JP2019206548A - 膵炎を治療するための薬剤の製造におけるil−22二量体の使用 - Google Patents

膵炎を治療するための薬剤の製造におけるil−22二量体の使用 Download PDF

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チョン ホアン,
トントン ウー,
Dongdong Wu
トントン ウー,
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カイヤン タン,
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Abstract

【課題】膵炎を治療するための方法の提供。【解決手段】約5から約50のアミノ酸からなるリンカーを介して結合するIL−22ドメインと二量体ドメインを含む2つの単量体サブユニットからなる、IL−22二量体の有効用量を個体に投与することを含む、個体における膵炎を治療する方法。【選択図】図1

Description

本出願は、全体を参照することによりその内容が本明細書に組み込まれる、中国特許出願第201310549648.X号の優先権の利益を主張する。
本発明は生物学的及び医療的技術の分野に関し、特に、本発明は、膵炎を治療するための薬剤の製造におけるIL−22二量体の使用に関する。
膵炎は、トリプシノーゲンからトリプシンへの変換と、それに続く膵腺房細胞の自己消化によって生じると一般的に考えられている。疾患の経過によって、膵炎は、急性膵炎(AP)と慢性膵炎(CP)の2つの形態に分けられる。
急性膵炎の主な病因は、胆石(胆汁微小石灰化を含む)、高トリグリセリド血及びアルコール等である。他の原因としては、過食症、衝撃、妊娠、寄生生物感染、高脂血症、高カルシウム血、耳下腺炎等が挙げられる。さらには、APはまた、開腹手術、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)、内視鏡的超音波検査(EUS)、電気けいれん療法、ならびに、ヒドロクロロチアジド、エタクリン酸、インドメタシン、経口避妊薬などの医薬といった医原性因子にも関連性がある。加えて、原因不明の、すなわち特発性の膵炎を患う患者が多数存在する。
急性膵炎は臨床的に一般的な疾患であり、急性膵炎の基礎病変には、浮腫、出血、及び壊死が含まれる。報告によれば、全患者の85%が間質性膵炎を有し、15%(範囲4〜47%)が壊死性膵炎を有している。間質性膵炎を患う患者のおよそ10%は臓器不全を経験するが、その大多数においては一過性であり、死亡率は非常に低い。壊死性膵炎を患う患者の中でも、33%(範囲16〜47%)は感染性の壊死を有しており、壊死性膵炎での臓器不全の有病率中央値は54%(範囲29〜78%)である。臓器不全の有病率は、感染性の壊死(34〜89%)では無菌性の壊死(45〜73%)の場合と同じであるか幾分高い。急性膵炎の全死亡率はおよそ5%であり、間質性膵炎では3%、壊死性膵炎では17%(感染性の壊死では30%、無菌性の壊死では12%)である。臓器不全を有しない場合の死亡率は0であり、単一の臓器不全では3%(範囲0〜8%)、多臓器不全では47%(範囲28〜69%)である(Peter A. Banks et al, Am J Gastroenterol, 101: 2379-2400, 2006)。現在、急性膵炎の治療は対症的であり、流体及び塩の置換ならびに疼痛管理で構成される。特に有効な薬物はまだない。
慢性膵炎は、さまざまな病因因子によって生じる、限局性又は広範性の膵臓の炎症である。再発性の重篤な急性膵炎は慢性膵炎へと進行しうる(Kloppel G, Maillet B. Hepatogastroenterology, 38(5):408-12, 1991)。慢性膵炎の発症の原因となるメカニズムは完全には理解されていない。現在の治療は主に、トリプシンの供給による代替療法、及び疼痛管理などの合併症の治療を含む。
Fengらは、インターロイキン−22がマウスのセルレイン誘発性膵炎を改善することを報告している(Int. J. Biol.Sci, 8(2), 249-257,2012)。
本明細書で参照されるすべての出版物、特許、特許出願及び特許出願公開公報の開示は、参照することによりそれらの全体が本明細書に取り込まれる。
膵炎の予防及び/又は治療のための薬剤の製造におけるIL−22二量体の使用を提供することが本発明の目的である。
本発明の1つの態様では、膵炎の治療及び/又は予防のための薬剤の製造におけるインターロイキン−22(IL−22)二量体の使用が提供される。
幾つかの実施態様では、膵炎は、急性膵炎、慢性膵炎、アルコール性膵炎、再発性膵炎, 胆汁逆流膵炎、間質性膵炎、壊死性膵炎、及びERCP後膵炎からなる群から選択される。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、式I:
M1−L−M2 I
として示され、式中、
M1はIL−22の第1の単量体であり、
M2はIL−22の第2の単量体であり、
Lは前記第1の単量体と前記第2の単量体とを接続し、その間に配置されるリンカーである。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体はIL−22の生物活性を保持し、第1の単量体又は第2の単量体の血清半減期の2倍より長い血清半減期を有する。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体の血清半減期は、第1の単量体及び/又は第2の単量体の血清半減期の3倍、5倍、又は10倍よりも長い。
好ましい実施態様では、リンカーLは、
(I)3から50のアミノ酸を含む短ペプチド;及び
(ii)式IIのポリペプチド:
−Z−Y−Z− II
からなる群から選択され、式中、
Yは担体タンパク質であり、
Zは存在しないか、又は1から30のアミノ酸を含む短ペプチドであり、
「−」は化学結合又は共有結合である。
幾つかの実施態様では、「−」はペプチド結合である。
幾つかの実施態様では、Zは5から50長のアミノ酸残基である。
幾つかの実施態様では、Zは配列番号1又は配列番号10の配列を含む。
幾つかの実施態様では、Zは配列番号1又は配列番号10の配列を有する。
幾つかの実施態様では、担体タンパク質は分子間ジスルフィド結合を形成可能な少なくとも2つのシステインを含む。
幾つかの実施態様では、担体タンパク質はIL−22単量体のN末端に配置される。
幾つかの実施態様では、担体タンパク質はIL−22単量体のC末端に配置される。
幾つかの実施態様では、担体タンパク質はアルブミン又はヒトIgGのFc断片である。
幾つかの実施態様では、Fc断片はCH2及びCH3ドメインを含む。
幾つかの実施態様では、Fc断片は配列番号2又は配列番号9の配列を含む。
幾つかの実施態様では、Fc断片は配列番号2又は配列番号9の配列を有する。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は2つの単量体サブユニットによって形成され、各単量体サブユニットは、IL−22ドメイン、二量体ドメイン及び、任意選択的にIL−22ドメインと二量体ドメインとを接続するリンカーを含む。
幾つかの実施態様では、IL−22ドメインはIL−22単量体であり、二量体ドメインはヒト免疫グロブリン(IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4など)のFc断片を含み、任意選択的なリンカーはIL−22単量体とFc断片とを接続するペプチドであり、二量体は1つ以上のジスルフィド結合を介した2つの二量体ドメイン(Fc断片など)の接続によって形成される。
幾つかの実施態様では、前記ジスルフィド結合の数は2〜4である。
幾つかの実施態様では、各IL−22二量体の単量体サブユニットは、配列番号4及び配列番号6〜8から選択されるアミノ酸配列を含む。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体の第1の単量体と第2の単量体とは同一である。
幾つかの実施態様では、第1の単量体と第2の単量体とは異なる。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体の生物活性は、
(a)インビボにおけるアミラーゼ及び/又はリパーゼレベルの低減、
(b)インビボにおける膵臓の浮腫の改善、
(c)インビボにおける膵臓の腺房細胞及び/又は脂肪細胞の壊死の抑制、
(d)インビボにおける膵臓の炎症細胞の浸潤の改善、
からなる群の中の1つ以上の生物活性から選択される。
本発明の別の態様では、薬学的に許容される担体と式IのIL−22二量体を含む、膵炎の予防及び/又は治療のための医薬組成物が提供される:
M1−L−M2 I
式中、
M1はIL−22の第1の単量体であり、
M2はIL−22の第2の単量体であり、
Lは前記第1の単量体と前記第2の単量体とを接続し、その間に配置されるリンカーである。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体はIL−22の生物活性を保持し、第1の単量体又は第2の単量体の血清半減期の2倍よりも長い血清半減期を有する。
本発明の別の態様では、アミロイドAタンパク質(SAA)及び/又はC反応性タンパク質(CRP)の血清レベルを上昇させるため、及び/又はトリグリセリド(TG)の血清レベルを低下させるための薬剤の製造におけるIL−22二量体の使用が提供される。
本発明の別の態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)を含む、個体における膵炎の治療方法が提供される。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は2つの単量体サブユニットを含み、各単量体サブユニットはIL−22ドメイン及び二量体ドメインを含む。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体の各単量体サブユニットは、任意選択的なリンカー配列を介して二量体ドメインに結合したIL−22ドメインを含む。
幾つかの実施態様では、リンカー配列は約5から約50のアミノ酸である。
幾つかの実施態様では、リンカー配列は配列番号1又は配列番号10の配列を含む。
幾つかの実施態様では、リンカー配列は配列番号1又は配列番号10の配列を有する。
幾つかの実施態様では、二量体ドメインは分子間ジスルフィド結合を形成可能な少なくとも2つのシステインを含む。
幾つかの実施態様では、二量体ドメインはFc断片の少なくとも一部を含む。
幾つかの実施態様では、Fc断片はCH2及びCH3ドメインを含む。
幾つかの実施態様では、Fc断片は配列番号2又は配列番号9の配列を含む。
幾つかの実施態様では、Fc断片は配列番号2又は配列番号9の配列を有する。
幾つかの実施態様では、各単量体サブユニットのIL−22ドメインは配列番号3の配列を有する。
幾つかの実施態様では、各単量体サブユニットは配列番号4及び配列番号6〜8から選択される配列を有する。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は静脈内投与される。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は約2μg/kgから約200μg/kgの量で投与される。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は約5μg/kgから約80μg/kgの量で投与される。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は約10μg/kgから約45μg/kgの量で投与される。
幾つかの実施態様では、膵炎は急性膵炎である。
幾つかの実施態様では、膵炎は慢性膵炎である。
幾つかの実施態様では、膵炎は間質性膵炎である。
幾つかの実施態様では、膵炎は壊死性膵炎である。
幾つかの実施態様では、膵炎はアルコール誘発性膵炎である。
幾つかの実施態様では、膵炎は再発性膵炎である。
幾つかの実施態様では、膵炎は胆汁逆流性膵炎である。
幾つかの実施態様では、膵炎はERCP誘発性膵炎である。
