JP2019208245A - マイクロフォンアセンブリおよびマイクロフォンアセンブリの温度依存性を低減する方法 - Google Patents

マイクロフォンアセンブリおよびマイクロフォンアセンブリの温度依存性を低減する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】改善された特性のマイクロフォンアセンブリ、およびマイクロフォンアセンブリの温度依存性を低減するための改善された方法を提供する。【解決手段】マイクロフォンアセンブリ1において、1つのトランスデューサ2と、当該トランスデューサ2用の電圧源6とを備える。電圧源6は、マイクロフォンアセンブリ1の温度依存性を低減するための温度依存の電圧を供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロフォンアセンブリ、特にコンデンサMEMS(Micro-Electrical-Mechanical Systems)マイクロフォンアセンブリに関し、およびマイクロフォンアセンブリの温度依存性を低減する方法に関する。
特許文献1は、MEMSベースのマイクロフォンにおける温度補償された電圧ポンプを開示している。特許文献2は、感度値を1つの温度範囲で実質的に一定するために1つの増幅器のゲインを変更することを開示している。特許文献3は、シリコンMEMSデバイスの受動的な温度補償を対象としたものである。
米国特許出願公開第2011/0200212A1号明細書 国際出願公開第2011/001195A1号パンフレット 米国特許第7889030B2号明細書
本発明の目的は、改善された特性のマイクロフォンアセンブリ、およびマイクロフォンアセンブリの温度依存性を低減するための改善された方法を提供することである。
本発明の1つの態様は、マイクロフォンアセンブリに関するものである。本マイクロフォンアセンブリは、1つの音響入力信号を1つの電気信号に変換するための1つのトランスデューサを備える。このトランスデューサは、MEMS技術を用いて製造されてよい。このトランスデューサは、1つのキャパシタを備えてよい。具体的には、1つの音響入力信号は、このトランスデューサのキャパシタンスの変化を生じ得る。これよりこのマイクロフォンは、1つのコンデンサマイクロフォンすなわちキャパシタマイクロフォンであってよい。このトランスデューサは、1つのダイヤフラムおよび1つのバックプレートを備えてよい。音響入力によって、具体的には圧力波によって、ダイヤフラムとバックプレートとの間の距離が変化するように、このダイヤフラムは変位することができ、このトランスデューサのキャパシタンスの変化が生じる。
さらに本マイクロフォンアセンブリは、このトランスデューサ用の1つの電圧源を備える。以上により1つのバイアス電圧をこのトランスデューサに印加することができ、具体的にはこのトランスデューサの1つのダイヤフラムと1つのバックプレートとの間に印加することができる。このバイアス電圧の値を調整することにより、このトランスデューサの感度を調整することができる。上記の電圧源は、1つの電圧発生器、具体的には1つのチャージポンプを備えてよい。このチャージポンプは、1つのディクソンチャージポンプであってよい。この電圧源は1つの電子回路、具体的には1つのASIC(application-specific electronic circuit)として製造された1つの電子回路の一部であってよい。一例として、本マイクロフォンアセンブリは、1つのMEMSダイを備えてよく、このMEMSダイは、上記のトランスデューサと、当該MEMSダイに電気的に接続された電子回路を備える1つのASICダイとを備えてよい。
上記の電圧源は、本マイクロフォンアセンブリの温度依存性を低減するための温度依存の電圧を供給するように構成されている。理想的には、温度に依存しない感度を得ることができる。具体的には、この電圧を調整することによって、本マイクロフォンアセンブリの特定の部品の温度依存性を補償することができる。「補償」とは、温度依存性が少なくとも低減されることを意味し、好ましくは顕著に低減されることを意味する。
