JP2019211657A - 液晶装置、液晶装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精細で光の利用効率の高い液晶装置、液晶装置の製造方法、および電子機器を提供すること。【解決手段】透光性の画素電極と、前記画素電極に対して離間して配置され、前記画素電極側に開口する凹部が設けられる透光性の基材と、前記凹部内に配置され、前記基材の屈折率よりも高い屈折率を有する透光性絶縁体と、前記透光性絶縁体と前記画素電極との間に配置される透光性の第1絶縁体と、前記第1基板の厚さ方向からの平面視で前記第1絶縁体を囲み、前記第1絶縁体に接し、前記第1絶縁体の屈折率よりも低い屈折率を有する透光性の第2絶縁体と、前記第1絶縁体と前記透光性絶縁体との間に配置され、前記透光性絶縁体および前記基材と接する透光性および絶縁性の中間層と、を備えることを特徴とする液晶装置。【選択図】図1

Description

本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法および電子機器に関する。
液晶プロジェクターのライトバルブとして液晶装置が用いられている。液晶装置の一例として、特許文献1には、TFT(Thin Film Transistor)アレイ基板と、対向基板と、これらの間に配置される液晶層とを備える電気光学装置が開示されている。
特許文献1に記載のTFTアレイ基板は、基材と、複数の画素電極と、画素電極ごとに接続されたTFTとを有する。また、当該TFTアレイ基板は、基材と画素電極との間にガラスまたは樹脂等の材料を充填してなるレンズ層と、レンズ層を囲む遮光層および絶縁層からなる積層体とを有する。積層体内には、TFTが配置され、遮光層によってTFTへの光の入射が遮断される。また、レンズ層を備えることにより、画素電極における光の利用効率が高まる。
当該TFTアレイ基板は、基材上に積層体を形成し、基材および積層体を一括してエッチングすることにより凹部を形成し、当該凹部内にレンズ層を配置し、その後、レンズ層上に画素電極を配置することにより製造される。
特開2013−73181号公報
しかし、従来のレンズ層の形成では、基材および積層体を一括してエッチングするので、アスペクト比が高い貫通孔を形成することが難しい。そのため、レンズ層のアスペクト比が低くなってしまい、設計の制約が多くなる。それゆえ、高精細で光の利用効率の高いTFTアレイ基板を簡単に形成することが難しいという問題がある。
また、例えば、液晶装置の出射側に設けられる偏光板等の光学部材からの反射光(戻り光)によりTFTのリーク電流が発生してしまうという課題があった。
本発明に係る液晶装置の一態様によれば、透光性の画素電極と、前記画素電極に対して離間して配置され、前記画素電極側に開口する凹部が設けられる透光性の基材と、前記凹部内に配置され、前記基材の屈折率よりも高い屈折率を有する透光性絶縁体と、前記透光性絶縁体と前記画素電極との間に配置される透光性の第1絶縁体と、前記第1基板の厚さ方向からの平面視で前記第1絶縁体を囲み、前記第1絶縁体に接し、前記第1絶縁体の屈折率よりも低い屈折率を有する透光性の第2絶縁体と、前記第1絶縁体と前記透光性絶縁体との間に配置され、前記透光性絶縁体および前記基材と接する透光性および絶縁性の中間層と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る液晶装置の製造方法の一態様によれば、凹部が設けられる基材の前記凹部に、前記基材の屈折率よりも高い屈折率を有する透光性絶縁体を形成し、前記透光性絶縁体上に、前記透光性絶縁体および前記基材と接する透光性および絶縁性の中間層を形成し、前記中間層上に、前記透光性絶縁体と前記中間層とが重なる方向からの平面視で前記透光性絶縁体に重なる透光性の第1絶縁体と、前記平面視で前記第1絶縁体を囲み、前記第1絶縁体に接し、前記第1絶縁体の屈折率よりも低い屈折率を有する透光性の第2絶縁体と、を形成し、前記第1絶縁体上に画素電極を形成することを特徴とする。
第1実施形態に係る液晶装置の平面図である。 図1に示す液晶装置の断面図である。 図2に示す素子基板の電気的な構成を示す等価回路図である。 図2に示す素子基板の拡大断面図である。 図4に示す素子基板の平面図である。 図4に示す素子基板を透過する光を説明するための模式図である。 図1に示す素子基板の製造方法を示すフローチャートである。 基材準備工程を説明するための断面図である。 透光性絶縁体形成工程を説明するための断面図である。 中間層形成工程を説明するための断面図である。 導光部形成工程における遮光層の形成を説明するための断面図である。 導光部形成工程における遮光層の形成を説明するための断面図である。 導光部形成工程における低屈折率絶縁体が有する絶縁層の形成を説明するための断面図である。 導光部形成工程における低屈折率絶縁体の形成を説明するための断面図である。 導光部形成工程における低屈折率絶縁体の形成を説明するための断面図である。 導光部形成工程における高屈折率絶縁体の形成を説明するための断面図である。 第2実施形態における素子基板の拡大断面図である。 第3実施形態における素子基板の拡大断面図である。 図18に示す素子基板を透過する光を説明するための模式図である。 投射型表示装置の一例を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際のものと適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。なお、本明細書において「平行」とは、2つの面または線について、互いに完全に平行な場合のみならず、一方が他方に対して±5°の範囲内で傾斜することをいう。また、本明細書において、屈折率は、絶対屈折率のことをいう。
1.第1実施形態
1−1.液晶装置
まず、本発明の液晶装置として、TFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として備えるアクティブマトリックス方式の透過型液晶装置を例に説明する。係る液晶装置は、後述する投射型表示装置の光変調装置、すなわちライトバルブとして好適に用いることができる。
1−1a.基本構成
図1は、第1実施形態に係る液晶装置の平面図である。図2は、図1に示す液晶装置の断面図であって、図1中のA1−A1線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1および図2のそれぞれに示す互いに直交するx軸、y軸、およびz軸を適宜用いて説明する。
図1および図2に示す液晶装置100は、透光性を有する素子基板2と、素子基板2に対向して配置される透光性を有する対向基板3と、素子基板2と対向基板3との間に配置される枠状のシール部材4と、素子基板2、対向基板3およびシール部材4で囲まれる液晶層5と、を有する。なお、素子基板2は、「第1基板」の一例であり、対向基板3は、「第2基板」の一例であり、液晶層5は、「液晶」の一例である。
液晶装置100は、透過型の液晶装置である。本実施形態では、図2に示すように、液晶装置100は、対向基板3から入射する光LLを素子基板2から出射するが、液晶装置100は、素子基板2から入射する光LLを対向基板3から出射してもよい。また、光LLは可視光であり、本明細書において、透光性とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは、可視光の透過率が50%以上であることをいう。また、以下では、液晶装置100に入射する入射光、液晶装置100を透過する光、および液晶装置100から出射される出射光を区別せずに光LLとして示す。また、かかる液晶装置100は、例えば、プロジェクターに用いる場合、素子基板2の−z軸側の面に、当該面に対して離間して図示しない偏光板が配置される。
また、図1に示すように、液晶装置100は、素子基板2の厚さ方向、すなわち素子基板2の対向基板3側の面に対して直交する方向からの平面視で、四角形状をなすが、液晶装置100の平面視形状はこれに限定されず、円形等であってもよい。なお、図示では、素子基板2の厚さ方向をz軸方向とする。また、z軸方向は、光LLの光軸方向と平行である。
図1に示すように、素子基板2は、平面視で対向基板3を包含する大きさである。図2に示すように、素子基板2は、基材21と、透光性絶縁体22と、中間層23と、導光部20と、複数の画素電極28と、配向膜29とを有する。基材21、透光性絶縁体22、中間層23、導光部20、複数の画素電極28および配向膜29は、この順に積層される。配向膜29が最も液晶層5側に位置する。
