JP2019203354A - セグメント - Google Patents
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Abstract
【課題】工事の安全性の向上を実現することができるセグメントを提供する。【解決手段】本発明を適用したセグメント1は、一対の端面21と、一対の側面22と、一対の面20とで構成される6面を備える本体部2と、端面21に配置されたセグメント継手と、鋼材5とを備え、セグメント継手3は、一方を他方に挿入することで周方向Wに隣接する他のセグメント1の端面21と端面21とを当接させ、本体部2と他のセグメント1の本体部2とを連結するための雄側連結部31及び雌側連結部32の少なくとも何れかを有し、セグメント継手3を挿入する向きに対して反対の向きに雄側連結部31が雌側連結部32から抜け出すことを抑止するための雄側抑止部41及び雌側抑止部42の少なくとも一方を備える抜け出し防止装置4が、セグメント継手4に接して設けられる。【選択図】図1
Description
本発明は、トンネルの周方向及び軸方向に対して相互に連結することでトンネルを構築するためのセグメントに関する。
従来、セグメントを連結してトンネルを構築するとき、例えば特許文献1のようなセグメントの継手構造が提案されている。
特許文献1では、雄継手部材を凹部に挿入し、両セグメントを互いにセグメント軸方向に相対移動させることにより、雌雄両継手部材が連結され、周方向で隣り合う両セグメントを接合するようにしたセグメントの継手部構造について開示されている。特許文献1に開示されたセグメントの継手部構造は、雄継手部材の先端より一体に突出した棒状の抜け出し防止用雄継手体と、雌継手部材の挿入方向奥部に配置され、抜け出し防止用雄継手体がセグメント軸方向に向けて挿入される抜け出し防止用雌継手体とからなる抜け出し防止用継手を備え、抜け出し防止用雌継手体に抜け出し防止用雄継手体が抜け出し不能に保持される構成を備える。
ここで、セグメントをトンネルの周方向に連結するとき、トンネルに作用する土水圧等により、各セグメントにはトンネル軸方向の分力(抜け出し力)が作用し、セグメントの抜け出しに伴うトンネルの崩壊等が懸念される。このため、工事における安全性の向上が課題として挙げられる。
この点、特許文献1の開示技術では、セグメントの抜け出し対策を目的とした抜け出し防止用継手等が設けられる。しかし、本体部のコンクリートが露出した状態で用いられる場合、セグメントの滑動等を引き起こす抜け出し力が作用した際に、特許文献1に開示されたセグメントでは、抜け出し防止用継手等の反力と、セグメント継手の反力とが、セグメントの本体部に対して複雑かつ集中的に作用する。このとき、本体部の強度が不足し、十分に抜け出し防止用継手等の反力が伝達されず、抜け出し防止用継手等の機能が十分に発揮されない可能性がある。これにより、抜け出し力を抑制することができず、セグメントの抜け出しを防止できないおそれがある。特に、トンネルの軸方向に傾斜したテーパー状の端面を有するキーセグメントは、他のセグメントに比べて抜け出し力が発生し易い傾向がある。このため、特許文献1の開示技術においても、工事の安全性の向上が課題として挙げられる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、工事の安全性の向上を実現することができるセグメントを提供することにある。
第1発明に係るセグメントは、トンネルの周方向及び軸方向に対して相互に連結することで前記トンネルを構築するためのセグメントであって、前記セグメントは、トンネル周方向の一対の端面と、トンネル軸方向の一対の側面と、トンネル法線方向の一対の面とで構成される6面を備える本体部と、前記端面に配置されたセグメント継手と、前記6面のうち、少なくとも一対の前記端面、及び一対の前記側面に配置された鋼材とを備え、前記セグメント継手は、一方を他方に挿入することで前記トンネル周方向に隣接する他のセグメントの端面と前記端面とを当接させ、前記本体部と前記他のセグメントの本体部とを連結するための雄側連結部及び雌側連結部の少なくとも何れかを有し、前記セグメント継手を挿入する向きに対して反対の向きに前記雄側連結部が前記雌側連結部から抜け出すことを抑止するための雄側抑止部及び雌側抑止部の少なくとも一方を備える抜け出し防止装置が、前記セグメント継手に接して設けられることを特徴とする。
第2発明に係るセグメントは、第1発明において、前記抜け出し防止装置は、前記トンネルの内側空間に露出して設けられることを特徴とする。
