JP2019209333A - ロール、並びにこれを用いた溶接装置及び鋼板の製造方法 - Google Patents

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【課題】被処理材の重ね部分からの位置ずれを抑制することができるロールを提供する。【解決手段】ロール(1)は、側面(12,13)と、側面(12,13)に接続される外周面(11)と、を備える。外周面(11)は、ロール(1)の縦断面視で回転軸(X)と平行に延びる。側面(12)は、側面本体(121)と、側面本体(121)の周囲に配置される拡径部(122)と、を含む。拡径部(122)は、外周面(11)の周縁(111)に接続され、ロール(1)の縦断面視で側面本体(121)から外周面(11)に向かって拡径する。側面(13)は、側面本体(131)と、側面本体(131)の周囲に配置される垂直部(132)と、を含む。垂直部(132)は、外周面(11)の周縁(112)に接続され、ロール(1)の縦断面視で外周面(11)に垂直である。【選択図】図5

Description

本開示は、ロールに関し、より詳細には、回転軸周りに回転可能に構成され、少なくとも一部分が重なり合った板状の被処理材にロータリスウェージングを施すロールに関する。また、本開示は、このロールを用いた溶接装置及び鋼板の製造方法に関する。
例えば、鋼板同士を接合する場合、重ね抵抗溶接が利用されることがある。重ね抵抗溶接では、板状の被処理材の重ね部分を一対の電極が挟んで加圧する。そして、この状態で電極に電流が供給されることで、重ね部分に抵抗発熱が生じ、重ね部分が溶融して接合される。
重ね抵抗溶接の一種として、シーム溶接が知られている。シーム溶接は、被処理材の重ね部分に沿って円板状の電極を走行させ、重ね部分を線状に溶接するものである。シーム溶接のうち、被処理材の板端同士を重ね合わせ、重ね合わせた板端を電極で押し潰しながら通電を行うものを、マッシュシーム溶接という。
特許文献1には、マッシュシーム溶接に先立って先行板及び後行板にロータリスウェージングを施す溶接装置が記載されている。特許文献1の溶接装置は、上下の電極円板と、2組のスウェージングロールと、を備える。スウェージングロールの組は、それぞれ、片台形ロールと、フラット形ロールとで構成されている。
特許文献1において、スウェージングロールの一方の組は、後行板と重ねられていない状態の先行板を挟んで加圧する。スウェージングロールの他方の組は、先行板と重ねられていない状態の後行板を挟んで加圧する。先行板及び後行板を個別に加圧することにより、先行板の板厚と後行板の板厚とが異なる場合に、板ごとに加圧力を変更し、両板を同一の厚みに押し潰すことができる。各板の端部は、外周面の全体が傾斜面である片台形ロールにより、剣先形状に形成される。
特許文献2には、鋼帯を加圧した後に溶接を行う、マッシュシーム溶接方法が記載されている。特許文献2の溶接方法では、先行鋼帯と後行鋼帯との重ね代を調整する工程と、溶接工程との間に、鋼帯の溶接予定部(重ね部分)をロールで押し潰す工程が設けられている。
特許文献3には、マッシュシーム溶接装置が記載されている。特許文献3の溶接装置は、先行鋼板と後行鋼板との重ね部分を上下のスウェージングロールで押し潰した後、上下の電極円板によって重ね部分を溶接する。
特開平5−069151号公報 特開平3−052778号公報 特開2006−110577号公報
特許文献2及び3に記載されているように、マッシュシーム溶接前に被処理材の重ね部分にロータリスウェージングを施し、重ね部分の合計板厚を予め低減させる技術が知られている。当該技術は、プレスウェージングと称されることがある。プレスウェージングにより、被処理材同士の密着性が向上するため、接触抵抗が低減して溶接初期の電流集中が緩和され、重ね合わされた被処理材の非対称な変形が抑制される。また、プレスウェージングにより、電極による必要加圧力が低減して、溶接時の接触面圧を容易に確保できるとともに、被処理材の重ね部分において電流が通過する面積が増加する。よって、重ね部分全体で発熱が生じ、重ね部分において厚み方向の中心にナゲットが形成されやすくなる。
マッシュシーム溶接にプレスウェージングを適用することで、溶接性を向上させることができる。ところが、被処理材の元の板厚が大きい場合、プレスウェージングを適用しても溶接不良が生じることがある。より詳細には、重ね部分の合計板厚が大きくなると、ロールで加圧したときに十分に板厚を低減させることが難しい。その結果、溶接時における発熱量が不足して、被処理材の接合面からの剥がれ等といった溶接欠陥(冷接)が生じる可能性がある。
冷接を防止するため、例えば、電極に供給される電流値、並びに電極及びロールの加圧力を増加させることが考えられる。しかしながら、電流値及び加圧力を増加させる場合、電極及びロールを備える溶接装置の改造又は取替えが必要となる。必要加圧力相当の応力を得るため、ロールの幅を全体的に小さくすることも考えられるが、この場合、ロールの周辺部品の変更が必要となり、やはり溶接装置を改造することになる。
