JP2019203741A - Tof方式測距装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない発光電力で大きな反射光の入射強度を確保し、かつ逆正接と位相差との線形関係の線形性を改善するTOF方式測距装置を提供する。【解決手段】TOF方式測距装置1は、変調した出射光Laを出射する光源2、光源2を駆動する光源制御部51、変調反射光を検出する撮像素子10、及び出射光Laと反射光の位相差に基づいて被測距対象7までの距離を算出する距離算出部53を備える。変調光は、奇数倍波を一つの周波数成分のみ含み、かつ偶数倍波を少なくとも一つの周波数成分を含む周期波形の変調光とされる。【選択図】図1
Description
本発明は、TOF(Time Of Flight:光飛行時間)方式で測距を行うTOF方式測距装置に関する。
測距装置におけるTOF方式には、直接式と間接式とがある。間接式のTOF方式では、所定の周波数の変調光を光源から所定の撮像範囲に向けて出射し、被測距対象で反射して戻って来る反射光の入射強度を固体撮像装置で画素ごとに検出する。次に、出射変調光と反射変調光との位相差を、撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する。そして、検出した位相差に基づいて画素ごとに被測距対象までの距離を算出している(例:特許文献1)。
位相差の検出方法は、例えば出射光の周期で1/4(位相で90°)ずつずれた4つの位相情報を取得し、逆正接の式により位相差(位相遅れ)を導出することで実現できる。4つの位相情報は、撮像素子に蓄積された電荷を1/4(位相で90°)ずつずれたタイミングで積分することにより求めることができる。
4つの位相情報をそれぞれS0,S90,S180,S270とおくと、位相遅れφは、後述の本発明の実施の形態の項で詳説する式(1.2)で表される。また、4つの位相情報のうち、位相遅れの計算に寄与する入射強度Iは、これも、後述の本発明の実施の形態で詳説する式(1.6)で表される。入射強度Iは、撮像素子に入射した光のうち、出射光が被写体対象で反射して戻ってきた光の成分量を表す。以後、単に入射強度という場合は、式(1.6)で計算した値をいう。
特許文献1のTOF方式測距装置は、撮像範囲に向けて光源から出射する変調光を、パルス幅が半周期の矩形パルスにしている。
本発明者は、TOF方式測距装置の光源の出射光の強度の波形を分析した。そして、少ない発光電力で大きな反射光の入射強度を確保し、かつ式(1.2)で計算した位相遅れφと被写体対象までの距離とを線形関係に保持することができる出射光の強度波形を見い出した。
本発明の目的は、少ない発光電力で大きな反射光の入射強度を確保し、かつ式(1.2)で計算した位相遅れφと被写体対象までの距離との線形関係の線形性を改善するTOF方式測距装置を提供することである。
本発明のTOF方式測距装置は、
所定の撮像範囲の被測距対象に向けて強度が周期波形となる変調光を出射する光源と、
複数の画素を有し、前記撮像範囲から入射する入射光の入射強度を画素ごとに検出する撮像素子と、
前記光源から出射した出射変調光と前記撮像素子の撮像範囲の被測距対象に反射して前記撮像素子の画素に入射した反射変調光との位相差を、前記撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部が画素ごとに検出した前記位相差に基づいて前記被測距対象までの距離を算出する距離算出部とを備え、
前記周期波形は、基本波、又は奇数倍波を一つの周波数成分のみ含んでおり、かつ偶数倍波を少なくとも一つの周波数成分を含んでいることを特徴とする。
所定の撮像範囲の被測距対象に向けて強度が周期波形となる変調光を出射する光源と、
複数の画素を有し、前記撮像範囲から入射する入射光の入射強度を画素ごとに検出する撮像素子と、
前記光源から出射した出射変調光と前記撮像素子の撮像範囲の被測距対象に反射して前記撮像素子の画素に入射した反射変調光との位相差を、前記撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部が画素ごとに検出した前記位相差に基づいて前記被測距対象までの距離を算出する距離算出部とを備え、
前記周期波形は、基本波、又は奇数倍波を一つの周波数成分のみ含んでおり、かつ偶数倍波を少なくとも一つの周波数成分を含んでいることを特徴とする。
本発明によれば、周期波形の変調光が、奇数倍波を一つの周波数成分のみ含み、かつ偶数倍波を少なくとも一つの周波数成分を含んでいることにより、少ない発光電力で大きな反射光の入射強度を確保し、かつ式(1.2)で計算した位相遅れφと被写体対象までの距離との線形関係の線形性を改善することができる。
本発明のTOF方式測距装置は、その他として、
所定の撮像範囲の被測距対象に向けて強度が半波整流波形に基づく周期波形となる変調光を出射する光源と、
複数の画素を有し、前記撮像範囲から入射する入射光の入射強度を画素ごとに検出する撮像素子と、
前記光源から出射した出射変調光と前記撮像素子の撮像範囲の被測距対象に反射して前記撮像素子の画素に入射した反射変調光との位相差を、前記撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部が画素ごとに検出した前記位相差に基づいて前記被測距対象までの距離を算出する距離算出部とを備えることを特徴とする。