幾つかの実施態様では、個体は、血清アミラーゼの上昇、血清リパーゼの上昇、 尿中アミラーゼの上昇、又はC反応性タンパク質の上昇を示す。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は毎週約1回以下で投与される。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は毎月約1回以下で投与される。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は3か月毎に約1回以下で投与される。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体は個体における血清アミロイドAタンパク質又はC反応性タンパク質レベルの上昇をもたらす。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体は個体におけるトリグリセリドの抑制をもたらす。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体は炎症性サイトカインレベルの上昇をもたらさない。
幾つかの実施態様では、炎症性サイトカインはTNF−α、IL−6、IL−1β、及びIL−8から選択される。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体はインビボにおけるアミラーゼ及び/又はリパーゼレベルの低下をもたらす。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体はインビボにおける膵臓の浮腫を改善する。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体は、インビボにおける膵臓の腺房細胞及び/又は脂肪細胞の壊死を抑制する。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体は、インビボにおける膵臓の炎症性細胞浸潤を改善する。
幾つかの実施態様では、二量体ドメインはIL−22二量体サブユニットのN末端にある。
幾つかの実施態様では、二量体ドメインはIL−22二量体サブユニットのC末端にある。
新規の又はより良好な技術的解決法を結果的にもたらすために、上述しかつ以下の実施例で論じられる本発明の技術的特徴を互いに組み合わせうることは、当業者にとって明白である。よって、本発明は本明細書に記載される実施態様に限定されると解釈されるべきではない。
本発明に従った典型的なIL−22二量体の例示。図において、「−」はリンカーを表し、「IL−22」と記された卵型の物体はIL−22単量体を表す。 本発明に従った典型的なIL−22二量体の例示。図において、「−」はアミノ酸リンカーを表し、「IL−22」と記された卵型の物体はIL−22単量体を表す。図2Aに例示されるように、「C」と記された卵型の物体は担体タンパク質を表し、IL−22は担体タンパク質のN末端に配置される。図2Bに例示されるように、「Fc」と記された半卵型の物体は二量体ドメインであるFc断片を表し、二量体がジスルフィド結合を介した2つのFc断片の結合によって形成されることを示している。 本発明に従った典型的なIL−22二量体の例示。図において、「−」はアミノ酸リンカーを表し、「IL−22」と記された卵型の物体はIL−22単量体を表す。図3Aに例示されるように、「C」と記された卵型の物体は担体タンパク質を表し、IL−22は担体タンパク質のC末端に配置される。図3Bに例示されるように、「Fc」と記された半卵型の物体は二量体ドメインであるFc断片を表し、二量体がジスルフィド結合を介した2つのFc断片の結合によって形成されることを示している。 インビトロ活性実験におけるColo205細胞のIL−22及びIL−22二量体の増殖促進効果を示す。 インビトロ活性実験におけるColo205細胞のIL−22及びIL−22二量体のSTAT3刺激効果を示す。 投与後のラットにおける膵臓組織のIL−22二量体の分布を示す。SDラットは尾静脈を介した30μg/kgの125I標識化IL−22二量体の単回静脈注射を受けた。注射後それぞれ2、24、及び48時間の時点での臓器組織の放射能計数を測定した。 投与後のカニクイザルの膵臓組織のIL−22二量体の分布を示す。カニクイザルは100μg/kgのIL−22二量体の単回静脈注射を受けた。注射後2時間の時点で臓器組織における薬物濃度を測定した。 IL−22二量体の静脈内投与後の経時によるヒトのアミロイドタンパク質(SAA)の血清レベルの変化を示す。 IL−22二量体の静脈内投与後の経時によるヒトのC反応性タンパク質の血清レベルの変化を示す。 IL−22二量体の静脈内投与後の経時によるヒトのトリグリセリドの血清レベルの変化を示す。 IL−22二量体の静脈内投与後の経時によるヒトのさまざまなサイトカインの血清レベルにおける効果を示す。 膵炎モデルラットにおける血清アミラーゼレベルに対するIL−22二量体及びIL−22二量体の効果を示す。 膵炎モデルラットにおける血清リパーゼレベルに対するIL−22二量体及びIL−22二量体の効果を示す。
本明細書は、有効量のIL−22二量体を投与(静脈内投与など)することにより膵炎を予防及び/又は治療する方法を提供する。膵炎のしっかりと確立された動物モデルを使用して、発明者らはIL−22二量体が膵炎の治療に非常に効果的であり、膵炎の個体における血清アミラーゼ及び/又はリパーゼレベルを顕著に低減することができ、インビボにおける膵臓浮腫を改善し、膵臓の腺房細胞及び/又は脂肪細胞の壊死を抑制し、インビボにおける膵臓の炎症性細胞浸潤を改善することを実証した。驚くべきことに、IL−22二量体は、インビトロアッセイでは活性の低下を示すが、等モルの投与量で、IL−22二量体のインビボ生物活性はIL−22単量体のものよりも顕著に強いことが見出された。驚くべきことに、IL−22二量体の皮下注射は注射部位における有害事象の遅延をもたらすが、IL−22二量体の静脈注射は優れた忍容性及び安全性を示すことも見出された。さらには、IL−22二量体の投与はヒトにおける炎症性サイトカインの血清レベルの上昇はもたらさない。
よって、幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を予防及び/又は治療する方法が提供される。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は静脈内プッシュ(IVP)によって投与される。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は静脈内注入によって投与される。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は持続静脈内注入によって投与される。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を患う個体における炎症を抑制する方法が提供される。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、個体における膵炎の1つ以上の症状を軽減する方法が提供される。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を患う個体における生活の質を向上させる方法が提供される。
幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体は、膵炎を患う個体における血清アミラーゼレベルの低下をもたらす。幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を患う個体における血清アミラーゼレベルを低下させる方法が提供される。幾つかの実施態様では、血清アミラーゼレベルは、治療前のレベルと比較して、少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍低減される。幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体は、膵炎を患う個体における血清リパーゼレベルの低下をもたらす。幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を患う個体における血清リパーゼレベルを低減する方法が提供される。幾つかの実施態様では、血清リパーゼレベルは、治療前のレベルと比較して、少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍低下する。幾つかの実施態様では、有効量の IL−22二量体は、膵臓の腺房細胞及び/又は脂肪細胞の壊死を抑制し、膵炎を患う個体における膵臓の浮腫及び炎症性細胞浸潤を改善する。幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を患う個体における膵臓腺房細胞及び/又は脂肪細胞の壊死を抑制する方法が提供される。幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を患う個体の膵臓における浮腫及び炎症細胞浸潤を改善する方法が提供される。
幾つかの実施態様では、個体の血清アミロイドAタンパク質レベルの上昇をもたらす有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を予防及び/又は治療する方法が提供される。幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を患う個体における血清アミロイドAタンパク質レベルを上昇させる方法が提供される。幾つかの実施態様では、血清アミロイドAタンパク質レベルは、治療前のレベルと比較して少なくとも約5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、50倍、100倍、150倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、又は2500倍上昇する。幾つかの実施態様では、個体におけるC反応性タンパク質レベルの上昇をもたらす有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を予防及び/又は治療する方法が提供される。幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を患う個体におけるC反応性タンパク質レベルを上昇させる方法が提供される。幾つかの実施態様では、C反応性タンパク質レベルは、治療前のレベルと比較して、少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、50倍、又は100倍上昇する。幾つかの実施態様では、個体におけるトリグリセリドレベルの低下をもたらす有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を予防及び/又は治療する方法が提供される。幾つかの実施態様では、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む、膵炎を患う個体におけるトリグリセリドレベルを低減する方法が提供される。幾つかの実施態様では、トリグリセリドレベルは、治療前のレベルと比較して、少なくとも約2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、又は30倍低下する。
幾つかの実施態様では、炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−6、IL−1β、及びIL−8からなる群から選択される1つ以上の炎症性サイトカインなど)のレベルの上昇をもたらさない、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む膵炎の治療方法が提供される。幾つかの実施態様では、血清アミラーゼレベルの低下、血清リパーゼレベルの低下、膵臓における腺房細胞及び/又は脂肪細胞の壊死の抑制、膵臓における浮腫及び炎症性細胞浸潤の改善、血清アミロイドAタンパク質レベルの上昇、C反応性タンパク質レベルの上昇、及びトリグリセリドレベルの低下を含むがこれらに限られない、前述の治療のエンドポイントのうち2つ以上をもたらす、有効量のIL−22二量体を個体に投与(静脈内投与など)することを含む膵炎を治療する方法が提供される。
本発明において用いられる用語「治療/療法」とは、対象の疾患、症状、又は素因を治癒、改善、好転、低減、遅延、及び/又は作用するために、必要とする対象にIL−22二量体を投与することを指す。
