JP2019207761A - 光波長変換装置 - Google Patents

光波長変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019207761A
JP2019207761A JP2018101476A JP2018101476A JP2019207761A JP 2019207761 A JP2019207761 A JP 2019207761A JP 2018101476 A JP2018101476 A JP 2018101476A JP 2018101476 A JP2018101476 A JP 2018101476A JP 2019207761 A JP2019207761 A JP 2019207761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength conversion
optical wavelength
light
conversion member
heat dissipation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018101476A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7068040B2 (ja
Inventor
昌幸 瀬川
Masayuki Segawa
昌幸 瀬川
洋介 八谷
Yosuke Yatsuya
洋介 八谷
竜一 荒川
Ryuichi Arakawa
竜一 荒川
利之 桜井
Toshiyuki Sakurai
利之 桜井
智雄 田中
Tomoo Tanaka
智雄 田中
祐介 勝
Yusuke Katsu
祐介 勝
翔平 ▲高▼久
翔平 ▲高▼久
Shohei TAKAKU
経之 伊藤
Tsuneyuki Ito
経之 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2018101476A priority Critical patent/JP7068040B2/ja
Publication of JP2019207761A publication Critical patent/JP2019207761A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7068040B2 publication Critical patent/JP7068040B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

【課題】光波長変換部材の排熱を効率的に行える光波長変換装置を提供する。【解決手段】本開示の一態様は、光波長変換部材と、放熱部材と、接合部と、を備える光波長変換装置である。光波長変換部材は、入射した光の波長を変換する板状のセラミックス蛍光体を有する。放熱部材は、光波長変換部材よりも放熱性に優れる。接合部は、光波長変換部材と放熱部材とを接合する。光波長変換部材は、光の入射する入射面と、入射面と対向すると共に放熱部材と接合される側に配置された底面と、入射面と底面とをつなぐ側面とを有する。接合部は、光波長変換部材の側面の少なくとも一部に配置される。【選択図】図1

Description

本開示は、光波長変換装置に関する。
ヘッドランプ、各種照明機器、レーザープロジェクター等では、発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)や半導体レーザー(LD、Laser Diode)等の青色光を光波長変換部材である蛍光体によって波長変換することにより白色を得ている。
この蛍光体としては、樹脂系やガラス系などが知られているが、レーザーを用いた光源の高出力化に対応するため、耐久性に優れたセラミックス蛍光体が光波長変換装置に使用されつつある。
また、蛍光体は、光の照射によって発熱する。蛍光体が発熱し高温となると、蛍光体が発する光の強度(すなわち、発光強度:蛍光強度)等の蛍光機能が低下する温度消光が発生する。そのため、効率よく蛍光体を発光させるためには、蛍光体から外部への排熱が必要となる。
そこで、はんだ等の接合部を用いて光波長変換部材の底面に放熱部材を接合した光波長変換装置が知られている(特許文献1参照)。
国際公開第2014/065051号
上記構成では、光波長変換部材の底面に接合された接合部を介して放熱部材への排熱が行われるため、光波長変換部材の排熱が促進される。しかしながら、光波長変換部材の排熱効率には改善の余地がある。
