JP2019205496A - 電気掃除装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の分離段のそれぞれから塵埃を好適に廃棄可能な電気掃除装置を提供する。【解決手段】電気掃除装置1は、一次塵埃容器13を有する電気掃除機と、この電気掃除機に連結および切り離し可能なステーションとを備える。一次集塵容器は、第一分離部68で分離された粗い塵埃を蓄積する粗塵集塵室71と、フィルタ部69で分離された細かい塵埃を蓄積する細塵集塵室としてのフィルタ室72と、粗塵集塵室71の粗塵廃棄口108と、フィルタ室72の細塵廃棄口109と、粗塵廃棄口108および細塵廃棄口109を開閉する廃棄蓋92と、第一分離部68とフィルタ部69とを繋ぐ中継風路81の流通を許容または阻止する第一流通切換機構部95と、を備える。ステーションに備えた二次電動送風機が発生する負圧によって、一次集塵容器内の塵埃をステーションに移動させる際に、一次通切換機構部は、中継風路の流通を阻止する。【選択図】図3
Description
本発明に係る実施形態は、電気掃除装置に関する。
電気掃除機と、充電台と、を備える電気掃除装置が知られている。電気掃除機の掃除機本体は塵埃を集塵する一次塵埃容器を備えている。充電台は塵埃を集塵する二次塵埃容器を備えている。電気掃除装置は、電気掃除機の一次塵埃容器に集塵した塵埃を、充電台の二次塵埃容器に排出することによって、一次塵埃容器を空にする。
電気掃除機は、掃除機本体に設けられた押しボタンと、押しボタンが押し下されると一次塵埃容器と電動送風機とを繋げる風路を閉じる一方、二次塵埃容器と電動送風機とを繋げる風路を開く切換弁と、を備えている。また、電気掃除機は、一次塵埃容器の底部に設けられる第一廃棄弁と、二次塵埃容器の頂部に設けられる第二廃棄弁と、を備えている。第一廃棄弁は、押しボタンが押し下されると開く。第二廃棄弁は、押しボタンによって開かれる第一廃棄弁に押されて開く。
掃除機本体から充電台に塵埃を排出する場合、使用者は、掃除機本体を充電台上に載せ、掃除機本体の押しボタンを押し下す。そうすると、一次塵埃容器と電動送風機とを繋げる風路は閉じられ、二次塵埃容器と電動送風機とを繋げる風路が開かれる。同時に、第一廃棄弁および第二廃棄弁は開かれ、一次塵埃容器と二次塵埃容器とが繋げられる。この後、使用者が掃除機本体を操作し、電動送風機を運転すると、掃除機本体の吸込口から吸い込まれる空気の流れは、一次塵埃容器に集塵された塵埃を、二次塵埃容器に移動させる。
ところで、複数段の分離装置で塵埃を分離する電気掃除機が知られている。この種の電気掃除機は、比較的に質量の大きい塵埃と、それよりも質量の小さい塵埃とを別個の分離装置で段階的に分離する。そのため、電気掃除機は、比較的に質量の大きい塵埃を分離する第一分離部と、第一分離部で分離された比較的に質量の大きい塵埃を蓄積する粗塵集塵室と、比較的に質量の小さい塵埃を分離する第二分離部と、第二分離部で分離された比較的に質量の小さい塵埃を蓄積する細塵集塵室と、を備えている。これら複数段の分離装置、つまり複数の分離部および複数の分離室は、流体的に相互に接続されている。
複数段の分離装置から塵埃を廃棄する場合には、分離装置から塵埃を廃棄するための空気は、複数段の分離装置に一括して、または個別に流される。そして、分離装置から塵埃を廃棄するための空気は、分離装置へ塵埃を蓄積するための空気とは異なる経路で流される。そのため、流体的に相互に接続された複数の分離装置から塵埃を廃棄するための空気は、それぞれの分離装置に好適な割合で分配されない虞がある。分配される空気の流量が少ない場合には、塵埃は適切に廃棄されずに集塵室に残留してしまう。
そこで、本発明は、複数の分離段のそれぞれから塵埃を好適に廃棄可能な電気掃除装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電気掃除装置は、ステーションと、前記ステーションに連結および切り離し可能な電気掃除機と、を備えている。前記電気掃除機は、前記電気掃除機に吸い込まれる、塵埃を含んだ空気から粗い塵埃を分離する第一分離部と、前記第一分離部で分離された前記粗い塵埃を蓄積する粗塵集塵室と、前記第一分離部を通過する空気から細かい塵埃を分離する第二分離部と、前記第二分離部で分離された前記細かい塵埃を蓄積する細塵集塵室と、前記粗塵集塵室から前記粗い塵埃を流出させる粗塵廃棄口と、前記細塵集塵室から前記細かい塵埃を流出させる細塵廃棄口と、前記粗塵廃棄口および前記細塵廃棄口を開閉する廃棄蓋と、前記第一分離部と前記第二分離部とを繋ぐ風路の流通を許容または阻止する流通切換機構部と、を備えている。前記ステーションは、前記粗塵廃棄口を通じて前記粗塵集塵室から廃棄される前記粗い塵埃、および前記細塵廃棄口を通じて前記細塵集塵室から廃棄される前記細かい塵埃を蓄積する二次塵埃容器と、前記二次塵埃容器を介して前記粗塵集塵室および前記細塵集塵室に負圧を作用させ、前記電気掃除機から前記二次塵埃容器に前記粗い塵埃および前記細かい塵埃を移動させる電動送風機と、を備えている。前記流通切換機構部は、前記電気掃除機から前記ステーションに前記粗い塵埃および前記細かい塵埃を移動させる際に、前記風路の流通を阻止する。
本発明に係る電気掃除装置の実施形態について図1から図11を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
図1および図2は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1は、据置型のステーション2と、ステーション2に連結および切り離し可能な電気掃除機3と、を備えている。
なお、図1には、ステーション2に電気掃除機3が連結された形態が示されている。この形態を電気掃除装置1の収納形態と呼ぶ。図2には、ステーション2から電気掃除機3が切り離された形態が示されている。図2は、電気掃除機3が掃除に使用される形態である。
電気掃除機3は、所謂コードレスタイプである。電気掃除機3は、所謂キャニスタ型であるが、これに限られず、アップライト型、スティック型、またはハンディ型であってもよい。ステーション2に連結および切り離し可能な電気掃除機3は、ステーション2に装着可能であって、ステーション2に載せておくことが可能でもある。ステーション2に電気掃除機3を連結すること、ステーション2に電気掃除機3を装着すること、およびステーション2に電気掃除機3を載せておくこと、のいずれの表現もステーション2に電気掃除機3を収納することを表している。
ステーション2は、電気掃除機3の充電機能、電気掃除機3が捕集した塵埃を回収する機能、および回収した塵埃を蓄積する機能、を兼ね備えている。ステーション2は、居室の適宜の箇所に配置される。また、ステーション2は、収納形態の電気掃除機3を、単に載せておく台状のものであっても良く、電気掃除機3の全体または一部を納める凹部を有するものであっても良い。さらに、ステーション2は、収納形態の電気掃除機3を覆い隠すものであっても良い。
使用者は、ステーション2に連結された電気掃除機3の掃除機本体7(図1)をステーション2から切り離し(図2)、居室の被掃除面で電気掃除機3を走行させ、または電気掃除機3を手に持って移動して、被掃除面を掃除する。この後、使用者は、掃除機本体7をステーション2に戻し(連結し)、収納する(図1)。ステーション2は、掃除機本体7が連結されると、掃除機本体7を充電する一方、電気掃除機3が蓄積している塵埃を適時に回収する。つまり、電気掃除装置1は、電気掃除機3を掃除に用いた後、ステーション2に掃除機本体7が連結される都度、電気掃除機3が捕集した塵埃をステーション2に回収し、電気掃除機3を空にする。
なお、電気掃除機3からステーション2に塵埃を回収する頻度は、電気掃除機3をステーション2に連結する都度でなくても良い。塵埃の回収頻度は、ステーション2に電気掃除機3が複数回連結される都度、例えば電気掃除機3が1日1回使用される前提において1週間毎に塵埃を回収する回数、つまり7回毎であっても良い。
電気掃除機3は、被掃除面を走行可能な掃除機本体7と、掃除機本体7に着脱自在な管部8と、を備えている。管部8は、掃除機本体7に流体的に接続されている。管部8は、掃除機本体7に接続されて塵埃を吸い込む風路体である。
掃除機本体7は、本体ケース11と、本体ケース11の左右それぞれの側部に設けられる一対の車輪12と、本体ケース11に着脱可能に装着される一次塵埃容器13と、本体把手14と、本体ケース11に収容される一次電動送風機15と、主に一次電動送風機15を制御する掃除機制御部16と、一次電動送風機15に供給される電力を蓄える二次電池17と、を備えている。
掃除機本体7は、二次電池17が蓄える電力で一次電動送風機15を駆動させる。掃除機本体7は、一次電動送風機15が発生させる負圧を管部8に作用させる。電気掃除機3は、管部8を通じて被掃除面から塵埃を含む空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸い込む。電気掃除機3は、吸い込んだ含塵空気から塵埃を分離する。電気掃除機3は、分離後の塵埃を捕集し、蓄積する一方、塵埃を分離した後の清浄な空気を排気する。
本体ケース11の正面部分には、掃除機本体7の吸込口に相当する本体接続口18が設けられている。本体接続口18は、管部8を着脱可能な継手である。本体接続口18は、管部8と一次塵埃容器13とを流体的に接続している。本体接続口18は、本体ケース11の正面に向かって開口している。
なお、本実施形態に係る掃除機本体7は、本体ケース11の正面を進行方向へ向けた姿勢、換言すると本体接続口18を進行方向へ向けた姿勢で使用される。この姿勢を掃除機本体7の使用姿勢と呼ぶ。使用姿勢の掃除機本体7は、使用者が手に持つ管部8に引っ張られて車輪12を中心に俯仰することがある。
また、本実施形態に係る掃除機本体7は、本体ケース11の正面を上方へ向けた姿勢、換言すると本体接続口18を上方へ向けた姿勢でステーション2に載せられる(連結される)。本体接続口18が上方へ向いている姿勢を、掃除機本体7の収納姿勢と呼ぶ。収納姿勢の掃除機本体7は、上方から下ろされて(降下させられて)ステーション2に載せられる。ステーション2に載せられた掃除機本体7の状態を、掃除機本体7の収納状態と呼ぶ。
車輪12は、掃除機本体7を走行可能に支えている。
一次塵埃容器13は、電気掃除機3に吸い込まれる塵埃を蓄積する。一次塵埃容器13は、掃除機本体7に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を一次電動送風機15へ送る。
本体把手14は、掃除機本体7を持ち運ぶときに使用される。本体把手14は、本体ケース11の幅方向に、アーチ状に架け渡されている。
本体把手14は、使用位置と収納位置との間で移動可能である。なお、本体把手14の収納位置とは、本体把手14が本体ケース11の把手収納凹部11bに納められている状態における本体把手14の位置である。一方、本体把手14の使用位置とは、本体把手14が本体ケース11の把手収納凹部11bから引き出された状態における本体把手14の位置である。
一次電動送風機15は、一次塵埃容器13から空気を吸い込んで負圧(吸込負圧)を発生させる。
掃除機制御部16は、マイクロプロセッサ(図示省略)、およびマイクロプロセッサが実行する各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する記憶装置(図示省略)を備えている。記憶装置は、予め設定される複数の運転モードに関連する種々の設定(引数)を記憶している。複数の運転モードは一次電動送風機15の出力に関連付けられている。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値(一次電動送風機15の入力値、一次電動送風機15に流れる電流値)が設定されている。それぞれの運転モードは、管部8が受け付ける操作入力に関連付けられている。掃除機制御部16は、管部8への操作入力に対応する任意の運転モードを、予め設定される複数の運転モードから択一的に選択し、選択した運転モードの設定を記憶部から読み出し、読み出した運転モードの設定にしたがって一次電動送風機15を運転する。
二次電池17は、一次電動送風機15、および掃除機制御部16に電力を供給する。二次電池17は、掃除機本体7に設けられる一対の充電電極19に電気的に接続されている。
管部8は、掃除機本体7から作用する負圧によって、被掃除面から含塵空気を吸い込み掃除機本体7へ導く。管部8は、掃除機本体7に着脱可能な継手としての接続管21と、接続管21に流体的に接続される集塵ホース22と、集塵ホース22に流体的に接続される手元操作管23と、手元操作管23から突出する把持部25と、把持部25に設けられる操作部26と、手元操作管23に着脱可能に連結される延長管27と、延長管27に着脱可能に連結される吸込口体28と、を備えている。
接続管21は、本体接続口18を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続される。
集塵ホース22は、長尺で可撓な略円筒形状のホースである。集塵ホース22の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、接続管21に流体的に接続されている。集塵ホース22は、接続管21を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続されている。
