本発明に係る電気掃除機の実施形態について図1から図23を参照して説明する。
図1および図2は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1は、据置型のステーション2と、ステーション2に連結および切り離し可能な電気掃除機3と、を備えている。
なお、図1には、ステーション2に電気掃除機3が連結された形態が示されている。この形態を電気掃除装置1の収納形態と呼ぶ。図2には、ステーション2から切り離された電気掃除機3が、掃除に使用される形態が示されている。
電気掃除機3は、所謂コードレスタイプである。電気掃除機3は、所謂キャニスタ型であるが、これに限られず、アップライト型、スティック型、またはハンディ型であってもよい。
ステーション2は、電気掃除機3の充電機能と、電気掃除機3が捕集した塵埃を回収し、蓄積する機能と、を兼ね備えている。ステーション2は、居室の適宜の箇所に配置される。
使用者は、ステーション2に連結された電気掃除機3の掃除機本体7をステーション2から切り離し(図2)、居室の被掃除面で電気掃除機3を走行させ、または電気掃除機3を手に持って移動し、被掃除面を掃除する。この後、使用者は、掃除機本体7をステーション2に戻し(連結し)、収納する(図1)。ステーション2は、掃除機本体7が連結されると、掃除機本体7を充電する一方、電気掃除機3が蓄積している塵埃を適時に回収する。つまり、電気掃除装置1は、電気掃除機3を掃除に用いた後、ステーション2に掃除機本体7が連結される都度、電気掃除機3が捕集した塵埃をステーション2に回収し、電気掃除機3を空にする。
なお、電気掃除機3からステーション2に塵埃を回収する頻度は、電気掃除機3をステーション2に連結する都度でなくても良い。塵埃の回収頻度は、ステーション2に電気掃除機3が複数回連結される都度、例えば電気掃除機3が1日1回使用される前提において1週間毎に塵埃を回収する回数、つまり7回毎であっても良い。
電気掃除機3は、被掃除面を走行可能な掃除機本体7と、掃除機本体7に着脱自在な管部8と、を備えている。管部8は、掃除機本体7に流体的に接続されている。
掃除機本体7は、本体ケース11と、本体ケース11の左右それぞれの側部に設けられる一対の車輪12と、本体ケース11に着脱可能に装着される一次塵埃容器13と、本体把手14と、本体ケース11に収容される一次電動送風機15と、主に一次電動送風機15を制御する掃除機制御部16と、一次電動送風機15に供給される電力を蓄える二次電池17と、を備えている。
掃除機本体7は、二次電池17が蓄える電力で一次電動送風機15を駆動させる。掃除機本体7は、一次電動送風機15が発生させる負圧を管部8に作用させる。電気掃除機3は、管部8を通じて被掃除面から塵埃を含む空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸い込み、含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに塵埃を分離した後の清浄な空気を排気する。
本体ケース11の正面部分には、掃除機本体7の吸込口に相当する本体接続口18が設けられている。本体接続口18は、管部8を着脱可能な継手である。本体接続口18は、管部8と一次塵埃容器13とを流体的に接続されている。
なお、本実施形態に係る掃除機本体7は、本体接続口18を上方へ向けた姿勢でステーション2に連結される。掃除機本体7は、上方から下ろされ(降下させられ)てステーション2に連結される。
車輪12は、掃除機本体7を走行可能に支えている。掃除機本体7は、一対の車輪12に加えてキャスター(図示省略)によって支えられている。
一次塵埃容器13は、電気掃除機3に吸い込まれる塵埃を蓄積する。一次塵埃容器13は、掃除機本体7に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を一次電動送風機15へ送る。
本体把手14は、掃除機本体7を持ち運ぶときに使用される。本体把手14は、本体ケース11の幅方向に、アーチ状に架け渡されている。
一次電動送風機15は、一次塵埃容器13から空気を吸い込んで負圧(吸込負圧)を発生させる。
掃除機制御部16は、マイクロプロセッサ(図示省略)、およびマイクロプロセッサが実行する各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する記憶装置(図示省略)を備えている。記憶装置は、予め設定される複数の運転モードに関連する種々の設定(引数)を記憶している。複数の運転モードは一次電動送風機15の出力に関連付けられている。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値(一次電動送風機15の入力値、一次電動送風機15に流れる電流値)が設定されている。それぞれの運転モードは、管部8で受け付けられる入力に関連付けられている。掃除機制御部16は、管部8への入力に対応する任意の運転モードを、予め設定される複数の運転モードから択一的に選択して記憶部から読み出し、読み出した運転モードの設定にしたがって一次電動送風機15を運転する。
二次電池17は、一次電動送風機15、および掃除機制御部16に電力を供給する。二次電池17は、掃除機本体17に設けられる一対の充電電極19に電気的に接続されている。
管部8は、掃除機本体7から作用する負圧によって、被掃除面から含塵空気を吸い込み掃除機本体7へ導く。管部8は、掃除機本体7に着脱可能な継手としての接続管21と、接続管21に流体的に接続される集塵ホース22と、集塵ホース22に流体的に接続される手元操作管23と、手元操作管23から突出する把持部25と、把持部25に設けられる操作部26と、手元操作管23に着脱可能に連結される延長管27と、延長管27に着脱可能に連結される吸込口体28と、を備えている。
接続管21は、本体接続口18に着脱可能な継手である。接続管21は、本体接続口18を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続される。
集塵ホース22は、長尺で可撓な略円筒形状のホースである。集塵ホース22の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、接続管21に流体的に接続されている。集塵ホース22は、接続管21を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続されている。
手元操作管23は、集塵ホース22と延長管27とを中継している。手元操作管23の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、集塵ホース22の他方の端部(ここでは、前方の端部)に流体的に接続されている。手元操作管23は、集塵ホース22および接続管21を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続されている。
把持部25は、電気掃除機3を操作するために使用者が手で把持する部分である。把持部25は、使用者が手で容易に把持できる適宜の形状で手元操作管23から突出している。
操作部26は、それぞれの運転モードに対応付けられるスイッチを備えている。例えば、操作部26は、一次電動送風機15の運転停止操作に対応付けられる停止スイッチ26aと、一次電動送風機15の運転開始操作に対応付けられる起動スイッチ26bと、吸込口体28への電源供給に対応付けられるブラシスイッチ26cと、を備えている。停止スイッチ26aおよび起動スイッチ26bは、掃除機制御部16に電気的に接続されている。電気掃除機3の使用者は、操作部26を操作して一次電動送風機15の運転モードを択一的に選択できる。起動スイッチ26bは、一次電動送風機15の運転中に、運転モードの選択スイッチとしても機能する。掃除機制御部16は、起動スイッチ26bから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、操作部26は、起動スイッチ26bに代えて、強運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)、および弱運転スイッチ(図示省略)を個別に備えていても良い。
複数の筒体を重ね合わせたテレスコピック構造の延長管27は、伸縮可能である。延長管27の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、手元操作管23の他方の端部(ここでは、前方の端部)に着脱可能な継手を備えている。延長管27は、手元操作管23、集塵ホース22および接続管21を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続されている。
吸込口体28は、木床やカーペットなどの被掃除面を走行可能または滑走可能であり、走行状態または滑走状態において被掃除面に対面する底面に吸込口31を有する。また、吸込口体28は、吸込口31に配置される回転可能な回転清掃体32と、回転清掃体32を駆動させる電動機33と、を備えている。吸込口体28の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、延長管27の他方の端部(ここでは、前方の端部)に着脱可能な継手を備えている。吸込口体28は、延長管27、手元操作管23、集塵ホース22および接続管21を通じて一次塵埃容器13に流体的に接続されている。つまり、吸込口体28、延長管27、手元操作管23、集塵ホース22、接続管21、および一次塵埃容器13は、吸込口31から一次電動送風機15へ至る吸込風路である。電動機33は、ブラシスイッチ26cから操作信号を受け取る度に運転開始と停止とを交互に繰り返す。
