JP2019214297A - 車両の運転支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転支援による転舵輪の転舵方向とセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向との関係を考慮して転舵トルクを制御することにより転舵輪の転舵角を効率的に且つ確実に目標転舵角に制御する。【解決手段】操舵角が、車両を目標走行ラインに沿って走行させるための目標操舵角(θlkat)になるように転舵装置を制御することにより運転支援を行う制御装置を有し、制御装置は、転舵輪のセルフアライニングトルク(SAT)による転舵輪の転舵方向が運転支援による転舵輪の転舵方向と異なるときには(S100)、操舵角を目標操舵角にするための目標転舵トルク(Tadt)と、セルフアライニングトルク(SAT)の影響を低減するための目標修正トルク(Tfft)と、の和に基づいて転舵装置を制御し(S110)、上記二つの転舵方向が同一であるときには、目標転舵トルク(Tadt)に基づいて転舵装置を制御する。【選択図】図2
Description
本発明は、自動車などの車両の運転支援装置に係る。
自動車などの車両において、車両前方の情報に基づいて目標走行ラインを決定し、車両を目標走行ラインに沿って走行させるための転舵輪の目標転舵角を演算し、転舵輪の転舵角が目標転舵角になるように転舵装置を制御することにより運転支援を行う運転支援装置が知られている。転舵輪の目標転舵角に代えて目標転舵角に対応する目標操舵角を演算し、操舵角が目標操舵角になるように転舵装置を制御することにより運転支援を行うことも知られている。
転舵装置は電動パワーステアリング装置を含み、転舵輪の転舵は電動パワーステアリング装置の転舵トルクによって行われる。よって、転舵輪の転舵角を目標転舵角にするための目標転舵トルク又は操舵角を目標操舵角にするための目標転舵トルクが演算され、目標転舵トルクに基づいて電動パワーステアリング装置が制御される。
周知のように、転舵輪が転舵されると、転舵輪にはセルフアライニングトルクが作用する。セルフアライニングトルクは転舵輪のスリップ角が0になる方向に作用するので、転舵輪の転舵角の大きさを増大させる際には、抗力トルクとなる。そのため、例えば下記の特許文献1に記載されているように、転舵輪の目標転舵角又は目標操舵角と転舵輪のセルフアライニングトルクとに基づいて電動パワーステアリング装置の操舵トルクを制御するよう構成された運転支援装置が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記特許文献1に記載された運転支援装置のような従来の運転支援装置においては、運転支援による転舵輪の転舵方向とセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向との関係は考慮されていない。そのため、運転支援による転舵輪の転舵方向及びセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向が互に逆である状況においては、抗力トルクを低減することができる。よって、セルフアライニングトルクに基づいて転舵トルクが制御されない場合に比して、転舵輪の転舵角を効率的に且つ確実に目標転舵角に制御することができる。
上記特許文献1に記載された運転支援装置のような従来の運転支援装置においては、運転支援による転舵輪の転舵方向とセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向との関係は考慮されていない。そのため、運転支援による転舵輪の転舵方向及びセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向が互に逆である状況においては、抗力トルクを低減することができる。よって、セルフアライニングトルクに基づいて転舵トルクが制御されない場合に比して、転舵輪の転舵角を効率的に且つ確実に目標転舵角に制御することができる。
これに対し、運転支援による転舵輪の転舵方向及びセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向が同一である状況においては、セルフアライニングトルクは運転支援による転舵輪の転舵を支援するトルクである。しかるに、従来の運転支援装置においては、この状況においてもセルフアライニングトルクに基づいてセルフアライニングトルクを相殺するトルクが発生されるため、転舵輪の転舵角を効率的に且つ確実に目標転舵角に制御することが阻害されるという問題がある。
本発明の課題は、運転支援による転舵輪の転舵方向とセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向との関係を考慮して転舵トルクを制御することにより、従来の運転支援装置における上述の問題を解消することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、転舵輪を転舵するよう構成された転舵装置(42)と、車両(14)を目標走行ラインに沿って走行させるための転舵輪(12FL、12FR)の転舵角に対応する指標値(θ)の目標値(θlkat)を演算し、指標値が目標値になるように転舵装置を制御することにより運転支援を行うよう構成された制御装置(18、20)と、を有し、制御装置は、指標値を目標指標値にするための目標転舵トルク(Tadt)と、転舵輪のセルフアライニングトルク(SAT)の影響を低減するための目標修正トルク(Tfft)と、の和に基づいて転舵装置を制御するよう構成された車両の運転支援装置(10)が提供される。
本発明によれば、転舵輪を転舵するよう構成された転舵装置(42)と、車両(14)を目標走行ラインに沿って走行させるための転舵輪(12FL、12FR)の転舵角に対応する指標値(θ)の目標値(θlkat)を演算し、指標値が目標値になるように転舵装置を制御することにより運転支援を行うよう構成された制御装置(18、20)と、を有し、制御装置は、指標値を目標指標値にするための目標転舵トルク(Tadt)と、転舵輪のセルフアライニングトルク(SAT)の影響を低減するための目標修正トルク(Tfft)と、の和に基づいて転舵装置を制御するよう構成された車両の運転支援装置(10)が提供される。
制御装置(18、20)は、転舵輪のセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向が運転支援による転舵輪の転舵方向と同一であるときには、目標転舵トルク(Tadt)に基づいて転舵装置(42)を制御するよう構成されている。
上記の構成によれば、転舵輪のセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向が運転支援による転舵輪の転舵方向と同一であるときには、転舵装置は目標転舵トルクに基づいて制御される。
よって、セルフアライニングトルクが運転支援による転舵輪の転舵を支援するトルクである状況においては、目標修正トルクに対応するトルク、即ちセルフアライニングトルクを相殺するトルクは発生されない。従って、セルフアライニングトルクによる転舵方向及び運転支援による転舵方向が同一であるときにも、目標修正トルクに対応するトルクが発生される従来の運転支援装置に比して、転舵輪の転舵角を効率的に且つ確実に目標転舵角に制御することができる。
なお、転舵輪のセルフアライニングトルクによる転舵輪の転舵方向及び運転支援による転舵輪の転舵方向が互に逆であるときには、転舵装置は目標転舵トルクと目標修正トルクとの和に基づいて制御される。よって、セルフアライニングトルクが運転支援による転舵輪の転舵を阻害する抗力トルクである状況においては、目標修正トルクに対応するトルク、即ちセルフアライニングトルクを相殺するトルクが発生される。従って、従来の運転支援装置と同様に、転舵輪の転舵角を効率的に且つ確実に目標転舵角に制御することができる。
本発明の運転支援装置において、「転舵輪の転舵角に対応する指標値」は、転舵輪の転舵角又は操舵角であってよく、「指標値の目標値」は、それぞれ転舵輪の目標転舵角又は目標操舵角であってよい。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いられた符号が括弧書きで添えられている。しかし、本発明の各構成要素は、括弧書きで添えられた符号に対応する実施形態の構成要素に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[実施形態]
本発明の実施形態にかかる運転支援装置10は、転舵輪である左右の前輪12FL、12FR及び非転舵輪である左右の後輪12RL、12RRを有する車両14に適用されている。運転支援装置10は、電動パワーステアリング(EPS)装置16及びこれを制御するEPS制御装置18と、走行制御装置20とを有し、運転者の運転を支援するようになっている。
本発明の実施形態にかかる運転支援装置10は、転舵輪である左右の前輪12FL、12FR及び非転舵輪である左右の後輪12RL、12RRを有する車両14に適用されている。運転支援装置10は、電動パワーステアリング(EPS)装置16及びこれを制御するEPS制御装置18と、走行制御装置20とを有し、運転者の運転を支援するようになっている。
図1に示されているように、前輪12FL及び12FRは、運転者によるステアリングホイール22の操作に応答して駆動される電動パワーステアリング装置16によりラックバー24及びタイロッド26L及び26Rを介して転舵される。ステアリングホイール22は、ステアリングシャフト28及びユニバーサルジョイント32を介して電動パワーステアリング装置16のピニオンシャフト34に接続されている。
実施形態においては、電動パワーステアリング装置16は、ラック同軸型の電動パワーステアリング装置であり、電動機36と、電動機36の回転トルクをラックバー24の往復動方向の力に変換する例えばボールねじ式の変換機構38とを有している。電動パワーステアリング装置16は、ハウジング40に対しラックバー24を駆動する力を発生することにより、運転者の操舵負担を軽減すると共に、前輪12FL及び12FRを自動的に転舵するための駆動トルクを発生する。
以上の説明から解るように、ステアリングシャフト28、ユニバーサルジョイント32、電動パワーステアリング装置16、ラックバー24及びタイロッド26L及び26Rなどは、必要に応じて前輪12FL及び12FRを転舵する転舵装置42を形成している。電動パワーステアリング装置16は、ラックバー24に駆動力を付与するようになっているが、例えばステアリングシャフト28にトルクを付与するようになっていてもよい。
実施形態においては、ステアリングシャフト28には、該ステアリングシャフトの回転角度を操舵角θとして検出する操舵角センサ50が設けられている。ピニオンシャフト34には、操舵トルクTを検出する操舵トルクセンサ52が設けられている。操舵トルクセンサ52はステアリングシャフト28に設けられていてもよい。操舵角θを示す信号及び操舵トルクTを示す信号は、EPS制御装置18へ入力される。車両14には、車速Vを検出する車速センサ54が設けられており、車速Vを示す信号もEPS制御装置18へ入力される。なお、操舵角θ及び操舵トルクTは、車両の左旋回方向への操舵の場合に正の値になる。このことは、後述の目標操舵角θlkat、目標運転支援操舵トルクTadtなどの演算値についても同様である。
車両14には、車両の前方を撮影するCCDカメラ60が設けられている。更に、車両14には、図には示されていない目標走行ライン(目標軌跡)に沿って車両を走行させるレーンキーピングアシスト制御(必要に応じて「LKA制御」と指称する)を行うか否かを選択するための選択スイッチ62が設けられている。選択スイッチ62は、車両の乗員により操作され、走行制御装置20によりLKA制御を実行する作動位置(オン)と、LKA制御を実行させない非作動位置(オフ)とに切り替わる。CCDカメラ60により撮影された車両の前方の画像情報を示す信号及び選択スイッチ62の位置(オン又はオフ)を示す信号は、走行制御装置20へ入力される。
走行制御装置20には、運動状態検出装置64より、車両14のヨーレート、前後加速度及び横加速度のように車両14の運転支援制御に必要な車両の運動状態量を示す信号も入力される。なお、車両の前方の画像情報や走行車線の情報は、CCDカメラ60以外の手段により取得されてもよく、CCDカメラ60と他の手段との組合せにより取得されてもよい。
EPS制御装置18及び走行制御装置20は、それぞれCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータを含んでいる。EPS制御装置18及び走行制御装置20は、必要に応じて通信により相互に情報の授受を行う。
走行制御装置20は、図2に示されたフローチャートに従って、車両を目標走行ラインに沿って走行させるための操舵角θの変化量Δθatを演算する。更に、走行制御装置20は、操舵角θを変化量Δθat変化させるためのLKA制御の操舵トルクTadtを演算する。EPS制御装置18は、図3に示されたフローチャートに従って、運転者の操舵負担を軽減すると共に運転者の操舵フィーリングを向上させる目標操舵アシストトルクTatとLKA制御の操舵トルクTadtとの和として最終目標操舵アシストトルクTatfを演算する。更に、EPS制御装置18は、操舵アシストトルクTaが最終目標操舵アシストトルクTatfになるように電動パワーステアリング装置16を制御する。
以上の説明から解るように、走行制御装置20及びEPS制御装置18は、互いに共働して、LKA制御を実行して車両を目標走行ラインに沿って走行させることにより、運転支援を行う制御装置として機能する。LKA制御においては、CCDカメラ60により撮影された車両の前方の画像情報に基づいて走行車線が特定され、走行車線に沿うコースとして目標走行ラインが設定されてよい。また、目標走行ラインは、車両が走行車線から逸脱することを防止するためのコースであってもよい。
<LKA制御の操舵トルクTadtの演算>
次に、図2に示されたフローチャートを参照して実施形態におけるLKA制御の目標転舵トルクTadtの演算制御ルーチンについて説明する。図2に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオンであり且つ選択スイッチ62がオンであるときに、走行制御装置20によって所定の時間毎に繰返し実行される。なお、図2に示されたフローチャートによる操舵トルクTadtの演算制御を、単に「操舵トルク制御」と指称する。
次に、図2に示されたフローチャートを参照して実施形態におけるLKA制御の目標転舵トルクTadtの演算制御ルーチンについて説明する。図2に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオンであり且つ選択スイッチ62がオンであるときに、走行制御装置20によって所定の時間毎に繰返し実行される。なお、図2に示されたフローチャートによる操舵トルクTadtの演算制御を、単に「操舵トルク制御」と指称する。
まず、ステップ10においては、例えば本願出願人の出願にかかる特開平2018−12424号公報に記載された要領にて、車両14を目標走行ラインに沿って走行させるための操舵角θの変化量Δθatが演算される。上記公開公報においては、車両14を目標走行ラインに沿って走行させるための車両の目標横加速度Gytが演算され、目標横加速度Gytに基づいて図4に示されたマップが参照されることにより目標操舵角θlkatが演算され、目標操舵角θlkatと操舵角θとの差として変化量Δθatが演算される。
なお、車両を目標走行ラインに沿って走行させるための目標操舵角θlkat及び変化量Δθatの演算は、本発明の要旨ではないので、これらは当技術分野において公知の任意の要領にて演算されてよい。
ステップ20においては、目標変化量Δθlkatに基づくPID補償演算により、操舵角θを目標変化量Δθlkat変化させる駆動力に対応するトルクとしてLKA制御の目標転舵トルクTadtが演算される。
ステップ30においては、目標操舵角θlkatに基づいて図5に示されたマップが参照されることにより、前輪12FL及び12FRのセルフアライニングトルクSATが演算される。セルフアライニングトルクSATは、前輪が車両の左旋回方向へ転舵されているときの値、即ちステアリングホイール22を時計回り方向へ回転させようとするときの値が正である。
図5に示されているように、セルフアライニングトルクSATの絶対値は、目標操舵角θlkatの絶対値が第一の基準値θ1までの範囲においては、目標操舵角θlkatの絶対値の増大につれて増大する。目標操舵角θlkatの絶対値が第一の基準値θ1よりも大きく第二の基準値θ2以下の範囲においては、目標操舵角θlkatの絶対値の増大につれて減少する。更に、目標操舵角θlkatの絶対値が第二の基準値θ2よりも大きい範囲においては、セルフアライニングトルクSATの符号が反転し、その絶対値は目標操舵角θlkatの絶対値の増大につれて増大する。
ステップ40においては、路面の摩擦係数μを検出する装置(図示せず)により、当技術分野において公知の要領にて検出された路面の摩擦係数μの情報が取得される。なお、路面の摩擦係数μの情報は、路面の摩擦係数が通常の舗装路面などの高μ、降雨時の舗装路面などの中μ、降雪時の舗装路面などの低μの何れであるかの情報であってよい。
ステップ50においては、路面の摩擦係数μが低いほどセルフアライニングトルクSATの絶対値が小さくなるよう、路面の摩擦係数μに基づいてセルフアライニングトルクSATが補正される。
ステップ60においては、当技術分野において公知の要領にて車両14のスリップ角βが演算される。例えば、車両の横加速度Gy、車速V及び車両のヨーレートγに基づいて演算される横すべり加速度Vydが積分されることにより車両の横すべり速度Vyが演算され、車両の前後速度Vx(=車速V)に対する車両の横すべり速度Vyの比Vy/Vxとして車両のスリップ角βが演算される。
ステップ70においては、車両のスリップ角βの絶対値が大きいほどセルフアライニングトルクSATの絶対値が大きくなるよう、車両のスリップ角βに基づいてセルフアライニングトルクSATが補正される。
ステップ80においては、ステップ70において補正されたセルフアライニングトルクSATの絶対値が大きいほど操舵アシストトルクの目標修正トルクTfftの絶対値が大きくなるよう、セルフアライニングトルクSATに基づいて目標修正トルクTfftが演算される。なお、目標修正トルクTfftは、運転支援に与えるセルフアライニングトルクSATの影響を低減するための目標トルクである。
ステップ90においては、路面の摩擦係数μを検出する装置による路面の摩擦係数の検出精度は良いか否かの判別が行われる。否定判別が行われたときにはLKA制御はステップ120へ進み、肯定判別が行われたときにはLKA制御はステップ100へ進む。
ステップ100においては、セルフアライニングトルクSATによる前輪12FL及び12FRの転舵方向は、LKA制御による前輪の目標転舵方向と同一であるか否かの判別が行われる。肯定判別が行われたときにはLKA制御はステップ120へ進み、否定判別が行われたときにはLKA制御はステップ110へ進む。
ステップ110においては、LKA制御の目標転舵トルクTadtが、ステップ20において演算された目標転舵トルクTadtとステップ80において演算された目標修正トルクTfftとの和Tadt+Tfftに修正される。
ステップ120においては、LKA制御の目標転舵トルクTadtを示す信号が、走行制御装置20からEPS制御装置18へ出力される。
<操舵アシストトルクの制御>
次に、図3に示されたフローチャートを参照して実施形態における操舵アシストトルク制御ルーチンについて説明する。図3に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオンであるときに、EPS制御装置18によって所定の時間毎に繰返し実行される。
次に、図3に示されたフローチャートを参照して実施形態における操舵アシストトルク制御ルーチンについて説明する。図3に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオンであるときに、EPS制御装置18によって所定の時間毎に繰返し実行される。
まず、ステップ210においては、操舵トルクT及び車速Vに基づいて図6に示されたマップが参照されることにより、運転者の操舵負担を軽減するための目標基本操舵アシストトルクTabが演算される。図6に示されているように、目標基本操舵アシストトルクTabは、操舵トルクTの絶対値が大きいほど絶対値が大きくなると共に、車速Vが低いほど絶対値が大きくなるように演算される。
ステップ220においては、例えば操舵角θの時間微分値として操舵角速度θdが演算され、操舵角速度θd及び車速Vに基づいて図には示されていないマップが参照されることにより、操舵アシストトルクの減衰制御成分である目標減衰トルクTdtが演算される。目標減衰トルクTdtは、車速Vが高いほど絶対値が大きくなると共に、操舵角速度θdの大きさが基準値θd0(正の値)未満のときには操舵角速度θdの絶対値が大きいほど絶対値が大きくなり、操舵角速度θdの絶対値が基準値θd0以上のときには一定の値になるよう、演算される。
ステップ230においては、例えば上述の特開平2018−12424号公報の図6に示されたフローチャートに従って、操舵アシストトルクの摩擦制御成分である目標摩擦トルクTftが演算される。なお、目標減衰トルクTdtは、ステアリングホイール22のふらつきを低減するためのトルクであり、目標摩擦トルクTftは操舵に適度の抵抗を与えるためのトルクであり、何れも操舵に対し抗力トルクとして作用する。
ステップ240においては、最終目標操舵アシストトルクTatfが、目標基本操舵アシストトルクTab、目標減衰トルクTdt、目標摩擦トルクTft及びLKA制御の目標転舵トルクTadtの和(Tab+Tdt+Tf+Tadt)として演算される。なお、目標基本操舵アシストトルクTab、目標減衰トルクTdt及び目標摩擦トルクTftの和は、運転者の操舵負担を軽減すると共に運転者の操舵フィーリングを向上させるための目標操舵アシストトルクTatである。よって、最終目標操舵アシストトルクTatfは、目標操舵アシストトルクTatとLKA制御の目標転舵トルクTadtとの和として演算される。目標操舵アシストトルクTatは、上記トルクの和に限定されるものではなく、当技術分野において公知の任意のトルクの和として演算されてよい。
ステップ250においては、パワーステアリング装置16の操舵アシストトルクTaが最終目標操舵アシストトルクTatfになるよう、最終目標操舵アシストトルクTatfに基づいてパワーステアリング装置16が制御される。よって、操舵アシストトルクが目標操舵アシストトルクTatになると共に、LKA制御の操舵トルクが目標転舵トルクTadtになるよう制御される。従って、操舵角θの変化量が目標変化量Δθlkatになるよう制御されることにより、転舵輪である前輪12FL及び12FRの転舵角が目標変化量Δθlkatに対応する目標変化量だけ変化される。
実施形態によれば、ステップ10において、車両14を目標走行ラインに沿って走行させるための操舵角θの目標値である目標操舵角θlkatと操舵角θとの差として操舵角θの変化量Δθatが演算される。ステップ20において、操舵角θを目標変化量Δθlkat変化させるためのLKA制御の目標転舵トルクTadtが目標変化量Δθlkatに基づいて演算される。
また、ステップ30において、前輪12FL及び12FRのセルフアライニングトルクSATが演算され、ステップ40〜70において、路面の摩擦係数μ及び車両のスリップ角βに基づいてセルフアライニングトルクSATが補正される。ステップ80において、補正後のセルフアライニングトルクSATに基づいて目標修正トルクTfftが演算される。
更に、ステップ100において、セルフアライニングトルクSATによる前輪の転舵方向がLKA制御による前輪の目標転舵方向とは異なると判定されると、ステップ110において、LKA制御の目標転舵トルクTadtが、目標転舵トルクTadtと目標修正トルクTfftとの和に修正される。よって、図3に示されたフローチャートに従って行われる操舵アシストトルク制御により、修正後の目標転舵トルクTadtに対応する転舵トルクが発生されるので、該転舵トルクによってセルフアライニングトルクの少なくとも一部が相殺される。従って、LKA制御の目標転舵トルクTadtが目標転舵トルクTadtと目標修正トルクTfftとの和に修正されない場合に比して、前輪の転舵角θを効率的に且つ確実に目標転舵角θlkatに制御することができる。
これに対し、ステップ100において、セルフアライニングトルクSATによる前輪の転舵方向がLKA制御による前輪の目標転舵方向と同一であると判定されると、LKA制御の目標転舵トルクTadtは修正されない。よって、セルフアライニングトルクSATが運転支援による前輪の転舵を支援するトルクである状況においては、目標修正トルクTfftに対応するトルク、即ちセルフアライニングトルクを相殺するトルクは発生されない。従って、セルフアライニングトルクによる転舵方向及び運転支援による転舵方向が同一であるときにも目標修正トルクに対応するトルクが発生される場合に比して、転舵輪の転舵角を効率的に且つ確実に目標転舵角に制御することができる。
特に、上述の実施形態によれば、ステップ50及び70において、それぞれ路面の摩擦係数μ及び車両のスリップ角βに基づいてセルフアライニングトルクSATが補正される。よって、路面の摩擦係数μに基づくセルフアライニングトルクSATの補正及び車両のスリップ角βに基づくセルフアライニングトルクSATの補正の少なくとも一方が行われない場合に比して、目標修正トルクTfftを適正な値に演算することができる。
[修正例]
修正例におけるLKA制御の目標転舵トルクTadtの演算は、図2に示されたフローチャートに代えて、図7に示されたフローチャートに従って行われる。なお、図7において、図2に示されたステップと同一のステップには、図2において付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されており、それらのステップについての説明を省略する。
修正例におけるLKA制御の目標転舵トルクTadtの演算は、図2に示されたフローチャートに代えて、図7に示されたフローチャートに従って行われる。なお、図7において、図2に示されたステップと同一のステップには、図2において付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されており、それらのステップについての説明を省略する。
図7と図2との比較から解るように、ステップ10、20、40、50、80〜120は実施形態と同様に実行される。ステップ20の次に実行されるステップ25においては、前輪12FL及び12FRのスリップ角βfが演算される。スリップ角βffは、ステップ10において演算された目標操舵角θlkat及び実施形態のステップ60と同様に演算される車両14のスリップ角βに基づいて演算されてよい。
ステップ35においては、前輪12FL及び12FRのスリップ角βfに基づいて図8に示されたマップが参照されることにより、前輪のセルフアライニングトルクSATが演算される。
図8に示されているように、セルフアライニングトルクSATの絶対値は、スリップ角βfの絶対値が第一の基準値β1までの範囲においては、スリップ角βfの絶対値の増大につれて増大する。スリップ角βfの絶対値が第一の基準値β1よりも大きく第二の基準値β2以下の範囲においては、スリップ角βfの絶対値の増大につれて減少する。更に、スリップ角βfの絶対値が第二の基準値β2よりも大きい範囲においては、セルフアライニングトルクSATの符号が反転し、その絶対値はスリップ角βfの絶対値の増大につれて増大する。
修正例によれば、実施形態において得られる作用効果と同一の作用効果を得ることができることに加えて、セルフアライニングトルクSATの補正を単純化することができる。また、セルフアライニングトルクSATは前輪12FL及び12FRのスリップ角βfに基づいて演算される。よって、目標操舵角θlkatに基づいて演算される場合に比して、セルフアライニングトルクSATによる転舵方向及びLKA制御による転舵方向が同一であるか否かの判別を正確に行うことができる。
特に、上述の修正例によれば、前輪12FL及び12FRのスリップ角βfに基づいて前輪のセルフアライニングトルクSATが演算される。よって、実施形態の場合に比して、セルフアライニングトルクSATが抗力トルクであるか否かの判定を適正に行うことができる。
また、上述の修正例によれば、実施形態と同様に、ステップ50において、路面の摩擦係数μに基づいてセルフアライニングトルクSATが補正される。よって、路面の摩擦係数μに基づくセルフアライニングトルクSATの補正が行われない場合に比して、目標修正トルクTfftを適正な値に演算することができる。
以上においては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態及び修正例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の実施形態及び修正例においては、転舵輪である前輪12FL及び12FRの転舵角に対応する指標値は操舵角θであり、指標値の目標値は目標操舵角θlkatである。しかし、指標値は前輪の転舵角であり、指標値の目標値は前輪の目標転舵角であってもよい。更に、指標値は電動パワーステアリング装置16のピニオンシャフト34の回転角であり、指標値の目標値はピニオンシャフト34の目標回転角であってもよい。
また、上述の実施形態においては、ステップ30において、目標操舵角θlkatに基づいて前輪のセルフアライニングトルクSATが演算され、ステップ50及び70において、それぞれ路面の摩擦係数μ及び車両のスリップ角βに基づいてセルフアライニングトルクSATが補正されるようになっている。しかし、路面の摩擦係数μ毎に図5に示されたマップと同様のマップが設定され、路面の摩擦係数μに基づいてマップが選択されることにより、路面の摩擦係数μに基づくセルフアライニングトルクSATの補正が省略されてもよい。
また、上述の修正例においては、ステップ25及び35において、前輪12FL及び12FRのスリップ角βfに基づいて前輪のセルフアライニングトルクSATが演算され、ステップ50において、路面の摩擦係数μに基づいてセルフアライニングトルクSATが補正されるようになっている。しかし、路面の摩擦係数μ毎に図8に示されたマップと同様のマップが設定され、路面の摩擦係数μに基づいてマップが選択されることにより、路面の摩擦係数μに基づくセルフアライニングトルクSATの補正が省略されてもよい。
10…運転支援装置、14…車両、16…電動パワーステアリング(EPS)装置、18…EPS制御装置、20…走行制御装置、42…転舵装置、50…操舵角センサ、52…トルクセンサ、54…車速センサ、60…CCDカメラ、62…選択スイッチ
Claims (1)
- 転舵輪を転舵するよう構成された転舵装置と、車両を目標走行ラインに沿って走行させるための目標転舵角に対応する指標値の目標値を演算し、前記指標値が前記目標値になるように前記転舵装置を制御することにより運転支援を行うよう構成された制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記指標値を前記目標値にするための目標転舵トルクと、前記転舵輪のセルフアライニングトルクの影響を低減するための目標修正トルクと、の和に基づいて前記転舵装置を制御するよう構成された車両の運転支援装置において、
前記制御装置は、前記転舵輪のセルフアライニングトルクによる前記転舵輪の転舵方向が前記運転支援による前記転舵輪の転舵方向と同一であるときには、前記目標転舵トルクに基づいて前記転舵装置を制御するよう構成された車両の運転支援装置。
Priority Applications (1)
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JP2018112493A JP2019214297A (ja) | 2018-06-13 | 2018-06-13 | 車両の運転支援装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019214297A true JP2019214297A (ja) | 2019-12-19 |
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ID=68919293
Family Applications (1)
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JP2018112493A Pending JP2019214297A (ja) | 2018-06-13 | 2018-06-13 | 車両の運転支援装置 |
Country Status (1)
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-
2018
- 2018-06-13 JP JP2018112493A patent/JP2019214297A/ja active Pending
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