JP2019206941A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

内燃機関の吸気装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019206941A
JP2019206941A JP2018102597A JP2018102597A JP2019206941A JP 2019206941 A JP2019206941 A JP 2019206941A JP 2018102597 A JP2018102597 A JP 2018102597A JP 2018102597 A JP2018102597 A JP 2018102597A JP 2019206941 A JP2019206941 A JP 2019206941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
intake
moment
control valve
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018102597A
Other languages
English (en)
Inventor
加藤 直樹
Naoki Kato
直樹 加藤
智也 小澤
Tomoya Ozawa
智也 小澤
裕人 矢島
Hiroto Yajima
裕人 矢島
貴之 福重
Takayuki Fukushige
貴之 福重
翔太 向來
Shota Korai
翔太 向來
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2018102597A priority Critical patent/JP2019206941A/ja
Publication of JP2019206941A publication Critical patent/JP2019206941A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

【課題】燃焼室内のタンブル流の強化を図る制御弁の作動領域を拡大することにより燃焼室内のガス流動の制御性を向上可能な内燃機関の吸気装置を提供する。【解決手段】吸気装置は、制御弁と、制御弁を回転駆動するアクチュエータと、制御弁の下流側の吸気通路内に連通する副室と、副室内に配置されアクチュエータの回転駆動に伴って回転するモーメント調整用弁と、を備え、制御弁の下流側に負圧が生じる場合に、制御弁に対して第1の回転モーメントが作用するとともに、副室内に負圧が導入され、モーメント調整用弁は、副室内に導入される負圧により、第1の回転モーメントとは逆向きの第2の回転モーメントを制御弁に対して作用させる。【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の吸気装置に関する。
従来、燃焼室内のガス流動を制御するため、燃焼室に接続する吸気通路の内部を第1通路と第2通路に区画する隔壁と、第1通路を開閉可能な制御弁とを備えた内燃機関の吸気装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の吸気装置は、燃焼室内に発生するタンブル流を強化するため、第1通路を閉じる方向に制御弁を作動させることで、気体が第2通路を通過して燃焼室内に吸入されるように整流する。
特開2007−309275号公報
上記の内燃機関の吸気装置は、主として吸気量が少ない内燃機関の運転状態において燃焼室内でのガス流動を強化するように制御される。これにより燃焼効率が向上し、燃料消費量の低減及び排気エミッションの低減を図ることができる。上記の制御弁は、第1通路を開閉可能な弁が固定された回転軸と、回転軸を回転駆動する電動モータ等のアクチュエータとを備えて構成され、回転軸を回転させることにより制御弁の開閉動作が行われる。
ここで、制御弁により第1通路が閉じられた状態において、制御弁の上流側と下流側との差圧(以下、この差圧を「前後差圧」ともいう。)が発生する。具体的に、第1通路が閉じられた状態では、制御弁の下流側に発生する負圧は、制御弁の上流側に発生する負圧よりも大きくなる。このため、第1通路が閉じられた状態では制御弁を閉じる方向へのモーメントが発生する。第1通路を開く際に、制御弁を回転駆動するアクチュエータは、前後差圧によるモーメントを上回るトルクを生成しなければならない。
