JP2019203138A - 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 - Google Patents
冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019203138A JP2019203138A JP2019130526A JP2019130526A JP2019203138A JP 2019203138 A JP2019203138 A JP 2019203138A JP 2019130526 A JP2019130526 A JP 2019130526A JP 2019130526 A JP2019130526 A JP 2019130526A JP 2019203138 A JP2019203138 A JP 2019203138A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fatty acid
- refrigerator
- carbon atoms
- lubricating oil
- mixed composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
Abstract
Description
不飽和フッ化炭化水素冷媒に対しては、冷凍機油の基油として、例えば、ポリオキシアルキレングリコール類、ポリオールエステル類、ポリカーボネート類等の含酸素化合物の使用が検討されている。
(1)下記の分子式(1)
CpFrHs・・・(1)
[式中、pは2〜6、rは1〜11、sは1〜11の整数であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含む冷媒と、
炭素数9〜16の脂肪酸であって炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上である脂肪酸(a1)と、ペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるポリオール(a2)とのポリオールエステル(A)を主成分として含有する冷凍機潤滑油と
を含む冷凍機用混合組成物。
(2)前記不飽和フッ化炭化水素化合物が、プロペンのフッ化物である上記(1)に記載の冷凍機用混合組成物。
(3)前記プロペンのフッ化物が、ペンタフルオロプロペンの各種異性体、3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、及び2,3,3,3−テトラフルオロプロペンから選ばれる少なくとも1種である上記(2)に記載の冷凍機用混合組成物。
(4)前記冷媒が、前記不飽和フッ化炭化水素化合物のみからなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
(5)前記脂肪酸(a1)が、炭素数9の脂肪酸のみからなる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
(6)前記脂肪酸(a1)が、炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上であるとともに、その残分が炭素数10〜12の脂肪酸である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
(7)前記炭素数9〜16の脂肪酸が、分岐脂肪酸を含む上記(1)〜(6)のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
(8)水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)、シリコーンゴム、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ウレタンゴム(U)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、及びフッ素ゴム(FKM)のいずれかから選択されるゴム部材が設けられた冷凍機に使用される上記(1)〜(7)のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
(9)冷凍機潤滑油が、極圧剤、油性剤、酸化防止剤、酸捕捉剤及び消泡剤の中から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含む上記(1)〜(8)のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
(10)前記冷媒が、さらに飽和フッ化炭化水素化合物を含み、前記飽和フッ化炭化水素化合物が1,1−ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン及びペンタフルオロエタンの中から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)、(5)〜(9)のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
(11)カーエアコン、ガスヒートポンプ、空調、冷蔵庫、自動販売機、ショーケース、給湯機、床暖房から選択される冷凍機システム、給湯システム、又は暖房システムに用いられる上記(1)〜(10)のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
(12)システム内の水分含有量が300質量ppm以下で、残存空気分圧が10kPa以下である上記(11)に記載の冷凍機用混合組成物。
(13)下記の分子式(1)
CpFrHs・・・(1)
[式中、pは2〜6、rは1〜11、sは1〜11の整数であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含む冷媒に使用される冷凍機潤滑油であって、
炭素数9〜16の脂肪酸であって炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上である脂肪酸(a1)と、ペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるポリオール(a2)とのポリオールエステル(A)を主成分として含有する冷凍機潤滑油。
