JP2019206296A - サスペンション制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ばね上質量の変化の前後で乗り心地を保持することが可能なサスペンション制御装置を提供する。【解決手段】目標減衰力算出部12によって算出された目標減衰力を、補正値算出部13によって算出された補正値で補正することにより、ばね上質量が変化した前後で減衰比を一定に保つ。これにより、ばね上質量の変化の前後で乗り心地を保持することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、車体と車輪との間に減衰力調整式緩衝器が介装されるサスペンション制御装置に関する。
特許文献1には、ばね上側の加速度センサによって検出された加速度信号と車高センサによって検出された車高信号とに基づき、減衰力調整式緩衝器の減衰力が可変に制御されるサスペンション制御装置が開示されている。
このようなサスペンション制御装置は、車両のばね上質量が変化すると、減衰力調整式緩衝器の減衰比が変化することにより乗り心地が変化する。この場合、車両のばね上質量の変化に対して減衰比を一定に保つように減衰力調整式緩衝器を制御することにより、乗り心地を保持することができる。ここで、車両のばね上質量は、車高センサによって検出された車高の変化に基づき算出(推定)することができる。しかし、車両のばね上質量の変化に対して乗り心地を保持するには、路面の横断勾配あるいは縦断勾配、旋回あるいは加減速の影響、走行時の空力等の外乱による車高の変化分を考慮する(除去する)必要がある。
特開2011−131876号公報
本発明は、ばね上質量の変化の前後で乗り心地を保持することが可能なサスペンション制御装置を提供することを課題とする。
本発明のサスペンション制御装置は、車体と車輪との間に介装される減衰力調整式緩衝器と、車両状態を検出する車両状態検出手段と、該車両状態検出手段の検出結果に基づき前記減衰力調整式緩衝器が発生する減衰力を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記車両状態検出手段の検出結果に基づき目標減衰力を算出する目標減衰力算出手段と、ばね上質量の変化に応じて前記目標減衰力の補正値を算出する補正値算出手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ばね上質量の変化の前後で乗り心地を保持することができる。
本実施形態が適用された車両の斜視図である。 コントローラにおける処理のブロック図である。 補正値算出部におけるばね上質量を算出する処理のブロック図である。 ばね上質量推定部における前輪側ばね上質量推定値を算出する処理のブロック図である。 推定値妥当性判定部における処理のブロック図である。 外乱を考慮した車高推定値更新処理のフローチャート図である。 前輪側ばね上質量推定値の更新を許可する処理のブロック図である。 前輪側のばね上質量更新判定フラグが立つ条件の処理のブロック図である。 補正値算出部における外乱を考慮した車高推定処理のブロック図である。 図9における演算部の処理のブロック図である。 エアばね圧力から後輪の質量を推定する処理のブロック図である。 横断勾配を有する路面の走行時における重力と横加速度との関係を示す図である。 縦断勾配を有する路面の走行時における重力と前後加速度との関係を示す図である。 走行時の空力の影響による車高変化を推定する処理のブロック図である。
本発明の一実施形態を添付した図を参照して説明する。ここでは、図1に示すマクファーソン・ストラット式サスペンションが適用された車両1(4輪自動車)のサスペンション制御装置を説明する。
図1を参照すると、サスペンション制御装置は、車体2と左右の前輪3L,3R(「前輪3」と称する)との間に介装される減衰力調整式緩衝器5L,5R(「減衰力調整式緩衝器5」と称する)と、車体2と左右の後輪4L,4R(4Rは図示省略、「後輪4」と称する)との間に介装される減衰力調整式緩衝器6L,6R(「減衰力調整式緩衝器6」と称する)と、を有する。なお、前輪3および後輪4を「車輪3,4」と称する。
