JP2019203563A - すべり軸受 - Google Patents

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宏之 菊池
Hiroyuki Kikuchi
宏之 菊池
関根 敏彦
Toshihiko Sekine
敏彦 関根
勝紀 斉藤
Masaki Saito
勝紀 斉藤
和彦 明田
Kazuhiko Akita
和彦 明田
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Abstract

【課題】応力緩和の発生を抑制しかつ高ラジアル剛性及び低摺動抵抗を確保しながら、製造コストを削減できるすべり軸受を提供する。【解決手段】すべり軸受1は、弾性を有し、円筒状に形成され、外周面10aがケーシング20の孔21の側面に当接するとともに、内周面10bの支持突起12でラックバー30の円柱部31を支持する軸受本体10を備え、軸受本体10は、所定幅で軸線方向に延びるスリット13と、スリット13の両側の縁部の各々の外周面10aから径方向の外側に向かって突出する締め代突起15と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両のステアリング装置などに用いられるすべり軸受に関する。
従来、すべり軸受として特許文献1に記載されたものが知られている。このすべり軸受は、合成樹脂製の円筒状のものであり、ステアリング装置のラック&ピニオン式ステアリングギアボックスにおけるギヤケースに取り付けられている。このすべり軸受には、4つの切欠き溝が周方向に並ぶように形成されており、隣り合う各2つの切欠き溝は、互いに軸線方向の反対側の端部に開口するように配置されている。
このすべり軸受の軸線方向の両端部は、斜め外方に向かって延びる突出部となっており、これらの突出部は、軸線方向の端部側に向かうほど、外径が大きくなるように構成されているとともに、その外径は、ギヤケースの内孔よりも大きく設定されている。また、すべり軸受の内孔には、ラックバーが摺動自在に嵌合しているとともに、すべり軸受の突出部は、縮径側に弾性変形した状態でギヤケース内に挿入され、ギヤケースの内周面に当接している。以上の構成により、ラックバーは、ステアリング操作に伴って、すべり軸受の内孔に摺接しながら円滑に軸線方向に往復動する。
このようなすべり軸受の場合、ステアリング装置に使用されている関係上、例えば夏場の炎天下におけるボンネットの高温化やエンジンの排熱に起因して、エンジンルーム内が高温化し、すべり軸受が熱暴露状態となることがある。そのような熱暴露状態が繰り返し発生した場合、応力緩和が突出部で発生し、突出部のギヤケースへの押圧力が低下することになる。その結果、すべり軸受の剛性が低下したり、すべり軸受とギヤケース及び/又はラックバーとの間における隙間が増大したりしてしまうおそれがある。また、このすべり軸受の場合、高ラジアル剛性を確保しようとすると、摺動抵抗の増大を招いてしまい、高ラジアル剛性と低摺動抵抗を両立させるのが困難である。
このような問題が発生しないすべり軸受として、特許文献2に記載されたものを本出願人は提案済みである。このすべり軸受は、合成樹脂製の軸受本体及び2本の弾性リングを備えており、この軸受本体には、6つの切欠き溝及び2つのリング溝が形成されている。6つの切欠き溝は、周方向に所定間隔で並んでいるとともに、隣り合う各2つの切欠き溝は、互いに軸線方向の反対側の端部に開口するように配置されている。
また、2つのリング溝の各々は、軸受本体の周方向に延びるように外周面の全周に亘って形成されており、各リング溝には、弾性リングが嵌合している。さらに、すべり軸受の内周面には、6つの平坦な当接面が周方向に沿って互いに等間隔で配置されている。このすべり軸受をステアリングギアボックスに取り付けた場合、ラックバーがすべり軸受の当接面に当接するとともに、弾性リングが圧縮されながらギヤケース内に圧入された状態となる。その結果、すべり軸受は、弾性リングを介してギヤケースの内周面に当接した状態となる。
以上の構成により、このすべり軸受の場合、すべり軸受が熱暴露状態となったときでも、応力緩和が軸受本体で発生しにくく、上記特許文献1のすべり軸受のような問題が発生しない。これに加えて、高ラジアル剛性と低摺動抵抗を確保することができるという利点を備えている。
実公昭56−39747号公報 特開2004−347105号公報
