JP2019203069A - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に、優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐指紋性を有する硬化物を与えることができる活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。【解決手段】下記式(1)(式(1)中、Rfはフルオロポリエーテル構造を有する一価又は二価の基であり、Q1はSi原子を有する(a+b)価の基であり、Q2は互いに独立に炭素数1〜20の二価炭化水素基であり、Xはエーテル結合を有する基である。また、Rfが一価の基のときにはa’は1であり、aは1〜6の整数である。Rfが二価の基のときにはa’は2であり、aは1である。bは1〜20の整数である。a+bは3〜21の整数である。)で表される含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物(A)と光重合開始剤(B)とを含む活性エネルギー線硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物に関する。詳細には、光カチオン硬化性樹脂を含有する活性エネルギー線硬化性組成物、特には、光カチオン型ハードコート剤としての用途にも適用可能であり、紫外線硬化型防汚表面付与剤として有用である活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
ハードコート剤(あるいはハードコートとしての役割を有する塗料)は、プラスチック樹脂に代表される各種物品の表面に塗工され硬化されることで、物品の表面を保護し、物品の表面に新たな機能を付与することができる素材として非常に幅広い用途で用いられている。
これらハードコート剤には、その用途の広がりに応じて、従来求められてきた硬度、耐摩耗性、耐薬品性、及び耐久性等に加え、撥水撥油性、防汚性、耐指紋性、耐候性、すべり性、帯電防止性、防曇性、難焦性、及び反射防止性等の更なる高機能が求められている。特に、近年では汚れ防止性、及び汚れ拭き取り性の向上が要求されている。
活性エネルギー線硬化型のハードコート剤には、紫外線・電子線硬化型ハードコート剤と熱硬化型ハードコート剤がある。紫外線・電子線硬化型ハードコート剤として、例えば、紫外線によりラジカル重合で硬化するアクリル基含有ハードコート剤が挙げられる。近年、紫外線硬化型ハードコート剤にごく少量添加することで、添加前のハードコート剤が有していた特性に加え、得られる硬化表面に撥水撥油性及び防汚性、耐指紋性などを付与することが出来る含フッ素化合物が検討されている。
本発明者は、特許文献1〜4にて、紫外線または電子線硬化型ハードコート剤用の添加剤として好適に使用でき、得られる硬化物に良好な撥水撥油性及び防汚性、耐指紋性を付与し得る含フッ素化合物を提案している。
特開2010−053114号公報 特開2010−138112号公報 特開2010−285501号公報 特開2011−241190号公報
上記のような目的に用いられるラジカル重合で硬化する紫外線(UV)硬化型アクリルハードコート剤は、硬化が速く、また成分として使用できるアクリル化合物や開始剤の種類が豊富で目的に合わせた組成を調整しやすいという利点がある。一方で、酸素により硬化阻害の影響を受ける、硬化収縮が大きい等のアクリル基のラジカル重合の特性に起因する本質的な問題点が存在する。
特に酸素による硬化阻害はハードコート組成物による塗膜の空気界面すなわち最表面に近い側ほど影響を受けやすく、最表面に防汚特性の付与においては大きな障害となる。またアクリル基の重合による硬化収縮は、硬度上昇のため多官能化した際に硬化収縮に伴いカール、亀裂の発生等の影響が大きく出やすく、近年のハードコート剤に対する高硬度化要求のさらなる高まりに対してはアクリル重合型では対応が難しくなってきている。
一方、エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基など持つ化合物による紫外線硬化型のカチオン重合系ハードコート剤では、酸素による重合阻害がないため表面硬化性に優れ、硬化時の体積収縮もアクリル型(ラジカル重合型)に比べて小さいという大きな特徴を持つ。
このため近年UVカチオン硬化型のハードコート剤の開発が大きく進んでおり、カチオン硬化系ハードコート剤においても防汚特性の付与を行う要求が高まっていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、表面に優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐指紋性を有する硬化物を与えることができる、光カチオン型ハードコート剤としての用途にも適用可能であり、紫外線硬化型防汚表面付与剤として有用である活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表される特定の含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物(A)と光重合開始剤(B)を含む活性エネルギー線硬化性組成物(光カチオン重合型組成物)の硬化物は、表面に優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐指紋性を有することができることを見出し、本発明に至った。
Figure 2019203069
(Rf、Q1、Q2、X、a、a’、b及びa+bは下記の通りである。)
即ち、本発明は下記の活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
[1]
下記一般式(1)
Figure 2019203069

(式(1)中、Rfは互いに独立にフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量400〜40,000の一価又は二価の基であって、Rfが一価の基のとき、下記式
Figure 2019203069
(上記式中、jは1〜3の整数であり、kは0〜200の整数であり、k’は1〜200の整数であり、l、mはそれぞれ1〜100の整数である。)
で表され、
Rfが二価の基のとき、下記式
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)、
Figure 2019203069
(式中、jは独立に1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、h+iは2〜300である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)、
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)、又は
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)
で表される。
Rfが一価の基のときにはa’は1であり、aは1〜6の整数である。Rfが二価の基のときにはa’は2であり、aは1であり、bは1〜20の整数であり、a+bは3〜21の整数である。
1は、互いに独立に、少なくとも(a+b)個のSi原子を有する(a+b)価の基であり、下記式
Figure 2019203069
(式中、a及びbは前記の通りであり、破線は結合手を示し、a個の繰り返しを有する括弧内に示される単位の各ケイ素原子は前記式(1)中のRfと結合し、b個の繰り返しを有する括弧内に示される単位の各ケイ素原子は前記式(1)中のQ2と結合し、括弧内に示される単位の並びはランダムであってよい。)
で表される。
2は、互いに独立にエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよく、環状構造を有していてもよい炭素数1〜20の二価炭化水素基である。
Xは、互いに独立に、下記式(I)又は(II)
Figure 2019203069
(式(I)中、R1は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよく、環状構造を有していてもよい。)
Figure 2019203069
(式(II)中、R2は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基である。)
で表される基である。)
で表される含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物(A)と、
光重合開始剤(B)とを含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、表面の水接触角が100°以上である硬化物を与えるものである活性エネルギー線硬化性組成物。
[2]
前記式(1)において、−Q2−Xで表される構造が下記式(2)〜(5)で示される基から選ばれるものである[1]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
Figure 2019203069
(上記式中、fは1〜10の整数であり、eは0〜5の整数であり、gは0〜10の整数であり、f+2g+eは1〜20の範囲にあり、nは1〜20の整数である。R2は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基である。)。
[3]