図1を参照すると、減衰力調整式緩衝器5,6には、懸架用のばね7,8(コイルスプリング)が組み付けられる。車両1には、ばね7,8の圧力を検出するばね圧センサ、ばね上(車体2)とばね下(車輪3,4)との間の相対変位を検出する相対変位センサ、操舵角センサ、ヨーレートセンサ、前後加速度センサ、横加速度センサ、車速センサ、および車輪速センサ等の各種車両状態検出センサ(車両状態検出手段)が設けられる。
サスペンション制御装置は、車両状態検出センサの検出信号(検出結果)に基づき減衰力調整式緩衝器5,6の減衰力特性を制御するコントローラ11(制御手段)を有する。図2を参照すると、コントローラ11は、車両状態検出センサの検出信号に基づき減衰力調整式緩衝器5,6に対する目標減衰力を算出する目標減衰力算出部12(目標減衰力算出手段)と、ばね上質量の変化に応じて目標減衰力に対する補正値を算出する補正値算出部13(補正値算出手段)と、を有する。
目標減衰力算出部12は、操安制御部14と乗り心地制御部15とを有する。操安制御部14は、操舵角センサによって検出された操舵角、ヨーレートセンサによって検出されたヨーレート等に基づき、ロール制御、アンチダイブ制御、およびスクオット制御等の操安制御を実行するための制御指令値C1を算出する。他方、乗り心地制御部15は、ばね上加速度センサによって検出されたばね上加速度を積分してばね上速度を算出し、該ばね上速度に基づき、スカイフック制御等の制振制御を実行するための制御指令値C2を算出する。そして、操安制御部14によって算出された制御指令値C1と、乗り心地制御部15によって算出された制御指令値C2とは、演算部16によって目標減衰力に対応する制御指令値C3に変換される。
補正値算出部13は、相対変位センサ、ばね圧センサ等の検出信号に基づき車高を推定する車高推定部17(車高推定手段)と、該車高推定部17によって算出された車高推定値に基づき車両1のばね上質量を推定するばね上質量推定部18(ばね上質量推定手段)と、該ばね上質量推定部18によって算出されたばね上質量推定値に基づき補正値C4を算出する演算部19と、を有する。該演算部19によって算出された補正値C4は、コントローラ11の乗算部20によって目標減衰力(目標減衰力算出部12の演算結果)に対応する制御指令値C3に乗算され、補正後のばね上質量の変化が考慮された目標減衰力に対応する制御指令値C5に変換される。該制御指令値C5は、減衰力マップ21へ出力される。
減衰力マップ21は、減衰力(制御指令値C5)と電流値との相関を、相対速度(減衰力調整式緩衝器5,6のピストン速度)に対応付けしたものであり、発明者等による試験データに基づき作成されたものである。ここで、ばね上、ばね下間の相対速度は、ばね上加速度センサおよびばね下加速度センサの検出信号を演算することで求められたばね上、ばね下間の相対加速を積分することで算出される。そして、減衰力調整式緩衝器5,6は、減衰力マップ21の出力である指令電流値によって、減衰力特性がハード特性とソフト特性との間で無段階あるいは段階的に制御される。
図3は、補正値算出部13におけるばね上質量推定値を算出する演算のブロック図である。図3を参照すると、前輪側ばね上質量推定値算出部により、相対変位センサによって検出された前輪3側のばね上、ばね下間の相対変位(「前輪側相対変位」と称する)に基づき、ばね上質量推定部18は、前輪3側のばね上質量の推定値(「前輪側ばね上質量推定値」と称する)を算出する。
一方、後輪側ばね上質量推定部18は、ばね圧センサの検出信号に基づき、後輪4側のばね上質量の推定値(以下「後輪側ばね上質量推定値」と称する)を算出する。前輪側ばね上質量推定値および後輪側ばね上質量推定値は、推定値妥当性判定部23によって妥当であるか否かが判定され、妥当であると判定された場合、ばね上質量推定部18の算出結果として出力される。