所定の撮像範囲の被測距対象に向けて強度が半波整流波形に基づく周期波形となる変調光を出射する光源と、
複数の画素を有し、前記撮像範囲から入射する入射光の入射強度を画素ごとに検出する撮像素子と、
前記光源から出射した出射変調光と前記撮像素子の撮像範囲の被測距対象に反射して前記撮像素子の画素に入射した反射変調光との位相差を、前記撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部が画素ごとに検出した前記位相差に基づいて前記被測距対象までの距離を算出する距離算出部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、周期波形の変調光が、半波整流波形に基づく周期波形とされることにより、少ない発光電力で大きな反射光の入射強度を確保し、かつ式(1.2)で計算した位相遅れφと被写体対象までの距離との線形関係の線形性を改善することができる。また、半波整流波形を基本とすることを条件とすることにより、多様な変調光を生成することができる。
本発明のTOF方式測距装置は、その他として、
所定の撮像範囲の被測距対象に向けて強度が周期波形となる変調光を出射する光源と、
複数の画素を有し、前記撮像範囲から入射する入射光の入射強度を画素ごとに検出する撮像素子と、
前記光源から出射した出射変調光と前記撮像素子の撮像範囲の被測距対象に反射して前記撮像素子の画素に入射した反射変調光との位相差を、前記撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部が画素ごとに検出した前記位相差に基づいて前記被測距対象までの距離を算出する距離算出部とを備え、
前記周期波形は、基本波と、該基本波の大きさと比較して1/3より大きく1より小さい少なくとも一つの偶数倍波とを含んでいることを特徴とする。
所定の撮像範囲の被測距対象に向けて強度が周期波形となる変調光を出射する光源と、
複数の画素を有し、前記撮像範囲から入射する入射光の入射強度を画素ごとに検出する撮像素子と、
前記光源から出射した出射変調光と前記撮像素子の撮像範囲の被測距対象に反射して前記撮像素子の画素に入射した反射変調光との位相差を、前記撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部が画素ごとに検出した前記位相差に基づいて前記被測距対象までの距離を算出する距離算出部とを備え、
前記周期波形は、基本波と、該基本波の大きさと比較して1/3より大きく1より小さい少なくとも一つの偶数倍波とを含んでいることを特徴とする。
本発明によれば、周期波形の変調光が、基本波の他に、基本波の大きさと比較して1/3より大きく1より小さい少なくとも一つの偶数倍波を含むことにより式(1.2)で計算した位相遅れφと被写体対象までの距離との線形関係の線形性を改善しつつ、使用環境に応じて変調光の強度を変更することができる。
本発明のTOF方式測距装置において、好ましくは、前記周期波形は、前記基本波の大きさと比較して1/3より小さい奇数倍波を少なくとも1つ含んでいる。
この構成によれば、周期波形の変調光が、基本波の大きさと比較して1/3より小さい奇数倍波を含むことにより、変調光の波形を使用環境に応じて変更することが可能になる。
本発明のTOF方式測距装置において、好ましくは、前記光源は、LED又はレーザ光源である。
この構成によれば、光源としてLED又はレーザ光源が使用される。半波整流波形自体は、接線が不連続に変化する点を含み、光源からの出射光を半波整流波形とすることは困難であるが、現実に存在する光源を用いて、出射光の強度が、半波整流波形の接線の不連続点を解消することができる。これにより、出射光の強度を、正弦波の半波整流波形に適切に代替した周期波形にすることができる。
本発明のTOF方式測距装置において、好ましくは、前記周期波形は、前記半波整流波形において接線の不連続点を含む波形部分を、接線が連続的に変化する波形部分に置き換えた波形となっている。
この構成によれば、光源の出射光の強度を滑らかに変化させることができる。
本発明のTOF方式測距装置において、好ましくは、
前記周期波形は、次のD(t)に対応する波形であり、
ただし、上式において、Aは定数であり、tは位相角である。
前記周期波形は、次のD(t)に対応する波形であり、
この構成によれば、出射光の強度波形を、目標波形の半波整流波形又は(1.2)のD(t)に基づいた波形に制御することができる。
本発明のTOF方式測距装置において、
前記撮像素子は、画素ごとに、前記入射光の入射強度を検出する2つの光検出器と、該2つの光検出器の出力を、異なる2つの位相で積分することで計4つの位相情報を導出する積分素子とを備え、
前記位相差検出部は、前記画素ごとの前記位相差を、各画素の積分素子の積分量に基づいて検出することが好ましい。
前記撮像素子は、画素ごとに、前記入射光の入射強度を検出する2つの光検出器と、該2つの光検出器の出力を、異なる2つの位相で積分することで計4つの位相情報を導出する積分素子とを備え、
前記位相差検出部は、前記画素ごとの前記位相差を、各画素の積分素子の積分量に基づいて検出することが好ましい。
この構成によれば、入射強度を大きな量にすることができる。