(14)下記の分子式(1)
CpFrHs・・・(1)
[式中、pは2〜6、rは1〜11、sは1〜11の整数であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含む冷媒を使用する冷凍機において、
炭素数9〜16の脂肪酸であって炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上である脂肪酸(a1)と、ペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるポリオール(a2)とのポリオールエステル(A)を主成分として含有する冷凍機潤滑油を使用する潤滑方法。
(15)下記の分子式(1)
CpFrHs・・・(1)
[式中、pは2〜6、rは1〜11、sは1〜11の整数であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含む冷媒と、
炭素数9〜16の脂肪酸であって炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上である脂肪酸(a1)と、ペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるポリオール(a2)とのポリオールエステル(A)を主成分として含有する冷凍機潤滑油とを備える冷凍機。
本発明に係る冷凍機潤滑油は、以下の冷媒に対して使用されるものである。また、本発明に係る冷凍機用混合組成物は、冷凍機潤滑油と冷媒を含むものである。以下、冷媒及び冷凍機潤滑油についてより詳細に説明する。
<冷媒>
本発明に係る冷媒は、下記の分子式(1)
CpFrHs ・・・(1)
[式中、pは2〜6、rは1〜11、sは1〜11の整数であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含むものである。
該分子式(1)において、Cpで表されるp個の炭素原子の結合形態は、炭素−炭素単結合、炭素−炭素二重結合等の不飽和結合などがある。炭素−炭素の不飽和結合は、安定性の点から、炭素−炭素二重結合であることが好ましく、不飽和フッ化炭化水素化合物は、分子中に炭素−炭素二重結合等の不飽和結合を1以上有し、その数は1であるものが好ましい。すなわち、Cpで表されるp個の炭素原子の結合形態の少なくとも1つは、炭素−炭素二重結合であることがより好ましい。
具体的には、1〜3個のフッ素原子が導入されたエチレンのフッ化物、1〜5個のフッ素原子が導入されたプロペンのフッ化物、1〜7個のフッ素原子が導入されたブテンのフッ化物、1〜9個のフッ素原子が導入されたペンテンのフッ化物、1〜11個のフッ素原子が導入されたヘキセンのフッ化物、1〜5個のフッ素原子が導入されたシクロブテンのフッ化物、1〜7個のフッ素原子が導入されたシクロペンテンのフッ化物、1〜9個のフッ素原子が導入されたシクロヘキセンのフッ化物などが挙げられる。
これらの中では、フッ素原子が4個導入されたプロペンがより好ましく、HFO1234yfで代表される2,3,3,3−テトラフルオロプロペンが特に好ましい。
本発明においては、この不飽和フッ化炭化水素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、冷媒は、不飽和フッ化炭化水素化合物に加えて、他の化合物を必要に応じて含む混合冷媒であってもよく、例えば飽和フッ化炭化水素化合物を含んでもよい。
飽和フッ化炭化水素化合物としては、炭素数2〜4のアルカンのフッ化物が好ましく、エタンのフッ化物である1,1−ジフルオロエタン(R152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(R143)等のトリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R134)等のテフラフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)等のペンタフルオロエタンが挙げられる。これらの飽和フッ化炭化水素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の冷凍機潤滑油は、ポリオールエステル(A)を主成分として含有するものである。以下、ポリオールエステル(A)についてより詳細に説明する。
ポリオールエステル(A)は、炭素数9〜16の脂肪酸であり、炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上である脂肪酸(a1)と、ペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるポリオール(a2)とのポリオールエステルである。より具体的には、ポリオールエステル(A)は、上記脂肪酸(a1)が、炭素数9の脂肪酸のみからなるものであり、又は炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上であるとともに、その残分が炭素数10〜16の脂肪酸であるものである。
冷凍機潤滑油は、上記ポリオールエステル(A)を使用することで、不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含む冷媒に対する相溶性が良好になり、また、ゴム膨潤を抑制しやすくなる。また、相溶性をより向上させる観点から、脂肪酸(a1)が炭素数9の脂肪酸のみからなることが好ましく、相溶性及びゴム膨潤の抑制効果をバランス良く向上するためには、炭素数10〜16の脂肪酸を含むことが好ましい。
また、脂肪酸(a1)における炭素数10〜16の脂肪酸としては、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、ラウリル酸(n−ドデカン酸)、n−トリデカン酸、ミリスチン酸(n−テトラデカン酸)、n−ペンタデカン酸、パルミチン酸(n−ヘキサデカン酸)等の直鎖脂肪酸;ネオデカン酸等で代表される分岐状のデカン酸、分岐状のウンデカン酸、2−ブチルオクタン酸等で代表される分岐状のドデカン酸、分岐状のトリデカン酸、分岐状のテトラデカン酸、分岐状のペンタデカン酸、イソパルミチン酸等で代表される分岐状のヘキサデカン酸等の分岐脂肪酸が挙げられる。
