JP2019213457A - 培養細胞構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層化された細胞シートを培養することで、培養細胞の三次元的な構造体を効率よく得るための製造方法を提供する。【解決手段】液体培地を収容する容器内に配置される基材の細胞載置部表面上に、2以上の細胞シートが積層された細胞シート積層体を載置することと、基材の細胞載置部上の細胞シート積層体を、液体培地中で培養することと、を含み、上記基材は細胞載置部裏面に凹部を有し、上記基材は、上記凹部に向けて上記細胞載置部を貫通する少なくとも1本の繊維を備え、細胞シート積層体を、当該繊維が積層方向に延在する状態で培養する、培養細胞構造体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、培養細胞構造体の製造方法に関する。
近年、疾患、損傷等により細胞を欠損した組織へ細胞を補充する医療として、細胞シートを用いる細胞移植治療が検討されている。例えば複数の細胞シートを用いて腎臓や肝臓などの組織の作製が検討されている。これらの組織は、複雑な3次元構造を有し、多種の細胞が組織化されているため、細胞を培養するだけで組織化することは困難である。そのため、細胞外マトリクスの形成とその上で細胞を培養することを繰り返す三次元組織の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また細胞を2次元的に増殖させて得られた細胞シートを重ね合わせて、積層化細胞シートを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−228921号公報 国際公開2014/192909号
本発明は、積層化された細胞シートを培養することで、培養細胞の三次元的な構造体を効率よく得るための製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
液体培地を収容する容器内に配置される基材の細胞載置部表面上に、2以上の細胞シートが積層された細胞シート積層体を載置することと、基材の細胞載置部上の細胞シート積層体を、液体培地中で培養することと、を含み、上記基材は細胞載置部裏面に凹部を有し、上記基材は、上記凹部に向けて上記細胞載置部を貫通する少なくとも1本の繊維を備え、細胞シート積層体を、当該繊維が積層方向に延在する状態で培養する、培養細胞構造体の製造方法である。
本発明によれば、積層化された細胞シートを培養することで、培養細胞の三次元的な構造体を効率よく得るための製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る細胞シート積層体の培養方法の一例を模式的に示す概略断面図である。 培養細胞構造体における細胞増殖マーカーの発現量を示す図である。 培養細胞構造体における細胞呼吸マーカーの発現量を示す図である。 培養細胞構造体における細胞呼吸マーカーの発現量を示す図である。 実施例1に係る培養細胞構造体における低酸素マーカーを免疫染色した画像の一例を示す図である。 比較例1に係る培養細胞構造体における低酸素マーカーを免疫染色した画像の一例を示す図である。 実施例1に係る培養細胞構造体における細胞増殖マーカーを免疫染色した画像の一例を示す図である。 比較例1に係る培養細胞構造体における細胞増殖マーカーを免疫染色した画像の一例を示す図である。 実施例1に係る培養細胞構造体における細胞呼吸マーカーを免疫染色した画像の一例を示す図である。 比較例1に係る培養細胞構造体における細胞呼吸マーカーを免疫染色した画像の一例を示す図である。 比較例2、実施例5、実施例6に関わる培養細胞構造体における細胞呼吸マーカーの発現量を示す図である。 CYTOP CTL−109Sを内径400μmのシリンジ針にコートして得られた中空フィラメントのSEM画像の一例を示す図である。 内径400μmのシリンジ針に犠牲層としてゼラチン膜をプレコートし、フレミオンEW909をコートして、オーブンで120℃、10分間アニールして得られた中空フィラメントのSEM画像の一例を示す図である。
本発明の培養細胞構造体の製造方法は、液体培地を収容する容器内に配置される基材の細胞載置部表面上に、2以上の細胞シートが積層された細胞シート積層体を載置することと、基材の細胞載置部上の細胞シート積層体を、液体培地中で培養することと、を含み、上記基材は細胞載置部裏面に凹部を有し、上記基材は、上記凹部に向けて上記細胞載置部を貫通する少なくとも1本の繊維を備え、細胞シート積層体を、当該繊維が積層方向に延在する状態で培養する。細胞シート積層体を液体培地中に配置される基材上で繊維を備えた状態で培養することで、細胞シート積層体の培養が効率的に行われ、培養細胞からなる三次元的な培養細胞構造体を効率的に製造することができる。これは例えば、繊維を介して細胞シート積層体内部へ効率的に酸素や栄養が供給されるためだと考えることができる。