本発明のTOF方式測距装置において、
前記位相差検出部は、前記2つの積分素子の積分量の差分に基づいて前記位相差を検出することが好ましい。
前記位相差検出部は、前記2つの積分素子の積分量の差分に基づいて前記位相差を検出することが好ましい。
この構成によれば、背景光の影響を排除して、位相差を検出することができる。
図1は、TOF方式測距装置1の全体構成図である。TOF方式測距装置1は、光源2、カメラ(撮像装置)4及び制御装置5を備える。光源2は、被測距対象7が存在する撮像範囲6に向けて出射光La(変調光)を出射する。撮像範囲6は、カメラ4の画角と同一の範囲であり、被測距対象7の存在する所定の範囲を含むように、設定される。なお、出射光Laの照射範囲は、撮像範囲6より広く設定される。
撮像範囲6には、通常、被測距対象7が1以上存在するが、一つも存在しないときもある。被測距対象7は、典型的には撮像範囲6内を移動する移動体であるが、静止物であることもある。被測距対象7が人であるときを考慮して、出射光Laは、人への影響を回避するために、典型的には赤外光が用いられる。
制御装置5は、光源制御部51、位相差検出部52及び距離算出部53を備える。光源制御部51は、駆動部57に駆動制御信号を出力し、駆動部57を介して光源2の出射光の強度(輝度)を制御する。位相差検出部52は、4からの入力データに基づいて位相差Δφ(詳細は、後述の式(1.2)等)を検出する。距離算出部53は、位相差検出部52が検出した位相差Δφに基づいて各被測距対象7までの距離Dlを算出する(後で式(1.4)等を参照して詳説する)。
レンズ2aは、光源2の光出射部に装着され、光源2の出射光Laの配光を調整する。出射光Laは、撮像範囲6の全体を一度に照射する。レンズ4aは、カメラ4の入射部に装着されて、撮像範囲6から入射する入射光Lbを集めて、撮像画像光としてカメラ4内の撮像素子10(図2)に入射させる。入射光Lbには、出射光La(出射変調光)が被測距対象7に反射して戻ってくる反射光(反射変調光)の他に、背景光が含まれる。反射光は、それが由来する被測距対象7が撮像範囲6で占める位置に応じて、撮像素子10における対応の画素G(図2)に入射する。なお、出射光Laの変調は、入射光Lbから出射光Laの反射光としての反射変調光を抽出し易くする。
図2は、カメラ4が備える撮像素子10の構成図である。撮像素子10は、主要構成要素として、画素配列部11、行制御部15、列制御部16及び画素読出し制御部17を備えている。なお、この撮像素子10は、CMOS型であるが、CCD等、その他の撮像素子であってもよい。
図2の画素配列部11は、正面視で図示されており、列方向(縦方向)及び行方向(横方向)に整列した格子配列で平面上に分布した複数の画素G(n,m)を有している。
なお、画素配列部11における各画素Gを特定するために、行番号nと列番号mとを用いて、画素G(n,m)と表す。画素G(n,m)とは、画素配列部11の正面視において上からn番目の行で、左からm番目の列の画素Gを指すものとする。画素配列部11は、例えば126(行数)×126(列数)個の画素Gから成る。
個々の画素を特に区別する必要がないときは、画素G(n,m)を「画素G」で総称する。各画素Gは2つの副画素Po,Peを有する。副画素Po,Peを区別しないときは、「副画素P」で総称する。なお、副画素Pの添え字「o」及び「e」は、奇数(odd)及び偶数(even)の頭文字を使用した。
行制御部15は、行制御ライン20に制御信号を供給し、画素配列部11の画素Gを行ごとに制御できるようになっている。列制御部16は、列制御ライン21に制御信号を印加し、画素配列部11の画素Gを列ごとに制御できるようになっている。画素読出し制御部17は、制御装置5(図1)からの制御信号に基づいて行制御部15及び列制御部16を制御する。
図3は、画素Gの構成図である。画素Gにおいて、正面視で、副画素Poは左に配置され、副画素Peは右に配置されている。副画素Poは、PD1、M1,M3、Fd1,Fd3を備える。副画素Peは、PD2、M2,M4、Fd2,Fd4を備える。
PDはフォトダイオード(光検出器)を意味する。Mは振分けスイッチを意味し、Fdはフローティングディフュージョン(積分素子)を意味する。M1〜M4は、FET(電界効果トランジスタ)から成る。ただし、FETの制御信号線は省略した。なお、Fd1〜Fd4を個々に区別する必要のないときは、「Fd」と総称する。
副画素Poと副画素Peとは、それらに装備されるゲート(M1〜M4のこと)の作動タイミングが異なるのみで、全体の作動は同一である。したがって、副画素Poの作動のみを説明する。
PDは、画素Gに入射する入射光の強度が大きいほど、多数の電子を生成する。なお、電子の数の増大に連れて、電荷量(絶対値)は増大する。M1とM3とは制御信号線による印加電圧でオンオフされる。各オンオフサイクルにおいて、M1のオン期間の長さとM3のオン期間の長さは等しい。ただし、M1とM3が同時にオンとなる期間は無い。なお、該オンオフサイクルの周期は、出射光Laの周期に設定され、オン期間は出射光Laの半周期(出射光Laの周期の半時間)に設定されることが望ましい。
M1〜M4のオン期間にFd1〜Fd4に蓄積される電子の量は、式(1.2)で示したS0,S90,S180,S270に相当し、オンの開始期間が、入射光Lbの入射位相で90°ずつ相違する。換言すると、S0〜S270は、M1〜M4のオン期間に副画素Po又はPeに入射光Lbが入射した入射光Lbの入射強度の積分量である。
