JP2019214038A - エマルジョン安定化剤としてのバイオポリマーブレンド - Google Patents

エマルジョン安定化剤としてのバイオポリマーブレンド Download PDF

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ジェイ. ラッセル,マイケル
j russell Michael
ジェイ. ラッセル,マイケル
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Qiwei He
ソクラテス トメイデス,ジョン
Socrates Thomaides John
ソクラテス トメイデス,ジョン
セオドア マルティノ,ゲーリー
Theodore Martino Gary
セオドア マルティノ,ゲーリー
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Cansanay Tirol Gloria
カンサネィ チロル,グロリア
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Abstract

【課題】耐久可能な産物を含み、良好な長期安定性を実現するエマルジョン安定化剤の提供。【解決手段】エマルジョン安定化剤は、1種またはそれ以上のセルロースエーテルと、1種またはそれ以上の架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレンドを含み、1種またはそれ以上の前記セルロースエーテルまたは前記架橋加工デンプンは疎水性に改変されており、前記バイオポリマーブレンド中の前記セルロースエーテルの総量は50重量%以下である。本発明は、さらに、前記エマルジョン安定化剤と、特に水中油エマルジョンとを含む、エマルジョン組成物に関する。前記エマルジョンは、パーソナルケア製剤における使用に適している。【選択図】なし

Description

本発明は、エマルジョン安定化剤、およびエマルジョン安定化剤を含有するエマルジョ
ンに関する。より具体的には、本発明は、1種またはそれ以上のセルロースエーテルと、
1種またはそれ以上の架橋加工デンプン(cross-linked, modified starches)とのバイ
オポリマーブレンドを含むエマルジョン安定化剤であって、1種またはそれ以上の前記セ
ルロースエーテルおよび前記架橋加工デンプンが疎水性に改変されている、エマルジョン
安定化剤に関する。
エマルジョン安定性は、市販用のエマルジョンに必要とされる長期保存を実現するため
に重要である。パーソナルケア産業において、長期安定性が要求されるエマルジョンとし
ては、例えば、ある種の日焼け止め、皮膚湿潤化製剤、スキンクリーム、およびヘアスタ
イリング製剤があげられ得る。これらの種類のパーソナルケア製剤において、低分子を含
有する合成材料が、乳化剤として典型的に用いられてきた。しかしながら、ある種の低分
子乳化剤は、刺激、毒性、および製剤中の化粧用機能材料との望ましくない相互作用を生
じさせ得る。さらに、ある種の低分子乳化剤は、望ましい長期エマルジョン安定性を実現
できないこともあり得る。
パーソナルケア組成物用のエマルジョン安定化剤は、パーソナルケア組成物に含有され
得る塩に対して非感受性である結果、組成物を処方する者がパーソナルケア製剤に含有さ
せる原料の選択において過度に制約を受けないことが望ましい。
特に皮膚に使用されるパーソナルケア製剤のためには、消費者にとって魅力的な触覚品
質を持つエマルジョン安定化剤が望ましい。
デンプンおよびデンプン誘導体は、パーソナルケア製剤に望ましい触覚品質を与えるこ
とが公知である。このような製剤に用いられるデンプンは、約3%超の濃度でなければな
らず、そうでない場合、デンプンは、レトログラデーションとして知られる現象を経て、
製剤から沈殿し得る。
セルロースおよびその誘導体は、乳化剤として働くことが公知であるが、パーソナルケ
ア製品、特に皮膚に使用されるパーソナルケア製品の乳化剤として使用した場合、望まし
くない触覚品質をもたらし得る。
本特許出願と同じ譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2012/0121519号
は、1種またはそれ以上の架橋試薬と、1種またはそれ以上のイオン性試薬約1モル%〜
約10モル%とで改変された多糖類を含有するポリマー乳化剤、その調製方法、および前
記ポリマー乳化剤を含有するエマルジョンを開示している。
国際公開第2009/080657号は、1種またはそれ以上の疎水性に改変した多糖
類と、ポリオールの脂肪酸エステルとを組み合わせて使用して、長期安定性と良好な官能
特性とを持つといわれる油中水エマルジョンを得ることが記載されている。そこに記載さ
れている疎水性に改変した多糖類としては、イヌリン、セルロースおよびその誘導体、デ
ンプン、および寒天、ならびにそれらの混合物があげられ、好ましいポリオールの脂肪酸
エステルは、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−4/ポリヒドロキシステアレート/セ
バケートである。そこに記載されているように、油性の連続相を、1種またはそれ以上の
ポリオールの脂肪酸エステルから調製し、水相を、疎水性に改変した多糖類から調製し、
次いで前記2つの相を混合し油中水エマルジョンを形成させる。
米国特許出願公開第2012/0121519号 国際公開第2009/080657号
本発明の1つの目的は、耐久可能な産物を含み、良好な長期安定性を実現するエマルジ
ョン安定化剤を提供することである。
本発明の別の目的は、パーソナルケア製剤に用いた場合に許容できる触覚品質を実現す
るエマルジョン安定化剤を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、例えば皮膚、頭髪、および他のパーソナルケア用途のため
のパーソナルケア製剤における塩化合物の使用を容易にするのに十分なだけ塩非感受性の
、エマルジョン安定化剤を提供することである。
第1の実施形態において、本発明は、一般に、1種またはそれ以上のセルロースエーテ
ルと、1種またはそれ以上の架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレンドを含むエマル
ジョン安定化剤であって、1種またはそれ以上の前記セルロースエーテルおよび前記架橋
加工デンプンが疎水性に改変されている、エマルジョン安定化剤に関する。
ある実施形態において、本発明は、一般に、1種またはそれ以上のセルロースエーテル
と、1種またはそれ以上の架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレンドを含むエマルジ
ョン安定化剤であって、前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが疎水性に改変さ
れている、エマルジョン安定化剤に関する。
ある実施形態において、本発明は、1種またはそれ以上のセルロースエーテルと、1種
またはそれ以上の架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレンドを含むエマルジョン安定
化剤であって、前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが疎水性に改変されており
、前記バイオポリマーブレンド中の前記セルロースエーテルの総量が50重量%以下であ
る、エマルジョン安定化剤に関する。
別の実施形態において、本発明は、1種またはそれ以上のセルロースエーテルと、1種
またはそれ以上の架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレンドを含むエマルジョン安定
化剤の製造方法であって、1種またはそれ以上の前記セルロースエーテルおよび前記架橋
デンプンが疎水性に改変されている、エマルジョン安定化剤の製造方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、1種またはそれ以上のセルロースエーテルと、1種
またはそれ以上の架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレンドを含むエマルジョン安定
化剤の製造方法であって、前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが疎水性に改変
されている、エマルジョン安定化剤の製造方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、連続相と、不連続相と、エマルジョン安定化剤とを
含むエマルジョン製剤であって、前記エマルジョン安定化剤が、1種またはそれ以上のセ
ルロースエーテルと、1種またはそれ以上の架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレン
ドを含み、1種またはそれ以上の前記セルロースエーテルおよび前記架橋加工デンプンが
疎水性に改変されている、エマルジョン製剤に関する。
別の実施形態において、本発明は、連続相と、不連続相と、エマルジョン安定化剤とを
含むエマルジョン製剤であって、前記エマルジョン安定化剤が、1種またはそれ以上のセ
ルロースエーテルと、1種またはそれ以上の架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレン
ドを含み、前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが疎水性に改変されている、エ
マルジョン製剤に関する。
本発明のブレンドは、成分として1種またはそれ以上のセルロースエーテルと、1種ま
たはそれ以上の加工デンプンとを含み、セルロースエーテル成分およびデンプン成分はバ
イオポリマーと考えられるため、本発明のブレンドはバイオポリマーブレンドと呼ばれる
本発明は、添付の図面と共に読んだ場合、以下の詳細な説明から最も良く理解される。
図面には、以下の図が含まれる。