前記式(1)において、Q2が互いに独立に下記式で示される基より選ばれるものである[1]又は[2]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2OCH2CH2OCH2−、又は
−CH2CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2
[4]
前記式(1)において、−Q2−Xで表される構造が下記式
Figure 2019203069
である[2]又は[3]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[5]
光重合開始剤(B)が、光酸発生剤である[1]〜[4]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[6]
光重合開始剤(B)がジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩のいずれかである[1]〜[5]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[7]
カチオン硬化性を有する化合物が(A)成分のみの場合、(A)成分100質量部に対して(B)成分を0.01〜20質量部含むものである[1]〜[6]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[8]
更に、(A)成分以外の1種類以上のカチオン硬化性を有する化合物からなる(C)成分を含有し、(A)成分と(C)成分の合計100質量部に対して(B)成分を0.01〜20質量部含むものである[1]〜[6]のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[9]
(C)成分が1分子中に1つ以上のエポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基、カルボニル基のいずれかを有する化合物、脂肪族不飽和炭化水素化合物、スチレン誘導体、ビシクロオルトエステル、スピロオルトカーボネート、スピロオルトエステル又はカチオン重合性窒素含有化合物である[8]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
[10]
(C)成分100質量部に対し、(A)成分が0.01〜10質量部含まれ、硬化後の硬化物表面の水接触角が100°以上である[8]又は[9]に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は硬化物の表面に、優れた撥水撥油性、防汚性、及び耐指紋性を付与することができる。従って該活性エネルギー線硬化性組成物は、光カチオン型ハードコート剤としての用途にも適用可能であり、光カチオン重合反応により硬化可能な紫外線硬化型防汚表面付与剤として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物は、以下に示す含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物(A)と、光重合開始剤(B)とを含むことを特徴とするものである。
本発明の第一の成分である含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物(A)は下記一般式(1)で表されるカチオン硬化性化合物である。
Figure 2019203069
(式(1)中、Rfは互いに独立にフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量400〜40,000の一価又は二価の後述する特定の基であり、Q1は互いに独立に、少なくとも(a+b)個のSi原子を有する(a+b)価の後述する特定の基であり、Q2は互いに独立にエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよく、環状構造を有していてもよい炭素数1〜20の二価炭化水素基であり、Xは後述する式(I)又は(II)で示される基である。また、Rfが一価の基のときにはa’は1であり、aは1〜6の整数である。Rfが二価の基のときにはa’は2であり、aは1であり、bは1〜20の整数であり、a+bは3〜21の整数である。)
式(1)中、Xは、互いに独立に、下記式(I)又は(II)で示される基である。
Figure 2019203069
式(I)中、R1は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよく、環状構造を有していてもよい。上記一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基などが挙げられる。また、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したフロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基であってもよい。
好ましくは、R1は水素原子である。
Figure 2019203069
式(II)中、R2は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基である。上記一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基などが挙げられる。また、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したフロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基であってもよい。好ましくは、R2は水素原子又はメチル基である。
上記式(I)又は(II)で表される構造は、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2019203069
(式中、R2は上記の通りである。)
上記式(1)中、Q2は互いに独立に炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜15の二価炭化水素基であり、環状構造をなしていてもよく、途中エーテル結合(−O−)又はエステル結合(−COO−)を含んでいてもよい。
上記式(1)において、Q2は、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2019203069
(上記式中、fは1〜10の整数であり、eは0〜5の整数であり、gは0〜10の整数であり、f+2g+eは1〜20の範囲にある。好ましくは、fは1〜6の整数であり、eは1又は2であり、gは0〜4の整数であり、f+2g+eは3〜10の範囲にある。nは1〜20の整数、好ましくは2〜15の整数である。)
該Q2としては、例えば下記構造のものが挙げられる。
−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2OCH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2
上記式(1)において、−Q2−Xで表される構造としては、例えば下記式(2)〜(5)で表される構造が挙げられる。
Figure 2019203069
上記式中、f、e、g、f+2g+e、nは上記の通りである。R2は上記の通りであり、好ましくは水素原子又はメチル基である。
上記式(1)において、−Q2−Xで表される構造が下記式
Figure 2019203069
であることが特に好ましい。
上記式(1)中、Q1は互いに独立に少なくとも(a+b)個のSi原子を有する(a+b)価の基である。
上記式(1)においてRfが一価のときにはa’は1であり、aは1〜6の整数、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1である。Rfが二価のときにはa’は2であり、aは1である。bは1〜20の整数であり、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは2〜4の整数である。更には、a+bは3〜21の整数であり、a+b=3〜10の整数が好ましく、a+b=3〜6の整数がより好ましく、a+b=4又は5が更に好ましい。
上記Q1は、以下の式で表される(a+b)価の環状シロキサン構造を有する。
Figure 2019203069
上記式中、a及びbは前記の通りであり、破線は結合手を示し、a個の繰り返しを有する括弧内に示される単位の各ケイ素原子は前記式(1)中のRfと結合し、b個の繰り返しを有する括弧内に示される単位の各ケイ素原子は前記式(1)中のQ2と結合する。括弧内に示される各単位の並びはランダムであってよい。
上記式(1)中、Rfは互いに独立にフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量400〜40,000の一価又は二価の基である。Rfの数平均分子量は好ましくは500〜20,000の範囲である。本発明において数平均分子量は、1H−NMR及び19F−NMRに基づく末端構造と主鎖構造との比率から算出される値である。
一価の基であるRfは、下記式で表されるものである。
Figure 2019203069
(上記式中、jは1〜3の整数であり、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数であり、k’は1〜200の整数、好ましくは1〜60の整数であり、l、mはそれぞれ1〜100の整数である。)