上記特許文献2のすべり軸受によれば、軸受本体と2本の弾性リングが必要となるので、部品点数及び工数が増大し、その分、製造コストの増大を招いてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、応力緩和の発生を抑制しかつ高ラジアル剛性及び低摺動抵抗を確保しながら、製造コストを削減できるすべり軸受を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、断面円形の孔を有する第1部材と断面円形の軸部を有する第2部材との間に径方向に並ぶように配置され、第2部材の軸部を軸線方向に摺動自在に支持するすべり軸受であって、弾性を有し、円筒状に形成され、外周面の少なくとも一部が第1部材の孔の内周面に当接するとともに、内周面の少なくとも一部で第2部材の軸部を支持する軸受本体を備え、軸受本体は、所定幅で軸線方向の一端から他端まで延びるスリットと、スリットの両側の縁部の各々の外周面から径方向の外側に向かって突出する第1凸部と、を有することを特徴とする(なお、本明細書における「軸部」は、中空の軸部及び中実の軸部を含む)。
このすべり軸受によれば、軸受本体は、弾性を有し、円筒状に形成されており、軸受本体の外周面の少なくとも一部が第1部材の孔の内周面に当接するとともに、内周面の少なくとも一部で第2部材の軸部を支持している。さらに、この軸受本体は、所定幅で軸線方向の一端から他端まで延びるスリットと、スリットの両側の縁部の各々の外周面から径方向の外側に向かって突出する第1凸部とを有しているので、軸受本体が第1部材の孔に装着されている状態では、第1凸部及びその周辺部が径方向の内側に弾性変形しながら第1部材の孔の内周面に当接した状態となる。それにより、この第1凸部が締め代として機能することによって、第2部材をがたつきのない安定した状態で支持することができ、高ラジアル剛性を確保することができる。また、第1凸部の高さを変更することで、締め代を容易に変更することができるので、軸受本体によって第2部材の軸部を支持するときの締め付け力を容易に調整することができ、ラジアル剛性を容易に調整することができる。
また、何らかの要因によりすべり軸受が熱暴露状態となった場合、スリットの両縁が互いに近づくように軸受本体が変形することによって、軸受本体内で発生した熱応力を逃がすことができ、それにより、応力緩和の発生を抑制することができる。以上のように、スリットを有する軸受本体のみで、応力緩和の発生を抑制することができ、それにより、特許文献2のすべり軸受と比べて、部品点数及び工数を削減することができる。その結果、製造コストを削減することができる。
本発明において、軸受本体のスリットの各縁部から周方向の所定位置までの部位は、部位の内周面側が全体に亘って凹んだ肉薄部となっており、肉薄部は、径方向の厚さが肉薄部以外よりも薄くなっていることが好ましい。
このすべり軸受によれば、軸受本体のスリットの各縁部から周方向の所定位置までの部位は、部位の内周面側が全体に亘って凹んだ肉薄部となっており、肉薄部は、径方向の厚さが肉薄部以外よりも薄くなっているので、軸受本体を第1部材の断面円形の孔の内周面に当接させる際、第1凸部及びその周辺部を容易に径方向の内側に弾性変形させることができ、すべり軸受を第1部材に取り付けるときの作業性を向上させることができる。また、その弾性変形に起因する押圧力によって、第2部材の軸部が支持されるので、肉薄部の厚さを調整することによって、第2部材の軸部を支持するための押圧力(締め付け力)を容易に調整することができ、ラジアル剛性を容易に調整することができる。
これに加えて、肉薄部の内周面側が全体に亘って凹んでいるので、第1凸部の高さと肉薄部の厚さを適切に設定することにより、第1凸部及び肉薄部が内径側に弾性変形したときでも、肉薄部が第2部材の軸部に当接しないように構成することができる。その結果、第1凸部のみが締め代として作用するので、軸受本体全体を締め代とする場合と比べて、摺動抵抗が上昇するのを抑制しながら、ラジアル剛性を高めることができる。以上の理由により、高ラジアル剛性と低摺動抵抗を両立させることができる。
本発明において、肉薄部は、スリットの各縁部から周方向に遠ざかるほど、径方向の厚さが漸増するように構成されていることが好ましい。
このすべり軸受によれば、肉薄部は、スリットの各縁部から周方向に遠ざかるほど、径方向の厚さが漸増するように構成されているので、径方向の厚さが一定の場合と比べて、熱暴露条件下での熱応力に起因した変形量を抑制することができ、応力緩和の発生をより抑制することができる。