上記の前後差圧は、吸気量が多いほど大きくなる。つまり、吸気量が多いほど制御弁を閉じる方向へのモーメントが大きくなる。このため、制御弁により第1通路を閉じる作動領域は、アクチュエータにより出力可能なトルク量によって制限される。内燃機関の吸気装置において、タンブル流の強化は主として吸気量の少ない状態で行われるが、吸気量が多い領域へと制御弁の作動領域を拡大することができれば、燃料消費量あるいは排気エミッションにとってより優位になる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、燃焼室内のタンブル流の強化を図る制御弁の作動領域を拡大することにより燃焼室内のガス流動の制御性を向上することが可能な、新規かつ改良された内燃機関の吸気装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、内燃機関の吸気通路に設けられた制御弁と、制御弁を回転駆動するアクチュエータと、制御弁の下流側の吸気通路内に連通する副室と、副室内に配置されアクチュエータの回転駆動に伴って回転するモーメント調整用弁と、を備え、制御弁の下流側に負圧が生じる場合に、制御弁に対して第1の回転モーメントが作用するとともに、副室内に負圧が導入され、モーメント調整用弁は、副室内に導入される負圧により、第1の回転モーメントとは逆向きの第2の回転モーメントを制御弁に対して作用させる、内燃機関の吸気装置が提供される。
副室は、モーメント調整用弁により第1の領域及び第2の領域に区分され、第1の領域及び第2の領域のうち、制御弁が吸気通路の流路断面積を大きくするように回転する際のモーメント調整用弁の回転方向の前方側に位置する第1の領域に負圧が導入されてもよい。
モーメント調整用弁が片持ち式の弁であり、モーメント調整用弁の回転軸の軸方向に沿う弁の幅よりも交差方向に沿う弁の長さが長くてもよい。
副室は、負圧導入通路を介して制御弁の下流側の吸気通路に連通してもよい。
制御弁及びモーメント調整用弁は共通の回転軸に固定されてもよい。
制御弁が固定された第1の回転軸が、ギヤを介してモーメント調整用弁が固定された第2の回転軸に接続されてもよい。
以上説明したように本発明によれば、燃焼室内のタンブル流の強化を図る制御弁の作動領域を拡大することにより燃焼室内のガス流動の制御性を向上することができる。
本発明の実施の形態に係るエンジンの概略構成を示す断面図である。 同実施形態に係るエンジンの吸気行程を示す断面図である。 モーメント低減機構を備えていない比較例の吸気通路を示す説明図である。 比較例における吸気流量と回転モーメントとの関係を示す説明図である。 本実施形態に係るエンジンの吸気装置の構成例を示す模式図である。 同実施形態に係るエンジンの吸気装置の構成例を示す模式図である。 同実施形態に係るエンジンの吸気装置の構成例を示す模式図である。 本実施形態に係るエンジンにおける吸気流量と回転モーメントとの関係を示す説明図である。 参考例のモーメント調整用弁を示す模式図である。 本実施形態によるTGVを作動可能なエンジンの運転領域を示す説明図である。 第1の変形例に係るエンジンの吸気装置の構成例を示す模式図である。 第2の変形例に係るエンジンの吸気装置の構成例を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
<内燃機関の全体構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る内燃機関(以下、「エンジン」ともいう。)の全体構成の一例について説明する。図1は、本実施形態に係る吸気装置2を適用可能なエンジン1における1つの気筒の断面を示す。
エンジン1は、いわゆる4ストロークの火花点火式ガソリンエンジンであり、自動車に搭載され、自動車の動力源として機能する。エンジン1は、シリンダブロック20、シリンダヘッド30、バルブユニット60、吸気バルブ15、排気バルブ17、点火プラグ13及びピストン11を有している。
シリンダブロック20には、略円筒状のシリンダボア21が形成されている。シリンダブロック20には、シリンダヘッド30が設置されている。また、シリンダブロック20には、クランクケース23がシリンダブロック20と一体に設けられている。クランクケース23の内部には、クランク室が形成されている。クランク室には、クランクシャフト25が回転自在に収容されている。
シリンダボア21には、ピストン11が摺動自在に収容されている。シリンダヘッド30、シリンダボア21及びピストン11により区画された空間が燃焼室5として機能する。シリンダヘッド30の側における燃焼室5の形状は、いわゆるペントルーフ型である。コンロッド19の小端部は、ピンを介してピストン11に支持されている。コンロッド19の大端部は、クランクシャフト25に回転自在に支持されている。ピストン11は、コンロッド19を介してクランクシャフト25に連結されている。