中でも以下の式で表されるものが好ましい。
Figure 2019203069
(上記式中、jは1〜3の整数であり、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数であり、l、mはそれぞれ1〜100の整数である。)
二価の基であるRfは、下記式で表されるものである。
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、jは独立に1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、h+iは2〜300である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)
中でも特に以下の式で表されるものが望ましい。
Figure 2019203069
(式中、jは1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、h+iは2〜300である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
上記一般式(1)で示される化合物(含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物)は、例えば、次のような方法で製造することができる。
まず初めに、末端にオレフィン基を有する含フッ素化合物(a)に対して、分子中に2個以上、好ましくは3個以上のSiH基を有する有機ケイ素化合物(b)(シロキサン又はその2種以上の組合せからなる有機ケイ素化合物)を、SiH基が過剰となる条件下で付加反応させる。この反応により、複数のSiH基を有する含フッ素化合物(c)を合成する。
化合物(a)は、特には下記式(6)で表すことができる。
Rf0−(CH=CH2x (6)
(上記式(6)において、xは、Rf0が一価のときに1であり、二価のときに2である。)
Rf0は下記式(7)で表される一価の基又は下記式(8)で表される二価の基である。
Rf2−Q6− (7)
−Q6−Rf1−Q6− (8)
上記式(7)中、Rf2は下記式
Figure 2019203069
(上記式中、jは1〜3の整数であり、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数であり、k’は1〜200の整数、好ましくは1〜60の整数であり、l、mはそれぞれ1〜100の整数である。)
で表される。
また、上記式(8)中、Rf1は下記式
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)、
Figure 2019203069
(式中、jは1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、h+iは2〜300である。)
で表される。
また、上記式(7)及び(8)中、Q6は互いに独立に酸素原子、窒素原子又はケイ素原子を含んでいてもよい、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2の二価の有機基である。
上記Q6としては下記の式で表されるものが挙げられる。
Figure 2019203069
一価のRf0である化合物(a)としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2019203069
(式中、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、jは1〜3の整数であり、k’は1〜200の整数、好ましくは1〜60の整数である。)
Figure 2019203069
(上記式中、jは1〜3の整数であり、l、mはそれぞれ1〜100の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数である。)
二価のRf0である化合物(a)としては、例えば下記のものが挙げられる。
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数であり、但し、k+tは2〜200、好ましくは3〜150である。sは0〜6の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、jは独立に1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは2〜100の整数であり、但し、h+iは2〜300、好ましくは4〜200である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数であり、但し、k+tは2〜200、好ましくは3〜150である。sは0〜6の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数であり、但し、k+tは2〜200、好ましくは3〜150である。sは0〜6の整数である。)
化合物(b)は、特には下記式(9)で表すことができる。
1−(H)a+b (9)
(式(9)中、Q1、a、及びbは上述の通りである。括弧内に示されたHはQ1構造中のSi原子に直接結合した水素原子である。)
該化合物(b)としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 2019203069
(上記式中、a、bは上述の通りである。)
特には、以下のものが好ましい。
Figure 2019203069
化合物(a)におけるRf0が一価の基である場合、化合物(b)が1分子中に有するSiH基の個数(a+b)個に対して、化合物(a)が有するオレフィン基の個数が(a+b)個未満、好ましくはa個となる量で反応させるのがよい。得られる化合物(c)の構造は下記式(10)で表すことができる。
(Rf0−C24a−Q1−(H)b (10)
(上記式中、Rf0、Q1、a及びbは上述の通りである。)
式(10)で表される化合物(c)としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 2019203069
(式中、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数である。)
化合物(a)におけるRf0が二価の基である場合、化合物(a):化合物(b)=1:2のモル比で反応させることが望ましく、得られる化合物(c)の構造は、例えば下記式(11)で表すことができる。即ち、化合物(a)の両末端に1分子ずつの化合物(b)が導入された構造となる。
Figure 2019203069
(上記式中、Q1、Rf0及びbは上述した通りである。括弧内に示されたHは、Q1構造中のSi原子に直接結合する水素原子である。)
式(11)で表される化合物(c)としては、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 2019203069
(式中、jは独立に1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは2〜100の整数であり、但し、h+iは2〜300、好ましくは4〜200である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
上記付加反応は、無溶剤下で行うことができるが、必要に応じて溶剤存在下で行っても良い。該溶剤は、トルエン、キシレン、イソオクタンなど広く一般に用いられている有機溶剤を使用すればよい。但し、沸点が目的とする反応温度以上であり、かつ反応を阻害せず、反応後に生成する含フッ素化合物(c)が反応温度において可溶であることが好ましい。例えば、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等のフッ素変性芳香族炭化水素系溶剤、メチルパーフルオロブチルエーテル等のフッ素変性エーテル系溶剤等の部分フッ素変性された溶剤が望ましく、特に、m−キシレンヘキサフロライドが好ましい。
付加反応触媒は、従来公知のものを使用すればよい。例えば、白金、ロジウム又はパラジウムを含む化合物を使用することができる。中でも白金を含む化合物が好ましく、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物、白金カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド/オクタノール錯体、あるいは活性炭に担持された白金を用いることができる。触媒の配合量は有効量であればよい。特には、化合物(a)に対し、含まれる金属量が0.1〜5,000質量ppm、より好ましくは1〜1,000質量ppmとなる量であるのがよい。
付加反応において、各成分の仕込み順序は特に制限されるものでない。例えば、化合物(a)、化合物(b)及び触媒の混合物を室温から徐々に付加反応温度まで加熱する方法、化合物(a)、化合物(b)及び希釈溶媒の混合物を目的とする反応温度にまで加熱した後に触媒を添加する方法、目的とする反応温度まで加熱した化合物(b)と触媒の混合物に化合物(a)を滴下する方法、目的とする反応温度まで加熱した化合物(b)に化合物(a)と触媒の混合物を滴下する方法が挙げられる。中でも、化合物(a)、化合物(b)及び希釈溶媒の混合物を目的とする反応温度にまで加熱した後に触媒を添加する方法、あるいは、目的とする反応温度まで加熱した化合物(b)に化合物(a)と触媒の混合物を滴下する方法が特に好ましい。上記付加反応条件は、従来公知の方法に従えばよい。特には、乾燥雰囲気下で、空気あるいは不活性ガス(N2、Ar等)中、反応温度50〜150℃、好ましくは70〜120℃で、0.5〜96時間、好ましくは1〜48時間行うことが望ましい。
