JP2019203417A - インペラの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インペラの材料としてチタンアルミを採用した場合でも、生産性の悪化を抑制すること。【解決手段】タービンインペラの製造方法は、ハブ鍛造工程、翼部鍛造工程、及び組付け工程を有する。ハブ鍛造工程では、鋳造にて製造されたチタンアルミの素材を熱間鍛造することによって、本体の表面に溝を有したハブを製造する。翼部鍛造工程では、鋳造にて製造されたチタンアルミの素材を熱間鍛造することによって、翼部を製造する。組付け工程では、ハブを加熱膨張させた状態で本体の溝に翼部の端部を挿入し、本体に翼部を結合することによりハブに翼部を組み付ける。【選択図】図3

Description

本発明は、インペラの製造方法に関する。
車載内燃機関から排出される排気の運動エネルギーを利用して、車載内燃機関に空気を過給するターボチャージャが従来から用いられている。例えば特許文献1に記載のターボチャージャは、インペラシャフトと、インペラシャフトの軸方向の端部に設けられたインペラと、を備えている。インペラは、インペラシャフトの軸方向の端部に設けられた錐体状のハブと、ハブの周りに設けられた翼部と、を備えている。なお、インペラは排気の熱を受けて高温になりやすいため、耐熱性に優れた材料をインペラに用いることが望ましい。一般には、ニッケル系合金をインペラに用いている。
特開2008−255895号公報
ところで、インペラシャフトを中心としたインペラの振れ回りが生じると、インペラからインペラシャフトに作用する荷重が過剰に大きくなってしまうおそれがある。また、ターボチャージャの圧縮効率の向上を図る目的で、インペラとインペラ周りのハウジングとの隙間は可能な限り小さく設定されている。そのため、インペラの振れ回りが生じると、インペラがインペラ周りのハウジングに接触してインペラが損傷してしまうおそれがある。
なお、インペラの回転数がある程度高いときに上記のインペラの振れ回りが生じやすい。インペラの重量が大きいほど、低いインペラの回転数から上記のインペラの振れ回りが生じやすい。このため、従来では、インペラの振れ回りを抑制するために、インペラの回転数をインペラの重量に応じた回転数に制限せざるを得ず、その結果、ターボチャージャによって実現可能な過給圧も制限されてしまっていた。
ここで、近年ではターボチャージャの過給圧をより高くしたいという要求がある。過給圧を高くするためには、インペラの回転数をより高くまで設定できるよう、より軽量な材料をインペラの材料に採用する必要がある。
そこで、チタンアルミをインペラの材料として採用することが考えられる。チタンアルミは、ニッケル系合金と同様に耐熱性に優れ、ニッケル系合金よりも密度が低い。同じ形状のインペラ同士で比較して、チタンアルミを用いたものの方がニッケル系合金を用いたものよりも軽量となる。このため、インペラの振れ回りを考慮しても、チタンアルミを用いたインペラでは、ニッケル系合金を用いたインペラよりも高い回転数まで設定可能となる。そして、チタンアルミを用いたインペラでは、ターボチャージャの過給圧もより高くまで実現させることができるようになる。
しかしながら、チタンアルミをインペラの材料として採用する場合、インペラの従来の製造方法は採用困難である。すなわち、インペラの従来の製造方法として、例えば精密鋳造が挙げられる。精密鋳造では、通常の鋳造と比較して材料をゆっくりと型の中に流すことにより、インペラのような複雑な形状のものでも製造することができる。しかしながら、チタンアルミは酸化しやすい性質を持つため、チタンアルミを材料に採用して精密鋳造を行おうとすると、材料を型の中に流している間に材料が酸化しやすく、歩留まりが低下するおそれがある。このため、生産性の悪化が懸念される。
