以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
<構成>
図1は本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。図1において、店舗1には、1または複数のPOSレジ2と、1または複数のMFP(Multi-Function Peripheral, Multi-Function Printer)3と、1または複数のタブレット(タブレット型端末)4とが設けられている。店舗1の規模によっては、POSレジ2の他にはMFP3だけで充分な業務が行える場合、タブレット4はなくてもよい。また、POSレジ2の他にはタブレット4だけで充分な業務が行える場合、MFP3はなくてもよいが、この場合、書類を印刷するためのプリンタが必要となる。MFP3とタブレット4の間は、直接または無線LAN等を介した接続により通信が行えるようになっている。POSレジ2とMFP3およびタブレット4の間は通信可能に接続されていなくてもよいし、有線または無線により接続されていてもよい。
POSレジ2は、商品購入の精算(会計処理)を行うための情報処理装置(コンピュータ)であり、購入された商品に関する会計の管理を行う会計管理装置の一例である。POSレジ2は、購入者が購入する商品に関する情報を取得し、購入商品の合計金額を算出し、購入者に対して購入商品名、単価、数量、合計金額等を記載したレシートを発行する機能を有している。また、本システムにおいて、POS(Point of Sales)に対応したレジに限らず、スタンドアロンのレジでもよい。
MFP3は、スキャナ機能とプリンタ機能と情報処理機能とを有する情報処理装置であり、スキャン、プリント等といった画像の入出力処理を実行する画像処理装置の一例である。本発明では、スキャナ機能は、購入者のパスポートまたはこれに準ずる入国資格を示す書面(乗員上陸許可書、緊急上陸許可書、遭難による上陸許可書等)やレシートを読み取り、これらの画像を取得するために用いられる。なお、画像の読取方法はスキャナ機能に限らず、例えばカメラによる撮像等であってもよい。
また、プリンタ機能は、免税販売に必要な書類(購入記録票、購入者誓約書、消耗品リスト等)と店舗1での管理のための書類の画像を生成し印刷するために用いられる。なお、印刷は画像の出力方法の一例であり、例えばこれらの書類の画像データを保管する画像保管部を設けてもよい。
なお、1台のMFP3が、スキャナ機能とプリンタ機能の両方を備えていなくてもよく、例えば、スキャナ機能のみを備えるスキャナ装置と、プリンタ機能を備えるプリンタ装置とをそれぞれ分けて設置してもよい。つまりスキャナ機能といった画像の読取を実行する画像読取装置と、プリンタ機能といった画像の出力を実行する画像出力装置とは別々の筐体であってもよく、一体となっていてもよい。
タブレット4は、カメラ機能と情報処理機能とを有する情報処理装置であり、画像を取得する画像取得装置の一例である。カメラ機能は、購入者のパスポートまたはこれに準ずる入国資格を示す書面やレシートを撮像し、これらの画像を取得するために用いる。なお、画像の読取方法は撮像に限らず、スキャナ機能による読取方法であってもよい。
また、MFP3およびタブレット4は、インターネット等のネットワーク5を介して、外部の管理サーバ6と接続されている。管理サーバ6は、MFP3およびタブレット4からデータのアップロードを受けて保存するとともに、MFP3およびタブレット4のプログラムおよび設定データを最新の状態にアップデートする機能を有している。なお、データの外部保存やアップデートを他の手法で実現する場合には、管理サーバ6を設けなくてもよい。
図2はPOSレジ2のハードウェア構成例を示す図である。図2において、POSレジ2は、コントローラ2001と操作表示部2002とレシート出力部2003とネットワークI/F(Interface)2004とカードI/F2005とバーコードI/F2006と記憶媒体2007とを備えている。
コントローラ2001は、POSレジ2の全体的な制御を行う。操作表示部2002は、テンキーや特殊キーによるデータ入力を受け付けるとともに、入力されたデータ、処理結果、メッセージ等を表示する。レシート出力部2003は、レシートを印字して発行する。ネットワークI/F2004は、外部の機器と接続するためのインタフェースである。カードI/F2005は、購入者のクレジットカードを読み取る。バーコードI/F2006は、商品に付されたバーコード(1次元コード、2次元コード等)を読み取る。記憶媒体2007は、処理結果等を記憶する。
図3はMFP3のハードウェア構成例を示す図である。図3において、MFP3は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ドキュメントボックス機能、ユーティリティ機能等の各種の機能を実現可能な本体部3110と、ユーザの操作を受け付ける操作部3120とを備える。本体部3110と操作部3120は、専用の通信路3130を介して相互に通信可能に接続されている。通信路3130は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のものを用いることもできるが、有線か無線かを問わず任意の規格のものであってよい。なお、本体部3110は、操作部3120で受け付けた操作に応じた動作を行うことができる。また、本体部3110は、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。
本体部3110は、CPU(Central Processing Unit)3111と、ROM(Read Only Memory)3112と、RAM(Random Access Memory)3113と、HDD(Hard Disk Drive)3114と、通信I/F(Interface)3115と、接続I/F3116と、エンジン部3117とを備え、これらがシステムバス3118を介して相互に接続されている。
CPU3111は、本体部3110の動作を統括的に制御する。CPU3111は、RAM3113をワークエリア(作業領域)としてROM3112またはHDD3114等に格納されたプログラムを実行することで、本体部3110全体の動作を制御し、上述したコピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ドキュメントボックス機能、ユーティリティ機能等の各種機能を実現する。通信I/F3115は、ネットワークと接続するためのインタフェースである。接続I/F3116は、通信路3130を介して操作部3120と通信するためのインタフェースである。エンジン部3117は、コピー機能、スキャナ機能、および、プリンタ機能を実現させるための、汎用的な情報処理および通信以外の処理を行うハードウェアである。例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ(画像読取部)、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(画像形成部等)を備えている。更に、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(Auto Document Feeder:自動原稿給送装置)のような特定のオプションを備えることもできる。
操作部3120は、CPU3121と、ROM3122と、RAM3123と、フラッシュメモリ3124と、通信I/F3125と、接続I/F3126と、操作パネル3127と、外部接続I/F3128とを備え、これらがシステムバス3129を介して相互に接続されている。CPU3121は、操作部3120の動作を統括的に制御する。CPU3121は、RAM3123をワークエリアとしてROM3122またはフラッシュメモリ3124等に格納されたプログラムを実行することで、操作部3120全体の動作を制御し、ユーザから受け付けた入力に応じた情報(画像)の表示などの各種機能を実現する。通信I/F3125は、ネットワークと接続するためのインタフェースである。接続I/F3126は、通信路3130を介して本体部3110と通信するためのインタフェースである。操作パネル3127は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報(例えば、受け付けた操作に応じた情報、MFP3の動作状況を示す情報、設定状態などを示す情報等)を表示する。更に、これに加え、またはこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示部を設けることもできる。外部接続I/F3128は、ICカードリーダ等の機器と接続するためのインタフェースである。