化合物(a)の配合量は、(a+b)個のSiH基を有する化合物(b)1分子に対して、化合物(a)が有するオレフィン基の個数が(a+b)個未満、好ましくはa個となる量であるのがよい。特には、化合物(a)におけるRf0が二価の基である場合は、化合物(a):化合物(b)=1:2のモル比で反応させることが望ましい。特には、三次元架橋を防ぐため、化合物(a)の末端オレフィン基に対し、化合物(b)を過剰量用いて付加反応を行った後に、未反応の化合物(b)を減圧留去等により除去することが望ましい。
次いで、上記で得られる含フッ素化合物(c)のSiH基と、一分子中に末端オレフィン基とエポキシ基を有する化合物(d)との付加反応を行うことで、上記式(1)で示される含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物を得ることができる。
化合物(d)は、例えば下記式(2a)〜(5a)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019203069
上記式中、f’は0〜8の整数であり、eは0〜5の整数であり、gは0〜10の整数であり、f’+2g+eは2〜18の範囲にある。好ましくは、fは0〜6の整数であり、eは1又は2であり、gは0〜4の整数であり、f’+2g+eは2〜8の範囲にある。n’は0〜18の整数、好ましくは0〜13の整数である。R2は上記の通りであり、好ましくは水素原子又はメチル基である。
化合物(d)としては、以下のものが例示される。該化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2019203069
化合物(c)と化合物(d)の付加反応は、従来公知の方法に従えばよい。好ましくは、上述した付加反応触媒存在下、乾燥雰囲気下で、空気あるいは不活性ガス(N2、Ar等)中、反応温度50〜150℃、好ましくは50〜120℃で0.5〜96時間、好ましくは1〜48時間で行えばよい。該反応は、必要に応じて溶媒を使用してもよい。
化合物(c)に対する、化合物(d)の配合量は、任意の値を用いることができるが、化合物(c)が有するSiH基の個数に対して、化合物(d)が有する末端オレフィン基の個数が等しい、もしくは末端オレフィン基の個数が過剰となる量を用いて行い、付加反応を行った後に、未反応の化合物(d)を減圧留去等により除去することが望ましい。特には、化合物(c)が有するSiH基1個に対する、化合物(d)が有する末端オレフィン基の個数の比が1.0〜5.0、好ましくは1.0〜2.0となる量で反応を行うことが望ましい。
上記一般式(1)で示される化合物(A)として特に好ましくは、下記に示す化合物を挙げることができる。
Figure 2019203069
(式中、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、kは0〜200の整数、好ましくは0〜100の整数である。)
Figure 2019203069
(式中、jは独立に1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは2〜100の整数であり、但し、h+iは2〜300、好ましくは4〜200である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
Figure 2019203069
(式中、jは独立に1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは2〜100の整数であり、但し、h+iは2〜300、好ましくは4〜200である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
Figure 2019203069
(式中、jは独立に1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数、好ましくは2〜100の整数であり、但し、h+iは2〜300、好ましくは4〜200である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
これら化合物(A)は単独の種類でも、異なる化合物(A)を複数の種類を混合して用いてもよい。
本発明は上述した化合物(A)と、少なくとも1種の光重合開始剤(B)とを含有する活性エネルギー線硬化性組成物である。光重合開始剤(B)は、光(特には紫外線)により化合物(A)のエポキシ基の重合を開始出来る化合物であれば特に制限されるものではないが、特に光酸発性剤、一般に広く用いられているものとしては光分解する各種オニウム塩を挙げることができる。
このような例としては、カウンターアニオンとしてSbF6 -、AsF6 -、BF4 -、B(C654 -、PF6 -、(Rf'''')xPF6-x -(式中、Rf''''は互いに独立して、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基であり、かつそれぞれの基の炭素原子に結合した水素原子をフッ素原子で80mol%以上置換した基であり、xは1〜5の整数である。)等を有するアリルジアゾニウム塩(ジアゾニウム塩)、ジアリルヨードニウム塩(ヨードニウム塩)、トリアリルスルホニウム塩(スルホニウム塩)などを挙げることができるが、毒性の観点から、特にホウ素、リン系のカウンターアニオンを有するオニウム塩が望ましい。
光重合開始剤(B)としては上記に示した例を含め、各種化合物及びそれらの混合物が多く市販されている。具体的な商品名としてはサンアプロ株式会社「CPIシリーズ」(例えば、CPI−100P、CPI−101A8、CPI−200K、CPI−210S、CPI−310B、CPI−400PG)、株式会社ADEKA「アデカオプトマーSPシリーズ」(例えば、SP150、SP152、SP170、アデカオSP172)、三新化学製「サンエイドSIシリーズ」(例えば、SI−60L、SI−80L、SI−100L)、富士フイルム和光純薬工業株式会社「光WPIシリーズ」(例えば、PI−169、WPI−170、WPI−124、WPI−116、WPI−113)、BASF社「IRGACURE 250、IRGACURE 270、IRGACURE 290」等を示すことができ、これらを単体及び複数混合して使用することもできる。また近年、光カチオン発生と熱カチオン発生の機能を併せ持つ重合開始剤も市販されており、こうしたものを使用することもできる。例えばサンアプロ株式会社のTA−100を挙げることができる。
本発明においては(A)成分と(B)成分との他に、更に、(A)成分以外の1種類以上のカチオン硬化性を有する化合物からなる(C)成分を含むこともできる。
カチオン硬化性を有する化合物としては1分子中に1つ以上のエポキシ基、オキセタン基等の環状エーテルを有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、イソブテン(IB)などの脂肪族不飽和炭化水素化合物、スチレン誘導体、ラクトンや環状カーボナート等のカルボニル基を有する化合物、ビシクロオルトエステル、スピロオルトカーボネート、スピロオルトエステル、N−ビニルカルバゾールなどのカチオン重合性窒素含有有化合物(モノマー)を挙げることができる。
これらのうち、エポキシ基を有する化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドが含まれる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香環を有する1価又は多価のフェノール誘導体例えばフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、フェノールノボラックのグリシジルエーテル等が挙げられる。またこれらのグリシジルエーテルの構造の一部に、アルキルエーテル、エステル構造を導入した化合物も使用できる
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセン環、シクロペンテン環を有する化合物をエポキシ化して得られる化合物であり、その構造の一部に、アルキルエーテルやアルキルエーテルオリゴマー、エステル構造、ε−カプロラクトンオリゴマーを構造中に導入した化合物も使用できる。具体的にはビニルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、リモネンジオキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジエポキシド1,4−シクロヘキサンジメタノールビス(3,4−エポキシシクロカルボキシレート)などを挙げることができる
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコール又はこのアルキレンオキシド付加体のポリグリシジルエーテル(1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等)、脂肪族多塩基酸のポリグリシジルエステル(ジグリシジルテトラヒドロフタレート等)、長鎖不飽和化合物のエポキシ化物(エポキシ化ポリブタジエン、植物由来不飽和炭化水素化合物のエポキシ化物)が挙げられる。