手元操作管23は、集塵ホース22と延長管27とを繋いでいる。手元操作管23の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、集塵ホース22の他方の端部(ここでは、前方の端部)に流体的に接続されている。手元操作管23は、集塵ホース22および接続管21を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続されている。換言すると、接続管21は、集塵ホース22を掃除機本体7に接続する継手部である。
把持部25は、電気掃除機3を操作するために使用者が手で把持する部分である。把持部25は、使用者が手で容易に把持できる適宜の形状で手元操作管23から突出している。
操作部26は、それぞれの運転モードに対応付けられるスイッチを備えている。例えば、操作部26は、一次電動送風機15の運転停止操作に対応付けられる停止スイッチ26aと、一次電動送風機15の運転開始操作に対応付けられる起動スイッチ26bと、吸込口体28への電源供給に対応付けられるブラシスイッチ26cと、を備えている。停止スイッチ26aおよび起動スイッチ26bは、掃除機制御部16に電気的に接続されている。電気掃除機3の使用者は、操作部26を操作して一次電動送風機15の運転モードを択一的に選択できる。起動スイッチ26bは、一次電動送風機15の運転中に、運転モードの選択スイッチとしても機能する。掃除機制御部16は、起動スイッチ26bから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、操作部26は、起動スイッチ26bに代えて、強運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)、および弱運転スイッチ(図示省略)を個別に備えていても良い。
複数の筒体を重ね合わせたテレスコピック構造の延長管27は、伸縮可能である。延長管27の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、手元操作管23の他方の端部(ここでは、前方の端部)に着脱可能な継手を備えている。延長管27は、手元操作管23、集塵ホース22および接続管21を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続されている。
延長管27は、保持突起27aを備えている。保持突起27aは、管部8の収納に用いられる。保持突起27aは、吸込口体28に設けられていても良い。
吸込口体28は、木床やカーペットなどの被掃除面を走行可能または滑走可能であり、走行状態または滑走状態において被掃除面に対面する底面に吸込口31を有する。また、吸込口体28は、吸込口31に配置される回転可能な回転清掃体32と、回転清掃体32を駆動させる電動機33と、を備えている。吸込口体28の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、延長管27の他方の端部(ここでは、前方の端部)に着脱可能な継手を備えている。吸込口体28は、延長管27、手元操作管23、集塵ホース22および接続管21を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続されている。つまり、吸込口体28、延長管27、手元操作管23、集塵ホース22、接続管21、および一次塵埃容器13は、吸込口31から一次電動送風機15へ至る吸込風路である。電動機33は、ブラシスイッチ26cから操作信号を受け取る度に運転開始と停止とを交互に繰り返す。
電気掃除機3は、起動スイッチ26bが操作されると一次電動送風機15を始動させる。例えば、電気掃除機3は、一次電動送風機15が停止している状態で起動スイッチ26bが操作されると、先ず一次電動送風機15を強運転モードで始動させ、再び起動スイッチ26bが操作されると一次電動送風機15の運転モードを中運転モードに変更し、三度、起動スイッチ26bが操作されると一次電動送風機15の運転モードを弱運転モードに変更し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モード、および弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードである。一次電動送風機15に対する入力値は、強運転モードが最も大きく、弱運転モードが最も小さい。始動した一次電動送風機15は、一次塵埃容器13から空気を吸込み、一次塵埃容器13内を負圧にする。
一次塵埃容器13内の負圧は、本体接続口18、接続管21、集塵ホース22、手元操作管23、延長管27、および吸込口体28を順次に通じて吸込口31に作用する。電気掃除機3は、吸込口31に作用する負圧によって、被掃除面の塵埃を空気とともに吸い込む。一次塵埃容器13は、吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を一次電動送風機15へ送る。一次電動送風機15は、一次塵埃容器13から吸い込んだ空気を掃除機本体7外へ排気する。
ステーション2は、被掃除面の任意の箇所に設置される。ステーション2は、掃除機本体7を連結可能な台座41と、台座41に一体に設けられる塵埃回収部42と、を備えている。また、ステーション2は、電気掃除装置1の収納形態において、電気掃除機3の一次塵埃容器13に接続される塵埃移送管43と、収納姿勢の掃除機本体7が使用姿勢に倒されると、掃除機本体7が進行可能なよう移動する減速機構44と、を備えている。さらに、ステーション2は、電気掃除機3がステーション2に装着されたことを検知する複数の装着検知器45を備えている。
台座41は、電気掃除機3の掃除機本体7を連結および切り離す場所であり、掃除機本体7を装着する場所であり、掃除機本体7を載せておく場所である。台座41は、塵埃回収部42と同程度の幅寸法を有し、塵埃回収部42の前側へ張り出して矩形状に拡がっている。台座41は、平面視において電気掃除機3の掃除機本体7を納めることが可能な形状と寸法とを有している。台座41は、正面を上方へ向けた収納姿勢の掃除機本体7の背面、換言すると本体ケース11の背面に接して掃除機本体7を支える置台面41aを有している。置台面41aの形状は、本体ケース11の背面の形状に倣っていることが好ましい。
台座41は、掃除機本体7に接続可能な充電端子46を備えている。電気掃除機3がステーション2に連結されると、充電端子46は掃除機本体7の充電電極19に接触し、電気的に接続される。
台座41は、電気掃除装置1の収納形態において、掃除機本体7の側面に寄り添うように配置される膨出部47を有している。
塵埃回収部42は、台座41の後方に配置されている。塵埃回収部42は、台座41と一体で被掃除面に置くことができる適宜の形状の箱体である。塵埃回収部42は、台座41よりも上方へ延びている。換言すると、塵埃回収部42は、電気掃除機3の収納場所としての台座41に併設され、かつ収納場所よりも上方に延びる突出部である。塵埃回収部42は、台座41に連結された掃除機本体7に干渉しない適宜の形状を有している。
塵埃回収部42は、ケース48と、塵埃移送管43を通じて一次塵埃容器13から廃棄される塵埃を回収し、回収した塵埃を蓄積する二次塵埃容器49と、塵埃回収部42内に収容され、二次塵埃容器49に流体的に接続される二次電動送風機50と、主に二次電動送風機50を制御するステーション制御部51と、商用交流電源から塵埃回収部42に電力を導く電源コード52と、を備えている。
また、塵埃回収部42は、電気掃除機3の管部8を装着可能な管部取付部53を備えている。
ケース48および台座41の天板は、樹脂の一体成形品である。
二次塵埃容器49は、電気掃除機3から廃棄される塵埃を蓄積する。二次塵埃容器49は、塵埃移送管43に流体的に接続されている。二次塵埃容器49は、塵埃移送管43から流れ込む、塵埃を含む空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を二次電動送風機50へ送る。二次塵埃容器49は、塵埃回収部42の左側(正面から向かって右側)に着脱自在に装着され、ステーション2の外観に露出している。
二次電動送風機50は、二次塵埃容器49から空気を吸い込んで負圧(吸込負圧)を発生させ、一次塵埃容器13から二次塵埃容器49に塵埃を移動させる。換言すると、二次電動送風機50は、二次塵埃容器49を介して一次塵埃容器13に負圧を作用させ、一次塵埃容器13から二次塵埃容器49に塵埃を移動させる。二次電動送風機50は、塵埃回収部42の右側(正面から向かって左側)に収容されている。
ステーション制御部51は、マイクロプロセッサ(図示省略)、およびマイクロプロセッサが実行する各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する記憶装置(図示省略)を備えている。ステーション制御部51は、二次電動送風機50の運転性制御、および電気掃除機3の二次電池17の充電制御を行う。
塵埃移送管43は、電気掃除装置1の収納形態において、一次塵埃容器13に繋げられる。塵埃移送管43は、電気掃除機3が捕集した塵埃を二次塵埃容器49に移動させる風路である。塵埃移送管43は、ステーション2に電気掃除機3が連結されると、一次塵埃容器13に接続され、一次塵埃容器13と二次塵埃容器49とを流体的に接続する。
塵埃移送管43は、二次塵埃容器49の吸込側に接続されている。二次電動送風機50が発生させる負圧は、二次塵埃容器49を介して塵埃移送管43に作用する。
塵埃移送管43は、電気掃除機3の一次塵埃容器13に接続される入口と、二次塵埃容器49に接続される出口と、を有している。塵埃移送管43は、台座41に配置される入口から後方へ延びて塵埃回収部42内に至り、塵埃回収部42内で屈曲しつつ上方へ延びて二次塵埃容器49の側方に配置される出口に至る。
充電端子46と塵埃移送管43の入口とは、台座41に併設されている。
管部取付部53は、塵埃回収部42の右側面(正面から向かって左側面)に設けられている。管部取付部53は、延長管27の保持突起27aに適合する形状を有し、保持突起27aを引っ掛けたり、嵌め込んだりして連結することができる。管部取付部53は、保持突起27aを介して延長管27を立てた状態で保持する。管部8は、保持突起27aを管部取付部53に連結した状態で収納される。
なお、管部取付部53は、電気掃除機3の掃除機本体7に設けられていても良い。この場合、掃除機本体7は、保持突起27aを介して延長管27を立てた状態で保持する。管部8は、保持突起27aを管部取付部53に連結した状態で収納される。
複数の装着検知器45は、例えば台座41に設けられる第一装着検知器45aと、管部取付部53に設けられる第二装着検知器45bと、を含んでいる。第一装着検知器45aは、掃除機本体7がステーション2に連結されたこと、換言すると掃除機本体7がステーション2に装着されたこと、もしくは掃除機本体7が台座41に置かれたことを検知する。第二装着検知器45bは、電気掃除機3の管部8がステーション2に装着されたことを検知する。なお、管部取付部53が掃除機本体7に設けられている場合には、第二装着検知器45bは、電気掃除機3の管部8が掃除機本体7に装着されたことを検知する。それぞれの装着検知器45は、所謂マイクロスイッチである。つまり、第一装着検知器45aは、掃除機本体7がステーション2に連結されると、掃除機本体7に押し込まれてこれを検知する。第二装着検知器45bは、電気掃除機3の管部8がステーション2または掃除機本体7に装着されると、管部8に押し込まれてこれを検知する。
電気掃除機3がステーション2に連結される(装着される、置かれる)と、電気掃除機3の充電電極19は、ステーション2の充電端子46に電気的に接続され、かつステーション2の塵埃移送管43は、一次塵埃容器13に接続される。この後、ステーション2は、電気掃除機3の二次電池17の充電を開始する。また、ステーション2は、二次電動送風機50を適時に始動する。始動した二次電動送風機50は、二次塵埃容器49から空気を吸込み、二次塵埃容器49内を負圧にする。
二次塵埃容器49内の負圧は、塵埃移送管43を通じて一次塵埃容器13に作用する。ステーション2は、一次塵埃容器13に作用する負圧によって、一次塵埃容器13に蓄積された塵埃を空気とともに吸い込む。二次塵埃容器49は、吸い込まれた空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が分離された空気を二次電動送風機50へ送る。二次電動送風機50は、二次塵埃容器49から吸い込んだ清浄な空気をステーション2外へ排気する。
なお、電気掃除装置1は、電気掃除機3の一次塵埃容器13と一次電動送風機15とを接続する風路を機械的に切り替えてステーション2の二次塵埃容器49と電気掃除機3の一次電動送風機15とを接続し、一次電動送風機15を運転することによって電気掃除機3の一次塵埃容器13からステーション2の二次塵埃容器49へ塵埃を移送するものであっても良い。この場合、電気掃除機3の一次塵埃容器13と一次電動送風機15とを接続する風路を、ステーション2の二次塵埃容器49と電気掃除機3の一次電動送風機15とを接続する風路に切り替える時宜は、塵埃の移送のための一次電動送風機15の運転の直前が好ましい。ステーション2の二次塵埃容器49と電気掃除機3の一次電動送風機15とを接続する風路を、電気掃除機3の一次塵埃容器13と一次電動送風機15とを接続する風路に切り替える時宜は、塵埃の移送のための一次電動送風機15の運転の直後が好ましい。