マイクロフォンアセンブリの温度依存性、具体的には上記の感度および/またはSNR(signal-to-noise ratio)の依存性は、環境条件に依存しない同じ音響品質を期待するユーザにとって好ましいものではない。さらに、大きな温度依存性は、異常な温度でマイクロフォンにコラプスをもたらし得る。コラプスにおいては、上記のトランスデューサのダイヤフラムが上記のバックプレートに接触する。このダイヤフラムとバックプレートとの間に存在する電界のために、このダイヤフラムはこのバックプレートに付着し、そしてこのトランスデューサは、再起動が行われるまでコラプスした状態のままとなる。この温度依存性を低減することによって、このトランスデューサは、もっと「積極的に」バイアスすることができ、具体的にはコラプスの近傍までバイアスすることができる。以上により、上記のトランスデューサは、温度に依存せずに、常に最適にバイアスすることができる。これは上記のトランスデューサの良品率を大きくすることを可能とする。大きな温度依存性は、しかしながら、マイクロフォンの使用を、制限された温度範囲でのアプリケーションに制限しかねない。
1つの実施形態においては、上記の電圧源は、本マイクロフォンアセンブリの感度の温度依存性を低減するように構成することができる。このマイクロフォンの感度は、所定の音響入力信号に応じた、マイクロフォン出力での出力信号の値として規定することができる。
このマイクロフォンアセンブリの感度の温度依存性は、上記のトランスデューサの感度の温度依存性および/または電子回路の部品の温度依存性によって、具体的には前置増幅器の温度依存性によって引き起こされ得る。
1つの実施形態においては、上記の電圧源は、上記のトランスデューサの感度の温度依存性を補償するように構成されている。このような感度の温度ドリフトは、このトランスデューサを収容しているパッケージの温度膨張によって引き起こされ得るが、この温度膨張は上記のダイヤフラムの応力を生じさせ得る。上記の電圧源は、このトランスデューサが高い感度の場合に小さい電圧を、そしてこのトランスデューサが感度が高くない場合に高い電圧を供給するように設計することができる。例として、このトランスデューサの感度は、温度上昇と共に低下し得る。この温度ドリフトを補償するために、温度上昇と共に供給電圧を増加することが可能である。好ましくは、上記の電圧源の温度係数は、上記のトランスデューサの温度係数に調整され、具体的には温度補償が達成されるようになっている。この電圧源の温度係数は、トランスデューサの温度係数に対し符号が反対となっていてよい。
1つの実施形態においては、本マイクロフォンアセンブリは、上記のトランスデューサの信号を処理するための1つの増幅器を備える。上記の増幅器は前置増幅器であってよい。この増幅器は、上記のトランスデューサで生成された高インピーダンスの電気信号を低インピーダンスの信号に変換することができる。さらにこの増幅器が、信号レベルを調整しても良い。上記の電圧源は、この増幅器、具体的にはこの増幅器の利得の温度依存性を補償するように構成されていてよい。
1つの実施形態においては、上記の電圧源は、上記のトランスデューサおよび上記の増幅器両方の温度依存性を補償するように構成されていてよい。代替として、または追加的に、調整された電圧を供給することにより、本マイクロフォンアセンブリの他の部品の温度依存性も補償されてよい。
1つの実施形態においては、上記の電圧源の温度係数TCvは以下の式を満足する。
ここでTは温度、Vbiasは上記のトランスデューサに供給される電圧、Gamp|dBは上記の電子回路の利得を対数で表したもの、kSVはVbiasに対する上記のトランスデューサの感度の傾き係数、そしてTCmems,0|dBは動作電圧V0での上記のトランスデューサの温度係数を対数で表したものである。
上記の温度係数の計算の詳細は、後述の図を参照した実施形態例の説明で示されている。
電圧源に上記の式(E1)で与えられる温度係数を持たせることにより、本マイクロフォンアセンブリの感度の温度依存性を低減することができる。具体的には、上記のトランスデューサおよび上記の電子回路の温度依存性の温度補償を達成することができる。
上記の電子回路の温度依存性が無視できるものと仮定するかまたは単にこれを無視する場合には、上記の電圧源の適合した温度係数は、以下のように計算することができる。
この場合は、異なる温度係数を有するトランスデューサは、これに合わせた温度係数の電圧源を有する電子回路を用いることによって温度補償することができる。
適合した温度係数を有する電圧源は種々の方法で提供することができる。
1つの実施形態においては、本発明によるマイクロフォンアセンブリは、供給されるバイアス電圧を温度の関数として調整するための1つの温度依存素子を備える。この温度依存素子は、電圧発生器、具体的にはチャージポンプに接続されて動作するものであってよい。この温度依存素子は、上記の電圧源の一部であってよい。例として、この温度依存素子は、1つの温度センサを備えてよい。この温度依存素子は、温度に依存した出力信号を供給することができる。この出力信号の値は、上記の電圧発生器によって供給されるバイアス電圧の値を決定することができる。具体的には、この出力信号は、電圧発生器の入力信号であってよく、バイアス電圧値を調整する。