オキセタン基を有する化合物としては、公知のもの等が使用でき、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1、4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、オキセタニルシルセスキオキセタン及びフェノールノボラックオキセタン等が挙げられる。具体的な商品名としては東亜合成株式会社製「アロンオキセタンシリーズ」等を挙げることができる。
ビニルエーテル基を有する化合物としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の脂肪族ビニルエーテル、2−フェノキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル等の芳香族ビニルエーテル。さらにブタンジオール−1、4−ジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル等の2官能ビニルエーテルを挙げることが出来る。
スチレン誘導体としてはスチレンの他にα−メチルスチレン、p−メトキシスチレン及びp−tert−ブトキシスチレン等の誘導体が挙げられる。
脂肪族不飽和炭化水素化合物としては、イソブテン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン、インデン、テトラヒドロインデン等を挙げることができる。
カチオン重合性窒素含有モノマーとしては、エチレンイミン等の環状アミン、オキサゾリン、N−ビニルカルバゾール及びN−ビニルピロリドン等が挙げられる。
ビシクロオルトエステルとしては、1−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン及び1−エチル−4−ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ−[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
スピロオルトカーボネートとしては、1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン及び3、9−ジベンジル−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
特に中でもエポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基を有するものが好適であり、更にこれらの重合性反応基は上記した形態のモノマーとしての他に、シロキサンポリマー(オリゴマー)の末端及び側鎖に導入された形態のものを用いることもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の各成分の比率は、カチオン重合性化合物の性質やエネルギー線の種類と照射量、温度、硬化時間、湿度、塗膜の厚み等のさまざまな要因を考慮することによって決定され特に限定されないが、カチオン硬化性を有する化合物が(A)成分のみの場合、(A)成分100質量部に対して(B)成分を好ましくは0.01〜20質量部、特に好ましくは0.05〜10質量部含む。(B)成分の量が少なすぎると、開始剤成分の濃度が薄いため硬化不良が発生しやすくなり、また反応速度が低下する。多すぎると硬化後の硬化物中に含まれる架橋構造に関与しない開始剤断片の量が多くなりすぎて硬化物の物性に意図しない影響を与えてしまう場合がある。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物として更に前記(C)成分を含む場合、(A)成分と(C)成分との合計100質量部に対して(B)成分を好ましくは0.01〜20質量部、特に好ましくは0.05〜10質量部含む。この場合も(B)成分の量が少なすぎると、開始剤成分の濃度が薄いため硬化不良が発生しやすくなり、また反応速度が低下する。多すぎると硬化後の硬化物中に含まれる架橋構造に関与しない開始剤断片の量が多くなりすぎて硬化物の物性に意図しない影響を与えてしまう場合がある。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において、(C)成分を含む場合、(C)成分100質量部に対し(A)成分を0.01〜10質量部含むことが好ましく、特に0.05〜5質量部含むことがより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、硬化性を補完するものとして、必要により、増感剤を含有することもできる。このような増感剤としては、例えば特開平11−279212号及び特開平09−183960号等に開示された増感剤等が使用でき、具体的にはアントラセン{アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン等};ピレン;1,2−ベンズアントラセン;ペリレン;テトラセン;コロネン;チオキサントン{チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン及び2,4−ジエチルチオキサントン等};フェノチアジン{フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、N−フェニルフェノチアジン等};キサントン;ナフタレン{1−ナフトール、2−ナフトール、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、及び4−メトキシ−1−ナフトール等};ケトン{ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等};カルバゾール{N−フェニルカルバゾール、N−エチルカルバゾール、ポリ−N−ビニルカルバゾル及びN−グリシジルカルバゾール等};クリセン{1,4−ジメトキシクリセン及び1,4−ジ−α−メチルベンジルオキシクリセン等};フェナントレン{9−ヒドロキシフェナントレン、9−メトキシフェナントレン、9−ヒドロキシ−10−メトキシフェナントレン及び9−ヒドロキシ−10−エトキシフェナントレン等}等が挙げられる。増感剤を含有する場合、増感剤の含有量は、(B)成分100質量部に対して、1〜300質量部が好ましく、さらに好ましくは5〜200質量部である。
本発明の硬化性組成物には、そのほか必要に応じて、公知の添加剤(顔料、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、光安定剤、酸化防止剤、密着性付与剤、イオン補足剤、着色防止剤、溶剤、非反応性の樹脂及びオイル、オリゴマー等)を含有させることができる。
以上のような(B)成分、(C)成分、及びその他任意に配合可能な添加剤については、例えばテクノネット社編「光硬化技術データブック 材料編」(2000年、テクノネット社)、フォトポリマー懇話会編「フォトポリマーハンドブック」(1989年、工業調査会)、総合技術センター編「UV・EB硬化技術」(1982年、総合技術センター)、ラドテック研究会編「UV・EB硬化材料」(1992年、シーエムシー)、技術情報協会編「UV硬化における硬化不良・阻害原因とその対策」(2003年、技術情報協会)、色材、68、(5)、286−293(1995)、ファインケミカル、29、(19)、5−14(2000)、「ネットワークポリマー」Vol.30 No.5(2009)、「ネットワークポリマー」Vol.30 No.5(2009)、「ネットワークポリマー」Vol.31 No.4(2010)、技術情報協会編「UV硬化樹脂の配合設計、特性評価と新しい応用」(2017年、技術情報協会)、シーエムシー出版編「UV・EB硬化材料・製品の市場実態と展望」(2007年、シーエムシー出版)、サイエンス&テクノロジー編「UV硬化プロセスの最適化」(2008年、サイエンス&テクノロジー)等に公知のものが多く示されており、これらを任意の組み合わせで使用できる。
更に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、必要に応じて溶剤を含有してもよい。好ましい溶剤としては、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、及び酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルのエステル化物、等が挙げられる。溶剤の配合量は特に制限されないが、好ましくは上記(A)成分と(B)成分の合計100質量部((C)成分を含む場合、(A)、(B)、(C)成分の合計100質量部)に対して20〜900質量部、特には50〜400質量部であるのがよい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の調製方法は特に制限されるものでない。本発明の硬化性組成物は、従来公知の方法に従い、上記(A)成分と(B)成分、必要に応じて(C)成分、その他任意の添加剤及び溶剤を混合することにより得ることができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の一般的な使用形態としては、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物層が硬化後に密着又は接着するものであればいかなる基材上に塗布することもできるが、特に樹脂基材、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ナイロン、アクリル樹脂等の樹脂を挙げることができる。これらは、フィルム、板状、及び成形部材等任意の形態をとるものに対してその表面に使用できる。