基材21は、透光性および絶縁性を有する。基材21は、複数の凹部219を有し、凹部219内には透光性および絶縁性を有する透光性絶縁体22が配置される。基材21上には中間層23が配置される。なお、基材21、透光性絶縁体22、および中間層23は、後で詳述する。複数の画素電極28は、それぞれ、例えばITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電材料で構成される。また、配向膜29は、液晶層5の液晶分子を配向させる。配向膜29の構成材料としては、例えばポリイミドおよび酸化ケイ素等が挙げられる。
なお、後で詳述するが、導光部20は、光LLを導く機能を有し、図4に示すように、低屈折率絶縁体24、複数の高屈折率絶縁体25、および絶縁層27を有する。低屈折率絶縁体24は、「第2絶縁体」の一例であり、高屈折率絶縁体25は、「第1絶縁体」の一例である。また、後で詳述するが、素子基板2は、図3または図4に示すように、配線である走査線261、配線であるデータ線262、配線である容量線263、遮光層265、およびTFT260を有する。なお、走査線261、データ線262、容量線263、遮光層265は、それぞれ、「遮光体」の一例である。
図2に示すように、対向基板3は、基材31と、絶縁層32と、共通電極33と、配向膜34と、を有する。基材31、絶縁層32、共通電極33および配向膜34は、この順に積層される。配向膜34が最も液晶層5側に位置する。
基材31は、透光性および絶縁性を有する平板で構成される。基材31は、例えば、ガラスまたは石英等で構成される。共通電極33は、絶縁層32を介して基材31に積層される。共通電極33は、例えばITOまたはIZO等の透明導電材料で構成される。また、配向膜34は、液晶層5の液晶分子を配向させる。配向膜34の構成材料としては、例えばポリイミドおよび酸化ケイ素等が挙げられる。共通電極33は、絶縁層32を介して基材31に積層される。共通電極33は、例えばITOまたはIZO等の透明導電材料で構成される。また、配向膜34は、液晶層5の液晶分子を配向させる。配向膜34の構成材料としては、例えばポリイミドおよび酸化ケイ素等が挙げられる。
図1および図2に示すように、対向基板3のシール部材4よりも内側には、遮光性を有する金属材料等を用いて形成される枠状の周辺見切り320が配置される。周辺見切り320は、絶縁層32内に配置される。また、周辺見切り320の内側は、図1に示すように画像等を表示する表示領域Aを構成する。この周辺見切り320によって、迷光が表示領域Aに入射することを防ぎ、表示における高いコントラストが確保できる。また、表示領域Aは、行列状に配列される複数の画素Pを含む。また、対向基板3の4つの角には、それぞれ、素子基板2と対向基板3とを電気的に接続するための導通材150が配置される。
シール部材4は、例えばエポキシ樹脂等の各種硬化性樹脂を含む接着剤等を用いて形成される。シール部材4は、素子基板2および対向基板3のそれぞれに対して固着される。シール部材4、素子基板2および対向基板3によって囲まれる領域内には、液晶層5が配置される。シール部材4の図1中の下側の部分には、液晶分子を含む液晶材を注入するための注入口41が形成される。注入口41は、各種樹脂材料を用いて形成される封止材40により封止される。
液晶層5は、正または負の誘電異方性を有する液晶分子を含む。液晶層5は、液晶分子が配向膜29および配向膜34の双方に接するように素子基板2および対向基板3によって挟持される。液晶層5に印加される電圧に応じて液晶分子の配向が変化する。液晶層5は、光LLを、印加される電圧に応じ変調することで階調表示を可能とする。
また、図1に示すように、素子基板2の対向基板3側の面には、2つの走査線駆動回路61と1つのデータ線駆動回路62とが配置される。図示の例では、2つの走査線駆動回路61は、素子基板2の図1中左側および右側に配置される。データ線駆動回路62は、素子基板2の図1中下側に配置される。また、素子基板2の+z軸側の面2101の外縁部には、複数の外部端子64が配置される。外部端子64には、走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62のそれぞれから引き回される配線65が接続される。
液晶装置100の駆動方式としては、特に限定されないが、例えばTN(Twisted Nematic)モードおよびVA(Vertical Alignment)モード等が挙げられる。
1−1b.電気的な構成
図3は、図2に示す素子基板の電気的な構成を示す等価回路図である。図3に示すように、素子基板2には、n本の走査線261とm本のデータ線262とn本の容量線263とが形成される。ただし、nおよびmは2以上の整数である。n本の走査線261とm本のデータ線262との各交差に対応してスイッチング素子であるTFT260が配置される。また、n本の走査線261、m本のデータ線262およびn本の容量線263は、例えばアルミニウム等の金属で構成される。
n本の走査線261は、y軸方向に等間隔で並び、x軸方向に延在する。走査線261は、TFT260のゲート電極に電気的に接続される。また、n本の走査線261は、図1に示す走査線駆動回路61に電気的に接続される。n本の走査線261には、走査線駆動回路61から走査信号G1、G2、…、およびGnが走査線261に線順次で供給される。
m本のデータ線262は、x軸方向に等間隔で並び、y軸方向に延在する。データ線262は、TFT260のソース領域に電気的に接続される。また、m本のデータ線262は、図1に示すデータ線駆動回路62に電気的に接続される。m本のデータ線262には、図1に示すデータ線駆動回路62から画像信号S1、S2、…、およびSmがデータ線262に線順次で供給される。
n本の走査線261とm本のデータ線262とは、互いに絶縁され、平面視で格子状をなす。隣り合う2つの走査線261と隣り合う2つのデータ線262とで囲まれる領域が画素Pに対応する。1つの画素Pには、1つの画素電極28が形成される。なお、TFT260のドレイン領域は、画素電極28に電気的に接続される。
n本の容量線263は、y軸方向に等間隔で並び、x軸方向に延在する。また、n本の容量線263は、複数のデータ線262および複数の走査線261と絶縁され、これらに対して離間して形成される。容量線263には、グランド電位等の固定電位が印加される。また、容量線263と画素電極28との間には、液晶容量に保持される電荷のリークを防止するために蓄積容量264が液晶容量と並列に配置される。
走査信号G1、G2、…、およびGnが順次アクティブとなり、n本の走査線261が順次選択されると、選択される走査線261に接続されるTFT260がオン状態となる。すると、m本のデータ線262を介して表示すべき階調に応じた大きさの画像信号S1、S2、…、およびSmが、選択される走査線261に対応する画素Pに取り込まれ、画素電極28に印加される。これにより、画素電極28と図2に示す対向基板3が有する共通電極33との間に形成される液晶容量に表示すべき階調に応じた電圧が印加され、印加される電圧に応じて液晶分子の配向が変化する。また、蓄積容量264によって、印加される電圧が保持される。このような液晶分子の配向の変化によって光LLが変調され階調表示が可能となる。
1−1c.素子基板の構成
次に、素子基板2の詳細な構成について説明する。図4は、図2に示す素子基板の拡大断面図である。図5は、図4に示す素子基板の平面図である。なお、図5では、配向膜29の図示を省略する。
前述のように、素子基板2は、基材21、透光性絶縁体22、中間層23、導光部20、複数の画素電極28、配向膜29、走査線261、データ線262、容量線263、遮光層265、およびTFT260を有する。なお、図4では、容量線263の図示を省略する。また、図4に示すように、導光部20は、低屈折率絶縁体24、低屈折率絶縁体24の屈折率よりも高い屈折率を有する複数の高屈折率絶縁体25、および絶縁層27を有する。
図4に示すように、基材21は、画素電極28側に開口する凹部219が設けられる平板である。凹部219は、平面視で行列状に配置される。凹部219の平面視形状は、四角形であり、各辺のなす角は90度であるが、角に丸みを有してもよい。また、基材21の構成材料としては、例えばケイ素系の無機化合物が挙げられる。具体的には、基材21は、例えばガラスまたは石英を用いて構成される。