本発明において、第1凸部は、スリットの各縁部の全体に亘って軸線方向に連続的又は断続的に延びるように設けられていることが好ましい。
このすべり軸受によれば、第1凸部は、スリットの各縁部の全体に亘って軸線方向に連続的又は断続的に延びるように設けられているので、第2部材からのラジアル荷重が軸受本体に作用したときでも、それを軸受本体の傾斜などが発生するのを回避しながら第1凸部で適切に支持することができる。
本発明において、第1凸部は、断面が径方向の外側に向かって凸の円弧状に形成されていることが好ましい。
このすべり軸受によれば、第1凸部は、断面が径方向の外側に向かって凸の円弧状に形成されているので、第1凸部が第1部材の孔の内周面に点接触又は線接触することになる。それにより、すべり軸受が肉薄部を備えている場合には、ラジアル荷重が第1凸部の部位に入力されたときに、肉薄部がラジアル方向に撓むように変形し、第1部材の孔の内周面との間の隙間が減少することで、ラジアル剛性を高めることができる。
本発明において、第1凸部は、断面が径方向の外側に向かって凸の三角形状に形成されていてもよい。
このすべり軸受によれば、第1凸部は、断面が径方向の外側に向かって凸の三角形状に形成されているので、第2部材からのラジアル荷重が軸受本体に作用した場合、第1凸部が第1部材の孔の内周面に点接触又は線接触することになる。それにより、すべり軸受が肉薄部を備えている場合には、ラジアル荷重が第1凸部の部位に入力されたときに、肉薄部がラジアル方向に撓むように変形し、第1部材の孔の内周面との間の隙間が減少することで、ラジアル剛性を高めることができる。
本発明において、第1部材の孔の内周面には、凹部が形成されており、軸受本体は、外周面から径方向の外側に向かって突出する、第1凸部とは別個の第2凸部をさらに有しており、第2凸部が凹部に嵌合することにより、軸線方向に移動不能に第1部材に係止されていることが好ましい。
このすべり軸受によれば、第1部材の孔の内周面に形成した凹部と、軸受本体の外周面の第2凸部という比較的、簡易な構成によって、軸受本体を第1部材に対して軸線方向に移動不能に係止することができる。
本発明において、軸受本体は、第2凸部が凹部に嵌合することにより、軸線方向に移動不能でかつ軸線回りに回転不能な状態で第1部材に係止されていることを特徴とする。
このすべり軸受によれば、第1部材の孔の内周面に形成した凹部と、軸受本体の外周面の第2凸部という比較的、簡易な構成によって、軸受本体を第1部材に対して軸線方向に移動不能でかつ軸線回りに回転不能な状態に係止することができる。
本発明において、スリットは、軸受本体の軸線方向に沿って延びる第1延在部と第1延在部に連続して軸線方向以外の方向に延びる第2延在部とを少なくとも含むように構成してもよい(なお、本明細書における「軸線方向に沿って延びる」ことは、軸線方向と平行に延びることに限らず、軸線方向に対して比較的小さい角度(例えば1〜10゜)傾いた状態で延びることを含む)。
このすべり軸受によれば、スリットが、軸受本体の軸線方向に沿って延びる第1延在部と第1延在部に連続して軸線方向以外の方向に延びる第2延在部とを少なくとも含むように構成されているので、スリットが軸線方向に対して平行にのみに延びている場合と比べて、ラジアル荷重が作用したときのラジアル剛性が高くなる範囲を拡大することができる。
本発明において、スリットは、軸受本体の一端から他端側に向かって軸線方向に沿って第1所定長さで延びる第1延在部と、第1延在部の他端側の端部から周方向に第2所定長さで延びる第2延在部と、第2延在部の第1延在部と反対側の端部から軸受本体の他端まで軸線方向に沿って第3所定長さで延びる第3延在部とで構成してもよい。
上記において、すべり軸受は、ラック&ピニオン式のステアリング装置におけるブッシュであることが好ましい。
このすべり軸受によれば、ラック&ピニオン式のステアリング装置のブッシュにおいて前述したような作用効果を奏することができる。
ステアリング装置は、上記のすべり軸受を備えていることを特徴とする。
このステアリング装置によれば、前述したような作用効果を奏するブッシュを備えることができる。