本開示の一局面は、光波長変換部材の排熱を効率的に行える光波長変換装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、光波長変換部材と、放熱部材と、接合部と、を備える光波長変換装置である。光波長変換部材は、入射した光の波長を変換する板状のセラミックス蛍光体を有する。放熱部材は、光波長変換部材よりも放熱性に優れる。接合部は、光波長変換部材と放熱部材とを接合する。光波長変換部材は、光の入射する入射面と、入射面と対向すると共に放熱部材と接合される側に配置された底面と、入射面と底面とをつなぐ側面とを有する。接合部は、光波長変換部材の側面の少なくとも一部に配置される。
このような構成によれば、接合部によって、光波長変換部材の側面からも放熱部材への排熱が行われるため、光波長変換部材の排熱を効率的に行うことができる。その結果、セラミックス蛍光体の温度消光が抑制できる。
本開示の一態様では、接合部は、光波長変換部材の底面全体に配置されてもよい。このような構成によれば、放熱部材と光波長変換部材との間の伝熱性が高まるので、光波長変換部材の排熱がより効果的に行える。
本開示の一態様は、光波長変換部材は、入射面とは反対側に配置された反射層を有してもよい。反射層は、銀又は銅から構成されてもよい。このような構成によれば、反射層によって光波長変換部材の発光効率を高められる。また、反射層が酸化、硫化等によって変色することを接合部によって抑制できるため、反射層の反射率の低下が抑制される。
本開示の一態様では、接合部は、セラミックス蛍光体の入射面と交差する側面の少なくとも一部と接触してもよい。このような構成によれば、セラミックス蛍光体から放熱部材への排熱を促進できる。
本開示の一態様では、接合部は、セラミックス蛍光体の入射面と交差する側面に接触しなくてもよい。このような構成によれば、セラミックス蛍光体の側面からも光を取り出すことができる。
本開示の一態様では、接合部は、銀、金、及び銅のうち少なくとも1種を含んでもよい。このような構成によれば、接合部の熱伝導性を高めることができる。
本開示の一態様では、接合部は、焼結組織を有してもよい。このような構成によれば、ナノ粒子の焼結によって、接合部を容易かつ確実に形成できる。さらに、焼結組織を接合部が有していることで、より高い熱伝導性を得ることができる。
本開示の一態様は、接合部の表面の少なくとも一部を被覆する保護層をさらに備えてもよい。このような構成によれば、接合部の硫化、酸化等を抑制することができる。その結果、硫化、酸化等によって接合部の熱伝導性が低下することでセラミックス蛍光体の温度が上昇することが抑制され、発光強度の低下が抑制される。また、硫化、酸化等によって接合部の接合強度が低下することで放熱部材から光波長変換部材が剥離することが抑制できる。
本開示の一態様では、保護層は、放熱部材の表面の少なくとも一部をさらに被覆してもよい。このような構成によれば、放熱部材の硫化、酸化等を抑制できる。その結果、放熱部材の熱伝導性の低下を抑制できる。
本開示の一態様では、保護層は、放熱部材の表面のうち、接合部の近傍を被覆してもよい。このような構成によれば、より確実に接合部及び放熱部材の熱伝導性の低下を抑制できる。
本開示の一態様では、保護層は、金属で構成されてもよい。このような構成によれば、接合部の劣化を容易かつ確実に抑制できる。
本開示の一態様では、保護層は、ニッケル、コバルト、銅、ロジウム、及びルテニウムのうち少なくとも1種を含んでもよい。このような構成によれば、接合部の溶け出しや酸化を抑制できる。
本開示の一態様では、保護層は、樹脂を主成分としてもよい。このような構成によっても、接合部の劣化を容易かつ確実に抑制できる。
実施形態の光波長変換装置の模式的な断面図である。 実施形態の光波長変換装置を備えた光複合装置の模式的な断面図である。 図1とは異なる実施形態の光波長変換装置の模式的な断面図である。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す光波長変換装置1は、光波長変換部材2と、放熱部材4と、接合部5と、保護層6とを備える。
<光波長変換部材>
光波長変換部材2は、板状のセラミックス蛍光体21と、複数の反射膜22A,22Bと、複数の反射防止膜23A,23B,23C,23Dと、反射層24と、中間層25と、接合用コーティング26とを有する。光波長変換部材2は、光の入射する入射面と、入射面と対向すると共に放熱部材4と接合される側に配置された底面と、入射面と底面とをつなぐ側面とを有する板形状に成形されている。
(セラミックス蛍光体)
セラミックス蛍光体21は、入射した光の波長を変換する。セラミックス蛍光体21は、蛍光性を有する結晶粒子を主体とする蛍光相と、透光性を有する結晶粒子を主体とする透光相とを有するセラミックス焼結体である。
「蛍光相」とは、蛍光性を有する結晶粒子を主体とする相であり、「透光相」とは、透光性を有する結晶粒子、詳しくは蛍光相の結晶粒子とは異なる組成の結晶粒子を主体とする相である。
また、「主体」とは、各相において、最も多く存在する成分を意味する。例えば、蛍光相は、蛍光性を有する結晶粒子が50体積%以上、好ましくは90体積%以上含まれる。また、例えば、透光相には、透光性を有する結晶粒子が50体積%以上、好ましくは90体積%以上含まれる。
セラミックス蛍光体21を構成するセラミックス焼結体の各結晶粒子やその粒界には、蛍光相及び透光相以外の不可避不純物が含まれていてもよい。セラミックス焼結体には、蛍光相及び透光相がセラミックス焼結体の50体積%以上、好ましくは90体積%以上含まれる。
セラミックス蛍光体21の材質は特に限定されないが、例えば、透光相の結晶粒子が化学式(1)Alで表される組成を有し、蛍光相の結晶粒子が化学式(2)A12:Ceで表される組成(つまりガーネット構造)を有するとよい。
なお、「A12:Ce」とは、A12中にCeが固溶し、元素Aの一部がCeに置換されていることを示す。蛍光相の結晶粒子は、Ceの固溶により、蛍光特性を示す。
化学式(1)中のA元素及び化学式(2)中のB元素は、それぞれ下記の元素群から選択される少なくとも1種の元素から構成されている。
A:Sc、Y、ランタノイド(但し、Ceは除く)
(但し、Aとして更にGdを含んでいてもよい)
B:Al(但し、Bとして更にGaを含んでいてもよい)
セラミックス蛍光体21として、上記セラミックス焼結体を使用することで、蛍光相と透光相との界面での光の散乱が起き、光の色の角度依存性を減らすことができる。その結果、色の均質性を向上できる。
また、上記セラミックス焼結体は、熱伝導率が優れているため、レーザー光の照射によって発生した熱を放熱部材4に排しやすい。そのため、レーザーの高出力域でも蛍光機能を維持することができる。
一方で、セラミックス蛍光体21が単一組成であると、光の散乱が起こらないため、光の色の角度依存性が大きくなり、光の色のムラが生じるおそれがある。また、蛍光体として樹脂を用いると、熱伝導率が低下し、放熱が十分にできずに温度消光が起きるおそれがある。
セラミックス蛍光体21は、光の入射する入射面と、入射面と対向すると共に放熱部材4と接合される側に配置された底面と、入射面と底面とをつなぐ側面とを有する。つまり、セラミックス蛍光体21の側面は入射面と交差して配置されている。
セラミックス蛍光体21の平均厚み(つまり、入射面から底面までの平均距離)としては、100μm以上500μm以下が好ましい。
(反射膜)
複数の反射膜22A,22Bは、セラミックス蛍光体21の底面(つまり、放熱部材4側の面)に配置されている。本実施形態では、光波長変換部材2は、2層の反射膜22A,22Bを有する。
反射膜22A,22Bは、セラミックス蛍光体21内部で発生する光を反射することで、この光を光波長変換部材2の外部に効率よく放射させる。これにより、光波長変換部材2の発光強度が向上する。
各反射膜22A,22Bの材質としては、例えば、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ランタン、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム、酸化タングステン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、窒化ケイ素等の酸化物が採用できる。
各反射膜22A,22Bの平均厚みとしては、0.1μm以上2μm以下が好ましい。
なお、光波長変換部材2は、単層の反射膜を有してもよい。また、光波長変換部材2は、必ずしも反射膜を有さなくてもよい。
(反射防止膜)
複数の反射防止膜23A,23B,23C,23Dは、セラミックス蛍光体21の入射面(つまり、放熱部材4とは反対側の面)に配置されている。本実施形態では、光波長変換部材2は、2種の反射防止膜が交互に積層された4層の反射防止膜23A,23B,23C,23Dを有する。
反射防止膜23A,23B,23C,23Dは、セラミックス蛍光体21での光の反射を抑制するための反射防止コーティング(ARコーティング)である。反射防止膜23A,23B,23C,23Dにより、セラミックス蛍光体21に光を効率よく吸収させることができる。また、セラミックス蛍光体21の内部で発生する光を効率よく外部に取り出すことができる。その結果、光波長変換部材2の発光強度が向上する。
各反射防止膜23A,23B,23C,23Dの材質としては、例えば、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化マグネシウム等が採用できる。
各反射防止膜23A,23B,23C,23Dの平均厚みとしては、0.01μm以上1μm以下が好ましい。