炭素数10〜16の脂肪酸としては、上記した相溶性及びゴム膨潤の抑制効果を適切に向上させる観点から分岐脂肪酸が好ましい。なかでも上記した相溶性及びゴム膨潤の抑制効果をより発揮しやすい点からはネオデカン酸がより好ましい。また、相溶性及びゴム膨潤の抑制効果に加えて、粘度特性も良好にできる観点からは、2−ブチルオクタン酸、イソパルミチン酸等がより好ましく、これらの中では2−ブチルオクタン酸がさらに好ましい。
また、脂肪酸(a1)が炭素数13〜16の脂肪酸を含む場合、炭素数13〜16の脂肪酸は、脂肪酸(a1)全量に対して30モル%以下であることが好ましく、1〜25モル%であることがより好ましい。このように、比較的炭素数の大きい脂肪酸を使用する場合には、その使用量を抑えることで、ゴム膨潤を適切に抑制しつつ上記した相溶性を良好にしやすくなる。
さらに、脂肪酸(a1)が炭素数10〜12の脂肪酸を含む場合、炭素数10〜12の脂肪酸は、脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以下であればよいが、10〜40モル%程度であることが好ましい。
また、脂肪酸(a1)は、炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上であるとともに、その残分が炭素数10〜12の脂肪酸であることが好ましい。このように、脂肪酸(a1)に含有される炭素数10〜16の脂肪酸が、炭素数が比較的小さいものであると、相溶性、ゴム膨潤の抑制効果をバランス良く向上させることができる。
上記2種のポリオールのエステルの混合物である場合、ペンタエリスリトールのエステルは、モル基準で、ジペンタエリスリトールのエステルよりも多いことが好ましく、ジペンタエリスリトールのエステルに対するペンタエリスリトールのエステルのモル比(ペンタエリスリトール/ジペンタエリスリトール)は、95/5〜60/40であることがより好ましい。
なお、ポリオールエステル(A)は、ポリオールの全ての水酸基がエステル化されずに残った部分エステルであっても良く、全ての水酸基がエステル化された完全エステルであっても良く、また部分エステルと完全エステルの混合物であっても良いが、完全エステルであることが好ましい。
また、粘度指数は、粘度特性を良好にする観点から、特に限定されないが、40以上であることが好ましく、60以上であることがより好ましく、80以上であることが特に好ましい。粘度指数の上限は、特に限定されないが、通常、200以下程度となる。
また、ポリオールエステル(A)は、その分解を抑制して、冷凍機油組成物の安定性を高める観点から、酸価が0.1mgKOH/g以下であることが好ましく、0.05mgKOH/g以下であることがより好ましい。なお、酸価はJIS K 2501に規定される「潤滑油中和試験方法」に準拠し、指示薬法により測定するものある。
冷凍機潤滑油は、基油として上記ポリオールエステル(A)のみを含有していてもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオールエステル(A)以外の基油を含有していてもよい。ポリオールエステル(A)以外の基油としては、ポリオールエステル(A)以外のポリエステル類、ポリオキシアルキレングリコール類、ポリビニルエーテル類、ポリ(オキシ)アルキレングリコール又はそのモノエーテルとポリビニルエーテルとの共重合体、ポリカーボネート類、α−オレフィンオリゴマーの水素化物、さらには鉱油、脂環式炭化水素化合物、アルキル化芳香族炭化水素化合物などを挙げることができる。
ポリオールエステル(A)以外のポリエステル類としては、2〜20価の多価アルコール、好ましくは2〜10価の多価アルコールと、脂肪酸とのポリオールエステルが挙げられる。
本発明の冷凍機潤滑油は、基油以外にも、極圧剤、油性剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、消泡剤などの中から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有してもよい。
極圧剤としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル及びこれらのアミン塩などのリン系極圧剤を挙げることができる。
これらのリン系極圧剤の中で、極圧性、摩擦特性などの点からトリクレジルホスフェート、トリチオフェニルホスフェート、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイトなどが特に好ましい。
一方、金属塩を構成する金属としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましく、特に、アルカリ金属が最適である。
さらに、上記以外の極圧剤として、例えば、硫化油脂、硫化脂肪酸、硫化エステル、チオカーバメート類、チオテルペン類、ジアルキルチオジプロピオネート類などの硫黄系極圧剤を挙げることができる。
上記極圧剤の配合量は、潤滑性及び安定性の点から、冷凍機潤滑油全量に基づき、通常0.001〜5質量%、特に0.005〜3質量%が好ましい。
極圧剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、冷凍機潤滑油全量に基づき、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で選定される。
このアルキルグリシジルエーテルのアルキル基、及びアルキレングリコールグリシジルエーテルのアルキレン基は、分岐を有していてもよく、炭素数は通常3〜30、好ましくは4〜24、特に6〜16のものである。また、α−オレフィンオキシドは全炭素数が一般に4〜50、好ましくは4〜24、特に6〜16のものを使用する。本発明においては、上記酸捕捉剤は1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、効果及びスラッジ発生の抑制の点から、冷凍機潤滑油全量に対して、通常0.005〜5質量%、特に0.05〜3質量%が好ましい。