第3発明に係るセグメントは、第1発明又は第2発明において、前記抜け出し防止装置は、前記抜け出し防止装置の係合状態を報知する報知部に近接して配置されることを特徴とする。
第4発明に係るセグメントは、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記抜け出し防止装置は、少なくともキーセグメントに配置されることを特徴とする。
第1発明〜第4発明によれば、本体部の備える6面のうち、少なくとも一対の端面及び一対の側面に、鋼材が配置される。このため、本体部に作用する抜け出し防止装置の反力に対し、鋼材の拘束効果による本体部(コンクリート)の補強効果が得られる。これにより、抜け出し防止装置の機能を十分に発揮させることができ、強固にセグメントの抜け出しを防止することができる。従って、工事の安全性を向上させることが可能となる。また、一対のセグメントを連結するとき、本体部同士が接触して損傷を受けることを防ぐことができる。これにより、セグメントの耐久性を向上させることが可能となる。
特に、第2発明によれば、抜け出し防止装置は、トンネルの内側空間に露出して設けられる。このため、一対のセグメントを連結するとき、内側空間から抜け出し防止装置の係合状態を作業者等が容易に目視確認できる。これにより、工事の安全性をさらに向上させることが可能となる。
特に、第3発明によれば、抜け出し防止装置は、報知部に近接して設けられる。このため、一対のセグメントを連結するとき、セグメントから離れた場所に待機する作業者等が、抜け出し防止装置の係合状態を容易に確認できる。これにより、工事の安全性をさらに向上させることが可能となる。
特に、第4発明によれば、抜け出し防止装置は、少なくともキーセグメントに設けられる。キーセグメントでは、トンネルに土水圧が作用することで発生するトンネル周方向軸力が、キーセグメントの軸方向に傾斜した端面において、キーセグメントの抜け出し方向となるトンネル軸方向の分力を生み出すことになり、特に大きな抜け出し力が発生しやすい。一方、鋼材が配置されない場合に比べて、抜け出し防止装置の反力及びセグメント継手の反力に対し、鋼材の拘束効果による本体部の補強効果が得られ、抜け出し防止装置の機能を十分に発揮させることができる。これらにより、より大きな抜け出し力に対してより強固にセグメントの抜け出しを防止することが可能となり、工事の安全性を大きく向上させることが可能となる。また、例えば抜け出し防止装置をキーセグメントのみに設けることで、工事の安全性を向上させたうえで、材料費の削減が可能となる。
(セグメント1)
以下、本発明を適用したセグメント1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明を適用したセグメント1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用したセグメント1は、図1に示すように、トンネルの軸方向X(トンネル軸方向)及び周方向W(トンネル周方向)に沿って複数組み合わされ、主にシールドトンネル7を地中9に構築するためのものである。
シールドトンネル7は、複数のセグメント1をリング状に相互に連結させて形成されたセグメントリング71を、軸方向Xに沿って複数連結させることで構築される。このため、シールドトンネル7には、軸方向Xに沿って連結された複数のセグメントリング71によって、トンネルの地山側Aと内空側Iとが形成される。これにより、シールドトンネル7は、トンネルの地山側Aからの土圧や水圧に対して、複数のセグメントリング71を抵抗させるものとすることができ、トンネルの内空側Iに内側空間Sを確保することが可能となる。
セグメントリング71は、例えば軸方向Xに沿ってテーパー状のキーセグメント1kを含む複数のセグメント1を用いて形成される。キーセグメント1kは、連結された複数のセグメント1をリング状に完結するために用いられ、一対のセグメント1の間に連結することで、セグメントリング71が形成される。
セグメントリング71は、シールドマシン70を用いて地中9を軸方向Xに沿って掘削し、シールドマシン70の後方(坑口側D)において複数のセグメント1を周方向Wに沿って連結することで形成される。従って、シールドマシン70に最も近いセグメントリング71の切羽側Cの側面22は、作業者によって目視できる状態となっている。上述したシールドマシン70を用いた掘削と、セグメントリング71の形成とを繰り返すことで、シールドトンネル7が構築される。