なお、光波長変換部材2は、単層の反射防止膜を有してもよい。また、光波長変換部材2は、必ずしも反射防止膜を有さなくてもよい。
(反射層)
反射層24は、光波長変換部材2の入射面とは反対側(つまり、放熱部材4と接合される側)、具体的にはセラミックス蛍光体21に対し最も外側の反射膜22Bの底面に配置されている。
反射層24は、光を反射する金属で構成される。反射層24の形成材料としては、銀又は銅が好ましい。
(中間層)
中間層25は、反射層24のセラミックス蛍光体21とは反対側の底面に配置されている。
中間層25は、反射層24を保護する層である。中間層25は、例えば絶縁セラミックを主成分とする。なお、「主成分」とは、例えば80質量%以上含まれている成分を意味する。
(接合用コーティング)
接合用コーティング26は、中間層25と接合部5との間に配置される。
接合用コーティング26は、中間層25と接合部5との接合性を高める。接合用コーティング26は、銀、金、及び銅のうち少なくとも1種を含むとよい。
<放熱部材>
放熱部材4は、光波長変換部材2よりも放熱性に優れた部材である。放熱部材4は、接合部5を介して光波長変換部材2に取り付けられている。
放熱部材4により、セラミックス蛍光体21においてレーザー光の照射によって生じた熱の排熱が促進される。これにより、高出力域でのセラミックス蛍光体21の蛍光機能が維持される。
放熱部材4の材質としては、銅、アルミニウム、窒化アルミニウム等が採用できる。これらの中でも銅が好ましい。なお、放熱部材4は、金属で構成された本体部と、本体部の表面に形成された酸化被膜とを有していてもよい。この酸化被膜により、接合部5との接合強度が高められる。
放熱部材4は、例えば板状に構成される。また、放熱部材4は、板状部と、板状部から突出する少なくとも1つの放熱フィンとを有していてもよい。放熱部材4の板状部の平均厚みとしては、0.1mm以上5mm以下が好ましい。
放熱フィンと板状部との接合方法としては、摩擦撹拌接合(FSW)を用いるとよい。FSWは、被接合材を一体化させる接合法であり、接合界面での熱抵抗の上昇を抑えられる。そのため、放熱効果の低減が抑制できる。
<接合部>
接合部5は、光波長変換部材2と放熱部材4とを接合している。接合部5は、光波長変換部材2の側面を被覆するように、光波長変換部材2と対向しない部分が盛り上がっている。
具体的には、接合部5は、接合用コーティング26の底面と放熱部材4の上面(つまり、光波長変換部材2側の面)との間に配置される底面部5Aと、光波長変換部材2の入射面と交差する側面の少なくとも一部に配置される側面部5Bと、光波長変換部材2の厚み方向から視て側面部5Bよりも外側に配置される裾部5Cとを有する。
底面部5Aは、光波長変換部材2の底面全体に配置されている。側面部5Bは、放熱部材4の上面から光波長変換部材2の側面まで延伸している。また、側面部5Bは、セラミックス蛍光体21の入射面と交差する側面の少なくとも一部と、反射層24の側面全体とに接触している。なお、側面部5Bは、必ずしもセラミックス蛍光体21の側面に接合される必要はない。
側面部5Bは、セラミックス蛍光体21の側面全体を被覆してもよいし、光波長変換部材2の側面全体を被覆してもよい。ただし、光波長変換部材2の入射面には接合部5が配置されないことが好ましい。
側面部5Bの上端部(つまり放熱部材4とは反対側の端部)は、図1に示すように、光波長変換部材2に近づくに連れて下側に(つまり放熱部材4に向かって)落ち込んでいる。ただし、側面部5Bの上端部は、光波長変換部材2に近づくに連れて高さが徐々に大きくなる形状であってもよい。
接合部5は、光波長変換部材2の厚み方向に沿って放熱部材4に近づくに連れて、幅が大きくなる。ただし、接合部5は、光波長変換部材2の厚み方向に沿って一定の幅を有してもよい。
接合部5の材質は、熱伝導性の観点から、金属が好ましい。接合部5は、金、銀、及び銅のうち少なくとも1種を含むとよい。接合部5は、例えば、上述した金属のナノ粒子を焼結することで容易に形成することができる。つまり、接合部5は、金属のナノ粒子の焼結組織を有することが好ましい。この焼結組織では、焼結により互いに結合したナノ粒子間の空隙によって気孔が構成される。なお、ナノ粒子とは、ナノサイズオーダーの粒子を含む、平均粒径が数ナノメートルから数マイクロメートルの粒子群である。
接合部5は、例えば、ナノ粒子を含むペーストを放熱部材4上に印刷して塗膜を形成し、この塗膜に光波長変換部材2を押し込んで光波長変換部材2を包むようにペーストを盛り上げてから焼結することで形成することができる。
<保護層>
保護層6は、接合部5における光波長変換部材2及び放熱部材4のいずれとも接触していない表面の全体と、放熱部材4の表面の一部とを被覆する単一の連続した層である。なお、保護層6は、多層構造であってもよい。