用語「有効(投与)量」とは、それを必要とする対象に治療目標を達成することができるIL−22二量体の投与量のことを指す。「治療的有効(投与)量」が投与経路、用いられる賦形剤の種類及び他の医薬との組み合わせに応じて変化しうることは、当業者によって理解されるべきである。用語「治療されるべき個体」又は「個体」とはヒトなどの哺乳動物のことを指す。個体は、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯動物、又は霊長類を含むがこれらに限られない。幾つかの実施態様では、個体はヒトである。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は16歳以下、18歳以下、25歳以下、35歳以下、45歳以下、55歳以下、65歳以下、又は75歳以下である。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は16歳以上、18歳以上、25歳以上、35歳以上、45歳以上、55歳以上、65歳以上、又は75歳以上である。
幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、8以上、9以上、10以上、又は11以上のRanson基準スコアを有する。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、1以上、2以上、3以上、又は4のCT重症度指数スコアを有する。幾つかの実施態様では、個体は、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、又は10の修正CT重症度指数スコアを有する。幾つかの実施態様では、個体は、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、15以上、20以上、25以上、30以上、35以上、又は40以上のAPACHE IIスコアを有する。幾つかの実施態様では、個体は、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、10以上、15以上、20以上、25以上、30以上、35以上、40以上、45以上、又は50以上のAPACHE IIスコアを有する。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、又は8以上の修正グラスゴースコアを有する。幾つかの実施態様では、個体は上述の特徴の2つ以上を有する。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は急性膵炎の典型的な画像の変化によって特徴づけられる。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、悪心、腹痛又は圧痛、嘔吐、消化不良、体重減少、脂肪便、病的変化、急性炎症、空胞変性(腺房の空胞変性など)、好中球浸潤、浮腫、膵石、胆石、胆管結石、膵嚢胞、高体温又は低体温、高心拍数、高呼吸数、内出血、黄疸、糖尿病、壊死(腺房壊死など)、膵臓がん、及び臓器不全を含むがこれらに限られない、1つ以上の膵炎の症状を示す。
幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は血清アミラーゼレベルの上昇(約120U/L超、約150U/L超、約200U/L超、300U/L超、又は約400U/L超など)、尿中アミラーゼの上昇(約40U/h超、約80U/h超、約120U/h超、又は約160U/h超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血清リパーゼレベルの上昇(約150U/L超、約200U/L超、約300U/L超、又は約400U/L超、又は約500U/L超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、正常値の上限レベルの少なくとも3倍の血清アミラーゼレベル及び/又は血清リパーゼレベルを示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血清C反応性タンパク質の上昇(約25mg/L超、約50mg/L超、約100mg/L超、約150mg/L超、約200mg/L超、約250mg/L超、約300mg/L超、又は約400mg/L超など)を示す。
幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血清アラニントランスアミナーゼの上昇(約40U/L超、約50U/L超、約60U/L超、約75U/L超、又は約150U/L超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血清IL−6又はIL−8レベルの上昇又は血中ホスホリパーゼA2の上昇(約3U/L超、約7U/L超、約15U/L超、約30U/L超、約60U/L超、又は約100U/L超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血清プロカルシトニンレベルの上昇(約3ng/mL超、約4ng/mL超、約5ng/mL超、又は約7.5ng/mL超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、尿中トリプシノーゲン活性化ペプチドの上昇(約3ng/mL超、約6ng/mL超、約10ng/mL超、約20ng/mL超、又は約30ng/mL超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血清トリプシノーゲン活性化ペプチドの上昇を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、便中膵エラスターゼレベルの低下(約200μg/g未満、約150μg/g未満、約100μg/g未満、又は約50μg/g未満など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、白血球数の上昇(約12000細胞/mm超、約14000細胞/mm超、約16000細胞/mm超、約18000細胞/mm超、又は約20000細胞/mm超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血清カルシウムレベルの低下(約10mg/mL未満、約8mg/mL未満、約6mg/mL未満、約4mg/mL未満、又は約2mg/mL未満など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血清アスパラギン酸トランスアミナーゼの上昇(約30U/L超、約40U/L超、約50U/L超、約60U/L超、又は約75U/L超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血清乳酸デヒドロゲナーゼ(約250IU/L超、約300IU/L超、約350IU/L超、約400IU/L超、又は約450IU/L超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、血糖の上昇(約180mg/dL超、約200mg/dL超、約220mg/dL超、約260mg/dL超、又は約300mg/dL超など)を示す。幾つかの実施態様では、治療されるべき個体は、塩基欠乏(約3mEq/L超、約4mEq/L超、約5mEq/L超、又は約6mEq/L超など)を示す。
本明細書ではさまざまな種類の膵炎が予防又は治療可能である。
幾つかの実施態様では、膵炎は、アルコール性膵炎(例えば、慢性的なアルコール飲用)、遺伝性膵炎、嚢胞性線維型膵炎(cystic fibrosis pancreatitis)、外傷誘発性膵炎、熱帯性膵炎、栄養不良誘発性膵炎、高カルシウム血性膵炎、石灰化膵炎(例えば、膵石、胆石、又は胆管結石などの結石によって生じる)、自己免疫性膵炎、又は特発性膵炎を含むがこれらに限られない、慢性膵炎である。
幾つかの実施態様では、膵炎は急性膵炎である。幾つかの実施態様では、急性膵炎は単発の事象である。幾つかの実施態様では、急性膵炎は再発性である。急性膵炎は、アルコール誘発性膵炎(例えば、急性アルコール摂取)、胆石性膵炎、胆管膵炎、内視鏡的逆行性膵胆管造影後膵炎、又は特発性膵炎を含むがこれらに限られない。幾つかの実施態様では、急性膵炎は、コクサッキー(coxackie)ウイルス、サイトメガロウイルス、B型肝炎、単純ヘルペスウイルス、おたふく風邪、及び水痘帯状疱疹ウイルスなどのウイルス感染によって生じる。幾つかの実施態様では、急性膵炎は、レジオネラ、レプトスピラ、マイコプラズマ、又はサルモネラによって引き起こされる感染などの細菌感染によって生じる。幾つかの実施態様では、急性膵炎は、アスペルギルス菌感染に起因して生じる。幾つかの実施態様では、急性膵炎は、回虫、クリプトスポリジウム、及びトキソプラズマなどの寄生生物感染によって生じる。
幾つかの実施態様では、膵炎は、さまざまな病状の治療に使用されるもの又は違法使用のものなど、薬物使用の結果として生じる。例えば、幾つかの実施態様では、膵炎は、ジダノシン、アスパラギナーゼ、メサラミン、ホルモン、アヘン剤、テトラサイクリン、シタラビン、ACE阻害剤、バルプロ酸、アザチオプリン、スルファサラジン、フロセミド、スリンダク、ステロイド、又はHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の投与と関連づけられたときに治療することができる。
幾つかの実施態様では、遺伝性膵炎又は家族性膵炎が治療されうる。例えば、幾つかの実施態様では、トリプシン−1(カチオン性トリプシノーゲン又はPRSS1とも呼ばれる)、セリンプロテアーゼ阻害剤Kazal1型(SPINK1)、又は嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)の変異を伴う個体における膵炎を治療することができる。幾つかの実施態様では、変異は原因遺伝子又はコードタンパク質の切断によって生じる。
幾つかの実施態様では、膵炎は、高カルシウム血、高脂血症、高アミラーゼ血症、腹部外傷、胃潰瘍、さそり刺症、低体温症、膵管癒合不全、妊娠、糖尿病、外科手術、膵臓がん、及び血管炎を含むがこれらに限られない他の因子に関連する。幾つかの実施態様では、自己免疫性疾患によって生じる膵炎を治療することができる。幾つかの実施態様では、特発性膵炎を治療することができる。
幾つかの実施態様では、膵炎は胆管の胆石又は他の閉塞によって生じる。胆嚢と膵臓は、器官を消化管に接続する単一のドレナージ管を共有していることから、管内に詰まる胆石は膵臓から出る消化酵素の流れを遮断し、結果として急性の胆石性膵炎を生じる。胆管膵炎の他の形態は、胆泥の通過又は胆膵灌流を生じる胆管内の解剖学的異常によって生じうる。
幾つかの実施態様では、膵炎は内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)によって生じる。ERCPはしばしば、例えば、胆石、黄疸、又は腫瘍などの胆管系又は膵管系内の問題又は異常を診断又は治療するために用いられる。しかしながら、この手法は、時折、膵炎を生じさせる。
膵炎は診断することができ、治療は、超音波(超音波内視鏡など)、 コンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)、又は他の内部視覚化技術を含むがこれらに限られないさまざまな方法で評価することができる。内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)又は磁気共鳴胆道膵管造影(MRCP)もまた、膵炎の治療のエンドポイントを診断又は評価するために、膵臓、胆嚢、及び胆管の視覚化に用いられうる。
超音波内視鏡を使用する診断及び治療の評価では、評価基準は、膵実質(pancreatic panenchyma)、膵嚢胞、不規則な膵管輪郭、又は拡張した膵管の高エコー病巣、高エコーストランド、又は高エコー小葉のうち1つ以上を含みうる。BalthazarらのRadiology 156:767-772 (1985)、BalthazarのRadiology 174:331-336 (1990)、又はMorteleらのAm. J. Roentgenology, 183: 1261-1265 (2004)などに記載されるCT重症度指数もまた使用されうる。幾つかの実施態様では、腹壁浮腫、又はYang, et al., Eur.J. Radiology, 81:3041-3047 (2012)に記載されるMRI重症度指数(MRSI)でのスコアの上昇の所見もまた、評価基準として用いられうる。幾つかの実施態様では、胆管又は胆嚢結石の視覚化もまた評価基準として用いられうる。
IL−22
本明細書では、用語「インターロイキン−22」又は「IL−22」とは、(a)Dumoutierらの米国特許第6,359,117号に記載されるヒト/マウスIL−22と同一のアミノ酸配列、及び(b)天然のIL−22と同一の生物活性を本質的に有するタンパク質のことを指す。本発明のIL−22は、ヒトIL−22、組み換えヒトIL−22、マウスIL−22及び/又は組み換えマウスIL−22を含むがこれらに限定されない。