次に、本実施形態に係る電気掃除機3の掃除機本体7について詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の掃除機本体の平断面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の掃除機本体の縦断面図である。
なお、図3に示す掃除機本体7の平断面は、電気掃除装置1の収納形態における正面に実質的に平行な面における断面に相当する。図3には、管部8の接続管21が掃除機本体7から取り外された状態が示されている。図4には、接続管21が掃除機本体7に取り付けられた状態が示されている。
図3および図4に示すように、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1の掃除機本体7は、本体ケース11の幅方向に横臥させた筒形の後半部と、掃除機本体7の平面視において筒形の後半部から前方に向けて弧状に膨出する前半部と、を有する本体ケース11を備えている。本体ケース11の背面は、掃除機本体7の側面視において円弧形を有している。
本体接続口18は、本体ケース11の幅方向の実質的な中央、かつ高さ方向の実質的な中央を通る線(以下、中心線Cと呼ぶ。)に沿って延び、一次塵埃容器13に達している。図3および図4は、この中心線Cを通る断面図である。
本体接続口18に接続される接続管21は、把手55を備えている。把手55は、電気掃除機3の収納姿勢(図1)で掃除機本体7の重心位置よりも上方に配置されている。把手55は、電気掃除機3の進行方向前側に傾斜部55aを備えている。なお、電気掃除機3の進行方向前側は、収納姿勢における掃除機本体7の上側、かつ使用姿勢における掃除機本体7の正面側に相当する。把手55は、本体把手14側から見て掃除機本体7の反対側(裏面側)に配置されている。換言すると、本体把手14は、把手55側から見て掃除機本体7の反対側(表面側)に配置されている。
それぞれの車輪12は、本体ケース11の筒形の後半部の左右それぞれの端部に配置されている。また、それぞれの車輪12は、本体ケース11の筒形の後半部に同心状に配置されている。車輪12の直径は、本体ケース11の上下方向の寸法、つまり本体ケース11の高さ(筒形の後半部の直径に相当する)よりも大きい。また、掃除機本体7の側面視、つまり車輪12の回転中心線方向視において、車輪12は、本体ケース11の背面を覆い隠している。そのため、掃除機本体7は、本体ケース11の上下(表裏)を反転した状態であっても、本体ケース11の上下(表裏)を反転させる過程であっても、車輪12を被掃除面に接地させた状態を保つことができる。本体ケース11は、背面を被掃除面に干渉させることなく、車輪12の回転中心線を中心に本体ケース11の上下(表裏)を反転させることができる。掃除機本体7には、表側を上方に向けた掃除機本体7を車輪12とともに支える走行輪としての補助輪12aが設けられている。接続管21には、裏側を上方に向けた掃除機本体7を車輪12とともに支える走行輪としての補助輪12bが設けられている。
補助輪12bは、把手55に設けられている。補助輪12bと把手55との間には、衝撃を緩衝するサスペンション機構56が設けられている。
なお、掃除機本体7の上下(表裏)の区別は、説明の便宜のためにある。電気掃除機3は、表側を上方へ向けていても、裏側を上方へ向けていても同様に掃除に使用することができる。また、掃除機本体7は、車輪12の回転中心線を中心に本体ケース11の上下(表裏)を反転させることができるため、その正面を上方に向けた収納姿勢で実質的に自立することが難しい。
ここで、把手55のある側を被掃除面に向けて使用する使用姿勢を第一使用姿勢と呼び、把手55から見て反対側、つまり本体把手14を被掃除面に向けて使用する使用姿勢を第二使用姿勢と呼ぶ。一対の車輪12は、第一使用姿勢、および第二使用姿勢のいずれの姿勢であっても掃除機本体7を被掃除面に支える。換言すると、一対の車輪12は、掃除機本体7を車輪12の回転中心線まわりのどちらの方向へ倒していても、掃除機本体7を走行可能に支える。
二次電池17は、車輪12の回転中心線を挟んで本体接続口18の反対側、つまり本体ケース11の後端中央部に配置されている。二次電池17は、本体ケース11の筒形の後半部に収容されている。二次電池17は、本体ケース11の形状に倣って配置されている。二次電池17は、筒形の後半部の内面に倣って配置される円筒形の複数の素電池17aを有している。
二次電池17は、一対の車輪12の回転中心線を実質的な中心とする円弧形を有している。二次電池17の円弧形の中心は、一対の車輪12の回転中心線に直交する面において本体ケース11の中心線Cに直交する方向(つまり本体ケース11の高さ方向の寸法)の中央部、具体的には実質的に半分の位置に配置されている。
ここで、本体ケース11の筒形の後半部の中心線、および車輪12の回転中心線は、実質的に同一線上にある。この線を中心とする、本体ケース11の筒形の後半部の内側を領域Aと呼ぶ。車輪12は、領域Aを避けている。つまり、車輪12は、領域Aよりも大きい内径を有する円環形を有している。また、一対の車輪12は、領域Aを間に挟んでいる。
一次塵埃容器13および一次電動送風機15は、領域A内に配置され、かつ本体ケース11の幅方向に並べられている。一次塵埃容器13は、領域Aのうち中央部から一方の車輪12(例えば掃除機本体7をステーション2に連結した状態において右側の車輪12)に達する領域A1に配置されている。一次電動送風機15は、領域Aのうち他方の車輪12(例えば掃除機本体7をステーション2に連結した状態において左側の車輪12)に偏倚する領域A2に配置されている。
二次電池17も、領域A内に配置されている。
本体ケース11は、一次塵埃容器13を着脱可能に収容する塵埃容器室57と、一次電動送風機15を収容する電動送風機室58と、を有している。塵埃容器室57は、領域A1を占めている。電動送風機室58は、領域A2を占めている。
一次電動送風機15は、電動送風機室58に収容されている。一次電動送風機15の吸込口は、塵埃容器室57に向けられている。
塵埃容器室57は、一次塵埃容器13の形状に準じる筒形の塵埃容器配置空間を区画している。つまり、塵埃容器室57を区画する本体ケース11の壁面は、塵埃容器配置空間を囲む壁面である。塵埃容器室57は、本体ケース11の側方へ向かって開放されている。換言すると、塵埃容器室57は、本体ケース11の側面に配置される塵埃容器挿抜口57aを有している。塵埃容器挿抜口57aの開口径は、環状の車輪12の内径よりも小さい。塵埃容器挿抜口57aは、掃除機本体7の側面視において、環状の車輪12の内側に配置されている。
なお、塵埃容器室57は、一次塵埃容器13を露出させる適宜の開口を有していても良い。塵埃容器室57は、一次塵埃容器13の全体を収容するものに限らず、一次塵埃容器13の一部を収容するものであっても良い。つまり、塵埃容器配置空間は、塵埃容器挿抜口57a以外の開口を通じて本体ケース11の外側に通じていても良い。塵埃容器挿抜口57aは、一次塵埃容器13の端面に連接していなくても良い。
一次塵埃容器13は、車輪12の内径よりも小さい外径を有する筒形の外観を有している。一次塵埃容器13は、塵埃容器室57に収容可能であり、かつ挿抜可能である。一次塵埃容器13は、塵埃容器挿抜口57aを通じて塵埃容器室57に挿抜される。つまり、一次塵埃容器13は、掃除機本体7の幅方向に挿抜される。これによって、一次塵埃容器13は、掃除機本体7に着脱される。
把手55は、使用者が把持可能な太さと、掃除機本体7の前後方向へ延び、かつ使用者が把持可能な長さと、を有している。把手55は、実質的に本体接続口18の中心線、または掃除機本体7の中心線Cに平行に延びている。
塵埃容器室57には、塵埃容器室57に収容された一次塵埃容器13を塵埃容器室57の外へ押し出す力を発生させる押出力発生部59と、塵埃容器室57に収容される一次塵埃容器13の移動を案内する容器補助転60と、が設けられている。
押出力発生部59は、塵埃容器室57が区画する塵埃容器配置空間に配置された一次塵埃容器13を塵埃容器配置空間から押し出す力を発生させている。押出力発生部59は、いわゆるプッシュロッドである。押出力発生部59は、一次塵埃容器13に接するロッド部59aと、ロッド部59aに一次塵埃容器13を塵埃容器室57の外へ押し出す力を作用させるコイルばね59bと、を備えている。押出力発生部59は、一次塵埃容器13に設けられていても良い。
容器補助転60は、一次塵埃容器13の外面の適宜の箇所に接して本体ケース11に挿抜される一次塵埃容器13の移動を補助する。容器補助転60は、一次塵埃容器13を部分的に挟み込むように、複数設けられている。容器補助転60は、一次塵埃容器13に設けられていても良い。この場合、容器補助転60は、塵埃容器室57の壁面の適宜の箇所に接して本体ケース11に挿抜される一次塵埃容器13の移動を補助する。
容器補助転60は、本体ケース11の内部、つまり塵埃容器室57内に回転可能に設けられている。複数の容器補助転60は、一次塵埃容器13の移動方向、つまり塵埃容器室57への挿抜方向に交差する方向において、一次塵埃容器13を挟んで対向する対を複数含んでいる。一次塵埃容器13は、容器補助転60によって案内され、掃除機本体7から円滑に出し入れされ、換言すると、塵埃容器室57から円滑に挿抜される。一次塵埃容器13は、大まかには円筒形である(図5、図6参照)。複数の容器補助転60は、一次塵埃容器13の径方向において対向する対を含む。そのため、一次塵埃容器13は、掃除機本体7から取り出す際に一次塵埃容器13が挿抜方向に対して傾いて塵埃容器室57に引っ掛かってしまうことが抑止される。
なお、一次塵埃容器13は、詳しくは円筒形を部分的に切り欠いた形状部を有している。容器補助転60は、この一次塵埃容器13の切欠き形状部を挟むように設けられていても良い。本実施形態に係る容器補助転60は、風路66a、66bを区画する壁を挟み込む位置に設けられている。
電気掃除機3は、塵埃容器室57に収容された一次塵埃容器13を着脱自在に固定する容器ロック機構61を備えている。容器ロック機構61は、押出力発生部59によって押し出される一次塵埃容器13の移動方向とは異なる方向へ移動可能な複数の爪部62と、複数の爪部62のそれぞれを引っ掛ける複数の爪受け部63と、を備えている。
複数の爪部62は、一次塵埃容器13に設けられている。複数の爪受け部63は、本体ケース11に設けられている。爪受け部63は、凹没している。なお、複数の爪部62が本体ケース11に設けられ、複数の爪受け部63が一次塵埃容器13に設けられていても良い。換言すると、複数の爪部62は、本体ケース11および一次塵埃容器13のいずれか一方に設けられていれば良く、複数の爪受け部63は、本体ケース11および一次塵埃容器13のいずれか他方に設けられていれば良い。
次に、一次塵埃容器13について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の一次塵埃容器の斜視図である。
図6は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の一次塵埃容器の側面図である。
図7は、図6のVII−VII線における本発明の実施形態に係る電気掃除機の一次塵埃容器の断面図である。
図3および図4に加え、図5から図7に示すように、本実施形態に係る電気掃除機3の一次塵埃容器13は、電気掃除機3に吸い込まれる塵埃を蓄積する。一次塵埃容器13は、一次電動送風機15が発生させる負圧によって吸い込まれる、塵埃を含んだ空気から塵埃を分離する分離部64と、分離部64で分離された塵埃を蓄積する集塵部65と、集塵部65から流出する空気を一次電動送風機15へ導く連絡風路66と、脚67と、を備えている。
分離部64は、本体接続口18に接続されている。分離部64は、塵埃を含む空気を直進させて塵埃および空気に作用する慣性力の差で空気から塵埃のうち比較的重い塵埃を分離させる第一分離部68と、第一分離部68を通過する比較的軽い塵埃を含む空気から塵埃を分離させる第二分離部としてのフィルタ部69と、を備えている。
集塵部65は、分離部64および連絡風路66に併設されている。集塵部65は、分離部64で分離される塵埃のうち比較的重い塵埃を蓄積する粗塵集塵室71と、フィルタ部69を収容するフィルタ室72と、を備えている。
なお、第一分離部68で分離される比較的重い塵埃を、粗塵と呼ぶ。つまり、第一分離部68は、電気掃除機3に吸い込まれる、塵埃を含んだ空気から粗い塵埃を分離する。粗塵集塵室71は、第一分離部68で分離された粗い塵埃を蓄積する第一集塵室である。フィルタ部69で分離される比較的軽い塵埃を、細塵と呼ぶ。つまり、フィルタ部69は、第一分離部68を通過する空気から細かい塵埃を分離する。フィルタ室72は、フィルタ部69で分離された細かい塵埃を蓄積する第二集塵室である。粗塵集塵室71、およびフィルタ室72を一括して集塵室73と呼ぶ。
本体接続口18から一次塵埃容器13に流れ込む含塵空気は、第一分離部68で粗塵とそれ以外(細塵を含んだ空気)とに分離される。分離された粗塵は、粗塵集塵室71に蓄積される。第一分離部68で分離された細塵を含む空気は、フィルタ室72に流れ込む。粗塵集塵室71に流れ込んだ空気も、フィルタ室72に流れ込む。フィルタ室72に流れ込んだ細塵を含む空気は、フィルタ部69で細塵と空気とに分離される。分離された細塵は、フィルタ部69に捕捉され、フィルタ室72に蓄積される。フィルタ部69を通過した清浄な空気は、連絡風路66を経て一次電動送風機15に吸い込まれる。