電気掃除機3は、起動スイッチ26bが操作されると一次電動送風機15を始動する。例えば、電気掃除機3は、一次電動送風機15が停止している状態で起動スイッチ26bが操作されると、先ず一次電動送風機15を強運転モードで始動し、再び起動スイッチ26bが操作されると一次電動送風機15を中運転モードで運転し、三度、起動スイッチ26bが操作されると一次電動送風機15を弱運転モードで運転し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モード、および弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードであり、強運転モード、中運転モード、弱運転モードの順に一次電動送風機15に対する入力値が小さい。始動した一次電動送風機15は、一次塵埃容器13から空気を吸込み、一次塵埃容器13内を負圧にする。
一次塵埃容器13内の負圧は、本体接続口18、接続管21、集塵ホース22、手元操作管23、延長管27、および吸込口体28を順次に通じて吸込口31に作用する。電気掃除機3は、吸込口31に作用する負圧によって、被掃除面の塵埃を空気とともに吸い込む。一次塵埃容器13は、吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を一次電動送風機15へ送る。一次電動送風機15は、一次塵埃容器13から吸い込んだ空気を掃除機本体7外へ排気する。
ステーション2は、被掃除面の任意の箇所に設置される。ステーション2は、掃除機本体7を連結可能な台座41と、台座41に一体に設けられる塵埃回収部42と、を備えている。また、ステーション2は、電気掃除装置1の収納形態において、電気掃除機3の一次塵埃容器13に接続される塵埃移送管43を備えている。
台座41は、塵埃回収部42と同程度の幅寸法を有し、塵埃回収部42の前側へ張り出して矩形状に拡がっている。台座41は、平面視において電気掃除機3の掃除機本体7を納めることが可能な形状と寸法とを有している。
台座41は、掃除機本体7に接続可能な充電端子45を備えている。電気掃除機3がステーション2に連結されると、充電端子45は掃除機本体17の充電電極19に接触し、電気的に接続される。
台座41は、電気掃除装置1の収納形態において、掃除機本体7の側面に寄り添うように配置される膨出部46を有している。
塵埃回収部42は、台座41の後方に配置されている。塵埃回収部42は、台座41と一体で被掃除面に置くことができる適宜の形状の箱体である。塵埃回収部42は、台座41よりも上方へ延びている。塵埃回収部42は、台座41に連結された掃除機本体7に干渉しない適宜の形状を有している。
塵埃回収部42は、ケース47と、塵埃移送管43を通じて一次塵埃容器13から廃棄される塵埃を回収し、回収した塵埃を蓄積する二次塵埃容器48と、塵埃回収部42内に収容され二次塵埃容器48に流体的に接続される二次電動送風機49と、主に二次電動送風機49を制御するステーション制御部51と、商用交流電源から塵埃回収部42に電力を導く電源コード52と、を備えている。
ケース47および台座41の天板は、樹脂の一体成形品である。
二次塵埃容器48は、塵埃移送管43に流体的に接続されている。二次塵埃容器48は、塵埃移送管43から流れ込む、塵埃を含む空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を二次電動送風機49へ送る。二次塵埃容器48は、塵埃回収部42の左側(正面から向かって右側)に着脱自在に装着され、ステーション2の外観に露出している。
二次電動送風機49は、二次塵埃容器48から空気を吸い込んで負圧(吸込負圧)を発生させ、一次塵埃容器13から二次塵埃容器48に塵埃を移動させる。二次電動送風機49は、塵埃回収部42の右側(正面から向かって左側)に収容されている。
ステーション制御部51は、マイクロプロセッサ(図示省略)、およびマイクロプロセッサが実行する各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する記憶装置(図示省略)を備えている。ステーション制御部51は、二次電動送風機49の運転性制御、および電気掃除機3の二次電池17の充電制御を行う。
塵埃移送管43は、電気掃除装置1の収納形態において、一次塵埃容器13に繋げられる。塵埃移送管43は、電気掃除機3が捕集した塵埃を二次塵埃容器48に移動させる風路である。塵埃移送管43は、ステーション2に電気掃除機3が連結されると、一次塵埃容器13に接続され、一次塵埃容器13と二次塵埃容器48とを流体的に接続する。
塵埃移送管43は、二次塵埃容器48の吸込側に接続されている。二次電動送風機49が発生させる負圧は、二次塵埃容器48を介して塵埃移送管43に作用する。
塵埃移送管43は、電気掃除機3の一次塵埃容器13に接続される入口と、二次塵埃容器48に接続される出口と、を有している。塵埃移送管43は、台座41に配置される入口から後方へ延びて塵埃回収部42内に至り、塵埃回収部42内で屈曲しつつ上方へ延びて二次塵埃容器48の側方に配置される出口に至る。
充電端子45と塵埃移送管43の入口とは、台座41に併設されている。
電気掃除機3がステーション2に連結される(戻る)と、電気掃除機3の充電電極19は、ステーション2の充電端子45に電気的に接続され、かつステーション2の塵埃移送管43は、一次塵埃容器13に接続される。この後、ステーション2は、電気掃除機3の二次電池17の充電を開始する。また、ステーション2は、二次電動送風機49を適時に始動する。始動した二次電動送風機49は、二次塵埃容器48から空気を吸込み、二次塵埃容器48内を負圧にする。
二次塵埃容器48内の負圧は、塵埃移送管43を通じて一次塵埃容器13に作用する。ステーション2は、一次塵埃容器13に作用する負圧によって、一次塵埃容器13に蓄積された塵埃を空気とともに吸い込む。二次塵埃容器48は、吸い込まれた空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が分離された空気を二次電動送風機49へ送る。二次電動送風機49は、二次塵埃容器48から吸い込んだ清浄な空気をステーション2外へ排気する。
次に、本実施形態に係る電気掃除機3の掃除機本体7について詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の掃除機本体の平断面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の掃除機本体の縦断面図である。
なお、図3に示す掃除機本体7の平断面は、電気掃除装置1の収納形態において正面に平行な平面における断面に相当する。図3には、管部8の接続管21が掃除機本体7から取り外された状態が示されている。図4には、接続管21が掃除機本体7に取り付けられた状態が示されている。
図3および図4に示すように、本発明の実施形態に係る電気掃除装置1の掃除機本体7は、本体ケース11の幅方向に横臥させた筒形の後半部と、平面視において筒形の後半部から前方に向けて弧状に膨出する前半部と、を有する本体ケース11を備えている。
本体接続口18は、本体ケース11の幅方向の中央、かつ高さ方向の中央を通る線(以下、中心線Cと呼ぶ。)に沿って延び、一次塵埃容器13に達している。図3および図4は、この中心線Cを通る断面図である。
それぞれの車輪12は、本体ケース11の筒形の後半部の左右それぞれの端部に配置され、かつ本体ケース11の筒形の後半部に同心状に配置されている。車輪12の直径は、本体ケース11の上下方向の高さ(筒形の後半部の直径に相当する)よりも大きい。また、掃除機本体7の側面視、つまり車輪12の車軸方向視において、車輪12は、本体ケース11の背面を覆い隠す。このため、掃除機本体7は、本体ケース11の上下(表裏)を反転した状態であっても、車輪12を被掃除面に接地させることができる。本体ケース11は、背面を被掃除面に干渉させることなく、車輪12の車軸を中心に本体ケース11の上下(表裏)を反転させることができる。掃除機本体7には、表側を上方に向けた掃除機本体7を車輪12とともに支える補助輪12aが設けられている。接続管21には、裏側を上方に向けた掃除機本体7を車輪12とともに支える補助輪12bが設けられている。
二次電池17は、車輪12の車軸を挟んで本体接続口18の反対側、つまり本体ケース11の後端中央部に配置されている。つまり、二次電池17は、本体ケース11の筒形の後半部に収容されている。二次電池17は、筒形の後半部の内面に倣って配置される円筒形の複数の素電池17aを有している。
ここで、本体ケース11の筒形の後半部の中心線、および車輪12の回転中心線は、実質的に同一線上にある。この線を中心とする、本体ケース11の筒形の後半部の内側を領域Aと呼ぶ。車輪12は、領域Aを避けている。つまり、車輪12は、領域Aよりも大きい内径を有する円環形である。