図4はタブレット4のハードウェア構成例を示す図である。図4において、タブレット4は、電源システム401と、プロセッサ403、メモリコントローラ404、周辺インタフェース405を含むメインシステム402と、記憶部406とを備えている。また、タブレット4は、外部ポート407と、高周波回路408と、アンテナ409と、オーディオ回路410と、スピーカ411と、マイク412と、近接センサ413と、GPS(Global Positioning System)回路414とを備えている。また、タブレット4は、ディスプレイコントローラ416、光学センサコントローラ417、入力コントローラ418を含むI/O(Input/Output)サブシステム415と、タッチ反応型ディスプレイシステム419と、光学センサ1020と、入力部1021とを備えている。
図5は管理サーバ6のハードウェア構成例を示す図である。図5において、管理サーバ6は、システムバス601に接続されたCPU(Central Processing Unit)602、ROM(Read Only Memory)603、RAM(Random Access Memory)604、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)605を備えている。また、管理サーバ6は、I/F(Interface)606と、I/F606に接続された、I/O(Input/Output Device)607、HDD(Hard Disk Drive)608、NIC(Network Interface Card)609と、I/O607に接続されたモニタ610、キーボード611、マウス612等を備えている。I/O607にはCD/DVD(Compact Disk/Digital Versatile Disk)ドライブ等を接続することもできる。
図6はPOSレジ2のソフトウェア構成例を示す図である。図6において、POSレジ2は、主制御部201と操作表示制御部202とデータ入力制御部203とカードR/W制御部204と通信制御部205と記憶媒体制御部206とレシート出力制御部207と免税情報提供部208と検疫情報提供部209とを備えている。これらは主としてコンピュータプログラムがコントローラ2001(図2)のCPUにより実行されることで実現される。なお、プログラムは、記録媒体により供給されてもよいし、ネットワーク経由で供給されてもよいし、ROM組込でもよい。
また、POSレジ2は、処理において参照・更新するデータ(情報)として、品目情報/品目コード211と免税条件212と検疫情報213と処理済データ214とを保持している。品目情報/品目コード211は、商品名、免税上の一般物品・消耗品の別、対象外物/役務等の品目情報を品目コード(商品コード)に対応付けた情報である。免税条件212は、免税対象の商品に対し、一般物品・消耗品の別に応じて免税の適用対象となる条件(例えば、一般物品は1日1店舗あたりの合計購入額が10,001円以上(税別)、消耗品は1日1店舗あたりの合計購入額が5,001円〜500,000円まで(税別)等)を示す情報である。検疫情報213は、購入者が商品(食品等の消耗品)を持ち帰る母国において、検疫措置が必要であったり、手荷物や宅配便の別で輸入が禁止されているといった情報と、代替品(他の免税対象商品)についての情報である。処理済データ214は、精算処理した結果(レシートに記載される情報と同等)の情報である。
主制御部201は、POSレジ2における処理を全体的に制御する機能を有している。操作表示制御部202は、操作表示部2002(図2)における表示を制御する機能を有している。データ入力制御部203は、操作表示部2002、バーコードI/F2006(図2)からのデータ入力を制御する機能を有している。カードR/W制御部204は、カードI/F2005(図2)からのデータ入力を制御する機能を有している。通信制御部205は、ネットワークI/F2004(図2)による通信を制御する機能を有している。記憶媒体制御部206は、記憶媒体2007(図2)のデータの読み書きを制御する機能を有している。レシート出力制御部207は、レシート出力部2003(図2)によるレシートの印字を制御する機能を有している。
免税情報提供部208は、品目情報/品目コード211と免税条件212を参照し、購入金額によって免税の対象となる旨の情報を提供する機能を有している。検疫情報提供部209は、検疫情報213を参照し、購入商品によって、持ち帰る国によって検疫情報(検疫措置の必要性の有無、手荷物や宅配便の別で輸入の禁止の有無、代替品等)を提供する機能を有している。
図7はMFP3およびタブレット4のソフトウェア構成例を示す図である。図7において、MFP3およびタブレット4は、主制御部301と画像取得部302と領域認識・文字認識部303とレシート画像分割・縮小部304と真偽判定部305とデータ入力・データ修正部306と免税対象判定部307とを備えている。また、MFP3およびタブレット4は、検疫情報提供部308と書類作成部309と広告作成部310と印刷処理部311とデータ保存部312と締め処理部313とデータアップロード部314とアップデート部315とを備えている。これらは主としてコンピュータプログラムがCPU3121、3111(図3)またはプロセッサ403(図4)により実行されることで実現される。なお、プログラムは、記録媒体により供給されてもよいし、ネットワーク経由で供給されてもよいし、ROM組込でよい。
また、MFP3およびタブレット4は、処理において参照・更新するデータ(情報)として、取得画像321とパスポート情報・ルール情報322とブラックリスト323と品目情報/品目コード324と免税条件325と店舗・税務署情報326とを保持している。更に、MFP3およびタブレット4は、検疫情報327と広告情報328と書類フォーマット329と出力先情報330と処理済データ331とを保持している。
取得画像321は、画像取得部302により取得されたパスポートやレシート等の画像が一時的に保持されるものである。パスポート情報・ルール情報322は、パスポートの国別・版別に、各パスポート内に記載されている国を識別する識別情報にあたる国籍が記載される位置情報(パスポート画像のうち国の識別情報が記載される範囲)と、そこに記載されているはずの記載内容、つまり国の識別情報の値を指定するパスポート情報を含む。またさらに、国別・判別に、パスポート番号・氏名・生年月日等、免税の申請に必要な情報であって、読取の対象(パスポートの所定のページ)に対し記載位置が決まっている情報(国籍の情報等)を取得するために、情報の項目名とその情報の記載されている位置情報および既定値(存在する場合)を含むパスポート情報を含む。
国別・版別にパスポート情報を有するのは、パスポートの定形フォーマットは全世界で共通ではなく国や版の違いによって各情報の記載位置が異なることがあるためである。パスポートの定形フォーマットの種類の別に応じて位置情報を設定しており、1種類の定形フォーマットに対応するだけでいい場合、国別・版別に有する必要は無い。
また、パスポート情報・ルール情報322は、正規のパスポートとしての記載内容(透かし記号・図形等も含む)が満たすルールを示すルール情報とを含む。このルールとして、例えば、日本国のパスポート番号はアルファベット2文字と数字7桁の組み合わせであり、5年パスポートは頭文字が「M」から始まり、10年パスポートは頭文字が「T」から始まるといったものがあり、他国についても同様のものがある。つまり、国別にルールは設定される。ルール情報には、所定の位置に所定の記載内容が含まれているということも含まれる。なお、パスポート以外にも乗員上陸許可書、緊急上陸許可書、遭難による上陸許可書についての同様の情報も含む。ブラックリスト323は、過去に免税品購入に使用されたパスポートが問題で税務署等から店舗側に問合せ(通報等)や納税督促が行われた際の番号であって業者間で共有される情報である。
品目情報/品目コード324は、商品名、免税上の一般物品・消耗品の別、対象外物/役務等の品目情報を品目コード(商品コード)に対応付けた情報である。免税条件325は、一般物品・消耗品の別に応じて免税の対象となる条件(例えば、一般物品は免税対象の条件として1日1店舗あたりの合計購入額が10,001円以上(税別)であること、また、1,000,000円を超える場合はさらにパスポートのコピーの保存が必要であること、消耗品は1日1店舗あたりの合計購入額が5,001円〜500,000円まで(税別)等)であることを示す情報である。店舗・税務署情報326は、店舗1(免税店舗)の名称、経営者氏名、納税地、税務署名等に関する情報である。検疫情報327は、購入者が商品(食品等の消耗品)を持ち帰る母国において、検疫措置が必要であったり、手荷物や宅配便の別で輸入が禁止されているといった情報と、代替品についての情報である(例えば、洋ナシの輸入が禁止されていた場合、梨を代替品とする等)。広告情報328は、免税販売書類とともに印刷して購入者に提供する広告の情報であり、国籍、年齢、性別、購入商品名、購入金額等に広告が対応付けられ、複数の国籍に応じた言語(英語の併記を伴うことが望ましい)で作成されている。対応する言語としては、英語、韓国語、中国語、台湾語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語等が想定されるが、当初は対応言語を少なくしておき、来店客の実態に応じて拡張することができるし、対応する言語についてはこれに限らず任意に決めればよい。なお、多言語対応については、広告情報だけでなく、免税書類や検疫情報についても同様である。