本発明の一実施形態に係るすべり軸受及びこれを適用したギヤボックスの構成を示す断面図である。 図1のA−A線断面図である。 すべり軸受の正面図である。 すべり軸受の底面図である。 図3のB−B線断面図である。 図3のC部拡大図である。 図3のD部拡大図である。 締め代突起の第1変形例を示す図である。 締め代突起の第2変形例を示す図である。 締め代突起の第3変形例を示す図である。 板ばね部の変形例を示す図である。 スリットの第1変形例を示す軸受本体の外周面の展開図である。 スリットの第2変形例を示す軸受本体の外周面の展開図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るすべり軸受について説明する。本実施形態のすべり軸受は、車両用のパワーステアリング装置のラック&ピニオン式ギヤボックスに対してラックブッシュとして適用されたものである。このすべり軸受1の場合、図1の上側及び下側がそれぞれ車両の前側及び後ろ側になるように配置されており、その理由については後述する。
図1及び図2に示すように、すべり軸受1は、円筒状の軸受本体10を備えており、この軸受本体10は、ケーシング20とラックバー30の間に径方向に並ぶように配置されている。
このケーシング20(第1部材)は、円筒状のものであり、断面円形の内孔21を備えている。この内孔21の内周面には、3つの凹部22が設けられており、これら3つの凹部22は、互いに等間隔に周方向に配置されている。各凹部22は、断面矩形に形成されており、各凹部22には、後述する係止突起11が嵌合している。このケーシング20内には、グリースが潤滑剤として充填されている。
また、ラックバー30(第2部材)は、運転者のステアリング操作に伴い、軸線方向に往復動するものであり、ラック部(図示せず)と2つの軸部31(1つのみ図示)などを備えている。2つの軸部31の各々は、断面円形に形成され、ラックバー30が軸線方向に往復動する際、軸受本体10に案内されながら、軸受本体10内を往復摺動するように構成されている。
ラックバー30の両端部は、図示しないが、タイ・ロッド及びキングピンを介して車輪に連結されており、それにより、車両の走行中、ラックバー30に対して前後方向の荷重が作用するようになっている。したがって、このラックバー30に作用する前後方向の荷重を剛性の高い部位で支持するために、すべり軸受1は、後述するスリット13がこの荷重の作用点近辺に位置するように、前述した位置関係で配置されている。
また、軸受本体10は、弾性を有する合成樹脂製(例えばポリアセタール樹脂製)のものであり、その縁部には全体に亘って面取りが施されている。また、軸受本体10の外周面10aは、ケーシング20の内孔21よりも若干、小径に構成されている。
図3〜7に示すように、軸受本体10は、3つの係止突起11、3つの支持突起12、スリット13及び一対の板ばね部14などを備えており、スリット13以外の部分が円筒状に構成されている。
3つの係止突起11(第2凸部)は、軸受本体10の外周面10aに周方向に互いに等間隔で並んでおり、外周面10aから所定高さで突出している。3つの係止突起11の各々は、断面矩形の角柱状のものであり、その頂面は円筒面の一部を構成する曲面状になっているとともに、軸線方向の一端が軸受本体10の一端と面一に配置されている。各係止突起11は、その軸線方向及び周方向のサイズが前述した各凹部22とほぼ同一に構成され、図1に示すように、前述したケーシング20の各凹部22に嵌合している。それにより、軸受本体10は、軸線方向に移動不能でかつ軸線回りに回転不能の状態でケーシング20に係止されている。
また、3つの支持突起12は、軸受本体10の内周面10bに周方向に互いに等間隔で並んでおり、3つの係止突起11と径方向に並ぶような位置関係で配置されている。3つの支持突起12の各々は、内周面10bから所定高さで突出しており、その頂面が平面視矩形で、ラックバー30の外周面とほぼ同径の円筒面上に位置する曲面となっている。各支持突起12では、周方向の両側面が傾斜面になっており、軸線方向の両側面がそれよりも緩やかな傾斜面になっている(図5,6参照)。
各支持突起12は、頂面とラックバー30との間に潤滑剤が介在する状態でラックバー30の外周面に当接しており、それにより、ラックバー30は、3つの支持突起12によって摺動自在に支持されている。
スリット13は、軸線方向に沿って軸受本体10の一端から他端まで直線上に延びており、このスリット13の両縁部から周方向の所定位置までの部位がそれぞれ、一対の板ばね部14(肉薄部)になっている。一対の板ばね部14の各々は、その内周面側が全体に亘って一定厚さで凹んだ断面形状を有しており、軸受本体10の他の部位よりも径方向の厚さが薄くなっている。それにより、各板ばね部14は、他の部位よりも弾性変形しやすくなっている。
