以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[1.実施の形態1]
<1−1.電池の概要>
図1は、本実施の形態1に従う電池10の平面図である。図2は、図1のII−II断面図である。電池10は、タブ300の正極と負極が反対側に配置されており、たとえば電池を多数直列接続して高電圧で使用する電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両用に配慮した形態である。
図1及び図2に示されるように、電池10は、収容体100と、電池素子400と、タブ300と、タブフィルム310と、弁装置200とを含んでいる。
収容体100は、包装材料110,120を含んでいる。収容体100の周縁部においては、包装材料110,120がヒートシールされ、周縁接合部130が形成されている。すなわち、周縁接合部130においては、包装材料110,120が互いに融着している。なお、本実施の形態1に従う周縁接合部130は、ヒートシールにより形成されるが、これに限定されず、例えば、超音波シールにより形成することもできる。いずれにせよ、周縁接合部130とは、包装材料110,120が融着され、一体化している部分を意味する。包装材料110,120については後程詳しく説明する。
電池素子400は、たとえば、リチウムイオン電池(二次電池)やキャパシタ等の蓄電部材である。電池素子400は、収容体100の内部空間S1に収容されている。電池素子400に異常が生じると、収容体100内においてガスが発生し得る。また、たとえば、電池素子400がキャパシタである場合には、キャパシタにおける化学反応に起因して収容体100内においてガスが発生し得る。
タブ300は、電池素子400における電力の入出力に用いられる金属端子である。タブ300の一方の端部は電池素子400の電極(正極又は負極)に電気的に接続されており、他方の端部は収容体100の端縁から外側に突出している。
タブ300を構成する金属材料は、たとえば、アルミニウム、ニッケル、銅等である。たとえば、電池素子400がリチウムイオン電池である場合、正極に接続されるタブ300は、通常、アルミニウム等によって構成され、負極に接続されるタブ300は、通常、銅、ニッケル等によって構成される。
電池10においては、2つのタブ300が含まれている。一方のタブ300は、収容体100の周縁接合部130のうち矢印L方向の端部において、タブフィルム310を介して包装材料110,120に挟まれている。他方のタブ300は、収容体100の周縁接合部130のうち矢印R方向の端部において、タブフィルム310を介して包装材料110,120に挟まれている。
タブフィルム310は、接着性保護フィルムであり、包装材料110,120及びタブ300(金属)の両方と接着するように構成されている。タブフィルム310を介することによって、金属製のタブ300を包装材料110,120で固定することができる。また、タブフィルム310は、特に高電圧で用いる場合、絶縁層、耐熱層あるいは耐熱成分を含み、短絡防止機能を有することが好ましい。
弁装置200は、収容体100内の圧力に応じて、開状態と閉状態との間を切り替わる。弁装置200は、開状態において、収容体100の内部空間S1と外部空間とを連通させる部材である。弁装置200は、収容体100内で発生したガスに起因して収容体100内の圧力が所定値以上となった場合に、収容体100内のガスを外部に放出するように構成されている。一方、弁装置200は、閉状態において、収容体100の内部空間S1を外部空間から密閉する。
弁装置200の筐体は、包装材料110,120の最内層と直に接着する材料が好ましく、包装材料110,120の最内層と同じ熱融着性を備えた樹脂、たとえば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂によって構成されているのが好ましい。仮に耐熱性等の理由でPP以外の異材質を使用する場合、タブに使用するタブフィルムと同様に、その異材質とPPの両方に接着可能なフィルムを介在してシールする方法が有効である。弁装置200は、収容体100の周縁接合部130における矢印F方向の端部側において、包装材料110,120に挟まれている。弁装置200については、後程詳しく説明する。
本実施の形態1に従う電池10においては、弁装置200を収容体100に取り付けるに当たって、様々な構造上の工夫が採用されている。以下、収容体100の構成、弁装置200の構成、収容体100への弁装置200の取付け状態、及び、電池10の製造方法について順に説明する。
なお、矢印LRUDFBの各々が示す方向は、各図面において共通である。以下では、矢印LR方向を「電池10の幅方向」とも称し、矢印UD方向を「電池10の厚み方向」とも称する。矢印LR方向、矢印UD方向及び矢印FB方向は、互いに直交している。また、矢印UD方向を「上下方向」と称することもあり、このとき、後述する図3を基準とし、U側が上側であり、D側が下側である。
<1−2.収容体の構成>
図3は、収容体100を示す図である。図3に示されるように、収容体100は、電池素子400が収容される内部空間S1を有し、内部空間S1を電池10の厚み方向における下側から覆う包装材料110と、内部空間S1を電池10の厚み方向における上側から覆う包装材料120を含んでいる。包装材料110,120の各々は、いわゆるラミネートフィルムで構成されており、平面視における形状は略同一の矩形形状である。
包装材料110は、略直方体形状の内部空間S1が形成されるように成形された成形部112と、成形部112の外側端縁に沿って矢印FB方向及び矢印LR方向に延びるフランジ部114とを含んでいる。すなわち、フランジ部114は、成形部112を囲繞している。フランジ部114は、概ね同一平面内に広がっており、成形部112は、フランジ部114から電池10の厚み方向における下側に向かって、図3で示す矢印D方向に膨出している。成形部112においては、矢印U方向の面が開放されている。該開放されている面を通じて、電池素子400(図1)が内部空間S1内に配置される。すなわち、包装材料110は、成形部112の内部に空間(実質的に、内部空間S1に同じ)を有するトレイ型のラミネートケースである。包装材料110は、内部空間S1を電池10の厚み方向における下側から覆う。
一方、包装材料120は、シート状に構成されており、主として成形部112により画定される内部空間S1を電池10の厚み方向における上側から覆う蓋である。蓋である包装材料120の周縁部は、トレイ型の包装材料110の周縁部であるフランジ部114上に重ねられ、両周縁部が融着される。こうして形成される周縁接合部130は、収容体100の外周全体に亘って延び、角環状に形成される。
図4Aは、図1のIV−IV断面図である。同図に示すとおり、成形部112は、周縁接合部130の内側端縁P2よりも内側に配置されており、フランジ部114の内側端縁P3から立ち上がる。よって、成形部112は、周縁接合部130よりも矢印D方向に膨出している。この例では、周縁接合部130の内側端縁P2とフランジ部114の内側端縁(言い換えると、成形部112の外側端縁)P3とは一致している。なお、図中、斜線の領域は、周縁接合部130において融着されている部分である。図4Bは、別の例における図1のIV−IV断面図である。図4Bの例のように、周縁接合部130の内側端縁P2は、フランジ部114の内側端縁(言い換えると、成形部112の外側端縁)P3よりも外側に位置していてもよい。
図5は、包装材料110,120の断面構造の一例を示す図である。図5に示されるように、包装材料110,120の各々は、基材層31、接着剤層32、バリア層33、接着層34及び熱融着性樹脂層35がこの順に積層された積層体である。なお、包装材料110,120の各々は、必ずしも図5に示される各層を含む必要はないが、典型的には、少なくとも、基材層31、バリア層33及び熱融着性樹脂層35をこの順に有している。包装材料110,120は、それぞれの熱融着性樹脂層35が互いに対向するように配置される。