詳細には、M1のオン期間では、副画素PoのPD1が生成した電子が、FD1に供給され、S0として蓄積される。M3のオン期間では、副画素PoのPD1が生成した電子が、FD3に供給され、S180として蓄積される。同様に、M2のオン期間では、副画素PeのPD2が生成した電子が、FD2に供給され、S90として蓄積される。M4のオン期間では、副画素PeのPD2が生成した電子が、FD4に供給され、S270として蓄積される。
TOF方式測距装置1において、光源2からの出射光Laの出射時刻及び撮像素子10の画素Gへの入射光Lbの入射時刻等の時刻及び期間は、出射光Laの周期波形の周期位相(1周期が360°又は2・πに相当する。)で定義する。
M1は、各サイクル(周期)を0°〜360°とすると、各サイクルにおいて位相0°〜180°においてオンとなり、位相180°〜360°においてオフになる。M3は、M1とはオンオフが逆の関係にあり、位相0°〜180°においてオフとなり、位相180°〜360°においてオンになる。
M2は、各サイクル(周期)を90°〜450°とすると、各サイクルにおいて位相90°〜270°においてオンとなり、位相270°〜450°においてオフになる。M4は、M2とはオンオフが逆の関係にあり、位相90°〜270°においてオフとなり、位相270°〜450°においてオンになる。
図4は、TOF方式測距装置1の各部における信号についてのタイミングチャートである。出射光Laは、図4では信号光になっている。
次の式を定義する。
(1.1a): S(cos)=S0−S180
(1.1b): S(sin)=S90−S270
(1.2): Δφ=arctan{S(sin)/S(cos)}
(1.3): tc=(Δφ/2・π)×(1/f)
(1.4): Dl=tc×c×(1/2)=Δφ・{c/(4・π・f)}
(1.1a): S(cos)=S0−S180
(1.1b): S(sin)=S90−S270
(1.2): Δφ=arctan{S(sin)/S(cos)}
(1.3): tc=(Δφ/2・π)×(1/f)
(1.4): Dl=tc×c×(1/2)=Δφ・{c/(4・π・f)}
ただし、各符号の定義は次のとおりである。
Δφ:信号光の出射時に対する信号光が被測距対象7に当たって反射した反射光が撮像素子10の画素Gに入射する入射時の位相差
tc:信号光が光源2から出射して被測距対象7に反射して撮像素子10に戻って来るまでの所要時間
f:出射光Laの強度の周期波形の周波数
c:光速
Dl:TOF方式測距装置1から被測距対象7までの距離
Δφ:信号光の出射時に対する信号光が被測距対象7に当たって反射した反射光が撮像素子10の画素Gに入射する入射時の位相差
tc:信号光が光源2から出射して被測距対象7に反射して撮像素子10に戻って来るまでの所要時間
f:出射光Laの強度の周期波形の周波数
c:光速
Dl:TOF方式測距装置1から被測距対象7までの距離
さらに、次の式を定義する。
(1.5): Dlmax={c/(2・π・f)}(単位:m)
(1.6): I=√{(S(sin))^2+(S(cos))^2}
なお、(1.6)の「^2」は、二乗を意味する。また、(1.6)の右辺の√{(S(sin))^2+(S(cos))^2}は、√の中に{(S(sin))^2+(S(cos))^2}が入ることを意味する。
(1.5): Dlmax={c/(2・π・f)}(単位:m)
(1.6): I=√{(S(sin))^2+(S(cos))^2}
なお、(1.6)の「^2」は、二乗を意味する。また、(1.6)の右辺の√{(S(sin))^2+(S(cos))^2}は、√の中に{(S(sin))^2+(S(cos))^2}が入ることを意味する。
ただし、各符号の定義は次のとおりである。
Dlmax:TOF方式測距装置1で測距可能な最大距離
I:撮像素子10に入射する反射光の入射強度(輝度)
なお、(1.6)の右辺において、{(S(sin))^2+(S(cos))^2}は√の中に入ることを意味している。また、(1.6)からI≧0となるので、Iについては、図5等において、適宜、絶対値の符号を付けて、適宜|I|で表している。
Dlmax:TOF方式測距装置1で測距可能な最大距離
I:撮像素子10に入射する反射光の入射強度(輝度)
なお、(1.6)の右辺において、{(S(sin))^2+(S(cos))^2}は√の中に入ることを意味している。また、(1.6)からI≧0となるので、Iについては、図5等において、適宜、絶対値の符号を付けて、適宜|I|で表している。
図5は、反射光の周期波形を、振幅が1の正弦波としたときのΔφと撮像素子10に入射する反射光の入射強度|I|(輝度)との関係を示すグラフである。図5において、横軸及び縦軸はそれぞれS(cos)及びS(sin)を示している。以下、図5のように、Δφと撮像素子10に入射する反射光の入射強度|I|(輝度)との関係を示すグラフを「反射光輝度グラフ」と呼ぶことにする。