本発明によるマイクロフォンアセンブリは、具体的には上記の電圧源は、1つのメモリ、たとえば1つの不揮発性メモリを備えてよい。このメモリは、チャージポンプのような電圧発生器に入力信号を供給する。この入力信号の値は、発生されるバイアス電圧の値を決定することができる。このメモリは、上記の電圧源の校正を可能とすることができる。校正動作においては、このマイクロフォンの1つのパラメータが決定され得る。このパラメータの値に依存して、上記の電圧源の温度係数が、温度依存性を低減するために決定されたパラメータの値に調整されるように、上記のメモリはプログラムされている。具体的には、上記の電圧源の温度係数は、上記のトランスデューサの温度係数に調整されても良い。上記のメモリは、上記の温度依存素子の一部であってよく、すなわち上記の温度依存素子の信号を処理することができる。
1つの実施形態においては、上記の電圧源は、その温度係数が本マイクロフォンアセンブリの部品の温度係数に適合するように選択されていてよい。具体的には、この電圧源は、その温度係数が上記のトランスデューサの温度係数に適合するように選択されていてよい。「適合」とは、ここではこの電圧源の温度係数が、このトランスデューサの温度係数を補償することができることを意味する。具体的には、1つの特定のトランスデューサに対して、適合する温度係数を有する1つの電圧源が、このトランスデューサおよびこの電圧源を組立てる前に選択されてよい。適合する温度係数を有する電圧源を選択することによって、校正手順が不要となり得る。
一例として、多数のトランスデューサおよび電圧源が準備されてよい。これらのトランスデューサのパラメータ(複数)は、これらのトランスデューサが電圧源と共に組み立てられる前に決定することができる。具体的には、これらのトランスデューサの温度係数(複数)が決定される。これらのトランスデューサは、その温度係数によって分別されてよい。さらに上記の電圧源のパラメータ、たとえばチャージポンプのような電圧発生器のパラメータが決定されてよい。具体的には、これらの電圧源の温度係数(複数)が決定されてよい。次にこれらのトランスデューサは、適合する温度係数を有する電圧源と組み合わされる。
本発明のもう1つの態様は、マイクロフォンアセンブリの温度依存性を低減するための方法に関する。上記の本発明によるマイクロフォンアセンブリに関して説明した特徴は本方法に関しても開示されているものであり、この逆もまた成立するものである。これはそれぞれの特徴が顕わにそれぞれの態様に関連して記述されていなくとも成立するものである。
本方法は、1つのトランスデューサを準備し、このトランスデューサの温度依存性を決定するステップを備える。具体的には、このトランスデューサの感度の温度依存性を決定されてよい。一例として、この感度の温度係数が決定されてよい。具体的には、このトランスデューサは1つのMEMSダイとして製造されていてよい。さらに、1つの電圧源が準備される。この電圧源は、1つの電子回路の一部であってよい。この電圧源は1つのASICダイとして製造されていてよい。この電圧源は、上記のトランスデューサの温度依存性を補償するための温度依存の電圧を供給することを可能とするように選択されている。この後、上記のトランスデューサはこの電圧源と共に組立てられる。
本方法の1つの実施形態においては、上記の電圧源の温度係数は、この電圧源が上記のトランスデューサと共に組み立てられる前に決定される。上記のトランスデューサは、この電圧源の温度係数が上記のトランスデューサの温度係数に適合する場合にのみ、この電圧源と共に組み立てられる。
一例として、多数のトランスデューサは、特性が決定され、その温度係数に依存して分別されてよい。さらに、多数の電圧源が準備されてよい。これらの電圧源は、1つの電子回路の一部であってよい。これらの電圧源および/またはこれらの電子回路は、特性が決定され、これらの温度係数によって分別されてよい。各々のトランスデューサは、適合する温度係数を有する1つの電圧源と共に組み立てられてよい。代替としてまたは追加的に、1つの増幅器の温度係数が決定され、そして上記のトランスデューサおよび/または電圧源が、適合する温度係数を有する1つの増幅器と共に組み立てられてよい。
本方法の1つの実施形態においては、上記の電圧源は、この電圧源が上記のトランスデューサと共に組み立てられた後に校正される。この校正は、上記の電圧源の温度係数を、これが上記のトランスデューサと適合するように設定することができる。ここで上述したメモリが関与する。上記の校正手順は、本マイクロフォンンアセンブリの感度を測定するステップを含んでよい。さらに、この校正手順は、上記の電圧源によって供給される電圧に対する、上記のトランスデューサの感度の傾き係数を計算するステップを含んでよい。
