現している。実際、ACCは、少数の生物、一時的なミネラル沈着状態でACCを安定化させる能力を発達させた、主として甲殻類及び他の無脊椎動物によって利用される。これらの生物は、カルシウムの周期的な移動、吸収及び沈殿のための例外的な効率的なミネラル源を必要とする。淡水ザリガニのような一部の甲殻類では、ACCは、胃石と呼ばれる特殊化された一時的な貯蔵臓器にて大量に保存される。
最近、本発明の発明者らの一部は、医薬カルシウム組成物及び栄養補助カルシウム組成物として有用な微粉に粉砕した胃石臓器の使用を開示している(WO05/115414)。胃石成分を含む組成物の毎日の経口摂取が骨障害、骨折及び癌のような状態の範囲を劇的に改善することが開示された(WO2008/041236)。種々の障害及び状態を治療するためのACC及びリン酸化されたペプチド又はアミノ酸を含む医薬組成物及び栄養補助組成物がWO2009/053967にて開示されている。
カルシウムの吸収不良、カルシウムの吸収不良に関連する骨密度低下及び骨代謝に関連する疾患の効率的な治療に対する満たされないニーズがある。
本発明は、カルシウムの吸収不良を治療するための合成又は天然の安定なACCを含む組成物の使用方法を提供する。ACCは、カルシウムの吸収不良を患う患者でさえ、他の型のカルシウムサプリメントの欠陥を克服することができることが本明細書で初めて開示される。
カルシウム吸収不良の治療は、カルシウム欠乏が関連する障害、疾患の発症をさらに予防し、又は減らし、又は遅らせ得る。一部の実施形態によれば、カルシウム欠乏に関連する状態には、肥満症手術又は胃の手術後の患者、副甲状腺機能低下症、ビタミンD欠乏症、腎尿細管疾患、腎不全、膵炎、低タンパク血症、及び高リン血症を患っている患者が含まれる。代わりの実施形態によれば、カルシウム吸収不良が関与する疾患には、クローン病、嚢胞性線維症、炎症性大腸疾患、セリアック病、及びアトピー性胃炎が挙げられる。さらなる実施形態によれば、カルシウム吸収不良は、高い骨形成を伴う対象、コルチコステロイド、プロトンポンプ阻害剤、抗痙攣剤、リファンピン及び類似の抗生剤、キレート剤及び分泌阻害剤を摂取している人を包含し得る。
他のカルシウムサプリメントと比べて安定なACCの高いカルシウム消化管吸収は、閉経後の女性及び閉経周辺期の女性、高齢男性、小児、青年、妊娠女性及び授乳中女性を含む他の集団におけるカルシウム欠乏の結果生じる状態及び障害を遅らせ得る又は最少限にとどめ得る。
ACCの高いカルシウム生体利用効率は、カルシウム吸収不良を患う対象にて骨密素低下をさらに遅らせ得る又は最少限にとどめ得る。本発明は、代謝性の骨の障害、疾患及び状態における対象にて骨ミネラル密度を高めるための合成又は天然の安定なACCを含む組成物の使用を提供する。本発明の組成物は、骨軟化症、骨のパジェット病、骨減少症、嚢胞性線維性骨炎、くる病、骨粗鬆症及び急性アルコール摂取を含む前記障害、疾患又は状態の発症を遅らせるために及びそれらを治療するためにさらに使用される。
態様の1つでは、本発明は、少なくとも1つの安定剤を含む有効量の安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を対象に投与することを含む、そのような治療を必要とする前記対象にてカルシウム吸収不良を治療する方法を提供する。一部の実施形態によれば、ACCは合成起源のものである。他の実施形態によれば、ACCは天然起源のものである。
一部の実施形態によれば、安定剤は、有機酸、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル、ヒドロキシルを持つ有機化合物及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。一部の実施形態では、前記安定剤は、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル及びヒドロキシルを持つ有機化合物から選択される少なくとも1つの成分を含む。一部の実施形態では、前記安定剤は、リン酸化されたアミノ酸及びポリオールから選択される少なくとも1つの成分を含む。前記アミノ酸は、アミノ酸誘導体又はオリゴペプチド又はポリペプチドに存在してもよく、前記ポリオールはアルコール又は糖類を含んでもよい。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。一部の実施形態によれば、リン酸化されたアミノ酸はホスホセリン及びホスホスレオニンから選択される。一部の実施形態によれば、前記安定剤は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類から選択される少なくとも1つの糖類を含む。一部の実施形態によれば、前記安定剤は、少なくとも1つのアルカリ水酸化物とさらに組み合わせられたヒドロキシル持つ有機化合物を含む。一部の実施形態によれば、安定剤は、カルボン酸、好ましくはクエン酸、酒石酸又はリンゴ酸である。一部の実施形態では、前記安定剤は、リン酸化されたアミノ酸、リン酸化されたペプチド、少なくとも1つのペプチドを伴ったキチン、及びアルカリ水酸化物を伴ったポリオールから選択される少なくとも1つの化合物を含む。一部の例となる実施形態によれば、前記ACCは単離された甲殻類の胃石から得られる。一実施形態によれば、前記天然のACCはキチン及びポリペプチドによって安定化される。別の実施形態によれば、ACCは合成であり、前記合成のACCはホスホセリン及びホスホスレオニンから選択されるリン酸化されたアミノ酸によって安定化される。別の実施形態によれば、前記合成のACCはクエン酸と組み合わせたホスホセリンによって安定化される。さらに別の実施形態によれば、前記合成のACCはクエン酸によって安定化される。さらに別の実施形態によれば、前記ACCは水酸化ナトリウムと組み合わせたスクロースによって安定化される。
一部の実施形態によれば、対象は、8.8mg/dLを下回る血漿カルシウム濃度の低下に関連するカルシウム吸収不良の障害を患う。一部の実施形態によれば、治療が必要な対象は、副甲状腺機能低下症、ビタミンD欠乏症、腎尿細管疾患、腎不全、膵炎、低タンパク血症、クローン病、嚢胞性線維症、炎症性大腸疾患、セリアック病、低リン血症、アトピー性胃炎を患っている患者、肥満症又は胃の手術後の患者、高い骨形成を伴う対象、及びコルチコステロイド、プロトンポンプ阻害剤、抗痙攣剤、リファンピン及び類似の抗生剤、キレート剤及び分泌阻害剤から選択される薬物を得ている対象から成る群から選択される。一部の実施形態によれば、対象は閉経後又は閉経周辺期の女性から選択される。一部の実施形態によれば、前記対象は、骨ミネラル密度の低下に関連する障害、疾患及び状態の発生に感受性である。カルシウム吸収不良の治療が必要な対象における骨密度の低下に関連する障害は骨粗鬆症であり得る。
別の実施形態では、本発明は、カルシウム吸収不良の治療で使用するための、有機酸、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル、及びヒドロキシルを持つ有機化合物から成る群から選択される少なくとも1つの安定剤を含む安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を含む医薬組成物を提供する。本発明に係る医薬組成物はさらにキャリア、補助剤、希釈剤又は賦形剤を含み得る。
別の実施形態では、本発明は、カルシウム吸収不良を治療するための、有機酸、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル、及びヒドロキシルを持つ有機化合物から成る群から選択される少なくとも1つの安定剤を含む非晶質炭酸カルシウムの使用を指向する。
別の実施形態では、本発明は、カルシウム吸収不良を治療するための薬物の調製における、有機酸、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル、及びヒドロキシルを持つ有機化合物から成る群から選択される少なくとも1つの安定剤を含む非晶質炭酸カルシウムの使用を指向する。
別の態様では、本発明は、カルシウム吸収不良に関連する障害、疾患及び状態を治療するための、少なくとも1つの安定剤を含む安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を含む組成物に関する。
本発明はさらに、カルシウム吸収不良に関連する障害、疾患及び状態におけるカルシウムの吸収不良を治療するための(摂食状態又は空腹状態にて)薬物の調製における安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を含む組成物の使用を包含し、その際、ACCは少なくとも1つの安定剤と微細に混合される。一実施形態では、安定なACCを含む組成物は、摂食状態で投与した場合、優れた消化管吸収を有する。別の実施形態では、安定なACCを含む組成物は、空腹状態で投与した場合、優れた消化管吸収を有する。
別の態様では、本発明は、安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)及び少なくとも1つの安定剤を含む有効量の組成物を哺乳類対象に投与することを含む、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態において骨ミネラル密度を高める方法を提供する。一部の実施形態によれば、ACCは合成起源のものである。他の実施形態によれば、ACCは天然起源のものである。一部の実施形態によれば、安定剤は、有機酸、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル、ヒドロキシルを持つ有機化合物及びそれらの組み合わせから成る群から選択される。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。一部の実施形態では、前記安定剤は、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル及びヒドロキシルを持つ有機化合物から選択される少なくとも1つの成分を含む。一部の実施形態では、前記安定剤は、リン酸化されたアミノ酸及びポリオールから選択される少なくとも1つの成分を含む。前記アミノ酸は、アミノ酸誘導体又はオリゴペプチド又はポリペプチドに存在してもよく、前記ポリオールはアルコール又は糖類を含んでもよい。各可能性は本発明の別々の実施形態を表す。一部の実施形態によれば、リン酸化されたアミノ酸はホスホセリン及びホスホスレオニンから選択される。一部の実施形態によれば、前記安定剤は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類から選択される少なくとも1つの糖類を含む。一部の実施形態によれば、前記安定剤は、少なくとも1つのアルカリ水酸化物とさらに組み合わせられたヒドロキシル持つ有機化合物を含む。一部の実施形態によれば、安定剤は、カルボン酸、好ましくはクエン酸、酒石酸又はリンゴ酸である。一部の実施形態では、前記安定剤は、リン酸化されたアミノ酸、リン酸化されたペプチド、少なくとも1つのペプチドを伴ったキチン、及びアルカリ水酸化物を伴ったポリオールから選択される少なくとも1つの化合物を含む。一部の実施形態によれば、前記ACCは単離された甲殻類の胃石から得られる。
一部の実施形態によれば、骨ミネラル密度を高める方法は骨再吸収阻害剤と併用して安定なACCを含む組成物を投与することを含む。一部の実施形態によれば、骨再吸収阻害剤はビスホスホネートである。一部の実施形態によれば、ビスホスホネートは、アレンドロネート、リセドロネート、チルドロネート、イバンドロネート、ゾレンドロネート、パミドロネート、エチドロネート及びその塩及びエステルから選択される。一部の実施形態によれば、ビスホスホネートはアレンドロネートである。一部の実施形態では、カルシウムサプリメントなしで又は安定なACC以外のカルシウムサプリメントと共に必要とされる用量に比べて、低い治療用量のビスホスホネート、アレンドロネートとの併用で投与される。一部の実施形態によれば、本発明は、骨粗鬆症、骨軟化症、骨のパジェット病、骨減少症、嚢胞性線維性骨炎、及びくる病から選択される骨代謝に関連する障害、疾患又は状態において骨ミネラル密度を高める方法を提供する。特定の一実施形態では、本発明は骨粗鬆症における骨ミネラル密度を高める方法を提供する。一部の実施形態によれば、本発明は、骨再吸収阻害剤との併用で前記組成物を投与することを含む、骨軟化症、骨のパジェット病、骨減少症、嚢胞性線維性骨炎、くる病、骨粗鬆症及び急性アルコール摂取から選択される骨代謝に関連する障害、疾患又は状態において骨ミネラル密度を高める方法を提供する。特定の一実施形態では、本発明はビスホスホネートアレンドロネートとの併用で前記組成物を投与することを含む、骨粗鬆症において骨ミネラル密度を高める方法を提供する。本発明の方法によれば、組成物は、閉経後の女性、高齢男性、小児、青年、妊娠女性、及び授乳中の女性から選択される哺乳類対象に投与される。一部の実施形態によれば、骨ミネラル密度を高める方法は安定なACCを含む組成物の投与を含み、その際、前記対象はカルシウム吸収不良及びカルシウム吸収不良に関連する障害、疾患及び状態を患う患者から選択される。
本発明はさらに、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態において骨ミネラル密度を高めるための薬物の調製において使用するための、有機酸、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル、及びヒドロキシルを持つ有機化合物から成る群から選択される少なくとも1つの安定剤を含む安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を含む組成物の使用を提供する。本発明に係る医薬組成物はさらにキャリア、補助剤、希釈剤又は賦形剤を含み得る。
さらに別の態様では、本発明は、少なくとも1つの安定剤を含む有効量のACCを対象に投与することを含むカルシウム吸収不良を患う前記対象にてカルシウムの消化管吸収を高める方法を提供する。一部の実施形態によれば、投与は空腹状態及び摂食状態における対象から選択される前記対象に対して実施される。
本発明の上記及び他の特徴及び利点はすべて、添付の図面を参照して、その実施形態の以下の実例となり且つ非限定的である記載を介して理解されるであろう。
ラットへの結晶炭酸カルシウムの投与に対して非晶質炭酸カルシウム(ACC)の投与の後、カルシウムのレベルが上昇することを示す図である。結果は平均値±SEMである。スチューデントのt検定:*p<0.05 摂食後の閉経後女性における結晶炭酸カルシウム(CCC)の投与に対して非晶質炭酸カルシウム(ACC)の投与の後、カルシウムの分画吸収が各女性当たり2.1倍上昇することを示す図である。対応のあるt検定:p<0.01 摂食後の閉経後女性における結晶炭酸カルシウム(CCC)の投与に対して非晶質炭酸カルシウム(ACC)の投与の後、2つの別々の群を分析した場合、カルシウムの分画吸収が1.9倍上昇することを示す図である。結果は平均値±SEMである。スチューデントのt検定:*p<0.05 空腹時の閉経後女性における結晶炭酸カルシウム(CCC)の投与に対して非晶質炭酸カルシウム(ACC)の投与の後、カルシウムの分画吸収が4.6倍上昇することを示す図である。 各治療群からの代表的な遠位大腿骨の三次元再構成及び第4椎骨の断面を示す図である。疑似処置用の骨梁領域(図5A)、結晶炭酸カルシウム(CCC)(図5B)、非晶質炭酸カルシウム(ACC)(図5C)、CCC+アレンドロネート(ALN)(図5D)及びACC+ALN(図5E)。スケール棒は1.5mmの距離を表す。 μCTによって得られた群の骨梁骨ミネラル密度(Tb.BMD)及び骨組織総容量からの骨容量を示す図である。遠位大腿骨のTb.BMD(図6A)、第4腰椎のTb.BMD(図6B)。比率はCCC処理群(対照)からの上昇を表す。 μCTによって得られた群の骨梁骨ミネラル密度(Tb.BMD)及び骨組織総容量からの骨容量を示す図である。遠位大腿骨のBV/TV(図6C)、第4腰椎のBV/TV(図6D)。比率はCCC処理群(対照)からの上昇を表す。 各治療群からの代表的な遠位大腿骨の三次元再構成及び第4椎骨の断面を示す図である。疑似処置用の骨梁領域(図7A)、対照(図7B)、胃石(Gast)(図7C)、非晶質炭酸カルシウム(ACC)(図7D)及びクエン酸塩(図7E)。スケール棒は1.5mmの距離を表す。 μCTによって得られた群の骨梁骨ミネラル密度(Tb.BMD)を示す図である。遠位大腿骨のTb.BMD(図8A)、第4腰椎のTb.BMD(図8B)。一元配置ANOVA:p<0.001。文字はフィッシャーのLSD事後比較を表す。 μCTによって得られた治療群の総骨組織からの骨梁骨容量(BV/TV)を示す図である。遠位大腿骨のBV/TV(図9A)、第4腰椎のBV/TV(図9B)。一元配置ANOVA:p<0.001。文字はフィッシャーのLSD事後比較を表す。 腰椎の機械的な微細構造特性を示す図である。最大圧(図10A)、最大圧エネルギー(UF)(図10B)。一元配置ANOVA:p<0.01。文字はフィッシャーのLSD事後比較を表す。棒はSEMを表す。 腰椎の機械的な微細構造特性を示す図である。強靭性(図10C)、降伏時エネルギー(図10D)。一元配置ANOVA:p<0.01。文字はフィッシャーのLSD事後比較を表す。棒はSEMを表す。 腰椎の機械的な微細構造特性を示す図である。骨梁骨パターン因子(TBPf)(図10E)、構造モデル指標(SMI)(図10F)、異方性(DA)の程度(図10G)。一元配置ANOVA:p<0.01。文字はフィッシャーのLSD事後比較を表す。棒はSEMを表す。
本発明は、安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を含む組成物の以前未知であった使用を開示する。本発明に係る非晶質炭酸カルシウムに基づく組成物は、一般に市場に出回っているカルシウムサプリメントよりも優れたカルシウム源であることが分かった。ACCを含む組成物は、消化管及び骨においてさらに高い吸収性を含む驚くべき高いカルシウムの生体利用効率を有することが今や見いだされている。従って、ACCの使用は、カルシウム吸収不良に関連する障害、疾患及び状態(摂食状態及びさらに大きな利点のある空腹状態の双方で)並びに骨量低下に関連する障害及び状態において有益である。
