JP2019211424A - イメージング装置 - Google Patents

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Masahiro Tsuchiya
昌弘 土屋
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【課題】電界カメラなどのイメージング装置で、イメージング対象への背景ノイズの発生を抑制して明瞭な映像を得る。【解決手段】A)充分に低コヒーレントな光を周波数f1の第1信号で変調して出射する光源と、B)光源から出射された光を観察対象に照射する第1光路と、C)上記照射で入射した光を周波数f2の第2信号で変調した後に出射する観察対象と、D)観察対象から出射された光を上記2次元光センサに入射する第2光路と、E)光電変換素子を含み、入射した光を光電変換して2次元映像に変換可能な電気信号で周波数f1と周波数f2との差周波数の信号成分に相当する映像信号を含む電気信号を出力する2次元光センサと、を具備し、信号処理装置は、2次元光センサから出力された電気信号を2次元映像信号に変換して保存または伝送することにより、第2信号の振幅、位相、または周波数の分布をイメージング対象とする。【選択図】図1

Description

この発明は、高周波振動電界や高周波振動磁界等の2次元分布とその時間的空間的変化を実時間で低い画像ノイズのもとで可視化することができるイメージング装置に関する。
上記の高周波振動電界の2次元分布の可視化を実時間で行うものとしては、国立研究開発法人情報通信研究機構から報告された電界カメラ(非特許文献1)が知られており、これは、特許文献1に記載の電磁界高速撮像装置やその後の改良等に基づくものである。この電界カメラは、電気光学効果を介して光の超並列性と超高速性が重畳的に活用され、100GHzまでのマイクロ波帯の電界分布が実時間で撮像かつ表示される装置である。
従来の電界カメラのブロック図を図4(a)(特許文献2)、図4(b)(特許文献3)に示す。これらの図に示す構成はほぼ同じであるが主な相違点は、信号同期の形態である。
図4(a)、(b)の構成では、検体のデバイスに接近して設けられた電気光学結晶板(EO板)を通過する光の偏光状態がデバイスを発生源とする電界(主に、図4(a)はエバネッセント電界、図4(b)は電波の電界)で変調を受けるので、この光を偏光ビームスプリッタに通して強度変化に変換し、CMOSイメージセンサで、その強度変化の画像や映像を得るものである。その光源として、レーザ光源を用いる。なお、上記デバイスと上記光源には、上記CMOSイメージセンサの例えば映像同期信号に同期した高周波信号が印加される。
より具体的には、明滅光源から周波数fLOで振幅変調された偏光を照明光としてEO板に照射すると、検体(DUT)から浸み出すないし放射される周波数fRFのエバネッセント電界ないし電波の電界によりEO板の複屈折特性が変化することで、上記照明光の偏波状態には各位置の複屈折の変化を反映した変化が与えられる。このように偏波状態の変化した偏光を検光子を含む光学系で検出し、この2次元分布をイメージセンサで撮像する。これによって、上記照明光の変調周波数(fLO)と上記検体から放射される電磁界の周波数(fRF)との差周波成分(特許文献1の標記でΔf(=|fLO−fRF|))を含む検出光について上記イメージセンサの画素毎の信号が並列に得られる。この信号は、画素ごとに順次出力され、画像処理装置で演算処理の後、画像表示装置に表示される。
電界カメラ技術においても、電界映像の品質や分解能に改善が求められている。例えば、以下に挙げる対象の可視化を可能とするためである。
(イ)高強度電磁界に混在する微弱信号(回り込みや雑音)の撮像、
(ロ)シリコン集積回路内の微細パ夕ンにおける信号挙動の撮像。
従来これら品質や分解能の改善を阻害する要因に度々なっていたのは、光学系で生ずる干渉稿と光路が受ける擾乱によって生じる干渉縞の揺動であつた。つまり、イメージング結果に干渉縞が雑音要因として混入することで、映像品質が劣化し、空間分解能が制約されていた。
その例として、電界カメラによる微細パターン電界撮像の例で説明する。
