[第1実施例]
図1は、この発明の一実施例である画像形成装置100の全体構成の概略の一例を示す概略斜視図である。
図1を参照して、この発明の一実施例である画像形成装置100は、画像形成部12と画像読取部14との間に胴内排紙部16が形成される胴内排紙型の画像形成装置であって、画像読取部14の前面側に設けられる操作ユニット18を備える。後述するように、画像形成装置100は、画像読取部14で読み取った画像データ等に基づいて、所定の記録媒体に対して多色または単色の画像を形成し、画像形成された記録媒体を胴内排紙部16に排出する。なお、記録媒体としては、紙からなる用紙に限定されず、OHPフィルムなどの紙以外のシートも用いられる。この第1実施例では、画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。
なお、この発明では、ユーザの立ち位置に対向する面、つまり操作ユニット18が設けられる側の面を前面または正面として画像形成装置100およびその構成部材の前後方向または奥行方向を規定し、画像形成装置100およびその構成部材の左右方向(横方向)は、ユーザから画像形成装置100を見た状態を基準として規定する。
先ず、画像形成装置100の基本構成について説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成部12と、画像形成部12の上方に設けられる画像読取部14とを備える装置本体を含む。
画像形成部12の筐体は、右側上部に形成される第1連結筐体12aと奥側上部に形成される第2連結筐体12bとを含み、これら第1連結筐体12aおよび第2連結筐体12bによって画像読取部14が支持される。これにより、画像読取部14の下面側には、画像形成済みの用紙が収容される胴内空間である胴内排紙部16が形成される。
胴内排紙部16は、底面および天面が画像形成部12の筐体および画像読取部14の筐体24によって区画され、右側面および背面が第1連結筐体12aおよび第2連結筐体12bによって区画される。つまり、胴内排紙部16の前面側および左側面側は、開口している。また、胴内排紙部16には、排紙口から排出される画像形成済みの用紙を受ける排紙トレイ26が設けられる。
画像形成部12は、露光ユニット、現像器、感光体ドラム、帯電器、中間転写ベルト、転写ローラおよび定着ユニット等を備える。画像形成部12は、その下方に配置される給紙カセット20等から搬送される用紙に対して電子写真方式によって画像を形成する。すなわち、画像形成部12は、帯電器および露光ユニット等によって画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム上に形成し、現像器によって、感光体ドラム上の静電潜像をトナーにより顕像化する。また、感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルトおよび転写ローラ等によって用紙に転写し、用紙に転写されたトナー像を定着ユニットによって熱定着させる。その後、画像形成済みの用紙を第1連結筐体12aに形成される排紙口22から胴内排紙部16に排出する。なお、用紙上に画像を形成するための画像データは、画像読取部14で読み取った画像データまたは外部コンピュータから送信された画像データ等である。
なお、詳細な説明は省略するが、画像形成装置100は、カラーのプリント機能を備えており、画像形成部12は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について、4つの感光体ドラムと、4つの帯電装置と、4つの現像装置と、4つの中間転写ローラと、4つのクリーニング装置などを備える。また、色毎に、感光体ドラムと、帯電装置と、現像装置と、転写ローラと、クリーニング装置を含む画像形成ステーションが構成される。たとえば、画像形成装置100は、タンデム式の画像形成装置であって、画像形成部12において、色毎の画像形成ステーションが一列に並んで配置される。
画像読取部14は、透明材によって形成される原稿載置台を上面に有する筐体24を備える。この筐体24内には、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等が設けられる。画像読取部14は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)またはCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
また、画像読取部14の上面には、奥側に配置されるヒンジ等を介して、原稿押えカバー30が開閉自在に取り付けられる。この原稿押えカバー30には、原稿載置トレイ32に載置された原稿を画像読取部14の画像読取位置に対して1枚ずつ自動的に給紙するADF(自動原稿送り装置)34が設けられる。
また、画像読取部14の筐体24の前面24aは、画像形成部12の筐体前面よりも後方に位置しており、上端よりも下端が前方に突出する上向きの傾斜面となっている。さらに、この第1実施例では、画像読取部14の筐体24は、原稿押えカバー30の前面よりも前方に突出する筐体突出部24bを有する。つまり、筐体24の前端部(前面24a)は、原稿押えカバー30の前面よりも前方に突出している。そして、この画像読取部14の筐体24の前面側に、操作ユニット18が設けられる。