用語「治療」は本明細書で採用されるとき、ACCの投与及び消化管と骨におけるカルシウム吸収の向上を指す。
用語「発症を遅らせること」又は「予防法」は本明細書で採用されるとき、骨疾患の発症の先送り、症状の発症の先送り及び/又は発症するであろう又は発症すると予想されるそのような症状の重症度の軽減を指す。
用語「安定なACC」は、数週間から数年の長期間、5%以下の結晶への変換を伴って、炭酸カルシウムが前記期間の間、非晶質の状態で維持されることを示すように本明細書で使用される。たとえば、リン酸化されたアミノ酸、他の有機酸、ペプチド、塩、糖類又は脂質のような有機成分又は無機成分から選択される1以上の安定剤を添加することによって本発明に従ってACCの結晶化を阻害する。前記塩は、たとえば、マグネシウム、カリウム、ストロンチウム及びナトリウムから選択されるカチオン並びに炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、臭化物、フッ化物、クエン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩又は他の有機アニオンから選択されるアニオンを含み得る;用語、アニオン及びカチオンは、前記分子の溶解性又はpHに関する何かを暗示することなく、単に塩組成物を記載するのに使用される。
用語「安定剤」又は「安定化剤」は本明細書で使用されるとき、相互交換可能に使用され、炭酸カルシウムを非晶質状態で維持する物質を指す。
用語「カルシウム吸収不良」は本明細書で使用されるとき、食事中カルシウムの消化管を介した吸収における異常を指す。用語「骨量低下」は本明細書で使用されるとき、対象における骨細胞又は骨組織の減少、骨質量の低下、骨ミネラルの減少又は骨ミネラル密度の低下を指す。
用語「有効量」は本明細書で使用されるとき、カルシウム吸収不良、カルシウム吸収不良やミネラル骨密度に関連する疾患、障害及び状態を治療する、並びに医療上又は栄養上の治療に適用可能な理に適った利益/リスクの比にてミネラル骨密度を高めるための安定なACCを含む組成物の有効量を指す。
一実施形態では、本発明は、安定なACC及びACCを非結晶状態で維持するのに十分な量の安定剤を含む合成の(人工的な)組成物を提供する。安定剤は、有機酸、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル、及びヒドロキシルを持つ有機化合物から選択されるが、これらに限定されない。一部の実施形態によれば、前記安定剤は、たとえば、ホスホエノールピルベート、ホスホセリン、ホスホスレオニン、スルホセリン又はスルホスレオニンのようなヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル又は硫酸エステル、及び単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類及び多糖類、たとえば、スクロース、マンノース、グルコースから選択されるヒドロキシルを持つ有機化合物から選択される少なくとも1つの成分を含む。ヒドロキシルを持つ有機化合物を含む安定剤はさらに、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のような少なくとも1つのアルカリ水酸化物を含み得る。本発明の一部の実施形態では、前記安定剤はリン酸化されたアミノ酸及びポリオールから選択される。リン酸化された酸はオリゴペプチド及びポリペプチドに存在し得る。本発明の他の実施形態では、安定剤は有機酸、好ましくはカルボン酸である。カルボン酸は好ましくはクエン酸、酒石酸又はリンゴ酸である。
本発明の一実施形態では、ACCはホスホセリン(P−Ser)又はホスホスレオニン(P−Thr)によって安定化される。別の実施形態では、ACCはスクロースと水酸化ナトリウムの組み合わせを含む。本発明のさらに別の実施形態では、ACCはクエン酸によって安定化される。本発明のさらに別の実施形態では、ACCはホスホセリンとクエン酸の組み合わせによって安定化される。本発明の好ましい実施形態では、微量の1以上の安定剤を含む安定なACCを含む人工的な組成物はカルシウム吸収を高める又は改善する必要がある人に投与される。
別の実施形態では、本発明は単離されたザリガニの胃石に存在する安定なACCを含む天然の組成物を提供する。粉砕した胃石はACC、及び主としてキチン及びポリペプチド及び塩から成る有機物を含む。有機物に存在する成分がACCを安定化し、その結晶化を妨げる。
態様の1つでは、本発明で提示されるカルシウムの高い生体利用効率は分子を安定化することに関係しない。別の態様では、本発明は、カルシウムの高い生体利用効率が炭酸カルシウムの非晶質状態のみに関係することを主張する。
別の態様では、本発明は、カルシウム吸収不良及びカルシウム吸収不良に関連する障害、疾患及び状態を患う患者におけるカルシウム吸収不良の治療に使用するために、少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCを含む組成物を提供する。別の態様では、少なくとも1つの安定剤を含む安定な非晶質炭酸カルシウムを含む有効量の組成物を対象に投与することを含む、カルシウム吸収不良を患う前記対象にてカルシウムの消化管吸収を高める方法が提供される。
一部の実施形態によれば、カルシウム欠乏に関連する状態には、肥満症又は胃の手術後の患者、副甲状腺機能低下症、ビタミンD欠乏症、腎尿細管疾患、腎不全、膵炎、低タンパク血症、及び高リン血症を患っている患者が含まれる。代わりの実施形態によれば、カルシウム吸収不良が関与する疾患には、クローン病、嚢胞性線維症、炎症性大腸疾患、セリアック病、及びアトピー性胃炎が挙げられる。さらなる実施形態によれば、カルシウム吸収不良は、高い骨形成を伴う対象、コルチコステロイド、プロトンポンプ阻害剤、抗痙攣剤、リファンピン及び類似の抗生剤、キレート剤及び分泌阻害剤を摂取している人を包含し得る。
カルシウムの消化管吸収の低下はさらに骨ミネラル密度の低下を招き得る。別の態様では、本発明は、カルシウム吸収不良に関連する障害、疾患及び状態を患う患者におけるミネラル骨密度を高めるのに使用するために、少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCを含む組成物を提供する。本発明はさらに、カルシウム吸収不良を患う対象にて骨密度の低下を治療するために、少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCを含む組成物を提供する。他のカルシウムサプリメントと比べて安定なACCのカルシウム消化管吸収の向上は、閉経後の女性、高齢男性、小児、青年、妊娠女性、及び授乳中の女性を含む集団にてカルシウム欠乏の結果生じる状態及び障害を遅延させ得る又はできるだけ抑え得る。
さらに別の態様では、本発明は、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態における骨ミネラル密度の向上に使用するために、少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCを含む組成物を提供する。本発明の一実施形態によれば、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態は、骨軟化症、骨のパジェット病、骨減少症、嚢胞性線維性骨炎、くる病、骨粗鬆症及び急性アルコール摂取から選択される。一部の実施形態によれば、前記組成物は骨量低下の予防及び治療のために他の薬物との併用で投与され得る。骨量低下の予防及び治療のための薬物は、ビスホスホネート(ビスホスホン酸の塩)を含む骨再吸収阻害剤、エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、カルシトニン製剤、α−カルシトニン遺伝子に関連するペプチド製剤、イプリフラボン製剤、同化ステロイド製剤、抗RANKL(NF−κBリガンドの受容体活性化因子)抗体等から選択される。骨ミネラル密度の低下の予防及び治療に使用されるビスホスホネートの非限定の一例はビスホスホネートアレンドロネートである。骨再吸収阻害剤との併用でのACCを含む組成物の使用は、骨ミネラル密度を高めることに対する相加効果を提供する。特定の理論によって束縛されることを望まないで、ACCによって提供される相加効果は高い生体利用効率及びその骨形成誘導効果に起因し得る。骨再吸収阻害剤との併用でのACCの投与は、結晶炭酸カルシウムとの併用でのALNの投与と比べて、観察される相加効果のために骨再吸収阻害剤の治療用量の減量を可能にする。一部の実施形態では、本発明は、ビスホスホネートとの併用で少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCを含む組成物を投与することを含む、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態における骨ミネラル密度を高める方法を提供する。本発明の文脈では、用語、併用療法は、単一剤形又は別々の剤形における2以上の有効成分の投与を包含する。別々の剤形は同時に又は順次投与されてもよく、又は全く独立した別の投薬計画で投与されてもよい。たとえば、ACCは毎日投与されてもよく、ビスホスホネートは少ない頻度で投与されてもよい。
一部の実施形態では、前記組成物は、カルシウムサプリメントなしで、又は安定なACCサプリメント以外のカルシウムサプリメントと共に必要とされる用量に比べて、低い治療用量でのビスホスホネートとの併用で投与される。一部の実施形態では、ビスホスホネートはアレンドロネートである。一部の実施形態では、前記組成物は、カルシウムサプリメントなしで、又は安定なACCサプリメント以外のカルシウムサプリメントと共に必要とされる用量に比べて、低い治療用量でのアレンドロネートとの併用で投与される。一部の実施形態では、骨粗鬆症において骨ミネラル密度を高めるのにALNとの併用で前記組成物が使用される。
さらに別の態様では、本発明は、骨ミネラル密度の低下に関連する障害の治療のために少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCを含む組成物を提供する。本発明の一実施形態によれば、骨ミネラル密度の低下に関連する障害、疾患及び状態は、骨軟化症、骨減少症、嚢胞性線維性骨炎、くる病、骨粗鬆症及び急性アルコール摂取から選択される。
さらに別の態様では、本発明は、骨ミネラル密度の低下に関連する障害の発症を遅らせる又は予防するために少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCを含む組成物を提供する。本発明の一実施形態によれば、骨ミネラル密度の低下に関連する障害、疾患及び状態は、骨軟化症、骨減少症、嚢胞性線維性骨炎、くる病、骨粗鬆症及び急性アルコール摂取から選択される。
本発明の方法によれば、安定なACCを含む組成物は、たとえば、閉経後の女性及び高齢男性のような骨ミネラル密度の低下及び骨代謝に関連する障害の発症に感受性の対象にて使用するのに特に有利である。別の態様では、本発明の組成物は、たとえば、小児、青年及び妊娠中や授乳中の女性のような高レベルのカルシウムを摂取する必要がある対象に投与される。さらに別の態様では、本発明の組成物はカルシウム吸収不良を患う対象に投与される。
態様の1つでは、本発明は、カルシウム吸収不良に関連する障害、疾患及び状態を患う患者におけるカルシウム吸収不良の治療のための薬物の調製における少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCを含む組成物の使用に関する。
その上さらなる態様では、本発明は、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態における骨ミネラル密度の向上のための薬物の調製における少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCを含む組成物の使用に関する。一部の実施形態では、前記薬物は、骨再吸収阻害剤との併用で使用される。その上さらなる態様では、前記組成物は、骨ミネラル密度の低下に関連する障害、疾患及び状態の治療のための薬物の調製に使用される。その上さらなる態様では、本発明は、骨ミネラル密度の低下に関連する障害、疾患及び状態及びカルシウム吸収不良に関連する状態の予防のための薬物の調製におけるACCを含む組成物の使用に関する。その上さらなる態様では、本発明の組成物は、代謝性の骨の障害、疾患及び状態の発症に感受性である集団にてカルシウム吸収を高めるのに使用される。一実施形態では、本発明は、摂食状態で投与される場合、優れた消化管での生体利用効率を有する安定なACCを含む組成物の経口投与に関する。別の実施形態では、本発明は、さらに効率的な消化管での生体利用効率に達するために、空腹状態における安定なACCを含む組成物の経口投与に関する。
ACCとして投与される場合、カルシウムのさらに高い生体利用効率を促進するのは、安定化する分子又はメカニズムにかかわらず、非晶質炭酸カルシウムのみであるという考えを支持する証拠が提供されている。本発明の重要な実施形態では、合成のACCは摂食状態で投与する場合、消化管での優れた生物利用効率を有する。本発明の別の重要な実施形態では、合成のACCは空腹状態で投与する場合、胃での優れた生物利用効率を有する。本発明のさらに他の重要な実施形態では、天然起源のACCは摂食状態で投与する場合、胃での優れた生物利用効率を有する。本発明のさらに重要な実施形態では、天然起源のACCは空腹状態で投与する場合、胃での優れた生物利用効率を有する。一部の実施形態によれば、対象が空腹状態であろうと又は摂食状態であろうとに関わりなく、そのような治療を必要とする対象への少なくとも1つの安定剤を含む安定なACCの投与が実施される。
本発明の組成物は好ましくは、錠剤、カプセル、丸薬、粉剤、顆粒、エリキシル、チンキ剤、懸濁液、シロップ、エマルジョン含むがこれらに限定されない種々の経口形態にて及びゲル形態として経口で投与され得る。
経口投与が錠剤又はカプセルの形態である例では、組成物の成分は、たとえば、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、修飾された糖類、修飾されたデンプン、メチルセルロース及びその誘導体、マンニトール、ソルビトール、及び他の還元性及び非還元性の糖類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、非晶質シリカゲル又は他の乾燥剤物質等のような非毒性の薬学上許容可能な不活性のキャリア又は賦形剤と組み合わせることができる。
本発明の組成物は0.5〜約5gの毎日用量で投与され得る。代わりの実施形態によれば、本発明の組成物は1.5〜約20gの毎日用量で投与され得る。本発明の組成物は0.15〜約1.5gの範囲で元素カルシウムを含む1日用量で投与され得る。代わりの実施形態によれば、本発明の組成物は0.5〜約6の範囲で元素カルシウムを含む1日用量で投与され得る。
液体形態での経口投与については、組成物の成分は、エタノール、グリセロール、水等のような非毒性の薬学上許容可能な不活性のキャリアと組み合わせることができる。所望であれば、又は必要であれば、好適な結合剤、潤滑剤、崩壊剤及び着色剤及び風味剤も混合物に組み入れることもできる。
本発明に係る組成物の特定の利点は、経口投与に関するその確認された低い毒性及び高い安全性である。従って、本発明の組成物は、本発明の他の態様では、病人向けの特別食として有利に使用される。
本発明者らは、安定なACCを含むカルシウム源の生体利用効率を評価する目的で実験を行った。ACCからのカルシウムの生体利用効率は、カルシウムの消化管吸収という点及び骨のミネラル化過程へのカルシウムの利用性という点で評価した。一般に健常な集団及びカルシウム吸収不良を患っている又はそれに感受性である集団におけるカルシウムの消化管吸収を評価した。カルシウムの消化管吸収の低下は骨密度低下の原因の1つである。従って、カルシウム吸収不良を患っている集団におけるカルシウムの骨吸収性も評価した。安定なACCの使用は、カルシウム吸収不良を患っている又はそれに感受性である対象においてカルシウムの消化管吸収を高め、骨ミネラル密度を高めるのに有益であり得る。骨量低下に関連する障害及び状態に感受性の集団、たとえば、閉経後の女性においてカルシウムの消化管吸収をさらに評価した。
骨のミネラル化過程へのカルシウムの高い利用性は、骨ミネラル密度を高め、他の骨パラメータに陽性に影響することが見いだされた。以下で例示されるように、異なる安定剤を含む安定なACCの種々の骨パラメータに対する効果を評価した。ラットの骨粗鬆症モデルにおける骨ミネラル密度と他の骨パラメータに対するACCの効果も評価した。非晶質炭酸カルシウムに基づく組成物をアレンドロネート、ビスホスホネート剤のような骨再吸収阻害薬とも組み合わせ、骨分画パラメータに対するその相互効果を評価した。
生体利用効率の測定は、種々の薬剤及びサプリメントの評価に使用される広く報告されている生体利用効率モデルに基づいた、血清及び尿の試料採取による消化管における安定なACC源からのカルシウム吸収の評価、及び種々の薬剤及びサプリメントの評価に使用される広く報告されている骨粗鬆症の予防及び治療のモデルに基づいた、骨ミネラル密度及び他の骨パラメータに対する安定なACCからのカルシウムの効果の評価を含んだ。安定なACCの生体利用効率は、吸収不良を患っている患者、たとえば、副甲状腺機能低下症を患っている患者及びコルチコステロイドを摂取している人において及び骨ミネラル密度に関連する障害を患っている集団において評価した。ACC源からのカルシウムの高い生体利用効率は、種々のカルシウム吸収不良及び代謝性の骨関連の疾患、障害及び状態の治療及び予防にACCの単独での使用又は骨量低下の治療用の標準薬物との併用での使用を可能にする。今や一般的に本発明を記載してきて、以下の実施例への参照を介して同じことがさらに容易に理解されるであろうが、実施例は説明目的で提供されるのであって、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例