なお、以降、反射光について検討しているが、反射光の検討は、光源2が出射する出射光Laの検討にもつながる。光源2から出射した出射光Laが被測距対象7で反射して撮像素子10の各画素Gに入射するとき、反射光は、TOF方式測距装置1と被測距対象7との距離Dlに応じて減衰するが、減衰を無視すれば、出射光Laの出射強度∝反射光の入射強度となるからである。したがって、効率の良い反射光を見い出せば、その見い出した反射光と同一の周期波形の出射光Laを光源2で出射することが望ましいことになる。
図6は、周期が2・πで、1周期当たりの光量の積分が1である正弦波を反射光としたときの分析に関し、図6Aは反射光の波形図であり、図6Bは反射光輝度グラフである。なお、撮像素子10の各画素Gに入射する入射光Lbには、光源2が出射した出射光Laが撮像範囲6で反射してTOF方式測距装置1に戻ってきた反射光の他に、背景光が含まれる。しかしながら、S0とS180との差分としてのS0−S180及びS90とS270との差分としてのS90−S270は、入射光Lbから反射光のみが抽出され、背景光は除去されたものなっている。そして、制御装置5の位相差検出部52では、入射光Lbそのものではなく、S0−S180及びS90−S270を用いて、位相差Δφが検出されている。
したがって、以降は、光源制御部51及び位相差検出部52の処理対象となっている入射光は、入射光Lbそのものではなく、入射光Lbから背景光を除去した光としての反射光であるとして説明する。
図6Bの反射光輝度グラフにおける入射強度|I|は、Δφに関係なく、2/πを維持する。図6の場合には、出射光Laの生成のため発光電力の割に入射強度|I|が低いという問題がある。
図7は、反射光の波形を、パルス幅が前半の半周期に一致し、1周期当たりの光量の積分が1である矩形波をとしたときの分析に関し、図7Aは反射光の波形図であり、図7Bは反射光輝度グラフである。
図7では、反射光輝度グラフにおける入射強度|I|は、4つの頂点が横軸又は縦軸に存在する正方形になる。この結果、S(sin)/S(cos)の逆正接と、位相差Δφとの関係は、線形関係にならず、非線形関係となる。したがって、単純に、Δφ=arctan(S(sin)/S(cos))とすることができない。さらに、図7の場合には、Δφ=π/2の整数倍のときには、十分に入射強度|I|が得られるものの、その他のΔφでは入射強度|I|が低下するという問題がある。なお、以降、線形性とは、例えば、S(sin)/S(cos)の逆正接と、位相差Δφとの線形関係のように、二者間の線形関係の性質、又は正確度と定義する。そして、線形性が改善されるとは、二者間の関係が、線形関係に近付くことをいうものとする。
ここで、TOF方式測距装置1で撮像範囲6までの距離Dlとして測距可能な最大距離Dlmaxは、前述の(1.4)でΔφ=2πと置いて、次の式で定義される。
(2.0): Dlmax=2・π×{c/(4・π・f)}
(2.0): Dlmax=2・π×{c/(4・π・f)}
出射光Laの周期波形D(t)は、フーリエ級数展開式で表すと、次のとおりである。
(2.1): D(t)=D0+D1・sin(t)+D2・sin(2・t)+D3・sin(3・t)+・・・+D1’・cos(t)+D2’・cos(2・t)+D3’・cos(3・t)+・・・
ただし、tは、角周波数ω×時間としての位相角である(すなわち、t=2・π×周波数f)。
(2.1): D(t)=D0+D1・sin(t)+D2・sin(2・t)+D3・sin(3・t)+・・・+D1’・cos(t)+D2’・cos(2・t)+D3’・cos(3・t)+・・・
ただし、tは、角周波数ω×時間としての位相角である(すなわち、t=2・π×周波数f)。
図8は、D(t)を次の式で定義したときのD(t)及び積分(S0)等のタイミングチャートである。
(2.2): D(t)=1+{sin(2・t)/(2・π)}
(2.2): D(t)=1+{sin(2・t)/(2・π)}
図8からは、S0=S180かつS90=S270が成立していることが分かる。このことは、D(t)に位相遅れが発生しても、常に成立する。
図9は、次の式で定義されるD(t)の波形図である。
(2.3): D(t)=[1+{sin(3・t)}]/(2・π)
(2.3): D(t)=[1+{sin(3・t)}]/(2・π)
図9からは、出射光Laの周期波形が前述の式(1.4)を満たすものの、Δφの周期が(2・π)/3となってしまう。したがって、基本波と比べて(2.0)のDlmaxが1/3倍になってしまい、TOF方式測距装置1の性能低下につながる。
図10は、次の式で定義されるD(t)に関し、図10Aは反射光の周期波形を示す図、図10Bは反射光輝度グラフである。
(2.4): D(t)=2+sin(t)+sin(3・t)
(2.4): D(t)=2+sin(t)+sin(3・t)
図10からは、前述の式(1.2)が満たされないことが分かる。
図9及び図10の検討から次のことが分かる。Δφを正しく計算できるのは、D(t)が一つの基本波、又は一つの奇数倍波のみ含んでいるときのみである。これは、偶数倍波をいくら付加してもS0=S180かつS90=S270の関係は成立するため、奇数倍波のみがΔφの計算に影響を与えるためである。ここで言う奇数倍波又は偶数倍波とは、装備されるゲートの駆動周波数(オンオフサイクル)を基本波とし、それに対して周波数が奇数倍(3倍、5倍、7倍・・・)又は偶数倍の波(2倍、4倍、6倍・・・)をいう。なお、奇数倍波及び偶数倍波は、共に基本波に対して奇数倍周波数及び偶数倍周波数の周波数成分の高調波としてそれぞれ複数存在する。奇数倍波又は偶数倍波を一つの周波数成分のみ含むとは、複数の奇数倍波又は偶数倍波のうち、1つの奇数倍波又は偶数倍波しか含まないという意味である。