培養細胞構造体の製造方法では、液体培地を収容する容器内に配置される基材の細胞載置部表面上に、2以上の細胞シートが積層された細胞シート積層体が載置される。液体培地を収容する容器の大きさ、形状及び材質は、液体培地及び基材を配置可能であれば特に制限されない。容器としては、例えば直径が3.5〜15cmのポリスチレン製シャーレ、6wellプレート等を挙げることができる。
液体培地
液体培地は培養する細胞シート積層体を構成する細胞種等に応じて選択される培地を基礎培地として調製される。基礎培地としては、例えばIMDM培地、Medium199培地、Eagle’s Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Doulbecco’s modified Eagle’s Medium(DMEM)培地、Ham’s F12培地、RPMI 1640培地、Fisher’s培地、及びこれらの混合培地を挙げることができる。
液体培地には、血清が含まれていてもよい。また液体培地は、必要に応じて例えば、アルブミン、トランスフェリン、亜セレン酸ナトリウム、ITS-X(Invitrogen)(インスリン、トランスフェリン、亜セレン酸ナトリウム含有)、Knockout Serum Replacement(KSR)(ES細胞培養時のFBSの血清代替物)、N2サプリメント(Invitrogen)、B27サプリメント(Invitrogen)、脂肪酸、インスリン、コラーゲン前駆体、微量元素、2−メルカプトエタノール、3’−チオールグリセロールなどの1つ以上の血清代替物を含んでもよいし、脂質、必須アミノ酸、L−グルタミン、Glutamax、非必須アミノ酸、ビタミン、増殖因子、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類などから選択される1種以上の添加剤を含んでいてもよい。
基材
細胞シート積層体が載置される基材は、少なくとも細胞載置部を有し、該細胞載置部の裏面に凹部を有する。細胞載置部の形状としては、矩形状、三角形状等の多角形状、略円形状、楕円形状等を挙げることができる。細胞載置部の大きさは培養する細胞シート積層体の大きさ、容器の大きさ等に応じて適宜選択すればよい。細胞載置部の大きさは、例えば、略円形の場合には直径として0.5cm以上であり、1cm以上である。また10cm以下であり、5cm以下である。
基材の厚み、すなわち、細胞載置部の表面に直交する方向の高さは容器の高さ等に応じて適宜選択され、例えば0.1mm以上20mm以下であり、1mm以上15mm以下である。
基材の細胞載置部の裏面には、細胞載置部の裏面と共に凹部を形成する壁部を有していてもよい。細胞載置部とは反対側の壁部の端部は、容器の内壁の底面に接していてもよいし、離隔されていてもよい。基材の壁部の端部は、少なくとも一部が容器内壁の底面に接していることが好ましい。
凹部の大きさは、凹部を形成する壁部の高さとして0.1cmから10cmであり、1cmから5cmが好ましい。また壁部の厚みは0.1mmから5mmであり、1mmから2mmが好ましい。
基材の材質としては例えば、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等を挙げることができる。基材は単一の材料から形成されていてもよく、細胞載置部とその他の部分(例えば壁部)とがそれぞれ異なる材料で形成されていてもよい。
基材の細胞載置部は、気体又は液体に対する透過性を有することが好ましい。細胞載置部が気体又は液体に対する透過性を有する場合、細胞載置部は、多孔質材料、メッシュ構造を有する材料、液体(好ましくは水)に対して膨潤性を有する材料から選ばれる材料から形成されることが好ましい。
基材の細胞載置部が気体に対する透過性を有する場合、その透過性は、例えば空気に対して10pmol/s/cm以上であり、600pmol/s/cm以上が好ましい。また細胞載置部が、液体に対して膨潤性を有する場合、もしくは連通孔を有する場合には、特に優れた液透過性が期待できる。
基材は、容器内に配置され、例えば、細胞載置部表面と容器の内壁の底面とが略平行になるように容器内に配置される。また、基材の細胞載置部表面は、液体培地内に位置し、容器の内壁の底面から液体培地の表面までの距離に対する、容器の内壁の底面から基材の細胞載置部表面までの距離の比が、0.1以上0.95以下、好ましくは0.5以上0.95以下となるように基材が配置されることがより好ましい。
細胞シート積層体
基材の細胞載置部表面上には細胞シート積層体が載置される。細胞シート積層体を基材の細胞載置部表面に載置する方法としては、予め作製した細胞シート積層体を細胞載置部表面に載置してもよく、細胞載置部表面上で細胞シートを積層して細胞シート積層体を作製することで載置してもよい。