本発明者等は、溶接装置を改造することなくロールの応力を増大させるため、まず、既存のロールを加工し、図7に示すロール9を作製した。図7は、ロール9の縦断面を示す。ロール9は、縦断面視で、外周面91と、一対の側面92と、を有する。側面92は、それぞれ、傾斜部921を含む。この傾斜部921により、外周面91は、その幅L91がロール9の最大幅L92よりも小さくなるように形成される。よって、ロール9によれば、外周面91から被処理材に作用する応力を、既存のロールよりも大きくすることができる。また、ロール9の最大幅L92は既存のロールの最大幅から変更されていないため、既存のロールが搭載されていた溶接装置にロール9をそのまま搭載することができる。
本発明者等は、ロール9を使用して被処理材のロータリスウェージングを実施した。しかしながら、ロータリスウェージング中、被処理材の重ね部分からロール9がずれるという問題が発生した。図8は、ロータリスウェージング中におけるロール9の位置を説明するための図である。
図8に示すように、被処理材W1,W2の端部同士を重ね合わせた重ね部分は、上下のロール9の間に配置される。各ロール9は、重ね部分に沿って走行する支持フレーム(図示略)に取り付けられる。上ロール9は、支持フレームに対し、シリンダ等の昇降機構(図示略)を介して上下動可能に取り付けられる。下ロール9は、上下動不能に支持フレームに固定される。各ロール9は、支持フレームの走行時において回転軸周りに回転する。
図8において一点鎖線Ztは、下ロール9の幅中心線を示す。上ロール9は、本来二点鎖線で示す位置に存在し、その幅中心線は下ロール9の幅中心線Ztと概ね一致する必要がある。すなわち、回転軸方向において、上ロール9の位置は、本来、下ロール9の位置と概ね一致する必要がある。しかしながら、図8において実線で示すように、回転軸方向における両ロール9の位置は、加圧が開始された後、徐々にずれていく。これは、加圧によって被処理材W1に段差部Uが形成され、この段差部Uから上ロール9の傾斜部921が斜め向きの荷重を受けるためである。上ロール9の傾斜部921では、段差部Uからの斜め向きの荷重を押し返す垂直抗力が発生し、その結果、回転軸方向の荷重(スラスト荷重)が発生する。よって、図8において矢印Aで示すように、上ロール9が本来存在すべき二点鎖線で示す位置から実線で示す位置へ回転軸方向に移動し、被処理材W1,W2の重ね部分から外れてしまう。すなわち、上ロール9が、被処理材W1,W2の重ね部分から脱輪する。
上記の例では、上ロール9が昇降機構を介して間接的に支持フレームに取り付けられている一方、下ロール9は、支持フレームに直接固定されている。よって、上ロール9の方が下ロール9よりも回転軸方向にずれやすい。このため、図8では、上ロール9だけが位置ずれを起こした状態を示している。しかしながら、下ロール9の傾斜部921にも、被処理材W2の段差部からの荷重が作用していると考えられる。よって、下ロール9に関しても、被処理材W1,W2の重ね部分からの位置ずれが生じ得る。
このように、図7及び図8に示す形状のロール9では、ロータリスウェージング中に被処理材W1,W2の重ね部分からの位置ずれが生じる可能性が高い。そこで、本発明者等は、さらに鋭意検討を重ね、本開示に係るロールを完成させた。
本開示は、被処理材の重ね部分からの位置ずれを抑制することができるロールを提供することを目的とする。
本開示に係るロールは、回転軸周りに回転可能に構成される。ロールは、少なくとも一部分が重なり合った板状の被処理材にロータリスウェージングを施す。ロールは、第1及び第2側面と、外周面と、を備える。第1及び第2側面は、回転軸方向から見て円形状をなす。外周面は、第1側面の外周縁と第2側面の外周縁とに接続される。外周面は、回転軸を中心とする環状を有する。外周面は、ロールの縦断面視で回転軸と平行に延びる。第1側面は、第1側面本体と、拡径部と、を含む。第1側面本体は、回転軸と交差する。拡径部は、第1側面本体の周囲に配置される。拡径部は、外周面に接続される。拡径部は、第1側面本体から外周面に向かって拡径する。第2側面は、第2側面本体と、垂直部と、を含む。第2側面本体は、回転軸と交差する。垂直部は、第2側面本体の周囲に配置される。垂直部は、外周面に接続される。垂直部は、外周面に垂直である。
本開示に係るロールによれば、被処理材の重ね部分からの位置ずれを抑制することができる。
図1は、本開示の実施形態に係る溶接装置の概略側面図である。 図2は、本開示の実施形態に係るロールの斜視図である。 図3は、図2に示すロールの一方側面図である。 図4は、図2に示すロールの他方側面図である。 図5は、図2に示すロールの縦断面図である。 図6は、図2に示すロールを用いたロータリスウェージングを説明するための図である。 図7は、本開示に係るロールに至るまでに検討したロールの縦断面図である。 図8は、図7に示すロールの、ロータリスウェージング中における位置を説明するための図である。
実施形態に係るロールは、回転軸周りに回転可能に構成される。ロールは、少なくとも一部分が重なり合った板状の被処理材にロータリスウェージングを施す。ロールは、第1及び第2側面と、外周面と、を備える。第1及び第2側面は、回転軸方向から見て円形状をなす。外周面は、第1側面の外周縁と第2側面の外周縁とに接続される。外周面は、回転軸を中心とする環状を有する。外周面は、ロールの縦断面視で回転軸と平行に延びる。第1側面は、第1側面本体と、拡径部と、を含む。第1側面本体は、回転軸と交差する。拡径部は、第1側面本体の周囲に配置される。拡径部は、外周面に接続される。拡径部は、第1側面本体から外周面に向かって拡径する。第2側面は、第2側面本体と、垂直部と、を含む。第2側面本体は、回転軸と交差する。垂直部は、第2側面本体の周囲に配置される。垂直部は、外周面に接続される。垂直部は、外周面に垂直である(第1の構成)。