図11は、前述の式(2.1)において、D0=0,D1=A,Dn=0(ただし、n>1の整数)とし、さらに、C(t)を付加したときの出射光Laの周期波形図である。なお、Aは定数である。
(3.1): D(t)=A・sin(t)+C(t)
(3.2): C(t)=0
(3.1): D(t)=A・sin(t)+C(t)
(3.2): C(t)=0
図11から次のことが分かる。D(t)≧0の条件が満たされないため、C(t)≠0以外のC(t)を付加して、当該条件を満たすようにする必要がある。なお、前述の式(1.2)が満たされるためには、C(t)は、sin(t)又はcos(t)の偶数倍波しか付加することができない。また、エネルギー効率(光源2の節電)の観点からは、付加する奇数倍波の振幅は、なるべく小さくする必要がある。また、単純に前述の式(1.2)が満たされないが、奇数倍波を含むことも可能である。この場合において、エネルギー効率の観点から、奇数倍波は、基本波の大きさと比較して1/3より小さく、かつ偶数倍波を少なくとも一つ含んでいることが好ましい。なぜならば、矩形波をフーリエ級数展開すると、3次の奇数倍波は基本波の1/3であり、それよりも小さい奇数倍波を含むことで、よりエネルギー効率の改善することができるからである。
図12は、D(t)と種々のC(t)とを対比して示した波形図に関する。ここで、C1(t)、C2(t)は、C(t)の具体的な関数の例にあたる。
図12Aは、D(t)と次の式(3.3)及び(3.4)で定義したC1(t)とを対比している。図12Aにおいて、実線がD(t)を示し、波線がC1(t)を示している。
(3.3): C1(t)=0 ただし、2・π・n≦t<π+2・π・n
(3.4): C1(t)=|A・sin(t)| ただし、π+2・π・n≦t<2・π・(n+1)
(3.3): C1(t)=0 ただし、2・π・n≦t<π+2・π・n
(3.4): C1(t)=|A・sin(t)| ただし、π+2・π・n≦t<2・π・(n+1)
図12Bは次の式(3.5)で定義したC2(t)を採用したときのD(t)の周期波形図である。図12Bにおいて、実線がD(t)を示し、波線がC2(t)を示している。
(3.5): C2(t)=|A・sin(t)| ただし、2・π・n≦t<2・π・(n+1)
(3.5): C2(t)=|A・sin(t)| ただし、2・π・n≦t<2・π・(n+1)
図12から次のことが理解される。図12AのC1(t)は、周期がπではないので、奇数倍波が含まれる。したがって、前述の式(1.2)の制約に反する。図12BのC2(t)は、偶数倍波のみを含み、光源2の発光電力を最小にしている。さらに、D(t)+C2(t)は、tに関係なく、光源2の発光電力が0以上という正値条件を満たす。
以上の検討から、反射光の強度の周期波形として最も電力効率の良い周期波形は、次の式で定義される。
(5.1): D(t)=A・sin(t)+|A・sin(t)|
(5.1): D(t)=A・sin(t)+|A・sin(t)|
図13は、式(5.1)で定義されるD(t)の波形図である。
図14は、1周期当りの反射光の光量の積分値が1であるD(t)に関する。図14Aは反射光のグラフであり、図14Bは反射光輝度グラフである。
図15は種々のD(t)の対比に関する。図15Aは種々のD(t)の周期波形図である。図15Bは種々のD(t)の反射光輝度グラフである。いずれのD(t)も、1周期当たりの光量の積分が1に揃えられている。
図15には、種々のD(t)として、正弦波、矩形波及び正弦波の半波整流波形の3つが示されている。本発明において、「半波整流波形」とは、有限個の正弦波成分を含む周期関数のうちある一定の期間においてフラットな部分(D(t)=0)を有する周期波形をいう。
図15における正弦波の定義式は、次のとおりである。
(5.2): D(t)={1+sin(t)}/(2・π)
(5.2): D(t)={1+sin(t)}/(2・π)
図15における矩形波の定義式は、次のとおりである。
(5.3): D(t)=1/π ※ただし、2・π・n≦t<π+2・π・n
(5.4): D(t)=0 ※ただし、π+2・π・n≦t<2・π・(n+1)
(5.3): D(t)=1/π ※ただし、2・π・n≦t<π+2・π・n
(5.4): D(t)=0 ※ただし、π+2・π・n≦t<2・π・(n+1)
図15における正弦波の半波整流波形の定義式は、次のとおりである。
(5.5): D(t)=sin(t)/2 ※ただし、2・π・n≦t<π+2・π・n
(5.6): D(t)=0 ※ただし、π+2・π・n≦t<2・π・(n+1)
(5.5): D(t)=sin(t)/2 ※ただし、2・π・n≦t<π+2・π・n
(5.6): D(t)=0 ※ただし、π+2・π・n≦t<2・π・(n+1)
図15自体は、画素Gに入射した反射光のグラフである。反射光及び出射光Laのそれぞれにとって少ない発光電力で大きな反射光の入射強度を確保し、かつ逆正接とΔφとを線形関係に保持することができる周期波形は、同一であると言える。この結果、図15から、出射光Laの強度の周期波形として、半波整流波を採用することが、発光電力の効率及び線形関係に関して理想であることが結論できる。