この他に、インペラの従来の製造方法としては総切削も挙げられる。しかしながら、チタンアルミは高硬度材料であるため、チタンアルミを材料に採用して総切削を行おうとすると、総切削の際に切削工具が大きな負荷を受けて、切削工具の寿命が比較的短くなる。このため、切削工具の交換頻度が高くなり、生産性の悪化が懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、インペラの材料としてチタンアルミを採用した場合でも、生産性の悪化を抑制することのできるインペラの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するインペラの製造方法は、ターボチャージャに適用されるインペラであって、インペラシャフトの軸方向の端部に設けられるとともに、板状のディスクと、前記ディスクを底とした錐体状をなす本体と、を備えたハブと、前記ハブの周りに設けられた翼部と、を備えるインペラの製造方法であって、鋳造にて製造されたチタンアルミの素材を熱間鍛造することによって、前記本体の表面に溝を有した前記ハブを製造するハブ鍛造工程と、鋳造にて製造されたチタンアルミの素材を熱間鍛造することによって、前記翼部を製造する翼部鍛造工程と、前記ハブを加熱膨張させた状態で前記溝に前記翼部の端部を挿入し、前記本体に前記翼部を結合することにより前記ハブに前記翼部を組み付ける組付け工程と、を有する。
これによれば、インペラの製造方法としてハブ鍛造工程と翼部鍛造工程とを有し、それぞれで熱間鍛造を採用することにより、精密鋳造や総切削をせずにハブと翼部とを簡単に作ることができる。そして、組付け工程でハブと翼部とを一体にできる。よって、インペラの材料としてチタンアルミを採用した場合でも、製造方法として精密鋳造や総切削を採用した場合のような生産性の悪化を抑制することができる。
また、インペラは全体形状が複雑であるため、一度の鍛造だけで、ハブと翼部とが一体となった状態のインペラを製造することは困難である。上記方法では、ハブと翼部とを別体として製造している。ハブや翼部はインペラの全体形状よりは単純な形状であるため、ハブ及び翼部の製造方法に鍛造を用いることができる。
仮に総切削でインペラを製造しようとすると、完成品のインペラよりも体積量の大きいチタンアルミ素材を用意して切削することになる。そのため、製造に際しては切削する分の材料のロスが避けられない。上記方法では、ハブと翼部とを鍛造によって製造しているため、総切削で製造する場合のような材料のロスを抑えることができる。
上記インペラの製造方法において、前記組付け工程の後工程であって、前記インペラに熱処理を行う熱処理工程をさらに有するとよい。
これによれば、インペラにおいて強度をより向上させるとともに残留応力を除去することができる。
上記インペラの製造方法において、前記インペラは、車載内燃機関から排出された排気が流れるタービンハウジング内に収容されているとよい。
タービンハウジング内のインペラ(タービンインペラ)は、タービンハウジング内に導入された排気が直接接触することで回転する。そのため、タービンインペラは、とくに排気の熱の影響を受けて高温になりやすい。上記方法によれば、とくに高温化が懸念されるタービンインペラの材料として、耐熱性に優れたチタンアルミを採用することができる。
この発明によれば、インペラの材料としてチタンアルミを採用した場合でも、生産性の悪化を抑制することができる。
実施形態におけるターボチャージャの概略断面図。 タービンインペラの上面図。 タービンインペラの製造工程図。 (a)はハブ鍛造工程において溝が形成される前のハブを模式的に示す側面図、(b)はハブ鍛造工程において溝が形成された後のハブを模式的に示す側面図。 翼部鍛造工程において形成される翼部を模式的に示す斜視図。 (a)は組付け工程においてハブの本体の溝に翼部が組み付けられる前の様子を模式的に示す断面図、(b)は組付け工程においてハブの本体の溝に翼部が組み付けられた後の様子を模式的に示す断面図。
以下、インペラの製造方法を具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。本実施形態のターボチャージャは、車載用ターボチャージャであり、車載内燃機関に適用される。ターボチャージャは、車載内燃機関の排気のエネルギーを利用して吸気を圧縮し、圧縮した空気を内燃機関に供給する過給装置である。
図1に示すように、ターボチャージャ11のハウジング12は、ベアリングハウジング13と、ベアリングハウジング13の一端に連結されたタービンハウジング14と、ベアリングハウジング13の他端に連結されたコンプレッサハウジング15とを有する。ベアリングハウジング13は、ベアリングハウジング13を軸方向に貫通する軸孔13aを備え、この軸孔13a内にはベアリング17が設けられている。インペラシャフト16は、ベアリング17を介してベアリングハウジング13に回転可能に支持されている。