一次塵埃容器13および一次電動送風機15は、領域A内に配置され、かつ本体ケース11の幅方向に並べられている。一次塵埃容器13は、領域Aのうち中央部から一方の車輪12(例えば掃除機本体7をステーション2に連結した状態において右側の車輪12)に達する領域A1に配置されている。一次電動送風機15は、領域Aのうち他方の車輪12(例えば掃除機本体7をステーション2に連結した状態において左側の車輪12)に偏倚する領域A2に配置されている。
本体ケース11は、一次塵埃容器13を着脱可能に収容する塵埃容器室61と、一次電動送風機15を収容する電動送風機室62と、を有している。塵埃容器室61は、領域A1を占めている。電動送風機室62は、領域A2を占めている。
一次電動送風機15は、電動送風機室62に収容されている。一次電動送風機15の吸込口は、塵埃容器室61に向けられている。
塵埃容器室61は、一次塵埃容器13の形状に準じる筒形の空間を区画している。塵埃容器室61は、本体ケース11の側面に配置される塵埃容器挿抜口61aを有している。塵埃容器挿抜口61aの開口径は、環状の車輪12の内径よりも小さい。塵埃容器挿抜口61aは、掃除機本体7の側面視において、環状の車輪12の内側に配置されている。
一次塵埃容器13は、車輪12の内径よりも小さい外径を有する筒形の外観を有している。一次塵埃容器13は、塵埃容器挿抜口61aを通じて塵埃容器室61に挿抜される。つまり、一次塵埃容器13は、掃除機本体7の幅方向に挿抜される。これによって、一次塵埃容器13は、掃除機本体7に着脱される。
次に、一次塵埃容器13について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の一次塵埃容器の斜視図である。
図6は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の一次塵埃容器の側面図である。
図7は、図6のVII−VII線における本発明の実施形態に係る電気掃除機の一次塵埃容器の断面図である。
図3および図4に加え、図5から図7に示すように、本実施形態に係る電気掃除機3の一次塵埃容器13は、電気掃除機3に吸い込まれる塵埃を蓄積する。一次塵埃容器13は、一次電動送風機15が発生させる負圧によって吸い込まれる、塵埃を含んだ空気から塵埃を分離させる分離部64と、分離部64で分離された塵埃を蓄積する集塵部65と、集塵部65から流出する空気を一次電動送風機15へ導く連絡風路66と、を備えている。
分離部64は、本体接続口18に接続されている。分離部64は、塵埃を含む空気を直進させて塵埃および空気に作用する慣性力の差で空気から塵埃のうち比較的重い塵埃を分離させる第一分離部68と、第一分離部68を通過する比較的軽い塵埃を含む空気から塵埃を分離させる第二分離部としてのフィルタ部69と、を備えている。
集塵部65は、分離部64および連絡風路66に併設されている。集塵部65は、分離部64で分離される塵埃のうち比較的重い塵埃を蓄積する粗塵集塵室71と、フィルタ部69を収容するフィルタ室72と、を備えている。
なお、第一分離部68で分離される比較的重い塵埃を、粗塵と呼ぶ。フィルタ部69で分離される比較的軽い塵埃を、細塵と呼ぶ。粗塵集塵室71、およびフィルタ室72を一括して集塵室73と呼ぶ。
本体接続口18から一次塵埃容器13に流れ込む含塵空気は、第一分離部68で粗塵とそれ以外(細塵を含んだ空気)とに分離される。分離された粗塵は、粗塵集塵室71に蓄積される。第一分離部68で分離された空気(細塵を含む)は、フィルタ室72に流れ込む。粗塵集塵室71に流れ込んだ空気も、フィルタ室72に流れ込む。フィルタ室72に流れ込んだ空気(細塵を含む)は、フィルタ部69で細塵と空気とに分離される。分離された細塵は、フィルタ部69に捕捉され、フィルタ室72に蓄積される。フィルタ部69を通過した清浄な空気は、連絡風路66を経て一次電動送風機15に吸い込まれる。
第一分離部68は、本体接続口18に接続されるノズル部75と、ノズル部75を内包する円錐台形の一次フィルタ枠体76と、第一メッシュフィルタ77と、を備えている。
ノズル部75は、一次塵埃容器13の外殻に相当する容器本体78の吸込口78aから容器本体78内に延びている。
一次フィルタ枠体76は、容器本体78の内面に設けられている。一次フィルタ枠体76は、一次塵埃容器13が本体ケース11に装着された状態で、本体接続口18の中心線、つまり実質的に掃除機本体7の中心線Cに沿ってテーパ状に延びている。大径の底部は容器本体78の内面に接し、小径の底部は集塵部65の粗塵集塵室71に接続される粗塵吐出口79を有している。大径の底部の直径は、吸込口78aの開口径よりも大きい。粗塵吐出口79の中心線は、実質的に吸込口78aの中心線に沿い、実質的に本体接続口18の中心線に沿っている。
第一メッシュフィルタ77は、一次フィルタ枠体76の側面に設けられている。第一メッシュフィルタ77の外側には、フィルタ室72に接続される中継風路81が区画されている。
第一分離部68は、第一メッシュフィルタ77を通じて一次電動送風機15に吸い込まれる空気の流れ、および粗塵吐出口79を通じて一次電動送風機15に吸い込まれる空気の流れによって負圧になる。
粗塵集塵室71は、第一分離部68で分離される、比較的重い塵埃を蓄積する。粗塵集塵室71は、一次電動送風機15に吸い込まれる空気の風路の一部である。粗塵集塵室71は、第一分離部68の粗塵吐出口79に繋げられている。粗塵集塵室71は、フィルタ室72にも繋げられている。粗塵集塵室71は、本体接続口18の中心線上、つまり実質的に掃除機本体7の中心線C上に配置されている。また、粗塵集塵室71は、一次電動送風機15から遠ざかる方向、換言すると、フィルタ部69に近づく方向へ拡張されている。この拡張部分とフィルタ部69が収容されるフィルタ室72との間には、複数の粗塵集塵室出口82を有する隔壁83が設けられている。隔壁83の粗塵集塵室出口82は、第二メッシュフィルタ84が設けられている。第二メッシュフィルタ84は、粗塵が粗塵集塵室71からフィルタ室72へ流出することを防ぎ、かつ通過する空気の流れによって粗塵集塵室71に蓄積された塵埃を圧縮する。第二メッシュフィルタ84は、第一メッシュフィルタ77と実質的に同じ網目を有している。仮に、第一分離部68で分離されず、粗塵集塵室71に流れ込んだ細塵は、第二メッシュフィルタ84を通過してフィルタ室72に流れ込み、または粗塵集塵室71内でフィルタのように圧縮された粗塵によって捕捉される。
フィルタ部69は、一次電動送風機15が発生させる負圧によって吸い込まれる、塵埃を含んだ空気(含塵空気)から塵埃、特に第一分離部68を通過する細塵を濾過分離する。フィルタ部69は、対面する一対のフィルタ86、87と、一対のフィルタ86、87の形状を維持して支える二次フィルタ枠体88と、を備えている。
一対のフィルタ86、87は、下流側を対面させている。それぞれのフィルタ86、87は、一次塵埃容器13に吸い込まれる、塵埃を含んだ空気から塵埃を濾過分離する。フィルタ86、87の網の目は、第一分離部68の第一メッシュフィルタ77、および粗塵集塵室71の第二メッシュフィルタ84よりも細かい。フィルタ86、87は、例えば不織布である。フィルタ86、87に捕捉される細塵には、第一メッシュフィルタ77、および第二メッシュフィルタ84を通過可能な塵埃が含まれている。
フィルタ86、87の一方(フィルタ86)はフィルタ室72に流入する空気に直接的に晒され、フィルタ86、87の他方(フィルタ87)は、フィルタ86、87の一方(フィルタ86)を回り込んだ空気に晒される。つまり、フィルタ86は、第一分離部68とフィルタ部69とを繋ぐ中継風路81を望み、かつ粗塵集塵室71とフィルタ室72とを繋ぐ粗塵集塵室出口82を臨んでいる。フィルタ87は、フィルタ86に隠れ、中継風路81および粗塵集塵室出口82から見通すことができない箇所に配置されている。
一対のフィルタ86、87は、実質的に同じ広さ(間隔)、および同じ深さの折り目を有するプリーツフィルタである。
なお、中継風路81および粗塵集塵室出口82を望むフィルタ86は、フィルタ87に比べて広く浅い折り目を有していても良い。フィルタ86が中継風路81および粗塵集塵室出口82を望んでいるため、第一分離部68を通過する塵埃、および粗塵集塵室71から流出する塵埃、つまり細塵は、先ずフィルタ86に吹き掛かる。そして、フィルタ86は細塵を捕捉して徐々に目詰まりを生じる。フィルタ86が詰まるにしたがって、中継風路81および粗塵集塵室出口82からフィルタ86に吹き掛かる細塵は、フィルタ87へ回り込むようになる。そうすると、フィルタ87の目詰まりも始まる。つまり、フィルタ87に比べてフィルタ86の方が目詰まりし易い。換言すると、塵埃は、フィルタ87に比べてフィルタ86の方に付着し易い。したがって、フィルタ86の折り目をフィルタ87に比べて広く浅くしておくことで、より塵埃が付着しやすいフィルタ86から容易に塵埃を除去できる。
フィルタ86、87は、付着した塵埃を除去しやすいように、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE、いわゆるテフロン(登録商標))の膜を上流側の面に有するものであっても良い。また、フィルタ87に比べて目詰まりしやすいフィルタ86のみが、ポリテトラフルオロエチレンの膜を上流側の面に有するものであっても良い。