またフィルム基材に塗工した場合、含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物層を塗布・形成したのと反対の面に粘着剤を塗布した構造をとっていてもよく、更に粘着剤を保護するための離型フィルムを配置してもよい。
また前記フィルム基材は、上記で挙げた樹脂フィルムのみからなる基材であってもよいが、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物との密着性を向上させるために、前記樹脂フィルムにプライマー層を設けたフィルム基材であってもよい。前記プライマー層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等からなるものが挙げられる。
また本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、硬化・未硬化の本発明に該当しない硬化性組成物層上に塗工硬化してもよい。例えば、硬度、耐久性、帯電防止性、カールなどの変形防止性がより高い硬化物層の上に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を重ね塗りすることができる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物との密着性を向上させる目的で、樹脂フィルム表面を、サンドブラスト法、溶剤処理法等による表面の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理、酸化処理等により処理を施すこともできる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を上記基材や物品に塗布する方法としては、特に制限はされないが、例えば、ロールコート、グラビアコート、フローコート、カーテンコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、バーコート、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の公知の塗工方法を用いることができる。
塗工後、塗膜に活性エネルギー線を照射してこれを硬化させる。ここで、活性エネルギー線としては、電子線、紫外線等任意のものを用いることができるが、特に紫外線が好ましい。紫外線源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、LEDランプが好適である。紫外線照射量としては、少なすぎると未硬化成分が残存し、多すぎると塗膜及び基材が劣化する可能性があるため、10〜10,000mJ/cm2、特に100〜4,000mJ/cm2の範囲にあることが望ましい。
また、水分による硬化阻害を防止するために、紫外線照射時に照射雰囲気を気体中の水分量が管理された空気、窒素、二酸化炭素、アルゴン等のガスで置換したり、塗膜表面を離型性を持つ紫外線透過性のある保護層で覆い、その上から紫外線を照射したり、基材が紫外線透過性を有する場合は塗膜表面を離型性のある保護層で覆った上で基材の塗工面とは反対側から紫外線を照射してもよい。また塗膜のレベリングあるいは塗膜中のカチオン重合性基の反応を効果的に行うため、紫外線照射前及び照射中に塗膜及び基材を赤外線や熱風乾燥炉等任意の手法で加熱してもよい。
このようにして得られる活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層の厚みとしては特に制限されないが、0.01〜5,000μm、特に0.05〜200μmであることが好ましい。
また、このようにして得られる本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層は、イオン交換水の2μLの液滴が接液から1秒後に液面と固体面とのなす角により測定した静的水接触角(単に水接触角ともいう)が100°以上、特に105°以上である表面となる。また、オレイン酸の4μLの液滴が接液から1秒後に液面と固体面とのなす角により測定した静的オレイン酸接触角(単にオレイン酸接触角ともいう)が60°以上、特に65°以上である撥水撥油性表面となり得ることが好ましい。なお、上記接触角とするためには、本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物層が、該硬化物層の全表面積に対して平均して厚さ10nm以上の層をなせる量であることが好ましい。また、硬化物層表面には未反応のカチオン重合性基が残存していないほど好ましく、このため水分の管理された雰囲気や加熱条件下での活性エネルギー線硬化処理、光重合開始剤(B)の配合量の調整、活性エネルギー線照射後の清浄な環境下での暗反応進行の為の保持等を任意に行うことができる。
以上のように、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、紫外線等の活性エネルギー線によって硬化可能であり、物品の表面に、撥水撥油性、防汚性、耐指紋性、すべり性、耐摩耗性に優れた硬化樹脂層を形成することができる。
更に、本発明では、上述した本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を表面に塗布し硬化させた硬化被膜を有する物品を提供する。上述したように、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いれば、基材(物品)の表面に優れた表面特性を有する硬化被膜(硬化樹脂層)を形成することが可能になる。特に、カチオン硬化型ハードコートの表面に撥水性、撥油性、防汚性を付与するのに有用である。これによって、指紋、皮脂、汗などの人脂、化粧品等による汚れ、機械油などが付着し難くなり、かつ拭き取り性にも優れたハードコート表面を基材に与えることができる。このため、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、人が触れて人脂、化粧品等により汚される可能性のある基材(物品)、また作業者の人脂や機械油などで汚染される可能性のある機械内部に用いられる工程材料フィルム等の表面に対する防汚塗装膜もしくは保護膜を提供することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いて形成される硬化被膜(硬化樹脂層)は、タブレット型コンピュータ、ノートPC、携帯電話・スマートフォン等の携帯(通信)情報端末、デジタルメディアプレイヤー、電子ブックリーダーなど各種機器の筐体、時計型・眼鏡型ウェアラブルコンピュータ;液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションプロジェクションディスプレイ、CRT、トナー系ディスプレイなどの各種フラットパネルディスプレイ及びTVの画面などの表示操作機器表面及びこれらの内部に使用される各種光学フィルム類、自動車の外装、ピアノや家具の光沢表面、大理石等の建築用石材表面、トイレ、風呂、洗面所等の水周りの装飾建材、美術品展示用保護ガラス、ショーウインドー、ショーケース、フォトフレーム用カバー、腕時計、自動車窓用ガラス、列車、航空機等の窓ガラス、自動車ヘッドライト、テールランプなどの透明なガラス製又は透明なプラスチック製(アクリル、ポリカーボネートなど)部材、各種ミラー部材等の塗装膜及び表面保護膜として有用である。
中でも特に、タッチパネルディスプレイなど人の指あるいは手のひらで画面上の操作を行う表示入力装置を有する各種機器、例えば、タブレット型コンピュータ、ノートPC、スマートフォン、携帯電話、その他携帯(通信)情報端末、スマートウォッチ、デジタルメディアプレイヤー、電子ブックリーダー、デジタルフォトフレーム、ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、GPS表示記録機器、自動車用等のナビゲーション装置、自動車用等の制御パネル、自動現金引出し預け入れ装置、現金自動支払機、自動販売機、デジタルサイネージ(電子看板)、セキュリティーシステム端末、POS端末、リモートコントローラなど各種コントローラ、車載装置用パネルスイッチなどの表示入力装置などの表面保護膜として有用である。
更に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物により形成される硬化被膜は、光磁気ディスク、光ディスク等の光記録媒体;メガネレンズ、プリズム、レンズシート、ペリクル膜、偏光板、光学フィルター、レンチキュラーレンズ、フレネルレンズ、反射防止膜、各種カメラ用レンズ、各種レンズ用保護フィルター、光ファイバーや光カプラーなどの光学部品・光デバイスの表面保護被膜としても有用である。
以上のような、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、目的とする物品の表面に本発明に係る含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物(A)のパーフルオロポリエーテル構造を配置させることにより、撥水性、撥油性、すべり性、防汚性、指紋の目立ちにくさ、指紋拭き取り性、耐摩耗性、低屈折率特性、耐溶剤性、耐薬品性等の優れた性質を与えることをその本質としている。