書類フォーマット329は、免税販売書類(購入記録票、購入者誓約書、消耗品リスト)についての雛形となる情報である。なお、書類フォーマット329は、項目名や注意書きが多言語に対応したものとなっており、これにより購入者の国籍に応じた言語が選択される。この際、デフォルトの言語(店舗が所在する国の自国語あるいはその国で多用する言語。日本であれば、日本語または英語、日本語および英語)に対して、購入者の国籍に応じた言語で併記されることが好ましい。なお、全ての言語に対応した書類フォーマットを保持していてもよいが、いずれの言語を用意しておくかは任意に決めればよい。例えば、言語としては日本語、英語、スペイン語、中国語、の4言語を保持しておき、国籍に応じてどの言語を選択(利用)するかを指定した情報を予め登録しておく。こうすることで、特定の国籍に対応する言語が決定し、決定した言語の書類フォーマット(項目名や注意書き)を使用することができる。
出力先情報330は、免税販売書類および広告情報の印刷を行う機器(MFP3の場合は自己を示す)の情報と処理済のデータの一時的または永続的な保存先(自装置内であるか外部であるかを問わないフォルダのパス等)の情報である。処理済データ331は、免税販売書類等の作成結果や処理過程のデータである。
主制御部301は、MFP3およびタブレット4における処理を全体的に制御する機能を有している。画像取得部302は、MFP3の場合はスキャナ機能により、タブレット4の場合はカメラ機能により、パスポートやレシートから画像を取得する機能を有している。なお、MFP3のスキャナ機能による場合は、スキャン動作によって画像が確定的に取得される。タブレット4のカメラ機能による場合は、カメラ機能の動作開始によりカメラ視野内に撮影中の画像がタブレット4のモニタに表示され、シャッターボタンが押されたり所定の条件が満たされたりした場合に画像が確定的に取得される。
領域認識・文字認識部303は、画像取得部302によるパスポートやレシートの画像(カメラ機能の場合は確定的な取得の前の撮影中の画像を含む)から、画像内に記載されている文字や記号・図形(コードを含む)を認識する機能を有している。スキャナ機能またはカメラ機能により確定的に取得された画像から認識を行う場合、画像から、用紙の輪郭を認識し、輪郭内に記載されている文字や記号・図形を認識する。この際、パスポート画像については、パスポート情報・ルール情報322のうちのパスポート情報を参照し、読み取ったパスポートの画像に対して、定められた記載位置に記載されている項目名と記載内容とを出力する。また、記載内容を確認し、パスポートの国を判別する。
レシート画像分割・縮小部304は、取得されたレシート画像が、そのままのサイズで印刷した場合にはパスポートに添付するには長い場合に、超過の度合いに応じて分割または縮小、さらには分割および縮小を行う機能を有している。処理の詳細については後述する。
真偽判定部305は、領域認識・文字認識部303により認識された記載内容に基づき、パスポート情報・ルール情報322のうちのルール情報とブラックリスト323を参照し、正規かつ有効なパスポートであるか否かを判定する機能を有している。なお、真偽判定部305は、パスポートに使用されているメタリックペアインキ(見た目の色は通常と変わらないが、発色の成分が異なるインキがペアで含まれているもの)等に対応したハードウェア(フィルタにより検出光を切り換えるか、照明光を切り換える等)を用いることで、検出(取得)した所定の画像の違いからパスポートの真偽を判定することもできる。
データ入力・データ修正部306は、パスポートの画像からは取得できない(取得していない)情報である滞在資格や上陸年月日等の入力を受け付けるとともに、領域認識・文字認識部303により自動的に認識されたパスポートやレシートの記載内容やそれらに基づく加工情報への修正を受け付けて修正を行う機能を有している。免税対象判定部307は、領域認識・文字認識部303および真偽判定部305の処理結果に基づき、免税条件325を参照し、一般物品と消耗品の別で、免税対象となる一または複数の商品を判定する機能を有している。免税対象判定部307は、購入商品に対する免税額についても算出を行う。検疫情報提供部308は、検疫情報327を参照し、購入商品によって、持ち帰る国によって検疫情報(検疫措置の必要性の有無、手荷物や宅配便の別で輸入の禁止の有無、代替品等)を提供する機能を有している。なお、検疫情報に基づいて一または複数の商品の購入をやめるか他の商品に替える場合は、POSレジ2における精算処理からやり直すか、精算内容の修正を行う。
書類作成部309は、免税対象判定部307により判定された、免税対象となる一または複数の商品の情報と、パスポート等から取得した情報に基づき、書類フォーマット329を参照して免税販売書類(購入記録票、購入者誓約書、消耗品リスト)のデータを作成する機能を有している。書類フォーマットには、書類別・言語別に、予め設定された内容と、データを挿入する欄とが設けられており、免税対象と判断された商品名・単価・数量・合計額と、パスポートから抽出されたパスポート番号、氏名等と、手入力された情報と、店舗・税務署情報326に予め設定された情報とが挿入される。広告作成部310は、国籍、年齢、性別、購入商品名、購入金額等に基づき、広告情報328を参照して広告文書のデータを作成する機能を有している。印刷処理部311は、書類作成部309により作成された免税販売書類と、広告作成部310により作成された広告文書とを、出力先情報330に設定された出力先の示す印刷装置に印刷させる機能を有している。なお、広告文書は、免税販売書類とは別紙に印刷することを想定している。データ保存部312は、印刷を行った免税販売書類や広告文書の情報、または、処理の過程の情報を処理済データ331に保存する機能を有している。
締め処理部313は、1日の終業時等に店員の操作や設定時間の到来に応じ、当日の免税処理案件の一覧等を出力先情報330に設定された出力先の示す印刷装置に印刷を行わせる機能を有している。データアップロード部314は、MFP3およびタブレット4の処理済データ331が満杯とならないように、または、データバックアップのために、処理済データ331を管理サーバ6に所定のタイミング(深夜等)にアップロード送信する機能を有している。アップデート部315は、所定のタイミングで管理サーバ6にプログラムおよび/またはデータの最新版がリリースされているかを確認し、最新版がリリースされている場合にはプログラムおよび/またはデータを管理サーバ6からダウンロードしてアップデートする機能を有している。
図8は管理サーバ6のソフトウェア構成例を示す図である。図8において、管理サーバ6は、主制御部61とアップデート制御部62とデータバックアップ制御部63とを備えている。これらは主としてコンピュータプログラムがCPU602(図5)により実行されることで実現される。なお、プログラムは、記録媒体により供給されてもよいし、ネットワーク経由で供給されてもよいし、ROM組込でよい。また、管理サーバ6は、処理において参照・更新するデータ(情報)として、各種情報64を保持している。各種情報64には、アップデート用のプログラム、データ、MFP3またはタブレット4からバックアップ用にアップロードされたデータが含まれる。
主制御部61は、管理サーバ6における処理を全体的に制御する機能を有している。アップデート制御部62は、MFP3またはタブレット4からの要求を受けて、各種情報64に保持されている最新版のプログラムおよび/またはデータを提供する機能を有している。データバックアップ制御部63は、MFP3またはタブレット4からアップロードされたデータを各種情報64に保存する機能を有している。
<動作>
図9は上記の実施形態の処理例を示すシーケンス図である。なお、処理の順序は、処理内容に矛盾が生ずるものでなければ、任意に変更することが可能である。また、他の処理と連携を要しない処理は他の処理から切り離して単独に実施してもよい。
図9において、店内に置いてある商品から購入者が購入する商品を選び、購入対象商品をPOSレジ2まで持参して購入を要求すると、POSレジ2を操作する店の従業員はバーコードI/F2006等により各商品に付されたバーコードを読み取らせることで、購入対象商品の入力を行う(ステップS101)。続いて、入力された購入対象商品に関して、免税情報提供部208は、品目情報/品目コード211と免税条件212を参照し、購入商品が免税の対象となっている一般物品であるか、対象となっている消耗品であるかを判別し、免税対象の一般物品あるいは消耗品のいずれかにおける合計の購入金額によって免税の対象となる場合には(合計金額が免税の適用条件を満たす場合には)、その旨の情報を提供する(ステップS102)。例えば、一度の会計処理において一般物品なら1万円超、消耗品なら5千円超となった場合、POSレジ2の画面上にアラート表示を行うことで免税の機会があることを操作者から購入者に通知することができる。なお、今回の会計処理で免税の適用条件を満たさない場合であっても、同日に複数回に分けて商品を購入した場合には適用条件を満たす可能性があるため、通知がない場合でも操作者は購入者に対してその旨を伝えるとよい。
また、検疫情報提供部209は、検疫情報213を参照し、購入商品によって、持ち帰る国によって検疫情報(検疫措置の必要性の有無、手荷物や宅配便の別で輸入の禁止の有無、代替品等)を提供する(ステップS103)。母国の情報は手入力で行ってもよいし、母国を入力せずに、制限のある国と注意事項の一般的な情報を提供してもよい。これにより、購入者に対し、検疫措置が必要であることや、母国へ持ち帰れないことが明らかとなり、無駄な買い物となることを防止することができ、後日のトラブルを防止することができる。また、代替品も提示できるため、販売の機会損失を低減することができる。なお、検疫に関する運用は不定期に改変が重ねられているため、免税店従業員や購入者が正確に把握することは困難となっており、システム的な情報提供は貴重な助言となり得る。
そして、購入対象商品に対する会計が完了し、購入が確定することで、レシート出力制御部207によりレシートの印刷が行われる(ステップS104)。
その後、購入者は、免税申請を行うために用意されたスペースへと赴き、免税申請を受け付ける従業員に対してレシートおよびパスポートを渡す。この時、上述したようにレシートが一枚とは限らない。従業員は購入者の顔と受け取ったパスポートの顔写真を確認し、同一人物と判断した場合に、スペースに設置されたMFP3またはタブレット4において、MFP3のスキャナ機能、タブレット4の撮像機能を利用して読み取らせたパスポート(パスポートに準じる書面を含む)とレシートの画像を取得する(ステップS105)。
図10はパスポートおよびレシートの画像取得の例を示す図であり、MFP3の読取面にパスポートP、レシートR1〜R3を載せてスキャンを行うことで、パスポートとレシートについて同時に画像の取得が行われる。なお、タブレット4のカメラによりパスポートとレシートを同時に撮影することで、画像の取得を行うこともできる。この場合、レシートがカールしていると正確に撮影が行えないため、クリアホルダ等に挟んで撮影するのが望ましい。また、タブレット4のカメラにより撮影する場合、図11(a)〜(c)に示すように、パスポートとレシートを別々に撮影してもよい。
つまり、読み取り自体はMFP3でもタブレット4でも行うことができるため、どのように装置を設置してシステムを構成するかは環境に合わせて決定すればよい。また、MFP3やタブレット4は複数台用意されてもよい。例えば、パスポートやレシートの読み取りのためにMFP3を用意し、購入者や従業員が手入力の操作を行うためにタブレット4を用意するようにしてもよく、購入者用と従業員用とでそれぞれタブレット4を用意して操作を行うようにしてもよい。
また、パスポートとレシートを同時に画像取得する場合には、スキャンにより取得した画像の形状や輪郭などに基づいてパスポートの画像とパスポート以外の画像との判別を行いパスポートの画像と判別された画像に対しては後述するパスポート情報の抽出処理を実行し、パスポート以外の画像はレシートの画像とみなして、後述するレシート情報の抽出処理を実行する。なお、画像の種類の判別はスキャンの動作中に実行してもよいし、スキャンが完了した後に実行してもよい。
図9に戻り、領域認識・文字認識部303は、画像取得部302により取得された画像から、用紙の輪郭を認識し、輪郭内に記載されている文字や記号・図形を認識する(ステップS106)。より具体的には、まず、国別・版別に設定されたパスポート情報を参照し、画像取得部302により取得されたパスポート画像から、ある国の識別情報が記載されているはずの位置情報(パスポート情報においてある国の識別情報の値と対応づいている位置情報)に基づき、位置情報が示す領域に記載された記載内容を抽出する。次に、抽出した記載内容が、その国の識別情報の値であるかを判断する。一致すれば、取得したパスポート画像の国が判別できたことになる。
一致しなかった場合、また別の国の識別情報が記載されているはずの位置情報に基づき位置情報が示す領域に記載された記載内容を抽出し、記載内容がその国の識別情報の値であるかを判断する処理を繰り返す。パスポート情報・ルール情報322のうち全ての国別・版別のパスポート情報に対して一致すると判断されなかった場合、パスポートの国が特定できなかった旨のエラーを従業員(あるいは購入者)に通知する。エラーを受けた従業員は、免税申請の取り扱いができないことを購入者に連絡する。あるいはパスポートを目視で確認し、タブレット4を用いて、手入力で入力することを選択してもよい。
国が判別された場合、次に、その国に対応するパスポート情報を参照し、パスポート番号・氏名・生年月日等、免税の申請に必要な情報を、各情報項目の項目名に対応する位置情報(存在する場合はさらに規定値)に基づいて抽出する。このようにしてパスポート画像から、免税の申請に必要な情報の少なくとも一部の項目の記載内容を抽出し取得する。
取得したレシート画像からは、購入した各商品に関する情報を抽出し取得する。まず、輪郭の認識処理により取得された一枚のレシート画像に対し、店舗の名称(あるいは店舗を識別する識別情報)と、購入日時の情報を取得する。次に、そのレシート画像に記載された各購入商品の情報を取得する。これらの情報については、レシートも決まった形式の記載構造を持つため(例えば、上から順に、店舗名、日時、商品、合計と記載される等)、位置情報や範囲指定情報を予め登録しておくことで、この情報に基づき取得することができる。
例えば、レシートの所定位置から決まった場所に記載される情報(店舗名、日時等)であれば位置情報を登録しておき、商品のように一度の会計で購入した商品の点数に応じて記載範囲が一定でないものについては、一つの商品の情報を記載する記載構造と範囲を指定し、レシートの所定位置(上端)から決まった場所(一つ目の商品の情報の記載が開始される位置)に対し指定範囲の情報を抽出し、さらに抽出した情報の下端から指定範囲の情報を抽出し、といった処理を、各商品の情報が全て取れるまで繰り返す(例えば、抽出した範囲の情報に「合計金額」の文字が含まれていれば、各商品の情報は終わったと判断する)ことで、各商品の情報を取得することができる。なお、各商品の情報の取得方法はこれに限らず、レシートの記載構造や記載ルール(商品に順番に番号が振られる等)を利用した他の方法を用いてもよい。
レシートから購入した各商品の情報を抽出すると、文字認識により、購入した商品の品目コード(あるいは商品を識別する情報であれば商品名等でもよい)、購入した商品の単価、購入した個数の情報を認識し、商品の情報を取得可能である。このようにして、一枚のレシートにおける購入店舗、購入日時、購入商品、金額、の情報等が取得できる。取得された画像に複数枚のレシートのレシート画像が含まれていた場合、複数枚のレシート画像のそれぞれについて、上述した商品情報の取得を行う。
レシート画像から商品情報が取得されると、レシート画像から取得した店舗の名称が、店舗・税務署情報326に登録してある店舗1(自店舗)の名称であるか否かを判断する。登録してある店舗でない場合、不正なレシート(この店舗で免税申請の対象外となるレシート)であるため、その旨を通知し、このレシートにおいて購入された商品を免税申請の対象外とする。つまり、不正なレシートから取得した商品情報は、以降の処理で、免税申請の対象として使用しない。なお、店舗・税務署情報326に複数の店舗が登録されており、複数のレシートのレシート画像が取得された場合、登録店舗であるか否かの判断に加えて、各レシートを店舗毎に分類する。これは、免税申請の条件が1店舗あたりの購入金額であるためである。
次に、取得したレシート画像において店舗・税務署情報326に登録された同一店舗のレシートが複数ある場合、各レシートの購入日時に基づいて、各レシートを購入日毎に分類し、複数のレシートを購入日ごとに集計する。これは、免税申請の条件が1日あたりの購入金額であるためである。
店舗・税務署情報326に登録された店舗で商品を購入したレシートであることが確認され、さらに、そのレシートが1日1店舗あたりに分類されると、分類されたレシートから購入した商品の品目コードを取得する。そして、品目情報/品目コード324に基づき、購入した各商品の品目コードに対応する品目情報から、購入した各商品が免税対象の商品であるか否か、免税対象の商品であれば商品の種別が一般物品であるか消耗品であるか、を判別する。