フィルタ86、87は、電気掃除装置1の収納形態において、上下方向(鉛直方向)に延びる稜線86a、87aを有している。換言すると、フィルタ86、87の稜線86a、87aは、掃除機本体7の前後方向に延びている。フィルタ86、87は、折り目に交差する端面が開放されている。
なお、フィルタ86、87の開放端面は、フィルタ86、87の端面形状に沿って山と谷とを有するジグザク形であっても良いし、隣り合う山と山との間に通風孔(図示省略)を有する板形の枠が介在するものであっても良い。
二次フィルタ枠体88は、一対のフィルタ86、87を対面させ、かつ離間させて支持している。二次フィルタ枠体88、および一対のフィルタ86、87で区画される空間は、フィルタ部69の下流側の風路に相当する。このフィルタ部69の内部空間は、連絡風路66に繋げられている。二次フィルタ枠体88は、フィルタ86の両側に配置され、連絡風路66に接続される二次フィルタ出口89を有している。二次フィルタ出口89は、フィルタ86、87を通過した空気を連絡風路66へ流出させる。
フィルタ室72は、濾過分離によってフィルタ部69に捕捉される細塵を蓄積する細塵集塵室でもある。第一メッシュフィルタ77および第二メッシュフィルタ84を通過する細塵は、より網目の細かい一対のフィルタ86、87によって捕捉され、フィルタ室72に蓄積される。つまり、集塵室73(粗塵集塵室71、およびフィルタ室72)は、フィルタ86、87よりも上流側に配置されている。
フィルタ室72は、一次電動送風機15に吸い込まれる空気の風路の一部である。フィルタ室72は、中継風路81に繋げられている。フィルタ室72は、粗塵集塵室71にも繋げられている。
ノズル部75から第一分離部68へ流れ込む含塵空気のうち質量の比較的に大きい粗塵は、ノズル部75からを粗塵吐出口79へ慣性力で直進し粗塵集塵室71へ送られる。粗塵吐出口79から粗塵集塵室71に流れ込む塵埃(粗塵)は、粗塵集塵室71に蓄積される。他方、ノズル部75から第一分離部68へ流れ込む含塵空気のうち質量の比較的に小さい細塵および空気は、ノズル部75から放射状に拡がって一次フィルタ枠体76の側面に設けられる第一メッシュフィルタ77を通過し、中継風路81を経てフィルタ室72に流れ込む。粗塵吐出口79から粗塵集塵室71に流れ込む塵埃(粗塵)とともに、空気の一部も粗塵集塵室71に流れ込む。粗塵集塵室71に流れ込んだ空気は、第二メッシュフィルタ84を通過し、フィルタ室72に流れ込む。第一メッシュフィルタ77または第二メッシュフィルタ84を通過してフィルタ室72へ流れ込む空気(細塵を含んだ空気)のうち細塵は、フィルタ部69で濾過分離され、一対のフィルタ86、87の表面に捕捉される。フィルタ86、87を通過する清浄な空気は、連絡風路66を介して一次電動送風機15に吸い込まれる。
容器本体78は、集塵室73、つまり粗塵集塵室71とフィルタ室72とを区画している。分離部64のうち第一分離部68、および連絡風路66は、フィルタ部69と一次電動送風機15との間に配置され、かつ相互に併設されている。
一対の車輪12は、一次電動送風機15、分離部64(第一分離部68およびフィルタ部69)、集塵部65(粗塵集塵室71およびフィルタ室72)、および連絡風路66を間に挟んでいる。
第一分離部68は、本体ケース11の幅方向中央部に配置され、フィルタ部69は、本体ケースの一方の側部、例えば右側部に偏倚され、一次電動送風機15は、本体ケース11の他方の側部、例えば左側部に偏倚されている。
一次塵埃容器13は、電気掃除機3に吸い込まれる塵埃を蓄積する集塵室73を区画し、かつ集塵室73に蓄積された塵埃を廃棄する廃棄口91を有する容器本体78と、廃棄口91を開閉する廃棄蓋92と、を備えている。
また、一次塵埃容器13は、ステーション2の二次電動送風機49が発生させる負圧によって一次塵埃容器13を含む風路の外側から直接的に空気を導入する吸気口93と、吸気口93を開閉する吸気蓋94と、を備えている。
さらに、一次塵埃容器13は、フィルタ部69に付着した塵埃、つまりフィルタ86、87に付着した塵埃を除塵する除塵機構95と、除塵機構95の除塵動作と廃棄蓋92の開動作とを連動させる動力伝達機構96と、を備えている。
容器本体78は、分離部64、つまり第一分離部68、およびフィルタ部69を収容し、集塵室73、つまり粗塵集塵室71、およびフィルタ室72を区画している。また、容器本体78は、動力伝達機構96を収容する機械室97を区画している。容器本体78は、全体として筒形である。容器本体78は、筒形の中心線を本体ケース11の幅方向へ向けて領域A1に装着されている。
廃棄口91および吸気口93は、容器本体78の側面に設けられている。吸気蓋94と廃棄蓋92とは、一括して開閉される。廃棄口91は、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる時を除いて廃棄蓋92によって閉じられている。吸気口93は、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる時を除いて吸気蓋94によって閉じられている。
廃棄口91は、吸気口93から導入される空気とともに一次塵埃容器13に蓄積された塵埃を廃棄する。廃棄口91は、本体ケース11の後端部に配置されている。廃棄口91は、ステーション2と掃除機本体7とが接する部位に配置されている。つまり、廃棄口91は、本体ケース11の背面に配置されている。なお、本体ケース11の背面は、電気掃除装置1の収納形態(図2)において本体ケース11の最下端に位置する。廃棄口91は、電気掃除装置1の収納形態においてフィルタ部69の下方に配置される。
本体ケース11の後端部には、廃棄口91よりも大きい本体ケース廃棄口98が設けられている。本体ケース廃棄口98は、電気掃除装置1の収納形態においてステーション2の塵埃移送管43を通過させ、塵埃移送管43の入口を廃棄口91に接続させる。
廃棄口91は、粗塵集塵室71に繋がる粗塵廃棄口101と、フィルタ室72に繋がる細塵廃棄口102と、を含んでいる。粗塵廃棄口101および細塵廃棄口102は、本体ケース11の幅方向、つまり容器本体78の中心線方向に並んでいる。粗塵集塵室71およびフィルタ室72は、廃棄口91の近傍で隔壁83を共有し、隣接している。
廃棄蓋92は、容器本体78の側面の一部である。廃棄蓋92は、筒形の容器本体78の周方向へ往復移動可能に設けられている。廃棄蓋92は、ヒンジ機構(図示省略)によって、容器本体78に支えられている。廃棄蓋92は、粗塵廃棄口101および細塵廃棄口102を一括して開閉する。廃棄蓋92が開かれると、粗塵廃棄口101および細塵廃棄口102は、塵埃移送管43に一括して接続される。
なお、廃棄口91にはパッキン103が適宜に設けられている。パッキン103は一体成形品である。パッキン103は、廃棄蓋92と容器本体78との間に挟まり、粗塵廃棄口101および細塵廃棄口102を一括して密封する。
吸気口93は、掃除機本体7外から、または本体ケース11内であって一次電動送風機15に繋がる風路の外側からフィルタ室72に空気を取り入れる入口である。吸気口93は、掃除機本体7からステーション2へ塵埃を移動させる際に、空気の流れを生じさせる吸込口である。
吸気口93は、容器本体78の周方向に見て廃棄口91から最も遠い箇所、つまり180度離れた箇所、換言すると容器本体78の中心線を対称線とする線対称位置に配置されている。つまり、吸気口93は、電気掃除装置1の収納形態(図1)においてフィルタ部69の上方に配置されている。換言すると、フィルタ86、87は、吸気口93と廃棄口91とに挟まれて配置されている。
また、吸気口93は、フィルタ86、87の上流側(一次電動送風機15が生じさせる流れの上流側)の風路に配置されている。
吸気口93から導入される空気は、フィルタ86、87に濾過される細塵と一次塵埃容器13に蓄積される粗塵とを一括して廃棄口91から流出させる。塵埃移送管43から細塵廃棄口102を通じてフィルタ室72に負圧が作用すると、吸気口93は、フィルタ86、87に空気を吹き掛ける。フィルタ86、87に吹き掛かった空気は、フィルタ86、87表面に捕捉された塵埃を吹き飛ばし、細塵廃棄口102へ案内する。フィルタ86、87は、除塵時、つまり電気掃除装置1の収納形態で上下方向に延びる稜線86a、87aを有し、また、折り目に交差する端面が開放されている。このため、フィルタ86、87に吹き掛けられた空気は、折り目に沿って流れやすく、また剥離した細塵を、折り目の端部から円滑に流出させることができる。
このとき、塵埃移送管43から粗塵廃棄口101を通じて粗塵集塵室71にも負圧が作用する。粗塵集塵室71は、フィルタ室72に直接的に、また第一分離部68を介してフィルタ室72に間接的に繋がっているため、吸気口93から流れ込む空気の一部は、粗塵集塵室71にも流れ込む。粗塵集塵室71に流れ込んだ空気は、粗塵集塵室71に蓄積された粗塵を粗塵廃棄口101から流出させる(廃棄させる)。
なお、本実施形態に係る吸気口93は、一次塵埃容器13の容器本体78に設けられ、フィルタ86、87よりも上流側の風路に配置されているが、フィルタ86、87の下流側(一次電動送風機15が生じさせる流れの下流側)の風路に設けられていても良い(図6に二点鎖線で示される吸気口93および吸気蓋94)。この場合、吸気口93は、フィルタ86、87から一次電動送風機15までの風路、例えば、連絡風路66に通じる。