収容体100においては、基材層31が最外層となり、熱融着性樹脂層35が最内層となる。電池10の組立て時に、内部空間S1(図3)内に電池素子400(図2)が配置された状態で、包装材料110,120の各々の周縁に位置する熱融着性樹脂層35同士を熱融着することによって、周縁接合部130が形成される。このとき、電池素子400が収容体100内に密封され、弁装置200が周縁接合部130に融着して固定され、さらに、タブ300もタブフィルム310を介して周縁接合部130に融着して固定される。以下、包装材料110,120に含まれる各層について説明する。なお、包装材料110,120の厚さとしては、たとえば、50〜200μm程度、好ましくは90〜160μm程度が挙げられる。
(1−2−1.基材層)
基材層31は、包装材料110,120の基材として機能する層であり、収容体100の最外層側を形成する層である。
基材層31を形成する素材は、特に制限されないが、典型的には、絶縁性を有し、たとえば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネート及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。基材層31は、たとえば、上記の樹脂により形成された樹脂フィルムであってもよいし、上記の樹脂を塗布して形成したものであってもよい。樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムとしては、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムが挙げられ、二軸延伸フィルムが好ましい。二軸延伸フィルムを形成する延伸方法としては、例えば、逐次二軸延伸法、インフレーション法、同時二軸延伸法等が挙げられる。さらに、基材層31は、単層であってもよいし、2層以上により構成されていてもよい。基材層31が2層以上により構成されている場合、基材層31は、樹脂フィルムを接着剤などで積層させた積層体であってもよいし、樹脂を共押出しして2層以上とした樹脂フィルムの積層体であってもよい。また、樹脂を共押出しして2層以上とした樹脂フィルムの積層体を、未延伸のまま基材層31としてもよいし、一軸延伸または二軸延伸して基材層31としてもよい。基材層31が、2層以上の樹脂フィルムの積層体の具体例としては、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとの積層体、2層以上のナイロンフィルムの積層体、2層以上のポリエステルフィルムの積層体などが挙げられ、好ましくは、延伸ナイロンフィルムと延伸ポリエステルフィルムとの積層体、2層以上の延伸ナイロンフィルムの積層体、2層以上の延伸ポリエステルフィルムの積層体が好ましい。例えば、基材層31が2層の樹脂フィルムの積層体である場合、ポリエステル樹脂フィルムとポリエステル樹脂フィルムの積層体、ポリアミド樹脂フィルムとポリアミド樹脂フィルムの積層体、またはポリエステル樹脂フィルムとポリアミド樹脂フィルムの積層体が好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムの積層体、ナイロンフィルムとナイロンフィルムの積層体、またはポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムの積層体がより好ましい。また、ポリエステル樹脂は、基材層31の最外層に位置することが好ましい。
基材層31の厚さとしては、たとえば、3〜50μm程度、好ましくは10〜35μm程度が挙げられる。
(1−2−2.接着剤層)
接着剤層32は、基材層31に密着性を付与するために、基材層31上に必要に応じて配置される層である。すなわち、接着剤層32は、基材層31とバリア層33との間に必要に応じて設けられる。
接着剤層32は、基材層31とバリア層33とを接着可能な接着剤によって形成される。接着剤層32の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよいし、1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着剤層32の形成に使用される接着剤の接着機構は、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型及び熱圧着型等のいずれであってもよい。
接着剤層32の厚さとしては、たとえば、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μm程度が挙げられる。
(1−2−3.バリア層)
バリア層33は、包装材料110,120の強度向上の他、電池10内に水蒸気、酸素、光等が侵入することを防止する機能を有する層である。バリア層33を構成する素材としては、たとえば、アルミニウム、ステンレス、チタン等の金属が挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。バリア層33は、たとえば、金属箔や金属蒸着膜、無機酸化物蒸着膜、炭素含有無機酸化物蒸着膜、及び、これらの蒸着膜を設けたフィルム等により形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。各包装材料の製造時に、バリア層33にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、バリア層は、たとえば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS H4160:1994 A8021H−O、JIS H4160:1994 A8079H−O、JIS H4000:2014 A8021P−O、JIS H4000:2014 A8079P−O)等軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
バリア層33の厚みは、水蒸気等のバリア層として機能すれば特に制限されないが、たとえば、10〜100μm程度、好ましくは20〜80μm程度とすることができる。
(1−2−4.接着層)
接着層34は、熱融着性樹脂層35を強固に接着するために、バリア層33と熱融着性樹脂層35との間に、必要に応じて設けられる層である。
接着層34は、バリア層33と熱融着性樹脂層35とを接着可能な接着剤によって形成される。接着層34の形成に使用される接着剤の組成は、特に制限されないが、たとえば、酸変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物である。酸変性ポリオレフィンとしては、酸変性されたポリオレフィンであれば特に制限されないが、好ましくは不飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性されたポリオレフィンが挙げられる。
接着層34の厚さとしては、たとえば、1〜50μm程度、好ましくは2〜40μm程度が挙げられる。
(1−2−5.熱融着性樹脂層)
熱融着性樹脂層35は、収容体100の最内層を形成する。熱融着性樹脂層35は、収容体100の周縁において、対向する熱融着性樹脂層と熱融着することによって、電池素子400を収容体100内に密封する。また、熱融着性樹脂が一定の膜厚以上でバリア層を覆うことで、電解液とバリア層金属との絶縁性を保つことができる。
熱融着性樹脂層35に使用される樹脂成分は、熱融着可能であることを限度として特に制限されないが、たとえば、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン等である。