図3(a)に、1.1GHz信号が印加された回路パターン(幅約1μm)の上記電界カメラ(図4(a))に備わるLED照明と光学像カメラにより撮像された光学像を示す。上記電界カメラでは、従来、上記照明光に半導体レーザ光を用いており、この強度分布(図3(c))には、複数の干渉縞が視認される。それを用いた撮影結果において図3(e)に示す様に元来の電界分布と無関係の干渉縞による擾乱等が雑音として重畳されており、電界映像の強度分布に擾乱を加えたり、その輪郭の変動を引き起こしたり、などの品質劣化を生じ、分解能が劣化する等の悪影響を与えることが明らかである。
この問題を解消するために、本発明では低コヒーレンス光源を用いる。
低コヒーレンス光源を用いる測定法やイメージング法には、低コヒーレンス干渉法、特にOCT(Optical Coherence Tomography:光コヒーレンストモグラフィー)が良く知られている。OCTでは、大概、低コヒーレンス光源のマイケルソン干渉計が用いられる。また観察する深さを指定するために移動鏡が用いられる。低コヒーレンス光源を用いることで深さ方向の距離分解能が高くなることが知られている。
上記図4(a)、(b)の電界カメラの例では、電界の画像化や映像化に上記OCTの様な光の干渉を用いるものでは無く、偏波状態の変化を用いるものであるので、観察対象の画像や映像については低コヒーレンス光源による深さ方向の距離分解能での上記と同じメリットは無いことが明らかである。
つまり、電界カメラの様に偏光状態の変化を用いるもので低コヒーレンス光源を用いることは、OCTと同様の効果を期待する発想では想到できないものである。この違いは、上記のOCTの場合は観察対象自体の画像や映像での深さ方向の分解能等を改善するものであるのに対し、本発明では、雑音となる干渉ノイズを低減することによるメリットを用いるものである点で相異していることに由来する。
また、本発明は、光源を周波数fの信号で最初に変調し、その変調された光が試料を透過または反射する際にその光を周波数fの信号で2度目の変調することで、2度目の変調を受けた光が入射するセンサから周波数f−fの(ヘテロダイン)信号を得る検出法とみることができる。
従来の分光法でこの検出法に近いものの1つに変調分光法があり、図5(a)、(b)が知られている。(a)は、光源をfの信号で変調し、この変調信号をセンサ出力の同期検波に用いるもので、(b)は試料をfの信号で変調し、この変調信号をセンサ出力の同期検波に用いるものである。
本発明では、センサに入射する光は、これら図5(a)と(b)に示す変調を重複して行うものである。つまり、光源をfの信号で変調し、試料をfの信号で変調する。但し、本発明では、図5(a)や(b)と同様な変調信号自体にあるいはその変調信号に同期した同じ周波数の信号による同期検波ではなく、fの信号とfの信号とのビート信号に信号処理と画像処理を施し、必要に応じて表示や伝送を行う。また、図5(a)、(b)の場合の光源には、コヒーレント光や単色光(輝線や狭帯域化された自然光)などが用いられるが、本発明では低コヒーレンス光源やコヒーレンス長を調整できる光源を用いる。
ここで、図5(a)、(b)の構成ではfの信号やfの信号を用いて同期検波を行うものであることから、これら図5(a)、(b)を組み合わせて用いる場合には、この同期検波の参照信号に用いる信号は、一義的に決まるものではなく、それらの組み合わせの構成に応じて選択する必要があることが明らかである。つまり、図5(a)、(b)の構成から、例えば図1(a)の構成に至るには、組み合わせ以外に、何らかの工夫が必要になることは明らかである。
図5(c)と(d)に、図4(a)と(b)それぞれの電界カメラにおける変調信号に注目したブロック図を示す。これらの構成は、上記の様に、光源での変調と試料での変調とを行うもので、それぞれのCMOSイメージセンサにfの信号とfの信号との合成信号を入力して同期検波を行うものに相当する。また、図5(c)と(d)の構成においては、従来、レーザ光源が用いられてきたが、本発明では、低コヒーレンス光源やコヒーレンス長を調整できる光源を用いる点で異なるものである。
特開2008−20304号公報 特開2016−176887号公報 特開2017−156248号公報
M. Tsuchiya and T. Shiozawa, "Photonics makes microwaves visible," Research Highlights, IEEE Photonics Society Newsletter, Vol, 26, Number6, December 2012, pp,9-17.