二次電池17は、粗塵集塵室71を囲んでいる。つまり、二次電池17に含まれる複数の素電池17aは、本体ケース11の筒形の後半部の内面に沿って配置され、粗塵集塵室71の周囲を囲んでいる。
次に、本実施形態に係る電気掃除機3の除塵機構95について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の除塵機構の斜視図である。
図8に示すように、本実施形態に係る電気掃除機3の除塵機構95は、一対のフィルタ86、87の間に配置されている。換言すると、除塵機構95は、フィルタ部69の内部空間に配置されている。除塵機構95は、一対のフィルタ86、87を一括して除塵する。
除塵機構95は、連結された複数のラック105を含む被動部106と、一方向に回転しながら複数のラック105に順次に噛み合って予め定められる軌道に沿って被動部106を移動させる歯車107と、を備えている。
被動部106は、ラック105の他に複数のラック105を一体に連結させるフレーム108と、ラック105の移動方向を規定する機構、例えばスライダ109と、それぞれのフィルタ86、87に接する除塵子111と、を備えている。
本実施形態の複数のラック105は、平行に配置される一対のラック105である。被動部106は、歯車107を一対のラック105に交互に噛み合わせて往復運動する。
フレーム108は、一対のラック105のそれぞれの端部を繋いでいる。一対のラック105とフレーム108とは、全体で矩形を描いている。
スライダ109は、ラック105の孔105aと、孔105aに挿し通され、フィルタ部69の二次フィルタ枠体88に固定される棒状のレール112と、を有している。スライダ109は、例えばフレーム108やラック105に設ける長穴と、長穴に挿し通され、二次フィルタ枠体88に固定されるビスやリベットなどのピン部材と、を有するものであっても良い。
歯車107は、フィルタ部69の中央部に配置されている。換言すると、歯車107は、一対のフィルタ86、87の間に挟まれ、かつフィルタ86、87の投影面の中央部に配置されている。
歯車107の歯107aは、部分的に設けられている。換言すると、歯車107は、部分的に歯107aが無い。歯車107の歯107aは、歯車107が1回転する過程で、複数のラック105に順次に噛み合う。歯車107の歯107aは、2つ以上のラック105に同時に噛み合うことのない範囲(歯数)に限定されている。
さらに詳細に説明すると、ラック105の歯105bは、歯車107の歯107aよりも1つ多い。つまり、ラック105の歯105bと歯105bとの間の溝は、歯車107の歯107aと同数ある。例えば、歯車107の歯107aは4つ、ラック105の歯105bは5つある。一対のラック105の溝の底から溝の底までの距離は、歯車107の最外径よりも若干大きい。この差(隙間)は、歯車107の歯107aとラック105の歯105bとの噛み合いと、抜け出しの円滑を図る。
一部、歯107aのない歯車107が半回転するうち、歯107aはいずれか一方のラック105に噛み合い、被動部106を往路で移動させる。歯車107の回転が進む(約180度進む)と、歯107aは、一方のラック105から抜け出し、他方のラック105に噛み合い、被動部106を復路で移動させる。なお、歯車107は、被動部106の往路と復路との間で、一時的に歯107aをいずれのラック105にもかみ合わせていない期間があってもよい。
なお、3つ以上のラック105を有する除塵機構95は、ラック105の移動方向を規定するスライダ109以外の機構と、歯を全周に有する歯車107と、を備えていても良い。3つ以上のラック105を有する除塵機構95は、被動部106を軌道上で一巡させるにあたり、歯車107を1回転以上させるものであっても良い。
次に、本実施形態に係る電気掃除機3の動力伝達機構96について説明する。
図9から図12は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の動力伝達機構の図である。
図9および図11には、動力伝達機構96によって廃棄蓋92および吸気蓋94が閉鎖されている状態が示されている。図10および図12には、動力伝達機構96によって廃棄蓋92および吸気蓋94が開放されている状態が示されている。また、図11および図12には、第二歯車122を省いた動力伝達機構96が示されている。
図3および図5に加えて、図9から図12に示すように、本実施形態に係る電気掃除機3の動力伝達機構96は、ステーション2から除塵機構95、廃棄蓋92、および吸気蓋94の駆動力を受け、除塵機構95、廃棄蓋92、および吸気蓋94へ分配し、伝達する。動力伝達機構96は、継手半体115と、継手半体115から除塵機構95へ駆動力を伝達する第一伝達機構117と、継手半体115から廃棄蓋92へ駆動力を伝達する第二伝達機構118と、継手半体115から吸気蓋94へ駆動力を伝達する第三伝達機構119と、を備えている。
継手半体115は、回転駆動力を伝達する軸継手120の一部である。継手半体115は、ステーション2の継手半体116に連結される。
第一伝達機構117は、継手半体115に入力される駆動力を常に除塵機構95の歯車107へ伝達する。第一伝達機構117は、継手半体115に入力される回転駆動力を単純に伝達して歯車107を回転させる。つまり、第一伝達機構117は、継手半体115が正転していれば歯車107を逆転させ、継手半体115が逆転していれば歯車107を正転させる。
第一伝達機構117は、継手半体115に回転一体の第一歯車121と、第一歯車121に噛み合わされた大径の第二歯車122と、を備えている。第二歯車122は、フィルタ部69の二次フィルタ枠体88を貫き、除塵機構95の歯車107に回転一体の軸99によって、回転可能に支えられている。つまり、第二歯車122と除塵機構95の歯車107とは回転一体である。第一歯車121に比べて第二歯車122の方が大きいため、フィルタ86、87を弾いたり、変形させたりしながら動作する除塵機構95をより小さい出力のモータ(後述するステーション2の駆動源149)で駆動させることができる。
第二伝達機構118は、継手半体115に入力される駆動力によって廃棄蓋92を開閉させる。また、第三伝達機構119は、継手半体115に入力される駆動力によって吸気蓋94を開閉させる。吸気蓋94と廃棄蓋92とが一括して開閉されるため、第二伝達機構118が廃棄蓋92を開くとき、第三伝達機構119も吸気蓋94を開く。また、第二伝達機構118が廃棄蓋92を閉じるとき、第三伝達機構119も吸気蓋94を閉じる。
第三伝達機構119は、第一伝達機構117と共有する第一歯車121と、円弧状に配置され第一歯車121に噛み合わされる歯123aを有するレバー部123と、レバー部123の揺動を案内するガイド部124と、レバー部123の揺動範囲を規定する一対のストッパ125と、を備えている。
レバー部123は、第二歯車122の回転中心に一致する揺動中心を有している。つまり、レバー部123は、第二歯車122を回転可能に支える軸によって、第二歯車122とともに支えられている。レバー部123は、吸気蓋94に直結されている。
ガイド部124は、容器本体78に設けられる溝126と、溝126に配置される案内板127と、を備えている。溝126は、レバー部123の揺動の軌跡に応じて円弧形に延びている。案内板127は、レバー部123に一体化されている。
ストッパ125は、廃棄蓋92および吸気蓋94の全閉位置および全開位置に応じてレバー部123の揺動範囲を規定(規制)している。
第二伝達機構118は、第一伝達機構117および第三伝達機構119と共有する第一歯車121と、第三伝達機構119と共有するレバー部123、ガイド部124、およびストッパ125と、レバー部123の揺動を往復運動に変換して廃棄蓋92に伝達するスライダ128と、廃棄蓋92を全閉させるばね力を発生させる廃棄蓋閉鎖ばね129と、を備えている。スライダ128は、廃棄蓋閉鎖ばね129に押し勝って廃棄蓋92を開く。また、スライダ128は、廃棄蓋閉鎖ばね129のばね力を利用して廃棄蓋92を閉じる。
ここで、動力伝達機構96は、適宜の期間にわたってステーション2から除塵機構95へ駆動力を伝達する一方、廃棄蓋92および吸気蓋94が全開、または全閉した後、除塵機構95が駆動最中である適宜の期間内であってもステーション2から廃棄蓋92および吸気蓋94への動力伝達を遮断する(縁切りする)必要がある。
そこで、第二伝達機構118は、廃棄蓋92が全開または全閉すると継手半体115から廃棄蓋92への駆動力の伝達を遮断する。また、第三伝達機構119は、吸気蓋94が全開または全閉すると継手半体115から吸気蓋94への駆動力の伝達を遮断する。
具体的には、第二伝達機構118、および第三伝達機構119は、廃棄蓋92および吸気蓋94が全開または全閉すると、レバー部123の歯123aと第一歯車121との噛み合わせを解除する。つまり、円弧形に並ぶ歯123aは、廃棄蓋92および吸気蓋94が全開または全閉すると、第一歯車121から抜け出る範囲に設けられている(限定されている)。
レバー部123の歯123aは、廃棄蓋92が全閉または全開すると、移動が妨げられる廃棄蓋92に抗しきれず、第一歯車121から抜け出て駆動力(トルク)の伝達を遮断する。レバー部123の歯123aは、吸気蓋94が全閉または全開すると、第一歯車121から抜け出て駆動力(トルク)の伝達を遮断する。