なお、POSレジ2が、レシートを発行するときに、購入した各商品について、一般物品であることを示す識別情報と、消耗品であることを示す識別情報と、を該当する商品の商品情報として記載した場合、レシート画像から取得した各商品の商品情報から識別情報を取得し、これに基づいて各商品が、一般物品か、消耗品か、免税対象外か、を判別することができる。例えば、一般物品であれば「☆」マークが、消耗品であれば「△」マークを、それぞれ品目コードの横に記載したレシートを発行すること等が考えられる。
分類されたレシートの全てに対する判別が完了すると、1日1店舗あたりに購入された免税対象の一般物品(各商品)の金額を合算し、免税対象の消耗品の金額を合算し、それぞれの合計金額を算出する。このようにして、取得したレシート画像から、1日1店舗あたりに購入した免税対象の一般物品と消耗品のそれぞれにおける合計金額の算出結果が得られる。
図12はパスポート画像およびレシート画像の輪郭の認識の例を示す図であり、記載内容の認識により、パスポートPとレシートR1〜R3が区別される。そして、領域認識・文字認識部303は、認識されたパスポートPとレシートR1〜R3の画像を切り出し、図13に示すように、ユニークなファイル名を付与して取得画像321に保存する。
図9に戻り、レシート画像分割・縮小部304は、保存されたレシート画像について、そのままのサイズで印刷した場合にはパスポートに添付するには長い場合に、超過の度合いに応じて分割または縮小、さらには分割および縮小を行う(ステップS107)。
図14はレシート画像の分割・縮小の処理例を示すフローチャートである。図14において、レシート画像分割・縮小部304は、レシート画像のサイズを取得する(ステップS201)。レシート画像が複数ある場合は、それぞれについてサイズを取得し、以下の処理を行う。
次いで、レシート画像分割・縮小部304は、レシート画像のサイズが所定の第1の閾値を超えるか否か判断する(ステップS202)。第1の閾値は、パスポートの幅(挟み込める奥行き)(例えば、10cm)である。そして、レシート画像分割・縮小部304は、レシート画像のサイズが第1の閾値を超えないと判断した場合(ステップS202のNo)、分割・縮小は行わず処理を終了する。
レシート画像分割・縮小部304は、レシート画像のサイズが第1の閾値を超えると判断した場合(ステップS202のYes)、更に、レシート画像のサイズが所定の第2の閾値を超えるか否か判断する(ステップS203)。第2の閾値は、パスポートの幅(挟み込める奥行き)(例えば、10cm)に、所定の超過のサイズ(例えば、20%の2cm)を加えた値(例えば、12cm)である。レシート画像分割・縮小部304は、レシート画像のサイズが第2の閾値を超えると判断した場合(ステップS203のYes)、レシート画像を分割する(ステップS204)。図15はレシート画像の分割の例を示す図であり、「A001−レシート03」のサイズが第2の閾値12cmを超えているため、第1の閾値10cmに収まるサイズの複数の画像に分割している。
図14に戻り、レシート画像分割・縮小部304は、レシート画像のサイズが第2の閾値以下であると判断した場合(ステップS203のNo)、レシート画像を縮小する(ステップS205)。図16はレシート画像の縮小の例を示す図であり、「A001−レシート03」のサイズが第1の閾値10cmは超えるが、第2の閾値12cm以下であるため、第1の閾値10cmに収まるサイズに縮小している。
なお、上述した第1の閾値および第2の閾値は、例示した値に限らない。また、第2の閾値は、レシートのフォントサイズに応じて可変としてもよい。この場合、前段の領域認識・文字認識部303においてフォントサイズの取得を行い、その値に基づいて第2の閾値を設定することができる。フォントサイズが大きい場合、縮小しても可読性が保たれるため、第2の閾値を大きな値にし、縮小を優先させることができる。その結果、レシートがよほど長くならない限り分割されなくなり、レシート画像の一体性を認識しやすくなる。
また、レシート画像に対して分割が縮小かを択一的に行う例について説明したが、分割と縮小を同時に行うこともできる。例えば、縮小を優先的に行い、縮小しても第1の閾値を超えてしまう場合に分割することができる。
図9に戻り、真偽判定部305は、領域認識・文字認識部303により認識された記載内容に基づき、パスポート情報・ルール情報322のうちのルール情報とブラックリスト323を参照し、正規かつ有効なパスポートであるか否かを判定する(ステップS108)。正規かつ有効なパスポートでないと判定された場合、その旨をアラートし、その後の処理を中止する。
正規かつ有効なパスポートであると判定された場合、データ入力・データ修正部306は、免税申請のために必要な情報項目のうちパスポート画像から抽出した項目の記載内容を入力した上で、免税申請のための情報の入力および修正が可能な画面を表示する。このとき、画面にはパスポート画像から抽出した情報以外の情報で、免税申請のために購入者に入力させる入力項目が含まれる。また、抽出情報の項目名や、入力項目の項目名は、デフォルト(店舗が所在する国の自国語あるいはその国で多用する言語)としての日本語と、書類フォーマット329に登録された国籍と使用言語の対応情報に基づいてパスポート画像から特定した国(国籍)に対応した言語と、で記載される。こうすることで、従業員に好適な言語(ここでは日本語)と、購入者に好適な言語の両方で、項目名を表示することができる。
購入者は画面やキーボード等の入力装置を操作して、パスポートの画像からは取得できない(取得していない)情報である滞在資格や上陸年月日等の入力を行い、データ入力・データ修正部306は入力を受け付けて、画面に入力内容を反映し、更新画面を表示する。また従業員は、領域認識・文字認識部303により自動的に認識されたパスポートやレシートの記載内容が正しいかどうかを画面を介して確認し、修正が必要であれば記載内容やそれらに基づく加工情報への修正を行い、データ入力・データ修正部306は入力された修正内容を受け付けて修正を反映した画面の更新を行う(ステップS109)。
図17はデータ入力・修正の画面例を示す図である。(a)は、MFP3においてパスポートの画像と認識結果(読み取り結果)を表示し、在留資格の入力(タップすることで短期滞在、留学、興業、文化活動等の選択肢が表示され、その中から選択可)、上陸年月日の入力、一般物品・消耗品の合計額の修正等が行えるようになっている。(b)は、タブレット4における同様の画面である。(c)は、MFP3においてレシートの画像と認識結果(読み取り結果)を表示し、購入合計額・一般物品・消耗品の各商品における購入金額、あるいは合計額の修正等が行えるようになっている。(d)は、タブレット4における同様の画面である。
図9に戻り、画面を介した情報の入力、修正が完了し、購入者あるいは従業員により確認完了の指示がされると(例えば「完了」ボタンが押下されると)、免税対象判定部307は、免税条件325を参照し、一般物品と消耗品の別で、免税対象となる一または複数の商品を判定する(ステップS110)。具体的には、1日1店舗あたりに購入された免税対象の一般物品の合計金額が、免税申請の適用条件を満たすか否か、具体的には合計金額が1万円を超えるか否かを判定する。また、同様にして、1日1店舗あたりに購入された免税対象の消耗品の合計金額が、免税申請の適用条件を満たすか否か、具体的には合計金額が5千円を超えるか否かを判定する。いずれにおいても超えると判定されれば、免税申請の適用条件を満たすこととなる。
次に、消耗品の合計金額が5千円を超えていた場合、合計金額が50万円を超えているか否かを判定する。消耗品は免税申請の上限額も決まっているため、50万円を超えていると超過部分の金額については課税の対象となるからである。
なお、この際、消耗品については、既に同じ購入者が同日にその店舗1で購入した消耗品に対する免税申請を行っているかどうかを、処理済データ331から判断する。具体的には、購入者(パスポートから取得した名前)と、免税申請対象のレシートに記載された購入日と、をキーにして処理済データ331を検索し、該当する処理済データがあるか否かを確認する。
該当する処理済データがあった場合、その処理済データから免税申請を行った消耗品の合計金額を取得し、今回の消耗品の免税申請における合計金額と合算する。複数の免税申請に対する処理済データがあった場合、各処理済データから取得した合計金額と、今回の消耗品の免税申請における合計金額とを合算する。そして、合算した合計金額が50万円を超えているか否かを判定する。
例えば、消耗品を複数回に分けて購入し、複数回に分けて免税の申請を行った場合でも、合計額が50万円を超えた場合には、超過部分の金額については課税となるため、これにより、後日、免税店に税務署からの課徴金請求を防止することが可能となる。
50万円を超えていると判定されると、従業員あるいは購入者にその旨を通知する。このとき、免税の申請外とする商品の選択画面を表示させ、購入者に申請の対象外とする商品を選択させてもよい。
例えば、タブレット4に、免税対象となっている消耗品の商品リストと合計金額を表示し、購入者は対象外とする商品を選択する。選択されると画面には、選択された消耗品の金額を減算した合計金額を表示し、このようにして更新される合計金額が50万円以下となった場合に、購入者は画面を介して申請する商品の確定指示を行うことができる(例えば合計金額が50万円を超えているときは「確定」ボタンを選択できないように表示し、50万円以下となったときに「確定」ボタンを選択できるように画面を制御する)。このようにして、購入者が購入した商品のレシートに基づき、免税の申請対象となる一般物品や消耗品が決定する。
また、現行制度では一般物品についての同日の購入額が100万円を超える場合はパスポートのコピーの保存が義務付けられているが、その義務が存在するか否かについても同様に、処理済データ331を用いて判定する。つまり、既に申請された免税申請の中に同日に同一店舗で同一の購入者が申請したものがあるかを検索し、あった場合には、今回の一般物品の免税申請の合計金額に、既に申請した一般物品の合計金額を合算し、合算後の合計金額が100万円を超えているか否かを判定する。
これにより、例えば、ある日の午前中に80万円の購入があった場合、その際にはパスポートのコピーの保存の義務はないと判定されるが、午後に30万円の購入があった場合には、合計が100万円を超えるため、パスポートのコピーの保存の義務があると判定される。これにより、パスポートのコピーの保存を忘れるといったヒューマンエラーを防止することができる。
次いで、検疫情報提供部308は、検疫情報327を参照し、購入商品によって、持ち帰る国によって検疫情報(検疫措置の必要性の有無、手荷物や宅配便の別で輸入の禁止の有無、代替品等)を提供する(ステップS111)。国の情報は、パスポートから抽出された国籍の記載内容を用いて特定されているため、ここでは特定された国に応じた検疫情報を参照し、申請者の国に応じた情報を提供することができる。
次いで、書類作成部309は、免税対象判定部307により判定された結果に基づき、一般物品と消耗品のそれぞれについて今回の免税申請の対象となる一または複数の商品の情報と、パスポートから取得した情報や入力・修正された情報と、店舗・税務署情報326に登録された情報等の情報に基づき、書類フォーマット329を参照して免税販売書類(購入記録票、購入者誓約書、消耗品リスト)のデータを作成する(ステップS112)。ここで、作成される免税販売書類の少なくとも一部には、パスポートから特定した国籍に対応した言語の書類フォーマットが使用される。例えば、購入者に誓約の署名を行わせる購入者誓約書において、誓約内容や注意を記載する内容などは、購入者が読める言語であることが望ましいため、パスポートの国籍に対応した言語を使用するとよい。
次いで、広告作成部310は、国籍、年齢、性別、購入商品名、購入金額等に基づき、広告情報328を参照して広告文書のデータを作成する(ステップS113)。広告文書は、国籍に応じた言語(英語の併記を伴うことが望ましい)で作成されている。
図18は広告情報328の例を示す図である。すなわち、広告情報328には、各言語別(日本語、英語、中国語、タイ語、フランス語等)に設けられたフォルダへ広告情報が登録されている。また、各フォルダ内には「男性広告」、「女性広告」などの名称が付与されたファイル)が登録されている。
そして、パスポート情報から得られる国情報から該当するフォルダを特定する(例えば、中国国籍なら「中国語広告」)。更に、パスポート情報から得られる性別情報からファイル(男性なら「男性広告」)を特定し、そのファイルから広告情報を取得する。なお、広告情報は、免税書類を印刷する際の空きスペース(例えば、用紙を4分割した領域のうちの何も印刷されない領域)に埋め込む。ただし、広告情報の印刷を必須とする場合は、免税書類を別の用紙に分割することで空きスペースを作るか、広告情報を別の用紙に印刷する。また、広告情報にはクーポン等を含めることができるとともに、一般的な人間向きの文字・画像等に限らず、URLリンクを埋め込んだ2次元コード等を含めることができる。
図19は空きスペースに広告を挿入する場合の処理例を示すフローチャートであり、主として広告作成部310(図7)による処理である。図19において、広告作成部310は、初期値として、印刷画面数を、「購入記録票」と「購入者宣誓書」に対応する「2」に設定する(ステップS201)。
次いで、広告作成部310は、店舗控え用レシート(画像)を印刷するか否か判断する(ステップS202)。これは、初期設定で印刷するか否かを設定しておくか、案件ごとに印刷するか否か設定し、その設定に基づいて判断する。広告作成部310は、店舗控え用レシート(画像)を印刷すると判断した場合(ステップS202のYes)、印刷画面数に1加算する(ステップS203)。
広告作成部310は、店舗控え用レシート(画像)を印刷しないと判断した場合(ステップS202のNo)または印刷画面数に1加算(ステップS203)した後、商品リストまたはこれに代わるレシート画像を印刷するか否か判断する(ステップS204)。これは、初期設定で印刷するか否かを設定しておくか、案件ごとに印刷するか否か設定し、その設定に基づいて判断する。広告作成部310は、商品リストまたはこれに代わるレシート画像を印刷すると判断した場合(ステップS204のYes)、印刷画面数に1加算する(ステップS205)。
広告作成部310は、商品リストまたはこれに代わるレシート画像を印刷しないと判断した場合(ステップS204のYes)または印刷画面数に1加算(ステップS205)した後、パスポート画像を印刷するか否か判断する(ステップS206)。例えば、一般物品合計額が100万円を超えることでパスポート画像の保管義務が生ずる場合には、パスポート画像を印刷すると判断する。パスポート画像を印刷すると判断した場合(ステップS206のYes)、印刷画面数に1加算する(ステップS207)。
広告作成部310は、パスポート画像を印刷しないと判断した場合(ステップS206のNo)または印刷画面数に1加算(ステップS207)した後、広告を印刷するか否か判断する(ステップS208)。広告を印刷するか否かは予め初期設定で決めておき、その設定に基づいて判断する。広告作成部310は、広告を印刷しないと判断した場合(ステップS208のNo)、処理を終了する。
広告作成部310は、広告を印刷すると判断した場合(ステップS208のYes)、印刷画面数に応じて用紙のサイズおよび広告の印刷の有無を決定し(ステップS209)、処理を終了する。図20は印刷画面数と用紙サイズおよび広告印刷の有無の対応付けの例を示す図であり、印刷画面数が偶数となる「2」「4」の場合は広告の印刷は行わず、奇数となる「3」「5」の場合に広告の印刷を行うものとしている。なお、印刷画面数に応じて、用紙サイズおよび広告画面の追加を判断しているが、用紙サイズが固定の場合は、空き画面数に応じて広告画面数を追加してもよい。例えば、広告印刷前の印刷画面数が「2」で用紙サイズがA4固定の場合、免税関連書類は2画面印刷し、広告は2面分印刷することができる。
レシート画像は「購入者誓約書(店舗控え用にレシートが添付)」、「消耗品リスト(または代用品として扱われるレシート)」の2種類の書類に利用されるが、POSレジから出力されるレシート等を添付してもよい。そのため、POSレジから印刷されるレシートの枚数を考慮し、店舗側で本システムで出力されるレシート画像の枚数を選択できるようにしてもよい。なお、上記2種類の書類以外にも、「購入記録票(パスポート添付用にレシートが添付)」も上記判断対象としてもよい。
また、ミシン目に沿った組み合わせで印刷されることで、
・購入者誓約書とレシートの間にはミシン目が無い
・広告は単独で切り取られる
・消耗品リストは単独で切り取られる
・購入記録票は単独で切り取られる(ただし、パスポート添付用のレシートを印刷する場合はミシン目が無い)
という条件を満たすように印刷のレイアウトが行われる。
図9に戻り、印刷処理部311は、書類作成部309により作成された免税販売書類と、広告作成部310により作成された広告文書とを、出力先情報330に設定された出力先の示す印刷装置に印刷を行わせる(ステップS114)。なお、印刷の開始に先立ち、図21に示すような印刷プレビュー画像をMFP3またはタブレット4に表示し、操作者から印刷開始の指示を受けた場合に印刷を開始する。
図22は用紙への各書類の配置の例を示す図であり、1枚の用紙に複数の免税書類を印刷し、切り取って用いるようにしている。破線で示す位置に予めミシン目が入った用紙を用いることで、切り取りを容易にすることができる。広告情報は2枚目以降に印刷する。(a)は一般物品の場合に対応し、購入記録票と購入者誓約書を配置している。(b)は消耗品の場合に対応し、購入記録票と購入者誓約書と消耗品リストを配置している。レシートを消耗品リストに代用する運用とする場合は、消耗品リストを省略することができる。図23は購入記録票の例を、図24は購入者誓約書の例を、図25は消耗品リストの例を、それぞれ示している。それぞれの書面は、税法により記載が義務付けられた項目を含むものとなっている。