本発明を適用したセグメント1は、図2に示すように、本体部2と、鋼材5と、セグメント継手3と、抜け出し防止装置4とを備える。
本体部2は、周方向Wに延在し、周方向Wと交わり軸方向Xに延在する一対の端面21と、軸方向Xと交わり周方向Wに延在する一対の側面22と、法線方向Y(トンネル法線方向)と交わり軸方向X及び周方向Wと平行な面を有する一対の面20とで構成される6面を備える。本体部2は、例えば軸方向Xの幅が200mm〜2,500mm程度であり、法線方向Yの厚さが150mm〜700mm程度である。
セグメント継手3は、端面21に配置される。セグメント継手3は、一対のセグメント1a、1bを周方向Wに沿って連結するために用いられる。セグメント継手3は、雄側連結部31及び雌側連結部32の少なくとも何れかを有する。
雄側連結部31及び雌側連結部32は、周方向Wに沿って本体部2を連結する。雄側連結部31及び雌側連結部32は、一方を他方に挿入することで、周方向Wに隣接する一方のセグメント1aの端面21と、他方のセグメント1bの端面21とを当接させ、一方のセグメント1aの本体部2と、他方のセグメント1bの本体部2とを連結するためのものである。例えば図2の破線矢印で示すように、一方のセグメント1aに設けられた雌側連結部32に、他方のセグメント1bに設けられた雄側連結部31を軸方向Xに挿入し嵌合させることで、一対のセグメント1a、1bを連結させることができる。
雄側連結部31及び雌側連結部32は、端面21に固設されるため、雄側連結部31及び雌側連結部32の端面21固設部近傍が鋼材5に覆われて補強される。このため、雄側連結部31及び雌側連結部32が鋼材5に固設される場合に比べて、一対のセグメント1a、1bを連結するとき、雄側連結部31及び雌側連結部32が破損する可能性を抑制することができる。
例えば、セグメント1の一方の端面21に雄側連結部31が設けられ、他方の端面21に雌側連結部32が設けられるほか、両方の端面21に雄側連結部31のみ、又は雌側連結部32のみが設けられてもよい。なお、雄側連結部31及び雌側連結部32の設けられる数は任意である。
雄側連結部31は、雌側連結部32と嵌合する一端を有する。雄側連結部31は、例えば一端が本体部2から突出し、他端が本体部2に埋設される。一端は、例えば他端よりも厚く、軸方向Xに延びる柱状又は円柱状である。
雌側連結部32は、雄側連結部31の一端と嵌合する形状を有する。雌側連結部32は、例えば本体部2に埋設され、本体部2に形成され雄側連結部31の一端が挿入できる溝部23に連接する。この場合、雄側連結部31は、溝部23を介して雌側連結部32と嵌合される。なお、溝部23は、図2に示すように、軸方向Xに沿って延在するほか、例えば法線方向Yに沿って延在してもよい。雌側連結部32は、例えば軸方向Xに延在する筒状であり、軸方向Xに延在するスリットを有する。
抜け出し防止装置4は、セグメント継手3に接して設けられる。抜け出し防止装置4は、連結された一対のセグメント1a、1bのセグメント継手3の抜け出しを防止するために用いられる。抜け出し防止装置4は、雄側抑止部41及び雌側抑止部42の少なくとも何れかを有する。
雄側抑止部41及び雌側抑止部42は、セグメント継手3を挿入する向きに対して反対の向きに、雄側連結部31が雌側連結部32から抜け出すことを防止するためのものである。ここで、「挿入する向き」とは、軸方向X又は法線方向Yにおいて、一方のセグメント1aに他方のセグメント1bを連結するときにおける挿入直前の位置から挿入直後までの向きを示す。例えば図2の場合、他方のセグメント1bが破線矢印の示す向きに挿入されるため、「挿入する向き」は、軸方向Xにおける切羽側Cから坑口側Dを示す。このとき、「挿入する向きに対して反対の向き」は、軸方向Xにおける坑口側Dから切羽側Cを示す。このため、雄側抑止部41及び雌側抑止部42は、本体部2における坑口側Dから切羽側Cの向きにおける抜け出しを抑止する。なお、例えば「挿入する向き」は、法線方向Yにおける内空側Iから地山側Aを示してもよい。このとき、「挿入する向きに対して反対の向き」は、法線方向Yにおける地山側Aから内空側Iを示す。この場合、雄側抑止部41及び雌側抑止部42は、本体部2における地山側Aから内空側Iの向きにおける抜け出しを抑止する。
例えば、一方のセグメント1aに設けられた雌側抑止部42に、他方のセグメント1bに設けられた雄側抑止部41を係合させることで、セグメント1bの本体部2の挿入向きに対して反対の向きにおける抜け出しを抑止することができる。