第1の構成では、ロールの第1側面において、第1側面本体から外周面に向かって拡径する拡径部が設けられている。この拡径部により、第1側面本体から第2側面本体までの回転軸方向の長さよりも、外周面の回転軸方向の長さを短くすることができる。よって、外周面と被処理材との接触面積を小さくすることができ、外周面から被処理材に作用する応力を増大させることができる。
一方、ロールの第2側面には、垂直部が設けられている。垂直部は、外周面に対して垂直であるため、斜め向きの荷重が作用することはない。このため、加圧により変形した被処理材の段差部側に垂直部が位置するよう、第1の構成に係るロールを配置すれば、ロールに対してスラスト荷重が発生せず、被処理材の重ね部分からロールがずれるのを抑制することができる。
上記ロールにおいて、第1側面本体から第2側面本体までの回転軸方向の距離は、第1側面本体から垂直部までの回転軸方向の距離よりも大きくてもよい(第2の構成)。
第2の構成によれば、回転軸方向において、外周面に連続する垂直部が、第2側面本体よりも内側に位置づけられる。これにより、被処理材に対する外周面の接触面積をより確実に小さくすることができ、外周面から被処理材に作用する応力を増大させることができる。
上記第2の構成において、外周面の一方の周縁から第1側面本体までの回転軸方向の距離は、外周面の他方の周縁から第2側面本体までの回転軸方向の距離と等しくてもよい(第3の構成)。
第3の構成によれば、外周面は、回転軸方向においてロールの中央に位置づけられる。これにより、外周面の中心を被処理材の重ね部分の中心に合わせやすくなる。よって、被処理材の重ね部分をロールの外周面によって均一に押圧しやすくなる。
上記第2又は第3の構成において、外周面の回転軸方向の長さをL1、第1側面本体から第2側面本体までの回転軸方向の距離をL2とするとき、L1/L2は、0.3以上0.8以下であることが好ましい(第4の構成)。
第4の構成によれば、被処理材に対する外周面の接触面積を小さくすることができる一方、当該接触面積の大きさをある程度確保することができる。このため、被処理材の重ね部分の押圧を容易に行うことができる。
上記ロールにおいて、拡径部は、ロールの縦断面視で外周面と鈍角をなす傾斜面であってもよい(第5の構成)。
第5の構成によれば、拡径部の構造が簡素化されるため、実施形態に係るロールを容易に作製することができる。
実施形態に係る溶接装置は、板状且つ金属製の複数の被処理材の端部を重ね合わせた重ね部分を溶接する。溶接装置は、一対のロールと、一対の電極と、を備える。ロールは、重ね部分を挟んで加圧した状態で重ね部分に沿って走行する。電極は、重ね部分を挟んだ状態で電流が供給される。一対のロールのうち少なくとも一方は、第1から第5の構成のいずれかに係るロールである。第1から第5の構成のいずれかに係るロールは、複数の被処理材のうち当該ロールに接触する被処理材において、拡径部が垂直部よりも端寄りに配置される(第6の構成)。
上記溶接装置によれば、第1から第5の構成のいずれかに係るロールによって、被処理材の重ね部分を加圧する。このため、加圧中の被処理材の重ね部分からロールがずれるのが抑制され、重ね部分の厚みを均一に低減することができる。よって、加圧後に電極を用いて溶接を行う場合、良好な溶接結果を得ることができる。
実施形態に係る鋼板の製造方法は、板状且つ鋼製の複数の被処理材を準備する工程と、複数の被処理材の端部を重ね合わせて重ね部分を形成する工程と、一対のロールで重ね部分を挟んで加圧し、ロールを重ね部分に沿って走行させる工程と、ロールで加圧された後の重ね部分を抵抗溶接する工程と、を備える。一対のロールのうち少なくとも一方は、第1から第5の構成のいずれかに係るロールである。第1から第5の構成のいずれかに係るロールは、複数の被処理材のうち当該ロールに接触する被処理材において、拡径部が垂直部よりも端寄りに配置される(第7の構成)。
上記製造方法では、第1から第5の構成のいずれかに係るロールによって、被処理材の重ね部分を加圧する。このため、加圧中の被処理材の重ね部分からロールがずれるのが抑制され、重ね部分の厚みを均一に低減することができる。よって、その後の抵抗溶接において、良好な溶接結果を得ることができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、各図において実質的に同一の構成については、同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
[全体構成]
図1は、実施形態に係る溶接装置100の概略側面図である。溶接装置100は、被処理材W1,W2に抵抗溶接を施す。より具体的には、溶接装置100により、被処理材W1,W2にマッシュシーム溶接が施される。
被処理材W1,W2は、それぞれ板状をなす。被処理材W1,W2は、抵抗溶接に適する金属材料で構成される。溶接装置100による溶接に際し、被処理材W1,W2は、互いに重ね合わされる。なお、本実施形態において、図1の紙面に対して垂直な方向を被処理材W1,W2の長手方向と呼び、図1の左右方向を被処理材W1,W2の板幅方向と呼ぶ。被処理材W1,W2の長手方向の長さ、板幅方向の長さは特に問わない。