ポリオレフィンとしては、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(たとえば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(たとえば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等の結晶性又は非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。また、酸変性ポリオレフィンとしては、酸変性されたポリオレフィンであれば特に制限されないが、好ましくは不飽和カルボン酸又はその無水物でグラフト変性されたポリオレフィンが挙げられる。
また、熱融着性樹脂層35の厚さとしては、特に制限されないが、好ましくは100μm以下、より好ましくは15〜90μm程度、さらに好ましくは30〜80μm程度が挙げられる。
<1−3.弁装置の構成>
図6は、弁装置200の平面図である。弁装置200は、収容体100内の圧力を調整するためのガス抜き弁であり、繰り返しのガス抜きが可能な復帰弁である。図6に示されるように、弁装置200は、弁機能部210と、シール取付け部220とを含んでいる。詳細については後述するが、シール取付け部220は、少なくともその一部が、包装材料110,120(図2)に挟まれて固定されている。シール取付け部220がヒートシールされることで、シール取付け部220の外側の周面と、包装材料110,120の最内層である熱融着性樹脂層35とは、融着して接合された状態となる。
弁機能部210及びシール取付け部220は、矢印FB方向に並んでおり、シール取付け部220がより矢印B方向に配置される。シール取付け部220は、弁機能部210の矢印B方向の端部(内端部)に接続されている。弁機能部210及びシール取付け部220の外形は、各々、矢印FB方向に平行な中心軸を有する略円柱形状であり、互いに同軸である。ここで、両者の共通する中心軸を、参照符号C1で表す。
シール取付け部220において、矢印B方向の端部の角にはRが形成されている。すなわち、シール取付け部220において、弁機能部210側とは反対側の端部の平面視における角にはR(たとえば、R=0.2mm〜2.0mm)が形成されている。なお、本願明細書においては、角が丸みを帯びていることを「Rが形成されている」として表現する。ここで「Rが形成されている」とは、構造的には、面取り加工がされたのと同様で、角が丸みを帯びた状態を意味しており、さらには「R」単独で、この角の丸みの半径を意味するものとして使用する。なお、弁装置200の製造工程において発生する尖った角に対して面取り加工を施して角に丸みをつける(Rを形成する)ことも可能であるが、弁装置200の筐体が樹脂成形品である場合には、最初から丸みを帯びた角を備えるように成形することで切削等の面取り加工なしでRを形成することも可能である。
図7は、図6のVI−VI断面図である。図7に示されるように、弁装置200において、弁機能部210及びシール取付け部220の各々の、矢印FB方向に直交する断面(以下、FB断面ということがある)の外形は、正円形状である。シール取付け部220は、全体としては略円筒形状であり、シール取付け部220の内部には通気路A1が形成されている。通気路A1は、矢印FB方向に沿って延びる。通気路A1の断面は、正円形状であり、その中心は中心軸C1上にある。シール取付け部220の中心軸C1を基準とする径方向の厚みは、中心軸C1を基準とする周方向に沿って概ね一定である。
弁装置200において、電池10の厚み方向(矢印UD方向)における弁機能部210の長さL2は、電池10の厚み方向におけるシール取付け部220の長さL1よりも長い。電池10の幅方向(矢印LR方向)における弁機能部210の長さL2は、電池10の幅方向におけるシール取付け部220の長さL1よりも長い。すなわち、弁機能部210のFB断面の直径は、シール取付け部220のFB断面の直径よりも長く、弁機能部210のFB断面における断面積は、シール取付け部220のFB断面における断面積より大きい。また、弁装置200を矢印F方向に視たとき、シール取付け部220の外形は、弁機能部210の外形に包含される。言い換えると、弁装置200を矢印F方向に視たとき、弁機能部210は、シール取付け部220の外形から、電池10の厚み方向(矢印UD方向)を含む各方向にはみ出している。その結果、弁機能部210とシール取付け部220との境界には、段差が形成されている(図6)。この段差により、弁装置200は、シール取付け部220から弁機能部210に向かって不連続に拡径する形状となる。
図8は、図6のVII−VII断面図である。図8に示されるように、シール取付け部220の矢印B方向の端部には、R(たとえば、R=0.2mm〜2.0mm)が形成されている。また、シール取付け部220の内部には、通気路A1が形成されている。通気路A1は、たとえば、収容体100内において発生したガスを弁機能部210へ誘導する。
弁機能部210の内部には、収容体100(図1)内において発生したガスを収容体100外へ排出するように構成された弁機構が設けられている。具体的には、弁機能部210は、筒体211と、Oリング212と、ボール214と、バネ216と、メンブレン218とを含んでいる。すなわち、弁機能部210には、ボールスプリング型の弁機構が設けられている。なお、実施の形態1においては、弁装置200を繰り返しのガス抜きが可能な複雑な弁機構を必要とする復帰弁としているが、1回限りのガス抜きが可能なより簡便な弁機構で十分な破壊弁としても良い。弁機能部210内に設けられる弁機構は、ガスに起因して上昇した収容体100内の圧力を1回だけ或いは複数回にわたり繰り返し低減可能であれば特に制限されず、たとえば、ポペット型、ダックビル型、アンブレラ型、ダイヤフラム型等の弁機構であってもよい。
筒体211は、中心軸C1に沿って延びており、矢印FB方向に貫通する空間S2を画定している。空間S2は、シール取付け部220内の通気路A1に連通しており、Oリング212、ボール214、バネ216及びメンブレン218は、空間S2内に配置されている。空間S2内では、Oリング212、ボール214、バネ216及びメンブレン218が、矢印F方向に向かってこの順に配置されている。
筒体211は、空間S2に面する弁座211aを有する。弁座211aは、空間S2内に、矢印F方向に向かって拡径する逆円錐型の空間を画定する。弁座211aは、バネ216により付勢される弁体としてのボール214を受け取り、このとき、弁機能部210の閉状態が形成される。Oリング212は、弁座211aに着座したときに、ボール214と弁座211aとの隙間をなくし、閉状態の密閉性を高めるのを補助する。Oリング212は、中空円形のリングであり、たとえば、フッ素ゴムによって構成されている。ボール214及びバネ216の各々は、たとえば、ステンレスによって構成されている。なお、ボール214は、樹脂で構成されてもよい。メンブレン218は、たとえば、10-2〜100μm程度のポアー直径(pore diameter)を有し、電解液を漏らさず、ガスのみを透過(選択透過)するようなPTFEメンブレンによって構成されている。なお、PTFEとは、ポリテトラフルオロエチレン (polytetrafluoroethylene)の意である。また、PTFEメンブレンは柔らかい材質の為、強度が不足する場合はポリプロピレンやポリエステルなどのメッシュや不織布と一体成型して補強したものを用いることもできる。
弁装置200が収容体100に取り付けられた状態で、収容体100内の圧力が所定圧力に達すると、通気路A1から誘導されたガスがボール214を矢印F方向に押圧する。ボール214が押圧され、弁座211aから離れると、バネ216が縮み、弁機能部210の開状態が形成される。この開状態において、収容体100内のガスは、ボール214とOリング212との間に形成された隙間を通り、メンブレン218を透過して、排気口O1から収容体100の外部に排出される。ガスが排出され、ボール214を矢印F方向に押圧する力が弱まると、バネ216が延び、ボール214を矢印B方向に付勢する力がこれよりも大きくなる。その結果、再度、弁機能部210の閉状態が形成される。
<1−4.弁装置の取付け状態>
図9は、図1のVIII−VIII断面図であり、弁装置200の取付け状態を説明するための図である。図10Aは、図1の破線で示される円内の部分拡大図である。これらの図に示されるように、弁装置200の弁機能部210は、周縁接合部130の外側端縁P1よりも外側に位置している。一方、弁装置200のシール取付け部220の一部分は、周縁接合部130において、包装材料110の熱融着性樹脂層35と包装材料120の熱融着性樹脂層35との間に挟まれている。そして、シール取付け部220の外側の周面と、包装材料110,120の最内層である熱融着性樹脂層35とは、互いに融着して接合された状態となっている。なお、図9では、弁装置200が包装材料110,120の熱融着性樹脂層35と融着して接合された状態であることを説明するため、便宜的に、熱融着性樹脂層35を周縁接合部130付近のみ部分的に図示しているが、熱融着性樹脂層35は包装材料110,120の全面に備えられている。
本実施の形態1に従う電池10において、シール取付け部220が周縁接合部130において熱融着性樹脂層35に挟まれ、弁機能部210が周縁接合部130において熱融着性樹脂層35に挟まれていない理由について次に説明する。
仮に、弁機能部210が周縁接合部130において熱融着性樹脂層35に挟まれるとする。この場合には、包装材料110,120の周縁において熱融着性樹脂層35を互いに融着する時(ヒートシールする時)に、加えられる熱及び圧力によって弁機能部210内の弁機構が故障する可能性がある。
本実施の形態1に従う電池10において、周縁接合部130で熱融着性樹脂層35に挟まれているのはシール取付け部220であり、弁機能部210は熱融着性樹脂層35に挟まれていない。したがって、電池10においては、ヒートシール時に弁機能部210に大きい圧力及び熱が加えられない。すなわち、電池10においては、弁機能部210を熱融着性樹脂層35によって挟まないことによって、ヒートシール時に加えられる圧力及び熱に起因した弁機構の故障が抑制されている。
また、本実施の形態1に従う電池10においては、上述のように、シール取付け部220の断面の直径が弁機能部210の断面の直径よりも短い。したがって、シール取付け部220の断面の直径が弁機能部210の断面の直径以上である場合と比較して、周縁接合部130のうちシール取付け部220が挟まれている部分における電池の厚み方向の長さL4と、周縁接合部130のうちシール取付け部220が挟まれていない部分における電池の厚み方向の長さL3との差が小さい。この差が大きいほど、シール取付け部220の外側の周面が包装材料110,120の最内層である熱融着性樹脂層35と融着して隙間なく接合された状態とするために、ヒートシールの圧力を大きくする必要が生じる。その結果、ヒートシールのために収容体100の周縁に加えられる圧力が大きくなる。該圧力が大きくなると、特にシール取付け部220が挟まれている位置において、さらにはタブフィルム310とタブ300が挟まれている位置において、熱融着性樹脂層35が薄くなる可能性がある。熱融着性樹脂層35が薄くなると、電池10において絶縁破壊が生じる可能性がある。
本実施の形態1に従う電池10においては、上述のように、長さL4と長さL3との差が小さい。したがって、ヒートシール機によって収容体100の周縁を挟んだ時に、収容体100の周縁全体において熱融着性樹脂層に適切に圧力及び熱が加えられる。その結果、電池10によれば、電池10において絶縁破壊が生じる可能性を低減しつつ、対向する熱融着性樹脂層35を適切に融着させ、シール取付け部220を収容体100に強固に固定することができる。
また、本実施の形態1に従う電池10においては、シール取付け部220の内端221は、周縁接合部130の内側端縁P2まで達しており、そこからさらに内部空間S1に向かって突出している。一方、仮に、シール取付け部220の内端221が、周縁接合部130の内側端縁P2と面一又は内側端縁P2よりも外側に存在する場合、弁装置200の機能上、様々な不具合が生じ得る。例えば、周縁接合部130の形成時に、シール取付け部220に加えられるシール熱や圧力のせいで、シール取付け部220の内端部が変形し得る。また、溶融した包装材料110,120の一部が、シール取付け部220の通気路A1内に内端221側から入り込み、通気路A1が目詰まりすることもあり得る。以上のような不具合が生じると、弁装置200が正常に機能せず、故障することになる。しかしながら、本実施の形態1では、シール取付け部220の内端221が周縁接合部130の内側端縁P2よりも内側に存在する。そのため、周縁接合部130の形成時にシール取付け部220の内端部を保護し、同部位が傷つくことがなく、弁装置200の故障が抑制される。
また、実施の形態1に従う電池10においては、シール取付け部220の内端221は、成形部112の外側端縁(フランジ部114の内側端縁に一致する)P3よりも内側に位置する。よって、周縁接合部130の形成時に、成形部112が壁となって、シール装置がシール取付け部220の内端221に干渉しない。その結果、シール取付け部220の内端部をより確実に保護することができる。
なお、シール取付け部220の内端221が、成形部112の外側端縁P3よりも内側に位置する場合、電池10の使用状況によっては、シール取付け部220の矢印B方向の端部(内端部)が電池素子400に接触する可能性がある。本実施の形態1に従う電池10においては、上述のように、シール取付け部220の内端部にRが形成されている(図6)。したがって、仮にシール取付け部220の内端部が電池素子400に接触したとしても、該内端部が電池素子400を傷つける可能性は低い。また、電池10の使用状況によっては、シール取付け部220の内端部が包装材料120の熱融着性樹脂層35に接触する可能性がある。本実施の形態1に従う電池10においては、上述のように、シール取付け部220の内端部にRが形成されているため、仮にシール取付け部220の内端部が包装材料120の熱融着性樹脂層35に接触したとしても、該内端部が熱融着性樹脂層35を傷つける可能性は低い。
図10Aの例では、弁機能部210の矢印B方向の端部(内端部)は、周縁接合部130の外側端縁P1に接しておらず、外側端縁P1から外側に間隔をあけている。しかしながら、図10Bの例のように、弁機能部210の内端部が、周縁接合部130の外側端縁P1に接するように、弁装置200を取り付けることもできる。この場合、弁機能部210とシール取付け部220との間の段差を利用することにより、周縁接合部130に対する弁装置200の位置決めを確実に行うことができる。よって、シール取付け部220の矢印FB方向の長さ及び周縁接合部130の矢印FB方向のシール幅を、前者が後者よりも長くなるように設計しておくことで、シール取付け部220の内端221を、周縁接合部130の内側端縁P2から確実に突出させることができる。
<1−5.製造方法>
図11は、電池10の製造手順を示すフローチャートである。たとえば、電池10は、製造装置によって製造される。
図11を参照して、製造装置は、収容体100内に各部品を載置する(ステップS100)。たとえば、製造装置は、タブフィルム310付きタブ300が溶接によって電気的に接続された電池素子400を、包装材料110内の内部空間S1に載置することによって、包装材料110のフランジ部114の上に、タブフィルム310付きタブ300が載置された状態とし、次に、包装材料110のフランジ部114の上に弁装置200を載置する。なお、包装材料110の内部空間S1に電池素子400を載置し、その次に、タブフィルム310付きタブ300を電池素子400に溶接して電気的に接続すると共に包装材料110のフランジ部114の上にタブフィルム310付きタブ300が載置された状態とし、次に、包装材料110のフランジ部114の上に弁装置200を載置することも可能である。そして、製造装置は、包装材料110上に包装材料120を載置する。
図12は、包装材料110のフランジ部114と包装材料120との間に弁装置200を載置する動作を示す図である。図12に示されるように、弁機能部210とシール取付け部220との間には段差が形成されている。したがって、シール取付け部220を包装材料110,120で挟む時に、仮に弁装置200を収容体100側に押し込み過ぎたとしても段差部分が包装材料110,120の端部に引っ掛かる。したがって、電池10によれば、電池10の製造過程において、弁機能部210が誤って包装材料110,120(熱融着性樹脂層35)に挟まれる事態を抑制することができる。すなわち、段差部分において、シール取付け部220から少なくとも上下方向に立ち上がる弁機能部210の構造は、弁機能部210が包装材料110,120の間に入り込まないようにするためのストッパーとして機能する。
各部品の載置が完了すると、製造装置は、収容体100の周縁をヒートシールする(ステップS110)。すなわち、製造装置は、収容体100の周縁を挟み、収容体100の周縁に圧力及び熱を加える。これにより、収容体100の周縁において、対向する熱融着性樹脂層35が互いに融着し、周縁接合部130が形成される。そして、電池素子400が収容体100内に密封され、弁装置200が周縁接合部130に融着して固定され、さらに、タブ300もタブフィルム310を介して周縁接合部130に融着して固定され、電池10が完成する。なお、ヒートシール工程においては、収容体100の内部の脱気を行うことで、収容体100の内部に不要なガスが含まれないようにすることができる。具体的には、全周を接合せずに、一部に未接合状態の周縁を残しておき、この未接合状態の周縁から脱気して、最後に未接合状態の周縁に圧力及び熱を加えて、全周の周縁接合部130を完成させることができる。さらには、電解液を必要とする電池の場合には、全周を接合せずに、一部に未接合状態の周縁を残しておき、この未接合状態の周縁から電解液を注入して、脱気して、最後に未接合状態の周縁に圧力及び熱を加えて、全周の周縁接合部130を完成することもある。
また、製造装置のシールバーのうち収容体100の周縁を挟む面の形状を、シール取付け部220の外形に沿う形状とすることも有効である。この場合には、シール取付け部220が挟まれた位置における熱融着性樹脂層35同士の接着がより強固になる。この場合であっても、包装材料110,120の変形や負荷を低減するために、後述の実施の形態2のように、シール取付け部220の形状を扁平形状とすることが有効である。
なお、添付の図面では、収容体100の内部空間S1に電池素子400が収容されていることを理解し易く説明するため、便宜的に、内部空間S1に対して電池素子400を小さいサイズで示している。しかし、製造工程において以上のとおり脱気する場合には、内部空間S1は縮小して電池素子400と略同じサイズとなり、最終的な電池10の状態では、ほとんど隙間なく電池素子400により埋められ得る。
<1−6.特徴>
以上のように、本実施の形態1に従う電池10においては、弁装置200が、収容体100の周縁接合部130の内側端縁P2から内部空間S1に向かって突出している。すなわち、弁装置200の内端が周縁接合部130から距離をあけている。そのため、周縁接合部130の形成時に、周縁接合部130に加わる熱や圧力等の弁装置200を故障させる原因が、弁装置200の内端部に作用し難くなる。よって、弁装置200の取り付け時の故障を抑制することができる。
なお、電池素子400は、本発明の「電池素子」の一例である。収容体100は、本発明の「収容体」の一例であり、包装材料110は、本発明の「第1収容部分」の一例であり、包装材料120は、本発明の「第2収容部分」の一例であり、内部空間S1は、本発明の「内部空間」の一例であり、周縁接合部130は、本発明の「周縁接合部」の一例であり、成形部112は、本発明の「膨出部」の一例である。弁装置200は、本発明の「弁装置」の一例であり、弁機能部210は、本発明の「第1部分」の一例であり、シール取付け部220は、本発明の「第2部分」の一例であり、通気路A1は、本発明の「通気路」の一例である。基材層31は、本発明の「基材層」の一例であり、バリア層33は、本発明の「バリア層」の一例であり、熱融着性樹脂層35は、本発明の「熱融着性樹脂層」の一例である。
[2.実施の形態2]
本実施の形態2においては、上記実施の形態1と比較して、弁装置の構成が異なる。他の構成は、基本的に実施の形態1と同様である。ここでは、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図13は、本実施の形態2に従う電池に搭載されている弁装置200Aの平面図である。図13に示されるように、弁装置200Aは、弁機能部210Aと、シール取付け部220Aとを含んでいる。シール取付け部220Aは、少なくともその一部が、包装材料110,120に挟まれて、ヒートシールされる部分である。シール取付け部220Aは、実施の形態1と比較して、断面形状が異なる。弁機能部210Aは、基本的には実施の形態1と同様であるが、シール取付け部220A内に形成されている通気路A6(図14)の形状の違いに応じて、筐体及び弁機構の形状が一部変更されている。
図14は、図13のXII−XII断面図である。図14に示されるように、シール取付け部220Aの断面において、電池の幅方向(矢印LR方向)の長さL5は、電池の厚み方向(矢印UD方向)の長さL6よりも長い。より具体的には、シール取付け部220Aの断面形状は、楕円形状である。
シール取付け部220Aの内部には通気路A6が形成されている。通気路A6においても、電池の幅方向の長さは、電池の厚み方向の長さよりも長い。より具体的には、通気路A6の断面形状は、楕円形状である。
このように、本実施の形態2においては、シール取付け部220Aの断面において、電池の幅方向の長さL5が、電池の厚み方向の長さL6よりも長い。すなわち、シール取付け部の断面形状が正円(面積は同一)である場合と比較して、電池の厚み方向におけるシール取付け部220Aの長さが短い。この電池においては、周縁接合部130のうちシール取付け部220Aが挟まれている部分における電池の厚み方向の長さと、周縁接合部130のうちシール取付け部220Aが挟まれていない部分における電池の厚み方向の長さとの差がより小さくなっている。したがって、この電池によれば、収容体100の周縁全体において熱融着性樹脂層35に適切に圧力及び熱を加えることができ、対向する熱融着性樹脂層35を適切に融着させることができるため、弁装置200Aのシール取付け部220Aを収容体100に強固に固定することができる。
なお、弁装置200Aは、本発明の「弁装置」の一例であり、弁機能部210Aは、本発明の「第1部分」の一例であり、シール取付け部220Aは、本発明の「第2部分」の一例である。通気路A6は、本発明の「通気路」の一例である。
[3.実施の形態3]
実施の形態3においては、上記実施の形態1と比較して、弁装置の構成が異なる。他の構成は、基本的に実施の形態1と同様である。ここでは、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図15は、本実施の形態3に従う電池に搭載されている弁装置200Bの平面図である。図15に示されるように、弁装置200Bは、弁機能部210Bと、シール取付け部220Bとを含んでいる。シール取付け部220Bは、少なくともその一部が、包装材料110,120に挟まれて、ヒートシールされる部分である。シール取付け部220Bは、実施の形態1と比較して、断面形状が異なる。弁機能部210Bは、基本的には実施の形態1と同様であるが、シール取付け部220B内に形成されている通気路A7(図16)の形状の違いに応じて、筐体及び弁機構の形状が一部変更されている。