雄側抑止部41は、雄側連結部31における坑口側Dの端部に設けられ、例えば雄側連結部31の端部から突出する。雄側抑止部41は、雌側抑止部42と係合する形状を有する。雄側抑止部41は、例えばL字状又はT字状に形成されてもよい。
雌側抑止部42は、雌側連結部32における坑口側Dの端部に設けられ、例えば筒状の雌側連結部32内に設けられる。雌側抑止部42は、雄側抑止部41と係合する形状を有する。
鋼材5は、本体部2における6面のうち、少なくとも一対の端面21及び一対の側面22に配置される。鋼材5は、本体部2に設けられた雄側連結部31及び雌側連結部32の周辺を切り欠いた状態で設けられる。
鋼材5は、例えば図3に示すように、フランジ5fを有してもよい。フランジ5fは、例えば側面22に配置される鋼材5における法線方向Yの両端部に形成され、軸方向Xに延在する。
本発明を適用したセグメント1は、例えば側面22に配置されたリング継手8を備える。リング継手8は、一対のセグメント1を軸方向Xに沿って連結するために用いられる。
リング継手8は、雄側継手81と、雌側継手82とを有する。雄側継手81及び雌側継手82は、互いに嵌合する形状を有する。例えば、坑口側Dのセグメント1(セグメントリング71)の側面22に設けられた雌側継手82に、切羽側Cのセグメント1の側面22に設けられた雄側継手81を嵌合させることで、軸方向Xに沿った一対のセグメント1を連結させることができる。
雄側継手81は、一端が本体部2から突出し、他端が本体部2に埋設されるほか、例えば他端が溶接接合等により鋼材5に固定されてもよい。雌側継手82は、本体部2に埋設されるほか、例えば溶接接合等により鋼材5に固定されてもよい。
本発明を適用したセグメント1として、上述したセグメント1a、1b(Aピース)のほか、例えば図6に示すように、キーセグメント1k、及びキーセグメント1kと連結されるセグメント1c、1d(Bピース、Cピース)が用いられてもよい。
セグメント1a、1bの両端面21は、軸方向Xに沿って略平行に形成される。これに対し、キーセグメント1kは、軸方向Xに沿ってテーパー状に形成され、キーセグメント1kの両端面21が、軸方向Xに沿って傾斜を有する。また、セグメント1c、1dにおいて、セグメント1a、1bと連結される一方の端面21は、軸方向Xに沿って略平行に形成され、キーセグメント1kと連結される他方の端面21は、軸方向Xに沿って傾斜を有する。
抜け出し防止装置4は、例えば少なくともキーセグメント1kに配置されたセグメント継手3に接して設けられる。キーセグメント1kの両端面21は、軸方向Xに沿って傾斜している。すなわち、キーセグメント1kは、セグメント1c、1dと連結したあとに、トンネルに土水圧が作用することで発生するトンネル周方向軸力が、キーセグメント1kの軸方向Xに沿って傾斜した端面21において、キーセグメント1kの抜け出し方向となる軸方向Xの分力を生み出すことになり、特に大きな抜け出し力が作用することで滑動し、抜け出す可能性が高い。このため、キーセグメント1kの端面21に、抜け出し防止装置4と接するセグメント継手3を配置することで、キーセグメント1kの本体部2の挿入向きに対して反対の向きにおける抜け出しを抑止することができる。
図9は、キーセグメント1kに作用するトンネル周方向軸力で無次元化した抜け出し力Pと、キーセグメント1kの端面21の傾斜角度θとの関係を表したものである。なお、この関係は、くさびの計算式を用いて導かれ、抜け出し力Pは、トンネル周方向軸力N、傾斜角度θ及び端面21の摩擦係数μにより求められる。シールド工事用標準セグメント(平成13年7月 社団法人日本下水道協会)によれば、一般的な鋼材と鋼材間の摩擦係数は0.3とされており、摩擦係数が十分に大きい場合は、傾斜角度θが小さい領域では抜け出し力Pよりも摩擦力Fが大きいため、抜け出しは発生しない。しかし、通常、キーセグメント1kの組立時においては、端面21には潤滑剤が塗布され、摩擦係数μが通常の1/10程度になることも報告されている。その場合、図9に示すように、キーセグメント1kの傾斜角度θが2度以上の範囲では抜け出し力Pが発生し得る。そのため、特に傾斜角度θが2度以上に設定されるキーセグメント1kに対して抜け出し防止装置4を配置することで、工事の安全性を確実に確保することができる。なお、図4では、キーセグメント1kの端面21に雄側抑止部41及び雄側連結部31が設けられているが、雌側抑止部42及び雌側連結部32が設けられてもよい。