購入記録票は購入者のパスポートに貼り付けられ、割印が押される。購入者誓約書は購入者により署名が行われた上で、店舗1にて保存する。消耗品リストは、外部から内容物が観察できるような透明な包装でパッキングされた荷物に貼り付けられるか、包装の内部に外部から観察できるように封入される。なお、POSレジ2において免税額の控除をしていない場合は、免税書類の交付時に免税額の払い戻しを行うことになる。
次に、図9の書類作成(ステップS112)〜印刷(ステップS114)において、書類のレイアウトに応じて、MFP3による印刷時の給紙カセットを適切に選択して用紙を変更する例について説明する。
図26は用紙サイズおよびミシン目の異なる用紙がセットされた例を示す図である。図では、MFP3の給紙1段目の給紙カセットにはA5縦で破線のようにミシン目が入った用紙がセットされているものとする。給紙2段目の給紙カセットにはA4横で破線のようにミシン目が入った用紙がセットされているものとする。給紙3段目の給紙カセットにはA4横で破線のようにミシン目が入った用紙がセットされているものとする。なお、書類のレイアウトおよびミシン目は図示の例に限定されるものではない。
図27は書類のレイアウトにより給紙カセットを選択する処理例を示すフローチャートであり、主として印刷処理部311(図7)による処理である。図27において、印刷処理部311は、印刷対象にレシート画像があるか否か判断する(ステップS301)。印刷処理部311は、印刷対象にレシート画像があると判断した場合(ステップS301のYes)、給紙1段目(A5縦)を選択して印刷を行う(ステップS302)。この場合、ミシン目で仕切られた上半分にパスポート添付用の購入記録票(輸出免税物品購入記録票)が印刷され、その裏面には注意書きが印刷される。また、下半分には店舗控え用の購入者誓約書が印刷される。図28は購入記録票と購入者誓約書の例を示している。図29は裏面に印刷される注意書きの例を示している。
図27に戻り、印刷処理部311は、印刷対象にレシート画像がないと判断した場合(ステップS301のNo)、一般物品で100万円超であるか否か、すなわち、パスポートのコピーを保管する義務があるか否か判断する(ステップS303)。印刷処理部311は、パスポートのコピーを保管する義務がないと判断した場合(ステップS303のNo)、給紙2段目(A4横)を選択して印刷を行う(ステップS304)。この場合、ミシン目で仕切られた上半分の左側にパスポート添付用の購入記録票が印刷され、その裏面には注意書きが印刷され、右半分には広告画像が印刷される。また、下半分には店舗控え用の購入者誓約書とレシート画像が印刷される。なお、空白部分には、前述したように広告情報を印刷してもよい。
印刷処理部311は、パスポートのコピーを保管する義務があると判断した場合(ステップS303のYes)、給紙3段目(A4横)を選択して印刷を行う(ステップS305)。この場合、ミシン目で仕切られた上半分の左側にパスポート添付用の購入記録票が印刷され、その裏面には注意書きが印刷される。また、上半分の右側にはパスポート画像が印刷され、下半分には店舗控え用の購入者誓約書とレシート画像が印刷される。
免税販売書類は、基本的には購入記録票と購入者誓約書で構成されるが、一般物品の合計金額が100万円以上の場合はパスポートのコピーが免税販売書類に含まれる。また、消耗品の場合は消耗品リストまたはそれに代替するレシート等が免税販売書類に含まれ、購入記録票に添付するレシートまたはそれに代替する書類や購入者誓約書に添付されるレシートまたはそれに代替する書類等も必要に応じて免税販売書類となる。基本構成である購入記録票と購入者誓約書を印刷する場合は2つの書類で済むため、上述した処理により、A5のサイズの様な小さ目のサイズの用紙に上記2つの書類を印刷する。
パスポートのコピー(パスポート画像)や消耗品リスト等も印刷対象となる場合は、用紙のA5用紙だと枚数が増加してしまったり、書類がバラバラになることを避けるために、A4の様な大き目のサイズの用紙を用いて、効率的な印刷を行う。なお、A5サイズの用紙を用いて、購入記録票と購入者誓約書とパスポートのコピーを縮小して1枚に印刷してもよいが、これだと店舗側で保存する際に同じ書類でも状況によってサイズが異なってしまうため保管がしにくくなる。従って、同じサイズで保存するためにA5用紙の2倍の面積の規格であるA4サイズの用紙を用いるのがよい。
更に、免税販売書類はパスポート添付用の部分と店舗控え用の部分が同一用紙に出力されるものであるが、用紙(A4、A5)には事前にミシン目が設けられているため、分離作業を軽減することができる。
図9に戻り、データ保存部312は、印刷を行った免税販売書類や広告文書の情報、または、処理の過程の情報を処理済データ331に保存する(ステップS115)。免税対象判定部307によりパスポートのコピーの保存が義務付けられると判定された場合、取得したパスポート画像の保管処理を実行する。保管処理の例としては、処理済データ331に保存するデータにパスポートの画像を含ませる処理や、管理サーバ6に送信して保管する処理、あるいは専用の記憶装置に記録する処理等があげられる。また例えば、免税販売書類の印刷時にパスポート画像も印刷する処理があげられる。印刷の場合、図22(a)の用紙にパスポート画像を含ませてもよく、一般物品の購入者誓約書にパスポート画像を含ませるようにしてもよいし、別紙に印刷してもよい。なお、パスポートの画像は購入者誓約書と紐付けて保存される。
一方で、パスポートのコピーの保存が義務付けられないと判定された場合、パスポートの画像は破棄され、保存されない。特に、パスポートは非常に秘匿性の高い情報であるため、パスポート画像を取得した装置が有するHDD、メモリ等の記憶部から消去し、容易に他人に取得されないようにすることが望ましい。
締め処理部313は、1日の終業時等に店員の操作や設定時間の到来に応じ、当日の免税処理案件の一覧等を出力先情報330に設定された出力先の示す印刷装置に印刷を行わせる(ステップS116)。例えば、パスポート番号別の免税金額一覧表や免税分振り替え伝票等を紙で出力する。なお、紙で出力する情報は必ずしもこれに限られず、パスポート番号だけでなくパスポート情報から読み取った国情報等を付加して出力することも可能である。さらに、免税金額や免税分振り替え伝票の内容を国情報に基づいて予め国毎に仕分けされた情報(どの国の人がどれだけ免税処理を行ったか等の情報)に加工して出力することも可能であり、このような当日の免税処理案件の情報を翌日以降の販売計画や店舗内の販促資料の修正といった販売戦略に活用させることができる。
データアップロード部314は、MFP3およびタブレット4の処理済データ331が満杯とならないように、または、データバックアップのために、処理済データ331を管理サーバ6に所定のタイミング(深夜等)にアップロード送信する(ステップS117)。これを受け、管理サーバ6のデータバックアップ制御部63は、MFP3またはタブレット4からアップロードされたデータを保存する(ステップS118)。
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば、取得した文書が適格な条件を満たしているか否かを効率的に判断することができ、これによって、従来から行われている商品販売の業務にできるだけ影響を与えず、店舗内の機器の稼働効率を向上させて円滑な免税販売を行うことができる。
また、次のような効果もある。
・店舗内に一般的に設置されているMFP等の画像読取機能を有する画像処理装置を利用して、免税販売書類専用の印刷手段を用いずに、免税販売書類の作成を実現できる。
・MFPから出力される汎用的なサイズの記録紙を利用して免税販売書類の作成が可能となる。
・汎用的なサイズの記録紙で免税販売書類の出力を可能とするため、関連書類等の情報配置、倍率調整、記録紙の選定等の効率化・適正化を実現することができる。
・パスポートの読み取りについては、MFPに備えられているスキャナ機能を利用することで、専用の読み取り装置を設ける必要が無い免税販売書類の作成を実現することができる。この際には、MFPのスキャナ機能の特徴である原稿台の大きさを活用し、パスポートとレシートの同時読み取りや複数のレシートの同時読み取りを実現し、免税販売書類の工数削減を実現することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
なお、本発明の実施の形態の一例として同一店舗で実施した複数の購入(複数のレシート)を対象に免税販売に関する書類作成のシステムを説明したが、これに限られない。例えば施設内に複数の店舗を有する複合施設で購入した複数のレシートを対象に免税販売に関する書類を作成するシステムに適用することも可能である。この場合、複合施設内の各店舗で発行されるレシートには複合施設の店舗で購入されたことがわかるような情報をレシートに印字させておいてもよい。例えば複合施設の名称等の識別情報をレシートの所定の位置に印字することを予め定めておき、スキャン時に予め定めておいた識別情報を取得したことによって複合施設の店舗で購入されたレシートであると判断してもよい。