具体的には、IL−10関連T細胞由来誘導性因子(IL−TIF)としても知られるインターロイキン−22(IL−22)は、活性化T細胞及びナチュラルキラー細胞(NK細胞)において発現しそこから分泌される糖タンパク質である。活性化T細胞は、主にCD4+細胞、数ある中でもとりわけ、CD28経路活性化T1細胞、T17細胞及びT22細胞である。IL−22 mRNAの発現は、マウスのIL−9模倣T細胞及び肥満細胞ならびにコンカナバリンA(Con A)刺激脾臓細胞において最初に同定された(Dumoutier, et al., J. Immunology, 164:1814- 1819, 2000)。ヒトIL−22 mRNAは、抗CD3又はCon Aによって刺激されると、主に末梢T細胞で発現される。
天然のIL−22前駆体ペプチドは179アミノ酸残基からなり、一方、成熟ペプチドは146アミノ酸残基からなる。Dumoutierは、マウス及びヒトのIL−22クローン化DNA配列を最初に報告した(Dumoutier, et al., 2000; 米国特許第6,359,117号及び米国特許第6,274,710号)。IL−22は、LPSで刺激すると、活性化T細胞(とりわけT17細胞)、レクチン刺激脾臓細胞(Duroutier JI 2002)、IL−2/IL−12刺激NK細胞(Wolk, K et al, J.Immunology, 168:5379-5402, 2002)、及び、消化管、肝臓、胃、腎臓、肺、心臓、胸腺、脾臓を含む複数の器官及び組織で主に発現され、これらの器官及び組織における IL−22の発現の増加を測定することができる。IL−22 は、IL−22R1受容体とIL−10R2受容体の組み合わせを通じて生物学的機能を発現する。IL−22R1はIL−22に特異的な受容体であり、皮膚、腎臓、消化器系(膵臓、小腸、肝臓、大腸、結腸)及び呼吸器系(肺、気管支)で発現される。発表された研究により IL−22が免疫修飾物質であることが実証された。
IL−22二量体
本発明のIL−22二量体の構造は式Iに例示される。図1から3は本発明のIL−22二量体の代表的な構造を例証しており、担体タンパク質はヒトIgG(IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4など)のFc断片、又はヒトアルブミンを含むがこれらに限られない。
幾つかの実施態様では、本発明のIL−22二量体は、各単量体サブユニットがIL−22ドメイン及び二量体ドメインを含む、2つの単量体サブユニットを含む。各単量体サブユニットは、任意選択的なリンカー配列を介して二量体ドメインに結合したIL−22ドメインを含む。IL−22ドメインは、二量体ドメインのC末端又はN末端に存在しうる。IL−22二量体の担体タンパク質は二量体化を介した2つの二量体ドメインによって形成されている。典型的なIL−22二量体のアミノ酸配列は 配列番号5に示されており、ここでアミノ酸残基1−146はIL−22を表し、アミノ酸残基147−162はリンカーを表し、残基163−308は別のIL−22を表している。
この実施態様のIL−22二量体の形成に用いられる、Fc断片を伴う典型的なIL−22単量体のアミノ酸配列は配列番号4に示されており、ここでアミノ酸残基1−146はIL−22を表し、アミノ酸残基147−162はリンカーを表し、残基163−385はヒトIgG2のFc断片を表している。二量体は、Fc断片のカップリングを介して、Fc断片を伴う2つのIL−22単量体によって形成されている。
この実施態様のIL−22二量体の形成に用いられる、Fc断片を伴う典型的なIL−22単量体のアミノ酸配列は配列番号6に示されており、ここでアミノ酸残基1−146はIL−22を表し、アミノ酸残基147−152はリンカーを表し、残基153−375はヒトIgG2のFc断片を表している。二量体は、Fc断片のカップリングを介して、Fc断片を伴う2つのIL−22単量体で形成されている。この実施態様のIL−22二量体の形成に用いられる、Fc断片を伴うIL−22単量体のアミノ酸配列は配列番号7に示されており、ここでアミノ酸残基1−223はヒトIgG2のFc断片を表し、アミノ酸残基224−239はリンカーを表し、残基240−385はIL−22を表している。二量体は、Fc断片のカップリングを介して、Fc断片を伴う2つのIL−22単量体で形成されている。この実施態様のIL−22二量体の形成に用いられる、Fc断片を伴う2つのIL−22単量体のアミノ酸配列は配列番号8に示されており、ここでアミノ酸残基1−223はヒトIgG2のFc断片を表し、アミノ酸残基224−229はリンカーを表し、残基230−375はIL−22を表している。二量体は、Fc断片のカップリングを介して、Fc断片を伴う2つのIL−22単量体で形成されている。
本明細書及び特許請求の範囲において、用語「リンカーペプチド」又は「リンカー」は、1つのIL−22単量体と担体タンパク質の間、又は1つのIL−22単量体(又はIL−22ドメイン)と二量体ドメインとの間に配置され、かつ、2つのドメインを互いに接続するオリゴペプチドのことを指す。リンカーの長さに特別な制限は存在しない。リンカーは、通常、5から50長のアミノ酸残基である。一般に、リンカーは、2つのIL−22単量体の立体配置によって形成される適切な折り畳みと配座に影響を与えないか、又は顕著に影響を与える。リンカーの幾つかの例は、含む(が限定されない)。
好ましくは、リンカーは、下記から選択されるアミノ酸配列を含む:
(a)3−16の疎水性アミノ酸残基Gly又はProを有するアミノ酸配列、例えばGly−Pro−Gly−Pro−Gly−Proなど;
(b)マルチクローニングサイトによってコードされるアミノ酸配列。このような配列は通常、5−20のアミノ酸残基、好ましくは10−20のアミノ酸残基を含む;
(c)IL−22単量体以外のタンパク質のアミノ酸配列、例えばIgG又はアルブミンのアミノ酸配列;及び
(d)上記(a)、(b)、及び(c)のいずれかの組み合わせを含むアミノ酸配列。
1つの好ましい実施態様では、リンカーは、GSGGGSGGGGSGGGGS(すなわち、配列番号1のアミノ酸残基)及びASTKGP(すなわち、配列番号10のアミノ酸残基)の配列を有する。
加えて、IL−22単量体の生物活性に影響を与えないアミノ酸配列を融合タンパク質のN末端又はC末端に加えることもできる。好ましい実施態様では、このような追加されたアミノ酸配列は、発現(例えばシグナル・ペプチド)、精製(例えば6×His配列、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)α−因子シグナル・ペプチド(Glu−Lys−Arg)の切断部位)、又は融合タンパク質の生物活性の強化にとって有益である。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は2つの単量体サブユニットを含み、各単量体サブユニットはIL−22ドメイン及び二量体ドメインを含む。幾つかの実施態様では、IL−22ドメインは二量体ドメインのN末端と融合する。幾つかの実施態様では、IL−22ドメインは二量体ドメインのC末端と融合する。幾つかの実施態様では、IL−22ドメイン及び二量体ドメインは、任意選択的なペプチドリンカー(例えば約5から約50のアミノ酸長のペプチドリンカー、例えば配列番号10の配列を有するリンカー)を介して結合する。幾つかの実施態様では、IL−22二量体の二量体ドメインはロイシンジッパーを含む。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は2つのIL−22単量体サブユニットを含み、各単量体サブユニットは、IL−22単量体及び、免疫グロブリンFc断片の少なくとも一部分(「Fc断片」、又はいわゆるFc領域)を含む。幾つかの実施態様では、IL−22ドメインはFc断片のN末端と融合する。幾つかの実施態様では、IL−22ドメインはFc断片のC末端と融合する。幾つかの実施態様では、IL−22ドメイン及びFc断片は、任意選択的なペプチドリンカー(例えば約5から約50のアミノ酸長のペプチドリンカー、例えば配列番号1又は配列番号10の配列を有するリンカー)を介して結合する。幾つかの実施態様では、IL−22ドメインは配列番号3の配列を有する。幾つかの実施態様では、Fc断片は分子間ジスルフィド結合を形成可能な少なくとも2つのシステインを含む。幾つかの実施態様では、Fc断片はN末端で切断されており、例えば、完全免疫グロブリンFcドメインの最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10アミノ酸を欠失している。幾つかの実施態様では、Fc断片はIgG2型のものである。幾つかの実施態様では、Fc断片はIgG4型のものである。幾つかの実施態様では、Fc断片は配列番号2又は配列番号9の配列を有する。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は2つのIL−22単量体サブユニットを含み、各単量体サブユニットは、配列番号4又は配列番号6〜8のいずれかの配列を含む(例えば、有する)。
本発明は、それらの特性及び、強化又は低減した活性を有する変異に顕著に影響を与えない、機能的に等価なタンパク質を含む、本明細書に記載のポリペプチドに対する修飾も包含している。ポリペプチドの修飾は当技術分野における常套手法であり、本明細書で詳細に説明する必要はない。修飾ポリペプチドの例は、アミノ酸残基の同類置換、機能活性を顕著に悪化させないアミノ酸の1つ以上の欠失又は付加、機能活性を顕著に悪化させない非保存的突然変異、又は化学的類似体の使用を伴ったポリペプチドを含む。
アミノ酸配列挿入は、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの長さにわたるアミノ及び/又はカルボキシ末端融合、並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例としてN末端メチオニル残基又はエピトープタグが挙げられる。IL−22単量体サブユニットの他の挿入変異体は、ポリペプチドのN末端又はC末端、もしくはIL−22二量体の血清半減期を延長させるポリペプチドに対する融合を含む。
20アミノ酸がタンパク質によく見られる。それらのアミノ酸は、側鎖の化学的特性に基づいて、9つのクラス又はグループに分類することができる。1つのアミノ酸残基で同一のクラス又はグループ内にある別のアミノ酸を置換することは、本明細書では「保存的」置換と称される。保存的アミノ酸置換は、タンパク質の立体配置又は機能を顕著に変化させることなく、タンパク質に頻繁に行われうる。対照的に、非保存的アミノ酸置換は、タンパク質の立体配置又は機能を破壊する傾向にある。似た側鎖を有するアミノ酸残基ファミリは当技術分野において定義されている。これらのファミリは、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。(下記表1参照。)
Figure 2019206548
幾つかの実施態様では、保存的アミノ酸置換は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、及びロイシン(L)のいずれかでこれらの脂肪族アミノ酸の他のいずれかを置換;セリン(S)でスレオニン(T)を置換及びその逆;アスパラギン酸(d)でグルタミン酸(E)を置換及びその逆;グルタミン(Q)でアスパラギン(N)を置換及びその逆;リシン(K)でアルギニン(R)を置換及びその逆;フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)及びトリプトファン(W)でこれらの芳香族アミノ酸の他のいずれかを置換;ならびにメチオニン(M)でシステイン(c)を置換及びその逆を含む。特定のアミノ酸の環境及びタンパク質の3次元構造におけるその役割に応じて、他の置換もまた保存的とみなされうる。例えば、グリシン(G)及びアラニン(A)は、アラニン(A)とバリン(V)が可能であるように、しばしば置き換え可能である。比較的疎水性であるメチオニン(M)は、しばしばロイシン及びイソロイシンと置換することができ、時にはバリンとも置換可能である。リシン(K)とアルギニン(R)は、アミノ酸残基の顕著な特徴がその変更であり、これら2つのアミノ酸残基の異なるpKが顕著ではない位置において、しばしば置換可能である。さらに他の変更もまた特定の環境においては「保存的」であるとみなされうる(例えば、Biochemistry, pp. 13-15, 2nd ed. Lubert Stryer ed. (Stanford University); Henikoff et al., Proc.Nat’l Acad.Sci.USA (1992) 89:10915-10919; Lei et al., J. Biol.Chem.(1995) 270(20):11882-11886参照)。