このような本発明の含フッ素活性エネルギー線硬化性組成物を使用する際は、配合物の組み合わせ、組成比、どのような特性を重視するかに応じて、適切な使用方法をそれぞれの用途に応じた公知の技術を元に選定すればよい。このような公知の技術は、フッ素を含む組成物に対するものだけでなく既存の活性エネルギー線硬化性組成物に用いられている手法を含めて検討の範囲に含めることができる。
例えば、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を配合調製する際に、本発明に係る含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物(A)に加えて、前記した本硬化性組成物における各種配合物を組み合わせる際に、低屈折率特性やこれを利用した低反射特性を重視する場合には、反応性中空シリカや反応性基を有しない中空シリカ、化合物(C)として各種多官能化合物を使用すること、また被膜強度や耐擦傷性を向上させる場合には、化合物(C)として各種多官能化合物を好適な量に配合すること、化合物(C)として硬化速度の遅いエポキシ基含有化合物を用いた場合に、オキセタン基含有化合物やビニルエーテル含有化合物を配合することにより硬化速度を向上させるなど、公知のカチオン硬化性組成物配合の知見から容易に類推できる手法である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[合成例1]
・化合物(A−1)の製造
乾燥窒素雰囲気下で、還流装置と攪拌装置を備えた100ml三口フラスコに下記式
Figure 2019203069
(式中Rf''は下記の基である。繰返し単位の数は分布を有し、5.2は平均値である。
Figure 2019203069

で表される含フッ素環状シロキサン30.0gと、m−キシレンヘキサフロライド30.0gを仕込み、攪拌しながら90℃まで加熱した。ここにアリルグリシジルエーテル8.0gと白金/1,3−ジビニル−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.010g(白金換算で2.49×10-8mol)の混合溶液を30分かけて滴下し、90℃で8時間攪拌した。この場合、上記含フッ素環状シロキサンが有するSiH基1個に対するアリルグリシジルエーテルが有する末端オレフィン基の個数の比は1.02である。1H−NMRで原料のSi−Hが消失したのを確認した後、活性炭処理を行った。その後溶剤や過剰のアリルグリシジルエーテルを減圧溜去し、下記式で表される化合物(A−1)34.2gを得た。
Figure 2019203069
[合成例2]
・化合物(A−2)の製造
乾燥窒素雰囲気下で、還流装置と攪拌装置を備えた2000ml三口フラスコに、下記式
CH2=CH−CH2−O−CH2−Rf’−CH2−O−CH2−CH=CH2
Rf’:−CF2(OCF2CF2p(OCF2qOCF2
(p/q=0.9、p+q≒45)
で表される両末端にα―不飽和結合を有するパーフルオロポリエーテル500gと、m−キシレンヘキサフロライド700g、及びテトラメチルシクロテトラシロキサン361gを投入し、攪拌しながら90℃まで加熱した。ここに白金/1,3−ジビニル−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.442g(Pt単体として1.1×10-6molを含有)を投入し、内温を90℃以上に維持したまま4時間攪拌を継続した。1H−NMRで原料のアリル基が消失したのを確認した後、溶剤や過剰のテトラメチルシクロテトラシロキサンを減圧溜去した。その後活性炭処理を行い、下記式で表す無色透明の液状化合物(P−1)498gを得た。
Figure 2019203069
Rf’:−CF2(OCF2CF2p(OCF2qOCF2
(p/q=0.9、p+q≒45)
上記化合物(P−1)60.0gと、アリルグリシジルエーテル10.0g、m−キシレンヘキサフロライド60.0gを混合し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加熱した。この場合、上記化合物(P−1)が有するSiH基1個に対するアリルグリシジルエーテルが有する末端オレフィン基の個数の比は1.15である。ここに白金/1,3−ジビニル−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.0221g(Pt単体として5.6×10-8molを含有)を投入し、内温を90〜120℃に維持したまま6時間攪拌を継続した。1H−NMRで原料のSi−Hが消失したのを確認した後、活性炭処理を行った。その後、溶剤や過剰のアリルグリシジルエーテルを減圧溜去し、半透明グリース状である下記式で表される化合物(A−2)66.2gを得た。
Figure 2019203069
Rf’:−CF2(OCF2CF2p(OCF2qOCF2
(p/q=0.9、p+q≒45)
[合成例3]
・化合物(A−3)の製造
上記化合物(P−1)60.0gと、3−ビニルシクロヘキセンオキシド10.9g、m−キシレンヘキサフロライド60.0gを混合し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加熱した。この場合、上記化合物(P−1)が有するSiH基1個に対する3−ビニルシクロヘキセンオキシドが有する末端オレフィン基の個数の比は1.14である。ここに白金/1,3−ジビニル−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.0221g(Pt単体として5.6×10-8molを含有)を投入し、内温を90〜120℃に維持したまま6時間攪拌を継続した。1H−NMRで原料のSi−Hが消失したのを確認した後、活性炭処理を行った。その後、溶剤や過剰の3−ビニルシクロヘキセンオキシドを減圧溜去し、半透明グリース状である下記式で示される化合物(A−3)66.1gを得た。
Figure 2019203069
Rf’:−CF2(OCF2CF2p(OCF2qOCF2
(p/q=0.9、p+q≒45)
[合成例4]
・化合物(A−4)の製造
乾燥窒素雰囲気下で、還流装置と攪拌装置を備えた2000ml三口フラスコに、下記式
CH2=CH−CH2−O−CH2−Rf'''−CH2−O−CH2−CH=CH2
Rf''':−CF2(OCF2CF2h’(OCF2i’OCF2
(h’=6.8、i’=5.7、h’及びi’はそれぞれの平均値)
で表される両末端にα―不飽和結合を有するパーフルオロポリエーテル500gと、m−キシレンヘキサフロライド700g、及びペンタメチルシクロペンタシロキサン865gを投入し、攪拌しながら90℃まで加熱した。ここに白金/1,3−ジビニル−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.442g(Pt単体として1.1×10-6molを含有)を投入し、内温を90℃以上に維持したまま4時間攪拌を継続した。1H−NMRで原料のアリル基が消失したのを確認した後、溶剤や過剰のペンタメチルシクロペンタシロキサンを減圧溜去した。その後活性炭処理を行い、下記式で表す無色透明の液状化合物(P−2)538gを得た。
Figure 2019203069
Rf''':−CF2(OCF2CF2h’(OCF2i’OCF2
(h’=6.8、i’=5.7、h’及びi’はそれぞれの平均値)
上記化合物(P−2)100.0gと、アリルグリシジルエーテル41.0g、m−キシレンヘキサフロライド100.0gを混合し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加熱した。この場合、上記化合物(P−2)が有するSiH基1個に対するアリルグリシジルエーテルが有する末端オレフィン基の個数の比は1.2である。ここに白金/1,3−ジビニル−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.0221g(Pt単体として5.6×10-8molを含有)を投入し、内温を90〜120℃に維持したまま6時間攪拌を継続した。1H−NMRで原料のSi−Hが消失したのを確認した後、活性炭処理を行った。その後、溶剤及び過剰のアリルグリシジルエーテルを減圧溜去し、無色透明液状である下記式で表される化合物(A−4)134gを得た。
Figure 2019203069

Rf''':−CF2(OCF2CF2h’(OCF2i’OCF2
(h’=6.8、i’=5.7、h’及びi’はそれぞれの平均値)
[実施例及び比較例]
(活性エネルギー線硬化性組成物の調製)
下記表1に記載の組成にて各成分を混合し、活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。
Figure 2019203069

B−1:光カチオン重合開始剤CPI−200K(リン系アニオン型トリアリールスルホニウム塩、溶媒希釈品、サンアプロ株式会社製)
B−2:光カチオン重合開始剤CPI−210S(リン系アニオン型トリアリールスルホニウム塩、粉体、サンアプロ株式会社製)
B−3:光・熱カチオン重合開始剤TA−100(スルホニウム塩、粉体、サンアプロ株式会社製)
C−1:液状エポキシ樹脂 エポトート ZX−1059(下記式のビスフェノールA、ビスフェノールFモノマー混合物、新日鉄住金化学株式会社)
Figure 2019203069

C−2:下記式の4官能エポキシ化合物
Figure 2019203069
D−1:メチルエチルケトン
D−2:酢酸ブチル
(硬化膜の形成)
配合例1〜14の各組成物をスピンコーターで厚さ約12μm(ウエット膜厚)となるように厚さ2mmのポリカーボネート板上に塗工し、熱風乾燥器で乾燥を実施した。乾燥後のドライ膜厚は約5μmとなった。その後コンベヤ式メタルハライドUV照射装置(パナソニック電工(株)製、80w/cm)を使用し、表2に示す条件で窒素雰囲気中で所定積算光量の紫外線を照射し、硬化させ硬化膜を得た。
また、配合例6〜8、12〜14の各組成物をスピンコーターで厚さ約12μm(ウエット膜厚)となるように厚さ2mmのポリカーボネート板上に塗工し、熱風乾燥器で乾燥を実施した。乾燥後のドライ膜厚は約5μmとなった。その後コンベヤ式メタルハライドUV照射装置(パナソニック電工(株)製、80w/cm)を使用し、表3に示す条件で空気中で所定積算光量の紫外線を照射し、硬化させ硬化膜を得た。
(評価方法)
[撥水撥油性の評価]
接触角計DropMaster(協和界面科学社製)を用いて、上記で得られた硬化膜表面の水に対する接触角(水接触角)及びオレイン酸に対する25℃における接触角を(オレイン酸接触角)測定した。測定はUV照射から30分後に実施した。
なお、水接触角は、イオン交換水の2μLの液滴が接液から1秒後に液面と硬化膜面とのなす角により測定した。また、オレイン酸接触角は、オレイン酸の4μLの液滴が接液から1秒後に液面と硬化膜面とのなす角により測定した。
[マジックインクはじき性]
硬化物表面に油性マジック(ゼブラ株式会社製、ハイマッキー太字)を塗り、インクのはじき性を、下記指標を用い、目視により評価した。測定はUV照射から45分後に実施した。
A:すばやくはじく。
B:はじく。
C:全くはじかない。
[指紋拭取り性]
5人のパネラーにより、額の皮脂を指で硬化物表面に転写し、ベンコット(旭化成社製)で拭取りした際の拭取り性を、下記評価基準により評価した。評価はUV照射から1時間〜2時間後の間で実施した。
A:指紋を容易に拭き取れる。
B:指紋を拭き取れる。
C:指紋を拭き取れない。
以上の評価結果を表2、3にそれぞれ示す。
Figure 2019203069
Figure 2019203069

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2019203069
    (式(1)中、Rfは互いに独立にフルオロポリエーテル構造を有する数平均分子量400〜40,000の一価又は二価の基であって、
    Rfが一価の基のとき、下記式
    Figure 2019203069
    (上記式中、jは1〜3の整数であり、kは0〜200の整数であり、k’は1〜200の整数であり、l、mはそれぞれ1〜100の整数である。)
    で表され、
    Rfが二価の基のとき、下記式
    Figure 2019203069
    (式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)、
    Figure 2019203069
    (式中、jは独立に1〜3の整数であり、h、iはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、h+iは2〜300である。各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)、
    Figure 2019203069
    (式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)、又は
    Figure 2019203069
    (式中、rは2〜6の整数であり、k、tはそれぞれ0〜200の整数であり、但し、k+tは2〜200である。sは0〜6の整数である。)
    で表される。
    Rfが一価の基のときにはa’は1であり、aは1〜6の整数である。Rfが二価の基のときにはa’は2であり、aは1であり、bは1〜20の整数であり、a+bは3〜21の整数である。
    1は、互いに独立に、少なくとも(a+b)個のSi原子を有する(a+b)価の基であり、下記式
    Figure 2019203069
    (式中、a及びbは前記の通りであり、破線は結合手を示し、a個の繰り返しを有する括弧内に示される単位の各ケイ素原子は前記式(1)中のRfと結合し、b個の繰り返しを有する括弧内に示される単位の各ケイ素原子は前記式(1)中のQ2と結合し、括弧内に示される単位の並びはランダムであってよい。)
    で表される。
    2は、互いに独立にエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよく、環状構造を有していてもよい炭素数1〜20の二価炭化水素基である。
    Xは、互いに独立に、下記式(I)又は(II)
    Figure 2019203069
    (式(I)中、R1は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよく、環状構造を有していてもよい。)
    Figure 2019203069
    (式(II)中、R2は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基である。)
    で表される基である。)
    で表される含フッ素エポキシ変性有機ケイ素化合物(A)と、
    光重合開始剤(B)とを含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、表面の水接触角が100°以上である硬化物を与えるものである活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. 前記式(1)において、−Q2−Xで表される構造が下記式(2)〜(5)で示される基から選ばれるものである請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
    Figure 2019203069
    (上記式中、fは1〜10の整数であり、eは0〜5の整数であり、gは0〜10の整数であり、f+2g+eは1〜20の範囲にあり、nは1〜20の整数である。R2は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜20の非置換または置換の一価炭化水素基である。)。
  3. 前記式(1)において、Q2が互いに独立に下記式で示される基より選ばれるものである請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
    −CH2CH2−、
    −CH2CH2CH2−、
    −CH2CH2CH2CH2−、
    −CH2CH2CH2CH2CH2−、
    −CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
    −CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
    −CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、
    −CH2CH2CH2OCH2−、
    −CH2CH2CH2OCH2CH2OCH2−、又は
    −CH2CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2
  4. 前記式(1)において、−Q2−Xで表される構造が下記式
    Figure 2019203069
    である請求項2又は3記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 光重合開始剤(B)が光酸発生剤である請求項1〜4のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  6. 光重合開始剤(B)がジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩のいずれかである請求項1〜5のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  7. カチオン硬化性を有する化合物が(A)成分のみの場合、(A)成分100質量部に対して(B)成分を0.01〜20質量部含むものである請求項1〜6のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  8. 更に、(A)成分以外の1種類以上のカチオン硬化性を有する化合物からなる(C)成分を含有し、(A)成分と(C)成分の合計100質量部に対して(B)成分を0.01〜20質量部含むものである請求項1〜6のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  9. (C)成分が1分子中に1つ以上のエポキシ基、ビニルエーテル基、オキセタン基、カルボニル基のいずれかを有する化合物、脂肪族不飽和炭化水素化合物、スチレン誘導体、ビシクロオルトエステル、スピロオルトカーボネート、スピロオルトエステル又はカチオン重合性窒素含有化合物である請求項8記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  10. (C)成分100質量部に対し、(A)成分が0.01〜10質量部含まれ、硬化後の硬化物表面の水接触角が100°以上である請求項8又は9記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
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