さらなる特徴、変形例および実施例が、図に関連した例示的な実施形態の以下の説明で明らかとなる。
1つのマイクロフォンアセンブリの1つの実施形態を示す概略のブロック図を示す。 1つのマイクロフォンアセンブリのパラメータ(複数)を説明する概略のブロック図を示す。 一定のバイアス電圧でのトランスデューサの感度を温度の関数として表す概略図を示す。 一定の温度でのトランスデューサの感度をバイアス電圧の関数として表す概略図を示す。 トランスデューサに供給されるバイアス電圧を温度の関数として表す概略図を示す。 温度補償の方法を表す概略ブロック図を示す。
図1は、1つのマイクロフォンアセンブリ1、具体的には1つのコンデンサマイクロフォンアセンブリの1つの実施形態の概略ブロック図を示す。本マイクロフォンアセンブリ1は、1つの音響入力信号を1つの電気信号に変換するための1つのトランスデューサ2を備える。このトランスデューサ2はMEMSトランスデューサである。一例として、このトランスデューサは、シリコンまたはガリヒ素のような半導体材料を備えてよい。このトランスデューサ2は、1つのダイヤフラム3および1つのバックプレート4を備える。音響入力の際には、このダイヤフラム3はバックプレート4に向かって変位し、この際トランスデューサ2のキャパシタンスが変化し、本マイクロフォンアセンブリ1の電子回路5の入力ライン11における電気信号を生じる。この電気信号は、さらに電子回路5によって処理されて本マイクロフォンアセンブリ1の出力信号となる。本マイクロフォンアセンブリ1の出力信号は、デジタルであってもアナログであってもよい。
この電子回路5は、1つのASIC(application-specific electronic circuit)として製造されていてよい。マイクロフォンアセンブリ1は、トランスデューサ2を備える1つのMEMSダイ、および電子回路5を備える1つのASICダイを備えてよい。この電子回路5は、バイアスライン7を介してトランスデューサ2にバイアス電圧を供給するための1つの電圧源6を備える。この電圧源6は、1つの電圧発生器8、たとえば1つのチャージポンプ、具体的には1つのディクソンチャージポンプを備える。バイアス電圧はDCバイアス電圧であり、たとえば8V〜15Vの範囲であってよい。
この電圧源6は、さらにチャージポンプ8によって供給されるバイアス電圧の値を温度の関数として調整するための温度依存素子9を備える。具体的には、この温度依存素子9は、1つの温度センサであってよい。この温度依存素子9は、制御ライン10を介してこの電圧発生器8に制御電圧を供給する。この制御電圧に依存して、上記のチャージポンプ8は、トランスデューサ2の温度依存性が補償されるように1つのバイアス電圧を供給する。具体的には、トランスデューサ2の感度の温度依存性が補償されてよい。さらに電圧源6は、校正を可能とするための1つのメモリを備えてよい。このメモリは、上記の温度依存素子9および上記のチャージポンプ8に接続されて動作してよい。
感度の温度ドリフトは、トランスデューサ2を収容しているパッケージの温度膨張によって引き起こされ得る。この膨張は上記のダイヤフラムに応力を生じさせ得る。
さらに、上記のバイアス電圧を調整することによって、極端な温度条件におけるトランスデューサ2のコラプスを防止することができる。
さらなる実施形態においては、電圧源6は、追加的に、電子回路5の他の素子の温度依存性を補償してよく、たとえば上記の入力ライン11に接続された1つの増幅器(図1には示されていない)の利得の温度依存性を補償してよい。
図2は、1つのマイクロフォンアセンブリ1、たとえば図1のマイクロフォンアセンブリ1のパラメータを説明する概略ブロック図を示す。トランスデューサ2は、1つの入力ライン11を介して1つの電子回路5に接続されている。この電子回路5は、1つの増幅器13、具体的には1つの前置増幅器を備え、この増幅器はトランスデューサ2によって生成される電気信号を処理する。具体的には、この増幅器5は、トランスデューサ2の高インピーダンスの電気信号を、本マイクロフォンアセンブリ1の出力12における正しい信号レベルを有する低インピーダンス出力に変換することができる。
マイクロフォンの感度Soutは、1つの特定の音響入力に応じた本マイクロフォンアセンブリ1の出力12における出力信号の値の特性を決定する。このマイクロフォン感度Soutは、以下の式のように計算できる。