細胞シート積層体を予め作製する場合、搬送用基材上で細胞シートを積層することで細胞シート積層体を作製し、搬送用基材と共に細胞載置部表面上に細胞シート積層体を載置してもよい。搬送用基材は、気体又は液体に対する透過性を有する材料で形成されていることが好ましく、少なくとも気体に対する透過性を有する材料で形成されていることがより好ましい。搬送用基材として具体的には例えば、VECELL多孔質膜(ベセル社製)等を挙げることができる。
細胞シート積層体は、2以上の細胞シートを積層することで調製することができる。細胞シートの積層方法としては、2以上の細胞シートを液体培地中で積層した後、液体培地を除去する方法を挙げることができる。また細胞シートの代わりに細胞シート積層体を積層することで細胞シート積層体を得てもよい。
細胞シート積層体の細胞シート間には、少なくとも1本のシート間繊維(フィラメント)が配置されていてもよい。シート間繊維は例えば、その長さ方向が細胞シートの面と平行に配置される。またシート間繊維の少なくとも一方の端部は、細胞シート積層体の外部、すなわち液体培地中に位置することが好ましい。また、別の形態ではシート間繊維の少なくとも一方の端部が液体培地の外に出ていてもよい。細胞シート間にシート間繊維が配置されることで、培養細胞構造体の形成がより効率的に進行する。シート間繊維の詳細については後述する基材が備える繊維と同様である。
細胞シート間にシート間繊維を配置する方法としては、細胞シートを積層する際に下層となる細胞シート上にシート間繊維を載置し、その上に上層となる細胞シートを積層することで、細胞シート間に配置することができる。
細胞シート間にシート間繊維が配置される場合、配置されるシート間繊維の数は例えば、細胞シート1枚あたりに1本以上配置することが好ましい。また、細胞シートの面積1cmあたりに1から10本とすることできる。
細胞シート積層体を構成する細胞シート数は、例えば2枚以上100枚以下であり、2以上50枚以下が好ましい。
細胞シート積層体の積層方向の厚みは、例えば20μm以上であり、500μm以上であり、例えば10mm以下であり、8mm以下である。
細胞シート積層体の積層方向に直交する面の面積は、例えば0.15cm以上であり、7cm以上である。また80cm以下であり、10cm以下である。
細胞シート積層体を構成する細胞シートは、複数の細胞が接着して形成される1層からなるシート状の細胞集合体である。細胞シートを構成する細胞は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択することができる。細胞シートを構成する細胞は、ヒトを含む哺乳動物の細胞であり、例えば体細胞、その前駆細胞、及びそれらの混合細胞を挙げることができる。具体的に細胞としては、内皮細胞、間葉系幹細胞、脂肪由来幹細胞、臍帯血由来幹細胞、歯髄幹細胞、心筋細胞、心臓壁細胞、肝細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、血管内皮細胞、肝前駆細胞、間葉系細胞、膵島細胞、軟骨細胞、上皮細胞等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種の細胞が好ましい。
細胞シートを構成する細胞は、任意の方法で単離した組織に含有される細胞であってもよく、または組織から樹立された細胞株であってもよい。この他にも、多能性幹細胞から任意の方法で誘導された細胞であってもよい。この時用いる誘導方法は、当業者に周知の方法を用いることができ、特に限定されない。
細胞シートは、所望の細胞を培養器材中でシート状に培養し、シート状態で取り出すことで作製することができる。培養した細胞をシート状態で取り出す方法としては例えば、温度応答性ポリマーで被覆した培養器材を用いて細胞を培養して細胞シートを形成した後、温度を変化させることにより、培養器材から細胞シートを剥離させる方法を挙げることができる。温度応答性ポリマーとしては、(メタ)アクリルアミド化合物、N−(若しくはN,N−ジ)アルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体(例えば、特開2010−255001号公報参照)、又はビニルエーテル誘導体の重合体を挙げることができ、好ましい培養器材として、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを固定した培養器材が例示される。このような培養器材は、UpCellとしてセルシード社より購入することもできる。なお、この他に温度応答性のコーティング剤でコーティングされた培養器材として、Chen CH, et al, Biomacromolecules. 7:736-43, 2006に記載のメチルセルロースをコーティングした培養器材、Takamoto Y, et al, J. Biomater. Sci. Polymer Edn, 18:1211-1222, 2007に記載の2−エトキシエチルビニルエーテルおよび2−フェノキシエチルビニルエーテルから成るブロック共重合体をコーティングしたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを有する培養器材が例示される。