<抜け出し防止装置4の一例>
抜け出し防止装置4は、例えば図5(a)の矢印に示すように、雌側連結部32内において、軸方向Xに雄側連結部31及び雄側抑止部41を移動させることにより、一対のセグメント1a、1bの抜け出しを防止する。なお、図5(a)では、セグメント1bを軸方向Xに沿って移動させる例を示すが、例えばセグメント1bを法線方向Yに沿って移動させるようにしてもよい。
抜け出し防止装置4は、例えば図5(a)の矢印に示すように、雌側連結部32内において、軸方向Xに雄側連結部31及び雄側抑止部41を移動させることにより、一対のセグメント1a、1bの抜け出しを防止する。なお、図5(a)では、セグメント1bを軸方向Xに沿って移動させる例を示すが、例えばセグメント1bを法線方向Yに沿って移動させるようにしてもよい。
雄側抑止部41は、例えば法線方向Yの両側に拡幅された部分を有する。雄側抑止部41として、例えば雄側連結部31と一体に形成された鋼材等が用いられる。
雌側抑止部42は、例えば筒状の雌側連結部32における法線方向Yの側面に少なくとも1つ(図5では2つ)設けられる。雌側抑止部42として、例えばバネ等の弾性体に固定された鋼材等が用いられる。
例えば図5(a)の矢印方向(挿入向き)にセグメント1bを移動させた場合、図5(b)に示すように、雄側抑止部41は雌側抑止部42と係合する。これにより、セグメント1bの各本体部2の挿入向きに対して反対の向きにおける抜け出しを抑止することができる。
例えば雄側抑止部41における法線方向Yの高さにおいて、先端側の高さh1は、基端側(雄側連結部31側)の高さh2よりも小さい。また、雌側連結部32における法線方向Yの両側面に設けられた一対の雌側抑止部42の間の距離において、切羽側Cの高さh3は、坑口側Dの高さh4よりも大きい。この場合、例えば高さh1が高さh3よりも小さく形成されることで、雄側抑止部41を雌側抑止部42に挿入し易くなり、セグメント1bの移動を円滑に行うことができる。また、例えば高さh2が高さh4よりも大きく形成されることで、雄側抑止部41を雌側抑止部42と係合させ易くなり、セグメント1bの本体部2の挿入向きに対して反対の向きにおける抜け出しを容易に抑止することができる。
雄側抑止部41は、例えば周方向Wから見て、基端側から先端側に沿って雄側抑止部41の高さが減少するテーパー状に形成される。また、雌側抑止部42は、例えば周方向Wから見て、坑口側Dから切羽側Cに沿って雌側抑止部42の間隔が拡大するテーパー状に形成される。これにより、セグメント1bの移動をより円滑に行うことができるとともに、セグメント1bの本体部2の挿入向きに対して反対の向きにおける抜け出しを容易に抑止することができる。
なお、抜け出し防止装置4は、例えば図6に示すように、トンネルの内側空間Sに露出して設けられてもよい。この場合、雌側抑止部42は、雌側連結部32における法線方向Yの側面に1つ設けられるほか、例えば周方向Wの側面に2つ設けられてもよい。この場合、一対のセグメント1を連結するとき、トンネルの内側空間Sから抜け出し防止装置4の係合状態を作業者等が容易に目視確認できる。
<抜け出し防止装置4の第1変形例>
次に、抜け出し防止装置4の第1変形例について説明する。上述した抜け出し防止装置4と、第1変形例との違いは、雄側抑止部41と雌側抑止部42との係合する位置が異なる点である。なお、上述した内容と同様の構成については、説明を省略する。
次に、抜け出し防止装置4の第1変形例について説明する。上述した抜け出し防止装置4と、第1変形例との違いは、雄側抑止部41と雌側抑止部42との係合する位置が異なる点である。なお、上述した内容と同様の構成については、説明を省略する。
雄側抑止部41は、例えば図7に示すように、端面41bを雌側抑止部42と係合(接着及び粘着を含む)させてもよい。この場合、雌側抑止部42は、例えば雌側連結部32における坑口側Dの側面に設けられ、端面41bと係合する。雌側抑止部42として、例えば接着性若しくは粘着性を有する粘弾性体、又は、マジックテープ(登録商標)等の面状に着脱可能な面ファスナーが用いられる。
例えば図7(a)の矢印方向(挿入向き)にセグメント1bを移動させた場合、図7(b)に示すように、端面41bは雌側抑止部42と係合する。これにより、セグメント1bの本体部2の挿入向きに対して反対の向きにおける抜け出しを抑止することができる。