図1に示すように、溶接装置100は、一対のロール1a,1bと、一対の電極2a,2bと、を備える。溶接装置100は、昇降機構3,4と、切断機構5と、支持フレーム6と、をさらに備える。溶接装置100は、ロール1a及び/又はロール1bを除き、マッシュシーム溶接に用いられる公知又は市販の溶接装置と概ね同等の構成を有する。
ロール1a,1bは、概略円板状をなす。ロール1a,1bは、溶接装置100の側面視で、実質的に円形状である。ロール1a,1bは、それぞれ、回転軸部材Xa,Xb周りに回転可能に構成されている。回転軸部材Xa,Xbは、ロール1a,1bに溶接等により一体的に設けられてもよいし、ロール1a,1bに設けられた貫通孔に挿入されるシャフト等、ロール1a,1bと別体の部材であってもよい。特に限定されるものではないが、ロール1a,1bの材質としては、例えば、JIS G 4403(2006)に記載されるSKH51等を使用することができる。
ロール1aは、ロール1bの上方に配置される。ロール1a,1bの間には、被処理材W1,W2が配置される。ロール1a,1bは、支持フレーム6に支持される。ロール1aは、昇降機構3を介して支持フレーム6に取り付けられる。
上述したように、ロール1a及び/又はロール1bは、公知又は市販のマッシュシーム溶接装置のロールと異なる構成を有する。ロール1a及び/又はロール1bの構成については、後で詳しく説明する。
昇降機構3は、ロール1aを昇降させる。昇降機構3は、一般に、流体加圧式のアクチュエータである。昇降機構3は、シリンダ31と、ピストン32と、ロッド33と、を有する。シリンダ31内には、ピストン32が配置される。ピストン32は、シリンダ31内を複数の作動空間に分割する。ピストン32は、上下方向に延びるロッド33の上部に取り付けられている。ロッド33の下端部には、ロール1aが接続される。
空気等の作動流体がシリンダ31内の作動空間に供給、又は作動空間から排出されることにより、ピストン32がシリンダ31内で上下に摺動する。このピストン32とともに、ロッド33及びロール1aが上下に移動する。
電極2a,2bは、例えば銅系材料等、高導電性の材料で構成される。電極2a,2bは、概略円板状をなす。電極2a,2bは、溶接装置100の側面視で、実質的に円形状である。電極2a,2bは、それぞれ、回転軸部材Ya,Yb周りに回転可能に構成されている。電極2a,2bは、電源回路(図示略)から電流が供給される。
電極2aは、電極2bの上方に配置される。電極2a,2bの間には、被処理材W1,W2が配置される。電極2a,2bは、支持フレーム6に支持される。電極2aは、昇降機構4を介して支持フレーム6に取り付けられる。
昇降機構4は、電極2aを昇降させる。昇降機構4は、昇降機構3と同様、流体加圧式のアクチュエータである。昇降機構4は、シリンダ41と、ピストン42と、ロッド43と、を有する。シリンダ41内には、ピストン42が配置される。ピストン42は、シリンダ41内を複数の作動空間に分割する。ピストン42は、上下方向に延びるロッド43の上部に取り付けられている。ロッド43の下端部には、電極2aが接続される。
空気等の作動流体がシリンダ41内の作動空間に供給、又は作動空間から排出されることにより、ピストン42がシリンダ41内で上下に摺動する。このピストン42とともに、ロッド43及び電極2aが上下に移動する。
切断機構5は、いわゆるシャーリングマシンである。切断機構5は、刃51,52を有する。刃51は、刃52の上方に配置されている。刃51と刃52との間に、被処理材W1,W2が配置される。刃51,52は、被処理材W1,W2に向かって接近可能なよう、支持フレーム6に支持される。
支持フレーム6は、溶接装置100の側面視において概略C字状をなす。支持フレーム6は、一対のロール1a,1b、一対の電極2a,2b、及び切断機構5を直接又は間接的に支持している。ロール1a,1b、電極2a,2b、及び切断機構5は、溶接装置100の側面視で、支持フレーム6の開口側から閉塞側に向かってこの順で並んでいる。支持フレーム6は、図1の左右方向に移動可能に構成されている。すなわち、支持フレーム6は、被処理材W1,W2の板幅方向に移動することができる。
[ロールの構成]
図2は、実施形態に係るロール1の斜視図である。図3及び図4は、ロール1の側面図である。溶接装置100において、ロール1a,1b(図1)の少なくとも一方は、ロール1と同じ構成を有する。
図2を参照して、ロール1は、回転軸X周りに回転可能に構成されている。ここで、回転軸Xは、ロール1の回転中心となる仮想的な線を指す。回転軸Xが延びる方向を回転軸方向という。図2では、回転軸部材Xa(Xb)が省略されている。ロール1は、外周面11と、側面12,13と、を備える。
図2に示すように、外周面11は、側面12と側面13との間に配置されている。外周面11は、側面12の外周縁と側面13の外周縁とに接続されている。外周面11は、回転軸Xを中心とする環状面である。外周面11は、ロール1の半径方向において外向きの面である。より詳細には、外周面11は、実質的に、回転軸Xを中心軸とする円筒の周面に相当する形状をなす。この外周面11により、被処理材W1又はW2(図1)が押圧される。