驚くべきことに、ある特定のIL−22二量体は、インビトロアッセイにおいてIL−22よりも低い活性を有するが、それらは膵炎の治療におけるインビボ環境では顕著にIL−22より活性が高いことが見出された。例えば、幾つかの実施態様では、本明細書に記載のIL−22二量体は、インビトロでの細胞増殖アッセイにおいて、約20ng/mL以上(例えば約100ng/mL以上、約200ng/mL以上、約300ng/mL以上、約400ng/mL又はそれ以上のいずれかを含む)のEC50を有する。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、インビトロでの細胞増殖アッセイにおいて、野生型の単量体のIL−22(例えば配列番号3の配列を有する単量体のIL−22)の少なくとも約5倍(例えば、少なくとも約10倍、30倍、50倍、100倍、150倍、300倍、400倍、500倍、600倍、1000倍又はそれ以上のいずれかを含む)のEC50を有する。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、インビトロでのSTAT3刺激アッセイにおいて、約10ng/mL以上(例えば約50ng/mL以上、約100ng/mL以上、約200ng/mL以上、約300ng/mL以上、約400ng/mL又はそれ以上のいずれかを含む)のEC50を有する。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、インビトロでのSTAT3刺激アッセイにおいて、野生型の単量体のIL−22(例えば配列番号3の配列を有する単量体のIL−22)の少なくとも約10倍(例えば少なくとも約50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍、1500倍又はそれ以上のいずれかを含む)のEC50を有する。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、IL−22単量体よりも顕著に長い血清半減期を有する。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、少なくとも約15、30、50、100、150、200、250、300、又は350時間のいずれかの血清半減期を有する。幾つかの実施態様では、IL−22二量体の投与量は2μg/kgであり、血清半減期は少なくとも約15、30、50、100、150、又は200時間のいずれかである。幾つかの実施態様では、IL−22二量体の投与量は10μg/kgであり、血清半減期は少なくとも約50、100、150、又は200時間のいずれかである。幾つかの実施態様では、IL−22二量体の投与量は30μg/kgであり、血清半減期は少なくとも約100、150、200、又は250時間のいずれかである。幾つかの実施態様では、IL−22二量体の投与量は45μg/kgであり、血清半減期は少なくとも約100、150、200、250、300、又は350時間のいずれかである。
IL−22二量体の調製
IL−22二量体のIL−22単量体サブユニットは、組み換えDNA技術を用いて発現されうる。IL−22単量体サブユニットをコードするヌクレオチド配列は、既知の技術を使用して、複製可能なクローニング又はタンパク質発現ベクターに制限部位において挿入することができる。幾つかの実施態様では、IL−22単量体サブユニットをコードする単一のヌクレオチド配列がクローニング又は発現ベクターに挿入される。幾つかの実施態様では、IL−22領域をコードするヌクレオチド配列及び延長ペプチド領域をコードするヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列がタンパク質として発現される場合に、連続するポリペプチドが形成されるように、クローニング又は発現ベクター内に別々に挿入されうる。幾つかの実施態様では、リンカーをコードするヌクレオチド配列、二量体ドメインをコードするヌクレオチド配列、及びIL−22領域をコードするヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列がタンパク質として発現される場合に、連続するポリペプチドが形成されるように、クローニング又は発現ベクター内に別々に挿入されうる。幾つかの実施態様では、IL−22単量体サブユニットをコードするヌクレオチド配列は、限定はしないが、His−タグ、FLAG−タグ、SUMO−タグ、GST−タグ、抗体タグ、又はMBP−タグなどのアフィニティータグ又は識別タグをコードするヌクレオチド配列に融合されうる。幾つかの実施態様では、クローニング又は発現ベクターは、その後、既知の技術を使用して真核細胞又は原核細胞にトランスフェクト又は転換されうる。幾つかの実施態様では、IL−22又はIL−22単量体サブユニットはインビトロで発現されうる。
発現宿主細胞は、IL−22二量体を発現可能ないずれかの細胞でありうる。適切な原核性の発現宿主細胞は、大腸菌(Escherichia coli)、エルウィニア(Erwinia)、クレブシエラ(Klesbsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、赤痢菌(Shigella)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、シュードモナス(Pseudomonas)、及びストレプトミセス(Streptomyces)を含みうるがこれらに限られない。菌類又は酵母などの真核細胞もまたIL−22単量体サブユニットの発現に適切でありえ、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロミセス・フラジリス(Kluyveromyces fragilis)、クルイベロミセス・ウォルティ(Kluyveromyces waltii)、クルイベロミセス・ドロソフィラルム(Kluyveromyces drosophilarum)、クルイベロミセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)、クルイベロミセス・マルキアヌス(Kluyveromyces marxianus)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、アカパンカビ(Neurospora crassa)、シュワニオミセス(Schwanniomyces)、アオカビ(Penicillium)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、シネココッカス(Synechococcus)及びアスペルギルス(Aspergillus)が挙げられるがこれらに限られない。クラミドモナス(Chlamydomonas)などの植物又は藻の細胞もまた、IL−22単量体サブユニットの発現にとって適切でありうる。多細胞生物に由来する真核細胞もIL−22単量体サブユニットの発現に適切でありえ、例えば、ショウジョウバエ(Drosophila)S2及びスポドプテラ(Spodoptera)Sf9などの無脊椎動物細胞、又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、COS細胞、ヒト胎児由来腎臓細胞(HEK293細胞など)、マウス精巣栄養膜細胞、ヒト肺細胞、及びマウス乳がん細胞などの哺乳動物細胞が挙げられるが、これらに限られない。IL−22単量体サブユニット・クローニングプラスミドが宿主細胞内に転換又はトランスフェクトされた後、宿主細胞は通常の栄養培地上で成長させることができ、必要に応じてタンパク質発現が誘発される。幾つかの実施態様では、IL−22単量体サブユニットの発現は誘発を必要としない。
幾つかの実施態様では、発現されたIL−22単量体サブユニットはIL−22二量体の形態をしている。幾つかの実施態様では、IL−22単量体サブユニットは、酸化化合物(過酸化水素又は触媒金属など)、紫外線、又は化学架橋剤(ホルムアルデヒド、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,3−ジブロモ−2−プロパノール、ビス(2−クロロエチル)スルフィド、又はグルタルアルデヒドなど)を供給することによるなど、さらに誘発を必要とする。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体の形成は誘発を必要としない。幾つかの実施態様では、IL−22二量体の発現に用いられる宿主細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は任意の数のタンパク質精製法を使用して精製されうる。例えば、IL−22二量体は、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相HPLC、サイズ排除クロマトグラフィー、沈殿、又は遠心分離を使用して精製されうる。幾つかの実施態様では、IL−22単量体サブユニットポリペプチドに融合されたアフィニティータグが除去されうる。
IL−22二量体の調製方法は、参照することによって本明細書中に取り込まれる2011年8月30日にGeneron (Shanghai) Corporation, LTDが出願した国際出願第PCT/CN2011/079124号を参照されたい。
IL−22二量体の投与
本明細書に記載されるIL−22二量体は、さまざまな経路で個体に投与することができる。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、非経口、静脈内、経口、筋肉内、又は皮下に投与することができる。
幾つかの実施態様では、個体は哺乳動物であり、好ましくはヒト、齧歯動物、又は霊長類のいずれかを含む。
個体(ヒトなど)に投与されるIL−22二量体の本発明にかかる組成物の投与量は、特定の組成物、投与方法、及び治療される膵炎の特定の種類に伴って変化する。投与量は、特定の疾患に対する治療又は予防応答など、所望の応答に影響を与えるのに十分であるべきである。幾つかの実施態様では、有効量は疾患の進行を遅延させるのに十分な量である。幾つかの実施態様では、有効量は発生及び/又は再発を予防するのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与することができる。IL−22二量体の適切な用量としては、例えば、約1.5μg/kgから約500μg/kg、約2μg/kgから約200μg/kgを含み、例えば約5μg/kgから約80μg/kg、約10μg/kgから約45μg/kg、又は約30μg/kgから約40μg/kgが挙げられる。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は毎週1回投与される。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は24週間ごとに1回投与される。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は12か月ごとに1回投与される。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は1回のみ投与される。
幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、少なくとも約10μg/kg、20μg/kg、30μg/kg、40μg/kg、又は50μg/kgのいずれかの投与量で静脈内投与される。幾つかの実施態様では、IL−22二量体は、毎週1回、毎月1回、2か月ごとに1回、又は6か月ごとに1回以下の頻度で投与される。
キット及び医薬
本明細書に記載される方法のいずれか1つに適切なキット、医薬、単位用量、又は製品が提供される。例えば、幾つかの実施態様では、IL−22二量体及び膵炎の治療のためのIL−22二量体の使用についての指示書を含むキットが提供される。
本明細書に記載されるIL−22二量体は、膵炎の治療に使用するための薬学的に許容される賦形剤又は担体と共に製剤化することができる。
本発明の医薬組成物は、安全かつ有効な量の前記IL−22二量体、又は薬学的に許容される塩、もしくは薬学的に許容される賦形剤又は担体を含む。「安全かつ有効な量」とは、重大な副作用を生じさせずにそれを必要とする患者の病状を実質的に改善するのに十分な化合物の量のことを指す。安全かつ有効な量は、治療の対象に関連する年齢、状態、及び投与計画などの具体的な状況に基づいて決定される。