治験1:ACC源からのカルシウムの消化管吸収
本実験の目的は、ラットの放射性同位元素標識モデルにて安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を含むカルシウム源の消化管吸収を評価することであった。
体重240±15gの24匹の2ヵ月齢のオスのウイスターラットに、元々45Caで標識したACC(非晶質炭酸カルシウム)又はCCC(結晶性の炭酸カルシウム)のいずれかを含有する単一のゼラチンカプセルを経口で投与し、その後、血清におけるカルシウム分画の吸収及びカルシウム排泄を測定した。
図1は、投与した用量に対して標準化した放射性活性の読み取りによって算出した血清カルシウム濃度の変化を提示する。ACCを投与されたラットにおけるCmax値はCCC群のそれよりも有意に高かった(40%まで)(図1及び表1)。
Figure 2019214631
薬物動態解析は、ACCの消化管吸収がCCCよりも有意に高い(曲線下面積AUC値はそれぞれ22.5%及び20%高い)が、最大濃度に達するのに要する時間(Tmax)は群間で異なることはなかったことを示している(表1)。
図1で提示された保持値は、CCCを含有するカプセルを服用したラットは服用量の48.5±1.3%を保持したことを示唆している。一方、ACCカプセルを服用したラットはそれぞれ服用量の61.4±2.0%及び60.6±2.1%を保持した。これは、CCC処理群による保持に比べて26.6%の保持の有意な増加に相当する(p<0.05)。
実験の詳細
動物
動物はすべてBen−Gurion大学の動物飼育及び使用のプログラムのもとでイスラエルの動物福祉法に従って処理した。体重240±15gの51匹の2ヵ月齢オスのウイスター系ラット(イスラエル、エルサレムのHarlan−Teklad)を環境制御された部屋(23℃の温度、12:12時間の明暗サイクル)にて12のステンレススチールのケージに無作為に収容した。ラットには、48時間、栄養調整した実験ラット用の餌(イスラエル、ペクタ・チクヴァのKoffolk)を自由に与え、飲料水も自由摂取とした。実験開始の4日前、それぞれ0.01%カルシウム(0.3%リン酸塩;Harlan−Teklad)及び1%カルシウム(0.8%リン酸塩;Koffolk)を含有する2種類の餌を混合することによって特別に調製した0.24±0.05%のカルシウム(0.675±0.05%のリン酸塩)を含有する低カルシウム餌によって通常の餌を置き換えた。2種類の餌はミルにて別々に粉砕し、2種類の粉体を得、それぞれ4:1の比で乾燥混合した後、微粉均質化した。均質化した粉体を押し出して新しい餌ペレットを形成した。
カプセル投与の17時間前に、ラットの体重を測定し、血液試料を得た(ベースライン)。その後、ラットを個別代謝ケージに入れ、カプセル投与の3時間後まで餌と水を与えなかった。投与の3時間後及び24時間後に、約10gの低カルシウム餌ペレット(0.01%カルシウム;Harlan−Teklad)を各ラットに与えた。カプセル投与の3時間後から開始して蒸留水を自由に与えた。
動物へのゼラチンカプセルの投与
プロピレングリコール(BioLab)で4:1(v/v)に希釈したイソフルラン(Minrad)によって30秒間、各ラットに軽く鎮静をかけた。ステンレススチールのラット投与用シリンジ(Harvard Apparatus)を用いて、特定の炭酸カルシウム製剤(すなわち、CCC、ACC又はACC−C;各群についてn=17)を含有する単一のカプセルを実験用ラットのそれぞれに胃内投与した。
動物の採血及び化学分析
カプセル投与の17時間前、及び投与(0時間)後2、3、6、10、24及び34時間に各ラットの尾静脈から120〜150μLの血液試料を採取した。卓上遠心機(スイス、バッハのHettich Zentrifugen)を用いて血液試料を直ちに3000gにて10分間遠心した。シンチレーション液(英国、バークシャーのZinsser Analytic)を含有するプラスチックバイアルに2つ組試料(30μL)の上清血清を移し、液体シンチレーションカウンタ(Tri−Carb 2100TR,マサチューセッツ州、ボストンのPerkinElmer)を用いて放射活性を測定した。測定された放射活性及び各ラットが服用した特定の放射活性用量に従って、所与の用量からの血漿放射活性を標準化した[(血清のcpm×100)/(総cpm×血清の容積)]。
動物の糞便及び尿の採取並びに解析
カルシウムを評価するために、順化期間の間での17時間の空腹期(ベースライン)及び実験の34時間全体の間、糞便及び尿を採取した。シンチレーション液を満たしたプラスチックバイアルに尿の試料(500μL)を移した。糞便はオーブンにて70℃で一晩乾燥させた。微粉均質化するまで、乳鉢で試料を粉砕した。糞便試料(200mg)を5mLの1NのNaOH溶液(イスラエル、ネタニアのGadot)に入れ、80℃にて3時間インキュベートし、3,600gにて10分間遠心した。シンチレーション液を含有するプラスチックバイアルに2つ組試料の上清(30μL)を移した。液体シンチレーションカウンタを用いて尿及び糞便の試料の放射活性を測定した。所与の用量から糞便及び尿において測定された放射活性を差し引くことによって保持値を算出した[(摂取−糞便及び尿への排泄)/(摂取×100%)]
動物試料の薬物動態の算出
WinNonLin5.2ソフトウエア(カリフォルニア州、マウンテンビューのPharsight)を用いて時間データに対する個々のラットのカルシウム濃度のノンコンパートメント解析を行った。
統計的解析
Statistica6.1ソフトウエア(オクラホマ州、タルサのStaSoft)を用いて、保持値、薬物動態の結果及び溶解性の結果について分散の一元配置解析(ANOVA)を行った。
Prism5ソフトウエアを用いて対応のあるt検定及びスチューデントのt検定を行った。<0.05のp値を有意であると見なした。
上記の治験の結果は、安定なACCが動物モデルにおいてCCCよりも高い消化管吸収を有することを確認した。
治験2:副甲状腺機能低下症におけるカルシウムの消化管吸収
カルシウム吸収不良の治療における安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を含むカルシウム源の消化管での生体利用効率を評価する目的で実験を行った。原発の副甲状腺機能低下症の管理において非晶質炭酸カルシウム(ACC)サプリメントを市販の結晶カルシウムサプリメント(CCS)と比較する無作為、2フェーズ適応、次いで交差非盲検の試験を行う。
治験の第1フェーズの主な目的は、結晶カルシウムサプリメント(CCS)に比べて低用量の、ACCに由来する元素カルシウムでの処置が目標の血清カルシウム(アルブミンに対して補正)値(7.0〜10.0mg/dL)を維持することができるという考えの証明である。第1段階の二次的な目的は十分なACC用量を評価することである。さらなる二次的な目的はACCの吸収に対する食物の効果を判定することである。
治験の第2フェーズの主な目的は、CCSに比べてACCに由来する低用量の元素カルシウムによる治療が目標の血清カルシウム(アルブミンに対して補正)値(7.0〜10.0mg/dL)を維持することができるという仮説を調べることである。第2段階の二次的な目的はCCSに比べてACCに由来する低用量の元素カルシウムによる治療が副甲状腺機能低下症の対象にて高カルシウム尿の増加を引き起こさないという仮説を調べることである。さらなる二次的な目的はCCSに比べてACCに由来する低用量の元素カルシウムによる治療が高カルシウム摂取に関連する副作用を軽減するという仮説を調べることである。
試験集団の選択
試験集団には、各フェーズ10人ずつの原発性副甲状腺機能低下症の20人の対象が含まれる。
治験薬
試験に使用される安定な非晶質炭酸カルシウムは、Amorphical社によって提供される、低濃度のホスホセリンとクエン酸塩(最終製品の0.5%未満)によって安定化された合成ACCである。リン酸化されたセリン及び有機クエン酸は、非毒性で、天然に豊富であり、さらに単体の食事サプリメントとして摂取され、経口で服用した際、有害効果は報告されていない。
表2は、誘導結合プラズマ原子発光(ICP−AE)、紫外線(UV)分光分析法、強熱減量(LOI)及び炎光光度計を用いた炭酸カルシウムの米国薬局方パラメータに従って評価したACCの化学分析を要約する。特定しない限り、測定値の精度は±10%である。
Figure 2019214631
対照薬−標準治療
副甲状腺機能低下症の患者の治療にはカルシウム及びビタミンDを投与することによって低カルシウム血症を正すことが含まれる(Cusano et al, 2012; Fong & Kahn, 2012)。術後の副甲状腺機能低下症に対する直後の処置については、経口補完は、元素カルシウム(1〜2g、1日3回)及びカルシトリオール(0.25〜1μg、1日2〜3回)で開始される。重度の及び/又は長期の低カルシウム血症のリスクがある患者では、元素カルシウムは1日3回2gの投与量で開始し、カルシトリオールは1日3回0.5μgの投与量で開始する。幾つかの種類のカルシウム補完物がある。それは処方箋と共に又は処方箋なしで利用可能である。それらのすべては神経及び筋肉の性能を抑え、正常な心臓機能を亢進する(Straub, 2007)。
・炭酸カルシウム(Tums extra strength,Cal−plus,Caltrate,Os−Cal 500)−利用可能なカルシウムサプリメント製剤すべての中で、炭酸カルシウムは、40%の元素カルシウムを伴う最も濃縮されたカルシウムサプリメントの1つである。多数の市販製剤が存在する。元素カルシウムの1日総用量は、ビタミンDの1日用量をできるだけ抑え、患者を無症状に保つように漸増する必要がある。イオン化されたカルシウムは酸性環境で最良に吸収され;400mgの元素カルシウムが1gの炭酸カルシウムに等しい。
・クエン酸カルシウム(Citracal,Cal−Cytrate 250)−210mgの元素カルシウムが1gのクエン酸カルシウムに等しい。
・グルコン酸カルシウム(Kalcinate)−IV用途で利用可能である。5〜10分間かけてゆっくり点滴する;10mLのグルコン酸カルシウムはおよそ90mgの元素カルシウムを含有する;1000mgのグルコン酸カルシウムは90mgの元素カルシウムに等しい。
本試験では、対照群の患者は、いつものカルシウムサプリメントを摂取し続けるので、標準治療で治療される。
投与量及び投与
フェーズI
適格な対象がACC錠剤を服用する。試験治験薬の各用量は、各錠剤におけるACCに由来する50又は200mgの元素カルシウムから成る。
フェーズII
交差試験の設計で適格な対象がACC錠剤を服用する。対照群は標準治療で治療される(いつものカルシウムサプリメントを服用することによって)。試験治験薬の各用量は、各錠剤におけるACCに由来する50又は200mgの元素カルシウムから成る。
Figure 2019214631
ACCの作用及び効果のメカニズムはまだ明らかにされていない。従って、投与量及び好ましい吸収条件(摂食/空腹)の選択は試験のフェーズIの成績に基づく。最終的な投与量は患者ごとに具体的に決定されなければならない一方で、ACC及びCCS間の容易な変換を可能にする両処方間の変換因子を決定することが可能であることが予想される。
対照群のカルシウム投与量は、各患者及び患者ごとの既知の既往歴及び投薬法に従って決定される。
錠剤の投与は、治療期間全体を通して1日3回対象によって行われる。IP投与は、臨床研究センター(CRC)IP投与記録での各来診で症例報告書(CRF)にて文書化される。未使用の錠剤の包みは来診日にCRCユニットに返却され、CRFにて計数し、記録される。
対象の治療への割り当て
無作為化リストに従って対象を無作為に治療群の1つに割り当てる。無作為化はブロック無作為化を用いて行われる。
盲検化
これは非盲検試験である。対象、治験医師及び対象の評価、モニタリング、解析及びデータ管理に関与する関係者は対象の製剤の割り当てについて盲検化されない。スポンサーは治験薬IPを調製すること、分配すること及びラベルを付けることに責任を負う。
試験設計
試験は2つのフェーズから成る。
フェーズI
原発性副甲状腺機能低下症であると以前診断され、慢性的に治療されている10人の対象を登録する。毎日のCCS摂取をACCに由来する低下させた量の元素カルシウムで徐々に置き換える。5人の対象は食事前にACCを摂取し、他の5人の対象は食事後にACCを摂取する。このフェーズ全体を通して治療の安全性及び有効性を詳しくモニターする。
毎週のアルブミンに対して補正した血清カルシウム(CA)値の試験を用いてACCの吸収を評価する。尿におけるカルシウムの排泄はスクリーニングにて及びフェーズIの終了時に調べる。
フェーズII
原発性副甲状腺機能低下症であると以前診断され、慢性的に治療されている10人の新しい対象を登録する。
対象を以下の6週間の治療の1つに無作為に割り当てる。
(1)標準治療−試験前に日常的に使用されていた同じ元素カルシウム製剤及び投与量。
(2)ACC−ACCに由来する確立した投与量の元素カルシウム(試験のフェーズIにて見いだされた変換因子及び摂食/空腹条件に基づく)。
いつもの1日用量のビタミンD(1−αD3)と共に2種類の製剤を投与する。
治療の終了時、各群は別の6週間、もう一方の製剤を服用する。
血清カルシウム値を算出する毎週の血液検査を用いてACCの優れた吸収を評価する。尿におけるカルシウムの排泄はスクリーニングにて及びフェーズIの終了時に調べる。
以下は試験手順の詳細な記載である。
適格な対象を以下のように治療する
フェーズI
Iの−21日目(±17)スクリーニング:原発性副甲状腺機能低下症であると診断され(定義については第4節を参照)、試験の開始前少なくとも1年カルシウムとビタミンDの補完によって治療され、主要な腎疾患又は肝疾患がない対象がCRCに招かれる。クリニックでは、対象が問診され、既往歴及び現在の投薬が記録され、彼らはインフォームドコンセントの書式(ICF)に署名する。対象は血清カルシウム、P、クレアチニン及びアルブミンのレベルについて血液検査を受けるように差し向けられる。アルブミン補正したカルシウム(CA)の計算を行う。対象は、Ca,P及びクレアチニンについて24時間の採尿を行うように指示される。対象は連続3日間食物と投薬の日記を書き込んで毎日の食事カルシウム摂取を評価するように依頼される。出産年齢の女性は尿妊娠検査を受ける。試験対象患者基準すべてに適合し、除外基準を1つも有さない適格な対象が試験に登録される。
対象は、試験に加わるのに適格かどうかを電話によって又はその場で知らされる。
Iの0日目:適格な対象がCRCに到着し、そこで最終来診以来の彼らの医学状態の変化について尋ねられる。血液検査を行って血清のカルシウム、P及びアルブミンのベースライン値を規定する。ベースラインでのCAの計算を行う。
対象はACC錠剤の包みを受け取り、各錠剤は50又は200mgの元素カルシウムを含有する(カルシウム補完の1日の総量に従って、14日の供給+予備の5錠)。CCSのACCによる置き換えは以下の式に従って算出される:
NTDC=ITDC−[0.1×ITDC(mgCCS)]+[0.05×ITDC(mgACC)]
*ITDC:最初の1日カルシウム総摂取(mg)
**NTDC新しい1日カルシウム総摂取(mg)
元素カルシウムの最初の総1日摂取のうちの10%(mgで)がACC由来の5%の元素カルシウムによって置き換えられる(mgにて、最初の総1日摂取の中で算出される)ビタミンDの1日摂取は同じままである。
1日当たりの錠剤の数の計算が各対象について具体的に(カルシウム補完物の1日投与量に従って)医師によって実施される。
対象は個々の算出されたNTDCに従って1日その量のACCを服用するように指示される:
(1)5人の対象は、朝食後、昼食後及び夕食後に錠剤を服用するように指示される。
(2)5人の対象は、朝食前、昼食前及び夕食前に錠剤を服用するように指示される。
対象は、試験の間、日常の薬物摂取を継続するように指示される。
Iの3日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行って低カルシウム血症(Ca<7.0mg/dL)を除外する。CA値が所望の標的範囲内(7.0〜10.0mg/dL)にあれば、対象はIの0日目にて指示されたカルシウム用量を服用し続ける。CA値が7.0mg/dLを下回る又は10.0mg/dLを上回るのであれば、医師の決定に従ってカルシウム摂取の変更を行う。
Iの7日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。
(a)変換因子0.5
CA=ベースラインであれば、そのときは、元素カルシウムの20%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)をACCに由来する元素カルシウムの10%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)によって置き換える。
NTDC=ITDC−[0.2×ITDC(mgCCS)]+[0.1×ITDC(mgACC)]
(b)変換因子0.75
CA<ベースラインであれば、その時は、元素カルシウムの10%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)をACCに由来する元素カルシウムの7.5%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)によって置き換える。
NTDC=ITDC−[0.1×ITDC(mgCCS)]+[0.075×ITDC(mgACC)]
CA<7.00mg/dLは治療の終了を強要する。
(c)変換因子0.25
CA>ベースラインであれば、その時は、元素カルシウムの10%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)をACCに由来する元素カルシウムの2.5%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)によって置き換える。