細胞シート積層体の培養
基材の細胞載置部上に載置された細胞シート積層体は、液体培地中で培養される。細胞シート積層体を基材上に載置し、液体培地の表面に接近させた状態で培養することで、細胞シート積層体の内部にまで充分に酸素等が供給され、細胞培養が良好な状態で行われる。これにより例えば、細胞シート間で細胞接着等が進行して一体として生理的機能を発揮し得る培養細胞構造体が形成される。
細胞シート積層体の培養条件は、細胞シート積層体を構成する細胞種、細胞数等に応じて所望の培養条件を選択すればよい。培養温度は、例えば約30から40℃、好ましくは約37℃である。培養は、例えばCO含有空気の雰囲気下で行われ、CO濃度は、例えば2から5%である。培養時間は、例えば1日から10日間である。
基材の凹部に空気を保持した状態で培養を行ってもよい。基材の細胞載置部が気体に対する透過性を有する場合、凹部に空気を保持しながら培養を行うことで、細胞シート積層体を培養液中で接着培養しながら、細胞シート積層体の底面も気液界面に近い状態で培養する事が可能となるという効果が得られる。凹部に保持される空気は、培養開始時から培養終了時までの間に少なくとも一部が交換されてもよい。凹部に保持される空気を交換する場合、その交換量は目的等に応じて適宜選択することができる。
また凹部に保持される空気の交換方法としては、例えば凹部内に一方の開口部を有する中空状の気体交換部材を介して空気を供給・回収する方法を挙げることができる。凹部に供給される空気は、気体透過性を有する細胞載置部から液体培地中に放出されてもよく、空気交換部材を介して少なくとも一部が凹部から回収されてもよい。
凹部に保持される空気には、培養細胞に刺激を与える成分が含まれていてもよい。培養細胞に刺激を与える成分としては、例えば、一酸化窒素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素硫化水素、酸素等を挙げることができる。凹部に保持される空気に培養細胞に刺激を与える成分が含まれる場合、その濃度は当該成分の性質、目的等に応じて適宜選択することができる。
基材の凹部に液体培地を保持した状態で培養を行ってもよい。凹部に保持される液体培地は、容器に収容される液体培地と同一でもよく、異なっていてもよい。基材の細胞載置部が液体に対する透過性を有する場合、凹部に液体培地を保持しながら培養を行うことで、細胞シート積層体を液体培地中で接着培養しながら、細胞シートの底面からも液体培地を介した栄養・酸素の供給が可能となるという効果が得られる。凹部に保持される液体培地は、培養開始時から培養終了時までの間に少なくとも一部が交換されてもよい。凹部に保持される液体培地を交換する場合、その交換量は目的等に応じて適宜選択することができる。
また凹部に保持される液体培地の交換方法としては、例えば凹部内に一方の開口部を有する中空状の液体交換部材を介して液体培地を供給・回収する方法、多孔質の液体交換部材を介して液体培地を交換する方法等を挙げることができる。中空状の液体交換部材を介して凹部に供給される液体培地は、液体透過性を有する細胞載置部から液体培地中に放出されてもよく、液体交換部材を介して少なくとも一部が凹部から回収されてもよい。また多孔質の液体交換部材を用いる場合、拡散によって液体培地が交換されてもよい。
凹部に保持される液体培地には、培養細胞に刺激を与える成分が含まれていてもよい。培養細胞に刺激を与える成分としては、例えば、VEGF(Vascular endothelial growth factor)、bFGF(basic fibroblast growth factor)などの成長因子、一酸化窒素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、硫化水素、酸素等を挙げることができる。凹部に保持される液体培地に培養細胞に刺激を与える成分が含まれる場合、その濃度は当該成分の性質、目的等に応じて適宜選択することができる。