第一分離部68は、本体接続口18に接続されるノズル部75と、ノズル部75を内包する円錐台形の一次フィルタ枠体76と、第一メッシュフィルタ77と、を備えている。
ノズル部75は、一次塵埃容器13の外殻に相当する容器本体78の吸込口78aから容器本体78内に延びている。
一次フィルタ枠体76は、容器本体78の内面に設けられている。一次フィルタ枠体76は、一次塵埃容器13が本体ケース11に装着された状態で、本体接続口18の中心線、つまり実質的に掃除機本体7の中心線Cに沿ってテーパ状に延びている。大径の底部は容器本体78の内面に接し、小径の底部は集塵部65の粗塵集塵室71に接続される粗塵吐出口79を有している。大径の底部の直径は、吸込口78aの開口径よりも大きい。粗塵吐出口79の中心線は、実質的に吸込口78aの中心線に沿い、実質的に本体接続口18の中心線に沿っている。粗塵吐出口79は、集塵室73の入口に相当する。
第一メッシュフィルタ77は、一次フィルタ枠体76の側面に設けられている。第一メッシュフィルタ77の外側には、フィルタ室72に接続される中継風路81が区画されている。
第一分離部68は、第一メッシュフィルタ77を通じて一次電動送風機15に吸い込まれる空気の流れ、および粗塵吐出口79を通じて一次電動送風機15に吸い込まれる空気の流れによって負圧になる。
粗塵集塵室71は、第一分離部68で分離される、比較的重い塵埃を蓄積する。粗塵集塵室71は、一次電動送風機15に吸い込まれる空気の風路の一部である。粗塵集塵室71は、第一分離部68の粗塵吐出口79に繋げられている。粗塵集塵室71は、フィルタ室72にも繋げられている。粗塵集塵室71は、本体接続口18の中心線上、つまり実質的に掃除機本体7の中心線C上に配置されている。
また、粗塵集塵室71とフィルタ部69が収容されるフィルタ室72との間には、複数の粗塵集塵室出口82を有する隔壁83が設けられている。隔壁83は、集塵室73の壁の一部である。つまり、隔壁83は、粗塵集塵室71とフィルタ室72とを隔てている。隔壁83の粗塵集塵室出口82は、粗塵集塵室71とフィルタ室72とを繋ぐ風路(第二風路)である。粗塵集塵室出口82には、第二メッシュフィルタ84が設けられている。粗塵集塵室71は、塵埃を含んだ空気を第二メッシュフィルタ84へ導く上流側風路である。
さらに、粗塵集塵室71は、一次電動送風機15から遠ざかる方向、換言すると、フィルタ部69に近づく方向へ拡張されている。つまり、粗塵集塵室71は、第二メッシュフィルタ84の近傍(すなわち直前の位置)に風路断面積が急激に拡大する拡張部85を有している。複数の粗塵集塵室出口82を有する隔壁83は、拡張部85とフィルタ室72との間に設けられている。
第二メッシュフィルタ84は、負圧によって粗塵集塵室71に吸い込まれる、粗塵を含んだ空気から塵埃を濾過分離する。第二メッシュフィルタ84は、粗塵が粗塵集塵室71からフィルタ室72へ流出することを防いでいる。第二メッシュフィルタ84は、それを通過する空気の流れによって粗塵集塵室71に蓄積された塵埃を圧縮する。第二メッシュフィルタ84は、第一メッシュフィルタ77と実質的に同じ網目を有している。仮に、第一分離部68で分離されず、粗塵集塵室71に流れ込んだ細塵は、第二メッシュフィルタ84を通過してフィルタ室72に流れ込み、または粗塵集塵室71内でフィルタのように圧縮された粗塵によって捕捉される。
フィルタ部69は、一次電動送風機15が発生させる負圧によって吸い込まれる、塵埃を含んだ空気(含塵空気)から塵埃、特に第一分離部68を通過する細塵を濾過分離する。フィルタ部69は、対面する一対のフィルタ86、87と、一対のフィルタ86、87の形状を維持して支える二次フィルタ枠体88と、を備えている。
一対のフィルタ86、87は、下流側の面を対面させている。それぞれのフィルタ86、87は、一次塵埃容器13に吸い込まれる、塵埃を含んだ空気から塵埃を濾過分離する。フィルタ86、87の網の目は、第一分離部68の第一メッシュフィルタ77、および粗塵集塵室71の第二メッシュフィルタ84よりも細かい。フィルタ86、87は、例えば不織布である。フィルタ86、87に捕捉される細塵には、第一メッシュフィルタ77、および第二メッシュフィルタ84を通過可能な塵埃が含まれている。
フィルタ86、87の一方(フィルタ86)はフィルタ室72に流入する空気に直接的に晒され、フィルタ86、87の他方(フィルタ87)は、フィルタ86、87の一方(フィルタ86)を回り込んだ空気に晒される。つまり、一方のフィルタ86は、第一分離部68とフィルタ部69とを繋ぐ中継風路81を臨み、かつ粗塵集塵室71とフィルタ室72とを繋ぐ粗塵集塵室出口82を臨んでいる。他方のフィルタ87は、フィルタ86に隠れ、中継風路81および粗塵集塵室出口82から見通すことができない箇所に配置されている。
一対のフィルタ86、87は、実質的に同じ広さ(間隔)、かつ同じ深さの折り目(稜線86a、87a)を有するプリーツフィルタである。
なお、中継風路81および粗塵集塵室出口82を臨む一方のフィルタ86は、他方のフィルタ87に比べて広く浅い折り目を有していても良い。フィルタ86が中継風路81および粗塵集塵室出口82を臨んでいるため、第一分離部68を通過する塵埃、および粗塵集塵室71から流出する塵埃、つまり細塵は、先ずフィルタ86に吹き掛かる。そして、フィルタ86は細塵を捕捉して徐々に目詰まりを生じる。フィルタ86が詰まるにしたがって、中継風路81および粗塵集塵室出口82からフィルタ86に吹き掛かる細塵は、フィルタ87へ回り込むようになる。そうすると、フィルタ87の目詰まりも始まる。つまり、フィルタ87に比べてフィルタ86の方が目詰まりし易い。換言すると、塵埃は、フィルタ87に比べてフィルタ86の方に付着し易い。したがって、フィルタ86の折り目をフィルタ87に比べて広く浅くしておくことで、より塵埃が付着しやすいフィルタ86から容易に塵埃を除去できる。
フィルタ86、87は、付着した塵埃を除去しやすいように、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE、いわゆるテフロン(登録商標))の膜を上流側の面に有するものであっても良い。また、フィルタ87に比べて目詰まりしやすいフィルタ86のみが、ポリテトラフルオロエチレンの膜を上流側の面に有するものであっても良い。
フィルタ86、87は、電気掃除装置1の収納形態において、上下方向(鉛直方向)に延びる稜線86a、87a(折り目)を有している。換言すると、フィルタ86、87の稜線86a、87aは、掃除機本体7の前後方向に延びている。フィルタ86、87は、折り目に交差する端面が開放されている。
なお、フィルタ86、87の開放端面は、フィルタ86、87の端面形状に沿って山と谷とを有するジグザク形であっても良いし、隣り合う山と山との間に通風孔(図示省略)を有する板形の枠を介在させるものであっても良い。
二次フィルタ枠体88は、一対のフィルタ86、87を対面させ、かつ離間させて支持している。二次フィルタ枠体88、および一対のフィルタ86、87で区画される空間は、フィルタ部69の下流側の風路に相当する。このフィルタ部69の内部空間は、連絡風路66に繋げられている。二次フィルタ枠体88は、フィルタ86の両側に配置され、連絡風路66に接続される二次フィルタ出口89を有している。二次フィルタ出口89は、フィルタ86、87を通過した空気を連絡風路66へ流出させる。
フィルタ室72は、粗塵集塵室71に隣接している。フィルタ室72は、濾過分離によってフィルタ部69に捕捉される細塵を蓄積する細塵集塵室として機能する。第一メッシュフィルタ77および第二メッシュフィルタ84を通過する細塵は、より網目の細かい一対のフィルタ86、87によって捕捉され、フィルタ室72に蓄積される。つまり、集塵室73(粗塵集塵室71、およびフィルタ室72)は、フィルタ86、87よりも上流側に配置されている。
フィルタ室72は、一次電動送風機15に吸い込まれる空気の風路の一部である。フィルタ室72は、中継風路81に繋げられている。フィルタ室72は、粗塵集塵室71にも繋げられている。
連絡風路66は、分離部64および集塵部65から流出する空気を一次電動送風機15へ導く複数の風路66a、66bである。つまり、連絡風路66は、複数に分岐して一次電動送風機15に達している。連絡風路66は、例えば2つの風路66a、66bに分かれている。複数、例えば2つの風路66a、66bは、分離部64へ空気を導く吸込口78aを間に挟んでいる。2つの風路66a、66bの風路断面積Sは、実質的に等しい。2つの風路66a、66bは、一次電動送風機15のファンの回転中心線を含む面について面対称な形状を有している。換言すると、複数の風路66a、66bは、第一メッシュフィルタ77、第二メッシュフィルタ84、およびフィルタ部69の中央よりも第一メッシュフィルタ77、第二メッシュフィルタ84、およびフィルタ部69の縁側に偏倚して配置され、かつ相互に離間している。2つの風路66a、66bは、一次電動送風機15に接続される連絡風路66の端部で集合し、合流する。換言すると、2つの風路66a、66bは、連絡風路66の集合風路66cを介して一次電動送風機15に接続されている。なお、連絡風路66は、3つ以上に分岐していても良い。換言すると。連絡風路66は、第一メッシュフィルタ77、第二メッシュフィルタ84、およびフィルタ部69を通過する空気を一次電動送風機15へ導く複数の下流側風路である。
ノズル部75から第一分離部68へ流れ込む含塵空気のうち質量の比較的に大きい粗塵は、ノズル部75から粗塵吐出口79へ慣性力で直進し粗塵集塵室71へ送られる。粗塵吐出口79から粗塵集塵室71に流れ込む塵埃(粗塵)は、粗塵集塵室71に蓄積される。他方、ノズル部75から第一分離部68へ流れ込む含塵空気のうち質量の比較的に小さい細塵および空気は、ノズル部75から放射状に拡がって一次フィルタ枠体76の側面に設けられる第一メッシュフィルタ77を通過し、中継風路81を経てフィルタ室72に流れ込む。粗塵吐出口79から粗塵集塵室71に流れ込む塵埃(粗塵)とともに、空気の一部も粗塵集塵室71に流れ込む。粗塵集塵室71に流れ込んだ空気は、第二メッシュフィルタ84を通過し、フィルタ室72に流れ込む。第一メッシュフィルタ77または第二メッシュフィルタ84を通過してフィルタ室72へ流れ込む空気に含まれる細塵は、フィルタ部69で濾過分離され、一対のフィルタ86、87の表面に捕捉される。フィルタ86、87を通過する清浄な空気は、連絡風路66を介して一次電動送風機15に吸い込まれる。このとき、清浄な空気は、複数の風路66a、66bに一時的に分かれ、その後に再び集合して一次電動送風機15に吸い込まれる。
容器本体78は、集塵室73、つまり粗塵集塵室71とフィルタ室72とを区画している。分離部64のうち第一分離部68、および連絡風路66は、フィルタ部69と一次電動送風機15との間に配置され、かつ相互に併設されている。換言すると、分離部64、連絡風路66、および一次電動送風機15は、この順に並んでいる。
一対の車輪12は、一次電動送風機15、分離部64(第一分離部68およびフィルタ部69)、集塵部65(粗塵集塵室71およびフィルタ室72)、および連絡風路66を間に挟んでいる。
第一分離部68は、本体ケース11の幅方向中央部に配置され、フィルタ部69は、本体ケースの一方の側部、例えば右側部に偏倚され、一次電動送風機15は、本体ケース11の他方の側部、例えば左側部に偏倚されている。
一次塵埃容器13は、電気掃除機3に吸い込まれる塵埃を蓄積する集塵室73を区画し、かつ集塵室73に蓄積された塵埃を廃棄する廃棄口91を有する容器本体78と、廃棄口91を開閉する廃棄蓋92と、第一分離部68とフィルタ部69とを繋ぐ中継風路81の流通を許容または阻止する第一流通切換機構部95と、粗塵集塵室71とフィルタ室72とを繋ぐ粗塵集塵室出口82の流通を許容または阻止する第二流通切換機構部96と、を備えている。なお、図3において、第一流通切換機構部95および第二流通切換機構部96は、説明の便宜のために閉じた状態で示されている。
また、一次塵埃容器13は、ステーション2の二次電動送風機50が発生させる負圧によって一次塵埃容器13を含む風路の外側から直接的に空気を導入する吸気口97と、吸気口97を開閉する吸気蓋98と、を備えている。
さらに、一次塵埃容器13は、フィルタ部69に付着した塵埃、つまりフィルタ86、87に付着した塵埃を除塵する除塵機構101と、除塵機構101の除塵動作と廃棄蓋92の開動作とを連動させる第一動力伝達機構102と、を備えている。
さらにまた、一次塵埃容器13は、集塵室73内に設けられ、廃棄口91に繋がる凹没部103を備えている。
一次塵埃容器13は、一次塵埃容器13に蓄積された塵埃を圧縮する塵埃圧縮機構105を備えていても良い。
容器本体78は、分離部64、つまり第一分離部68、およびフィルタ部69を収容している。容器本体78は、集塵室73、つまり粗塵集塵室71、およびフィルタ室72を区画している。また、容器本体78は、第一動力伝達機構102を収容する機械室106を区画している。容器本体78は、全体として筒形である。容器本体78は、筒形の中心線を本体ケース11の幅方向へ向けて領域A1に装着されている。