具体的には、保護層6は、接合部5が接合された放熱部材4の表面のうち、接合部5の近傍を被覆している。ここで、「接合部5の近傍」とは、例えば、接合部5から0.5mm以上7.5mm以下の範囲を意味する。
保護層6の材質は特に限定されず、保護層6は例えばシリコン等の樹脂を主成分としてもよいし、金属から構成されてもよい。
特に、保護層6は、ニッケル、コバルト、銅、ロジウム、及びルテニウムのうち少なくとも1種を含むとよい。また、保護層6は、これらの金属を電解メッキ、無電解メッキ等によって成膜したメッキ層であるとよい。
ニッケル及びコバルトは、銀及び銅に対して、イオン化傾向が大きい。そのため、接合部5又は反射層24が銀又は銅で構成される際に、保護層6にピンホールが存在しても保護層6が接合部5又は反射層24よりも先に溶け出すため、接合部5又は反射層24の溶け出しを抑制できる。また、ニッケルは、銀よりも硫黄(S)との親和力が強いため、硫黄雰囲気において銀よりも先に硫化される。そのため、接合部5又は反射層24が銀で構成される際に、接合部5又は反射層24の硫化を抑制できる。
銅は、銀に対してイオン化傾向が高いので、接合部5又は反射層24が銀で構成される際に、接合部5又は反射層24の溶け出しを抑制できる。
ロジウム及びルテニウムは、耐酸化性に優れるため、接合部5及び反射層24の酸化を抑制できる。
なお、接合部5が光波長変換部材2の側面を被覆しておらず、かつ絶縁性を有する中間層25が存在する場合には、反射層24の側面を電解メッキにて被覆することはできない。本実施形態では、接合部5が反射層24の側面を被覆しているため、反射層24の側面を保護する保護層6を電解メッキにて形成することができる。
<光複合装置>
図2に示す光複合装置10は、光波長変換装置1と、光波長変換装置1が収容されたパッケージ9とを備える。
パッケージ9は、箱状の容器、又は板状の基板である。パッケージ9は、例えば、アルミナ等のセラミックスを主成分としている。パッケージ9には、LED、LD等の発光素子を搭載する発光素子搭載領域が設けられていてもよい。
[1−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)接合部5によって、光波長変換部材2の側面からも放熱部材4への排熱が行われるため、光波長変換部材2の排熱を効率的に行うことができる。その結果、セラミックス蛍光体21の温度消光が抑制できる。
(1b)接合部5がセラミックス蛍光体21の側面の少なくとも一部と接触することで、セラミックス蛍光体21から放熱部材4への排熱を促進できる。
(1c)接合部5が光波長変換部材2の底面全体に配置されることで、放熱部材4と光波長変換部材2との間の伝熱性が高まる。その結果、光波長変換部材2の排熱がより効果的に行える。
(1d)保護層6により、接合部5の硫化、酸化等を抑制することができる。その結果、硫化、酸化等によって接合部5の熱伝導性が低下することでセラミックス蛍光体21の温度が上昇することが抑制され、発光強度の低下が抑制される。また、硫化、酸化等によって接合部5の接合強度が低下することで放熱部材4から光波長変換部材2が剥離することが抑制できる。また、保護層6により、放熱部材4の接合部5の近傍における硫化、酸化等を抑制できる。その結果、放熱部材4の熱伝導性の低下を抑制できる。
(1e)反射層24が酸化、硫化等によって変色することを接合部5及び保護層6によって抑制できるため、反射層24の反射率の低下が抑制される。その結果、セラミックス蛍光体21の発光効率が上昇する。
[2.第2実施形態]
[2−1.構成]
図3に示す光波長変換装置1Aは、光波長変換部材2と、放熱部材4と、接合部15とを備える。接合部15以外の構成については、図1の光波長変換装置1と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
<接合部>
接合部15は、光波長変換部材2と放熱部材4とを接合している。接合部15は、接合用コーティング26の底面と放熱部材4の上面との間に配置される底面部15Aと、光波長変換部材2の側面の少なくとも一部に配置される側面部15Bと、光波長変換部材2の厚み方向から視て側面部15Bよりも外側に配置される裾部15Cとを有する。
底面部15Aは、光波長変換部材2の底面全体に配置されている。側面部15Bは、放熱部材4の上面から、光波長変換部材2の側面のうちセラミックス蛍光体21よりも下側(つまり放熱部材4側)までの範囲に配置されており、セラミックス蛍光体21には接触していない。
側面部15Bは、光波長変換部材2の側面のうち、セラミックス蛍光体21よりも下側の少なくとも一部を被覆すればよい。ただし、反射層24の保護の観点から、側面部15Bは、少なくとも反射層24の側面全体を被覆することが好ましい。