細胞シート積層体が載置される基材は、一端が細胞載置部に貫入し、細胞シート積層体の積層方向に延在する少なくとも1本の繊維(フィラメント)を備えている。繊維は細胞載置部裏面に設けられた凹部に向けて細胞載置部を貫通している。また、細胞シート積層体の積層方向に延在する繊維は、細胞シート積層体と接触していてもよく、細胞シート積層体を貫通していてもよい。基材が繊維を備えることで、例えば繊維が気体・液体の透過性を有する場合、繊維を介して細胞シート積層体内部に培地や空気を供給可能となるという効果や細胞シート積層体を載置部に安定的に固定するという効果が得られる。
繊維の材質としては例えば、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、CYTOP(旭硝子社製)、フレミオン(旭硝子社製)、テフロンAF1600(三井・デュポン フロロケミカル社製)、テフロンAF2400(三井・デュポン フロロケミカル社製)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、架橋したゼラチンハイドロゲル等を挙げることができ、酸素透過性材料を含むことが好ましい。更に培地を供給可能な材質であることもまた好ましい。また繊維は培地で膨潤することが好ましい。膨潤すると培地と共に酸素の供給が良好となる。
繊維の構造は、多孔質体、中空体、中実体等のいずれであってもよい。凹部と液体又は気体を交換する点から、多孔質体又は中空体であることが好ましい。繊維が多孔質体又は中空体であると、液体又は気体を容易に交換することができる。すなわち、基材が備える繊維は、上記気体交換部材又は液体交換部材を兼ねるものであってもよい。
繊維の太さは、例えば直径として0.1μm以上5000μm以下、好ましくは1μm以上1000μm以下、より好ましくは10μm以上500μm以下である。繊維が中空体の場合、中空部分の直径は例えば0.1μm以上5000μm以下であり、10μm以上500μm以下である。
繊維の長さは、細胞シート積層体の厚みより長ければ特に限定されず、例えば2mm以上50mm以下であり、5mm以上30mm以下である。
基材が備える繊維の数は、細胞シート積層体の厚み、大きさ等に応じて適宜選択すればよい。繊維の数は、例えば細胞シートの面積1cmあたり、0.01から1000本であり、好ましくは0.1から100本、より好ましくは0.1から50本である。
繊維を備える基材上で細胞シート積層体を培養する方法について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る細胞シート積層体の培養方法の一例を模式的に示す概略断面図である。図1では、容器2に液体培地16が収容され、基材4が容器2の内部に配置されている。基材4の細胞載置部6の表面上には、搬送用基材12を介して細胞シート積層体14が載置されている。別の態様においては、搬送用基材12を介することなく、細胞載置部6の表面上に細胞シート積層体14が直接載置されていてもよい。細胞載置部6の裏面には凹部8が形成されており、凹部8には液体培地16が保持されている。凹部8には液体培地16に代えて空気が保持されていてもよい。細胞載置部6の表面上に載置された細胞シート積層体は、容器内壁の底面18に載置されるよりも液体培地の表面に近い位置で培養される。
また基材4は、凹部8に向けて細胞載置部6を貫通する繊維10を備え、繊維10は、細胞シート積層体14を貫通し、細胞シート積層体14の積層方向に延在している。図1では、繊維10は細胞シート積層体14を積層方向に貫通しているが、細胞シート積層体14を貫通せずに、細胞シート積層体14の側面に接していてもよい。図1では、繊維10の端部の一方は凹部8に位置し、他方の端部は液体培地中に位置しているが、他方の端部は液体培地16の外に位置していてもよい。
本実施形態の製造方法で製造される培養細胞構造体は、従来の培養方法では内部が壊死するような厚みを持ちながら高い細胞活性を維持するという特徴を有し、創薬研究や再生医療等の用途に適用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、培養細胞構造体の評価は、以下に示すようにして免疫染色及びウェスタンブロット解析により行った。
免疫染色
得られた培養細胞構造体をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄後、4%パラホルムアルデヒドで固定し、OCTコンパウンドで固めてクライオスタットで10μm厚に薄切して、凍結切片を作製した。なお、凍結切片は積層方向に平行な断面が観察できるように作製した。
免疫染色は、低酸素マーカーであるHypoxyprobe(コスモバイオ社製)、細胞呼吸マーカーであるピルビン酸デヒドロゲナーゼ(Pyruvate dehydrogenase;PDH)抗体(SANTA CRUZ BIOTECHNOLOGY)、細胞増殖マーカーであるKi−67抗体(SANTA CRUZ BIOTECHNOLOGY)を用いて行った。免疫染色した培養細胞構造体の画像を図5から10に示す。