凹部219内には、透光性絶縁体22が充填される。透光性絶縁体22は、凹部219の底面に接触する−z軸側の面2201、中間層23に接触する+z軸側の面2202、面2201および面2202を接続する側面2203を有する。面2201および面2202は、z軸方向に並んでおり、側面2203は、図示では、z軸に平行な面である。側面2203は、基材21の凹部219を構成する内壁面218に接触する。側面2203と内壁面218とが接触することにより、透光性絶縁体22と基材21との界面である第1界面229が構成される。第1界面229は、平面視で四角形をなす。また、面2202と、基材21の+z軸側の面2101との間には段差が無く、これらは同一平面上に位置する。
透光性絶縁体22の屈折率は、基材21の屈折率よりも高い。そのため、透光性絶縁体22に入射する光LLを透光性絶縁体22と基材21との第1界面229で反射させることができ、透光性絶縁体22内で光LLを伝搬させることができる。すなわち、透光性絶縁体22を、光LLを伝搬させる導波路として機能させることができる。また、透光性絶縁体22は、図示しない偏光板等の光学部材等からの戻り光がTFT260に入射することを抑制または防止する機能を有する。
透光性絶縁体22の構成材料としては、酸化アルミニウム等の金属酸化物、およびケイ素系の無機化合物等が挙げられる。中でも、ケイ素系の無機化合物であることが好ましく、窒化ケイ素および酸窒化ケイ素のいずれかであることがより好ましい。当該構成材料がケイ素系の無機化合物であることで、成膜法により透光性絶縁体22を簡単に形成できる。また、当該構成材料が窒化ケイ素および酸窒化ケイ素のいずれかであることで、透光性絶縁体22中の窒素原子の含有率を調整することにより所望の屈折率を有する透光性絶縁体22を形成し易い。
中間層23は、平面視で透光性絶縁体22を覆うように基材21上に配置される。中間層23は、平面視における透光性絶縁体22の外周縁2204に重なるように、透光性絶縁体22および基材21上に配置される。外周縁2204は、基材21の+z軸側の面2101と、透光性絶縁体22の+z軸側の面2202との境界部分である。
また、図2に示すように、中間層23は、基材21の+z軸側の面2101の全域に亘って配置される。この配置の中間層23であると、基材21上に例えばCVD(chemical vapor deposition)法等の蒸着法によりマスク等を用いずに成膜することにより中間層23を製造できるので、中間層23の製造が容易である。なお、中間層23は、図2に示すように基材21の+z軸側の面2101の全域に亘って配置されるが、中間層23の配置はこれに限定されない。例えば、中間層23は、平面視で、図2に示す液晶層5と重なる領域のみに配置されてもよい。すなわち、中間層23は、図1に示す走査線駆動回路61およびデータ線駆動回路62が設けられている領域を除く領域に配置されてもよい。
中間層23の構成材料としては、ケイ素系の無機化合物が挙げられる。中でも、酸化ケイ素、または窒化ケイ素であることが好ましい。当該構成材料がケイ素系の無機化合物であることで、成膜法により中間層23を簡単に形成できる。また、当該構成材料が酸化ケイ素であることで、例えば窒化ケイ素を用いる場合に比べて透光性を高くできる。また、当該構成材料が窒化ケイ素であることで、例えば酸化ケイ素を用いる場合に比べて、中間層23のエッチング液に対する耐性が高くなり、中間層23の厚さを薄くできる。また、中間層23の厚さは、特に限定されないが、例えば10nm以上100nm以下である。
低屈折率絶縁体24は、中間層23上に配置される。本実施形態では、低屈折率絶縁体24は、透光性絶縁体22の屈折率よりも低い屈折率を有する。また、低屈折率絶縁体24の屈折率は、基材21の屈折率と同等である。
図5に示すように、低屈折率絶縁体24は、平面視で格子状をなし、低屈折率絶縁体24には、複数の貫通孔249が設けられる。図5に例示する貫通孔249は、平面視で四角形状をなす。なお、貫通孔249の平面視形状は、四角形であり、各辺のなす角は90度であるが、角に丸みを有してもよい。図4に示すように、低屈折率絶縁体24は、複数の層間絶縁膜241、242、243および244が積層される積層体で構成される。
低屈折率絶縁体24の構成材料としては、ケイ素系の無機化合物が挙げられ、中でも、酸化ケイ素であることが好ましい。具体的には、層間絶縁膜241、242、243および244は、それぞれ、シリコン熱酸化膜、またはCVD法等の蒸着法で成膜される酸化ケイ素膜で構成される。なお、各層間絶縁膜241、242、243および244は、互いに、同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
TFT260、走査線261、データ線262、容量線263および遮光層265は、それぞれ、低屈折率絶縁体24内に埋まって配置され、平面視で低屈折率絶縁体24に重なる。
図4に示す遮光層265は、光LLに対する遮光性を有する。遮光層265は、基材21上に配置され、かつ層間絶縁膜241によって覆われる。図5に示すように、遮光層265は、平面視で、低屈折率絶縁体24の形状に対応する格子状をなす。具体的には、平面視で、x軸方向に沿う複数の直線状をなす部分と、y軸方向に沿う複数の直線状をなす部分とを有する。遮光層265の構成材料としては、例えば、ポリシリコン、金属、金属シリサイドおよび金属化合物等が挙げられる。なお、本実施形態では、遮光層265は、配線の機能を有さないが、遮光層265は、配線の機能を有してもよい。
図4に示すように、走査線261は、光LLに対する遮光性を有し、層間絶縁膜242上に配置され、かつ層間絶縁膜243によって覆われる。なお、図5では、走査線261は、平面視で遮光層265と重なる。走査線261の構成材料としては、例えば、金属、金属シリサイドおよび金属化合物等が挙げられる。
図4に示すように、データ線262は、光LLに対する遮光性を有し、層間絶縁膜243上に配置され、かつ層間絶縁膜244によって覆われる。なお、図5では、データ線262は、平面視で遮光層265と重なる。また、データ線262の構成材料としては、例えば、金属、金属シリサイドおよび金属化合物等が挙げられる。
図4に示すように、TFT260は、層間絶縁膜241上に配置され、かつ層間絶縁膜242によって覆われる。また、TFT260は、遮光層265と走査線261との間に配置され、平面視でデータ線262および走査線261の双方に重なる。TFT260が、データ線262、走査線261および遮光層265と重なることで、これらにより光LLを遮断できるので、光LLがTFT260に入射することを防止または低減できる。また、図示はしないが、素子基板2の−z軸側の面に、当該面に対して離間して偏光板が配置される場合、素子基板2から出射する光LLが当該偏光板からの戻り光として素子基板2に入射するおそれがある。その場合であっても、遮光層265によって、光LLがTFT260に入射するおそれを低減できる。
ここで、走査線261、データ線262、容量線263および遮光層265は、平面視で格子状をなす遮光領域A11を構成する。また、平面視で遮光領域A11に囲まれる複数の領域は、光LLが透過する開口領域A12を構成する。開口領域A12には、平面視で、透光性絶縁体22、高屈折率絶縁体25、および画素電極28が配置される。また、走査線261、データ線262およびTFT260が平面視で重なって配置されることで、これらが平面視で重なって配置されない場合に比べて遮光領域A11の幅を小さくできる。そのため、開口領域A12の開口率を大きくできる。
図4に示すように、高屈折率絶縁体25は、透光性および絶縁性を有し、前述の低屈折率絶縁体24の貫通孔249内に充填される。また、高屈折率絶縁体25は、走査線261、データ線262、容量線263および遮光層265と接触していない。また、高屈折率絶縁体25の幅W1は、開口領域A12の幅W2よりも小さい。また、高屈折率絶縁体25は、平面視で、前述の透光性絶縁体22と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。すなわち、高屈折率絶縁体25の幅W1は、透光性絶縁体22の幅W0と等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