図16は、図15のXIV−XIV断面図である。図16に示されるように、シール取付け部220Bにおいては、電池の幅方向(矢印LR方向)の両端部に翼状延端部40,41が形成されている。翼状延端部40,41の各々は、電池の幅方向の端部に近づくほど薄くなる形状を有している。また、別の観点からは、翼状延端部40,41の各々は、シール取付け部220の他の部分(円形部分)と比較して、矢印LR方向において、電池の厚み方向の長さの変化が緩やかな部分ともいえる。
本実施の形態3に従う電池においては、実施の形態1(シール取付け部220Bに翼状延端部40,41が設けられていない場合)と比較して、周縁接合部130のうちシール取付け部220Bが挟まれていない部分から周縁接合部130のうちシール取付け部220Bが挟まれている部分へ移行する位置における電池の厚み方向の変化が滑らかである。したがって、この電池によれば、シール取付け部220Bが熱融着性樹脂層35によって挟まれている位置とシール取付け部220Bが熱融着性樹脂層35に挟まれていない位置との境界において包装材料110,120に無理な力が加わらないため、弁装置200Bのシール取付け部220Bを収容体100に強固に固定することができる。
なお、弁装置200Bは、本発明の「弁装置」の一例であり、弁機能部210Bは、本発明の「第1部分」の一例であり、シール取付け部220Bは、本発明の「第2部分」の一例である。翼状延端部40,41は、本発明の「翼状延端部」の一例である。通気路A7は、本発明の「通気路」の一例である。
[4.実施の形態4]
本実施の形態4においては、上記実施の形態1と比較して、弁装置の構成が異なる。他の構成は、基本的に実施の形態1と同様である。ここでは、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図17は、本実施の形態4に従う電池に搭載されている弁装置200Cの平面図である。図17に示されるように、弁装置200Cは、弁機能部210Cと、シール取付け部220Cとを含んでいる。シール取付け部220Cは、少なくともその一部が、包装材料110,120に挟まれて、ヒートシールされる部分である。シール取付け部220Cは、実施の形態1と比較して、断面形状が異なる。弁機能部210Cは、基本的には実施の形態1と同様であるが、シール取付け部220C内に形成されている通気路A2(図18)の形状の違いに応じて、筐体及び弁機構の形状が一部変更されている。
図18は、図17のXVI−XVI断面図である。図18に示されるように、シール取付け部220C内(通気路A2内)には、ピラー50,51が形成されている。ピラー50,51の各々は、電池の厚み方向(矢印UD方向)に延び、電池の厚み方向の両端がシール取付け部220Cの内周に接続されている。また、ピラー50,51の各々は、通気路A2内において矢印FB方向に延びている(図17)。なお、ピラーの数は、必ずしも2本である必要はなく、少なくとも1本あればよい。
本実施の形態4に従う電池においては、通気路A2内にピラー50,51が形成されているため、対向する熱融着性樹脂層35に挟まれたシール取付け部220Cに圧力及び熱が加えられたとしても、通気路A2が維持される。したがって、この電池によれば、対向する熱融着性樹脂層35の融着時におけるシール取付け部220C内の通気路A2の破損を抑制することができる。
なお、弁装置200Cは、本発明の「弁装置」の一例であり、弁機能部210Cは、本発明の「第1部分」の一例であり、シール取付け部220Cは、本発明の「第2部分」の一例である。ピラー50,51は、本発明の「ピラー」の一例である。通気路A2は、本発明の「通気路」の一例である。
[5.実施の形態5]
本実施の形態5においては、上記実施の形態1と比較して、弁装置の構成が異なる。他の構成は、基本的に実施の形態1と同様である。ここでは、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図19は、本実施の形態5に従う電池に搭載されている弁装置200Dの平面図である。図19に示されるように、弁装置200Dは、弁機能部210と、シール取付け部220Dとを含んでいる。弁機能部210の構成は、実施の形態1と同様である。
シール取付け部220Dは、少なくともその一部が、包装材料110,120に挟まれて、ヒートシールされる部分である。シール取付け部220Dは、実施の形態1と比較して、外表面が異なる。具体的には、シール取付け部220Dの外表面はナシ地となっている。該ナシ地の表面粗さRaは、たとえば、1μm〜20μmである。
本実施の形態5に従う電池においては、シール取付け部220Dの外表面がナシ地であるため、シール取付け部220Dに当接した位置において熱融着性樹脂が溶けやすい。したがって、この電池によれば、実施の形態1(シール取付け部220Dの外表面が滑らかな場合)と比較して、弁装置200Dのシール取付け部220Dを収容体100に強固に固定することができる。
なお、弁装置200Dは、本発明の「弁装置」の一例であり、シール取付け部220Dは、本発明の「第2部分」の一例である。
[6.実施の形態6]
本実施の形態6においては、上記実施の形態1と比較して、弁装置の構成が異なる。他の構成は、基本的に実施の形態1と同様である。ここでは、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図20は、本実施の形態6に従う電池に搭載されている弁装置200Eの平面図である。図20に示されるように、弁装置200Eは、弁機能部210と、シール取付け部220Eとを含んでいる。弁機能部210の構成は、実施の形態1と同様である。
シール取付け部220Eは、少なくともその一部が、包装材料110,120に挟まれて、ヒートシールされる部分である。シール取付け部220Eは、実施の形態1と比較して、外表面が異なる。具体的には、シール取付け部220Eの外表面には、周方向に一周連続して延びる凸条部60が形成されている。凸条部60は、シール取付け部220Eにおいて、矢印FB方向に3本形成されている。なお、凸条部60は、必ずしも3本である必要はなく、少なくとも1本形成されていればよい。
図21は、図20のXIX−XIX断面図である。図21に示されるように、凸条部60の断面は、半円形状である。該半円形状のRは、たとえば、0.05mm〜1.0mmである。シール取付け部220Eのうち、凸条部60が形成されている部分における直径L12(電池の厚み方向の長さ、電池の幅方向の長さ)は、凸条部60が形成されていない部分における直径L11よりも長い。
ヒートシール時に、凸条部60は、熱融着性樹脂層35に確実に接するため、包装材料110,120に融着しやすい。本実施の形態6に従う電池においては、凸条部60がシール取付け部220Eの外表面の周方向に一周連続して延びている。したがって、この電池によれば、シール取付け部220Eの周方向一周において、熱融着性樹脂層35とシール取付け部220Eとを融着させることができる。また、この電池においては、実施の形態1(シール取付け部220Eに凸条部60が形成されていない場合)と比較して、シール取付け部220Eの外表面と熱融着性樹脂との接触面積が大きくなっているため、弁装置200Eのシール取付け部220Eを包装材料110に強固に固定することができる。
凸条部60の形成位置は、周方向に延びていれば、一周全体に存在せずとも良く、連続せずとも良い。たとえば、上述の実施の形態3のような翼状延端部40,41を備える場合には、この翼状延端部40,41を含めて一周させる凸条部60を備える必要はない。たとえば、この翼状延端部40,41の先端部分には凸条部60を備えない、或いは、この翼状延端部40,41には凸条部60を備えないことも可能である。また、凸条部60は、周方向に間欠的に形成することも可能である。