図15Bについて補足する。図15Bは、出射光Laの発光電力の効率、及び逆正接とΔφとの線形関係の線形性を示している。相互に対比している正弦波、矩形波及び半波整流波は、1周期当たりの光量の積分が同一であるので、反射光の輝度は、外のものほど、大きい。したがって、図15Bから、発光電力の効率は、正弦波、矩形波及び半波整流波の順に高くなる。
一方、逆正接とΔφとは、図15Bの特性線が真円で表現されるときに、線形になる。したがって、特性線は、真円に接近するほど、線形性の正確度が上昇し、線形性が改善されることを意味する。
したがって、半波整流波を採用することが、発光電力の効率及び線形関係に関して最も理想であることが結論できるが、半波整流波に近い波形についても少ない発光電力で大きな反射光の入射強度を確保しつつ、かつ式(1.2)で計算した位相遅れφと被写体対象までの距離との線形関係の線形性を改善することができる。半波整流波に近い波形について以下検討をした。
ここで、前述の式(5.1)で定義した半波整流波D(t)をフーリエ級数展開すると、次の通りである。
図16は、前述の式(5.1)で定義している半波整流波をA=1で各項までフーリエ級数展開したときのグラフである。第2項、第3項、・・・、第10項、・・・、第20項、・・・と、展開される項数が増えるほど理想的な半波整流波に近づくことがわかる。
そして、半波整流波は、発光電力の効率及び線形関係に関して最も理想であることから、できる限り半波整流波に近づけることが望ましい。ここで、基本波の大きさと比較して1/3より大きく1より小さい偶数倍波を少なくとも一つ含むことが好ましい。なぜならば、半波整流波をフーリエ級数展開すると、2次の偶数倍波は基本波の4/3・πであり、1/3より大きく1より小さい偶数倍波を少なくとも一つ含むことで、半波整流波に近づけることができるからである。
さらには、単純に前述の式(1.2)が満たされないが、奇数倍波を含むことも可能である。この場合において、エネルギー効率の観点から、基本波の大きさと比較して1/3より小さい奇数倍波であれば含むこともできる。なぜならば、半波整流波をフーリエ級数展開すると、3次の奇数倍波は0であり、また、矩形波をフーリエ級数展開すると、3次の奇数倍波は基本波の1/3であることがわかる。つまり、基本波の大きさと比較して1/3より小さい奇数倍波であれば含むことができ、その条件において、半波整流波に近づけることができるからである。
図17は、光源2の信号光(=出射光La)の強度が図15の正弦波の半波整流波形となるように、制御装置5の光源制御部51が駆動部57を介して光源2を駆動した時の光源2の信号光の現実の波形を示している。
図17では、光源2としてLEDやレーザ光源等が選択されている。また、駆動部57は、LEDやレーザ光源への駆動電流を、FPGAパルスや、FET、又はRLCで生成している。
図15の半波整流波形は、接線の不連続点を各周期内に2つ含んでいる。すなわち、図15の半波整流波形は、前半の半周期が正弦波の上半部の半波であり、後半の半周期は、フラットとなる。したがって、正弦波の上半部の半波とフラットとの境界点において、接線が不連続になる。
しかしながら、現実の光源2及び駆動部57では、光源2における出射光Laの強度波形を、接線が不連続の箇所を含む波形とすることは困難である。光源2を、出射光Laが図15の半波整流波形の強度となるように、駆動部57から駆動信号を出力しても、光源2の出射光Laの強度は、図17のように、接線が連続的に変化する周期波形になってしまう。しかしながら、出射光Laの現実の強度が図17のようになったとしても、光源2を少ない発光電力にして、被測距対象7からの反射光の各画素Gへの入射強度を大きく確保しつつ、反射光の入射強度を、位相差に関係なくほぼ一様にすることができる。
図18は、光源2の出射光Laの強度の周期波形として半波整流波形に代替する周期波形を示している。図18は、前述の数1で示したD(t)(以下、「改善案波形」という。)に等しい。改善案波形では、半波整流波形における接線の不連続点を含む波形部分が、接線が連続的に変化する波形部分に置き換えられている。
図18は、図19の2つの周期波形を合成した周期波形を示している。
図19の2つの周期波形のうち一方(実線)は、A=1とした場合の正弦波である。他方(破線)は、A=1とした場合の次の式で定義されるC(t)である。
(6.1): C(t)=√(2)−|cos(t)| ※ただし、2・π・n≦t<π/4+2・π・n,(3・π)/4+2・π・n≦t<(5・π)/4+2・π・n,(7・π)/4+2・π・n≦t<(2・π)・(n+1)
(6.2): C(t)=|sin(t)| ※ただし、π/4+2・π・n≦t<(3・π)/4+2・π・n,(5・π)/4+2・π・n≦t<(7・π)/4+2・π・n
なお、(6.1)の√(2)は、(2)が√の中に入ることを意味している。
(6.1): C(t)=√(2)−|cos(t)| ※ただし、2・π・n≦t<π/4+2・π・n,(3・π)/4+2・π・n≦t<(5・π)/4+2・π・n,(7・π)/4+2・π・n≦t<(2・π)・(n+1)
(6.2): C(t)=|sin(t)| ※ただし、π/4+2・π・n≦t<(3・π)/4+2・π・n,(5・π)/4+2・π・n≦t<(7・π)/4+2・π・n