シリンダヘッド30には、吸気ポート31及び排気ポート33が形成されている。両ポート31,33は管状であり、それぞれ2つに分岐して燃焼室5に接続する。シリンダヘッド30には、2つの吸気バルブ15と2つの排気バルブ17が設置されている。吸気カムシャフト42は、2つの吸気バルブ15が並ぶ方向に、クランクシャフト25と略平行に延びる。排気カムシャフト46は、2つの排気バルブ17が並ぶ方向に、クランクシャフト25と略平行に延びる。
各吸気バルブ15の一端は、燃焼室5の内部であって吸気ポート31(の分岐)が燃焼室5へ開口する部位又はその近傍に位置する。各吸気バルブ15の他端には、吸気カム41が当接している。吸気カム41は吸気カムシャフト42により回転駆動される。吸気カム41が回転することで、吸気バルブ15が往復移動する。これにより、吸気バルブ15は、吸気ポート31(の分岐)と燃焼室5との間を開閉する。同様に、排気カム45が排気カムシャフト46により回転駆動されることで、排気バルブ17が往復移動する。これにより、排気バルブ17は、排気ポート33(の分岐)と燃焼室5との間を開閉する。
シリンダヘッド30には、点火プラグ13が設置されている。点火プラグ13の先端は、シリンダボア21の軸心に略重なる位置であって吸気ポート31と排気ポート33に囲まれた位置で、燃焼室5の内部に突出する。
エンジン1の吸気行程では、吸気バルブ15が開くとともに燃焼室5の体積が増加することで、空気と燃料との混合気が、吸気ポート31を介して燃焼室5に流入する。吸気ポート31は、吸気通路51として機能する。吸気行程後の圧縮行程で、燃焼室5の混合気が圧縮される。点火プラグ13が所定のタイミングで火花を発生すると、混合気が点火されて燃焼する。これにより燃焼室5の体積が増加する(燃焼行程)。その後、排気バルブ17が開くとともに燃焼室5の体積が減少することで、燃焼後の混合気が、排気ポート33を介して燃焼室5から流出する(排気行程)。排気ポート33は、排気管39として機能する。このように、燃焼によりピストン11が往復運動を行う。往復運動は、コンロッド19を介してクランクシャフト25の回転運動に変換される。
<吸気装置の基本構成>
図1に示すように、吸気ポート31の燃焼室5側とは反対側の開口部には、バルブユニット60が設置されている。バルブユニット60は、通路部材61とTGV(Tumble Generation Valve)71を有している。本実施形態において、TGV71は、制御弁として機能する。通路部材61の内部には、通路63が形成されている。通路63は、吸気ポート31と接続しており、吸気通路51として機能する。TGV71は、通路63に設置されている。TGV71は、いわゆるバタフライバルブであり、板状の部材(弁体)が回転軸73の周りに回転することで通路63の開度を調整する。回転軸73は、図示しない電動モータにより回転駆動される。
バルブユニット60には、図示しないインテークマニホールドが取り付けられている。インテークマニホールドの内部の通路は、通路部材61の通路63と接続しており、吸気通路51として機能する。インテークマニホールドには図示しないスロットルボディが設置されており、インテークマニホールドの通路の開度はスロットル弁により調整される。
吸気通路51には、隔壁79が設置されている。吸気通路51及び隔壁79は、エンジン1の吸気装置2として機能する。隔壁79は、金属材料から形成されており、板状である。隔壁79は、バルブユニット60の通路63の内部を通路63の軸方向(長手方向)に延び、途中折れ曲がった後、吸気ポート31の内部を吸気ポート31の軸方向(長手方向)に延びている。つまり、隔壁79は、吸気の流れ方向に沿って延びている。
吸気通路51(具体的にはTGV71及び隔壁79が設けられる箇所)を径方向に切った断面は、例えば略矩形状である。本実施形態において、隔壁79は、吸気通路51におけるシリンダブロック20の側の面に対し略平行に延びている。隔壁79は、吸気通路51を第1通路31aと第2通路31bに区画している。吸気通路51の内部において吸気カムシャフト42の側に第1通路31aがあり、シリンダブロック20の側に第2通路31bがある。
隔壁79は、吸気通路51の径方向において吸気通路51の軸心よりもシリンダブロック20の側に偏った位置にある。第1通路31aの流路断面積(径方向における断面積)は、第2通路31bの流路断面積よりも大きい。TGV71は、隔壁79よりも上流側の吸気通路51にあり、第1通路31aを開閉することが可能である。
<吸気装置の作用>
次に、図2を参照して、吸気装置2の作用を説明する。図2は、図1におけるエンジン1の一部分を拡大した図である。図2において、吸気行程における吸気(主流)の流れを二点鎖線の矢印3で示す。