NTDC=ITDC−[0.1×ITDC(mgCCS)]+[0.025×ITDC(mgACC)]
対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。対象は、ACCの新しい投与に関する指示書を受け取り、(最初の割り当てに基づいて)食前又は食後、朝、昼及び夕方に個々の算出されたNTDCに従って1日その量の錠剤を服用するように念を押される。対象は試験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。
Iの10日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行って低カルシウム血症(Ca<7.0mg/dL)を除外する。CA値が所望の標的範囲内(7.0〜10.0mg/dL)にあれば、対象はI−7日目にて指示されたカルシウム用量を服用し続ける。CA値が7.0mg/dLを下回る又は10.0mg/dLを上回るのであれば、医師の決定に従ってカルシウム摂取の変更を行う。
Iの14日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行って低カルシウム血症(Ca<7.0mg/dL)を除外する。変換処方[Iの7日の(a)〜(c)]のいずれも所望の標的範囲内(7.0〜10.0mg/dL)での血清カルシウム値を生じなかったら、試験は終了する。
対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。
Iの7日目[処方(a)〜(c)]で見いだされた変換因子に基づいてCCSの最初の1日補完の50%がACCによって置き換えられる。
(a)変換因子0.5:元素カルシウムの50%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)をACCに由来する元素カルシウムの25%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)によって置き換える。
NTDC=ITDC−[0.5×ITDC(mgCCS)]+[0.25×ITDC(mgACC)]
(b)変換因子0.75:元素カルシウムの50%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)をACCに由来する元素カルシウムの37.5%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)によって置き換える。
NTDC=ITDC−[0.5×ITDC(mgCCS)]+[0.375×ITDC(mgACC)]
(c)変換因子0.25:元素カルシウムの50%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)をACCに由来する元素カルシウムの12.5%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)によって置き換える。
NTDC=ITDC−[0.5×ITDC(mgCCS)]+[0.125×ITDC(mgACC)]
対象はACC錠剤の包みを受け取り、各錠剤は50又は200mgの元素カルシウムを含有する(個々の算出されたNTDCに従って、14日の供給+予備の5錠)。対象は、ACCの新しい投与に関する指示書を受け取り、(最初の割り当てに基づいて)食前又は食後、朝、昼及び夕方に個々の算出されたNTDCに従って1日その量の錠剤を服用するように念を押される。対象は試験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。
Iの21日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行って低カルシウム血症(Ca<7.0mg/dL)を除外する。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。CA値が7.0mg/dLを下回る又は10.0mg/dLを上回るのであれば、CA値が7.0mg/dLを下回る又は10.0mg/dLを上回るのであれば、対象は(医師の決定に基づいて)試験から除外される。CA値が所望の標的範囲内(7.0〜10.0mg/dL)にあれば、Iの7日目[処方(a)〜(c)]で見いだされた変換因子に基づいて、CCSの毎日の補完のACCによる完全な置き換えを実施する:
(a)変換因子0.5:元素カルシウムの100%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)をACCに由来する元素カルシウムの50%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)によって置き換える。
NTDC=ITDC−[ITDC(mgCCS)]+[0.5×ITDC(mgACC)]
(b)変換因子0.75:元素カルシウムの100%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)をACCに由来する元素カルシウムの75%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)によって置き換える。
NTDC=ITDC−[ITDC(mgCCS)]+[0.75×ITDC(mgACC)]
(c)変換因子0.25:元素カルシウムの100%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)をACCに由来する元素カルシウムの25%(mgで、最初の1日総摂取から算出される)によって置き換える。
NTDC=ITDC−[ITDC(mgCCS)]+[0.25×ITDC(mgACC)]
対象は、ACCの新しい投与に関する指示書を受け取り、(最初の割り当てに基づいて)食前又は食後、朝、昼及び夕方に個々の算出されたNTDCに従って1日その量の錠剤を服用するように念を押される。対象は試験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。対象は容器を受け取り、次に予定された来診の前に24時間の採尿を行う。
電話によるIの27日目(±1):対象は24時間の採尿を行うように念を押される。
Iの28日目(±1)−フェーズIの終了:対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。対象は、Ca、P及びクレアチニン用の24時間採尿の容器を提供し、カルシウム尿を調べる。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。
フェーズIIで計画された試験の交差部分に着手するかどうかを決定する前に、フェーズIの成績を調べる。フェーズIのデータを要約して、各対象について群別に又は全体として、服用したCCSの代わりのACCの量によるCAレベル間の関係を示す。
フェーズII
原発性副甲状腺機能低下症であると以前診断され、慢性的に治療されている10人の新しい対象を登録する。
対象を以下の6週間の治療の1つに無作為に割り当てる:
(1)標準治療(CCS):試験の前に日常的に使用されていた同じ元素カルシウムの投与量
(2)ACC:ACCに由来する元素カルシウムの確立された投与量(試験の段階Iにて見いだされた変換因子及び摂食/空腹条件に基づく)。
2種類の製剤をいつもの1日投与量のビタミンD(1−αD3)と共に投与する。
治療の終了時、各群は別の6週間、もう一方の製剤を服用する。
血清CA値を算出する毎週の血液検査によってACCの優れた吸収を評価する。スクリーニングにて及び各治療の終了時に尿におけるカルシウムの排泄を調べる。
IIの−21日目(±17)のスクリーニング:原発性副甲状腺機能低下症であると診断され、試験の開始前少なくとも1年カルシウムとビタミンDの補完物を服用している、主要な腎疾患又は肝疾患がない対象がCRCに招かれる。クリニックでは、対象が問診され、既往歴及び現在の投薬が記録され、彼らはインフォームドコンセントの書式(ICF)に署名する。対象は血清カルシウム、P、クレアチニン及びアルブミンのレベルについて血液検査を受けるように差し向けられる。CAの計算を行う。対象は、Ca,P及びクレアチニンについて24時間の採尿を行うように指示される。対象は連続3日間食物と投薬の日記を書き込んで毎日の食事カルシウム摂取を評価するように依頼される。出産年齢の女性は尿妊娠検査を受ける。試験対象患者基準すべてに適合し、除外基準を1つも有さない適格な対象が試験に登録される。
対象は、試験に加わるのに適格かどうかを電話によって又はその場で知らされる。
IIの0日目:適格な対象がCRCに到着し、そこで最終来診以来の彼らの医学状態の変化について尋ねられる。血液検査を行って血清のカルシウム、P及びアルブミンのベースライン値を規定する。ベースラインにてCAを算出する。
対象を以下の治療の1つに無作為に割り当てる:
(1)標準治療(CCS):試験の前に日常的に使用されていた同じ元素カルシウムの投与量
(2)ACC:ACCに由来する元素カルシウムの確立された投与量(試験の段階Iにて見いだされた変換因子及び摂食/空腹条件に基づく)。
ACC群に割り当てられた対象はACC錠剤の入った容器を受け取り、各錠剤は200mgの元素カルシウムを含有する(35日分の供給+予備の5錠)。CCS治療に割り当てられた対象は彼らの日常のカルシウム補完物を服用し続ける。
カルシウム補完物の正確な投与量は分かっている既往歴に従って各対象について決定される。
対象は治験の間、日常の薬物摂取を継続するように指示される。
IIの3日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行って低カルシウム血症(Ca<7.0mg/dL)を除外する。CA値が所望の標的範囲内(7.0〜10.0mg/dL)にあれば、対象はIIの0日目にて指示されたカルシウム用量を服用し続ける。CA値が7.0mg/dLを下回る又は10.0mg/dLを上回るのであれば、医師の決定に従ってカルシウム摂取の変更を行う。
IIの7日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。必要に応じてACC又はCCSの摂取の調整を行う。
対象はその割り当ての指示に従ってカルシウム補完物を服用するように念を押される。
対象は治験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。
IIの10日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行って低カルシウム血症(Ca<7.0mg/dL)を除外する。CA値が所望の標的範囲内(7.0〜10.0mg/dL)にあれば、対象はII−7日目にて指示されたカルシウム用量を服用し続ける。CA値が7.0mg/dLを下回る又は10.0mg/dLを上回るのであれば、医師の決定に従ってカルシウム摂取の変更を行う。
IIの14日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。
対象はその割り当ての指示に従ってカルシウム補完物を服用するように念を押される。
対象は治験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。
IIの21日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。
対象は指示に従ってカルシウム補完物を服用するように念を押される。
対象は治験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。
対象は容器を受け取り、次に予定された来診の前に24時間の採尿を行う。
II−34日目(±1):電話によって対象は24時間の採尿を行うように念を押される。
IIの35日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。対象は、Ca、P及びクレアチニン用の24時間採尿の容器を提供し、カルシウム尿を調べる。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。
予めCCS治療群に割り当てられた対象はACC錠剤の包みを受け取り、各錠剤は200mgの元素カルシウムを含有する(35日分の供給+予備の5錠)。予めACC治療群に割り当てられた対象はいつものCCS補完物を再開するように指示される。
カルシウム補完物の正確な投与量は分かっている既往歴に従って各対象について決定される。
対象は治験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。
IIの38日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行って低カルシウム血症(Ca<7.0mg/dL)を除外する。CA値が所望の標的範囲内(7.0〜10.0mg/dL)にあれば、対象はII−35日目にて指示されたカルシウム用量を服用し続ける。CA値が7.0mg/dLを下回る又は10.0mg/dLを上回るのであれば、医師の決定に従ってカルシウム摂取の変更を行う。
IIの42日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。必要に応じてACC又はCCSの摂取の調整を行う。
対象は割り当ての指示に従ってカルシウム補完物を服用するように念を押される。
対象は治験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。
IIの45日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行って低カルシウム血症(Ca<7.0mg/dL)を除外する。CA値が所望の標的範囲内(7.0〜10.0mg/dL)にあれば、対象はII−42日目にて指示されたカルシウム用量を服用し続ける。CA値が7.0mg/dLを下回る又は10.0mg/dLを上回るのであれば、医師の決定に従ってカルシウム摂取の変更を行う。
IIの49日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。
対象は割り当ての指示に従ってカルシウム補完物を服用するように念を押される。
対象は治験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。
IIの56日目(±1):対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。
対象は割り当ての指示に従ってカルシウム補完物を服用するように念を押される。
対象は治験の間、日常の薬物摂取を継続するように念を押される。
対象は容器を受け取り、次に予定された来診の前に24時間の採尿を行う。
IIの69日目(±1):電話によって対象は24時間の採尿を行うように念を押される。
IIの70日目(±1):フェーズIIの終了:対象はCRCに到着し、彼らの血清のカルシウム、P及びアルブミンのレベルが調べられる。CAの算出を行う。対象は、Ca、P及びクレアチニン用の24時間採尿の容器を提供し、カルシウム尿を調べる。対象は、最終来診以来の副作用又は併用投薬において生じているAE及び変化について尋ねられる。対象は、血清カルシウムレベルの変化に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)について尋ねられる。
予定されていない来診は、対象の要求で又は治験医師が必要であると思うときに、試験中いつでも実施され得る。予定されていない来診の日付及び理由が記録される。割り当てはすべて任意であり、治験医師の裁量によって実施されるべきである。
対象が時期を早めて試験への参加を中断したら、早期中断のための来診が生じ、それは終了時の来診(フェーズIの28日目、フェーズIIの70日目)に類似する。
試験の手順を表4及び表5にて要約する。
フェーズI
Figure 2019214631
フェーズII
Figure 2019214631
試験前(スクリーニング)の手順
各対象についてスクリーニングにて以下の査定を行う:
・インフォームドコンセントの書式に署名する
・対象の既往歴
・対象の現在の投薬
・対象の問診
・妊娠検査(妊娠年齢の女性について)
・連続3日間の食物と投薬の日記
・試験対象患者基準/除外基準の順守
投与前の手順
各対象について以下の査定を行う:
・血清CA値の算出、血清P及びアルブミンについての対象の血液検査
・カルシウム、P及びクレアチニンについての24時間の採尿
試験の検査
血液検査
血液検査は各対象について各CRC来診にて0日目及び前に進んで:フェーズIの0、7、10、14、21、28日目、フェーズIIの0、3、7、10、14、21、35、38、42、45、49、56、70日目に実施する。
24時間の採尿
24時間の採尿は、
フェーズI:試験の終了(28日目)
フェーズII:35日目及び試験の終了(70日目)にて実施する。
低カルシウム血症に関連する症状及び兆候
低カルシウム血症に関連する症状及び兆候を特定することを目的とする質問のリストは以下のCRC来診の間に依頼される:
フェーズI:7、14、21、28日目
フェーズII:7、14、21、35、42、49、56、70日目
試験での測定
血液検査−アルブミン補正のカルシウム(ca)の算出、リン及びアルブミンの血清レベル
カルシウム及びアルブミン
低カルシウム血症の最初の査定は普通、アルブミン濃度に対して補正した血清の総カルシウムに基づく。正常のCA値は8.5〜10.2mg/dLの範囲である。副甲状腺機能低下症の対象では、所望の目標CA値は7.0〜10.0mg/dLである。
血清総カルシウムとアルブミンの関係は、以下の規則:血清総カルシウム濃度は血清アルブミン濃度における1g/dLの低下ごとについて0.8mg/dLずつ低下することによって定義される。この規則は正常なアルブミンが4.0g/dLに等しく、正常なカルシウムが10.0mg/dLであると想定する。
計算:カルシウム(補正された、ミリモル/L)=カルシウム(測定された、ミリモル/L)+{40−アルブミン(g/dL)×0.02}
リン(P)
血清リンの検査は血中のリン酸塩の量を測定する。正常な値は2.4〜4.1mg/dLの範囲である。
24時間の採尿検査