なお、(6.1)の√(2)は、(2)が√の中に入ることを意味している。
図20は、半波整流波と改善案波形との対比に関する。図20Aは反射光のグラフであり、図20Bは反射光輝度グラフである。なお、図20において、「半波整流波」とは、図15の半波整流波のことである。「改善案波形」とは、図18の波形の反射光を意味する。図20では、半波整流波及び改善案波形共に、1周期当りの光量(反射光の入射強度)の積分値は1にしている。
図20Bの反射光輝度グラフにおいて、半波整流波の反射光輝度グラフは、半径1の円となる。これに対し、改善案波形の反射光輝度グラフは、約半径0.9の円となる。したがって、改善案波形の発光電力効率は、半波整流波のものより劣るもののその差はわずかである。
このように、TOF方式測距装置1では、駆動部57が光源2を、半波整流波形又は改善案波形に基づいた入射光Lbを生成するように、駆動する。この結果、光源2の発光電力を節約して、大きな反射光の入射強度を確保することができる。また、S(sin)/S(cos)の逆正接と、位相差Δφとを線形関係に保持することができる。
1・・・TOF方式測距装置、2・・・光源、6・・・撮像範囲、7・・・被測距対象、10・・・撮像素子、51・・・光源制御部、52・・・位相差検出部、53・・・距離算出部、57・・・駆動部。
Claims (9)
- 所定の撮像範囲の被測距対象に向けて強度が周期波形となる変調光を出射する光源と、
複数の画素を有し、前記撮像範囲から入射する入射光の入射強度を画素ごとに検出する撮像素子と、
前記光源から出射した出射変調光と前記撮像素子の撮像範囲の被測距対象に反射して前記撮像素子の画素に入射した反射変調光との位相差を、前記撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部が画素ごとに検出した前記位相差に基づいて前記被測距対象までの距離を算出する距離算出部とを備え、
前記周期波形は、基本波、又は奇数倍波を一つの周波数成分のみ含んでおり、かつ偶数倍波を少なくとも一つの周波数成分を含んでいることを特徴とするTOF方式測距装置。 - 所定の撮像範囲の被測距対象に向けて強度が半波整流波形に基づく周期波形となる変調光を出射する光源と、
複数の画素を有し、前記撮像範囲から入射する入射光の入射強度を画素ごとに検出する撮像素子と、
前記光源から出射した出射変調光と前記撮像素子の撮像範囲の被測距対象に反射して前記撮像素子の画素に入射した反射変調光との位相差を、前記撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部が画素ごとに検出した前記位相差に基づいて前記被測距対象までの距離を算出する距離算出部とを備えることを特徴とするTOF方式測距装置。 - 所定の撮像範囲の被測距対象に向けて強度が周期波形となる変調光を出射する光源と、
複数の画素を有し、前記撮像範囲から入射する入射光の入射強度を画素ごとに検出する撮像素子と、
前記光源から出射した出射変調光と前記撮像素子の撮像範囲の被測距対象に反射して前記撮像素子の画素に入射した反射変調光との位相差を、前記撮像素子に蓄積された電荷量に基づいて検出する位相差検出部と、
前記位相差検出部が画素ごとに検出した前記位相差に基づいて前記被測距対象までの距離を算出する距離算出部とを備え、
前記周期波形は、基本波と、該基本波の大きさと比較して1/3より大きく1より小さい少なくとも一つの偶数倍波とを含んでいることを特徴とするTOF方式測距装置。 - 請求項3記載のTOF方式測距装置において、
前記周期波形は、前記基本波の大きさと比較して1/3より小さい奇数倍波を少なくとも1つ含んでいることを特徴とするTOF方式測距装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のTOF方式測距装置において、
前記光源は、LED又はレーザ光源であることを特徴とするTOF方式測距装置。 - 請求項2に記載のTOF方式測距装置において、
前記周期波形は、前記半波整流波形において接線の不連続点を含む波形部分を、接線が連続的に変化する波形部分に置き換えた波形となっていることを特徴とするTOF方式測距装置。 - 請求項6に記載のTOF方式測距装置において、
前記周期波形は、次のD(t)に対応する波形であり、
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のTOF方式測距装置において、
前記撮像素子は、画素ごとに、前記入射光の入射強度を検出する2つの光検出器と、該2つの光検出器の出力を、入射位相が90°相違している2つの入射位相で積分する積分素子とを備え、
前記位相差検出部は、前記画素ごとの前記位相差を、各画素の積分素子の積分量に基づいて検出することを特徴とするTOF方式測距装置。 - 請求項8に記載のTOF方式測距装置において、
前記撮像素子は、各画素の光検出器ごとに、前記周期波形の周期に相当する時間の前半の半時間及び後半の半時間の各光検出器の出力を積分する2つの積分素子を備え、
前記位相差検出部は、前記2つの積分素子の積分量の差分に基づいて前記位相差を検出することを特徴とするTOF方式測距装置。
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