廃棄口91および吸気口97は、容器本体78の側面に設けられている。廃棄口91は、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる時を除いて廃棄蓋92によって閉じられている。換言すると、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる時に廃棄蓋92は開かれ、その他の時に廃棄蓋92は廃棄口91を閉じている。吸気口97は、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる時を除いて吸気蓋98によって閉じられている。換言すると、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる時に吸気蓋98は開かれ、その他の時に吸気蓋98は吸気口97を閉じている。
廃棄口91は、吸気口97から導入される空気とともに一次塵埃容器13に蓄積された塵埃を廃棄する。廃棄口91は、本体ケース11の後端部に配置されている。廃棄口91は、ステーション2と掃除機本体7とが接する部位に配置されている。つまり、廃棄口91は、本体ケース11の背面に配置されている。なお、本体ケース11の背面は、電気掃除装置1の収納形態(図2)において本体ケース11の最下端に位置する。廃棄口91は、電気掃除装置1の収納形態においてフィルタ部69の下方に配置される。また、廃棄口91は、電気掃除装置1の収納形態においてフィルタ部69の下方へ向かって開いている。
本体ケース11の後端部には、廃棄口91よりも大きい本体ケース廃棄口107が設けられている。本体ケース廃棄口107は、電気掃除装置1の収納形態においてステーション2の塵埃移送管43を通過させ、塵埃移送管43の入口を廃棄口91に接続させる。
廃棄口91は、粗塵集塵室71に繋がる粗塵廃棄口108と、フィルタ室72に繋がる細塵廃棄口109と、を含んでいる。粗塵廃棄口108は、粗塵集塵室71から粗塵を流出させる第一廃棄口である。細塵廃棄口109は、フィルタ室72から細塵を流出させる第二廃棄口である。粗塵廃棄口108および細塵廃棄口109は、本体ケース11の幅方向、つまり容器本体78の中心線方向に並んでいる。粗塵廃棄口108および細塵廃棄口109は、電気掃除機3がステーション2に連結された状態で下方へ向かって開いている。細塵廃棄口109の開口面積は、粗塵廃棄口108の開口面積よりも小さい。換言すると、廃棄口91の開口面積に占める比率は、粗塵廃棄口108よりも細塵廃棄口109の方が小さい。粗塵集塵室71およびフィルタ室72は、隔壁83を共有し、隣接している。
廃棄蓋92および吸気蓋98は、容器本体78の側面の一部である。吸気蓋98は、筒形の容器本体78の周方向へ往復移動可能に設けられている。廃棄蓋92は、ヒンジ機構(図示省略)によって、容器本体78に支えられている。廃棄蓋92は、一次塵埃容器13の外側へ向かって開く外開き式である。
廃棄蓋92は、粗塵廃棄口108を開閉する粗塵廃棄蓋111と、細塵廃棄口109を開閉する細塵廃棄蓋112と、を個別に備えている。粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112は、それぞれ個別にヒンジ機構(図示省略)によって、容器本体78に支えられている。粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112のいずれも、一次塵埃容器13の外側へ向かって開く外開き式である。粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112は、相互に異なる時期に開閉される。つまり、粗塵廃棄蓋111は、粗塵集塵室71に蓄積された粗塵を廃棄する際に開かれ、細塵廃棄蓋112は、フィルタ室72に蓄積された細塵を廃棄する際に開かれる。
粗塵廃棄口108および細塵廃棄口109の開口幅は、本体ケース11の周方向、つまり容器本体78の中心線方向に交差する方向へ実質的に等しく、本体ケース11の幅方向、つまり容器本体78の中心線方向へ粗塵廃棄口108の方が大きい。このような開口形状は、粗塵廃棄口108および細塵廃棄口109を一括して開閉する廃棄蓋92の形状の簡素化に寄与し、廃棄蓋92の開閉機構の簡素化にも寄与する。
なお、廃棄口91にはパッキン113が適宜に設けられている。パッキン113は一体成形品である。パッキン113は、廃棄蓋92と容器本体78との間に挟まり、粗塵廃棄口108および細塵廃棄口109を一括して密封する。
凹没部103は、容器本体78、隔壁83、および廃棄蓋92によって画定される窪みである。換言すると、容器本体78、隔壁83、および廃棄蓋92のそれぞれが凹没部103の壁の一部を担っている。凹没部103は、集塵室73内の塵埃、具体的には粗塵集塵室71内の塵埃を納める。
第一流通切換機構部95は、電気掃除機3からステーション2に粗い塵埃および細かい塵埃を移動させる際に、中継風路81の流通を阻止する。第一流通切換機構部95は、中継風路81を介した第一分離部68とフィルタ部69との間の空気の流れを許容または阻止する第一切換弁115と、第一切換弁115を駆動する第一動力源116と、を備えている。第一切換弁115は、中継風路81の入口、出口、または途中に設けられて中継風路81を開閉する。第一切換弁115は、例えば仕切弁(gate valve)のように中継風路81に対して直角に移動する弁体を有するものであっても良いし、蝶形弁(butterfly valve)のように中継風路81内の弁体を弁棒の回りに回転させるものであっても良い。また、第一切換弁115は、中継風路81の流路断面積を減じることが可能であれば、中継風路81を完全に閉塞(閉じる)できなくても良い。第一切換弁115を駆動する第一動力源116は、例えば電動機である。この第一動力源116は、単独でステーション2、または電気掃除機3に設けられていても良いし、第一動力伝達機構102を介して除塵機構101および廃棄蓋92と共有されていても良い。第一動力源116を単独でステーション2、または電気掃除機3に設ける場合、第一動力源116と第一切換弁115との間には、例えばカップリングのような適宜の連結機構を有する第二動力伝達機構(図示省略)が設けられていることが好ましい。
第二流通切換機構部96は、電気掃除機3からステーション2に粗い塵埃および細かい塵埃を移動させる際に、粗塵集塵室出口82の流通を阻止する。第二流通切換機構部96は、粗塵集塵室出口82を介した粗塵集塵室71とフィルタ室72との間の空気の流れを許容または阻止する第二切換弁117と、第二切換弁117を駆動する第二動力源118と、を備えている。第二切換弁117は、隔壁83の粗塵集塵室71側の壁面の近傍、または隔壁83のフィルタ室72側の壁面の近傍に設けられて粗塵集塵室出口82を開閉する。第二切換弁117は、例えば仕切弁(gate valve)のように隔壁83(隔壁83の粗塵集塵室出口)に対して平行に移動する弁体を有するものであっても良いし、蝶形弁(butterfly valve)のように粗塵集塵室71内、またはフィルタ室72内の弁体を弁棒の回りに回転させるものであっても良い。また、第二切換弁117は、粗塵集塵室出口82の開口面積(流路断面積)を減じることが可能であれば、粗塵集塵室出口82を完全に閉塞(閉じる)できなくても良い。第二切換弁117を駆動する第二動力源118は、例えば電動機である。この第二動力源118は、単独でステーション2、または電気掃除機3に設けられていても良いし、第一流通切換機構部95と共有されていても良いし、第一動力伝達機構102を介して除塵機構101および廃棄蓋92と共有されていても良い。第二動力源118を単独でステーション2、または電気掃除機3に設ける場合、第二動力源118と第一切換弁115との間には、例えばカップリングのような適宜の連結機構を有する第三動力伝達機構(図示省略)が設けられていることが好ましい。また、第二動力源118を第一流通切換機構部95の第一動力源116と共有する場合には、第三動力伝達機構は、例えば差動歯車のような適宜の動力分配機構を備えていることが好ましい。
吸気口97は、掃除機本体7外から、または本体ケース11内であって一次電動送風機15に繋がる風路の外側からフィルタ室72に空気を取り入れる入口である。吸気口97は、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる際に、空気の流れを生じさせる吸込口である。
吸気口97は、容器本体78の周方向に見て廃棄口91から最も遠い箇所、つまり180度離れた箇所、換言すると容器本体78の中心線を対称線とする線対称位置に配置されている。つまり、吸気口97は、電気掃除装置1の収納形態(図1)においてフィルタ部69の上方に配置されている。換言すると、フィルタ86、87は、吸気口97と細塵廃棄口109との間に挟まれて配置されている。
また、吸気口97は、フィルタ86、87の上流側(一次電動送風機15が生じさせる流れの上流側)の風路に配置されている。
細塵廃棄口109を通じて一次塵埃容器13から廃棄される細塵、および粗塵廃棄口108を通じて一次塵埃容器13から廃棄される粗塵は、ステーション2の塵埃移送管43を経て、二次塵埃容器49に移される。
なお、本実施形態に係る吸気口97は、一次塵埃容器13の容器本体78に設けられ、フィルタ86、87よりも上流側の風路に配置されているが、フィルタ86、87の下流側(一次電動送風機15が生じさせる流れの下流側)の風路に設けられていても良い(図6に二点鎖線で示される吸気口97および吸気蓋98)。この場合、吸気口97は、フィルタ86、87から一次電動送風機15までの風路、例えば、連絡風路66に通じる。
容器ロック機構61は、一次塵埃容器13が掃除機本体7の塵埃容器室57に収容された状態において掃除機本体7の外部に露出する部分に操作部121を備えている。操作部121は、容器ロック機構61の解除操作の入力部である。操作部121は、爪部62を爪受け部63から離脱させる力を受け取る。
脚67は、粗塵吐出口79から粗塵集塵室71の拡張部85へ延びる容器本体78の塵埃案内面122の外側の面に設けられている。脚67は、塵埃案内面122の外側の面に沿う収納位置と、一次塵埃容器13を自立させる使用位置との間で揺動する。脚67は、一次塵埃容器13の把手としても利用できる。
脚67は、一次塵埃容器13が塵埃容器室57に収納された状態で押出力発生部59が発生させる一次塵埃容器13を押し出す力を受ける。脚67と一次塵埃容器13との間には、捻りばね(図示省略)が設けられている。この捻りばねは、一次塵埃容器13が塵埃容器室57から取り出され、脚67に外力が働かなくなった状態で、脚67を使用位置へ移動させる力を発生させている。
一次塵埃容器13が塵埃容器室57に収容される過程において、脚67は、塵埃容器室57の内壁面に案内されて使用姿勢から収容姿勢へと揺動する。一次塵埃容器13が塵埃容器室57に収容された状態では、収容姿勢の脚67の先端に押出力発生部59のロッド部59aが接触し、一次塵埃容器13に押し出す力が作用する。
一次塵埃容器13が塵埃容器室57に収容された状態で容器ロック機構61のロックが解除されると、押出力発生部59の押し出し力によって一次塵埃容器13は塵埃容器室57から押し出される。このとき脚67は、捻りばねのばね力によって塵埃容器室57の内壁面に倣いながら収容姿勢から使用姿勢へと揺動する。使用姿勢の脚67は、掃除機本体7から取り出された一次塵埃容器13を自立した状態(図6で数字が読める向きに見て左端部を下にした状態)で支える。
二次電池17は、粗塵集塵室71を囲んでいる。つまり、二次電池17に含まれる複数の素電池17aは、本体ケース11の筒形の後半部の内面に沿って配置され、粗塵集塵室71の周囲を囲んでいる。
除塵機構101は、一対のフィルタ86、87を一括して除塵する。
第一動力伝達機構102は、ステーション2から除塵機構101、廃棄蓋92、および吸気蓋98の駆動力を受け、除塵機構101、廃棄蓋92、および吸気蓋98のそれぞれへ分配し、伝達する。なお、第一動力伝達機構102を介してステーション2から駆動力を得るこれら除塵機構101、廃棄蓋92、および吸気蓋98を、一括して従動機構125と呼ぶ。従動機構125は、ステーション2から駆動力を利用して電気掃除機3の一次塵埃容器13からステーション2の二次塵埃容器49へ塵埃を移し換えることが可能な状態と、電気掃除機3を使用できる状態と、に状態を変化させる。
第一動力伝達機構102は、ステーション2から受け取る駆動力を塵埃圧縮機構105へも分配する。
第一動力伝達機構102は、継手半体126を備えている。継手半体126は、ステーション2から電気掃除機3へ回転駆動力を伝達する軸継手127の一部である。
塵埃圧縮機構105は、粗塵集塵室71に設けられている。塵埃圧縮機構105は、例えば粗塵集塵室71のいずれかの壁面との間に粗塵を挟み込んでこれを圧縮し、体積を減少させる。
次に、本実施形態に係る電気掃除機3の粗塵集塵室71について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の一次塵埃容器の分解斜視図である。
なお、図8は、第二流通切換機構部96が省略されている。
図8に示すように、本実施形態に係る電気掃除機3の一次塵埃容器13は、第一分離部68を含む第一半体13aと、フィルタ部69を含む第二半体13bと、第一半体13aを第二半体13bに固定するロック機構128と、を備えている。
そして、図3に加えて図8に示すように、本実施形態に係る電気掃除機3の粗塵集塵室71は、集塵室73の入口としての粗塵吐出口79から凹没部103へ塵埃を案内する塵埃案内面122を備えている。