[2−2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)セラミックス蛍光体21の側面が接合部15によって被覆されていないので、セラミックス蛍光体21の側面からも光を取り出すことができる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(3a)上記実施形態の光波長変換装置1,1Aにおいて、接合部5,15は、必ずしも光波長変換部材2の底面全体に配置されなくてもよい。つまり、光波長変換部材2と放熱部材4との間には空隙(つまりボイド)が形成されていてもよい。
(3b)上記実施形態の光波長変換装置1,1Aにおいて、保護層6は、放熱部材4の表面のうち接合部5,15の近傍以外の領域に配置されてもよい。また、保護層6は、必ずしも放熱部材4の表面に配置されなくてもよい。さらに、上記実施形態の光波長変換装置1,1Aは、必ずしも保護層6を備えなくてもよい。
(3c)上記実施形態の光波長変換装置1,1Aにおいて、光波長変換部材2は、必ずしも反射膜22A,22B、反射防止膜23A,23B,23C,23D、反射層24、中間層25及び接合用コーティング26を有しなくてもよい。また、光波長変換部材2は、これら以外の膜又は層を有してもよい。
(3d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[4.実施例]
以下に、本開示の効果を確認するために行った試験の内容とその評価とについて説明する。
<実施例1>
1mm角、平均厚み0.22mmのセラミックス蛍光体21を用いて、図1の光波長変換装置1を作製した。セラミックス蛍光体21は、YAG(YAl12)を30体積%含み、セラミックス蛍光体21のCe濃度は、YAG中のYに対して0.3mol%である。また、放熱部材4は、10mm角、平均厚み2mmとした。
<実施例2>
図1の光波長変換装置1における保護層6を除去した以外は、実施例1と同じ光波長変換装置を作製した。
<比較例1>
図1の光波長変換装置1における接合部5の側面部5Bと保護層6とを除去した以外は、実施例1と同じ光波長変換装置を作製した。
<発光強度の低下率の測定>
実施例1及び比較例1の装置に対して、出力3W(出力密度:30W/mm)、波長465mmのレーザー光(つまり青色LD光)を10分間、インターバル10分で1000回照射した。
各装置の発光強度として、レーザー光が照射された各装置において反射した光に対し、分光放射照度計(コニカミノルタ社製の「CL−500A」)によってX方向の色度値を測定した。
比較例1では、1回目のレーザー光の照射における色度値に対する1000回目のレーザー光の照射における色度値の低下率が12%であったのに対し、実施例1ではこの低下率は2%であった。
さらに、実施例1及び実施例2の各装置を30℃、HS濃度20ppm、HO濃度20体積%、O濃度16体積%、残部がNの雰囲気に500時間曝露した後、上記レーザー光を照射し、X方向の色度値を測定した。
実施例2では、曝露前のレーザー光の照射における色度値に対する曝露後のレーザー光の照射における色度値の低下率が35%であったのに対し、実施例1ではこの低下率は5%であった。
<考察>
実施例1と比較例1との比較結果から、光波長変換部材2の側面に接合部5を配置することで、レーザー光の照射によるセラミックス蛍光体の温度上昇が抑制され、発光効率の低下を抑制できることがわかる。
また、実施例1と実施例2との比較結果から、保護層6を設けることで、硫黄雰囲気下での発光効率の低下を抑制できることがわかる。
1,1A…光波長変換装置、2…光波長変換部材、4…放熱部材、5…接合部、
5A…底面部、5B…側面部、5C…裾部、6…保護層、9…パッケージ、
10…光複合装置、15…接合部、15A…底面部、15B…側面部、15C…裾部、
21…セラミックス蛍光体、22A,22B…反射膜、
23A,23B,23C,23D…反射防止膜、24…反射層、25…中間層、
26…接合用コーティング。

Claims (13)

  1. 入射した光の波長を変換する板状のセラミックス蛍光体を有する光波長変換部材と、
    前記光波長変換部材よりも放熱性に優れた放熱部材と、
    前記光波長変換部材と前記放熱部材とを接合する接合部と、
    を備え、
    前記光波長変換部材は、光の入射する入射面と、前記入射面と対向すると共に前記放熱部材と接合される側に配置された底面と、前記入射面と前記底面とをつなぐ側面とを有し、
    前記接合部は、前記光波長変換部材の前記側面の少なくとも一部に配置される、光波長変換装置。
  2. 前記接合部は、前記光波長変換部材の前記底面全体に配置される、請求項1に記載の光波長変換装置。