本発明においては、この酸捕捉剤を配合することにより、冷凍機油組成物の安定性を向上させることができる。また、前記極圧剤及び酸化防止剤を併用することにより、さらに安定性を向上させる効果が発揮される。
消泡剤としては、例えば、シリコーン油やフッ素化シリコーン油などを挙げることができる。
本発明の冷凍機潤滑油には、さらに本発明の目的を阻害しない範囲で、他の公知の各種添加剤を配合することができる。
質量比が上記範囲であることで、冷凍能力及び潤滑性能をバランスよく良好にすることができる。
本発明の潤滑方法は、上記冷媒を使用する冷凍機において、上記の冷凍機潤滑油を使用する潤滑方法である。
冷凍機は、上記冷媒と冷媒に混合される冷凍機潤滑油を備え、冷凍機を構成するいずれかの装置に、冷凍機用混合組成物又は冷凍機潤滑油に接触するゴム部材が設けられるものである。このゴム部材には冷凍機用混合組成物や冷凍機潤滑油が接触するが、本発明の冷凍機潤滑油はゴムに対する膨潤を抑制できるものである。したがって、本発明の冷凍機は、ゴム膨潤に起因する冷凍機潤滑油漏れや冷媒漏れを抑止することができる。
また、本発明の冷凍機は、少なくとも圧縮機を備える圧縮型冷凍機であり、上記したゴム部材は、圧縮機に設けられるゴム部材であることが好ましい。
上記冷凍機が適用される各システムにおいて、システム系内の水分含有量は300質量ppm以下であるとともに、残存空気分圧が10kPa以下であることが好ましい。また、水分含有量は、200質量ppm以下であることがより好ましく、残存空気分圧は5kPa以下であることがより好ましい。
なお、本発明における各物性の評価は、以下の方法で行った。
[評価方法]
(1)40℃動粘度、100℃動粘度
JIS K2283に準じ、ガラス製毛管式粘度計を用いて測定した。
(2)粘度指数
粘度指数は、JIS K 2283に準拠して算出した。
(3)相溶性試験
二層分離温度測定管(内容積10mL)に、冷凍機潤滑油と冷媒とを充填し、恒温槽内に保持した。恒温槽の温度を室温(25℃)より、温度を1℃/minの割合で80℃まで上げ、高温側の二層分離温度を測定した。なお、80℃まで二層分離しなかったものは、表において“80<”と示し、冷媒と冷凍機潤滑油が相溶しなかったものは“不溶”と示す。
また、恒温槽の温度を室温(25℃)より、温度を1℃/minの割合で−50℃まで下げ、低温側の二層分離温度を測定した。なお、−50℃まで二層分離しなかったものは、表において“−50>”と示し、冷媒と冷凍機潤滑油が相溶しなかったものは“不溶”と示す。
なお、相溶性試験は、各冷凍機用混合組成物全量に対する、冷媒の割合が、5質量%、10質量%、15質量%、20質量%、30質量%である場合それぞれについて実施した。
(4)ゴム適合性試験
オートクレーブ試験にて、10mm×10mm、厚さ2mmのゴムサンプルを冷凍機用混合組成物に浸漬して、冷凍機用混合組成物のゴム膨潤性を評価した。本試験では、冷凍機潤滑油と冷媒の質量比が20:8.5である冷凍機用混合組成物を使用した。
ゴムサンプル:HNBR、CR、EPDM
試験温度 :175℃、試験時間:24時間
評価項目 :重量変化率(%)、体積変化率(%)
表1に示すカルボン酸と、多価アルコールのポリオールエステルを冷凍機潤滑油とした。また、冷媒にR1234yfを使用して、冷凍機潤滑油と冷媒からなる冷凍機用混合組成物を作製し、相溶性試験、ゴム適合性試験を実施した。さらに、ポリオールエステル(冷凍機潤滑油)の動粘度、粘度指数についても測定した。結果を表2に示す。
nC6 :n−ヘキサン酸
nC7 :n−ヘプタン酸
分岐C8 :2−エチルヘキサン酸
分岐C9 :3,5,5−トリメチルヘキサン酸
neoC10:ネオデカン酸
分岐C12 :2−ブチルオクタン酸
分岐C16 :イソパルミチン酸
C18T :リノール酸
C18’ :オレイン酸
分岐C18 :イソステアリン酸
分岐C24 :イソテトラコサン酸
C24 :テトラコサン酸
PE :ペンタエリスリトール
DPE :ジペンタエリスリトール
一方で、各比較例で示すように、脂肪酸(a1)として炭素数8以下の脂肪酸、又は炭素数17以上の脂肪酸を使用すると、相溶性が低下し、また、ゴム膨潤を十分に抑制できず、不飽和フッ化炭化水素冷媒用の冷凍機潤滑油として十分な性能を発揮することができなかった。
Claims (15)
- 下記の分子式(1)
CpFrHs・・・(1)
[式中、pは2〜6、rは1〜11、sは1〜11の整数であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含む冷媒と、
炭素数9〜16の脂肪酸であって炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上である脂肪酸(a1)と、ペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるポリオール(a2)とのポリオールエステル(A)を主成分として含有する冷凍機潤滑油と
を含む冷凍機用混合組成物。 - 前記不飽和フッ化炭化水素化合物が、プロペンのフッ化物である請求項1に記載の冷凍機用混合組成物。
- 前記プロペンのフッ化物が、ペンタフルオロプロペンの各種異性体、3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、及び2,3,3,3−テトラフルオロプロペンから選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の冷凍機用混合組成物。
- 前記冷媒が、前記不飽和フッ化炭化水素化合物のみからなる請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
- 前記脂肪酸(a1)が、炭素数9の脂肪酸のみからなる請求項1〜4のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