側面12は、回転軸方向の一方側を向いた面である。側面13は、回転軸方向の他方側を向いた面である。すなわち、側面12,13は、回転軸方向において逆向きに配置されている。側面12は、回転軸方向の一方側から見て、概ね円形状をなす。側面13は、回転軸方向の他方側から見て、概ね円形状をなす。
図3に示すように、側面12は、側面本体121と、拡径部122と、を含む。
側面本体121は、側面12の内周部分である。側面本体121は、実質的に真円状をなす。側面本体121は、回転軸Xと交差する。回転軸Xは、側面本体121の中心を通過し、且つ側面本体121と直交する。
拡径部122は、側面12の外周部分である。すなわち、拡径部122は、側面12において、側面本体121の外周側に配置されている。拡径部122は、側面本体121を取り囲むように設けられる。
図4に示すように、側面13は、側面本体131と、垂直部132と、連結部133と、を含む。
側面本体131は、側面13の内周部分である。側面本体131は、実質的に真円状をなす。側面本体131は、回転軸Xと交差する。回転軸Xは、側面本体131の中心を通過し、且つ側面本体131と直交する。
垂直部132は、側面13の外周部分である。すなわち、垂直部132は、側面13において、側面本体131の外周側に配置されている。垂直部132は、連結部133を介して側面本体131に接続される。
図5を参照し、ロール1の構成をさらに詳しく説明する。図5は、ロール1の縦断面図である。ロール1の縦断面とは、回転軸Xに沿ってロール1を切断したときの断面をいう。図5において、ロール1の幅中心線Zを一点鎖線で示す。幅中心線Zは、ロール1の回転軸方向及び径方向の中心において、回転軸Xと直交する直線である。
図5に示すように、外周面11は、ロール1の縦断面視で回転軸Xと平行である。外周面11は、周縁111,112を有する。周縁111は、外周面11において回転軸方向の一方端に位置づけられる。周縁112は、外周面11において回転軸方向の他方端に位置づけられる。
ロール1の外周幅L1は、ロール幅L2よりも小さい。外周面11は、L1/L2が0.3以上0.8以下となるように形成されることが好ましい。外周幅L1は、外周面11の回転軸方向の長さである。言い換えると、外周幅L1は、周縁111から周縁112までの距離である。ロール幅L2は、側面本体121,131間の回転軸方向の距離である。より具体的には、ロール幅L2とは、回転軸Xと側面本体121との交点P1から、回転軸Xと側面本体131との交点P2までの長さをいう。
外周面11の周縁111から側面本体121までの回転軸方向の距離L3は、周縁112から側面本体131までの回転軸方向の距離L4と等しいことが好ましい。この場合、外周面11は、回転軸方向においてロール1の中央に配置される。すなわち、外周面11の幅中心は、ロール1の幅中心線Z上に位置する。
側面12には、拡径部122が設けられている。拡径部122は、外周面11に接続される。より詳細には、拡径部122は、円筒状の外周面11の両周縁111,112のうち、一方の周縁111に接続されている。拡径部122は、側面本体121にも接続されている。拡径部122は、外周面11と側面本体121とを連結する面である。
拡径部122は、側面本体121から外周面11に向かって拡径する。言い換えると、拡径部122は、側面本体121から外周面11に向かって回転軸Xからの距離(半径)が長くなる。本実施形態において、拡径部122は、ロール1の縦断面視で、外周面11と鈍角をなす傾斜面である。拡径部122は、円すい台の周面に相当する形状を有する。すなわち、拡径部122は、側面本体121側の径が小さく、外周面11側の径が大きいテーパ状に形成されている。
拡径部122と外周面11との角度θは、好ましくは100°以上170°未満であり、より好ましくは110°以上145°以下である。拡径部122の半径方向の長さαは、ロール1の半径rの0.02倍以上0.4倍以下であることが好ましい。半径rは、ロール1の縦断面視で回転軸Xから外周面11までの距離をいう。拡径部122の半径方向の長さαは、ロール1の縦断面視で、拡径部122と側面本体121とがなす角の頂点から外周面11までの距離である。
側面13には、垂直部132が設けられている。垂直部132は、外周面11に接続される。より詳細には、垂直部132は、外周面11の周縁112に接続されている。垂直部132は、外周面11に実質的に垂直な面である。垂直部132は、ロール1の縦断面視で、外周面11と概ね直角をなす。垂直部132は、ロール1の縦断面視で、幅中心線Zと平行に配置されている。
垂直部132は、回転軸方向において、側面本体131よりも内側に配置されている。垂直部132から側面本体121までの距離L5は、側面本体131から側面本体121までの回転軸方向の距離L2よりも小さい。垂直部132と側面本体131との間には、連結部133が配置されている。垂直部132は、連結部133を介して側面本体131と接続される。
連結部133は、ロール1の縦断面視で、回転軸X及び外周面11と実質的に平行である。連結部133は、回転軸Xを中心とする円筒の周面に相当する形状を有する。連結部133、側面本体131、及び垂直部132により、側面13には段差が形成されている。垂直部132と連結部133との接続部分には、応力集中緩和の観点から、R面取り加工が施されていることが好ましい。