  3. 前記光波長変換部材は、前記入射面とは反対側に配置された反射層を有し、
    前記反射層は、銀又は銅から構成される、請求項1又は請求項2に記載の光波長変換装置。
  4. 前記接合部は、前記セラミックス蛍光体の入射面と交差する側面の少なくとも一部と接触する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光波長変換装置。
  5. 前記接合部は、前記セラミックス蛍光体の入射面と交差する側面に接触しない、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光波長変換装置。
  6. 前記接合部は、銀、金、及び銅のうち少なくとも1種を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光波長変換装置。
  7. 前記接合部は、焼結組織を有する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光波長変換装置。
  8. 前記接合部の表面の少なくとも一部を被覆する保護層をさらに備える、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光波長変換装置。
  9. 前記保護層は、前記放熱部材の表面の少なくとも一部をさらに被覆する、請求項8に記載の光波長変換装置。
  10. 前記保護層は、前記放熱部材の表面のうち、前記接合部の近傍を被覆する、請求項9に記載の光波長変換装置。
  11. 前記保護層は、金属で構成される、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光波長変換装置。
  12. 前記保護層は、ニッケル、コバルト、銅、ロジウム、及びルテニウムのうち少なくとも1種を含む、請求項11に記載の光波長変換装置。
  13. 前記保護層は、樹脂を主成分とする、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光波長変換装置。
JP2018101476A 2018-05-28 2018-05-28 光波長変換装置 Active JP7068040B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018101476A JP7068040B2 (ja) 2018-05-28 2018-05-28 光波長変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018101476A JP7068040B2 (ja) 2018-05-28 2018-05-28 光波長変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019207761A true JP2019207761A (ja) 2019-12-05
JP7068040B2 JP7068040B2 (ja) 2022-05-16

Family

ID=68768596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018101476A Active JP7068040B2 (ja) 2018-05-28 2018-05-28 光波長変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7068040B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021251251A1 (ja) * 2020-06-08 2021-12-16 日本特殊陶業株式会社 蛍光板、波長変換部材、および、光源装置
JP2023016550A (ja) * 2021-07-21 2023-02-02 日亜化学工業株式会社 波長変換モジュール
US11752551B2 (en) 2020-04-15 2023-09-12 Nichia Corporation Resin impregnation method, method of manufacturing wavelength-conversion module, and wavelength-conversion module

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014021027A1 (ja) * 2012-08-02 2014-02-06 日亜化学工業株式会社 波長変換装置