なお、動力伝達機構96は、レバー部123の歯123aと第一歯車121との噛み合わせを復帰させる際、両者の円滑な噛み合わせを促す駆動源、例えば復帰ばね131を備えている。復帰ばね131は、廃棄蓋92および吸気蓋94が全開、または全閉すると押し潰されてエネルギーを蓄える。また、復帰ばね131は、廃棄蓋92および吸気蓋94を開け始める際、または閉め始める際に、エネルギーを消費してレバー部123を押し返し、レバー部123の歯123aと第一歯車121との噛み合わせの復帰を助ける。
また、除塵機構95が適宜の期間にわたって往復運動し、フィルタ86、87を除塵する最中、廃棄蓋92および吸気蓋94は全開されていなければならない。仮に、モータ(後述するステーション2の駆動源149)の正転と逆転とを切り替えて除塵機構95を往復運動させると、廃棄蓋92および吸気蓋94は、モータの正転と逆転とが切り替えられる都度、開いたり閉じたりすることになる。そこで、本実施形態に係る除塵機構95は、一方向に回転する歯車107によって被動部106を往復運動可能な構成を有している。
次に、本発明の実施形態に係る掃除機本体7の車輪12およびに本体把手14ついて説明する。
図13は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の本体把手を引き出した状態の斜視図である。
図14は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の本体把手および車輪の内部構造の斜視図である。
図15は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の本体把手および車輪の分解斜視図である。
図16から図19は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の本体把手および車輪の断面図である。
図13から図19に示すように、本実施形態に係る電気掃除機3は、本体ケース11と、本体ケース11を支える車輪12と、本体ケース11に設けられる本体把手14と、本体把手14に一体の基部133と、を備えている。
車輪12は、被掃除面に接地される環形の接地壁12cと、接地部12cに連接し、車輪12の回転中心へ向かって延びる側壁12dと、を備えている。
本体把手14は、左右の車輪12の間にアーチ形に架け渡されている。本体把手14は、未使用時、本体ケース11の天面の前縁部に設けられる把手収納凹部11bに納められている(図2)。本体把手14は、使用時、把手収納凹部11bから引き出され、本体ケース11の後端部に移動する。また、本体把手14は、本体ケース11の弧状の前半部の前縁部に適合している。本体把手14は、最も引き出されたとき、掃除機本体7の後端部に達する。本体把手14は、水平面に掃除機本体7を配置した状態において、実質的に掃除機本体7の真上(図13)を超えて掃除機本体7の後方へ移動する。
基部133は、本体ケース11に回転可能に支えられている。車輪12は、基部133に回転可能に支えられている。つまり、車輪12は、基部133を介して本体ケース11に回転可能に支えられている。基部133の回転範囲は規制されている。基部133は、本体把手14が本体ケース11の把手収納凹部11bから本体ケース11の後端部に達する範囲で回転する。
車輪12の回転中心線と基部133の回転中心線とは、実質的に同一線上に配置されている。つまり、本体把手14は、車輪12の回転中心線のまわりを回転するように移動し、本体ケース11の把手収納凹部11bに納められたり、把手収納凹部11bから引き出されたりする。
車輪12および基部133は、環形である。車輪12および基部133は、本体ケース11の塵埃容器室61に一次塵埃容器13を掃除機本体7の幅方向に挿抜可能にするため、一次塵埃容器13が通過可能な内径を有している。なお、一次塵埃容器13の着脱に関係しない車輪12および基部133(掃除機本体7の左側の車輪12および基部133)は、環形でなくても良い。
基部133には、車輪12を回転可能に支える複数の第一転134aが設けられている。複数の第一転134aは、基部133の外周に設けられている(図16)。
また、電気掃除機1は、本体ケース11と基部保持体135との間に挟まれて基部133および車輪12を回転可能に支える複数の第二転134bを備えている。
複数の第二転134bは、基部133の一方の側面に設けられ基部保持体135に接する第三転134cと(図17)、基部133の他方の側面に設けられ車輪12の側壁12dに接する第四転134dと(図18)、を含んでいる。第三転134cと第四転134dとは、回転中心線方向における基部133の位置を拘束している。第三転134cおよび第四転134dは、基部133の周方向へ交互に配置されている。
さらに、複数の第二転134bは、基部133の内周に設けられ基部保持体135に接する複数の第五転134eを含んでいる(図19)。
さらにまた、複数の第二転134bは、本体ケース11に設けられ車輪12に接する第六転134fを含んでいる。第六転134fと基部133の第四転134dとは、車輪12の側壁12dを挟み込んでいる。第六転134fは、車輪12が回転中心線方向へ基部133から抜け出すことを防いでいる。換言すると、第四転134dと第六転134fとは、回転中心線方向における車輪12の位置を拘束している。そして、第三転134c、第四転134d、および第六転134fは、回転中心線方向における基部133および車輪12の位置を拘束している。
基部保持体135は、基部133同様に環形である。基部保持体135は、本体ケース11に固定されている。基部保持体135は、基部133の内周に入り込み、複数の第五転134eに接するフランジ部135aを有している。
基部保持体135は、基部133の第三転134cおよび第五転134eに接し、本体ケース11の第六転134fは、車輪12に接している。基部133の第一転134aおよび第四転134dは車輪12に接している。基部保持体135および本体ケース11は、基部133、本体把手14、車輪12を一括して支持している。
なお、本実施形態に係る基部保持体135は、本体ケース11の内側に配置され、本体ケース11に固定されているが、本体ケース11の外側に配置されていても良い。つまり、基部133、本体把手12、および車輪12を支える転(第一転、第二転)の構造は、本体ケース11の外側に配置されていても良い。この場合、基部保持体135は、転の構造の蓋の役割を担うことが好ましい。
複数の第一転134a、第二転134bのうち第三転134c、第四転134d、および第五転134eは、それぞれ、環形の基部133の周方向に、実質的に等間隔に並んでいる。また、複数の第一転134a、第二転134bのうち、第三転134c、第四転134d、および第五転134eは、互いに位置(位相)がずらされている。このずれは、基部133の内径と外径との寸法差、および基部133の掃除機本体7の幅方向における厚さ寸法の低減に寄与している。
図20は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の把手復帰部の斜視図である。
図14および図15に加え、図20に示すように、本実施形態に係る電気掃除機3は、本体把手14を引き起こすとエネルギーを蓄え、蓄えられたエネルギーを消費して本体把手14を収納する力を発生させる把手復帰部136を備えている。把手復帰部136は、一次塵埃容器13の着脱に影響のない掃除機本体7の左側に設けられている。
把手復帰部136は、基部133に設けられる第一歯車137aと、本体ケース11に回転可能に支えられ、第一歯車137aに噛み合わされる第二歯車137bと、本体ケース11に回転可能に支えられ、第二歯車137bに噛み合わされる第三歯車137cと、第三歯車137cの回転によってエネルギーを蓄える復帰ばね138と、を備えている。
第一歯車137aは、第一転134a、および第二転134bのない、基部133の内周に設けられている。つまり、第一歯車137aは、所謂内歯車である。第一歯車137aは、第五転134eに接するフランジ部135aを避けて設けられている。換言すると、第一歯車137aおよび第五転134eは、基部133の内周に併設されている。
第二歯車137bは、第一歯車137a、および第三歯車137cに比べて小径である。
第三歯車137cは、環形の基部133の内側に配置されている。第三歯車137cの回転中心線は、車輪12の回転中心線、および基部133の回転中心線の実質的な同一線上に配置されている。
復帰ばね138は、いわゆる捻りばねである。復帰ばね138は、第三歯車137cの回転によってエネルギーを蓄える。
把手復帰部136は、本体把手14が本体ケース11の把手収納凹部11bから本体ケース11の後端部へ向かって引き出されるとき、基部133と一体で回転する第一歯車137aと、第一歯車137aの回転を第三歯車137cに伝える第二歯車137bと、第三歯車137cと、を回転させ、復帰ばね138にエネルギーを蓄える。また、把手復帰部136は、本体把手14が無負荷(つまり、使用者が力を加えていない状態)になると、復帰ばね138が蓄えたエネルギーを消費して第三歯車137cを回転させ、第二歯車137bおよび第一歯車137aを介して本体把手14を把手収納凹部11bへ収納する。