ロール1の半径方向において、垂直部132の長さβは、拡径部122の長さαと一致していてもよい。垂直部132の長さβは、ロール1の縦断面視において、垂直部132と連結部133とがなす角の頂点から外周面11までの距離である。垂直部132の長さβは、ロール1の加圧力、被処理材W1,W2(図1)の板厚や予想変形量等の条件に応じて適宜設定される。垂直部132は、ロータリスウェージング中に連結部133が被処理材W1,W2に接触しない程度の長さβを有することが好ましい。例えば、垂直部132の長さβは、ロール1の半径rの0.02倍以上0.4倍以下とすることができる。
[鋼板の製造方法]
以下、溶接装置100によって被処理材W1,W2を溶接し、鋼板を製造する方法について、図1を再度参照しながら説明する。図1に示す溶接装置100は、例えば、溶融めっきライン等の鋼帯連続処理ラインに設置される。鋼帯連続処理ラインにおいて、溶接装置100の下流側には、被処理材W1,W2の通板速度を調整するためのルーパ(図示略)が設置されていてもよい。
本実施形態に係る製造方法は、被処理材W1,W2を準備する工程S1と、被処理材W1,W2の重ね部分を形成する工程S2と、ロール1a,1bによって被処理材W1,W2の重ね部分を加圧する工程S3と、電極2a,2bによって被処理材W1,W2の重ね部分を溶接する工程S4と、を備える。
(準備工程S1)
鋼板の製造に際し、まず、板状で鋼製の被処理材W1,W2を準備する。被処理材W1,W2の準備工程S1は、被処理材W1,W2の重ね合わせ工程S2の前に必要な処理を行う工程を1以上含む。溶接装置100が鋼帯連続処理ラインに設置される場合、被処理材W1,W2は鋼帯である。鋼帯連続処理ラインにおいて、被処理材W1,W2は、所定方向に送られながら処理される。
(重ね合わせ工程S2)
図1には、被処理材W1,W2が紙面に対して垂直な方向(長手方向)に送られる例を示す。図1の例では、被処理材W1が被処理材W2に対して先行する。被処理材W1の後端部及び被処理材W2の前端部は、それぞれクランプ(図示略)によって把持され、切断機構5によって同時に切断される。その後、各クランプは、切断された被処理材W1の後端部及び被処理材W2の前端部を移動させ、被処理材W2の前端部上に被処理材W1の後端部を重ね合わせる。
(プレスウェージング工程S3)
被処理材W1,W2の重ね部分が形成された後、溶接装置100は、昇降機構3を駆動してロール1aを下降させ、支持フレーム6を図1における左方向に走行させる。これにより、ロール1a,1bは、被処理材W1,W2の重ね部分を挟んで加圧しながら、支持フレーム6とともに被処理材W1,W2の重ね部分に沿って走行することとなる。すなわち、ロール1a,1bにより、被処理材W1,W2の重ね部分に対してロータリスウェージング(プレスウェージング)が施される。以下、説明の便宜上、プレスウェージングにおいて、支持フレーム6が走行を開始した点を溶接装置100における原点と呼ぶ。
支持フレーム6の走行に伴い、ロール1a,1bは、被処理材W1,W2の重ね部分に接触しながら移動することで、それぞれ回転軸部材Xa,Xb周りに回転する。すなわち、ロール1a,1bをモータ等で強制回転させる必要はない。ただし、支持フレーム6が駆動力を有しない場合等には、ロール1a,1bをモータ等で強制回転させてもよい。プレスウェージング中、電極2aは、被処理材W1,W2の重ね部分の上方に位置しており、重ね部分に接触しない。
図6は、ロール1a,1bを用いたプレスウェージングをより詳しく説明するための図である。ロール1aは、ロール1(図5)と同じ構成を有する。ロール1bは、上述したロール9(図7)と同じ構成を有する。ロール1aの外周幅L1(図5)は、ロール1bの外周幅L91(図7)と等しい。図6では、回転軸部材Xaの中心軸を一点鎖線Xaとして、回転軸部材Xbの中心軸を一点鎖線Xbとして示す。一点鎖線Xaは、ロール1aの回転中心となる線であり、一点鎖線Xbは、ロール1bの回転中心となる線である。
図6に示すように、ロール1aの外周面11は、プレスウェージング中、被処理材W1の後端部の上面に接触して押圧する。被処理材W1の後端部において、ロール1aの拡径部122は、ロール1aの垂直部132よりも端寄りに配置される。言い換えると、ロール1aは、被処理材W1,W2の送り方向において垂直部132が前向き、拡径部122が後ろ向きになるように配置される。プレスウェージングの間、連結部133は、変形する被処理材W1に接触しない。
被処理材W1の後端部は、ロール1aの外周面11で押圧される。これにより、被処理材W1の後端部が変形して凹み、被処理材W1に段差部が形成される。この段差部には、ロール1aの垂直部132が接触する。ロール1aの拡径部122は、被処理材W1に接触しない。
ロール1bの外周面91は、プレスウェージング中、被処理材W2の前端部の下面に接触して押圧する。これにより、被処理材W2の前端部が凹み、被処理材W2に段差部が形成される。この段差部には、ロール1bの傾斜部921の一方が接触する。
(溶接工程S4)