24時間の採尿については、24時間にわたる期間の尿のすべてを採取しなければならない。尿試料には、採取開始の24時間後の最後の尿が含まれなければならない。
カルシウム
検査結果は食事摂取を反映し得る:
Figure 2019214631
尿のカルシウムのレベル>300mg/24時間又は4mg/体重kg/24時間は低カルシウム血症と見なされる。
クレアチニン
24時間かけて採取した尿の試料にてクレアチニンクリアランス検査を行う。糸球体濾過率を測定することが使用され、それは腎臓がどのように上手く機能するかを測定するのに役立つ。
Figure 2019214631
リン
リン酸塩尿検査は24時間かけて採取した尿の試料におけるリン酸塩の量を測定する(24時間尿検査)。リン酸塩は鉱物リンを含有する荷電したイオンである。
Figure 2019214631
尿中のリン酸塩を測定する検査の結果はそれ自体ではめったに有用ではない。それらは常に他の検査の結果と共に解釈されるべきである。カルシウムとリン酸塩のレベルは同時に測定されることが多い。
低カルシウム血症に関連する症状及び兆候の査定
対象は、低カルシウム血症に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、及び意気消沈)の存在についての質問に答えるように依頼される。
対象の回答はCRFにて記録される。
治療の安全性
カルシウム、P及びアルブミンの血清レベル
正常なCA値は8.5〜10.2mg/dLの範囲である。副甲状腺機能低下症の対象では、所望の目標CA値は7.0〜10.0mg/dLである。低カルシウム血症の最初の査定は普通、以下の式:カルシウム(補正された、ミリモル/L)=カルシウム(測定された、ミリモル/L)+{40−アルブミン(g/dL)×0.02}に従って、アルブミン濃度に対して補正した血清の総カルシウムの測定に基づく。
血清リンの検査は血中のリン酸塩の量を測定する。正常な値は2.4〜4.1mg/dLの範囲である。
尿中のカルシウム、P及びクレアチニンの検査
尿中カルシウムレベル>300mg/24時間又は>4mg/体重のkg/24時間は高カルシウム尿症と見なされる。
男性(40歳未満)における尿中の正常なクレアチニンのレベルは107〜139ミリリットル/分(mL/分)又は1.8〜2.3ミリリットル/秒(mL/秒)であり、女性(40歳未満)では、87〜107mL/分又は1.5〜1.8mL/秒である。クレアチニンクリアランスの値は普通、年齢と共に低下する(正常値は20歳を過ぎると10年毎に6.5mL/分ずつ低下する)。
尿中カルシウムと(mg/dL)と尿中クレアチニン(mg/dL)の比に関する正常な参照間隔は<0.14である。
正常なリン酸塩のレベルは0.4〜1.3グラム(g)/24時間尿試料である。
合併症
低カルシウム血症に関連する症状及び兆候(テタニー、顔面の歪み、知覚異常、筋肉痛、不整脈、意気消沈)はドキュメントである。
統計的解析
これは、副甲状腺機能低下症の対象にてCCSの代替としてACCを評価する2段階前向き試験である。多い用量のCCSに取って代わる少ない量のACCが副甲状腺機能低下症の人によって要求される補完カルシウムを提供することができる程度によって有効性が評価される。安全性は、尿中のカルシウム排泄に関連するものを含む有害事象(AE)によって評価される。統計的な計画及び解析はTechnoSTAT社によって実施される。
設計の検討
これは、第1フェーズが副甲状腺機能低下症の対象にてCCSからACCへの所定の変換因子を評価する2段階試験である。このフェーズの間に、対象の応答に応じて、従ってこのフェーズの適応的性質に応じてCCSの大きな集団がACCによって徐々に置き換えられる。
第1フェーズが変換因子の安全性を実証すれば、第2フェーズが開始される。第2フェーズは、新しく動員された対象、すなわち、試験の第1フェーズに参加しなかった対象との交差試験を含む。これらの対象のそれぞれは、CCS対照又はACC治療に1:1の比にてブロック無作為化される。交差の第2の区分では、各対象は、彼又は彼女が第1の区分で服用しなかったもう一方の製剤を服用する。フェーズIに参加している対象当たりの試験期間はスクリーニング(−21日目)から終了(28日目)の49日であり、フェーズIIに参加している対象当たりスクリーニング(−21日目)から終了(70日目)までの91日である。
CRCへの来診は、それぞれフェーズI及びフェーズIIについて0(ベースライン)、3、7、10、14、21及び28日目(フェーズIの終了)及び0(ベースライン)、3、7、10、14、21、35、38、42、45、49及び70日目(フェーズIの終了)に行われる。
血液検査及び尿検査及び臨床質問はクリニックでの対象の来診の間に行われる。
解析の設定
安全性の集団
安全性の集団は、試験手順の一部としてACC又はCCSが投与された双方の試験段階における患者すべてから成る。
有効性の集団
有効性の集団は、転帰に影響を与えそうな主な登録違反のない、血清のCAレベルに関してベースラインと少なくとも若干の治療後のデータがあるフェーズIIの患者から成る。登録違反が転帰に影響を与えそうな程度は転帰に対して盲検化された審査官によって判定される(すなわち、盲検審査)。
失くした値の処理:観察されたデータのみを使用し;失くしたデータは帰属させない。
終点
安全性
製品に関連する有害事象の全体としての発生
有害事象及び深刻な有害事象のすべてを回収し、記録する。
一次有効性
・フェーズI:血清CA及び尿中カルシウムのレベルにおける標準化を達成するACCに由来する元素カルシウム用量での変化
・フェーズII:血清CA及び尿中カルシウムのレベル
二次有効性
二次有効性の終点には以下が挙げられる:
・カルシウムのレベルに関連する副作用
・低カルシウム血症に関連する症状
・血清リンのレベル
データの解析
概観
安全性及び対象の傾向の分析は安全性の集団にて実施する。有効性の解析は有効性の集団で行う。フェーズI及びフェーズIIの成績を分析し、別々に提示する。
データは、連続するデータについての平均値、標準偏差、中央値、最小値、最大値及び対象の数を列記する表にて、並びに適宜、分類されたデータについての計数及び比率を列記する表にて要約される。表は試験群によって、経時的に、全体として提示される。フェーズIでは試験群は食前又は食後でのACCの摂取から成る。フェーズIIでは、試験群はCCS又はACCから成る。
統計的な解析をすべて行い、SAS(登録商標)システムを用いてデータ付録を創る。服薬不履行、脱落、及びたとえば、年齢や性別のよう考えられる共変量の影響を査定してこの試験の成績の一般的な適用可能性に対する影響を判定する。
対象の傾向
対象の傾向を表にする;登録した、経験した、時期を早めて終了した、及び完了した対象の数を要約する。
中断の理由及び中断の時間を含めて脱落のリストを作成する。
安全性
安全性の解析は、MedDRAによってコード化され、体組織、好まれる期間、試験群、重症度及び手順との関連によって表にされるSAE及びAEによって実際記述的であり、物語風である。「正常」値と「異常」値の間での変化を示す記述的統計学及びシフト解析の表が臨床検査のために適宜提供される。
一次有効性の解析:フェーズI
フェーズIのデータは、各対象について群及び全体によって、服用したCCSのACC置換の量によるカルシウムのレベル間の関係を示すフェーズIのデータが数字として及びグラフによって要約される。ACC及び血清CAのレベルは経時的に各個人について、群及び全体によって、数字として、シフト表によって及びグラフによって記載される。
一次有効性の解析:フェーズII
血清CAは、経時的に群によって及び並行な対の時点に関して(D0,D35;D3,D38;D7,D42;D10,D45;D14,D49;D21,D56)経時的に群間での差異について数字として及びグラフによっての双方で要約される。並行な時点での群間のCAレベルにおける差異は、対応するt検定又は差異の分布に応じたWicoxonの符号付き順位検定によって比較される。
二次解析
変化に関連する副作用は血清カルシウムのレベルであると共に、低カルシウム血症に関連する症状がフェーズI及びフェーズIIの群によって記載される。血清リンのレベルがフェーズI及びフェーズIIにて経時的に群によって記載される共に、フェーズIIにおける並行する時点での群間の差異によって記載される。シフト表は双方のフェーズの群によって提供される。
中間解析
2つの試験フェーズのいずれかの範囲内での正式に計画された中間解析はない。しかしながら、血清のCA及びリンのレベルを含む安全性データは連続してモニターされる。フェーズIIで計画されている試験の交差部分に着手するかどうかを決定する前に、フェーズIの成績を検討する。
データ管理
治験データは紙のCRFに記録される。CRFは登録された対象によってのみ満たされる(スクリーニングの失敗ではない)。彼/彼女のCRF上の署名を介して治験医師は各患者について採取されたデータが正確であり、完全で読みやすいことを保証する。
現在の臨床治験で生成されたデータはすべてTechnoSTAT標準手順に従って管理される。データ及び他の試験文書は治験の完了後最低6年間アーカイブに保管される。
安全性
有害事象の定義
有害事象は、IP関連であると見なされようが、見なされまいがIPの使用と一時的に関連する厄介な医学的兆候(異常な臨床検査値を含む)、症状及び疾患である。新しい状態又は以前存在する状態の悪化はAEと見なされる。臨床的に有意であると見なされた異常な知見はすべて有害事象として記録しなければならない。
治験責任医師によって有意であると見なされる急性に医療状況(試験の開始から48時間以内に査定される)の症例(たとえば、しびれ感覚、口の周りの無感覚、痙攣、不安、筋肉の収縮、発作、喘鳴、精神病、吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、胃痛、喉の渇き、口渇、及び排尿増加)は症例報告書(CRF)に記録し、対象を実験から除外する。
症例すべてにおいて、AEの病因を出来る限り特定すべきであり、CRFにおいて記録することによってスポンサーに通知する。
有害事象のIPとの関係は以下のように定義される。
Figure 2019214631
重篤な有害事象(SAE)は:
・死亡を招いた
・命を脅かす病気又は傷害を生じた
・生体の構造又は生体の機能の永続的な損傷を生じた
・入院患者の入院又は既存の入院の延長を必要とした
・生体の構造又は生体の機能の永続的な損傷を防ぐために内科的な又は外科的な介入を生じた
・胎児仮死、胎児の死亡、先天異常又は出生異常を生じた
有害事象である。
有害事象強度の定義
治験医師によって以下の定義が使用されて有害事象の強度を記載すべきである。
以下は有害事象の強度を記載するために使用されるべきである定義にすぎない。たった1つの重症度の定義が各有害事象に使用されるべきである(たとえば、「軽い〜中程度の」は許容されない)。
Figure 2019214631
異常な臨床検査値
以下の状態のいずれか1つが満たされれば臨床検査の異常性が記録される:
・臨床検査の異常性が繰り返した試験で存在する
・異常性が積極的な管理(たとえば、用量の変更、治療の中断、さらに頻繁な経過観察査定等)を必要とする程度である。
正常な臨床検査値は:
・血清カルシウム(アルブミン補正された):7.0〜10.0mg/dL
・血清リン:2.4〜4.1mg/dL
・尿中カルシウム:>300mg/24時間
・尿中クレアチニン:40〜300mg/dL
・尿中リン酸塩:0.4〜1.3グラム(g)
正常な参照範囲の範囲内にない異常な臨床検査成績は記録され、治療される。
有害事象の記録
以下の詳細のすべては各有害事象について対象のCRFにて記録されるべきである。
・有害事象の完全な記載
・発症の日付及び時間
・解決の日付及び時間
・第16.2節における定義に従って治験医師によって評価されるべき事象の重症度
・試験IPとの関係が治験医師によって評価される
・(もしあれば)取られる行動
・転帰及びさらなる経過観察の詳細
予想される副作用(有害事象)
以下はACC治験薬の考えられる有害事象のリストである。リストは天然のACCの使用からの以前の経験及び結晶形態のカルシウム摂取に関連する効果に基づく:
・おくび
・おなら
・便秘
・吐き気
・嘔吐
・食欲不振
・排尿増加
・腎臓の損傷
・精神錯乱
・不整脈
治験3:コルチコステロイドを摂取している個人におけるカルシウムの骨吸収
カルシウムの吸収不良に関連する疾患、障害及び状態を患っている対象にて骨ミネラル化のために安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を含むカルシウム源の生体利用効率を評価する目的で実験を実施する。コルチコステロイドで慢性的に治療されている患者の骨ミネラル密度に対する非晶質炭酸カルシウム(ACC)と結晶炭酸カルシウム(CCC)の効果を比較する多施設前向き無作為並行二重盲検実薬対照試験を行う。
試験の主要な目的は、コルチコステロイドの長期治療にさらされた患者における骨ミネラル密度の維持におけるCCCに比べたACC由来のカルシウムによる治療の有効性を評価することである。二次的な目的は、試験期間の間、骨折の有病率に対するCCCと比べたACCの効果を評価することである。さらなる二次的な目的は、骨代謝の生体マーカーに対するCCCと比べたACCの効果を評価することである。治験のさらなる目的はこの集団におけるACCの安全性特性を評価することである。
試験集団の選択
試験集団は、連続した長期のコルチコステロイド療法を受けている60人の対象であり、各治療群は30人の対象である。
治験薬の記載
試験で使用される安定な非晶質炭酸カルシウムは、上文で開示されたようなAmorphical社によって提供される低濃度のホスホセリン及びクエン酸塩(最終産物にて0.5%未満)によって安定化した合成ACCである。
対照薬の記載
対照薬は各カプセルに500mgの結晶炭酸カルシウム(200±5mgの元素カルシウム)及び167mgのスクロースを含有した。対照薬における元素カルシウムのレベルは、結晶炭酸カルシウムと比較して非晶質炭酸カルシウムの効果を評価するために、治療群における元素カルシウムのレベルと等しかった。
投与量及び投与
適格な対象が無作為に2つの治療の1つを受け取った。試験サプリメントの各用量は各カプセルにて667mgのACC又は500mgのCCCから成った。
Figure 2019214631
投与量の選択は19〜50歳の対象のために推奨された元素カルシウムの毎日摂取(1000mg/日)に基づく。対照におけるカルシウム投与量はACC薬における元素カルシウムのレベルと等しい。
対象の治療への割り当て
対象は無作為化リストに従って治療群の1つに無作為に割り当てられる。2つの試験群のそれぞれへの無作為化は施設内のブロック無作為化を用いて実施される。
盲検化
臨床試験にて投与される経口カルシウム治療は盲検化される。対象、治験医師及び対象の評価、モニタリング、解析及びデータ管理に関与する関係者は、治験薬を調製し、分配し、ラベルを付けることに責任を持つスポンサーを除いて、対象の製剤の割り当てに対して盲検化される。盲検化されていないスポンサーによって投与に先立って盲検化されたラベルがバイアルに貼られる。
無作為化の手順
試験は二重盲検化されるので、CRCのスタッフ及び対象は試験全体を通してコード割当に対して盲検化されたままである。投与に先立って、各対象は個体番号によって割り振られ、所定のコンピュータが生成した無作為化リストに従って治療される。コンピュータが生成したアルゴリズムを用いて対象を治療群に割り当てる。治療組成物はスポンサーによって調製され、出荷前にラベルがバイアルに貼られる。病院薬剤師はコホート割り当てリストに従ってCRCに薬剤を分配するように指導される。
試験の設計
現在長期の(≧6ヵ月)のグルココルチコイド治療を開始している60人の患者を2つの治療群(N=30)の1つに無作為に割り当てる。治療群の患者は非晶質炭酸カルシウム(ACC)を服用し、実薬対照群の患者は結晶炭酸カルシウム(CCC)を服用する。双方の製剤は医師の決定に基づいて必要に応じてビタミンDで補完される。治験の全体を通して安全性パラメータが評価される。
種々の医学状態のためにCRCに入院している患者は日常的に評価される。その医学状態のためにグルココルチコイドによる長期の治療を開始している対象は治験について考慮される候補者であり、スクリーニングのためにCRCに招かれる。
スクリーニング(−7日目):対象はインフォームドコンセントの書式(ICF)に署名する。化学的及び血液学的な検査が実施される:ナトリウム、カリウム、ヘモグロビン、アルカリホスファターゼ、クレアチニン及びアルブミンが測定される。また、血清PTH、25−ヒドロキシビタミンD及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)が調べられる。カルシウム及びクレアチニンの尿中排泄が測定される。既往歴及び身体検査によって一般的な健康状態が調べられる。試験対象患者基準すべてに適合し、除外基準を1つも有さない適格な対象が試験に登録される。
対象は、試験に加わるのに適格かどうかを電話によって又はその場で知らされる。
来診1(0日目):適格な対象がCRCに来診する。DEXAの走査をベースラインで行う。BMDを腰椎(L2〜4)、大腿頸部及び全身について測定する。既存の骨折の証拠を記録する。アルブミン、カルシウム(Ca)、リン及びクレアチニン(Cr)の血清レベル、並びに尿中のCa及びCrを測定する。骨代謝の生体マーカー(血清オステオカルシン(OCN)、PINP(総プロコラーゲン1型N末端プロペプチス)、骨型アルカリホスファターゼ(BAP)及び1型コラーゲンが架橋したN−テロペプチド(NTX)を測定する。対象は無作為に錠剤の包みを受け取り、各カプセルは製剤(ACC又はCCC)の1つによる200mgの元素カルシウムを含有する(42日分の210錠+予備の20錠、合計230錠)。対象は最初の6週間(0〜42日目)、1日に5カプセル、朝2錠、夕方3錠、食後に服用するように指導される。カルシウム関連の副作用をできるだけ抑えるために、カルシウムを定期的に服用する対象は、治験の全体を通してカルシウムサプリメントの摂取を中断するように指導される。対象は医師の決定に基づいてビタミンD3補完物を服用するように忠告される。対象はかれらのグルココルチコイドの使用を記録する毎日の日記を保持するように依頼される。