高屈折率絶縁体25は、−z軸側の面2501、+z軸側の面2502、面2501および面2502を接続する側面2503を有する。面2501および面2502は、z軸方向に並んでおり、側面2503は、図示では、z軸に平行な面である。側面2503は、低屈折率絶縁体24の貫通孔249を構成する内壁面248に接触する。側面2503と内壁面248とが接触することにより、高屈折率絶縁体25と低屈折率絶縁体24との界面である第2界面259が構成される。
高屈折率絶縁体25の屈折率は、低屈折率絶縁体24の屈折率よりも高い。そのため、導光部20に入射する光LLを高屈折率絶縁体25と低屈折率絶縁体24との第2界面259で反射させることができ、高屈折率絶縁体25内で光LLを伝搬させることができる。すなわち、高屈折率絶縁体25を、光LLを伝搬させる導波路として機能させることができる。また、本実施形態では、高屈折率絶縁体25の屈折率は、透光性絶縁体22の屈折率と同等でもよいし、異なっていてもよい。
図5に示すように、第2界面259は、平面視で四角形をなし、4つの平面2590で構成される。平面2590は、それぞれ、図4に示す素子基板2の厚さ方向に沿う仮想線としての直線A2に対して平行である。なお、直線A2は、高屈折率絶縁体25の中心軸に対して平行である。なお、前述した第1界面229も、第2界面259と同様に、平面視で四角形をなし、直線A2に対して平行な4つの平面で構成される。
また、高屈折率絶縁体25の構成材料としては、酸化アルミニウム等の金属酸化物、およびケイ素系の無機化合物等が挙げられる。中でも、ケイ素系の無機化合物であることが好ましく、窒化ケイ素および酸窒化ケイ素のいずれかであることがより好ましい。当該構成材料がケイ素系の無機化合物であることで、成膜法により高屈折率絶縁体25を簡単に形成できる。また、当該構成材料が窒化ケイ素および酸窒化ケイ素のいずれかであることで、高屈折率絶縁体25中の窒素原子の含有率を調整することにより所望の屈折率を有する高屈折率絶縁体25を形成し易い。
図4に示すように、低屈折率絶縁体24および高屈折率絶縁体25上には、透光性を有する絶縁層27が配置される。絶縁層27を有することで、低屈折率絶縁体24および高屈折率絶縁体25に対する画素電極28の密着性を高めることができる。絶縁層27の屈折率は、高屈折率絶縁体25の屈折率よりも低い。また、絶縁層27の構成材料としては、例えば、酸化ケイ素、および酸窒化ケイ素等のケイ素系の無機化合物が挙げられる。具体的には、絶縁層27は、前述の密着性を高める観点から、例えばBSG(borosilicate glass)等のガラスを用いることができる。また、絶縁層27の構成材料は、TEOS(Tetraethyl orthosilicate)等の有機系化合物を用いて形成してもよい。
図4に示すように、複数の画素電極28は、高屈折率絶縁体25上に配置される。具体的には、図5に示すように、複数の画素電極28は、平面視で行列状に、1つの高屈折率絶縁体25に対して1つの画素電極28が対となって配置される。また、各画素電極28は、平面視で、高屈折率絶縁体25に重なり、高屈折率絶縁体25を包含する。なお、図4に示すように、複数の画素電極28上には、配向膜29が配置される。
1−1d.素子基板における光路
次に、素子基板2における光路について説明する。図6は、図4に示す素子基板を透過する光を説明するための模式図である。
図6に示すように、光LLのうち光軸に平行な光線LL1は、高屈折率絶縁体25内に入射すると、そのまま真っ直ぐ進んで、第2界面259および第1界面229で反射されることなく、高屈折率絶縁体25から出射される。
一方、例えば、光LLのうち光軸に対して傾斜する光線LL2が高屈折率絶縁体25内に入射して第2界面259に到達すると、高屈折率絶縁体25と低屈折率絶縁体24との屈折率の関係によって第2界面259で全反射される。例えば、低屈折率絶縁体24が酸化ケイ素で形成され、高屈折率絶縁体25が酸窒化ケイ素で形成され、波長550nmの可視光について、低屈折率絶縁体24の屈折率が1.46であり、高屈折率絶縁体25の屈折率が1.64である場合を考える。その場合、第2界面259に対する入射角が62°以上であると、スネルの法則により第2界面259で全反射される。したがって、図示の通り、光線LL2は、第2界面259で全反射されて高屈折率絶縁体25の内側に向かって進み、高屈折率絶縁体25から出射される。また、光線LL2が第2界面259で全反射されることにより、光線LL2が低屈折率絶縁体24内に入射することを防ぐことができる。
また、例えば、光LLのうち光軸に対して傾斜する光線LL3が透光性絶縁体22に入射して第1界面229に到達すると、透光性絶縁体22と基材21との屈折率の関係によって第1界面229で全反射される。例えば、基材21が酸化ケイ素で形成され、透光性絶縁体22が酸窒化ケイ素で形成される場合、前述の第2界面259と同様に、スネルの法則により第1界面229で全反射される。したがって、図示の通り、光線LL3は、第1界面229で全反射されて透光性絶縁体22の内側に向かって進み、透光性絶縁体22から出射される。
高屈折率絶縁体25に加えて透光性絶縁体22を備えることで、高屈折率絶縁体25のみを備える場合に比べ、導波路として機能する範囲が大きくなるので、光LLの利用効率を高めることができる。
また、素子基板2の−z軸側の面に図示しない偏光板等の光学部材が配置される場合、当該偏光板等の光学部材からの戻り光は、TFT260に入射するおそれがある。例えば、図6中の破線で示す光線LL5xのように、戻り光がTFT260に入射するおそれがある。本実施形態では、透光性絶縁体22を備えているため、図6中の破線で示す光線LL5のように、第1界面229で戻り光を反射させることができる。そのため、戻り光がTFT260に入射するおそれを低減または防止できる。
以上の液晶装置100は、前述のように、素子基板2は、透光性の画素電極28と、画素電極28に対して離間して配置され、画素電極28側に開口する凹部219が設けられる透光性の基材21と、凹部219内に配置され、基材21の屈折率よりも高い屈折率を有する透光性絶縁体22と、を備える。また、素子基板2は、透光性絶縁体22と画素電極28との間に配置される透光性の「第1絶縁体」としての高屈折率絶縁体25と、素子基板2の厚さ方向からの平面視で高屈折率絶縁体25を囲み、高屈折率絶縁体25に接し、高屈折率絶縁体25の屈折率よりも低い屈折率を有する透光性の「第2絶縁体」としての低屈折率絶縁体24と、を備える。また、素子基板2は、高屈折率絶縁体25と透光性絶縁体22との間に配置され、透光性絶縁体22および基材21と接する透光性および絶縁性の中間層23と、を備える。
かかる素子基板2によれば、高屈折率絶縁体25が低屈折率絶縁体24で囲まれているので、高屈折率絶縁体25は導波路を構成する。同様に、透光性絶縁体22が基材21で囲まれているので、透光性絶縁体22は導波路を構成する。そして、透光性絶縁体22と画素電極28との間に高屈折率絶縁体25が配置されているので、透光性絶縁体22と高屈折率絶縁体25とでアスペクト比の高い導波路を構成できる。それゆえ、高精細で光LLの利用効率の高い素子基板2を提供できる。また、透光性絶縁体22を備えていることで、前述のように第1界面229で戻り光を反射させることができるため、戻り光がTFT260に入射するおそれを低減または防止できる。そのため、戻り光がTFT260に到達することを抑制または防止できるので、TFT260のリーク電流の発生を低減または防止できる。
また、一般的に、孔をエッチングにより形成する際、エッチング深さが深くなるほど先細り形状になってしまい、アスペクト比が高い孔を形成できないことがある。しかし、本実施形態では、素子基板2は透光性絶縁体22と高屈折率絶縁体25とが分離されており、透光性絶縁体22および高屈折率絶縁体25を別々の工程で形成できるので、凹部219および貫通孔249も別々の工程で形成できる。そのため、凹部219と貫通孔249とを所望の形状に形成し易く、よって、透光性絶縁体22と高屈折率絶縁体25とをそれぞれ所望の形状に形成し易い。その結果、高精細な透光性絶縁体22および高屈折率絶縁体25を得ることができる。
さらに、透光性絶縁体22と基材21に中間層23が接触することで、基材21と透光性絶縁体22の材質の違いに基づくエッチングレートの差によって基材21および透光性絶縁体22の形状に不具合が生じることを防止できる。なお、素子基板2の製造方法については後で詳述する。