図1は、実施例3に従った、それぞれ架橋加工デンプン、非架橋加工デンプン、および非架橋非加工デンプンとブレンドした、疎水性に改変したセルロースエーテルを含む組成物の水相の、弾性率に関するグラフであり、開始時および1か月間保存した後に取得した。 図2は、実施例3に従った、図1の対象と同じ組成物の水相の、複素粘度に関するグラフであり、開始時および1か月間保存した後に取得した。 図3は、実施例5に従った、水溶液中に架橋加工デンプンとブレンドした疎水性に改変したセルロースエーテルを含む、0.2%EDTA二ナトリウム添加および非添加の組成物の、(弾性率で測定した)塩感受性を示すグラフである。 図4は、実施例5に従った、図3の対象と同じ組成物の、(複素粘度で測定した)塩感受性を示すグラフである。 図5は、実施例5に従った、種々の濃度のNaClを添加した水溶液中に本発明のバイオポリマーブレンドを含む組成物の、(剪断粘度で測定した)塩感受性を示すグラフである。 図6は、実施例6に従った、疎水性に改変したセルロースエーテルと架橋加工デンプンとの比率が異なるバイオポリマーブレンドを含む組成物の、官能順位を示すグラフである。
本発明は、耐久可能な産物を含み、良好な長期保存安定性を実現するエマルジョン安定
化剤に関する。
本明細書で使用する場合、用語「改変」は、デンプンに適用する場合、分子の1つまた
はそれ以上のヒドロキシル基で反応を起こさせたデンプン分子を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「疎水性に改変」は、セルロースまたはデンプンに適用
する場合、1種またはそれ以上の、脂肪族または芳香族の、飽和または不飽和の、直鎖、
分枝鎖、または環状の、C〜C30の炭化水素ベースの鎖、特に8〜30個の炭素原子
を含む疎水性基で置換された、セルロース分子またはデンプン分子を意味する。
本明細書で使用する場合、あらゆるデンプン材料またはセルロース材料の「重量」は、
乾燥重量基準で記録される。
本明細書で使用する場合、用語「長期安定性」は、本明細書の実施例の項目で説明され
ているように、TURBISCAN(登録商標)LAB安定性分析装置を使用して測定し
た、室温および45℃の両方における、少なくとも28日間にわたるエマルジョンの安定
性を意味する。
デンプンは、パーソナルケア組成物のエマルジョンに用いた場合、望ましい触覚特性を
実現することが公知である。しかしながら、デンプンを唯一のエマルジョン安定化剤とし
て用いた場合、レトログラデーションと呼ばれる現象が起こる可能性があり、その結果、
典型的にはエマルジョンが不安定になることが公知である。したがって、そのようなレト
ログラデーションは望ましくない。
本発明によれば、1種またはそれ以上のセルロースエーテルおよび架橋加工デンプンが
疎水性に改変されている、前記セルロースエーテルと前記架橋加工デンプンとのバイオポ
リマーブレンドを含む組成物は、炭化水素ベースの油および天然油の両方の長期安定性の
ための、水中油エマルジョン用の有効なエマルジョン安定化剤組成物として働き得る。一
実施形態において、1種またはそれ以上のセルロースエーテルが疎水性に改変されている
、前記セルロースエーテルと架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレンドを含む組成物
は、炭化水素ベースの油および天然油の両方の長期安定性のための、水中油エマルジョン
用の有効なエマルジョン安定化剤組成物として働き得る。一実施形態において、セルロー
スエーテルの架橋加工デンプンに対する重量比は、約1:1以下である。そのようなエマ
ルジョン安定化剤組成物は、良好な触覚品質を実現するが、レトログラデーションを受け
ないことが見いだされた。
本発明のバイオポリマーブレンドは、パーソナルケア製剤のエマルジョン安定化剤例え
ばスキンケア用途およびヘアスタイリング用途として、特に有利である。例えば、耐久可
能性に加えて、合成安定化剤の触覚品質と比較して、本発明の主題のバイオポリマーブレ
ンドによって実現される自然な触覚品質は魅力的であろう。同様に、本バイオポリマーブ
レンドの強固な塩耐性は、処方者が、種々の原料にブレンドすることを可能にするであろ
う。本発明のバイオポリマーブレンドは、TURBISCAN(登録商標)LAB安定性
分析装置と、本明細書の実施例の項目で説明されている方法とを用いて測定した場合、低
バイオポリマー濃度で用いてなお、デンプン成分のレトログラデーションを起こすことな
く、長期エマルジョン安定性を示す。
セルロースエーテル
セルロースは、1,4−無水グルコース単位からできた多糖類である。天然セルロース
中のセルロース分子は、水に不溶性である。セルロースを可溶性にするためには、セルロ
ース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセ
ルロース(EHEC)、ヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシブチル
メチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メ
チルエチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、および疎水性に改変したエチル
ヒドロキシエチルセルロース(HMEHEC)に改変する必要がある。
改変セルロースを製造するために、セルロースをアルカリ化工程にかけ、次いでエチレ
ンオキシドおよびエチルクロライドと反応させてEHECを製造し、同様にメチルクロラ
イドと反応させてMEHECを製造する。セルロースの無水グルコース単位は、それぞれ
反応に用いることができる3つのヒドロキシル基を有する。無水グルコース単位あたりの
反応したヒドロキシル基の数は、置換度(DS)として表され、0〜3の範囲である。エ
チレンオキシドのモル置換度(MSEO)は、無水グルコース単位あたりの、エチレンオ
キシド基の総数の平均である。
本発明のエマルジョン安定化剤における使用に適したセルロースエーテル材料は、あら
ゆるセルロース源由来であってもよく、セルロース源としては、広葉樹パルプ、針葉樹パ
ルプ、綿リンターを含む綿原料、バクテリアセルロース、および再生セルロースがあげら
れるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本発明のバイオポリマーブレンドに用いられるセルロースエーテ
ルは、非イオン性セルロースエーテルである。ある実施形態において、セルロースエーテ
ルは、ヒドロキシ(C〜C)アルキルセルロースである。
非イオン性セルロースエーテルは、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プ
ロピルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシ
エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチル
セルロース、プロピルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびそれらの混合物である。一実施
形態において、本発明のバイオポリマーブレンドに用いられるセルロースエーテルとして
は、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチル
ヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、およびそれらの混合物があげられるが、これらに限定されない
一実施形態において、本発明のバイオポリマーブレンドに用いられるセルロースエーテ
ルは、メチルエチルヒドロキシエチルセルロースであり、本明細書において「MEHEC
」と呼ぶ。
一実施形態において、本発明のバイオポリマーブレンドに用いられるセルロースエーテ
ルは、エチルヒドロキシエチルセルロースであり、本明細書において「EHEC」と呼ぶ
適した非イオン性セルロースエーテルとしては、Akzo Nobel Functi
onal Chemicals,LLC(イリノイ州、シカゴ)が商標Bermocol
l(登録商標)として販売しているものがあげられる。他の適したセルロースエーテルと
しては、Ashland Inc.(ケンタッキー州、コビントン)の、商標Natro
sol(商標)ヒドロキシエチルセルロースとして販売されているものあげられ得る。
非イオン性セルロースエーテルは、良好な塩耐性が望まれる用途において、特に有用で
あり得る。
一実施形態において、本発明のバイオポリマーブレンドに用いられるセルロースエーテ
ルは、特に塩化合物に対する高い耐性が要求されない製剤において、陰イオン性セルロー
スエーテルである。
陰イオン性セルロースエーテルは、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルカルボキシメチルセルロース、
スルホエチルセルロース、ヒドロキシエチルスルホエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルスルホエチルセルロース、およびそれらの混合物である。
セルロースエーテルは、当業者に公知である通常の方法に従って調製することができる
。例えば、アルカリセルロース(活性化セルロース)は、1工程または数工程で、まずセ
ルロースをアルカリでマーセル加工し、続いてアルカリセルロースを、1工程または数工
程で、エチレンオキシド、酸化プロピレン、ブチレンオキシド、メチルクロライド、エチ
ルクロライド、モノクロロ酢酸(MCA)、およびMCAの塩から選択される、1種また
はそれ以上の適切な量のエーテル化剤と、有機反応媒質、例えばエチルクロライド、アセ
トン、アルキルでブロックしたモノまたはポリ(エチレングリコール)、イソプロパノー
ル、tert−ブタノール、またはエーテル、例えばメチルtert−ブチルエーテル、
メチルsec−ブチルエーテル、もしくはジメトキシエタン、またはそれらの混合物の存
在下で、約50〜約120℃の範囲の温度で反応させることによって調製することができ
る。
セルロースエーテルは、セルロース鎖上の、1つまたはそれ以上の置換基の存在によっ
て特徴づけられる。
一実施形態において、セルロースエーテルは、ヒドロキシアルキル、例えばエチレンオ
キシドで置換され、MSEOとして特徴づけられる。一実施形態において、MSEOは、
1.0以上、一実施形態において1.5以上、一実施形態において2.0以上、一実施形
態において2.4以上である。
一実施形態において、セルロースエーテルは、メチルおよび/またはエチル置換されて
おり、DSethylとDSmethylの合計は0.1以上、一実施形態において0.
2以上、一実施形態において0.4以上、一実施形態において0.6以上、および一実施
形態において0.8以上である。
アルキル置換セルロースエーテルの1つの製造方法において、セルロースを、1工程ま
たは数工程で、アルカリの総量が糖単位1モルあたり約0.8〜約1.8モルの水性アル
カリでマーセル加工し、マーセル加工したセルロースを、糖単位1モルあたり総量約2.
