JP2019207476A - 接合部評価システム、接合部評価方法、および接合部評価プログラム - Google Patents

接合部評価システム、接合部評価方法、および接合部評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】構造体における接合部の評価漏れを低減することができる接合部評価システム、接合部評価方法、および接合部評価プログラムを提供することを目的とする。【解決手段】複数の部材が接合された構造体の接合部評価システムであって、構造体の解析モデル10を所定数の領域に分割して有限要素解析を行うことにより、解析モデル10における変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方の分布状態を解析する解析部と、解析モデル10において各部材の接合部を抽出する抽出部と、接合部を含む領域をズーミング領域として設定するズーミング領域設定部と、分布状態に基づいてズーミング領域の境界条件を設定し、ズーミング領域を所定数の小領域に分割して有限要素解析を行うことにより、接合部におけるホットスポット応力を演算する演算部とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、接合部評価システム、接合部評価方法、および接合部評価プログラムに関するものである。
一般的に、船舶等の構造体における疲労状態を評価する場合には、構造体の解析モデルを用いて有限要素解析を行っている(例えば、特許文献1)。有限要素解析は、構造体の解析モデルを要素(メッシュ)に分解し、近似的に解析を行う手法である。
特開2016−194433号公報
しかしながら、特に荷重がかかりやすい構造体の接合部(例えば、溶接部等)を有限要素解析によって詳細に評価するためには、解析モデルをより細かく要素分解する必要がある。このため、構造体の全体解析モデルを詳細な要素に分割して有限要素解析を行う場合には、解析対象となる要素数が膨大となってしまい、解析を行うことが困難であった。すなわち、構造体全体に対して漏れなく接合部を評価することは困難であった。特に、構造体の大規模化に伴い、上記課題は顕在化している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、構造体における接合部の評価漏れを低減することができる接合部評価システム、接合部評価方法、および接合部評価プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、複数の部材が接合された構造体の接合部評価システムであって、前記構造体の解析モデルを所定数の領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記解析モデルにおける変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方の分布状態を解析する解析部と、前記解析モデルにおいて各前記部材の接合部を抽出する抽出部と、前記接合部を含む前記領域をズーミング領域として設定するズーミング領域設定部と、前記分布状態に基づいて前記ズーミング領域の境界条件を設定し、前記ズーミング領域を所定数の小領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記接合部におけるホットスポット応力を演算する演算部と、を備える接合部評価システムである。
上記のような構成によれば、解析モデルを用いて構造体の接合部を抽出し、接合部を含む領域をズーミング領域として、ズーミング領域を小領域に分割して有限要素解析を行うため、特に負荷がかかりやすい接合部に対して効率的に有限要素解析を行うことができる。すなわち、解析モデル全体を小領域に分割して有限要素解析を行うことなく、接合部を含むズーミング領域のみを小領域に分割して有限要素解析を行うため、接合部におけるホットスポット応力の演算処理の負担を抑制することができる。そしてさらに、演算処理の負担を抑制することができるため、構造体(解析モデル)の大規模化にも対応することができる。なお、ホットスポット応力とは、構造的な不連続性による局所的な応力上昇の影響を加味した応力である。
また、構造体を構成する各部材の接合部を抽出し、接合部を含む領域をズーミング領域として有限要素解析を行うため、例えば構造体の全接合部を対象として有限要素解析を実施することも可能となる。このため、構造体の接合部に対するホットスポット応力の演算を漏れなく実施することができ、構造体における接合部の評価漏れを低減することができる。すなわち、構造体の接合部をより精度よく評価することができ、信頼性を向上させることができる。