図4は、ばね上質量推定部18における前輪側ばね上質量推定値を算出する演算のブロック図である。図4を参照すると、相対変位センサによって検出された車体2と前輪3との相対変位信号は、平均化された後、ローパスフィルタを通過する。ローパスフィルタを通過した信号は、符号補正される。次に、相対変位と前輪3側のばね7の既定のばね定数とに基づき当該ばね7のばね力を算出し、算出されたばね力を重力加速度で除算(1/G)する。これにより、前輪3側のばね上質量変動値が算出される。該ばね上質量変動値と記憶部(メモリ)に記憶された現在のばね上質量とを加算することにより、前輪側ばね上質量推定値の更新値(「前輪側ばね上質量更新値」と称する)が算出される。
なお、後輪側ばね上質量推定値の更新値(「後輪側ばね上質量更新値」と称する)は、図11に示されるように、ばね圧センサによって検出された後輪4側のばね8のばね圧信号に基づき、予め関係を記憶させておいたエアばね圧力と質量の関係マップから算出される。
図5は、推定値妥当性判定部23(図3参照)における演算のブロック図である。図5を参照すると、前輪側ばね上質量更新値は、空車状態の車両1の前輪側ばね上質量に対する推定質量比と、前輪側GVWR質量(定格車両総重量に対する前輪側ばね上質量)に対する推定質量比とが、予め定められた範囲内であるときに妥当であると判定される。他方、後輪側ばね上質量更新値は、空車状態の車両1の後輪側ばね上質量に対する推定質量比と、後輪側GVWR質量(定格車両総重量に対する後輪側ばね上質量)に対する推定質量比とが、予め定められた範囲内であるときに妥当であると判定される。なお、前輪側GVWR質量および後輪側GVWR質量には、マージンを取るための係数(本実施形態では「1.3」)が乗算される。
本実施形態において、補正値算出部13(図2参照)は、旋回あるいは路面の横断勾配の影響、加減速あるいは路面の縦断勾配の影響、走行時の空力の影響等の外乱による車高変化を考慮して、車高、延いてはばね上質量を推定するように構成される。ここで、図6のフローチャート図を参照して、外乱を考慮した車高推定値更新処理を説明する。停止状態の車両1における車高変化は、ばね上質量の変化によるものであることから、まず、車両状態検出センサの検出信号に基づき、車両1が停止状態であるか否かを判定する(図6におけるステップ1)。すなわち、図6におけるステップ1では、車高変化がばね上質量の変化によるものであるか否かを判定する。
ここで、車両1が停止状態であると判定された場合(図6におけるステップ1のYes)、車高推定値が妥当であるか否かの判定処理が実行される(図6におけるステップ2)。図6におけるステップ2において、車高推定値が妥当であると判定された場合、車高推定値が更新される。
一方、図6におけるステップ1において、車両1が停止状態でないと判定された場合(図1におけるステップ1のNo)、外乱に起因する車高変化を推定し(図6におけるステップ3)、外乱による車高変化を考慮した(外乱による車高変化が除去された)車高推定値に更新される。
図7は、前輪側ばね上質量推定値の更新を許可する処理のブロック図である。図7を参照すると、ばね上質量推定部18によって算出された前輪側ばね上質量推定値(前輪側ばね上質量更新値)と、前回の更新によって更新された現在の前輪側ばね上質量推定値(推定前輪ばね上質量前回更新値)との差が一定値(質量更新許可荷重しきい値)より大きく、かつばね上質量更新許可判定フラグが立った状態が一定時間(質量更新許可時間しきい値)以上継続されている場合、前輪側ばね上質量推定値が更新される。なお、後輪側ばね上質量推定値の更新を許可する処理は、前輪側ばね上質量推定値の更新を許可する処理と同一である。