JP2015230760A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 セイコーエプソン株式会社 光源装置、プロジェクター、および光源装置の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014021027A1 (ja) * 2012-08-02 2014-02-06 日亜化学工業株式会社 波長変換装置
JP2015230760A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 セイコーエプソン株式会社 光源装置、プロジェクター、および光源装置の製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11752551B2 (en) 2020-04-15 2023-09-12 Nichia Corporation Resin impregnation method, method of manufacturing wavelength-conversion module, and wavelength-conversion module
WO2021251251A1 (ja) * 2020-06-08 2021-12-16 日本特殊陶業株式会社 蛍光板、波長変換部材、および、光源装置
JPWO2021251251A1 (ja) * 2020-06-08 2021-12-16
CN114981593A (zh) * 2020-06-08 2022-08-30 日本特殊陶业株式会社 荧光板、波长转换构件和光源装置
JP7219855B2 (ja) 2020-06-08 2023-02-08 日本特殊陶業株式会社 蛍光板、波長変換部材、および、光源装置
TWI802898B (zh) * 2020-06-08 2023-05-21 日商日本特殊陶業股份有限公司 螢光板、波長轉換構件及光源裝置
CN114981593B (zh) * 2020-06-08 2023-08-08 日本特殊陶业株式会社 荧光板、波长转换构件和光源装置
JP2023016550A (ja) * 2021-07-21 2023-02-02 日亜化学工業株式会社 波長変換モジュール
JP7401790B2 (ja) 2021-07-21 2023-12-20 日亜化学工業株式会社 波長変換モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP7068040B2 (ja) 2022-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6955151B2 (ja) 光学部品、光学部品を用いた発光装置、及び光学部品の製造方法
JP6253392B2 (ja) 発光装置及びそれを用いたプロジェクター用光源
US8872208B2 (en) Light source device and lighting device
RU2525325C2 (ru) Светоизлучающее устройство и способ изготовления светоизлучающего устройства
US11480316B2 (en) Light conversion package
JP2014137973A (ja) 光源装置
TWI696685B (zh) 光波長轉換裝置及光複合裝置
KR102501831B1 (ko) 광 파장 변환 장치
JP2011014587A (ja) 発光装置
JP5228434B2 (ja) 発光装置
JP7068040B2 (ja) 光波長変換装置
JP2011146480A (ja) 発光装置および発光装置の製造方法
JP5505005B2 (ja) 発光装置
JP2014112707A (ja) 発光装置
JP7148291B2 (ja) 光波長変換装置
JP6607036B2 (ja) 発光装置
JP7312829B2 (ja) 半田付け用波長変換部材、波長変換装置、および、光源装置
JP2019197143A (ja) 光波長変換装置
JP6593062B2 (ja) 発光装置
JP7244297B2 (ja) 光波長変換部品
WO2023218964A1 (ja) 波長変換部材および光源装置
TWI802898B (zh) 螢光板、波長轉換構件及光源裝置
JP6729672B2 (ja) 発光装置
KR102633887B1 (ko) 파장 변환 부재, 광원 장치, 및, 파장 변환 부재의 제조 방법
JP7177327B2 (ja) 発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7068040

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150