吸気行程で、吸気は吸気通路51を通って燃焼室5に吸入される。燃焼室5に流入した吸気は、シリンダボア21に沿ってピストン11の頂面に向かった後、この頂面に沿ってシリンダヘッド30の側へ流れる。これにより、吸気が燃焼室5の内部で縦渦流(タンブル流)を形成する。例えば、エンジン1の負荷が小さく吸気量が少量のとき、TGV71により第1通路31aの流路断面積を絞ることで、吸気を第2通路31bの側を通過させる。TGV71の開度が最小となり、TGV71の弁体によって第1通路31aが閉じられると、吸気通路51に導かれた吸気のほとんどは、第2通路31bを通って燃焼室5へ向かう。このように、吸気が通過する流路が狭まり、吸気通路51の流路断面積が小さくなることで、吸気の流速が高められる。
この流速が高まった吸気(混合気)が燃焼室5に流入することで、タンブル流が強められる。圧縮行程でピストン11が上死点付近までストロークすると、タンブル流が崩壊して小さな乱流渦が複数生成し、点火直前の燃焼室5の内部における吸気の流速変動(ガス流の乱れ強さ)が大きくなる。この状態で点火プラグ13により混合気に点火されることで、希薄燃焼時にも燃料の急速燃焼が実現され、燃費改善や燃焼安定性の向上が可能になる。このように、TGV71は、第1通路31aを開閉することで、タンブル流を強化するための制御弁として機能する。なお、ピストン11の頂面は、ガス流動の強化や成層燃焼等に適した形状であってよい。
<モーメント低減機構>
次に、本実施形態に係る吸気装置2に備えられたモーメント低減機構について説明する。
まず、吸気装置がモーメント低減機構を備えていない場合の課題を詳述する。図3は、TGV71を備えた吸気通路51を示す説明図である。図3において、TGV71は、隔壁79により区画された第1通路31aを閉じている。
TGV71が第1通路31aを閉じた状態にある場合、TGV71によって吸気通路51の流路断面積が小さくされて吸気が第2通路31bを通過する際に、TGV71の上流側には相対的に小さい負圧が発生する一方、TGV71の下流側には相対的に大きい負圧が発生する。この前後差圧により、TGV71には、TGV71が第1通路31aを閉じる方向への第1の回転モーメントM1が作用する。つまり、TGV71を回転駆動する電動モータには、TGV71を回転させて第1通路31aを開く際に、少なくとも前後差圧による第1の回転モーメントM1を上回るトルクを出力することが求められる。
図4は、吸気流量F_airと前後差圧により発生する第1の回転モーメントM1との関係を示している。吸気の流れにより発生する前後差圧は、吸気流量F_airの増大に伴って比例的に増大する。つまり、TGV71に作用する第1の回転モーメントM1は、吸気流量の増大に伴って比例的に増大する。この前後差圧による第1の回転モーメントM1が、電動モータにより出力可能な最大トルクmax_Trq_mtrを超えると、電動モータにより、第1通路31aを開く方向へとTGV71を回転駆動させることができない。このため、TGV71により第1通路31aを閉じる運転領域は、第1の回転モーメントM1が電動モータの最大トルクmax_Trq_mtr以下となる吸気流量F_air_Aでの運転領域に制限される。
なお、本明細書において、TGV71を作動させることは、TGV71により第1通路31aを閉じることを意味する。また、TGV71を作動可能なエンジン1の運転領域を、TGVの作動領域ともいう。
前後差圧によりTGV71に作用する回転モーメントMを小さくすることができれば、同じ出力の電動モータを用いつつ、TGV71の作動領域を、吸気流量Fair_Aが増える方向に拡大することができる。その結果、TGV71を作動可能なエンジン1の運転領域が拡大し、燃料消費量の低減や排気エミッションの低減にとってさらに有利となる。このような課題を踏まえ、本実施形態に係る吸気装置2は、各吸気通路51に設けられたTGV71に対して、TGV71の前後差圧によりTGV71に作用する回転モーメントMを低減するモーメント低減機構を備えている。
図5〜図7を参照して、4気筒のエンジン1の吸気装置2に備えられたモーメント低減機構の構成例を説明する。図5は、4気筒のエンジンの吸気系を示す模式図である。図6は、モーメント低減機構の構成例を示す模式図であり、4つの燃焼室5a〜5dに接続された4つの吸気通路51a〜51dを軸方向沿って見た状態を表している。図7は、図6のI−I断面及びII−II断面を並べて示した模式図である。図7では、理解を容易にするために、TGV71aが取り付けられた回転軸73と、モーメント調整用弁81が取り付けられた回転軸73とが分けて示されている。
図5及び図6に示したように、吸気装置2は、4つの燃焼室5a〜5dに連通する4つの吸気通路51a〜51dに備えられたTGV71a〜71d、TGV71a〜71dを回転駆動するアクチュエータ75、TGV71a〜71dの下流側の吸気通路51に連通する副室83及び副室83内に配置されたモーメント調整用弁81を備えている。