また、各板ばね部14の先端部すなわちスリット13の縁部には、締め代突起15(第1凸部)が設けられている。この締め代突起15は、断面円弧状に構成され、スリット13に沿って軸受本体10の軸線方向の両端間に延びているとともに、軸受本体10の外周面10aから所定高さで突出している。
図2に示すように、軸受本体10がギヤボックスに取り付けられた状態では、締め代突起15がケーシング20の内孔21の内周面に当接するとともに、板ばね部14が、この締め代突起15の高さの分、内径側に弾性変形し、縮径された状態に保持されている。それにより、軸受本体10は、板ばね部14の弾性変形に起因する押圧力によって、ラックバー30を締め付けながら支持している。
また、同図に示すように、軸受本体10がギヤボックスに取り付けられた状態で、板ばね部14がラックバー30に当接しないように、締め代突起15の高さと板ばね部14の厚さが設定されている。
以上のように、本実施形態のすべり軸受1によれば、板ばね部14が内径側に弾性変形し、締め代突起15がケーシング20の内周面に当接した状態で、軸受本体10がギヤボックスのケーシング20に取り付けられる。この締め代突起15は、軸受本体10の外周面10aから突出していることで、締め代突起15が締め代として機能するとともに、締め代突起15及び板ばね部14が内径側に弾性変形したときでも、板ばね部14がラックバー30に当接しないように、締め代突起15の高さと板ばね部14の厚さが設定されている。
その結果、締め代突起15のみが締め代として機能することによって、軸受本体10全体を締め代とする場合と比べて、摺動抵抗が上昇するのを抑制しながら、ラジアル剛性を高めることができる。すなわち、高ラジアル剛性と低摺動抵抗を両立させることができる。また、締め代突起15の突出量及び板ばね部14の厚さを変更することで、軸受本体10によってラックバー30の軸部31を支持するときの締め付け力を容易に調整することができ、摺動抵抗を容易に調整することができる。
さらに、夏場の炎天下におけるボンネットの高温化やエンジンの排熱などに起因して、エンジンルーム内が高温化し、すべり軸受1が熱暴露状態となった場合でも、スリット13の両縁が互いに近づくように軸受本体10が変形することによって、軸受本体10内で発生した熱応力を逃がすことができるとともに、その際、板ばね部14がラックバー30に直接接していないことで、熱応力の増大を抑制することができる。その結果、応力緩和の発生を抑制することができる。以上のように、スリット13及び板ばね部14を有する軸受本体10のみで、応力緩和の抑制を実現することができ、それにより、特許文献2のすべり軸受1と比べて、部品点数及び工数を削減することができる。その結果、製造コストを削減することができる。
さらに、締め代突起15が、スリット13の各縁部の全体に亘って軸線方向に連続的に延びるように設けられ、断面が外径側に向かって凸の円弧状に形成されているので、締め代突起15がケーシング20の孔の内周面に線接触することになる。それにより、ラジアル荷重が締め代突起15の部位に入力されたときに、板ばね部14がラジアル方向に撓むように変形し、軸部31との間の隙間が減少することで、ラジアル剛性を高めることができる。
また、係止突起11及び凹部22という比較的、簡易な構成によって、軸受本体10をケーシング20に対して軸線方向に移動不能でかつ軸線回りに回転不能の状態に係止することができる。
なお、実施形態は、第1凸部としての締め代突起15をスリット13の縁部の全体に亘って軸線方向に連続的に延びるように形成した例であるが、これに代えて、締め代突起をスリット13の縁部の全体に亘って断続的に延びるように形成してもよい。例えば、図8に示すように、軸線方向に延びる2つの締め代突起15a,15b(第1凸部)を、互いに軸線方向に離間した状態で、スリット13の縁部に設けてもよい。また、図9に示すように、多数の半球状の締め代突起15c(第1凸部)を軸線方向に並ぶようにスリット13の縁部に設けてもよい。
さらに、実施形態は、断面が外径側に向かって凸の円弧状の締め代突起15を第1凸部として用いた例であるが、本発明の第1凸部はこれに限らず、様々な形状のものを採用可能である。例えば、第1凸部として、図10に示すような形状の締め代突起15dを用いてもよい。
この締め代突起15dは、外径側に向かって凸の三角形状に形成され、その頂角側端部がケーシング20の内孔21の内周面に線接触するように構成されている。また、この締め代突起15dは、図示しないが、スリット13の縁部の全体に亘って軸線方向に連続的に延びるように設けられている。このような締め代突起15dによれば、ラックバー30からのラジアル荷重が軸受本体10に作用した場合、実施形態の締め代突起15と同様に、板ばね部14がラジアル方向に撓むように変形しやすいことで、ラジアル剛性を高めることができる。