また、基材21の構成材料は、酸化ケイ素であり、透光性絶縁体22の構成材料は、酸窒化ケイ素であり、中間層23の構成材料は、酸化ケイ素であることが好ましい。基材21の構成材料が酸化ケイ素であり、かつ、透光性絶縁体22の構成材料が酸窒化ケイ素であると、導波路として機能する透光性絶縁体22を簡単に形成できる。また、基材21、透光性絶縁体22、および中間層23がそれぞれケイ素系の無機化合物であると、互いの密着性を高くすることができる。また、中間層23が酸化ケイ素であると、前述のように、窒化ケイ素を用いる場合に比べて透光性を高くできる。
別の観点から、中間層23の構成材料が、窒化ケイ素であることも好ましい。中間層23が窒化ケイ素であることで、酸化ケイ素である場合に比べ、中間層23の厚さを薄くしても後述する低屈折率絶縁体24の形成におけるエッチング時の耐久性を高くできる。
また、図4に示すように、高屈折率絶縁体25の幅W1は、画素電極28から基材21の凹部210の底面に向かって一定であり、透光性絶縁体22の幅W0は、画素電極28から基材21の凹部210の底面に向かって一定である。幅W1および幅W0が一定であることで、第1界面229および第2界面259に段差が形成される場合に比べ、第1界面229および第2界面259の光LLの損失を低減できる。また、第2界面259を構成する各平面2590と光LLの光軸を平行にすることで、高屈折率絶縁体25における光LLの損失を特に低減できる。第1界面229を構成する各平面についても同様である。
また、前述のように、素子基板2は、スイッチング素子であるTFT260と、平面視でスイッチング素子の一例であるTFT260と重なって配置される走査線261、データ線262、および遮光層265と、を備える。
走査線261、データ線262、および遮光層265が平面視でTFT260と重なることで、TFT260への光LLの入射を抑制または防止できる。なお、本実施形態では、走査線261、データ線262、および遮光層265がそれぞれ「遮光体」であり、これら全てがTFT260と重なるが、これらのいずれかがTFT260と重なっていなくてもよい。走査線261、データ線262、容量線263および遮光層265のうちの少なくてとも1つが、「遮光体」を構成してもよい。
また、走査線261、データ線262、および遮光層265は、それぞれ、高屈折率絶縁体25に対して離間して配置されるので、高屈折率絶縁体25に接触しない。仮に、例えば遮光層265が高屈折率絶縁体25と接触する場合、遮光層265の縁で反射する光LLは、反射方向が一定とならず乱反射して低屈折率絶縁体24内に入射する可能性がある。これに対し、遮光層265が高屈折率絶縁体25に接触しないため、遮光層265の端面で光LLが乱反射することを防ぐことができる。そのため、TFT260への光LLの入射をより効果的に回避できる。
また、図4に示すように、高屈折率絶縁体25は、低屈折率絶縁体24のz軸方向における範囲のほぼ全域に亘って配置される。この配置により、高屈折率絶縁体25が低屈折率絶縁体24のz軸方向における範囲の一部のみに配置される場合に比べ、導波路としての機能をより効果的に発揮できる。また、TFT260に光LLが入射するおそれを低減できる。なお、高屈折率絶縁体25は、低屈折率絶縁体24の貫通孔249内全てではなく、その一部を埋めるように配置されてもよい。
また、低屈折率絶縁体24は、平面視で高屈折率絶縁体25の側面2503を囲む。そのため、低屈折率絶縁体24は、平面視で高屈折率絶縁体25の側面2503を囲んでいない場合に比べ、高屈折率絶縁体25の導波路としての機能を顕著に発揮できる。
以上、本実施形態における液晶装置100に関し、第2界面259を構成する各平面2590は、高屈折率絶縁体25の導波路としての機能を阻害しない範囲内であれば、平坦な面ではなく、曲面であってもよいし、段差を有する面であってもよい。なお、第1界面229を構成する各平面についても同様である。
また、本実施形態では、低屈折率絶縁体24の貫通孔249の平面視形状は、四角形の辺が湾曲する形状、または対向する二辺が非平行である四角形であってもよい。同様に、第2界面259の平面視形状は、四角形であるが、高屈折率絶縁体25の導波路としての機能を阻害しない範囲内であれば、四角形の辺が湾曲する形状、または対向する二辺が非平行である四角形であってもよい。なお、凹部219の平面視形状、および第1界面229の平面視形状についても同様である。
また、本実施形態では、画素電極28は、平面視で高屈折率絶縁体25を包含するが、画素電極28は、平面視で高屈折率絶縁体25の少なくとも一部と重なっていればよく、例えば平面視で高屈折率絶縁体25を包含しなくてもよい。高屈折率絶縁体25は、透光性絶縁体22と画素電極28との間に配置されている部分を有していればよい。高屈折率絶縁体25および透光性絶縁体22は、その一部同士が重なってもよいし、一方が他方を包含してもよい。
また、本実施形態では、中間層23は、低屈折率絶縁体24の外周縁2204の全てを覆うが、外周縁2204の一部のみを覆っていてもよい。
また、低屈折率絶縁体24および高屈折率絶縁体25のそれぞれと、中間層23とは接するが、低屈折率絶縁体24と中間層23との間、高屈折率絶縁体25と中間層23との間には、任意の層が介在してもよい。
本実施形態では、高屈折率絶縁体25と画素電極28との間には絶縁層27が配置されるが、絶縁層27は省略してもよい。その場合、高屈折率絶縁体25と画素電極28とは直接的に接触してもよい。
また、素子基板2は、走査線261、データ線262、および容量線263以外の配線等を有してもよい。素子基板2が有する配線の積層数および積層順は、図示の例に限定されず、任意である。また、素子基板2は、遮光層265以外の遮光性を有する層を有してもよい。また、本実施形態では、遮光層265は、TFT260の基材21側に配置されるが、TFT260の液晶層5側に配置されてもよい。また、本実施形態では、走査線261、データ線262、容量線263、および遮光層265は、それぞれ、低屈折率絶縁体24内に配置されるが、これらの一部は、それぞれ、高屈折率絶縁体25に接触しない方がよいが接触してもよい。
また、低屈折率絶縁体24の積層数は、図示の数に限定されず、任意である。
1−1e.液晶装置の製造方法
次に、液晶装置100の製造方法について説明する。以下では、液晶装置100が有する素子基板2の製造方法を中心に説明する。図7は、図4に示す素子基板の製造方法のフロー図である。
素子基板2の製造方法は、基材形成工程S11と、透光性絶縁体形成工程S12と、中間層形成工程S13と、導光部形成工程S14と、絶縁層形成工程S15と、画素電極形成工程S16と、配向膜形成工程S17と、を有する。これら各工程を順に行うことにより素子基板2が製造される。
図8は、基材形成工程を説明するための断面図である。まず、基材形成工程S11において、例えば、ガラス板または石英板等で構成された平板に対してエッチング等を施して行列状に並ぶ複数の凹部219を形成する。この形成により、図8に示す基材21が形成される。
図9は、透光性絶縁体形成工程を説明するための断面図である。次に、透光性絶縁体形成工程S12において、例えば、CVD法等の蒸着法により凹部219内に酸窒化ケイ素を含む組成物を堆積する。その後、CMP(chemical mechanical polishing)等の研磨により平坦化することにより、図8に示す透光性絶縁体22が形成される。
図10は、中間層形成工程を説明するための断面図である。次に、中間層形成工程S13において、例えば、CVD法等の蒸着法により、基材21の面2101上および透光性絶縁体22の面2202上に酸化ケイ素を含む組成物を堆積する。その後、必要に応じてCMP等の研磨により平坦化することにより、図10に示す中間層23が形成される。本工程において、中間層23の+z軸側の面を平坦にすることで、平坦でない場合に比べて、後で形成する低屈折率絶縁体24および高屈折率絶縁体25の形状精度を高くすることができる。
次に、導光部形成工程S14において、TFT260、走査線261、データ線262、容量線263、低屈折率絶縁体24、および高屈折率絶縁体25を形成する。以下、導光部形成工程S14を図11ないし図16を参照しつつ説明する。