各吸気通路51a〜51dに備えられた4つのTGV71a〜71dは、共通の回転軸73に固定されている。アクチュエータ75は、回転軸73を回転させることにより、4つのTGV71a〜71dを同時に回転させる。つまり、エンジン1の要求トルクが小さい場合には、すべての燃焼室5a〜5dに通じる吸気通路51a〜51dの第1通路31aがTGV71a〜71dにより閉じられて、吸気通路51の流路断面積が小さくされる。アクチュエータ75としては、例えば電動モータが用いられるが、これ以外にも回転トルクを出力可能なアクチュエータであってもよい。
副室83は、負圧導入通路85a〜85dを介して、各吸気通路51a〜51dにおけるTGV71a〜71dの下流側に連通している。つまり、副室83には、TGV71a〜71dが第1通路31aを閉じた状態で吸気が流れる際にTGV71a〜71dの下流側に発生する負圧が導入可能になっている。
副室83内に配置されたモーメント調整用弁81は、4つのTGV71a〜71dが固定された回転軸73に固定されている。モーメント調整用弁81は、いわゆるバタフライバルブであり、板状の部材(弁体)が回転軸73の周りに回転する。回転軸73は、図示しない電動モータにより回転駆動される。
モーメント調整用弁81は、副室83を第1の領域と第2の領域とに区分する。副室83内に導入される負圧は、モーメント調整用弁81により区画された2つの領域のうちの第1の領域に導入される。第1の領域は、TGV71a〜71dが吸気通路51a〜51dの流路断面積を大きくするように回転する際のモーメント調整用弁81の回転方向の前方側に位置する。このため、副室83内に導入される負圧により、モーメント調整用弁81を第1の領域側に回転させる回転モーメントが生じる。
副室83内に負圧が導入されることにより生成される回転モーメントの向きは、上記前後差圧によりTGV71a〜71dに作用する第1の回転モーメントM1の向きとは逆向きとなっている。TGV71a〜71dとモーメント調整用弁81とは共通の回転軸73に固定されているため、回転モーメントは、回転軸73に作用する第1の回転モーメントM1を打ち消す方向に作用する。
具体的に、図7に示したように、副室83は、モーメント調整用弁81によって第1の領域S1と第2の領域S2とに区分されている。このうちの第1の領域S1が、負圧導入通路85aを介して、TGV71aの下流側の吸気通路51aに連通している。
TGV71aが第1通路31aを閉じた状態で、TGV71aの上流側及び下流側に生じる負圧の差である前後差圧により、回転軸73には、TGV71aが第1通路31aを閉じる方向への第1の回転モーメントM1が生じる。このとき、TGV71aの下流側に生じる相対的に大きい負圧は、負圧導入通路85aを介して副室83の第1の領域S1に導入される。そうすると、モーメント調整用弁81を第2の領域S2側から第1の領域S1側へと回転させる第2の回転モーメントM2が生じる。この第2の回転モーメントM2の向きは、TGV71aの前後差圧により生じる第1の回転モーメントM1の向きとは逆向きとなっている。したがって、回転軸73に作用する合計の回転モーメントMは、回転モーメントM2の分だけ低減される。
図8は、本実施形態に係る吸気装置2における吸気流量F_airと前後差圧により回転軸73に作用する合計の回転モーメントMとの関係を示している。本実施形態に係る吸気装置2では、モーメント低減機構により、前後差圧によりTGV71a〜71dを介して回転軸73に作用する第1の回転モーメントM1とは逆向きの第2の回転モーメントM2がモーメント調整用弁81を介して回転軸73に作用する。このため、回転軸73に作用する合計の回転モーメントMの傾きが、第1の回転モーメントM1の傾きよりも小さくなる。したがって、回転軸73を駆動するアクチュエータ75の最大トルクmax_Trq_mtrが同じであっても、吸気流量F_airが増える方向にTGV71a〜71dの作動領域を拡大することができる。
副室83に導入される負圧によりモーメント調整用弁81に作用する第2の回転モーメントM2の大きさは、モーメント調整用弁81の軸回りの回転方向を向く面の面積の大きさを変えることにより調節することができる。かかる面積が大きいほど、負圧の大きさが同じであっても、より大きな第2の回転モーメントM2を発生させることができる。
また、図6及び図7に示したように、モーメント調整用弁81は、いわゆる片持ち式のバタフライバルブであることが好ましい。図9は、モーメント調整用弁81の幅方向の中央側に回転軸73が固定された参考例を示している。参考例では、TGV71に作用する第1の回転モーメントM1とは逆向きの第2の回転モーメントM2が発生するものの、第1の回転モーメントM1と同じ向きの回転モーメントM3によって、モーメント調整用弁81を介して回転軸73に作用する合計の回転モーメントが小さくされる。これに対して、モーメント調整用弁81が片持ち式のバタフライバルブであれば、モーメント調整用弁81に対して、第2の回転モーメントM2とは逆向きの回転モーメントが生じることを抑制することができ、効率的に第1の回転モーメントM1を低減することができる。