6〜約5.5モルのエチレンオキシドと反応させる。次いで、反応産物を、糖単位1モル
あたり総量約0.2〜約1.5モルのエチルクロライドと反応させてEHECを製造する
か、糖単位1モルあたり総量約0.2〜約1.5モルのエチルクロライドおよびメチルク
ロライドと反応させてMEHECを製造するか、のいずれかである。これらの成分を、マ
ーセル加工したセルロースに添加し、1工程または数工程で、有機反応媒質の存在下、約
50〜約120℃の温度で反応させる。本発明のある実施形態において、反応媒質とセル
ロースとの重量比は、約1:1〜約10:1であってもよく、別の実施形態において、約
4:3〜約3:1であってもよい。
一実施形態において、メチルクロライドまたはエチルクロライドは、エーテル化剤およ
び反応媒質の両方の機能を果たし、その場合、要求される量のメチルクロライドまたはエ
チルクロライドは、反応混合物中に既に存在し、メチルクロライドまたはエチルクロライ
ドをさらに添加する必要はない。アルキル化は、セルロース源、アルカリの使用量、反応
温度、および反応時間によって調整することができる。必要であれば、セルロースをさら
に活性化するために、アルカリの一部を、反応の間の後期に添加してもよい。メチルおよ
びエチルによる総置換度は、相当する当量のNaOHが消費されて塩化ナトリウムを生じ
るため、マーセル加工工程で用いるアルカリの量によって制御することができる。しかし
ながら、副反応のために、アルキル置換の収率は約40〜約60%である。米国特許第7
,319,146号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)によって、
セルロースエーテルポリマーの製造に用いる方法の全般的な説明が提供される。
本発明における使用に適したセルロースエーテルの1つの製造方法が、米国特許出願公
開第2009/0326217号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる
)に開示されており、そこではセルロースエーテルは、エーテル系溶剤の存在下で調製さ
れる。
疎水性改変
一実施形態において、セルロースエーテルは、8〜30個の炭素原子を含む、1つまた
はそれ以上の、脂肪族または芳香族の、飽和または不飽和の、直鎖、分枝鎖、または環状
の疎水性基で置換することにより、疎水性に改変してもよい。一実施形態において、用い
られる疎水性置換基としては、C〜C30の、別の実施形態において好ましくはC
22の、アルキル基、アリールアルキル基、またはアルキルアリール基、およびそれら
の組み合わせがあげられる。ある実施形態において、疎水性置換基は、C〜C22の、
好ましくはC16〜C20の、飽和アルキル鎖、例えばセチル(C16)基、ステアリル
(C18)基、またはベヘニル(C20)基である。ある実施形態において、本発明によ
る疎水性置換基は、セチル基またはステアリル基である。ある実施形態において、疎水性
基は、天然源由来、例えばトール油、獣脂、大豆、ココヤシ、およびパーム油由来である
疎水性改変剤は、セルロースエーテル基質に、エーテル結合、エステル結合、またはウ
レタン結合によって結合してもよい。エーテル化するために最も一般的に用いられる試薬
が容易に入手でき、反応が最初のエーテル化に一般的に用いられるものと類似しており、
試薬が他の結合による改変に用いられる試薬よりも通常取り扱いが容易であるため、エー
テル結合が好ましい。生じる結合は、通常、さらなる反応に対して、より強い耐性もある
。一実施形態において、非イオン性セルロースエーテルを、不活性有機希釈剤、例えば低
級脂肪族アルコール、ケトン、または炭化水素中にスラリー化し、得られたスラリーに、
低温で、アルカリ金属水酸化物溶液を加え、次いでC10〜C24のエポキシドを加え、
反応が完了するまで撹拌を続けることによって、反応を行うことができる。
疎水性に改変したセルロースエーテル、およびその調製方法は、当分野で公知である。
例えば、米国特許第6,627,751号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)
は、ヒドロキシアルキル基を持たないアルカリ金属セルロースを、少なくとも3種類のア
ルキル化試薬と反応させることを含むプロセスによって得ることができる疎水性に改変し
た陰イオン性セルロースエーテルを開示しており、1種またはそれ以上の前記アルキル化
試薬は、ハロ酢酸、アルカリ金属ハロアセテート、アルカリ金属ビニルスルホネート、お
よびビニルスルホン酸の群から選択され、1種またはそれ以上の前記アルキル化試薬は、
式R−(OCHCH(R))−P(RはC〜Cの基を表し、Rは水素ま
たはメチル基であり、nは0〜2であり、Pは、グリシジルエーテル基、3−ハロ−2−
ヒドロキシプロピルエーテル基、1,2−エポキシ基、またはハロゲン化物を表す)のも
のであり、1種またはそれ以上の試薬は、式R−(OCHCH(R))−P(R
はC〜C30の基を表し、mは0〜10であり、RおよびPは上記と同じ意味を有
する)のものである。米国特許出願公開第2009/0326217(参照により本明細
書に組み込まれる)は、セルロースエーテルを調製するためのプロセスを開示しており、
前記セルロースエーテルは、式R−O−R(RとRとは同じであっても、異なっ
ていてもよく、アルキル基から、好ましくは直鎖または分枝鎖のC〜Cアルキル基か
ら独立して選択される)の沸点が40〜90℃であるエーテル、またはエーテルを含み沸
点が40〜90℃である溶剤混合物の存在下で調製される。
一実施形態において、疎水性に改変したセルロースエーテルとしては、エチルヒドロキ
シエチルセルロースエーテル(HM−EHEC)があげられる。一実施形態において、疎
水性に改変したセルロースエーテルは、疎水性に改変したヒドロキシエチルセルロース(
HM−HEC)であってもよい。
考慮すべき別の要素は、疎水性に改変したセルロースエーテルの分子量である。分子量
は、物理的性質、例えば固有粘度によって、または分光光度分析、例えば光散乱によって
決定することができる。本発明については、全ての分子量は、当分野で公知である光散乱
法によって決定され、以下の本出願の実施例の項目に記載された手順によって実証された
重量平均分子量(Mw)で示される。記録される単位は、ダルトン(Da)による。
本発明のある実施形態において、疎水性に改変したセルロースエーテルの分子量は、9
00,000以上、より好ましくは1,000,000以上であろう。本発明のある実施
形態において、分子量は、約2,000,000以下、一実施形態において約1,500
,000以下、一実施形態において約1,200,000以下であろう。
本発明の別の実施形態において、疎水性に改変したセルロースエーテルの分子量は、9
00,000以下、一実施形態において800,000以下であろう。本発明のある実施
形態において、分子量は、約200,000以上、一実施形態において約300,000
以上であろう。
デンプン
本発明のデンプン成分は、デンプンのあらゆる植物源から単離することができ、植物源
としては、例えば、トウモロコシ、小麦、コメ、モロコシ、エンドウ豆、ジャガイモ、タ
ピオカ(キャッサバ)、サツマイモ、およびサゴがあげられる。本発明のある実施形態に
おいて、デンプンは、約90%超のアミロペクチンを含む。別の実施形態において、デン
プンは、95%超のアミロペクチンを含む。さらに別の実施形態において、デンプンは、
97%超のアミロペクチンを含む。
この高アミロペクチンデンプンは、当分野において、従来からワキシーとして公知であ
り、多くの種類のワキシーデンプンが市販されている。本発明のある実施形態において、
ワキシーデンプンは、トウモロコシ、コメ、ジャガイモ、またはタピオカのワキシーデン
プンである。
本発明の好ましい実施形態において、デンプンは、高分子量であろう。本発明について
は、高分子量は、意図的に低分子量に分解されていない天然デンプンの分子量と定義する
。すなわち、デンプンの単離の間に、さらにデンプンの化学的処理および乾燥の間にいく
らかの分解が起こるであろうが、本発明については、高分子量デンプンは、可能な限り自
然のままの分子量を維持した高分子量デンプンである。別の実施形態において、デンプン
は、これらに限定されないが、酸触媒加水分解、酵素触媒加水分解、および酸化分解を含
む当分野で公知である手段によって、制御された方法で部分分解されていてもよい。デン
プンが意図的に部分分解されている場合、分解されたデンプンの水流動性(WF)は、7
0未満、好ましくは60未満、最も好ましくは45未満であろう。
本発明で用いるために適切なデンプンは、架橋デンプンである。デンプン鎖の架橋は、