さらに、実施形態は、肉薄部として図7に示す板ばね部14を用いた例であるが、これに代えて、肉薄部として図11に示す板ばね部16を用いてもよい。この板ばね部16は、スリット13の縁部から周方向に遠ざかるほど、径方向の厚さが漸増するように構成されている。それにより、この板ばね部16によれば、実施形態の板ばね部14のような径方向の厚さが均一なものと比べて、熱暴露条件下での熱応力に起因した変形量を抑制できる。さらに、ラックバー30と板ばね部16との間に介在するグリースの量を板ばね部14よりも低減できることで、グリースに起因して発生する、板ばね部16の弾性度合いの低下も抑制することができる。以上の理由により、応力緩和の発生をより抑制することができる。
一方、実施形態は、スリット13を図4に示すように軸線方向に一定幅で延びるように構成した例であるが、これに代えて、スリットを、軸受本体の軸線方向の一端から他端に向かって、幅が漸増するように構成してもよい。
また、スリットを軸受本体の軸線方向に沿って延びる第1延在部と第1延在部に連続して軸線方向以外の方向に延びる第2延在部とを少なくとも含むように構成してもよい。例えば、実施形態のスリット13に代えて、図12に示すスリット17を軸受本体10に設けてもよい。同図は、軸受本体10の外周面10aの展開図であり、同図に示すように、このスリット17は、第1〜第3延在部17a〜17cを備えている。これらの第1〜第3延在部17a〜17cは互いに同じ幅に構成されており、第1延在部17aは、軸受本体10の一端から他端側に向かって軸線方向に沿って第1所定長さで延びている。
また、第2延在部17bは、第1延在部17aの他端側の端部から周方向に第2所定長さで延びており、第3延在部17cは、第2延在部17bの第1延在部17aと反対側の端部から軸受本体10の他端まで軸線方向に沿って第3所定長さで延びている。さらに、この軸受本体10のスリット17の両側の部分は、板ばね部14又は板ばね部16と同様に構成されている。
なお、このスリット17において、第1延在部17a及び第3延在部17cを軸線方向に対して若干、傾いた状態(例えば1〜10゜傾いた状態)に構成してもよい。
また、実施形態のスリット13に代えて、図13に示すスリット18を軸受本体10に設けてもよい。同図は、軸受本体10の外周面10aの展開図であり、同図に示すように、このスリット18は、第1〜第3延在部18a〜18cを備えている。これらの第1〜第3延在部18a〜18cは互いに同じ幅に構成されており、第1延在部18aは、軸受本体10の一端から他端側に向かって軸線方向に沿って所定長さで延びている。
また、第2延在部18bは、第1延在部18aの他端側の端部から斜めに所定長さで延びており、第3延在部18cは、第2延在部18bの第1延在部18aと反対側の端部から軸受本体10の他端まで軸線方向に所定長さで延びている。さらに、この軸受本体10のスリット18の両側の部分は、板ばね部14又は板ばね部16と同様に構成されている。
なお、スリット18において、第3延在部18cを省略し、第2延在部18bが第1延在部18aとは反対側の軸受本体10の端まで延びるように構成してもよい。
なお、実施形態は、すべり軸受1をラック&ピニオン式ギヤボックスにおけるラックブッシュに適用した例であるが、本発明のすべり軸受はこれに限らず、第2部材の軸部を軸線方向に摺動自在に支持するものに適用可能である。
また、実施形態は、軸受本体10の内周面10bの3つの支持突起12で第2部材としてのラックバー30の軸部31を支持した構成であるが、本発明の軸受本体は、これに限らず、内周面10bの少なくとも一部で第2部材の軸部を支持するものであればよい。例えば、軸受本体10の内周面10b全体で、ラックバー30の軸部31を支持してもよい。
さらに、実施形態は、第2凸部として、係止突起11を用いた例であるが、本発明の第2凸部はこれに限らず、軸受本体の外周面から径方向の外側に向かって突出し、第1部材の孔の内周面における凹部に嵌合するものであればよい。例えば、第2凸部を軸受本体10の周方向に延びる環状の突起として構成してもよい。
一方、実施形態は、第2凸部としての係止突起11が嵌合する凹部として、凹部22を用いた例であるが、本発明の凹部はこれに限らず、第2突起が嵌合することにより、軸受本体が軸線方向に移動不能でかつ軸線回りに回転不能の状態に第1部材に係止されるものであればよい。