「薬学的に許容される賦形剤又は担体」とは、十分な純度及び十分に低い毒性を伴う、ヒトに用いるのに適した、1つ以上の混和性のある固体又は液体の充填剤又はゼラチン材料のことをいう。「混和性」とは、化合物の臨床的有効性を実質的低下させることなく、本発明の化合物と緊密に混合するための組成物の各成分の能力及び成分間の緊密混合能力のことをいう。薬学的に許容される賦形剤又は担体の例の幾つかとして、セルロース及びその誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、アセチルセルロ-ス等)、ゼラチン、スペックストーン, 固形潤滑剤(例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば豆油(pea oil)、ゴマ油、ピーナツ油、オリーブ油等)、ポリオール(例えばプロピレングリコール、グリセロール、マンニトール、ソルビトール等)、乳化剤(例えばTween(商標登録))、湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、着色剤、香味剤、安定剤、抗酸化剤、 防腐剤、発熱性物質除去蒸留水等が挙げられる。
本発明のIL−22二量体の投与経路は、経口投与、直腸投与、非経口投与(静脈内、筋肉内、又は皮下)、及び局所投与を含む。
経口投与のための固形の形状は、カプセル、錠剤、丸薬、粉末及び顆粒を含む。これらの固形形状では、活性化合物は、クエン酸ナトリウム、リン酸二カルシウム又は次の成分のいずれかなど、通常の不活性な賦形剤(又は担体)のうちの少なくとも1つと混合される:(a)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸;(b)付着剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン, ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシア;(c)保湿剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム, ジャガイモデンプン又はキャッサバデンプン、アルギン酸、複合ケイ酸塩(compounded silicate)、及び炭酸ナトリウム;(e)緩衝剤、例えばパラフィンワックス;(f)吸収促進剤、例えば第4級アミン化合物;(g)湿潤剤、例えばセタノール及びモノステアリン酸グリセリン;(h)吸収剤、例えばカオリン;及び(i)潤滑剤、例えばスペックストーン、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、又はそれらのいずれかの混合物。カプセル、錠剤、及び丸薬もまた緩衝剤を含みうる。
錠剤、糖衣錠(sugar pill)、カプセル、丸薬、及び顆粒などの固形の形状は、ケーシング及び当技術分野で既知の他の材料など、コーティング及びコアシェル材料と共に調製することができる。これらの材料は、乳白剤及び活性化合物又は、放出が消化管の一部でなされるような遅延された方式でこれらの組成物が放出されうる化合物を含みうる。ポリマー材料及びワックス材料などの埋め込み成分を使用することができる。必要に応じて、活性化合物は上述の賦形剤の1つ以上と混合し、マイクロカプセルの形態に製剤化することができる。
経口投与の液状の形態は、薬学的に許容される エマルション、溶液、懸濁液、シロップ、又はチンキ剤を含む。活性化合物の他に、液体形態には、水又は他の溶媒などの当技術分野で通常用いられる不活性希釈剤、可溶化剤(solublilizing agent)及び乳化剤、例えばエタノール、イソプロパノール、カーボネートアセテート(carbonate acetate)、酢酸エチル、プロパン−2−オール、1,3−ブタン−2−オール、ジメチルホルムアミド(dimethylfomamide)、及び油、特に綿実油、ピーナツ油、トウモロコシ胚油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油又はそれらのいずれかの混合物なども含めることができる。
これらの不活性希釈剤の他に、組成物に、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、中和剤、及び香辛料などの添加剤も含めることができる。
活性化合物の他に、懸濁液には、エトキシルイソステアリン酸アルコール(ethoxyl isostearic alcohol)、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタン、微結晶セルロース、アルミニウムメトキシド、寒天、又はそれらのいずれかの混合物などの懸濁剤をも含めることができる。
非経口投与に用いられる組成物には、滅菌水又は無水溶液、分散液、懸濁液、又はエマルション等の生理学的に許容可能な液体の組み合わせも含めることができる。 適切な水和担体又は無水担体、希釈剤、溶剤、又は賦形剤は、水、エタノール、ポリオール(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン(glycerinum)等)、及びそれらの適切な混合物を含み、それらは中国薬局方又は他国の薬局方に記載されている。好ましくは、液体組成物は、IL−22二量体の機能を抑制しないことを条件として、通常使用される薬学的に許容される添加剤を含めることができる。代表的な添加剤としては、緩衝剤、PH調節剤、及び同様のものが挙げられる(がこれらに限られない)。
非経口投与に用いられる組成物には、注入可能な溶液又は分散液に再構成することができる滅菌粉末(例えば、凍結乾燥粉末)をも含めることができる。好ましくは、凍結乾燥粉末には、IL−22二量体の機能を抑制しないことを条件として、通常使用される薬学的に許容される添加剤も含めることができる。代表的な添加剤としては、緩衝剤、PH調節剤が挙げられる(がこれらに限られない)。好ましくは、凍結乾燥粉末を溶解するのに用いられる溶媒として、グルコース溶液、塩化ナトリウム溶液が挙げられる(がこれらに限られない)。
幾つかの実施態様では、本明細書に記載のIL−22二量体は、例えば、静脈内プッシュ又は静脈内注入など、静脈内投与することができる。
部分的投与に用いられる本発明のIL−22二量体の形態は、軟膏、粉末、パッチ、噴霧器、及び吸入剤を含む。滅菌条件下では、活性成分は、生理学的に許容可能な担体、及び必要に応じて、いずれかの防腐剤、緩衝剤、又は推進剤と混合することができる。
本発明のIL−22二量体は、単独で投与、又はいずれかの他の薬学的に許容される化合物と組み合わせて投与することができる。
本発明のIL−22二量体を含むマイクロカプセルを徐放性システムとして使用することができる。組み換えタンパク質の徐放性のマイクロカプセルシステムは、組み換えヒト成長ホルモン(rhGH)、組み換えヒトインターフェロン(rhIFN)、IL−2及びMNrgp120に首尾よく適用されている(Johnson et al., Nat. Med., 2:795-799 (1996); Yasuda, Biomed.Ther 27:1221-1223 (1993); WO 97/03692, WO 96/40072, WO 96/07399; US 5,654,010)。
本発明のIL−22二量体の徐放性システムは、良好な生物学的混和性及び幅広い生物学的分解性を有する乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)を用いて調製することができる。PLGAの分解生成物である乳酸及びグリコール酸は、人体から急速に除去することができる。さらには、該ポリマーの分解性は、その分子量及び組成に応じて数か月から数年まで変化しうる(Lewis, "Controlled release of bioactive agents form lactide/glycolide polymer," in: M. Chasin and R. Langer (Eds.), Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems (Marcel Dekker: New York, 1990), pp. 1-41)。
本発明の医薬組成物の用量及び濃度は実際の使用状況により調整することができる。実用的ニーズに従って適切な用量及び投与経路を選択する方法については、当業者は知っているはずである。マウスとヒトなど、異種間の調整の原理については、Mordenti, J. and Chappell, W. "The use of interspecies scaling in toxicokinetics" In Toxicokinetics and New Drug Development, Yacobi et al.; Pergamon Press, New York 1989, pp. 42-96に記載されている。
本明細書に記載の組成物を適切な包装内に含む製造物品もまた提供される。本明細書に記載の組成物にとって適切な包装は当技術分野で知られており、例えば、バイアル(密封バイアルなど)、容器(密封容器など)、アンプル、ボトル、広口瓶、フレキシブル包装(例えば、密封マイラー又はプラスチックバッグ)、及び同様のものが挙げられる。これらの製造物品はさらに滅菌及び/又は封止されてもよい。本明細書に記載の組成物を含む単位用量形態もまた提供される。これらの単位用量形態は単一又は複数の単位用量で適切な包装内に保存することができ、それらをさらに滅菌及び封止してもよい。
本発明はまた、本明細書に記載の組成物(又は単位用量形態及び/又は製造物品)を含むキットも提供し、本明細書に記載の使用など、組成物の使用方法についての指示書をさらに含みうる。幾つかの実施態様では、本発明のキットは上述の包装を含む。他の実施態様では、本発明のキットは上述の包装を含む。本明細書に記載のキットは、商業的及び使用者の観点から望ましい他の材料を含んでいてもよく、他の緩衝剤、希釈剤、フィルタ、針、シリンジ、及び本明細書に記載のいずれかの方法を実施するための指示が書かれた添付文書が挙げられる。
本発明の主な利点としては、限定はしないが、次の点が挙げられる:
1.IL−22単量体と比較して、IL−22二量体の生物活性は、インビボにおいて、IL−22単量体の活性よりも顕著に高い。
2.IL−22二量体は、動物モデルにおける膵炎の予防及び/又は治療に効果的であることが証明されている。IL−22二量体は、膵炎を患う個体における血清アミラーゼ及び/又はリパーゼのレベルを顕著に低減し、インビボでの膵臓の浮腫を改善し、腺房細胞及び/又は脂肪細胞の壊死を抑制し、かつインビボでの膵臓の炎症性細胞浸潤を改善することができる。等モルのIL−22投与量において、IL−22二量体は、IL−22単量体と比較して、膵炎の動物モデルにおいて、より良好な治療効果を示す。
3.驚くべきことに、IL−22二量体の皮下注射が注射部位における有害事象の遅延を生じさせるのに対して、IL−22二量体の静脈注射は優れた忍容性及び安全性を示すことが初めて見出された。
4.IL−22二量体は、ヒトにおける顕著な生物活性、CRP、SAA血清レベルの上昇及び血清TGレベルの低減をもたらす。
5.IL−22二量体の投与は、ヒトにおける炎症性サイトカインの血清レベルの上昇をもたらさない。本明細書に記載の発明の態様及び実施態様は、態様及び実施態様「からなる」及び/又は「から本質的になる」ことを含むことが理解される。
「約」に関しては、本明細書における値又はパラメータは、その値又はパラメータ自体を対象とするバリエーションを含む(及び説明する)。例えば、「約X」という記述は、「X」の記述を含む。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「or」、及び「the」は、文脈から明らかにそうでないと示唆されない限り、複数の指示対象を含む。本明細書に記載される発明の態様及びバリエーションは、その態様及びバリエーション「からなる」及び/又は「から本質的になる」ことを含むことが理解される。
次の典型的な実施態様は本発明をさらに説明する。この説明は特定の実施態様について言及しているが、これらの具体的詳細のバリエーションを伴って実施されうることは、当業者にとって明白であろう。よって、本発明は本明細書に記載される実施態様に限定されると解釈されるべきではない。さらには、 実験方法の詳細が記載されていない実施態様については、このような方法は、Sambrook et al.Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)に記載されるものなど、通常の条件に従って、又は製造業者が示唆するように行われる。