適切な架橋剤、例えば二官能性化合物によって実現できる。さらなる実施形態において、
架橋は、デンプンとエピクロロヒドリンとの反応によって実現される。さらなる実施形態
において、好ましい架橋方法はリン酸化であり、2つのデンプン鎖が陰イオン性P−O基
によって架橋されるように、デンプンを、オキシ塩化リン、ペントキシドリン、および/
または三メタリン酸ナトリウムと反応させる。架橋部位の陰イオン特性によって、デンプ
ンのエマルジョン安定化作用が助長される。さらなる実施形態において、さらに好ましい
架橋方法は、C〜C18アルカンジカルボン酸またはアルケンジカルボン酸による方法
であり、別の実施形態において好ましくはC〜Cアルカンジカルボン酸による方法で
あり、特にアジピン酸による方法である。アルカンジカルボン酸またはアルケンジカルボ
ン酸は、2つのデンプン鎖をエステル結合で連結する。直鎖形状であっても、分枝鎖形状
であってもよい。さらなる実施形態において、例えば、デンプンを、無水ジカルボン酸と
無水酢酸との混合物と反応させることによって、架橋デンプンが得られる。デンプンは、
約15ppm〜約400ppmの架橋試薬によって架橋してもよく、別の実施形態におい
て好ましくは約50〜約300ppmの架橋試薬によって架橋してもよく、さらに別の実
施形態においてより好ましくは約100ppm〜約200ppmの架橋試薬によって架橋
してもよい。
さらなる態様において、架橋デンプンは、C〜Cヒドロキシアルキル成分を付加す
ることにより、さらに改変される。理論に拘束されることを望むものではないが、2〜5
個の炭素原子を有するアルキル基によってデンプン骨格に結合しているヒドロキシル基が
存在することによって、デンプンの適切な親水性−親油性バランスがもたらされると考え
られている。アルキル基におけるヒドロキシル基の位置はあまり重要ではなく、α位〜ω
位であってもよい。置換度は、無水グルコース単位あたりの、デンプン分子が有する置換
されたOH基数の平均である。ある実施形態において、ヒドロキシアルキル化の置換度は
、好ましくはおよそ0.08〜0.3、別の実施形態において、より好ましくは、ヒドロ
キシアルキル化の置換度は、およそ0.15〜0.25である。天然デンプンのヒドロキ
シアルキル化は、天然デンプンを、炭素原子数が適切なアルキレンオキシドと反応させる
ことによって引き起こすことができる。ある実施形態において、デンプンをエチレンオキ
シドまたは酸化プロピレンと反応させることによって得られる、ヒドロキシエチル化デン
プンおよび/またはヒドロキシプロピル化デンプンが特に好ましい。本発明に従って用い
るべきデンプンは、アルキル基あたり1個を超えるヒドロキシル基も含んでいてもよい。
ある実施形態において、本発明のための特に好ましい架橋加工デンプンは、架橋したヒド
ロキシプロピルリン酸二デンプンまたは架橋したアセチル化アジピン酸二デンプンである
本発明の架橋デンプンは、疎水性に改変されていてもよく、それ自体が、1種またはそ
れ以上の、脂肪族または芳香族の、飽和または不飽和の、直鎖、分枝鎖、または環状の、
〜C30の炭化水素ベースの鎖によって、特に8〜30個の炭素原子を含む疎水性基
によって置換されていてもよい。別の実施形態において、用いられる疎水性置換基として
は、C〜C30の、別の実施形態において好ましくはC〜C22の、アルキル基、ア
ルケニル基、アリールアルキル基、またはアルキルアリール基、およびそれらの組み合わ
せがあげられる。ある実施形態において、疎水性置換基は、C〜C22のアルケニル鎖
、好ましくはC〜C12のアルケニル鎖、例えばオクテニル(不飽和C)基および直
鎖または分枝鎖ドデセニル(不飽和C12)基などである。ある実施形態において、疎水
性基は、天然源由来であり、天然源としては、トール油、獣脂、大豆、ココヤシ、および
パーム油があげられるが、これらに限定されない。ある実施形態において、本発明による
疎水性置換基は、オクテニル基またはドデセニル基である。疎水性改変剤は、エーテル結
合、エステル結合、またはウレタン結合によってデンプン基質に結合していてもよい。エ
ステル結合が好ましい。改変試薬としては、例えばオクテニル無水コハク酸およびドデセ
ニル無水物があげられるが、これらに限定されない。
ある実施形態において、本発明に従って用いるべき架橋加工デンプンは、糊化されてい
る。本発明については、用語「糊化デンプン」には、「予め糊化したデンプン」、「予め
ペースト化したデンプン」、および「冷水膨潤デンプン」が含まれる。用語「糊化」デン
プンは、偏光における複屈折性十字を喪失した、膨潤化したデンプン粒を指す。糊化加工
デンプンは、加熱することなく、冷水に可溶である。この関係において、「可溶」は、必
ずしも真の分子性溶液の形成を意味するものではなく、コロイド分散液が得られることも
意味する。本発明に従って用いるべき架橋加工デンプンは、好ましくは完全に糊化されて
いる。
改変粒状デンプンは、水中で、糊化温度を上回る加熱によって糊化することができる。
糊化の、いくつかの非限定的な例は、槽加熱、蒸気注入加熱、ジェット加熱(約10〜約
150PSIの圧力で)、および押出しである。粒状デンプンを糊化することによって、
エマルジョン安定化剤の成分としての機能性を獲得することができると考えられている。
本発明のデンプンを種々の温度および濃度で加熱して、機能的コロイド懸濁液を得ること
ができる。本発明のある実施形態において、デンプンは、約90℃〜約200℃で加熱さ
れる。別の実施形態において、デンプンは、約100℃〜約150℃で加熱される。加熱
方法によるが、水中のデンプン濃度の限界は、因子、例えば粘度、熱伝達、および溶液安
定性などによって変わるであろう。本発明のある実施形態において、デンプンは、約1〜
約40重量%(重量%)の濃度で加熱され、別の実施形態において、デンプンは、約2重
量%〜約30重量%の濃度で加熱され、さらに別の実施形態において、約3重量%〜約1
5重量%の濃度で加熱され、またはこれらの範囲の上限と下限とを組み合わせることによ
って規定される、さらにまた別の実施形態によって加熱されるであろう。
このような糊化デンプンを製造するために用いられる通常のプロセスとしては、中でも
、ドラム乾燥、押出し、および噴霧乾燥があげられる。
ドラム乾燥には、加熱したドラム上で、非常に粘度の高い、半固体のデンプンペースト
を、同時に加熱し乾燥させることが含まれる。乾燥させたフィルムは、ドラムから金属の
ブレードではがし、次いですり砕く。このプロセスは、非常に高い固形物含有量に達する
まで行うことができる。
押出しを、デンプンを同時に加熱し乾燥させるために用いることも可能である(米国特
許第3,137,592号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参
照のこと)。このプロセスは、デンプンの糊化を引き起こす高温高圧におけるデンプン/
水混合物の物理的処理を利用しており、続いてノズルを離れた後に、急速に水を蒸発させ
ながら膨張させる。
糊化架橋加工デンプンを用いることによって、周囲温度で、または公知のデンプン含有
組成物のために用いられる製造条件よりも著しく低い温度で、前記デンプンを製造するこ
とが可能となる。ある実施形態において、好ましくは糊化架橋加工デンプンは噴霧乾燥に
よって製造する。
ある実施形態において、本発明に従って用いるべき架橋加工デンプンは、大部分がイン
タクトなデンプン細粒である。大部分がインタクトな粒状構造を有する糊化架橋加工デン
プンの水性分散液は、例えば、分散液がわずかにざらついた感触を有する乾燥デンプン溶
液によって得られる、粒状構造を有さないデンプンの水性分散液よりも、均質で滑らかな
触感を有する。インタクトな粒状構造を有する糊化デンプンの場合、水素結合の本来の内
部構造は破壊されているが、外形または形状は維持されている。
特に好ましい噴霧乾燥した糊化デンプンの製造プロセスは、米国特許第4,280,8
51号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。前記
プロセスを実行するために適合させた装置は、米国特許第4,600,472号明細書(
参照によりその全体もまた本明細書に組み込まれる)に記載されている。本プロセスにお
いて、粒状デンプンまたは加工デンプンの混合物は、噴霧状態で加熱または糊化される。
加熱すべきデンプンは、相対的に細かく分けられたスプレー材料を形成するために、噴霧
口を通してノズル装置中に噴霧される。さらに、加熱媒質は、デンプンを糊化に必要な温
度に加熱するために、ノズル装置内の開口部を通して、噴霧された材料中に噴射される。