図1に戻り、鋼板の製造方法の説明を続ける。溶接装置100は、被処理材W1,W2の重ね部分の一端から他端まで支持フレーム6を走行させ、重ね部分全体にロール1a,1bによるプレスウェージングを施した後、昇降機構3を作動させてロール1aを上昇させる。次に、溶接装置100は、支持フレーム6を原点に戻し、昇降機構3,4を作動させてロール1a及び電極2aを下降させる。溶接装置100は、支持フレーム6を図1における左方向に走行させる。電極2a,2bには、電流が供給される。
電極2a,2bは、被処理材W1,W2の重ね部分を挟んで加圧しながら、支持フレーム6とともに被処理材W1,W2の重ね部分に沿って走行する。電極2a,2bにより、被処理材W1,W2の重ね部分に抵抗発熱が生じ、当該重ね部分が溶接される。
ロール1a,1bは、電極2a,2bの後を走行する。ロール1a,1bは、溶接された被処理材W1,W2の重ね部分を挟んで加圧する。これにより、溶接後の重ね部分の段差等が解消し、被処理材W1,W2の溶接面が整えられる。
溶接工程S4の後、鋼帯連続処理ラインにおける必要な工程が被処理材W1,W2に対して実施され、鋼板が完成する。
[実施形態の効果]
上記実施形態に係るロール1,1aの側面13には、垂直部132が設けられている。溶接装置100では、プレスウェージングで変形する被処理材W1の段差部側に垂直部132が配置される。この垂直部132は、外周面11に対して垂直であるため、被処理材W1の段差部から斜め向きの荷重を受けることがない。よって、ロール1,1aに対してスラスト荷重が発生せず、被処理材W1,W2の重ね部分からロール1,1aがずれるのを抑制することができる。
ロール1,1aでは、側面12に拡径部122を設けたことにより、外周幅L1がロール幅L2よりも小さくなっている。これにより、外周幅がロール幅と等しい従来のロールと比較して、被処理材W1,W2の重ね部分に対するロール1,1aの外周面11の接触面積を小さくすることができる。よって、外周面11から被処理材W1,W2に作用する応力を増大させることができる。このため、被処理材W1,W2の合計板厚が大きい場合であっても、合計板厚を溶接前に十分に低減させることが可能となり、良好な溶接結果を得ることができる。
ロール1,1aにおいて、垂直部132から側面本体121までの距離L5は、ロール幅L2よりも小さい。すなわち、垂直部132は、回転軸方向において、側面本体131よりも内側に配置されている。これにより、ロール1,1aの外周面11と被処理材W1,W2の重ね部分との接触面積をさらに小さくすることができる。よって、外周面11から被処理材W1,W2に作用する応力を増大させることができる。
ロール1,1aでは、側面12の外周部分に拡径部122が設けられる一方、側面13の外周部分には垂直部132及び連結部133が設けられている。拡径部122、垂直部132、及び連結部133により、ロール1,1aの外周幅L1が狭小化される。ここで、外周幅L1を狭小化するだけであれば、側面12において、拡径部122に代えて垂直部132及び連結部133を設け、ロール1,1aを幅中心線Zに対して対称に形成することも考えられる。しかしながら、この場合、両側面12,13において、垂直部132と連結部133との接続部分で応力集中が生じて疲労破壊が発生し得る。そこで、本実施形態では、一方の側面12の外周部分に拡径部122を設け、幅中心線Zに対して敢えて非対称なロール1,1aを形成している。これにより、応力集中及び疲労破壊を抑制することができる。
このように、本実施形態に係るロール1,1aによれば、ロータリスウェージング時の応力増大、位置ずれ抑制、及び応力集中による疲労破壊を同時に実現することができる。
ロール1,1aは、外周幅がロール幅と等しい既存のロールの外周部分を加工し、拡径部122及び垂直部132を設けることで作製することができる。ロール1,1aの作製に際し、既存のロールの内周部分を加工する必要はない。このため、ロール1,1aのロール幅L2は、既存のロールのロール幅と等しい。よって、公知又は市販の溶接装置に備えられていた既存のロールをロール1,1aに交換する場合、回転軸Xを支持するベアリング等の周辺部品を変更する必要がない。すなわち、ロール1,1aによれば、溶接装置を改造することなく、プレスウェージング時の応力増大及び脱輪抑制を実現することができる。
ロール1,1aは、好ましくは、外周面11の周縁111から側面本体121までの距離L3が、外周面11の周縁112から側面本体131までの距離L4と等しくなるように構成される。つまり、外周面11は、回転軸方向においてロール1,1aの中央に位置づけられる。これにより、外周面11の幅中心を被処理材W1,W2の重ね部分の中心に合わせやすくなる。よって、被処理材W1,W2の重ね部分をロール1,1aの外周面11によって均一に押圧することができる。
ロール1,1aにおいて、外周幅L1/ロール幅L2は、0.3以上0.8以下に設定されることが好ましい。このようにすることで、被処理材W1,W2に対する外周面11の接触面積を小さくすることができる一方、当該接触面積をある程度の大きさに確保することができる。このため、外周面11による被処理材W1,W2の押圧を容易に行うことができる。
ロール1,1aの拡径部122は、ロール1,1aの縦断面視で外周面11と鈍角をなす傾斜面である。これにより、拡径部122の構造が簡素化されるため、ロール1,1aを容易に作製することができる。