out=Smems・Gamp (1)

ここでSmemsは、トランスデューサの無負荷時の感度、すなわちこのトランスデューサ2の非増幅時の感度であり、Gampは、増幅器13の利得であり、このトランスデューサ増幅器のインターフェースでの損失を含んでいる。
多くの場合対数表示での感度に基づいて計算を行うことが大抵便利であるので、以下のような式となる。

out|dB=Smems|dB+Gamp|dB (2)
このマイクロフォンの感度Sout|dBの温度係数TCS|dBは以下の式のように定義することができる。
このように、このマイクロフォンの感度の温度係数TCS|dBは、トランスデューサの温度係数TCmems|dBと増幅器の温度係数TCamp|dBの和となる。この温度係数TCmems|dBは、上記の電圧源の温度依存性を含んでよい。上記電子回路の他の部品の温度係数を考慮しなければならない場合は、これに応じてこの計算が調整されてよい。このマイクロフォンの温度ドリフトを低減するために、トランスデューサの温度ドリフトおよび/または増幅器の温度ドリフトが低減することができる。
図3は、温度Tの関数として、一定のバイアス電圧V0でのトランスデューサ、たとえば図1に示すマイクロフォンアセンブリ1におけるトランスデューサ2の感度Smems|dBを対数で示す概略図である。Smemsは、たとえばdBV/PaまたはdBの単位で与えられる。温度係数TCS|dBは、たとえばdB/℃の単位で与えられる。
図3から見て取れるように、感度Smems|dBは、温度の上昇に伴って減少する。この例示においては、この感度Smems|dBは、温度Tに直線的に依存し、この曲線の傾きである、一定の電圧におけるこのトランスデューサ2の温度係数TCmems,0|dBを有している。たとえば温度は0°〜50℃の範囲であってよい。この直線的な依存性は、少なくとも動作温度T0の付近では成り立っている。動作電圧V0および動作温度T0において、このトランスデューサの感度は値S0を有する。この動作温度T0は、環境温度であってよく、たとえば20℃である。動作温度は、たとえば10℃〜30℃の範囲であってよい。上記の曲線の傾きは、孤立したトランスデューサの温度依存性のみをモデル化したものではなく、上記のパッケージの効果をも含むものである。
図4は、一定の温度T0において、供給されるバイアス電圧Vbiasの関数としてトランスデューサの感度Smems|dBを示す概略図である。この図は、最終製品のマイクロフォンでの測定で得られている。動作電圧V0および温度T0での感度Smems|dBの値がSmems、0|dBとなっている。この動作電圧V0の近傍においては、この感度Smems|dBはバイアス電圧Vbiasに対し直線となっている。上記の傾き係数kSVは、この動作電圧V0の付近の曲線の傾きである。
図3および4における直線的な依存性は、上記の動作電圧V0および動作温度T0の近傍において、Smems|dBを以下の式のように表すことを可能とする。
式(3)を用いて、式(4)から、以下の式が得られる。
式(5)は、バイアス電圧およびトランスデューサの利得を介した電子回路の温度依存性を表しているので、このマイクロフォンの温度係数の一般的な表現と考えてよい。
式(5)から、[T1〜T2]の温度範囲に渡って温度補償されたマイクロフォンを実現することができ、

TCS|dB=0,T1<T<T2 (6)