なお、弁装置200Eは、本発明の「弁装置」の一例であり、シール取付け部220Eは、本発明の「第2部分」の一例である。凸条部60は、本発明の「凸条部」の一例である。通気路A3は、本発明の「通気路」の一例である。
[7.実施の形態7]
本実施の形態7においては、上記実施の形態1と比較して、弁装置の構成が異なる。他の構成は、基本的に実施の形態1と同様である。ここでは、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図22は、本実施の形態7に従う電池に搭載されている弁装置200Fの平面図である。図22に示されるように、弁装置200Fは、弁機能部210Fと、シール取付け部220Fとを含んでいる。シール取付け部220Fは、少なくともその一部が、包装材料110,120に挟まれて、ヒートシールされる部分である。弁機能部210F及びシール取付け部220Fは、実施の形態1と比較して、断面形状が異なる。
図23は、図22のXXI−XXI断面図である。図23に示されるように、弁機能部210Fの断面は、半円形状である。すなわち、弁機能部210Fの矢印U方向の面は、平面になっている。また、シール取付け部220Fの断面は、矢印LR方向の両端部に翼状延端部40F,41Fを有する。シール取付け部220Fの矢印U方向の面は、平面になっている。弁機能部210Fの矢印U方向の面と、シール取付け部220Fの矢印U方向の面とは、面一になっている。
したがって、矢印U方向の面を下にして弁装置200Fを配置すると、弁装置200Fは転がらない。したがって、本実施の形態7に従う電池によれば、弁装置200Fの収容体100への取り付け時に、弁装置200Fが転がらないため、弁装置200Fの位置決めを容易に行なうことができる。
図24は、弁装置200Fの収容体100への取り付け時の様子を示す図である。図24に示されるように、弁装置200Fの収容体100への取り付け時に、弁装置200Fの平面は、包装材料120の最内層の面上に載置される。この状態において、弁装置200Fは転がらない。したがって、本実施の形態7に従う電池によれば、収容体100への弁装置200Fの取り付け時に、弁装置200Fの位置決めを容易に行なうことができる。また、電池にした状態で、弁装置200Fによる周縁接合部130の膨らみを、収容体100が膨れた方向、すなわち図24では成形部112が突出する上方向に向けることができる。
なお、弁装置200Fは、本発明の「弁装置」の一例であり、弁機能部210Fは、本発明の「第1部分」の一例であり、シール取付け部220Fは、本発明の「第2部分」の一例である。通気路A4は、本発明の「通気路」の一例である。
[8.変形例]
以上、実施の形態1〜7について説明したが、本発明は、上記実施の形態1〜7に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。但し、以下の変形例は適宜組合せ可能である。
<8−1>
上記実施の形態1〜7において、シール取付け部(シール取付け部220等)の断面は、円形をベースにした形状を有していた。しかしながら、シール取付け部の断面形状は、これに限定されない。たとえば、シール取付け部の断面形状は、多角形をベースにした形状を有してもよい。
図25は、変形例1における弁装置200Gの断面を示す図である。図25に示されるように、弁装置200Gにおいて、シール取付け部220Gの断面は、ひし形形状を有している。シール取付け部220Gにおいて、電池の幅方向の長さL7は、電池の厚み方向の長さL8よりも長い。この電池においては、周縁接合部130のうちシール取付け部220Gが挟まれている部分における電池の厚み方向の長さと、周縁接合部130のうちシール取付け部220Gが挟まれていない部分における電池の厚み方向の長さとの差がより小さくなっている。したがって、この電池によれば、収容体100の周縁全体において熱融着性樹脂層35に適切に圧力及び熱を加えることができ、対向する熱融着性樹脂層35を適切に融着させることができるため、弁装置200Gのシール取付け部220Gを収容体100に強固に固定することができる。
図26は、変形例2における弁装置200Hの断面を示す図である。図26に示されるように、弁装置200Hにおいて、シール取付け部220Hの断面は、電池の厚み方向の両端部において面取りされたひし形形状、或いは6角形形状を有している。シール取付け部220Hにおいて、電池の幅方向の長さL9は、電池の厚み方向の長さL10よりも長い。この電池においては、周縁接合部130のうちシール取付け部220Hが挟まれている部分における電池の厚み方向の長さと、周縁接合部130のうちシール取付け部220Hが挟まれていない部分における電池の厚み方向の長さとの差がより小さくなっている。したがって、この電池によれば、収容体100の周縁全体において熱融着性樹脂層35に適切に圧力及び熱を加えることができ、対向する熱融着性樹脂層35を適切に融着させることができるため、弁装置200Hのシール取付け部220Hを収容体100に強固に固定することができる。
図27は、変形例3における弁装置200Iの断面を示す図である。図27に示されるように、弁装置200Iにおいて、シール取付け部220Iの断面は、ひし形の(電池の幅方向の)両端部に翼状延端部40I,41Iが設けられた形状を有している。この電池においては、たとえば実施の形態1(シール取付け部220Iに翼状延端部40I,41Iが設けられていない場合)と比較して、周縁接合部130のうちシール取付け部220Iが挟まれていない部分から周縁接合部130のうちシール取付け部220Iが挟まれている部分へ移行する位置における電池の厚み方向の変化が滑らかである。したがって、この電池によれば、シール取付け部220Iが熱融着性樹脂層35によって挟まれている位置とシール取付け部220Iが熱融着性樹脂層35に挟まれていない位置との境界において包装材料110,120に無理な力が加わらないため、弁装置200Iのシール取付け部220Iを収容体100に強固に固定することができる。
図28は、変形例4における弁装置200Jの平面図である。図28に示されるように、弁装置200Jは、弁機能部210Jと、シール取付け部220Jとを含んでいる。シール取付け部220J内には、通気路A5が形成されている。
図29は、図28のXXVII−XXVII断面図である。この断面は、通気路A5の中心軸C1を法線とする面ともいえる。図29に示されるように、弁装置200Jにおいて、シール取付け部220Jの断面は、六角形(多角形)形状を有している。六角形の各角には、R(たとえば、R=0.2mm〜2.0mm)が形成されている。この電池によれば、たとえば、シール取付け部220Jのうち収容体100内に位置する部分が収容体100内の電池素子400を傷つける可能性を低減することができ、かつ、シール取付け部220Jのうち熱融着性樹脂層35に挟まれている部分が熱融着性樹脂層35を傷つけ、熱融着性樹脂層35の絶縁性を低下させる可能性を低減することができる。
<8−2>
上記実施の形態1〜7において、包装材料110のフランジ部114は、フラットな状態であった。しかしながら、フランジ部114の形状は、これに限定されない。たとえば、フランジ部114には、弁装置200のシール取付け部220を配置するための弁装置配置部が予め成形されていてもよい。
図30は、変形例5における包装材料110Kの平面図である。図30に示されるように、フランジ部114Kには、弁装置配置部116Kが形成されている。
図31は、図30のXXIX−XXIX断面図である。図31に示されるように、フランジ部114Kに形成された弁装置配置部116Kは、半円形状を有している。この半円の直径は、たとえば、シール取付け部220の直径よりも僅かに長い。弁装置配置部116Kに、たとえば、シール取付け部220が配置された状態で、収容体の周縁におけるヒートシールが行なわれる。これにより、ヒートシール時における包装材料の変形が抑制され、シール取付け部220付近でピンホールや破れが生じる可能性を低減することができる。なお、弁装置配置部116Kは、必ずしも包装材料110Kに設けられる必要はなく、包装材料120に設けられてもよい。この場合であっても、弁装置配置部116Kが包装材料110Kに設けられた場合と同様の効果を得ることができる。