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態に係るロール1において、拡径部122は、外周面11と鈍角をなす傾斜面であったが、拡径部122の一部又は全部が曲面であってもよい。
上記実施形態に係るロール1において、垂直部132は、連結部133を介して側面本体131と接続されている。連結部133は、ロール1の縦断面視で回転軸Xと平行に設けられていたが、連結部133は、回転軸Xに対して傾斜する傾斜面でもよいし、曲面を含んでいてもよい。
上記実施形態に係るロール1において、垂直部132と側面本体131との間に連結部133がなく、垂直部132と側面本体131とが直接接続されていてもよい。すなわち、垂直部132が側面本体131と同一平面上に存在し、側面13に段差が形成されていなくてもよい。
上記実施形態に係る溶接装置100では、一対のロール1a,1bのうち、上側のロール1aのみがロール1の構成を有していたが、ロール1a,1bの双方がロール1の構成を有していてもよいし、ロール1bのみがロール1の構成を有していてもよい。ただし、昇降機構3を介して支持フレーム6に支持されるロール(上記実施形態の場合はロール1a)は、被処理材W1,W2の重ね部分から脱輪しやすいため、少なくとも当該ロールにロール1の構成を持たせることが好ましい。
上記実施形態において、ロール1は、2枚の被処理材W1,W2に対してロータリスウェージングを施していたが、3枚以上重ねられた被処理材にロータリスウェージングを施すこともできる。溶接装置100は、ロータリスウェージング後の3枚以上の被処理材を溶接することができる。
上記実施形態では、ロール1が溶接装置100に適用される例を説明したが、溶接装置以外の装置にロール1を適用することもできる。ロール1は、ロータリスウェージングを行ういずれの装置にも取り付けることができる。
1,1a,1b:ロール
11:外周面
12:第1側面
121:第1側面本体
122:拡径部
13:第2側面
131:第2側面本体
132:垂直部
2a,2b:電極
100:溶接装置

Claims (7)

  1. 回転軸周りに回転可能に構成され、少なくとも一部分が重なり合った板状の被処理材にロータリスウェージングを施すロールであって、
    回転軸方向から見て円形状の第1及び第2側面と、
    前記第1側面の外周縁と前記第2側面の外周縁とに接続され、前記回転軸を中心とする環状を有し、前記ロールの縦断面視で前記回転軸と平行に延びる外周面と、
    を備え、
    前記第1側面は、
    前記回転軸と交差する第1側面本体と、
    前記第1側面本体の周囲に配置され、前記外周面に接続され、前記第1側面本体から前記外周面に向かって拡径する拡径部と、
    を含み、
    前記第2側面は、
    前記回転軸と交差する第2側面本体と、
    前記第2側面本体の周囲に配置され、前記外周面に接続され、前記外周面に垂直な垂直部と、
    を含む、ロール。
  2. 請求項1に記載のロールであって、
    前記第1側面本体から前記第2側面本体までの前記回転軸方向の距離は、前記第1側面本体から前記垂直部までの前記回転軸方向の距離よりも大きい、ロール。
  3. 請求項2に記載のロールであって、
    前記外周面の一方の周縁から前記第1側面本体までの前記回転軸方向の距離は、前記外周面の他方の周縁から前記第2側面本体までの前記回転軸方向の距離と等しい、ロール。
  4. 請求項2又は3に記載のロールであって、
    前記外周面の前記回転軸方向の長さをL1、前記第1側面本体から前記第2側面本体までの前記回転軸方向の前記距離をL2とするとき、L1/L2は、0.3以上0.8以下である、ロール。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のロールであって、
    前記拡径部は、前記ロールの前記縦断面視で前記外周面と鈍角をなす傾斜面である、ロール。
  6. 板状且つ金属製の複数の被処理材の端部を重ね合わせた重ね部分を溶接する溶接装置であって、
    前記重ね部分を挟んで加圧した状態で前記重ね部分に沿って走行する一対のロールと、
    前記重ね部分を挟んだ状態で電流が供給される一対の電極と、
    を備え、
    前記一対のロールのうち少なくとも一方は、請求項1から5のいずれか1項に記載のロールであり、前記複数の被処理材のうち当該ロールに接触する被処理材において、前記拡径部が前記垂直部よりも端寄りに配置される、溶接装置。
  7. 鋼板の製造方法であって、
    板状且つ鋼製の複数の被処理材を準備する工程と、
    前記複数の被処理材の端部を重ね合わせて重ね部分を形成する工程と、
    一対のロールで前記重ね部分を挟んで加圧し、前記ロールを前記重ね部分に沿って走行させる工程と、
    前記ロールで加圧された後の前記重ね部分を抵抗溶接する工程と、
    を備え、
    前記一対のロールのうち少なくとも一方は、請求項1から5のいずれか1項に記載のロールであり、前記複数の被処理材のうち当該ロールに接触する被処理材において、前記拡径部が前記垂直部よりも端寄りに配置される、製造方法。
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