図8は、前述の前輪側のばね上質量更新判定フラグ(図7参照)が立つ条件の処理のブロック図である。図8を参照すると、ばね上質量更新判定フラグは、車両1に作用する慣性力によるばね上、ばね下間の相対変位(車両慣性影響相対変位)の最大値が、一定値(相対変位下限値)未満の場合にスイッチ・オン、一定値(相対変位上限値)を超える場合にスイッチ・オフ、その他の場合に現在の前輪側ばね上質量推定値を保持するフラグが立つ。なお、後輪側のばね上質量更新判定フラグが立つ条件の処理は、前輪側のばね上質量更新判定フラグが立つ条件の処理と同一である。なお慣性力による車高変化に基づき更新の許可判断を行っているが、横加速度や前後加速度等その他の信号を用いて許可判断を行っても良い。
図9は、補正値算出部13(図2参照)における外乱を考慮した車高推定処理のブロック図である。図9を参照すると、外乱を考慮した車高推定処理では、車両状態検出センサの検出信号から車高変化が検出されると、当該車高変化が外乱による車高変化を含むか否かが判定される。車高変化が外乱による車高変化を含むと判定された場合、演算部25によって外乱による車高変化の推定値が算出される。演算部25は、現在の車高推定値、すなわち、外乱が考慮されていない車高推定値(車両状態検出センサの検出信号を演算することで算出された車高推定値)から、演算部25によって算出された外乱に起因する車高変化推定値(「外乱車高変化推定値」と称する)を減算することにより、外乱を考慮した車高推定値、すなわち、外乱による車高変化が除去された外乱除去車高推定値を算出する。
図10は、図9における演算部25の処理のブロック図である。図10を参照すると、本実施形態における外乱に起因する車高変化は、旋回あるいは路面の横断勾配(バンク)の影響による車高変化、加減速あるいは路面の縦断勾配(スロープ)の影響による車高変化、走行時の空力の影響による車高変化に分類される。
まず、ヨーレイトと車速とを乗じた旋回横加速度Acurve から横断勾配φ を推定し、該推定した横断勾配φ と横加速度センサ値Aysens から旋回・横断勾配による車高変化を推定する。また、車速を微分して算出した加減速前後加速度Awheel と前後加速度センサ値Axsens から縦断勾配θを推定し、該推定した縦断勾配θと前後加速度センサ値Axsens から加減速・縦断勾配による車高変化を推定する。
図12は、横断勾配(バンク)を有する路面の走行時における重力と横加速度との関係を示す。図12を参照すると、前述した横断勾配は、以下の[数1]を用いて算出することができる。そして、[数1]から求められた横断勾配φを用いて、横加速度が路面の横断勾配の影響によるものであるか否かの判定を行う。
Figure 2019206296
ここで、Aysens は横加速度センサの検出信号から求められる横加速度、Acurve は車輪速センサの検出信号から求められる車速とヨーレートセンサの検出信号から求められるヨーレートとを乗じた値(旋回横加速度)、g は重力加速度、φ は横断勾配である。
また、路面の横断勾配に起因する車高変化および旋回に起因する車高変化は、横加速度の変化によるばね上重量の変化と横断勾配に起因する重力加速度の変化分(後述する[数2]の最右項に相当)に基づき推定することができる。図10における旋回・横断勾配による車高変化では、以下の[数2]によって荷重変化量が計算され、この値をばね定数で除することにより、外乱車高変化推定値が算出される。なお、横加速度は、正であるとき右方向の加速度、負であるとき左方向の加速度を表す。
Figure 2019206296
ここで、ΔW はばね上重量変化、Aysensはセンサ横加速度、Hg は車両中心位置重量、M は推定質量、T はホイールトレッドである。また、ΔW 、M 、およびT の添え字は車両1における位置を示し、FL は左前輪3L、FR は右前輪3R、RL は左後輪4L、RR は右後輪、Fr は前輪3側、Rr は後輪4側に各々対応する。
図13は、縦断勾配(スロープ)を有する路面の走行時における重力と前後加速度との関係を示す。図13を参照すると、前述した前後加速度算出値は、以下の[数3]を用いて算出することができる。そして、[数3]から求められた縦断勾配θを用いて、前後加速度が路面の縦断勾配の影響によるものであるか否かの判定を行う。