また、モーメント調整用弁81を片持ち式のバタフライバルブとする場合に、モーメント調整用弁81の回転軸73に交差する方向に沿う弁の長さが、回転軸73の軸方向に沿う弁の幅よりも長いことが好ましい。これにより、モーメント調整用弁81の弁体における回転軸73からより離れた位置に対しても負圧による回転モーメントを作用させることができる。したがって、同じ大きさの負圧を利用して、より大きな第2の回転モーメントM2を発生させることができる。
図10は、吸気装置2にモーメント低減機構を備えることによりTGV71を作動可能なエンジン1の運転領域が拡大することを示す説明図である。図中の領域Xは、モーメント低減機構を備えていない場合におけるTGV71を作動可能な運転領域を示し、領域Yは、モーメント低減機構を備えることによって拡大された運転領域を示す。TGV71を作動可能な吸気流量F_airの上限が拡大することにより、TGV71を作動可能なエンジン回転数及びエンジントルクの上限がそれぞれ大きくなる。したがって、TGV71を作動可能なエンジン1の運転領域が拡大し、燃料消費率あるいは排気エミッションの低減にとって有利になる。
以上説明したように、本実施形態に係るエンジン1の吸気装置2は、TGV71の下流側の吸気通路51に発生する比較的大きい負圧を利用して、TGV71の前後差圧によりTGV71が固定された回転軸73に作用する第1の回転モーメントM1を低減するモーメント低減機構を備えている。このため、TGV71により第1通路31aを閉じる方向に向かって回転軸73に作用する合計の回転モーメントMが低減され、TGV71を作動可能な吸気流量F_airの上限を拡大することができる。これにより、TGV71を作動可能なエンジン1の運転領域が拡大され、燃料消費率あるいは排気エミッションの低減効果を向上させることができる。
また、本実施形態に係るエンジン1の吸気装置2によれば、電子制御部品を用いることなく、TGV71の下流側の吸気通路51に発生する負圧を利用して回転軸73に作用する合計の回転モーメントMを低減することができる。したがって、制御装置による追加の電子制御を要することなく、回転モーメントMを低減することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、TGVとモーメント調整用弁とが共通の回転軸に固定されていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、TGVが固定された回転軸とは異なる回転軸にモーメント調整用弁が固定され、2つの回転軸が、ギヤを介して接続されていてもよい。図11及び図12は、TGV71が第1の回転軸73に固定され、モーメント調整用弁81が第2の回転軸74に固定された例を示す模式図である。
図11は、第1の回転軸73と第2の回転軸74とが、3つのギヤ91,93,95を介して接続された第1の変形例を示す。第1の変形例では、TGV71の回転方向に対するモーメント調整用弁81の回転方向が、上記実施形態に係る吸気装置2と同一である(図7を参照。)。このため、副室83、負圧導入通路85及びモーメント調整用弁81の接続構成は、上記実施形態と同様とすることができる。第1の変形例によっても、TGV71の下流側の吸気通路51に発生する比較的大きい負圧を利用して、TGV71の前後差圧によりTGV71が固定された回転軸73に作用する第1の回転モーメントM1を低減することができる。
図12は、第1の回転軸73と第2の回転軸74とが、2つのギヤ97,99を介して接続された第2の変形例を示す。第2の変形例では、TGV71の回転方向に対するモーメント調整用弁81の回転方向が、上記実施形態に係る吸気装置2とは逆になる。このため、上記実施形態では、負圧導入通路85がモーメント調整用弁81の上方の空間に接続されていたが、第2の変形例では、負圧導入通路85がモーメント調整用弁81の下方の空間に接続されている。第2の変形例によっても、TGV71の下流側の吸気通路51に発生する比較的大きい負圧を利用して、TGV71の前後差圧によりTGV71が固定された回転軸73に作用する第1の回転モーメントM1を低減することができる。
また、TGV71の駆動軸は、吸気通路の壁面に埋め込まれる構成であってもよい。また、上記実施形態では、TGV71を開弁する際にTGV71が上流側に回転するが、TGVが下流側に回転する構成であってもよい。この場合、第1通路を閉じる際にTGVに作用する回転モーメントとは逆向きの回転モーメントがモーメント調整用弁により生成され、アクチュエータの出力トルクを軽減することができる。