掃除機本体7は、持ち上げられている最中、集塵ホース22の重みで正面を下げ、背面を上げた前屈み姿勢になる。そこで、本体把手14および基部133は、使用者がこれを掴み、掃除機本体7を持ち上げている最中、掃除機本体7に対して移動する。換言すると、掃除機本体7は、使用者が掴んでいる本体把手14に対して揺動する。この掃除機本体7の揺動は、管部8の操作にともなう集塵ホース22の屈曲が使用者に伝わることを緩和する。
なお、車輪12と基部133とは、それぞれが個別に本体ケース11に回転可能に指示されていても良い。
また、車輪12と基部133とは、一次塵埃容器13が本体ケース11に一体化されていたり、一次塵埃容器13が本体ケース11の天面や底面から着脱可能であったりする場合には、環形でなくても良い。この場合、車輪12と基部133とは、回転中心部にハブ(図示省略)を有しても良いし、単なる円盤形であっても良い。図14および図15の本体ケース11は、一次塵埃容器13の着脱に関係しない、掃除機本体7の左側面である。このため、図14および図15の本体ケース11には、一次電動送風機15の排気を流出させるディフューザーを有する排気口蓋11aが設けられている。
次に、本発明の実施形態に係るステーション2について詳細に説明する。
図21および図22は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置のステーションの斜視図である。
なお、図22は、台座41の天板、および塵埃回収部142のケース47が取り外されたステーション2の斜視図である。
図21および図22に示すように、本実施形態に係るステーション2の二次塵埃容器48は、塵埃移送管43から流れ込む塵埃を空気から遠心分離する遠心分離部143を備えている。遠心分離部143は多段型であり、塵埃移送管43から流れ込む塵埃を空気から遠心分離する第一遠心分離部144と、第一遠心分離部144を通過する塵埃を空気から遠心分離する第二遠心分離部145と、を備えている。
第一遠心分離部144は、二次塵埃容器48に流れ込む塵埃のうち粗い塵埃を遠心分離する。第二遠心分離部145は、第一遠心分離部144を通過する細かい塵埃を遠心分離する。なお、粗い塵埃とは、もっぱら糸くずや綿埃などの繊維状の塵埃や砂粒のような質量の大きい塵埃であり、細かい塵埃とは、粒子状または粉末状で質量の小さい塵埃である。
二次電動送風機49は、下流風路管146を介して二次塵埃容器48に接続されている。二次電動送風機49は、下流風路管146、二次塵埃容器48、および塵埃移送管43を介して一次塵埃容器13に負圧を作用させ、一次塵埃容器13に蓄積された塵埃を空気とともに二次塵埃容器48に移動させる。
また、ステーション2は、台座41に設けられる連結案内部148と、電気掃除機3の一次塵埃容器13の廃棄蓋92の開駆動力および閉駆動力を発生させる駆動源149と、駆動源149から電気掃除機3に駆動力を伝える動力伝達機構151と、を備えている。
連結案内部148は、掃除機本体7がステーション2に連結される際、ステーション2の充電端子45が掃除機本体7の充電電極19に好適に接続され、かつ塵埃移送管43が掃除機本体7の廃棄口91に好適に接続される位置へ、掃除機本体7を案内する。
なお、掃除機本体7がステーション2に連結され、ステーション2の充電端子45が掃除機本体7の充電電極19に好適に接続され、かつ塵埃移送管43が掃除機本体7の廃棄口91に好適に接続された形態が、電気掃除装置1の収納形態である。
連結案内部148は、掃除機本体7の本体ケース11の後端部の形状に適合して窪んでいる。つまり、連結案内部148は、本体ケース11の筒形の後半部に適合し、ステーション2の側方視において円弧形に窪んでいる。掃除機本体7は、台座41の上方から下ろされ(降下させられ)てステーション2に連結するため、掃除機本体7の後端部の形状に適合する連結案内部148は、電気掃除装置1の収納形態における掃除機本体7の位置決めを確実にする。
充電端子45と塵埃移送管43の入口とは、連結案内部148に配置されている。
駆動源149は、例えば電動機である。駆動源149は、ステーション制御部51に電気的に接続されている。駆動源149は、二次電動送風機49同様に、ステーション制御部51に制御される。
駆動源149は、電気掃除機3の吸気蓋94の開駆動力および閉駆動力を発生させる。駆動源149は、電気掃除機3の除塵機構95の駆動力を発生させる。つまり、駆動源149は、廃棄蓋92、吸気蓋94、および除塵機構95の駆動力を発生させる。駆動源149は、塵埃移送管43の入口と塵埃回収部142との間に設けられている。
動力伝達機構151は、駆動源149、つまり電動機の出力軸から電気掃除装置1の収納形態における掃除機本体7の継手半体115の中心線上へ、駆動源149の動力を伝える適宜の機構である。本実施形態に係る動力伝達機構151は、相互に噛み合わされた複数、例えば3つの歯車151a、151b、151cと、これらの歯車151a、151b、151cを回転可能に支え、かつ収容するギアボックス(図示省略)と、を備えている。動力伝達機構151は、プーリーとベルトとを組み合わせた機構や、チェーンとスプロケットとを組み合わせた機構であっても良い。
次に、ステーション2から掃除機本体7へ駆動源149の駆動力を伝える動力伝達経路について説明する。
図23は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の動力伝達経路の斜視図である。
なお、図23は、動力伝達経路155のうち、ステーション2側のみ、つまりステーション2の動力伝達機構151のみを示している。
図9および図22に加えて、図23に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1は、ステーション2の駆動源149から掃除機本体7の廃棄蓋92に駆動力を伝える動力伝達経路155と、ステーション2と電気掃除機3との間で動力伝達経路155の連結と切り離しとを行う連結器156と、を備えている。
動力伝達経路155は、電気掃除機3の動力伝達機構96とステーション2の動力伝達機構151とを含んでいる。連結器156は、電気掃除機3の動力伝達機構96とステーション2の動力伝達機構151とを連結して動力伝達経路155を機能させる。
動力伝達機構151、および掃除機本体7の継手半体115を除く連結器156は、台座41の膨出部46に覆われている。膨出部46は、継手半体116を出没可能に収容している。
連結器156は、軸継手120と、軸継手120を断絶させる力を発生させる駆動源、例えば継手切断ばね157と、駆動源149が発生させる駆動力で軸継手120を接続するカム機構158と、を備えている。連結器156は、駆動源149の駆動力で軸継手120を接続させ、継手切断ばね157のばね力で軸継手120を断絶(縁切り)させる。
軸継手120は、いわゆるドグクラッチである。軸継手120は、電気掃除機3の動力伝達機構96に設けられる継手半体115と、ステーション2の動力伝達機構151に設けられる継手半体116と、を備えている。
継手半体115は、円形に並ぶ複数の弧形溝161を備えている。継手半体116は、円形に並ぶ複数の軸162を備えている。それぞれの軸162は、弧形溝161に出入り可能な径寸法を有している。軸162は、弧形溝161へ差し込み易いよう、先細ったテーパ形であることが好ましい。
継手半体116は、動力伝達機構151が伝達する駆動力によって常に回転する。継手半体115は、軸継手120が継がれることによって継手半体116とともに回転する。継手半体116は、ステーション2の膨出部46から突き出して継手半体115に連結する。継手半体116は、掃除機本体7の側方に配置される膨出部46から掃除機本体7の幅方向に突出して継手半体115に連結する。換言すると、連結器156は、掃除機本体7をステーション2から切り離す際、および掃除機本体7をステーション2に戻す際に、掃除機本体7が移動する方向、つまり上下方向に対して交差する方向へ継手半体116を膨出部46から出没させて軸継手120を連結するため、膨出部46と継手半体116との隙間からステーション2内に例えば塵埃が侵入することを防ぎ、動力伝達機構151の良好な作動を保証できる。
なお、継手半体116は、膨出部46から掃除機本体7の幅方向に突出して継手半体115に連結するものの他、連結案内部148に突出させて設けられ、ステーション2に掃除機本体7を連結すると、同時に継手半体115に連結されるものであっても良い(図21中、二点鎖線の継手半体116)。また、継手半体116は、塵埃回収部42に配置され、ステーション2の前方に突出して継手半体115に連結されるものであっても良い(図21中、二点鎖線の継手半体116)。
継手切断ばね157は、軸継手120を断絶させる方向、つまり継手半体115から引き離す方向へ継手半体116を引っ張っている。