Figure 2019206296
ここで、Axsens は前後加速度センサの検出信号から求められる前後加速度、Awheel は車輪速センサの検出信号から求められる車輪速前後加速度、g は重力加速度、θ は縦断勾配である。
また、加減速または路面の縦断勾配(スロープ)の影響による車高変化は、前後加速度の変化によるばね上重量の変化と縦断勾配による重力加速度の変化とに基づき推定することができる。図10における加減速に起因する車高変化の推定処理では、以下の[数4]によって荷重変化量が計算され、この値をばね定数で除することにより、外乱車高変化推定値が算出される。
Figure 2019206296
ここで、ΔWAx はばね上重量変化、Axsens はセンサ前後加速度、Hg は車両中心位置重量、M は推定質量、Lwbs はホイールベースである。
一方、図14は、走行時の空力の影響による車高変化を推定する処理のブロック図である。図14を参照すると、空力の影響による車高変化は、コントローラ11の記憶部(メモリ)にルックアップテーブル形式で記憶された車速に対する車高変化の特性に基づき推定される。なお、ルックアップテーブルは、発明者等による試験データに基づき作成されたものである。
このようにして外乱影響から推定される車高変化量を算出し、図9における現在の車高推定値から当該値(車高変化量)を引くことにより、質量変化による車高変化を抽出した外乱除去車高推定値を図3における相対変位値として使用することで、外乱影響による車高変化を考慮して高い精度で質量推定を行うことができる。
ところで、減衰力調整式緩衝器を備えるサスペンション制御装置では、荷物の積載、乗員の移動、燃料残量の変化等によりばね上質量が変化した場合、減衰力調整式緩衝器の減衰力特性がばね上質量の変化の前後で同一であると、乗り心地が変化する。ここで、ばね上質量の変化の前後で乗り心地を保持するには、ばね上質量の変化の前後で減衰比を一定に保つ必要がある。以下の[数5]を参照すると、変化後のばね上質量を推定し、減衰力調整式緩衝器が発生する減衰力(減衰力特性)を補正することにより、ばね上質量の変化の前後で減衰比を一定に保つことができる。
Figure 2019206296
ここで、C1 は基準減衰力(ばね上質量変化前の減衰力)、C2 はばね上質量変化後の減衰力、ζは減衰比、m1 は基準ばね上質量(変化前のばね上質量)、m2 は変化後のばね上質量、k は懸架ばねのばね定数
そこで、本実施形態では、ばね上質量の変化の前後で減衰比を一定に保つため、車高変化に基づきばね上質量推定値を算出し、該ばね上質量推定値に応じて減衰力調整式緩衝器を制御するようにサスペンション制御装置を構成した。また、本実施形態では、ばね上質量推定値を算出するとき、旋回あるいは路面の横断勾配(バンク)の影響による車高変化、加減速あるいは路面の縦断勾配(スロープ)の影響による車高変化、および走行時の空力の影響等の外乱による車高変化を除去した車高変化推定値を用いることにより、制御のロバスト性を向上された。
本実施形態では以下の作用効果を奏する。
(1)車体2と車輪3,4との間に介装される減衰力調整式緩衝器5,6と、車両状態を検出する車両状態検出センサ(車両状態検出手段)と、該車両状態検出センサの検出結果に基づき減衰力調整式緩衝器5,6が発生する減衰力を制御するコントローラ11(制御手段)と、を備え、コントローラ11は、車両状態検出センサの検出結果に基づき目標減衰力を算出する目標減衰力算出部12(目標減衰力算出手段)と、ばね上質量の変化に応じて目標減衰力の補正値を算出する補正値算出部13(補正値算出手段)と、を有するようにサスペンション制御装置を構成したので、目標減衰力算出部12によって算出された目標減衰力を、補正値算出部13によって算出された補正値で補正することにより、ばね上質量が変化した前後で減衰比を一定に保つことが可能であり、延いてはばね上質量の変化の前後で乗り心地を保持することができる。