- 前記脂肪酸(a1)が、炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上であるとともに、その残分が炭素数10〜12の脂肪酸である請求項1〜4のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
- 前記炭素数9〜16の脂肪酸が、分岐脂肪酸を含む請求項1〜6のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
- 水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)、シリコーンゴム、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ウレタンゴム(U)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、及びフッ素ゴム(FKM)のいずれかから選択されるゴム部材が設けられた冷凍機に使用される請求項1〜7のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
- 冷凍機潤滑油が、極圧剤、油性剤、酸化防止剤、酸捕捉剤及び消泡剤の中から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含む請求項1〜8のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
- 前記冷媒が、さらに飽和フッ化炭化水素化合物を含み、前記飽和フッ化炭化水素化合物が1,1−ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン及びペンタフルオロエタンの中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3、及び5〜9のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
- カーエアコン、ガスヒートポンプ、空調、冷蔵庫、自動販売機、ショーケース、給湯機、床暖房から選択される冷凍機システム、給湯システム、又は暖房システムに用いられる請求項1〜10のいずれかに記載の冷凍機用混合組成物。
- システム内の水分含有量が300質量ppm以下で、残存空気分圧が10kPa以下である請求項11に記載の冷凍機用混合組成物。
- 下記の分子式(1)
CpFrHs・・・(1)
[式中、pは2〜6、rは1〜11、sは1〜11の整数であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含む冷媒に使用される冷凍機潤滑油であって、
炭素数9〜16の脂肪酸であって炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上である脂肪酸(a1)と、ペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるポリオール(a2)とのポリオールエステル(A)を主成分として含有する冷凍機潤滑油。 - 下記の分子式(1)
CpFrHs・・・(1)
[式中、pは2〜6、rは1〜11、sは1〜11の整数であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含む冷媒を使用する冷凍機において、
炭素数9〜16の脂肪酸であって炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上である脂肪酸(a1)と、ペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるポリオール(a2)とのポリオールエステル(A)を主成分として含有する冷凍機潤滑油を使用する潤滑方法。 - 下記の分子式(1)
CpFrHs・・・(1)
[式中、pは2〜6、rは1〜11、sは1〜11の整数であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。]
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の不飽和フッ化炭化水素化合物を主成分として含む冷媒と、
炭素数9〜16の脂肪酸であって炭素数9の脂肪酸が脂肪酸(a1)全量に対して50モル%以上である脂肪酸(a1)と、ペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるポリオール(a2)とのポリオールエステル(A)を主成分として含有する冷凍機潤滑油とを備える冷凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019130526A JP6849746B2 (ja) | 2019-07-12 | 2019-07-12 | 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019130526A JP6849746B2 (ja) | 2019-07-12 | 2019-07-12 | 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015070111A Division JP6575009B2 (ja) | 2015-03-30 | 2015-03-30 | 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019203138A true JP2019203138A (ja) | 2019-11-28 |
JP6849746B2 JP6849746B2 (ja) | 2021-03-31 |
Family
ID=68726224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019130526A Active JP6849746B2 (ja) | 2019-07-12 | 2019-07-12 | 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6849746B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009074021A (ja) * | 2007-03-06 | 2009-04-09 | Nippon Oil Corp | 冷凍機油および冷凍機用作動流体組成物 |