また、レシートに印字された複合施設の識別情報以外の情報は各店舗で定められているレシートの記載形式(店舗名、日時、商品、各商品の金額、合計金額、品目情報の種類や位置等のフォーマット)の情報を予め記憶しておき、スキャン時に店舗名称等の店舗を識別する情報を取得し、取得した店舗の識別情報に基づいて特定した店舗に対応する記載形式の情報に基づいて免税書類作成に必要な情報を取得してもよい。
なお、本発明は、免税申請を利用シーンにあげて説明してきたが、このことは、本発明の適用範囲が免税申請処理に限られることを示すものではない。免税申請に限らず、種々の利用シーンにおいて適用することは可能である。例えば、本発明を適用する好適な一利用シーンとして、免税申請処理に見られるように、物品に対する所有権を取得した所有者が、取得のために要した費用に基づき、申請を行うといったケースが考えられる。
以下、上述の説明に基づき本発明が有する技術をまとめる。本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、所定の文書(上述の実施形態におけるパスポートに相当)が表示された表示媒体を、スキャナや撮像等の読取手段によって読み取り、表示媒体に表示された内容の画像(以下、表示画像と呼ぶ)を取得する画像取得手段を有する。なお、表示媒体は、ユーザが所有するもので、現在のパスポートのような紙媒体に限らず、電子ペーパーや端末のディスプレイ等であってもよい。また、表示された内容には、国籍やパスポート番号といったユーザの個人情報が記されている。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、取得した表示画像から、予め設定された抽出領域(上述の実施形態における位置情報等に相当)の画像を抽出(以下、抽出画像と呼ぶ)し、抽出画像に表記された記載内容の情報(上述の実施形態における国籍の識別情報やパスポート番号等の文字、数字に相当し、以下、記載情報と呼ぶ)を認識する記載内容認識手段を有する。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、取得した記載情報が、予め設定された照合内容(上述の実施形態における国の識別情報の値に相当)と一致するかを判定する照合判定手段を有する。ここで、照合内容と照合する記載情報を取得するための抽出領域は予め対応付いて設定されており、照合内容は、対応付く抽出領域から抽出した抽出画像において認識された記載情報と照合される。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、照合内容と対応付けて、表示画像から取得したい記載情報の抽出領域が予め設定されており、照合判定手段により一致すると判定された照合内容に対応付く抽出領域に基づいて表示画像から抽出された抽出画像を取得する。なお、取得したい記載情報が異なる領域に複数ある場合、1つの照合内容に複数の抽出領域を対応付けて設定することができる。またさらに、記載情報を識別するための識別情報(上述の実施形態における項目名に相当)を抽出領域に対応付けて設定することで、各抽出領域から取得した記載情報に対して識別情報を関連付けることができる。なお、ここで取得したい記載情報は、ユーザの個人情報(上述の実施形態における国籍、パスポート番号等に相当)である。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、言語を指定する情報である言語指定情報と、照合内容とが予め対応付けて設定されており、一致すると判定された照合内容に対応付く言語指定情報に基づいて、表示画面に情報を表示するときに使用する言語を特定する表示言語特定手段を有する。なお、表示画面に表示される内容の全てを特定した言語で表示する必要はないが、少なくとも一部の内容については、特定した言語で記載した記載内容が表示される。特に、ユーザの所有する文書から特定した言語であるため、文書を所有するユーザが操作を行うための表示画面を表示するときに、特定した言語で記載された内容が表示される。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、特定した言語で記載が対応された表示画面を介して、文書を所有するユーザが操作を行い入力した情報を取得する入力情報取得手段を有する。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、ユーザの行為(上述の実施形態における購入者による商品の購入行為に相当)に関する履歴であって、名称が記載された1以上の項目(上述の実施形態における商品に相当)のそれぞれに対する数値(上述の実施形態における単価、数量、金額に相当)を含む履歴情報が記録された記録媒体(上述の実施形態におけるレシートあるいはPOSレジ2に相当)から、履歴情報を取得する履歴取得手段を有する。また、履歴情報には、ユーザが行為を行った場所を特定する情報(上述の実施形態における店舗に相当)と、行為を行った日時の情報と、が含まれる。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、取得した履歴情報に含まれる1以上の項目のそれぞれについて、複数の種別(上述の実施形態における一般物品、消耗品、対象外に相当)のうち、その項目の名称が分類される種別を特定する種別特定手段を有する。なお、種別の特定方法の一例として、予め履歴に記録される可能性のある全項目の名称に応じた種別を登録しておき、これに基づいて、履歴情報に記録された各項目に応じた種別を特定する方法があげられる。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、同じ種別と特定された1以上の項目に対する数値に基づき合計値(上述の実施形態におけ合計金額に相当)を算出する算出手段を有する。また、算出手段は、各項目に対する数値、あるいは、算出された合計値に対する修正を受け付け、合計値を更新することもできる。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、予め設定された数値の条件(上述の実施形態における免税条件(一般物品は合計購入額10,001円以上、また、1,000,000円以上、消耗品は合計購入額5,001円〜500,000円まで)に相当し、以下、数値条件と呼ぶ)に基づき、合計値が数値条件を満たすか否かを判定する数値条件判定手段を有する。また、数値条件は、種別に応じて設定され、ある種別に対して算出された合計値が、その種別に対して設定された数値条件を満たすか否かを判定することができる。また、数値条件は、1つの種別に対して複数設定することができ、それぞれの数値条件について判定することができる。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、数値条件の判定結果に基づき、印刷出力を実行するか否かを制御する出力制御手段を有する。また、判定結果に基づき、取得した表示画像の保管処理を実行するか否かを制御する保管制御手段を有する。また、判定結果に基づき、印刷出力が実行できない場合に、合計値の算出に関わる1以上の項目から、合計値の算出に関わらせない項目(以下、算出対象外項目と呼ぶ)を選択させる項目選択画面を表示する項目選択手段を有する。選択の後、合計値の算出に関わる1以上の項目から算出対象外項目を除いて算出された合計値が数値条件を満たすか否かが数値条件判定手段により判定され、この判定結果に基づいて出力制御手段は印刷出力を実行するか否かを制御することができる。
また、本発明を実現する装置あるいは1以上の装置で構成されるシステムは、判定結果に基づき印刷出力を実行する場合に、予め保持するフォーマットデータに基づき印刷データを作成する印刷データ作成手段を有する。なお、複数の言語のそれぞれに対応するフォーマットデータを保持しており、一致すると判定された照合内容に対応付く言語指定情報の言語のフォーマットデータが印刷データの作成に用いられる。これは、文書を所有するユーザが、印刷データが印刷された用紙に対する記入を行うためである。また、印刷データ作成手段は、取得した記載情報に基づき印刷データを作成する。また、印刷データ作成手段は、取得した履歴情報に基づき印刷データを作成する。
<実施形態の用語と請求項の用語の対応>
画像取得部302は「画像取得手段」の一例である。領域認識・文字認識部303は「画像保存手段」の一例である。なお、画像の保存には、処理の過程での一時的なメモリ上の記憶と、HDD等への永続的な記録(所定期間履歴等)とが含まれる。印刷処理部311は「印刷手段」の一例である。書類作成部309または印刷処理部311は「判断手段」の一例である。