閉鎖されたチャンバーは、噴霧および加熱媒質のための注入口を取り囲み、加熱されたデ
ンプン噴霧材料がチャンバーから出られるような形で配置された換気口の形を定める。装
置は、デンプン噴霧材料がチャンバーを通過する間、すなわち噴霧口から換気口まで、の
経過時間がデンプンの糊化時間を規定するようになっている。得られた噴霧乾燥した糊化
デンプンは、くぼみがある球形状の、均一に糊化したデンプン細粒を含み、細粒の大部分
は、完全で破損がなく、水和後に膨潤化する。このようなデンプンを製造するために使用
できるノズルもまた、米国特許第4,610,760号明細書(参照によりその全体が本
明細書に組み込まれる)に記載されている。
適切な糊化デンプンまたは加工デンプンを製造するために、米国特許第5,149,7
99号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)のプロセスを用いること
もできる。本プロセスにおいて、デンプンは、均一に噴霧され、水性媒質存在下、単一の
噴霧段階によって加熱される。噴霧段階は、内部混合型二流体噴霧乾燥ノズルを備えた装
置内で行われ、この装置は、加熱した噴霧デンプンを乾燥させるためのデバイスに連結さ
れている。
適切な特質を有する、噴霧乾燥した、糊化デンプンまたは加工デンプンは、連続的な、
ジェット加熱と噴霧乾燥とを連結したプロセスによって製造することもできる。デンプン
懸濁液は、直接蒸気噴射によるジェット加熱装置内で、138℃〜160℃で糊化される
。デンプン懸濁液の流れと蒸気の流れとは、加熱または沸騰チャンバー内で混合される。
後者の放出口は、通常の噴霧乾燥器に設置されている圧縮空気噴霧ノズルまたは高圧ノズ
ルに連結されている。ジェット加熱されたデンプンを、高温高圧で噴霧ノズル中に導き、
冷風、熱風、または好ましくは蒸気で噴霧してもよい。噴霧後、高温の、ジェット加熱し
たデンプン溶液は、通常の噴霧乾燥したデンプンと同様の方法で取り扱われる。乾燥プロ
セスは、液滴を冷却および乾燥する間にデンプン分子がレトログラデーションすることを
防ぐのに十分に速い。噴霧乾燥したデンプンは、アモルファス材料(すなわち、実質的に
非晶質である)であり、水に可溶であるか、またはコロイド状に分散させることができる
ある実施形態において、本発明による架橋加工デンプンは、使用する際に水性媒質中で
再構成される、乾燥した粉末状組成物として提供され得る。
本発明に従って使用するのに適した架橋加工デンプンは、皮膚科学的に望ましい使用特
性および触覚品質を有する。前記架橋加工デンプンは、皮膚の保水能力を高め、皮膚を滑
らかでしなやかにするのに役立つ。架橋加工デンプンと共に本発明のエマルジョン安定化
剤を含有する化粧品は、皮膚の上に非常に良く延ばすことができ、べたついた感触を残さ
ない。
バイオポリマーブレンド
別の態様において、本発明は、エマルジョン安定化剤の製造方法を提供する。前記方法
は、セルロースエーテルを架橋加工デンプンとブレンドしてバイオポリマーブレンドを製
造することを含み、1種またはそれ以上の前記改変セルロースエーテルおよび前記架橋加
工デンプンは、疎水性に改変されている。ある実施形態において、前記方法は、デンプン
を1種またはそれ以上の架橋試薬で架橋すること、および前記架橋加工デンプンを疎水性
に改変したセルロースエーテルとブレンドする前に、例えばヒドロキシアルキル化によっ
て、前記架橋デンプンをさらに改変することを含んでいてもよい。別の実施形態において
、前記方法は、前記セルロースエーテルとデンプン成分とをブレンドする前に、前記セル
ロースエーテルまたは前記架橋加工デンプンを、1種またはそれ以上の疎水性試薬で疎水
性に改変することを含む。
ある実施形態において、バイオポリマーブレンド中のセルロースエーテルの総量は、5
0重量%以下である。一実施形態において、ブレンド中のセルロースエーテルの総量は、
約5重量%以上、一実施形態において約10重量%以上、一実施形態において約20重量
%以上である。一実施形態において、ブレンド中のセルロースエーテルの総量は、約45
重量%以下、一実施形態において約40重量%以下、別の実施形態において約30重量%
以下、別の実施形態において約25重量%以下である。
エマルジョン化パーソナルケア製剤
一般に、エマルジョンは2種類の不混和性の液状物質の混合物を含み、物質の一方(分
散相)は、他方(連続相)に分散されている。本発明については、エマルジョンは、液状
媒質中に、実質的に均一に分布した、または分散した複数の油滴と定義する。通常、エマ
ルジョンは、室温でこのような形態である。凝固点が100℃を下回る温度であるいくつ
かの油の場合、エマルジョンは、油をまず水中に分散させた製剤であってもよいが、室温
に冷却する際に、油がある程度凝固してしまっていることがある。液状媒質は連続相を形
成し、油は液状媒質に可溶ではない。ある実施形態において、液状媒質への溶解度は、0
.1重量%、好ましくは0.05重量%、またはそれ未満である。適切な液状媒質の、い
くつかの非限定的な例としては、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、グリ
セロール、プロピレングリコール、もしくはアセトン、またはそれらの混合物があげられ
る。本発明のある実施形態において、液状媒質は、水と、エタノール、メタノール、イソ
プロパノール、グリセロール、グリコール、例えばプロピレングリコール、またはアセト
ンの中の1種またはそれ以上との混合物である。
ある態様において、本発明のエマルジョン安定化剤は、水または水ベースの媒質に分散
された化粧的に許容できる油を含有するエマルジョンを形成するために用いることができ
る。
別の態様において、本発明は、エマルジョン安定化剤、界面活性剤、化粧的に許容でき
る油、および水または水ベースの液状媒質を含み、水または水ベースの液状媒質が連続相
である、エマルジョンを提供する。
本発明の一実施形態において、エマルジョンは、パーソナルケア組成物である。本発明
の一実施形態において、パーソナルケア組成物は、スキンケア組成物である。本発明の一
実施形態において、パーソナルケア組成物は、ヘアケアまたはヘアスタイリング組成物で
ある。本発明の一実施形態において、エマルジョンは、ジェル、ムース、ポマード、およ
びワックスから選択されるヘアスタイリング組成物である。
本発明の一実施形態において、エマルジョンは、スキンケア組成物、皮膚洗浄組成物、
メーキャップ、美顔ローション、クリームモイスチャライザー、ボディーソープ、ボディ
ーローション、フットケア製品、例えばフットクリーム、ハンドクリーム、リップスティ
ック、リップグロス、リップペンシル、アイシャドー、ジェルアイカラー、アイライナー
、アイペンシル、マスカラ、コンシーラー、ファンデーション、美顔パウダー、液体ルー
ジュ、ほお紅、デオドラント、シェービングクリーム組成物、マニキュア、ジェル状マニ
キュア除光剤、キューティクルリムーバー、キューティクルクリーム、アクネクリーム、
アクネクレンジングスクラブ、歯磨き、シェービングローション、クリーム脱毛剤、ロー
ション脱毛剤、ワックス脱毛剤、粘土材料から作られた美顔パック、アンチエイジング製
品、シャンプー、ヘアケア製品、例えばコンディショナー、ヘアトリートメントクリーム
、スタイリングジェル、スタイリングフォーム、ヘアムース、ヘアスプレー、セットロー
ション、ブロースタイリングローション、ヘアカラーローションおよびヘアダイ、毛髪脱
色クリーム ヘアリラクシング組成物、カール促進ジェル、芳香性ヘアグロス、サンケア
製品、例えばサンスティックおよび日焼け止め、石鹸、ハンドウォッシュ、手指消毒ジェ
ル、抗菌手指洗浄剤、ボディースクラブ、ハンドスクラブ、泡入浴剤、バスオイル、イン
スタント手指消毒剤、ベビーローション、おむつかぶれクリーム、お手ふき、ベビーバス
、およびビタミンクリームからなる群から選択されるパーソナルケア組成物である。
本発明の、本態様のある実施形態において、油は、エマルジョンの10%以上存在し、
別の実施形態においてエマルジョンの20%以上存在し、さらに別の実施形態においてエ
マルジョンの約30%以上存在する。本発明の、本態様の一実施形態において、油は、エ
マルジョンの50%以下存在し、さらに別の実施形態においてエマルジョンの40%以下
存在する。
本発明のある実施形態において、エマルジョン中の油滴は、平均粒子径が約0.2μm
〜約100μmである。別の実施形態において、油滴は、平均粒子径が約0.5μm〜3
5μmである。さらに別の実施形態において、油滴は、平均粒子径が約1μm〜約25μ
mである。本発明の実施形態において、平均粒子径の下限は、それぞれ0.2μm、0.