1 すべり軸受
10 軸受本体
10a 外周面
10b 内周面
11 係止突起(第2凸部)
13 スリット
14 板ばね部(肉薄部)
15 締め代突起(第1凸部)
15a〜15d 締め代突起(第1凸部)
16 板ばね部(肉薄部)
17 スリット
17a 第1延在部
17b 第2延在部
17c 第3延在部
18 スリット
18a 第1延在部
18b 第2延在部
18c 第3延在部
20 ケーシング(第1部材)
21 内孔
22 凹部
30 ラックバー(第2部材)
31 軸部

Claims (12)

  1. 断面円形の孔を有する第1部材と断面円形の軸部を有する第2部材との間に径方向に並ぶように配置され、当該第2部材の当該軸部を軸線方向に摺動自在に支持するすべり軸受であって、
    弾性を有し、円筒状に形成され、外周面の少なくとも一部が前記第1部材の前記孔の内周面に当接するとともに、内周面の少なくとも一部で前記第2部材の前記軸部を支持する軸受本体を備え、
    当該軸受本体は、軸線方向の一端から他端まで延びるスリットと、当該スリットの両側の縁部の各々の外周面から径方向の外側に向かって突出する第1凸部と、を有することを特徴とするすべり軸受。
  2. 前記軸受本体の前記スリットの前記各縁部から周方向の所定位置までの部位は、当該部位の内周面側が全体に亘って凹んだ肉薄部となっており、当該肉薄部は、径方向の厚さが当該肉薄部以外よりも薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
  3. 前記肉薄部は、前記スリットの前記各縁部から周方向に遠ざかるほど、径方向の厚さが漸増するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のすべり軸受。
  4. 前記第1凸部は、前記スリットの前記各縁部の全体に亘って軸線方向に連続的又は断続的に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のすべり軸受。
  5. 前記第1凸部は、断面が径方向の外側に向かって凸の円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のすべり軸受。
  6. 前記第1凸部は、断面が径方向の外側に向かって凸の三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のすべり軸受。
  7. 前記第1部材の前記孔の前記内周面には、凹部が形成されており、
    前記軸受本体は、前記外周面から径方向の外側に向かって突出する、前記第1凸部とは別個の第2凸部をさらに有しており、当該第2凸部が前記凹部に嵌合することにより、軸線方向に移動不能に前記第1部材に係止されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のすべり軸受。
  8. 前記軸受本体は、前記第2凸部が前記凹部に嵌合することにより、軸線方向に移動不能でかつ軸線回りに回転不能な状態で前記第1部材に係止されていることを特徴とする請求項7に記載のすべり軸受。
  9. 前記スリットは、前記軸受本体の軸線方向に沿って延びる第1延在部と当該第1延在部に連続して軸線方向以外の方向に延びる第2延在部とを少なくとも含むように構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のすべり軸受。
  10. 前記スリットは、前記軸受本体の前記一端から前記他端側に向かって軸線方向に沿って第1所定長さで延びる前記第1延在部と、当該第1延在部の他端側の端部から周方向に第2所定長さで延びる前記第2延在部と、当該第2延在部の前記第1延在部と反対側の端部から前記軸受本体の前記他端まで軸線方向に沿って第3所定長さで延びる第3延在部とで構成されていることを特徴とする請求項9に記載のすべり軸受。
  11. 前記すべり軸受は、ラック&ピニオン式のステアリング装置におけるブッシュであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のすべり軸受。
  12. 請求項11に記載のすべり軸受を備えていることを特徴とするステアリング装置。
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