操作ユニット18は、横長の略矩形板状に形成され、筐体24の前面右側に配置される。この操作ユニット18の上面には、タッチパネルディスプレイ50およびホームキー52等が設けられる。ただし、操作ユニット18の大きさは、搭載されるタッチパネルディスプレイ50の大きさ等によって適宜変更可能であり、特に限定されない。また、操作ユニット18は、その上面をユーザが目視し易いように、前側下がりに少し傾斜して設けられる。また、画像読取部14の筐体24における操作ユニット18の支持部には、操作ユニット18の前側下がりの傾斜角を変更する変更機構が設けられていても良い。
タッチパネルディスプレイ50は、液晶表示パネルにアナログ抵抗膜などが積層されて構成されるタッチパネル一体型液晶表示装置であり、操作ユニット18の上面の周縁を除く領域に設けられる。この第1実施例では、タッチパネルディスプレイ50のタッチ位置の検出方式として静電容量方式が用いられる。ただし、赤外線遮断検出方式、表面弾性波方式および抵抗膜方式等の他の公知方式も適宜利用可能である。このタッチパネルディスプレイ50には、各種設定や印刷指示などをユーザから受け付けるためのソフトウェアキーおよびメッセージ等が表示される。一例として、タッチパネルディスプレイ50には、画像形成装置100が実行可能な各種の動作モードから所望の動作モードを選択するためのホーム画面が表示される。
ホームキー52は、静電容量の変化に基づいてユーザの操作を検出する静電容量式のハードウェアキーであって、タッチパネルディスプレイ50の右側の領域に設けられる。ホームキー52は、ホーム画面への移行指示を行うためのキーであり、ユーザによってホームキー52が押下されると、タッチパネルディスプレイ50にはホーム画面が表示される。
なお、ソフトウェアキーとは、画面上にソフトウェア的に再現されたキーのことを言う。これに対して、ハードウェアキーとは、物理的な装置として設けられたキー(ボタン)のことを言う。
また、筐体突出部24bの上面には、電源キー54が設けられる。たとえば、電源キー54は、機械的な接点状態の切替えに基づいてユーザの操作を検出する機械式のハードウェアキーであり、画像形成装置100の電源のオン・オフを行うための操作キーである。ただし、電源キー54は、タッチパネルディスプレイ50よりも奥側であってかつ操作ユニット18の横幅の範囲内に設けられる。より具体的には、電源キー54は、筐体突出部24bの上面の右側端部に設けられ、電源キーと操作ユニット18に設けられるハードウェアキーであるホームキー52とは、前後方向に並ぶように配置される。
このように、操作ユニット18および電源キー54を含む操作部は、いずれも筐体24の前面右側に配置される。すなわち、操作ユニット18および電源キー54が、筐体24の前面右側に集中して配置されるので、画像形成装置100を操作使用するユーザは、画像形成装置100の前面右側に立つと考えられる。
また、図示は省略するが、画像形成装置100の所定位置には、画像形成装置100の各部位の動作を制御する制御部が設けられる。制御部は、CPUおよびメモリ等を備え、ユーザによる操作ユニット18への入力操作などに応じて、画像形成装置100の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置100に種々の動作を実行させる。
また、画像読取部14の筐体24の前面24aには、画像形成装置100に近づく人(ユーザ)を検出するための検出部10が設けられる。検出部10についての詳細な説明は後述するが、この検出部10が検出する検出情報は、たとえば画像形成装置の省電力制御に用いられる。たとえば、省電力制御が実行されると、コピーやFAXなどの所定の処理を終えてから所定時間後に、所定の処理に関係する電源をオフする所謂省エネモードに移行し、この省エネモード中に検出部10が装置本体に近づく人を検出した場合に、所定の処理に関係する電源がオンされ、所定の処理を実行可能にする通常モードに復帰することで不要な電力消費を抑制する。ここで、省エネモードが実行されている場合に、単に画像形成装置の傍を通過する人やプリントアウトされた印刷物を取りに来ただけの人を検出して通常モードへの切替動作を行ってしまうと、不要な電力を消費してしまうことになる。このため、画像形成装置の設置環境に応じて適切な検出領域を設定することが望まれる。そこで、本実施例では、画像形成装置の設置環境に応じて適切な検出領域を設定できるようにしてある。
以下、図面を参照して本実施例の検出部10の構造について説明する。図2は検出センサ70の取付構造を示す概略断面図である。図3(A)は検出部10の構造を示す概略斜視図である。図3(B)は検出部10の構造を示す概略断面図である。図4は検出部10の構造を示す概略正面図である。図5は検出センサ70の軸方向から見たときにおける検出センサ70と複数の窓82の各々との関係を示す概略図である。
図2、図3(A)、図3(B)および図4に示すように、検出部10は、保持部材60、検出センサ70およびシャッタ部材(遮蔽部材)80を含む。
保持部材60は、全体として略板状の本体部を有し、赤外線を遮断することが可能な材料によって形成される。また、保持部材60は、本体部の左右の端部に設けられた締結用の貫通孔60aに通されるボルト90およびボルト90に螺合されるナット(図示せず)によって画像読取部14の筐体24の前面24aの内部に取り付けられる。さらに、筐体24の前面24aには、光透過性カバーが着脱可能に設けられる開口部24cが形成されており、開口部24cは、保持部材60に対応する位置(保持部材60の前方)に配置される。