上記電界カメラなどの光の偏波状態の変化をセンサから読出すイメージング装置において、光路が受ける擾乱によって生じる干渉稿やその揺れを原因とする画像ノイズの強度を抑制して、イメージング対象の明瞭な画像を得る。
なお、ここで言うイメージング対象は観察対象における潜像であり、観察対象は光を照射してその反射光や透過光で観察する対象である。
光源と、観察対象と第1光路と第2光路と2次元光センサと信号処理装置とを備え、上記観察対象における潜像を読み出せるイメージング装置で、
上記潜像は、上記観察対象の内部または表面に、自発的にまたは環境に依存して形成されたものであり、
上記光源は、低コヒーレンス光を周波数fの第1信号で変調した光を出射するものであり、
第1光路は、上記光源から出射された光を上記観察対象に照射するものであり、
上記観察対象は、上記照射で入射した光を周波数fの第2信号で変調した後に出射するものであり、
第2光路は、上記観察対象から出射された光を上記2次元光センサに入射するものであり、
上記2次元光センサは、光電変換素子を含み、入射した光を光電変換して2次元映像に変換可能な電気信号で周波数fと周波数fとの差周波数の信号成分に相当する映像信号を含む電気信号を出力することで上記潜像を読み出すものであり、
上記信号処理装置は、2次元光センサから出力された電気信号を2次元映像信号に変換して保存または伝送することにより、
上記第2信号の振幅、位相、または周波数の分布をイメージング対象とするものである。
また、上記光源の出射光のコヒーレンス長は、該出射光の第1光路および第2光路における干渉光による上記イメージング対象の画像または映像への擾乱を抑制できる長さであることを特徴とする。
また、上記イメージング装置の外部からそのコヒーレンス長を調整可能な光源であり、雑音となる干渉パターンが消えるコヒーレンス長を有する光源であることが望ましい。
また、上記周波数fの信号と周波数fの信号とは、互いに同期した信号である。ここで言う同期とは、一定の複数周期ごとに同期する状態も含むものとする。
また、上記観察対象は、入射した光を変調して出射する光機能性物質であって、
上記光機能性物質は、電界、磁界、振動場、放射線ビーム照射、電波照射、あるいは光照射のいずれかの変調場に配置され、このいずれかの変調場によって変調されるものであり、上記変調場をイメージング対象とすることを特徴とする。
また、第1光路上に偏光子と偏波コントローラーを第2光路上に検光子を備え、上記光機能性物質は旋光性物質であることを特徴とする。また、偏波コントローラーは第2光路上にも設けることが望ましく、第1光路上の光と第2光路上の光は同一の偏波コントローラーを逆方向に進む構成であってもよい。
また、上記旋光性物質は、電界中に置かれたEO結晶または磁界中に置かれたMO結晶であることを特徴とする。
高周波振動電界や高周波振動磁界等の2次元分布とその時間的空間的変化を実時間で可視化するイメージング装置において、雑音が本発明によって抑制されるので、観察しようとする検体のイメージ画像が雑音と同化したりそれに埋もれたりすることで、輪郭が曖昧になることを防止することができる。
(a)は第1実施例を、(b)は第2実施例を、(c)は第3実施例を、(d)は第4実施例を示すブロック図である。 第5実施例を示すブロック図である。 第6実施例に対応するもので、実施例5のイメージング装置の実証実験を行った結果を示す図である。 従来の電界カメラの例を示すブロック図であり、(a)は、検体のデバイスと光源には、CMOSイメージセンサの映像同期信号に同期した高周波信号が印加されるものであり、(b)は、検体からの信号とCMOSイメージセンサからの信号を合成して光源を変調するものである。この合成についてより正確には、検体からの信号に対してCMOSイメージセンサのサンプリング周波数分だけシフトさせた信号成分を、CMOSイメージセンサからの信号と同期させて発生させ、それにより光源を変調するものである。 (a)、(b)は従来の変調分光法を示すブロック図であり、(c)、(d)は、それぞれ図4(a)、(b)に示す電界カメラにおける変調信号に注目したブロック図を示す。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