JP2011190319A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Jx Nippon Oil & Energy Corp | 冷凍機用作動流体組成物 |
JP2012031239A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Hitachi Appliances Inc | 冷凍空調用圧縮機及び冷凍空調装置 |
WO2013062058A1 (ja) * | 2011-10-26 | 2013-05-02 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 冷凍機用作動流体組成物及び冷凍機油 |
WO2013115296A1 (ja) * | 2012-02-01 | 2013-08-08 | Khネオケム株式会社 | 混合エステル |
JP2014194030A (ja) * | 2008-09-09 | 2014-10-09 | Jx Nippon Oil & Energy Corp | 冷媒2,3,3,3‐テトラフルオロ‐1‐プロペン用冷凍機油 |
-
2019
- 2019-07-12 JP JP2019130526A patent/JP6849746B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009074021A (ja) * | 2007-03-06 | 2009-04-09 | Nippon Oil Corp | 冷凍機油および冷凍機用作動流体組成物 |
JP2014194030A (ja) * | 2008-09-09 | 2014-10-09 | Jx Nippon Oil & Energy Corp | 冷媒2,3,3,3‐テトラフルオロ‐1‐プロペン用冷凍機油 |
JP2011190319A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Jx Nippon Oil & Energy Corp | 冷凍機用作動流体組成物 |
JP2012031239A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Hitachi Appliances Inc | 冷凍空調用圧縮機及び冷凍空調装置 |
WO2013062058A1 (ja) * | 2011-10-26 | 2013-05-02 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 冷凍機用作動流体組成物及び冷凍機油 |
WO2013115296A1 (ja) * | 2012-02-01 | 2013-08-08 | Khネオケム株式会社 | 混合エステル |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6849746B2 (ja) | 2021-03-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6575009B2 (ja) | 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 | |
JP5226242B2 (ja) | 冷凍機用潤滑油組成物 | |
JP5466502B2 (ja) | 冷凍機用潤滑油組成物及びこれを用いた圧縮機 | |
KR101874780B1 (ko) | 냉동기용 작동 유체 조성물 | |
JP5241261B2 (ja) | 冷凍機用潤滑油組成物 | |
KR101874783B1 (ko) | 냉동기용 작동 유체 조성물 | |
JP6624486B2 (ja) | 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 | |
JP6631621B2 (ja) | 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 | |
JP6631622B2 (ja) | 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 | |
JP6849746B2 (ja) | 冷凍機潤滑油及び冷凍機用混合組成物 | |
WO2017065134A1 (ja) | 冷凍機油、冷凍機用組成物、及び冷凍機 | |
JP6763511B2 (ja) | 冷凍機用潤滑油組成物、冷凍機用組成物、潤滑方法及び冷凍機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190809 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190809 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200714 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20200907 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201009 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201110 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210202 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210304 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6849746 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |