JP2019211418A - 放射性セシウム含有物質から放射性セシウムを除去する方法 - Google Patents

放射性セシウム含有物質から放射性セシウムを除去する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性セシウム含有物質(例えば焼却灰)から放射性セシウム)を分離し、濃縮回収することによって放射性セシウム含有物質中の放射性セシウム濃度を低減し得る方法を提供することを目的とする。【解決手段】放射性セシウム除去方法は、放射性セシウム含有物質から放射性セシウムを洗浄液で抽出し、抽出された放射性セシウム含有の洗浄液を、2以上の吸着手段に通液することで放射性セシウムを当該吸着手段に吸着させ、最上流側の吸着手段にのみ溶離液を通液することで当該最上流側の吸着手段に吸着された放射性セシウムを溶離し、溶離された放射性セシウム含有の溶離液を再利用する。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性物質含有物質から放射性セシウムを除去するための方法に関する。
放射性セシウムに汚染された廃棄物を焼却すると、放射性セシウムが焼却主灰や焼却飛灰に濃縮される。これら焼却灰は、放射性セシウムの濃度が8000Bq/kg以下であれば、通常の管理型埋立処分場にて埋立処分することができる。しかし、焼却灰、特に焼却飛灰中の放射性セシウム濃度は、8000Bq/kgを超えることが多く、また、埋立処分場近隣の住民感情から8000Bq/kgを下回る焼却灰でも埋立処分することができない状況も大いに想定される。
例えば、焼却灰中の放射性セシウムの多くは、塩化セシウムなどの水に可溶な形態で存在している場合が多い。したがって、焼却灰を水洗し、固液分離することによって液層に放射性セシウムを移行させることで焼却灰中のセシウムを除去する方法がある。液層に移行した放射性セシウムは、さらに、ゼオライトやプルシアンブルーなどの吸着剤に吸着させ、液層から除去する(以下、「従来方法1」という。)。
また、焼却灰から放射性セシウムを除去する方法として、以下の方法が知られている(特許文献1参照)。この方法では、(1)焼却灰と無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物との混合物中における無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物の割合が3質量%以上30質量%となるように無機カルシウム化合物又は500℃以上の酸化雰囲気下で酸化カルシウムを生成する有機カルシウム化合物を添加し、さらに焼却灰と無機カルシウム化合物又は有機カルシウム化合物との混合物の質量に対して0.5質量%を超え10質量%以下となるように塩化ナトリウムを添加する添加工程と、(2)1000℃以上1200℃以下で30分以上120分以下の時間加熱処理することにより、前記添加工程後の焼却灰から放射性セシウムを揮発させる加熱工程と、(3)加熱工程によって焼却灰から揮発した放射性セシウムを回収する回収工程と、を有する。
また、放射性セシウム汚染飛灰の処理システムが知られている(特許文献2参照)。このシステムは、ゼオライト系吸着剤又は珪チタン酸系吸着剤が充填された第1カラムと、輸送されてきた飛灰抽出液を前記第1カラムの始端に入力させる第1配管と、フェロシアン系吸着剤が充填された第2カラムと、前記第1カラムの終端と前記第2カラムの始端とを接続する第2配管とを備える。
特開2014−174090 特開2015−1447
上記従来方法1は、焼却飛灰を水洗浄等によって埋立処分が可能なレベルまで放射性セシウムを除去した際に、重金属の溶出を防止するために、固液分離後に得られる洗浄飛灰にキレート剤を添加する。固液分離後の洗浄飛灰に均一にキレート剤を混合するには新たに混合槽を設置する必要がある(キレート処理の問題点)。
また、飛灰中に含まれる放射性セシウムを水洗浄により抽出した場合には、スラリーをフィルタプレス等の装置へ搬送し固液分離する。この工程後に得られた洗浄飛灰が8000Bq/kgを超えた場合、もしくは8000Bq/kg以下であっても目標とする濃度レベルまで洗浄飛灰の放射能濃度が下がらなかった場合には、洗浄飛灰を飛灰洗浄槽へ返送して再度水洗浄等により処理する。そのため、操作が煩雑となるだけでなく、設備費の上昇を招く(洗浄工程の問題点)。
また、飛灰洗浄液中の放射性セシウムはゼオライトやプルシアンブルーなどの吸着剤によって吸着除去される。吸着処理後、放射性セシウムは吸着剤と共に放射性物質汚染廃棄物として処分されるが、吸着処理する飛灰洗浄液中のセシウム濃度によって当該廃棄物の放射能濃度が変動するため、所望の放射能濃度に調整することが難しい(濃縮倍率の調整の問題点)。
また、飛灰洗浄液中の放射性セシウムをそのままの状態(液体)で密閉容器等に保管することもできるが、長期的な視点で考えると容器の亀裂・破損に伴う漏洩のリスクがさけられない。そのため、飛灰洗浄液をゼオライト等の吸着剤で処理し、放射性セシウムを固相に移行させることが行われている。しかし、この方法では吸着処理後に固相(吸着剤)も廃棄しなければならないため、減容化の観点からは最適な方法とは言い難い(溶離液の固化方法の問題点)。
上記問題に鑑みて、本発明は、放射性セシウム含有物質(例えば焼却灰)から放射性セシウム)を分離し、濃縮回収することによって放射性セシウム含有物質中の放射性セシウム濃度を低減し得る方法を提供することを目的とする。
本発明の放射性セシウム含有物質から放射性セシウムを除去する方法は、
放射性セシウム含有物質から放射性セシウムを洗浄液で抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された放射性セシウム含有の洗浄液を、直列に配置された2以上の吸着手段に通液することで放射性セシウムを当該吸着手段に吸着させる吸着工程と、
前記吸着手段の内、直前の吸着工程において最上流側の吸着手段にのみ、溶離液を通液することで当該最上流側の吸着手段に吸着された放射性セシウムを溶離(脱離)する溶離工程と、
前記溶離工程で吸着手段から溶離された放射性セシウム含有の溶離液(回収溶離液)を回収溶離液槽に貯留する仮貯留工程と、
前記仮貯留工程で貯留されている回収溶離液の放射能濃度が所定濃度以下の場合まで、当該回収溶離液を前記溶離工程で繰り返し使用し、高濃度放射性セシウム含有の回収溶離液(放射性セシウムの濃度が濃縮された溶離液、以下「濃縮回収溶離液」とも称することがある。)を得る繰返工程(「濃縮工程」と称することがある。)と、
前記仮貯留工程で貯留されている高濃度放射性セシウム含有の回収溶離液の放射能濃度が所定濃度を超えた場合に、当該高濃度放射性セシウム含有の回収溶離液を固定化剤に吸着させる溶離液固定化工程と、を含む。
前記吸着手段は、放射性セシウムの選択性が高く、吸着および脱着が可能な吸着剤を有する構成であることが好ましい。
この構成によれば、2以上の吸着手段を直列に配置することで、上流側の吸着手段ほど多くの放射性セシウムが吸着される。そのため、吸着手段から放射性セシウムを溶離(脱離)する際には、上流側の吸着手段にのみ溶離処理のための洗浄を行う。これにより、洗浄時間を短縮することができる。
また、本発明の方法は、
前記溶離工程における溶離後の吸着手段を洗浄する吸着手段洗浄工程をさらに含んでいてもよい。
また、本発明の方法は、
前記溶離工程における溶離後の吸着手段が最下流側に配置されるように、吸着手段間の前記放射性セシウム含有の洗浄液の通液ラインを切替える通液ライン切替工程をさらに含んでいてもよい。
また、次の吸着工程において、最上流側の吸着手段が最下流に配置され、直前の吸着工程で第2番目に上流側に配置されていた吸着手段が最上流側の吸着手段となるように、通液ラインが切り替わる。これによって、上流側の吸着手段ほど、放射性セシウムがより多く吸着されることになり、溶離工程においては放射性セシウムがより多く吸着されている最上流側の吸着手段を溶離処理(放射性セシウムの脱離処理)することになるため、吸着効率を高めることができると共に、全ての吸着手段に対し溶離処理をするよりも時間短縮され、溶離効率も高くできる。
また、本発明の方法は、溶離処理(放射性セシウムの脱離処理)中において、それ以外の吸着手段で、吸着処理(工程)を実行するように構成してもよい。各吸着手段は通液ライン(配管)でつながれ、この通液ライン(配管)上にバルブが設けられており、上記処理が可能なように通液ラインを切り換える構成である。1の吸着手段で溶離処理を実行している間も、他の吸着手段で吸着処理を行える。
上記繰返工程によって、回収した溶離液(以下「回収溶離液」と称することがある。)を再度溶離液として利用することで、回収溶離液槽に仮貯留された回収溶離液を、そのまま再利用せずに廃棄する場合にくらべ、放射性廃棄物量を低減できる(減容化できる)。繰り返し使用することで、回収溶離液中の放射性セシウム濃度を繰り返し回数に比例して高めることできる。溶離液(回収溶離液)の利用回数としては、予め実験した結果から設定することが好ましい、例えば2以上10回以下が好ましい。溶離液(回収溶離液)を繰り返し使用することで、溶離液の使用量を削減でき、さらに溶離液中の放射性セシウム濃度(濃度範囲)を任意に調整することができる。
上記溶離液固定化工程によれば、高濃度の放射性セシウム含有の回収溶離液(濃縮回収溶離液)をそのままの状態または中和処理後に固定化剤と接触させ、放射性セシウムを固定化剤に吸着させる。これにより放射性セシウムを安定化、固定化させることができる。固定化剤としては、例えば、ゼオライト、プルシアンブルーなどのセシウムを吸着して固定化するものが好ましい。固定化剤への吸着(固定化)は、カラムのような通液タイプの方法でもよい。濃縮回収溶離液と吸着剤を攪拌機またはポンプ等で固液攪拌する方法がより好ましい。これら固定化剤に、洗浄工程後の洗浄液中のセシウムをそのまま吸着させるよりも、濃縮回収溶離液中のセシウムを吸着させた方が固定化剤の使用量が少なくて済み、最終廃棄物の減容化を図ることができる。洗浄液をそのままゼオライトに吸着する場合には、ゼオライトにアルカリ金属(Na、K)も吸着されるため、セシウムの吸着量が少なくなる(吸着性能が低い)。一方、濃縮回収溶離液の場合は、競合するアルカリ金属が少ないためセシウムを効率よく吸着できる。また、液状の放射性セシウムを固定化することで、漏洩リスクも軽減できる。
また、本発明の方法は、前記抽出工程で抽出された放射性セシウム含有の洗浄液を洗浄液槽に貯留する洗浄液貯留工程を含んでいてもよい。
また、本発明の方法は、次の溶離工程前に予め行う工程であって、洗浄液槽で測定される放射能濃度(Sv0)と各吸着手段で測定される放射能濃度(Svi:i=1〜n個(吸着手段の個数))に基づいて、次の吸着工程で前記吸着手段に吸着される放射性セシウム量を算出(予測)し、次の溶離工程で溶離される(であろう)放射性セシウムの溶離液中の放射能濃度(Sv(n+1))を予め算出(予測)する第1算出工程と、
前記回収溶離液槽の放射能濃度(Sv(n+2))と、前記第1算出工程で算出された溶離液の放射能濃度(Sv(n+1))とを加算することで、次の溶離工程後の前記回収溶離液槽の溶離液の放射能濃度(Sv(n+2)’)を算出する第2算出工程と、を含み、
前記繰返工程は、前記第2算出工程で算出された放射能濃度(Sv(n+2)’)が所定濃度を超えていなければ、回収溶離液での溶離工程を繰り返す。
前記所定濃度は、放射能遮蔽構造によって異なる設定を用いてもよく、例えば、遮蔽構造の外側で作業者の被曝線量が25μSv/hを超えないように設定してもよい。
また、前記繰返工程において、所定回数(例えば実験値から求める)繰り返した場合に、または前記第2算出工程で算出された放射能濃度が所定濃度を超えた場合に、次の溶離工程は、新しい溶離液を用いる。新しい溶離液を溶離液槽(あるいは新しい回収溶離液槽)に投入する。新しい溶離液で溶離処理(工程)をする場合には、新たに設置された回収溶離液槽に、溶離液を送る。直前の回収溶離液槽の濃縮回収溶離液(所定回数繰り返した回収溶離液または第2算出工程で算出された放射能濃度が所定濃度に達した回収溶離液)は、溶離液固定化工程に供される。
洗浄液槽(好ましくはその下部)、各吸着手段(好ましくはその通液出口部、その出口側配管)、回収溶離液槽(好ましくはその下部)のそれぞれに、空間線量計または放射能濃度計を設置する。予め空間線量計と放射能濃度計の指示値の相関関係を求め、空間線量計の指示値を放射能濃度に換算する。
例えば、吸着手段を3つとした場合の繰返工程について説明する。3つの吸着手段を直列に配置し、通液の上流側から吸着手段をK1、K2、K3とし、それぞれの放射能濃度の指示値をSv1、Sv2、Sv3とする。第1吸着処理において、吸着手段は上流側からK1、K2、K3の順番で通液されるように通液ラインが構成される。各ラインに設置された各仕切弁を自動または手動で開または閉にすることで通液ラインを構成することができる。
例えば、第m回目溶離工程前(あるいは第m回目吸着工程前、つまり第(m−1)回目溶離工程後)において、第m回目吸着工程前(第m−1回目吸着工程後)の洗浄液槽で測定される放射能濃度(Sv0)と各吸着手段(K1、K2、K3)で測定される放射能濃度(Sv1、Sv2、Sv3)との積算値から、各吸着手段に吸着される放射性セシウム量を算出し、第m回目溶離工程後の溶離液の放射能濃度(Sv4)を算出する。次いで、回収溶離液槽の回収溶離液の放射能濃度(Sv5)と上記放射能濃度(Sv4)とを加算し、第m回目溶離工程後の回収溶離液槽の回収溶離液の放射能濃度(Sv5’)を算出する。
(溶離液中の放射性セシウムの濃度調整)
洗浄液層、回収溶離液槽、各吸着手段には、例えば放射能濃度計が設置される。
(1)抽出工程後の洗浄液槽(洗浄液)の放射能濃度:A[Bq/kg]
洗浄液の通液量:B[kg]
(2)各吸着手段の出口の放射能濃度:C[Bq/kg]
(3)回収溶離液槽(回収溶離液)の放射能濃度:Ta[Bq/kg]
ここで、1回あたりの放射性セシウムの吸着量Xは、
X=(A−C)×B[kg]
吸着量Xから回収溶離液中放射能濃度を算出する。これは第m回目溶離工程前に行う。
(4)第m回目溶離工程前に算出された回収溶離液中の放射能濃度Tmは、
Tm=(E×D+X)÷D
ここで、m(1〜n)回目の放射性セシウムの吸着量は、(Am−Cm)×Bm[kg]、第m回目溶離工程後の回収溶離液槽の回収溶離液の量:D[kg]、第m回目溶離工程前(第m−1回目溶離工程後)の回収溶離液槽の溶離液の量:E[kg]である。
次いで、放射能濃度計で測定される回収溶離液槽の放射能濃度(Ta)と回収溶離液中の放射能濃度Tm((E×D+X)÷D)を加算して、第m回目溶離工程後の回収溶離液槽内の放射能濃度Tsを算出する。
そして、回収溶離液槽内の放射能濃度Tsが、所定の濃度に達するまで、回収溶離液を再利用してもよい。放射能濃度Tsが、所定の濃度に達したら、新しい回収溶離液を吸着手段に通液し、溶離工程後に別の容器に回収してもよい。
以上の操作により、回収溶離液槽内の放射能濃度を所望の濃度レベルに調整できる。
また、次の溶離工程前において、最上流側の吸着手段(次の溶離工程に供される吸着手段)の吸着工程後の放射能濃度と、次の溶離工程に使用される(回収溶離液槽中の)回収溶離液の放射能濃度とを加算することで、次の溶離工程後の回収溶離液槽の回収溶離液の放射能濃度を求めてもよい。放射能濃度は、吸着手段と溶離液回収槽に設置された放射能濃度計または空間線量計に基づいて求める。
また、前記抽出工程は、洗浄容器内で、放射性セシウム含有物質を中性からアルカリ性(pH7以上、実質的にpH7以上)の洗浄液で洗浄し、放射性セシウムを洗浄液中に抽出する洗浄工程と、前記洗浄工程で得られた放射性セシウム含有の洗浄液から固形分をろ過手段(例えばフィルタープレス装置)で分離する固液分離工程と、を含んでいてもよい。
上記放射性セシウム含有物質は、例えば、焼却飛灰、溶融飛灰などである。洗浄工程は、洗浄容器内で、放射性セシウム含有物質を洗浄液で所定時間攪拌することが好ましい。所定時間は予め実験的に求めていてもよく、スラリー状態を目視またはカメラで撮像した画像から判断することでもよい。固形分は固形分回収槽に回収される。固形分は、埋め立て処理されうる。
この構成によれば、中性からアルカリ性の洗浄液中に放射性セシウムを抽出させ、その後、固形分(またはSS分)を分離する。洗浄工程前の放射性セシウム含有物質の放射性セシウム量を100%としたとき、分離された固形分中の放射性セシウム量が20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下になることが好ましい。放射能濃度を測定することで、放射性セシウム量を算出することができる。固形分は固形分回収槽に回収される。固形分は、埋め立て処理される。
また、前記抽出工程は、前記洗浄工程前に、放射性セシウム含有物質を予め破砕する破砕工程を含んでいてもよく、前記洗浄工程は、前記破砕工程で破砕された放射性セシウム含有物質を洗浄液で洗浄してもよい。
この構成によれば、上記放射性セシウム含有物質は、粒径が数cm〜数十cm以上の固形物の形状であり、例えば、キレート処理飛灰、セメント固化処理飛灰などである。破砕処理をすることで、放射性セシウムを洗浄液中に効果的に抽出できる。
また、前記抽出工程は、洗浄容器内で、放射性セシウム含有物質を酸性の洗浄液で洗浄し、放射性セシウムを洗浄液中に抽出する洗浄工程と、前記洗浄工程で得られた放射性セシウム含有の洗浄液から固形分を分離する固液分離工程と、前記固液分離工程で固形分が分離された洗浄液を中和処理(またはアルカリ処理)する中和工程(またはアルカリ化工程)と、を含んでいてもよい。中和工程(またはアルカリ化工程)は、例えば、洗浄液槽において、洗浄液をpH測定器で測定し、測定結果に応じて中和剤(またはアルカリ剤)を充填し、攪拌混合し、pH調整することで行われる。
この構成によれば、放射性セシウム含有物質として例えば、汚泥焼却灰、土壌の場合に、酸性の洗浄液で洗浄する。また、放射性セシウム含有物質として例えば、粒径が数cm〜数十cm以上の固形物(例えば主灰)の場合には、前記洗浄工程前に、予め放射性セシウム含有物質を破砕する破砕工程が行われることが好ましい。吸着工程で使用される吸着剤が中性からアルカリ性でセシウムを吸着し、酸性で溶離する構成である場合に、固形分が分離された後の洗浄液を中和処理(またはアルカリ化処理)する必要がある。
また、前記抽出工程は、放射性セシウム含有の浸出水から固形分を分離する固液分離工程と、前記固液分離工程で固形分が分離された浸出水を中和処理する中和工程と、を含んでいてもよい。
この構成によれば、放射性セシウム含有の浸出水から固形分(例えばSS分)を分離した後、酸性であればpH調整してから吸着工程を実行する。浸出水は、例えば、廃棄物処分場などで、汚泥、廃棄物が分解して雨水と共に浸出してくる汚水をいう。
また、前記吸着工程で使用される前記2以上の吸着手段は、中性からアルカリ性で放射性セシウムを吸着し、酸性で放射性セシウムを脱離する構成でもよく、前記溶離工程で使用される前記溶離液は、酸性でもよく、前記吸着手段洗浄工程で使用される吸着手段用洗浄液は、中性またはアルカリ性でもよい。また、別実施形態として、吸着手段の吸着剤が酸性で放射性セシウムを吸着し、中性からアルカリ性で放射性セシウムを脱離する構成であり、前記溶離液は中性からアルカリ性であり、前記吸着手段用洗浄液は酸性である。
この構成によれば、吸着手段の吸着剤としては、クラウンエーテル(例えば、ジベンゾ20-クラウン6-エーテル)が水溶性セシウムを選択的に吸着するために好ましい。他の吸着剤としては、例えば、ゼオライト、プルシアンブルー、フェロシアン化(ニッケル、コバルト、鉄)物の造粒物などがある。しかし、ゼオライトは、セシウム以外のナトリウムやカリウムも同時に吸着されるため選択吸着性に劣り、また繰り返し使用ができない。プルシアンブルーは、セシウムを選択吸着するが、繰り返し使用ができない。pH変動で吸着脱離を切り替えられる吸着剤を選定することが好ましい。
また、前記洗浄工程において、前記洗浄容器にキレート剤を添加して洗浄する、および/または、前記洗浄容器から前記ろ過手段までの液送ライン上でキレート剤を添加するキレート処理工程を含んでいてもよい。
キレート剤は、放射性セシウム含有物質の100重量%に対し5〜10重量%を添加することが好ましい。キレート剤の性状は特に制限されず、液状または粉状が例示される。液体キレートと紛体キレートとの両方を添加することが好ましい。洗浄容器と液送ラインの両方に添加する場合には、洗浄容器へ添加する量を多く、全添加量の51〜80%量を添加することが好ましい。液送ラインに添加されたキレート剤は、配管中でスラリーと混合攪拌される。
この構成によれば、洗浄容器でキレート剤も同時に攪拌混合するため、別にキレート剤を混合するための混合容器および攪拌装置を設置する必要がない。キレート剤が添加されたスラリーを固液分離するため、新たに固液分離された固形分にキレート剤を添加することなしに、重金属の溶出を抑止できる。
また、前記洗浄工程において、放射性セシウム含有物質と洗浄液とを所定時間攪拌した後に、攪拌を停止し、前記洗浄容器の底部に沈降した放射性セシウム含有物質の放射能濃度が所定値(例えば8000Bq/Kg)以下の場合に、再び攪拌してスラリー状の洗浄液を得た後、スラリー状の洗浄液を前記ろ過手段に液送し前記固液分離工程を行い、所定値(例えば8000Bq/Kg)を超えた場合には、洗浄工程を繰り返してもよい。
また、前記洗浄工程において、放射性セシウム含有物質と洗浄液とを所定時間攪拌した後に、攪拌を停止し、前記洗浄容器の底部に沈降した放射性セシウム含有物質の放射能濃度が所定値(例えば8000Bq/Kg)を超えた場合に、洗浄条件を変更し再び洗浄工程を行ってもよく、
前記洗浄条件は、洗浄液量を増加、攪拌時間の延長、攪拌速度の変更、洗浄液を加温して攪拌、洗浄液を変更する(例えば、中性水、弱アルカリ性水、弱酸性水、酸性液の洗浄液)処理の内から一つまたは2以上を組み合わせることを特徴としていてもよい。
洗浄容器の下部の内部または外壁に、空間線量計(Sv/h)または放射能濃度計(Bq/kg)を設置し、沈降している放射性セシウム含有物質の空間線量計または放射能濃度計の指示値を測定する。空間線量計が設置されている場合は、予め測定した空間線量と放射能濃度の相関関係に基づいて放射能濃度を換算する。また、放射能濃度の湿物質(例えば湿焼却灰)と乾燥物質(例えば乾燥焼却灰)の測定値の換算係数に基づいて、沈降している放射性セシウム含有物質の乾燥した状態での放射能濃度を算出することが好ましい。上記算出された放射能濃度または放射能濃度計の指示値が、所定値(8000Bq/kg)以下の場合に、再度攪拌してスラリー状にした洗浄液を後段の固液分離手段(ろ過手段)に液送する。一方、算出された放射能濃度または放射能濃度計の指示値が所定値(8000Bq/kg)を超えた場合あるいは所定の放射能濃度まで除去できなかった場合は、スラリー状の洗浄液を固液分離手段に送らず、再度洗浄処理を行う。再度洗浄処理を行う場合には、洗浄条件を変更することが好ましい。
(効果)
以上記載の通り、本発明によれば、放射性セシウム含有物質(例えば焼却灰)から放射性セシウム)を分離し、濃縮回収することによって放射性セシウム含有物質中の放射性セシウム濃度を効果的に低減することが可能となる。
実施形態1に係る放射性セシウム除去システムの全体構成を示す図である。 吸着、溶離、洗浄の各工程の繰返処理について説明するための図である。 吸着、溶離、洗浄の各工程の繰返処理について説明するための図である。 吸着、溶離、洗浄の各工程の繰返処理について説明するための図である。 吸着、溶離、洗浄の各工程の繰返処理について説明するための図である。 吸着、溶離、洗浄の各工程の繰返処理について説明するための図である。 吸着、溶離、洗浄の各工程の繰返処理について説明するための図である。 吸着、溶離、洗浄の各工程の繰返処理について説明するための図である。 吸着、溶離、洗浄の各工程の繰返処理について説明するための図である。 吸着、溶離、洗浄の各工程の繰返処理について説明するための図である。 構造体を説明するための図である。
(全体システムの構成)
図1は、放射性セシウム除去システムの全体構成を示す図である。洗浄容器11内で、放射性セシウム含有物質(例えば、焼却飛灰)と洗浄水(本実施形態では水を使用する)とを投入し、攪拌装置12で所定時間(例えば、60〜120分)攪拌混合し、放射性セシウムを洗浄水中に抽出する(洗浄工程)。配合比として、放射性セシウム含有物質:洗浄水は、1:5〜10である。洗浄容器11からろ過機15へ放射性セシウム含有の洗浄水が送られ、固形分と水分とをろ過機15で分離する(固液分離工程)。ろ過機15で分離された固形分は、固形分回収槽16に送られ、放射性セシウム含有の洗浄液は洗浄液槽17に送られる。固形分は、埋め立て処理される。
(洗浄工程)
上記洗浄工程において、洗浄容器11に、液体キレートと紛体キレートとの両方を添加する。液体キレートおよび紛体キレートは、放射性セシウム含有物質の100重量%に対し5〜10重量%を添加する。液体キレートと紛体キレートの配合比は、キレート全量を10とした時に液体:紛体=4〜2:6〜8である。
洗浄容器11の下部の外壁に、空間線量計(Sv/h)13が設置される。所定時間後の攪拌混合後に攪拌を停止する。所定時間経過後に洗浄容器11の底部に沈降した放射性セシウム含有物質の放射能濃度を算出する。沈降している放射性セシウム含有物質の空間線量計の指示値を測定する。予め測定した空間線量と放射能濃度の相関関係に基づいて放射能濃度を換算する。また、放射能濃度の湿物質(例えば湿焼却灰)と乾燥物質(例えば乾燥焼却灰)の測定値の換算係数に基づいて、沈降している放射性セシウム含有物質の乾燥した状態での放射能濃度を算出する。上記算出された放射能濃度が、8000Bq/kg以下の場合に、再度攪拌してスラリー状にした洗浄液を後段のろ過機15に液送する。一方、算出された放射能濃度が8000Bq/kgを超えた場合は、スラリー状の洗浄水をろ過機15に送らず、再度洗浄処理を行う。本実施形態では、直前の攪拌時間と同じ時間の攪拌を行う。攪拌速度も同じである。なお、別実施形態として、洗浄条件を変更する場合がある。洗浄液量を増加、攪拌時間の延長、攪拌速度の変更、洗浄液を加温して攪拌、洗浄液を変更する(例えば、中性水、弱アルカリ性水、弱酸性水、酸性液の洗浄液)処理の内から一つまたは2以上を組み合わせて行う。
洗浄液槽17に貯留された放射性セシウム含有の洗浄水(中性からアルカリ性)は、吸着手段20に送られる。吸着手段20は、吸着剤(クラウンエーテル系吸着剤)が充填された3つのカラムで構成される。第1カラム21、第2カラム22、第3カラム23が直列に配置されて、洗浄水を各カラムに順に通液することで吸着剤に放射性セシウムを吸着する(第1吸着工程、図2A参照)。各カラムを通過した洗浄水(セシウム除去処理水)は、処理済槽43に送られ、排水処理される。洗浄液槽17、第1カラム21、第2カラム22、第3カラム23、処理済槽43へ順に通液する通液ラインが構成される。
溶離液槽30の溶離液(酸性)を第1カラム21に通液し(第1溶離工程、図2B参照)、回収溶離液槽40に送る(仮貯留工程)。通液する前に、第1カラム21から第2カラム22までの通液ラインを閉じ、かつ第1カラム21から回収溶離液槽40に送るための通液ラインL1を開ける(通液ライン切替工程)。溶離液として、例えば、0.1〜2.0Mの塩酸溶液を用いる。また、塩酸の代わりに硝酸、硫酸でもよい。カラム出口(通液ラインL1上)の回収溶離液のpHが5未満になるように溶離液のpH濃度を設定する。回収溶離液槽40は、後述する構造体52で遮蔽をすることが好ましい。回収溶離液槽40の外表面線量が2.5μSv/h未満であることが好ましい。
第1溶離工程の後に、第1カラム21の洗浄を行う(第1カラム洗浄工程、図2C参照)。カラム用洗浄液槽32から水(またはアルカリ液)を第1カラム21に通液し、回収槽33に送る。洗浄前に、溶離液槽30との通液ラインと通液ラインL1を閉じ、カラム用洗浄液槽32、第1カラム21、回収槽33までの通液ラインを開ける。水の代わりのアルカリ液としては、例えば、NaOH、NaHCOである。
(繰返工程の説明)
第1カラム洗浄工程後の第2吸着工程の前に各通液ラインを切り替える。図3Aに示すように、洗浄液槽17、第2カラム22、第3カラム23、第1カラム21、処理済槽43の順に通液する通液ラインを構成する。他の通液ラインは閉じられている。第2吸着工程では、洗浄水を、各カラムに順に通液することで吸着剤に放射性セシウムを吸着する(図3A参照)。
次いで、第2溶離工程の前に各通液ラインを切り替える。図3Bに示すように、回収溶離液槽40から通液ラインL2を通じて溶離液槽30に回収溶離液が送られる。溶離液槽30、第2カラム22、回収溶離液槽40の順に回収溶離液を通液する通液ラインを構成する。他の通液ラインは閉じられている。第2溶離工程では、溶離液槽30から回収溶離液(酸性)を第2カラム22に通液し、回収溶離液槽40に送る。回収溶離液を再利用するため、溶離液中の放射性セシウムの濃度が再利用の回数に比例して高くなる。
次いで、第2カラム洗浄工程の前に各通液ラインを切り替える。図3Cに示すように、カラム用洗浄液槽32、第2カラム22、回収槽33の順にカラム用洗浄液を通液する通液ラインを構成する。他の通液ラインは閉じられている。第2カラム洗浄工程では、カラム用洗浄液槽32から水(またはアルカリ液)を第2カラム22に通液し、回収槽33に送る。
第2カラム洗浄工程後の第3吸着工程の前に各通液ラインを切り替える。図4Aに示すように、洗浄液槽17、第3カラム23、第1カラム21、第2カラム22、処理済槽43の順に通液する通液ラインを構成する。他の通液ラインは閉じられている。第3吸着工程では、洗浄水を、各カラムに順に通液することで吸着剤に放射性セシウムを吸着する(図4A参照)。
次いで、第3溶離工程の前に各通液ラインを切り替える。図4Bに示すように、回収溶離液槽40から通液ラインL2を通じて溶離液槽30に回収溶離液が送られる。溶離液槽30、第3カラム23、回収溶離液槽40の順に回収溶離液を通液する通液ラインを構成する。他の通液ラインは閉じられている。第3溶離工程では、溶離液槽30から回収溶離液(酸性)を第3カラム23に通液し、回収溶離液槽40に送る。回収溶離液を再利用するため、溶離液中の放射性セシウムの濃度が再利用の回数に比例して高くなる。
次いで、第3カラム洗浄工程の前に各通液ラインを切り替える。図4Cに示すように、カラム用洗浄液槽32、第3カラム23、回収槽33の順にカラム用洗浄液を通液する通液ラインを構成する。他の通液ラインは閉じられている。第3カラム洗浄工程では、カラム用洗浄液槽32から水(またはアルカリ液)を第3カラム23に通液し、回収槽33に送る。
さらに吸着、溶離、カラム洗浄工程を繰り返す場合には、再び第1カラム21が最上流に配置され、上記の態様で処理が行われる。
また、別実施形態として、吸着手段のカラム本数は上記の3本に限定されず、2本、4本以上でもよい。また、溶離液槽30と回収溶離液槽40は上記のとおり別体でもよいが、同一の槽で構成してもよい。
(回収溶離液中のセシウム濃度調整)
回収溶離液の再利用回数および回収溶離液中のセシウム濃度を調整する方法について説明する。本実施形態では、次の吸着工程で吸着されかつ溶離工程で溶離される放射性セシウム濃度を予め予測することで、次の溶離工程においても回収溶離液を再利用するか否かを決定する。すなわち、セシウム濃度(放射能濃度)を調整する。
洗浄液槽17の下部に洗浄液用空間線量計18、第1カラム21の通液出口部に第1空間線量計24、第2カラム22の通液出口部に第2空間線量計25、第3カラム23の通液出口部に第3空間線量計26、回収溶離液槽の下部に第4空間線量計41が設置される。予め空間線量計と放射能濃度計の指示値の相関関係を求め、空間線量計の指示値を放射能濃度に換算する。
第m回溶離工程前(あるいは第m回吸着工程前)において、第m回吸着工程前の洗浄液槽17の洗浄液用空間線量計18に基づいて算出された放射能濃度(Sv0)と各カラム(21、22、23)の第1、第2、第3空間線量計(24、25、26)に基づいて算出された放射能濃度(Sv1、Sv2、Sv3)との積算値から、次の吸着工程で各カラムに吸着する放射性セシウム量を算出する。次いで、この放射性セシウム量から、第m回溶離工程後の(回収)溶離液中の放射能濃度(Sv4)を算出する。次いで、回収溶離液槽40の第4空間線量計41に基づいて算出された放射能濃度(Sv5)と上記で算出された放射能濃度(Sv4)とを加算し、第m回溶離工程後の回収溶離液槽40の回収溶離液中の放射能濃度(Sv5’)を算出する。
例えば、第3回溶離工程前に、第3回吸着工程前の洗浄液槽17の洗浄液用空間線量計18に基づいて算出された放射能濃度(Sv0)と各カラム(21、22、23)の第1、第2、第3空間線量計(24、25、26)に基づいて算出された放射能濃度(Sv1、Sv2、Sv3)との積算値から、次の吸着工程で第3カラム23に吸着する放射性セシウム量を算出する。次いで、この算出された放射性セシウム量から、第3回溶離工程後の(回収)溶離液中の放射能濃度(Sv4)を算出する。次いで、回収溶離液槽40の第4空間線量計41に基づいて算出された放射能濃度(Sv5)と上記で算出された放射能濃度(Sv4)とを加算し、第3回溶離工程後の回収溶離液槽40内の回収溶離液中の放射能濃度(Sv5’)を算出(予測)する。この算出された放射能濃度(Sv5’)が所定濃度(例えば、8000Bq/kg)を超えたか否かを判定する。判定結果が、所定濃度を超えていなければ、第3回溶離工程においても、回収溶離液を再利用する。一方、判定結果が、所定濃度を超えていれば第3回溶離工程では、新しい溶離液を用いる。これまでの回収溶離液槽40の回収溶離液は、その回収溶離液槽40に貯留されたまま、溶離液固化工程に供される。そして、新しい回収溶離液槽が設置される。
(溶離液固定化工程)
溶離液固定化工程では、回収溶離液槽40に貯留された高濃度放射性セシウム含有の回収溶離液(高濃度回収溶離液)を固定化剤に吸着させる。濃縮回収溶離液を固定化剤(ゼオライト)入りのカラム(溶離液固定化手段50)に通液させて放射性セシウムを固定化剤に吸着させ固定化する。セシウムが吸着されたカラムは、濃縮セシウム貯留槽51に貯留される。
(構造体)
上記濃縮セシウム貯留槽51、回収溶離液槽40、溶離液固化手段50は、複数の構造体52で囲まれ、放射能が遮断される。
構造体52は、外観が直方体であり、流体を導入するため、天頂部に開口部521が形成され、開口部522と連続して空洞523が形成されている。空洞523は、4つの側壁および底壁521で取り囲まれた構成である。任意の側壁521の下部に液体を排出するための排出部524が設けられている。排出部524は、空洞523へ通じており、不図示のバルブを備える。
空洞523に液体が収納され、貯留槽51を取り囲む。液体を投入する手段は、特に制限されない。液体が水の場合、水道水を投入してもよい。例えば、蛇口にホースの一方口を連結し、ホースの他方口を開口部522に向けて、あるいは空洞523にホースを挿入して、水を投入してもよい。液体が入ったタンクとポンプとをつないで、ポンプを用いて液体を投入してもよい。
液体としては、放射線、特に放射線セシウムを遮蔽する機能を有し、水よりも比重の重い液体でもよく、例えば、シリコンオイルでもよい。
構造体52を撤去する場合、排出部14のバルブを開放し、液体を排出する。この場合、排出部524にホースなどの管を接続し、所定の排出エリアへ液体を排出させることが好ましい。
構造体52は、ポリ塩化ビニル、繊維強化プラスチック、または薄鋼板の材料で構成される。薄鋼板は、例えば、3mm未満の厚みであり、0.3mm以上3.0mm未満が好ましく、0.4mm以上3.0mm未満がより好ましく、0.5mm以上3.0mm未満がさらに好ましい。
上記構造体52は、直方体に限定されず、平面視で湾曲していてもよい。また、上記実施形態3の円筒状の構造体は、平面視で円状でなくともよく、多角形でもよい。
上記構造体52と他の放射線遮蔽部材とを組み合わせて構成してもよい。
(別実施形態)
上記実施形態において、空間線量計を用いたが、これに限定されず、放射能濃度計を用いてもよい。
また、粒径が数cm〜数十cm以上の固形物の形状の放射性セシウム含有物質の場合は、洗浄工程前に、破砕装置で予め破砕する破砕工程を行ってもよい。
また、洗浄工程は、放射性セシウム含有物質を酸性の洗浄液で洗浄してもよい。
また、固液分離工程で固形分が分離された洗浄液を中和処理(またはアルカリ処理)する中和工程(またはアルカリ化工程)を行ってもよい。
また、放射性セシウム含有の浸出水から固形分を分離し、この固形分が分離された浸出水を中和処理する構成でもよい。
11 洗浄容器
12 攪拌装置
15 ろ過機
16 固形分回収槽
17 洗浄液槽
21 第1カラム
22 第2カラム
23 第3カラム
30 溶離液槽
32 カラム用洗浄液槽
40 回収溶離液槽
51 濃縮セシウム貯留槽
52 構造体

Claims (13)

  1. 放射性セシウム含有物質から放射性セシウムを洗浄液で抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程で抽出された放射性セシウム含有の洗浄液を、直列に配置された2以上の吸着手段に通液することで放射性セシウムを当該吸着手段に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着手段の内、直前の吸着工程において最上流側の吸着手段にのみ、溶離液を通液することで当該最上流側の吸着手段に吸着された放射性セシウムを溶離する溶離工程と、
    前記溶離工程で吸着手段から溶離された放射性セシウム含有の溶離液を回収溶離液槽に貯留する仮貯留工程と、