図11および図12は、それぞれ、導光部形成工程における遮光層の形成を説明するための断面図である。図11に示すように、例えば、スパッタリング法または蒸着法により金属膜265aを中間層23上に形成する。次に、遮光層265以外の領域に対応する形状のレジストマスクM1を金属膜265a上に形成する。次に、レジストマスクM1から露出する部分の金属膜265aをエッチングにより除去することにより、図12に示す遮光層265が形成される。なお、レジストマスクM1は、遮光層265を形成したら除去する。
ここで、基材21と透光性絶縁体22とは、互いに異なる材料で構成されるので、エッチングレートが異なる。そのため、仮に、中間層23を設けずに、基材21上に遮光層265を形成しようとすると、金属膜265aをエッチングする際、金属膜265aの下地である基材21および透光性絶縁体22が異なる深さでエッチングされる場合がある。その場合、基材21と透光性絶縁体22との間に段差が生じ、当該段差がその後の工程における加工精度の低下を招いてしまう。これに対し、本実施形態では、中間層23が基材21および透光性絶縁体22上に設けられるので、中間層23をエッチングのストッパー層として機能し、よって、前述の段差の発生を抑制または防止できる。特に、中間層23の構成材料が窒化ケイ素であると、当該構成材料が酸化ケイ素である場合に比べて中間層23の膜厚が薄くてもストッパー層としての機能を好適に発揮できる。
図13は、導光部形成工程における低屈折率絶縁体が有する絶縁層の形成を説明するための断面図である。次に、例えば、中間層23および遮光層265上に酸化ケイ素を含む組成物を堆積することにより、図13に示す絶縁膜241aが形成される。
図14および図15は、それぞれ、導光部形成工程における低屈折率絶縁体の形成を説明するための断面図である。次に、図14に示すように、絶縁膜241a上に、TFT260、絶縁膜242a、走査線261、絶縁膜243a、データ線262、および絶縁膜244aを順に積層する。絶縁膜242a、243aおよび244aの形成方法は、それぞれ、前述の絶縁膜241aの形成方法と同様である。また、TFT260、走査線261およびデータ線262の形成方法は、前述の遮光層265の形成方法と同様である。
なお、本工程の説明では容量線263も形成するが、その説明および図示は省略する。また、絶縁膜241aは、後に層間絶縁膜241となる層であり、絶縁膜242aは、後に層間絶縁膜242となる層であり、絶縁膜243aは、後に層間絶縁膜243となる層であり、絶縁膜244aは、後に層間絶縁膜244となる層である。また、絶縁膜241a、242a、243aおよび244aからなる絶縁体24aは、後に低屈折率絶縁体24となる層である。
次に、低屈折率絶縁体24以外の領域に対応する形状の図示しないマスクを絶縁体24a上に形成し、当該マスクから露出する部分の絶縁体24aをエッチングにより除去することにより、図15に示す貫通孔249が設けられる低屈折率絶縁体24が形成される。当該エッチングでは、例えば、塩素系またはフッ素等のハロゲン系ガスに酸素または一酸化炭素が混入されるエッチングガスを用いる。なお、絶縁膜241a、242a、243aおよび244aをそれぞれ形成する度にエッチングしてもよいが、これらを一括して除去することで、製造プロセスを簡略化できる。また、低屈折率絶縁体24の貫通孔249を形成する内壁面248の平滑性を高めることができる。
図16は、導光部形成工程における高屈折率絶縁体の形成を説明するための断面図である。例えば、低屈折率絶縁体24の貫通孔249に蒸着法により酸窒化ケイ素を堆積することにより、図16に示す高屈折率絶縁体25を形成する。かかる形成によれば簡単に高屈折率絶縁体25を形成できる。以上のようにして、導光部形成工程S14において導光部20が形成される。
次に、絶縁層形成工程S15において、図示はしないが、低屈折率絶縁体24および高屈折率絶縁体25上にBSG等のガラス材料を成膜することにより、絶縁層27を形成する。
次に、画素電極形成工程S16において、図示はしないが、高屈折率絶縁体25上に画素電極28を形成する。画素電極28の形成は、例えば透明導電材料からなる層をCVD法等の蒸着法により形成し、その後、マスクを用いてパターニングすることにより行う。
次に、配向膜形成工程S17において、図示はしないが、例えばポリイミドからなる層をCVD法等の蒸着法により形成し、その後、ラビング処理を施すことにより配向膜29を形成する。
以上のようにして、図4に示す素子基板2を形成することができる。また、任意の技術を適宜用いて対向基板3を形成し、素子基板2と対向基板3とをシール部材4を介して連結する。その後、素子基板2、対向基板3およびシール部材4との間に液晶材を注入して液晶層5を形成し、その後、封止する。また、各種回路等も適宜形成する。このようにして、図1および図2に示す液晶装置100を製造することができる。
以上の液晶装置100の製造方法における素子基板2の製造は、透光性絶縁体形成工程S12と、中間層形成工程S13と、導光部形成工程S14と、画素電極形成工程S16とを含む。透光性絶縁体形成工程S12において、凹部219が設けられる基材21の凹部219に、基材21の屈折率よりも高い屈折率の透光性を有する透光性の透光性絶縁体22を形成する。また、中間層形成工程S13において、透光性絶縁体22上に、透光性絶縁体22および基材21と接する透光性および絶縁性の中間層23を形成する。また、導光部形成工程S14において、中間層23上に、透光性絶縁体22と中間層23とが重なる方向からの平面視で透光性絶縁体22に重なる透光性の高屈折率絶縁体25と、平面視で高屈折率絶縁体25を囲み、高屈折率絶縁体25に接し、高屈折率絶縁体25の屈折率よりも低い屈折率を有する透光性の低屈折率絶縁体24と、を形成する。また、画素電極形成工程S16において、高屈折率絶縁体25上に画素電極28を形成する。
素子基板2の製造によれば、透光性絶縁体22および高屈折率絶縁体25を別々の工程で形成できるので、透光性絶縁体22と高屈折率絶縁体25とでアスペクト比の高い導波路を簡単に構成できる。それゆえ、高精細で光LLの利用効率の高く、さらには、戻り光がTFT260に到達することを抑制できる素子基板2を簡単に製造できる。
また、凹部219および貫通孔249を別々の工程で形成するので、凹部219と貫通孔249とを所望の形状に形成し易い。よって、透光性絶縁体22と高屈折率絶縁体25とをそれぞれ所望の形状に形成し易く、透光性絶縁体22と高屈折率絶縁体25の各形状精度を高くできる。さらに、透光性絶縁体22および基材21に中間層23が接触するため、中間層23の形成後にエッチングを用いて低屈折率絶縁体24および高屈折率絶縁体25等を形成する際、基材21と透光性絶縁体22のエッチングレートの差によって基材21と透光性絶縁体22との間に段差が形成されることによる不具合の発生を防止できる。
また、本実施形態では、導光部形成工程S14において、低屈折率絶縁体24を形成し、その後、高屈折率絶縁体25を形成する。そのため、前述のように高屈折率絶縁体25を簡単に形成できる。
さらに、本実施形態では、高屈折率絶縁体25と画素電極28との間に絶縁層27が形成される。そのため、高屈折率絶縁体25に対する画素電極28の密着性を高めることができる。また、絶縁層27が設けられることで、画素電極28の+z軸側の面の平坦性、すなわち画素電極28の+z軸側の面のx−y平面に対する平行度を高めることができる。
なお、前述の素子基板2の製造方法は、透光性絶縁体形成工程S12と、中間層形成工程S13と、導光部形成工程S14と、画素電極形成工程S16とを有していればよく、その他の工程は省略してもよい。また、前述の工程にさらに他の工程を追加してもよい。
1−2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図17は、第2実施形態における素子基板の拡大断面図である。
本実施形態は、主に、基材の構成が異なる以外は、第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、第2実施形態に関し、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図17において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付す。
図17に示す素子基板2Aが有する基材21Aは、平板状の第1基部211と、凹部219Aを有する平板状の第2基部212とを有する。凹部219A内には、透光性絶縁体22が配置される。
第1基部211および第2基部212の各構成材料としては、ケイ素系の無機化合物が挙げられる。中でも、第1基部211および第2基部212の各構成材料は、酸化ケイ素であることが好ましい。具体的には、第1基部211は、石英またはガラスで構成され、第2基部212は、シリコン熱酸化膜、またはCVD法等の蒸着法で成膜される酸化ケイ素膜で構成される。第1基部211が石英またはガラスで構成されていることで、第1基部211で基材21Aの強度を高めることができる。また、第2基部212がシリコン熱酸化膜、またはCVD法等の蒸着法で成膜される酸化ケイ素膜で構成されることで、第2基部212で所望の形状の凹部219Aを容易に形成できる。
また、図示はしないが、第2基部212には凹部219Aの代わりに、第2基部212の厚さ方向に貫通する孔を設けてもよい。この場合、第1基部211の+z軸側の面と第2基部212の孔を構成する内壁面とで、透光性絶縁体22を配置する凹部を構成できる。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、高精細で光LLの利用効率の高い液晶装置100を実現できる。さらに、本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、戻り光がTFT260に入射するおそれを低減できる。
1−3.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図18は、第3実施形態における素子基板の拡大断面図である。図19は、図18に示す素子基板を透過する光を説明するための模式図である。
本実施形態は、主に、透光性絶縁体および高屈折率絶縁体の形状が異なる以外は、第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、第3実施形態に関し、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図18および図19において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付す。
図18に示す素子基板2Bが有する基材21Bの凹部219Bを構成する内壁面218Bは、画素電極28から遠ざかるにしたがって連続的に幅が大きくなる。そのため、透光性絶縁体22Bの幅W0は、凹部219Bと同様に、画素電極28から遠ざかるにしたがって連続的に大きくなる。透光性絶縁体22Bの−z軸側の面2201Bは、平面視で、+z軸側の面2202B平面視形状を包含する。
低屈折率絶縁体24Bの貫通孔249Bを構成する内壁面248Bは、画素電極28から遠ざかるにしたがって連続的に幅が小さくなる。そのため、高屈折率絶縁体25Bの幅W1は、貫通孔249Bと同様に、画素電極28から遠ざかるにしたがって連続的に小さくなる。透光性絶縁体22Bの+z軸側の面2202Bは、−z軸側の面2201Bを包含する。
また、第2界面259Bを構成する各平面2590Bは、直線A2に対して傾斜する。各平面2590Bの直線A2に対する傾斜角度、すなわち直線A2と平面2590Bとのなす角度は、特に限定されないが、0°以上10°以下であることが好ましく、0°以上5°以下であることがより好ましい。これにより、データ線262、走査線261、TFT260および遮光層265のそれぞれと高屈折率絶縁体25Bとの各クリアランスを十分に取りつつ、光LLを高屈折率絶縁体25B内に多く取り込んで、取り込んだ光LLを特に効率良く伝搬させることができる。なお、第1界面229Bを構成する各平面も、平面2590Bについても同様に、直線A2に対して傾斜する。
前述のように、「第1絶縁体」としての高屈折率絶縁体25Bの幅W1は、画素電極28から基材21の凹部210の底面に向かって変化し、透光性絶縁体22Bの幅W0は、画素電極28から基材21の凹部219の底面に向かって変化する。そして、高屈折率絶縁体25Bの幅W1の変化率は、透光性絶縁体22Bの幅W0の変化率とは異なる。特に、本実施形態では、幅W1は、画素電極28から遠ざかるにしたがって小さくなり、よって、幅W1の変化率は減少する。幅W0は、画素電極28から遠ざかるにしたがって大きくなり、よって、幅W0の変化率は増加する。本実施形態では、幅W1の変化率の絶対値および幅W0の変化率の絶対値は、同等であるが、これらは異なっていてもよい。
高屈折率絶縁体25Bの幅W1が画素電極28側から遠ざかるにしたがって小さくなることで、面2501Bの面積よりも面2502Bの面積を大きくできる。そのため、データ線262等と高屈折率絶縁体25Bが接触することを防ぎつつ、画素電極28側から高屈折率絶縁体25B内に入射する光LLの範囲を大きくできる。また、透光性絶縁体22Bの幅W0が画素電極28側から遠ざかるにしたがって大きくなることで、図19に示すように、第1界面229Bで反射する光線LL4を平行に近づけることができる。これにより、高屈折率絶縁体25B内で光LLが伝搬されて光LLの伝搬角度が大きくなることに起因するケラレの増加を低減することができる。なお、光線LL4は、光LLのうち第2界面259Bで反射して高屈折率絶縁体25B内を斜めに進行する光線である。
なお、本実施形態では、各平面2590Bの傾斜角度は、同等であるが、これらは互いに異なっていてもよい。例えば、第2界面259Bは、少なくとも1つの平面2590Bが傾斜しており、残りの平面2590Bは、直線A2に対して平行であってもよい。なお、第1界面229Bを構成する各平面についても同様のことがいえる。
また、本実施形態では、幅W1および幅W0の各変化率は、図示の例に限定されない。例えば、幅W1および幅W0をそれぞれ画素電極28側から遠ざかるにしたがって大きくし、かつ、幅W0の変化率を幅W1の変化率よりも小さくしてもよい。また、例えば、幅W1および幅W0の一方が一定であり、他方が変化してもよい。また、幅W1の変化率および幅W0の変化率は、それぞれ、例えば、光LLの入射方向、第2界面259Bおよび第1界面229Bへの光LLの各入射角度、高屈折率絶縁体25Bおよび透光性絶縁体22Bのサイズ等によって適宜設定できる。幅W1の変化率および幅W0の変化率を一致させる必要はなく、目的に応じてそれぞれ適宜設定することが好ましい。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、高精細で光LLの利用効率の高い液晶装置100を実現できる。さらに、本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、戻り光がTFT260に入射するおそれを低減できる。
2.投射型表示装置
次に、本発明の電子機器の一例である投射型表示装置について説明する。図20は、投射型表示装置の一例を示す模式図である。
図20に示すように、投射型表示装置であるプロジェクター700は、光源装置701と、インテグレーター704と、偏光変換素子705と、色分離導光光学系702と、光変調装置としての液晶光変調装置710R、液晶光変調装置710Gおよび液晶光変調装置710Bと、クロスダイクロイックプリズム712および投射光学系714と、を備える。後で詳述するが、液晶光変調装置710R、710Gおよび710Bには、液晶装置720R、720Gおよび720Bが配置される。これらの液晶装置720R、720Gおよび720Bとして、例えば前述の液晶装置100を用いることができる。
光源装置701は、第1色光である赤色光、第2色光である緑色光、および第3色光である青色光を含む光LLを供給する。光源装置701としては、例えば超高圧水銀ランプを用いることができる。以下、赤色光は、「R光」といい、緑色光は、「G光」といい、青色光は、「B光」という。
インテグレーター704は、光源装置701から出射される光LLの照度分布を均一化する。照度分布を均一化される光LLは、偏光変換素子705にて特定の振動方向を有する偏光光、例えば色分離導光光学系702が備える反射面に対してs偏光するs偏光光に変換される。s偏光光に変換される光は、色分離導光光学系702を構成するR光透過ダイクロイックミラー706Rに入射する。
色分離導光光学系702は、R光透過ダイクロイックミラー706Rと、B光透過ダイクロイックミラー706Gと、3枚の反射ミラー707と、2枚のリレーレンズ708と、を具備する。
R光透過ダイクロイックミラー706Rは、R光を他の光から分離して透過し、G光、B光を反射する。R光透過ダイクロイックミラー706Rを透過するR光は、反射ミラー707に入射する。反射ミラー707は、R光の光路を90度折り曲げる。光路を折り曲げられるR光は、液晶光変調装置710Rに入射する。