また、ズーミング領域の有限要素解析を実施するために、解析モデルにおける分布状態(変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方)を解析してズーミング領域の境界条件を設定するため、ズーミング領域の有限要素解析を実施することが可能となる。
上記接合部評価システムにおいて、前記ズーミング領域設定部は、前記抽出部によって抽出された前記接合部のうち予め選択された前記接合部を含む前記領域を前記ズーミング領域として設定することとしてもよい。
上記のような構成によれば、予め選択された接合部を含む領域をズーミング領域として設定するため、有限要素解析の解析対象となるズーミング領域の数を抑制して処理負担を軽減し、より効率的に有限要素解析を実施することが可能となる。なお、予め選択された接合部とは、例えば、接合部評価システムの使用者により評価対象として予め選択された接合部である。
上記接合部評価システムにおいて、前記演算部により演算された前記ホットスポット応力に基づいて、前記接合部に対する余寿命及び疲労強度の少なくともいずれか一方を評価する評価部を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、接合部のホットスポット応力に基づいて余寿命及び疲労強度の少なくともいずれか一方を評価するため、構造体の各接合部の疲労状態等を容易に評価することができる。
上記接合部評価システムにおいて、前記評価部における評価結果を前記解析モデルに対応して表示する表示部を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、解析モデルに対応して評価結果を表示することとしたため、例えば接合部評価システムの使用者等は、構造体における疲労状態等を容易に認識することができる。
上記接合部評価システムにおいて、前記抽出部は、前記解析モデルに予め設定された前記接合部に関する情報、及び前記解析モデルを構成する前記部材の接続境界位置の少なくともいずれか一方に基づいて、前記接合部を抽出することとしてもよい。
上記のような構成によれば、解析モデルに予め設定された接合部に関する情報、及び解析モデルを構成する部材の接続境界位置の少なくともいずれか一方を用いるため、構造体の接合部を自動的に抽出することが可能となる。ことができる。
本発明の第2態様は、複数の部材が接合された構造体の接合部評価方法であって、前記構造体の解析モデルを所定数の領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記解析モデルにおける変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方の分布状態を解析する解析工程と、前記解析モデルにおいて各前記部材の接合部を抽出する抽出工程と、前記接合部を含む前記領域をズーミング領域として設定するズーミング領域設定工程と、前記分布状態に基づいて前記ズーミング領域の境界条件を設定し、前記ズーミング領域を所定数の小領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記接合部におけるホットスポット応力を演算する演算工程と、を含む接合部評価方法である。
本発明の第3態様は、複数の部材が接合された構造体の接合部評価プログラムであって、前記構造体の解析モデルを所定数の領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記解析モデルにおける変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方の分布状態を解析する解析処理と、前記解析モデルにおいて各前記部材の接合部を抽出する抽出処理と、前記接合部を含む前記領域をズーミング領域として設定するズーミング領域設定処理と、前記分布状態に基づいて前記ズーミング領域の境界条件を設定し、前記ズーミング領域を所定数の小領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記接合部におけるホットスポット応力を演算する演算処理と、をコンピュータに実行させるための接合部評価プログラムである。