来診2(42±3日目):対象は、生じたかもしれない副作用及びAEについて尋ねられる。対象はCRCへの最後の来診以来生じた骨折事象について尋ねられる。対象は錠剤の追加の包みを受け取り、各錠剤は前の来診にて受け取った同じ製剤(ACC又はCCC)の200mgの元素カルシウムを含有する(合計210錠、42日分+予備の20錠)。対象は次の6週間(42〜84日目)、1日に5カプセル、朝2錠、夕方3錠、食後に服用するように念を押される。カルシウム関連の副作用をできるだけ抑えるために、カルシウムを定期的に服用する対象は、治験の全体を通してカルシウムサプリメントの摂取を中断するように念を押される。対象は医師の決定に基づいてビタミンD3補完物を服用するように忠告される。対象はかれらのグルココルチコイドの使用を記録する毎日の日記を保持するように依頼される。
来診3(84±3日目):DEXAの走査を行う。BMDを腰椎(L2〜4)、大腿頸部及び全身について測定する。アルブミン、カルシウム(Ca)、リン及びクレアチニン(Cr)の投与前血清レベル、並びに尿中のCa及びCrを測定する。骨代謝の生体マーカーを測定する。対象は、生じたかもしれない副作用及びASについて尋ねられる。対象はCRCへの最後の来診以来生じた骨折事象について尋ねられる。対象は錠剤の追加の包みを受け取り、各錠剤は0日目に受け取った同じ製剤の200mgの元素カルシウムを含有する(合計210錠、42日分+予備の20錠)。対象は次の6週間(84〜126日目)、1日に5カプセル、朝2錠、夕方3錠、食後に服用するように指導される。カルシウム関連の副作用をできるだけ抑えるために、カルシウムを定期的に服用する対象は、治験の全体を通してカルシウムサプリメントの摂取を中断するように念を押される。対象は医師の決定に基づいてビタミンD3補完物を服用するように忠告される。対象はかれらのグルココルチコイドの使用を記録する毎日の日記を保持するように依頼される。
来診4(126±3日目):対象は、生じたかもしれない副作用及びAEについて尋ねられる。対象はCRCへの最後の来診以来生じた骨折事象について尋ねられる。対象は錠剤の追加の包みを受け取り、各錠剤は以前の来診で受け取った同じ製剤の200mgの元素カルシウムを含有する(合計210錠、42日分+予備の20錠)。対象は次の6週間(126〜168日目)、1日に5カプセル、朝2錠、夕方3錠、食後に服用するように念を押される。カルシウムを定期的に服用する対象は、治験の全体を通してカルシウムサプリメントの摂取を中断するように念を押される。対象は医師の決定に基づいてビタミンD3補完物を服用するように忠告される。対象はかれらのグルココルチコイドの使用を記録する毎日の日記を保持し、次の来診の際、それを持って来るように依頼される。
来診5(168±1日目):DEXAの走査を行う。BMDを腰椎(L2〜4)、大腿頸部及び全身について測定する。アルブミン、カルシウム(Ca)、リン及びクレアチニン(Cr)の投与前血清レベル、並びに尿中のCa及びCrを測定する。骨代謝の生体マーカーを測定する。対象はCRCへの最後の来診以来生じた骨折事象について尋ねられる。対象はCRCの担当者と共にTSQMアンケートを完成させる。対象は、生じたかもしれない副作用及びAEについて尋ねられる。
転帰の測定
・骨ミネラル密度(BMD)の維持−BMDは二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)走査によって定義される。DEXAの結果はZスコア(同じ年齢、体重、民族性及び性別の他の人々と特定の走査の結果を比べること)として提示される。−1.5未満のZスコアは骨量低下に寄与する年齢以外の因子の懸念を高める。
・骨折の有病率−骨折事象は各来診で記録される。
・骨形成マーカーの上昇
・骨再吸収マーカーの低下
・カルシウム副作用の査定
安全性の解析
安全性の解析は実際記述的であり、物語風である。安全性の終点は、試験治療に関係しようとしまいと有害事象(AE)及び重篤なAE(SAE)である。含まれるのはまた血清カルシウムのレベル及び尿中のカルシウムとクレアチニンのレベルである。
有効性の解析
主要な有効性の終点は、DEXA走査によって算出されるZスコアによるBMDの維持である。これらがほぼ正規分布するのであれば、生の値で独立した群のt−検定によって仮説を調べる。データが実質的に正規分布から逸脱するのであれば、対数変換を行ってデータを正規化する。後者を適用した後、データが依然として正規分布から逸脱するのであれば、ノンパラメトリックのWilcoxonの符号順位検定を使用する。Zスコアが対照に対して治療にて有意に小さいのであれば、治験は成功であると見なされる。
以下は試験の二次的な有効性の終点である:
・骨折頻度の低下
・TSQM(投薬に対する治療満足度アンケート)の領域:4つの尺度:有効性の尺度、副作用の尺度、利便性の尺度及び広い満足度の尺度から成る14項目の精神測定学的にしっかりした検証されたアンケート
治験4:骨粗鬆症の発症に感受性の集団におけるカルシウムの消化管吸収
本試験の目的は骨量低下に関連する疾患の発症に感受性の集団におけるACC供給源からのカルシウムの消化管吸収を評価することだった。治験は、閉経後の女性で実施される二重安定カルシウム同位元素法を用いた臨床試験である。
閉経から5年以内の10人の閉経後の女性(表12における人口統計データ)を試験に含めた。18〜29のBMIを示す対象はすべて一見したところ健康であり、主な病気又は代謝性の骨障害を患っていなかった。除外基準には、食物日記の消費に基づいて、組み合わせた食事(サプリメントと食品の双方から)を介した推定1日>1100mgのカルシウム摂取、血清における<20ng/mLの値によって示されるビタミンD欠乏症、高カルシウム血症、腎結石症、炎症性大腸疾患、吸収不良、慢性の下痢、過去1ヵ月以内の抗生剤の使用を有する女性、及び消化器疾患、肝疾患、腎疾患又は炎症性疾患を患っている女性が含まれた。過去6ヵ月以内に経口のステロイド、抗痙攣剤、ビスホスホネート、エストロゲン化合物、カルシトニン又はテリパラチドを服用している女性も試験から除外された。イスラエル、テルアビブのSourasky医療センターの倫理委員会によるプロトコールの認可の後、各女性から書面でのインフォームドコンセントを得た。
Figure 2019214631
分画吸収の解析は、10人の対象すべてがCCCの代わりにACCを投与された場合、カルシウム吸収に有意な上昇を示すことを明らかにした。
朝食後にカプセルを服用した9人の女性から得た結果の対応のあるt−検定解析は、ACCについて分画カルシウム吸収の有意な上昇を示した。各女性についてCCCに対するACCからのカルシウムの相対吸収における平均の上昇は2.1倍(p<0.01、図2)だった。
概して2つの別々の治療群として、CCCに比べてACCを女性に投与した場合、カルシウムの分画吸収には1.9の上昇があった(p<0.05、図3)。
一晩空腹の後、空っぽの胃でカプセルを服用した10人の女性のうち1人はカルシウムの分画吸収で4.6倍の上昇を提示した(図4)。
実験の詳細
カプセル及びCaCl溶液の調製及び標識
44CaCO(96.1%に濃縮,ロシア、モスクワのCMR)と共に適当な量のACC(Amorphical社)を32%のHClに溶解し、その後、治療当たり15mgの44Caで標識した192mgの元素カルシウム(600mg粉末)を含有するACC粉末の再析出させることによってACCを本質的に標識した。全体として3バッチの44ACCを調製し、44:42のモル比解析のために磁場熱イオン化分光分析(MAT261;ドイツ、ブレーメンのFinnigan)に送付し、原子吸収によるカルシウム含量測定(イスラエル、ベエルシェバのBen−Gurion大学の分析研究サービス)に送付した。各バッチの非晶質含量を評価する追加の試験:X−線回析(XRD;The Nanotechnology Institution,Ben−Gurion University)、定量的偏光分光分析(QPS)、偏光光学顕微鏡(POM)及び乾燥を行った。CCC(イスラエル、Rishon−LezionのZifroni Chemicals Suppliers社)は、適当な量のそれを44CaCO(96%に濃縮,ロシア、モスクワのCMR)と共に均質化し、治療当たり15mgの44Caで標識した192mgの元素カルシウム(48mg粉末)を含有するCCC粉末に達することによって本質的に標識した。ACCカプセルにおける容量を一致させるために、スクロース(治療当たり120mg; オランダ、ロッテルダムのFAGRON Gmbh & Co. KG)を各カプセルに加えた。44CCCのバッチを1つ調製し、44:42のモル比解析のために磁場熱イオン化分光分析(MAT261;ドイツ、ブレーメンのFinnigan)に送付した。
無菌性を確保するために層流フードのもとでイスラエル、Kfar−SabaのPharmacy社の構想によって同位元素i.v.42CaCl溶液の調製手順を実施した。適当量の44CaCO(96%に濃縮,ロシア、モスクワのCMR)を37%HClに溶解し、0.45%のNaClと混合した。10NのNaOHでpHを5.5に調整した。溶液を0.22μの滅菌フィルターに通して無菌容器に入れた。後での使用のために個々の用量(1.5mgの42Ca/用量)を無菌バイアルに移した。使用前に無菌性試験及び発熱試験(イスラエル、Nes−ZionaのAminolab)のために及び原子吸収によるカルシウム含量測定(イスラエル、ベエルシェバのBen−Gurion大学の分析研究サービス)のためにアリコートを送付した。試験におけるi.v.溶液はすべて無菌であり、発熱物質を含まない。
採尿及び解析
各カプセルの投与に続いて、カルシウム、ナトリウム、カリウム、尿素、クレアチニンの測定及び安定な同位元素の解析のために、時間を決めた24時間の採尿を行った。カルシウム吸収の解析は、以前公開された方法(Yergey et al 1994)に従って、米国テキサス州、ヒューストンのBaylor医科大学で行った。シュウ酸アンモニウムを用いて尿試料におけるカルシウム同位元素を沈殿させた(Yergey et al 1980)。次いで抽出したカルシウムの量をカルシウム同位元素の比の測定に用いた。この量は、磁場熱イオン化分光分析(MAT261;ドイツ、ブレーメンのFinnigan)を用いて決定した。
ヒト試料の薬物動態計算
食事中カルシウムの分画吸収(α24h)は、Yergeyら、1994にて記載されたように算出した。手短には、比α24hは、2つの標識の血漿消失曲線下面積の比の算術的に有効な説明である。
統計的解析
分散の統計的解析は治験1に記載したように実施した。
上記の治験の結果は、骨に関連する障害の発症に感受性のヒトのモデル双方にて安定なACCはCCCよりも高い消化管吸収を有することを確認した。そのような高い吸収は、結晶性のカルシウムの吸収が限定され、カルシウムの過剰が有害事象を招き得るので骨ミネラル密度を維持するのに高いカルシウム摂取が必要とされる場合、有益であり得る。
治験5:骨ミネラル密度の低下に関連する障害における骨量低下の予防又は遅延
本治験の目的は、骨粗鬆症のラットモデル(卵巣摘出、OVX)にて大腿骨及び脊椎骨のミネラル密度(BMD)によって査定される骨ミネラル化過程について種々の安定剤(P−Ser、クエン酸又はスクロース)を含むACC源からのカルシウムの利用率を評価することだった。
試験では、4群(3つが卵巣摘出、1つが偽摘出)のラットを調べた。表13に従って動物を調べた。
表14は、治験の間のラットの平均食物摂取及び体重を提示する。偽摘出のラットに比べてOVXの3群では有意な体重増加が認められた。これは、偽摘出のラットに比べてOVXの群ではすべて食物摂取が低いという事実ものかかわらず、である。
Figure 2019214631
Figure 2019214631
このモデルで予想されたように、OVX群の大腿骨のマイクロCT走査は骨梁の骨ミネラル密度(tb.BMD)及び他の形態測定パラメータ、すなわち、骨容量/組織容量(BV/TV)、骨梁の数(Tb.N)、骨梁の厚さ(Tb.Th)の有意な低下、及び骨梁の分離(Tb.Sp)の有意な増大を明らかにした。加えて、3つのOVX群は、大腿骨の微細構造トポロジー及び配向パラメータ、すなわち、骨梁骨因子(TBPf)、構造モデル指数(SMI)及び異方性の程度(DA)にてすべて偽摘出の動物と有意に異なった(表15)。
4L椎骨のマイクロCT走査の結果は、偽摘出群は他のOVX群すべてと比べてBMD、BV/TV及びTb.Nのパラメータで有意に高く、TBPf及びSMIの微細構造パラメータで有意に低い(表15)。
骨梁のBMDとは対照的に、大腿骨及び椎骨双方の皮質骨のBMD(Ct.BMD)では全群間で差異は認められなかった(表15)。
マイクロCTで調べたパラメータすべてにおいて、大腿骨及び椎骨双方にてACC+Ser群、ACC+CIT群及びACC+SUC群の間で差異が認められなかった(表6)ということは、それ自体によってACCを安定化する化合物は、BMD又は追加の骨形態測定パラメータ又は微細構造パラメータに影響を有さないことを示している。
Figure 2019214631
実験の詳細
動物
平均体重247±14g、16〜17週齢の40匹のメスのスプラーグ・ドーリー系ラット(イスラエル、エルサレムのHarlan社)を14のケージで群飼し(2〜3匹/ケージ)、制御室条件(21±2℃及び12時間の明暗サイクル)に順化した。7日間の順化の間、ラットは1%の元素カルシウムを含有する標準の実験動物餌(#2018SCラット用餌、イスラエル、エルサレムのHarlan社)及び脱イオン水を自由摂取させた。
7日間の順化期間に続いて、ケタミン(米国、オーバーランドパークのFort Dodge AH社)及びキシラジン(英国、ブラーデルのEuroVet AH社)を含有する麻酔溶液(0.1mL/100g)の腹腔内(IP)注射を用いてラットを麻酔した。
ラットを無作為に割り当て、割り当てられた4群に従って手術した:偽摘出(卵巣の偽摘出、CCC由来の1%の元素カルシウムを含有する標準の実験動物餌で飼った)及び他の3群はLasota及びDanowska−Klonowska(2004)、Rocz Akad Med Bialymst 49 Suppl 1:129−131に従って両側背面アプローチを用いて卵巣摘出し(OVX)、OVX−ACC+PS、OVX−ACC+CIT及びOVX−ACC+SUCに分けた。手術に続いて、順化期間と同じ条件下で7日間の回復期間を与え、標準の実験動物餌を自由摂取させ、1.5ml/400mlのジピロン(イスラエル、BinyaminaのVitamed社)及び1mg/kgのエンロフロキサシン(ドイツ、LeverkusenのBuyer社)を含有する脱イオン水を与えた。
実験的治療
回復期間の終了時、上述と同じ制御室条件下で群割り当てに従ってラットを群飼した(2匹/ケージ)。治療期間全体の間(90日間)、割り当てた餌ペレット(表13に記載した)及び脱イオン水を自由摂取させた。食物摂取及び体重を毎週記録した(表14に記載した)。動的な組織形態測定解析のために、蛍光色素カルセイン(20mg/体重kg;イスラエル、Sigma−Aldrich)を76及び86日目にラットすべてにIP注射した。90日目にラットを代謝ケージで個別飼育し、食物と水を18時間取り上げた。各代謝漏斗から尿を採取し、実験の終了時(時間90)骨再吸収生化学マーカーのさらなる解析のために−80℃に保存した。尿採取の直後、90日目の形成生化学マーカーを評価するために血清試料を抽出した。ラットはすべてCOによって屠殺した。右大腿骨と第4腰椎を切除し、生理食塩水緩衝液に浸したガーゼパッドに包んで骨のマイクロCT走査のために−80℃で保持した。機械的な試験のために右大腿骨と同じ条件で第5腰椎を保存した。右脛骨を切除し、構造的な及び動的な組織形態測定のために、直ちに4℃にて3.7%のホルムアルデヒド溶液(F1636、イスラエル、Sigma−Aldrich)に24時間入れた。
マイクロ−コンピュータ断層撮影(μCT)走査
右大腿骨と第4腰椎の骨梁骨及び皮質骨の微細構造をμCTスキャナー(ベルギー、Kartuizersweg KontichのSkyscan 1174)で解析した。0.25及び0.75g/cmの密度を持つ指定されたラットのファントムロッド(ベルギー、Kartuizersweg KontichのSkyscan)を用いて製造元の指示書に従って骨ミネラル密度(BMD)についてスキャナーの較正を行った。
走査解析に先立って、大腿骨と第4腰椎を−80℃から取り出し、(製造元の指針に従って)プラスチックの上に置いた。13.8μmの等方性分解能にて骨梁骨及び皮質骨のパラメータについて各大腿骨の遠位領域を走査した。Skycan Nreconソフトウエア(バージョン1.6.4、Skycan)を用いて改変したアルゴリズムを採用して再構築を行った。関心体積(VOI)は成長板の下で0.8mmに設定し、遠位に1.5mm伸ばした。VOIの中での骨梁及び皮質の断片は、スキャナーと共に提供されるCT解析ソフトウエア(バージョン1.11、Skycan)を用いて約5枚の切片ごとに楕円体の輪郭を描くことによって抽出した。骨梁及び皮質のBMD、骨容量(BV/TV、%)、骨梁の数(Tb.N)、骨梁の厚さ(Tb.Th、μm)、骨梁の分離(Tb.Sp、μm)は、骨梁のパターン因子(TBPf)の微細構造パラメータ及び構造モデル指標(SMI)と共に、CTアナライザのソフトウエア(バージョン1.11、Skycan)によって自動的に算出された。
各ラットからの第4腰椎を13.8mmの等方性分解能で走査し、大腿骨について上述されたのと同じ手順で骨梁及び皮質のパラメータの評価のために椎体の中央からの1.25mm厚さの断面をカバーするようにVOIを設定した。
治験6:代謝性の骨関連障害における高い骨ミネラル密度