ウェスタンブロット解析
得られた培養細胞構造体をLysis bufferに入れてホモジナイズし、上清を回収した。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)サンプルバッファーで希釈後、50μg/wellとなるようにアクリルアミドゲルにアプライし、電気泳動によってタンパク質を展開した。展開したタンパク質をPVdF(Polyvinylidene difluoride)膜に転写し、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ及びKi−67の一次抗体でそれぞれ処理した。所定時間処理後、TBST(Tris Buffered Saline with Tween20)、でPVdF膜を洗浄し、HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)コンジュゲート二次抗体で処理した。所定時間処理後、再びTBSTで洗浄しSuperSignal Chemiluminescent Substrate(Thermo scientific)で処理し、LAS4000(富士フイルム社製)を用いて可視化した。得られた画像は画像解析ソフトImage Jを用いて相対定量した。
評価結果を図2及び3に示す。
(参考例)
中空糸の作製
太さ400μmのシリンジ針(テルモ社製)にディップコーターを用いて樹脂をコーティングした。溶液濃度、引き上げ速度を調整することで乾燥状態での樹脂膜厚が20〜30μmになるようにコーティング膜を作製した。なお、針からの剥離性向上のためシリンジ針に犠牲層をプレコートしてもよい。
細胞シートの作製
液体培地として、MEMαに10%ウシ胎児血清(FBS)、1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したものを用意した。細胞培養用ポリスチレン6wellプレートに、培地量2mLでヒト間葉系幹細胞株(hMSC)を20万cells/wellとなるように播種し、3日ごとに培地交換しながら8〜10日間培養して、プレート上に細胞シートを形成した。
細胞シート積層体の作製
10cm細胞培養用PSシャーレを0.1%ゼラチン水溶液で室温、10分間処理した。上記で形成された細胞シートをピペッティングにより剥がし、剥がれた細胞シートをデカンテーション又は口径の大きいピペットチップで吸い込んでゼラチンコートしたPSシャーレに移した。ピペットで培地を滴下して細胞シートの皺を伸ばした。滴下した培地を吸い取り、37℃、5%COのインキュベーター中で30分間静置して、細胞シートをシャーレに接着させた。
同様にして次の細胞シートを培地とともにシャーレに移し、接着させた細胞シート上に重ね、ピペットで培地を滴下して細胞シートの皺を伸ばした後、培地を吸い取り、37℃、5%COのインキュベーター中で30分間静置して、細胞シートを積層した。
細胞シートの積層操作を所定の回数繰り返して、所定枚数の細胞シートが積層された細胞シート積層体を得た。積層体を細胞載置部に移して培養する場合は、搬送用基材としてVECELL膜(ベセル社製)を用い、PSシャーレからヘラ等で剥がした積層体をVECELL膜に吸着させて載置部に移した。PSシャーレで培養する場合は、積層体にそのまま培地を注いで培養した。また、6枚以上の細胞シートを積層する際は、3枚〜10枚のシートを積層した積層体を、VECELL膜を用いて別の積層体上に搬送し、VECELL膜を剥がすことによって積層体同士を順次積層することで作製することもできる。
(比較例1)
10cm細胞培養用PSシャーレの内壁底面に5枚の細胞シートからなる細胞シート積層体を載置し、MEM−α培地(10% ウシ胎児血清, 1% ペニシリン/ストレプトマイシン)10mLをいれた。37℃、5%COのインキュベーター中で、所定期間培養を行った。
培養後に得られた培養細胞構造体について、凍結切片法による免疫染色とウェスタンブロット解析により評価した。
(比較例2)
LUMOX35mmディッシュの円周部を削って高さを調整した。10cm細胞培養用PSシャーレ内にディッシュを反転させて、ディッシュの底面が細胞載置部となるように接着し、滅菌処理して培養基材とした。ディッシュの底面にVECELL膜上に形成された10枚の細胞シートからなる細胞シート積層体を載置し、細胞シート積層体の最表面が被る程度にまで培地をいれた。この時、シャーレ内の培地の高さに対するディッシュの底面の高さの比は、0.9であった。37℃、5%COのインキュベーター中で、所定期間培養を行い、ウェスタンブロット解析により評価した。
(実施例1)