また、上記実施形態では、吸気通路の内部にある制御弁は、タンブル流を強化するためのTGVであるとしたが、横渦流(スワール流)を強化するためのスワール制御弁その他の弁であってもよい。また、スロットル弁がTGVやスワール制御弁の機能を兼ね備えてもよい。また、制御弁を構成する部品は、内燃機関の吸気通路に形成されるものであればよく、インテークマニホールドとは別体になっていてもよい。
また、上記実施形態では、4気筒エンジンの4つの燃焼室に連通する4つの吸気通路に対して連通する1つの副室を有していたが、本発明はかかる例に限定されない。モーメント調整用弁を備える副室が、1つ又は2つ等の適宜の数の吸気通路に対して連通していてもよい。また、上記実施形態では、直列4気筒エンジンへの適用例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。エンジンにおける気筒の数及び配置に限らず、本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、内燃機関は4ストローク・エンジンとしたが、2ストローク・エンジンの吸気装置に本発明を適用してもよい。吸気通路において燃料を噴射する位置は、隔壁より上流側であってもよいし、下流側であってもよい。また、燃料を吸気通路に噴射するエンジンに限らず、燃料を燃焼室に直接噴射するエンジンの吸気装置に本発明を適用してもよい。すなわち、吸気通路を通るガスは混合気に限らず空気でもよい。また、燃料としてガソリンや軽油を用いるエンジンだけでなく、天然ガス等を用いるエンジンの吸気装置にも本発明を適用可能である。また、本発明を適用可能な内燃機関は、火花点火式又は圧縮自着火式等の点火様式を問わない。さらに、自動車のエンジンだけでなく、船舶や飛行機のエンジンの吸気装置に本発明を適用可能である。
1 エンジン
2 吸気装置
5 燃焼室
15 吸気バルブ
31 吸気ポート
31a 第1通路
31b 第2通路
51 吸気通路
71 TGV(制御弁)
73 回転軸(第1の回転軸)
74 第2の回転軸
75 アクチュエータ(電動モータ)
79 隔壁
81 モーメント調整用弁
83 副室
85 負圧導入通路

Claims (6)

  1. 内燃機関の吸気通路に設けられた制御弁と、
    前記制御弁を回転駆動するアクチュエータと、
    前記制御弁の下流側の吸気通路内に連通する副室と、
    前記副室内に配置され前記アクチュエータの回転駆動に伴って回転するモーメント調整用弁と、を備え、
    前記制御弁の下流側に負圧が生じる場合に、前記制御弁に対して第1の回転モーメントが作用するとともに、前記副室内に負圧が導入され、
    前記モーメント調整用弁は、前記副室内に導入される負圧により、前記第1の回転モーメントとは逆向きの第2の回転モーメントを前記制御弁に対して作用させる、内燃機関の吸気装置。
  2. 前記副室は、前記モーメント調整用弁により第1の領域及び第2の領域に区分され、
    前記第1の領域及び前記第2の領域のうち、前記制御弁が前記吸気通路の流路断面積を大きくするように回転する際の前記モーメント調整用弁の回転方向の前方側に位置する前記第1の領域に前記負圧が導入される、請求項1に記載の内燃機関の吸気装置。
  3. 前記モーメント調整用弁が片持ち式の弁であり、前記モーメント調整用弁の回転軸の軸方向に沿う弁の幅よりも交差方向に沿う弁の長さが長い、請求項1又は2に記載の内燃機関の吸気装置。
  4. 前記副室は、負圧導入通路を介して前記制御弁の下流側の前記吸気通路に連通する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気装置。
  5. 前記制御弁及び前記モーメント調整用弁は共通の回転軸に固定される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気装置。
  6. 前記制御弁が固定された第1の回転軸が、ギヤを介して前記モーメント調整用弁が固定された第2の回転軸に接続される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気装置。
JP2018102597A 2018-05-29 2018-05-29 内燃機関の吸気装置 Pending JP2019206941A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018102597A JP2019206941A (ja) 2018-05-29 2018-05-29 内燃機関の吸気装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018102597A JP2019206941A (ja) 2018-05-29 2018-05-29 内燃機関の吸気装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019206941A true JP2019206941A (ja) 2019-12-05