本発明によれば、構造体における接合部の評価漏れを低減することができることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る接合部評価システムが適用される船舶の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る接合部評価システムが備える機能を示した機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る接合部評価システムにおける構造体の解析モデルを例示した図である。 本発明の一実施形態に係る接合部評価システムにおける構造体の解析モデルを例示した図である。 ホットスポット応力の算出例を示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る接合部評価システムにおいて評価結果の表示例を示した図である。 本発明の一実施形態に係る接合部評価システムにおける接合部評価処理のフローチャートを示した図である。 構造解析・評価システムの概念図である。
以下に、本発明に係る接合部評価システム、接合部評価方法、および接合部評価プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る接合部評価システム2は、例えば、図8に示されるような構造体を総合的に評価する構造解析・評価システム100に組み込まれる。図8は、構造解析・評価システム100の機能構成を概念的に示した図である。構造体を解析して評価するためには、有限要素解析等の解析手法が用いられるが、構造体の大規模化や高度化(複雑化)、評価手法の多様化に伴って課題が生じている。具体的には、該課題として、(1)構造体の大規模化や高度化(複雑化)に伴って解析に要する時間及びコストが増大すること、(2)構造体の大規模化や高度化(複雑化)に伴って全体的な解析及び評価を行うことができず部分的(位置的、時間的、条件的)な解析となってしまうこと、(3)一般的に用いられる(例えば、市販の)大規模対応評価システムでは個々に評価手法が異なり、統一できないこと、(4)評価手法の多様化に伴って、評価手法の選択によって結果に誤差が生じてしまうこと、(5)評価手法の多様化に伴って、使用者の評価の標準化が困難であること、等が挙げられる。すなわち、構造解析・評価システム100では、上記課題を解決して総合的に構造体を解析及び評価できるものである。
具体的には、構造解析・評価システム100では、構造体の設計データ101等(例えば、CADデータ)が入力されると、材料データベース107等のデータベースより構造体の解析に必要な情報(例えば、ヤング率等)を取得し、解析モデルを構築する(102)。そして、構築した解析モデルを解析すること(所定の解析コードによる解析を行うこと)によって(103)、例えば応力(応力分布等)を抽出する(104)。なお、応力以外の指標について解析を行うこととしてもよい。そして、抽出した応力や、材料データベース107等の各種データベースの情報(例えば、SN線図等)に基づいて、メタル強度評価や複合材強度評価、振動評価等の所定の評価項目に従って構造体を評価する(105)。なお、解析モデルの構築に対して、所定の最適化手法を用いて最適化(例えば、解析を効率的に行うための最適化等)を行ってもよい(106)。また、最適化処理としては、解析モデルによる解析結果を用いて最適化を行い、解析モデルを再構築(最適化)してもよいし、再構築した解析モデルによる解析を実行して再度最適化を行う等のループ処理を行うこととしてもよい。
すなわち、構造解析・評価システム100は、解析モデルを統括的に解析及び評価できる総合的なプラットフォームとして構成されている。本実施形態における接合部評価システム2は、構造解析・評価システム100を構築するための一部として組み込むことが可能とされている。具体的には、接合部評価システム2は、メタル強度評価として、構造体の接合部の評価(疲労状態等)を行う。なお、接合部評価システム2は、図8のような構造解析・評価システム100に組み込まれてもよいし、構造体の接合部を評価するシステムとして個別に設けられてもよい。
本実施形態では、接合部評価システム2が適用される構造体として、船舶1を例として説明する。しかしながら、接合部評価システム2は、接合部を有する構造体であれば船舶1に限られず適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る接合部評価システム2が適用される船舶1(構造体)の概略構成を示す図である。図1に示すように、船舶1(構造体)は、複数の部材(構成要素等)が接合されることによって構成される。本実施形態では、船舶1(構造体)は、金属によって構成されているものとする。なお、図1に示す船舶1は、構造体の一例であり、接合される部材の種類、形、数等は図1に示す構成に限られない。
次に、本実施形態に係る接合部評価システム2について図面を参照して説明する。
接合部評価システム2は、複数の部材が接合された船舶1(構造体)に対して適用され、船舶1における接合部(例えば、溶接部等)を自動的に抽出する。そして、抽出した接合部に対して詳細な有限要素解析を行うことによって、接合部を評価する。
接合部評価システム2は、例えば、図示しないCPU(中央演算装置)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
図2は、本発明の一実施形態に係る接合部評価システム2が備える機能を示した機能ブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る接合部評価システム2は、記憶部3と、解析部4と、抽出部5と、ズーミング領域設定部6と、演算部7と、評価部8と、表示部9と、を主な構成として備えている。
記憶部3は、船舶1(構造体)の解析モデル10を記憶している。具体的には、記憶部3は、図3に示すような船舶1の解析モデル10を記憶している。図3に示す解析モデル10は、図1に示す船舶1の解析モデル10として記憶部3に格納されており、船舶1の3次元構造や、船舶1を構成する複数の部材に係る情報等がデータとして示されている。船舶1を構成する複数の部材に係る情報とは、船舶1における各部材の配置位置や、それぞれの部材の接続関係を示す情報等である。解析モデル10は、後述する解析部4等へ読み出され、解析等に使用される。なお、本実施形態では、解析モデル10は記憶部3に格納されることとしているが、接合部評価システム2とは別に設けられた装置(例えば、サーバ等)から通信手段を介して取得され、解析部4等で用いることとしてもよい。なお、この場合には、記憶部3を不要とすることができる。
解析部4は、船舶1(構造体)の解析モデル10を所定数の領域に分割して有限要素解析を行うことにより、解析モデル10における変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方の分布状態を解析する。本実施形態では、解析部4は解析モデル10を用いて応力分布を解析する場合について説明するが、変位分布を解析する場合についても同様に適用可能である。解析部4は、記憶部3から船舶1の解析モデル10を読み出し、近似的に解析を行うために解析モデル10を所定数の領域(要素)に分割する。なお、分割する領域の種類については、ソリッド型(ソリッド要素)やシェル型(シェル要素)、三角型や四角型など適宜設定可能である。
解析部4は、分解した各領域に対して有限要素解析を適用することによって、領域毎に応力変化や変位等を計算し、近似的に解析モデル10の応力分布(または変位分布)を解析する。なお、解析部4にて分割する領域(要素)は、後述する演算部7における小領域(小要素)よりも大きいものとする。すなわち、解析部4において分割する領域とは、船舶1の全体の解析モデル10に対して有限要素解析を行うことが可能である程度の大きさに設定される。
抽出部5は、解析モデル10において、各部材の接合部を抽出する。具体的には、抽出部5は、解析モデル10に予め設定された接合部に関する情報、及び解析モデル10を構成する部材の接続境界位置の少なくともいずれか一方に基づいて、接合部を抽出する。本実施形態では、解析モデル10を構成する部材の接続境界位置から、船舶1の接合部を抽出する場合について説明する。抽出部5にて解析モデル10の接合部を自動的に抽出することによって、解析モデル10における接合部を漏れなく抽出することができる。
まず、抽出部5は、船舶1の解析モデル10を読み出す。そして、解析モデル10を構成する各部材を識別し、各部材が接続されている境界位置(接続境界位置)を接合部として抽出する。例えば、図4に示されるように、船舶1の解析モデル10が、部材Aと部材Bを含んで構成されている場合には、抽出部5は、部材Aと部材Bを識別し、部材Aと部材Bが接続されている接続境界位置Lを接合部として抽出する。すなわち、抽出部5は、船舶1の解析モデル10から自動的に各部材の接続境界位置を判別し、接合部を抽出することができる。抽出部5は、船舶1を構成する全部材(構成要素)に対して接続境界位置を判別するため、解析モデル10に対して漏れなく接合部を設定することができる。
なお、抽出部5が、解析モデル10に予め設定された接合部に関する情報から船舶1の接合部を抽出する場合については、接合部に関する情報、すなわち、構成する部材が接続されている境界位置(接続境界位置)に関する情報が、予め解析モデル10に設定されているものとする。すなわち、抽出部5は、解析モデル10に含まれる接合部に関する情報に基づいて、船舶1を構成する各部材の接続境界位置を判別し、接合部として抽出する。なお、抽出部5は、解析モデル10に予め設定された接合部に関する情報、及び解析モデル10を構成する部材の接続境界位置のいずれか一方に基づいて、接合部を抽出することとしてもよいし、解析モデル10に予め設定された接合部に関する情報、及び解析モデル10を構成する部材の接続境界位置の両方を用いて接合部を抽出することとしてもよい。
ズーミング領域設定部6は、接合部を含む領域をズーミング領域として設定する。具体的には、ズーミング領域設定部6は、解析モデル10において抽出された接合部に対してさらに詳細な解析を行うために、解析部4によって分割された領域であって、抽出部5によって抽出された接合部が含まれる該領域を、ズーミング領域として設定する。なお、ズーミング領域設定部6は、解析を行うために必要な境界条件が設定可能であれば、解析部4によって分割された領域をズーミング領域として設定しなくてもよい。
なお、ズーミング領域設定部6は、抽出部5によって抽出された接合部のうち予め選択された接合部を含む領域をズーミング領域として設定することとしてもよい。具体的には、例えば、接合部評価システム2の使用者によって、船舶1において接合部を評価したい領域(例えば、船舶1の船首を含む前部の領域等)が指定されている場合には、ズーミング領域設定部6は、抽出部5によって抽出された接合部のうち、指定された領域に含まれる接合部に対してズーミング領域として設定する。
演算部7は、解析部4にて解析した分布状態(変位分布や応力分布)に基づいてズーミング領域の境界条件を設定し、ズーミング領域を所定数の小領域にさらに分割して有限要素解析を行うことにより、接合部におけるホットスポット応力を演算する。具体的には、演算部7は、まず、ズーミング領域設定部6において設定された各ズーミング領域に対して、さらに有限要素解析を行うために、境界条件を設定する。境界条件とは、例えば、ズーミング領域の境界面における応力や変位の状態である。演算部7は、ズーミング領域を所定数の小領域にさらに分割し、設定した境界条件に基づいて小領域毎に解析を行う。そして、解析対象である小領域に含まれている接合部におけるホットスポット応力を算出する。なお、演算部7は、ズーミング領域設定部6において設定されたすべてのズーミング領域に対して解析を行い、ホットスポット応力を演算する。
なお、ホットスポット応力とは、構造的な不連続性による局所的な応力上昇の影響を加味した応力である。例えば、ホットスポット応力とは、公称応力と、接合部における面外変形による応力との和で示される。構造体における接合部では、溶接等によって複雑かつ多様な形状を持つが、ホットスポット応力を用いることで、統一的に評価することが可能となる。
例えば、演算部7では、各ズーミング領域に対して、SR202B法を適用することによって、接合部(溶接止端)におけるホットスポット応力を演算する。具体的には、ズーミング領域において、接合部(溶接止端)から板厚(要素板厚)tの0.5倍と1.5倍に位置における応力値を直線で結び、該直線から、接合部(溶接止端)の位置における応力値(構造的応力集中)をホットスポット応力として推定する。例えば、図5に示すように、接合部(溶接止端)の位置から0.5tおよび1.5tの位置における応力がそれぞれ、P1、P2である場合には、P1とP2を結んだ直線を延長し、接合部(溶接止端)における応力値(ホットスポット応力P0)を演算する。なお、ホットスポット応力の算出方法については、SR202B法に限らず、0.3t法など他の手法を用いることも可能である。なお、ホットスポット応力以外の応力であっても、例えば、止端から特定距離の応力などを演算し、評価することとしてもよい。
評価部8は、演算部7により演算されたホットスポット応力に基づいて、接合部に対する余寿命及び疲労強度の少なくともいずれか一方を評価する。本実施形態では、評価部8は、接合部に対する余寿命を評価する場合について説明する。なお、接合部に対する疲労強度を評価する場合についても同様に適用可能である。
評価部8において評価される余寿命については、ホットスポット応力を用いた公知の評価手法が適用可能である。例えば、評価部8は、ホットスポット応力を用いた線形累積被害則に基づいて、接合部の余寿命を評価する。具体的には、評価部8は、演算したホットスポット応力(振幅)、発生頻度、およびS−N線図(疲労強度曲線)に基づいて余寿命を評価する。なお、評価部8における疲労強度の評価方法についても、S−N線図を用いた方法等、公知の方法を適宜使用可能である。
表示部9は、評価部8における評価結果を解析モデル10に対応して表示する。具体的には、表示部9は、まず、表示用として、船舶1の解析モデル10全体を演算部7において分割する小領域と同程度の小領域に分割する。そして、分割した解析モデル10における接合部に対して、対応する評価結果を視認等可能なように表示する。例えば、評価部8にて接合部の余寿命を評価した場合には、余寿命がより少ない評価結果となった接合部の位置に対応する小領域を所定の表示方法(例えば、色や濃淡)で表示する。なお、余寿命自体(数字)を表示することとしてもよい。
一例として、評価部8における評価結果を解析モデル10に対応して表示した例を図6に示す。図6では、解析モデル10の表示結果における一部分を例示している。図6では、余寿命が短いほど濃淡が濃くなるように表示している。すなわち、位置Cにおける接合部において、最も余寿命が短い状態となっていることがわかる。接合部評価システム2の使用者等は、表示部9の表示結果を参照することで、船舶1における接合部の位置と余寿命の関係を容易に認識することが可能となる。
なお、評価部8にて接合部の疲労強度を評価した場合には、疲労強度の強弱に対応して、余寿命の場合と同様に、解析モデル10に対して表示することとすればよい。なお、ホットスポット応力に関する表示を解析モデル10に表示することとしてもよい。
次に、上述の接合部評価システム2による接合部評価処理について図7を参照して説明する。図7に示すフローは、例えば、接合部評価システム2の使用者等によって接合部評価処理の開始の指令が入力等された場合に実行される。
まず、船舶1の解析モデル10を用いて、解析モデル10全体に対して有限要素解析を行うことにより、解析モデル10における応力分布状態を解析する(S101)。なお、分布状態として、変位分布を解析する場合には、S101にて、応力分布状態に替えてまたは加えて、変位分布状態を解析するものとする。
次に、解析モデル10において、船舶1を構成する各部材(構成要素)の接合部を抽出する(S102)。
次に、解析モデル10において、抽出された接合部を含む領域をズーミング領域として設定する(S103)。なお、例えば、接合部評価システム2の使用者によって、船舶1における接合部を評価したい領域が予め指定されている場合には、抽出部5によって抽出された接合部のうち、指定された領域に含まれる接合部に対してズーミング領域を設定することとする。
次に、設定されたズーミング領域に対して、解析された応力分布状態に基づいて境界条件を設定する(S104)。なお、境界条件は、ズーミング領域に対してさらに有限要素解析を行うために必要である。
次に、ズーミング領域を小領域にさらに分割して有限要素解析を行うことにより、接合部におけるホットスポット応力を演算する(S105)。
次に、演算されたホットスポット応力に基づいて、接合部に対する余寿命を評価する(S106)。なお、接合部に対する評価として、疲労強度を評価する場合には、S106にて、余寿命評価に替えてまたは加えて、疲労強度を評価するものとする。
次に、評価結果を解析モデル10に対応して表示する(S107)。
なお、図7のフローにおける各処理は、順序等適宜変更可能である。例えば、S101とS102を並列処理することとしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る接合部評価システム、接合部評価方法、および接合部評価プログラムによれば、解析モデル10を用いて船舶1の接合部を抽出し、接合部を含む領域をズーミング領域として、ズーミング領域を小領域に分割して有限要素解析を行うため、特に負荷がかかりやすい接合部に対して効率的に有限要素解析を行うことができる。すなわち、解析モデル10全体を小領域に分割して有限要素解析を行うことなく、接合部を含むズーミング領域のみを小領域に分割して有限要素解析を行うため、接合部におけるホットスポット応力の演算処理の負担を抑制することができる。そしてさらに、演算処理の負担を抑制することができるため、船舶1(解析モデル10)の大規模化にも対応することができる。
また、船舶1を構成する各部材の接合部を抽出し、接合部を含む領域をズーミング領域として有限要素解析を行うため、例えば船舶1の全接合部を対象として有限要素解析を実施することも可能となる。このため、構造体の接合部に対するホットスポット応力の演算を漏れなく実施することができ、構造体における接合部の評価漏れを低減することができる。すなわち、船舶1の接合部をより精度よく評価することができるため、信頼性を向上させることができる。
また、ズーミング領域の有限要素解析を実施するために、解析モデル10における分布状態(変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方)を解析してズーミング領域の境界条件を設定するため、ズーミング領域の有限要素解析を実施することが可能となる。
また、解析モデル10に予め設定された接合部に関する情報、及び解析モデル10を構成する部材の接続境界位置の少なくともいずれか一方を用いるため、船舶1の接合部を自動的に抽出することが可能となる。