塵埃案内面122は、粗塵吐出口79の開口方向、つまり掃除機本体7の中心線Cに交差する斜面である。塵埃案内面122は、粗塵吐出口79から凹没部103へ向かって実質的に平面状に延びている。塵埃案内面122は、空気の流れが粗塵吐出口79から凹没部103へ向かうように案内する風路の一部分である。掃除機本体7に吸い込まれた粗塵の大部分は粗塵吐出口79を通過して粗塵集塵室71に流れ込む。塵埃案内面122は、粗塵吐出口79を通過して粗塵集塵室71に流れ込む、塵埃を含む空気の流れを斜めに誘導する。
凹没部103は、隔壁83に設けられてフィルタ部69へ向かって窪んでいる第一部位103aと、粗塵集塵室71から廃棄蓋92へ向かって一次塵埃容器13の径方向外側へ向かって窪んでいる第二部位103bと、を含んでいる。第一部位103aおよび第二部位103bは繋がっている。第一部位103aの壁面は、第二部位103bへ向かって滑らかな局面を描く。換言すると、隔壁83は、粗塵集塵室71からフィルタ室72へと向かう空気の流れの下流側に向かって窪んだ部分を有している。この窪んだ部分が第一部位103aである。また、粗塵集塵室71の内壁は、廃棄口91に向かって窪んだ部分を有している。この窪んだ部分が第二部位103bである。凹没部103は、互いに異なる方向に窪み、かつ相互に繋がる第一部位103aと第二部位103bを含んでいる。
粗塵集塵室出口82は、凹没部103の壁に設けられる下段側粗塵集塵室出口82aと、凹没部103から離間して集塵室73の壁に設けられる上段側粗塵集塵室出口82bと、を含んでいる。下段側粗塵集塵室出口82aは、もっぱら凹没部103から空気を流出させる第一集塵室出口である。上段側粗塵集塵室出口82bは、粗塵集塵室71のうち、もっぱら凹没部103以外の部位から空気を流出させる第二集塵室出口である。下段側粗塵集塵室出口82aは、凹没部103へ向かう塵埃案内面122に近い。上段側粗塵集塵室出口82bは、凹没部103の壁から離間し、かつ下段側粗塵集塵室出口82aよりも塵埃案内面122から遠い。凹没部103は、上段側粗塵集塵室出口82bと塵埃案内面122との間に挟まれている。
第二メッシュフィルタ84は、下段側粗塵集塵室出口82aに設けられる下段側第二メッシュフィルタ84aと、上段側粗塵集塵室出口82bに設けられる上段側第二メッシュフィルタ84bと、を含んでいる。
下段側粗塵集塵室出口82aは、凹没部103の壁面の1つに設けられている。下段側粗塵集塵室出口82aは、凹没部103の壁面の幅方向に並ぶ複数の開口82cを含んでいる。下段側粗塵集塵室出口82aは、粗塵集塵室71とフィルタ室72とを隔てる隔壁83のうち、フィルタ室72に向かって窪む部分、すなわち第一部位103aに設けられている。複数の開口82cは、凹没部103の壁面の全幅に渡って並んでいる。
上段側粗塵集塵室出口82bは、隔壁83の壁の幅方向に並ぶ複数の開口82dを含んでいる。上段側粗塵集塵室出口82bは、凹没部103を隔てて塵埃案内面122から離間している。複数の開口82dは、隔壁83の幅方向において凹没部103よりも広い範囲に設けられている。複数の開口82dは、隔壁83の全幅に渡って設けられている。
集塵室73は、塵埃案内面122から凹没部103へ向かう塵埃の流れの向きに見て、凹没部103の両側方部分83aに否開口の壁面を有している。換言すると、凹没部103の両側方部分83aは、否開口の壁面であり、集塵室73の壁の一部であり、かつ集塵室73の壁の一部である隔壁83の一部である。
フィルタ部69は、粗塵集塵室出口82、つまり下段側粗塵集塵室出口82a、および上段側粗塵集塵室出口82bから流れ出る空気から細塵を濾過分離して清浄な空気を連絡風路66へ流出させる。
第一分離部68の粗塵吐出口79から粗塵集塵室71に流れ込む、塵埃を含んだ空気は、粗塵吐出口79から直進して塵埃案内面122に吹き掛かる。塵埃案内面122に達した、塵埃を含んだ空気は、塵埃案内面122に沿うように進行方向を変え、かつ流れて凹没部103へ向かう。粗塵集塵室71に流れ込んだ空気は、下段側粗塵集塵室出口82aへ吸い込まれる一方、上段側粗塵集塵室出口82bへも吸い込まれる。そして、粗塵集塵室71内における空気の拡がり、および分岐、換言すると粗塵集塵室71内の流れ場は、空気に含まれる粗塵のうち、比較的に質量の大きい粗塵(大質の量粗塵)を、その慣性力で塵埃案内面122に沿うように直進させる一方、質量の小さい粗塵(小質量の粗塵)を上段側粗塵集塵室出口82bへ押し流す。そのため、粗塵の中でも大質量の粗塵は、主に塵埃案内面122の先に配置される凹没部103に納まる一方、粗塵の中でも小質量の粗塵は、主に上段側第二メッシュフィルタ84bに捕捉される。
次に、本発明の実施形態に係るステーション2について詳細に説明する。
図9および図10は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置のステーションの斜視図である。
なお、図10は、台座41の天板、および塵埃回収部42のケース48が取り外されたステーション2の斜視図である。
図9および図10に示すように、本実施形態に係るステーション2の二次塵埃容器49は、塵埃移送管43から流れ込む塵埃を空気から遠心分離する遠心分離部131を備えている。遠心分離部131は多段型であり、塵埃移送管43から流れ込む塵埃を空気から遠心分離する第一遠心分離部132と、第一遠心分離部132を通過する塵埃を空気から遠心分離する第二遠心分離部133と、を備えている。
第一遠心分離部132は、二次塵埃容器49に流れ込む塵埃のうち粗い塵埃を遠心分離する。第二遠心分離部133は、第一遠心分離部132を通過する細かい塵埃を遠心分離する。なお、粗い塵埃とは、もっぱら糸くずや綿埃などの繊維状の塵埃や砂粒のような質量の大きい塵埃であり、細かい塵埃とは、粒子状または粉末状で質量の小さい塵埃である。
二次電動送風機50は、下流風路管135を介して二次塵埃容器49に接続されている。二次電動送風機50は、下流風路管135、二次塵埃容器49、および塵埃移送管43を介して一次塵埃容器13に負圧を作用させ、一次塵埃容器13に蓄積された塵埃を空気とともに二次塵埃容器49に移動させる。
また、ステーション2は、台座41に設けられる連結案内部136と、電気掃除機3の一次塵埃容器13の廃棄蓋92の開駆動力および閉駆動力を発生させる駆動源137と、駆動源137から電気掃除機3に駆動力を伝える第四動力伝達機構138と、を備えている。
連結案内部136は、掃除機本体7がステーション2に連結される際、ステーション2の充電端子46が掃除機本体7の充電電極19に好適に接続され、かつ塵埃移送管43が掃除機本体7の廃棄口91に好適に接続される位置へ、掃除機本体7を案内する。
なお、掃除機本体7がステーション2に連結され、ステーション2の充電端子46が掃除機本体7の充電電極19に好適に接続され、かつ塵埃移送管43が掃除機本体7の廃棄口91に好適に接続された形態が、電気掃除装置1の収納形態である。
連結案内部136は、掃除機本体7の本体ケース11の後端部の形状に適合して窪んでいる。つまり、連結案内部136は、本体ケース11の筒形の後半部に適合し、ステーション2の側方視において円弧形に窪んでいる。掃除機本体7は、台座41の上方から下ろされて(降下させられて)ステーション2に連結するため、掃除機本体7の後端部の形状に適合する連結案内部136は、電気掃除装置1の収納形態における掃除機本体7の位置決めを確実にする。
充電端子46と塵埃移送管43の入口とは、連結案内部136に配置されている。塵埃移送管43の入口には、塵埃移送管43と電気掃除機3との接続部分、つまり塵埃移送管43と一次塵埃容器13との接続部分をシールするシール部材139が設けられている。
駆動源137は、例えば電動機である。駆動源137は、ステーション制御部51に電気的に接続されている。駆動源137は、二次電動送風機50同様に、ステーション制御部51に制御される。
駆動源137は、電気掃除機3の吸気蓋98の開駆動力および閉駆動力を発生させる。駆動源137は、電気掃除機3の除塵機構101の駆動力を発生させる。つまり、駆動源137は、廃棄蓋92、吸気蓋98、および除塵機構101の駆動力を発生させる。換言すると、駆動源137は、従動機構125の駆動力を発生させる。駆動源137は、塵埃移送管43の入口と塵埃回収部42との間に設けられている。駆動源137は、電気掃除機3の塵埃圧縮機構105の駆動力を発生させる。
第四動力伝達機構138は、駆動源137、つまり電動機の出力軸から電気掃除装置1の収納形態における掃除機本体7の継手半体126の中心線上へ、駆動源137の動力を伝える適宜の機構である。本実施形態に係る第四動力伝達機構138は、相互に噛み合わされた複数、例えば3つの歯車138a、138b、138cと、これらの歯車138a、138b、138cを回転可能に支え、かつ収容するギアボックス(図示省略)と、を備えている。第四動力伝達機構138は、プーリーとベルトとを組み合わせた機構や、チェーンとスプロケットとを組み合わせた機構であっても良い。
電気掃除装置1は、ステーション2の駆動源137から掃除機本体7の廃棄蓋92に駆動力を伝える動力伝達経路141と、ステーション2と電気掃除機3との間で動力伝達経路141の連結と切り離しとを行う連結器142と、を備えている。
動力伝達経路141は、電気掃除機3側の第一動力伝達機構102と、ステーション2側の第四動力伝達機構138と、を含んでいる。連結器142は、電気掃除機3側の第一動力伝達機構102とステーション2側の第四動力伝達機構138とを連結して動力伝達経路141を機能させる。動力伝達経路141は、ステーション2側の駆動源137から電気掃除機3側の従動機構125、つまり除塵機構101、廃棄蓋92、および吸気蓋98へ駆動力を伝達する。
第四動力伝達機構138、および掃除機本体7の継手半体126を除く連結器142は、台座41の膨出部47に覆われている。連結器142は、電気掃除機3をステーション2に装着するときには、電気掃除機3との接触を回避可能な退避位置にある一方、電気掃除機3をステーション2に装着した状態では駆動源137の駆動力を電気掃除機3に伝達可能な連結位置へ移動する。膨出部47は、継手半体143を出没可能に収容している。
連結器142は、いわゆるドグクラッチやカップリングである。連結器142は、電気掃除機3の第一動力伝達機構102に設けられる継手半体126と、ステーション2の第四動力伝達機構138に設けられる継手半体143と、を備えている。
図11は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置のブロック図である。
図11に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1は、電気掃除機3側の第一制御回路151と、ステーション2側の第二制御回路152と、を備えている。
電気掃除機3側の第一制御回路151は、もっぱら一次電動送風機15の運転を制御する。電気掃除機3側の第一制御回路151は、二次電池17に直列に接続される一次電動送風機15と、二次電池17と一次電動送風機15とを接続する電路を開閉する第一スイッチング素子155と、二次電池17の電圧を変換して掃除機制御部16へ電力を供給する制御用電源部156と、一次電動送風機15の運転を制御する掃除機制御部16と、を備えている。
第一スイッチング素子155は、掃除機制御部16に接続されるゲートを備えている。第一スイッチング素子155は、ゲート電流の変化に応じて一次電動送風機15の入力を変える。
制御用電源部156は、掃除機制御部16の制御電源を発生させる電源回路である。
ステーション2側の第二制御回路152は、もっぱら二次電動送風機50の運転を制御する。ステーション2側の第二制御回路152は、商用交流電源Eへ直列に接続される二次電動送風機50と、商用交流電源Eと二次電動送風機50とを接続する電路を開閉する第二スイッチング素子157と、商用交流電源Eを変換してステーション制御部51へ電力を供給する制御用電源部158と、電気掃除機3がステーション2に装着されたことを検知する複数の装着検知器45と、二次電動送風機50の運転を制御するステーション制御部51と、ステーション制御部51に接続される報知部159と、を備えている。なお、ステーション2側の第二制御回路152は、電気掃除機3の二次電池17の充電回路(図示省略)も備えている。
第二スイッチング素子157は、双方向サイリスタや逆阻止3端子サイリスタなどの素子である。第二スイッチング素子157は、ステーション制御部51に接続されるゲートを備えている。第二スイッチング素子157は、ゲート電流の変化に応じて二次電動送風機50の入力を変える。
制御用電源部158は、ステーション制御部51の制御電源を発生させる電源回路である。
装着検知器45は、検知対象が収納状態にあるとき電路を開き、検知対象が収納状態にないとき、換言すると検知対象が使用状態にあるとき電路を閉じるよう第二制御回路152に接続されていることが好ましい。
つまり、第一装着検知器45aは、電気掃除機3がステーション2に連結された場合、換言すると電気掃除機3がステーション2に装着された場合、もしくは電気掃除機3が台座41に置かれた場合に電路を開く。他方、第一装着検知器45aは、電気掃除機3がステーション2から切り離された場合、換言すると電気掃除機3がステーション2から離脱した場合、もしくは電気掃除機3が台座41から離れた場合に電路を閉じる。第二装着検知器45bは、電気掃除機3の管部8がステーション2に装着された場合、電路を開く。また、第二装着検知器45bは、電気掃除機3の管部8がステーション2から離脱した場合、電路を閉じる。なお、管部取付部53が掃除機本体7に設けられている場合にも同様である。この場合、第二装着検知器45bが開閉する電路は、電気掃除機3側の第一制御回路151に含まれる。