または
となっている。
動作電圧V0におけるこのトランスデューサの温度係数TCmems,0|dBおよび傾き係数kSVを決定することによって、このトランスデューサの温度ドリフトを補償するために必要な温度係数TCvを決定することができる。
式(7)は、一旦このトランスデューサの利得およびパラメータが得られた場合に、電圧源に対する温度係数を計算する一般的な方法を提供する。
代替として、一旦上記の電源および上記のトランスデューサの温度係数が決定された場合に、上記の増幅器の利得の温度係数が計算されてよい。このトランスデューサは、
となるように設計することができ、これは以下の式を与える。
図5は、図3に示す温度ドリフトを補償するために、トランスデューサに供給されるバイアス電圧Vbiasを温度の関数として概略的に示す図である。このバイアス電圧Vbiasは、温度依存素子9および電圧発生器8を用いて、図1に示す電圧源6によって供給されてよい。このバイアス電圧Vbiasは、温度Tに直線的に依存するようになっており、上記の曲線の傾きである温度係数TCvを有している。この電圧源6の温度係数TCvは、式(8)を満足し、この結果このトランスデューサの温度係数と上記の傾き係数との比の値を有するが、ただし上記のトランスデューサの温度係数に対して反対の符号を有している。
これは、このトランスデューサの感度Smemsの温度依存性の補償を可能とし、またこれによって本マイクロフォンアセンブリの温度依存性の低減を可能とする。
図3に示す図は、特定のトランスデューサの感度Smemsを温度Tの関数として概略的に表している。しかしながら、正確な温度係数TCmemsは、プロセスのバラつきのために大幅に変化し得る。上記の傾き係数kSVも大幅に変化し得る。したがって、トランスデューサの温度ドリフトの実効的な補償は、上記の補償素子、具体的には電圧源、の温度係数を、特定のトランスデューサの温度係数に適合させることが必要であり得る。
図6は、温度補償を実現するために適した電圧源の温度係数を計算する1つの方法を説明するフローチャートを示す。この場合、上記のトランスデューサの利得は、温度に対し一定であるとして見做しており、すなわちこのトランスデューサの温度ドリフトは無視されている。
ステップAにおいて、このトランスデューサは特性が決定される。この特性の決定は、好ましくはこのトランスデューサが電子回路、具体的には電圧源および前置増幅器と共に組み立てられる前に行われる。詳細には、このトランスデューサの温度係数TCmems,0|dBが動作電圧V0において、かつ動作温度T0の近傍において測定される。
次に、このトランスデューサは、上記の電圧源、具体的には上記の電子回路と共に組み立てられる。ステップBは、本マイクロフォンアセンブリにおける測定の開始を表す。好ましくは、本マイクロフォンアセンブリは最終的な部品である。一例として、本マイクロフォンアセンブリは、1つのMEMSダイおよび1つのASICダイとを備えてよく、これらは互いに接続されている。このアセンブリは、電気信号の1つの出力を備え、この電気信号は、上記のトランスデューサで生成され、そして上記の電子回路で処理される。
ステップCにおいて、本マイクロフォンアセンブリの感度Soutがこのアセンブリの出力で測定される。上記のバイアス電圧が1つの所定の電圧、たとえば上記の動作電圧V0に設定される。
ステップDにおいて、このバイアス電圧Vbiasは、ΔVbiasずつ増加される。この結果新しいバイアス電圧は以下のようになる。
bias=V0+ΔVbias
次に、ステップEにおいて、本マイクロフォンアセンブリの感度Soutが、上記の出力で再度測定される。
ステップFにおいて、異なるバイアス電圧で測定された感度から、図4に示す直線的な依存性を仮定して、上記の傾き係数kSVが計算される。
ステップGにおいて、上記の電圧源の温度係数TCvが、式(8)を用いて計算される。
ステップHは、この校正手順の終了を表す。
この校正手順に基づいて、たとえば不揮発性メモリを用いて、上記の電圧源の温度係数TCvを設定することができる。
1 : マイクロフォンアセンブリ
2 : トランスデューサ
3 : ダイヤフラム
4 : バックプレート
5 : 電子回路
6 : 電圧源
7 : バイアスライン
8 : 電圧発生器
9 : 温度依存素子
10 : 制御ライン
11 : 電子回路の入力
12 : マイクロフォンアセンブリの出力
13 : 増幅器

TCmems|dB : トランスデューサの温度係数の対数表示
TCmems,0|dB : 動作電圧V0におけるトランスデューサの温度係数の対数表示
TCv : 電圧源の温度係数
TCS|dB : マイクロフォンの温度係数の対数表示
TCamp|dB : 増幅器の温度係数の対数表示

mems : トランスデューサの感度
mems|dB : トランスデューサの感度の対数表示
mems,0|dB : 1つの動作点におけるトランスデューサの感度の対数表示
out : マイクロフォンアセンブリの感度
out|dB : マイクロフォンアセンブリの感度の対数表示
amp : 増幅器の利得
amp|dB : 増幅器の利得の対数表示

bias : バイアス電圧
SV : トランスデューサの感度のバイアス電圧に対する傾き係数
T : 温度
0 : 動作温度
0 : 動作電圧
0 : 動作電圧および動作温度におけるトランスデューサの感度

Claims (1)

  1. 1つのトランスデューサ(2)と、
    前記トランスデューサ(2)用の1つの電圧源(6)と、
    を備えるマイクロフォンアセンブリであって、
    前記電圧源(6)は、前記マイクロフォンアセンブリ(1)の温度依存性を低減するための温度依存の電圧を供給するように構成されていることを特徴とするマイクロフォンアセンブリ。
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