なお、例えば雌側抑止部42として一対の脱着部を有する面ファスナーが用いられる場合、例えば雌側抑止部42の一方の脱着部を予め端面41bと係合させた状態で、雌側連結部32内に雄側連結部31及び雄側抑止部41を移動させてもよい。この場合においても、雌側連結部32における坑口側Dの側面に他方の脱着部を設けることで、一対の脱着部が当接して固定され、セグメント1bの本体部2の挿入向きに対して反対の向きにおける抜け出しを抑止することができる。
<抜け出し防止装置4の第2変形例>
次に、抜け出し防止装置4の第2変形例について説明する。上述した抜け出し防止装置4と、第2変形例との違いは、抜け出し防止装置4が報知部6に近接して設けられる点である。なお、上述した内容と同様の構成については、説明を省略する。
次に、抜け出し防止装置4の第2変形例について説明する。上述した抜け出し防止装置4と、第2変形例との違いは、抜け出し防止装置4が報知部6に近接して設けられる点である。なお、上述した内容と同様の構成については、説明を省略する。
抜け出し防止装置4は、例えば図8に示すように、抜け出し防止装置4の係合状態を判定し、作業者等に報知する報知部6に近接して設けられる。報知部6は、例えば雌側連結部32内に設けられる。
報知部6は、例えばセンサ部と、制御部と、出力部とを有する。センサ部は、抜け出し防止装置4の係合状態を信号化する。センサ部として、例えば接触式センサのほか、電磁波を利用した非接触式センサ等が用いられる。制御部は、センサ部からの信号に基づいて抜け出し防止装置4の係合状態を判定する。出力部は、判定結果を作業者等に報知する。出力部は、例えば無線通信等を介して判定結果を送信し、作業者等の通信端末に判定結果を報知するほか、例えば電気的に接続されたLED等を点灯させ、作業者等に報知してもよい。
報知部6は、例えば図8(a)に示すように、雌側抑止部42と接して設けられてもよい。例えば図8(a)の矢印方向(挿入向き)にセグメント1bを移動させた場合、図8(b)に示すように、報知部6は、雄側抑止部41と雌側抑止部42とに挟まれる。これにより、報知部6は、雄側抑止部41と雌側抑止部42とが係合したと判定し、作業者等に報知する。
本発明を適用したセグメント1によれば、本体部2の備える6面のうち、少なくとも一対の端面21及び一対の側面22に、鋼材5が配置される。このため、本体部2に作用する抜け出し防止装置4の反力に対し、鋼材5の拘束効果による本体部2(コンクリート)の補強効果が得られる。これにより、抜け出し防止装置4の機能を十分に発揮させることができ、強固にセグメント1の抜け出しを防止することができる。従って、工事の安全性を向上させることが可能となる。また、一対のセグメント1を連結するとき、本体部2同士が接触して損傷を受けることを防ぐことができる。これにより、セグメント1の耐久性を向上させることが可能となる。
また、本発明を適用したセグメント1によれば、抜け出し防止装置4は、トンネルの内側空間Sに露出して設けられる。このため、一対のセグメント1を連結するとき、内側空間Sから抜け出し防止装置4の係合状態を作業者等が容易に目視確認できる。これにより、工事の安全性をさらに向上させることが可能となる。
また、本発明を適用したセグメント1によれば、特に第2変形例における抜け出し防止装置4は、報知部6に近接して設けられる。このため、一対のセグメント1を連結するとき、セグメント1から離れた場所に待機する作業者等が、抜け出し防止装置4の係合状態を容易に確認できる。これにより、工事の安全性をさらに向上させることが可能となる。
また、本発明を適用したセグメント1によれば、抜け出し防止装置4は、少なくともキーセグメント1kに設けられる。キーセグメント1kでは、トンネルに土水圧が作用することで発生するトンネル周方向軸力が、キーセグメント1kの軸方向Xに傾斜した端面21において、キーセグメント1kの抜け出し方向となるトンネル軸方向の分力を生み出すことになり、特に大きな抜け出し力が発生しやすい。一方、鋼材5が配置されない場合に比べて、抜け出し防止装置4の反力及びセグメント継手3の反力に対し、鋼材5の拘束効果による本体部2の補強効果が得られ、抜け出し防止装置4の機能を十分に発揮させることができる。これらにより、より大きな抜け出し力に対してより強固にセグメント1の抜け出しを防止することが可能となり、工事の安全性を大きく向上させることが可能となる。また、例えば抜け出し防止装置4をキーセグメント1kのみに設けることで、工事の安全性を向上させたうえで、材料費の削減が可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
1 :セグメント