内径400μmのシリンジ針にCYTOP CTL−109S(旭硝子社製)をコートして、壁厚約30μmの中空フィラメントを作製した。作製した中空フィラメントのSEM画像を図12に示す。ディッシュの底面にVECELL膜上に形成された5枚の細胞シートからなる細胞シート積層体を載置した後、中空フィラメントをシリンジ針と共に、細胞シート積層体、VECELL膜及びディッシュ底面を貫通させ、フィラメントをピンセットで押えながらシリンジ針を引き抜いた。残ったフィラメントは、一方の端がディッシュ内にあり、他方の端が培地表面から空気中に露出した状態となった。フィラメントを、0.8cmあたり2本の割合で細胞シート積層体を貫通した状態に配置したことと、細胞シートの積層枚数を5枚にしたこと以外は、比較例2と同様にして細胞シート積層体を培養し、凍結切片法による免疫染色とウェスタンブロット解析により評価した。評価結果を図2及び3に示す。また低酸素マーカー、細胞増殖マーカー及び細胞呼吸マーカーを免疫染色した画像をそれぞれ図5、図7及び図9に示す。
(実施例2)
CYTOP CTL−109Sの代わりにテフロンAF1600(三井・デュポン フロロケミカル社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして細胞シート積層体を培養し、同様に評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
比較例1における低酸素マーカー、細胞増殖マーカー及び細胞呼吸マーカーを免疫染色した画像をそれぞれ図6、図8及び図10に示す。免疫染色の結果から、比較例1に比べて実施例1の方が、低酸素マーカー分子(Hypoxyprobe)の染色が弱く、細胞呼吸マーカータンパク質(PDH)及び細胞増殖マーカータンパク質(Ki−67)の染色が強く観察された。
また、ウェスタンブロット解析の結果(図2及び3)から、比較例1に比べて実施例1の方が、細胞呼吸マーカータンパク質(PDH)及び細胞増殖マーカータンパク質(Ki−67)の発現量が多かったことが分かる。
(実施例3)
内径400μmのシリンジ針にCYTOP CTL−109S(旭硝子社製)をコートして、中空フィラメントを作製した。ディッシュの底面にVECELL膜上に形成された細胞シート積層体を載置した後、中空フィラメントをシリンジ針と共に、細胞シート積層体、VECELL膜及びディッシュ底面を貫通させ、フィラメントをピンセットで押えながらシリンジ針を引き抜いた。残ったフィラメントは、一方の端がディッシュ内にあり、他方の端が培地表面から空気中に露出した状態となった。フィラメントを、細胞シート積層体の中心を貫通するように1本だけ配置したこと以外は、実施例1と同様にして細胞シート積層体を培養した。4日間培養後、ファイバーを貫通させた位置を中心として5mmφに細胞シート積層体を打ち抜き、実施例1と同様にして細胞呼吸マーカーであるPDHの発現量を評価した。評価結果を図4に示す。図4の縦軸はアクチン発現量で補正したPDH発現量である。
(実施例4)
CYTOP CTL−109Sの代わりにテフロンAF1600(三井・デュポン フロロケミカル社製)を用いたこと以外は実施例3と同様にして細胞シート積層体を培養し、同様に評価したところ、実施例3と同様の結果が得られた。
(比較例3)
フィラメントの代わりに400μm径のシリンジ針を細胞シート積層体の中心を貫通するように1本だけ配置したこと以外は実施例3と同様にして細胞シート積層体を培養し、同様に評価した。評価結果を図4に示す。
図4から、シリンジ針を用いた比較例3よりも、繊維を用いた実施例3の方が、PDHの発現量が多かったことが分かる。また、片側検定では有意水準5%で有意差が認められた。
(実施例5)
CYTOP CTL−109Sの代わりにフレミオンEW909(旭硝子社製)を用い、シリンジ針に犠牲層としてゼラチン膜をプレコートし、フレミオンをオーブンで120℃、10分間アニールしたこと、1.76cmあたり1本の割合で細胞シート積層体を貫通した状態にフィラメントを配置したこと以外は、比較例2と同様にして細胞シート積層体を培養し、ウェスタンブロット解析により評価した。作製した中空フィラメントの壁厚は約25μmだった。作製した中空フィラメントのSEM画像を図13に示す。評価結果を図11に示す。
(実施例6)
CYTOP CTL−109Sの代わりにフレミオンEW909を用い、シリンジ針に犠牲層としてゼラチン膜をプレコートし、フレミオンをオーブンで120℃、10分間アニールしたこと、1.76cmあたり3本の割合で細胞シート積層体を貫通した状態にフィラメントを配置したこと以外は、比較例2と同様にして細胞シート積層体を培養し、ウェスタンブロット解析により評価した。評価結果を図11に示す。
図11から繊維を用いない比較例2より、繊維を用いる実施例5、6の方が有意にPDHの発現量が多かった事がわかる。また繊維の本数が1本より3本の方が、PDH発現量が高くなる傾向がみられる。
(実施例7)