ステーション制御部51は、複数の装着検知器45のうち少なくとも2つの装着検知器45がステーション2に電気掃除機3が装着されたことを検知した場合に、一次塵埃容器13から二次塵埃容器49への塵埃の移送を許可する。そして、ステーション制御部51は、塵埃の移送の許可から予め定める遅延時間が経過した後に、換言すると、複数の装着検知器45のうち少なくとも2つの装着検知器45がステーション2に電気掃除機3が装着されたことを検知してから予め定める遅延時間が経過した後に、二次電動送風機50を始動させて塵埃の移送を開始する。
複数の装着検知器45は、電気掃除機3の本体把手14が収納位置にあることを検知する第三装着検知器45cを含んでいても良い。複数の装着検知器45は、第一装着検知器45a、および第二装着検知器45bに加えて第三装着検知器45cを備えていても良い。また、複数の装着検知器45は、第二装着検知器45bに代えて第三装着検知器45cを備えていても良い。複数の装着検知器45が、第一装着検知器45a、第二装着検知器45b、および第三装着検知器45cを含んでいる場合、ステーション制御部51は、3つ全ての装着検知器45がステーション2に電気掃除機3が装着されたことを検知した場合に、一次塵埃容器13から二次塵埃容器49への塵埃の移送を許可するものであっても良い。また、ステーション制御部51は、3つの装着検知器45のうち2つ、つまり、第一装着検知器45aと第二装着検知器45bとの組、第一装着検知器45aと第三装着検知器45cとの組、または第二装着検知器45bと第三装着検知器45cとの組、がステーション2に電気掃除機3が装着されたことを検知した場合に、一次塵埃容器13から二次塵埃容器49への塵埃の移送を許可するものであっても良い。さらに、ステーション制御部51は、3つの装着検知器45のうち第一装着検知器45aを必ず含み、第二装着検知器45bまたは第三装着検知器45cを加えた2つの装着検知器45が、ステーション2に電気掃除機3が装着されたことを検知した場合に、一次塵埃容器13から二次塵埃容器49への塵埃の移送を許可するものであっても良い。
報知部159は、複数の装着検知器45の少なくとも1つがステーション2に電気掃除機3が装着されたことを検知してから予め定める所定の時間以内に、他の装着検知器45の少なくとも1つがステーション2に電気掃除機3が装着されたことを未検知の場合には、報知を行う。つまり、報知部159は、複数の装着検知器45の少なくとも1つがステーション2に電気掃除機3が装着されたことを検知してから予め定める所定の時間以内に、他の装着検知器45の少なくとも1つがステーション2に電気掃除機3が装着されたことを未検知の場合には、ステーション2に装着された電気掃除機3の装着状態が、不完全であることを報知する。報知部159は、例えば、文字などの情報を表示するディスプレイ、点灯または点滅するランプやLED(Light Emitting Diode)など電気掃除装置1の使用者の視覚に訴えるもの、電気的に合成された音声やブザー音などを発する発音器など電気掃除装置1の使用者の聴覚に訴えるもの、バイブレータなど電気掃除装置1の使用者の触覚に訴えるものなどを用いて構成される。
ステーション2に掃除機本体7が連結されて電気掃除装置1は収納形態に移行する。そうすると、掃除機本体7の充電電極19は、ステーション2の充電端子46に接触し、充電端子46に電気的に接続される。塵埃移送管43の入口は、掃除機本体7の本体ケース廃棄口107を通じて一次塵埃容器13の容器本体78の外面に密着する。
次いで、電気掃除装置1による電気掃除機3からステーション2への塵埃の移動動作について説明する。
図1から図11に示す、本実施形態に係る電気掃除装置1の電気掃除機3は、電気掃除機3からステーション2へ塵埃の移動させるときを除いて、廃棄蓋92、および吸気蓋98を閉じている。つまり、電気掃除機3は、ステーション2から切り離された状態においては勿論、ステーション2に収納された状態であっても、一次塵埃容器13から二次塵埃容器49へ塵埃の移送を開始するまでは、廃棄蓋92、および吸気蓋98を閉じている。
また、電気掃除機3は、電気掃除機3からステーション2へ塵埃を移動させるときを除いて、第一流通切換機構部95の第一切換弁115、および第二流通切換機構部96の第二切換弁117を開いている。つまり、電気掃除機3は、ステーション2から切り離された状態においては勿論、ステーション2に収納された状態であっても、一次塵埃容器13から二次塵埃容器49へ塵埃の移送を開始するまでは、第一流通切換機構部95の第一切換弁115、および第二流通切換機構部96の第二切換弁117を開いている。
ステーション制御部51は、複数の装着検知器45の検知結果に基づいて、ステーション2に掃除機本体7が連結されたことを検知する。ステーション制御部51は、ステーション2に掃除機本体7が連結されたことを複数の装着検知器45のうち少なくとも2つの装着検知器45が検知すると、予め定める遅延時間が経過した後に、駆動源137を始動させる。駆動源137が始動すると、ステーション2の継手半体143が膨出部47から突出し、掃除機本体7の継手半体126に連結される。つまり、連結器142が連結される。ステーション制御部51は、連結器142が連結された後も駆動源137の運転を継続する。連結器142が連結された動力伝達経路141は、駆動源137の駆動力を廃棄蓋92、吸気蓋98、および除塵機構101へ分配して伝達する。
動力伝達経路141から伝わる駆動力によって、廃棄蓋92、および吸気蓋98は全開する。つまり、二次塵埃容器49は、ステーション2に電気掃除機3が収納されると廃棄口91、および塵埃移送管43を介して一次塵埃容器13に流体的に接続される。
また、動力伝達経路141から伝わる駆動力によって、除塵機構101はフィルタ86、87に付着した細塵を除去する。ステーション制御部51は、除塵機構101がフィルタ86、87に付着した細塵を除去する適宜の期間、例えば10秒間、継続して駆動源137を運転した後、駆動源137を一旦停止させる。
さらに、動力伝達経路141から伝わる駆動力、または駆動源137とは別個に設けられた第一動力源116から伝わる駆動力によって、第一流通切換機構部95は、第一切換弁115を駆動させて中継風路81の流通を阻止する。動力伝達経路141から伝わる駆動力、または駆動源137とは別個に設けられた第二動力源118から伝わる駆動力によって、第二流通切換機構部96は、第二切換弁117を駆動させて粗塵集塵室出口82の流通を阻止する。
次いで、二次電動送風機50は、駆動源137が廃棄蓋92、および吸気蓋98を全開させた後、負圧を発生させる。ステーション制御部51は、二次電動送風機50を始動させる。始動した二次電動送風機50は二次塵埃容器49から空気を吸い込んで負圧を発生させる。つまり、二次電動送風機50は、駆動源137が廃棄蓋92を開いた後、二次塵埃容器49に負圧を作用させる。二次電動送風機50は、駆動源137が吸気蓋98を開いた後、二次塵埃容器49に負圧を作用させる。二次電動送風機50は、駆動源137が除塵機構101を駆動させた後、二次塵埃容器49に負圧を作用させる。
なお、ステーション制御部51は、駆動源137が廃棄蓋92を開き、かつ吸気蓋98を開いた後であれば、除塵機構101の駆動中に二次電動送風機50を起動させてもよい。
二次塵埃容器49に作用する負圧は、塵埃移送管43および廃棄口91を通じて一次塵埃容器13に作用する。一次塵埃容器13に作用した負圧は、一次塵埃容器13の粗塵廃棄口108から粗塵集塵室71、および第一分離部68を経て、本体接続口18に作用する。これを第一廃棄負圧経路と呼ぶ。また、一次塵埃容器13に作用した負圧は、一次塵埃容器13の細塵廃棄口109からフィルタ室72を経て吸気口97に作用する。これを第二廃棄負圧経路と呼ぶ。なお、フィルタ室72に作用した負圧は、フィルタ部69、および連絡風路66を介して一次電動送風機15にも作用する。これを第三廃棄負圧経路と呼ぶ。
ところで、第一分離部68とフィルタ部69とは、中継風路81を介して繋がっている。また、粗塵集塵室71とフィルタ室72とは、粗塵集塵室出口82を介して繋がっている。これら中継風路81と粗塵集塵室出口82とは、塵埃移送管43から粗塵廃棄口108および細塵廃棄口109に作用する負圧を、一次塵埃容器13内で相互に干渉させる。そうすると、それぞれの廃棄負圧経路に流れる空気の分配の態様は、粗塵集塵室71に蓄積された粗塵の量、およびフィルタ部69に捕捉された細塵の量によって影響され、粗塵および細塵の廃棄に支障を来す虞がある。
そこで、本実施形態に係る電気掃除装置1は、電気掃除機3からステーション2へ塵埃を移動させる場合には、第一流通切換機構部95の第一切換弁115、および第二流通切換機構部96の第二切換弁117を閉じる。つまり、電気掃除機3は、一次塵埃容器13から二次塵埃容器49へ塵埃を移送する際に、第一流通切換機構部95の第一切換弁115、および第二流通切換機構部96の第二切換弁117を閉じている。
そのため、第一廃棄負圧経路では、塵埃移送管43から粗塵廃棄口108に作用した負圧は、確実に本体接続口18に作用する。そして、本体接続口18から吸い込まれる空気は、実質的にその全量が第一分離部68を介して粗塵集塵室71に流れ込み、粗塵廃棄口108から塵埃移送管43へ粗塵を流出させる(廃棄させる)。
また、第二廃棄負圧経路では、塵埃移送管43から細塵廃棄口109に作用した負圧は、確実に吸気口97に作用する。そして、吸気口97から吸い込まれる空気は、実質的にその全量がフィルタ室72に流れ込む。吸気口97から導入される空気は、フィルタ86、87に吹き掛かる。フィルタ86、87に吹き掛かった空気は、フィルタ86、87表面に捕捉された塵埃を吹き飛ばし、細塵廃棄口109へ案内し、細塵を細塵廃棄口109から流出させる(廃棄させる)。フィルタ86、87は、除塵時、つまり電気掃除装置1の収納形態で上下方向に延びる稜線86a、87aを有し、また、折り目に交差する端面が開放されている。このため、フィルタ86、87に吹き掛けられた空気は、折り目に沿って流れやすく、また剥離した細塵を、折り目の端部から円滑に流出させることができる。
さらに、第三廃棄負圧経路では、塵埃移送管43から細塵廃棄口109に作用した負圧は、一次電動送風機15にも作用する。フィルタ部69を介さずに吸気口97へ達する第二廃棄負圧経路の風路抵抗に比べて、フィルタ部69を介する第三廃棄負圧経路の風路抵抗は大きい。そのため、第三廃棄負圧経路を経て一次電動送風機15に作用する負圧は、第三廃棄負圧経路を経て吸気口97に作用する負圧よりも小さい。しかしながら、一次電動送風機15からフィルタ部69の上流側に導入される空気は、フィルタ86、87表面に捕捉された塵埃を浮き上がらせて剥離させ、フィルタ86、87から離脱させる役割を担い、極めて有効に働く。
なお、粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112は、それぞれ個別に、順番に開閉されても良いし、一括して開閉されても良い。
先ず、粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112を、それぞれ個別に、順番に開閉する場合には、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる時であって、粗塵廃棄蓋111が開いている場合には、細塵廃棄蓋112は閉じられ、粗塵廃棄蓋111が閉じている場合には、細塵廃棄蓋112は開かれる。粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112の一方を開き、他方を閉じておくことで、それぞれの廃棄負圧経路に作用する負圧を、より強め、ひいては、それぞれの廃棄負圧経路を流れる空気量を増加させて、塵埃を確実に廃棄することができる。粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112の開閉を切り替える際には、二次電動送風機50は一時的に停止される。
粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112を、それぞれ個別に、順番に開閉する場合には、第一流通切換機構部95および第二流通切換機構部96は無くても良い。粗塵廃棄蓋111を開き、細塵廃棄蓋112を閉じておく場合には、第一流通切換機構部95および第二流通切換機構部96が無くても、本体接続口18から一次塵埃容器13に流れ込む空気、吸気口97から一次塵埃容器13に流れ込む空気、および一次電動送風機15から一次塵埃容器13に流れ込む空気は、確実に粗塵集塵室71に流れ込み、粗塵廃棄口108から塵埃移送管43へ粗塵を流出させる(廃棄させる)。粗塵廃棄蓋111を閉じ、細塵廃棄蓋112を開いておく場合には、第一流通切換機構部95および第二流通切換機構部96が無くても、本体接続口18から一次塵埃容器13に流れ込む空気、吸気口97から一次塵埃容器13に流れ込む空気、および一次電動送風機15から一次塵埃容器13に流れ込む空気は、確実にフィルタ室72に流れ込み、細塵廃棄口109から塵埃移送管43へ細塵を流出させる(廃棄させる)。