また、図面からは分かり難いが、保持部材60の背面側には、検出センサ70を支持する基板がねじ等によって取り付けられている。すなわち、検出センサ70は、基板および保持部材60を介して筐体24に支持される。
さらに、保持部材60は、窓(開口部)602、フランジ部604、複数の凹部606、複数の突起(ボス)608およびガイドリブ610を有する。
窓602は、略矩形状の開口端によって形成され、保持部材60の上下左右方向の略中央に設けられる。また、詳細は後述するが、窓602は、検出センサ70単体での検出領域、すなわち障害物等が無い場合における検出センサ70の最大検出可能領域(以下、「検出可能領域」という。)の下側の一部および左右の両端部を遮蔽するように設けられる。
フランジ部604は、保持部材60の本体部の上端部から前方に延び、かつ、先端部が下方に折り曲げられており、左右から見た場合に、断面略L字状に形成される。このため、保持部材60の上端部には、保持部材60の本体表面およびフランジ部604によって、下方に向けて開かれた断面U字状(コの字状)の溝が形成される。
複数の凹部606は、保持部材60の本体の前面に設けられた略半球状の凹部(丸型凹部)である。複数の凹部606は、上下方向においてフランジ部604と窓602との間に設けられ、所定の間隔を隔てて左右方向に並ぶ。この実施例では、3つの凹部606が保持部材60に設けられる。詳しくは、左から順に配置される凹部606a〜606cが保持部材60に設けられる。以下、凹部606a〜606cを特に区別しない場合には単に「凹部606」と言うことがある。
複数の突起608は、保持部材60の本体部の前面から前方に突出する略円柱状または略円筒状の突起である。複数の突起608は、窓602の下方に設けられ、所定の間隔を隔てて左右方向に並ぶ。また、複数の突起608の前面には、締結用のねじ孔が形成される。この実施例では、2つの突起608が設けられる。
ガイドリブ610は、保持部材60の本体の前面に設けられ、左右方向に延びる断面略矩形状のリブである。このガイドリブ610は、上下方向において窓602と突起608との間に設けられる。
検出センサ70は、赤外線を発する物体を検出できる焦電センサ(焦電型赤外線センサ)であり、画像形成装置100の前方に設定された所定の検出領域内において、周囲温度と温度差のあるものを検出したときの温度変化量によって人の有無を検出する。すなわち、検出センサ70は、所定の検出領域における人の在否を検出するためのセンサである。
検出センサ70は、所定の検出領域内に赤外線を発する物体がないか温度変化をモニターし、その情報(データ)をCPUに出力する。
検出センサ70は、所定の検出領域内で温度変化が有ることを示すデータまたは所定の検出領域内で温度変化が無いことを示すデータをCPUに出力する。詳細な説明は省略するが、CPUは、検出センサ70から出力されたデータに応じて、所定の検出領域内で温度変化が有ると判断した場合に、所定の検出領域に人が存在すると判断し、所定の検出領域内で温度変化が無い状態が継続したと判断した場合に、所定の検出領域に人が存在しないと判断する。
また、検出センサ70の検出可能領域は、検出面の中心位置(以下、単に「検出センサ70の中心位置」ということがある)から当該検出面に垂直に延びる中心軸(検出可能領域の中心軸)70a(図6参照)に対して所定角度(検知角)の範囲内となる。すなわち、検出センサ70の検出可能領域は、中心軸70aを中心とした略円錐状の領域である。ただし、検出センサ70は、その検出面が前方かつ斜め上方に向くように配置される。したがって、中心軸70aは、水平方向から見たときに、斜め上方に傾いており、検出センサ70の検出可能領域は、斜め上方に傾いた略円錐状の領域である。たとえば、検出センサ70は、画像読取部14の筐体24の前面24aの傾斜に沿うように設けられ、検出センサ70の中心軸70aが前面24aに対して略垂直になるように設けられる。
また、図2および図5に示すように、検出センサ70は、保持部材60の窓602に対応する位置に配置され、検出センサ70の軸方向から見たときに、少なくとも検出センサ70の検出面の一部が窓602から露出する。この実施例では、検出センサ70の検出面の上側の一部が窓602から露出し、検出センサ70の検出面の下側の一部が保持部材60によって覆われる。ただし、検出センサ70および窓602の位置関係は、検出センサ70の検出面の中心位置が窓602の範囲内に位置するように設定される。
図3(A)、図3(B)および図4に示すように、シャッタ部材80は、全体として略板状をなす本体部を有し、赤外線を遮断することが可能な材料によって形成される。また、シャッタ部材80は、複数の窓(開口部)82、ガイド孔802、フランジ部804、ガイドリブ806および突起808を有する。
複数の窓82のそれぞれは、略矩形状の開口端によって形成され、所定の間隔を隔てて左右方向に並ぶ。ただし、詳細は後述するが、複数の窓82のそれぞれは、上下方向において検出センサ70に対応する位置に設けられる。また、複数の窓82のそれぞれは、互いに大きさが異なる。
具体的には、複数の窓82のそれぞれの左右の側縁部の間の距離は、他の窓82の左右の側縁部の間の距離と異なる。すなわち、複数の窓82のそれぞれの左右方向の幅(横幅)は、他の窓82の左右方向の幅と異なる。また、複数の窓82のそれぞれの下縁部の上下方向の位置(窓82の下端の位置)は、他の窓82の下縁部の上下方向の位置と異なる。
この実施例では、3つの窓82がシャッタ部材80に設けられる。詳しくは、左から順に配置される窓82a〜82cがシャッタ部材80に設けられる。以下、窓82a〜82cを特に区別しない場合には単に「窓82」と言うことがある。
ガイド孔802は、左右方向に延びる長孔(スロット孔)である。このガイド孔802には、上述した複数の突起608が嵌合される。ただし、ガイド孔802の上下方向の大きさ(幅)は、複数の突起608の外径よりも僅かに大きく設定される。したがって、ガイド孔802は、複数の突起608に対して摺動可能である。
フランジ部804は、シャッタ部材80の本体部の上端部から上方に延び、保持部材60の本体表面およびフランジ部604によって形成される下向きの溝に左右方向に摺動可能に嵌合される。
すなわち、上述したガイド孔802および複数の突起608と、フランジ部804と保持部材60の溝とによって、シャッタ部材80は、保持部材60および検出センサ70に対し左右方向にスライド(相対移動)可能である。ただし、図3(A)および図4に示すように、座金付きのねじ92等、その一部がガイド孔802の端部に当接するような締結部材が突起608のねじ孔にねじ止めされると、シャッタ部材80の前後方向の移動、特に前面側への移動(浮き)が規制される。なお、ねじ92がねじ止めされた状態でも、シャッタ部材80は、スライド可能である。
ガイドリブ806は、保持部材60の本体の背面から背面側に延びるリブであり、ガイドリブ610の上面に摺動可能に当接する。このガイドリブ806がガイドリブ610上面を摺動することによって、シャッタ部材80が左右方向にスライドされる。すなわち、ガイドリブ806は、シャッタ部材80をスムーズに移動させるためのガイドとして機能する。
突起808は、保持部材60の本体部の背面から背面側に突出する突起である。ただし、突起808は、上下方向において保持部材60の凹部606に対応する位置に配置される。また、突起808の先端部(背面側の端部)は、凹部606に対応する形状、この実施例では、略半球状に形成される。さらに、突起808は、保持部材60の本体部に設けられる弾性支持部808aを介して保持部材60の本体部に支持される。
弾性支持部808aは、背面側に突起808が形成され、左右方向に延びる板状の支持板808bと、支持板808bの左右の両端部を支持するとともに、保持部材60の本体部に連結される係止部808cとを含む。ただし、支持板808bの上下には、スリット(隙間)が形成されており、支持板808bは、左右の両端部だけで支持される。したがって、支持板808bは、その左右の両端部(係止部808c)を支点に前後方向に弾性変形することができ、突起808を所定の圧力で背面側に向かって付勢する。すなわち、突起808は、弾性支持部808aによって、保持部材60に当接するように付勢される。
したがって、突起808と凹部606とが対応する位置にシャッタ部材80が移動されると、突起808が凹部606に嵌まった状態となり、シャッタ部材80を移動させる際の抵抗となる。すなわち、当該位置においてシャッタ部材80が保持された状態となる。ただし、突起808と凹部606とはそれぞれ略半球状に形成されているので、シャッタ部材80に所定の力がかかった場合には、突起808が凹部606から外れ、小さい力でもシャッタ部材80を移動させることができるようになる。
この実施例では、シャッタ部材80は、突起808と左側の凹部606aとが対応する位置(以下、「第1位置」という。)、突起808と中央の凹部606bとが対応する位置(以下、「第2位置」という。)、および突起808と右側の凹部606cとが対応する位置(以下、「第3位置」という。)とで保持可能である。
シャッタ部材80が第1位置に位置する場合には、窓82aが検出センサ70の前方に位置し、シャッタ部材80が第2位置に位置する場合には、窓82bが検出センサ70の前方に位置し、シャッタ部材80が第3位置に位置する場合には、窓82cが検出センサ70の前方に位置する。このように、凹部606a〜606cおよび突起808は、窓82a〜82cのいずれかと、検出センサ70とが対応する第1位置〜第3位置でシャッタ部材80を保持する保持部として機能する。なお、この実施例では、シャッタ部材80は、第1位置〜第3位置のいずれかの位置で保持されているものとする。
図5には、検出センサ70の中心位置を基準として、シャッタ部材80が第1位置に位置する場合の窓82aと、シャッタ部材80が第2位置に位置する場合の窓82bと、シャッタ部材80が第3位置に位置する場合の窓82cとを重ねて示している。この図5から分かるように、シャッタ部材80が第1位置〜第3位置に位置する場合には、検出センサ70の軸方向から見たときに、検出センサ70の検出面のうち窓602から露出する部分の一部が、シャッタ部材80によって覆われる。ただし、シャッタ部材80が第1位置に位置する場合には、検出センサ70の検出面の一部が窓82aから露出し、シャッタ部材80が第2位置に位置する場合には、検出センサ70の検出面の一部が窓82bから露出し、シャッタ部材80が第3位置に位置する場合には、検出センサ70の検出面の一部が窓82cから露出する。そして、窓82a〜窓82cのいずれかによって、画像形成装置100の前方に設定される検出センサ70の検出領域が規定される。すなわち、窓82a〜窓82cは、検出領域を規定する領域規定部として機能する。
図6は検出センサ70による前後方向(または上下方向)の検出領域がシャッタ部材80の位置に応じて変わることを示した概略側面図である。図7は検出センサ70による左右方向および前後方向の検出領域がシャッタ部材80の位置に応じて変わることを示した概略平面図である。なお、図7に示す検出領域は、図6に示す所定の高さ(人の頭部付近、たとえば床面から1700mm)における検出領域を平面的に示したものである。
この実施例では、図6および図7に示すように、シャッタ部材80が第1位置に位置する場合に窓82aによって規定される検出領域(以下、「第1検出領域」という。)はSaとなり、シャッタ部材80が第2位置に位置する場合に窓82bによって規定される検出領域(以下、「第2検出領域」という。)はSbとなり、シャッタ部材80が第3位置に位置する場合に窓82cによって規定される検出領域(以下、「第3検出領域」という。)はScとなる。なお、図6および図7では、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scのそれぞれは、互いに独立した領域のようにも見えるが、第2検出領域Sbには、第1検出領域Saが含まれ、第3検出領域Scには、第2検出領域Sbおよびこれに含まれる第1検出領域Saが含まれる。すなわち、第2検出領域Sbは、第1検出領域Saとの重複部分を含み、第3検出領域Scは、第1検出領域Saとの重複部分および第2検出領域Sbとの重複部分を含む。
ここで、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scのそれぞれの右端位置(右側限界)Rは、窓82a〜窓82cのそれぞれの右側縁部によって規定される。また、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scのそれぞれの上端(後端)位置(背面側限界)Zは、窓82a〜窓82cによっては規定されず、検出センサ70の検出可能領域の上端位置と同じである。
さらに、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scのそれぞれの左端位置(左側限界)La〜Lcは、窓82a〜窓82cのそれぞれの左側縁部820a〜820c(図5参照)によって規定される。具体的には、第1検出領域Saの左側限界Laは、窓82aの左側縁部820aによって規定され、第2検出領域Sbの左側限界Lbは、窓82bの左側縁部820bによって規定され、第3検出領域Scの左側限界Lcは、窓82cの左側縁部820cによって規定される。
さらにまた、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scのそれぞれの下端位置または前端位置、すなわち前面側限界Da〜Dcは、窓82a〜窓82cのそれぞれの下縁部822a〜822cよって規定される。なお、前面側限界Da〜Dcは、検出距離Da〜Dcと言うこともできる。具体的には、第1検出領域Saの前面側限界Daは、窓82aの下縁部822aによって規定され、第2検出領域Sbの前面側限界Dbは、窓82bの下縁部822bによって規定され、第3検出領域Scの前面側限界Dcは、窓82cの下縁部822cによって規定される。
この実施例では、図5に示すように、検出センサ70の中心位置に対する、シャッタ部材80が第1位置に位置する場合の窓82aの右上端部の位置、シャッタ部材80が第2位置に位置する場合の窓82bの右上端部の位置、およびシャッタ部材80が第3位置に位置する場合の窓82cの右上端部の位置は、それぞれ同じである。すなわち、検出センサ70の中心位置に対する、窓82a〜82cのそれぞれの右側縁部の位置は同じである。
したがって、図6および図7に示すように、シャッタ部材80が第1位置〜第3位置のいずれに位置する場合であっても、規定される検出領域の背面側限界Zおよび右側限界Rは同じである。つまり、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scの背面側限界Zおよび右側限界Rは、シャッタ部材80が第1位置〜第3位置のいずれに位置する場合でも変わらない。
一方、図5に示すように、シャッタ部材80が第1位置に位置する場合の検出センサ70の中心位置に対する窓82aの左下端部(左側縁部820aおよび下縁部822a)の位置、シャッタ部材80が第2位置に位置する場合の検出センサ70の中心位置に対する窓82bの左下端部(左側縁部820bおよび下縁部822b)の位置、およびシャッタ部材80が第3位置に位置する場合の検出センサ70の中心位置に対する窓82cの左下端部(左側縁部820cおよび下縁部822c)の位置は、互いに異なる。
具体的には、窓82aの左側縁部820aは、窓82bの左側縁部820bおよび窓82cの左側縁部820cよりも右方に位置する。また、窓82bの左側縁部820bは、窓82cの左側縁部820cよりも右方に位置する。すなわち、窓82aの左右方向の幅は、窓82bの左右方向の幅および窓82cの左右方向の幅よりも小さく、窓82bの左右方向の幅は、窓82cの左右方向の幅よりも小さい。
したがって、図6および図7に示すように、第1検出領域Saの左側限界Laは、第2検出領域Sbの左側限界Lbおよび第3検出領域Scの左側限界Lcよりも右方に位置する。また、第2検出領域Sbの左側限界Lbは、第3検出領域Scの左側限界Lcよりも右方に位置する。上述したように、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scの右側限界Rは同じであるので、第1検出領域Saは、第2検出領域Sbおよび第3検出領域Scよりも検出角が小さく、第2検出領域Sbは、第3検出領域Scよりも検出角が小さい。
また、図5に示すように、窓82aの下縁部822aは、窓82bの下縁部822bおよび窓82cの下縁部822cよりも上方に位置する。また、窓82bの下縁部822bは、窓82cの下縁部822cよりも上方に位置する。すなわち、窓82aの上下方向の幅は、窓82bの上下方向の幅および窓82cの上下方向の幅よりも小さく、窓82bの上下方向の幅は、窓82cの上下方向の幅よりも小さい。
したがって、図6および図7に示すように、第1検出領域Saの前面側限界Daは、第2検出領域Sbの前面側限界Dbおよび第3検出領域Scの前面側限界Dcよりも後方に位置する。さらにまた、第2検出領域Sbの前面側限界Dbは、第3検出領域Scの前面側限界Dcよりも後方に位置する。上述したように、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scの背面側限界Zは同じであるので、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scのうち、第1検出領域Saは、第2検出領域Sbおよび第3検出領域Scよりも前後方向の幅が狭く、第2検出領域Sbは、第3検出領域Scよりも前後方向の幅が狭い。
以上のように、第1検出領域Saは、第2検出領域Sbおよび第3検出領域Scよりも狭く、第2検出領域Sbは第3検出領域Scよりも狭い。
この実施例では、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scのそれぞれは、少なくとも操作ユニット18の前方右側の領域を含む。このため、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scのいずれが設定されていても、操作ユニット18を操作する人、すなわち操作ユニット18に向かう人を検出することができる。
また、第1検出領域Saおよび第2検出領域Sbは、画像形成装置100の前方左側の領域を含まない。このため、第1検出領域Saまたは第2検出領域Sbが設定されている場合には、排紙トレイ26に排出された用紙を取りに排紙トレイ26に向かって近付く人を検出しないようにすることができる。例えば左側から排紙トレイ26に近付く人を検出しなくすることができる。
さらに、第1検出領域Saは、前後方向の幅が狭いので、画像形成装置100の前を通過するだけの人を検出しないようにすることができる。一方、第3検出領域Scは、広範囲の検出領域を確保することができる。
この第1実施例では、シャッタ部材80の位置を移動させることによって、検出センサ70による前後方向の検出領域および左右方向の検出領域を調整することができる。このため、画像形成装置100の設置環境に応じて最適な検出領域を簡単に設定することができ、検出センサ70の検出精度の向上を図るとともに、誤検出を防止することができる。
なお、この第1実施例では、操作ユニット18および電源キー54が筐体24の前面右側に配置されるようにしたが、操作ユニット18および電源キー54は、前面左側に配置されても良い。この場合、画像形成装置100を操作使用するユーザは、画像形成装置100の前面左側に立つと考えられる。したがって、検出センサ70の中心位置に対する、窓82a〜82cのそれぞれの左側縁部の位置を同じにして、第1検出領域Sa〜第3検出領域Scのそれぞれが少なくとも操作ユニット18の前方左側の領域を含むようにすれば良い。
また、第1実施例では、シャッタ部材80が検出センサ70に対し左右方向にスライドするようにしたが、シャッタ部材80が検出センサ70に対し上下方向にスライドするようにしても良い。この場合、複数の窓82は、所定の間隔を隔ててシャッタ部材80がスライドする方向、すなわち上下方向に並ぶ。
[第2実施例]
第2実施例の画像形成装置100は、シャッタ部材80の構成を一部変更した以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。
図8は第2実施例のシャッタ部材80の構造を示す概略正面図である。図8に示すように、第2実施例では、シャッタ部材80は、複数の窓82に代えて、領域規定部として機能する窓84を有する。
窓84は、上下方向に短く、左右方向に長い略矩形状の開口端によって形成される。ただし、窓84は、上下方向において検出センサ70に対応する位置に設けられる。
窓84は、複数の下縁部842と、複数の側縁部844とを含む。複数の下縁部842のそれぞれは、水平方向に延び、左右方向および上下方向のそれぞれにおいて互いに異なる位置に形成される。この実施例では、左側から順に、下縁部842a、下縁部842bおよび下縁部842cが設けられる。ただし、下縁部842aは、下縁部842bおよび下縁部842cよりも上方に位置する。また、下縁部842bは、下縁部842cよりも上方に位置する。
複数の側縁部844のそれぞれは、上下方向に延び、左右方向の位置が互いに異なる。この実施例では、左側から順に側縁部844aおよび側縁部844bが設けられる。また、側縁部844aは、下縁部842aおよび下縁部842bを接続するように、これらの間に設けられ、側縁部844bは、下縁部842bおよび下縁部842cを接続するように、これらの間に設けられる。ただし、側縁部844aおよび側縁部844bは、略垂直に形成される。
また、図示は省略するが、この実施例では、保持部材60には、5つの凹部606が設けられる。したがって、シャッタ部材80は、各凹部606と突起808とが対応する第1位置〜第5位置で保持可能である。ただし、第1位置〜第5位置のそれぞれは、少なくとも下縁部842a〜842cのうちの少なくとも1つに対応する位置であって、検出センサ70の検出面の一部が窓84から露出する所定の位置である。すなわち、5つの凹部606および突起808は、下縁部842a〜842cのうちの少なくとも1つと、検出センサ70とが対応する所定の位置でシャッタ部材80を保持する保持部として機能する。
図9(A)は第1位置における検出センサ70と窓84との位置関係を示す概略正面図である。図9(B)は第2位置における検出センサ70と窓84との位置関係を示す概略正面図である。図9(C)は第3位置における検出センサ70と窓84との位置関係を示す概略正面図である。図9(D)は第4位置における検出センサ70と窓84との位置関係を示す概略正面図である。図9(E)は第5位置における検出センサ70と窓84との位置関係を示す概略正面図である。図10は第2実施例の検出センサ70の検出領域を示す概略平面図である。
なお、図9(B)〜図9(D)からわかるように、この実施例では、窓602の左右方向の幅は、検出センサ70の左右方向の幅よりも大きく設定されており、窓602は、検出センサ70の検出可能領域の左右方向は遮蔽せず、検出センサ70の検出可能領域の下側の一部のみを遮蔽するように設けられる。
図9(A)に示すように、シャッタ部材80が第1位置に位置する場合には、下縁部842aおよび窓84の左側縁部840が検出センサ70の前方に位置する。ただし、シャッタ部材80が第1位置に位置する場合には、検出センサ70の中心は、左右方向においては左側縁部840と略同じ位置に位置し、上下方向においては下縁部842aよりも下側に位置する。
図9(B)に示すように、シャッタ部材80が第2位置に位置する場合には、下縁部842a、側縁部844aおよび下縁部842bが検出センサ70の前方に位置する。ただし、シャッタ部材80が第2位置に位置する場合には、検出センサ70の中心は、左右方向においては下縁部842aの範囲内に位置し、上下方向においては下縁部842aよりも下側に位置する。
図9(C)に示すように、シャッタ部材80が第3位置に位置する場合には、側縁部844aおよび下縁部842bが検出センサ70の前方に位置する。ただし、シャッタ部材80が第3位置に位置する場合には、検出センサ70の中心は、左右方向においては下縁部842bの範囲内(左右方向の略中央)に位置し、上下方向においては下縁部842bと略同じ位置(高さ)に位置する。
図9(D)に示すように、シャッタ部材80が第4位置に位置する場合には、下縁部842b、側縁部844bおよび下縁部842cが検出センサ70の前方に位置する。ただし、シャッタ部材80が第4位置に位置する場合には、検出センサ70の中心は、左右方向においては下縁部842bの右端または側縁部844bと略同じ位置に位置し、上下方向においては側縁部844bの上端または下縁部842bと略同じ位置に位置する。すなわち、検出センサ70の中心は、下縁部842bおよび側縁部844bが交差する角部に位置する。
図9(E)に示すように、シャッタ部材80が第5位置に位置する場合には、下縁部842cが検出センサ70の前方に位置する。ただし、シャッタ部材80が第5位置に位置する場合には、検出センサ70の中心は、左右方向においては下縁部842cの範囲内(左右方向の略中央)に位置し、上下方向においては下縁部842cよりも僅かに上側に位置する。
この実施例では、シャッタ部材80が第1位置〜第5位置のそれぞれに位置する場合の窓84によって規定される5種類の検出領域(第1検出領域〜第5検出領域)が設定される。
詳しくは、図10に示すように、シャッタ部材80が第1位置に位置する場合には、領域Taを含む第1検出領域が設定される。ただし、領域Taの左側限界Laは、窓84の左側縁部840によって規定され、領域Taの前面側限界Dは、下縁部842aによって規定される。
ただし、第1検出領域における領域Taの背面側限界Zは、検出センサ70の検出可能領域の上端位置と同じであり、領域Taの右側限界Rは、検出センサ70の検出可能領域の右端位置と同じである。これらのことは、第2検出領域〜第5検出領域でも同じである。
シャッタ部材80が第2位置に位置する場合には、領域Ta、領域Tbおよび領域Tcを含む第2検出領域が設定される。ただし、領域Tbは、領域Taの左側に連続して設けられる領域である。領域Tbの前面側限界Dは、下縁部842aによって規定される。領域Tcは、領域Taの前面側に連続して設けられる領域である。領域Tcの左側限界Lは、側縁部844aによって規定され、領域Tcの前面側限界Dは、下縁部842bによって規定される。
シャッタ部材80が第3位置に位置する場合には、領域Ta、領域Tb、領域Tcおよび領域Tdを含む第3検出領域が設定される。ただし、領域Tdは、領域Taおよび領域Tbの前面側に連続して設けられ、かつ、領域Tcの左側に連続して設けられる領域である。領域Tdの左側限界Lは、側縁部844aによって規定され、領域Tdの前面側限界Dは、下縁部842bによって規定される。
シャッタ部材80が第4位置に位置する場合には、領域Ta、領域Tb、領域Tc、領域Td、領域Teおよび領域Tfを含む第4検出領域が設定される。ただし、領域Teは、領域Tbの前面側に連続して設けられ、かつ、領域Tdの左側に連続して設けられる領域である。領域Teの前面側限界Dは、下縁部842bによって規定される。領域Tfは、領域Tcおよび領域Tdの前面側に連続して設けられる領域である。領域Tfの左側限界Lは、側縁部844bによって規定され、領域Tfの前面側限界Dは、下縁部842cによって規定される。
シャッタ部材80が第5位置に位置する場合には、領域Ta、領域Tb、領域Tc、領域Td、領域Te、領域Tfおよび領域Tgを含む第4検出領域が設定される。ただし、領域Tgは、領域Tdおよび領域Teの前面側に連続して設けられ、かつ、領域Tfの左側に連続して設けられる領域である。領域Tgの前面側限界Dは、下縁部842cによって規定される。
この第2実施例によれば、第1実施例と同様に、シャッタ部材80の位置を移動させることによって、検出センサ70による前後方向の検出領域および左右方向の検出領域を調整することができる。
また、第2実施例によれば、検出センサ70の検出領域の前端部における左右方向の幅を調整することができるので、画像形成装置100の周囲の人の動線を含まないようにするなど、最適な検出領域を設定することができる。
以上のように、第2実施例によれば、簡単な構成で、左右方向の検出領域を検出センサ70の中心を軸に非対称となる複雑な領域に変更することができる。また、前後方向の検出領域も同様に検出センサ70の中心を軸に非対称な複雑な領域に変更することができる。これによって、画像形成装置100を操作するために近付いてくる人を効果的に検出する検出領域を画像形成装置100の設置環境に応じて簡単に設定することができる。
なお、この第2実施例では、側縁部844aおよび側縁部844bが略垂直に形成されるようにしたが、これに限定される必要は無い。たとえば、図11に示すように、側縁部844aおよび側縁部844bが傾斜する(斜めに形成される)ようにしてもよい。このようにすれば、側縁部844aまたは側縁部844bによって検出センサ70の検出領域が規定される場合に、検出センサ70の検出領域が鉛直方向に対して角度をもって形成されるため、操作ユニット18に向かう人と、排紙トレイ26に排出された用紙を取りにきただけの人とを区別することができる。
また、第2実施例では、シャッタ部材80の位置を第1位置から第5位置までとしたが、これより細かく位置決めを行ってもよい。
[第3実施例]
第3実施例の画像形成装置100は、保持部材60の構成を一部変更した以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。
図12は第3実施例の保持部材60の構造を示す概略正面図である。図12に示すように、第3実施例では、窓602は、検出センサ70の検出可能領域の左端部を遮蔽する遮蔽部602aを有する。このため、第3実施例では、シャッタ部材80の位置に関係なく、検出センサ70の最大検出領域Uの左側限界Lwは、遮蔽部602aの右縁部602bによって規定される。したがって、検出センサ70の最大検出領域Uは、検出センサ70の検出可能領域のうち、装置本体の前方左側の領域を除くように形成される。すなわち、検出センサ70の最大検出領域Uは、少なくとも操作ユニット18の前方の領域を含み、排紙トレイ26に排出された用紙を取りにきただけの人の動線を含まない。
そして、この第3実施例では、検出センサ70の最大検出領域Uの領域内において、シャッタ部材80の窓によって規定される検出領域が設定される。
この第3実施例によれば、少なくとも操作ユニット18の前方の領域を含み、排紙トレイ26に排出された用紙を取りにきただけの人の動線を含まない最大検出領域Uの領域内において検出領域が設定されるので、操作ユニット18に向かう人と、排紙トレイ26に排出された用紙を取りにきただけの人とを区別することができる。
なお、上記の各実施例では、画像形成装置100が複合機として構成されているが、本発明の画像形成装置は、プリンタ、複写機またはファクシミリとして構成されてもよい。
また、上記の各実施例では、画像形成装置100がカラー複合機として構成されているが、本発明の画像形成装置は、モノクロ印刷機またはモノクロ複合機として構成されてもよい。この場合、画像形成部12では、K(ブラック)についての画像形成ステーションが構成される。
さらに、上述の実施例で挙げた具体的な形状等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。