<8−3>
上記実施の形態1〜7においては、弁装置(たとえば、弁装置200)において、弁機能部(たとえば、弁機能部210)とシール取付け部(たとえば、シール取付け部220)との境界に段差が形成されていた。しかしながら、弁機能部とシール取付け部との境界には、必ずしも段差が形成されていなくてもよい。たとえば、弁機能部の断面の直径とシール取付け部の断面の直径とが同一であり、弁機能部とシール取付け部とがフラットに繋がっていてもよい。
<8−4>
上記実施の形態1〜7において、シール取付け部(シール取付け部220等)内に形成された通気路(たとえば、通気路A1)の断面は、円形をベースにした形状を有していた。しかしながら、通気路の断面形状は、これに限定されない。たとえば、通気路の断面形状は、多角形をベースにした形状であってもよい。
<8−5>
上記実施の形態1〜7において、シール取付け部(たとえば、シール取付け部220)の弁機能部(たとえば、弁機能部210)と反対側の端部の角にはRが形成されていた。しかしながら、該角には必ずしもRが形成されていなくてもよい。
<8−6>
上記実施の形態1〜7において、弁装置(たとえば、弁装置200)は、いわゆる復帰弁であった。しかしながら、弁装置は、必ずしも復帰弁である必要はない。弁装置は、たとえば、既に述べた通りいわゆる破壊弁であってもよいし、選択透過弁であってもよい。
<8−7>
再び図1を参照して、上記実施の形態1〜7においては、タブ300が収容体100の矢印LR方向の両端部に設けられ、弁装置(たとえば、弁装置200)が収容体100の矢印F方向の端部に設けられた。しかしながら、弁装置200及びタブ300の位置関係は、これに限定されない。たとえば、両方のタブ300が収容体100の周縁の同一の辺に配置され、弁装置が2つのタブ300の間に配置されてもよいし、両方のタブ300が収容体100の周縁の同一の辺に配置され、タブ300が配置された辺以外の三辺のいずれかの一辺に弁装置が配置されてもよい。
<8−8>
上記実施の形態1〜7において、収容体100は、エンボス成形等によって成形された包装材料110と、包装材料110とは別体の包装材料120とを含んでいた。しかしながら、収容体100は、必ずしもこのような構成でなくてもよい。
たとえば、包装材料110と包装材料120とが予め一辺において一体化されて(繋がって)いてもよい。この場合には、包装材料110のフランジ部114の端部において、包装材料110と包装材料120とが一体化しており(繋がっており)、包装材料110と包装材料120とが重ねられた状態で四方シールすることによって、収容体100内に電池素子400が密封されてもよい。また、包装材料110と包装材料120とが一体化している辺においてはフランジ部114が省略されており、包装材料110と包装材料120とが重ねられた状態で三方シールすることによって、収容体100内に電池素子400が密封されてもよい。
また、たとえば、包装材料120は、包装材料110と同様の形状に成形されていてもよい。また、収容体100は、たとえば、パウチタイプの収容体であってもよい。パウチタイプの収容体は、三方シールタイプ、四方シールタイプ、ピロータイプ、ガセットタイプ等のいずれのタイプであってもよい。
<8−9>
上記実施の形態1〜7において、弁機能部(たとえば、弁機能部210)の筐体とシール取付け部(たとえば、シール取付け部220)の筐体とは同一の材料(樹脂)で形成されていた。しかしながら、弁機能部の筐体とシール取付け部の筐体とは、必ずしも同一の材料で形成されている必要はない。たとえば、弁機能部の筐体とシール取付け部の筐体とが異なる材料で構成され、弁機能部の材質の融点がシール取付け部の材質の融点よりも高くてもよい。たとえば、弁機能部がポリプロピレン(PP)で構成され、シール取付け部がPPより融点が高い樹脂(たとえば、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル樹脂)や金属で構成されてもよい。シール取付け部に用いる樹脂としては、バリアが高いフッ素樹脂が好ましい。
この電池においては、対向する熱融着性樹脂層35の融着時にシール取付け部に圧力及び熱が加えられたとしても、弁機能部の材質の融点がシール取付け部の材質の融点よりも高いため、弁機能部が熱によって変形する可能性が低い。したがって、この電池によれば、対向する熱融着性樹脂層35の融着時における弁機能部内の弁機構の故障を抑制することができる。
<8−10>
上記実施の形態1〜7においては、弁装置200の筐体が樹脂製であるとし、シール取付け部220が熱融着性樹脂層35に直接挟まれた。しかしながら、弁装置200の筐体は必ずしも樹脂製である必要はなく、たとえば、金属(たとえば、アルミニウム、ステンレス)製であってもよい。この場合には、シール取付け部220と熱融着性樹脂層35との間に接着性保護フィルムが配置されてもよい。接着性保護フィルムは、一方の面が少なくとも樹脂に接着するように構成されており、他方の面が少なくとも金属に接着するように構成されている。接着性保護フィルムとしては、公知の種々の接着性保護フィルムを採用することができ、例えば、タブフィルム310と同じ接着性保護フィルムを使用することも可能である。
<8−11>
上記実施の形態1〜7において、シール取付け部(たとえば、シール取付け部220)の外周側(シール取付け部の弁機能部(たとえば、弁機能部210)側とは反対側の端部の角)にはRが形成されていたが、シール取付け部の内周側(通気路(たとえば、通気路A1)の縁部)にはRが形成されていなかった。しかしながら、シール取付け部の内周側にRが形成されてもよい。シール取付け部の内周側にRが形成されることによって、シール取付け部の内周側の角が削れてゴミ(たとえば、樹脂、金属等)が収容体100内に落下する可能性を低減することができる。
<8−12>
再び図23を参照して、上記実施の形態7においては、弁機能部210F及びシール取付け部220Fの両方の外表面において平面が形成された。しかしながら、必ずしも弁機能部210F及びシール取付け部220Fの両方の外表面において平面が形成される必要はない。弁機能部210F及びシール取付け部220Fの少なくとも一方の外表面に平面が形成されていればよい。
<8−13>
上記実施の形態1〜7において、シール取付け部(たとえば、シール取付け部220)の内端は、成形部112の外側端縁P3よりも外側に位置してもよい。この場合、シール取付け部220の内端部が、成形部112内に配置される電池素子400に接触する可能性が低くなり、電池素子400を傷つけるのを抑制することができる。但し、シール取付け部(たとえば、シール取付け部220)の内端を上記の所望の位置に設定するには、図4Bの例のように、周縁接合部130の内側端縁P2と成形部112の外側端縁P3との間に間隔を配する必要がある。この場合、弁装置210の取り付け位置が矢印FB方向で多少ずれることも考慮すれば、周縁接合部130の内側端縁P2と成形部112の外側端縁P3との間隔は広目に設定することが望ましい。
<8−14>
また、上記実施の形態1〜7の電池10は、二次電池ではあるが、電気を出力するものであればどのような電池であってもよく、たとえば、キャパシタ、電気二重層コンデンサ(EDLC)、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスであってもよい。さらに、二次電池の種類についても特に限定されず、たとえば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、全固体電池等が挙げられる。