実施例1 Colo205細胞におけるIL−22又はIL−22二量体の増殖効果
Colo205細胞をRPMI1640 10% FBS培地で培養し、細胞を対数期まで成長させた。上清を廃棄し、PBSを添加して残留培地を洗い流し、その後、消化用に2−5mLの0.25%トリプシン−EDTAを添加した。次いで培地を加え、ピペット操作によって均質になるまで混合した。混合物を1500rpmで5分間遠心分離にかけ、細胞を回収し、基本培地を用いて5.0*10細胞/mlの細胞懸濁液へと調製した。96ウェルプレート(100μL/ウェル)のウェル内に懸濁液を加え、37℃、5% CO2のインキュベータ内に一晩置いた。翌日、96ウェルプレートをCO2インキュベータから取り出し、4℃、800rpmで5分間、遠心分離にかけた。次いで、各ウェルから90μLの細胞上清を取り出し、90μLの0.1% BSA/RPMI 1640を各ウェルに加え、その後、IL−22二量体(それぞれ配列番号4を含む2つの単量体サブユニットからなる)を1.4、4.1、12.3、37.0、111.1、333.3、1000、3000ng/mLの最終濃度まで、IL−22(rhIL−22、いわゆる組み換えヒトIL−22)を0.01、0.04、0.12、0.37、1.1、3.3、10、30ng/mLの最終濃度まで加えた。混合物を、5% CO2のインキュベータ内で、37℃で20時間、インキュベートし、細胞上清を回収し、そのOD値をIL−22 ELISAキット(R&D社、カタログ番号:S1000B)を使用して試験した。
図4に示すように、IL−22二量体の半数効果濃度(EC50)値は229ng/mL(2,675pM)であり、IL−22の値は0.54ng/mL(32.4pM)である。これは、インビトロでの活性実験において、IL−22二量体の生物活性がIL−22単量体の活性よりもはるかに低いことを示している。
実施例2 Colo205細胞のSTAT3活性化におけるIL−22又はIL−22二量体の効果
Colo205細胞をRPMI1640 10% FBS培地で培養し、細胞を対数期まで成長させた。上清を廃棄し、PBSを添加して残留培地を洗い流し、その後、消化用に2〜5mLの0.25%トリプシン−EDTAを添加した。次いで培地を加え、ピペット操作によって均質になるまで混合した。混合物を1500rpmで5分間の遠心分離にかけ、細胞を回収し、基本培地RPMI1640を用いて2.0*10細胞/mlの細胞懸濁液へと調製した。懸濁液を96ウェルプレート(100μL/ウェル)のウェルに加え、37℃で6時間、5% CO2のインキュベータ内に置いた。懸濁液を、それぞれ、さまざまな濃度のrhIL−22又はIL−22二量体(各々配列番号4に示す配列を含む2つの単量体サブユニットからなる)で1時間処理した。上清を廃棄後、40μLの細胞溶解バッファ(カタログ番号:9803S、Cell Signalling社)を各ウェルに加えた。遠心分離によって上清を回収した。ブラッドフォード法を用いてタンパク質濃度を決定した。加えて、ELISA法(STAT3 [pY705]phosphor ELISAキット(Invitrogen社、カタログ番号:KH00481)を使用してSTAT3リン酸化レベルを測定した。pSTAT3含量は、pSTAT3の検出濃度をタンパク質濃度で割ることによって計算される。
図5に示すように、STAT3を活性化するIL−22二量体の半数効果濃度(EC50)値は119.5ng/mL(1394pM、IL−22二量体の理論分子量である85.7KDを使用して計算)であり、IL−22の値は0.14ng/mL(6.9pM、IL−22の分子量である16.7KDを使用して計算)である。
実施例3 SDラットの臓器組織におけるIL−22二量体の分布
18匹のSDラットを、無作為に、一群あたり6匹ずつの3つの群に分けた(半数はオス、半数はメス)。動物に、ヨードゲン法で標識化した125I−IL−22二量体(各々配列番号4に示す配列を含む2つの単量体サブユニットからなる)を30μg/kgの投与量で尾静脈注射した。動物をそれぞれ注射後2、24及び48時間の時点で殺処分した。臓器組織を採取し、重さを量り、放射能計数を直接測定した。次いで、組織のグラム当たりの放射能計数を計算した。
結果は、IL−22二量体が、注射後48時間にわたり、膵臓において安定であったことを示した。図6に示すように、注射後24及び48時間の時点での膵臓におけるIL−22二量体の濃度は56%に、2時間の時点でのIL−22二量体の濃度は21%に、それぞれ低下した。注射後24時間及び48時間の時点での肝臓におけるIL−22二量体の濃度は28%に、2時間の時点でのIL−22二量体の濃度は9%に、それぞれ低下した。注射後2時間の時点の膵臓におけるIL−22二量体の濃度は、肝臓におけるIL−22二量体の濃度の約1/5であった。
実施例4 カニクイザルの臓器組織におけるIL−22二量体の分布
体重4.3から4.6kgの3匹のオスのカニクイザルに、IL−22二量体(各々配列番号4に示す配列を含む2つの単量体サブユニットからなる)を100μg/kgの投与量で静脈注射した。注射後2時間の時点で動物を殺処分した。臓器組織を採取し、液体窒素中で保管した。組織の重さを量り、溶解バッファを加えて溶解させて組織のホモジネートを得た。遠心分離の後、上清を分離し、タンパク質濃度決定に供した。組織中のIL−22二量体濃度は、ELISA法(ヒトIL−22 ELISAキット、Biolegend社、カタログ番号:434506)を使用して測定した。
結果は、膵臓におけるIL−22二量体の濃度がかなり低い(約0.76ng/mgタンパク質)ことを示した。図7に示すように、この濃度は、肝臓におけるIL−22二量体の濃度よりはるかに低い(肝臓における濃度の約1/5)。
実施例5 健康なヒト対象におけるIL−22二量体の臨床的安全性
方法:
健康な男性のボランティアを登録し、6つの用量群に無作為化された:
プラセボ群(n=8):静脈内注入による等体積の5%グルコース/生理食塩水の単回投与を受けた。
IL−22二量体 2.0μg/kg SC用量群(n=6)(SC群):2.0μg/kgのIL−22二量体の単回皮下投与を受けた。
IL−22二量体 2.0μg/kg IV用量群(n=6)(IV群):IL−22二量体を100mLの5%グルコース/生理食塩水の溶液に溶解し、静脈内注入により2μg/kgの単回用量で投与された。
IL−22二量体 10μg/kg IV用量群(n=6)(IV群):IL−22二量体を100mLの5%グルコース/生理食塩水の溶液に溶解し、静脈内注入により10μg/kgの単回用量で投与された。
IL−22二量体 30μg/kg IV用量群(n=6)(IV群):IL−22二量体を100mLの5%グルコース/生理食塩水の溶液に溶解し、静脈内注入により30μg/kgの単回用量で投与された。
IL−22二量体 45μg/kg IV用量群(n=6)(IV群):IL−22二量体を100mLの5%グルコース/生理食塩水の溶液に溶解し、静脈内注入により45μg/kgの単回用量で投与された。
ここで、IL−22二量体は、各々配列番号4に示される配列を含む2つの単量体サブユニットからなる。
理学的検査、臨床検査、体重、生存兆候、心電図,及び腹部超音波等を通じて、安全性を評価した。さらに、血清レベルの薬物濃度、SAA−1、CRP、TG及びサイトカインを分析した。
結果:
A.有害事象
IL−22二量体 2.0μg/kg Sc用量群:研究薬物に関して、注入部位のドライスキン(×3)、紅斑(×2)、及び貨幣状湿疹(×1)を含む、合計6つが有害事象とみなされた。
IL−22二量体 2.0μg/kg IV用量群:有害事象は観察されなかった。
IL−22二量体 10μg/kg Iv用量群:悪寒(点滴関連反応)(×1)及び頭痛(×1)を含む、2つの有害事象が観察された。
IL−22二量体 30μg/kg IV用量群:局所的なドライスキン(×4)、アレルギー性皮膚炎(×1)、及び点滴関連反応(×1)を含む、6つの有害事象が観察された。
IL−22二量体 45μg/kg IV用量群:局所的なドライスキン(6)、眼の掻痒(×3)、紅斑性発疹(×2)、及び傾眠(×1)を含む、12の有害事象が観察された。
プラセボ群:上気道感染症(×1)、けん怠感(×1)及び多汗症(×1)を含む有害事象が観察された。
有害事象、理学的検査、臨床検査、体重、生存兆候、心電図、及び腹部超音波データ等の結果は、45μg/kgの用量のIL−22二量体の単回の静脈内投与が、重篤な有害事象又は生命を脅かすような有害事象を観察されることなく、良好な安全性プロファイルを実証した。2.0μg/kg用量レベルでは、SCと比較して、IVでのIL−22二量体の投与後は、研究対象がはるかに良く耐えられたことを示唆する、より少ない有害事象が報告された(表2)。結果は、IL−22二量体の静脈内投与が皮下投与と比較して、より良好な安全性及び忍容性を有することを実証した。
Figure 2019206548
B.ヒトにおけるIL−22二量体の薬物動態
投与前及び投与後のさまざまな時点で静脈血試料を採取した。遠心分離後、血清を分離し、70℃未満で保管した。ELISA法(ヒトIL−22 ELISAキット、Biolegend社、カタログ番号:434506)を使用して血清中の薬物濃度を測定した。検出結果についてノンコンパートメントモデルを使用して、薬物動態パラメータを解析した(解析ソフトウェア:PhoenixTM WinNonlin(商標登録)(Pharsight Corporation,Version 6.2.1)。結果は、IL−22二量体がヒトにおいて非常に優れた半減期を有することを示し、とりわけ、45μg/kgの単回用量の群はIL−22単量体よりも顕著に良好な206時間の半減期を有していた。
Figure 2019206548
C.IL−22二量体は、SAA、CRPの血清レベルを顕著に上昇させ、TGの血清レベルを低下させることができる。
a.血清アミロイドタンパク質(SAA)
ELISA法(ヒトSAA ELISAキット、カタログ番号:KHA0011C、Invitrogen社)を使用して血清SAA−1の濃度を測定した。
結果は、IL−22二量体のIVの投与がヒトSAA血清濃度を顕著に上昇させることができることを示し、非常に顕著な生物活性を示唆している。図8Aに示されるように、プラセボ群と比較して、SAA−1の濃度はIL−22二量体の投与後12時間の時点において顕著に上昇した。SAAの高い血清濃度は、投与後12日目の45μg/kg用量群においても依然としてかなり高い。
Figure 2019206548
b.C反応性タンパク質
免疫透過濁度法を使用してC反応性タンパク質(CRP)のレベルを測定した。
図8Bに示されるように、IL−22二量体のIV投与は、プラセボ群と比較してC反応性タンパク質の血清濃度を顕著に増大させた。
c.トリグリセリド
自動血液生化学分析器を使用して、投与前後の血清トリグリセリドの変化を検出した。
図8Cに示すように、IL−22二量体のIV投与は、トリグリセリドの血清レベルを顕著に低下させ、プラセボ群と比較して明らかな用量反応関係を示した。
D.サイトカインアッセイ法
プラセボ群及びIL−22二量体 45μg/kg IV群の血清試料を、投与前及び投与後24時間、48時間に採取し、プロテオームプロファイラーアレイ−ヒト・サイトカインアレイパネルA(カタログ番号ARY005,R&D systems社)を使用して測定し、さまざまなサイトカインのレベルを得た。PBMC(ヒト末梢血単核細胞)を50ng/mLのPMA(ホルボールミリスタートアセタート)で24時間処理し、上清を陽性対照として使用した。200μLの各血清試料をロードし、キットの指示書に従って測定した。
図8Dに示すように、TNFα、IL−6、IL−1β、IL−8等の炎症性サイトカインのレベルは陽性対照(PBMCs+PMA)において著しく上昇した。プラセボ群と同様のプロファイルを示す、CD54、MIF、セルピンE1及びCCL5のレベルは、IL−22二量体 45μg/kg IV群において投与後24時間及び48時間に採取した血清試料では比較的高く、TNFα、IL−6、IL−1β、IL−8などの炎症性サイトカインのレベルは投与前に採取した血清試料と比較して著しい変化はなかった。これらは、IL−22二量体の投与が血清の炎症性サイトカインレベルの上昇をもたらさないことを実証した。
実施例6 胆膵管内へのタウロコール酸ナトリウムの逆行性注入による急性膵炎誘発性のラットモデルにおけるIL−22又はIL−22二量体の予防及び治療効果