先ず、光源からの光のコヒーレンス性について説明する。例えば、電界カメラで電界映像取得のためにレーザ光を用いると、レーザ光の特徴である高いコヒーレンス性による干渉縞が発生することが知られている。しかし、顕微鏡等で光学的観察を行う場合、光源のコヒーレンス性については、二律背反があることが知られている。つまり、一方では、上記OCTの場合の様に、上記コヒーレンスを低減させれば、干渉縞が抑圧される。他方では、光変調を行う場合の様に、高速光変調器では光のコヒーレンスに基づく干渉効果が利用されているため、一定値以上のコヒーレンスが求められている。
本発明はヘテロダイン周波数変換を行うものであり、このためのヘテロダイン周波数変換機能には高周波変調光が用いられる。このため、光源の上記コヒーレンス性については、光源を含む光学系コヒーレンスの適正化が求められる。換言すると、高周波光変詞を可能とするものの、干渉縞発生は抑制されるという光学系コヒーレンスの最適化が求められる。
表1に、光学系コヒーレンスが、(A)高い場合、(B)適正な場合、(C)低い場合のそれぞれについて、干渉性、最大変調周波数およびイメージング性能の傾向を示す。
図1(a)に、第1の実施例のブロック図を示す。この例は、光源1と、観察対象2と第1光路7と第2光路8と2次元光センサ3と信号処理装置4とを備えるものである。上記光源1は、低コヒーレンス光を信号源5からの周波数fの第1信号で変調した光を出射するものであり、その出射光のコヒーレンス長はコヒーレンス長制御信号15によって上記光源の外部からの操作で調整することができる。この調整では、雑音となる干渉パターンが消えるコヒーレンス長を有する光源となるようにすることが望ましい。
第1光路7は、上記光源1から出射された光を上記観察対象2に照射する光路である。この光は、2次元の広がりを持ったものであるが、線状や点状に集光された光を掃引して実質的に2次元状の領域をカバーする広がりを持った光でもよい。
上記観察対象2は、上記照射で入射した光を信号源6からの周波数fの信号で変調した後に出射する材料を含み2次元広がりを持った物体である。また、上記の周波数fの信号は、上記観察対象の領域で2次元分布を持った信号である。この2次元分布は、本発明のイメージング対象であって、例えば、位相分布、強度分布、周波数分布等である。
第2光路8は、上記観察対象から出射された光を上記2次元光センサ3に入射するものである。
上記2次元光センサ3は、光電変換素子を含み、入射した光を光電変換して2次元映像に変換可能な電気信号で周波数fと周波数fとの差周波数の信号成分に相当する映像信号を含む電気信号を出力するものである。
上記信号処理装置4は、上記2次元光センサ3から出力された電気信号を映像信号に変換して表示、保存または伝送するものである。
上記の変調には、光機能性物質を観察対象に用いる。
例えば、変動電界で変調することができる電気光学(EO)結晶を用いる。EO結晶では吸光度が変化するものや、屈折率が変化するものが知られている。吸光度の変化では、電界吸収効果、フランツ・ケルディッシュ効果、量子閉じ込めシュタルク効果、エレクトロクロミック効果等を示す物質が知られており、状況に応じて選択することができる。また、屈折率の変化では、1次電気光学効果であるポッケルス効果や2次電気光学効果であるカー効果、あるいは電気旋光効果等を示す物質が知られており、状況に応じて選択することができる。