カム機構158は、ステーション2側に設けられている。カム機構158は、いわゆる端面カムである。カム機構158は、動力伝達機構151の回転運動を継手半体116の直線運動(継手半体116が膨出部46に出没する運動)に変換し、かつ継手半体116の直線運動が適宜に進行すると継手半体116を回転運動させる。カム機構158は、動力伝達機構151によって回転する原節163と、継手半体116に設けられる従節164と、を備えている。従節164は、継手半体116の軸162に最も近く、継手半体116の周方向に延びる横臥面164aと、継手半体116の軸162の反対方向に延びる傾斜面164bと、傾斜面164bの頂部につながる直立面164cと、を有している。直立面164cは、継手半体116の回転中心線に対して実質的に平行である。原節163は、横臥面164aおよび傾斜面164bに線接触可能であり、かつ直立面164cに面接触可能な形状を有している。
連結器156は、非連結時、カム機構158の従節164の横臥面164aに原節163を当て、または横臥面164aに原節163を最も近づけている。この状態で、継手半体116は、ステーション2の膨出部46に最も入り込んでいる。駆動源149が始動すると、動力伝達機構151の歯車115cとともに原節163が回転する。回転する原節163は、従節164の横臥面164aを移動し、傾斜面164bに近づき、いずれ傾斜面164bに乗り上げる。そうすると、継手半体116は、原節163が傾斜面164bを押す力によって膨出部46から迫り出し、継手半体115に連結される。継手半体116の回転が進んで原節163が直立面164cに面接触すると、連結器156全体が、原節163に同期して回転する。
なお、継手半体116は、継手切断ばね157のばね力によって膨出部46に引き込まれている。このばね力は、原節163と従節164との間に適宜の摩擦力を発生させ、原節163を従節164の傾斜面164bに確実に乗り上げさせる。
カム機構158は、ステーション2の継手半体116から掃除機本体の継手半体115を見て、継手半体116を正転(時計回り)、および逆転(反時計回り)させるいずれの回転方向にも、傾斜面164bおよび直立面164cを有している。換言すると、カム機構158は、横臥面164aを間に挟む一対の傾斜面164bおよび直立面164cを有している。
ここで、例えば、動力伝達経路155は、継手半体116を正転させることで廃棄蓋92および吸気蓋94を開き、継手半体116を逆転させることで廃棄蓋92および吸気蓋94を閉じるとして説明する。一方の傾斜面164bおよび直立面164cは、継手半体116の正転にともなって連結器156を繋ぎ、廃棄蓋92および吸気蓋94を開く。他方の傾斜面164bおよび直立面164cは、継手半体116の逆転にともなって連結器156を繋ぎ、廃棄蓋92および吸気蓋94を閉じる。
ステーション2に掃除機本体7が連結されて電気掃除装置1が収納形態に移行する。そうすると、掃除機本体17の充電電極19は、ステーション2の充電端子45に接触し、充電端子45に電気的に接続される。塵埃移送管43の入口は、掃除機本体7の本体ケース廃棄口98を通じて一次塵埃容器13の容器本体78の外面に密着する。
ステーション制御部51は、充電端子45に繋がる充電回路(図示省略)、マイクロスイッチ等の接触式センサ(図示省略)、または赤外線センサを利用した非接触センサ(図示省略)などの検知方法によって、ステーション2に掃除機本体7が連結されたことを検知する。ステーション制御部51は、ステーション2に掃除機本体7が連結されたことを検知すると、適時に駆動源149を始動させる。駆動源149が始動すると、ステーション2の継手半体116が膨出部46から突出し、掃除機本体7の継手半体115に連結される。つまり、連結器156が連結される。ステーション制御部51は、駆動源149の運転を継続する。連結器156が連結された動力伝達経路155は、駆動源149の駆動力を廃棄蓋92、吸気蓋94、および除塵機構95へ分配し、伝達する。
動力伝達経路155から伝わる駆動力によって、廃棄蓋92、および吸気蓋94は全開する。動力伝達経路155から伝わる駆動力によって、除塵機構95はフィルタ86、87に付着した細塵を除去する。ステーション制御部51は、除塵機構95がフィルタ86、87に付着した細塵を除去する適宜の期間、例えば10秒間、継続して駆動源149を運転した後、駆動源149を一旦停止させる。
次いで、ステーション制御部51は、二次電動送風機49を始動させる。始動した二次電動送風機49は二次塵埃容器48から空気を吸い込んで負圧を発生させる。つまり、二次電動送風機49は、駆動源149が廃棄蓋92を開いた後、二次塵埃容器48に負圧を作用させる。二次電動送風機49は、駆動源149が吸気蓋94を開いた後、二次塵埃容器48に負圧を作用させる。二次電動送風機49は、駆動源149が除塵機構95を駆動させた後、二次塵埃容器48に負圧を作用させる。
二次塵埃容器48に作用する負圧は、塵埃移送管43および廃棄口91を通じて一次塵埃容器13に作用する。そうすると、一次塵埃容器13は、吸気口93から空気を吸い込む。このとき、本体接続口18からも空気が吸い込まれる。一次塵埃容器13に吸い込まれた空気は、粗塵集塵室71内の粗塵を粗塵廃棄口101から塵埃移送管43へ流出させ、フィルタ室72内の細塵を細塵廃棄口102から塵埃移送管43へ流出させる。塵埃移送管43に流れ込んだ塵埃(粗塵および細塵が混合した塵埃)は、塵埃移送管43を通じて二次塵埃容器48に吸い込まれる。
二次塵埃容器48の第一遠心分離部144は、塵埃移送管43から流れ込んだ塵埃から粗塵を分離し、蓄積する。第二遠心分離部145は、第一遠心分離部144を通過する細塵埃を分離し、蓄積する。
本実施形態に係る電気掃除機3は、車輪12の回転中心線と基部133の回転中心線とが、実質的に同一線上に配置されている。電気掃除機3の掃除機本体7は、前部側が最も低く、後部側が最も高い前屈み姿勢になり、集塵ホース22を被掃除面(床面)に向かって垂れ下がらせる。そのため、電気掃除機3は、集塵ホース22の屈曲にともなうモーメントが使用者へ伝わることを防ぎ、使用者の負担を大きく低減させる。また、電気掃除機3は、吸込口を高所へ差し向けたときにも、掃除機本体7の前部を集塵ホース22で引き上げる必要が無くなり、利便性が高い。さらに、電気掃除機3は、本体ケース11の表裏を反転させて走行させる際、車輪12を中心に反転し、このとき本体把手14が車輪12と同じ回転中心上で倒れ込む。これは、仮に本体把手14が引き起こされたまま本体ケース11を反転させても、本体把手14がつかえて本体ケース11の反転を阻止することを防ぐ。
また、本実施形態に係る電気掃除機3は、基部133に回転可能に支えられている車輪12を備えている。そのため、電気掃除機3は、基部133および車輪12を個別に本体ケース11に支持させる場合よりも、構造効率が高く、小型化、軽量化される。
さらに、本実施形態に係る電気掃除機3は、環形の車輪12および基部133を備えている。そのため、電気掃除機3は、基部133および車輪12の中央に構造物、例えば一次塵埃容器13を配置できる。
さらにまた、本実施形態に係る電気掃除機3は、基部133の外周に設けられ、車輪12を回転可能に支える複数の第一転134aを備えている。そのため、電気掃除機3は、回転中心線上に配置される車軸で車輪12を支える場合に比べて車軸の撓みや車輪の撓みの影響を抑え、走行を安定させる。
また、本実施形態に係る電気掃除機3は、本体ケース11と基部保持体135との間に挟まれて基部133および前輪12を回転可能に支える複数の第二転134bを備えている。そのため、電気掃除機3は、回転中心線上に配置される軸で本体把手14を支える場合に比べて軸の撓みの影響を抑え、本体把手14の移動(揺動)を安定させる。
さらに、本実施形態に係る電気掃除機3は、基部保持体135に接する第三転134cと、前輪12に接する第四転134dと、を含む複数の第二転134bを備えている。そのため、電気掃除機3は、本体ケース11と基部保持体135との間に挟まれた基部133の移動(回転)を円滑に支える。
さらにまた、電気掃除機3は、基部133の周方向へ交互に配置される第三転134cおよび第四転134dを備えている。そのため、電気掃除機3は、基部133を堅牢に回転支持する。
また、電気掃除機3は、基部133の内周に設けられる第五転134eを備えている。そのため、電気掃除機3は、回転中心線上に配置される軸で基部133を支える場合に比べて軸の撓みや基部133の撓みの影響を抑え、本体把手14の揺動を安定させる。
さらに、本実施形態に係る電気掃除機3は、本体ケース11に設けられ車輪12に接する第六転134fを備えている。そのため、電気掃除機3は、車輪12の回転ぶれが抑えられて円滑に走行する。
さらにまた、本実施形態に係る電気掃除機3は、把手復帰部136を備えている。そのため、電気掃除機3は、使用者が本体把手14かた手を離せば、本体把手14を収納する。このことは、車輪12を中心に表裏を裏返しても使用可能な電気掃除機3において、特に有効である。
また、本実施形態に係る電気掃除機3は、複数の歯車(第一歯車137a、第二歯車137b、および第三歯車137c)と、復帰ばね138と、を有する把手復帰部136を備えている。そのため、電気掃除機3は、歯車比の自由度が高く、例えば、復帰ばね138にバネ定数が比較的に低いばねを適用し、本体把手14を引き出すために要する力を低減させ、本体把手14が収納される際の勢いを弱めておくことができる。
したがって、本実施形態に係る電気掃除機3によれば、本体把手14を掴んで持ち上げやすく、使用者の手首の負担を低減できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。