本発明者らは、代謝性の骨障害、特に卵巣摘出ラットモデルで提示されるような骨粗鬆症における骨ミネラル密度及び骨断片に対する非晶質炭酸カルシウム(ACC)の効果を評価することを目的とする試験を実施しているが、その際、ACCは骨粗鬆症に対する標準的な投薬に併用して投与される。本治験では、5群のラットを調べた(4群がOVXで1群が偽摘出)。手術に続いて、ラットはすべて骨減少症を発症させるために2ヵ月の期間、未処理のままだった(標準の実験動物餌で飼った)。誘導期間の終了時、2つの異なるカルシウム源:非晶質炭酸カルシウム(ACC)又は結晶炭酸カルシウム(CCC)に由来するペレットの形態での特殊な餌混合物で動物を治療した。2種の混合物に由来するペレットは、元々の餌ペレットで見られる量(22IUのビタミンD/g)を除いて添加のビタミンDを伴わない原子吸収装置(米国、カリフォルニア州、パロアルトのVarianAA240)によって確認されたような約1%の元素カルシウムを含有した。加えて、表16に記載されるような群の割り当てに従って、生理食塩水又は2μg/kgのアレンドロネート(ALN)を動物にi,v.注射した(3回/週)。
Figure 2019214631
表17は、治験の間のラットの平均食物摂取及び体重を提示する。偽摘出に比べてOVXのラットすべてにて有意な体重増加が認められた。これは、食物摂取が全群の間で類似しているという事実にもかかわらず、である。
Figure 2019214631
各群からの代表的な遠位大腿骨及び第4腰椎のマイクロCT(μCT)三次元の模式的な微細構造の再構築を図5に提示する。大腿骨の骨梁幹端と同様に椎体の再構築は3つの異なる群:最高の観察された骨梁骨領域を持つ偽摘出含む第1の群(図5A)、他の群すべてと比べて最低の骨梁骨領域を持つOVX−CCCを含む第2の群(図5B)、CCCに比べて骨梁骨領域の控えめな増大を伴うOVX−ACC及びOVX−CCC+ALNを含む第3の群(図5C及び5D)、及び第3の群に比べて骨梁骨領域の相加的増大を伴うOVX−ACC+ALNを含む第4の群(図5E)の差別化を可能にする。
観察された4群間の差異はまた骨梁骨ミネラル密度(BMD)及び図6及び表18にて提示する大腿骨幹端及び第4腰椎の形態測定解析にも反映される。
図6A〜Bにて説明されるように、偽摘出群の骨梁大腿骨のBMDは4つのOVX群すべてと比べて有意に高かった。OVX群の中では、ACC治療群の骨梁大腿骨及び椎骨のBMDは、CCCの骨梁大腿骨BMDと比べてそれぞれ22%及び39%高かった。CCC+ALN治療群の骨梁大腿骨及び椎骨のBMDは、CCCの骨梁大腿骨BMDと比べてそれぞれ49%及び72%高かった。ACC+ALN治療群の骨梁大腿骨及び椎骨のBMDは、CCCの骨梁大腿骨BMDと比べてそれぞれ75%及び105%高かったし、CCCの代わりにALNにACCを添加することはそれぞれ大腿骨及び椎骨にてBMDを26%及び33%高め、ALNとの併用でのACCについてのBMD値に対する相加陽性効果を表している。
骨梁BMDとは対照的に、大腿骨及び椎骨双方の皮質骨のBMD(Ct.BMD)には全群間で差異は認められなかった(表18)。
Figure 2019214631
遠位大腿骨幹端及び第4腰椎の形態測定解析は、偽摘出に比べて卵巣摘出群すべてにおいて骨梁分画(BV/TV)の有意な低下を示した。OVX群の大腿骨及び椎骨の中で、CCC群に比べてACCはそれぞれ34%及び23%の有意に高い骨梁分画を提示した。類似の結果はCCC+ALN群についても得られ、それはCCCに比べて大腿骨で37%及び椎骨で46%の増大を提示した。ALNの併用でのACCは、CCCに比べて大腿骨で56%及び椎骨で71%の増大、及びALN+CCCに比べてそれぞれ大腿骨と椎骨で19%と25%の増大を生じたということは、ALNとの併用でのACCについてのBV/TV値の増大に対する相加効果を再び表している(図6C〜D)。
偽摘出と比べた卵巣摘出群のすべてにおいて骨梁の数(Tb.N)での有意な低下は大腿骨及び椎骨の双方で認められた。OVX群の大腿骨及び椎骨の中では、CCC群に比べてACCは平均17%の高い骨梁数を提示した。さらに高い成績がCCC+ALN群で得られ、それはCCCに比べて大腿骨及び椎骨で平均50%の増大を提示した。ALNと併用したACCは、CCCと比較して大腿骨及び椎骨にて62%の平均増大を生じ、ALN+CCCと比較して大腿骨及び椎骨にて13%の平均増大を生じたということは、ALNとの併用でのACCについてTb.N値の増加に対する相加効果を表している(表18)。
偽摘出と比べた卵巣摘出群すべてにおける骨梁分離(Tb.Sp)の有意な増加は、大腿骨及び椎骨の双方で認められた。OVX群の大腿骨及び椎骨の中では、ACCはCCC群と比べて平均11%の低い分離数を提示した。さらに低い結果は、CCC+ALN群で得られたが、それは、CCCと比較して大腿骨及び椎骨にて平均38%の低下を提示した。ALNとの併用でのACCは、CCCとの比較で大腿骨及び椎骨にて54%の類似した低下、及びALN+CCCとの比較で大腿骨及び椎骨にて16%の平均した低下を生じたということは、ALNとの併用でACCの相加的効果をさらに支持する(表18)。
骨梁の厚さ(Tb.Th)の解析は、全試験群の間で大腿骨には変化がなく、椎骨にはわずかな変化にのみがあることを明らかにしたが、CCCに比べて偽摘出群における骨梁厚さにおけるたった12%の増大、CCC群に比べたACC群における9%の増加、CCCのみに比べたALN治療に続くたった2%の増加、及び偽摘出に類似する11%のTb.Th値の増大によって反映されるALNとの併用でのACCの小さな相加効果を明らかにした(表18)。
トポロジーの微細構造解析及び配向パラメータ:骨梁パターン因子(TBPf)及び構造モデル指標(SMI)は、卵巣摘出介入が大腿骨及び椎骨の双方にてTBPf及びSMIの増加を生じることを明らかにした。大腿骨のACCでは、治療は、この領域でこれらのパラメータに対してわずかな効果しか有さないCCC+ALNよりもTBPf及びSMIにて大きな低下を生じた。さらに、椎骨では、ACCによる治療は、CCC+ALNに比べてTBPf及びSMIの値で小さな低下を生じた。ACC+ALNによる治療は、CCCによる治療に比べてTBPf及びSMIの値について大腿骨で12%及び椎骨で37%の相加的な平均低下を生じた(表18)。
実験の詳細
動物
平均体重246±17g、16週齢の53匹のメスのスプラーグ・ドーリー系ラット(イスラエル、エルサレムのHarlan社)を26のケージで群飼し(2〜3匹/ケージ)、制御室条件(21±2℃及び12時間の明暗サイクル)下で順化した。7日間の順化の間、ラットは1%の元素カルシウムを含有する標準の実験動物餌(#2018SCラット用餌、イスラエル、エルサレムのHarlan社)及び脱イオン水を自由摂取させた。
異なるカルシウム源の投与のために、特定の餌ペレットを調製した。0.02%のカルシウムを含有する低カルシウム齧歯類用ペレット(ラット餌#TD95027、イスラエル、エルサレムのHarlan社)を微細に粉砕して2つの異なるカルシウム源と別々に混合した。結晶炭酸カルシウムに由来する1%元素カルシウムを含有するCCCミックス(Socal(登録商標)、沈殿させた炭酸カルシウム)及び安定な非晶質炭酸カルシウムに由来する1%元素カルシウムを含有するACCミックス(1%のホスホセリンと2%のクエン酸塩を含有する;イスラエル、Beer−ShevaのAmorphical社)。ミックスごとに別々にペレット化し、室温にて密封袋に保持した。
7日間の順化期間に続いて、ケタミン(米国、オーバーランドパークのFort Dodge AH社)及びキシラジン(英国、ブラーデルのEuroVet AH社)を含有する麻酔溶液(0.1mL/100g)の腹腔内(IP)注射によってラットを麻酔した。
ラットを無作為に割り当て、割り当てられた5群に従って手術した:偽摘出(卵巣の偽摘出、n=9)及び他の3群はLasota及びDanowska−Klonowska(2004)、Rocz Akad Med Bialymst 49 Suppl 1:129−131に従って両側背面アプローチを用いて卵巣摘出し(OVX)、OVX−CCC(n=10)、OVX−ACC(n=10)、OVX−CCC+ALN(n=12)及びOVX−ACC+ALN(n=12)に分けた。手術に続いて、3日間の回復期間を与え、その間に、1.5ml/400mlのジピロン(イスラエル、BinyaminaのVitamed社)及び1mg/kgのエンロフロキサシン(ドイツ、LeverkusenのBuyer社)を含有する脱イオン水で動物を処理した。動物は骨減少症を発症させるために標準の実験動物餌を自由摂取させ、順化期間と同じ条件下で2ヵ月の期間、未処理のままだった。
2ヵ月後、ラットは表16に記載された割り当てに従って4カ月の期間の治療を開始した。治療期間全体にわたって、割り当てた補完ペレット及び脱イオン水は自由摂取で提供した。食物摂取及び体重を毎週記録した(表17)。治療期間の終了時、ラットはすべてCOによって屠殺した。右大腿骨と第4腰椎を切除し、生理食塩水緩衝液に浸したガーゼパッドに包んで骨のマイクロCT走査のために−80℃で保持した。
マイクロ−コンピュータ断層撮影(μCT)走査
右大腿骨と第4腰椎の骨梁骨及び皮質骨の微細構造をμCTスキャナー(ベルギー、Kartuizersweg KontichのSkyscan 1174)で解析した。0.25及び0.75g/cmの密度を持つ指定されたラットのファントムロッド(ベルギー、Kartuizersweg KontichのSkyscan)を用いて製造元の指示書に従って骨ミネラル密度(BMD)についてスキャナーの較正を行った。
走査解析に先立って、大腿骨と第4腰椎を−80℃から取り出し、(製造元の指針に従って)プラスチックの上に置いた。13.8μmの等方性分解能にて骨梁骨及び皮質骨のパラメータについて各大腿骨の遠位領域を走査した。Skycan Nreconソフトウエア(バージョン1.6.4、Skycan)を用いて改変したアルゴリズムを採用して再構築を行った。関心体積(VOI)は成長板の下で0.8mmに設定し、遠位に1.5mm伸ばした。VOIの中での骨梁及び皮質の断片は、スキャナーと共に提供されるCT解析ソフトウエア(バージョン1.11、Skycan)を用いて約5枚の切片ごとに楕円体の輪郭を描くことによって抽出した。骨梁及び皮質のBMD、骨容量(BV/TV、%)、骨梁の数(Tb.N)、骨梁の厚さ(Tb.Th、μm)、骨梁の分離(Tb.Sp、μm)は、骨梁のパターン因子(TBPf)の微細構造パラメータ及び構造モデル指標(SMI)と共に、CTアナライザのソフトウエア(バージョン1.11、Skycan)によって自動的に算出された。
各ラットからの第4腰椎を13.8mmの等方性分解能で走査し、大腿骨について上述されたのと同じ手順で骨梁及び皮質のパラメータの評価のために椎体の中央からの1.25mm厚さの断面をカバーするようにVOIを設定した。
上記治験の結果は、安定なACCが骨ミネラル密度及び他の骨パラメータに対してCCCよりも高い効果を有することを確認した。さらに、骨量低下の治療のための標準的な投薬と併用したACCの投与がCCCに比べて相加的な効果を生じるということは、ビスホスホネートの投与量を減らすことを可能にし、骨ミネラル密度を高めるために及び代謝性の骨の障害、疾患及び状態を治療するために、生体利用効率の高いACCを単独で又は保存的投薬との併用で使用することができることを裏付けている。
治験7:代謝性の骨障害の発症を防ぐこと又は遅延させること
本発明者らは、骨の代謝性障害、特に卵巣摘出(OVX)ラットモデルによって提示されるような骨粗鬆症の予防に対する結晶炭酸カルシウム(CCC)と比べた安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)に由来するカルシウムの効果を評価することを目的とする試験を実施した。
試験では、5群のラットを調べた(4群は卵巣摘出で1群は偽摘出)。4つの異なるカルシウム源:対照として役立つ市販の結晶炭酸カルシウム(ミックスA)、天然のACC(胃石粉末)(ミックスB)、合成ACC(微量のホスホセリンを含む)(ミックスC)及び市販の結晶クエン酸カルシウム(ミックスD)に由来するペレットの形態での特定の餌混合物によってOVX動物を飼育した。偽摘出群は対照と同じ餌を投与した。4種の混合物すべてのペレットは、元々の餌ペレットで見られる量(22IUのビタミンD/g)除いてビタミンDを添加しないで、原子吸収装置(米国、カリフォルニア州、パロアルトのVarianAA240)によって確認され、表19に記載されたような約0.5%の元素カルシウムを含有した。
Figure 2019214631
カルシウムの供給源は、市販の結晶性CaCO(炭酸塩)、オーストラリアザリガニCherax quadricarinatusに由来する胃石粉末(胃石)、合成の安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)及び市販のサプリメントに由来するクエン酸カルシウム(クエン酸塩)から入手した。値は平均値として表される。
表20は、治験の間での平均食物摂取及び体重を表す。偽摘出と比べてOVXラットすべてにおいて有意な体重増加が認められた。これは、食物摂取が全群間で類似するという事実にもかかわらず、である。
Figure 2019214631
各群からの代表的な遠位大腿骨及び第4腰椎のマイクロCT(μCT)三次元の模式的な微細構造の再構築を図7に提示する。大腿骨の骨梁幹端と同様に椎体の再構築は、3つの異なる群:最高の観察された骨梁骨領域を持つ偽摘出含む第1の群(図7A)、偽摘出と比べて最低の骨梁骨領域を持つOVX対照とクエン酸塩を含む第2の群(図7B及び7E)、並びに偽摘出と比べて骨梁骨領域の穏やかな低下を伴うOVX胃石とACCを含む第3の群(図7C及び図7D)の差別化を可能にする。
観察された4群間の差異はまた、骨梁骨ミネラル密度(BMD)及び図8、図9及び表21にて提示する大腿骨幹端及び第4腰椎の形態測定解析にも反映される。
図8Aで説明するように、偽摘出群の骨梁大腿骨BMDはOVX4群すべてと比べて有意に高く:対照、胃石、ACC及びクエン酸塩の群はそれぞれ、64%、45%、50%及び63%の有意差を伴った。匹敵する値は、OVX4群すべてと比較した偽摘出群の、図8Bで提示された骨梁大腿骨BMDでも得られた。OVX群の中では、胃石及びACCの骨梁大腿骨及び椎骨のBMD(図8A及び8B)は、対照の骨梁BMDに比べてそれぞれ大腿骨で38%及び椎骨で32%有意に高かった。対照に比べてクエン酸塩の骨梁大腿骨及び椎骨のBMDでは有意差はなかった。胃石群とACC群の間での比較は、骨梁大腿骨BMDではACCに対して胃石に有利な13%の統計的な差異を明らかにしたが、骨梁椎骨のBMDでは差異はなかった。
骨梁のBMDとは対照的に、大腿骨及び椎骨双方の皮質骨のBMD(Ct.BMD)には全群間で有意差は認められなかった(表21)。
Figure 2019214631
遠位大腿骨幹端及び第4椎体の形態測定解析(図9及び表21)は、偽摘出に比べて卵巣摘出の全群で骨梁の分画(BV/TV)及びその数(Tb.N)の有意な低下を示した。対照群は偽摘出に比べて、遠位大腿骨で平均65%(図9A及び表21A)、及び椎骨で60%(図3B及び表3B)有意に低かった。ところが、遠位大腿骨におけるOVXの胃石及びACCの群の平均は偽摘出に比べて、たった41%及び49%低かったし、椎骨ではそれぞれ40%及び41%低かった。OVX群の大腿骨の中では、胃石とACCは対照に比べてそれぞれ平均65%及び49%有意に高い骨梁骨分画および骨梁の数を提示した。類似の結果は、胃石及びACCの群の腰椎でも得られ、それぞれ対照に比べて48%及び47%のさらに高かった。クエン酸塩と対照の間では骨梁分画とその数の間での有意な差異はなかった。
胃石群とACC群の大腿骨間の比較は、骨断片、骨梁の厚さ及び骨梁の分離における有意差を明らかにした。図9A及び表21Aにて提示される結果によれば、胃石群の大腿骨はACCに比べて16%の有意に高い骨分画、9%の大きな骨梁厚さ及び24%の小さな骨梁分離を示した。ACCに比べて12%の有意に大きな骨梁厚さは胃石群の椎骨でも認められたが、胃石群とACC群の間の形態測定パラメータの残りには有意差は認められなかった(図9B及び表21B)。
微細構造の構造における群間の差異は、表22Aで提示されるように、近位脛骨の脱灰していない構造の組織形態測定解析にてさらに強調される。表22Aにて提示される結果によれば、OVX群はすべて、すなわち、対照群、胃石群、ACC群及びクエン酸塩群は偽摘出群に比べて有意に低い骨梁骨分画及び濃縮された骨梁値を提示した(それぞれ、平均55%、19%、32%及び55%)。さらに、骨梁分離は偽摘出群に比べてOVX群すべてにて、対照群については130%、胃石群については30%、ACC群については60%及びクエン酸塩群については148%有意に高かった。OVX群の中では、対照群に比べて、胃石群及びACC群はそれぞれ、平均80%及び50%の有意に高い骨梁骨分画及び骨梁数を提示し、44%及び31%の低い骨梁分離を提示した。クエン酸塩群は対照群に比べて13%の有意に大きな骨梁厚さを提示した。胃石群とACC群の間での構造の組織形態測定のパラメータの比較は骨分画、骨梁の数及び骨梁分離にて有意差を明らかにした。表22Aによれば、胃石群は、それぞれACC群に比べて19%及び21%の高い骨分画及び骨梁の数を提示し、ACC群に比べて20%の低い骨梁分離の値を提示した。
Figure 2019214631
動的な組織形態測定解析の結果は表22Bに提示する。結果によれば、偽摘出群に比べて、OVXの対照群及びクエン酸塩群の骨表面に対する骨形成率(BFR/BS)及び骨表面に対するミネラル化表面(MS/BS)には有意差は認められなかった。それに対して、OVXの胃石群及びACC群の骨形成率は偽摘出群に比べて53%及び50%高く、OVXの胃石群及びACC群のMS/BSは偽摘出群に比べてそれぞれ44%及び38%の類似する上昇を提示した。OVX群の中では、胃石群及びACC群は対照群と比べてそれぞれ、38%及び35%の有意に高い骨形成率、並びに40%及び33%の有意に高いMS/BSを提示した。OVXのクエン酸塩群は、対照群とは有意差を示さなかったが、胃石群より28%及びACC群より26%統計的に低い骨形成率を提示した。OVXのクエン酸塩群のMS/BSは対照群とは類似し、胃石群及びACC群よりそれぞれ29%及び26%有意に低かった。
石灰化速度(MAR)は偽摘出群に比べてOVX群すべてにおいて有意差を示さず、対照群に比べてOVXの胃石群、ACC群及びクエン酸群の差異はなかった。実験終了時(90日目)での各群の血清オステオカルシン(OC)形成マーカー及び尿デオキシピリジノリン(DPD)再吸収マーカーによる骨代謝回転のELISAキット査定を表23に提示する。双方のマーカーは無作為化に先立ってベースラインについて評価された(0日目、データは示さず)。