1a :セグメント
1b :セグメント
1c :セグメント
1d :セグメント
1k :キーセグメント
2 :本体部
20 :面
21 :端面
22 :側面
23 :溝部
3 :セグメント継手
31 :雄側連結部
32 :雌側連結部
4 :抜け出し防止装置
41 :雄側抑止部
41b :端面
42 :雌側抑止部
5 :鋼材
5f :フランジ
6 :報知部
7 :シールドトンネル
70 :シールドマシン
71 :セグメントリング
8 :リング継手
81 :雄側継手
82 :雌側継手
9 :地中
A :地山側
I :内空側
C :切羽側
D :坑口側
S :内側空間
W :周方向
X :軸方向
Y :法線方向
1a :セグメント
1b :セグメント
1c :セグメント
1d :セグメント
1k :キーセグメント
2 :本体部
20 :面
21 :端面
22 :側面
23 :溝部
3 :セグメント継手
31 :雄側連結部
32 :雌側連結部
4 :抜け出し防止装置
41 :雄側抑止部
41b :端面
42 :雌側抑止部
5 :鋼材
5f :フランジ
6 :報知部
7 :シールドトンネル
70 :シールドマシン
71 :セグメントリング
8 :リング継手
81 :雄側継手
82 :雌側継手
9 :地中
A :地山側
I :内空側
C :切羽側
D :坑口側
S :内側空間
W :周方向
X :軸方向
Y :法線方向
Claims (4)
- トンネルの周方向及び軸方向に対して相互に連結することで前記トンネルを構築するためのセグメントであって、
前記セグメントは、
トンネル周方向の一対の端面と、トンネル軸方向の一対の側面と、トンネル法線方向の一対の面とで構成される6面を備える本体部と、
前記端面に配置されたセグメント継手と、
前記6面のうち、少なくとも一対の前記端面、及び一対の前記側面に配置された鋼材と
を備え、
前記セグメント継手は、一方を他方に挿入することで前記トンネル周方向に隣接する他のセグメントの端面と前記端面とを当接させ、前記本体部と前記他のセグメントの本体部とを連結するための雄側連結部及び雌側連結部の少なくとも何れかを有し、
前記セグメント継手を挿入する向きに対して反対の向きに前記雄側連結部が前記雌側連結部から抜け出すことを抑止するための雄側抑止部及び雌側抑止部の少なくとも一方を備える抜け出し防止装置が、前記セグメント継手に接して設けられること
を特徴とするセグメント。 - 前記抜け出し防止装置は、前記端面のうち、少なくとも前記トンネルの内側空間に露出して設けられること
を特徴とする請求項1記載のセグメント。 - 前記抜け出し防止装置は、前記抜け出し防止装置の係合状態を報知する報知部に近接して設けられること
を特徴とする請求項1又は2記載のセグメント。 - 前記抜け出し防止装置は、少なくともキーセグメントに設けられること
を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のセグメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018100511A JP2019203354A (ja) | 2018-05-25 | 2018-05-25 | セグメント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018100511A JP2019203354A (ja) | 2018-05-25 | 2018-05-25 | セグメント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019203354A true JP2019203354A (ja) | 2019-11-28 |
Family
ID=68726401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018100511A Pending JP2019203354A (ja) | 2018-05-25 | 2018-05-25 | セグメント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019203354A (ja) |
-
2018
- 2018-05-25 JP JP2018100511A patent/JP2019203354A/ja active Pending
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