5μmおよび1μmであってもよく、上限は、それぞれ100μm、35μmおよび25
μmであってもよく、実施形態は、これらの下限と上限とを組み合わせた範囲であっても
よい。平均粒子径は、例えば、当業者に公知であるような光散乱技術によって測定するこ
とができる。
本発明のある実施形態において、化粧的に許容できる油は、溶剤系に可溶ではなく、消
費者に何らかの利益、例えば感触、保護、ヒーリング、UVプロテクション、吸蔵、滑り
、水和、またはラジカル捕捉をもたらす油である。化粧的に許容できる油は、炭化水素ベ
ースの油および天然油から選択することができる。化粧的に許容できる油の非限定的な例
は、パーム油、鉱物油、ワセリン(petroleum jelly)、ワセリン(petrolatum)、シリ
コーン、ジメチコン、エミュー油、ヒマシ油、スクアリン(squaline)、アボカド油、ア
ーモンド油、ココナツ油、カカオバター、グレープシード油、ラノリン、落花生油、ゴマ
油、ホホバ油、オリーブ油、シリコーン油、ヒマワリ油、サフラワー油、シアバター、お
よび小麦胚芽油である。
本発明のある実施形態において、化粧的に許容できる油は、エアゾール噴射剤であって
もよい。
本発明のある実施形態において、最終製剤、例えばスキンケア製剤またはヘアケア製剤
におけるエマルジョン安定化剤の使用濃度は、約1重量%〜約5%重量%であってもよい
。エマルジョン安定化剤の使用濃度は、部分的に、ブレンドのセルロースエーテル成分の
重量平均分子量に基づいて選択してもよい。セルロースエーテルが、約900,000以
上の分子量を有する疎水性に改変したセルロースエーテルである、ある実施形態において
、エマルジョン安定化剤の使用濃度は、エマルジョン製剤の総重量に対して、好ましくは
約1重量%〜約3重量%、さらに別の実施形態においてより好ましくは約1.5重量%〜
約2.5重量%、さらに別の実施形態において約2重量%である。セルロースエーテルが
、900,000未満の分子量を有する疎水性に改変したセルロースエーテルである、あ
る実施形態において、エマルジョン安定化剤の使用濃度は、エマルジョン製剤の総重量に
対して、好ましくは約3重量%〜約6重量%、さらに別の実施形態においてより好ましく
は約4重量%〜約5.5重量%、さらに別の実施形態において約5重量%である。
保存剤は、長期保存安定性、特に微生物学的な保存期間安定性をもたらすために、パー
ソナルケア製剤に用いられることが多い。適切な保存剤としては、例えば、メチルパラベ
ン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、DMDMヒダントイン、イミダゾリジニル尿素
、グルテルアルデヒド(gluteraldehyde)、フェノキシエタノール、ベンザルコニウムク
ロライド、メタンアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、ベンジルアルコ
ール、クロロベンジルアルコール、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリ
ノン、安息香酸ナトリウム、クロルアセトアミド、トリクロサン、ヨードプロピニルブチ
ルカルバメート、ナトリウムピリチオン、ピリチオン亜鉛、および他の、当業者に公知で
ある化粧的に許容できる保存剤があげられる。
種々の他の添加剤、ならびに活性原料および機能的原料を、本明細書で示されるように
、化粧品組成物に含有させてもよい。これらに限定されないが、緩和剤、湿潤剤、増粘剤
、界面活性剤、UV光阻止剤、固定剤ポリマー、顔料、染料、着色剤、αヒドロキシ酸、
審美性向上剤、例えばデンプン、香水およびフレグランス、塗膜形成剤(防水剤)、防腐
剤、抗真菌剤、抗微生物剤、および他の医薬、ならびに溶剤があげられる。
本発明において有用な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤および両性界面活性
剤があげられる。使用できる非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン化アル
コール、ポリオキシプロピレン化アルコール、またはポリグリセロール化アルコール、8
〜22個の炭素原子および通常2〜30モルのエチレンオキシドを含む直鎖脂肪鎖を有す
るアルキルフェノールおよび脂肪酸、脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪アルコールアル
コールアミン、脂肪酸エステル、グリセロールエステル、アルコキシル化脂肪酸エステル
、ソルビタンエステル、アルコキシル化ソルビタンエステル、アルキルフェノールアルコ
キシラート、芳香性アルコキシラート、ならびにアルコールアルコキシラートがあげられ
る。同様に、エチレンオキシドと酸化プロピレンとのコポリマー、エチレンオキシドおよ
び酸化プロピレンの脂肪アルコールとの凝縮物、ポリオキシエチレン化脂肪アミドまたは
アミン、エタノールアミド、グリコールの脂肪酸エステル、ソルビタンのオキシエチレン
化または非オキシエチレン化脂肪酸エステル、スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレ
ングリコールの脂肪酸エステル、グルコース誘導体のリン酸トリエステルおよび脂肪酸エ
ステルも有用である。
パーソナルケア製剤に加え、本発明のエマルジョン安定化剤は、種々の産業や用途のた
めにも用いることができる。そのような産業としては、例えば石油採掘における助剤とし
て、洗濯用途、作物保護、農業製剤、アスファルト安定化剤、またはコーティング助剤な
どがあげられる。
次に、本発明を、以下の非限定的な例によって説明する。実施例において、用いられる
セルロースエーテルは、疎水性に改変したエチルヒドロキシエチルセルロース製品である
が、本発明をそれに限定する意図ではなく、当業者は、本明細書の教示から、これらの方
法を、どのようにして他の疎水性に改変したセルロースエーテルを用いた溶液およびエマ
ルジョンの調製に適合させればよいかを理解するであろう。
エマルジョン調製手順
エマルジョンは、以下の例示的な調製手順に従って調製したが、当業者は、各試薬の量
を、どのようにして望ましいであろう他の濃度および量に調節すればよいかを理解するで
あろう。
a.HM−EHEC母液の調製(4重量%)
疎水性に改変したエチルヒドロキシエチルセルロースエーテル(HM−EHEC)2g
を秤量し、周囲温度で、オーバーヘッドミキサーを用い、平刃を使用して400rpmで
撹拌しながら48gの水にゆっくりと分散させる。
HM−EHECを添加した後、水性混合物の加熱を開始する。75℃の温度で、タイマ
ーを15分に設定して1回かける。溶液がとろみを増したら、回転を250〜300rp
mに落とす。
失われた水を補い、保存剤を加える。
周囲温度で、さらに数分間撹拌する。
b.架橋加工デンプン母液の調製(6重量%)
加工デンプン3gを秤量し、その加工デンプンを、周囲温度で、オーバーヘッドミキサ
ーを用い、平刃を使用して400rpmで撹拌しながら47gの水にゆっくりと分散させ
る。
加工デンプンを添加した後、水性混合物の加熱を開始する。90℃の温度で、タイマー
を15分に設定して1回かける。ポリマー溶液がとろみを増したら、回転を250〜30
0rpmに落とす。失われた水を補い、保存剤を加える。周囲温度で、さらに数分間撹拌
する。
c.エマルジョン(0.75%HM−EHECおよび1.25%加工デンプンと30%
油の例)
4オンスガラスジャー中に、0.5449gのSPAN(登録商標)80界面活性剤、
0.2496gのTWEEN(登録商標)40界面活性剤、0.49655gのGlyd
ant(登録商標)保存剤、28.9159gの脱イオン水、および29.7931gの
油を順に量り取る。
混合物を、ミキシングヘッドS25N−25F(分散エレメント)を付けた、IKA
WERKEのUltra Turrax(登録商標)T25を用いて、13,500rm
pで120秒間均質化する。30.2083gの均質化した混合物をジャーの中に入れた
ままにしておく。
均質化した混合物が入ったジャーの最上部に、平刃撹拌器を用いた混合プロセスをエマ
ルジョン上に設置し、オーバーヘッドミキサーを用いて、約300rpmで撹拌する。
aおよびbで調製した、HM−EHECの母液9.3750g(4重量%)および加工
デンプンの母液10.4167g(6重量%)を加える。300rpmでさらに10分間
混合する。
さらなる評価のためのエマルジョンは、全部で約50gである。
エマルジョン安定性
本発明については、エマルジョン安定性を、TURBISCAN(登録商標)LAB安
定性分析装置を用いて定量的に測定した。この分析装置を、各サンプルエマルジョン製剤
の、最初の後方散乱シグナルを得るために用いた。次いで、エマルジョン製剤を45℃で
保存し、約1か月間にわたり、定期的にスキャンした。経時的に測定した後方散乱シグナ
ルを、最初のサンプルのシグナルと比較した。より具体的には、最初の後方散乱シグナル
を基準とした、その後の後方散乱シグナルの極大差が5%超である場合、後方散乱シグナ
ルがこの5%の差に達するまでの日数を、安定性の程度、または「Turbiscan(
登録商標)時間」として記録した。この時間が長いほど、エマルジョンは安定である。こ
の技術によって、不安定性が視覚的に観察可能になるよりかなり前に、潜在的な不安定性
を検出することが可能となる。
水相のレオロジー
安定性は、多糖類ブレンドの潜在的レトログラデーションの指標である水相のレオロジ
ー的挙動をモニタリングすることによっても確認できた。レトログラデーションは低温に
おいてより激しいため、サンプル水溶液は室温(約20℃)でエイジングした。潜在的な
レトログラデーションをモニタリングするために、1か月間にわたり、水溶液のレオロジ
ーを測定した。水相のレオロジー的性質および顕微鏡的構造、これらの性質が、エマルジ
ョン安定性における重要な役割、作用を反映していると考えられている(Russel, W.B.,
Saville, D.A., and Schowalter,W.R.(1989), 「Colloidal Dispersions」(Cambridge Mo
nographs on Mechanics), Cambridge University Press, Cambridge, UKを参照のこと)
2種類のレオロジー試験を実施した。振動レオロジー測定は、20℃、5%ひずみで実
施した。振動数は、0.1rad/secから100rad/secまで変化させた。0
.2rad/secにおける、弾性率および複素粘度の値を記録した。剪断粘度測定は、
20℃で、剪断速度を約0.1rad/secまたは約0.2rad/secから約10
0rad/secまで変化させて実施した。レオメーターは、Rheometricsレ
オメーター(Rheometric Scientific、型番SR−5000)を用
いた。
改変セルロースエーテルの分子量決定
a.MEHEC
機器:Tetra Detector Array(TDA502)を備えたGPCm
ax(どちらもMalvern製)
移動相:0.05M酢酸ナトリウム、0.02重量%アジ化ナトリウム、pH6(酢酸

カラム:2×TSK GMPWXL 7.8×300mm+プレカラム(Tosoh
Bioscience)
流速:0.5ml/分
注入量:100μl