Figure 2019214631
90日目では、偽摘出群とは有意差を示さず、対照群(39%)及びクエン酸塩群(48%)よりも有意に低いDPDレベルを提示したACC群を除いて、偽摘出群と比べてOVX群すべてにて有意に高いDPDレベルが認められた。胃石群は対照群(19%)より低いレベルでACC群(32%)より高いレベルのDPDを提示した。胃石群のDPDレベルはクエン酸塩群より有意に低くはなかったが、31%の低下を示した。血清OCマーカーでは、群間には有意な変化は認められなかった。
第5腰椎の機械的強度の解析の結果を図10に提示する。結果によれば、OVXの対照群、胃石群及びクエン酸塩群の機械的強度特性は、それぞれ平均41%、40%及び40%偽摘出群と比べて有意に低かった。それに対して、ACCの機械的強度値は偽摘出群と比べて平均17%有意に低かった。これらの差異は、有意差のなかった最大圧パラメータ(図10D)を除いて評価されたほとんどのパラメータにて統計的に有意だった。OVX群の中では、ACC群はあらゆる調べたパラメータ:最大圧(図10A)、最大圧エネルギー(図10B)、強靭性(図10C)及び降伏時エネルギー(図10D)にて対照群に比べてそれぞれ平均で37%、49%、29%及び65%有意に高い値を提示した。これらの差異はまた胃石群及びクエン酸塩群と比べてそれぞれ平均で42%及び37%高いOVXのACC群の値に反映される。OVXの胃石群及びクエン酸塩群は調べた機械的強度のパラメータで対照群又はそれら間で有意差を提示しなかった。
第4腰椎のマイクロCT解析は、骨梁骨のパターン因子(TBPf)が、OVX−対照群、OVX−胃石群及びOVX−クエン酸群よりも偽摘出群ではるかに低い(平均91%)ことを示した。しかしながら、偽摘出群のTBPfはOVX−ACC群について測定されたものよりも低かった(61%)。OVX群の中では、OVX−ACC群のTBPfは、OVX−対照群、OVX−胃石群及びOVX−クエン酸群よりも平均で33%(図10E、p<0.001)有意に低かった。構造モデル指標(SMI)の評価は同じ傾向を指摘し、OVX−対照群、OVX−胃石群及びOVX−クエン酸群よりも偽摘出群で有意に低かった(平均で43%)。しかしながら、偽摘出群のSMIはOVX−ACC群について測定されたものよりも低かった(30%)。ここで、OVX−ACC群で得られた値はOVX−対照群及びOVX−クエン酸群について測定されたものよりも有意に低かった(平均で14%)。同時に、OVX−ACC群で得られたSMI値はOVX−胃石群で測定された指標に対して低下した(図10F、p<0.001)。測定された最後の微細構造パラメータ、すなわち、異方性の程度(DA)は、OVX−対照群、OVX−胃石群及びOVX−クエン酸群と比べて偽摘出群で平均22%低かった。OVX−ACC群は他のOVX群で測定されたものより低い値を示したものの(図10G;p<0.001)、偽摘出群とOVX−ACC群の間又はOVX全群間でDAにおける有意差は認められなかった。
実験の詳細
動物
平均体重250±16g、16〜17週齢の100匹のメスのスプラーグ・ドーリー系ラット(イスラエル、エルサレムのHarlan社)を33のケージで群飼し(〜3匹/ケージ)、制御室条件(21±2℃及び12時間の明暗サイクル)に順化した。7日間の順化の間、ラットは1%の元素カルシウムを含有する標準の実験動物餌(#2018SCラット用餌、イスラエル、エルサレムのHarlan社)及び脱イオン水を自由摂取させた。7日間の順化期間に続いて、代謝ケージにてラットを個別飼育し、18時間餌と水を取り上げた。各代謝漏斗から尿を採取し、ベースライン(時間0)での骨再吸収生化学マーカーのさらなる解析のために−80℃に保存した。
異なるカルシウム源の投与のために、特定の餌ペレットを調製した。0.02%のカルシウムを含有する低カルシウム齧歯類用ペレット(ラット餌#TD95027、イスラエル、エルサレムのHarlan社)を微細に粉砕して4つの異なるカルシウム源と別々に混合した。市販のサプリメントに由来する炭酸カルシウムを含有する対照のミックス(ミックスA)、オーストラリアザリガニCherax quadricarinatusから回収した胃石粉末を含有する胃石ミックス(ミックスB)(イスラエル、Beer TzofarのBen’s farm)、安定な非晶質炭酸カルシウムとP−セリン(P−Ser)を含有するACCミックス(バッチ#ETS001,イスラエル、Beer−shevaのAmorphical社)(ミックスC)及び市販のサプリメントに由来する炭酸カルシウムを含有するクエン酸ミックス(ミックスD)。ミックスごとに別々にペレット化し、室温にて密封袋に保持した。
尿採取の直後、ケタミン(米国、オーバーランドパークのFort Dodge AH社)及びキシラジン(英国、ブラーデルのEuroVet AH社)を含有する麻酔溶液(0.1mL/100g)の腹腔内(IP)注射によってラットを麻酔した。ラットの尾から血液を採取し(約180μL)、血清抽出のために卓上遠心機(スイス、バッハのHettich Zentrifugen)を用いて3000gにて10分間遠心した。ベースライン(時間0)での骨形成生化学マーカーの将来の解析のために血清試料を−80℃で保存した。
ラットを無作為に割り当て、割り当てられた5群に従って手術した:偽摘出(卵巣の偽摘出)はミックスAで飼い、他の4群はLasota及びDanowska−Klonowska(2004)、Rocz Akad Med Bialymst 49 Suppl 1:129−131に従って両側背面アプローチを用いて卵巣摘出し(OVX)、OVX−対照群(ミックスAで飼った)、OVX−胃石群(ミックスBで飼った)、OVX−ACC群(ミックスCで飼った)及びOVX−クエン酸塩群(ミックスDで飼った)に分け、ラットには、順化期間と同じ条件下で7日間の回復期間を与え、標準の実験動物餌を自由摂取させ、1.5ml/400mlのジピロン(イスラエル、BinyaminaのVitamed社)及び1mg/kgのエンロフロキサシン(ドイツ、LeverkusenのBuyer社)を含有する脱イオン水を与えた。
実験的治療
回復期間の終了時、上述と同じ制御室条件下で群割り当てに従ってラットを群飼した(2匹/ケージ)。治療期間全体の間(90日間)、割り当てたサプリメントペレット及び脱イオン水を自由摂取させた。食物摂取及び体重を毎週記録した(表2)。動的な組織形態測定解析のために、蛍光色素カルセイン(20mg/体重kg;イスラエル、Sigma−Aldrich)を76及び86日目にラットすべてにIP注射した。90日目にラットを代謝ケージで個別飼育し、食物と水を18時間取り上げた。各代謝漏斗から尿を採取し、実験の終了時(時間90)骨再吸収生化学マーカーのさらなる解析のために−80℃に保存した。尿採取の直後、90日目の形成生化学マーカーを評価するために血清試料を抽出した。ラットはすべてCOによって屠殺した。右大腿骨と第4腰椎を切除し、生理食塩水緩衝液に浸したガーゼパッドに包んで骨のマイクロCT走査のために−80℃で保持した。機械的な試験のために右大腿骨と同じ条件で第5腰椎を保存した。右脛骨を切除し、構造的な及び動的な組織形態測定のために、直ちに4℃にて3.7%のホルムアルデヒド溶液(F1636、イスラエル、Sigma−Aldrich)に24時間入れた。
マイクロ−コンピュータ断層撮影(μCT)走査
右大腿骨と第4腰椎の骨梁骨及び皮質骨の微細構造をμCTスキャナー(ベルギー、Kartuizersweg KontichのSkyscan 1174)を用いて解析した。0.25及び0.75g/cmの密度を持つ指定されたラットのファントムロッド(ベルギー、Kartuizersweg KontichのSkyscan)を用いて製造元の指示書に従って骨ミネラル密度(BMD)についてスキャナーの較正を行った。
走査解析に先立って、大腿骨と第4腰椎を−80℃から取り出し、70%エタノールに浸した新しいガーゼパッドに移し、70%エタノールで満たされたプラスチックバイアルに入れた(製造元の指針に従って)。13.8μmの等方性分解能にて骨梁骨及び皮質骨のパラメータについて各大腿骨の遠位領域を走査した。Skycan Nreconソフトウエア(バージョン1.6.4、Skycan)を用いて改変したアルゴリズムを採用して再構築を行った。関心体積(VOI)は成長板の下で0.5mmに設定し、遠位に1.5mm伸ばした。VOIの中での骨梁及び皮質の断片は、スキャナーと共に提供されるCT解析ソフトウエア(バージョン1.11、Skycan)を用いて約5枚の切片ごとに楕円体の輪郭を描くことによって抽出した。骨梁及び皮質のBMD、骨容量(BV/TV、%)、骨梁の数(Tb.N)、骨梁の厚さ(Tb.Th、μm)、骨梁の分離(Tb.Sp、μm)は、CTアナライザのソフトウエア(バージョン1.11、Skycan)によって自動的に算出された。
各ラットからの第4腰椎を13.8mmの等方性分解能で走査し、椎体の中央からの2.0mm厚さの断面をカバーするようにVOIを設定した。骨梁骨及び皮質骨のパラメータを椎体にて評価し、頭蓋の成長板の下0.14mmで出発する2mmの厚さの断面のVOIをカバーするように設定した。遠位大腿骨について検討したのと同じ骨梁骨及び皮質骨のパラメータに加えて、トポロジーのパラメータ、すなわち、骨梁骨のパターン因子(TBPf)及び構造モデル指標(SMI);並びに骨梁配向パラメータ、異方性の程度(DA)も椎体にて測定した。
組織形態測定
右脛骨をホルムアルデヒド溶液から取り出し、エタノール勾配を介して脱水し、キシレン(24250521,イスラエル、HaifaのBio−Lab社)によって清浄化し、4℃で3日間、80%メタクリル酸メチル(MMA;M5599,イスラエル、RehovotのSigma)+20%フタル酸ジブチル(DBP;61−5062,ドイツ、HohenbrunnのMerck社)を浸潤させた。次いで4℃でのさらに6日間の浸潤のためにMMA+DBP+過酸化ベンゾイル(617008,ドイツ、HohenbrunnのMerck社)の溶液に検体を移した。浸潤手順に続いて、温度勾配(4日間の期間にわたって38℃から50℃まで)のもとで検体をMMA+DBP+2.5%過酸化ベンゾイルに包埋した。炭化タングステンの小刀(使い捨ての刃;TC65,イスラエル、Bet−NekufaのRhenium社)に接続されたLeciaRM2025ミクロトーム(イスラエル、Petach TikvaのLecia Instruments社)を用いて各検体から正中矢状の(4μm)脱灰されていない切片を切り出した。ほとんどの切片は構造の組織形態測定のためにMcNealの4色で染色した。残りの切片は動的な組織形態測定のために未染色のままだった。
近位脛骨幹端の構造的な及び動的な組織形態測定の測定値は、蛍光光源を備えた顕微鏡(イングランド、キングストンのNikon Optiphot 2)に接続されている半自動解析システム(Bioquant OSTEO,ver.7.20.10,米国、ナッシュビルのBIOQUANT Image Analysis Corporation)を用いて得られた。
骨容量(BV/TV、%)、骨梁の数(Tb.N)、骨梁の厚さ(Tb.Th、μm)、骨梁の分離(Tb.Sp、μm)、骨形成率/骨試料(BFR/BS)、ミネラル化表面/骨表面(MS/BS)及び石灰化速度(MAR)のような組織形態測定のパラメータは、BIOQUANT画像ソフトウエア解析(Bioquant OSTEO,バージョン7.20.10)を用いて算出した。
骨代謝回転の生化学マーカーの評価
血清のオステオカルシン(OC)の濃度は、1:10の血清希釈に続いてEIAキット(#BT−490,米国、ストートンのBiomedical Technologies社)によって決定した。
尿中のデオキシピリジノリン(DPD)の濃度は、1:50の希釈に続いて市販のEIAキット(#8007,米国、サンディエゴのQudiel社)によって決定した。DPDのレベルはクレアチニンのレベル(#8009,米国、サンディエゴのQudiel社)に対して標準化した。
第5腰椎の機械的強度
第5腰椎椎体(L5)の圧迫試験から機械的特性(最大圧、最大圧エネルギー、堅牢性及び降伏時エネルギー)を得た。ノギスを用いて錐体の高さ及び尾部と頭部の直径の平均を測定することによって物質の特性の算出を行った。骨梁及び皮質殻の双方を含む骨全体を網羅するμCT走査によって断面積(CSA)及び骨容量(BV)を得た。
統計的解析
結果は本明細書では平均値±SEMとして表す。STATISTICA6.1ソフトウエア(オクラホマ州、タルサのStaSoft)を用いて一元配置ANOVA及びFisher−LSD事後比較検定を行った。<0.05のp値が有意であると見なした。
上記治験の結果は、安定なACCが骨粗鬆症の発生に感受性である試験群にてCCCよりも骨ミネラル密度及び他の骨パラメータに対して高い効果を有することを裏付けた。ACCの優れた生体利用効率は、代謝性の骨の障害、疾患及び状態の発症を防ぐ又は遅らせるためのその使用を可能にする。
説明の目的で本発明の実施形態を記載してきたが、本発明は特許請求の範囲の範囲を超えることなく、多数の変異、改変及び応用と共に実施され得ることが理解されるであろう。

Claims (18)

  1. 安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)とビスホスホネートとを含む、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態に罹患している対象において骨ミネラル密度を向上させるのに使用するための組成物であって、前記ACCは、少なくとも1種の安定剤を含み、前記ビスホスホネートは、標準的な治療用量よりも低い用量で投与される、組成物。
  2. 安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を含む、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態に罹患している対象において骨ミネラル密度を向上させる方法において使用するための組成物であって、前記方法は、前記対象に前記組成物を投与することと、前記対象にビスホスホネートを投与することと、を含み、前記ACCは、少なくとも1種の安定剤を含み、前記ビスホスホネートは、標準的な治療用量よりも低い用量で投与される、組成物。
  3. ビスホスホネートを含む、骨代謝に関連する障害、疾患又は状態に罹患している対象において骨ミネラル密度を向上させる方法において使用するための組成物であって、前記方法は、前記対象に前記組成物を投与することと、前記対象に安定な非晶質炭酸カルシウム(ACC)を投与することと、を含み、前記ACCは、少なくとも1種の安定剤を含み、前記ビスホスホネートは、標準的な治療用量よりも低い用量で投与される、組成物。
  4. 前記ビスホスホネートは、アレンドロネート、リセドロネート、チルドロネート、イバンドロネート、ゾレンドロネート、パミドロネート、エチドロネート、ならびにそれらの塩およびエステルから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記ビスホスホネートは、アレンドロネートである、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記安定剤は、有機酸、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステルもしくは硫酸エステル、およびヒドロキシルを有する有機化合物、からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記安定剤は、ヒドロキシカルボン酸のリン酸エステル、およびヒドロキシルを有する有機化合物から選択される、少なくとも1種の成分を含む、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記安定剤は、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類および多糖類から選択される、ヒドロキシルを有する有機化合物である、請求項6に記載の組成物。
  9. 前記安定剤は、少なくとも1種のアルカリ水酸化物とさらに組み合わせられたヒドロキシルを有する有機化合物を含む、請求項6に記載の組成物。
  10. 前記安定剤は、カルボン酸または複数種のカルボン酸である、請求項6に記載の組成物。
  11. 前記カルボン酸は、クエン酸、酒石酸又はリンゴ酸から選択される、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記安定剤は、リン酸化されたアミノ酸、リン酸化されたペプチド、少なくとも1種のペプチドを伴ったキチン、及びアルカリ水酸化物を伴ったポリオールからなる群より選択される、少なくとも1種の化合物を含む、請求項6に記載の組成物。
  13. 前記安定剤は、リン酸化されたアミノ酸、及びポリオールから選択される、少なくとも1種の成分を含む、請求項6に記載の組成物。
  14. 前記リン酸化されたアミノ酸は、オリゴペプチド又はポリペプチドに存在する、請求項12または13に記載の組成物。
  15. リン酸化されたアミノ酸は、ホスホセリン及びホスホスレオニンから選択される、請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 医薬組成物として製剤化されている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 前記医薬組成物は、キャリア、補助剤、希釈剤又は賦形剤をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記骨代謝に関連する障害、疾患又は状態は、骨軟化症、骨パジェット病、骨減少症、嚢胞性線維性骨炎、くる病、骨粗鬆症及び急性アルコール摂取からなる群より選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
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