液晶光変調装置710Rは、R光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。液晶光変調装置710Rは、λ/2位相差板723R、ガラス板724R、第1偏光板721R、液晶装置720R、および第2偏光板722Rを有する。λ/2位相差板723Rおよび第1偏光板721Rは、偏光方向を変換させない透光性のガラス板724Rに接する状態で配置される。
R光透過ダイクロイックミラー706Rで反射することで、G光およびB光の各光路は、それぞれ90度折り曲げられる。光路を折り曲げられるG光およびB光は、それぞれB光透過ダイクロイックミラー706Gに入射する。B光透過ダイクロイックミラー706Gは、B光を他の光から分離して透過し、G光を反射する。B光透過ダイクロイックミラー706Gで反射されるG光は、液晶光変調装置710Gに入射する。液晶光変調装置710GはG光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。液晶光変調装置710Gは、液晶装置720G、第1偏光板721Gおよび第2偏光板722Gを有する。
液晶光変調装置710Gに入射するG光は、s偏光光に変換される。液晶光変調装置710Gに入射するs偏光光は、第1偏光板721Gをそのまま透過し、液晶装置720Gに入射する。液晶装置720Gに入射するs偏光光は、画像信号に応じた変調により、G光がp偏光光に変換される。液晶装置720Gの変調により、p偏光光に変換されるG光が、第2偏光板722Gから出射される。このようにして、液晶光変調装置710Gで変調されるG光は、クロスダイクロイックプリズム712に入射する。
B光透過ダイクロイックミラー706Gを透過するB光は、2枚のリレーレンズ708と、2枚の反射ミラー707とを経由して、液晶光変調装置710Bに入射する。
液晶光変調装置710Bは、B光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。液晶光変調装置710Bは、λ/2位相差板723B、ガラス板724B、第1偏光板721B、液晶装置720B、および第2偏光板722Bを有する。液晶光変調装置710Bに入射するB光は、s偏光光に変換される。液晶光変調装置710Bに入射するs偏光光は、λ/2位相差板723Bによりp偏光光に変換される。p偏光光に変換されるB光は、ガラス板724Bおよび第1偏光板721Bをそのまま透過し、液晶装置720Bに入射する。液晶装置720Bに入射するp偏光光は、画像信号に応じた変調により、B光がs偏光光に変換される。液晶装置720Bの変調により、s偏光光に変換されるB光が、第2偏光板722Bから出射される。液晶光変調装置710Bで変調されるB光は、クロスダイクロイックプリズム712に入射する。
色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム712は、2つのダイクロイック膜712a、712bをX字型に直交して配置して構成される。ダイクロイック膜712aは、B光を反射し、G光を透過する。ダイクロイック膜712bは、R光を反射し、G光を透過する。このようなクロスダイクロイックプリズム712は、液晶光変調装置710R、710Gおよび710Bでそれぞれ変調されるR光、G光およびB光を合成する。
投射光学系714は、クロスダイクロイックプリズム712で合成される光をスクリーン716に投射する。これにより、スクリーン716上でフルカラー画像を得ることができる。
プロジェクター700は、前述の液晶装置100を備える。前述のように、液晶装置100は、高精細で光LLの利用効率の高く、さらには、戻り光がTFT260に入射するおそれを低減できる。そのため、係る液晶装置100を備えることで、プロジェクター700の明るさの向上を図ることができ、品質が優れるプロジェクター700を提供することができる。
なお、液晶装置100は、投射画像を観察する側から投射するフロント投射型プロジェクターに用いることも、投射画像を観察する側とは反対の側から投射するリア投射型プロジェクターに用いることもできる。
なお、液晶装置100を備える電子機器は、プロジェクターに限定されない。液晶装置100は、それぞれ、例えば、投射型のHUD(Head-Up Display)や直視型のHMD(Head Mounted Display)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として用いてもよい。
以上、本発明の液晶装置、液晶装置の製造方法、および電子機器は、前述の図示の実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、前述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。また、本発明は、各実施形態の任意の構成同士を組み合わせてもよい。
また、前述の説明では、スイッチング素子の一例はTFTであるが、スイッチング素子はこれに限定されず、例えば、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)等であってもよい。
2…素子基板、3…対向基板、5…液晶層、24…低屈折率絶縁体、25…高屈折率絶縁体、28…画素電極、261…走査線、262…データ線、263…容量線、265…遮光層、260…TFT

Claims (8)

  1. 透光性の画素電極と、
    前記画素電極に対して離間して配置され、前記画素電極側に開口する凹部が設けられる透光性の基材と、
    前記凹部内に配置され、前記基材の屈折率よりも高い屈折率を有する透光性絶縁体と、
    前記透光性絶縁体と前記画素電極との間に配置される透光性の第1絶縁体と、
    前記第1基板の厚さ方向からの平面視で前記第1絶縁体を囲み、前記第1絶縁体に接し、前記第1絶縁体の屈折率よりも低い屈折率を有する透光性の第2絶縁体と、
    前記第1絶縁体と前記透光性絶縁体との間に配置され、前記透光性絶縁体および前記基材と接する透光性および絶縁性の中間層と、を備えることを特徴とする液晶装置。
  2. スイッチング素子と、
    前記平面視で前記スイッチング素子と重なる遮光体と、を備える請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記基材の構成材料は、酸化ケイ素であり、
    前記透光性絶縁体の構成材料は、酸窒化ケイ素であり、
    前記中間層の構成材料は、酸化ケイ素である請求項1または2に記載の液晶装置。
  4. 前記基材の構成材料は、酸化ケイ素であり、
    前記透光性絶縁体の構成材料は、酸窒化ケイ素であり、
    前記中間層の構成材料は、窒化ケイ素である請求項1または2に記載の液晶装置。
  5. 前記第1絶縁体の幅は、前記画素電極から前記凹部の底面に向かって一定であり、
    前記透光性絶縁体の幅は、前記画素電極から前記凹部の底面に向かって一定である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶装置。
  6. 前記第1絶縁体の幅は、前記画素電極から前記凹部の底面に向かって変化し、
    前記透光性絶縁体の幅は、前記画素電極から前記凹部の底面に向かって変化しており、
    前記第1絶縁体の幅の変化率と、前記第1絶縁体の幅の変化率とは異なる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶装置。
  7. 凹部が設けられる基材の前記凹部に、前記基材の屈折率よりも高い屈折率を有する透光性絶縁体を形成し、
    前記透光性絶縁体上に、前記透光性絶縁体および前記基材と接する透光性および絶縁性の中間層を形成し、
    前記中間層上に、前記透光性絶縁体と前記中間層とが重なる方向からの平面視で前記透光性絶縁体に重なる透光性の第1絶縁体と、前記平面視で前記第1絶縁体を囲み、前記第1絶縁体に接し、前記第1絶縁体の屈折率よりも低い屈折率を有する透光性の第2絶縁体と、を形成し、
    前記第1絶縁体上に画素電極を形成することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液晶装置を備えることを特徴とする電子機器。
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