また、上記光機能性物質には変動磁界で変調することができる磁気光学(MO)結晶を用いる。MO結晶では、透過光の偏光面が回転するファラデー効果、反射光の偏光面が回転する磁気光学カー効果、非線形効果、磁気フォトニック結晶による磁気光学効果等が知られており、状況に応じて選択することができる。
また、振動場(振動環境)においては、光ファイバーの種々の感応性を用いた光変調や、圧電効果を用いた光変調が良く知られており、平面状の光入射面が構成されるようにこれらを配列することで振動場の2次元分布を反映した光変調を行うことができる。
例えば、上記観察対象を通じて観察しようとする変調場としては、光源1を変調する信号源5の周波数と一致する周波数を含むその近傍の帯域とし、信号源5の周波数を掃引することで、上記変調場における2次元分布に周波数分布を加えた3次元イメージを得ることができる。
また生体組織等の組成分析を行う際に、その生態組織に信号源6からの信号として変調した所定波長の光信号を照射することで、光源1からの光でその組織を透過する光や反射する光を変調する。これにより、特定の物質分布を選択的に反映した光信号を得ることが出来る。
上記の構成であるため、図1(a)に示す装置を用いることによって、信号源6からの2次元分布を持った上記信号の分布状態のイメージを、変調周波数fとfとの差に周波数変換された信号として容易に得ることが出来る。
図1の構成において、変調周波数fまたはfを変化させる際に、fとfとの差周波数が一定になるように変化させることで、その差周波数の信号が微弱で信号増幅を行う必要がある場合でも、上記変調周波数の広い範囲に渡って、一定の増幅度での変調分光を行うことができる。
図1(b)に、観察対象1の表面や裏面、あるいは内部等で反射する光を用いる場合の実施例を示す。この例は第1光路7から第2光路8までの構成が図1(a)と異なる。この場合の第1光路7は反射鏡10で折り曲げられた光路であり、この第1光路7を通じて観察対象2に照射された光は、観察対象2で反射され、第2光路8を通じて2次元光センサ3に入射する。上記観察対象2に入射した光は、その表面で反射されるか、その内部に浸透してから反射されるか、あるいは裏面に設けられた反射板や反射膜で反射されるが、その反射または透過の際に周波数fの信号で変調される。
図1(c)は、第1光路7上に偏光子11と偏光回転子12を配置し、第2光路8上に検光子13を配置した点が図1(b)に示す構成と異なる。また、観察対象に旋光性物質を用いるものである。例えば、EO結晶やMO結晶で電気旋光性や磁気旋光性を示す物質を観察対象3に用いる。
また、光源1の出力光が充分に偏光し、かつ、光源1をその出射光路を軸にして回転することができる場合は、光源1を回転するなどしてこの偏光の向きを調整することで、偏光子11と偏光回転子12を省くことが出来る。
また、偏光方向に依存しないイメージを得る場合は、偏光回転子12の代わりに、4分の1波長板を設けて円偏光または楕円偏光を観測対象に照射することが望ましい。
図1(d)は、図1(c)の偏光子11と検光子13とを、偏光分岐器14を用いることで省いた構成である。この場合、光源1の出力光が充分に偏光し、かつ、偏光分岐器14で反射する偏光に対してこの偏光の主軸の傾きが充分に整合しているものとしている。上記整合が充分でない様であれば、図1(c)の場合と同様に偏光回転子12、あるいは/および、偏光コントローラーを設けることが望ましい。
本発明のイメージング装置の1例として電界イメージング装置のブロック図を図2に示す。光源1は、スーパールミネッセントダイオード(SLD)を用いた光源である。このSLDは、波長780nmでコヒーレンス長が25ミクロン以下の光を出力する。このSLDに流す電流値を外部からの制御で調整することによって出力光のスペクトル幅を調整する。図2の構成では、信号源5からの信号で変調された光源1からの光を、光ファイバーで導いて出射端20から出射し、ビームスプレッダ21で出射端20からの光のビーム径を拡大し、4分の1波長板23で円偏光を直線偏光に変換し、半波長板23で偏波面を回転して偏光分岐器14を透過するように調整する。偏光分岐器14を透過した光は、半波長板25を透過した後、4分の1波長板26により円偏光に変換され、ダイクロイックミラー27で反射され、集光系28で集光され、観察対象2に照射される。観察対象2では、その近傍の高周波電界によって、観察対象2を構成する電気光学結晶板(EO結晶、例えばZnTe結晶)の複屈折率が変化する。この複屈折率の変化で、観察対象2に入射した光源1からの光を変調する。
この観察対象2のイメージング対象に近い面には、高反射率膜(HR)処理が施されており、この観察対象2に入射した偏光は、上記電気光学結晶板を透過した直後にこの高反射率膜で反射され、再び上記電気光学結晶板を透過して偏光変調を受け楕円偏光となる。その後ダイクロイックミラー27で反射され、4分の1波長板26と半波長板25を透過する。光源1からの光が上記電気光学結晶で反射されて偏光分岐器14に至る光路で、半波長板25と4分の1波長板26間での往路と復路における楕円偏光の状態が変わることになるので、この状態の変化分を偏光分岐器14で選択し、2次元光センサ3で検出する。2次元光センサ3の出力は、コンピュータ(PC)を用いた信号処理装置4で、デジタル直交検波に必要な画像処理や演算処理が施され、また必要に応じて平均化等の統計処理や表示フレームレートへの変換がなされ、表示される。
また、上記電気光学結晶板の光学画像は、640nm発光のLEDによる照明光源31下で、半透過鏡29とダイクロイックミラー27を介して、CCD型撮像装置30により撮像され、信号処理装置4で、2次元光センサ3による画像と重畳されて表示される。上記高反射率膜(HR)は、照明光源31の光に対して透過する特性を有する。光源1の出射する光の波長は、照明光源31からの照明光の波長とはダイクロイックミラー27で十分に分離できるものであることが望ましく、また、照明光源31からの光は、偏光ビーム分岐器で2次元光センサ3の方に反射されにくい配置や偏光特性を持っていることが望ましい。
この2次元光センサ3には、種々のものを使用することができるが、この例ではCMOS型撮像装置である。CCD型のものを使用することも可能であるが、高フレームレートで撮像する場合は、ノイズ特性が良好なこともありCMOS型撮像装置の方が適している。
イメージング対象は、例えば、集積回路近傍の位相分布や信号強度分布である。上記集積回路は、2次元光センサ3を制御するクロックに同期した信号源6からの信号で動作しているものである。光源1を変調する変調信号は、2次元光センサ3を制御するクロックに同期した信号源5からの信号である。
また、イメージング対象が例えば自律動作の集積回路の近傍の電界である場合は、信号源6からの信号の代わりに、図4(a)に示す様に、その集積回路からの信号をアンテナで拾った信号と2次元光センサ3からの信号とを周波数シフターで合成して生成した信号を用いてもよい。そのような周波数シフターとしては、イメージ除去ミキサーや単側帯波ミキサーなどがある。
観察対象2に磁気光学結晶板(MO結晶、例えばビスマス・鉄・ガーネット(BIG)、イットリウム・鉄・ガーネット(YIG)等)を用いることで、磁界分布のイメージングを行う磁界イメージング装置を構成することができる。
図2の構成は、図4(a)の構成における光源(Optical LO source)を、出射光のコヒーレンス長をその外部から調整可能な低コヒーレンス長の光源に換えたものに相当する。
これと同様に、図4(b)構成における光源(明滅光源)を、出射光のコヒーレンス長をその外部から調整可能な低コヒーレンス長の光源に換えることによっても、光学系で生ずる干渉稿と光路が受ける擾乱によって生じる干渉縞の揺動によって干渉縞が雑音(バックグラウンドノイズ)として混入することで映像品質が劣化する、という問題を解消することができる。
図4(a)に示す構成をみると、寄生光共振器が形成される可能性のある構成であることが分かる。例えば、半波長板と観察対象の表面間、半波長板とビームスプリッタの表面間、観察対象と変調場の生成源となる検体間などである。この寄生光共振器は、完全に平坦な平面鏡によって構成されたものでないため、この寄生光共振器にコヒーレンスの高いレーザ光を用いることで明暗のパターン、すなわち干渉ノイズが生じる。この干渉ノイズは、観察下のイメージング対象自体のみに関するノイズでは無く、観察下の対象全体に対する雑音である。
実施例5のイメージング装置の実証実験を行った。適正なコヒーレンス長の光の光源1としてSLD(スーパ一ルミネッセントダイオード)を用いた。SLDの特色として、その出力光は広いスペクトル幅を有しコヒーレンス長も短いこと、また、それらのスペクトル幅やコヒーレンス長はSLDに流す電流値に依存することが知られている。一般に、その電流値の増大に伴って出力強度が増大するが、そのスペクトル幅が広くなることでコヒーレンス長は短くなることが知られている。この相関を用いて、その電流値を変えることでそのスペクトル幅やコヒーレンス長の調整は可能であり、観察時の倍率等に併せて調整することが望ましい。それらスペクトル幅やコヒーレンス長の可変範囲は個別のSLD素子特性に依存する。本実施例の場合のその出力光のスペクトル幅は、半導体レーザの出力光と比較すると格段に広く、約40nmに及ぶ。また、そのコヒーレンス長も十分に低減されており、約20μmからサブミクロン程度まで調整可能である。
図3(a)に、1.1GHz信号が印加された回路パターン(幅約1μm)の電界カメラ(図4(a))による光学像(Optical Image sensorによる像)を示す。これは、図4(a)における光学像カメラ用の照明にLEDを用いたものである。また、この電界カメラでは、回路パターンに密接した電気光学結晶(ZnTe Layer)に、レーザ光源からのレーザ光をコリメータレンズ、偏光コントローラー、偏光ビーム分岐器、他の偏光コントローラー、ダイクロイックミラー、対物レンズ等を介して照射する。この照射されたレーザ光は、上記電気光学結晶を往復する様に反射され、対物レンズ、ダイクロイックミラー、偏光コントローラー、偏光ビーム分岐器、結像レンズを介して、この反射されたレーザ光がCMOSイメージセンサに達した際に、その光強度分布が撮影される。その結果を図3(c)に示す。図3(c)から分かる様に、複数の干渉縞が視認される。
また、この半導体レーザからの高コヒーレント光を用いて電界分布を撮影した結果を図3(e)に示す。図(e)では、左から振幅分布を示すマグニチュード(Magnitude)像、位相分布を示すフェーズ(Phase)像、振幅と位相の双方が示されるフェーザー(Phasor)像である。これらの各図には、図3(c)に見られる干渉縞の影響である雑音が現れている。
これに対して、図3(b)は、レーザ光源の代わりにSLDを用いて図2に示す構成とした場合に、電気光学結晶を往復するように反射される低コヒーレントなSLD光の強度分布をCMOSイメージセンサで撮影した結果である。また、この低コヒーレントなSLD光を用いて電界分布を撮影した結果を図3(d)に示す。左からマグニチュード像、フェーズ像、フェーザー像である。図3(e)と(d)との比較から、背景となる干渉ノイズが改善されていることが明確である。
図3(e)では、元来の電界分布にそれと無関係の雑音が重畳されている。このため、電界映像の輪郭の変動を引き起こすなどの品質劣化を生じ、分解能が変動する等の悪影響が見られる。
上記のように、光源にSLDを用いたことで、雑音となる干渉縞がほぼ完全に消滅し、従ってその干渉稿の揺動による影響も解消された。また、コヒーレンス長の短いSLDを変調することによる変調光でも十分な光束変調特性も確保されており、電界カメラの基本機能は損なわれていない。