Family

ID=68768401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018102597A Pending JP2019206941A (ja) 2018-05-29 2018-05-29 内燃機関の吸気装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019206941A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024069940A1 (ja) * 2022-09-30 2024-04-04 本田技研工業株式会社 内燃機関の吸気構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024069940A1 (ja) * 2022-09-30 2024-04-04 本田技研工業株式会社 内燃機関の吸気構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gray A review of variable engine valve timing
JP2718482B2 (ja) 2サイクル多気筒エンジンの弁駆動機構
CN103620181A (zh) 分置循环相位可变的往复活塞式火花点火发动机
JP2006291962A (ja) 内燃エンジンの間接可変バルブ駆動
JP2006291962A5 (ja)
GB2026604A (en) Two-stroke cycle petrol engine
US20130104840A1 (en) Internal combustion engine operable in homogeneous-charge compression mode
JPH02204625A (ja) 2サイクルエンジン
WO2009060789A1 (ja) 火花点火式内燃機関
JP2019206941A (ja) 内燃機関の吸気装置
EP0469596A2 (en) Multi-cylinder two cycle internal combustion engine
JP5998503B2 (ja) 多気筒エンジンの吸排気装置
JPH0745817B2 (ja) 直噴式多気筒ディーゼル機関
JPS602496B2 (ja) 2気筒ロ−タリピストンエンジンの吸気装置
JP7189683B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
Boretti et al. Numerical optimization of a racing engine with variable intake and exhaust geometry and valve actuation
JPH05195788A (ja) 2サイクル内燃機関
Isaka et al. Development of Yamaha tumble induction control system (YTIS)
JP2009127609A (ja) 多気筒内燃機関の吸気装置
JP2762122B2 (ja) 並列多気筒2サイクルエンジンの排気制御弁装置
JP5049226B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JPS63253114A (ja) 2サイクルエンジンの排気系
JP2009097339A (ja) 火花点火式内燃機関
JPS59158328A (ja) 内燃機関
JPH10238334A (ja) 4サイクルエンジン

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190208

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190214

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190222

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190410

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190411