内径400μmのシリンジ針にゼラチンハイドロゲルをコートして、真空オーブン中で140℃、72時間熱架橋することで中空フィラメントを作製した。CYTOP CTL−109Sの代わりに架橋したゼラチンハイドロゲルを用いたこと以外は実施例3と同様にして細胞シート積層体を培養し、同様に評価したところ、実施例3と同様の結果が得られた。
(実施例8)
CYTOP CTL−109Sの代わりにフレミオンEW909を用い、シリンジ針に犠牲層としてゼラチン膜をプレコートし、フレミオンをオーブンで120℃、10分間アニールしたこと、および細胞シートの間に特許第5862915号公報に記載の方法で粒子径20μmから32μmのゼラチンハイドロゲル粒子を挟み45枚のシートを積層したこと以外は実施例3と同様にして細胞シート積層体を培養した。
所定期間培養を行い、細胞シート積層体が安定的に基材に保持されるかどうかを検討したところ、2日以上培養しても積層体が安定的に基材上に保持されていた。
(比較例4)
シャーレ内にディッシュを配置しなかったこと、細胞シート間に特許第5862915号公報に記載の方法で粒子径20μmから32μmのゼラチンハイドロゲル粒子を挟み、45枚の細胞シートを積層した細胞シート積層体をシャーレの内壁底面に載置したこと以外は、実施例1と同様にして細胞シート積層体を培養し、細胞シート積層体がシャーレ上で安定的に培養されるかを検討した。
その結果、培養2日目で細胞シート積層体がシャーレから剥離して収縮したり、シート間で剥離してバラバラになったりした。
2:容器、4:基材、6:細胞載置部、8:凹部、10:繊維、12:搬送用基材、14:細胞シート積層体、16:液体培地

Claims (14)

  1. 液体培地を収容する容器内に配置される基材の細胞載置部表面上に、2以上の細胞シートが積層された細胞シート積層体を載置することと、
    基材の細胞載置部上の細胞シート積層体を、液体培地中で培養することと、
    を含み、
    前記基材は細胞載置部裏面に凹部を有し、
    前記基材は、前記凹部に向けて前記細胞載置部を貫通する少なくとも1本の繊維を備え、細胞シート積層体を、当該繊維が積層方向に延在する状態で培養する、培養細胞構造体の製造方法。
  2. 前記容器の内壁底面から前記液体培地の表面までの距離に対する、容器の内壁底面から前記基材の細胞載置部表面までの距離の比が、0.1以上0.95以下である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記基材の細胞載置部が、気体又は液体に対する透過性を有する請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 培養を前記凹部に空気を保持して行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 培養を前記凹部に液体培地を保持して行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 細胞載置部表面側に配置される前記繊維の端部が、液体培地中に位置する請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 細胞載置部表面側に配置される前記繊維の端部が、液体培地外に位置する請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記繊維が多孔質体である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記繊維が中空体である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記繊維が酸素透過性材料を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記細胞シートが、内皮細胞、間葉系幹細胞、脂肪由来幹細胞、臍帯血由来幹細胞、歯髄幹細胞、心筋細胞、心臓壁細胞、肝細胞、線維芽細胞及び骨芽細胞からなる群から選択される少なくとも1種の細胞に由来する細胞シートである請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記細胞シート積層体が、2以上100以下の細胞シートを有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記細胞シート積層体が、細胞シート間にシート間繊維を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記シート間繊維の少なくとも一方の端部が、液体培地中に位置する請求項13に記載の製造方法。
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