ターボチャージャ11は、インペラシャフト16の軸方向の両端部のうち、一端にタービンインペラ22を備え、他端にコンプレッサインペラ32を備える。なお、インペラシャフト16の軸方向とは、インペラシャフト16の中心軸線Lの延びる方向である。タービンインペラ22、インペラシャフト16、及びコンプレッサインペラ32は一体回転可能となっている。タービンインペラ22は、タービンハウジング14のタービン室14a内に収容されている。コンプレッサインペラ32は、コンプレッサハウジング15のコンプレッサ室15a内に収容されている。
タービンハウジング14内には、渦巻き状に延びるスクロール通路14bが設けられている。また、タービンハウジング14においてベアリングハウジング13と反対側に位置する部分には、排気口14cが設けられている。スクロール通路14b及び排気口14cは、車載内燃機関の排気通路に連通している。
コンプレッサハウジング15内には、渦巻き状に延びるスクロール通路15bが設けられている。また、コンプレッサハウジング15においてベアリングハウジング13と反対側に位置する部分には、吸気口15cが設けられている。スクロール通路15b及び吸気口15cは、車載内燃機関の吸気通路に連通している。
ターボチャージャ11においては、燃焼室から排出された排気が排気通路を介してスクロール通路14bに送り込まれる。このスクロール通路14bからタービンインペラ22へと排気が吹き付けられることにより、タービンインペラ22が回転する。タービンインペラ22に吹き付けられた後の排気は、タービン室14aから排気口14cを介して図示しない触媒コンバータへと送り出される。
タービンインペラ22が回転すると、タービンインペラ22の回転力がインペラシャフト16を介してコンプレッサインペラ32に伝達され、コンプレッサインペラ32が回転するようになる。このようにコンプレッサインペラ32が回転すると、吸気口15cを通過した空気が、コンプレッサ室15aからスクロール通路15bを介して燃焼室へと強制的に送り込まれるようになる。
次に、タービンインペラ22の形状について、図1及び図2を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、タービンインペラ22は、円形板状のディスク23と、ディスク23を底とした円錐状をなす本体24と、を有したハブ25を備えている。また、本体24の周りには、複数の翼部26が設けられている。翼部26は板状をなしており、本体24の先端24aから基端24b(ディスク23)にかけて、本体24の表面に沿って取り付けられている。また、翼部26は、本体24の周方向において互いに間隔をもって本体24の表面に取り付けられている。そして、タービンインペラ22は、ボルト等によってインペラシャフト16の端部に固定されている。
なお、コンプレッサインペラ32は、タービンインペラ22と略同一の形状である。上記のタービンインペラ22の形状の説明において、タービンインペラ22をコンプレッサインペラ32として読み替えれば、コンプレッサインペラ32の形状の説明になる。
次に、タービンインペラ22の製造方法の説明と併せて、本実施形態の作用について図3〜図6を参照して説明する。
図3に示すように、タービンインペラ22の製造方法は、ハブ鍛造工程、翼部鍛造工程、組付け工程、熱処理工程、及びシュラウド加工工程を有する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、ハブ鍛造工程は、熱間鍛造によってタービンインペラ22のハブ25を製造する工程である。ハブ鍛造工程では、まず鋳造にて製造された円柱状のチタンアルミ素材(インゴット)を用意する。そして、そのチタンアルミ素材を加熱して、同じく加熱した型に入れて密閉鍛造する。なお、このときのチタンアルミ素材及び型の温度は、いずれも1300〜1500℃程度に設定することが好ましい。これにより、図4(a)に示すように、円形板状のディスク23と、ディスク23を底とした円錐状をなす本体24と、を有したハブ前駆体25bが形成される。
その後、ハブ鍛造工程では、別の型に取り換え、先に形成された図4(a)に示すハブ前駆体25bを型に入れて密閉鍛造する。このときのハブ前駆体25b及び型の温度も、1300〜1500℃程度に設定することが好ましい。これにより、図4(b)に示すように、本体24の表面に溝24cが形成されたハブ25が形成される。溝24cは、本体24の先端24aから基端24bにかけて、本体24の表面に沿って形成される。また、溝24cは、本体24の周方向において互いに間隔をもって本体24の表面に形成される。
図5に示すように、翼部鍛造工程は、熱間鍛造によってタービンインペラ22の翼部26を製造する工程である。翼部鍛造工程では、まず鋳造にて製造された板状のチタンアルミ素材(インゴット)を用意する。そして、そのチタンアルミ素材を加熱して、同じく加熱した型に入れて密閉鍛造する。なお、このときのチタンアルミ素材及び型の温度は、いずれも1300〜1500℃程度に設定することが好ましい。これにより、図5に示すように、板状の翼部26が複数形成される。なお、翼部鍛造工程を終えた翼部26おける端部26aの厚みは、ハブ鍛造工程を終えたハブ25における本体24の溝24cの幅よりも若干大きくなっている。
図6(a)及び図6(b)に示すように、組付け工程は、焼き嵌めによってハブ25に翼部26を組み付ける工程である。図6(a)に示すように、組付け工程では、まずハブ25を加熱膨張させるとともに、溝24cの幅を広げる。これにより、溝24cの幅は、翼部26の端部26aの厚みよりも大きくなる。そして、翼部26の端部26aを本体24の溝24cに挿入する。こうして溝24cに翼部26が挿入された状態で、ハブ25を常温に戻す。
その後、組付け工程では、図6(b)に示すように、ハブ25が常温への移行に伴って収縮して、翼部26の端部26aの表面に本体24の溝24cの内面が圧接した状態となる。これにより、翼部26は本体24に結合され、翼部26はハブ25に組み付けられる。
そして、本実施形態では、組付け工程の後工程として、熱処理工程及びシュラウド加工工程を行う。熱処理工程では、タービンインペラ22を加熱することでタービンインペラ22に熱処理を行う。また、シュラウド加工工程では、熱処理工程の後に、ハブ25の本体24の周方向にタービンインペラ22を回転させながら本体24の表面からの翼部26の突出長さを調整する。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)タービンインペラ22の製造方法としてハブ鍛造工程と翼部鍛造工程とを有し、それぞれで熱間鍛造を採用することにより、精密鋳造や総切削をせずにハブ25と翼部26とを簡単に作ることができる。そして、組付け工程でハブ25と翼部26とを一体にできる。よって、タービンインペラ22の材料としてチタンアルミを採用した場合でも、製造方法として精密鋳造や総切削を採用した場合のような生産性の悪化を抑制することができる。
(2)タービンインペラ22は全体形状が複雑であるため、一度の鍛造だけで、ハブ25と翼部26とが一体となった状態のタービンインペラ22を製造することは困難である。上記実施形態では、ハブ25と翼部26とを別体として製造している。ハブ25や翼部26はタービンインペラ22の全体形状よりは単純な形状であるため、ハブ25及び翼部26の製造方法に鍛造を用いることができる。
(3)仮に総切削でタービンインペラ22を製造しようとすると、完成品のタービンインペラ22よりも体積量の大きいチタンアルミ素材を用意して切削することになる。そのため、製造に際しては切削する分の材料のロスが避けられない。上記実施形態では、ハブ25と翼部26とを鍛造によって製造しているため、総切削で製造する場合のような材料のロスを抑えることができる。
(4)組付け工程の後工程として熱処理工程をさらに行っている。これによれば、タービンインペラ22において強度をより向上させるとともに残留応力を除去することができる。
(5)タービンインペラ22は、タービンハウジング14内に導入された排気が直接接触することで回転する。そのため、タービンインペラ22は、とくに排気の熱の影響を受けて高温になりやすい。上記実施形態では、こうしてとくに高温化が懸念されるタービンインペラ22の材料として、耐熱性に優れたチタンアルミを採用することができる。
(6)仮に別体のハブ25と翼部26とを組み付けるのではなく、はじめからハブ25と翼部26とが一体となった状態でタービンインペラ22を鍛造で製造する場合では、鍛造工程後の製品に不具合が生じたらタービンインペラ22ごと取り除く必要がある。一方、ハブ25と翼部26とを別体として製造している上記実施形態では、鍛造工程後の製品に不具合があったとしても、その不具合のあるハブ25や翼部26だけを取り除けばよい。したがって、上記実施形態では、鍛造工程後の製品に不具合があった際、材料のロスを小さくすることができる。
(7)密閉鍛造によってハブ25及び翼部26を製造している。そのため、鍛造に際してバリが生じにくく、形成後にバリ除去の必要がない。