次いで、粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112を、一括して開閉する場合には、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる時には、粗塵廃棄口108および細塵廃棄口109は、塵埃移送管43に一括して接続される。この場合には、廃棄蓋92は、粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112を一体化させた1つの蓋体であって良い。また、廃棄蓋92を開閉する機構は、2つの廃棄蓋(粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112)を個別に開閉する機構に比べて、構造を簡素化できる。
また、一次塵埃容器13の隔壁83に粗塵集塵室出口82が無く、粗塵集塵室71とフィルタ室72との間に流体的に直接的な繋がりのない場合には、第二流通切換機構部96は必要ない。
さらに、吸気口97および吸気蓋98は無くても良い。この場合には、第三廃棄負圧経路を流れる空気の流れによって細塵廃棄口109から塵埃移送管43へ細塵を流出させる(廃棄させる)。
二次塵埃容器49の第一遠心分離部132は、塵埃移送管43から流れ込んだ塵埃から粗塵を分離し、蓄積する。第二遠心分離部133は、第一遠心分離部132を通過する細塵埃を分離し、蓄積する。
ステーション制御部51は、二次電動送風機50を適宜の継続時間、例えば10秒間、運転して、一次塵埃容器13が蓄積した塵埃の実質的な全量を二次塵埃容器49へ移し替えた後、二次電動送風機50を停止させる。また、ステーション制御部51は、二次電動送風機50が停止して二次塵埃容器49が正圧(つまり大気圧)に戻ったら、一時停止している駆動源137を逆転させる。連結器142が連結された動力伝達経路141は、駆動源137の駆動力を廃棄蓋92、吸気蓋98、および除塵機構101へ分配して伝達する。
駆動源137は、二次電動送風機50が塵埃を移送するために負圧を発生させる運転を停止した後、廃棄蓋92の閉駆動力を発生させて廃棄口91を閉じる。また、駆動源137は、二次電動送風機50が塵埃を移送するために負圧を発生させる運転を停止した後、吸気蓋98の閉駆動力を発生させて吸気口97を閉じる。動力伝達経路141から伝わる駆動力によって、廃棄蓋92、および吸気蓋98は全閉する。ステーション制御部51は、廃棄蓋92、および吸気蓋98が全閉する適宜の期間、例えば3秒間、継続して駆動源137を逆転させる。
そして、ステーション制御部51は、廃棄蓋92、および吸気蓋98が全閉した後、駆動源137を一旦停止させる。そして、ステーション制御部51は、駆動源137を再度正転させる。駆動源137が正転し始めると、ステーション2の継手半体143が掃除機本体7の継手半体126から離れ、膨出部47に引き込まれる。つまり、連結器142の連結が解除される。ステーション制御部51は、ステーション2の継手半体143が膨出部47に引き込まれた後、駆動源137を停止させる。換言すると、連結器142は、除塵機構101、廃棄蓋92、および吸気蓋98、つまり、従動機構125を動作させたら退避位置へ移動する。
本実施形態に係る電気掃除装置1は、第一分離部68とフィルタ部69とを繋ぐ中継風路81の流通を許容または阻止する第一流通切換機構部95を備えている。そして、第一流通切換機構部95は、電気掃除機3からステーション2に粗い塵埃および細かい塵埃を移動させる際に、中継風路81の流通を阻止する。そのため、電気掃除装置1は、電気掃除機3からステーション2へ塵埃を移動する際に、第一分離部68およびフィルタ部69の間の空気の往来を阻止し、または往来する空気の流通量を減少させることができる。そして、第一分離部68およびフィルタ部69の間で空気の往来が阻止されること、または空気の流通量が減少することは、粗塵集塵室71から粗い塵埃を流出させる空気の風量、およびフィルタ室72から細かい塵埃を流出させる空気を安定させる。換言すると、電気掃除装置1は、第一廃棄負圧経路を流れる空気を、粗塵集塵室71へ確実に導き、粗塵集塵室71から粗い塵埃を流出させる空気の風量を安定させる。また、電気掃除装置1は、第三廃棄負圧経路(吸気口97がない場合)、または第三廃棄負圧経路および第二廃棄負圧経路(吸気口97がある場合)を流れる空気を、フィルタ室72へ確実に導き、フィルタ室72から細かい塵埃を流出させる空気の風量を安定させる。したがって、電気掃除装置1は、粗塵集塵室71から粗い塵埃を確実に廃棄し、フィルタ室72から細かい塵埃を確実に廃棄することができる。
また、本実施形態に係る電気掃除装置1は、粗塵廃棄口108を開閉する粗塵廃棄蓋111と、細塵廃棄口109を開閉する細塵廃棄蓋112と、を備えていても良い。これら粗塵廃棄蓋111、および細塵廃棄蓋112は、それぞれの個別に開閉可能である。そして、粗塵廃棄蓋111および細塵廃棄蓋112は、相互に異なる時期に開閉される。そのため、電気掃除装置1は、粗塵廃棄口108を介して粗塵集塵室71へ負圧を作用させる時機と、細塵廃棄口109を介してフィルタ室72へ負圧を作用させる時機と、を異ならせることができる。つまり、電気掃除装置1は、二次電動送風機50が発生させる全負圧を、粗塵集塵室71およびフィルタ室72のいずれか一方へ作用させることができる。したがって、電気掃除装置1は、粗塵集塵室71およびフィルタ室72から同時に塵埃を廃棄する場合に比べて、より確実に塵埃を流出させることができる。
さらに、本実施形態に係る電気掃除装置1は、粗塵集塵室71とフィルタ室72とを繋ぐ粗塵集塵室出口82の流通を許容または阻止する第二流通切換機構部96を備えている。第二流通切換機構部96は、電気掃除機3からステーション2に粗い塵埃および細かい塵埃を移動させる際に、粗塵集塵室出口82の流通を阻止する。そのため、電気掃除装置1は、粗塵集塵室71とフィルタ室72とを繋ぐ粗塵集塵室出口82を有する場合であっても、粗塵集塵室71から粗い塵埃を確実に廃棄し、フィルタ室72から細かい塵埃を確実に廃棄することができる。
また、本実施形態に係る電気掃除装置1は、二次電動送風機50が発生させる負圧によってフィルタ室72の外側から直接的にフィルタ室72内へ空気を導入する吸気口97を有していても良い。吸気口97からフィルタ室72へ導入される空気は、細かい塵埃をフィルタ室72から確実に流出させる。
以上説明したように、本実施形態に係る電気掃除装置1によれば、複数の分離段、つまり第一分離部68、およびフィルタ部69のそれぞれから塵埃を好適に廃棄できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電気掃除装置、2…ステーション、3…電気掃除機、7…掃除機本体、8…管部、11…本体ケース、11b…把手収納凹部、12…車輪、12a…補助輪、12b…補助輪、13…一次塵埃容器、13a…第一半体、13b…第二半体、14…本体把手、15…一次電動送風機、16…掃除機制御部、17…二次電池、17a…素電池、18…本体接続口、19…充電電極、21…接続管、22…集塵ホース、23…手元操作管、25…把持部、26…操作部、26a…停止スイッチ、26b…起動スイッチ、26c…ブラシスイッチ、27…延長管、27a…保持突起、28…吸込口体、31…吸込口、32…回転清掃体、33…電動機、41…台座、41a…置台面、42…塵埃回収部、43…塵埃移送管、44…減速機構、45…装着検知器、45a…第一装着検知器、45b…第二装着検知器、45c…第三装着検知器、46…充電端子、47…膨出部、48…ケース、49…二次塵埃容器、50…二次電動送風機、51…ステーション制御部、52…電源コード、53…管部取付部、55…把手、55a…傾斜部、56…サスペンション機構、57…塵埃容器室、57a…塵埃容器挿抜口、58…電動送風機室、59…押出力発生部、59a…ロッド部、59b…コイルばね、60…容器補助転、61…容器ロック機構、62…爪部、63…爪受け部、64…分離部、65…集塵部、66…連絡風路、66a、66b…風路、66c…集合風路、67…脚、68…第一分離部、69…フィルタ部、71…粗塵集塵室、72…フィルタ室、73…集塵室、75…ノズル部、76…一次フィルタ枠体、77…第一メッシュフィルタ、78…容器本体、78a…吸込口、79…粗塵吐出口、81…中継風路、82…粗塵集塵室出口、82a…下段側粗塵集塵室出口、82b…上段側粗塵集塵室出口、82c、82d…開口、83…隔壁、83a…側方部分、84…第二メッシュフィルタ、84a…下段側第二メッシュフィルタ、84b…上段側第二メッシュフィルタ、85…拡張部、86、87…フィルタ、86a、87a…フィルタの稜線、88…二次フィルタ枠体、89…二次フィルタ出口、91…廃棄口、92…廃棄蓋、95…第一流通切換機構部、96…第二流通切換機構部、97…吸気口、98…吸気蓋、101…除塵機構、102…第一動力伝達機構、103…凹没部、103a…第一部位、103b…第二部位、105…塵埃圧縮機構、106…機械室、107…本体ケース廃棄口、108…粗塵廃棄口、109…細塵廃棄口、111…粗塵廃棄蓋、112…細塵廃棄蓋、113…パッキン、115…第一切換弁、116…第一動力源、117…第二切換弁、118…第二動力源、121…操作部、122…塵埃案内面、125…従動機構、126…継手半体、127…軸継手、128…ロック機構、131…遠心分離部、132…第一遠心分離部、133…第二遠心分離部、135…下流風路管、136…連結案内部、137…駆動源、138…第四動力伝達機構、138a、138b、138c…歯車、139…シール部材、141…動力伝達経路、142…連結器、143…継手半体、151…第一制御回路、152…第二制御回路、155…第一スイッチング素子、156…制御用電源部、157…第二スイッチング素子、158…制御用電源部、159…報知部。
Claims (4)
- ステーションと、
前記ステーションに連結および切り離し可能な電気掃除機と、を備え、
前記電気掃除機は、
前記電気掃除機に吸い込まれる、塵埃を含んだ空気から粗い塵埃を分離する第一分離部と、
前記第一分離部で分離された前記粗い塵埃を蓄積する粗塵集塵室と、
前記第一分離部を通過する空気から細かい塵埃を分離する第二分離部と、
前記第二分離部で分離された前記細かい塵埃を蓄積する細塵集塵室と、
前記粗塵集塵室から前記粗い塵埃を流出させる粗塵廃棄口と、
前記細塵集塵室から前記細かい塵埃を流出させる細塵廃棄口と、
前記粗塵廃棄口および前記細塵廃棄口を開閉する廃棄蓋と、
前記第一分離部と前記第二分離部とを繋ぐ風路の流通を許容または阻止する流通切換機構部と、を備え、
前記ステーションは、
前記粗塵廃棄口を通じて前記粗塵集塵室から廃棄される前記粗い塵埃、および前記細塵廃棄口を通じて前記細塵集塵室から廃棄される前記細かい塵埃を蓄積する二次塵埃容器と、
前記二次塵埃容器を介して前記粗塵集塵室および前記細塵集塵室に負圧を作用させ、前記電気掃除機から前記二次塵埃容器に前記粗い塵埃および前記細かい塵埃を移動させる電動送風機と、を備え、
前記流通切換機構部は、前記電気掃除機から前記ステーションに前記粗い塵埃および前記細かい塵埃を移動させる際に、前記風路の流通を阻止する電気掃除装置。 - 前記廃棄蓋は、前記粗塵廃棄口を開閉する粗塵廃棄蓋と、前記細塵廃棄口を開閉する細塵廃棄蓋と、を有し、
前記粗塵廃棄蓋および前記細塵廃棄蓋は、相互に異なる時期に開閉される請求項1に記載の電気掃除装置。 - 前記粗塵集塵室と前記細塵集塵室とを繋ぐ第二風路の流通を許容または阻止する第二流通切換機構部を備え、
前記第二流通切換機構部は、前記電気掃除機から前記ステーションに前記粗い塵埃および前記細かい塵埃を移動させる際に、前記第二風路の流通を阻止する請求項1または2に記載の電気掃除装置。 - 前記電動送風機が発生させる負圧によって前記細塵集塵室の外側から直接的に前記細塵集塵室内へ空気を導入する吸気口と、
前記吸気口を開閉する吸気蓋と、を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の電気掃除装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018101139A JP2019205496A (ja) | 2018-05-28 | 2018-05-28 | 電気掃除装置 |
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JP2018101139A JP2019205496A (ja) | 2018-05-28 | 2018-05-28 | 電気掃除装置 |
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JP2019205496A true JP2019205496A (ja) | 2019-12-05 |
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ID=68767986
Family Applications (1)
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JP2018101139A Pending JP2019205496A (ja) | 2018-05-28 | 2018-05-28 | 電気掃除装置 |
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2018
- 2018-05-28 JP JP2018101139A patent/JP2019205496A/ja active Pending
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