胆膵管内へのタウロコール酸ナトリウムの逆行性注入によって誘発された急性膵炎モデルは、胆汁逆流膵炎の発症及び医薬の有効性を評価するために幅広く用いられている。この実験では、急性膵炎のラットモデルは、胆膵管内への0.1mL/100gの3.5% タウロコール酸ナトリウムの逆行性注入によってもたらされる。
SDラットを無作為に3つの群に分けた:
モデル対照群(n=6)は、手術前2時間の時点で等体積の溶媒の単回静脈注射を受けた。
IL−22単量体 40μg/kg群(n=7)、手術前2時間の時点で40μg/kgの組み換えヒトIL−22(rhIL−22)の単回静脈注射を受けた。
IL−22二量体 100μg/kg群(n=7)、手術前2時間の時点で100μg/kgのIL−22二量体(IL−22単量体 40μg/kg群と比較してIL−22分子の等モル用量を含む)の単回静脈注射を受けた。
IL−22二量体は、各々配列番号4に示される配列を含む、2つの単量体サブユニットからなる。
動物は水への自由なアクセスが与えられ、手術前の12時間は絶食させた。
外科的処置:
モデル群のラットをジエチルエーテルで麻酔した。腹部を正中切開によって開腹し、十二指腸及び総胆管を確認した後、微小血管のクランプを使用して、総胆管を肝門肝管の合流点で一時的に閉塞させた。十二指腸の側壁で腸間膜の無血管野を探し、0.4サイズの針を使用して穿刺し、腸間膜の無血管野において胆管−膵管内に横方向に挿入した。次にポリエチレン(PE)10チューブを、穴を介して8から10mm、十二指腸乳頭に沿って胆管−膵管内に挿入し、脱落を防ぐために固定した。3.5% タウロコール酸ナトリウム(0.1mL/100g)を逆行法でゆっくりと注入し、注入後8分間、針芯をそのままの状態に留めておいた。ポリエチレンチューブ及び微小血管のクランプを除去し、腹部を閉じた。ラットは手術後、食餌及び水への自由なアクセスが与えられた。手術後12時間の時点で、ラットの眼窩静脈叢から血液試料を採取し、次に遠心分離にかけて血清を分離した。アミラーゼ及びリパーゼの血清レベルを測定した。
手術後48時間の時点で、動物を殺処分した。ラットの膵臓組織を採取し、10%ホルマリン溶液で固定した。膵臓の頭部、体部、及び尾部の組織をスライスし、それぞれ3μmのパラフィン切片を作製した。切片をHEで染色し、病的変化を光学顕微鏡下で観察した。浮腫、壊死、出血、炎症性細胞浸潤等のスコアを、シュミットのスケールに従い、二重盲検方式で評価した(Schmidt et al.Ann Surg, 1992, 215(1):44-56)。各ラットについて膵臓の頭部、体部、及び尾部を含む3つの切片の採点を行った。
結果:
アミラーゼ及びリパーゼの血清レベルの顕著な上昇からも明らかなように、膵炎動物モデルを成功裏に確立した。図9A及び9Bに示されるように、モデル群と比較して、IL−22単量体はアミラーゼの血清レベルを低下させる傾向にあるが、顕著な差異はない。アミラーゼの血清レベルは、IL−22二量体の治療後に顕著に低下した(P=0.03)。モデル群と比較して、リパーゼの血清レベルはIL−22単量体の治療後に顕著に低下した(P=0.03)のに対し、リパーゼの血清レベルはIL−22二量体の治療後に顕著に上昇した(P=0.008)。等モルのIL−22用量では、IL−22二量体は膵炎ラットモデルにおいて治療的に有効であり、その有効性はIL−22よりも良好であったことは、注目に値する。顕微鏡下では、明らかな浮腫、大量の炎症性細胞浸潤、部分的な腺房細胞及び脂肪細胞の壊死、及び少量の出血が、モデル群の膵臓組織において観察された。IL−22二量体は膵炎の動物における病理学的スコアを顕著に改善することができ、膵臓における保護的役割を示す。等モルのIL−22用量では、膵臓におけるIL−22単量体の顕著な保護的効果は観察されない。
Figure 2019206548
本発明で述べられたすべての参照は、これら参照のそれぞれが個別に参照によって取り込まれるように、参照することにより本明細書に取り込まれる。記述は特定の実施態様についてなされているが、本発明がこれらの具体的詳細のバリエーションを用いて実施されうることは当業者にとって明白であろう。よって、本発明は本明細書に記載される実施態様に限定されると解釈されるべきではない。

Claims (42)

  1. 有効量のIL−22二量体を個体に投与することを含む、個体における膵炎を治療する方法。
  2. IL−22二量体は、2つの単量体サブユニットを含み、各単量体サブユニットはIL−22ドメイン及び二量体ドメインを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 単量体サブユニットは、任意選択的なリンカー配列を介して二量体ドメインに結合したIL−22ドメインを含む、請求項2に記載の方法。
  4. リンカー配列は約5から約50のアミノ酸である、請求項3に記載の方法。
  5. リンカー配列は配列番号1又は配列番号10の配列を含む、請求項4に記載の方法。
  6. リンカー配列は配列番号1又は配列番号10の配列を有する、請求項5に記載の方法。
  7. 二量体ドメインは分子間ジスルフィド結合を形成可能な少なくとも2つのシステインを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 二量体ドメインはFc断片の少なくとも一部を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. Fc断片はCH2ドメイン及びCH3ドメインを含む、請求項8に記載の方法。
  10. Fc断片は配列番号2又は配列番号9の配列を含む、請求項8に記載の方法。
  11. Fc断片は配列番号2又は配列番号9の配列を有する、請求項8に記載の方法。
  12. 単量体サブユニットの各々のIL−22ドメインは配列番号3の配列を有する、請求項2から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 単量体サブユニットの各々は配列番号4及び配列番号6から8から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項2から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. IL−22二量体は静脈内投与される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. IL−22二量体は約2μg/kgから約200μg/kgの量で投与される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. IL−22二量体は約5μg/kgから約80μg/kgの量で投与される、請求項15に記載の方法。
  17. IL−22二量体は約10μg/kgから約45μg/kgの量で投与される、請求項15に記載の方法。
  18. 膵炎は急性膵炎である、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 膵炎は慢性膵炎である、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 膵炎はアルコール誘発性膵炎である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 膵炎は再発性膵炎である、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 個体は、血清アミラーゼの上昇、血清リパーゼの上昇、尿中アミラーゼの上昇、又はC反応性タンパク質の上昇を示す、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. IL−22二量体は1週間に約1回以下で投与される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. IL−22二量体は1月に約1回以下で投与される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  25. IL−22二量体は3か月ごとに1回以下で投与される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  26. 有効量のIL−22二量体は個体における血清アミロイドAタンパク質又はC反応性タンパク質のレベルの上昇をもたらす、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 有効量のIL−22二量体は、個体におけるトリグリセリドの抑制をもたらす、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  28. 有効量のIL−22二量体は、炎症性サイトカインレベルの上昇をもたらさない、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  29. 炎症性サイトカインはTNF−α、IL−6、IL−1β、及びIL−8からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 二量体ドメインはIL−22二量体サブユニットのN末端にある、請求項2から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 二量体ドメインはIL−22二量体サブユニットのC末端にある、請求項2から29のいずれか一項に記載の方法。
  32. IL−22二量体を含む、膵炎を治療するためのキット。
  33. 膵炎の治療及び/又は予防のための薬剤の製造におけるインターロイキン−22(IL−22)二量体の使用。
  34. 前記膵炎は、急性膵炎、慢性膵炎、アルコール性膵炎、再発性膵炎、胆汁逆流膵炎、間質性膵炎、壊死性膵炎及びERCP後膵炎からなる群から選択される、請求項33に記載の使用。
  35. 前記IL−22二量体は、式I:
    M1−L−M2 式I
    [式中、
    M1はIL−22の第1の単量体であり、
    M2はIL−22の第2の単量体であり、
    Lは前記第1の単量体と前記第2の単量体を接続しその間に配置されるリンカーである]
    によって表される構造を有する、請求項33に記載の使用。
  36. リンカーLは
    (i)3から50のアミノ酸を含む短ペプチド、及び
    (ii)式IIのポリペプチド:
    −Z−Y−Z 式II
    [式中、
    Yは担体タンパク質であり、
    Zは存在しないか、又は1から30のアミノ酸を含む短ペプチドであり、
    「−」は化学結合又は共有結合である]
    からなる群から選択される、請求項35に記載の使用。
  37. 担体タンパク質はアルブミン又はヒトIgGのFc断片である、請求項36に記載の使用。
  38. IL−22二量体は2つの単量体サブユニットによって形成され、各単量体サブユニットは、IL−22ドメイン、二量体ドメイン、及び、IL−22ドメインと二量体ドメインとを接続する任意選択的なリンカーを含む、請求項33に記載の使用。
  39. 前記単量体サブユニットは配列番号4及び配列番号6から8から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項38に記載の使用。
  40. IL−22二量体は、
    (a)インビボにおけるアミラーゼ及び/又はリパーゼレベルの低減、
    (b)インビボにおける膵臓の浮腫の改善、
    (c)インビボにおける膵臓の腺房細胞及び/又は脂肪細胞の壊死の抑制、
    (d)インビボにおける膵臓の炎症細胞の浸潤の改善、
    を含む1つ以上の生物活性から選択される生物活性を有する、請求項33から39のいずれか一項に記載の使用。
  41. 膵炎を治療又は予防するための医薬組成物であって、薬学的に許容される担体及び式IのIL−22二量体:
    M1−L−M2 式I
    [式中、
    M1はIL−22の第1の単量体であり、
    M2はIL−22の第2の単量体であり、
    Lは前記第1の単量体と前記第2の単量体を接続しその間に配置されるリンカーである]
    を含む、医薬組成物。
  42. インターロイキン−22(IL−22)二量体の使用であって、
    (a)アミロイドAタンパク質の血清レベルの上昇、
    (b)C反応性タンパク質の血清レベルの上昇、及び/又は
    (c)トリグリセリドの血清レベルの低下
    のための薬剤の製造における、使用。
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