(8)ハブ25及び翼部26は、いずれも同じ材料であるチタンアルミ素材を用いて製造されている。そのため、材料の違いに起因するハブ25と翼部26との間での熱膨張の差はなくなるため、ハブ25と翼部26とを好適に組み付けることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ ハブ鍛造工程では、ディスク23の形成と、本体24の形成と、本体24の表面の溝24cの形成とを、一度の鍛造で行うようにしてもよい。この形態のハブ鍛造工程では、図4(a)に示すハブ前駆体25bは製造されず、一度の鍛造によって図4(b)に示すハブ25が製造される。
○ ハブ鍛造工程で用意するチタンアルミ素材は、ハブ25を製造可能な範囲内で、角柱状や錐体状等、異なる形状のチタンアルミ素材に変更してもよい。
○ 翼部鍛造工程で用意するチタンアルミ素材は、翼部26を製造可能な範囲内で、角柱状や錐体状等、異なる形状のチタンアルミ素材に変更してもよい。
○ ハブ鍛造工程や翼部鍛造工程では、閉塞鍛造やバリ出し鍛造等、密閉鍛造以外の鍛造の製造方法を用いてもよい。
○ 組付け工程において、圧入によってハブ25に翼部26を取り付けてもよい。圧入を用いた組付け工程では、まずハブ25を加熱膨張させる。なお、この形態では、上記実施形態での焼き嵌めとは異なり、本体24の溝24cの幅を広げることはしない。そのため、この形態での本体24の溝24cの幅は、上記実施形態での溝24cの幅ほど大きくはならず、翼部26の端部26aの厚みより大きくはならない。そして、翼部26の端部26aを本体24の溝24cに圧入する。このとき、翼部26の端部26aの押圧を受けて本体24の溝24cが変形しながら、溝24cに翼部26が圧入されていく。溝24cに翼部26が圧入されたら、その状態でハブ25を常温に戻す。その後、ハブ25が常温への移行に伴って収縮して、翼部26の端部26aの表面に本体24の溝24cの内面が圧接した状態となる。これにより、翼部26は本体24に結合され、翼部26はハブ25に組み付けられる。
○ 組付け工程で完成したタービンインペラ22が製品としてそのまま使用可能であれば、組付け工程後の熱処理工程やシュラウド加工工程を省略してもよい。
○ ディスク23は矩形板状等、円形板状以外の形状であってもよい。この形態では、ディスク23の形状に合わせて、本体24の形状も適宜変更する。例えば、ディスク23が矩形板状である場合では、ディスク23を底とした四角錐状をなす形状に本体24の形状を変更する。
○ 図3に示す製造方法を用いて、コンプレッサインペラ32を製造してもよい。また、タービンインペラ22及びコンプレッサインペラ32のいずれも図3に示す製造方法を用いて製造してもよい。
11…ターボチャージャ、12…ハウジング、13…ベアリングハウジング、13a…軸孔、14…タービンハウジング、14a…タービン室、14b…スクロール通路、14c…排気口、15…コンプレッサハウジング、15a…コンプレッサ室、15b…スクロール通路、15c…吸気口、16…インペラシャフト、17…ベアリング、22…タービンインペラ、23…ディスク、24…本体、24a…先端、24b…基端、24c…溝、25…ハブ、25b…ハブ前駆体、26…翼部、26a…端部、32…コンプレッサインペラ。

Claims (3)

  1. ターボチャージャに適用されるインペラであって、
    インペラシャフトの軸方向の端部に設けられるとともに、板状のディスクと、前記ディスクを底とした錐体状をなす本体と、を備えたハブと、
    前記ハブの周りに設けられた翼部と、を備えるインペラの製造方法であって、
    鋳造にて製造されたチタンアルミの素材を熱間鍛造することによって、前記本体の表面に溝を有した前記ハブを製造するハブ鍛造工程と、
    鋳造にて製造されたチタンアルミの素材を熱間鍛造することによって、前記翼部を製造する翼部鍛造工程と、
    前記ハブを加熱膨張させた状態で前記溝に前記翼部の端部を挿入し、前記本体に前記翼部を結合することにより前記ハブに前記翼部を組み付ける組付け工程と、を有するインペラの製造方法。
  2. 前記組付け工程の後工程であって、前記インペラに熱処理を行う熱処理工程をさらに有する請求項1に記載のインペラの製造方法。
  3. 前記インペラは、車載内燃機関から排出された排気が流れるタービンハウジング内に収容されている請求項1又は請求項2に記載のインペラの製造方法。
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