    前記仮貯留工程で貯留されている回収溶離液の放射能濃度が所定濃度以下の場合まで、当該回収溶離液を前記溶離工程で繰り返し使用し、高濃度放射性セシウム含有の回収溶離液を得る繰返工程と、
    前記仮貯留工程で貯留されている高濃度放射性セシウム含有の回収溶離液の放射能濃度が所定濃度を超えた場合に、当該高濃度放射性セシウム含有の回収溶離液を固定化剤に吸着させる溶離液固定化工程と、を含む、放射性セシウム含有物質から放射性セシウムを除去する方法。
  2. 前記溶離工程における溶離後の吸着手段を洗浄する吸着手段洗浄工程と、さらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶離工程における溶離後の吸着手段が最下流側に配置されるように、吸着手段間の前記放射性セシウム含有の洗浄液の通液ラインを切替える通液ライン切替工程と、を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記抽出工程で抽出された放射性セシウム含有の洗浄液を洗浄液槽に貯留する洗浄液貯留工程を含み、
    次の溶離工程前に予め行う工程であって、洗浄液槽で測定される放射能濃度と各吸着手段で測定される放射能濃度に基づいて、次の吸着工程で前記吸着手段に吸着される放射性セシウム量を算出し、次の溶離工程で溶離する放射性セシウムの溶離液中の放射能濃度を予め算出する第1算出工程と、
    前記回収溶離液槽で測定される放射能濃度と、前記第1算出工程で算出された溶離液中の放射能濃度とを加算することで、次の溶離工程後の前記回収溶離液槽の溶離液中の放射能濃度を算出する第2算出工程と、を含み、
    前記繰返工程は、前記第2算出工程で算出された放射能濃度が所定濃度を超えていなければ、回収溶離液での溶離工程を繰り返す、請求項2に記載の方法。
  5. 前記抽出工程は、
    洗浄容器内で、放射性セシウム含有物質を中性またはアルカリ性の洗浄液で洗浄し、放射性セシウムを洗浄液中に抽出する洗浄工程と、
    前記洗浄工程で得られた放射性セシウム含有の洗浄液から固形分をろ過手段で分離する固液分離工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記抽出工程は、前記洗浄工程前に、放射性セシウム含有物質を予め破砕する破砕工程を含み、
    前記洗浄工程は、前記破砕工程で破砕された放射性セシウム含有物質を洗浄液で洗浄する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記抽出工程は、
    洗浄容器内で、放射性セシウム含有物質を酸性の洗浄液で洗浄し、放射性セシウムを洗浄液中に抽出する洗浄工程と、
    前記洗浄工程で得られた放射性セシウム含有の洗浄液から固形分を分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程で固形分が分離された洗浄液を中和処理する中和工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記抽出工程は、前記洗浄工程前に、予め放射性セシウム含有物質を破砕する破砕工程を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記抽出工程は、
    放射性セシウム含有の浸出水から固形分を分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程で固形分が分離された浸出水を中和処理する中和工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記吸着工程で使用される前記2以上の吸着手段は、中性およびアルカリ性で放射性セシウムを吸着し、酸性で放射性セシウムを脱離する構成であり、
    前記溶離工程で使用される前記溶離液は、酸性であり、
    前記吸着手段洗浄工程で使用される吸着手段用洗浄液は、中性またはアルカリ性である、請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記洗浄工程において、前記洗浄容器にキレート剤を添加して洗浄する、および/または、前記洗浄容器から前記ろ過手段までの液送ライン上でキレート剤を添加する、請求項5に記載の方法。
  12. 前記洗浄工程において、放射性セシウム含有物質と洗浄液とを所定時間攪拌した後に、攪拌を停止し、前記洗浄容器の底部に沈降した放射性セシウム含有物質の放射能濃度が所定値以下の場合に、再び攪拌してスラリー状の洗浄液を得た後、スラリー状の洗浄液を前記ろ過手段に液送し前記固液分離工程を行い、前記所定値を超えた場合には、洗浄工程を繰り返す、請求項5に記載の方法。
  13. 前記洗浄工程において、放射性セシウム含有物質と洗浄液とを所定時間攪拌した後に、攪拌を停止し、前記洗浄容器の底部に沈降した放射性セシウム含有物質の放射能濃度が所定値を超えた場合に、洗浄条件を変更し再び洗浄工程を行い、
    前記洗浄条件は、洗浄液量を増加、攪拌時間の延長、攪拌速度の変更、洗浄液を加温して攪拌、洗浄液を変更する処理の内から一つまたは2以上を組み合わせることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
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