本発明は、センサとなる観察対象を選択することで電界や磁界の2次元画像やその時間変化の2次元映像をイメージング対象として扱うことができることは明らかである。また、その他の変調場である振動場、放射線ビーム照射、電波照射、あるいは光照射で入射した光を変調して出射する光機能性物質を用いて、振動場、放射線ビーム照射、電波照射、あるいは光照射の変調場の強度分布等をイメージング対象とするように容易に拡張することができる。
上記に加えて、コヒーレンス長の短い光源を用いることで、雑音である干渉ノイズを解消することができるため、鮮明な映像を得ることができる。
1 光源
2 観察対象
3 2次元光センサ
4 信号処理装置
5、6 信号源
7 第1光路
8 第2光路
10 反射鏡
11 偏光子
12 偏光回転子
13 検光子
14 偏光分岐器
15 コヒーレンス長制御信号
20 出射端
21 ビームスプレッダ
22 接眼レンズ
23 4分の1波長板
24、25 半波長板
26 4分の1波長板
27 ダイクロイックミラー
28 対物レンズ
29 半透過鏡
30 撮像装置
31 照明光源

Claims (6)

  1. 光源と、観察対象と第1光路と第2光路と2次元光センサと信号処理装置とを備え、上記観察対象における潜像を読み出せるイメージング装置で、
    上記潜像は、上記観察対象の内部または表面に自発的にまたは環境に依存して形成されたものであり、
    上記光源は、低コヒーレンス光を周波数fの第1信号で変調した光を出射するものであり、
    第1光路は、上記光源から出射された光を上記観察対象に照射するものであり、
    上記観察対象は、上記照射で入射した光を周波数fの第2信号で変調した後に出射するものであり、
    第2光路は、上記観察対象から出射された光を上記2次元光センサに入射するものであり、
    上記2次元光センサは、光電変換素子を含み、入射した光を光電変換して2次元映像に変換可能な電気信号で周波数fと周波数fとの差周波数の信号成分に相当する映像信号を含む電気信号を出力することで上記潜像を読み出すものであり、
    上記信号処理装置は、2次元光センサから出力された電気信号を2次元映像信号に変換して保存または伝送することにより、
    上記第2信号の振幅、位相、または周波数の分布をイメージング対象とするものであることを特徴とするイメージング装置。
  2. 上記光源の出射光のコヒーレンス長は、該出射光の第1光路および第2光路における干渉光による上記イメージング対象の画像または映像への擾乱を抑制できる長さであることを特徴とする請求項1に記載のイメージング装置。
  3. 上記周波数fの信号と周波数fの信号とは互いに同期した信号であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載のイメージング装置。
  4. 上記観察対象は、入射した光を変調して出射する光機能性物質であって、
    上記光機能性物質は、電界、磁界、振動場、放射線ビーム照射、電波照射、あるいは光照射のいずれかの変調場に配置され該変調場によって変調されるものであり、
    上記変調場をイメージング対象とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のイメージング装置。
  5. 第1光路上に偏光子と偏波コントローラを第2光路上に検光子を備え、上記光機能性物質は旋光性物質であることを特徴とすることを特徴とする請求項4に記載のイメージング装置。
  6. 上記旋光性物質は、電界中に置かれたEO結晶または磁界中に置かれたMO結晶であることを特徴とする請求項5に記載のイメージング装置。
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