カラム温度:35℃
検出:屈折率、光散乱(7°および90°)、および粘度
適用したdn/dc:0.148
全てのサンプルは、SEC分析に先立って、移動相に溶解し、終夜振盪し、0.45μ
mシリンジフィルター(再生セルロース膜、GE Healthcare)で濾過した。
典型的な濃度は、0.5〜1mg/mlであった。
分子量分布の狭いプルラン標準試料(Mn=100000、Mw=112000、IV
=0.458dl/g、dn/dc=0.144、Shodex)を、検出器の較正に用
いた。dn/dc(分子量分布の較正に必要な係数)は、セルロースエーテルについての
典型的な値である0.148に設定した。
b.HM−EHEC
移動相が、0.5重量%のRAMEAを、0.05M酢酸ナトリウム、0.02重量%
アジ化ナトリウム、pH6(酢酸)に添加したものであることを除いて、EHECの場合
と同様。RAMEAは、ランダムメチル化シクロデキストリンα(Cyclolab)を
表す。
実施例1 エマルジョン安定性に対する分子量の影響
エマルジョン安定性に対する疎水性に改変したエチルヒドロキシエチルセルロース(H
M−EHEC)の分子量の影響を確定するために、実験を実施した。1.5%の架橋ヒド
ロキシルプロピル改変ワキシージャガイモデンプン、別称タイプ「A」デンプンを、表1
に示すように、3つの異なるタイプの疎水性に改変したEHECサンプルに、それぞれ0
.5%の濃度でブレンドした。3つの異なるタイプの疎水性に改変したEHECサンプル
は、それぞれ、MSEOが2.4以上、DSethylが0.8以上であった。各製剤は
、0.25%のTween(登録商標)40(非イオン性エトキシル化(20)ソルビタ
ンエステル界面活性剤、Croda Inc.(ニュージャージー州、エジソン)から入
手可能)、および0.55%のSpan(登録商標)80(非イオン性オレイン酸ソルビ
タン界面活性剤、Croda Inc.(ニュージャージー州、エジソン)から入手可能
)も含有していた。サフラワー油の形の、30%のトリグリセリドベースの油、および0
.5%のGlydant(登録商標)(保存剤、Lonza,Inc.(ニュージャージ
ー州、アレンデール)から入手可能)、残余の水。表1のデータは、1,000,000
超の分子量を有するHM−EHECが、より高いエマルジョン安定性性能をもたらすこと
を示す。
実施例2
デンプン改変の影響−水との混和性
製剤1で用いられているようにHM−EHEC1と命名された疎水性に改変したEHE
Cのサンプルを、4つの異なるタイプのデンプンそれぞれとブレンドし、そのブレンドを
、0.2%のTween80、30%のテトラデカン、0.5%のGlydant(登録
商標)保存剤、および残余の水も含むエマルジョンを調製するために用いた。表2のデー
タは、架橋加工デンプンが、改変していない非架橋デンプンと比べて、より優れた長期エ
マルジョン安定性をもたらすことを示す。
実施例3
デンプン改変の影響−架橋
製剤1で用いられているようにHM−EHEC1と命名された疎水性に改変したEHE
Cのサンプルを、表3に示すように、種々のタイプのデンプンと様々な割合でブレンドし
、そのブレンドを、0.2%のTween80、30%のテトラデカン、0.5%のGl
ydant(登録商標)保存剤、および残余の水も含むエマルジョンを調製するために用
いた。製剤8は本発明の組成物であり、製剤9〜11は比較例である。表3のデータは、
バイオポリマーブレンド中のセルロースエーテルの総量が50重量%以下である、高粘度
の疎水性に改変したセルロースエーテルと架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレンド
が、良好な長期安定性をもたらすことを示す。これに対して、同じ疎水性に改変したセル
ロースエーテルと同じ架橋加工デンプンとのバイオポリマーブレンドであって、バイオポ
リマーブレンド中のセルロースエーテルの総量が50重量%超であるバイオポリマーブレ
ンドは、十分な長期安定性をもたらさなかった。同様に、同じ疎水性に改変したセルロー
スエーテルと、架橋も改変もしていないデンプンとのバイオポリマーブレンドは、十分な
長期安定性をもたらさなかった。
製剤8〜11のそれぞれの水相に対応する組成物を調製した。これらの水性組成物を、
それぞれ製剤8A〜11Aと命名し、表3Aに示す。
水性製剤8A〜11Aのレオロジーを、上記の手順により、まず製剤を調製したときに
、さらに22℃の温度で1か月間保存した後に測定した。図1は、表3Aに示す製剤の、
弾性率の変化を示す。振動数は、0.2rad/secであった。図2は、表3Aに示す
製剤の、複素粘度の変化を示す。振動数は、0.2rad/secであった。これらの図
は、製剤8Aおよび9Aのように、HM−EHEC1を架橋加工デンプンとブレンドした
場合、経時的なレオロジー的性質の変化が極めて小さいことを示す。製剤10A、および
改変も架橋もしていないデンプンを用いた製剤11Aが示すレオロジー的性質の変化は、
極めて大きかった。
実施例4
トリグリセリドベースのエマルジョンの安定性
製剤1で用いられているようにHM−EHEC1と命名された疎水性に改変したEHE
Cのサンプルを、架橋加工デンプンと3つの異なる割合でブレンドし、そのブレンドを、
0.25%のTween(登録商標)40(非イオン性エトキシル化(20)ソルビタン
エステル界面活性剤、Croda Inc.(ニュージャージー州、エジソン)から入手
可能)、0.55%のSSpan(登録商標)80(非イオン性オレイン酸ソルビタン界
面活性剤、Croda Inc.(ニュージャージー州、エジソン)から入手可能)、サ
フラワー油の形の、30%のトリグリセリドベースの油、0.5%のGlydant(登
録商標)保存剤、および残余の水も含むエマルジョンを調製するために用いた。各製剤に
おいて、疎水性に改変したセルロースエーテルの改変架橋デンプンに対する重量比は、約
1:1以下であった。表4のデータは、HM−EHEC1と架橋加工デンプンAとのブレ
ンドが、トリグリセリドベース(すなわちサフラワー油)のエマルジョンに、優れたエマ
ルジョン安定性をもたらすことを示す。
実施例5
改変多糖類ブレンドを含有するエマルジョンの塩感受性
パーソナルケア製剤に一般的に用いられる化粧的に許容できる塩の存在が、本発明のエ
マルジョン安定化剤水溶液のレオロジー的性質に影響を与えるかどうかを確定するために
、実験を実施した。図3および図4は、それぞれ表3Aの製剤8Aにおける、HM−EH
EC1とデンプンAとのポリマーブレンド水溶液の塩感受性を示す。溶液組成物に、0.
2%のEDTA二ナトリウムを加える。これらのチャートで示されるように、このポリマ
ー溶液のレオロジーは、塩の添加に対して、この具体的な事例ではEDTA二ナトリウム
の添加に対して非感受性である。図3は、EDTA二ナトリウム添加および非添加の製剤
8Aに関する弾性率の変化を示す。図4は、EDTA二ナトリウム添加および非添加の製
剤8Aに関する複素粘度の変化を示す。図3および4のデータは、有利なことに、0.2
%のEDTA二ナトリウムの存在が、製剤の弾性率または複素粘度のいずれに対しても顕
著な影響を与えないことを示す。
その他の濃度レベルの塩が、本発明のエマルジョン安定化剤を含む水溶液のレオロジー
的性質に影響を与えるかどうかを確定するために、さらなる実験を行った。製剤8Aのサ
ンプルを、NaCl濃度を0%、1%、5%、10%、および15%とした他は上記表3
Aのように調製し、0.2rad/sec〜100rad/secの剪断粘度の形でレオ
ロジーを測定した。図5のデータは、塩濃度が15%のように高くても、NaCl含有量
が0%の組成物と比較して、なお本発明のエマルジョン安定化剤を含む水性組成物の剪断
粘度に顕著な影響を与えないことを示す。このように塩感受性がないことによって、塩の
存在が最終製品のレオロジー的挙動を破綻させるであろうと懸念する必要がないため、本
発明のエマルジョン安定化剤を用いた場合、組成物、例えばパーソナルケア製剤の、最終
的な組成の決定における自由度をより高めることが可能となる。
実施例6
触覚特性
以下の表5中の実施例は、HM−EHEC1を架橋加工デンプンと、すなわちデンプン
Aとブレンドした場合、HM−EHEC1を単独で用いた場合と比べて、より望ましい触
覚特性が実現されることを示す。
疎水性に改変したセルロースエーテルは、一般に、架橋加工デンプンよりも高い粘度お
よび弾性率を有し、理論上は、単独でエマルジョン安定化剤として使用し得る。しかしな
がら、実際上は、パーソナルケア製剤に用いた場合、疎水性に改変したセルロースエーテ
ルは、望ましくない触覚品質を有する。望ましいエマルジョン安定性を実現するためには
十分であるが、触覚品質に関して最終製品が消費者に受け入れられないほどではないだけ
の疎水性に改変したセルロースエーテルを含有するエマルジョン安定化剤を提供すること
が課題である。さらに、架橋加工デンプンは、疎水性に改変したセルロースエーテルに伴
う望ましくない触覚特性を克服するためだけではなく、クリーム分離またはシネレシス(
重力効果)を克服するためのゲル強度(G’)を増加させるためにも十分な量で存在しな
ければならない。
種々の量の疎水性に改変したセルロースエーテルおよび改変架橋デンプンを含む5つの
製剤を調製し、触覚特性を評価した。各製剤は、0.25%のTween(登録商標)4
0(非イオン性エトキシル化(20)ソルビタンエステル界面活性剤、Croda In
c.、(ニュージャージー州、エジソン)から入手可能)、0.55%のSpan(登録
商標)80(非イオン性オレイン酸ソルビタン界面活性剤、Croda Inc.(ニュ
ージャージー州、エジソン)から入手可能)も含有していた。サフラワー油の形の、30
%のトリグリセリドベースの油、0.5%のGlydant保存剤、および残余の水。各
組成物を、表6に示す。本研究によれば、総ポリマー濃度が2%であり、総ポリマー中、
加工デンプンが50%および約75%であるバイオポリマーブレンドによって、望ましい
手ざわりが生じる。
5人のパネリストに、表6に示す計画に従い、それぞれ2つの製剤に順位を付けるよう
に依頼した。各製剤のサンプル30μLを、各パネリストの、事前に洗った前腕の内側に
塗った。パネリストは、製剤を皮膚に20秒間すり込み、2つのサンプルのどちらが、触
覚的に好ましかったかを選んだ。例えば、パネリストが2つの製剤、すなわちXとYを渡
されたとき、パネリストがXよりもYの方が優れていると思った場合、製剤Yに点数2を
付け、製剤Xに点数1を付けた。各製剤の総合的な順位は、各パネリストによる各試験の
合計であり、表6に総合順位として示し、図6に図示した。2.9を超える順位の差は、
統計的な有意差と判断された。2.9以下の差は、統計的に差がないことを示すものであ
った。
上記の結果は、触覚品質に関して、製剤16が最高位であることを示す。この結果は、
デンプンに加えて疎水性に改変したセルロースエーテルを含有する製剤が、デンプンのみ
の製剤を上回らないとしても、少なくとも同等の触覚品質を有するであろうとは予期され
ていなかったであろうことから、驚くべきものである。デンプンの一部を疎水性に改変し
たセルロースエーテルで置き換えることが、触覚特性の改善につながるであろうとは予期
されていなかった。製剤15は、良好な触覚品質をもたらすが、いかなる疎水性に改変し