また、予め選択された接合部を含む領域をズーミング領域として設定するため、有限要素解析の解析対象となるズーミング領域の数を抑制して処理負担を軽減し、より効率的に有限要素解析を実施することが可能となる。なお、予め選択された接合部とは、例えば、接合部評価システム2の使用者により評価対象として予め選択された接合部である。
また、接合部のホットスポット応力に基づいて余寿命及び疲労強度の少なくともいずれか一方を評価するため、船舶1の各接合部の疲労状態等を容易に評価することができる。また、解析モデル10に対応して評価結果を表示することとしたため、例えば接合部評価システム2の使用者等は、船舶1における疲労状態等を容易に認識することができる。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。
1 :船舶
2 :接合部評価システム
3 :記憶部
4 :解析部
5 :抽出部
6 :ズーミング領域設定部
7 :演算部
8 :評価部
9 :表示部
10 :解析モデル
100 :構造解析・評価システム

Claims (7)

  1. 複数の部材が接合された構造体の接合部評価システムであって、
    前記構造体の解析モデルを所定数の領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記解析モデルにおける変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方の分布状態を解析する解析部と、
    前記解析モデルにおいて各前記部材の接合部を抽出する抽出部と、
    前記接合部を含む前記領域をズーミング領域として設定するズーミング領域設定部と、
    前記分布状態に基づいて前記ズーミング領域の境界条件を設定し、前記ズーミング領域を所定数の小領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記接合部におけるホットスポット応力を演算する演算部と、
    を備える接合部評価システム。
  2. 前記ズーミング領域設定部は、前記抽出部によって抽出された前記接合部のうち予め選択された前記接合部を含む前記領域を前記ズーミング領域として設定する請求項1に記載の接合部評価システム。
  3. 前記演算部により演算された前記ホットスポット応力に基づいて、前記接合部に対する余寿命及び疲労強度の少なくともいずれか一方を評価する評価部を備える請求項1または2に記載の接合部評価システム。
  4. 前記評価部における評価結果を前記解析モデルに対応して表示する表示部を備える請求項3に記載の接合部評価システム。
  5. 前記抽出部は、前記解析モデルに予め設定された前記接合部に関する情報、及び前記解析モデルを構成する前記部材の接続境界位置の少なくともいずれか一方に基づいて、前記接合部を抽出する請求項1から4のいずれか1項に記載の接合部評価システム。
  6. 複数の部材が接合された構造体の接合部評価方法であって、
    前記構造体の解析モデルを所定数の領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記解析モデルにおける変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方の分布状態を解析する解析工程と、
    前記解析モデルにおいて各前記部材の接合部を抽出する抽出工程と、
    前記接合部を含む前記領域をズーミング領域として設定するズーミング領域設定工程と、
    前記分布状態に基づいて前記ズーミング領域の境界条件を設定し、前記ズーミング領域を所定数の小領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記接合部におけるホットスポット応力を演算する演算工程と、
    を含む接合部評価方法。
  7. 複数の部材が接合された構造体の接合部評価プログラムであって、
    前記構造体の解析モデルを所定数の領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記解析モデルにおける変位分布及び応力分布の少なくともいずれか一方の分布状態を解析する解析処理と、
    前記解析モデルにおいて各前記部材の接合部を抽出する抽出処理と、
    前記接合部を含む前記領域をズーミング領域として設定するズーミング領域設定処理と、
    前記分布状態に基づいて前記ズーミング領域の境界条件を設定し、前記ズーミング領域を所定数の小領域に分割して有限要素解析を行うことにより、前記接合部におけるホットスポット応力を演算する演算処理と、
    をコンピュータに実行させるための接合部評価プログラム。
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