(2)補正値算出部13は、車両状態検出センサの検出結果に基づき車高推定値を算出する車高推定部17(車高推定手段)と、車高推定値に基づきばね上質量推定値を算出するばね上質量推定部18(ばね上質量推定手段)と、を有するので、車高変化後のばね上質量を車高変化推定値に基づき推定(演算)することができる。
(3)補正値算出部13は、車高変化がばね上質量の変化によるものであるか否かを判定し、車高変化がばね上質量の変化によるものであると判定した場合、ばね上質量推定値を更新するので、車高変化がばね上質量の変化によるものでない場合、ばね上質量推定値を更新しない。これにより、ばね上質量の変化に関わりがないばね上質量推定値に更新されることによる乗り心地の変化(悪化)を防止することができる。
(4)補正値算出部13は、車高変化が外乱による車高変化を含むか否かを判定し、外乱による車高変化を含むと判定した場合、車高推定部17によって算出された車高推定値から外乱による車高変化分を除去した外乱除去車高推定値を算出し、ばね上質量推定部18は、外乱除去車高推定値に基づきばね上質量推定値を算出するので、ばね上質量推定部18によるばね上質量の推定精度を高めることが可能であり、延いては当該サスペンション制御装置の制御におけるロバスト性を向上させることができる。
以上、本実施形態について説明したが、減衰力調整式緩衝器5,6は、液圧式緩衝器の他、周知のエアサスペンション装置を用いることができる。この場合、エアサスペンション装置における圧力と受圧面積とに基づきばね上質量を推定する。
また後輪側はエアばね圧力をもちいて質量推定を行っているが、後輪がコイルばねを用いている場合には、前輪と同様の処理により質量を求めるようにしても良く、前輪もエアばねである場合には、後輪と同様の処理により質量を求めるようにすればよい。
なお、本実施例では、ばね下加速度センサ信号を用いているが、相対変位を検出する車高センサを用いて検出した車高信号を微分して算出した相対速度を用いるようにしても良い。
1 車両、2 車体、3,4 車輪、5,6 減衰力調整式緩衝器、11 コントローラ(制御手段)、12 目標減衰力算出部(目標減衰力算出手段)、13 補正値算出部(補正値算出手段)

Claims (4)

  1. 車体と車輪との間に介装される減衰力調整式緩衝器と、車両状態を検出する車両状態検出手段と、該車両状態検出手段の検出結果に基づき前記減衰力調整式緩衝器が発生する減衰力を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記車両状態検出手段の検出結果に基づき目標減衰力を算出する目標減衰力算出手段と、ばね上質量の変化に応じて前記目標減衰力の補正値を算出する補正値算出手段と、を有することを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 前記補正値算出手段は、前記車両状態検出手段の検出結果に基づき車高推定値を算出する車高推定手段と、前記車高推定値に基づきばね上質量推定値を算出するばね上質量推定手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
  3. 前記補正値算出手段は、車高変化がばね上質量の変化によるものであるか否かを判定し、車高変化がばね上質量の変化によるものであると判定した場合、前記ばね上質量推定値を更新することを特徴とする請求項2に記載のサスペンション制御装置。
  4. 前記補正値算出手段は、車高変化が外乱による車高変化を含むか否かを判定し、外乱による車高変化を含むと判定した場合、前記車高推定手段によって算出された車高推定値から外乱による車高変化分を除去した外乱除去車高推定値を算出し、前記ばね上質量推定手段は、前記外乱除去車高推定値に基づきばね上質量推定値を算出することを特徴とする請求項2または3に記載のサスペンション制御装置。
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