たセルロースエーテルも存在しない状態で、長期安定性をもたらすエマルジョン安定化剤
として機能することは期待されないであろう。
実施例7
低分子量の、疎水性に改変したEHECのポリマーを高濃度で含む、トリグリセリドベ
ースのエマルジョンの安定性
低分子量であるが高濃度の疎水性に改変したEHECのサンプルを、同様に高濃度の架
橋加工デンプンとブレンドし、表7に示すように、サフラワー油をベースとしたエマルジ
ョン製剤を製造した。製剤20も製剤21も、どちらも0.25%のTween(登録商
標)40(非イオン性エトキシル化(20)ソルビタンエステル界面活性剤、Croda
Inc.(ニュージャージー州、エジソン)から入手可能)、0.55%のSpan(
登録商標)80(非イオン性オレイン酸ソルビタン界面活性剤、Croda Inc.(
ニュージャージー州、エジソン)から入手可能)、サフラワー油の形の、30%のトリグ
リセリドベースの油、0.5%のGlydant(登録商標)保存剤、および残余の水を
含有していた。各製剤において、2.4%のHM−EHEC(表1参照)および2.6%
のデンプンAを用いる。表7のデータは、HM−EHEC1に比べて低分子量のどちらか
のHM−EHECと、架橋加工デンプンAとのブレンドが、エマルジョン組成物に適切な
添加量で用いた場合、トリグリセリドベースの(すなわちサフラワー油)エマルジョンに
優れたエマルジョン安定性をもたらすことを示す。
発明を実施するための形態において引用した全ての文献は、関連する部分について、参
照により本明細書に組み込まれ、いかなる文献の引用も、本発明に対する先行技術である
ことの自認として解釈すべきではない。
本明細書において、本発明の特定の実施形態を示し、説明したが、本発明を、示された
詳細に限定することを意図するものではない。むしろ、特許請求の範囲およびその同等物
の範囲内で、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、前記詳細に種々の改変を加え
得る。
本明細書において、本発明の特定の実施形態を示し、説明したが、本発明を、示された詳細に限定することを意図するものではない。むしろ、特許請求の範囲およびその同等物の範囲内で、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、前記詳細に種々の改変を加え得る。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
エマルジョン安定化剤であって、
1種またはそれ以上のセルロースエーテルと、1種またはそれ以上の架橋加工デンプンとのブレンドであり、前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが疎水性に改変されており、前記ブレンド中の前記セルロースエーテルの総量が50重量%以下である、エマルジョン安定化剤。
項2.
前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが、疎水性に改変された非イオン性セルロースエーテルである、項1に記載のエマルジョン安定化剤。
項3.
前記非イオン性セルロースエーテルが、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、プロピルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびそれらの混合物からなる群から選択される、項2に記載のエマルジョン安定化剤。
項4.
前記1種またはそれ以上の疎水性に改変されたセルロースエーテルが、900,000以上の重量平均分子量を有する、項1から3のいずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤。
項5.
前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、綿リンターを含む綿原料、バクテリアセルロース、または再生セルロース由来である、項1から4のいずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤。
項6.
前記架橋加工デンプンが親水性である、項1から5のいずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤。
項7.
前記架橋加工デンプンが水に可溶である、項1から6のいずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤。
項8.
前記架橋加工デンプンが、トウモロコシ、小麦、コメ、モロコシ、エンドウ豆、ジャガイモ、タピオカ(キャッサバ)、サツマイモ、およびサゴ由来である、項1から7のいずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤。
項9.
前記架橋加工デンプンが90%超のアミロペクチン含有率を有する、項1から8のいずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤。
項10.
水中油エマルジョンと、項1から9のいずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤とを含むパーソナルケア製剤であって、前記エマルジョン安定化剤が、製剤の総重量に対して、約1重量%〜約6重量%の量で存在する、パーソナルケア製剤。
項11.
前記1種またはそれ以上の疎水性に改変されたセルロースエーテルが、900,000以上の重量平均分子量を有し、前記エマルジョン安定化剤が、製剤の総重量に対して、約1重量%〜約3重量%で存在する、項10に記載のパーソナルケア製剤。
項12.
前記1種またはそれ以上の疎水性に改変されたセルロースエーテルが、900,000未満の重量平均分子量を有し、前記エマルジョン安定化剤が、製剤の総重量に対して、約3重量%〜約6重量%で存在する、項10に記載のパーソナルケア製剤。
項13.
前記パーソナルケア製剤がヘアスタイリング組成物である、項10から12のいずれか一項に記載のパーソナルケア製剤。
項14.
前記油が炭化水素ベースの油および天然油から選択される、項10から13のいずれか一項に記載のパーソナルケア製剤。
項15.
前記油が前記エマルジョンの約10〜50重量%である、項10から14のいずれか一項に記載のパーソナルケア製剤。

Claims (15)

  1. エマルジョン安定化剤であって、
    1種またはそれ以上のセルロースエーテルと、1種またはそれ以上の架橋加工デンプン
    とのブレンドであり、前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが疎水性に改変され
    ており、前記ブレンド中の前記セルロースエーテルの総量が50重量%以下である、エマ
    ルジョン安定化剤。
  2. 前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが、疎水性に改変された非イオン性セル
    ロースエーテルである、請求項1に記載のエマルジョン安定化剤。
  3. 前記非イオン性セルロースエーテルが、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピ
    ルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチ
    ルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセル
    ロース、プロピルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
    ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルプロピルセルロース、ヒドロ
    キシプロピルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルヒドロキシエチル
    セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびそれらの混合物からなる群から選択
    される、請求項2に記載のエマルジョン安定化剤。
  4. 前記1種またはそれ以上の疎水性に改変されたセルロースエーテルが、900,000
    以上の重量平均分子量を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のエマルジョン安
    定化剤。
  5. 前記1種またはそれ以上のセルロースエーテルが、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、綿リ
    ンターを含む綿原料、バクテリアセルロース、または再生セルロース由来である、請求項
    1から4のいずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤。
  6. 前記架橋加工デンプンが親水性である、請求項1から5のいずれか一項に記載のエマル
    ジョン安定化剤。
  7. 前記架橋加工デンプンが水に可溶である、請求項1から6のいずれか一項に記載のエマ
    ルジョン安定化剤。
  8. 前記架橋加工デンプンが、トウモロコシ、小麦、コメ、モロコシ、エンドウ豆、ジャガ
    イモ、タピオカ(キャッサバ)、サツマイモ、およびサゴ由来である、請求項1から7の
    いずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤。
  9. 前記架橋加工デンプンが90%超のアミロペクチン含有率を有する、請求項1から8の
    いずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤。
  10. 水中油エマルジョンと、請求項1から9のいずれか一項に記載のエマルジョン安定化剤
    とを含むパーソナルケア製剤であって、前記エマルジョン安定化剤が、製剤の総重量に対
    して、約1重量%〜約6重量%の量で存在する、パーソナルケア製剤。
  11. 前記1種またはそれ以上の疎水性に改変されたセルロースエーテルが、900,000
    以上の重量平均分子量を有し、前記エマルジョン安定化剤が、製剤の総重量に対して、約
    1重量%〜約3重量%で存在する、請求項10に記載のパーソナルケア製剤。
  12. 前記1種またはそれ以上の疎水性に改変されたセルロースエーテルが、900,000
    未満の重量平均分子量を有し、前記エマルジョン安定化剤が、製剤の総重量に対して、約
    3重量%〜約6重量%で存在する、請求項10に記載のパーソナルケア製剤。
  13. 前記パーソナルケア製剤がヘアスタイリング組成物である、請求項10から12のいず
    れか一項に記載のパーソナルケア製剤。
  14. 前記油が炭化水素ベースの油および天然油から選択される、請求項10から13のいず
    れか一項に記載のパーソナルケア製剤。
  15. 前記油が前記エマルジョンの約10〜50重量%である、請求項10から14のいずれ
    か一項に記載のパーソナルケア製剤。
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